(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024009827
(43)【公開日】2024-01-23
(54)【発明の名称】リラキシン類似体およびその使用方法
(51)【国際特許分類】
C07K 19/00 20060101AFI20240116BHJP
C07K 14/575 20060101ALI20240116BHJP
C07K 16/18 20060101ALI20240116BHJP
A61K 38/22 20060101ALI20240116BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20240116BHJP
A61P 9/00 20060101ALI20240116BHJP
A61P 11/00 20060101ALI20240116BHJP
A61P 13/12 20060101ALI20240116BHJP
【FI】
C07K19/00 ZNA
C07K14/575
C07K16/18
A61K38/22
A61P43/00 111
A61P9/00
A61P11/00
A61P13/12
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023165484
(22)【出願日】2023-09-27
(62)【分割の表示】P 2022506024の分割
【原出願日】2020-07-31
(31)【優先権主張番号】62/880,968
(32)【優先日】2019-07-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/970,005
(32)【優先日】2020-02-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】594197872
【氏名又は名称】イーライ リリー アンド カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100095360
【弁理士】
【氏名又は名称】片山 英二
(74)【代理人】
【識別番号】100103182
【弁理士】
【氏名又は名称】日野 真美
(74)【代理人】
【識別番号】100139310
【弁理士】
【氏名又は名称】吉光 真紀
(72)【発明者】
【氏名】リー,ステイシー リン
(72)【発明者】
【氏名】ヴェルディノ,ペトラ
(72)【発明者】
【氏名】ワン,シャオジュン
(57)【要約】 (修正有)
【課題】リラキシン/インスリン様ファミリーペプチド受容体アゴニストとして機能する化合物、または、その薬学的に許容される塩を提供する。
【解決手段】一態様として、VHH-L1-A-L2-B、VHH-L1-B-L2-A、A-L2-B-L1-VHH、もしくはB-L2-A-L1-VHHを含む化合物であって、VHHが特定のアミノ酸配列もしくはそれに対して少なくとも90%の配列相同性を有する配列を含み、Aが特定のアミノ酸配列もしくはそれに対して少なくとも90%の配列相同性を有する配列を含むリラキシンA鎖であり、Bが特定のアミノ酸配列もしくはそれに対して少なくとも90%の配列相同性を有する配列を含むリラキシンB鎖であり、L1が特定の群から選択されるアミノ酸配列を含む第1のリンカーであり、L2が特定の群から選択されるアミノ酸配列を含む第2のリンカーである、化合物、または、その薬学的に許容される塩とする。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の構造
VHH-L1-A-L2-B、
VHH-L1-B-L2-A、
A-L2-B-L1-VHH、もしくは
B-L2-A-L1-VHH、を含む化合物であって、
VHHが、配列番号10、11、12、および13からなる群から選択されるアミノ酸
配列、もしくはそれに対して少なくとも90%の配列相同性を有する配列を含み、
Aが、配列番号2、5、および8からなる群から選択されるアミノ酸配列、もしくはそ
れに対して少なくとも90%の配列相同性を有する配列を含む、リラキシンA鎖であり、
Bが、配列番号3、6、および9からなる群から選択されるアミノ酸配列、もしくはそ
れに対して少なくとも90%の配列相同性を有する配列を含む、リラキシンB鎖であり、
L1が、(GGGGQ)n(配列番号14)、(PGPQ)n(配列番号17)、およ
び(PGPA)n(配列番号18)からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む第1の
リンカーであり、nが、1~10であることができ、
L2が、配列番号22、23、および67からなる群から選択されるアミノ酸配列を含
む第2のリンカーである、化合物、または
その薬学的に許容される塩。
【請求項2】
Aが配列番号2である、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
Bが配列番号3である、請求項1または2に記載の化合物。
【請求項4】
Aが配列番号5である、請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
Bが配列番号6である、請求項1または2に記載の化合物。
【請求項6】
Aが、配列番号5であり、最初の4つのアミノ酸を欠く(desA1~4)、請求項1
に記載の化合物。
【請求項7】
Bが、配列番号6であり、最初のアミノ酸を欠く(desB1)、請求項1に記載の化
合物。
【請求項8】
Aが、配列番号5であり、最初の4つのアミノ酸を欠き(desA1~4)、Bが、配
列番号6であり、最初のアミノ酸を欠く(desB1)、請求項1に記載の化合物。
【請求項9】
Aが配列番号8である、請求項1に記載の化合物。
【請求項10】
Bが配列番号9である、請求項1または2に記載の化合物。
【請求項11】
L1が配列番号19である、請求項1~10のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項12】
L1が配列番号20である、請求項1~10のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項13】
L1が配列番号21である、請求項1~10のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項14】
配列番号24~39からなる群から選択されるアミノ酸配列、もしくはそれに対して少
なくとも90%の配列相同性を有する配列を含む、化合物、またはその薬学的に許容され
る塩。
【請求項15】
配列番号24~39からなる群から選択されるアミノ酸配列、もしくはそれに対して少
なくとも90%の配列相同性を有する配列から本質的になる、化合物、またはその薬学的
に許容される塩。
【請求項16】
配列番号24~39からなる群から選択されるアミノ酸配列、もしくはそれに対して少
なくとも90%の配列相同性を有する配列のみからなる、化合物、またはその薬学的に許
容される塩。
【請求項17】
請求項1~16のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩と、
薬学的に許容される緩衝液と、を含む、薬学的組成物。
【請求項18】
個体の心臓、肺、および/または腎臓の状態、疾患、および/または障害を治療する方
法であって、
前記個体に有効量の請求項1~16のいずれか一項に記載の化合物または請求項17に
記載の薬学的組成物を投与するステップを含む、方法。
【請求項19】
療法で使用するための、請求項1~16のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項20】
心臓、肺、および/または腎臓の状態、疾患、および/または障害の治療に使用するた
めの、請求項1~16のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項21】
心臓、肺、および/または腎臓の状態、疾患、および/または障害の治療用の医薬品を
製造するための、請求項1~16のいずれか一項に記載の化合物の使用。
【請求項22】
EVQLLESGGGLVQPGGSLRLSCAASGRYIDETAVAWFRQ
APGKEREFVAGIGGGVDITYYADSVKGRFTISRDNSKNTL
YLQMNSLRPEDTAVYYCAARPGRPLITSKVADLYPYWGQG
TLVTVSS(配列番号10)のアミノ酸配列、またはそれに対して少なくとも90%
の配列相同性を有する配列を含む、化合物。
【請求項23】
EVQLLESGGGLVQPGGSLRLSCAASGRYIDETAVAWFRQ
APGKEREFVAGIGGGVDITYYADSVKGRFTISRDNSKNTL
YLQMNSLRPEDTAVYYCAARPGRPLITSKVADLYPYWGQG
TLVTVSSPP(配列番号11)のアミノ酸配列、またはそれに対して少なくとも9
0%の配列相同性を有する配列を含む、化合物。
【請求項24】
EVQLLESGGGLVQPGGSLRLSCAASGRYIDETAVAWFRQ
APGKGREFVAGIGGGVDITYYADSVKGRFTISRDNSKNTL
YLQMNSLRPEDTAVYYCAARPGRPLITSKVADLYPYWGQG
TLVTVSS(配列番号12)のアミノ酸配列、またはそれに対して少なくとも90%
の配列相同性を有する配列を含む、化合物。
【請求項25】
EVQLLESGGGLVQPGGSLRLSCAASGRYIDETAVAWFRQ
APGKGREFVAGIGGGVDITYYADSVKGRFTISRDNSKNTL
YLQMNSLRPEDTAVYYCAARPGRPLITSKVADLYPYWGQG
TLVTVSSPP(配列番号13)のアミノ酸配列、またはそれに対して少なくとも9
0%の配列相同性を有する配列を含む、化合物。
【請求項26】
EVQLLESGGGLVQPGGSLRLSCAASGRTVSSTAVAWFRQ
APGKEREFVAGIGGSVDITYYADSVKGRFTISRDNSKNTL
YLQMNSLRPEDTAVYYCAVRPGRPLITSRDANLYDYWGQG
TLVTVSS(配列番号45)のアミノ酸配列、またはそれに対して少なくとも90%
の配列相同性を有する配列を含む、化合物。
【請求項27】
EVQLLESGGGLVQPGGSLRLSCAASGRYIDSTAVAWFRQ
APGKEREFVAGIGGGVDITYYADSVKGRFTISRDNSKNTL
YLQMNSLRPEDTAVYYCAARPGRPLITSRVANLYPYWGQG
TLVTVSS(配列番号46)のアミノ酸配列、またはそれに対して少なくとも90%
の配列相同性を有する配列を含む、化合物。
【請求項28】
EVQLLESGGGLVQPGGSLRLSCAASYRYIDETAVAWFRQ
APGKEREFVAGIGGGVDITYYADSVKGRFTISRDNSKNTL
YLQMNSLRPEDTAVYYCAARPGRPLITSKVADLYPYWGQG
TLVTVSS(配列番号47)のアミノ酸配列、またはそれに対して少なくとも90%
の配列相同性を有する配列を含む、化合物。
【請求項29】
EVQLLESGGGLVQPGGSLRLSCAASGAYIDETAVAWFRQ
APGKEREFVAGIGGGVDITYYADSVKGRFTISRDNSKNTL
YLQMNSLRPEDTAVYYCAARPGRPLITSKVADLYPYWGQG
TLVTVSS(配列番号48)のアミノ酸配列、またはそれに対して少なくとも90%
の配列相同性を有する配列を含む、化合物。
【請求項30】
EVQLLESGGGLVQPGGSLRLSCAASGRYIDETAVAWFRQ
APGKEREFVAGIGGGVDETYYADSVKGRFTISRDNSKNTL
YLQMNSLRPEDTAVYYCAARPGRPLITSKVADLYPYWGQG
TLVTVSS(配列番号49)のアミノ酸配列、またはそれに対して少なくとも90%
の配列相同性を有する配列を含む、化合物。
【請求項31】
EVQLLESGGGLVQPGGSLRLSCAASGRYIDETAVAWFRQ
APGKEREFVAGIGGGVDQTYYADSVKGRFTISRDNSKNTL
YLQMNSLRPEDTAVYYCAARPGRPLITSKVADLYPYWGQG
TLVTVSS(配列番号50)のアミノ酸配列、またはそれに対して少なくとも90%
の配列相同性を有する配列を含む、化合物。
【請求項32】
EVQLLESGGGLVQPGGSLRLSCAASGRYIDETAVAWFRQ
APGKEREFVAGIGGGVDITAYADSVKGRFTISRDNSKNTL
YLQMNSLRPEDTAVYYCAARPGRPLITSKVADLYPYWGQG
TLVTVSS(配列番号51)のアミノ酸配列、またはそれに対して少なくとも90%
の配列相同性を有する配列を含む、化合物。
【請求項33】
EVQLLESGGGLVQPGGSLRLSCAASGRYIDETAVAWFRQ
APGKEREFVAGIGGGVDITEYADSVKGRFTISRDNSKNTL
YLQMNSLRPEDTAVYYCAARPGRPLITSKVADLYPYWGQG
TLVTVSS(配列番号52)のアミノ酸配列、またはそれに対して少なくとも90%
の配列相同性を有する配列を含む、化合物。
【請求項34】
EVQLLESGGGLVQPGGSLRLSCAASGRYIDETAVAWFRQ
APGKEREFVAGIGGGVDITQYADSVKGRFTISRDNSKNTL
YLQMNSLRPEDTAVYYCAARPGRPLITSKVADLYPYWGQG
TLVTVSS(配列番号53)のアミノ酸配列、またはそれに対して少なくとも90%
の配列相同性を有する配列を含む、化合物。
【請求項35】
EVQLLESGGGLVQPGGSLRLSCAASGRYIDETAVAWFRQ
APGKEREFVAGIGGGVDITSYADSVKGRFTISRDNSKNTL
YLQMNSLRPEDTAVYYCAARPGRPLITSKVADLYPYWGQG
TLVTVSS(配列番号54)のアミノ酸配列、またはそれに対して少なくとも90%
の配列相同性を有する配列を含む、化合物。
【請求項36】
EVQLLESGGGLVQPGGSLRLSCAASGRYIDETAVAWFRQ
APGKEREFVAGIGGGVDITTYADSVKGRFTISRDNSKNTL
YLQMNSLRPEDTAVYYCAARPGRPLITSKVADLYPYWGQG
TLVTVSS(配列番号55)のアミノ酸配列、またはそれに対して少なくとも90%
の配列相同性を有する配列を含む、化合物。
【請求項37】
EVQLLESGGGLVQPGGSLRLSCAASGRYIDETAVAWFRQ
APGKEREFVAGIGGGVDITYYADSVKGRFTISRDNSKNTL
YLQMNSLRPEDTAVYYCAARPGKPLITSKVADLYPYWGQG
TLVTVSS(配列番号56)のアミノ酸配列、またはそれに対して少なくとも90%
の配列相同性を有する配列を含む、化合物。
【請求項38】
EVQLLESGGGLVQPGGSLRLSCAASGRYIDETAVAWFRQ
APGKEREFVAGIGGGVDITYYADSVKGRFTISRDNSKNTL
YLQMNSLRPEDTAVYYCAARPGQPLITSKVADLYPYWGQG
TLVTVSS(配列番号57)のアミノ酸配列、またはそれに対して少なくとも90%
の配列相同性を有する配列を含む、化合物。
【請求項39】
EVQLLESGGGLVQPGGSLRLSCAASGRYIDETAVAWFRQ
APGKEREFVAGIGGGVDITYYADSVKGRFTISRDNSKNTL
YLQMNSLRPEDTAVYYCAARPGSPLITSKVADLYPYWGQG
TLVTVSS(配列番号58)のアミノ酸配列、またはそれに対して少なくとも90%
の配列相同性を有する配列を含む、化合物。
【請求項40】
EVQLLESGGGLVQPGGSLRLSCAASGRYIDETAVAWFRQ
APGKEREFVAGIGGGVDITYYADSVKGRFTISRDNSKNTL
YLQMNSLRPEDTAVYYCAARPGRELITSKVADLYPYWGQG
TLVTVSS(配列番号59)のアミノ酸配列、またはそれに対して少なくとも90%
の配列相同性を有する配列を含む、化合物。
【請求項41】
EVQLLESGGGLVQPGGSLRLSCAASGRYIDETAVAWFRQ
APGKEREFVAGIGGGVDITYYADSVKGRFTISRDNSKNTL
YLQMNSLRPEDTAVYYCAARPGRQLITSKVADLYPYWGQG
TLVTVSS(配列番号60)のアミノ酸配列、またはそれに対して少なくとも90%
の配列相同性を有する配列を含む、化合物。
【請求項42】
EVQLLESGGGLVQPGGSLRLSCAASGRYIDETAVAWFRQ
APGKEREFVAGIGGGVDITYYADSVKGRFTISRDNSKNTL
YLQMNSLRPEDTAVYYCAARPGRSLITSKVADLYPYWGQG
TLVTVSS(配列番号61)のアミノ酸配列、またはそれに対して少なくとも90%
の配列相同性を有する配列を含む、化合物。
【請求項43】
EVQLLESGGGLVQPGGSLRLSCAASGRYIDETAVAWFRQ
APGKEREFVAGIGGGVDITYYADSVKGRFTISRDNSKNTL
YLQMNSLRPEDTAVYYCAARPGRPEITSKVADLYPYWGQG
TLVTVSS(配列番号62)のアミノ酸配列、またはそれに対して少なくとも90%
の配列相同性を有する配列を含む、化合物。
【請求項44】
EVQLLESGGGLVQPGGSLRLSCAASGRYIDETAVAWFRQ
APGKEREFVAGIGGGVDITYYADSVKGRFTISRDNSKNTL
YLQMNSLRPEDTAVYYCAARPGRPGITSKVADLYPYWGQG
TLVTVSS(配列番号63)のアミノ酸配列、またはそれに対して少なくとも90%
の配列相同性を有する配列を含む、化合物。
【請求項45】
EVQLLESGGGLVQPGGSLRLSCAASGRYIDETAVAWFRQ
APGKEREFVAGIGGGVDITYYADSVKGRFTISRDNSKNTL
YLQMNSLRPEDTAVYYCAARPGRPQITSKVADLYPYWGQG
TLVTVSS(配列番号64)のアミノ酸配列、またはそれに対して少なくとも90%
の配列相同性を有する配列を含む、化合物。
【請求項46】
EVQLLESGGGLVQPGGSLRLSCAASGRYIDETAVAWFRQ
APGKEREFVAGIGGGVDITYYADSVKGRFTISRDNSKNTL
YLQMNSLRPEDTAVYYCAARPGRPTITSKVADLYPYWGQG
TLVTVSS(配列番号65)のアミノ酸配列、またはそれに対して少なくとも90%
の配列相同性を有する配列を含む、化合物。
【請求項47】
EVQLLESGGGLVQPGGSLRLSCAASGRYIDETAVAWFRQ
APGKEREFVAGIGGGVDITYYADSVKGRFTISRDNSKNTL
YLQMNSLRPEDTAVYYCAARPGRPLITEKVADLYPYWGQG
TLVTVSS(配列番号66)のアミノ酸配列、またはそれに対して少なくとも90%
の配列相同性を有する配列を含む、化合物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、生物学および医学に関するものであり、より具体的には、リラキシ
ン(RLN)類似体、特に、RXFP1受容体などのRLN/インスリン様ファミリーペ
プチド(RXFP)受容体に結合することでRXFP受容体アゴニストとして機能するこ
とができる長時間作用型の一本鎖RLN類似体に関する。本開示はさらに、それを含む組
成物、ならびに心血管、肺、および/または腎臓の状態、疾患、または障害の治療におけ
るそれらの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
リラキシン(RLN)は、インスリンスーパーファミリーの一部であり、ヒトにおいて
は、構造類似性は高いが配列相同性が低い7つのペプチド、RLN1(H1RLX、RL
XH1、またはH1)、RLN2(H2RLX、RLXH2、またはH2)、RLN3(
RXN3、ZINS4、またはH3)、インスリン様(INSL)ペプチド3(INSL
3)、INSL4、INSL5、およびINSL6を含む。ここで特に興味深いものはR
LN2であり、これは、2つのジスルフィド結合により連結した、それぞれ24個のアミ
ノ酸および29個のアミノ酸の2つのペプチド鎖(A鎖およびB鎖)のヘテロ二量体であ
り、A鎖はさらに、1個の分子内ジスルフィド結合を有する(Schwabe&McDo
nald(1977)Science 197:914-915参照)。RLN2は、そ
の前駆体ホルモンであるプロリラキシンからCペプチドを切断することにより、それから
産生される。
【0003】
生理学的には、RLN2は、最初は妊娠ホルモンとされていたものの、血管拡張作用、
抗線維化作用、血管新生作用など、心血管、肝臓、神経、膵臓、肺、および腎臓の適応を
調節する多種多様な機能を呈する。RLN2シグナル伝達は、2つの異なるクラスのGタ
ンパク質共役型受容体(GPCR)、つまり、現在ではそれぞれRXFP1受容体および
RXFP2受容体と称される、ロイシンリッチリピートを含むGPCRであるLGR7お
よびLGR8を介して発生する。このファミリーの他の2つの受容体には、RXFP3受
容体およびRXFP4受容体が含まれる。RLN2は半減期(t1/2)が短く、このこ
とにより、RLN2を治療剤として使用する場合に課題が提示される。実に、天然RLN
2のインビボでのt1/2は数分である。その結果、臨床医はRLN2を継続的な静脈内
注入により投与することとなり、それにより、多くの場合、RLN化合物を受ける個人に
不便が生じ、有効性が短期となる。
【0004】
t1/2が改善されたRLN2類似体はある数存在する。例えば、国際特許出願公開第
2018/148419号では、t1/2を改善するために、リンカー、ポリマー、およ
び/または薬物動態エンハンサーを結合させることができるパラアセチルフェニルアラニ
ンなどの非天然アミノ酸残基を含む類似体が説明されている。国際特許出願公開第201
8/138170号では、少なくとも15アミノ酸のリンカーとt1/2を改善するため
の半減期延長部分とを有するA鎖とB鎖との融合物である類似体が説明されている。国際
特許出願公開第2017/201340号では、t1/2を改善するための可変軽鎖断片
を有するA鎖とB鎖との融合物である類似体が説明されている。国際特許出願公開第20
15/067791号では、t1/2を改善するための担体連結プロドラッグである類似
体、特にPEGベースの担体が説明されている(追加のPEG連結類似体についてはWO
2012/024452も参照)。国際特許出願公開第2014/102179号では、
t1/2を改善するためのIgG2またはIgG4のFc部分を有するA鎖とB鎖との融
合物である類似体が説明されている。国際特許出願公開第2013/004607号は、
t1/2を改善するための少なくとも5アミノ酸であるが15アミノ酸未満のリンカーを
有するA鎖とB鎖との融合物である類似体、またはt1/2を改善するための抗体のFc
ドメインを有するA鎖とB鎖との融合物である類似体が説明されている。
【0005】
RLNの様々な生理学的役割の理解の深まりを考慮すると、t1/2が改善された長時
間作用型RLN類似体が依然として必要とされている。
【0006】
この必要性に対処するために、本開示はまず、RXFP1受容体において主要な活性を
有する(すなわち、RXFP1受容体アゴニストとして作用する)一本鎖RLN類似体を
説明する。このようなRXFP1受容体アゴニストには、アミノ末端(N末端)からカル
ボキシ末端(C末端)への基本構造
VHH-L1-A-L2-B、
VHH-L1-B-L2-A、
A-L2-B-L1-VHH、または
B-L2-A-L1-VHHが含まれ、
VHHは、薬物動態エンハンサーとして作用することができる部分であり、AはRLN
A鎖であり、BはRLN B鎖であり、L1は第1のリンカーであり、L2は第2のリン
カーである。
【0007】
ある場合には、VHH部分は、配列番号10、11、12、または13、特に、配列番
号10または12のアミノ酸配列を有し得る。他の場合には、VHH部分は、VHH部分
が配列番号10、11、12、または13のうちのいずれか1つに対して少なくとも約9
0%~約99%の配列相同性を有するアミノ酸配列を有するように(例えば、配列番号4
5~66を参照)、1つ以上の付加、欠失、挿入、または置換を有し得る。
【0008】
ある場合には、A鎖は、配列番号2、5、または8、特に、配列番号5のアミノ酸配列
を有し得る。他の場合には、A鎖は、A鎖が配列番号2、5、または8のうちのいずれか
1つに対して少なくとも約90%~約99%の配列相同性を有するアミノ酸配列を有する
ように、1つ以上の付加、欠失、挿入、または置換を有し得る。例えば、A鎖は、配列番
号5のdes1~4であり得る。
【0009】
ある場合には、B鎖は、配列番号3、6、または9、特に、配列番号6のアミノ酸配列
を有し得る。他の場合には、B鎖は、B鎖が配列番号3、6、または9のうちのいずれか
1つに対して少なくとも約90%~約99%の配列相同性を有するアミノ酸配列を有する
ように、1つ以上の付加、欠失、挿入、または置換を有し得る。例えば、B鎖は、配列番
号6のdes1であり得る。
【0010】
ある場合には、L1は、(GGGGQ)n(配列番号14)、(GGGQ)n(配列番
号15)、(GGGGS)n(配列番号16)、(PGPQ)n(配列番号17)、また
は(PGPA)n(配列番号18)のアミノ酸配列を有することができ、ここで、nは、
1~10、特に、約5~約8である。他の場合には、L1は、配列番号19、20、また
は21のアミノ酸配列を有し得る。さらに他の場合には、L1は、L1が配列番号14~
21のうちのいずれか1つに対して少なくとも約90%~約99%の配列相同性を有する
アミノ酸配列を有するように、1つ以上の付加、欠失、挿入、または置換を有し得る。
【0011】
ある場合には、L2は、配列番号22、23、または67のアミノ酸配列を有し得る。
他の場合には、L2は、1つ以上の付加、欠失、挿入、または置換を有し得る。
【0012】
ある特定の場合、本RLN類似体は、配列番号10、11、12、または13のVHH
、配列番号2、5、または8のA鎖、配列番号3、6、または9のB鎖、配列番号19、
20、または21のL1、配列番号22、23、または67のL2を含むアミノ酸配列を
有し得る。代替的に、本RLN類似体は、配列番号10、11、12、または13のVH
H、配列番号2、5、または8のA鎖、配列番号3、6、または9のB鎖、配列番号19
、20、または21のL1、配列番号22、23、または67のL2を含むアミノ酸配列
を含むアミノ酸配列に対して少なくとも約90%~約99%の配列相同性を有するアミノ
酸配列を有し得る。
【0013】
特定の場合には、本RLN類似体は、配列番号24、25、26、27、28、29、
30、31、32、33、34、35、36、37、38、または39、特に、配列番号
26、27、30、31、34、または35のアミノ酸配列を有し得る。代替的に、本R
LN類似体は、配列番号24、25、26、27、28、29、30、31、32、33
、34、35、36、37、38、または39、特に、配列番号26、27、30、31
、34、または35のアミノ酸配列に対して少なくとも約90%~約99%の配列相同性
を有するアミノ酸配列を有し得る。
【0014】
ある場合には、本RLN類似体は、RXFP1受容体における結合親和性が、天然のヒ
トRLN2(配列番号5および6)の結合親和性に相当する。他の場合には、本RLN類
似体は、RXFP1受容体における結合親和性が、天然のヒトRLN2(配列番号5およ
び6)の結合親和性よりも大きい。さらに他の場合には、本RLN類似体は、RXFP1
受容体における結合親和性が、天然のヒトRLN2(配列番号5および6)の結合親和性
よりも小さい。
【0015】
ある場合には、本RLN類似体は、t1/2が、天然のヒトRLN2(配列番号5およ
び6)のt1/2よりも長く、これには、ヒトへの投与の場合、最大約20日~約30日
長いことが含まれる。
【0016】
上記の組成物は、代替的に、本明細書に記載のアミノ酸配列をコードする核酸配列、な
らびに本明細書のRLN類似体を発現するための核酸配列を含むベクターおよび宿主細胞
であり得る。
【0017】
第二に、本明細書の少なくとも1つのRLN類似体またはその薬学的に許容される塩(
例えば、トリフルオロ酢酸塩、酢酸塩、または塩酸塩)と、薬学的に許容される担体とを
含む薬学的組成物を説明する。ある場合には、薬学的に許容される担体は、例えば、生理
食塩水、リン酸緩衝生理食塩水、クエン酸緩衝生理食塩水、またはヒスチジン緩衝生理食
塩水などの緩衝液である。ある特定の場合には、緩衝液は、ヒスチジン、ヒスチジン緩衝
液、またはヒスチジン緩衝生理食塩水である。他の場合には、本薬学的組成物は、担体、
希釈剤、および/または賦形剤をさらに含み得る。
【0018】
さらに、本薬学的組成物には、例えば、心血管、肺、および/または腎臓の状態、疾患
、または障害における標準治療として使用される薬剤などの少なくとも1つの追加の治療
薬が含まれ得る。ある場合には、少なくとも1つの追加の治療薬は、抗凝固剤、アンジオ
テンシン変換酵素(ACE)阻害剤、アンジオテンシンII受容体遮断薬(ARB)、A
RBネプリライシン阻害剤(ARNI)、β遮断薬、利尿薬、ジギタリス、ジゴキシン、
硝酸ヒドララジン/イソルビド(isorbide)、ミネラルコルチコイド受容体アン
タゴニスト(MRA、またはアルドステロンアンタゴニスト)、ナトリウム-グルコース
共輸送体-2(SGLT2)阻害剤、スタチン、および/または抗血糖剤であり得る。
【0019】
第三に、本明細書のRLN類似体を使用するための方法、特に、RLN類似体を使用し
て、心血管、肺、および/または腎臓の状態、疾患、または障害を治療するための方法を
説明する。本方法には、少なくとも、有効量の少なくとも1つの本明細書のRLN類似体
またはその薬学的に許容される塩の投与を、それを必要とする個体に行うステップが含ま
れる。
【0020】
ある場合には、本RLN類似体は、例えば、筋肉内、静脈内、非経口、皮下、または経
皮などの任意の標準的な投与経路を介して投与され得る。ある特定の場合、本RLN類似
体は、皮下(SQ)、筋肉内(IM)、または静脈内(IV)投与される。特定の場合、
本RLN類似体は、個体にSQまたはIVで投与され得る。
【0021】
同様に、ある場合には、本RLN類似体は、毎日、隔日、週3回、週2回、週1回(す
なわち、毎週)、隔週(すなわち、1週間おきに)、月1回(すなわち、毎月)、隔月(
すなわち、1か月おきに)、またはさらには3か月おきに投与され得る。ある特定の場合
、本RLN類似体は、SQで隔日に、SQで週3回、SQで週2回、SQで週1回、SQ
で1週間おきに、またはSQで月1回投与され得る。特定の場合、本RLN類似体は、S
Qで週1回(QW)投与される。
【0022】
代替的に、本RLN類似体は、個体にIV投与され得る。上記のように、RLN類似体
は、毎日、隔日、週3回、週2回、週1回(すなわち、毎週)、隔週(すなわち、1週間
おきに)、または毎月投与され得る。ある特定の場合、本RLN類似体は、IVで隔日に
、IVで週3回、IVで週2回、IVで週1回、IVで1週間おきに、またはIVで月1
回投与され得る。特定の場合、本RLN類似体は、IVで週1回投与される。
【0023】
本方法には、本RLN類似体を有効量の少なくとも1つの追加の治療薬と組み合わせて
投与するステップも含まれ得る。端的には、本明細書の状態/疾患/障害の多くに対する
標準治療には、抗凝固剤、ACE阻害剤、ARB、ARNI、β遮断薬、利尿薬、ジギタ
リス、ジゴキシン、硝酸ヒドララジン/イソルビド、MRAもしくは他のアルドステロン
アンタゴニスト)、SGLT2阻害剤、スタチン、および/または抗血糖剤、ならびに高
コレステロール、高血圧、心房細動、および糖尿病を含むがこれらに限定されない共存症
を制御するための他の治療薬が含まれる。ある場合には、追加の治療薬は、本RLN類似
体と同時に、別々に、または連続して投与され得る。
【0024】
例えば、追加の治療薬は、本RLN類似体と同じ頻度で(すなわち、隔日、週2回、毎
週、またはさらには毎月)投与され得る。他の場合には、追加の治療薬は、RLN類似体
とは異なる頻度で投与され得る。他の場合には、追加の治療薬は、SQまたはIVで投与
され得る。さらに他の場合には、本RLN類似体はSQで投与され、追加の治療薬は経口
またはIVで投与され得る。代替的に、本RLN類似体はIVで投与され、追加の治療薬
がSQで投与される。
【0025】
ある場合には、必要としている個体は、腎機能障害および/または肥満を伴う糖尿病性
高血圧症である。
【0026】
本方法には、血圧を測定または取得すること、およびそのような取得された値を1つ以
上のベースライン値または以前に取得された値と比較して治療/療法の有効性を評価する
ことなどのステップも含まれ得る。
【0027】
これらの方法はまた、食餌療法および運動と組み合わせてもよく、かつ/または上で考
察したもの以外の追加の治療薬と組み合わせてもよい。
【0028】
第四に、本明細書のRLN類似体のうちの少なくとも1つを含む使用を説明する。例え
ば、本明細書のRLN類似体は、療法、特に、心血管、肺、および/または腎臓の状態、
疾患、または障害の治療で使用するために提供され得る。本RLN類似体は、任意選択で
、少なくとも1つの追加の治療薬と同時に、別々に、または連続して(すなわち、組み合
わせて)投与され得る。同様に、本明細書のRLN類似体の使用は、心血管、肺、および
/または腎臓の状態、疾患、または障害を治療するための医薬品を製造する際に提供され
、この薬剤には、任意選択で、上述のような1つ以上の追加の治療薬がさらに含まれても
よい。
【0029】
第五に、以下のアミノ酸配列を含む化合物が提供される:
EVQLLESGGGLVQPGGSLRLSCAASGRYIDETAVAWFRQA
PGKEREFVAGIGGGVDITYYADSVKGRFTISRDNSKNTLY
LQMNSLRPEDTAVYYCAARPGRPLITSKVADLYPYWGQGT
LVTVSS(配列番号10)。ある場合には、本化合物は、配列番号10に対して少な
くとも約90%~約99%の配列相同性を有するアミノ酸配列を有し得る。
【0030】
代替的に、以下のアミノ酸配列を含む化合物が提供される:
EVQLLESGGGLVQPGGSLRLSCAASGRYIDETAVAWFRQA
PGKEREFVAGIGGGVDITYYADSVKGRFTISRDNSKNTLY
LQMNSLRPEDTAVYYCAARPGRPLITSKVADLYPYWGQGT
LVTVSSPP(配列番号11)。ある場合には、本化合物は、配列番号11に対して
少なくとも約90%~約99%の配列相同性を有するアミノ酸配列を有し得る。
【0031】
代替的に、以下のアミノ酸配列を含む化合物が提供される:EVQLLESGGGLV
QPGGSLRLSCAASGRYIDETAVAWFRQAPGKGREFVAGIG
GGVDITYYADSVKGRFTISRDNSKNTLYLQMNSLRPEDTA
VYYCAARPGRPLITSKVADLYPYWGQGTLVTVSS(配列番号1
2)。ある場合には、本化合物は、配列番号12に対して少なくとも約90%~約99%
の配列相同性を有するアミノ酸配列を有し得る。
【0032】
代替的に、以下のアミノ酸配列を含む化合物が提供される:
EVQLLESGGGLVQPGGSLRLSCAASGRYIDETAVAWFRQA
PGKGREFVAGIGGGVDITYYADSVKGRFTISRDNSKNTLY
LQMNSLRPEDTAVYYCAARPGRPLITSKVADLYPYWGQGT
LVTVSSPP(配列番号13)。ある場合には、本化合物は、配列番号13に対して
少なくとも約90%~約99%の配列相同性を有するアミノ酸配列を有し得る。
【0033】
代替的に、以下のアミノ酸配列を含む化合物が提供される:
EVQLLESGGGLVQPGGSLRLSCAASGRTVSSTAVAWFRQA
PGKEREFVAGIGGSVDITYYADSVKGRFTISRDNSKNTLY
LQMNSLRPEDTAVYYCAVRPGRPLITSRDANLYDYWGQGT
LVTVSS(配列番号45)。ある場合には、本化合物は、配列番号45に対して少な
くとも約90%~約99%の配列相同性を有するアミノ酸配列を有し得る。
【0034】
代替的に、以下のアミノ酸配列を含む化合物が提供される:
EVQLLESGGGLVQPGGSLRLSCAASGRYIDSTAVAWFRQA
PGKEREFVAGIGGGVDITYYADSVKGRFTISRDNSKNTLY
LQMNSLRPEDTAVYYCAARPGRPLITSRVANLYPYWGQGT
LVTVSS(配列番号46)。ある場合には、本化合物は、配列番号46に対して少な
くとも約90%~約99%の配列相同性を有するアミノ酸配列を有し得る。
【0035】
代替的に、以下のアミノ酸配列を含む化合物が提供される:
EVQLLESGGGLVQPGGSLRLSCAASYRYIDETAVAWFRQA
PGKEREFVAGIGGGVDITYYADSVKGRFTISRDNSKNTLY
LQMNSLRPEDTAVYYCAARPGRPLITSKVADLYPYWGQGT
LVTVSS(配列番号47)。ある場合には、本化合物は、配列番号47に対して少な
くとも約90%~約99%の配列相同性を有するアミノ酸配列を有し得る。
【0036】
代替的に、以下のアミノ酸配列を含む化合物が提供される:
EVQLLESGGGLVQPGGSLRLSCAASGAYIDETAVAWFRQA
PGKEREFVAGIGGGVDITYYADSVKGRFTISRDNSKNTLY
LQMNSLRPEDTAVYYCAARPGRPLITSKVADLYPYWGQGT
LVTVSS(配列番号48)。ある場合には、本化合物は、配列番号48に対して少な
くとも約90%~約99%の配列相同性を有するアミノ酸配列を有し得る。
【0037】
代替的に、以下のアミノ酸配列を含む化合物が提供される:
EVQLLESGGGLVQPGGSLRLSCAASGRYIDETAVAWFRQA
PGKEREFVAGIGGGVDETYYADSVKGRFTISRDNSKNTLY
LQMNSLRPEDTAVYYCAARPGRPLITSKVADLYPYWGQGT
LVTVSS(配列番号49)。ある場合には、本化合物は、配列番号49に対して少な
くとも約90%~約99%の配列相同性を有するアミノ酸配列を有し得る。
【0038】
代替的に、以下のアミノ酸配列を含む化合物が提供される:
EVQLLESGGGLVQPGGSLRLSCAASGRYIDETAVAWFRQA
PGKEREFVAGIGGGVDQTYYADSVKGRFTISRDNSKNTLY
LQMNSLRPEDTAVYYCAARPGRPLITSKVADLYPYWGQGT
LVTVSS(配列番号50)。ある場合には、本化合物は、配列番号50に対して少な
くとも約90%~約99%の配列相同性を有するアミノ酸配列を有し得る。
【0039】
代替的に、以下のアミノ酸配列を含む化合物が提供される:
EVQLLESGGGLVQPGGSLRLSCAASGRYIDETAVAWFRQA
PGKEREFVAGIGGGVDITAYADSVKGRFTISRDNSKNTLY
LQMNSLRPEDTAVYYCAARPGRPLITSKVADLYPYWGQGT
LVTVSS(配列番号51)。ある場合には、本化合物は、配列番号51に対して少な
くとも約90%~約99%の配列相同性を有するアミノ酸配列を有し得る。
【0040】
代替的に、以下のアミノ酸配列を含む化合物が提供される:
EVQLLESGGGLVQPGGSLRLSCAASGRYIDETAVAWFRQA
PGKEREFVAGIGGGVDITEYADSVKGRFTISRDNSKNTLY
LQMNSLRPEDTAVYYCAARPGRPLITSKVADLYPYWGQGT
LVTVSS(配列番号52)。ある場合には、本化合物は、配列番号52に対して少な
くとも約90%~約99%の配列相同性を有するアミノ酸配列を有し得る。
【0041】
代替的に、以下のアミノ酸配列を含む化合物が提供される:
EVQLLESGGGLVQPGGSLRLSCAASGRYIDETAVAWFRQA
PGKEREFVAGIGGGVDITQYADSVKGRFTISRDNSKNTLY
LQMNSLRPEDTAVYYCAARPGRPLITSKVADLYPYWGQGT
LVTVSS(配列番号53)。ある場合には、本化合物は、配列番号53に対して少な
くとも約90%~約99%の配列相同性を有するアミノ酸配列を有し得る。
【0042】
代替的に、以下のアミノ酸配列を含む化合物が提供される:
EVQLLESGGGLVQPGGSLRLSCAASGRYIDETAVAWFRQA
PGKEREFVAGIGGGVDITSYADSVKGRFTISRDNSKNTLY
LQMNSLRPEDTAVYYCAARPGRPLITSKVADLYPYWGQGT
LVTVSS(配列番号54)。ある場合には、本化合物は、配列番号54に対して少な
くとも約90%~約99%の配列相同性を有するアミノ酸配列を有し得る。
【0043】
代替的に、以下のアミノ酸配列を含む化合物が提供される:
EVQLLESGGGLVQPGGSLRLSCAASGRYIDETAVAWFRQA
PGKEREFVAGIGGGVDITTYADSVKGRFTISRDNSKNTLY
LQMNSLRPEDTAVYYCAARPGRPLITSKVADLYPYWGQGT
LVTVSS(配列番号55)。ある場合には、本化合物は、配列番号55に対して少な
くとも約90%~約99%の配列相同性を有するアミノ酸配列を有し得る。
【0044】
代替的に、以下のアミノ酸配列を含む化合物が提供される:
EVQLLESGGGLVQPGGSLRLSCAASGRYIDETAVAWFRQA
PGKEREFVAGIGGGVDITYYADSVKGRFTISRDNSKNTLY
LQMNSLRPEDTAVYYCAARPGKPLITSKVADLYPYWGQGT
LVTVSS(配列番号56)。ある場合には、本化合物は、配列番号56に対して少な
くとも約90%~約99%の配列相同性を有するアミノ酸配列を有し得る。
【0045】
代替的に、以下のアミノ酸配列を含む化合物が提供される:
EVQLLESGGGLVQPGGSLRLSCAASGRYIDETAVAWFRQA
PGKEREFVAGIGGGVDITYYADSVKGRFTISRDNSKNTLY
LQMNSLRPEDTAVYYCAARPGQPLITSKVADLYPYWGQGT
LVTVSS(配列番号57)。ある場合には、本化合物は、配列番号57に対して少な
くとも約90%~約99%の配列相同性を有するアミノ酸配列を有し得る。
【0046】
代替的に、以下のアミノ酸配列を含む化合物が提供される:
EVQLLESGGGLVQPGGSLRLSCAASGRYIDETAVAWFRQA
PGKEREFVAGIGGGVDITYYADSVKGRFTISRDNSKNTLY
LQMNSLRPEDTAVYYCAARPGSPLITSKVADLYPYWGQGT
LVTVSS(配列番号58)。ある場合には、本化合物は、配列番号58に対して少な
くとも約90%~約99%の配列相同性を有するアミノ酸配列を有し得る。
【0047】
代替的に、以下のアミノ酸配列を含む化合物が提供される:
EVQLLESGGGLVQPGGSLRLSCAASGRYIDETAVAWFRQA
PGKEREFVAGIGGGVDITYYADSVKGRFTISRDNSKNTLY
LQMNSLRPEDTAVYYCAARPGRELITSKVADLYPYWGQGT
LVTVSS(配列番号59)。ある場合には、本化合物は、配列番号59に対して少な
くとも約90%~約99%の配列相同性を有するアミノ酸配列を有し得る。
【0048】
代替的に、以下のアミノ酸配列を含む化合物が提供される:
EVQLLESGGGLVQPGGSLRLSCAASGRYIDETAVAWFRQA
PGKEREFVAGIGGGVDITYYADSVKGRFTISRDNSKNTLY
LQMNSLRPEDTAVYYCAARPGRQLITSKVADLYPYWGQGT
LVTVSS(配列番号60)。ある場合には、本化合物は、配列番号60に対して少な
くとも約90%~約99%の配列相同性を有するアミノ酸配列を有し得る。
【0049】
代替的に、以下のアミノ酸配列を含む化合物が提供される:
EVQLLESGGGLVQPGGSLRLSCAASGRYIDETAVAWFRQA
PGKEREFVAGIGGGVDITYYADSVKGRFTISRDNSKNTLY
LQMNSLRPEDTAVYYCAARPGRSLITSKVADLYPYWGQGT
LVTVSS(配列番号61)。ある場合には、本化合物は、配列番号61に対して少な
くとも約90%~約99%の配列相同性を有するアミノ酸配列を有し得る。
【0050】
代替的に、以下のアミノ酸配列を含む化合物が提供される:
EVQLLESGGGLVQPGGSLRLSCAASGRYIDETAVAWFRQA
PGKEREFVAGIGGGVDITYYADSVKGRFTISRDNSKNTLY
LQMNSLRPEDTAVYYCAARPGRPEITSKVADLYPYWGQGT
LVTVSS(配列番号62)。ある場合には、本化合物は、配列番号62に対して少な
くとも約90%~約99%の配列相同性を有するアミノ酸配列を有し得る。
【0051】
代替的に、以下のアミノ酸配列を含む化合物が提供される:
EVQLLESGGGLVQPGGSLRLSCAASGRYIDETAVAWFRQA
PGKEREFVAGIGGGVDITYYADSVKGRFTISRDNSKNTLY
LQMNSLRPEDTAVYYCAARPGRPGITSKVADLYPYWGQGT
LVTVSS(配列番号63)。ある場合には、本化合物は、配列番号63に対して少な
くとも約90%~約99%の配列相同性を有するアミノ酸配列を有し得る。
【0052】
代替的に、以下のアミノ酸配列を含む化合物が提供される:
EVQLLESGGGLVQPGGSLRLSCAASGRYIDETAVAWFRQA
PGKEREFVAGIGGGVDITYYADSVKGRFTISRDNSKNTLY
LQMNSLRPEDTAVYYCAARPGRPQITSKVADLYPYWGQGT
LVTVSS(配列番号64)。ある場合には、本化合物は、配列番号64に対して少な
くとも約90%~約99%の配列相同性を有するアミノ酸配列を有し得る。
【0053】
代替的に、以下のアミノ酸配列を含む化合物が提供される:
EVQLLESGGGLVQPGGSLRLSCAASGRYIDETAVAWFRQA
PGKEREFVAGIGGGVDITYYADSVKGRFTISRDNSKNTLY
LQMNSLRPEDTAVYYCAARPGRPTITSKVADLYPYWGQGT
LVTVSS(配列番号65)。ある場合には、本化合物は、配列番号65に対して少な
くとも約90%~約99%の配列相同性を有するアミノ酸配列を有し得る。
【0054】
代替的に、以下のアミノ酸配列を含む化合物が提供される:
EVQLLESGGGLVQPGGSLRLSCAASGRYIDETAVAWFRQA
PGKEREFVAGIGGGVDITYYADSVKGRFTISRDNSKNTLY
LQMNSLRPEDTAVYYCAARPGRPLITEKVADLYPYWGQGT
LVTVSS(配列番号66)。ある場合には、本化合物は、配列番号66に対して少な
くとも約90%~約99%の配列相同性を有するアミノ酸配列を有し得る。
【0055】
本明細書のRLN類似体の利点は、それらを一本鎖ポリペプチド(すなわち、単量体)
として化学的にまたは組換えにより合成することができるため、生物学的活性のために細
胞内タンパク質分解処理を必要としないことである。しかしながら、ある場合には、VH
H部分は、一本鎖RLNだけでなく、二本鎖RLN(例えば、天然)にも抱合させること
ができると考えられる。VHH部分では、これは、N末端およびC末端だけでなく、VH
Hの任意の表面露出アミノ酸にも抱合し得る(ただし、そのような抱合によりアルブミン
結合が完全に無効になるわけではない)。
【0056】
本明細書のRLN類似体の利点は、VHH部分が、天然のA鎖およびB鎖配列だけでな
く、それらの修飾された配列でも使用できることである。さらに、VHH部分は、他のペ
プチド/タンパク質融合物またはVHH部分に付着している小分子を介して、増強された
または追加の機能を有するようにさらに修飾されてもよい。
【0057】
本明細書のRLN類似体の利点は、VHH部分が、ヒトなどの哺乳動物において延長さ
れた作用期間を提供し、約20日~約30日のt1/2を有することができ、それにより
、天然のヒトRLN、特に、天然のヒトRLN2(配列番号5および6)と比較した場合
、少なくとも毎週または隔週の投与が可能となるため、コンプライアンスが改善され得る
ことである。
【0058】
本明細書のRLN類似体の利点は、天然のヒトRLN2(配列番号5および6)と比較
した場合、RXFP2受容体よりもRXFP1に対して類似のまたはより良好な選択性、
親和性、および/または効力を有することである。代替的な言い方をすれば、本明細書の
RLN類似体により、RXFP1受容体での活性が十分となり、RXFP2、RXFP3
、およびRXFP4受容体のうちの1つ以上での活性が低下するかまたは不十分になる。
【0059】
本明細書のRLN類似体の利点は、それらが、VHH部分のアルブミン親和性を変化さ
せることによって達成される調整可能な薬物動態を有することである。
【0060】
本明細書のRLN類似体の利点は、天然のヒトRLN2(配列番号5および6)または
Fc融合を有するRLN類似体と比較した場合に、保存された製剤における安定性が改善
することである。
【0061】
さらに、VHH部分の利点は、これらが、ヒト血清アルブミンだけでなく、イヌ、サル
、マウス、ブタ、およびラットの血清アルブミンにも同等に結合するため、薬力学、薬物
動態学、および毒物学の研究をこれらの種からヒトにより容易に変換できることである。
【0062】
VHH部分の利点は、これらを、天然のヒトRLN2(配列番号5および6)と比較し
た場合、本明細書のRLN類似体のt1/2を改善するために使用できるだけでなく、例
えば、インスリン、成長分化因子15(GDF-15)、またはグルコース依存性インス
リン分泌促進ペプチド1(GLP-1)などの他の生物学的に活性なペプチドおよびタン
パク質のt1/2を改善するためにも使用できることである。
【0063】
別段に定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語および科学用語は、
本開示が属する技術分野の当業者によって一般に理解されるものと同じ意味を有する。本
明細書に記載されるものと類似または同等の任意の方法および材料を、RLN類似体、薬
学的組成物、および方法の実施または試験に使用することができるが、好ましい方法およ
び材料は、本明細書に記載されている。
【0064】
また、不定冠詞「a」または「an」による要素への言及は、文脈により要素が唯一で
あることが明確に求められない限り、1つ超の要素が存在する可能性を排除しない。よっ
て、不定冠詞「a」または「an」は、通常「少なくとも1つ」を意味する。
【0065】
定義
本明細書で使用される場合、「約」は、例えば、明記された濃度、長さ、分子量、pH
、配列同一性、時間枠、温度、体積などの値(単数または複数)の統計学的に意味のある
範囲内を意味する。このような値または範囲は、所与の値または範囲の典型的には20%
以内、より典型的には10%以内、さらにより典型的には5%以内の大きさの範囲内であ
り得る。「約」によって包含される許容される変動は、研究下の特定のシステムに依存し
、当業者によって容易に理解され得る。
【0066】
本明細書で使用する場合、RXFP受容体のうちの1つ以上に関して、「活性」、「活
性化する」、「活性化すること」などは、以下に記載されるインビトロアッセイなどの当
該技術分野で既知であるアッセイを使用して測定して、本明細書のRLN類似体などの化
合物がその受容体に結合し、そこで応答を誘導する能力を意味する。
【0067】
本明細書で使用する場合、「アミノ酸」は、化学的観点から、1つ以上のアミン基およ
び1つ以上のカルボン酸基の存在を特徴とし、他の官能基を含んでもよい分子を意味する
。当該技術分野で既知であるように、標準アミノ酸として指定され、あらゆる生物によっ
て産生されるペプチド/タンパク質の大部分の構成要素として使用され得る20個のアミ
ノ酸のセットが存在する。本開示のアミノ酸配列には、20個の標準アミノ酸のための標
準的な1文字または3文字のコードが含まれる。
【0068】
本明細書で使用する場合、「類似体」は、標的受容体を活性化し、その受容体の天然ア
ゴニストによって誘発される少なくとも1つのインビボまたはインビトロ効果を誘発する
、合成ペプチドまたはポリペプチドなどの化合物を意味する。
【0069】
本明細書で使用する場合、「保存的置換」は、参照分子と、そのアミノ酸配列に1つ以
上の保存的アミノ酸置換を有することを除いて同一である、参照ペプチドまたはポリペプ
チドの変異体を意味する。一般に、保存的に修飾された変異体は、参照アミノ酸配列と、
少なくとも約70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94
%、95%、96%、97%、98%、または99%同一であるアミノ酸配列を含む。よ
り具体的には、保存的置換は、特性(例えば、電荷、側鎖サイズ、疎水性/親水性、骨格
構造、および剛性など)が類似しており、得られる置換されたペプチドまたはポリペプチ
ドの生物学的活性への影響が最小限であるアミノ酸によるアミノ酸の置換を指す。機能的
に類似したアミノ酸の保存的置換は当該技術分野で周知であるため、本明細書で徹底的に
説明する必要はない。
【0070】
本明細書で使用する場合、「有効量」は、本明細書の1つ以上のRLN類似体、または
その薬学的に許容される塩の量または用量であって、それを必要とする個体への単回また
は複数回投与時に、診断または治療中のそのような個体において所望の効果(すなわち、
例えば、例えば、血管新生の増加、血管コンプライアンスの増加、心血流の増加、肝血流
の増加、肺血流の増加、腎血液の増加、糸球体濾過率の増加、血圧の低下、炎症の減少(
または予防)、および/または心臓、腎臓、肝臓、もしくは肺の線維症の減少(または予
防)などの個体の状態における臨床的に測定可能な差異を生じさせ得るもの)を提供する
、量または用量を意味する。有効量は、既知の技法の使用によって、および同様の状況下
で得られた結果を観察することによって、当業者であれば容易に決定することができる。
個体に対する有効量を決定する際には、哺乳動物の種、そのサイズ、年齢、および全般的
な健康状態、関与する特定の疾患または障害、疾患または障害の程度またはその関与もし
くは重症度、個体の応答、投与される特定のRLN類似体、投与の様式、投与される調製
物の生物学的利用能の特性、選択される投薬レジメン、併用薬の使用、ならびに他の関連
する状況を含むがこれらに限定されない、多数の因子が考慮される。
【0071】
本明細書で使用する場合、「長期間の作用」は、本明細書のRLN類似体の結合親和性
および活性が、天然のRLN、特に、天然のヒトRLN2(配列番号5および6)よりも
長い期間継続し、このため、少なくとも、1日1回またはさらには週3回、週2回、もし
くは週1回程度の頻度で投薬することが可能になることを意味する。RLN類似体の時間
作用プロファイルは、以下の実施例で利用するものなどの既知の薬物動態試験方法を使用
して測定されてもよい。
【0072】
本明細書で使用する場合、「半減期」または「t1/2」は、天然のRLNまたは本明
細書のRLN類似体などの化合物の量の半分が、生物学的プロセスにより、個体の血清ま
たは血漿などの流体または他の生理学的空間から除去されるのにかかる時間を意味する。
代替的に、t1/2は、そのような化合物の量が、その薬理学的、生理学的、または放射
線学的活性の半分を失うのにかかる時間を意味することもある。
【0073】
本明細書で使用される場合、「半数効果濃度」または「EC50」は、用量応答曲線(
例えば、cAMP、PI3K-Akt、NFκβ、VEGF、および/または酸化窒素(
NO)シグナル伝達経路)などのアッセイエンドポイントの50%の活性化/刺激をもた
らす化合物の濃度を意味する。
【0074】
本明細書で使用する場合、「と組み合わせて」は、本明細書のRLN類似体のうちの少
なくとも1つを、1つ以上の追加の治療薬と同時に、連続して、またはそれらとの単一の
複合製剤で投与することを意味する。
【0075】
本明細書で使用する場合、「それを必要とする個体」は、例えば、本明細書に列挙され
るものを含む、治療または療法を必要とする状態、疾患、障害、または症状を有する、ヒ
トなどの哺乳動物を意味する。特に、治療される個体はヒトである。
【0076】
本明細書で使用する場合、「長時間作用型」は、本明細書のRLN類似体の結合親和性
および活性が、天然のヒトRLN2(配列番号5および6)よりも長い期間継続し、この
ため、少なくとも、1日1回またはさらには週3回、週2回、週1回、もしくは月1回程
度の頻度で投薬することが可能になることを意味する。本RLN類似体の時間作用プロフ
ァイルは、以下の実施例で説明するものなどの既知の薬物動態試験方法を使用して測定さ
れてもよい。
【0077】
本明細書で使用する場合、「非標準アミノ酸」は、細胞内で自然に発生し得るが、ペプ
チド合成には関与しないアミノ酸を意味する。非標準アミノ酸は、ペプチドの構成要素で
あってもよく、多くの場合、ペプチド内の標準アミノ酸の修飾によって(すなわち、翻訳
後修飾を介して)生成される。非標準アミノ酸には、上記の標準アミノ酸とは反対の絶対
キラリティーを有するD-アミノ酸が含まれ得る。
【0078】
本明細書で使用される場合、「薬学的に許容される緩衝液」は、当業者に既知である標
準的な薬学的緩衝液のうちのいずれかを意味する。
【0079】
本明細書で使用する場合、「RLN」は、哺乳動物種、特にヒトなどの任意の種から得
られるかまたは誘導されるリラキシンを意味し、ここで、天然型は、2つのペプチド鎖(
例えば、A鎖およびB鎖)が2つのジスルフィド結合を介して接続しており、A鎖が単一
の分子内ジスルフィド結合をさらに有する、ヘテロ二量体ペプチドである。RLNには、
天然RLN(すなわち、全長)とその変形(すなわち、天然RLNの付加、欠失、挿入、
および/または置換)との両方が含まれる。ヒトでは、RLN1、RLN2、およびRL
N3の3つの天然RLNアイソフォームがある。RLNプロセシングはプレプロリラキシ
ンから始まり、このプレプロリラキシンがプロリラキシン(A鎖、B鎖、Cペプチドを含
み、天然RLNはB-C-Aの構造を有する)に処理される。天然のヒトproRLN1
の配列は配列番号1に示され(UniProt/SwissProtデータベース受託番
号P04808も参照)、天然のヒトproRLN2の配列は配列番号4に示され(Un
iProt/SwissProtデータベース受託番号P04090も参照)、天然のヒ
トproRLN3の配列は配列番号7に示される(UniProt/SwissProt
データベース受託番号Q8WXF3も参照)。プロリラキシンは、さらなるプロセシング
を受け、このプロセシングでは、Cペプチドが切断されてRLNに到達する。天然のヒト
RLN1、RLN2、およびRLN3のA鎖の配列は、それぞれ、配列番号2、5、およ
び8に示されている。同様に、天然のヒトRLN1、RLN2、およびRLN3のB鎖の
配列は、それぞれ、配列番号3、6、および9に示されている。
【0080】
ヒトには、GPCRとして作用する4つのRLN受容体、RXFP1(配列番号40;
UniProt/SwissProtデータベース受託番号Q9HBX9も参照)、RX
FP2(配列番号41;UniProt/SwissProtデータベース受託番号Q8
WXD0も参照)、RXFP3(配列番号42;UniProt/SwissProtデ
ータベース受託番号Q9NSD7も参照)、およびRXFP4(配列番号43;UniP
rot/SwissProtデータベース受託番号Q8TDU9も参照)がある(Hal
ls et al.(2007)Br.J.Pharmacol.150:677-69
1参照)。ここで興味深いのは、RXFP1およびRXFP2受容体であり、どちらもR
LN1およびRLN2に結合することができる。RXFP1受容体は、脳、血球、骨、心
臓、腎臓、肺、肝臓、および血管系に見出されている一方、RXFP2受容体は、はるか
に制限されており、骨および導帯に見出されている。RXFP1受容体およびRXFP2
受容体の刺激により、アデニル酸シクラーゼ、プロテインキナーゼA、プロテインキナー
ゼC、ホスファチジルイノシトール 3-キナーゼ、および/または細胞外シグナル調節
キナーゼ(Erk1/2)が関与するシグナル伝達ネットワークが活性化される。
【0081】
本明細書で使用する場合、「RLN類似体」などは、1つ以上のRXFP受容体におい
て天然RLNの1つ以上の効果を誘発するが、天然RLNと比較してアミノ酸配列に関し
て何らかの様式で異なる、ペプチドまたはポリペプチドなどの化合物を意味する。RLN
類似体はまた、これらの化合物の変異体を含むことができ、変異体は、RLNと機能的に
同等であるが、断片であるか、または完全な配列ではあるが、付加、欠失、挿入、および
/もしくは置換を有する配列を有する。本明細書に記載の修飾されていないまたは修飾さ
れたRLNにおけるアミノ酸位置へのすべての言及は、別様に明記しない限り、天然のヒ
トRLN2の配列番号5のA鎖または配列番号6のB鎖における対応する位置に基づく。
ある場合には、本明細書のRLN類似体は、RXFPに、より高いまたはより低い親和性
で結合するが、天然のRLN、特に天然のヒトRLN2(配列番号5および6)と比較し
た場合、インビボまたはインビトロでより長いt1/2を示し得る。このように、本明細
書のRLN類似体は、RXFP受容体アゴニストとして作用する合成化合物である。
【0082】
本明細書で使用する場合、「配列相同性」は、例えば、2つ以上の配列の全長または比
較ウィンドウにわたる一致など、生物学的化合物の2つ以上の核酸配列またはアミノ酸配
列の定量的特性を意味する。配列相同性は、(1)同一性パーセントまたは(2)類似性
パーセントにより測定され得る。同一性パーセントは、2つの生物学的化合物間で同一の
残基のパーセンテージを最短配列の長さで割ったものを測定し、一方、類似性パーセント
は、同一性を測定し、加えて、評価に配列ギャップおよび残基類似性を含む。配列相同性
を決定するための方法およびアルゴリズムは当該技術分野で周知であるため、本明細書で
徹底的に説明する必要はない。同一のヌクレオチドまたはアミノ酸位置の特定のパーセン
テージは、少なくとも約75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、9
0%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、ま
たはそれ以上である。
【0083】
本明細書で使用する場合、「一本鎖リラキシン」、「scRLN」などは、A-L2-
BまたはB-L2-Aのように、A鎖とB鎖とがリンカー(すなわち、L2)によって互
いに接続しているRLNポリペプチドを意味する。さらに、scRLNは、正しい構造的
折り畳みを維持するために、天然の鎖間および/または鎖内ジスルフィド結合のうちの少
なくとも1つを含み得る。
【0084】
本明細書で使用する場合、「二本鎖リラキシン」、「tcRLN」などは、天然RLN
など、正しい構造的折り畳みを維持するために、A鎖およびB鎖が、いずれのリンカーに
よってでもなく1つ以上の鎖間および/または鎖内ジスルフィド結合によって互いに接続
しているRLNポリペプチドを意味する。
【0085】
本明細書で使用する場合、「治療すること(「treating」または「to tr
eat」)」は、状態、疾患、障害、または症状の進行またはその重症度を軽減する、抑
制する、逆転させる、減速させる、または停止させる目的でRLN類似体投与が指示され
る状態、疾患、障害、または症状を有する個体を管理または看護することを意味する。治
療することには、本明細書のRLN類似体または本明細書のRLN類似体を含む組成物を
個体に投与して、症状もしくは合併症の発症を予防する、症状もしくは合併症を緩和する
、または状態、疾患、障害、もしくは症状を排除することが含まれる。治療することには
、RLN類似体または本明細書のRLN類似体を含む組成物を個体に投与して、例えば、
血管新生の増加、血管コンプライアンスの増加、心血流の増加、肝血流の増加、肺血流の
増加、腎血液の増加、糸球体濾過率の増加、血圧の低下、炎症の減少(または予防)、お
よび/または心臓、腎臓、肝臓、もしくは肺の線維症の減少(または予防)などを生じさ
せることが含まれる。治療される個体は、哺乳動物、特にヒトである。
【0086】
本明細書で使用する場合、「個体」、「患者」、および「対象」は、同義に使用され、
哺乳動物、特にヒトを意味する。ある特定の場合には、個体は、本明細書のRLN類似体
を投与することから利益を得るであろう状態、疾患、障害、および/または症状をさらに
特徴とする。
【0087】
本明細書で使用する場合、「VHH」または「VHH部分」は、単一ドメイン抗体の形
態、特に、サイズが約15kDaと非常に小さい、重鎖のみの抗体(HcAb)の単一の
単量体可変領域の抗体断片を意味する。VHH部分を薬物動態エンハンサーとして使用し
て、本明細書のRLN類似体の作用期間を延長し、かつ/またはt1/2を改善できるこ
とが、ここに見出された。本明細書のVHH部分は血清アルブミンに結合するが、このV
HH部分は、IgG(Fcドメインを含む)、新生児Fc受容体(FcRn)、または他
の長期持続性血清タンパク質に結合するために使用することができる。本明細書のVHH
部分は、RLNのt1/2を改善するために使用されるが、同様に、例えば、インスリン
、GDF-15、またはGLP-1などの他の生物学的に活性なペプチド/タンパク質の
t1/2を改善するために使用することができる。
【0088】
ある特定の略語を次のように定義する。「ACR」は尿中アルブミン/尿中クレアチニ
ン比を指し、「amu」は原子質量単位を指し、「AUC」は曲線下面積を指し、「Bo
c」はtert-ブトキシカルボニルを指し、「cAMP」は環状アデノシン一リン酸を
指し、「CMV」はサイトメガロウイルスを指し、「CV」はカラム体積を指し、「DN
A」はデオキシリボ核酸を指し、「DMF」はジメチルホルムアミドを指し、「DMSO
」はジメチルスルホキシドを指し、「EDC」は1-エチル-3-(3-ジメチルアミノ
プロピル)カルボジイミド塩酸塩を指し、「EDTA」はエチレンジアミン四酢酸を指し
、「EIA/RIA」は酵素イムノアッセイ/ラジオイムノアッセイを指し、「ETA」
はエタノールアミンを指し、「GS」はグルタミンシンテターゼを指し、「HIC」は疎
水性相互作用クロマトグラフィーを指し、「hr」は時間(単数または複数)を指し、「
HTRF」は均一時間分解蛍光を指し、「IV」は静脈内を指し、「IP」は腹腔内を指
し、「kDa」はキロダルトンを指し、「LC/MS」は液体クロマトグラフィー質量分
析を指し、「min」は分(単数または複数)を指し、「MS」は質量分析を指し、「M
SX」はメチオニンスルホキシミンを指し、「NaOAc」は酢酸ナトリウムを指し、「
NHS」はN-ヒドロキシスクシンイミドを指し、「OtBu」はO-tert-ブチル
を指し、「Pbf」はNG-2,2,4,6,7-ペンタメチルジヒドロベンゾフラン-
5-スルホニルを指し、「PEI」はポリエチレンイミンを指し、「RP-HPLC」は
逆相高速液体クロマトグラフィーを指し、「RU」は共鳴単位を意味し、「sec」は秒
(単数または複数)を指し、「SPR」は表面プラズモン共鳴を指し、「SQ」は皮下を
指し、「SEC」はサイズ排除クロマトグラフィーを指し、「SEM」は平均の標準誤差
を指し、「TFA」はトリフルオロ酢酸を指し、「Trt」はトリチルを指す。
【0089】
RLN類似体
本明細書RLN類似体は、天然のヒトRLNと構造的に類似しているが、多くの構造的
な差異がある。例えば、天然のヒトRLN2(配列番号5および6)と比較した場合、R
LN類似体は、天然のヒトRLN2に存在するアミノ酸のうちの1つ以上を欠き、A鎖と
B鎖との間のペプチドリンカーを含み、アルブミン結合VHH部分を含む。本RLN類似
体により、RXFP1受容体での活性が十分となり、RXFP2、RXFP3、およびR
XFP4受容体のうちの1つ以上での活性が低下するかまたは不十分になる。同様に、R
LN類似体は、水溶液への溶解性の改善、化学的および物理的な製剤安定性の改善、薬物
動態プロファイルの拡張(血清アルブミンへのVHH親和性に基づいて調整することがで
きる)、および/または免疫原性の可能性の最小化を含む、治療的処置としてのそれらの
開発可能性に関連する有益な属性を有する。
【0090】
端的には、本明細書のRLN類似体は、以下の構造のうちの1つを有するN末端からC
末端へのアミノ酸配列を含み、
VHH-L1-A-L2-B、
VHH-L1-B-L2-A、
A-L2-B-L1-VHH、または
B-L2-A-L1-VHH、
VHHは、薬物動態エンハンサーとして作用する部分であり、AはRLN A鎖であり、
BはRLN B鎖であり、L1は第1のペプチドリンカーであり、L2は第2のペプチド
リンカーであり、ここで、L1とL2とは互いに異なる(すなわち、同じではないアミノ
酸配列を各々が有する)。
【0091】
A鎖に関して、これは、天然のRLN A鎖、例えば、天然のヒトRLN1 A鎖(配
列番号2)、天然のヒトRLN2 A鎖(配列番号5)、または天然のヒトRLN3 A
鎖(配列番号8)であり得る。代替的に、A鎖はその変異体であり得る。例えば、1つの
A鎖変異体は、配列番号5の残基1~4を欠くアミノ酸配列(すなわち、des1~4ヒ
トRLN2 A鎖またはdesA1~4)を有し得る。
【0092】
同様に、またB鎖に関して、これは、天然のRLN B鎖、例えば、天然のヒトRLN
1 B鎖(配列番号3)、天然のヒトRLN2 B鎖(配列番号6)、または天然のヒト
RLN3 B鎖(配列番号9)であり得る。代替的に、B鎖はその変異体であり得る。例
えば、1つのB鎖変異体は、配列番号6の残基1を欠くアミノ酸配列(すなわち、des
1ヒトRLN2 B鎖またはdesB1)を有し得る。
【0093】
ある場合には、A鎖が天然のヒトRLN1 A鎖(配列番号2)、B鎖が天然のヒトR
LN1 B鎖(配列番号3)であり得るか、A鎖が天然のヒトRLN2 A鎖(配列番号
5)、B鎖が天然のヒトRLN2 B鎖(配列番号6)であり得るか、A鎖が天然のヒト
RLN3 A鎖(配列番号8)、B鎖が天然のヒトRLN3 B鎖(配列番号9)であり
得るか、A鎖が天然のヒトRLN1 A鎖(配列番号2)、B鎖が天然のヒトRLN2
B鎖(配列番号6)であり得るか、A鎖が天然のヒトRLN1 A鎖(配列番号2)、B
鎖が天然のヒトRLN3 B鎖(配列番号9)であり得るか、A鎖が天然のヒトRLN2
A鎖(配列番号5)、B鎖が天然のヒトRLN1 B鎖(配列番号3)であり得るか、
A鎖が天然のヒトRLN2 A鎖(配列番号5)、B鎖が天然のヒトRLN3 B鎖(配
列番号9)であり得るか、A鎖が天然のヒトRLN3 A鎖(配列番号8)、B鎖が天然
のヒトRLN1 B鎖(配列番号3)であり得るか、またはA鎖は天然のヒトRLN3
A鎖(配列番号8)、B鎖は天然のヒトRLN2 B鎖(配列番号6)であり得る。
【0094】
ある場合には、A鎖は残基1~4を欠くRLN2 A鎖変異体(desA1~4)であ
ってもよく、B鎖はいずれの天然のB鎖であってもよい。他の場合には、A鎖はいずれの
天然のA鎖であってもよく、B鎖は残基1を欠くRLN2 B鎖変異体(desB1)で
あってもよい。さらに他の場合には、A鎖は、残基1~4を欠くRLN2 A鎖変異体(
desA1~4)であってもよく、B鎖は、残基1を欠くRLN2 B鎖変異体(des
B1)であってもよい。ある特定の場合、A鎖はdesA1~4変異体である。ある特定
の場合、B鎖はdesB1変異体である。
【0095】
本明細書のRLN類似体で使用することができる他のAおよびB鎖は、例えば、国際特
許出願公開第2018/148419号、同第2018/138170号、同第2017
/201340号、同第2016/149501号、同第2015/157829号、同
第2015/067791号、同第2015/067113号、同第2014/1021
79号、同第2013/177529号、同第2013/007563号、同第2013
/004607号、同第2012/031326号、および同第2012/024452
号、ならびに米国特許出願公開第2011/0243942号に記載されている。Cha
n et al.(2012)J.Biol.Chem.287:41152-4116
4、Claasz et al.(2002)Eur.J.Biochem.269:6
287-6293、Hossain et al.(2015)Org.Biomol.
Chem.13:10895-10890、Hossain et al.(2016)
Chem.Sci.7:3805-3819、Park et al.(2008)J.
Biol.Chem.283:32099-32109、およびWilkinson e
t al.(2005)BMC Evol.Biol.5:14も参照されたい。
【0096】
L1に関して、これは、約1アミノ酸~約50アミノ酸のペプチドであり得る。代替的
に、L1は、約1、約5、約10、約15、約20、約25、約30、約35、約40、
約45、または約50アミノ酸であり得る。さらに代替的に、L1は、約5アミノ酸~約
10アミノ酸、約10アミノ酸~約15アミノ酸、約15アミノ酸~約20アミノ酸、約
20アミノ酸~約25アミノ酸、約25アミノ酸~約30アミノ酸、約30アミノ酸~約
35アミノ酸、約35アミノ酸~約40アミノ酸、約40アミノ酸~約45アミノ酸、ま
たは約45アミノ酸~約50アミノ酸であり得る。ある場合には、L1を除外して、A鎖
またはB鎖が直接VHH部分に共役するようにしてもよい。ある場合には、L1は、(G
GGGQ)n(配列番号14)の繰り返し配列を含むことができ、ここで、nは、約1~
約10、特に5(すなわち、(GGGGQ)5、配列番号19)であり得る。他の場合に
は、L1は、(PGPQ)n(配列番号17)の繰り返し配列を含むことができ、ここで
、nは、約1~約10、特に8(すなわち、(PGPQ)8、配列番号20)であり得る
。さらに他の場合には、L1は、(PGPA)n(配列番号18)の繰り返し配列を含む
ことができ、ここで、nは、約1~約10、特に8(すなわち、(PGPA)8、配列番
号21)であり得る。
【0097】
L1としてRLN類似体で使用することができる他のリンカーには、(GGGQ)n(
配列番号15)または(GGGGS)n(配列番号16)が含まれるが、これらに限定さ
れない。
【0098】
L2に関して、これは、約1アミノ酸~約15アミノ酸のペプチドであり得る。代替的
に、L2は、約1、約2、約3、約4、約5、約6、約7、約8、約9、約10、約11
、約12、約13、約14、または約15アミノ酸であり得る。さらに代替的に、L2は
、約1アミノ酸~約5アミノ酸、約5アミノ酸~約10アミノ酸、約10アミノ酸~約1
5アミノ酸、特に10アミノ酸~15アミノ酸であり得る。ある場合には、L2は、Al
a/A残基、Gln/Q残基、Gly/G残基、Pro/P残基、およびSer/S残基
の混合を含み得る。他の場合には、L2は、配列番号22、23、または67であり得る
。
【0099】
VHHに関して、これは、血清アルブミンまたはt1/2が長い別の血清タンパク質に
結合することができる、約50アミノ酸~約200アミノ酸、特に約125アミノ酸~約
150アミノ酸のポリペプチドであり得る。ある場合には、VHHは、配列番号10~1
3のうちのいずれか1つであり得る。代替的に、VHHは、配列番号45~66のいずれ
か1つであり得る。これらのVHH部分の構造的特徴により、天然のRLN、特に天然の
ヒトRLN2(配列番号5および6)と比較した場合、t1/2がより長いRLN類似体
が得られる。本明細書のVHH部分が血清アルブミンを標的とすることを考えると、それ
を理由に、RLN類似体のt1/2は、RLN類似体が投与される種の血清アルブミンの
t1/2と類似していると予想できる(標的媒介性薬物体内動態を考慮に入れる)。
【0100】
本開示に記載の変更に加えて、本明細書のRLN類似体は、本RLN類似体が変わらず
RXFP1受容体に結合し、これを活性化することができることを条件として、1つ以上
の追加のアミノ酸修飾、特に保存的置換を含んでもよい。
【0101】
まとめると、例示的なRLN類似体は次のとおりである。
VHH部分(下線)、(G4Q)
5 L
1(斜体)、RLN2のA鎖、10残基のL
2
(太字)、およびRLN2のB鎖(desB1)を含むRLN類似体1は、次のアミノ酸
配列:
【化1】
(配列番号24)またはその薬学的に許容される塩を有し、
VHH部分(下線)、(PGPA)
8 L
1(斜体)、RLN2のA鎖、10残基のL
2(太字)、およびRLN2のB鎖(desB1)を含むRLN類似体2は、次のアミノ
酸配列:
【化2】
(配列番号25)またはその薬学的に許容される塩を有し、
VHH部分(下線)、(G4Q)
5 L
1(斜体)、RLN2のB鎖(desB1)、
10残基のL
2(太字)、およびRLN2のA鎖を含むRLN類似体3は、次のアミノ酸
配列:
【化3】
(配列番号26)またはその薬学的に許容される塩を有し、
VHH部分(下線)、(PGPQ)
8 L
1(斜体)、RLN2のB鎖(desB1)
、10残基のL
2(太字)、およびRLN2のA鎖を含むRLN類似体4は、次のアミノ
酸配列:
【化4】
(配列番号27)またはその薬学的に許容される塩を有し、
RLN2のB鎖(desB1)、10残基のL
2(太字)、RLN2のA鎖、(G4Q
)
5 L
1(斜体)、およびVHH部分(下線)を含むRLN類似体5は、次のアミノ酸
配列:
【化5】
(配列番号28)またはその薬学的に許容される塩を有し、
RLN2のB鎖(desB1)、10残基のL
2(太字)、RLN2のA鎖、(PGP
Q)
8 L
1(斜体)、およびVHH部分(下線)を含むRLN類似体6は、次のアミノ
酸配列:
【化6】
(配列番号29)またはその薬学的に許容される塩を有し、
VHH部分(下線)、(G4Q)
5 L
1(斜体)、RLN2のB鎖(desB1)、
10残基のL
2(太字)、およびRLN2のA鎖を含むRLN類似体7は、次のアミノ酸
配列:
【化7】
(配列番号30)またはその薬学的に許容される塩を有し、
VHH部分(下線)、(PGPQ)
8-L
1(斜体)、RLN2のB鎖(desB1)
、10残基のL
2(太字)、およびRLN2のA鎖を含むRLN類似体8は、次のアミノ
酸配列:
【化8】
(配列番号31)またはその薬学的に許容される塩を有し、
RLN2のB鎖(desB1)、10残基のL
2(太字)、RLN2のA鎖、(G4Q
)
5 L
1(斜体)、およびVHH部分(下線)を含むRLN類似体9は、次のアミノ酸
配列:
【化9】
(配列番号32)またはその薬学的に許容される塩を有し、
RLN2のB鎖(desB1)、10残基のL
2(太字)、RLN2のA鎖、(PGP
Q)
8 L
1(斜体)、およびVHH部分(下線)を含むRLN類似体10は、次のアミ
ノ酸配列:
【化10】
(配列番号33)またはその薬学的に許容される塩を有し、
VHH部分(下線)、(G4Q)
5 L
1(斜体)、RLN2のB鎖(desB1)、
13残基のL
2(太字)、およびRLN2のA鎖(desA1~4)を含むRLN類似体
11は、次のアミノ酸配列:
【化11】
(配列番号34)またはその薬学的に許容される塩を有し、
VHH部分(下線)、(G4Q)
5 L
1(斜体)、RLN2のB鎖(desB1)、
13残基のL
2(太字)、およびRLN2のA鎖(desA1~4)を含むRLN類似体
12は、次のアミノ酸配列:
【化12】
(配列番号35)またはその薬学的に許容される塩を有し、
VHH部分(下線)、(G4Q)
5 L
1(斜体)、RLN2のA鎖(desA1~4
)、10残基のL
2(太字)、およびRLN2のB鎖(desB1)を含むRLN類似体
13は、次のアミノ酸配列:
【化13】
(配列番号36)またはその薬学的に許容される塩を有し、
VHH部分(下線)、(PGPQ)
8 L
1(斜体)、RLN2のA鎖(desA1~
4)、10残基のL
2(太字)、およびRLN2のB鎖(desB1)を含むRLN類似
体14は、次のアミノ酸配列:
【化14】
(配列番号37)またはその薬学的に許容される塩を有し、
VHH部分(下線)、(G4Q)
5 L
1(斜体)、RLN2のB鎖(天然)、10残
基のL
2(太字)、およびRLN2のA鎖(天然)を含むRLN類似体15は、次のアミ
ノ酸配列:
【化15】
(配列番号38)またはその薬学的に許容される塩を有し、
VHH部分(下線)、(PGPA)
8 L
1(斜体)、RLN2のB鎖(天然)、10
残基のL
2(太字)、およびRLN2のA鎖(天然)を含むRLN類似体16は、次のア
ミノ酸配列:
【化16】
(配列番号39)またはその薬学的に許容される塩を有する。
【0102】
本明細書のRLN類似体の半減期は、例えば、以下の実施例に記載する方法を含む、当
該技術分野で既知の方法を使用して測定することができる。同様に、異なる種のアルブミ
ンに対する本RLN類似体の親和性は、結合親和性を測定するための当該技術分野で既知
の方法、例えば、以下の実施例に記載する方法を使用して測定することができ、一般に平
衡解離定数(KD)値として表される。さらに、RXFP受容体の各々での本明細書に記
載されるRLN類似体の活性は、例えば、以下に記載するインビトロ活性アッセイを含む
、当該技術分野で既知の方法を使用して測定することができ、一般にEC50値として表
される。
【0103】
上記の修飾の結果として、本明細書のRLN類似体は、哺乳動物、特にヒトに投与され
る場合、t1/2が、天然のRLN、特に天然のヒトRLN2(配列番号5および6)の
t1/2よりも長い。上述のように、本明細書のVHH部分は、血清アルバムを標的とす
るので、本明細書のRLN類似体のt1/2は、RLN類似体が投与される種の血清アル
ブミンのt1/2と類似していると予想することができる。ある場合には、本RLN類似
体は、t1/2が、約1日~約31日、約5日~約25日、約10日~約20日、または
さらには約15日であり得る。他の場合には、本RLN類似体は、t1/2が、約1日~
約5日、約6日~約10日、約11日~約15日、約16日~約20日、約21日~約2
5日、またはさらには約26日~約31日であり得る。他の場合には、本RLN類似体は
、t1/2が、約1日、約2日、約3日、約4日、約5日、約6日、約7日、約8日、約
9日、約10日、約11日、約12日、約13日、約14日、約15日、約16日、約1
7日、約18日、約19日、約20日、約21日、約22日、約23日、約24日、約2
5日、約26日、約27日、約28日、約29日、約30日、またはさらには約31日で
あり得る。特定の場合、本RLN類似体は、ヒトに投与される場合、t1/2が、約20
日であり得る。
【0104】
同様に、本明細書のRLN類似体は、ヒトに投与される場合、RXFP1受容体での効
力が、例えば、天然のヒトRLN2(配列番号5および6)の約10倍~約100倍以内
である。
【0105】
薬学的組成物およびキット
本明細書に記載のRLN類似体は、非経口経路(例えば、静脈内、腹腔内、筋肉内、皮
下、または経皮)によって投与することができる薬学的組成物として製剤化することがで
きる。そのような薬学的組成物およびそれを調製するための技法は、当該技術分野におい
て周知である。例えば、Remington,「The Science and Pr
actice of Pharmacy」(D.B.Troy ed.,21st Ed
.,Lippincott,Williams&Wilkins,2006)を参照され
たい。特定の場合、本RLN類似体は、SQまたはIVで投与される。しかしながら、代
替的には、RLN類似体は、例えば、錠剤または経口投与のための他の固形物、徐放性カ
プセル、およびクリーム、ローション、吸入剤などを含む現在使用されている任意の他の
形態などの他の薬学的に許容される経路のための形態で製剤化され得る。
【0106】
上述のように、それらのインビボ適合性および有効性を改善するため、本明細書のRL
N類似体は、任意の数の無機および有機酸/塩基と反応して、薬学的に許容される酸/塩
基付加塩を形成し得る。薬学的に許容される塩およびそれらを調製するための一般的な技
法は、当該技術分野で周知である(例えば、Stahl et al.,「Handbo
ok of Pharmaceutical Salts:Properties,Se
lection and Use」(2nd Revised Ed.Wiley-VC
H,2011))。本明細書における使用のための薬学的に許容される塩としては、ナト
リウム塩、トリフルオロ酢酸塩、塩酸塩、および/または酢酸塩が挙げられる。
【0107】
本明細書のRLN類似体は、医師によって投与されても、注射を使用して自己投与されて
もよい。ゲージサイズおよび注入量は、当業者によって容易に決定され得ることが理解さ
れる。ただし、注入容量は、約2mL以下、またはさらには約1mL以下であり、ニード
ルゲージは、約27G以上、またはさらには約29G以上であり得る。
【0108】
本開示はまた、本明細書に記載のRLN類似体またはその薬学的に許容される塩を合成
するために有用である新規な中間体および方法を提供し、したがってこれらを包含する。
本中間体およびRLN類似体は、当該技術分野で周知の様々な技法によって調製すること
ができる。例えば、組換え合成を使用する方法を以下の実施例で例解する。記載される技
法の各々についての具体的なステップは、本RLN類似体を調製するための種々の方法に
おいて組み合わせることができる。試薬および出発材料は、当業者であれば容易に入手可
能である。
【0109】
本明細書のRLN類似体は、概して、広い投薬量範囲にわたって有効である。本RLN
類似体またはそれを含む薬学的組成物の例示的な用量は、個体1キログラム(kg)当た
りのミリグラム(mg)またはマイクログラム(μg)、ナノグラム(ng)、またはピ
コグラム(pg)量であり得る。このようにして、1日用量は約1μg~約100mgと
なり得る。
【0110】
ここで、薬学的組成物中のRLN類似体の有効量は、約0.25mg~約5.0mgの
用量であり得る。ただし、当業者であれば、ある場合には、有効量(すなわち、用量/投
薬量)が前述の範囲の下限を下回っても十分すぎる可能性があること、一方で他の事例で
は、有効量がより多くの用量となってもよく、許容できる副作用を伴って用いられてもよ
いことを理解する。
【0111】
本明細書のRLN類似体に加えて、本薬学的組成物は、少なくとも1つの追加の治療薬
、特に、心血管、肺、および腎臓の状態、疾患、および障害における標準治療として典型
的に使用される治療薬も含むことができる。
【0112】
このように、本薬学的組成物は、有効量の少なくとも1つの本明細書のRLN類似体、
薬学的に許容される担体、および任意選択で少なくとも1つの追加の治療薬を含むことが
できる。例えば、本薬学的組成物は、有効量の配列番号24のRLN類似体および薬学的
に許容される担体、有効量の配列番号25のRLN類似体および薬学的に許容される担体
、有効量の配列番号26のRLN類似体および薬学的に許容される担体、有効量の配列番
号27のRLN類似体および薬学的に許容される担体、有効量の配列番号28のRLN類
似体および薬学的に許容される担体、有効量の配列番号29のRLN類似体および薬学的
に許容される担体、有効量の配列番号30のRLN類似体および薬学的に許容される担体
、有効量の配列番号31のRLN類似体および薬学的に許容される担体、有効量の配列番
号32のRLN類似体および薬学的に許容される担体、有効量の配列番号33のRLN類
似体および薬学的に許容される担体、有効量の配列番号34のRLN類似体および薬学的
に許容される担体、有効量の配列番号35のRLN類似体および薬学的に許容される担体
、有効量の配列番号36のRLN類似体および薬学的に許容される担体、有効量の配列番
号37のRLN類似体および薬学的に許容される担体、有効量の配列番号38のRLN類
似体および薬学的に許容される担体、または有効量の配列番号39のRLN類似体および
薬学的に許容される担体を含むことができる。
【0113】
代替的に、本明細書のRLN類似体は、キットの一部として提供され得る。ある場合に
は、本キットには、少なくとも1つのRLN類似体(および任意選択で少なくとも1つの
追加の治療薬)を個体に投与するためのデバイスが含まれる。ある特定の場合には、本キ
ットには、少なくとも1つのRLN類似体(および任意選択で少なくとも1つの追加の治
療薬)を投与するための注射器および針が含まれる。特定の場合には、RLN類似体(お
よび任意選択で少なくとも1つの追加の治療薬)は、注射器内の水溶液中に予め製剤化さ
れる。
【0114】
RLN類似体の作製および使用方法
本明細書のRLN類似体は、当該技術分野で既知の任意の数の標準的な組換えDNA法
または標準的な化学ペプチド合成法を介して作製することができる。組換えDNA法に関
しては、標準的な組換え技法を使用して、RLN類似体のアミノ酸配列をコードする核酸
配列を有するポリヌクレオチドを構築し、そのポリヌクレオチドを組換え発現ベクターに
組み込み、ベクターを、細菌、酵母、および哺乳動物細胞などの宿主細胞に導入して、R
LN類似体を産生させることができる。例えば、Green&Sambrook,「Mo
lecular Cloning:A Laboratory Manual」(Col
d Spring Harbor Laboratory Press,4th ed.
2012)を参照されたい。
【0115】
組換えDNA法に関して、本明細書の化合物は、組換えDNA技術を使用してタンパク
質または前駆体タンパク質分子を産生させることにより調製することができる。cDNA
および合成DNAを含むDNAは、二本鎖であっても一本鎖であってもよく、本明細書の
化合物をコードするその中のコード配列は、遺伝暗号の冗長性または縮退の結果として変
化してもよい。端的には、本明細書の化合物をコードするDNA配列を宿主細胞に導入し
て、本化合物またはその前駆体を生成する。宿主細胞は、Escherichia co
liのK12株またはB株などの細菌細胞、酵母細胞などの真菌細胞、またはチャイニー
ズハムスター卵巣(CHO)細胞などの哺乳動物細胞であり得る。
【0116】
本発明の化合物またはその前駆体を産生するために、適切な宿主細胞を、発現ベクター
などの発現系で一過性または安定にトランスフェクトまたは形質転換する。発現ベクター
は、典型的には、エピソーム、または宿主染色体DNAの一体化した部分のいずれかとし
て、宿主生物中で複製可能である。一般に、発現ベクターは、所望のDNA配列で形質転
換された細胞の検出を可能にするために、選択マーカー、例えば、テトラサイクリン、ネ
オマイシン、G418、およびジヒドロ葉酸レダクターゼを含有する。
【0117】
本発明の化合物を調製するために、本明細書に記載されるステップの各々のための特定
の生合成ステップまたは合成ステップを使用してもよいし、使用しなくてもよいし、また
は異なる方法で組み合わせてもよい。
【0118】
化学ペプチド合成法に関しては、標準的な手動または自動の固相合成手順を使用するこ
とができる。例えば、自動ペプチド合成装置は、例えば、Applied Biosys
tems(Foster City,CA)およびProtein Technolog
ies Inc.(Tucson,AZ)から市販されている。固相合成用の試薬は、商
用供給業者から容易に入手可能である。干渉基のブロック、反応中のアミノ酸の保護、カ
ップリング、脱保護、および未反応のアミノ酸のキャッピングのために、固相合成装置を
製造業者の指示に従って使用することができる。合成RLNの作製に関する追加の詳細は
、米国特許第4,835,251号および同第5,166,191号に記載されている。
【0119】
本明細書のRLN類似体の1つの使用は、心血管の状態、疾患、および/または障害を
治療するためのものである。例示的な心血管の状態、疾患、および障害には、急性心不全
、慢性心不全、アテローム性動脈硬化症、冠動脈疾患、糖尿病、脳卒中、高コレステロー
ル血症、高血圧、虚血、血管収縮、および心室肥大が含まれるが、これらに限定されない
。
【0120】
本明細書のRLN類似体の別の使用は、肺の状態、疾患、および/または障害を治療す
るためのものである。例示的な肺の状態、疾患、および障害には、肺高血圧症および慢性
閉塞性肺疾患(COPD)が含まれるが、これらに限定されない。
【0121】
本明細書のRLN類似体の別の使用は、腎の状態、疾患、および/または障害を治療す
るためのものである。例示的な腎の状態、疾患、および障害には、慢性腎疾患および糖尿
病性腎症が含まれるが、これらに限定されない。
【0122】
本方法には、本明細書に記載のステップが含まれてもよく、これらは、必ずではないが
記載の順序で実行されてもよい。しかしながら、他の順序も考えられる。さらに、個々の
または複数のステップは、時間的に並行しておよび/もしくは重複して、ならびに/また
は個別に、または複数回繰り返されるステップで実行されてもよい。さらに、本方法には
、追加の不特定のステップが含まれてもよい。
【0123】
したがって、そのような方法には、心血管の状態、疾患、もしくは障害を有するか、ま
たはそれに罹患しやすい個人を選択することが含まれ得る。代替的に、本方法には、肺の
状態、疾患、もしくは障害を有するか、またはそれに罹患しやすい個人を選択することが
含まれ得る。代替的に、本方法には、腎の状態、疾患、もしくは障害を有するか、または
それに罹患しやすい個人を選択することが含まれ得る。ある特定の場合、本方法には、糖
尿病、腎機能障害を伴う高血圧、および/または肥満である個体を選択することが含まれ
得る。
【0124】
本方法にはまた、有効量の本明細書の少なくとも1つのRLN類似体を個体に投与する
ことが含まれてもよく、本類似体は、同様に本明細書に記載されるような薬学的組成物の
形態であってもよい。ある場合には、本RLN類似体/薬学的組成物には、追加の治療薬
、例えば、抗凝固剤、ACE阻害剤、ARB、ARNI、β遮断薬、利尿薬、ジギタリス
、ジゴキシン、硝酸ヒドララジン/イソルビド、MRAもしくは他のアルドステロンアン
タゴニスト)、SGLT2阻害剤、スタチン、および/または抗血糖剤、ならびに高コレ
ステロール、高血圧、心房細動、および糖尿病を含むがこれらに限定されない共存症を制
御するための他の治療薬が含まれる。
【0125】
本RLN類似体および任意選択の追加の治療薬の濃度/用量/投薬は、本明細書の他箇
所で考察されている。
【0126】
投与経路に関して、RLN類似体またはそれを含む薬学的組成物は、例えば、経口、注
射(すなわち、動脈内、静脈内、腹腔内、脳内、脳室内、筋肉内、眼内、門脈内、または
病変内)、徐放性系、または埋め込みデバイスなどによる既知の方法に従って投与され得
る。ある特定の場合には、RLN類似体またはそれを含む薬学的組成物は、ボーラス注射
によってまたは連続的にSQ投与され得る。
【0127】
投薬頻度に関して、RLN類似体またはそれを含む薬学的組成物は、毎日、隔日、週3
回、週2回、週1回(すなわち、毎週)、隔週(すなわち、1週間おきに)、または毎月
投与され得る。ある特定の場合には、RLN類似体またはそれを含む薬学的組成物は、S
Qで1日おきに、SQで週3回、SQで週2回、SQで週1回、SQで1週間おきに、ま
たはSQで毎月投与される。特定の場合には、RLN類似体またはそれを含む薬学的組成
物は、週1回SQ投与(QW)される。
【0128】
本RLN類似体またはそれを含む薬学的組成物が有効量の少なくとも1つの追加の治療
薬と組み合わせて投与される場合に関して。追加の治療薬は、RLN類似体またはそれを
含む薬学的組成物と同時に、別々に、または連続して投与され得る。
【0129】
さらに、追加の治療薬は、RLN類似体またはそれを含む薬学的組成物と同じ頻度で(
すなわち、隔日、週2回、またはさらには毎週)投与され得る。代替的に、追加の治療薬
は、RLN類似体またはそれを含む薬学的組成物とは異なる頻度で投与され得る。他の場
合には、追加の治療薬は、SQで投与され得る。他の場合には、追加の治療薬は、IVで
投与され得る。さらに他の場合には、追加の治療薬は、経口で投与され得る。
【0130】
これらの方法は、食餌療法および運動と組み合わせてもよく、かつ/または上で考察し
たもの以外の追加の治療薬と組み合わせてもよいことがさらに企図される。
【実施例0131】
以下の非限定的な実施例は、限定ではなく例示の目的で提供される。
【0132】
ポリペプチド発現
実施例1:RLN類似体1の組換え発現
実施例1は、以下のアミノ酸配列を有するRLN類似体である。
EVQLLESGGGLVQPGGSLRLSCAASGRYIDETAVAWFRQA
PGKEREFVAGIGGGVDITYYADSVKGRFTISRDNSKNTLY
LQMNSLRPEDTAVYYCAARPGRPLITSKVADLYPYWGQGT
LVTVSSGGGGQGGGGQGGGGQGGGGQGGGGQQLYSALANK
CCHVGCTKRSLARFCGGGSGGSGGGSWMEEVIKLCGRELV
RAQIAICGMSTWS
(配列番号24)
【0133】
ここでは、配列番号24のRLN類似体を、CHOK1細胞誘導体を使用して哺乳動物
細胞発現系において生成する。配列番号24をコードするcDNA配列を、GSを含む発
現プラスミド骨格(pEE12.4ベースのプラスミド)にサブクローニングする。cD
NA配列を、シグナルペプチド配列METDTLLLWVLLLWVPGSTG(配列番
号44)のコード配列とインフレームで融合させて、組織培養培地へのRLN類似体の分
泌を増強する。発現をウイルス性CMVプロモーターにより駆動する。
【0134】
一過性トランスフェクションを介してRLN類似体を生成するために、PEIベースの
方法を使用して、CHOK1細胞を組換え発現プラスミドでトランスフェクトする。端的
には、密度4×106細胞/mLの適切な体積のCHOK1の懸濁細胞を振盪フラスコに
移し、PEIおよび組換えプラスミドDNAの両方を細胞に加える。細胞を浮遊培養にお
いて32℃で6日間インキュベートする。インキュベーション期間の終了時、細胞を低速
遠心分離により除去し、RLN類似体タンパク質を馴化培地から精製する。
【0135】
代替的に、またRLN類似体を安定なトランスフェクションを介して生成するために、
CHOK1細胞を、エレクトロポレーションおよび適切な量の組換え発現プラスミドを使
用して安定にトランスフェクトし、トランスフェクトされた細胞を適正な細胞密度で浮遊
培養中に維持する。トランスフェクトされた細胞の選択を、25μMのMSX含有無血清
培地中で増殖させることにより達成し、約35℃~37℃および約5~7%CO2でイン
キュベートする。
【0136】
RLN類似体をCHO細胞から培地に分泌させ、これを、タンパク質A親和性クロマト
グラフィーと、その後のイオン交換および疎水性相互作用クロマトグラフィーまたはサイ
ズ排除クロマトグラフィーとにより精製する。具体的には、採取した培地からのRLN類
似体を、Mab Selectタンパク質A樹脂(GE)に捕捉する。次に、リン酸緩衝
生理食塩水(PBS、pH7.4)またはトリス含有緩衝液などの泳動用緩衝液で樹脂を
簡単に洗浄して、非特異的に結合した物質を除去する。タンパク質を、10mMクエン酸
pH3などの低pH溶液で樹脂から溶出させる。RLN類似体を含む画分をプールし、潜
在ウイルスを不活化するために低pHに保持してもよい。pH8.0の0.1Mトリスな
どの塩基を加えることで、pHを中性化してもよい。RLN類似体を、Poros 50
HS(ThermoFisher)などの樹脂を使用するイオン交換クロマトグラフィ
ーによりさらに精製してもよい。15カラム体積にわたるpH5.0の20mM NaO
Ac中での0mMから500mMへのNaCl勾配を使用して、RLN類似体をカラムか
ら溶出させる。
【0137】
RLN類似体を、Capto Phenyl ImpRes HIC Column(
GE Healthcare)を使用することで、疎水性相互作用クロマトグラフィーに
よりさらに精製してもよい。精製は、カラム充填溶液を約0.5M硫酸ナトリウムに調整
し、pH8の20mMトリス溶液中の硫酸ナトリウム0.5Mから0Mへの10CV勾配
を使用して溶出させることにより行う。HICの後、RLN類似体を、pH7.4のPB
S中またはpH6.0の20mMヒスチジン、50mM NaCl中でのアイソクラティ
ック溶出を用いて、濃縮されたCapto Phenyl ImpResプールをSup
erdex200(GE Healthcare)にローディングして、SECにより、
なおさらに精製してもよい。
【0138】
精製されたRLN類似体を、Planova 20N(Asahi Kasei Me
dical)などのウイルス保持フィルターに通した後、再生セルロース膜(Milli
pore)上の接線流限外濾過を使用して、pH6の20mMヒスチジン、20mM N
aClに濃縮/透析濾過する。
【0139】
したがって、RLN類似体は、この様式で、または当業者によって容易に決定される類
似の様式で、調製される。
【0140】
実施例2:RLN類似体2の組換え発現
実施例2は、以下のアミノ酸配列を有するRLN類似体である。
EVQLLESGGGLVQPGGSLRLSCAASGRYIDETAVAWFRQA
PGKEREFVAGIGGGVDITYYADSVKGRFTISRDNSKNTLY
LQMNSLRPEDTAVYYCAARPGRPLITSKVADLYPYWGQGT
LVTVSSPGPAPGPAPGPAPGPAPGPAPGPAPGPAPGPAQL
YSALANKCCHVGCTKRSLARFCGGGSGGSGGGSWMEEVIK
LCGRELVRAQIAICGMSTWS(配列番号25)
【0141】
ここでは、配列番号25のRLN類似体を、配列番号25をコードするcDNA配列を
発現プラスミド中で使用することを除いて本質的に実施例1について説明したように生成
する。
【0142】
実施例3:RLN類似体3の組換え発現
実施例3は、以下のアミノ酸配列を有するRLN類似体である。
EVQLLESGGGLVQPGGSLRLSCAASGRYIDETAVAWFRQA
PGKEREFVAGIGGGVDITYYADSVKGRFTISRDNSKNTLY
LQMNSLRPEDTAVYYCAARPGRPLITSKVADLYPYWGQGT
LVTVSSGGGGQGGGGQGGGGQGGGGQGGGGQSWMEEVIKL
CGRELVRAQIAICGMSTWSGGGSGGSGGGQLYSALANKCC
HVGCTKRSLARFC
(配列番号26)
【0143】
ここでは、配列番号26のRLN類似体を、配列番号26をコードするcDNA配列を
発現プラスミド中で使用することを除いて本質的に実施例1について説明したように生成
する。
【0144】
実施例4:RLN類似体4の組換え発現
実施例4は、以下のアミノ酸配列を有するRLN類似体である。
EVQLLESGGGLVQPGGSLRLSCAASGRYIDETAVAWFRQA
PGKEREFVAGIGGGVDITYYADSVKGRFTISRDNSKNTLY
LQMNSLRPEDTAVYYCAARPGRPLITSKVADLYPYWGQGT
LVTVSSPGPQPGPQPGPQPGPQPGPQPGPQPGPQPGPQSW
MEEVIKLCGRELVRAQIAICGMSTWSGGGSGGSGGGQLYS
ALANKCCHVGCTKRSLARFC(配列番号27)
【0145】
ここでは、配列番号27のRLN類似体を、配列番号27をコードするcDNA配列を
発現プラスミド中で使用することを除いて本質的に実施例1について説明したように生成
する。
【0146】
実施例5:RLN類似体5の組換え発現
実施例5は、以下のアミノ酸配列を有するRLN類似体である。
SWMEEVIKLCGRELVRAQIAICGMSTWSGGGSGGSGGGQL
YSALANKCCHVGCTKRSLARFCGGGGQGGGGQGGGGQGGG
GQGGGGQEVQLLESGGGLVQPGGSLRLSCAASGRYIDETA
VAWFRQAPGKEREFVAGIGGGVDITYYADSVKGRFTISRD
NSKNTLYLQMNSLRPEDTAVYYCAARPGRPLITSKVADLY
PYWGQGTLVTVSSPP(配列番号28)
【0147】
ここでは、配列番号28のRLN類似体を、配列番号28をコードするcDNA配列を
発現プラスミド中で使用することを除いて本質的に実施例1について説明したように生成
する。
【0148】
実施例6:RLN類似体6の組換え発現
実施例6は、以下のアミノ酸配列を有するRLN類似体である。
SWMEEVIKLCGRELVRAQIAICGMSTWSGGGSGGSGGGQL
YSALANKCCHVGCTKRSLARFCPGPQPGPQPGPQPGPQPG
PQPGPQPGPQPGPQEVQLLESGGGLVQPGGSLRLSCAASG
RYIDETAVAWFRQAPGKEREFVAGIGGGVDITYYADSVKG
RFTISRDNSKNTLYLQMNSLRPEDTAVYYCAARPGRPLIT
SKVADLYPYWGQGTLVTVSSPP(配列番号29)
【0149】
ここでは、配列番号29のRLN類似体を、配列番号29をコードするcDNA配列を
発現プラスミド中で使用することを除いて本質的に実施例1について説明したように生成
する。
【0150】
実施例7:RLN類似体7の組換え発現
実施例7は、以下のアミノ酸配列を有するRLN類似体である。
EVQLLESGGGLVQPGGSLRLSCAASGRYIDETAVAWFRQA
PGKGREFVAGIGGGVDITYYADSVKGRFTISRDNSKNTLY
LQMNSLRPEDTAVYYCAARPGRPLITSKVADLYPYWGQGT
LVTVSSGGGGQGGGGQGGGGQGGGGQGGGGQSWMEEVIKL
CGRELVRAQIAICGMSTWSGGGSGGSGGGQLYSALANKCC
HVGCTKRSLARFC
(配列番号30)
【0151】
ここでは、配列番号30のRLN類似体を、配列番号30をコードするcDNA配列を
発現プラスミド中で使用することを除いて本質的に実施例1について説明したように生成
する。
【0152】
実施例8:RLN類似体8の組換え発現
実施例8は、以下のアミノ酸配列を有するRLN類似体である。
EVQLLESGGGLVQPGGSLRLSCAASGRYIDETAVAWFRQA
PGKGREFVAGIGGGVDITYYADSVKGRFTISRDNSKNTLY
LQMNSLRPEDTAVYYCAARPGRPLITSKVADLYPYWGQGT
LVTVSSPGPQPGPQPGPQPGPQPGPQPGPQPGPQPGPQSW
MEEVIKLCGRELVRAQIAICGMSTWSGGGSGGSGGGQLYS
ALANKCCHVGCTKRSLARFC(配列番号31)
【0153】
ここでは、配列番号31のRLN類似体を、配列番号31をコードするcDNA配列を
発現プラスミド中で使用することを除いて本質的に実施例1について説明したように生成
する。
【0154】
実施例9:RLN類似体9の組換え発現
実施例9は、以下のアミノ酸配列を有するRLN類似体である。
SWMEEVIKLCGRELVRAQIAICGMSTWSGGGSGGSGGGQL
YSALANKCCHVGCTKRSLARFCGGGGQGGGGQGGGGQGGG
GQGGGGQEVQLLESGGGLVQPGGSLRLSCAASGRYIDETA
VAWFRQAPGKGREFVAGIGGGVDITYYADSVKGRFTISRD
NSKNTLYLQMNSLRPEDTAVYYCAARPGRPLITSKVADLY
PYWGQGTLVTVSSPP(配列番号32)
【0155】
ここでは、配列番号32のRLN類似体を、配列番号32をコードするcDNA配列を
発現プラスミド中で使用することを除いて本質的に実施例1について説明したように生成
する。
【0156】
実施例10:RLN類似体10の組換え発現
実施例10は、以下のアミノ酸配列を有するRLN類似体である。
SWMEEVIKLCGRELVRAQIAICGMSTWSGGGSGGSGGGQL
YSALANKCCHVGCTKRSLARFCPGPQPGPQPGPQPGPQPG
PQPGPQPGPQPGPQEVQLLESGGGLVQPGGSLRLSCAASG
RYIDETAVAWFRQAPGKGREFVAGIGGGVDITYYADSVKG
RFTISRDNSKNTLYLQMNSLRPEDTAVYYCAARPGRPLIT
SKVADLYPYWGQGTLVTVSSPP(配列番号33)
【0157】
ここでは、配列番号33のRLN類似体を、配列番号33をコードするcDNA配列を
発現プラスミド中で使用することを除いて本質的に実施例1について説明したように生成
する。
【0158】
実施例11:RLN類似体11の組換え発現
実施例11は、以下のアミノ酸配列を有するRLN類似体である。
EVQLLESGGGLVQPGGSLRLSCAASGRYIDETAVAWFRQA
PGKEREFVAGIGGGVDITYYADSVKGRFTISRDNSKNTLY
LQMNSLRPEDTAVYYCAARPGRPLITSKVADLYPYWGQGT
LVTVSSGGGGQGGGGQGGGGQGGGGQGGGGQSWMEEVIKL
CGRELVRAQIAICGMSTWSGGGSGGSGGSGGGALANKCCH
VGCTKRSLARFC
(配列番号34)
【0159】
ここでは、配列番号34のRLN類似体を、配列番号34をコードするcDNA配列を
発現プラスミド中で使用することを除いて本質的に実施例1について説明したように生成
する。
【0160】
実施例12:RLN類似体12の組換え発現
実施例12は、以下のアミノ酸配列を有するRLN類似体である。
EVQLLESGGGLVQPGGSLRLSCAASGRYIDETAVAWFRQA
PGKGREFVAGIGGGVDITYYADSVKGRFTISRDNSKNTLY
LQMNSLRPEDTAVYYCAARPGRPLITSKVADLYPYWGQGT
LVTVSSGGGGQGGGGQGGGGQGGGGQGGGGQSWMEEVIKL
CGRELVRAQIAICGMSTWSGGGSGGSGGSGGGALANKCCH
VGCTKRSLARFC
(配列番号35)
【0161】
ここでは、配列番号35のRLN類似体を、配列番号35をコードするcDNA配列を
発現プラスミド中で使用することを除いて本質的に実施例1について説明したように生成
する。
【0162】
実施例13:RLN類似体13の組換え発現
実施例13は、以下のアミノ酸配列を有するRLN類似体である。
EVQLLESGGGLVQPGGSLRLSCAASGRYIDETAVAWFRQA
PGKGREFVAGIGGGVDITYYADSVKGRFTISRDNSKNTLY
LQMNSLRPEDTAVYYCAARPGRPLITSKVADLYPYWGQGT
LVTVSSGGGGQGGGGQGGGGQGGGGQGGGGQALANKCCHV
GCTKRSLARFCGGGSGGSGGGSWMEEVIKLCGRELVRAQI
AICGMSTWS
(配列番号36)
【0163】
ここでは、配列番号36のRLN類似体を、配列番号36をコードするcDNA配列を
発現プラスミド中で使用することを除いて本質的に実施例1について説明したように生成
する。
【0164】
実施例14:RLN類似体14の組換え発現
実施例14は、以下のアミノ酸配列を有するRLN類似体である。
EVQLLESGGGLVQPGGSLRLSCAASGRYIDETAVAWFRQA
PGKGREFVAGIGGGVDITYYADSVKGRFTISRDNSKNTLY
LQMNSLRPEDTAVYYCAARPGRPLITSKVADLYPYWGQGT
LVTVSSPGPQPGPQPGPQPGPQPGPQPGPQPGPQPGPQAL
ANKCCHVGCTKRSLARFCGGGSGGSGGGSWMEEVIKLCGR
ELVRAQIAICGMSTWS
(配列番号37)
【0165】
ここでは、配列番号37のRLN類似体を、配列番号37をコードするcDNA配列を
発現プラスミド中で使用することを除いて本質的に実施例1について説明したように生成
する。
【0166】
実施例15:RLN類似体15の組換え発現
実施例15は、以下のアミノ配列を有するRLN類似体である。
EVQLLESGGGLVQPGGSLRLSCAASGRYIDETAVAWFRQA
PGKEREFVAGIGGGVDITYYADSVKGRFTISRDNSKNTLY
LQMNSLRPEDTAVYYCAARPGRPLITSKVADLYPYWGQGT
LVTVSSGGGGQGGGGQGGGGQGGGGQGGGGQDSWMEEVIK
LCGRELVRAQIAICGMSTWSSGGGGSGGGGQLYSALANKC
CHVGCTKRSLARFC(配列番号38)
【0167】
ここでは、配列番号38のRLN類似体を、配列番号38をコードするcDNA配列を
発現プラスミド中で使用することを除いて本質的に実施例1について説明したように生成
する。
【0168】
実施例16:RLN類似体16の組換え発現
実施例16は、以下のアミノ配列を有するRLN類似体である。
EVQLLESGGGLVQPGGSLRLSCAASGRYIDETAVAWFRQA
PGKEREFVAGIGGGVDITYYADSVKGRFTISRDNSKNTLY
LQMNSLRPEDTAVYYCAARPGRPLITSKVADLYPYWGQGT
LVTVSSPGPAPGPAPGPAPGPAPGPAPGPAPGPAPGPADS
WMEEVIKLCGRELVRAQIAICGMSTWSSGGGGSGGGGQLY
SALANKCCHVGCTKRSLARFC(配列番号39)
【0169】
ここでは、配列番号39のRLN類似体を、配列番号39をコードするcDNA配列を
発現プラスミド中で使用することを除いて本質的に実施例1について説明したように生成
する。
【0170】
インビトロ機能
実施例17:SPRを介したRLN類似体アルブミン結合
RLN類似体のヒト、カニクイザル、マウス、ラット、ブタ、イヌ、ウシ、およびウサ
ギの血清アルブミンへのインビトロ結合を、SPRにより決定する。特に、これらの種の
血清アルブミンに対する実施例1~14のRLN類似体の親和性を以下で表1~14に要
約する。
【0171】
実施例1~14のRLN類似体の様々な血清アルブミンへの結合を、Biacore
8K機器で行う。Series S Sensor Chip CM5表面への血清アル
ブミンの固定化を、製業者の指示(Amine Coupling Kit BR-10
00-50)に従って実行する。端的には、センサチップ表面(フローセル1および2)
のカルボキシル基を、75mg/mLのEDCおよび11.5mg/mLのNHSを含む
混合物70μLを10μL/分で注入することにより活性化する。ヒト、カニクイザル、
マウス、ラット、ブタ、イヌ、ウシ、およびウサギの血清アルブミンを、pH4.0の1
0mM酢酸ナトリウム(BR-1003-49)で、0.5、0.5、2.2、0.6、
0.6、0.8、0.6、および0.3μg/mLに希釈し、次に活性化したチップ表面
(フローセル2、チャネル1~8)に10μL/分で180秒間注入した(ヒト、マウス
、ラット、ブタ、およびウシの血清アルブミンは、Sigma Aldrich(St.
Louis,MO)から入手し、カニクイザルの血清アルブミンはHolzel Dia
gnostika(Cologne,Germany)から入手し、イヌの血清アルブミ
ンはMolecular Innovations(Novi,MI)から入手し、ウサ
ギの血清アルブミンはFitzgerald Industries Intl.(Ac
ton,MA)から入手する。様々な血清アルブミンを、約100(62~145)RU
の表面密度を目標にして、カルボキシメチルデキストランでコーティングしたセンサチッ
プCM5に遊離アミンを介して共有結合により固定化する。表面(フローセル1および2
)の過剰な反応性基を、pH8.5の1M ETA HCl-NaOHを70μL注入す
ることにより不活性化する。
【0172】
実施例1~14のRLN類似体を、HBS-EP+緩衝液(10mM HEPES p
H7.6、150mM NaCl、3mM EDTA、0.05%ポリソルベート20)
で、1000、333.3、111.1、37.04、12.35、4.12、1.37
、0.457、0.152、0.051、および0.017nMの濃度に希釈する。15
0μlの試料を、チップの表面に固定化血清アルブミン全体に個々に順次注入し、25℃
、50μL/分の流量で600秒間解離させる。pH1.5の10mMグリシン-HCl
(BR-1003-54)を50μL/分で100秒間注入して、表面を再生する。得ら
れたセンサグラムを、Biacore 8K Insight Evaluation
Software(バージョン2.0.15.12933)の1:1結合反応速度モデル
フィッティングを使用して分析し、結合速度パラメータの会合速度(ka)、解離速度(
kd)、および平衡解離定数(KD)を計算する。
【表1】
【0173】
K
Dは、実施例1のRLN類似体で、ヒト、カニクイザル、マウス、ラット、ブタ、イ
ヌ、およびウシの血清アルブミン結合について、それぞれ、0.1、0.5、3.3、2
.1、7.1、1.2、および37nMと決定する。
【表2】
【0174】
K
Dは、実施例2のRLN類似体で、ヒト、カニクイザル、マウス、ラット、ブタ、イ
ヌ、およびウシの血清アルブミン結合について、それぞれ、0.1、0.45、3.8、
3.0、8.0、1.4、および50nMと決定する。
【表3】
【0175】
K
Dは、実施例3のRLN類似体で、ヒト、カニクイザル、マウス、ラット、ブタ、イ
ヌ、およびウシの血清アルブミン結合について、それぞれ、0.08、0.36、2.4
、1.6、4.8、0.7、および26nMと決定する。
【表4】
【0176】
K
Dは、実施例4のRLN類似体で、ヒト、カニクイザル、マウス、ラット、ブタ、イ
ヌ、およびウシの血清アルブミン結合について、それぞれ、0.09、0.42、3.0
、2.1、6.2、1.0、および37nMと決定する。
【表5】
【0177】
K
Dは、実施例5のRLN類似体で、ヒト、カニクイザル、マウス、ラット、ブタ、イ
ヌ、およびウシの血清アルブミン結合について、それぞれ、0.45、1.8、14、1
0、23、4.7、および120nMと決定する。
【表6】
【0178】
K
Dは、実施例6のRLN類似体で、ヒト、カニクイザル、マウス、ラット、ブタ、イ
ヌ、およびウシの血清アルブミン結合について、それぞれ、0.51、2.3、12、9
.7、24、4.1、および130nMと決定する。
【表7】
【0179】
K
Dは、実施例7のRLN類似体で、ヒト、カニクイザル、マウス、ラット、ブタ、イ
ヌ、およびウシの血清アルブミン結合について、それぞれ、0.06、0.29、2.1
、1.4、3.7、0.69、および25nMと決定する。
【表8】
【0180】
K
Dは、実施例8のRLN類似体で、ヒト、カニクイザル、マウス、ラット、ブタ、イ
ヌ、およびウシの血清アルブミン結合について、それぞれ、0.08、0.32、1.8
、1.7、4.1、0.66、および21nMと決定する。
【表9】
【0181】
K
Dは、実施例9のRLN類似体で、ヒト、カニクイザル、マウス、ラット、ブタ、イ
ヌ、およびウシの血清アルブミン結合について、それぞれ、0.19、0.86、9.5
、8.2、14、3.8、および84nMと決定する。
【表10】
【0182】
K
Dは、実施例10のRLN類似体で、ヒト、カニクイザル、マウス、ラット、ブタ、
イヌ、およびウシの血清アルブミン結合について、それぞれ、0.37、1.5、9.7
、7.8、20、3.4、および100nMと決定する。
【表11】
【0183】
K
Dは、実施例11のRLN類似体で、ヒト、カニクイザル、マウス、ラット、ブタ、
イヌ、およびウシの血清アルブミン結合について、それぞれ、0.17、0.48、3.
6、1.3、7.3、1.3、および27nMと決定する。
【表12】
【0184】
K
Dは、実施例12のRLN類似体で、ヒト、カニクイザル、マウス、ラット、ブタ、
イヌ、およびウシの血清アルブミン結合について、それぞれ、0.14、0.47、2.
6、1.7、4.2、0.77、および30nMと決定する。
【表13】
【0185】
K
Dは、実施例13のRLN類似体で、ヒト、カニクイザル、マウス、ラット、ブタ、
イヌ、およびウシの血清アルブミン結合について、それぞれ、0.14、0.49、2.
6、2.0、5.0、0.92、および29nMと決定する。
【表14】
【0186】
KDは、実施例14のRLN類似体で、ヒト、カニクイザル、マウス、ラット、ブタ、
イヌ、およびウシの血清アルブミン結合について、それぞれ、0.16、0.61、3.
1、2.2、6.0、1.1、および34nMと決定する。
【0187】
実施例18:RXFP1およびRXFP2受容体におけるRLN類似体のインビトロ効力
CHO-CRE-Luc細胞株の生成:CHO-K1細胞(ATCC)を、20mM
HEPES、40μg/mL L-プロリン、1倍抗生物質を含む5%FBSを含むDM
EM-F12 3:1中で培養し、TrypLE(商標)Express(Gibco)
で2~3日ごとに1:5で分割する。細胞を、製造業者の指示に従って、pGL4.29
[luc2P/CRE/Hygro](Promega)およびFugene HD(P
romega)のプラスミドDNAでトランスフェクトする。トランスフェクトした細胞
を、3~4週間、ハイグロマイシンBを1mg/mLで用いて選択する。クローン株を、
96ウェルプレートへの限定希釈クローニングにより得て、Bright-Glo Re
agent(Promega)を用いたルシフェラーゼアッセイにより、フォルスコリン
応答で確認する。クローンを増殖させ、回収し、凍結培地に再懸濁し、クライオバイアル
に分注し、長期保存のために液体窒素中で保持する。ヒトRXFP1およびRXFP2受
容体を用いる後続のトランスフェクションのために、フォルスコリン応答が最良である(
シグナル対バックグラウンド比)上位応答物のクローン株#2B6を選択する。
【0188】
CHOヒトRXFP1およびヒトRXFP2発現細胞株の生成:CHO-CRE-Lu
c株#2B6細胞を、20mM HEPES、40μg/mL L-プロリン、1倍抗生
物質、1mg/mLハイグロマイシンBを含む5%FBSを含むDMEM-F12 3:
1中で培養し、TrypLE(商標)Express(Gibco)で2~3日ごとに1
:5で分割する。細胞を、製造業者の指示に従って、ヒトRXFP1受容体またはヒトR
XFP2受容体およびFugene HD(Promega)のプラスミドDNAでトラ
ンスフェクトする。トランスフェクトした細胞を、3~4週間、ハイグロマイシンB(1
mg/mL)およびピューロマイシン(6μg/mL)用いて選択する。クローン株を、
96ウェルプレートへの限定希釈クローニングにより得る。クローン株を、ヒトRLN2
応答により確認する。クローンを増殖させ、回収し、凍結培地に再懸濁し、クライオバイ
アルに分注し、長期保存のために液体窒素下で凍結した状態で保持する。アッセイ検証の
ために、ヒトRLN2に対して応答が最良である(シグナル対バックグラウンド比)クロ
ーン株を選択する。
【0189】
ヒトRXFP1およびRXFP2受容体ルシフェラーゼアッセイ:ヒトRXFP1また
はヒトRXFP2を発現するCHO細胞株を、選択培地(20mM HEPES、40μ
g/mL L-プロリン、1倍抗生物質、6μg/mLピューロマイシン、1mg/mL
ハイグロマイシンBを含む5%FBSを含むDMEM-F12 3:1)で培養する。1
日目(cAMP CREルシフェラーゼレポーターアッセイの前日)に、細胞をPBSで
1回洗浄し、細胞解離溶液(酵素不含細胞解離溶液、GIBCOカタログ番号13151
-014:TrypLE(商標)Express=30:1)でフラスコから浮かせ、プ
レーティング培地(20mM HEPES、1倍抗生物質、0.5%FBSを含むDME
M-F12 3:1)に再懸濁する。細胞を、96ウェルプレート(Falconカタロ
グ番号353219)に20,000細胞/0.1mL/ウェルでプレーティングする。
細胞を、37℃、5%CO2で一晩培養する。1日目(cAMP CREルシフェラーゼ
レポーターアッセイの日)に、培地を除去し、90μLの無血清培地(20mM HEP
ES、1倍抗生物質を含むDMEM-F12 3:1)で交換する。プレートを37℃で
2時間インキュベートした後、10μLの10倍リガンドを加える(RLN2、最終1倍
)。プレートを37℃でさらに4時間インキュベ-トする。インキュベーション期間が完
了した後、プレートを15分かけて室温にする。次に、50μLのBright-Glo
(商標)を各ウェルに加え、プレートを、Gen5ソフトウェアを備えたBiotek
Neo2リーダーで読み取る。
【0190】
データの統計分析:データを、Biotek Neo2リーダーからGraphPad
Prism(登録商標)ソフトウェア(GraphPad Software,LLC
;La Jolla,CA;バージョン7)にインポートする。EC
50値を、可変勾配
-4パラメータ用量応答曲線により生成する。
【表15】
【0191】
インビトロ機能
実施例19:雄のSprague DawleyラットにおけるRLN類似体の薬物動態
雄のSprague Dawleyラットに、His-NaCl緩衝液(pH6.0)
中のRLN類似体200nmol/kgの単回SQ用量を1.0mL/kgの体積で投与
する。薬物動態特性評価のため、投与後3、6、12、24、48、72、96、120
、144、168、および240時間で採血を行う。
【0192】
RLN類似体の血漿濃度を、Eli Lilly and Companyで認定され
たLC/MS法によって決定する。実施例の化合物および類似体の内部標準を、ヒトRL
N抗体を使用して100%ラット血漿から抽出し、続いてQ-Exactive(商標)
Orbitrap(登録商標)質量分析計を使用してN末端トリプシンペプチドを検出す
る。
【0193】
実施例4および7のRLN類似体のデータを以下の表16に提供する。
【表16】
【0194】
注記:略称:t1/2=半減期、Tmax=最大濃度までの時間、Cmax=最大観察
血漿濃度、AUC0-inf=0時間から無限大までの曲線下面積、CL/F=クリアラ
ンス/生物学的利用率、N=3動物/群/時点。
【0195】
表16に示すように、実施例4および7のRLN類似体は、Sprague Dawl
eyラットにおける拡張された薬物動態プロファイルを示している。
【0196】
実施例20:RLN類似体が雄のSprague DawleyラットにおけるIV投与
後の腎血流に与えるインビボ効果
雄の5週齢のSprague Dawleyラット(Charles River L
aboratories,Inc.)を、実験開始前の1週間、通常の明暗サイクルで飼
育室に収容する。その後、ラットを、ビヒクル(20mM His/20mM NaCl
のpH6.0の緩衝液)および体重に基づく実施例7のRLN類似体の治療群に無作為化
する。RLN類似体を、2.44μg/kgのIVボーラスと後続する0.36μg/k
g/時のIV注入、8.13μg/kgのIVボーラスと後続する1.2μg/kg/時
のIV注入、24.4μg/kgのIVボーラスと後続する3.6μg/kg/時のIV
注入、および81.3μg/kgのIVボーラスと後続する11.9μg/kg/時のI
V注入で投薬する。
【0197】
RLN類似体が腎血流に与える効果を測定するために、ラットをウレタン(1.2g/
kg、IP)で麻酔し、腹部/腎超音波画像検査および腎動脈パルス波ドップラー血流測
定(VisualSonics,Model Vevo 3100超音波システム、Fu
jifilm)のために準備する。慢性尾静脈カテーテルを、IVボーラスおよび注入投
与のために配置する。30分の順応期間の後、ベースラインおよび投薬開始後3時間の腎
血流量測定値を取得する。
【表17】
【0198】
注記:結果は平均±SDとして表す。†ベースラインとの有意な差異(p<0.001
ANOVA)、*ビヒクルとの有意な差異(p<0.001 ANOVA)、治療群当
たりN=5。
【0199】
表17に見られるように、実施例7のRLN類似体により、8.13μg/kgのIV
ボーラスと後続する1.2μg/kg/時のIV注入、24.4μg/kgのIVボーラ
スと後続する3.6μg/kg/時のIV注入、および81.3μg/kgのIVボーラ
スと後続する11.9μg/kg/時のIV注入で治療した群の腎血流が、曝露の3時間
後に、26.6、48.8、および60.4%、有意に増加する。
【0200】
実施例21:RLN類似体が雄のSprague DawleyラットにおけるSQ投与
後の腎血流に与えるインビボ効果
雄の5週齢のSprague Dawleyラット(Charles River L
aboratories,Inc.)を、実験開始前の1週間、通常の明暗サイクルで飼
育室に収容する。その後、ラットを、ビヒクル(20mM His/20mM NaCl
のpH6.0の緩衝液)および体重に基づく実施例7のRLN類似体の治療群に無作為化
する。RLN類似体を180μg/kgでSQ投薬する。
【0201】
RLN類似体が腎血流に与える効果を測定するために、投薬から48時間後にラットを
ウレタン(1.2g/kg、IP)で麻酔し、腹部/腎超音波画像検査および腎動脈パル
ス波ドップラー血流測定(VisualSonics,Model Vevo 3100
超音波システム、Fujifilm)のために準備する。30分の順応期間の後、腎血流
量測定値を取得する。
【表18】
【0202】
表18に見られるように、実施例7のRLN類似体により、180μg/kgのSQ用
量に曝露した後48時間の腎血流が有意に増加する。
【0203】
配列
以下の核酸配列および/またはアミノ酸配列が本開示において言及され、参照のために
以下に提供される。
配列番号1-ヒトpro-RLN1
MPRLFLFHLLEFCLLLNQFSRAVAAKWKDDVIKLCGRELV
RAQIAICGMSTWSKRSLSQEDAPQTPRPVAEIVPSFINKD
TETIIIMLEFIANLPPELKAALSERQPSLPELQQYVPALK
DSNLSFEEFKKLIRNRQSEAADSNPSELKYLGLDTHSQKK
RRPYVALFEKCCLIGCTKRSLAKYC
配列番号2-ヒトRLN1 A鎖
PYVALFEKCCLIGCTKRSLAKYC
配列番号3-ヒトRLN1 B鎖
VAAKWKDDVIKLCGRELVRAQIAICGMSTWS
配列番号4-ヒトpro-RLN2
MPRLFFFHLLGVCLLLNQFSRAVADSWMEEVIKLCGRELV
RAQIAICGMSTWSKRSLSQEDAPQTPRPVAEIVPSFINKD
TETINMMSEFVANLPQELKLTLSEMQPALPQLQQHVPVLK
DSSLLFEEFKKLIRNRQSEAADSSPSELKYLGLDTHSRKK
RQLYSALANKCCHVGCTKRSLARFC
配列番号5-ヒトRLN2 A鎖
QLYSALANKCCHVGCTKRSLARFC
配列番号6-ヒトRLN2 B鎖
DSWMEEVIKLCGRELVRAQIAICGMSTWS
配列番号7-ヒトpro-RLN3
MARYMLLLLLAVWVLTGELWPGAEARAAPYGVRLCGREFI
RAVIFTCGGSRWRRSDILAHEAMGDTFPDADADEDSLAGE
LDEAMGSSEWLALTKSPQAFYRGRPSWQGTPGVLRGSRDV
LAGLSSSCCKWGCSKSEISSLC
配列番号8-ヒトRLN3 A鎖
DVLAGLSSSCCKWGCSKSEISSLC
配列番号9-ヒトRLN3 B鎖
RAAPYGVRLCGREFIRAVIFTCGGSRW
配列番号10-VHH部分#1(C22)
EVQLLESGGGLVQPGGSLRLSCAASGRYIDETAVAWFRQA
PGKEREFVAGIGGGVDITYYADSVKGRFTISRDNSKNTLY
LQMNSLRPEDTAVYYCAARPGRPLITSKVADLYPYWGQGT
LVTVSS
配列番号11-VHH部分#2(C22.43)
EVQLLESGGGLVQPGGSLRLSCAASGRYIDETAVAWFRQA
PGKEREFVAGIGGGVDITYYADSVKGRFTISRDNSKNTLY
LQMNSLRPEDTAVYYCAARPGRPLITSKVADLYPYWGQGT
LVTVSSPP
配列番号12-VHH部分#3(C80)
EVQLLESGGGLVQPGGSLRLSCAASGRYIDETAVAWFRQA
PGKGREFVAGIGGGVDITYYADSVKGRFTISRDNSKNTLY
LQMNSLRPEDTAVYYCAARPGRPLITSKVADLYPYWGQGT
LVTVSS
配列番号13-VHH部分#4(C80.43)
EVQLLESGGGLVQPGGSLRLSCAASGRYIDETAVAWFRQA
PGKGREFVAGIGGGVDITYYADSVKGRFTISRDNSKNTLY
LQMNSLRPEDTAVYYCAARPGRPLITSKVADLYPYWGQGT
LVTVSSPP
配列番号14-L1((GGGGQ)nの塩基性配列)
GGGGQ
配列番号15-L1((GGGQ)nの塩基性配列)
GGGQ
配列番号16-L1((GGGGS)nの塩基性配列)
GGGGS
配列番号17-L1((PGPQ)nの塩基性配列)
PGPQ
配列番号18-L1((PGPA)nの塩基性配列)
PGPA
配列番号19-L1#1((GGGGQ)5)
GGGGQGGGGQGGGGQGGGGQGGGGQ
配列番号20-L1#2((PGPQ)8)
PGPQPGPQPGPQPGPQPGPQPGPQPGPQPGPQ
配列番号21-L1#3(PGPA)8
PGPAPGPAPGPAPGPAPGPAPGPAPGPAPGPA
配列番号22-L2#1
GGGSGGSGGG
配列番号23-L2#2
GGGSGGSGGSGGG
配列番号24-RLN2類似体#1(C22-(G4Q)5-A10B(desB1)
RLN)
EVQLLESGGGLVQPGGSLRLSCAASGRYIDETAVAWFRQA
PGKEREFVAGIGGGVDITYYADSVKGRFTISRDNSKNTLY
LQMNSLRPEDTAVYYCAARPGRPLITSKVADLYPYWGQGT
LVTVSSGGGGQGGGGQGGGGQGGGGQGGGGQQLYSALANK
CCHVGCTKRSLARFCGGGSGGSGGGSWMEEVIKLCGRELV
RAQIAICGMSTWS
配列番号25-RLN2類似体#2(C22-(PGPA)8-A10B(desB1
)RLN)
EVQLLESGGGLVQPGGSLRLSCAASGRYIDETAVAWFRQA
PGKEREFVAGIGGGVDITYYADSVKGRFTISRDNSKNTLY
LQMNSLRPEDTAVYYCAARPGRPLITSKVADLYPYWGQGT
LVTVSSPGPAPGPAPGPAPGPAPGPAPGPAPGPAPGPAQL
YSALANKCCHVGCTKRSLARFCGGGSGGSGGGSWMEEVIK
LCGRELVRAQIAICGMSTWS
配列番号26-RLN2類似体#3(C22-(G4Q)5-B10A(desB1)
RLN)
EVQLLESGGGLVQPGGSLRLSCAASGRYIDETAVAWFRQA
PGKEREFVAGIGGGVDITYYADSVKGRFTISRDNSKNTLY
LQMNSLRPEDTAVYYCAARPGRPLITSKVADLYPYWGQGT
LVTVSSGGGGQGGGGQGGGGQGGGGQGGGGQSWMEEVIKL
CGRELVRAQIAICGMSTWSGGGSGGSGGGQLYSALANKCC
HVGCTKRSLARFC
配列番号27-RLN2類似体#4(C22-(PGPQ)8-B10A(desB1
)RLN)
EVQLLESGGGLVQPGGSLRLSCAASGRYIDETAVAWFRQA
PGKEREFVAGIGGGVDITYYADSVKGRFTISRDNSKNTLY
LQMNSLRPEDTAVYYCAARPGRPLITSKVADLYPYWGQGT
LVTVSSPGPQPGPQPGPQPGPQPGPQPGPQPGPQPGPQSW
MEEVIKLCGRELVRAQIAICGMSTWSGGGSGGSGGGQLYS
ALANKCCHVGCTKRSLARFC
配列番号28-RLN2類似体#5(B10A(desB1)RLN-(G4Q)5-
C22.43)
SWMEEVIKLCGRELVRAQIAICGMSTWSGGGSGGSGGGQL
YSALANKCCHVGCTKRSLARFCGGGGQGGGGQGGGGQGGG
GQGGGGQEVQLLESGGGLVQPGGSLRLSCAASGRYIDETA
VAWFRQAPGKEREFVAGIGGGVDITYYADSVKGRFTISRD
NSKNTLYLQMNSLRPEDTAVYYCAARPGRPLITSKVADLY
PYWGQGTLVTVSSPP
配列番号29-RLN2類似体#6(B10A(desB1)RLN-(PGPQ)8
-C22.43)
SWMEEVIKLCGRELVRAQIAICGMSTWSGGGSGGSGGGQL
YSALANKCCHVGCTKRSLARFCPGPQPGPQPGPQPGPQPG
PQPGPQPGPQPGPQEVQLLESGGGLVQPGGSLRLSCAASG
RYIDETAVAWFRQAPGKEREFVAGIGGGVDITYYADSVKG
RFTISRDNSKNTLYLQMNSLRPEDTAVYYCAARPGRPLIT
SKVADLYPYWGQGTLVTVSSPP
配列番号30-RLN2類似体#7(C80-(G4Q)5-B10A(desB1)
RLN)
EVQLLESGGGLVQPGGSLRLSCAASGRYIDETAVAWFRQA
PGKGREFVAGIGGGVDITYYADSVKGRFTISRDNSKNTLY
LQMNSLRPEDTAVYYCAARPGRPLITSKVADLYPYWGQGT
LVTVSSGGGGQGGGGQGGGGQGGGGQGGGGQSWMEEVIKL
CGRELVRAQIAICGMSTWSGGGSGGSGGGQLYSALANKCC
HVGCTKRSLARFC
配列番号31-RLN2類似体#8(C80-(PGPQ)8-B10A(desB1
)RLN)
EVQLLESGGGLVQPGGSLRLSCAASGRYIDETAVAWFRQA
PGKGREFVAGIGGGVDITYYADSVKGRFTISRDNSKNTLY
LQMNSLRPEDTAVYYCAARPGRPLITSKVADLYPYWGQGT
LVTVSSPGPQPGPQPGPQPGPQPGPQPGPQPGPQPGPQSW
MEEVIKLCGRELVRAQIAICGMSTWSGGGSGGSGGGQLYS
ALANKCCHVGCTKRSLARFC
配列番号32-RLN2類似体#9(B10A(desB1)RLN-(G4Q)5-
C80.43)
SWMEEVIKLCGRELVRAQIAICGMSTWSGGGSGGSGGGQL
YSALANKCCHVGCTKRSLARFCGGGGQGGGGQGGGGQGGG
GQGGGGQEVQLLESGGGLVQPGGSLRLSCAASGRYIDETA
VAWFRQAPGKGREFVAGIGGGVDITYYADSVKGRFTISRD
NSKNTLYLQMNSLRPEDTAVYYCAARPGRPLITSKVADLY
PYWGQGTLVTVSSPP
配列番号33-RLN2類似体#10(B10A(desB1)RLN-(PGPQ)
8-C80.43)
SWMEEVIKLCGRELVRAQIAICGMSTWSGGGSGGSGGGQL
YSALANKCCHVGCTKRSLARFCPGPQPGPQPGPQPGPQPG
PQPGPQPGPQPGPQEVQLLESGGGLVQPGGSLRLSCAASG
RYIDETAVAWFRQAPGKGREFVAGIGGGVDITYYADSVKG
RFTISRDNSKNTLYLQMNSLRPEDTAVYYCAARPGRPLIT
SKVADLYPYWGQGTLVTVSSPP
配列番号34-RLN2類似体#11(C22-(G4Q)5-B13A(desB1
、desA1~4)RLN)
EVQLLESGGGLVQPGGSLRLSCAASGRYIDETAVAWFRQA
PGKEREFVAGIGGGVDITYYADSVKGRFTISRDNSKNTLY
LQMNSLRPEDTAVYYCAARPGRPLITSKVADLYPYWGQGT
LVTVSSGGGGQGGGGQGGGGQGGGGQGGGGQSWMEEVIKL
CGRELVRAQIAICGMSTWSGGGSGGSGGSGGGALANKCCH
VGCTKRSLARFC
配列番号35-RLN2類似体#12(C80-(G4Q)5-B13A(desB1
、desA1~4)RLN)
EVQLLESGGGLVQPGGSLRLSCAASGRYIDETAVAWFRQA
PGKGREFVAGIGGGVDITYYADSVKGRFTISRDNSKNTLY
LQMNSLRPEDTAVYYCAARPGRPLITSKVADLYPYWGQGT
LVTVSSGGGGQGGGGQGGGGQGGGGQGGGGQSWMEEVIKL
CGRELVRAQIAICGMSTWSGGGSGGSGGSGGGALANKCCH
VGCTKRSLARFC
配列番号36-RLN2類似体#13(C80-(G4Q)5-A10B(desB1
、desA1~4)RLN)
EVQLLESGGGLVQPGGSLRLSCAASGRYIDETAVAWFRQA
PGKGREFVAGIGGGVDITYYADSVKGRFTISRDNSKNTLY
LQMNSLRPEDTAVYYCAARPGRPLITSKVADLYPYWGQGT
LVTVSSGGGGQGGGGQGGGGQGGGGQGGGGQALANKCCHV
GCTKRSLARFCGGGSGGSGGGSWMEEVIKLCGRELVRAQI
AICGMSTWS
配列番号37-RLN2類似体#14(C80-(PGPQ)8-A10B(desB
1、desA1~4)RLN)
EVQLLESGGGLVQPGGSLRLSCAASGRYIDETAVAWFRQA
PGKGREFVAGIGGGVDITYYADSVKGRFTISRDNSKNTLY
LQMNSLRPEDTAVYYCAARPGRPLITSKVADLYPYWGQGT
LVTVSSPGPQPGPQPGPQPGPQPGPQPGPQPGPQPGPQAL
ANKCCHVGCTKRSLARFCGGGSGGSGGGSWMEEVIKLCGR
ELVRAQIAICGMSTWS
配列番号38-RLN2類似体#15(C22-(G4Q)5-B10ARLN)
EVQLLESGGGLVQPGGSLRLSCAASGRYIDETAVAWFRQA
PGKEREFVAGIGGGVDITYYADSVKGRFTISRDNSKNTLY
LQMNSLRPEDTAVYYCAARPGRPLITSKVADLYPYWGQGT
LVTVSSGGGGQGGGGQGGGGQGGGGQGGGGQDSWMEEVIK
LCGRELVRAQIAICGMSTWSSGGGGSGGGGQLYSALANKC
CHVGCTKRSLARFC
配列番号39-RLN2類似体#16(C22-(PGPA)8-B10ARLN)
EVQLLESGGGLVQPGGSLRLSCAASGRYIDETAVAWFRQA
PGKEREFVAGIGGGVDITYYADSVKGRFTISRDNSKNTLY
LQMNSLRPEDTAVYYCAARPGRPLITSKVADLYPYWGQGT
LVTVSSPGPAPGPAPGPAPGPAPGPAPGPAPGPAPGPADS
WMEEVIKLCGRELVRAQIAICGMSTWSSGGGGSGGGGQLY
SALANKCCHVGCTKRSLARFC
配列番号40-ヒトRXFP1受容体
MTSGSVFFYILIFGKYFSHGGGQDVKCSLGYFPCGNITKC
LPQLLHCNGVDDCGNQADEDNCGDNNGWSLQFDKYFASYY
KMTSQYPFEAETPECLVGSVPVQCLCQGLELDCDETNLRA
VPSVSSNVTAMSLQWNLIRKLPPDCFKNYHDLQKLYLQNN
KITSISIYAFRGLNSLTKLYLSHNRITFLKPGVFEDLHRL
EWLIIEDNHLSRISPPTFYGLNSLILLVLMNNVLTRLPDK
PLCQHMPRLHWLDLEGNHIHNLRNLTFISCSNLTVLVMRK
NKINHLNENTFAPLQKLDELDLGSNKIENLPPLIFKDLKE
LSQLNLSYNPIQKIQANQFDYLVKLKSLSLEGIEISNIQQ
RMFRPLMNLSHIYFKKFQYCGYAPHVRSCKPNTDGISSLE
NLLASIIQRVFVWVVSAVTCFGNIFVICMRPYIRSENKLY
AMSIISLCCADCLMGIYLFVIGGFDLKFRGEYNKHAQLWM
ESTHCQLVGSLAILSTEVSVLLLTFLTLEKYICIVYPFRC
VRPGKCRTITVLILIWITGFIVAFIPLSNKEFFKNYYGTN
GVCFPLHSEDTESIGAQIYSVAIFLGINLAAFIIIVFSYG
SMFYSVHQSAITATEIRNQVKKEMILAKRFFFIVFTDALC
WIPIFVVKFLSLLQVEIPGTITSWVVIFILPINSALNPIL
YTLTTRPFKEMIHRFWYNYRQRKSMDSKGQKTYAPSFIWV
EMWPLQEMPPELMKPDLFTYPCEMSLISQSTRLNSYS
配列番号41-ヒトRXFP2受容体
MIVFLVFKHLFSLRLITMFFLLHFIVLINVKDFALTQGSM
ITPSCQKGYFPCGNLTKCLPRAFHCDGKDDCGNGADEENC
GDTSGWATIFGTVHGNANSVALTQECFLKQYPQCCDCKET
ELECVNGDLKSVPMISNNVTLLSLKKNKIHSLPDKVFIKY
TKLKKIFLQHNCIRHISRKAFFGLCNLQILYLNHNCITTL
RPGIFKDLHQLTWLILDDNPITRISQRLFTGLNSLFFLSM
VNNYLEALPKQMCAQMPQLNWVDLEGNRIKYLTNSTFLSC
DSLTVLFLPRNQIGFVPEKTFSSLKNLGELDLSSNTITEL
SPHLFKDLKLLQKLNLSSNPLMYLHKNQFESLKQLQSLDL
ERIEIPNINTRMFQPMKNLSHIYFKNFRYCSYAPHVRICM
PLTDGISSFEDLLANNILRIFVWVIAFITCFGNLFVIGMR
SFIKAENTTHAMSIKILCCADCLMGVYLFFVGIFDIKYRG
QYQKYALLWMESVQCRLMGFLAMLSTEVSVLLLTYLTLEK
FLVIVFPFSNIRPGKRQTSVILICIWMAGFLIAVIPFWNK
DYFGNFYGKNGVCFPLYYDQTEDIGSKGYSLGIFLGVNLL
AFLIIVFSYITMFCSIQKTALQTTEVRNCFGREVAVANRF
FFIVFSDAICWIPVFVVKILSLFRVEIPDTMTSWIVIFFL
PVNSALNPILYTLTTNFFKDKLKQLLHKHQRKSIFKIKKK
SLSTSIVWIEDSSSLKLGVLNKITLGDSIMKPVS
配列番号42-ヒトRXFP3受容体
MQMADAATIATMNKAAGGDKLAELFSLVPDLLEAANTSGN
ASLQLPDLWWELGLELPDGAPPGHPPGSGGAESADTEARV
RILISVVYWVVCALGLAGNLLVLYLMKSMQGWRKSSINLF
VTNLALTDFQFVLTLPFWAVENALDFKWPFGKAMCKIVSM
VTSMNMYASVFFLTAMSVTRYHSVASALKSHRTRGHGRGD
CCGRSLGDSCCFSAKALCVWIWALAALASLPSAIFSTTVK
VMGEELCLVRFPDKLLGRDRQFWLGLYHSQKVLLGFVLPL
GIIILCYLLLVRFIADRRAAGTKGGAAVAGGRPTGASARR
LSKVTKSVTIVVLSFFLCWLPNQALTTWSILIKFNAVPFS
QEYFLCQVYAFPVSVCLAHSNSCLNPVLYCLVRREFRKAL
KSLLWRIASPSITSMRPFTATTKPEHEDQGLQAPAPPHAA
AEPDLLYYPPGVVVYSGGRYDLLPSSSAY
配列番号43-ヒトRXFP4受容体
MPTLNTSASPPTFFWANASGGSVLSADDAPMPVKFLALRL
MVALAYGLVGAIGLLGNLAVLWVLSNCARRAPGPPSDTFV
FNLALADLGLALTLPFWAAESALDFHWPFGGALCKMVLTA
TVLNVYASIFLITALSVARYWVVAMAAGPGTHLSLFWARI
ATLAVWAAAALVTVPTAVFGVEGEVCGVRLCLLRFPSRYW
LGAYQLQRVVLAFMVPLGVITTSYLLLLAFLQRRQRRRQD
SRVVARSVRILVASFFLCWFPNHVVTLWGVLVKFDLVPWN
STFYTIQTYVFPVTTCLAHSNSCLNPVLYCLLRREPRQAL
AGTFRDLRLRLWPQGGGWVQQVALKQVGRRWVASNPRESR
PSTLLTNLDRGTPG
配列番号44-シグナルペプチド
METDTLLLWVLLLWVPGSTG
配列番号45-VHH部分#5(MC6.1)
EVQLLESGGGLVQPGGSLRLSCAASGRTVSSTAVAWFRQA
PGKEREFVAGIGGSVDITYYADSVKGRFTISRDNSKNTLY
LQMNSLRPEDTAVYYCAVRPGRPLITSRDANLYDYWGQGT
LVTVSS
配列番号46-VHH部分#6(MC6.1C6)
EVQLLESGGGLVQPGGSLRLSCAASGRYIDSTAVAWFRQA
PGKEREFVAGIGGGVDITYYADSVKGRFTISRDNSKNTLY
LQMNSLRPEDTAVYYCAARPGRPLITSRVANLYPYWGQGT
LVTVSS
配列番号47-VHH部分#7(C22-G26Y)
EVQLLESGGGLVQPGGSLRLSCAASYRYIDETAVAWFRQA
PGKEREFVAGIGGGVDITYYADSVKGRFTISRDNSKNTLY
LQMNSLRPEDTAVYYCAARPGRPLITSKVADLYPYWGQGT
LVTVSS
配列番号48-VHH部分#8(C22-R27A)
EVQLLESGGGLVQPGGSLRLSCAASGAYIDETAVAWFRQA
PGKEREFVAGIGGGVDITYYADSVKGRFTISRDNSKNTLY
LQMNSLRPEDTAVYYCAARPGRPLITSKVADLYPYWGQGT
LVTVSS
配列番号49-VHH部分#9(C22-I57E)
EVQLLESGGGLVQPGGSLRLSCAASGRYIDETAVAWFRQA
PGKEREFVAGIGGGVDETYYADSVKGRFTISRDNSKNTLY
LQMNSLRPEDTAVYYCAARPGRPLITSKVADLYPYWGQGT
LVTVSS
配列番号50-VHH部分#10(C22-I57Q)
EVQLLESGGGLVQPGGSLRLSCAASGRYIDETAVAWFRQA
PGKEREFVAGIGGGVDQTYYADSVKGRFTISRDNSKNTLY
LQMNSLRPEDTAVYYCAARPGRPLITSKVADLYPYWGQGT
LVTVSS
配列番号51-VHH部分#11(C22-Y59A)
EVQLLESGGGLVQPGGSLRLSCAASGRYIDETAVAWFRQA
PGKEREFVAGIGGGVDITAYADSVKGRFTISRDNSKNTLY
LQMNSLRPEDTAVYYCAARPGRPLITSKVADLYPYWGQGT
LVTVSS
配列番号52-VHH部分#12(C22-Y59E)
EVQLLESGGGLVQPGGSLRLSCAASGRYIDETAVAWFRQA
PGKEREFVAGIGGGVDITEYADSVKGRFTISRDNSKNTLY
LQMNSLRPEDTAVYYCAARPGRPLITSKVADLYPYWGQGT
LVTVSS
配列番号53-VHH部分#13(C22-Y59Q)
EVQLLESGGGLVQPGGSLRLSCAASGRYIDETAVAWFRQA
PGKEREFVAGIGGGVDITQYADSVKGRFTISRDNSKNTLY
LQMNSLRPEDTAVYYCAARPGRPLITSKVADLYPYWGQGT
LVTVSS
配列番号54-VHH部分#14(C22-Y59S)
EVQLLESGGGLVQPGGSLRLSCAASGRYIDETAVAWFRQA
PGKEREFVAGIGGGVDITSYADSVKGRFTISRDNSKNTLY
LQMNSLRPEDTAVYYCAARPGRPLITSKVADLYPYWGQGT
LVTVSS
配列番号55-VHH部分#15(C22-Y59T)
EVQLLESGGGLVQPGGSLRLSCAASGRYIDETAVAWFRQA
PGKEREFVAGIGGGVDITTYADSVKGRFTISRDNSKNTLY
LQMNSLRPEDTAVYYCAARPGRPLITSKVADLYPYWGQGT
LVTVSS
配列番号56-VHH部分#16(C22-R102K)
EVQLLESGGGLVQPGGSLRLSCAASGRYIDETAVAWFRQA
PGKEREFVAGIGGGVDITYYADSVKGRFTISRDNSKNTLY
LQMNSLRPEDTAVYYCAARPGKPLITSKVADLYPYWGQGT
LVTVSS
配列番号57-VHH部分#17(C22-R102Q)
EVQLLESGGGLVQPGGSLRLSCAASGRYIDETAVAWFRQA
PGKEREFVAGIGGGVDITYYADSVKGRFTISRDNSKNTLY
LQMNSLRPEDTAVYYCAARPGQPLITSKVADLYPYWGQGT
LVTVSS
配列番号58-VHH部分#18(C22-R102S)
EVQLLESGGGLVQPGGSLRLSCAASGRYIDETAVAWFRQA
PGKEREFVAGIGGGVDITYYADSVKGRFTISRDNSKNTLY
LQMNSLRPEDTAVYYCAARPGSPLITSKVADLYPYWGQGT
LVTVSS
配列番号59-VHH部分#19(C22-P103E)
EVQLLESGGGLVQPGGSLRLSCAASGRYIDETAVAWFRQA
PGKEREFVAGIGGGVDITYYADSVKGRFTISRDNSKNTLY
LQMNSLRPEDTAVYYCAARPGRELITSKVADLYPYWGQGT
LVTVSS
配列番号60-VHH部分#20(C22-P103Q)
EVQLLESGGGLVQPGGSLRLSCAASGRYIDETAVAWFRQA
PGKEREFVAGIGGGVDITYYADSVKGRFTISRDNSKNTLY
LQMNSLRPEDTAVYYCAARPGRQLITSKVADLYPYWGQGT
LVTVSS
配列番号61-VHH部分#21(C22-P103S)
EVQLLESGGGLVQPGGSLRLSCAASGRYIDETAVAWFRQA
PGKEREFVAGIGGGVDITYYADSVKGRFTISRDNSKNTLY
LQMNSLRPEDTAVYYCAARPGRSLITSKVADLYPYWGQGT
LVTVSS
配列番号62-VHH部分#22(C22-L104E)
EVQLLESGGGLVQPGGSLRLSCAASGRYIDETAVAWFRQA
PGKEREFVAGIGGGVDITYYADSVKGRFTISRDNSKNTLY
LQMNSLRPEDTAVYYCAARPGRPEITSKVADLYPYWGQGT
LVTVSS
配列番号63-VHH部分#23(C22-L104G)
EVQLLESGGGLVQPGGSLRLSCAASGRYIDETAVAWFRQA
PGKEREFVAGIGGGVDITYYADSVKGRFTISRDNSKNTLY
LQMNSLRPEDTAVYYCAARPGRPGITSKVADLYPYWGQGT
LVTVSS
配列番号64-VHH部分#24(C22-L104Q)
EVQLLESGGGLVQPGGSLRLSCAASGRYIDETAVAWFRQA
PGKEREFVAGIGGGVDITYYADSVKGRFTISRDNSKNTLY
LQMNSLRPEDTAVYYCAARPGRPQITSKVADLYPYWGQGT
LVTVSS
配列番号65-VHH部分#25(C22-L104T)
EVQLLESGGGLVQPGGSLRLSCAASGRYIDETAVAWFRQA
PGKEREFVAGIGGGVDITYYADSVKGRFTISRDNSKNTLY
LQMNSLRPEDTAVYYCAARPGRPTITSKVADLYPYWGQGT
LVTVSS
配列番号66-VHH部分#26(C22-S107E)
EVQLLESGGGLVQPGGSLRLSCAASGRYIDETAVAWFRQA
PGKEREFVAGIGGGVDITYYADSVKGRFTISRDNSKNTLY
LQMNSLRPEDTAVYYCAARPGRPLITEKVADLYPYWGQGT
LVTVSS
配列番号67-L2#3
SGGGGSGGGG