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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024098303
(43)【公開日】2024-07-23
(54)【発明の名称】電池ユニット
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/204 20210101AFI20240716BHJP
   H01M 50/293 20210101ALI20240716BHJP
   H01M 10/6554 20140101ALI20240716BHJP
【FI】
H01M50/204 401H
H01M50/293
H01M10/6554
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023001721
(22)【出願日】2023-01-10
(71)【出願人】
【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】浅野 紘輔
(72)【発明者】
【氏名】大西 徹
【テーマコード(参考)】
5H031
5H040
【Fターム(参考)】
5H031KK01
5H040AT06
(57)【要約】
【課題】伝熱部材が壁部材に接することにより生じる温調器と壁部材との間での伝熱を抑制する。
【解決手段】電池パック10は、電池セル16と、電池セル16に沿って配置される壁部材11aと、電池セル16と壁部材11aとの間に配置されるとともに電池セル16の温度を調節する温調器22と、電池セル16と温調器22との間に位置するとともに、電池セル16及び温調器22に接することで電池セル16と温調器22との間で伝熱させる伝熱部材29と、を備える。電池パック10は、電池セル16と壁部材11aとの間に配置されるとともに、壁部材11aよりも熱伝導率の低い収容部材30を備える。収容部材30は、電池セル16と温調器22との間から溢れた伝熱部材29を収容可能に設けられる。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池セルと、
前記電池セルに沿って配置される壁部材と、
前記電池セルと前記壁部材との間に配置されるとともに前記電池セルの温度を調節する温調器と、
前記電池セルと前記温調器との間に位置するとともに、前記電池セル及び前記温調器に接することで前記電池セルと前記温調器との間で伝熱させる伝熱部材と、を備える電池ユニットであって、
前記電池セルと前記壁部材との間に配置されるとともに、前記壁部材よりも熱伝導率の低い収容部材を備え、
前記収容部材は、前記電池セルと前記温調器との間から溢れた前記伝熱部材を収容可能に設けられることを特徴とする電池ユニット。
【請求項2】
前記電池セルは、前記温調器と対向する対向面と、前記対向面と直交し前記温調器と対向しない非対向面と、を有し、
前記収容部材は、前記非対向面に沿って配置される請求項1に記載の電池ユニット。
【請求項3】
前記温調器は、互いに離れて複数位置し、
前記収容部材は、複数の前記温調器の間を介して前記電池セルと前記温調器との間から溢れた前記伝熱部材を収容可能に設けられる請求項1又は請求項2に記載の電池ユニット。
【請求項4】
前記温調器を前記壁部材から離れた位置で支持する支持部を備える請求項1又は請求項2に記載の電池ユニット。
【請求項5】
前記収容部材と前記支持部とは一体である請求項4に記載の電池ユニット。
【請求項6】
前記収容部材は、前記電池セルと前記温調器との間に連通することによって前記電池セルと前記温調器との間から溢れた前記伝熱部材を収容可能な収容部を有し、
前記支持部は、前記壁部材から前記温調器に向かって延びる凸状であり、
前記支持部には、前記収容部に連通する連通路が形成されている請求項5に記載の電池ユニット。
【請求項7】
前記温調器の外面のうちで前記電池セルと対向する面に対して直交する面を直交面とすると、
前記収容部材は、前記温調器と前記壁部材との間に位置する本体部と、前記本体部から立設するとともに前記直交面と隣接する突出部と、を有する請求項1又は請求項2に記載の電池ユニット。
【請求項8】
前記収容部材は樹脂製である請求項1又は請求項2に記載の電池ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電池ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載の電池ユニットは、電池セルと、電池セルの温度を調節する温調器と、を備える。また、電池ユニットとしては、電池セルに沿って配置される壁部材を備えるものがある。この壁部材としては、例えば、電池セルを収容するケースが挙げられる。電池セルと温調器との間での伝熱効率を向上させるため、電池セルと温調器との間に伝熱部材を配置することがある。伝熱部材は、電池セル及び温調器に接することで、電池セルと温調器との間で伝熱させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-129711号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電池セルの表面のばらつきによって、電池セルと温調器との間の寸法にばらつきが生じるおそれがある。電池セルと温調器との間の寸法が比較的小さい場合、電池セルと温調器との間に伝熱部材を配置させる際に、電池セルと温調器との間から伝熱部材が溢れるおそれがある。電池セルと温調器との間から溢れた伝熱部材が壁部材に接すると、伝熱部材を介して温調器と壁部材との間で伝熱が生じることにより、電池セルと温調器との間での伝熱効率が低下するおそれがあるため好ましくない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決する電池ユニットは、電池セルと、前記電池セルに沿って配置される壁部材と、前記電池セルと前記壁部材との間に配置されるとともに前記電池セルの温度を調節する温調器と、前記電池セルと前記温調器との間に位置するとともに、前記電池セル及び前記温調器に接することで前記電池セルと前記温調器との間で伝熱させる伝熱部材と、を備える電池ユニットであって、前記電池セルと前記壁部材との間に配置されるとともに、前記壁部材よりも熱伝導率の低い収容部材を備え、前記収容部材は、前記電池セルと前記温調器との間から溢れた前記伝熱部材を収容可能に設けられることを特徴とする。
【0006】
上記構成によれば、電池セルと温調器との間から溢れた伝熱部材が収容部材に収容されることにより、壁部材に伝熱部材が接することを抑制できる。したがって、伝熱部材が壁部材に接することにより生じる温調器と壁部材との間での伝熱を抑制できる。
【0007】
電池ユニットにおいて、前記電池セルは、前記温調器と対向する対向面と、前記対向面と直交し前記温調器と対向しない非対向面と、を有し、前記収容部材は、前記非対向面に沿って配置されてもよい。
【0008】
上記構成によれば、収容部材に収容された伝熱部材が電池セルの非対向面に接する。これにより、電池セルと温調器との間のスペースにのみ伝熱部材が位置する場合よりも、電池セルに対する伝熱部材の接触面積が多くなる。したがって、温調器と電池セルとの間での伝熱をより効率よく行わせることができる。
【0009】
電池ユニットにおいて、前記温調器は、互いに離れて複数位置し、前記収容部材は、複数の前記温調器の間を介して前記電池セルと前記温調器との間から溢れた前記伝熱部材を収容可能に設けられてもよい。
【0010】
上記構成によれば、電池セルと温調器との間から複数の温調器の間に伝熱部材が溢れた場合、この伝熱部材を収容部材に収容できる。したがって、伝熱部材が壁部材に接することにより生じる温調器と壁部材との間での伝熱をさらに抑制できる。
【0011】
電池ユニットにおいて、前記温調器を前記壁部材から離れた位置で支持する支持部を備えてもよい。
上記構成によれば、支持部によって温調器を壁部材から離れた位置に配置できるため、温調器が壁部材に接する場合に生じる温調器と壁部材との間での伝熱を抑制できる。
【0012】
電池ユニットにおいて、前記収容部材と前記支持部とは一体であってもよい。
上記構成によれば、収容部材と支持部とが別部材である場合と比較して、電池ユニットに設置する部品点数を低減できる。したがって、電池ユニットの製造に係る作業工数を低減できる。
【0013】
電池ユニットにおいて、前記収容部材は、前記電池セルと前記温調器との間に連通することによって前記電池セルと前記温調器との間から溢れた前記伝熱部材を収容可能な収容部を有し、前記支持部は、前記壁部材から前記温調器に向かって延びる凸状であり、前記支持部には、前記収容部に連通する連通路が形成されていてもよい。
【0014】
上記構成によれば、電池セルと温調器との間から溢れた後に収容部に収容された伝熱部材は、収容部から連通路へと流れることが可能となる。したがって、伝熱部材を収容するスペースとして支持部に形成された連通路を活用できる。
【0015】
電池ユニットにおいて、前記温調器の外面のうちで前記電池セルと対向する面に対して直交する面を直交面とすると、前記収容部材は、前記温調器と前記壁部材との間に位置する本体部と、前記本体部から立設するとともに前記直交面と隣接する突出部と、を有してもよい。
【0016】
上記構成によれば、電池ユニットの製造に際して、収容部材の後に温調器を設置する場合、温調器の直交面が突出部に沿うように温調器を設置することにより、電池ユニットにおける温調器の位置決めを容易に行える。したがって、電池ユニットの製造に係る作業効率を向上させることができる。
【0017】
電池ユニットにおいて、前記収容部材は樹脂製であってもよい。
【発明の効果】
【0018】
この発明によれば、伝熱部材が壁部材に接することにより生じる温調器と壁部材との間での伝熱を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】電池ユニットとしての電池パックを示す斜視図である。
図2】熱交換器を示す断面図である。
図3】第1実施形態の電池パックの一部を示す断面図である。
図4】第1実施形態の収容部材の一部を示す斜視図である。
図5】第1実施形態の電池パックの製造方法を説明するための断面図である。
図6】第2実施形態の電池パックの一部を示す断面図である。
図7】第2実施形態の電池パックの一部を示す断面図である。
図8】第2実施形態の収容部材の一部を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
[第1実施形態]
以下、電池ユニットを電池パックに具体化した第1実施形態について図面にしたがって説明する。
【0021】
<電池パックの概要>
図1に示すように、電池ユニットとしての電池パック10は、ケース11を備えている。ケース11は、四角箱状である。ケース11は、壁部材11aによって構成されている。すなわち、電池パック10は、壁部材11aを備えている。壁部材11aは、金属製である。壁部材11aは、矩形平板状をなす第1壁12と、四角筒状の側壁13と、矩形平板状の第2壁14と、を含む。側壁13は、第1壁12の縁部と第2壁14の縁部との間で延びている。第1壁12、側壁13、及び第2壁14によって、ケース11の内部に収容空間Sが区画形成されている。
【0022】
なお、以下では、第1壁12の長縁部12aの延びる方向を幅方向Xともいう。第1壁12の短縁部12bの延びる方向を奥行方向Yともいう。第1壁12に直交する方向を高さ方向Zともいう。また、以下では、第2壁14よりも第1壁12が下方に位置する態様の電池パック10を例示して説明する。本実施形態では、高さ方向Zが重力方向に相当する。
【0023】
壁部材11aは、複数の立設壁15を含んでいる。複数の立設壁15の各々は、収容空間Sに位置するとともに、第1壁12と第2壁14との間で延びる矩形平板状である。複数の立設壁15は、幅方向Xにおいて互いに離れている。複数の立設壁15は、例えば、第1壁12に固定されることにより第1壁12と一体化されていてもよい。複数の立設壁15は、例えば溶接によって第1壁12に固定されていてもよい。
【0024】
電池パック10は電池セル16を備えている。電池セル16は角型電池である。電池セル16としては、例えば、リチウムイオン電池やニッケル水素電池が挙げられる。電池セル16は、第1面16aと、一対の第2面16bと、一対の第3面16cと、を有する。第1面16a、一対の第2面16b、および一対の第3面16cの各々は、矩形状である。第1面16aは、高さ方向Zに直交するように延びる矩形平面状である。第2面16bおよび第3面16cは、第1面16aと直交する。一対の第2面16bは、第1面16aの縁部から幅方向Xに直交するように延びる矩形平面状である。一対の第3面16cは、第1面16aの縁部から奥行方向Yに直交するように延びる矩形平面状である。
【0025】
本実施形態における第1面16aは、電池セル16の下面を構成する。第1面16aがケース11の第1壁12上に位置するように、電池セル16はケース11内に配置されている。第1壁12は、電池セル16の第1面16aに沿って位置している。側壁13は、電池セル16の第3面16cに沿って配置されている。立設壁15は、電池セル16の第2面16bに沿って配置されている。このように、壁部材11aは電池セル16に沿って配置されている。
【0026】
電池セル16が奥行方向Yに複数並ぶことで積層体17が構成されている。積層体17において、複数の電池セル16は、互いの第3面16cが奥行方向Yにおいて対向するように並んでいる。積層体17は矩形ブロック状である。電池パック10は、複数の積層体17を備えている。
【0027】
積層体17は、収容空間Sのうち、幅方向Xにおいて隣り合う2つの立設壁15の間に配置されている。積層体17と立設壁15とは、幅方向Xにおいて互いに交互に並ぶように、収容空間Sに位置している。積層体17を構成する複数の電池セル16の第2面16bと立設壁15とは、幅方向Xにおいて互いに対向している。電池セル16の第2面16bは、その第2面16bに対向する立設壁15に対して幅方向Xに離れている。仮に、電池パック10の外部から電池パック10に幅方向Xへの押圧が作用するなど、電池セル16が幅方向Xに変位するおそれのある状況下では、電池セル16は立設壁15によって支持されることで電池セル16の変位が抑制される。なお、図1では、説明の便宜上、1つの積層体17のうちの一部の電池セル16の図示を省略している。
【0028】
電池パック10は、複数の熱交換器20を備えている。複数の熱交換器20は、ケース11の内部において、幅方向Xに並んでいる。複数の熱交換器20は、複数の積層体17の各々に1つずつ対応するように配置されている。なお図1では、複数の熱交換器20のうちの1つを図示しており、その他の熱交換器20の図示を省略している。
【0029】
図2に示すように、熱交換器20は、ヘッダ21と温調器22とを備えている。言い換えると、電池パック10は温調器22を備えている。本実施形態において、ヘッダ21および温調器22は金属製である。温調器22は樹脂製であってもよい。
【0030】
ヘッダ21は、例えば、幅方向Xに延びる筒状の第1ヘッダ壁21aと、第1ヘッダ壁21aの幅方向Xの両端を塞ぐ一対の第2ヘッダ壁21bと、を有する。第1ヘッダ壁21aは、例えば、ケース11の側壁13の内面に沿って延びている。ヘッダ21は、奥行方向Yにおける積層体17よりも一方側と他方側とに1つずつ設けられている。こうした2つのヘッダ21を複数の熱交換器20の各々が有している。
【0031】
第1ヘッダ壁21aには接続口21hが形成されている。本実施形態における接続口21hは、矩形状の貫通孔である。接続口21hを介して、ヘッダ21の内部と外部とが連通している。接続口21hは、奥行方向Yに向けて開口している。本実施形態では、複数の接続口21hが第1ヘッダ壁21aに形成されている。複数の接続口21hは、幅方向Xにおいて互いに離れている。なお、本実施形態では、4つの接続口21hが形成されたヘッダ21を例示している。
【0032】
図1および図2に示すように、温調器22は、例えば、奥行方向Yに延びる四角筒状である。温調器22は、積層体17を構成する複数の電池セル16の第1面16aに沿って配置されている。温調器22は、電池セル16と壁部材11aとの間に配置されている。詳細には、温調器22は、第1面16aと第1壁12の内面との間に配置されている。
【0033】
温調器22は、積層体17を構成する複数の電池セル16の第1面16aと高さ方向Zにおいて対向している。その一方で、温調器22は、複数の電池セル16の第1面16a以外の外面である第2面16bおよび第3面16cとは対向しない。したがって、電池セル16は、温調器22と対向する対向面としての第1面16aと、第1面16aと直交し温調器22と対向しない非対向面としての第2面16bおよび第3面16cと、を有する。温調器22の外面のうち、電池セル16の第1面16aと対向する部分をセル対向面22aという。本実施形態において、セル対向面22aは、温調器22の高さ方向Zの上面全体である。セル対向面22aは矩形状の平面である。温調器22の外面のうちで電池セル16と対向する面であるセル対向面22aに対して直交する面を直交面22bとする。直交面22bは、温調器22の幅方向Xに位置する一対の側面である。直交面22bは、矩形状の平面である。
【0034】
複数の熱交換器20の各々は、温調器22を複数備えてもよい。各熱交換器20において、温調器22は、互いに離れて複数位置する。各熱交換器20において、複数の温調器22は幅方向Xに互いに離れている。本実施形態における熱交換器20は、温調器22を4つ備えている。
【0035】
奥行方向Yにおける温調器22の一端である第1端は、積層体17よりも奥行方向Yの一方側に位置するヘッダ21の接続口21hに挿入されている。奥行方向Yにおける温調器22の他端である第2端は、積層体17よりも奥行方向Yの他方側に位置するヘッダ21の接続口21hに挿入されている。温調器22の第1端及び第2端は、例えば、ヘッダ21の接続口21hに挿入された状態で、ヘッダ21にロウ付けによって固定されている。温調器22は、積層体17よりも奥行方向Yの一方側に位置するヘッダ21の内部と、積層体17よりも奥行方向Yの他方側に位置するヘッダ21の内部とを連通させている。
【0036】
温調器22の内部には、複数の区画壁23が設けられている。複数の区画壁23の各々は、奥行方向Yにおける温調器22の両端の間で延びている。複数の区画壁23は、幅方向Xにおいて互いに離れて並んでいる。温調器22の内部において、幅方向Xにおける区画壁23同士の間に流路24が形成されている。流路24は、温調器22の内部にて奥行方向Yに延びる通路である。流路24には、熱媒体が流れる。熱媒体としては、例えば、冷媒やLLCが挙げられる。
【0037】
なお、温調器22の熱効率を向上させる目的で、多くの区画壁23を温調器22の内部に設けることにより、温調器22に形成される流路24の数を増やし且つ流路24の流路断面積を小さくすることが好ましい。こうした温調器22は、例えば、押出成形によって成形できるが、上記のように流路24の数を増やし且つ流路24の流路断面積を小さくした温調器22は、全体形状が大きいほど成形しにくくなる。そうした事情から、本実施形態においては、電池セル16に対して複数の温調器22が対応するように、比較的小さい大きさの複数の温調器22が設けられている。
【0038】
また、温調器22の製造ばらつきによって、接続口21hに対して温調器22の端部の寸法が小さくなるといった寸法ずれが生じ得る。ここで、仮に、ヘッダ21に形成する接続口21hを1つにして、この接続口21hに複数の温調器22の端部を挿入させると、複数の温調器22全ての上記の寸法ずれにより温調器22が挿入されない接続口21hの隙間が大きくなる。この場合、ヘッダ21への温調器22のロウ付けを好適に行えないおそれがある。本実施形態においては、温調器22の数と同数の接続口21hをヘッダ21に形成し、各接続口21hに1つの温調器22の端部を挿入させている。そのため、上記の寸法すれが温調器22に生じたとしても、各接続口21hにて温調器22が挿入されずに生じる隙間を比較的小さくできる。そのため、ヘッダ21への温調器22のロウ付けを好適に行うことができる。
【0039】
熱交換器20において、複数の温調器22の第1端が接続口21hに挿入されたヘッダ21に熱媒体が流入する。このヘッダ21に流入した熱媒体が温調器22の第1端から温調器22の内部に流入するとともに、温調器22の流路24を流れる。温調器22において、流路24を流れる熱媒体は、温調器22の第1端から第2端に向けて流れる。熱媒体は、流路24を流れつつ温調器22の第2端まで流れると、複数の温調器22の第2端が接続口21hに挿入されたヘッダ21に流路24から熱媒体が流入する。こうして流路24を熱媒体が流れることによって、温調器22は電池セル16の温度を調節する。流路24を流れる熱媒体と電池セル16とが熱交換することにより、電池セル16の温度が調節される。
【0040】
<伝熱部材>
図3に示すように、電池パック10は、伝熱部材29を備える。伝熱部材29は、例えば、絶縁性を有し、かつ、熱伝導率の高い材料からなる。さらに、伝熱部材29は、塗布時は流動性と粘性のある材料からなる。すなわち伝熱部材29は、塗布時にはペースト状である。伝熱部材29は塗布後に硬化し固体となる。
【0041】
伝熱部材29は、電池セル16と温調器22との間に位置する。詳細には、伝熱部材29は、積層体17を構成する複数の電池セル16の第1面16aと、熱交換器20が備える複数の温調器22のセル対向面22aと、の間に位置する。伝熱部材29は、電池セル16の第1面16aおよび温調器22のセル対向面22aに接する。こうして伝熱部材29は、電池セル16及び温調器22に接することで電池セル16と温調器22との間で伝熱させる。
【0042】
<収容部材>
図3及び図4に示すように、電池パック10は、収容部材30を備える。収容部材30は、電池セル16と壁部材11aとの間に配置される。詳細には、本実施形態における収容部材30は、立設壁15と電池セル16の第2面16bとの間と、ケース11の第1壁12と電池セル16の第1面16aとの間と、に配置される。収容部材30は、壁部材11aよりも熱伝導率の低い部材である。本実施形態における収容部材30は樹脂製である。
【0043】
収容部材30の一部を本体部31という。本体部31は、収容部材30のうち、温調器22とケース11の第1壁12との間に位置する部分である。すなわち、収容部材30は、温調器22と壁部材11aとの間に位置する本体部31を有する。本体部31は、積層体17に対して設けられる4つの温調器22の各々と、第1壁12との間に位置する。
【0044】
本体部31は、支持部41を有する。言い換えると、収容部材30と支持部41とは一体である。電池パック10は支持部41を備える。支持部41は、第1壁12から温調器22に向かって高さ方向Zに延びる凸状である。
【0045】
支持部41は、一対の第1支持壁41aと、第2支持壁41bと、を有する。一対の第1支持壁41aは、幅方向Xに互いに対を成すように位置するとともに、奥行方向Yと高さ方向Zとに延びる平板状である。一対の第1支持壁41aの高さ方向Zの一端である基端は、ケース11の第1壁12の内面に接している。一対の第1支持壁41aの上記基端とは反対側の端部である先端は、温調器22に接している。第2支持壁41bは、一対の第1支持壁41aの先端同士の間で、高さ方向Zに直交するように延びる平板状である。第2支持壁41bは、温調器22に接している。こうして、支持部41がケース11の第1壁12と温調器22とに接することにより、支持部41は温調器22を壁部材11aとしての第1壁12から離れた位置で支持する。
【0046】
本実施形態における支持部41は、本体部31の幅方向Xの両端部に位置する。本実施形態における支持部41は、温調器22の幅方向Xの両端部に接することで、温調器22の幅方向Xの両端部を支持する。
【0047】
収容部材30は突出部42を有する。本実施形態における突出部42は、本体部31の幅方向Xの両端部に位置する。詳細には、本体部31における支持部41の第2支持壁41bから延びている。突出部42は、本体部31から立設するとともに温調器22の直交面22bと隣接している。詳細には、突出部42は、壁部材11aとしての第1壁12から温調器22に向かう高さ方向Zに本体部31から延びている。突出部42は、幅方向Xにおいて温調器22と隣接している。本体部31の幅方向Xの一端部に位置する突出部42と他端部に位置する突出部42とで、幅方向Xにおける両側から温調器22を挟んでいる。突出部42は温調器22に接していてもよい。
【0048】
<収容部>
収容部材30は、収容部50を有する。本実施形態における収容部50は、第1収容部51と第2収容部52とを含む。第1収容部51は本体部31の幅方向Xの一端から延びており、第2収容部52は本体部31の幅方向Xの他端から延びている。
【0049】
第1収容部51は、第1収容壁51aと第2収容壁51bとを有する。第1収容壁51aは本体部31から延びる。第1収容壁51aは、積層体17を構成する複数の電池セル16の第1面16aのうち、温調器22と対向しない部分に概ね沿うように延びている。第1収容壁51aは、高さ方向Zにおいて電池セル16の第1面16aから離れている。第1収容壁51aは、高さ方向Zにおいて電池セル16とケース11の第1壁12との間に位置している。
【0050】
第2収容壁51bは、第1収容壁51aの幅方向Xにおける両端部のうち、本体部31と繋がる端部と反対側の端部から高さ方向Zに延びている。第2収容壁51bは、積層体17を構成する複数の電池セル16の第2面16bに沿うように延びている。第2収容壁51bは、幅方向Xにおいて電池セル16の第2面16bから離れている。第2収容壁51bは、幅方向Xにおいて電池セル16と立設壁15との間に位置している。言い換えると、収容部50は、非対向面としての第2面16bに沿って位置している。収容部材30は、非対向面としての第2面16bに沿って配置されている。
【0051】
第2収容部52は、第3収容壁52aと第4収容壁52bとを有する。第3収容壁52aは、積層体17を構成する複数の電池セル16の第1面16aのうち、幅方向Xにおける温調器22同士の隙間と対向する部分に沿うように延びている。第3収容壁52aは、高さ方向Zにおいて電池セル16の第1面16aから離れている。第3収容壁52aは高さ方向Zにおいて、電池セル16とケース11の第1壁12との間に位置している。
【0052】
第4収容壁52bは、第3収容壁52aの幅方向Xにおける両端部から高さ方向Zに延びている。本実施形態における第4収容壁52bは、支持部41の第1支持壁41aと突出部42によって構成されている。収容部50としての第2収容部52は、幅方向Xにおいて支持部41と隣り合っている。
【0053】
第1収容壁51aと第2収容壁51bとで囲まれた部分を第1収容部51の内部ともいう。第3収容壁52aと第4収容壁52bとで囲まれた部分を第2収容部52の内部ともいう。第1収容部51の内部と第2収容部52の内部とは、高さ方向Zにおける電池セル16と温調器22との間と連通している。言い換えると、収容部50は、電池セル16と温調器22との間に連通する。これにより、収容部50は、電池セル16と温調器22との間から溢れた伝熱部材29を収容可能である。したがって、収容部材30は、電池セル16と温調器22との間から溢れた伝熱部材29を収容可能に設けられる。第2収容部52の内部は、幅方向Xにおける複数の温調器22の間を介して、高さ方向Zにおける電池セル16と温調器22との間と連通している。言い換えると、収容部50は、複数の温調器22の間を介して電池セル16と温調器22との間と内部が連通する。したがって、収容部材30は、複数の温調器22の間を介して電池セル16と温調器22との間から溢れた伝熱部材29を収容可能に設けられる。
【0054】
<伝熱部材の余剰分>
図3に示すように、電池セル16の第1面16aのばらつきによって、電池セル16の第1面16aと温調器22との間の寸法にばらつきが生じるおそれがある。なお、第1面16aのばらつきとは、積層体17を構成する複数の電池セル16の各々の第1面16aの形状のばらつきや、複数の電池セル16が高さ方向Zに互いに位置ずれすることによる第1面16aの高さ方向Zの位置のばらつき等である。
【0055】
第1面16aと温調器22の間の寸法が比較的大きい場合、図3に二点鎖線で示すように、伝熱部材29は電池セル16と温調器22との間のスペースに収まるため、このスペースから伝熱部材29が溢れにくい。電池セル16と温調器22との間に位置する伝熱部材29は、複数の電池セル16の第1面16aの全体と、温調器22のセル対向面22aの全体と、に接する。なお、複数の電池セル16の第1面16aのばらつきによらず、上記のように第1面16aの全体とセル対向面22aの全体とに伝熱部材29が接することが可能なように、各温調器22への伝熱部材29の塗布量が設定されている。
【0056】
第1面16aと温調器22の間の寸法が比較的小さい場合、電池セル16と温調器22との間のスペースに収まらなかった伝熱部材29が、余剰分29aとして電池セル16と温調器22との間から溢れる。電池セル16と温調器22との間から幅方向Xにおける複数の温調器22の間に溢れた余剰分29aは、第2収容部52に収容される。
【0057】
電池セル16と温調器22との間から幅方向Xにおける電池セル16の端部に向けて溢れた余剰分29aは、第1収容部51に収容される。第1収容部51の第2収容壁51bは電池セル16の第2面16bに沿うように延びている。そのため、第1収容部51に収容された余剰分29aが多くなると、幅方向Xにおける第2収容壁51bと電池セル16の第2面16bとの間にまで余剰分29aが至る。この余剰分29aは、複数の電池セル16の第2面16bに接する。
【0058】
[第1実施形態の作用]
第1実施形態の作用について、電池パック10の製造方法と共に説明する。
図5に示すように、電池パック10の製造に際しては、まずケース11内に収容部材30を配置する。続いて、ケース11内に複数の温調器22を配置する。このとき、収容部材30の突出部42に沿うように温調器22を配置することにより、温調器22を決められた位置に配置しやすい。そして、温調器22のセル対向面22aに伝熱部材29が配置される。このときの伝熱部材29は、例えば、セル対向面22aの一部を覆うように配置される。伝熱部材29は、複数の温調器22の各々のセル対向面22aに配置される。
【0059】
つづいて、ケース11内に複数の電池セル16を配置する。このとき、複数の電池セル16の第1面16aが温調器22のセル対向面22aに近づくように、複数の電池セル16を高さ方向Zにおいて温調器22に近づくように変位させる。こうした複数の電池セル16の変位に伴って、セル対向面22aに配置された伝熱部材29が電池セル16の第1面16aとセル対向面22aとで挟まれる。これにより、伝熱部材29は、複数の電池セル16の第1面16aと温調器22のセル対向面22aとの間で広がる。ケース11内への複数の電池セル16の配置が完了すると、伝熱部材29は、複数の電池セル16の第1面16aの全体と、温調器22のセル対向面22aと、に接するように広がった状態となる。
【0060】
図3に示すように、第1面16aと温調器22の間の寸法が比較的小さい場合、電池セル16と温調器22との間のスペースに収まらなかった伝熱部材29が、余剰分29aとして電池セル16と温調器22との間から溢れる。電池セル16と温調器22との間から幅方向Xにおける複数の温調器22の間に溢れた余剰分29aは、収容部50としての第1収容部51および第2収容部52に収容される。これにより、壁部材11aとしての立設壁15や第1壁12に伝熱部材29が接することを抑制できる。
【0061】
[第1実施形態の効果]
第1実施形態の効果について説明する。
(1-1)電池パック10は、電池セル16と壁部材11aとの間に配置されるとともに、壁部材11aよりも熱伝導率の低い収容部材30を備える。収容部材30は、電池セル16と温調器22との間から溢れた伝熱部材29を収容可能に設けられる。そのため、電池セル16と温調器22との間から溢れた伝熱部材29が収容部材30に収容されることにより、壁部材11aに伝熱部材29が接することを抑制できる。したがって、伝熱部材29が壁部材11aに接することにより生じる温調器22と壁部材11aとの間での伝熱を抑制できる。
【0062】
(1-2)電池セル16は、温調器22と対向する対向面としての第1面16aと、第1面16aと直交し温調器22と対向しない非対向面としての第2面16bと、を有する。収容部材30は、非対向面としての第2面16bに沿って配置される。そのため、収容部材30に収容された伝熱部材29が電池セル16の非対向面としての第2面16bに接する。これにより、電池セル16と温調器22との間のスペースにのみ伝熱部材29が位置する場合よりも、電池セル16に対する伝熱部材29の接触面積が多くなる。したがって、温調器22と電池セル16との間での伝熱をより効率よく行わせることができる。
【0063】
(1-3)収容部材30は、複数の温調器22の間を介して電池セル16と温調器22との間とから溢れた伝熱部材29を収容可能に設けられる。そのため、電池セル16と温調器22との間から複数の温調器22の間に伝熱部材29が溢れた場合、この伝熱部材29を収容部材30に収容できる。したがって、伝熱部材29が壁部材11aに接することにより生じる温調器22と壁部材11aとの間での伝熱をさらに抑制できる。
【0064】
(1-4)電池パック10は、温調器22を壁部材11aから離れた位置で支持する支持部41を備える。そのため、支持部41によって温調器22を壁部材11aから離れた位置に配置できるため、温調器22が壁部材11aに接する場合に生じる温調器22と壁部材11aとの間での伝熱を抑制できる。
【0065】
(1-5)収容部材30と支持部41とは一体である。そのため、収容部材30と支持部41とが別部材である場合と比較して、電池パック10に設置する部品点数を低減できる。したがって、電池パック10の製造に係る作業工数を低減できる。
【0066】
(1-6)収容部材30は、温調器22と壁部材11aとの間に位置する本体部31と、突出部42と、を有する。突出部42は、本体部31から立設するとともに温調器22の直交面22bと隣接する。そのため、電池パック10の製造に際して、収容部材30の後に温調器22を設置する場合、温調器22の直交面22bが突出部42に沿うように温調器22を設置することにより、電池パック10における温調器22の位置決めを容易に行える。したがって、電池パック10の製造に係る作業効率を向上させることができる。
【0067】
[第2実施形態]
以下、電池ユニットを電池パックに具体化した第2実施形態について図面にしたがって説明する。第2実施形態における電池ユニットとしての電池パック10においては、収容部50の形状と支持部41の形状とが第1実施形態における電池パック10とは異なっている。以下では、第1実施形態と異なる点を中心に説明し、第1実施形態と同様の構成については適宜説明を省略する。
【0068】
図6および図7に示すように、本実施形態における第1収容部51の第2収容壁51bは、第1実施形態における第2収容壁51bよりも第1収容壁51aからの高さ方向Zへの延設長さが短い。そのため、本実施形態における第2収容壁51bは、複数の電池セル16の第2面16bに沿っていない。そのため、本実施形態における収容部50は、非対向面としての第2面16bに沿っていない。本実施形態における収容部材30は突出部42を有さない。本実施形態における第2収容部52の第4収容壁52bは、支持部41の第1支持壁41aによって構成されている。
【0069】
図8に示すように、本実施形態における支持部41は、壁部材11aとしての第1壁12から温調器22に向かって延びる凸状である。本実施形態における支持部41は、第1実施形態における支持部41と同様に、高さ方向Zに延びる。
【0070】
支持部41には、収容部50としての第1収容部51および第2収容部52に連通する連通路53が形成されている。連通路53は、奥行方向Yにおける支持部41の一部が切り欠かれることによって、支持部41に形成されている。連通路53は、第1通路壁53aと、一対の第2通路壁53bと、から構成される。第1通路壁53aは、高さ方向Zに直交するように延びる平板状である。一対の第2通路壁53bは、第1通路壁53aから高さ方向Zに延びる平板状である。第1通路壁53aと一対の第2通路壁53bとによって、連通路53の内部空間が区画形成されている。
【0071】
収容部50としての第1収容部51と第2収容部52とは、幅方向Xにおいて支持部41と隣り合う。収容部50としての第1収容部51と第2収容部52とは、連通路53の内部と連通している。
【0072】
[第2実施形態の作用]
第2実施形態の作用について、電池パック10の製造方法と共に説明する。
図6及び図7に示すように、電池パック10の製造に際しては、まず収容部材30に温調器22を接着剤などによって固定させた状態で、収容部材30および温調器22をケース11内に配置する。続いて、温調器22のセル対向面22aに伝熱部材29が配置された後、ケース11内に複数の電池セル16を配置する。セル対向面22aに配置された伝熱部材29が電池セル16の第1面16aとセル対向面22aとで挟まれる。伝熱部材29は、複数の電池セル16の第1面16aの全体と、温調器22のセル対向面22aと、に接するように広がった状態となる。
【0073】
第1面16aと温調器22の間の寸法が比較的小さい場合、電池セル16と温調器22との間に収まらなかった伝熱部材29が、余剰分29aとして電池セル16と温調器22との間から収容部50としての第1収容部51および第2収容部52に溢れる。
【0074】
第1収容部51に収容された余剰分29aが多いと、余剰分29aは第1収容部51から第1収容部51と連通する連通路53の内部へと溢れる。第2収容部52に収容された余剰分29aが多いと、余剰分29aは第2収容部52から第1収容部51と連通する連通路53の内部へと溢れる。連通路53の内部に余剰分29aが溢れることにより、余剰分29aは高さ方向Zにおける温調器22と壁部材11aとしての第1壁12との間に位置するようになる。
【0075】
[第2実施形態の効果]
第2実施形態によれば、第1実施形態の効果(1-1)、(1-3)~(1-5)の効果に加えて以下の効果を得ることができる。
【0076】
(2-1)支持部41は、壁部材11aから温調器22に向かって延びる凸状であり、支持部41には、収容部50に連通する連通路53が形成されている。そのため、電池セル16と温調器22との間から溢れた後に収容部50に収容された伝熱部材29は、収容部50から連通路53へと流れることが可能となる。したがって、伝熱部材29を収容するスペースとして支持部41に形成された連通路53を活用できる。
【0077】
[変更例]
実施形態は、以下のように変更して実施することができる。実施形態及び以下の変形例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0078】
○ 第2実施形態における第1収容部51の第2収容壁51bを、第1実施形態における第2収容壁51bと同様に、複数の電池セル16の第2面16bに沿うように高さ方向Zに延ばしてもよい。この場合、収容部50としての第1収容部51は、非対向面としての第2面16bに沿って配置される。このため、収容部材30は、非対向面としての第2面16bに沿って配置される。
【0079】
○ 第2実施形態における収容部材30は、突出部42を有してもよい。この場合、第2収容部52の第4収容壁52bは、突出部42と支持部41の第1支持壁41aとによって構成されてもよい。
【0080】
○ 第2実施形態における支持部41に連通路53が形成されていなくてもよい。この場合の支持部41は、奥行方向Yに隙間なく延びる形状である。
○ 支持部41は、収容部材30と別体であってもよい。この場合の電池セル16の製造に際しては、例えば、支持部41をケース11内に配置した後で、収容部材30及び温調器22を順次、ケース11内に配置する。
【0081】
○ 電池パック10から支持部41を省略してもよい。この場合、温調器22を支持するように収容部材30の形状を変更してもよい。
○ 複数の温調器22は互いに離れないように位置していてもよい。積層体17を構成する複数の電池セル16に対して1つの温調器22を配置してもよい。
【0082】
○ 温調器22の形状は、丸筒状など、四角筒状以外の形状であってもよい。
○ 温調器22は、内部に熱媒体が流れる流路24が形成されるものに限らない。例えば、温調器22は、電気ヒータであってもよい。要するに、温調器22は、電池セル16と壁部材11aとの間に配置されるとともに電池セル16の温度を調節するものであればよい。
【0083】
○ 電池パック10から立設壁15を省略してもよい。
○ 収容部材30は樹脂製に限らない。壁部材11aは金属製に限らない。要するに、収容部材30が壁部材11aよりも熱伝導率の低い関係にあれば、収容部材30および壁部材11aの材料を変更可能である。
【0084】
○ 収容部材30から第1収容部51および第2収容部52のいずれか一方を省略してもよい。
○ 電池ユニットは電池パック10に限らない。この場合の壁部材11aは、ケース11を構成するものでなくてもよい。電池ユニットはケース11を有さなくてもよい。
【符号の説明】
【0085】
10…電池ユニットとしての電池パック、11a…壁部材、16…電池セル、16a…対向面としての第1面、16b…非対向面としての第2面、22…温調器、22b…直交面、29…伝熱部材、30…収容部材、31…本体部、41…支持部、42…突出部、50…収容部、53…連通路。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8