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特開2024-98294水中ドローン、水中ドローンプログラム、水中ドローン管理サーバ及び水中ドローン管理サーバプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024098294
(43)【公開日】2024-07-23
(54)【発明の名称】水中ドローン、水中ドローンプログラム、水中ドローン管理サーバ及び水中ドローン管理サーバプログラム
(51)【国際特許分類】
   B63C 11/00 20060101AFI20240716BHJP
   H04Q 9/00 20060101ALI20240716BHJP
   H04B 10/80 20130101ALI20240716BHJP
   B63C 11/48 20060101ALI20240716BHJP
   G01S 5/16 20060101ALI20240716BHJP
【FI】
B63C11/00 C
H04Q9/00 301B
H04Q9/00 311J
H04Q9/00 311U
H04B10/80
B63C11/48 D
G01S5/16
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023001706
(22)【出願日】2023-01-10
(71)【出願人】
【識別番号】000004330
【氏名又は名称】日本無線株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100119677
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 賢治
(74)【代理人】
【識別番号】100160495
【弁理士】
【氏名又は名称】畑 雅明
(74)【代理人】
【識別番号】100173716
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 真理
(74)【代理人】
【識別番号】100115794
【弁理士】
【氏名又は名称】今下 勝博
(72)【発明者】
【氏名】羽田 亨
【テーマコード(参考)】
5K048
5K102
【Fターム(参考)】
5K048BA34
5K048BA41
5K048DB02
5K048DC01
5K048EB02
5K048EB10
5K048EB12
5K048HA01
5K048HA02
5K102AA11
5K102AA23
5K102AL23
5K102AL28
(57)【要約】
【課題】本開示は、水中ドローンを用いて水中を点検・監視するにあたり、水中測位及び水中通信をともに実行するときでも、超音波送受信装置及び光送受信装置を別個に設置することなく、コストを抑制することを目的とする。
【解決手段】本開示は、水中光通信が可能な水中ドローン1であって、2個以上のGPS付ブイ2と水中ドローン1の間で光軸を合わせる光通信確立部12と、2個以上のGPS付ブイ2と水中ドローン1の間の光軸を、2個以上のGPS付ブイ2と水中ドローン1の間の方位として測定する水中ドローン方位測定部13と、2個以上のGPS付ブイ2の各々の絶対座標から、2個以上のGPS付ブイ2と水中ドローン1の間の各々の方位へと、延びる各々の直線の交点座標又は最接近点座標を、水中ドローン1の絶対座標として測定する水中ドローン座標測定部14と、を備える水中ドローン1である。
【選択図】図3

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水中光通信が可能な水中ドローンであって、
2個以上の光通信装置と前記水中ドローンの間で光軸を合わせる光通信確立部と、
前記2個以上の光通信装置と前記水中ドローンの間の光軸を、前記2個以上の光通信装置と前記水中ドローンの間の方位として測定する水中ドローン方位測定部と、
前記2個以上の光通信装置の絶対座標の情報を取得する光通信装置座標取得部と、
前記2個以上の光通信装置の各々の絶対座標から、前記2個以上の光通信装置と前記水中ドローンの間の各々の方位へと、延びる各々の直線の交点座標又は最接近点座標を、前記水中ドローンの絶対座標として測定する水中ドローン座標測定部と、
を備えることを特徴とする水中ドローン。
【請求項2】
前記水中ドローンの周辺環境を測定する周辺環境測定部と、
前記水中ドローンの絶対座標の情報及び前記水中ドローンの周辺環境の情報を、前記2個以上の光通信装置のうちの少なくとも1個の光通信装置に送信する周辺環境送信部と、
をさらに備えることを特徴とする、請求項1に記載の水中ドローン。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の水中ドローンが備える各処理部が各処理ステップを実行するために、前記水中ドローンにインストールされる水中ドローンプログラム。
【請求項4】
水中光通信が可能な水中ドローンを管理する水中ドローン管理サーバであって、
2個以上の光通信装置と前記水中ドローンの間の光軸の情報を取得する光軸取得部と、
前記2個以上の光通信装置と前記水中ドローンの間の光軸を、前記2個以上の光通信装置と前記水中ドローンの間の方位として測定する水中ドローン方位測定部と、
前記2個以上の光通信装置の絶対座標の情報を取得する光通信装置座標取得部と、
前記2個以上の光通信装置の各々の絶対座標から、前記2個以上の光通信装置と前記水中ドローンの間の各々の方位へと、延びる各々の直線の交点座標又は最接近点座標を、前記水中ドローンの絶対座標として測定する水中ドローン座標測定部と、
を備えることを特徴とする水中ドローン管理サーバ。
【請求項5】
前記水中ドローンの周辺環境の情報を、前記2個以上の光通信装置のうちの少なくとも1個の光通信装置を介して、前記水中ドローンから取得する周辺環境取得部、
をさらに備えることを特徴とする、請求項4に記載の水中ドローン管理サーバ。
【請求項6】
請求項4又は5に記載の水中ドローン管理サーバが備える各処理部が各処理ステップを実行するために、前記水中ドローン管理サーバにインストールされる水中ドローン管理サーバプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、水中ドローンを用いて水中を点検・監視する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
水中ドローンを用いて水中を点検・監視する技術が、水中のいけすの監視、ダムの堤体及び取水口の点検又は水中の橋脚の点検等に適用されている。現状では、水中ドローンは、水上制御装置とケーブルで接続され、カメラ画像等を送信している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-203192号公報
【特許文献2】特開2018-007069号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
水中でのケーブルの取り回しの難しさを解決するために、将来的には、水中ドローンは、水上制御装置とケーブルで接続されず、カメラ画像等を送信することが望ましい。そして、水中点検・監視を行う際に、水中ドローンの位置を把握することが重要である。例えば、特許文献1では、水中ドローンの絶対座標を測定するために、水中音響測位を実行している。さらに、水中点検・監視を行う際に、視認のため高精度カメラ等を用いることが多く、高速データ伝送が必要となる。例えば、特許文献2では、水中ドローンの高速データ伝送を可能にするために、水中音響通信を実行しないで、水中光通信を実行している。
【0005】
特許文献1では、3個以上のGPS付ブイの各々の絶対座標と、3個以上のGPS付ブイと水中ドローンの間の各々の伝搬時間と、に基づいて、水中ドローンの絶対座標を測定している。特許文献2では、GPS付ブイ及び水中ドローンが対向しなければ通信できないため、広い光束で通信を確立したうえで、絞った光束で光軸を合わせている。
【0006】
しかし、水中ドローンの位置把握及び高速水中通信を同時に実行するためには、水中音響測位及び水中光通信をともに実行する必要があるため、超音波送受信装置及び光送受信装置を別個に設置する必要があり、コストを抑制することができない。
【0007】
そこで、前記課題を解決するために、本開示は、水中ドローンを用いて水中を点検・監視するにあたり、水中測位及び水中通信をともに実行するときでも、超音波送受信装置及び光送受信装置を別個に設置することなく、コストを抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するために、水中ドローンを用いて水中を点検・監視するにあたり、水中光通信を実行するとともに、水中光測位を実行することとした。ここで、水中光通信を実行する装置は、水中ドローンである。一方で、水中光測位を実行する装置は、水中ドローンであってもよく、水中ドローンを管理するサーバであってもよい。
【0009】
まず、水中光通信を実行するにあたり、光通信装置及び水中ドローンが対向しなければ通信できないため、2個以上の光通信装置と水中ドローンの間で光軸を合わせる。
【0010】
次に、水中光測位を実行するにあたり、2個以上の光通信装置と水中ドローンの間の光軸を、2個以上の光通信装置と水中ドローンの間の方位として測定する。そして、2個以上の光通信装置の各々の絶対座標(GPS付ブイ等の光通信装置の絶対座標は既知である。)から、2個以上の光通信装置と水中ドローンの間の各々の方位へと、延びる各々の直線の交点座標又は最接近点座標を、水中ドローンの絶対座標として測定する。
【0011】
具体的には、本開示は、水中光通信が可能な水中ドローンであって、2個以上の光通信装置と前記水中ドローンの間で光軸を合わせる光通信確立部と、前記2個以上の光通信装置と前記水中ドローンの間の光軸を、前記2個以上の光通信装置と前記水中ドローンの間の方位として測定する水中ドローン方位測定部と、前記2個以上の光通信装置の絶対座標の情報を取得する光通信装置座標取得部と、前記2個以上の光通信装置の各々の絶対座標から、前記2個以上の光通信装置と前記水中ドローンの間の各々の方位へと、延びる各々の直線の交点座標又は最接近点座標を、前記水中ドローンの絶対座標として測定する水中ドローン座標測定部と、を備えることを特徴とする水中ドローンである。
【0012】
また、本開示は、水中光通信が可能な水中ドローンを管理する水中ドローン管理サーバであって、2個以上の光通信装置と前記水中ドローンの間の光軸の情報を取得する光軸取得部と、前記2個以上の光通信装置と前記水中ドローンの間の光軸を、前記2個以上の光通信装置と前記水中ドローンの間の方位として測定する水中ドローン方位測定部と、前記2個以上の光通信装置の絶対座標の情報を取得する光通信装置座標取得部と、前記2個以上の光通信装置の各々の絶対座標から、前記2個以上の光通信装置と前記水中ドローンの間の各々の方位へと、延びる各々の直線の交点座標又は最接近点座標を、前記水中ドローンの絶対座標として測定する水中ドローン座標測定部と、を備えることを特徴とする水中ドローン管理サーバである。
【0013】
この構成によれば、水中ドローンを用いて水中を点検・監視するにあたり、水中光測位を実行するため、光送受信装置のみを設置すればよく、コストを抑制することができる。そして、2個以上の光通信装置との間の方位を測定するにあたり、2個以上の光通信装置との間の光軸を合わせるのみでよく、3点測位等の特段の手順は不要である。
【0014】
また、本開示は、前記水中ドローンの周辺環境を測定する周辺環境測定部と、前記水中ドローンの絶対座標の情報及び前記水中ドローンの周辺環境の情報を、前記2個以上の光通信装置のうちの少なくとも1個の光通信装置に送信する周辺環境送信部と、をさらに備えることを特徴とする水中ドローンである。
【0015】
また、本開示は、前記水中ドローンの周辺環境の情報を、前記2個以上の光通信装置のうちの少なくとも1個の光通信装置を介して、前記水中ドローンから取得する周辺環境取得部、をさらに備えることを特徴とする水中ドローン管理サーバである。
【0016】
この構成によれば、水中ドローンを用いて水中を点検・監視するにあたり、水中光測位及び水中光通信を実行するため、光送受信装置のみを設置すればよく、コストを抑制することができる。そして、水中ドローンに搭載した水中カメラ又はセンサ等のデータを伝送するために、水中ドローンの高速データ伝送を可能にすることができる。
【0017】
また、本開示は、以上に記載の水中ドローンが備える各処理部が各処理ステップを実行するために、前記水中ドローンにインストールされる水中ドローンプログラムである。
【0018】
また、本開示は、以上に記載の水中ドローン管理サーバが備える各処理部が各処理ステップを実行するために、前記水中ドローン管理サーバにインストールされる水中ドローン管理サーバプログラムである。
【0019】
この構成によれば、以上に記載の効果を有するプログラムを提供することができる。
【発明の効果】
【0020】
このように、本開示は、水中ドローンを用いて水中を点検・監視するにあたり、水中測位及び水中通信をともに実行するときでも、超音波送受信装置及び光送受信装置を別個に設置することなく、コストを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本開示の水中ドローンシステムの構成を示す図である。
図2】本開示の水中ドローンの座標測定の原理を示す図である。
図3】第1実施形態の水中ドローンシステムの構成を示す図である。
図4】第1実施形態の水中ドローンシステムの処理を示す図である。
図5】第2実施形態の水中ドローンシステムの構成を示す図である。
図6】第2実施形態の水中ドローンシステムの処理を示す図である。
図7】変形例の水中ドローンシステムの構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
添付の図面を参照して本開示の実施形態を説明する。以下に説明する実施形態は本開示の実施の例であり、本開示は以下の実施形態に制限されるものではない。
【0023】
(本開示の水中ドローンの座標測定の原理)
本開示の水中ドローンシステムの構成を図1に示す。本開示の水中ドローンの座標測定の原理を図2に示す。水中ドローンシステムSは、水中ドローン1及びGPS付ブイ2-1、2-2、2-3(GPS付ブイは2個以上であればよい。)を備える。
【0024】
本開示では、水中ドローン1を用いて水中を点検・監視するにあたり、水中光通信を実行するとともに、水中光測位を実行することとした。ここで、水中光通信を実行する装置は、第1実施形態及び第2実施形態で同様に、水中ドローン1である。一方で、水中光測位を実行する装置は、第1実施形態のように、水中ドローン1であってもよく、第2実施形態のように、水中ドローン管理サーバ3(後述)であってもよい。
【0025】
まず、水中光通信を実行するにあたり、2個以上のGPS付ブイ2-1、2-2、2-3及び水中ドローン1が対向しなければ通信できないため、2個以上のGPS付ブイ2-1、2-2、2-3と水中ドローン1の間で光軸を合わせる。つまり、広い光束で通信を確立したうえで、絞った光束で光軸を合わせて、カメラ画像等を送信する。
【0026】
次に、水中光測位を実行するにあたり、2個以上のGPS付ブイ2-1、2-2、2-3と水中ドローン1の間の光軸を、2個以上のGPS付ブイ2-1、2-2、2-3と水中ドローン1の間の方位として測定する。そして、2個以上のGPS付ブイ2-1、2-2、2-3の各々の絶対座標(GPSにより絶対座標は既知である。)から、2個以上のGPS付ブイ2-1、2-2、2-3と水中ドローン1の間の各々の方位へと、延びる各々の直線の交点座標又は最接近点座標を、水中ドローン1の絶対座標として測定する。
【0027】
図2の左欄では、2個のGPS付ブイ2-1、2-2及び水中ドローン1は、ある同一の平面内に位置する。そして、2個のGPS付ブイ2-1、2-2の各々の絶対座標から、2個のGPS付ブイ2-1、2-2と水中ドローン1の間の各々の方位へと、延びる各々の直線は、当該同一の平面内にかつ水中ドローン1の位置に交点を有する。
【0028】
ただし、2個のGPS付ブイ2-1、2-2と水中ドローン1の間の光軸が、水面での波揺れ又は水中での光散乱等によりぶれることはあり得る。しかし、2個のGPS付ブイ2-1、2-2の各々の絶対座標から、2個のGPS付ブイ2-1、2-2と水中ドローン1の間の各々の方位へと、延びる各々の直線は、当該同一の平面内にかつ水中ドローン1の位置に交点を有さなくても、水中ドローン1の位置近傍に最接近する。
【0029】
図2の右欄では、図2の左欄とほぼ同様に、3個のGPS付ブイ2-1、2-2、2-3の各々の絶対座標から、3個のGPS付ブイ2-1、2-2、2-3と水中ドローン1の間の各々の方位へと、延びる各々の直線は、水中ドローン1の位置に交点を有する。
【0030】
ただし、図2の左欄とほぼ同様に、3個のGPS付ブイ2-1、2-2、2-3と水中ドローン1の間の光軸が、水面での波揺れ又は水中での光散乱等によりぶれることはあり得る。しかし、図2の左欄とほぼ同様に、3個のGPS付ブイ2-1、2-2、2-3の各々の絶対座標から、3個のGPS付ブイ2-1、2-2、2-3と水中ドローン1の間の各々の方位へと、延びる各々の直線は、水中ドローン1の位置近傍に最接近する。
【0031】
このように、水中ドローン1を用いて水中を点検・監視するにあたり、水中光測位を実行するため、光送受信装置のみを設置すればよく、コストを抑制することができる。そして、2個以上のGPS付ブイとの間の方位を測定するにあたり、2個以上のGPS付ブイとの間の光軸を合わせるのみでよく、3点測位等の特段の手順は不要である。
【0032】
これに加え、水中ドローン1を用いて水中を点検・監視するにあたり、水中光測位及び水中光通信を実行するため、光送受信装置のみを設置すればよく、コストを抑制することができる。そして、水中ドローン1に搭載した水中カメラ又はセンサ等のデータを伝送するために、水中ドローン1の高速データ伝送を可能にすることができる。
【0033】
(第1実施形態の水中ドローンシステムの構成)
第1実施形態の水中ドローンシステムの構成を図3に示す。第1実施形態の水中ドローンシステムの処理を図4に示す。水中ドローンシステムSは、水中ドローン1、GPS付ブイ2(GPS付ブイ2-1、2-2、2-3を代表する。)及び水中ドローン管理サーバ3を備える。水中光測位を実行する装置は、水中ドローン1である。
【0034】
水中ドローン1は、光通信部11、光通信確立部12、水中ドローン方位測定部13、水中ドローン座標測定部14及び周辺環境測定部15を備える。水中ドローン1は、図4に示した水中ドローンプログラムをインストールされている。水中ドローン管理サーバ3は、無線通信部31、水中ドローン座標取得部32及び周辺環境取得部33を備える。
【0035】
光通信確立部12は、2個以上のGPS付ブイ2と光通信部11の間で光軸を合わせて、光通信を確立する(ステップS11)。2個以上のGPS付ブイ2は、2個以上のGPS付ブイ2と光通信部11の間で光軸を合わせて、光通信を確立する(ステップS21)。
【0036】
水中ドローン方位測定部13は、2個以上のGPS付ブイ2と光通信部11の間の光軸を、2個以上のGPS付ブイ2と光通信部11の間の方位として測定する(ステップS12)。2個以上のGPS付ブイ2は、絶対座標を測定する(ステップS22)。光通信部11は、2個以上のGPS付ブイ2の絶対座標の情報を取得する(ステップS13)。
【0037】
水中ドローン座標測定部14は、2個以上のGPS付ブイ2の各々の絶対座標から、2個以上のGPS付ブイ2と光通信部11の間の各々の方位へと、延びる各々の直線の交点座標又は最接近点座標を、水中ドローン1の絶対座標として測定する(ステップS14)。光通信部11は、水中ドローン1の絶対座標の情報を、少なくとも1個のGPS付ブイ2に送信する(ステップS14)。少なくとも1個のGPS付ブイ2は、水中ドローン1の絶対座標の情報を、水中ドローン1から取得する(ステップS23)。無線通信部31及び水中ドローン座標取得部32は、水中ドローン1の絶対座標の情報を、少なくとも1個のGPS付ブイ2を介して、水中ドローン1から取得する(ステップS31)。
【0038】
周辺環境測定部15は、水中ドローン1の周辺環境(周辺映像、水温、海流又は酸素濃度等)を測定する(ステップS15)。光通信部11は、水中ドローン1の周辺環境の情報を、少なくとも1個のGPS付ブイ2に送信する(ステップS15)。少なくとも1個のGPS付ブイ2は、水中ドローン1の周辺環境の情報を、水中ドローン1から取得する(ステップS24)。無線通信部31及び周辺環境取得部33は、水中ドローン1の周辺環境の情報を、少なくとも1個のGPS付ブイ2を介して、水中ドローン1から取得する(ステップS32)。
【0039】
このように、第1実施形態では、水中ドローン1は、水中光測位及び周辺環境測定(水中カメラ映像又は水質情報測定等)を実行することができる。そして、水中ドローン管理サーバ3は、水中ドローン1の絶対座標の情報及び水中ドローン1の周辺環境の情報を管理することができる。
【0040】
(第2実施形態の水中ドローンシステムの構成)
第2実施形態の水中ドローンシステムの構成を図5に示す。第2実施形態の水中ドローンシステムの処理を図6に示す。水中ドローンシステムSは、水中ドローン1、GPS付ブイ2(GPS付ブイ2-1、2-2、2-3を代表する。)及び水中ドローン管理サーバ3を備える。水中光測位を実行する装置は、水中ドローン管理サーバ3である。
【0041】
水中ドローン1は、光通信部11、光通信確立部12及び周辺環境測定部15を備える。水中ドローン管理サーバ3は、無線通信部31、水中ドローン方位測定部34、水中ドローン座標測定部35及び周辺環境取得部33を備える。水中ドローン管理サーバ3は、図6に示した水中ドローン管理サーバプログラムをインストールされている。
【0042】
光通信確立部12は、2個以上のGPS付ブイ2と光通信部11の間で光軸を合わせて、光通信を確立する(ステップS11)。2個以上のGPS付ブイ2は、2個以上のGPS付ブイ2と光通信部11の間で光軸を合わせて、光通信を確立する(ステップS21)。
【0043】
光通信部11は、2個以上のGPS付ブイ2と光通信部11の間の光軸の情報を、少なくとも1個のGPS付ブイ2に送信する(ステップS16)。少なくとも1個のGPS付ブイ2は、2個以上のGPS付ブイ2と光通信部11の間の光軸の情報を、水中ドローン1から取得する(ステップS25)。無線通信部31及び水中ドローン方位測定部34は、2個以上のGPS付ブイ2と光通信部11の間の光軸の情報を、少なくとも1個のGPS付ブイ2を介して、水中ドローン1から取得する(ステップS33)。
【0044】
水中ドローン方位測定部34は、2個以上のGPS付ブイ2と光通信部11の間の光軸を、2個以上のGPS付ブイ2と光通信部11の間の方位として測定する(ステップS34)。2個以上のGPS付ブイ2は、絶対座標を測定する(ステップS22)。無線通信部31は、2個以上のGPS付ブイ2の絶対座標の情報を取得する(ステップS35)。水中ドローン座標測定部35は、2個以上のGPS付ブイ2の各々の絶対座標から、2個以上のGPS付ブイ2と光通信部11の間の各々の方位へと、延びる各々の直線の交点座標又は最接近点座標を、水中ドローン1の絶対座標として測定する(ステップS36)。
【0045】
周辺環境測定部15は、水中ドローン1の周辺環境(周辺映像、水温、海流又は酸素濃度等)を測定する(ステップS15)。光通信部11は、水中ドローン1の周辺環境の情報を、少なくとも1個のGPS付ブイ2に送信する(ステップS15)。少なくとも1個のGPS付ブイ2は、水中ドローン1の周辺環境の情報を、水中ドローン1から取得する(ステップS24)。無線通信部31及び周辺環境取得部33は、水中ドローン1の周辺環境の情報を、少なくとも1個のGPS付ブイ2を介して、水中ドローン1から取得する(ステップS32)。
【0046】
このように、第2実施形態では、水中ドローン1は、周辺環境測定(水中カメラ映像又は水質情報測定等)を実行することができる。そして、水中ドローン管理サーバ3は、水中光測位を実行するとともに、水中ドローン1の絶対座標の情報及び水中ドローン1の周辺環境の情報を管理することができる。
【0047】
(変形例の水中ドローンシステムの構成)
変形例の水中ドローンシステムの構成を図7に示す。図7の左欄のように、図1に示した水面に配置されるGPS付ブイ2-1、2-2、2-3に代えて、船舶Vの船底に設置される光通信装置4-1、4-2、4-3を用いてもよい。光通信装置4-1、4-2、4-3の絶対座標は、船舶Vの絶対座標及び船舶Vと光通信装置4-1、4-2、4-3との相対位置関係に基づいて、測定することができる。図7の右欄のように、図1に示した水面に配置されるGPS付ブイ2-1、2-2、2-3に代えて、海底のケーブルCに接続される光通信装置5-1、5-2、5-3を用いてもよい。光通信装置5-1、5-2、5-3の絶対座標は、海底での配置位置に基づいて、取得することができる。
【産業上の利用可能性】
【0048】
本開示の水中ドローン、水中ドローンプログラム、水中ドローン管理サーバ及び水中ドローン管理サーバプログラムは、水中を点検・監視する技術として、水中のいけすの監視、ダムの堤体及び取水口の点検又は水中の橋脚の点検等に適用することができる。
【符号の説明】
【0049】
S:水中ドローンシステム
V:船舶
C:ケーブル
1:水中ドローン
2、2-1、2-2、2-3:GPS付ブイ
3:水中ドローン管理サーバ
4-1、4-2、4-3:光通信装置
5-1、5-2、5-3:光通信装置
11:光通信部
12:光通信確立部
13:水中ドローン方位測定部
14:水中ドローン座標測定部
15:周辺環境測定部
31:無線通信部
32:水中ドローン座標取得部
33:周辺環境取得部
34:水中ドローン方位測定部
35:水中ドローン座標測定部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7