(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024098319
(43)【公開日】2024-07-23
(54)【発明の名称】容器
(51)【国際特許分類】
B65D 6/18 20060101AFI20240716BHJP
【FI】
B65D6/18 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023001754
(22)【出願日】2023-01-10
(71)【出願人】
【識別番号】591006944
【氏名又は名称】三甲株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112472
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 弘
(74)【代理人】
【識別番号】100202223
【弁理士】
【氏名又は名称】軸見 可奈子
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 拓
【テーマコード(参考)】
3E061
【Fターム(参考)】
3E061AA02
3E061CA02
3E061DA08
3E061DB11
(57)【要約】
【課題】ロック部材の下面に手をかけて容器を持ち上げることを防ぐことが求められている。
【解決手段】本開示の折畳コンテナ10は、短辺側壁11に備えられたロック部材40を押し下げ操作することで折り畳み可能になっている。そして、ロック部材40の下面には、短辺側壁11に設けられた持ち手部15よりも指をかけにくい指掛け規制部60が形成されている。指掛け規制部60は、前板41の下縁部の中央部41Dから突出し、下りながら短辺側壁11の外面へ近づいている。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器の一側壁の少なくとも一部である可動壁部の外面に備えられたロック部材が移動操作されると、前記可動壁部が取り外し又は回動可能になる容器において、
容器を持ち上げるための持ち手部と、
前記ロック部材の下面に配され、前記可動壁部の外面寄り位置まで下る指掛け規制部と、を備え、
前記指掛け規制部の最下端部は、前記持ち手部よりも、容器の内外方向において、水平部分の長さが短くなっている容器。
【請求項2】
前記ロック部材には、容器の外側方へ開口して指を掛けることが可能なロック解除操作部が設けられ、
前記指掛け規制部は、前記可動壁部の横方向において前記ロック解除操作部と重なる範囲又は前記ロック解除操作部を挟んで隣接する位置に配されている請求項1に記載の容器。
【請求項3】
前記ロック解除操作部は、容器の外側方へ開放した環状のリブを有し、
正面から見て、前記リブの下縁部は、前記指掛け規制部と重なり、
前記リブの下面における、容器の内外方向での途中部分に前記指掛け規制部が連絡している請求項2に記載の容器。
【請求項4】
前記ロック部材の下面には、前記指掛け規制部の隣に、隣接水平部が設けられ、
前記指掛け規制部の下端は、前記隣接水平部よりも下方に位置する請求項1に記載の容器。
【請求項5】
前記指掛け規制部の上端は、前記隣接水平部よりも上方に位置する請求項4に記載の容器。
【請求項6】
前記可動壁部のロックの解除は、前記ロック部材が押し下げ操作されることで行われ、
前記ロック部材は、前記隣接水平部から又は前記隣接水平部の後方を通って下方に突出して下端部が前記可動壁部の外面に設けられた水平リブに当接し、前記ロック部材を上方へ付勢するためのバネ片を備える請求項4に記載の容器。
【請求項7】
前記指掛け規制部は、前記可動壁部の外面側へ延びたのち下方へ屈曲しさらに前記可動壁部の外面側へ屈曲して延びた架空のクランクにおいて上下の角部を湾曲させかつその湾曲部同士をつなげた形状になっていて、下側の湾曲部の曲率半径が、上側の湾曲部の曲率半径よりも大きくなっている請求項1から6の何れか1の請求項に記載の容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一側壁の少なくとも一部である可動壁部が取り外し又は回動可能な容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の容器として、可動壁部を取り外し又は回動する際に、可動壁部の外面に備えられたロック部材の移動操作が必要なものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した従来の容器においては、ロック部材の下面に手をかけて容器を持ち上げることを防ぐことが求められている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の容器は、容器の一側壁の少なくとも一部である可動壁部の外面に備えられたロック部材が移動操作されると、前記可動壁部が取り外し又は回動可能になる容器において、容器を持ち上げるための持ち手部と、前記ロック部材の下面に配され、前記可動壁部の外面寄り位置まで下る指掛け規制部と、を備え、前記指掛け規制部の最下端部は、前記持ち手部よりも、容器の内外方向において、水平部分の長さが短くなっている容器である。
【発明の効果】
【0006】
本開示に係る容器によれば、ロック部材の指掛け規制部に指をかけて容器を持ち上げようとすると、指がすべったり、指がかかる面積が小さかったりして、指をかけにくいと感じさせ、より指をかけやすい持ち手部に指をかけるように誘導することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本開示の一実施形態に係る折畳コンテナの斜視図
【
図2】短辺側壁を畳んだ状態の折畳コンテナの斜視図
【
図6】折畳コンテナのロック解除操作部近傍の斜視図
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、
図1~
図9を参照して、本開示の折畳コンテナ10(特許請求の範囲中の「容器」に相当する)について説明する。
図1に示すように、折畳コンテナ10は、平面形状が長方形で上面が開放した直方体構造になっている。また、折畳コンテナ10は、底壁30と、その底壁30における1対の短辺側の外縁部に回動可能に連結された1対の短辺側壁11(特許請求の範囲中の「一側壁」、「可動壁部」に相当する)と、底壁30における1対の長辺側の外縁部に回動可能に連結された1対の長辺側壁21と、を有している。そして、折畳コンテナ10は、短辺及び長辺の側壁11,21を底壁30から起立させて互いに連結した組立状態(
図1参照)と、底壁30の上に短辺側壁11を重ねるように折り畳んでから(
図2参照)、それら短辺側壁11の上に長辺側壁21を折り重ねた折畳状態(
図3参照)とに変更することができる。
【0009】
底壁30は、外縁から起立した枠状突部31を備える。枠状突部31は、底壁30の1対の短辺から突出した短辺底突部32と、1対の長辺から突出した長辺底突部33と、を有している。長辺底突部33は、短辺底突部32よりも高くなっている。また、底壁30の下面からは、段積嵌合部35が下方に突出している。
図1及び
図3に示すように、短辺底突部32及び長辺底突部33には、それぞれの長手方向に間隔を空けて複数のアーム受容凹部32A,33Aが形成されている。
【0010】
短辺側壁11及び長辺側壁21の下端部からは、アーム受容凹部32A,33Aに対応した複数のヒンジアーム11R,21Rが垂下されている。各ヒンジアーム11R,21Rは、図示しないヒンジ軸が抜け止めされた状態で底壁30のアーム受容凹部32A,33Aに受容される。そして、短辺側壁11及び長辺側壁21は、ヒンジ軸を中心にして底壁30に対して回動し、起立姿勢(
図1参照)と水平姿勢(
図2参照)とに変更することができる。
【0011】
図1に示すように、長辺側壁21は、横長の平板21Aから外方にリブ21Bが突出してなる。長辺側壁21の両側縁部には、短辺側壁11側に向かって突出した1対のサイド突部25が形成されている。それらサイド突部25は、組立状態で短辺側壁11の側縁部の外面に重なる。さらに、各サイド突部25には貫通孔25Aが形成され、長辺側壁21の両側縁部には、貫通孔25Aの下方に、突部21T(
図2参照)が形成されている。
図2に示すように、突部21Tは、サイド突部25と隙間を空けた位置から折畳コンテナ10の短手方向の内側に突出している。
【0012】
図1に示すように、短辺側壁11は、横長の平板11Aと、平板11Aの上端、下端及びその中間から外方へ突出した上端リブ12、下端リブ13及び中間リブ14と、を有している。また、短辺側壁11には、下端リブ13と中間リブ14との間を連絡する1対の連絡リブ15Lが形成されている。各連絡リブ15Lは、短辺側壁11の横方向の外側に向かって膨出した半円弧状になっていて、これら連絡リブ15L、下端リブ13及び中間リブ14から、折畳コンテナ10を持ち上げるときに指をかけるための持ち手部15が構成されている。
【0013】
図1及び
図4に示すように、短辺側壁11の各側縁部には、外方へ突出して貫通孔25Aに凹凸係合する突部11Tと、突部21Tと凹凸係合する切欠き11Kとが形成されている。組立状態では、1対の長辺側壁21の側縁部同士の間に各短辺側壁11が入り込み、各突部11T,21Tが貫通孔25A及び切欠き11Kと凹凸係合することで、長辺側壁21が内側に倒れることが規制される。また、短辺側壁11及び長辺側壁21の上端のリブ12,21Bには、折畳コンテナ10の開口の角部に相当する位置に、嵌合凹部10Uが形成され、折畳コンテナ10同士を段積みすると、上段側の折畳コンテナ10の段積嵌合部35が下段側の折畳コンテナ10の嵌合凹部10Uに受容されて段積み状態が安定する。
【0014】
図1に示すように、短辺側壁11には、短辺側壁11を起立姿勢に保持するためのロック部材40が組み付けられている。ロック部材40は、短辺側壁11の横方向全体に亘って延び、短辺側壁11の外面(平板11Aの外面)のうち上端リブ12と中間リブ14との間に配されている。
図4及び
図5に示すように、ロック部材40は、正面から見て、横長の帯における上縁の両端部を下方へ湾曲させてさらに延ばしたような形状になっていて、横長の前板41と、前板41の周縁部から後方に突出した周囲リブ50とを、有している。周囲リブ50の端部は、短辺側壁11の外面に当接又は近接する位置に配されている。
【0015】
また、ロック部材40には、下面より下方に突出した1対の可撓アーム55が設けられている。可撓アーム55は、互いに離れるように斜め下方に延びている。詳細には、ロック部材40の前板41の下縁部では、両側の外端部41Aより内側の中間部41Bが傾斜部41Cを挟んで上方に位置し、さらにその内側の中央部41Dが段差部41Eを介して上方に位置している。
図6に示すように、周囲リブ50のうち各中間部41Bに位置する部分には、切欠き50Kが形成され、可撓アーム55は、その切欠き50Kの中央部41D側端部寄り位置から斜め外方へ突出するようにロック部材40に一体成形されている。なお、可撓アーム55の基端部は、ロック部材40の前板41の裏側に配されている。可撓アーム55は、弾性変形した状態で短辺側壁11の中間リブ14に当接し、ロック部材40を上方に付勢している。
【0016】
図1及び
図6に示すように、短辺側壁11には、ロック部材40に前方から重なり、ロック部材40を抜け止めする規制壁16が設けられている。また、
図4に示すように、短辺側壁11には、平板21Aから突出して上下方向に延びた1対のガイド突条11Gが形成され、ロック部材40には、上面に、ガイド突条11Gを受容するガイド受容凹部40Uが形成されている。これにより、ロック部材40は、横方向にずれずに、上下方向にスライド可能になっている。
【0017】
折畳コンテナ10の組立状態でロック部材40がスライド方向の上端に配されると、ロック部材40の両端部が、長辺側壁21の側縁部のサイド突部25と突部21Tとの間(
図2参照)に挟まれ、短辺側壁11の回動が規制され、折畳コンテナ10の組立状態が維持される。そして、可撓アーム55の弾発力に抗してロック部材40が下方に押圧操作され、ロック部材40の両端部が、長辺側壁21の突部21Tよりも下方に配されると、短辺側壁11の回動が許容され、折畳コンテナ10を折畳状態にすることが可能となる。
【0018】
また、ロック部材40には、ロック部材40を押し下げ操作するときに指をかけることができるロック解除操作部43が設けられている。
図5及び
図6に示すように、ロック解除操作部43は、前板41の横方向の中央部を短辺側壁11の外面側に陥没させた凹部からなる。具体的には、ロック解除操作部43は、前板41に形成された開口43Aの開口縁から短辺側壁11の外面に向かって突出した環状リブ44と、環状リブ44の端部から内側へ張り出して短辺側壁11の外面に重なる凹部底壁45と、を有している。また、ロック解除操作部43(環状リブ44)は、正面から見て上向きの三角形に丸みをつけた形状になっていて、下側内側面が緩やかに湾曲し、上側内側面は下側内側面よりも強く湾曲している。環状リブ44の上端部は、周囲リブ50の上縁部と繋がっている。また、環状リブ44の下端部は、前板41の下縁部の中央部41Dよりも下方に位置している。
【0019】
ここで、ロック部材40の下面には、持ち手部15よりも指をかけにくい指掛け規制部60が形成されている。以下、指掛け規制部60について説明する。
図6及び
図7に示すように、指掛け規制部60は、前板41の下縁部の中央部41Dから突出し、下りながら短辺側壁11の外面へ近づいている。指掛け規制部60の端部は周囲リブ50の端部と同一面に位置し、短辺側壁11の外面に当接又は近接している。また、指掛け規制部60の下端部は、前板41の下縁部の中間部41Bよりも下方に位置し、外端部41Aと略同じ高さに位置している。
【0020】
具体的には、
図8に示すように、指掛け規制部60は、前板41から短辺側壁11(
図7参照)の外面側へ延びたのち下方へ屈曲しさらに短辺側壁11の外面側へ屈曲して延びた架空のクランクC1において上下の角部を湾曲させた形状になっている。また、上側の湾曲部60Aと下側の湾曲部60Bとは端部同士が繋がっていて、下側の湾曲部60Bの曲率半径(例えば、R5)が、上側の湾曲部60Aの曲率半径(例えば、R3)よりも大きくなっている。これにより、指掛け規制部60において水平面が連続した部分は、持ち手部15(
図7参照)の中間リブ14の水平面よりも小さくなっていて、指をかけにくくなっている。持ち手部15の中間リブ14の水平面と指掛け規制部60とは、短辺側壁11の横方向において略全体が重なっていて、上下に並んでいる。なお、持ち手部15の中間リブ14の水平面と指掛け規制部60とは、短辺側壁11の横方向において一部のみが重なっていてもよいし、重なっていなくてもよい。
【0021】
また、
図5及び
図6に示すように、指掛け規制部60とロック解除操作部43とは重なっている。この重なった部分では、指掛け規制部60がロック解除操作部43の環状リブ44の下面に連絡し、指掛け規制部60のうちロック解除操作部43の内側部分が切り欠かれている。ロック解除操作部43の下縁部は、その中央部が指掛け規制部60の下端面と面一になっていて(
図9参照)、側方に進むにつれて、指掛け規制部60との交差部が上方及び外方(短辺側壁11の外面から離れる方)へ向かっている。これにより、ロック解除操作部43の環状リブ44の下面の張り出し量が、側方へ向かうにつれて小さくなっている。なお、本実施形態では、ロック解除操作部43の下縁部の中央部が指掛け規制部60の下端面と面一になっているので、ロック解除操作部43が指掛け規制部60を分断し、指掛け規制部60がロック解除操作部43を挟んで隣接配置されていると捉えることもできる。
【0022】
本実施形態の折畳コンテナ10の構成は以上である。次に、折畳コンテナ10の作用効果について説明する。上述したように、組立状態の折畳コンテナ10において、短辺側壁11に配されたロック部材40のロック解除操作部43に指をかけて下方へ押し込むことで、ロック部材40と長辺側壁21との係合が解除され、短辺側壁11を内側へ倒すことが可能になる。
【0023】
組立状態の折畳コンテナ10は、短辺側壁11のロック部材40より下方に設けられた持ち手部15に手を掛けることで、折畳コンテナ10を持ち上げることが可能である。ここで、折畳コンテナ10を持ち上げる際に、持ち手部15ではなくロック部材40の下面に手をかけると、ロック部材40に外方へ向かうように負荷がかかり、ロック部材40が破損してしまうことが懸念される。
【0024】
これに対して、本実施形態の折畳コンテナ10では、ロック部材40の下面に、持ち手部15よりも連続した水平面が小さく指をかけにくい指掛け規制部60が設けられているので、この指掛け規制部60に指をかけて折畳コンテナ10を持ち上げようとすると、指がすべったり、指がかかる面積が小さかったりして、指をかけにくいと作業者に感じさせ、より指がかかりやすい部分(持ち手部15)に指をかけるように誘導することができる。このとき、持ち手部15が指掛け規制部60と上下に並んでいるので、指掛け規制部60に指をかけようとした作業者が持ち手部15に気づきやすくなる。
【0025】
しかも、指掛け規制部60が、折畳コンテナ10の内外方向に延びるクランクの上下の角部を湾曲させた形状で、下側の湾曲部60Bの曲率半径が上側の湾曲部60Aの曲率半径よりも大きくなっているので、短辺側壁11の外面側の端部の平坦部が小さくなり、指掛け規制部に指をかけにくくなっている。また、指掛け規制部60の端部が、短辺側壁11の外面に当接または近接する位置に配されているので、指掛け規制部60と短辺側壁11との間に指を入れて折畳コンテナ10を持ち上げることも防がれる。
【0026】
また、指掛け規制部60が、ロック部材40の横方向の中央部に配されているので、ロック部材40の下面に指をかけようとしたときに指が指掛け規制部60に配置されやすくなり、指をかけにくいと感じさせやすくなる。さらに、指掛け規制部60が、ロック解除操作部43と重なる範囲又はロック解除操作部43を挟んで隣接する位置に配されているので、ロック解除操作部43を目印にしてロック部材40の下面に指をかけようとすると指が指掛け規制部60に配されやすくなり、指をかけにくいと感じさせやすくなる。
【0027】
また、ロック解除操作部43は、下側内側面が緩やかに湾曲して指をかけやすくなっている一方、上側内側面が下側内側面よりも強く湾曲して指をかけにくくなっているので、押し下げ操作のときの下側内側面への指のかけやすさを保ちつつ、折畳コンテナ10を持ち上げるときにロック解除操作部43の上側内側面に指をかけることを防ぐことができる。さらに、ロック解除操作部43の下面(環状リブ44の下縁部の下面)に指掛け規制部60が連絡しているので、ロック解除操作部43の下面に指をかけられる部分が狭くなり、ロック解除操作部43の下面に指をかけて容器を持ち上げられることも防ぐことができる。
【0028】
また、本実施形態では、ロック部材40の下縁部において、下方へ可撓アーム55が突出した中間部41Bが、その側方(外端部41A及び指掛け規制部60の下端部)よりも上方に位置しているので、ロック部材40を最大限押し下げても中間部41Bが中間リブ14には当接しなくなる。これにより、可撓アーム55の変形量が小さくなるので可撓アーム55にかかる負荷を小さくすることができる。ここで、例えば、外端部41Aのみを中間部41Bよりも下方に配し、指掛け規制部60の下端部を中間部41Bと面一にすることも考えられるが、指掛け規制部60の下端部を中央部41Dより下方に配することで指掛け規制部60の勾配を大きくすることができ、指掛け規制部60に指をかけにくくすることができる。しかも、指掛け規制部60の上端部(前板41の中央部41D)が中間部41Bよりも上方に位置しているので、指掛け規制部60の勾配をより大きくすることができる。
【0029】
[他の実施形態]
(1)上記実施形態では、短辺側壁11が底壁30に対して回動可能になっていたが、短辺側壁11が取り外し可能な構成であってもよいし、短辺側壁11が扉のように長辺側壁21に対して回動する構成であってもよい。また、短辺側壁11がベース側壁と扉部材とを備えた扉部材付き側壁部であって、扉部材がベース側壁に対して回動する構成であってもよい。
【0030】
(2)指掛け規制部60は、全体又は一部が斜め下方に傾斜した構成であってもよく、指掛け規制部60の最下端部に水平面が設けられていなくてもよい。また、指掛け規制部60は、段差を介して複数の水平面を備えたクランク状又は階段状等であってもよい。
【0031】
(3)上記実施形態では、指掛け規制部60が、折畳コンテナ10の内外方向に延びたクランクを湾曲させた形状であったが、上下方向に延びたクランクを湾曲させた形状であってもよい。
【0032】
(4)指掛け規制部60は、全ての角部において、外面側と内面側の両方を湾曲させた構成であってもよいし、少なくとも外面側を湾曲させた構成であってもよい。
【0033】
(5)上記実施形態では、ロック部材40は押し下げ操作される構成であったが、押し上げ操作される構成であってもよいし、左右方向にスライド操作されたり、回動される構成であってもよい。
【0034】
(6)ロック解除操作部43が、指掛け規制部60と重ならず、指掛け規制部60の全体よりも上方に配されていてもよい。
【0035】
(7)ロック解除操作部43は正面視四角形状であってもよい。また、ロック解除操作部43は上方に開口していてもよいし、折畳コンテナ10の内外方向で貫通していてもよい。
【0036】
(8)持ち手部15は、指掛け規制部60の下方に配されていなくてもよく、指掛け規制部60の上方や側方に配されていてもよいし、長辺側壁21に配されていてもよい。
【0037】
<付記>
以下、上記実施形態から抽出される特徴群について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお、以下では、理解の容易のため、上記実施形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、これら特徴群は、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
【0038】
[特徴1]
容器(折畳コンテナ10)の一側壁(短辺側壁11)の少なくとも一部である可動壁部(短辺側壁11)の外面に備えられたロック部材(ロック部材40)が移動操作されると、前記可動壁部が取り外し又は回動可能になる容器において、
容器を持ち上げるための持ち手部(持ち手部15)と、
前記ロック部材の下面に配され、前記可動壁部の外面寄り位置まで下る指掛け規制部(指掛け規制部60)と、を備え、
前記指掛け規制部の最下端部は、前記持ち手部よりも、容器の内外方向において、水平部分の長さが短くなっている容器。
【0039】
特徴1の容器によれば、ロック部材の指掛け規制部に指をかけて容器を持ち上げようとすると、指がすべったり、指がかかる面積が小さかったりして、指をかけにくいと感じさせ、より指をかけやすい持ち手部に指をかけるように誘導することができる。
【0040】
[特徴2]
前記ロック部材には、容器の外側方へ開口して指を掛けることが可能なロック解除操作部(ロック解除操作部43)が設けられ、
前記指掛け規制部は、前記可動壁部の横方向において前記ロック解除操作部と重なる範囲又は前記ロック解除操作部を挟んで隣接する位置に配されている特徴1に記載の容器。
【0041】
特徴2の容器によれば、指掛け規制部は、可動壁部の横方向において、ロック解除操作部と重なる範囲又はロック解除操作部を挟んで隣接する位置に配されているので、ロック解除操作部を目印にしてロック部材の下面に指をかけようとすると指が指掛け規制部に配されやすくなり、指をかけにくいと感じさせやすくなる。
【0042】
[特徴3]
前記ロック解除操作部は、容器の外側方へ開放した環状のリブ(環状リブ44)を有し、
正面から見て、前記リブの下縁部は、前記指掛け規制部と重なり、
前記リブの下面における、容器の内外方向での途中部分に前記指掛け規制部が連絡している特徴2に記載の容器。
【0043】
特徴3の容器によれば、ロック解除操作部のリブの下面に指をかけられる部分が狭くなるので、ロック解除操作部のリブに指をかけて容器を持ち上げられることも防ぐことができる。
【0044】
[特徴4]
前記ロック部材の下面には、前記指掛け規制部の隣に、隣接水平部(中間部41B)が設けられ、
前記指掛け規制部の下端は、前記隣接水平部よりも下方に位置する特徴1に記載の容器。
【0045】
特徴4の容器によれば、指掛け規制部の下端がその隣の隣接水平部よりも下方に位置するので、指掛け規制部の勾配が大きくなり、指をよりかけにくくなる。
【0046】
[特徴5]
前記指掛け規制部の上端は、前記隣接水平部よりも上方に位置する特徴4に記載の容器。
【0047】
特徴5の容器によれば、指掛け規制部の勾配をさらに大きくすることができる。
【0048】
[特徴6]
前記可動壁部のロックの解除は、前記ロック部材が押し下げ操作されることで行われ、
前記ロック部材は、前記隣接水平部から又は前記隣接水平部の後方を通って下方に突出して下端部が前記可動壁部の外面に設けられた水平リブに当接し、前記ロック部材を上方へ付勢するためのバネ片(可撓アーム55)を備える特徴4に記載の容器。
【0049】
特徴6の容器によれば、下方へバネ片が突出した隣接水平部よりも下方に指掛け規制部の下端が配されることとなるので、ロック部材を最大限押し下げても隣接水平部が水平リブに当接しなくなる。これにより、バネの変形量が小さくなるので、バネ片にかかる負荷を軽減することできる。
【0050】
[特徴7]
前記指掛け規制部は、前記可動壁部の外面側へ延びたのち下方へ屈曲しさらに前記可動壁部の外面側へ屈曲して延びた架空のクランクにおいて上下の角部を湾曲させかつその湾曲部同士をつなげた形状になっていて、下側の湾曲部(下側の湾曲部60B)の曲率半径が、上側の湾曲部(上側の湾曲部60A)の曲率半径よりも大きくなっている特徴1から6の何れか1の特徴に記載の容器。
【0051】
特徴7の容器によれば、下側の湾曲部の曲率半径が大きくなっているので、可動壁部の外面側の端部の平坦部が小さくなり、指掛け規制部に指をかけにくくなる。
【0052】
なお、本明細書及び図面には、特許請求の範囲に含まれる技術の具体例が開示されているが、特許請求の範囲に記載の技術は、これら具体例に限定されるものではなく、具体例を様々に変形、変更したものも含み、また、具体例から一部を単独で取り出したものも含む。
【符号の説明】
【0053】
10 折畳コンテナ
11 短辺側壁
15 持ち手部
40 ロック部材
41 前板
43 ロック解除操作部
44 環状リブ
50 周囲リブ
55 可撓アーム
60 指掛け規制部