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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024098301
(43)【公開日】2024-07-23
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 5/04 20060101AFI20240716BHJP
【FI】
A63F5/04 652
A63F5/04 661
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023001718
(22)【出願日】2023-01-10
(71)【出願人】
【識別番号】591142507
【氏名又は名称】株式会社北電子
(74)【代理人】
【識別番号】110002354
【氏名又は名称】弁理士法人平和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】片岡 隼一
【テーマコード(参考)】
2C518
【Fターム(参考)】
2C518EA02
2C518EA12
2C518EC02
2C518EC03
2C518EC27
2C518FA02
(57)【要約】
【課題】従来にない興趣性の高い遊技機を提供する。
【解決手段】ゲームとして、複数のリールにより形成される第1図柄組合せを、ゲームの終了に基づき導出させる第1ゲームを実行可能な第1ゲーム制御手段と、第1ゲームの実行中において、複数のリールにより形成される第2図柄組合せを、第1図柄組合せの導出の他に導出させる第2ゲームを実行可能な第2ゲーム制御手段と、遊技者が操作可能な停止操作手段と、を備え、第2ゲーム制御手段は、停止操作手段の操作に基づき、第2図柄組合せを導出させる制御を実行可能な第2図柄導出制御手段と、第2図柄組合せを導出する以前における停止操作手段の操作に基づき、変動表示中の所定のリールにおける変動表示方向を変更可能な変動表示方向制御手段と、を備えた構成とした。
【選択図】図16
【特許請求の範囲】
【請求項1】
夫々複数の図柄が表された複数のリールと、遊技者の操作に基づき前記複数のリールの変動表示を伴うゲームを実行させるとともに、前記ゲームの実行に関連して特典を付与可能とする遊技機において、
前記ゲームとして、前記複数のリールにより形成される第1図柄組合せを、前記ゲームの終了に基づき導出させる第1ゲームを実行可能な第1ゲーム制御手段と、
前記第1ゲームの実行中において、前記複数のリールにより形成される第2図柄組合せを、前記第1図柄組合せの導出の他に導出させる第2ゲームを実行可能な第2ゲーム制御手段と、
遊技者が操作可能な停止操作手段と、
を備え、
前記第2ゲーム制御手段は、
前記停止操作手段の操作に基づき、前記第2図柄組合せを導出させる制御を実行可能な第2図柄導出制御手段と、
前記第2図柄組合せを導出する以前における前記停止操作手段の操作に基づき、変動表示中の所定のリールにおける変動表示方向を変更可能な変動表示方向制御手段と、
を備えた
ことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記ゲームの実行に基づき、前記特典を付与するか否かを決定可能な特典付与決定手段を備え、
前記変動表示方向制御手段は、
前記特典付与決定手段の決定結果に基づき、前記所定のリールにおける変動表示方向を変更可能とした
ことを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記特典付与決定手段は、
付与する特典の種類を決定可能な特典種類決定手段を備え、
前記変動表示方向制御手段は、
前記特典種類決定手段の決定結果に基づき、前記所定のリールにおける変動表示方向を変更可能とした
ことを特徴とする請求項2に記載の遊技機。
【請求項4】
前記変動表示方向制御手段は、
前記所定のリールにおける変動表示方向を変更する場合に、前記所定のリールに途中図柄を導出可能とし、
前記特典種類決定手段の決定結果に基づき、前記途中図柄の種類を決定可能とした
ことを特徴とする請求項3に記載の遊技機。
【請求項5】
前記変動表示方向制御手段は、
所定のタイミングで前記所定のリールに対する前記停止操作手段の操作が行われた場合に、前記所定のリールにおける変動表示方向を変更可能とした
ことを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項6】
前記所定のタイミングでの前記停止操作手段の操作をアシストする操作アシスト手段を備えた
ことを特徴とする請求項5に記載の遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、複数の識別情報を変動表示可能な変動表示装置を備え、変動表示装置での変動表示を伴う変動表示ゲームを実行するとともに、遊技者の停止操作により変動表示を停止させることで変動表示ゲームの結果を導出させ、導出された変動表示ゲームの結果に応じて、遊技者にとって有利な特定遊技状態を発生させるようにした遊技機が知られている。
また、近年の遊技機では、1回の変動表示ゲームにおいて、変動表示を複数回停止可能にすることで、遊技者に対して停止操作の機会を複数回与えるようにした遊技機も知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014-083374公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来の遊技機は、改善の余地があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明は、夫々複数の図柄が表された複数のリールと、遊技者の操作に基づき前記複数のリールの変動表示を伴うゲームを実行させるとともに、前記ゲームの実行に関連して特典を付与可能とする遊技機において、前記ゲームとして、前記複数のリールにより形成される第1図柄組合せを、前記ゲームの終了に基づき導出させる第1ゲームを実行可能な第1ゲーム制御手段と、前記第1ゲームの実行中において、前記複数のリールにより形成される第2図柄組合せを、前記第1図柄組合せの導出の他に導出させる第2ゲームを実行可能な第2ゲーム制御手段と、遊技者が操作可能な停止操作手段と、を備え、前記第2ゲーム制御手段は、前記停止操作手段の操作に基づき、前記第2図柄組合せを導出させる制御を実行可能な第2図柄導出制御手段と、前記第2図柄組合せを導出する以前における前記停止操作手段の操作に基づき、変動表示中の所定のリールにおける変動表示方向を変更可能な変動表示方向制御手段と、を備えた構成とした。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】遊技機の外観を示す概略正面図である。
図2】遊技機の制御構成を示すブロック図である。
図3】各リールにおける図柄の配置を説明するための図である。
図4】主制御装置での役の抽選を行う際に用いられる内部抽選テーブルを示す図表である。
図5】各役に入賞した際の特典を説明するための図表である。
図6】遊技機における遊技状態の遷移を説明するための図である。
図7】主制御装置でのCZCZ状態の抽選を行う際に用いられるCZCZ状態抽選テーブルを示す図表である。
図8】主制御装置での有利区間の終了の抽選を行う際に用いられる有利区間終了抽選テーブルを示す図表である。
図9】主制御装置でのAT状態の抽選を行う際に用いられるAT状態抽選テーブルを示す図表である。
図10】主制御装置での疑似ボーナス状態の抽選を行う際に用いられる疑似ボーナス状態抽選テーブルを示す図表である。
図11】主制御装置での疑似停止図柄の抽選を行う際に用いられる疑似停止図柄抽選テーブルを示す図表である。
図12】主制御装置での疑似遊技の回転パターンの抽選を行う際に用いられる疑似遊技回転パターン抽選テーブルを示す図表である。
図13】役の当選に対応する遊技状態および遊技区間の推移を説明するための図である。
図14】各遊技状態中におけるメイン表示器での演出を説明するための図である。
図15】回転パターン1での疑似遊技が行われた際のリールの回転態様およびメイン表示器の演出を説明するための図である。
図16】回転パターン2での疑似遊技が行われた際のリールの回転態様およびメイン表示器の演出を説明するための図である。
図17】回転パターン3での疑似遊技が行われた際のリールの回転態様およびメイン表示器の演出を説明するための図である。
図18】AT状態非当選時の疑似遊技が行われた際のリールの回転態様およびメイン表示器の演出を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
ここでは、本発明の実施形態にかかる遊技機の適例としてのスロットマシンについて説明を行う。
【0008】
まず、スロットマシン1の全体構成について、図1図2を参照して説明する。
スロットマシン1は、遊技場等に設置されるものである。
図1図2に示すように、スロットマシン1は、前扉1a、ベットボタン2a、返却ボタン2c、演出ボタン2d、上部演出ボタン2f、メダル投入口2、スタートレバー3、リール4、停止ボタン5、表示窓6、メダル払出装置7、メダル払出口7b、メイン表示器8、サブ表示器17、スピーカ9、前面パネル19、ランプ11、ナビランプ12、有利区間ランプ13、確率設定装置14、表示器装飾枠15、ドラムユニット4d、外部出力端子18、主制御装置10、副制御装置20を備える。
【0009】
なお、主制御装置10、副制御装置20は、各々に記憶部、制御部が備えられ、各種演算処理、各種制御が可能な装置であり、コンピュータの概念に含まれる。各記憶部は、スロットマシン1の動作に必要なプログラム、情報等を記憶する半導体メモリ素子等の記憶装置を備える。各制御部は、CPU等を備える。各制御部は、各記憶部に記憶された各種プログラム等を適宜読み出して実行することにより、本実施形態の各種機能を実現している。
【0010】
[遊技機の外観を示す概略正面図]
図1に示すように、スロットマシン1の前面には前扉1aが配設される。
前扉1aは、前扉1aの後方側に配設され島設備(図示省略)に取り付けられる本体(図示省略)の一側(前方視左側)に開閉可能に軸着され、片開形式で前方側に開閉可能に構成される。なお、以降、スロットマシン1を手前側から見た状態で左右方向を示す。
【0011】
スロットマシン1を手前側から見た状態で、前扉1aの上部における左右方向の中央の位置にはメイン表示器8が配置される。メイン表示器8は、後述するように演出(演出画像)に係る情報等、複数の情報を表示可能な液晶表示器等から構成され、表示手段を構成する。
前扉1aの上部であってメイン表示器8の前方には、中央に開口部を有する表示器装飾枠15が配設され、メイン表示器8は、表示器装飾枠15の開口部から表示面が前方に臨んだ状態で配設される。
【0012】
メイン表示器8の左右の各々には、スピーカ9が配設され、例えば、メイン表示器8で表示される演出に対応する効果音を出力可能となっている。
また、メイン表示器8の左右の各々には、LED等からなるランプ11が配設され、例えば、役の入賞時の光や、メイン表示器8で表示される演出に対応する発光態様の光を出力可能となっている。
【0013】
メイン表示器8の右側には、操作手段として例示する上部演出ボタン2fが配設される。
上部演出ボタン2fは、前後方向に移動する押圧式のボタンであり、上部演出ボタン2fの押圧操作は、非接触型のセンサ等によって検出されて、上部演出ボタン2fの操作情報として副制御装置20に出力される。また、上部演出ボタン2fの内部には、LED等からなる発光源(図示省略)が備えられ、発光源の発光により上部演出ボタン2fの操作が有効である旨を報知可能にしている。
【0014】
スロットマシン1における前扉1aの上下方向中央には、表面に装飾や各種機能表示が施された平板状の前面パネル19が配設される。
前面パネル19の後方には、変動表示手段としてのリール4を備えたドラムユニット4dが配設される。
また、前面パネル19の略中央には、リール4に付された図柄を前方から視認可能な透光性を有する部材からなる表示窓6が形成される。
【0015】
リール4は、左右方向に並んで配設される左リール4a、中リール4b、右リール4cから構成され、各リール4a~4cの回転軸は左右方向に延在して、回転中心が同一に設定されている。リール4(4a~4c)は、周面に連続する図柄(識別情報)を有し、これらの図柄が表示窓6を透して機外から識別可能に構成され、リール4が一方向に回転することにより、表示窓6内において、例えば、図柄が上から下に変動表示可能となっている。各リール4a~4cには、複数の図柄(例えば21個)が表されていて、図柄の種類は、例えば、「リプレイ」、「スイカ」、「チェリー」、「ベル」、「赤7」、「青7」、「金7」等である。
なお、リール4の形態は、これに限定されず、例えば、周面の図柄の個数は21個以外でもよい。
【0016】
前面パネル19における表示窓6の上部には、後述する停止ボタン5の停止順序を報知可能なナビランプ12a、12b、12cが各リール4a、4b、4cに対応して配設される。
また、前面パネル19における表示窓6の下部左側には、例えば、LEDから構成される有利区間ランプ13が配設される。有利区間ランプ13は、有利区間(後述する)中に点灯するように制御される。なお、スロットマシン1は、有利区間ランプ13に代えて、例えば、メダルの払出数を表示する払出数表示部等を構成する7セグメントディスプレイ(「7セグ」ともいう)に「ドット」部分を設けて、これを点灯するように制御してもよい。
【0017】
前面パネル19における表示窓6(リール4)の右側には、サブ表示器17が配置される。
サブ表示器17は、後述するように演出(演出画像)に係る情報等、複数の情報を表示可能な液晶表示器等から構成され、表示手段を構成する。
また、サブ表示器17は、メイン表示器8よりも表示面積が小さくなっているが、メイン表示器8よりもリール4に近い位置に配設されていて、リール4の回転や停止状態を見ながら、表示されている画像を視認することが容易となっている。
なお、サブ表示器17は、表示窓6(リール4)の左側に設けてもよい。また、サブ表示器17をタッチパネル式の表示器で構成するようにしてもよい。
【0018】
前面パネル19の下方には、前方に突出する段部が形成され、段部の上面にメダル投入口2、操作手段として例示するベットボタン2a、演出ボタン2dが配設されている。
メダル投入口2は、遊技者がメダル(遊技媒体)を投入する部分である。メダル投入口2の内部には、メダル投入口2に投入されたメダルを検出するセンサ等であるメダルセレクタ2b(メダル検出手段)が備えられている。
ベットボタン2aは、ゲームの開始条件となるベット数の入力を遊技者が行うための押圧式のボタンであり、1操作によりスロットマシン1で許容された最大ベット数を入力可能となっている。
【0019】
演出ボタン2dは、上下方向に移動する押圧式のボタンであり、演出ボタン2dの押圧操作は、非接触型のセンサ等によって検出されて、演出ボタン2dの操作情報として副制御装置20に出力される。また、演出ボタン2dの内部には、LED等からなる発光源(図示省略)が備えられ、発光源の発光により対応する演出ボタン2dの操作が有効である旨を報知可能にしている。演出ボタン2dは、前述した上部演出ボタン2fよりもリール4に対して近い位置に配設されている。
【0020】
段部の前面には、スタートレバー3、返却ボタン2cおよび停止操作手段として例示する停止ボタン5が配設される。
スタートレバー3は、ゲームを開始させるために遊技者が操作するレバーであり、ベット数の入力後、スタートレバー3が有効となりゲームが開始可能となる。
返却ボタン2cは、前後方向に移動する押圧式のボタンで構成され、設定されたベット数のキャンセルや、クレジットメダルとして記憶されたメダルの払い出しを行う際に操作されるボタンである。
停止ボタン5は、回転するリール4を停止するためのボタンであり、前後方向に移動する押圧式のボタンで構成され、左リール4a、中リール4b、右リール4cに対応して左停止ボタン5a、中停止ボタン5b、右停止ボタン5cが横方向に所定間隔で配設される。
【0021】
スロットマシン1における前扉1aの下方には、メダル払出装置7から払い出されたメダルが排出されるメダル払出口7bが配設される。
【0022】
[遊技機の制御構成を示すブロック図]
図2は、本実施形態におけるスロットマシン1における制御系のブロック図を示している。
図2に示すように、スロットマシン1には、役の抽選や遊技の進行制御等を行う主制御装置10と、主制御装置10と通信可能に構成され主制御装置10からの制御情報に基づき各種演出制御等を行う副制御装置20と、を備えている。主制御装置10と副制御装置20との制御情報の伝達は、主制御装置10から副制御装置20に対して一方向のみに制限され、副制御装置20から主制御装置10への不正な信号の入力を防止している。
【0023】
主制御装置10は、ベットボタン2a、メダルセレクタ2b、返却ボタン2c、スタートレバー3、停止ボタン5、確率設定装置14(設定手段)、外部出力端子18、メダル払出装置7、ドラムユニット4dおよび有利区間ランプ13と通信ケーブルで接続されており各機器を制御可能となっている。また、主制御装置10には、記憶部(記憶手段)、制御部が備えられている。
【0024】
設定手段としての確率設定装置14は、特定遊技状態(例えば、AT状態)に移行する確率(当選確率)を複数段階(例えば、6段階)に変更することで、遊技者にとっての有利度合いを複数段階で設定変更可能にするもので、主制御装置10は、確率設定装置14における確率設定操作に基づき、特定遊技状態の移行確率を確率の異なる複数の確率値のうちの何れか1つの確率値に設定する処理を行う。
確率設定装置14で設定される設定値は、設定1が最も低い確率値で、大きい数字ほど確率値が高くなり設定6が最も高い確率値となっている。したがって、設定1が最も遊技者に不利な設定(有利度合いが最も低い設定)であり、大きい数字ほど遊技者に有利になり設定6が最も遊技者に有利な設定(有利度合いが最も高い設定)となっている。
【0025】
なお、特定遊技状態の移行確率を確率設定装置14の設定値に影響を受けずに、固定の確率値で制御するようにしてもよい。
また、確率設定装置14における設定値により、CZ状態や疑似ボーナス状態の移行確率を変化させるようにすることで、遊技者の有利度合いを複数段階で変化可能としてもよい。
また、特定遊技状態の他に、所定の小役(例えば、ベル役)の当選確率を複数段階(例えば、6段階)に変更可能にしてもよい。
【0026】
外部出力端子18は、遊技店に設置された管理装置(図示略)や呼出装置(図示略)に対して、スロットマシン1における遊技に関わる情報を出力するもので、スロットマシン1での実行ゲーム数、メダル投入数、メダル払出数、遊技者にとって有利な遊技状態(例えば、後述する疑似ボーナス状態、AT状態)の発生回数や移行期間等の各種データを収集するための情報を主制御装置10の制御により出力するものである。
【0027】
ドラムユニット4dは、リール4a~4cと、リール4a~4cの各々を回転させるステッピングモータ(図示省略)とを一体的に備えた装置である。
メダル払出装置7は、メダルセレクタ2bに投入されたメダルを払い出し前のメダルとして回収するメダル貯留部(図示省略)を有し、メダル貯留部に貯留されたメダルをメダル払出口7bに払い出す装置である。メダル払出装置7には払い出されたメダルを検出するセンサが備えられる。
メダルセレクタ2bは、メダル投入口2の下流側に備えられ、メダル投入口2から投入されたメダルを検出するセンサが備えられる。
【0028】
主制御装置10の記憶部は、遊技に関する遊技プログラム、小役やAT状態の抽選を行うためのテーブル等の各種情報等を記憶する。
また、主制御装置10は、制御部およびプログラムが記憶された記憶部によって動作し、これにより、スロットマシン1の遊技の進行に関する処理等を行う。
【0029】
主制御装置10は、スタートレバー3からの信号に基づき、ゲームの開始処理や、乱数発生器(図示省略)からの乱数をサンプリングする処理等を行う。そして、サンプリングされた乱数に基づき役の抽選処理を行う。また、記憶部の制御プログラムに従って、例えば、所定タイミングで乱数を更新することで、乱数の生成処理を行い、生成された乱数に基づき後述するCZCZ状態の移行抽選処理、CZ状態の移行抽選処理、AT状態の移行抽選処理、AT状態の種類の抽選処理(疑似遊技の回転パターンの抽選処理)、疑似ボーナス状態の移行抽選処理等を行う。
【0030】
すなわち、主制御装置10は、ゲームの実行に対応して、小役、疑似ボーナス状態、AT状態等の特典を付与するか否かを抽選(決定)する抽選手段を備えているのである。
また、乱数を使用した抽選パターンは、前述したパターン以外でもよく、ソフト的に生成された乱数に基づき役の抽選を行い、乱数発生器で生成された乱数に基づき疑似ボーナス状態やAT状態の移行抽選、上乗せ抽選等を行うようにしてもよいし、全ての抽選をソフト的に生成された乱数、或いは乱数発生器で生成された乱数で行うようにしてもよい。
【0031】
また、主制御装置10は、スタートレバー3からの信号に基づきリール4の回転制御を行う。主制御装置10は、各リール4a、4b、4cに備えられているセンサ(図示省略)からの信号に基づき、各リール4a、4b、4cの回転位置を検出して、各リール4a、4b、4c上の図柄の回転位置を把握可能となっている。そして、停止ボタン5からの信号に基づき、所望の図柄を表示窓6内に停止させる制御を行う。
【0032】
また、主制御装置10は、スタートレバー3等の操作部の操作に応じて、内部抽選処理等をともなうゲーム進行処理、記憶部に記憶した各種情報の管理、また、メダル払出装置7等の装置を制御することにより、スロットマシン1の遊技を実現する。
【0033】
副制御装置20は、演出ボタン2d、上部演出ボタン2f、スピーカ9、メイン表示器8、ランプ11、ナビランプ12、サブ表示器17と、通信ケーブルで接続されており通信可能である。副制御装置20は、主制御装置10からの制御情報に応じて、これらの装置を制御する。また、副制御装置20には、記憶部、制御部が備えられている。
【0034】
副制御装置20の記憶部は、演出に関するプログラム、演出画像データ、音声データ等の各種情報等を記憶する。
副制御装置20は、制御部およびプログラムが記憶された記憶部によって動作し、主制御装置10からのコマンド(制御情報)に応じて、スロットマシン1の遊技に同期した演出等の処理を行う。例えば、遊技状態の移行を示す演出画像、効果音の出力、ランプ演出等を、メイン表示器8、ランプ11、スピーカ9等を制御して行う。
【0035】
また、副制御装置20は、演出ボタン2d、上部演出ボタン2fからの信号に基づき、各演出の切替タイミングを制御可能となっている。
主制御装置10および副制御装置20のうちの何れか一方或いは両方で、本発明における、第1ゲーム制御手段、第2ゲーム制御手段、第2図柄導出制御手段、変動表示方向制御手段、特典付与決定手段、特典種類決定手段、操作アシスト手段が構成される。
【0036】
[遊技機の基本的な遊技]
次に、図3図5を参照して、主制御装置10による制御により実現するスロットマシン1における基本的な遊技について説明する。
【0037】
まず、ゲームの開始にあたり、メダル投入口2からのメダルを投入、或いはベットボタン2aの操作によりクレジットメダルからベット数の設定を行う。
そして、ベット数が所定数(例えば、3枚)になったときに、ゲームの開始条件の一つが成立して、1回のゲームを実行可能な権利を保有するゲーム開始可能な状態となる。
【0038】
このゲーム開始可能な状態では、スタートレバー3の操作が有効な状態となる。この有効な状態において、スタートレバー3が傾動操作されると、ゲームの開始条件の全てが成立して、ゲームが開始され、複数の図柄の表されたリール4a~4cが変動を開始するとともに、リプレイ役、小役、ボーナス役などの複数の役(ハズレを含む)や、疑似ボーナス状態、AT状態の移行に対する今回ゲームの抽選結果をリール4の停止前に事前に決定する内部抽選処理が実行される。
内部抽選処理では、複数の当選役の中から今回ゲームの当選役を所定の当選確率に基づいて抽選により決定する。例えば、抽選によりリプレイ役やベル役等の抽選結果が導出される。
【0039】
また、主制御装置10は、スタートレバー3からの信号を受信しても、前回のゲームでのリール4の回転開始からの経過時間が所定時間(例えば、4.1秒)経過していない場合には、リール4の回転開始を一時的に待機(待機時間を挿入)させてリール4の回転開始を遅延させることで、単位時間(例えば、1分間)当たりのゲームの実行回数が所定数(例えば、14回)以内となるようにゲーム数を制限する制限制御を行う。すなわち、主制御装置10は、単位時間当たりのゲームの実行回数を所定数以内に制限可能なゲーム数制限手段を備えている。この制御により、1ゲームに要する最短実行時間が所定時間(例えば、4.1秒)に規定されることとなる。
なお、上記最短実行時間を監視する期間は、ゲーム間におけるリール4の回転開始時点を基準に設定する以外でもよく、例えば、停止ボタン5を有効とする時点を基準にしてもよく、単位時間当たりのゲーム回数を監視できれば何れの時点を基準にしてもよい。
【0040】
各リール4a~4cは、表示手段の一例であり、各リール4a~4cの周面には、図3に示すように、複数の図柄(リプレイ、ベル、スイカ、チェリー、BAR、赤7、青7、金7)が所定の配列で表されており、停止状態から徐々に回転速度を上げた後、一定の速度で回転する定常回転に達する。
このような定常回転に達すると、各リール4a~4cに対応して設けられた停止ボタン5a~5cが押圧操作可能な状態となる。
【0041】
この状態で各停止ボタン5a~5cが押圧操作されると、その操作タイミングと内部抽選処理の抽選結果とにより許容される図柄組合せで停止するように、各リール4a~4cが停止制御される。
各リール4a~4cの停止制御は、各々に引き込み範囲が設定されていて、停止操作が行われた時点の図柄から逆回転方向(上方向)にある所定数(例えば、4個)の図柄が引き込み可能となり、この引き込み範囲にある図柄の何れかに限り有効ライン上に停止可能な制御(引込停止制御)となっている。
【0042】
停止状態では、リール4a~4cそれぞれに表された上下方向に連続する3つの図柄が表示窓6から機外に臨むように停止(停止表示)し、このときの停止表示態様に基づいて入賞の有無が判定される。
入賞の判定は、表示窓6内の各リール4の中段図柄を結ぶ中段の入賞ライン上に停止した図柄組合せに基づいて判定される。
【0043】
小役、リプレイ役等の当選役の入賞は、このような入賞ライン上の図柄組合せに基づいて判定される。
小役には、例えば、押し順ベル役、スイカ役、チェリー役、1枚役がある。
【0044】
また、押し順ベル役には、6通りある押し順(例えば、「5a→5b→5c」,「5c→5b→5a」など)のうちの1通りの押し順(特定の押し順)によって、停止ボタン5a~5cが操作されることで、対応する図柄組合せ(「ベル・ベル・ベル」)が停止表示される6つの押し順ベル役1~6が設けられている。このような押し順ベル役1~6は、他の5通りの押し順(特定の押し順以外の押し順)によって停止ボタン5a~5cが操作されると、対応する図柄組合せ(「ベル・ベル・ベル」)が停止表示されず、「ベル・ベル・リプレイ」などの他の図柄組合せ(「ベルこぼし目」という)が停止表示されることになる。
【0045】
なお、押し順ベル役に当選したときに、2、3番目に操作する停止ボタン5を問わず、最初に操作する停止ボタン5のみが特定の押し順に従っていれば、押し順ベル役に対応する図柄組合せが停止するようにリール4の停止制御を行うようにしてもよい。また、押し順ベルは、6通りに限らず、3通りの押し順ベル1~3を設けてもよい。
【0046】
スイカ役は、対応する図柄組合せを「スイカ・スイカ・スイカ」とする小役(レア役)である。
チェリー役は、対応する図柄組合せを「チェリー・ANY・ANY」とする小役(レア役)であり、「チェリー」が左リール4aの上段又は下段に停止する弱チェリー役と、「チェリー」が左リール4aの中段に停止する強チェリー役とがある。
1枚役は、対応する図柄組合せを「ベル・ベル・リプレイ」とする小役である。したがって、1枚役の入賞時には上記した「ベルこぼし目」と同様の図柄組合せが停止することとなる。
【0047】
リプレイ役は、対応する図柄組合せを、「リプレイ・リプレイ・リプレイ」とする役である。
チャンス役は、対応する図柄組合せを、「ベル・スイカ・スイカ」(チャンス目)とする小役であり、スイカ役及びチェリー役とともに、内部抽選処理において当選確率が比較的低い、所謂レア役として設定される。
また、レア役は、当選確率の比較的高い弱チェリー役とスイカ役は弱レア役として設定され、当選確率の比較的高い強チェリー役とチャンス役は強レア役として設定されている。
また、リプレイ役と1枚役以外の役は、所定のリールにおける入賞に対応する図柄を狙った停止操作(所謂目押し操作)を要するものとなっていて、当選して引込停止制御が行われた場合でも必ず対応する図柄組合せが停止するものとはなっていない。
【0048】
また、本実施形態のスロットマシン1においては、上記小役の他にボーナス役も当選可能となっている。
ボーナス役は、入賞により遊技状態をボーナス状態に移行させる役であり、ボーナス役の当選により、有効ライン上に特別の図柄組合せ(例えば、「7・BAR・7」)を許容するようにリール4の停止制御が行われ、特別の図柄組合せが有効ライン上に停止してボーナス役が入賞した場合に遊技状態がボーナス状態に移行することとなる。
なお、ボーナス状態中においては、メダルの増減がほぼないように役の抽選が行われるもの(所謂ゼロボ)となっている。
また、ボーナス役の当選権利は、ボーナス役が入賞するまで維持(ボーナス持越し中)され、通常のゲームでは、殆どの期間ボーナス持越し中において実行されることとなる。
【0049】
また、主制御装置10及び副制御装置20は、押し順ベル役に関する遊技状態として、AT(アシストタイム)を発生可能となっている。ATは、押し順ベル役が当選した場合に、当選した押し順ベル役の押し順を、メイン表示器8及びナビランプ12により報知(押し順ナビを実行)する状態である。
したがって、ATの発生により遊技者が容易にメダルを獲得することが可能であり、後述する疑似ボーナス状態とAT状態中に制御される。
【0050】
主制御装置10においては、各ゲームの実行時に所定の乱数の抽出に基づき上記した各役の抽選を行うこととなる。
各役に当選する確率は、図4に示すように、例えば、確率設定装置14での設定値が設定1であった場合には、リプレイ役は、8982/65536の確率で設定され、1枚役は、14400/65536の確率で設定され、弱チェリー役は、650/65536の確率で設定され、強チェリー役は、164/65536の確率で設定され、スイカ役は、919/65536の確率で設定され、チャンス役は、491/65536の確率で設定され、押し順ベル役1~2の各々は、6981/65536の確率で設定され、押し順ベル役3~6の各々は、6492/65536の確率で設定されている。
また、設定2~6での各役の当選確率も、詳細な説明は省略するが図示するような値に設定されている。
【0051】
なお、図4に示す各役の当選確率は、ボーナス持越し中の値であるが、ボーナス役に当選していない状態(ボーナス非持越し中)においても、同様の当選確率となっている。ただし、ボーナス非持越し中においては、1枚役の当選と同時にボーナス役にも当選することとなる。
また、押し順ベル役を押し順の異なる6種類に設定しているが、押し順ベル役を押し順の他に目押し操作を必要とする図柄で構成することで12種類に設定してもよい。
【0052】
そして、上記各役の抽選を伴うゲームの終了時に停止した図柄組合せに基づいて、小役、リプレイ役、ボーナス役の当選がそれぞれ判定され(判定手段)、判定の結果、その図柄組合せが上記それぞれに対応する図柄組合せであるときに、入賞が成立して各入賞の成立に応じた遊技価値(特典)が付与される。
例えば、ベル役、チェリー役、スイカ役などの小役に対応する図柄組合せの停止により、小役入賞の成立が判定され、メダル払出装置7が駆動制御されることにより、メダル払出口7bを介して所定数のメダルが払い出される。
【0053】
具体的には、図5に示すように、リプレイ役に対応する図柄組合せの停止表示により、リプレイ役の入賞が成立した場合には、次回ゲームにおいてメダルの投入を行うことなく(ベット数の設定なしで)、前ゲームで設定したベット数と同様のベット数でのゲーム(再遊技)が可能となる。
また、1枚役、弱チェリー役、強チェリー役、およびチャンス役に対応する図柄組合せが停止表示した場合には、夫々1枚のメダルが払い出される。
また、スイカ役に対応する図柄組合せが停止表示した場合には、6枚のメダルが払い出される。
【0054】
また、押し順ベル役1~2の当選時において、夫々対応する図柄組合せが停止表示した場合には、3枚のメダルが払い出され、押し順ベル役3~6の当選時において、夫々対応する図柄組合せが停止表示した場合には、10枚のメダルが払い出される。
また、押し順ベル役1~6の当選時に、特定の押し順以外の押し順(5通りの押し順)で停止ボタン5a~5cを操作したときには、1枚のメダルが払い出される。
また、押し順ベル役3~6については、後述するAT状態中において、遊技者が保有するメダルが増加するような当選確率および払い出されるメダルの数に設定されている。
なお、各役に対応する図柄組合せが停止表示した場合に払い出されるメダルの数は、上記した枚数以外でもよい。
また、全ての役に対応する図柄組合せを、目押し操作を必要する図柄で構成するようにしてもよいし、目押し操作を必要としない図柄で構成するようにしてもよい。
【0055】
[遊技状態の遷移]
次に、本実施形態におけるスロットマシン1での遊技状態の遷移について図6図10を参照して説明する。
【0056】
図6に示すように、本実施形態のスロットマシン1の遊技は、通常遊技状態、CZCZ状態、CZ状態、AT状態、疑似ボーナス状態の複数の遊技状態において実行される。主制御装置10は、所定の移行条件が成立することに基づいて、一の遊技状態から他の遊技状態へと移行するように制御可能となっている。
【0057】
また、本実施形態の主制御装置10は、上記遊技状態とは別に、遊技区間として通常区間(非有利区間)および有利区間のいずれかに制御することが可能な区間制御手段を備えている。
通常区間は、押し順ナビが実行されることのない遊技区間であり、有利区間が終了された後、次ゲームが開始されることで開始され、有利区間移行条件が成立することで終了される。
通常区間では、有利区間ランプ13は消灯状態に制御される。
【0058】
また、通常区間では、有利区間移行条件が成立すること、例えば、内部抽選において所定の役(例えば、リプレイ役および押し順ベル役)に当選することで、有利区間に移行させることが決定される。
また、詳細は後述するが、遊技状態が通常遊技状態であり、遊技区間が通常区間中のゲームにおいて有利区間移行条件が成立した場合、次ゲームから有利区間に移行することとなるが、このときボーナス持越し中であった場合には、遊技状態がCZ状態に移行することとなり、ボーナス非持越し中であった場合には、遊技状態が通常遊技状態を維持することとなる。したがって、有利区間移行条件は容易に成立することとなるので、ボーナス持越し中であった場合には、通常区間への移行は、実質的にCZ状態への移行権利が付与されることとなる。
通常区間では、押し順ナビが実行されないものとなっている。
また、主制御装置10のリセット時には通常区間に制御される。
なお、有利区間への移行時期は、上記した時期以外でもよく、例えば、有利区間移行条件が成立したゲームの終了時点(最後に操作した停止ボタン5の押圧操作を終了した瞬間等)でもよい。この場合、次ゲームが開始される前から有利区間に移行することとなる。
【0059】
有利区間は、押し順ナビが実行されることのある遊技区間であり、押し順ナビが実行され得ることで通常区間に比較して遊技者にとって有利な遊技区間である。
また、有利区間は、通常区間において有利区間移行条件が成立した後、次ゲームが開始されることで開始され、所定の有利区間終了条件が成立することで終了される。
有利区間では、有利区間ランプ13は点灯状態に制御される。
なお、有利区間への移行後、押し順ナビの実行により遊技者が保有するメダル数が増加する遊技状態(例えば、AT状態)となった時点で、有利区間ランプ13の点灯状態を開始してもよい。
【0060】
また、有利区間は、当該有利区間中における有利区間の終了条件の成立に基づき、通常区間に移行するものとなっている。
有利区間の終了条件としては、例えば、スロットマシン1(主制御装置10)がリセット(設定変更時も含む)された場合等が例示される。
また、有利区間の終了条件としては、詳細は後述するが、通常遊技状態中およびCZCZ状態中のゲームにおいて、有利区間の終了条件の抽選(CZ状態の移行抽選)に当選した場合に成立するものとなっている。
なお、基本的にはAT状態の終了時には有利区間は継続するものとなっているが、AT状態終了時の一部で有利区間の終了条件を成立させるようにしてもよいし、AT状態の終了時の差枚数に応じて有利区間を終了するか否かを決定するようにしてもよい。
【0061】
さらに、スロットマシン1には、遊技者が獲得するメダル数を制限するためのリミッタ機能(以降単にリミッタという)が設けられていて、リミッタが作動した場合にも有利区間の終了条件が成立するものとなっている。
例えば、1回の有利区間における差枚数(払い出されたメダル数―投入されたメダル数)が上限枚数(例えば、+2400枚)に達した場合にリミッタが作動するものとなっている。
【0062】
また、リミッタの作動条件として、上記以外に1回の有利区間におけるゲーム数(有利区間ゲーム数)が上限ゲーム数(例えば、4000ゲーム)に達した場合を設定するようにしている。
したがって、リミッタは、1回の有利区間における差枚数が上限枚数に達した場合、あるいは1回の有利区間におけるゲーム数が上限ゲーム数に達した場合のいずれかが成立した場合に作動することとなる。
なお、リミッタの作動条件を、1回の有利区間における差枚数が上限枚数に達した場合のみに設定し、1回の有利区間におけるゲーム数に上限ゲーム数を設けないようにしてもよい。
そして、上記した何れかの有利区間の終了条件が成立した場合に有利区間が終了するものとなっている。
【0063】
また、本実施形態のスロットマシン1には、遊技者が獲得するメダル数を制限するための機能として上記リミッタ機能の他に、スロットマシン1の電源が投入されてから遮断されるまでに遊技者側が実際に獲得するメダル数(純増枚数)を制限する所謂コンプリート機能(単にコンプリートともいう)も設けていて、スロットマシン1の電源が投入されてから遮断されるまでの純増枚数が所定数(コンプリート値である+19000枚)に達した場合に、ゲーム実行不能状態として、その後のゲームが不能となる遊技停止状態にするようにしている。
したがって、遊技店の営業中において、遊技者側が獲得するメダル数が制限されることとなるのである。
また、遊技店の営業中に、1回の有利区間中における差枚数が極めて小さい値となっていて、リミッタ機能が作動するまでに極めて多数のメダルを遊技者が獲得可能な状態となっていても、リミッタ機能が作動するまでにコンプリート機能が先に作動することとなり、差枚数が極めて小さい値となっていた場合でも、遊技店側の不利益が極めて大きくなってしまうことを防止可能となるのである。
【0064】
(通常遊技状態)
通常遊技状態は、スロットマシン1の主制御装置10がリセットされた場合に滞在する遊技状態であり、遊技者にとっては不利な状態である。
図6に示すように、主制御装置10は、通常遊技状態に滞在中には、CZ状態、CZCZ状態への移行抽選処理を行う。なお、スロットマシン1の仕様等に応じて、通常遊技状態からAT状態に直接移行するようにしてもよい。
スロットマシン1の主制御装置10がリセットされた場合等の通常遊技状態においては、遊技区間が通常区間に制御されていて、通常遊技状態中における有利区間移行条件が成立した場合に遊技区間が通常区間から有利区間に移行する。ただし、主制御装置10がリセットされた場合には、ボーナス非持越し中であるので、次ゲームが実行されても遊技状態は通常遊技状態を維持することとなる。
【0065】
・通常遊技状態からCZCZ状態への移行処理(図6の矢印a)
通常遊技状態中におけるゲームに基づき、CZCZ状態への移行抽選が行われ、このCZCZ状態の移行抽選に当選した場合に通常遊技状態からCZCZ状態への移行が行われる。
本実施形態においては、AT状態に移行するまでに基本的には、通常遊技状態→CZCZ状態→CZ状態の順序で移行するように設定しているので、遊技者は、まずはCZCZ状態への移行に期待することとなる。
【0066】
図7は、主制御装置10においてCZCZ状態の移行抽選時に用いられるCZCZ状態抽選テーブルを示している。
CZCZ状態の移行抽選は、各ゲームの実行時に抽出される乱数値(抽出範囲を256種類とする乱数値)と役の抽出結果に基づき実行され、移行抽選に当選した場合にCZCZ状態への移行権利が付与され、次ゲームから遊技状態がCZCZ状態へ移行することとなる。
図7に示すように、CZCZ状態の移行抽選は、1枚役、弱レア役、強レア役の当選時のみで実行され、1枚役の当選時には255/256の確率でハズレとなり、1/256の確率で当選となり、弱レア役の当選時には192/256の確率でハズレとなり、64/256の確率で当選となり、強レア役の当選時には128/256の確率でハズレとなり、128/256の確率で当選となるように制御される。
【0067】
上記したようにCZCZ状態の移行抽選が行われることから、当選確率の低い役ほどCZCZ状態に移行する確率が高くなるのである。
なお、CZCZ状態の移行抽選に当選する確率を、確率設定装置14における設定値に応じて変更するようにしてもよい。
【0068】
・通常遊技状態からCZ状態への移行処理(図6の矢印d)
前述したように、CZ状態へ移行させるには、通常遊技状態中のゲームにおいて、まずはCZCZ状態へ移行させることとなるが、本実施形態においては、CZCZ状態へ移行せずに、通常遊技状態から直接CZ状態への移行を可能にしている。
【0069】
本実施形態においては、遊技区間が通常区間に移行され、その後有利区間に移行した場合に、遊技状態をCZ状態に移行するようにしている。
したがって、通常遊技状態中やCZCZ状態中において遊技区間が通常区間に移行した場合(有利区間の終了条件が成立した場合)には、実質的にCZ状態への移行権利が付与されることとなるのである。ただし、ボーナス非持越し中において遊技区間が通常区間に移行した場合には、その後有利区間に移行してもCZ状態へは移行しない。
【0070】
通常遊技状態中のゲームにおいて有利区間の終了条件を成立させるための抽選、すなわち通常遊技状態中における実質的なCZ状態への移行抽選は、通常遊技状態中のゲームにおいて、リプレイ役に連続で当選したことを契機に行われる。
【0071】
図8は、通常遊技状態中において、主制御装置10における有利区間の終了条件を成立させるための抽選(実質的なCZ状態の移行抽選)時に用いられる有利区間終了抽選テーブルを示している。
有利区間の終了条件を成立させるための抽選は、通常遊技状態中のゲームの実行時に抽出される乱数値(抽出範囲を256種類とする乱数値)とリプレイ役の連続当選回数に基づき実行され、当該抽選に当選した場合に、次ゲームから遊技区間が通常区間に移行し、この通常区間中のゲームにおいて有利区間移行条件が成立した場合には、次ゲームから遊技状態がCZ状態へ移行することとなる。
【0072】
図8に示すように、有利区間の終了条件を成立させるための抽選は、リプレイ役の連続回数が2回、3回、4回時に実行され、連続回数が2回の場合には255/256の確率でハズレとなり、1/256の確率で当選となり、連続回数が3回の場合には192/256の確率でハズレとなり、64/256の確率で当選となり、連続回数が4回の場合には0/256の確率でハズレとなり、256/256の確率で当選となるように制御される。
したがって、通常遊技状態中のゲームにおいて、リプレイ役に連続で当選した場合には、有利区間の終了抽選が行われ、この抽選に当選した場合には、実質的にCZ状態への移行権利が付与されることとなり、通常遊技状態中のゲームにおいてもCZ状態の移行に対する期待感を高めることが可能となるのである。
【0073】
なお、リプレイ役の連続当選を契機に有利区間の終了条件を成立させるための抽選を行うようにしているが、他の役の連続当選を契機に有利区間の終了条件を成立させるための抽選を行うようにしてもよい。
また、有利区間の終了条件を成立させるための抽選の契機となるリプレイ役の連続当選は、3回以下でもよいし5回以上でもよい。
また、リプレイ役の連続当選回数と、その他の抽選結果(ハズレ等)の連続当選回数を別で管理するなど複数(2種類以上)の抽選結果の連続当選回数を管理し、管理している連続回数の何れかが規定値に到達した場合に、有利区間を終了させるようにしてもよい。また、2種類以上の抽選結果を管理する状況を、後述するCZCZ状態中における有利区間の終了条件を成立させるための抽選時のみで実現するようにしてもよい。
【0074】
(CZCZ状態)
CZCZ状態は、押し順ベル役当選時には押し順ナビは行われないが、高い確率でAT状態に移行する後述のCZ状態に移行するための前段階の遊技状態、すなわちチャンスゾーン(CZ)のチャンスゾーンとなる遊技者の期待感を高める遊技状態である。
CZCZ状態の遊技可能回数は、基本的には10ゲームに設定されているが、11ゲーム以降においてもリプレイ役またはレア役以外が当選するまで継続する。
【0075】
前述したように、通常遊技状態中においては、リプレイ役の連続当選時に有利区間の終了条件を成立させるための抽選が行われることとなるが、CZCZ状態中においては、リプレイ役に連続当選しなくても、CZCZ状態中のリプレイ役の合計当選回数に応じて有利区間の終了条件が成立し易くなるような抽選が行われることとなる。
したがって、CZCZ状態は、通常遊技状態よりもCZ状態へ移行する確率の高い遊技状態となるのである。
CZCZ状態中において、主制御装置10から副制御装置20に対して、CZCZ状態に関する制御情報が送信され、主制御装置10および副制御装置20の制御により、メイン表示器8において、CZCZ状態中の各種演出や残ゲーム数がメイン表示器8に表示される。
【0076】
なお、CZCZ状態の移行抽選に当選した場合に、次ゲームからCZCZ状態に移行させずに、所定期間の遅延期間を設けて、その遅延期間において前兆演出を行うようにしてもよい。
また、上記遅延期間が終了することとなる最終ゲームにおいてリプレイ役に当選した場合には、その当選もCZCZ状態中に当選したものとしてもよい。この場合、CZCZ状態中の最初のゲームでもリプレイ役に当選した場合には、リプレイ役に2連続で当選したこととなる。
また、CZCZ状態中においては、リプレイ役への1回の当選を、複数回(例えば、2回)のリプレイ役の当選と見做すようにして、CZCZ状態中にリプレイ役に当選した場合の期待度を通常遊技状態中よりも高めるようにしてもよい。
【0077】
・CZCZ状態からCZ状態への移行処理(図6の矢印c)
CZCZ状態中のゲームにおいて有利区間の終了条件を成立させるための抽選、すなわちCZCZ状態中における実質的なCZ状態への移行抽選は、CZCZ状態中の期間内において、リプレイ役に当選した合計回数に基づき行われる。
【0078】
CZCZ状態中のゲームにおいて有利区間の終了条件を成立させるための抽選は、前述した通常遊技状態中において有利区間の終了条件を成立させるための抽選時に用いられる有利区間終了抽選テーブル(図8参照)におけるリプレイ役の連続当選回数を、CZCZ状態中のリプレイ役の当選回数に置き換えたテーブルを用いて実行される。
したがって、有利区間の終了条件を成立させるための抽選は、CZCZ状態中のゲームの実行時に抽出される乱数値(抽出範囲を256種類とする乱数値)と、CZCZ状態中におけるリプレイ役の当選回数に基づき実行され、合計当選回数が2回の場合には255/256の確率でハズレとなり、1/256の確率で当選となり、合計当選回数が3回の場合には192/256の確率でハズレとなり、64/256の確率で当選となり、合計当選回数が4回の場合には0/256の確率でハズレとなり、256/256の確率で当選となるように制御される。
【0079】
このように、通常遊技状態中のゲームにおいては、リプレイ役に連続で当選した場合に有利区間の終了抽選が行われるが、CZCZ状態中においては、リプレイ役が連続当選しなくてもCZCZ状態中におけるリプレイ役の当選回数が複数回となれば、通常遊技状態中においてリプレイ役が連続当選した場合と同様の抽選が行われることとなり、通常遊技状態中よりもCZ状態の移行に対する期待感を高めることが可能となるのである。
【0080】
・CZCZ状態から通常遊技状態への移行処理(図6の矢印b)
CZCZ状態中のゲームにおいて有利区間の終了条件を成立させるための抽選に非当選のまま、11ゲーム以降においてリプレイ役またはレア役以外の小役に当選した場合に、次ゲームから遊技状態が通常遊技状態へ移行することとなる。
なお、11ゲーム以降においてリプレイ役に当選した場合にもCZCZ状態を継続するようにしてもよく、このときのリプレイ役の当選も有利区間の終了抽選の契機としてもよい。
【0081】
(CZ状態)
CZ状態は、押し順ベル役当選時には押し順ナビは行われないが、AT状態の移行抽選処理が行われるので、遊技者にとって有利な遊技状態である。
なお、押し順ベル役当選時には押し順ナビは行われないが、押し順ベル役当選時に押し順ナビを実行するようにしてもよいし、押し順ベル役当選時の一部、すなわち押し順ベル役当選時の所定の確率(例えば、40%)で押し順ナビを実行するようにしてもよい。
【0082】
CZ状態に滞在中は、AT状態の移行抽選処理が行われるので、CZ状態は、一連の遊技の流れにおいてチャンスゾーンとして位置付けられている。
CZ状態の遊技可能回数は、最大で5ゲームである。
CZ状態中においては、主制御装置10から副制御装置20に対して、CZ状態に関する制御情報が送信され、主制御装置10および副制御装置20の制御により、メイン表示器8において、CZ状態中の各種演出や残ゲーム数がメイン表示器8に表示される。
【0083】
・CZ状態からAT状態への移行処理(図6の矢印f)
CZ状態では、各ゲームにおいてAT状態の移行抽選処理を行う。
AT状態の移行抽選処理の当選確率は、CZ状態中におけるゲーム回数と、各ゲームの当選役に応じて異なる値に設定され、この移行抽選に当選した場合に、AT状態の移行権利が付与される。
なお、詳細は後述するが、上記AT状態の移行抽選処理の結果に基づいて、次ゲームにおいて疑似遊技が実行され、この疑似遊技において、AT状態の移行抽選における当選の有無や当選の種類(移行するAT状態の種類)が報知され、AT状態の移行抽選に当選していた場合には、その後遊技状態がAT状態に移行することとなる。
【0084】
図9は、CZ状態中において、主制御装置10におけるAT状態の移行抽選時に用いられるAT状態抽選テーブルを示している。
AT状態の移行抽選は、CZ状態中のゲームの実行時(ゲーム開始時もしくはゲーム終了時)に抽出される乱数値(抽出範囲を256種類とする乱数値)と、そのゲームでの役の抽選結果に基づき実行され、当該抽選に当選した場合に、AT状態の移行権利が付与されることとなる。
また、AT状態の移行抽選には、当選の種類が設けられていて、当選1、当選2、当選3の何れかに当選するか否かの抽選が行われ、詳細は後述するが、AT状態の移行抽選に当選した場合には、当選1よりも当選2、当選2よりも当選3の方が、より遊技者にとって有利なAT状態の種類を決定するための抽選が行われることとなる。
【0085】
まず、図9(a)はCZ状態の1回目から4回目のゲームでの移行抽選時に用いられるAT状態抽選テーブルを示している。
図9(a)に示すように、CZ状態の1回目から4回目のゲームにおいて、弱レア役および強レア役以外の役に当選した場合には、128/256の確率でハズレとなり、128/256の確率で当選1の当選となり、0/256の確率で当選2の当選となり、弱レア役に当選した場合には、250/256の確率でハズレとなり、0/256の確率で当選1の当選となり、6/256の確率で当選2の当選となり、強レア役に当選した場合には、224/256の確率でハズレとなり、0/256の確率で当選1の当選となり、32/256の確率で当選2の当選となるように制御される。
【0086】
次に、図9(b)はCZ状態の5回目のゲームでの移行抽選時に用いられるAT状態抽選テーブルを示している。
図9(b)に示すように、CZ状態の5回目のゲームにおいて、弱レア役および強レア役以外の役に当選した場合には、128/256の確率でハズレとなり、128/256の確率で当選2の当選となり、0/256の確率で当選3の当選となり、弱レア役に当選した場合には、0/256の確率でハズレとなり、224/256の確率で当選2の当選となり、32/256の確率で当選3の当選となり、強レア役に当選した場合には、0/256の確率でハズレとなり、128/256の確率で当選2の当選となり、128/256の確率で当選3の当選となるように制御される。
【0087】
したがって、CZ状態中においては、1回目~4回目のゲームよりも5回目の方が、遊技者にとってより有利な抽選が行われることとなる。
また、5回目の方が有利な抽選が行われることから、1回目から4回目においては、抽選結果が当選とならない方が遊技者にとって有利となる可能性が高いが、1回目から4回目の抽選においては、レア役に当選しても抽選結果が当選となる確率が低められているので、遊技者の期待感を高めるような抽選が行われることとなる。
また、期待度の高い当選2や当選3に関しては、当選確率の低いレア役に当選した方が有利な抽選が行われることから、興趣性の高い抽選が実行可能となるとともに、遊技者の期待感を高めることが可能となるのである。
【0088】
以上のように、本実施形態においては、主制御装置10の制御により、CZ状態中におけるゲーム回数と、各ゲームの当選役に基づいて、AT状態(特典)を発生させるか否かを決定するためのAT状態の移行抽選が行われ、この移行抽選に当選した場合に、AT状態を発生するのである。
すなわち、主制御装置10は、ゲームの実行に基づき、特典(AT状態)を付与するか否かを決定可能な特典付与決定手段を備えるのである。
【0089】
なお、各当選確率は、上記傾向が形成できれば上記した以外でもよい。
また、特定の役(例えば、強チェリー役)に当選した場合に、必ずハズレとしたり、あるいは必ず所定の当選(例えば、当選2)としたりするようにしてもよい。
また、CZ状態中のゲーム回数に関わらず同一のテーブルを参照してもよいし、一部または全てのゲーム回数で異なるテーブルを参照してもよい。
【0090】
・CZ状態から通常遊技状態への移行処理(図6の矢印e)
CZ状態中のゲームにおいてAT状態の移行抽選に非当選のまま、5ゲームが終了した場合に、次ゲームから遊技状態が通常遊技状態へ移行することとなる。
【0091】
(AT状態)
本実施形態におけるAT状態は、当該AT状態中のゲームにおいて、遊技者に有利な操作態様の報知として、押し順ベル役に対する押し順ナビが行われることで、メダルの獲得が容易な遊技状態である。
AT状態中においては、主制御装置10から副制御装置20に対して、AT状態に関する制御情報が送信され、主制御装置10および副制御装置20の制御により、メイン表示器8において、AT状態中の各種演出や残ゲーム数がメイン表示器8に表示される。
【0092】
AT状態中は、AT状態の初期移行時に付与された所定数のゲーム(例えば、32ゲーム)を、AT状態を継続可能な残ゲーム数として継続が管理されて、残ゲーム数がゲームの実行毎に減算され、残ゲーム数が無くなるまでAT状態は継続される。
また、AT状態中は疑似ボーナス状態の移行抽選が行われ、疑似ボーナス状態の移行抽選に当選した場合には、一旦AT状態は中断されて疑似ボーナス状態に移行し、疑似ボーナス状態終了後に再度AT状態に移行することとなる。したがって、AT状態中に疑似ボーナス状態に移行しさえすれば、AT状態が継続することとなる。
また、AT状態中に疑似ボーナス状態の移行抽選に当選した場合には、その時点の残りゲーム数がリセットされ、疑似ボーナス状態の終了後に再度AT状態に移行した場合には、初期時に付与された残りゲーム数(32ゲーム)からAT状態が再開することとなる。
【0093】
AT状態には、通常AT状態、上位AT状態、特殊AT状態の3種類が設けられていて、AT状態の移行権利の付与時に、前述したAT状態の移行抽選における当選の種類(当選1~3)に基づきいずれかのAT状態に振り分けられることとなる。
通常AT状態は、押し順ベル役に当選した場合に、1/4の確率で押し順ナビが実行されるAT状態である。
上位AT状態は、押し順ベル役に当選した場合に、1/2の確率で押し順ナビが実行されるAT状態である。
特殊AT状態は、押し順ベル役に当選した場合に、1/1の確率で押し順ナビが実行されるAT状態である。
したがって、通常AT状態よりも上位AT状態、上位AT状態よりも特殊AT状態の方がAT状態中に遊技者が獲得可能なメダル数が多くなるのである。
【0094】
なお、AT状態の種類を異ならせることとなる態様は、上記以外でもよく、例えば、押し順ベル役当選時に最初に操作するリールのみを報知する一部ナビと、全ての押し順を報知する全ナビとを実行可能とし、通常AT状態の場合には、一部ナビを3/4の確率で実行するとともに、全ナビを1/4の確率で実行し、上位AT状態の場合には、一部ナビを1/2の確率で実行するとともに、全ナビを1/2の確率で実行し、特殊AT状態の場合には、一部ナビを1/1の確率で実行するとともに、全ナビを1/1の確率で実行するようにしてもよい。
【0095】
・AT状態から疑似ボーナス状態への移行処理(図6の矢印h)
AT状態では、各ゲームにおいて疑似ボーナス状態の移行抽選処理を行う。
疑似ボーナス状態の移行抽選処理は、AT状態中のゲームにおける役の抽選結果に基づき行われ、具体的には、レア役に当選した場合と、押し順ベル役に3連続で入賞(当選ではなく入賞)した場合に移行抽選が行われる。なお、4連続以上の入賞の場合も同様の移行抽選が行われる。
【0096】
図10は、AT状態中において、主制御装置10における疑似ボーナス状態の移行抽選時に用いられる疑似ボーナス状態抽選テーブルを示している。
疑似ボーナス状態の移行抽選は、AT状態中のゲームの実行時に抽出される乱数値(抽出範囲を256種類とする乱数値)と、そのゲームでの役の抽選結果に基づき実行され、当該抽選に当選した場合に、疑似ボーナス状態の移行権利が付与されることとなる。
【0097】
図10に示すように、AT状態中のゲームにおいて押し順ベル役に3連続で入賞した場合には、128/256の確率でハズレとなり、128/256の確率で当選となり、弱レア役に当選した場合には、128/256の確率でハズレとなり、128/256の確率で当選となり、強レア役に当選した場合には、64/256の確率でハズレとなり、192/256の確率で当選となるように制御される。
上記抽選の結果、当選となった場合には疑似ボーナス状態の移行権利が付与されて、次ゲームから遊技状態が疑似ボーナス状態に移行することとなる。
【0098】
・AT状態から通常遊技状態への移行処理(図6の矢印g)
AT状態中のゲームにおいて疑似ボーナス状態の移行抽選に当選に非当選のまま、残りゲーム数(初期時が32ゲーム)が終了した場合に、次ゲームから遊技状態が通常遊技状態へ移行することとなる。
なお、AT状態が終了することとなる残りゲーム数は上記以外でよい。
【0099】
(疑似ボーナス状態)
疑似ボーナス状態は、当該疑似ボーナス状態中のゲームにおいて、遊技者に有利な操作態様の報知として、押し順ベル役に対する押し順ナビが実行されることで、メダルの獲得が容易な遊技状態である。
また、疑似ボーナス状態中は、押し順ベル役に当選した場合に、1/1の確率で押し順ナビが実行される。したがって、疑似ボーナス状態中は、特殊AT状態と同様の押し順ナビ態様が実行される遊技者にとって極めて有利な遊技状態となる。
また、疑似ボーナス状態は、所定期間(例えば、40ゲーム)継続して、当該継続期間の終了の後に終了することとなる。
そして、疑似ボーナス状態の終了後は、遊技状態がAT状態に復帰することとなる(図6の矢印i)。
以上のように、遊技状態の移行制御が行われる。
【0100】
[疑似遊技]
次に、本実施形態におけるスロットマシン1での疑似遊技(疑似ゲーム)について図11図12を参照して説明する。
前述したように、本実施形態においては、CZ状態中においてAT状態の移行抽選が行われるが、このAT状態の移行抽選の結果に基づいて、主にリール4において疑似遊技(疑似ゲーム)を実行可能としている。
【0101】
疑似遊技は、主制御装置10の制御により、1回のゲームにおいて複数回のゲーム結果が導出されるようなゲームの実行態様の一つである。
【0102】
具体的には、主制御装置10は、通常のゲームでは、スタートレバー3の操作によりリール4が回転して、停止ボタン5の操作により回転しているリール4を停止させることで1回のゲーム結果を導出するようにしているが、疑似遊技が実行されるゲームでは、通常のゲームと同様に最終的なゲーム結果(第1図柄組合せ)が導出される前においてリール4を疑似停止させることで、ゲーム途中においても疑似的にゲーム結果(疑似停止図柄:第2図柄組合せ)を導出するものである。
つまり、疑似遊技が実行される場合には、1回のゲームを実行する分のメダルの消費(ベット入力)で複数回のゲーム結果が導出されることとなるのである。
【0103】
また、上記疑似遊技には、遊技者の操作を要する操作疑似遊技と、遊技者の操作を要しない非操作疑似遊技とがある。
操作疑似遊技は、最初のスタートレバー3の操作によりリール4を回転させ、ゲーム途中における停止ボタン5の操作により回転しているリール4を疑似停止(仮停止)させて疑似ゲーム結果を導出することで実行される。疑似ゲーム結果が導出された後は、再度のスタートレバー3の操作によりリール4を再回転させ、通常のゲームと同様の本遊技が実行される。
【0104】
遊技者による停止ボタン5の操作により回転しているリール4を疑似停止する場合には、通常のゲームでの引込停止制御は行われず、いずれの停止タイミングであっても引き込み範囲を無視して必ず予め決定されている図柄が疑似停止することとなる。
なお、リール4を疑似停止する場合において、通常のゲームでの引込停止制御を行うようにすることで、後述する特定の図柄組合せが疑似停止可能な操作疑似遊技において、特定のタイミングで停止操作を行わないと、当該特定の図柄組合せ以外が停止するようにしてもよい。
非操作疑似遊技は、ゲームの実行中にリール4を疑似停止させる際の停止ボタン5の操作を必要とせず、自動的にリール4が疑似停止するものである。
本実施形態においては、上記操作疑似遊技を採用している。したがって、以降「疑似遊技」と称した場合には「操作疑似遊技」を示している。
【0105】
すなわち、主制御装置10は、ゲームとして、リール4により形成される第1図柄組合せ(ゲーム終了時の図柄組合せ)を、ゲームの終了に基づき導出させる第1ゲームを実行可能な第1ゲーム制御手段と、第1ゲームの実行中において、リール4により形成される第2図柄組合せ(疑似停止図柄)を、上記第1図柄組合せの導出の他に導出させる第2ゲーム(疑似遊技:疑似ゲーム)を実行可能な第2ゲーム制御手段とを備えているのである。
【0106】
本実施形態においては、CZ状態中の各ゲームにおいては、前述したようにAT状態の移行抽選が行われることとなるが、このAT状態の移行抽選結果に基づき、当該抽選が行われた次ゲームの前半部で疑似遊技を行うようにしている。
したがって、AT状態の移行抽選結果が当選(当選1~3のいずれか)であった場合には、次ゲームで疑似遊技が実行され、この疑似遊技においてAT状態に移行することを報知可能な特定の図柄組合せ(当り疑似停止図柄:第2図柄組合せ)が疑似停止することとなる。
一方、AT状態の移行抽選結果がハズレであった場合にも、次ゲームで疑似遊技が実行され、この疑似遊技においてAT状態に移行しないことを報知可能な特定の図柄組合せ以外の図柄組合せ(外れ疑似停止図柄:第2図柄組合せ)が疑似停止することとなる。
【0107】
また、本実施形態においては、CZ状態中のゲームにおいて、AT状態の移行抽選に当選した場合には、次ゲームで直ぐにAT状態に移行させずに、次ゲームでAT状態が待機する予備ゲームを実行するようにし、この予備ゲームの前半で疑似遊技を実行するようにしている。また、予備ゲーム中における疑似遊技の終了後は、予備ゲームでの役の抽選結果に基づく図柄組合せ(第1図柄組合せ)が導出されることとなる。
一方、CZ状態中のゲームにおいて、AT状態の移行抽選に当選しなかった場合には、予備ゲームは実行されず、CZ状態中の次ゲームの前半で外れ疑似停止図柄が導出される疑似遊技が実行される。この場合、疑似遊技後に実行される本遊技(本ゲーム)で、上記次ゲームの結果(第1図柄組合せ)が導出される。この場合、CZ状態の5ゲーム目のAT状態の移行抽選に当選しなかった場合には、CZ状態の終了後の通常遊技状態の最初のゲームの前半部で上記抽選結果を報知する疑似遊技を行うことが好ましい。
【0108】
なお、AT状態の移行抽選に当選しなかった場合にも予備ゲームを実行するようにしてもよい。
また、CZ状態中の5ゲーム目(最終ゲーム)のAT状態の移行抽選に当選した場合にのみ予備ゲームを実行するようにしてもよい。
また、AT状態の移行抽選に当選した場合でも予備ゲームを実行せずに、次ゲームの前半部で疑似遊技を実行するようにしてもよい。例えば、CZ状態中の1ゲーム目のAT状態の移行抽選に当選した場合には、CZ状態中の2ゲーム目の前半部で疑似遊技を実行し、CZ状態中の5ゲーム目(最終ゲーム)のAT状態の移行抽選に当選した場合には、AT状態の最初のゲームの前半部で疑似遊技を実行するようにすればよい。
【0109】
また、CZ状態中において、AT状態の移行抽選に当選した場合には、そのゲームの実行中(例えば、ゲーム終了時点)に、さらにその当選の種類(当選1~当選3)に応じてAT状態の種類を決定する抽選を行うようにしている。
そして、AT状態の種類の決定結果に対応して、疑似遊技における当り疑似停止図柄の種類を決定するようにしている。
したがって、CZ状態中の疑似遊技での疑似停止図柄は、そのときの疑似停止図柄によりAT状態に移行するか否かと、移行するAT状態の種類を報知することとなるのである。
【0110】
さらに、本実施形態においては、詳細は後述するが、疑似遊技における疑似停止図柄が導出される前のリール4の回転中に、停止ボタン5の操作を有効にして、停止ボタン5の操作により回転中のリール4の回転方向を変更可能としている。
したがって、疑似遊技におけるリール4の回転態様(回転パターン)には、複数の回転態様が予め設けられていて、このうちの何れかの回転態様で疑似遊技中のリール4が回転することとなる。
そして、疑似遊技におけるリール4の回転態様が、予め決定されているAT状態の移行抽選結果およびAT状態の種類の決定結果に基づき決定されることとなる。
つまり、疑似遊技での疑似停止図柄により、AT状態への移行の有無と、移行するAT状態の種類が最終的に報知されることとなるが、それより以前に、疑似遊技中のリール4の回転態様により、AT状態への移行の有無と、移行するAT状態の種類が事前に示唆されることとなるのである。
【0111】
以上のようにCZ状態中の疑似遊技が実行されることとなるが、まずは、AT状態の種類の決定、すなわち疑似遊技における疑似停止図柄の決定について、図11を参照して説明する。
図11は、主制御装置10で用いられる抽選テーブルであって、AT状態の移行抽選に当選した場合において、AT状態の種類(疑似遊技における当り疑似停止図柄)を決定する際に用いられる疑似停止図柄の抽選テーブルを示している。
AT状態の種類(疑似遊技における当り疑似停止図柄)の抽選は、CZ状態中のゲームの実行時(例えば、ゲーム終了時)に抽出される乱数値(抽出範囲を256種類とする乱数値)と、AT状態の移行抽選に当選した場合の当選の種類(当選1~当選3)、およびCZ状態のゲーム回数に基づき実行される。
【0112】
まずは、AT状態の移行抽選が当選1であった場合について、図11(a)を参照して説明する。
図11(a)に示すように、例えば、CZ状態中の1ゲーム目(1回目)のAT状態の移行抽選で当選1であった場合には、240/256の確率で通常AT状態、すなわち疑似遊技における当り疑似停止図柄を「赤7」にすることが決定され、16/256の確率で上位AT状態、すなわち疑似遊技における当り疑似停止図柄を「青7」にすることが決定され、0/256の確率で特殊AT状態、すなわち疑似遊技における当り疑似停止図柄を「金7」にすることが決定される。
【0113】
また、例えば、CZ状態中の4ゲーム目(4回目)のAT状態の移行抽選で当選1であった場合には、128/256の確率で通常AT状態、すなわち疑似遊技における当り疑似停止図柄を「赤7」にすることが決定され、112/256の確率で上位AT状態、すなわち疑似遊技における当り疑似停止図柄を「青7」にすることが決定され、16/256の確率で特殊AT状態、すなわち疑似遊技における当り疑似停止図柄を「金7」にすることが決定される。
なお、詳細な説明は省略するが、CZ状態中の2ゲーム目(2回目)~4ゲーム目(4回目)についても図示するような各確率でAT状態の種類(疑似遊技における当り疑似停止図柄)が決定されることとなる。また、CZ状態中の5ゲーム目については、当選1の結果は導出されないのでここでの抽選は行われない。
【0114】
次に、AT状態の移行抽選が当選2であった場合について、図11(b)を参照して説明する。なお、当選2の場合には、CZ状態中の全てのゲームで共通のテーブルが使用される。
図11(b)に示すように、CZ状態中のゲーム(1ゲーム目~5ゲーム目)でAT状態の移行抽選で当選2であった場合には、0/256の確率で通常AT状態、すなわち疑似遊技における当り疑似停止図柄を「赤7」にすることが決定され、128/256の確率で上位AT状態、すなわち疑似遊技における当り疑似停止図柄を「青7」にすることが決定され、128/256の確率で特殊AT状態、すなわち疑似遊技における当り疑似停止図柄を「金7」にすることが決定される。
【0115】
次に、AT状態の移行抽選が当選3であった場合について、図11(c)を参照して説明する。なお、当選3の場合には、CZ状態中の5回目のゲームでのみ使用されるテーブルとなっている。
図11(c)に示すように、CZ状態中のゲーム(5ゲーム目)でAT状態の移行抽選で当選3であった場合には、0/256の確率で通常AT状態、すなわち疑似遊技における当り疑似停止図柄を「赤7」にすることが決定され、0/256の確率で上位AT状態、すなわち疑似遊技における当り疑似停止図柄を「青7」にすることが決定され、256/256の確率で特殊AT状態、すなわち疑似遊技における当り疑似停止図柄を「金7」にすることが決定される。
【0116】
以上のように、CZ状態中のゲームにおいて、AT状態の移行抽選に当選した場合には、その当選の種類(当選1~当選3)に応じてAT状態の種類を決定するための抽選が行われるのである。
すなわち、特典付与決定手段としての主制御装置10は、付与する特典の種類(通常AT状態、上位AT状態、特殊AT状態)を決定可能な特典種類決定手段を備えるのである。
また、AT状態の移行抽選結果が当選1であった場合には、その当選したCZ状態のゲーム数に基づいてもAT状態の種類を決定するための抽選が行われるのである。
【0117】
そして、AT状態の種類が決定された次ゲームでは予備ゲームが実行されて、この予備ゲームの前半部での疑似遊技において、決定したAT状態の種類に対応する当り疑似停止図柄が疑似停止することとなるのである。
一方、AT状態の移行抽選に非当選であった場合には、CZ状態中の次ゲームの前半部での疑似遊技において、予め定められている外れ疑似停止図柄(例えば、「赤7・赤7・赤7以外の図柄」)が疑似停止することとなるのである。
例えば、CZ状態中の2ゲーム目のAT状態の移行抽選の結果が当選1であった場合には、32/256の確率で上位AT状態への移行が決定され、次ゲームの予備ゲームの前半での疑似遊技において、遊技者による停止ボタン5の操作に基づき、上位AT状態に対応する「青7」の当り疑似停止図柄、すなわち、リール4のいずれかのライン上に、「青7・青7・青7」の図柄組合せが疑似停止することとなるのである。
【0118】
次に、CZ状態中のゲームにおいて疑似遊技が実行された場合の疑似遊技中におけるリール4の回転態様(回転パターン)について説明する。
前述したように、本実施形態においては、疑似遊技における疑似停止図柄が導出される前のリール4の回転中に、停止ボタン5の操作を有効にして、停止ボタン5の操作により回転中のリール4の回転方向を変更可能としている。
例えば、疑似遊技の開始時点では、上から下方向へ正回転するリール4に対して、遊技者が停止ボタン5を操作すると、正回転していたリール4の回転方向が変更されて、下から上方向へ逆回転するようなリール4の回転制御を行うようにしている。
したがって、遊技者としては、回転しているリール4を停止(仮停止)させようと停止ボタン5を操作しているが、その操作によりリール4が停止せずに、回転方向が変更することとなり、意外性のある回転態様を形成できるのである。
【0119】
本実施形態においては、疑似遊技中におけるリール4の回転態様(回転パターン)を以下のように3パターン設けていて、予め決定されている疑似停止図柄(図柄組合せ)の種類に応じて、いずれかの回転態様に決定するようにしている。なお、疑似遊技の開始時には、通常のゲーム開始時と同様にリール4a~4cは全て上から下方向への正回転を行っている。
回転パターン1は、リール4a~4cの全ての回転が正回転のまま疑似遊技終了まで維持するパターンである。したがって、遊技者が停止ボタン5a~5cの操作を行うと、その操作に対応するリール4a~4cが回転方向を変更せずに、疑似停止図柄を構成する1の図柄が疑似停止することとなる。
【0120】
回転パターン2は、回転開始時に正回転している各リール4a~4cに対して、遊技者が停止ボタン5a~5cの操作を行うと、その操作に対応するリール4a~4cの各々が回転方向を変更して逆回転を開始するパターンである。したがって、この場合、最初の段階(1段階目)の停止ボタン5a~5cの操作では、疑似停止図柄の導出は行われずに、リール4a~4cの回転方向が変更され、次の段階(2段階目)の停止ボタン5a~5cの操作により逆回転しているリール4a~4cが疑似停止(仮停止)して疑似停止図柄が導出されることとなる。
【0121】
回転パターン3は、回転開始時に正回転している各リール4a~4cに対して、遊技者が最初の段階(1段階目)での停止ボタン5a~5cの操作を行うと、その操作に対応するリール4a~4cの各々が回転方向を変更して逆回転を開始し、さらにその後、逆回転している各リール4a~4cに対して、遊技者が次の段階(2段階目)での停止ボタン5a~5cの操作を行うと、その操作に対応するリール4a~4cの各々が回転方向を変更して再び正回転を開始するパターンである。したがって、この場合、1段階目と2段階目の停止ボタン5a~5cの操作では、疑似停止図柄の導出は行われずに、リール4a~4cの回転方向が変更され、3段階目の停止ボタン5a~5cの操作により正回転しているリール4a~4cが疑似停止(仮停止)して疑似停止図柄が導出されることとなる。
【0122】
なお、回転パターンの種類は上記以外でもよく、例えば、最初の段階(1段階目)の停止ボタン5a~5cの操作では、疑似停止図柄の導出は行われずに、リール4a~4cの回転方向を変更(正回転から逆回転に変更)し、その後停止ボタン5a~5cからの操作信号の受け付けを無効とした状態で所定時間経過後に、リール4a~4cの回転方向を自動的に変更(逆回転から正回転に変更)するとともに停止ボタン5a~5cからの操作信号の受け付けを有効とし、次の段階(2段階目)の停止ボタン5a~5cの操作により正回転しているリール4a~4cを疑似停止(仮停止)して疑似停止図柄を導出するようにする回転パターンを上記に加えて設けるようにしてもよく、また、上記のパターンを2回繰り返して実行する回転パターンを設けるようにしてもよい。
疑似遊技中のリール4の回転態様の詳細は後述(図15図18)する。
【0123】
図12は、主制御装置10で用いられる抽選テーブルであって、CZ状態中のゲームに疑似遊技を実行する場合において、疑似遊技中におけるリール4の回転態様(回転パターン)を決定する際に用いられる疑似遊技回転パターン抽選テーブルを示している。
疑似遊技における回転パターンの抽選は、疑似遊技の開始前の所定タイミング(例えば、ゲーム終了時)に抽出される乱数値(抽出範囲を256種類とする乱数値)と、AT状態の移行抽選結果(ハズレ)および当り疑似停止図柄の種類(赤7、青7、金7)に基づき実行される。
【0124】
まずは、CZ状態中の1ゲーム目(1回目)~4ゲーム目(4回目)の抽選に対応して疑似遊技を実行する場合について、図12(a)を参照して説明する。なお、実際の疑似遊技は抽選ゲームの次ゲームで実行されることとなる。
図12(a)に示すように、AT状態の移行抽選結果が「ハズレ」であった場合には、224/256の確率で回転パターン1が決定され、32/256の確率で回転パターン2が決定され、0/256の確率で回転パターン3が決定される。
また、当り疑似停止図柄が「赤7」(通常AT状態)で決定されている場合には、256/256の確率で回転パターン1が決定され、0/256の確率で回転パターン2が決定され、0/256の確率で回転パターン3が決定される。
【0125】
また、当り疑似停止図柄が「青7」(上位AT状態)で決定されている場合には、96/256の確率で回転パターン1が決定され、160/256の確率で回転パターン2が決定され、0/256の確率で回転パターン3が決定される。
また、当り疑似停止図柄が「金7」(特殊AT状態)で決定されている場合には、0/256の確率で回転パターン1が決定され、32/256の確率で回転パターン2が決定され、224/256の確率で回転パターン3が決定される。
【0126】
次に、CZ状態中の5ゲーム目(5回目)の抽選に対応して疑似遊技を実行する場合について、図12(b)を参照して説明する。なお、CZ状態中の5ゲーム目は、「赤7」の当り疑似停止図柄は選択されないので、対応する項目は削除されている。
図12(b)に示すように、AT状態の移行抽選結果が「ハズレ」であった場合には、0/256の確率で回転パターン1が決定され、256/256の確率で回転パターン2が決定され、0/256の確率で回転パターン3が決定される。
【0127】
また、当り疑似停止図柄が「青7」(上位AT状態)で決定されている場合には、0/256の確率で回転パターン1が決定され、128/256の確率で回転パターン2が決定され、128/256の確率で回転パターン3が決定される。
また、当り疑似停止図柄が「金7」(特殊AT状態)で決定されている場合には、0/256の確率で回転パターン1が決定され、96/256の確率で回転パターン2が決定され、160/256の確率で回転パターン3が決定される。
【0128】
以上のような回転パターンの抽選が行われることから、回転パターン1では、回転方向の変更は行われず、回転パターン2および3では、回転方向の変更が行われることとなるが、AT状態の移行抽選に当選した場合には、移行抽選に当選しなかった場合よりも回転パターン2あるいは3が選択される確率が高くなるので、AT状態の移行抽選に当選した場合には、当選しなかった場合よりも疑似遊技中においてリール4の回転方向が変更される確率が高まるのである。
また、遊技者にとって有利なAT状態の移行が決定されるほど、疑似遊技中の回転パターンが、回転パターン1→回転パターン2→回転パターン3の順に選択される確率が高くなるので、より有利なAT状態に当選するほど、リール4の回転方向の変更回数が多くなる確率が高まるのである。
【0129】
以上のように、本実施形態においては、CZ状態中のゲームにおいて、リール4の回転および停止を伴う疑似遊技(疑似ゲーム)を実行可能とし、この疑似遊技が実行された場合には、遊技者による停止ボタン5の操作に基づきリール4を疑似停止(仮停止)して疑似停止図柄を導出可能とするのである。
また、疑似停止図柄が疑似停止する以前の疑似遊技中においても、停止ボタン5を有効とし、この間における遊技者による停止ボタン5の操作に基づき、リール4の回転態様(回転方向)を変更可能とするのである。
【0130】
すなわち、第2ゲーム制御手段としての主制御装置10は、停止操作手段(停止ボタン5)の操作に基づき、第2図柄組合せ(疑似停止図柄)を導出させる制御を実行可能な第2図柄導出制御手段と、第2図柄組合せを導出する以前における停止操作手段の操作に基づき、変動表示中の所定のリールにおける変動表示方向を変更可能な変動表示方向制御手段と、を備えるのである。
【0131】
したがって、1回のゲームにおいてリール4による複数回の図柄組合せが導出されることとなり、遊技の興趣性が向上するとともに、遊技者の期待感を高めることが可能となるのである。
また、疑似遊技中においては、遊技者による停止ボタン5の操作により、リール4の回転方向が変更する場合もあることから、リール4を停止させようと停止ボタン5を操作したにもかかわらず、リール4の回転方向が変更することとなり、遊技の意外性や興趣性を極めて向上することが可能となるのである。
【0132】
また、AT状態の移行抽選の結果に基づき回転パターンの選択制御が行われ、AT状態の移行抽選に当選した場合には、当選しなかった場合よりも、回転方向の変更が行われることとなる回転パターン2および3の選択確率が高くなるのである。
すなわち、変動表示方向制御手段としての主制御装置10は、特典付与決定手段(主制御装置10)の決定結果に基づき、所定のリールにおける変動表示方向を変更可能とするのである。
したがって、疑似遊技中におけるリール4の回転方向の変更によりAT状態の移行抽選に当選に対する示唆が行われることとなるので、リール4の回転方向が変更した場合には、AT状態の移行抽選に当選している可能性が高まることとなり、遊技者の期待感を高めることが可能となるのである。
【0133】
また、AT状態の移行が決定した場合には、特典種類決定手段(主制御装置10)によりAT状態の種類の決定されることとなるが、遊技者にとって有利なAT状態の移行が決定されるほど、疑似遊技中の回転パターンが、回転パターン1→回転パターン2→回転パターン3の順に選択される確率が高くなるので、より有利なAT状態に当選するほど、リール4の回転方向の変更回数が多くなる確率が高まるのである。
すなわち、変動表示方向制御手段としての主制御装置10は、特典種類決定手段(主制御装置10)の決定結果に基づき、所定のリールにおける変動表示方向を変更可能とするのである。
【0134】
したがって、疑似遊技においてリール4の回転方向が変更された場合には、遊技者にとって有利なAT状態が発生する可能性が高まるので、遊技者の期待感を高めることが可能となるのである。
また、疑似遊技中におけるリール4の回転方向の変更回数により、当選したAT状態の種類に対する示唆が行われることとなり、疑似遊技においてリール4の回転方向の変更回数が多くなるほど、遊技者にとって有利なAT状態が発生する可能性が高まるので、多数回回転方向が変更された場合には、遊技者の期待感を極めて高めることが可能となるのである。
【0135】
なお、本実施形態においては、疑似遊技中にリール4の回転方向を変更する場合には、通常のゲーム(本遊技)と同様の停止ボタン5とリール4の関係性を用いてリール4の回転方向を変更するようにしている。例えば、左停止ボタン5aの操作により左リール4aの回転方向を変更し、中停止ボタン5bの操作により中リール4bの回転方向を変更するようにしているが、例えば、左停止ボタン5aの操作により中リール4bあるいは右リール4cの回転方向を変更する等、上記した関係性とは異なる態様でリール4を停止してもよい。また、1つの停止ボタン5の操作より複数のリール4(例えば、リール4a~4cの全て)の回転方向を変更するようにしてもよい。
【0136】
また、疑似遊技中の回転態様(回転パターン)の種類は上記した以外でもよく、例えば、回転パターン1~3における各回転方向を全く逆にした3つの回転パターンを実行可能とし、それらの一部または全部を回転パターン1~3に代えてもよし、全く逆にした3つの回転パターンを加えるようにしてもよい。
また、例えば、回転パターン2および3において、最初の停止ボタン5の操作時に、対応するリール4一時仮停止し、次の停止ボタン5の操作時に対応するリール4の回転方向を変更するとともに一時停止した最初のリール4も同一方向に再回転させる回転パターンと、最初の停止ボタン5の操作時と2回目の停止ボタン5の操作時に、対応する2つのリール4を一時停止し、最後の停止ボタン5の操作時に対応するリール4の回転方向を変更するとともに一時停止した2つのリール4も同一方向に再回転させる回転パターンを設けるようにしてもよい。
【0137】
また、疑似遊技におけるリール4の回転方向の変更を、停止ボタン5の操作に基づき行うようにしているが、疑似遊技の開始および前回の停止ボタン5の操作から所定時間経過しても停止ボタン5の操作が行われなかった場合には、自動的に対応するリール4の回転方向を変更するようにしてもよい。
また、回転パターン1はCZ状態の5ゲーム目には選択されないようになっているが、選択可能としてもよい。
また、CZ状態の5回のゲームにおいて全てAT状態の移行抽選に非当選であった場合にCZ状態が終了するようになっているが、この場合には、AT状態の移行抽選に当選するまでCZ状態を継続(延長)するようにしてもよい。
以上のように、疑似遊技が実行される。
【0138】
[役の当選に対応する遊技状態および遊技区間の推移]
次に、図13図14を参照して、本実施形態におけるスロットマシン1における役の入賞態様に対応する遊技状態および遊技区間の推移について説明する。
図13は、各遊技状態の移行契機となる役に当選した場合の遊技状態および遊技区間の推移をゲームの進行毎に示している。
また、図14は、主制御装置10からの制御情報に基づく副制御装置20の制御により表示される、メイン表示器8における各遊技状態に対応する演出画像を示している。
【0139】
まず、図13(a)は、通常遊技状態中のゲームにおいてリプレイ役に4連続で当選した場合の遊技状態と遊技区間の推移を示している。
図13(a)に示すように、遊技状態が通常遊技状態で、遊技区間が有利区間中のゲームにおいてリプレイ役が4連続で当選した場合(図示4ゲーム目~7ゲーム目)、前述したように有利区間の終了条件が必ず成立することとなるので、遊技区間が通常区間に移行し(図示8ゲーム目)、実質的なCZ状態の移行権利が付与されることとなる。
また、遊技状態が通常遊技状態中においては、図14(a)に示すように、メイン表示器8の画面主要部に通常遊技状態中であることを報知する通常遊技状態画像30が表示される。
【0140】
その後、通常区間中のゲームにおいて押し順ベル役に当選した場合(図示8ゲーム目)、有利区間移行条件が成立して次ゲームから遊技状態がCZ状態に移行することとなる(図示9ゲーム目)。
また、遊技区間が通常区間に移行すると、図14(c)に示すように、メイン表示器8の画面主要部に通常遊技状態における通常区間中であることを報知する通常区間画像32が表示されるとともに、画面の下方部に「やったね」の文字情報からなり、CZ状態に移行することを報知する移行報知画像34が表示される。
なお、通常遊技状態中のゲームにおいてリプレイ役が4連続で当選した場合には必ず有利区間の終了条件が成立することとなるが、3回以下のリプレイ役の連続当選時における有利区間終了条件を成立させるための抽選に当選した場合にも、上記同様の推移および演出が行われる。
【0141】
次に、図13(b)は、CZCZ状態の継続期間においてリプレイ役に合計4回当選した場合の遊技状態と遊技区間の推移を示している。
図13(b)に示すように、遊技状態がCZCZ状態で、遊技区間が有利区間中のゲームにおいてリプレイ役に合計4回当選した場合(図示2ゲーム目、5ゲーム目~7ゲーム目)、前述したように有利区間の終了条件が必ず成立することとなるので、遊技区間が通常区間に移行し(図示8ゲーム目)、実質的なCZ状態の移行権利が付与されることとなる。
また、遊技状態がCZCZ状態中においては、図14(b)に示すように、メイン表示器8の画面主要部にCZCZ状態中であることを報知するCZCZ状態画像31が表示される。
【0142】
その後、通常区間中のゲームにおいて押し順ベル役に当選した場合(図示8ゲーム目)、有利区間移行条件が成立して次ゲームから遊技状態がCZ状態に移行することとなる(図示9ゲーム目)。
また、遊技区間が通常区間に移行すると、上記同様に図14(c)に示す演出画像が表示される。
なお、CZCZ状態の継続期間においてリプレイ役に合計4回当選した場合には必ず有利区間の終了条件が成立することとなるが、合計3回以下のリプレイ役の当選時における有利区間終了条件を成立させるための抽選に当選した場合にも、上記同様の推移および演出が行われる。
【0143】
次に、図13(c)は、CZ状態中のゲームにおいてAT状態の移行抽選に当選した場合であって、特に、5ゲーム目にAT状態の移行抽選に当選した場合の遊技状態と遊技区間の推移を示している。
図13(c)に示すように、CZ状態中の1ゲーム目以外のゲームの前半部では、前ゲームでのAT状態の移行抽選結果に対応する疑似遊技が実行されることとなる。
図13(c)に示す例では、1ゲーム目~4ゲーム目のAT状態の移行抽選結果は非当選となるので、2ゲーム目~5ゲーム目のゲーム中に実行される疑似遊技においては、特定の図柄組合せ以外の図柄組合せが疑似停止された後、ゲームの後半部で通常のゲーム(本遊技)が実行されることとなる。
また、遊技状態がCZ状態中においては、図14(d)に示すように、メイン表示器8の画面主要部にCZ状態中であることを報知するCZ状態画像33が表示される。
【0144】
そして、5ゲーム目のAT状態の移行抽選結果が当選となった場合には、次ゲーム(図示6ゲーム目)で予備ゲームが実行されるAT状態の待機状態となり、予備ゲーム中に実行される疑似遊技においては、当り疑似停止図柄が疑似停止された後、ゲームの後半部で通常のゲーム(本遊技)が実行されることとなる。
予備ゲームの次ゲームから遊技状態がAT状態に移行することとなる(図示7ゲーム目)。
以上のように、役の当選に対応して遊技状態および遊技区間が推移することとなる。
【0145】
[疑似遊技中のリールの回転態様]
次に、図15図18を参照して、本実施形態におけるスロットマシン1における疑似遊技中のリールの回転態様について詳しく説明する。
【0146】
まず、図15を参照して、回転パターン1が選択された場合の疑似遊技中のリールの回転態様、およびそれに伴うメイン表示器8での演出について説明する。
図15は、AT状態の移行抽選に当選したCZ状態中のゲームにおいて、AT状態の種類が通常AT状態に決定された場合、すなわち、疑似遊技における当り疑似停止図柄が「赤7」に決定された場合を示している。
【0147】
まず、CZ状態中のゲームが実行されると、所定のタイミング(ゲーム開始時、ゲーム終了時等)においてAT状態の移行抽選が行われ、当選した場合にはAT状態の種類の抽選、および疑似遊技中のリール4の回転パターンの抽選が行われる。
そして、CZ状態のゲーム(本遊技)終了時には、図15(a)に示すように、当該ゲーム開始時に実行された役の抽選結果に基づく図柄組合せがリール4に停止することとなる。
また、CZ状態中は、メイン表示器8の画面主要部にCZ状態画像33が表示される。また、演出に対応してスピーカ9から効果音が出力されるとともに、ランプ11において装飾発光が出力される。
【0148】
AT状態の移行抽選に当選したゲームの次ゲーム(予備ゲーム)が開始されると、図15(b)に示すように、当該ゲームの前半部では疑似遊技が実行されるが、疑似遊技の開始時には通常のゲームと同様にリール4の全てが上から下方向への正回転を開始する。
また、疑似遊技の開始当初は、メイン表示器8の画面主要部に疑似遊技画像A35aが表示されて疑似遊技が開始されたことが報知されるとともに、画面下方部にリール4上に連続する「赤7」図柄と「青7」図柄の箇所を狙った停止操作を促す、「赤7・青7を狙え!」の文字情報からなる停止図柄指示画像A37aが表示される。
また、演出に対応してスピーカ9から効果音が出力されるとともに、ランプ11において装飾発光が出力される。
【0149】
疑似遊技が実行されると、停止ボタン5が有効化され、遊技者はリール4上に連続する「赤7」図柄と「青7」図柄の箇所を狙って停止ボタン5のいずれかを停止操作することとなる。
例えば、図15(c)に示すように、遊技者が左停止ボタン5aを停止操作すると、正回転していた左リール4aが疑似停止することとなり、表示窓6内の左リール4a上に、上から「赤7」、「青7」、「ベル」の範囲の図柄が疑似停止することとなる。
続いて、図15(d)に示すように、遊技者が中停止ボタン5bを停止操作すると、正回転していた中リール4bが疑似停止することとなり、表示窓6内の中リール4b上に、上から「青7」、「赤7」、「リプレイ」の範囲の図柄が疑似停止することとなる。
【0150】
続いて、図15(e)に示すように、遊技者が右停止ボタン5cを停止操作すると、正回転していた右リール4cが疑似停止することとなり、表示窓6内の右リール4c上に、上から「リプレイ」、「青7」、「赤7」の範囲の図柄が疑似停止することとなる。
すなわち、回転パターン1が選択された場合には、リール4の回転方向の変更は行われないので、1段階目の遊技者の停止操作で全てのリール4の疑似停止が行われることとなる。
なお、停止ボタン5の操作順序が上記と異なる場合にも、上記と同様に対応するリール4が停止することとなる。
また、前述したように疑似遊技中は通常のゲームでの引込停止制御は行われないので、いずれの停止タイミングであっても引き込み範囲を無視して対象となる図柄が疑似停止することとなる。
【0151】
そして、疑似遊技の終了によりリール4の斜め下ライン上に「赤7・赤7・赤7」の組合せからなる当り疑似停止図柄(第2図柄組合せ)が疑似停止して、通常AT状態の移行抽選に当選したことが報知される。
また、「赤7・赤7・赤7」の組合せからなる当り疑似停止図柄が疑似停止すると、メイン表示器8の画面主要部に赤7停止画像36aが表示される。また、演出に対応してスピーカ9から効果音が出力されるとともに、ランプ11において装飾発光が出力される。
【0152】
そして、図示は省略するが、当り疑似停止図柄の疑似停止から所定時間(例えば、5秒)経過後に、スタートレバー3が有効化され、遊技者によるスタートレバー3の操作によりリール4の全てが正回転を開始し、本遊技が実行されることとなる。なお、スタートレバー3が所定時間(例えば、10秒)操作されなかった場合でも、自動的にリール4の全てが正回転を開始して本遊技が実行される。
【0153】
次に、図16を参照して、回転パターン2が選択された場合の疑似遊技中のリールの回転態様、およびそれに伴うメイン表示器8での演出について説明する。
図16は、AT状態の移行抽選に当選したCZ状態中のゲームにおいて、AT状態の種類が上位AT状態に決定された場合、すなわち、疑似遊技における当り疑似停止図柄が「青7」に決定された場合を示している。
なお、回転パターン2においても、予備ゲームにおいて遊技者による最初(1段階目)の停止ボタン5の停止操作が行われるまでは、回転パターン1と同様であるので、図16は、予備ゲームにおいてリール4が正回転した後に遊技者による最初(1段階目)の停止ボタン5の停止操作が行われた時点からの状態を示している。
【0154】
図16(a)に示すように、疑似遊技が開始されて正回転しているリール4に対して、例えば、遊技者が左停止ボタン5aを停止操作すると、正回転していた左リール4aの回転方向が変更して、下から上方向への逆回転を開始する。
また、左リール4aの回転方向の変更とともに、メイン表示器8の画面に表示されていた疑似遊技画像A35aが、リール4が正回転から逆回転に変更されたことを示すリール逆転画像A38aに切り替わり1回目の回転方向の変更が行われたことが報知される。また、演出に対応してスピーカ9から効果音が出力されるとともに、ランプ11において装飾発光が出力される。
【0155】
続いて、図16(b)に示すように、例えば、遊技者が中停止ボタン5bを停止操作すると、正回転していた中リール4bの回転方向が変更して、下から上方向への逆回転を開始する。
続いて、図16(c)に示すように、例えば、遊技者が右停止ボタン5cを停止操作すると、正回転していた右リール4cの回転方向が変更して、下から上方向への逆回転を開始する。
このように、回転パターン2においては、疑似遊技の開始後、遊技者による停止ボタン5に対する最初の操作(1段階目の操作)では、リール4の疑似停止は行われずに、リール4の回転方向が変化して、全てのリール4が逆回転を開始することとなる。
【0156】
その後、再び停止ボタン5が有効化されて、遊技者による停止ボタン5に対する2回目の操作(2段階目の操作)が可能となる。
また、メイン表示器8の画面主要部に疑似遊技画像B35bが表示されて2段階目の疑似遊技が開始されたことが報知されるとともに、画面下方部にリール4上に連続する「青7」図柄と「金7」図柄の箇所を狙った停止操作を促す、「青7・金7を狙え!」の文字情報からなる停止図柄指示画像B37bが表示される。
そして、2段階目の疑似遊技が実行されると、遊技者はリール4上に連続する「青7」図柄と「金7」図柄の箇所を狙って停止ボタン5のいずれかを停止操作することとなる。
なお、停止ボタン5の操作順序が上記と異なる場合にも、上記と同様に対応するリール4の回転方向が変更するものとなる。
【0157】
そして、例えば、図16(d)に示すように、遊技者が左停止ボタン5aを停止操作すると、逆回転していた左リール4aが疑似停止することとなり、表示窓6内の左リール4a上に、上から「青7」、「金7」、「スイカ」の範囲の図柄が疑似停止することとなる。
続いて、図16(e)に示すように、遊技者が中停止ボタン5bを停止操作すると、逆回転していた中リール4bが疑似停止することとなり、表示窓6内の中リール4b上に、上から「金7」、「青7」、「リプレイ」の範囲の図柄が疑似停止することとなる。
【0158】
続いて、図16(f)に示すように、遊技者が右停止ボタン5cを停止操作すると、逆回転していた右リール4cが疑似停止することとなり、表示窓6内の右リール4c上に、上から「スイカ」、「金7」、「青7」の範囲の図柄が疑似停止することとなる。
すなわち、回転パターン2が選択された場合には、遊技者による停止ボタン5に対する1段階目の操作では、リール4の疑似停止は行われず、代わりにリール4の回転方向の変更は行われ、2段階目の遊技者の停止操作で全てのリール4の疑似停止が行われることとなる。
【0159】
そして、疑似遊技の終了によりリール4の斜め下ライン上に「青7・青7・青7」の組合せからなる当り疑似停止図柄(第2図柄組合せ)が疑似停止して、上位AT状態の移行抽選に当選したことが報知される。
また、「青7・青7・青7」の組合せからなる当り疑似停止図柄が疑似停止すると、メイン表示器8の画面主要部に青7停止画像36bが表示される。また、演出に対応してスピーカ9から効果音が出力されるとともに、ランプ11において装飾発光が出力される。
【0160】
そして、図示は省略するが、当り疑似停止図柄の疑似停止から所定時間(例えば、5秒)経過後に、スタートレバー3が有効化され、遊技者によるスタートレバー3の操作によりリール4の全てが正回転を開始し、本遊技が実行されることとなる。なお、スタートレバー3が所定時間(例えば、10秒)操作されなかった場合でも、自動的にリール4の全てが正回転を開始して本遊技が実行される。
【0161】
次に、図17を参照して、回転パターン3が選択された場合の疑似遊技中のリールの回転態様、およびそれに伴うメイン表示器8での演出について説明する。
図17は、AT状態の移行抽選に当選したCZ状態中のゲームにおいて、AT状態の種類が特殊AT状態に決定された場合、すなわち、疑似遊技における当り疑似停止図柄が「金7」に決定された場合を示している。
なお、回転パターン3においては、予備ゲームにおいて遊技者による2段階目の停止ボタン5の停止操作が行われるまでは、回転パターン2と同様であるので、図17は、予備ゲームにおいてリール4が逆回転した後(図16(c))に遊技者による2段階目の停止ボタン5の停止操作が行われた時点からの状態を示している。
【0162】
図17(a)に示すように、遊技者による1段階目の停止ボタン5の操作の後、逆回転しているリール4に対して、例えば、遊技者が左停止ボタン5aを停止操作すると、逆回転していた左リール4aの回転方向が変更して、上から下方向への正回転を開始する。
また、左リール4aの回転方向の変更とともに、メイン表示器8の画面に表示されていた疑似遊技画像B35bが、リール4が逆回転から正回転に変更されたことを示すリール逆転画像B38bに切り替わり2回目の回転方向の変更が行われたことが報知される。また、演出に対応してスピーカ9から効果音が出力されるとともに、ランプ11において装飾発光が出力される。
【0163】
続いて、図17(b)に示すように、例えば、遊技者が中停止ボタン5bを停止操作すると、逆回転していた中リール4bの回転方向が変更して、上から下方向への正回転を開始する。
続いて、図17(c)に示すように、例えば、遊技者が右停止ボタン5cを停止操作すると、逆回転していた右リール4cの回転方向が変更して、上から下方向への正回転を開始する。
このように、回転パターン3においては、疑似遊技の開始後、遊技者による停止ボタン5に対する最初の操作(1段階目の操作)では、リール4の疑似停止は行われずに、リール4の回転方向が変化して、全てのリール4が逆回転を開始し、その後、遊技者による停止ボタン5に対する2回目の操作(2段階目の操作)でも、リール4の疑似停止は行われずに、リール4の回転方向が変化して、全てのリール4が正回転を開始することとなる。
【0164】
その後、再度停止ボタン5が有効化されて、遊技者による停止ボタン5に対する3回目の操作(3段階目の操作)が可能となる。
また、メイン表示器8の画面主要部に疑似遊技画像C35cが表示されて3段階目の疑似遊技が開始されたことが報知されるとともに、画面下方部にリール4上に連続する「青7」図柄と「金7」図柄の箇所を狙った停止操作を促す、「青7・金7を狙え!」の文字情報からなる停止図柄指示画像B37bが表示される。
そして、3段階目の疑似遊技が実行されると、遊技者はリール4上に連続する「青7」図柄と「金7」図柄の箇所を狙って停止ボタン5のいずれかを停止操作することとなる。
なお、停止ボタン5の操作順序が上記と異なる場合にも、上記と同様に対応するリール4の回転方向が変更するものとなる。
【0165】
そして、例えば、図17(d)に示すように、遊技者が左停止ボタン5aを停止操作すると、正回転していた左リール4aが疑似停止することとなり、表示窓6内の左リール4a上に、上から「青7」、「金7」、「スイカ」の範囲の図柄が疑似停止することとなる。
続いて、図17(e)に示すように、遊技者が中停止ボタン5bを停止操作すると、逆回転していた中リール4bが疑似停止することとなり、表示窓6内の中リール4b上に、上から「チェリー」、「金7」、「青7」の範囲の図柄が疑似停止することとなる。
【0166】
続いて、図17(f)に示すように、遊技者が右停止ボタン5cを停止操作すると、逆回転していた右リール4cが疑似停止することとなり、表示窓6内の右リール4c上に、上から「スイカ」、「金7」、「青7」の範囲の図柄が疑似停止することとなる。
すなわち、回転パターン3が選択された場合には、遊技者による停止ボタン5に対する1段階目および2段階目の操作では、リール4の疑似停止は行われず、代わりにリール4の回転方向の変更は行われ、3段階目の遊技者の停止操作で全てのリール4の疑似停止が行われることとなる。
【0167】
そして、疑似遊技の終了によりリール4の中段ライン上に「金7・金7・金7」の組合せからなる当り疑似停止図柄(第2図柄組合せ)が疑似停止して、特殊AT状態の移行抽選に当選したことが報知される。
また、「金7・金7・金7」の組合せからなる当り疑似停止図柄が疑似停止すると、メイン表示器8の画面主要部に金7停止画像36cが表示される。また、演出に対応してスピーカ9から効果音が出力されるとともに、ランプ11において装飾発光が出力される。
【0168】
そして、図示は省略するが、当り疑似停止図柄の疑似停止から所定時間(例えば、5秒)経過後に、スタートレバー3が有効化され、遊技者によるスタートレバー3の操作によりリール4の全てが正回転を開始し、本遊技が実行されることとなる。なお、スタートレバー3が所定時間(例えば、10秒)操作されなかった場合でも、自動的にリール4の全てが正回転を開始して本遊技が実行される。
【0169】
次に、図18を参照して、AT状態の移行抽選に非当選であった場合における疑似停止図柄、およびそれに伴うメイン表示器8での演出について説明する。
なお、図18は、回転パターン1が選択された場合を示している。
図18(a)に示すように、疑似遊技の開始当初は、メイン表示器8の画面主要部に疑似遊技画像A35aが表示されて疑似遊技が開始されたことが報知されるとともに、画面下方部にリール4上に連続する「赤7」図柄と「青7」図柄の箇所を狙った停止操作を促す、「赤7・青7を狙え!」の文字情報からなる停止図柄指示画像A37aが表示される。
そして、AT状態の移行抽選に非当選であった場合には、疑似遊技において回転パターン1でのリール4の回転が行われた後、遊技者が停止ボタン5を操作(1段階目の操作)すると、予め定められている外れ疑似停止図柄が疑似停止することとなる。
外れ疑似停止図柄は、例えば、リール4の斜め下ライン上に「赤7・赤7・スイカ」の組合せが疑似停止することとなる。すなわち、右リール4cの操作時点まで外れ疑似停止図柄と認識されない図柄組合せが疑似停止することとなるのである。
その後、遊技者によるスタートレバー3の操作によりリール4の全てが正回転を開始し、CZ状態が継続していた場合には、図18(b)に示すように、メイン表示器8にCZ状態画像33が表示されることとなる。
なお、AT状態の移行抽選に非当選であった場合には、回転パターン2も選択される可能性があるが、この場合には、1段階目の停止操作によりリール4が逆回転し、その後の遊技者による停止ボタン5の操作により、例えば、リール4の所定ライン上に「青7・青7・ベル」あるいは「金7・金7・ベル」の組合せが疑似停止することとなる。
【0170】
以上のように、第2図柄導出制御手段としての主制御装置10は、AT状態の移行抽選が行われた次のゲーム(第1ゲーム)において、疑似遊技(第2ゲーム)を実行可能とし、疑似遊技が実行された場合には、遊技者による停止ボタン5(停止操作手段)の操作に基づき疑似停止図柄(第2図柄組合せ)を導出するのである。
したがって、1回のゲームにおいてリール4による複数回の図柄組合せが導出されることとなり、遊技の興趣性が向上するとともに、遊技者の期待感を高めることが可能となるのである。
【0171】
また、変動表示方向制御手段としての主制御装置10は、疑似遊技での回転パターンが回転パターン2あるいは回転パターン3であった場合には、疑似遊技における疑似停止図柄(第2図柄組合せ)を導出する以前における遊技者による停止ボタン5の操作に基づき、変動表示中の所定のリールにおける変動表示方向を変更するのである。
したがって、疑似遊技中においては、遊技者による停止ボタン5の操作により、リール4の回転方向が変更する場合もあることから、リール4を停止させようと停止ボタン5を操作したにもかかわらず、リール4の回転方向が変更することとなり、遊技の意外性や興趣性を極めて向上することが可能となるのである。
【0172】
また、疑似停止図柄の導出により、AT状態が発生するか否か、および発生するAT状態の種類を従来にない斬新かつ明確な態様で報知することが可能となるのである。
また、疑似遊技に対応してメイン表示器8等により各種演出が実行されるので、疑似遊技中の興趣性やAT状態の発生に対する遊技者の期待感を高めることが可能となるのである。
なお、リール4を疑似停止している間は、ゲーム(本遊技)の実行中であるので、リール4を僅かな範囲で上下方向に繰り返して回転させるようにしてもよい。
以上のように、疑似遊技中のリール4の回転が行われる。
【0173】
[変形例]
次に、本実施形態の変形例について説明する。
疑似遊技状態中において、主制御装置10は、遊技者による停止ボタン5の操作によりリール4の回転方向を変更する場合に、回転方向の切り替え時に所定の図柄を一時的に疑似停止するようにしてもよい。
例えば、回転パターン2での疑似遊技中において、1段階目の停止ボタン5(例えば、左停止ボタン5a)の操作時に、正回転している左リール4aを瞬時に逆回転させるのではなく、左リール4aの所定位置(例えば、上段)に赤7、青7、金7のいずれかを選択的に疑似停止(必ず所定の図柄を引き込んで疑似停止)させ、その後所定時間(例えば、0.5秒)経過後にリール4の逆回転を開始するのである。
【0174】
この場合、主制御装置10は、予め決定されている疑似停止図柄の種類(AT状態の種類)に応じて、一時的に疑似停止させる図柄の種類を決定するようにしてもよい。
例えば、「赤7」の当り疑似停止図柄を疑似停止することが決定している場合には、上記一時的に疑似停止させる図柄を、「赤7」にすることを80%にし、「青7」にすることを20%にし、「金7」にすることを0%にする。また、「金7」の当り疑似停止図柄を疑似停止することが決定している場合には、一時的に疑似停止させる図柄を、「赤7」にすることを10%にし、「青7」にすることを60%にし、「金7」にすることを30%にして、一時的に疑似停止させる図柄の種類により当り疑似停止図柄の種類を示唆する。
【0175】
また、中リール4bおよび右リール4cの回転方向を変更する場合にも、左リール4aでの回転方向の変更時と同様に所定の図柄を一時的に疑似停止させることとなるが、左リール4aでの回転方向の変更時のみ所定の図柄を一時的に疑似停止させるようにしてもよい。
【0176】
すなわち、変動表示方向制御手段としての主制御装置10は、所定のリールにおける変動表示方向を変更する場合に、所定のリールに途中図柄(一時的に疑似停止させる図柄)を導出可能とし、特典種類決定手段(主制御装置10)の決定結果に基づき、途中図柄の種類を決定可能とするのである。
このようにすれば、リール4の回転方向の変更とともに、最終的に疑似停止する当り疑似停止図柄の種類が示唆されることとなり、遊技の興趣性を向上させた上で、遊技者の期待感を高めることが可能となるのである。
また、この場合、回転パターン3においてリール4の回転方向を変更する場合にも、回転パターン2と同様に所定の図柄を一時的に疑似停止することとなるが、回転パターン3において一時的に疑似停止する図柄を選択する場合に、回転パターン2の場合よりも当り疑似停止図柄の種類を示唆する信頼度が高くなるように図柄の選択制御を行うようにしてもよい。
【0177】
また、前述の実施形態においては、主制御装置10は、疑似遊技中におけるリール4の回転方向を変更する場合に、遊技者による停止ボタン5の操作がいずれのタイミングで行われてもリール4の回転方向を変更するようにしているが、遊技者による停止ボタン5の操作が所定のタイミングで行われた場合のみでリール4の回転方向を変更するようにしてもよい。
【0178】
例えば、リール4の回転方向を変更する前の疑似遊技中に、「赤7」、「青7」、「金7」のいずれかを狙った正確な停止操作、すなわち、4コマの引込停止制御下において「赤7」、「青7」、「金7」のいずれかの図柄を停止可能な停止操作が行われた場合にのみリール4の回転方向を変更するようにしてもよい。
この場合、引込停止制御下において「赤7」、「青7」、「金7」のいずれかを停止可能な停止操作が行われなかった場合には、リール4の回転方向は変更せずに、そのまま回転を維持して次の段階の回転方向の変更制御、あるいは次の段階の疑似停止制御に移行してもよいし、瞬時にリール4の回転方向を変更してもよい。
【0179】
すなわち、変動表示方向制御手段としての主制御装置10は、所定のタイミングで所定のリールに対する停止操作手段(停止ボタン5)の操作が行われた場合に、所定のリールにおける変動表示方向を変更可能とするのである。
このようにすれば、遊技者の技量に応じてリール4の回転方向の変更を行うことが可能となり、遊技者の期待感の向上とともに、遊技者に満足感を与えることが可能となるのである。
また、「赤7」、「青7」、「金7」のいずれかを狙った正確な停止操作が行われた場合に、上記したように、リール4の回転方向の変更時に狙った図柄を途中図柄として一時的に疑似停止させるようにしてもよい。
【0180】
また、この場合の「赤7」、「青7」、「金7」のいずれかを停止可能なタイミングは、3コマ以下の引込停止制御(例えば、所謂ビタ押し)を基準に設定するようにして、より遊技者の技量が高い場合にのみリール4の回転方向を変更するようにしてもよい。
また、「赤7」、「青7」、「金7」の全てではなく、そのうちの1つの図柄(例えば、「金7」)を狙った正確な停止操作が行われた場合にのみリール4の回転方向を変更するようにしてもよいし、「赤7」、「青7」、「金7」以外の図柄を狙う対象としてもよい。
【0181】
また、「赤7」の当り疑似停止図柄を疑似停止する場合には、「赤7」の図柄を狙った正確な停止操作が行われた場合にのみリール4の回転方向を変更するようにし、同様に、「青7」の当り疑似停止図柄を疑似停止する場合には、「青7」の図柄を狙った正確な停止操作、「金7」の当り疑似停止図柄を疑似停止する場合には、「金7」の図柄を狙った正確な停止操作が各々行われた場合にのみリール4の回転方向を変更するようにしてもよい。このようにすれば、遊技者が予想(希望)する当り疑似停止図柄の種類と、正確な停止操作が行われた場合にのみリール4の回転方向が変更することとなり、より遊技の興趣性が向上することとなる。
【0182】
また、リール4の回転方向を変更する前の疑似遊技中に、「赤7」、「青7」、「金7」のいずれかを狙った正確な停止操作が行われた場合にのみリール4の回転方向を変更する場合に、その狙う停止操作(タイミング)を手助け(アシスト)するようにしてもよい。
例えば、疑似遊技中において、副制御装置20の制御により、メイン表示器8に「金7」を停止可能なタイミングを周期的に報知可能な報知画像、例えば、メーター等を模したアナログ形式の報知画像を動作表示して、「金7」を停止可能なタイミングを手助け(アシスト)すればよい。
【0183】
すなわち、主制御装置10あるいは副制御装置20は、所定のタイミングでの停止操作手段の操作をアシストする操作アシスト手段を備えるのである。
このようにすれば、技量が比較的低い遊技者でもリール4の回転方向を変更することができるので、多数の遊技者が満足感を得られることとなる。
【0184】
また、リール4の逆回転時にのみアシスト手段を作動させるようにしてもよい。
すなわち、リール4の逆回転は、通常のゲームでは実行されない遊技者にとっては不慣れな回転態様であるが、このような場合に回転方向を変更する場合でも、アシスト手段を作動させれば何ら問題なくリール4の回転方向を変更することが可能となるのである。
【0185】
以上説明したように、本発明においては、夫々複数の図柄が表された複数のリール(4)と、遊技者の操作に基づき前記複数のリールの変動表示を伴うゲームを実行させるとともに、前記ゲームの実行に関連して特典を付与可能とする遊技機(スロットマシン1)において、前記ゲームとして、前記複数のリールにより形成される第1図柄組合せを、前記ゲームの終了に基づき導出させる第1ゲームを実行可能な第1ゲーム制御手段(主制御装置10)と、前記第1ゲームの実行中において、前記複数のリールにより形成される第2図柄組合せ(疑似停止図柄)を、前記第1図柄組合せの導出の他に導出させる第2ゲームを実行可能な第2ゲーム制御手段(主制御装置10)と、遊技者が操作可能な停止操作手段(停止ボタン5)と、を備え、前記第2ゲーム制御手段は、前記停止操作手段の操作に基づき、前記第2図柄組合せを導出させる制御を実行可能な第2図柄導出制御手段(主制御装置10)と、前記第2図柄組合せを導出する以前における前記停止操作手段の操作に基づき、変動表示中の所定のリールにおける変動表示方向を変更可能な変動表示方向制御手段(主制御装置10)と、を備えた構成としている。
【0186】
したがって、1回のゲームにおいてリール4による複数回の図柄組合せが導出されることとなり、遊技の興趣性が向上するとともに、遊技者の期待感を高めることが可能となる。
また、第2ゲーム(疑似遊技)中においては、遊技者による停止操作手段(停止ボタン5)の操作により、リール4の回転方向が変更する場合もあることから、リール4を停止させようと停止操作手段を操作したにもかかわらず、リール4の回転方向が変更することとなり、遊技の意外性や興趣性を極めて向上することが可能となる。
なお、「所定のリール」とは、リール4の全てであってもよいし、一部であってもよい。また、停止ボタン5に対応したリール4であってもよいし、停止ボタン5に対応しないリール4であってもよい。
【0187】
また、前記ゲームの実行に基づき、前記特典を付与するか否かを決定可能な特典付与決定手段(主制御装置10)を備え、前記変動表示方向制御手段は、前記特典付与決定手段の決定結果に基づき、前記所定のリールにおける変動表示方向を変更可能な構成としている。
したがって、第2ゲーム(疑似遊技)中におけるリール4の回転方向の変更により特典付与の決定結果に対する示唆が行われることとなるので、リール4の回転方向が変更した場合には、特典付与が決定している可能性が高まることとなり、遊技者の期待感を高めることが可能となる。
【0188】
また、前記特典付与決定手段は、付与する特典の種類を決定可能な特典種類決定手段(主制御装置10)を備え、前記変動表示方向制御手段は、前記特典種類決定手段の決定結果に基づき、前記所定のリールにおける変動表示方向を変更可能な構成としている。
したがって、第2ゲーム(疑似遊技)においてリール4の回転方向が変更された場合には、遊技者にとって有利な特典が付与される可能性が高まるので、遊技者の期待感を高めることが可能となる。
また、第2ゲーム(疑似遊技)中におけるリール4の回転方向の変更回数により、付与される特典の種類に対する示唆が行われることとなり、第2ゲームにおいてリール4の回転方向の変更回数が多くなるほど、遊技者にとって有利な特典が付与される可能性が高まるので、多数回回転方向が変更された場合には、遊技者の期待感を極めて高めることが可能となる。
【0189】
また、前記変動表示方向制御手段は、前記所定のリールにおける変動表示方向を変更する場合に、前記所定のリールに途中図柄(一時的に疑似停止させる図柄)を導出可能とし、前記特典種類決定手段の決定結果に基づき、前記途中図柄の種類を決定可能な構成としている。
したがって、リール4の回転方向の変更とともに、付与される特典の種類が示唆されることとなり、遊技の興趣性を向上させた上で、遊技者の期待感を高めることが可能となる。
【0190】
また、前記変動表示方向制御手段は、所定のタイミングで前記所定のリールに対する前記停止操作手段の操作が行われた場合に、前記所定のリールにおける変動表示方向を変更可能な構成としている。
したがって、遊技者の技量に応じてリール4の回転方向の変更を行うことが可能となり、遊技者の期待感の向上とともに、遊技者に満足感を与えることが可能となる。
【0191】
また、前記所定のタイミングでの前記停止操作手段の操作をアシストする操作アシスト手段(主制御装置10あるいは副制御装置20)を備えた構成としている。
したがって、技量が比較的低い遊技者でもリール4の回転方向を変更可能とできるので、多数の遊技者が満足感を得られる。
【0192】
なお、上記した第1ゲーム制御手段、第2ゲーム制御手段、第2図柄導出制御手段、変動表示方向制御手段、特典付与決定手段、特典種類決定手段、操作アシスト手段は、主制御装置10が備えるものであってもよいし副制御装置20が備えるものであってもよい。また、主制御装置10と副制御装置20の協働により構成されるものであってもよい。
【0193】
一方、特許文献1には、1回の変動表示ゲームにおいて、変動表示を複数回停止可能にすることで、遊技者に対して停止操作の機会を複数回与えるようにした遊技機が開示されている。
しかしながら、従来の遊技機においては、遊技の興趣性の向上や遊技者の期待感の向上として十分なものではなかった。
このように、本発明のスロットマシン1によれば、従来の遊技機が改善すべき、このような課題の全部又は一部などを解決することができる。
【0194】
以上、本発明の遊技機の好ましい実施形態について説明したが、本発明に係る遊技機は前述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能であることはいうまでもない。
例えば、本実施形態では、特典としてAT状態(AT)を付与するものとしたが、ART又はRTを付与するようにしてもよい。
【0195】
また、本実施形態では、AT状態のタイプとして、AT状態中の残りゲーム数が無くなった場合に終了するようなタイプにしているが、AT状態中におけるメダルの払出し数や所定の役の当選回数を基準にAT状態を終了するタイプとしてもよい。
また、特典の付与をAT状態の発生として、特典付与の期待度、あるいは付与する特典の大きさを疑似遊技中のリール4の回転方向の変更で示唆するようにしているが、他の特典の付与(CZ状態の発生、疑似ボーナス状態の発生、AT状態中のゲーム数の上乗せ等)の期待度、あるいは付与する特典の大きさを疑似遊技中のリール4の回転方向の変更で示唆するようにしてもよい。
【0196】
また、本実施形態中において、「一方よりも他方の方が確率が高い」、あるいは「一方よりも他方の方が確率が低い」、と表現した場合には、一方の確率は0%を含み、他方の確率が100%を含むものとする。
また、本実施形態中において、各種テーブルに規定された数値は一例であり、幅を持った数値(2以上)でもよいし、幅を持たない数値(1)でもよい。
【0197】
また、本発明をスロットマシンに適用したがパチンコ(例えば、玉スロ)などその他の遊技機に適用することもできる。
また、メダル、遊技球等の現物の遊技媒体を用いることなく、データ形式の疑似遊技媒体を用いてゲームを実行可能な、いわゆる封入式遊技機にも、本発明を適用することができる。
【符号の説明】
【0198】
1:スロットマシン
2:ベットボタン
4:リール
5:停止ボタン
8:メイン表示器
10:主制御装置
17:サブ表示器
20:副制御装置
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