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特開2024-98326車両検出システム、及び、車両検出方法
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  • 特開-車両検出システム、及び、車両検出方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024098326
(43)【公開日】2024-07-23
(54)【発明の名称】車両検出システム、及び、車両検出方法
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/015 20060101AFI20240716BHJP
   G01V 1/00 20240101ALI20240716BHJP
【FI】
G08G1/015 A
G01V1/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023001768
(22)【出願日】2023-01-10
(71)【出願人】
【識別番号】720009479
【氏名又は名称】オンキヨー株式会社
(72)【発明者】
【氏名】中山 由美子
(72)【発明者】
【氏名】大黒 智貴
【テーマコード(参考)】
2G105
5H181
【Fターム(参考)】
2G105AA01
2G105BB01
2G105EE02
2G105HH08
5H181AA02
5H181AA03
5H181AA05
5H181CC27
5H181DD01
(57)【要約】
【課題】車両を検出するための学習モデルを、時間・場所・コスト等の制約少なく、作成可能とすること。
【解決手段】車両検出システムは、車両が移動する移動対象に生じる振動を測定する振動センサーと、制御部と、を備える。制御部は、振動センサーによって測定された、2つ以上の学習用振動データを合成し、2つ以上の学習用振動データを合成した学習用合成データに基づいて、学習モデルを作成し、作成した学習モデルと、振動センサーによって測定された振動データと、に基づいて、車両を検出する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つ以上の学習用測定データを合成し、
前記2つ以上の学習用測定データを合成した学習用合成データに基づいて、学習モデルを作成し、
作成した前記学習モデルと測定データとに基づいて、車両を検出することを特徴とする車両検出システム。
【請求項2】
前記学習用測定データ及び前記測定データは、振動データであることを特徴とする請求項1に記載の車両検出システム。
【請求項3】
前記車両が移動する移動対象に生じる振動を測定し、
測定した振動データを前記学習用測定データとして用いることを特徴とする請求項1に記載の車両検出システム。
【請求項4】
所定数の前記車両が移動する移動対象に生じる振動を測定し、
測定した振動データを前記学習用測定データとして用いることを特徴とする請求項1に記載の車両検出システム。
【請求項5】
前記車両が移動する移動対象に生じる振動を測定し、
測定した振動データから振動ピークを抽出し、
抽出した前記振動ピークを前記学習用測定データとして用いることを特徴とする請求項1に記載の車両検出システム。
【請求項6】
所定数の前記車両が移動する移動対象に生じる振動を測定し、
測定した振動データから振動ピークを抽出し、
抽出した前記振動ピークを前記学習用測定データとして用いることを特徴とする請求項1に記載の車両検出システム。
【請求項7】
前記車両が通行する複数車線道路の各車線に生じる振動を測定し、
測定した各車線の振動データから振動ピークを抽出し、
抽出した各車線の前記振動ピークを前記学習用測定データとして用いることを特徴とする請求項1に記載の車両検出システム。
【請求項8】
2つ以上の学習用測定データのうち、一方の前記学習用測定データに対して、他方の前記学習用測定データを所定時間ずらして合成することを特徴とする請求項1に記載の車両検出システム。
【請求項9】
作成した前記学習モデルと測定データとに基づいて、車両の台数を検出することを特徴とする請求項1に記載の車両検出システム。
【請求項10】
作成した前記学習モデルと測定データとに基づいて、車両の種別を検出することを特徴とする請求項1に記載の車両検出システム。
【請求項11】
センサーと、
制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記センサーによって測定された、2つ以上の学習用測定データを合成し、
前記2つ以上の学習用測定データを合成した学習用合成データに基づいて、学習モデルを作成し、
作成した前記学習モデルと、前記センサーによって測定された測定データと、に基づいて、車両を検出することを特徴とする車両検出システム。
【請求項12】
車両が移動する移動対象に生じる振動を測定する振動センサーと、
制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記振動センサーによって測定された、2つ以上の学習用振動データを合成し、
前記2つ以上の学習用振動データを合成した学習用合成データに基づいて、学習モデルを作成し、
作成した前記学習モデルと、前記振動センサーによって測定された振動データと、に基づいて、車両を検出することを特徴とする車両検出システム。
【請求項13】
2つ以上の学習用測定データを合成し、
前記2つ以上の学習用測定データを合成した学習用合成データに基づいて、学習モデルを作成し、
作成した前記学習モデルと測定データとに基づいて、車両を検出することを特徴とする車両検出方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両を検出する車両検出システム、及び、車両検出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
出願人は、振動センサーを用いて、車両等の移動体を検出する発明を出願している(特許文献1参照。)。この特許出願に係る発明のように、振動センサーを用いて、車両の台数を検出する場合、例えば、振動センサーにより車両による振動を測定(取得)し、振動センサーにより測定(取得)した車両通過時振動データ(学習用測定データ、学習用振動データ)に対し、ピーク検出を行い、ピーク部分を学習した学習モデルを作成する。そして、作成した学習モデルと振動データ(測定データ)とに基づいて、車両の台数を検出する。
【0003】
このような車両検出において、精度を向上させるためには、例えば、二車線道路の場合、振動センサーが設置された場所からみて、手前車線を通行する車両と、奥車線を通行する車両とが、重なっている場合のピークについても、学習に加える必要がある。しかしながら、例えば、手前車線を通行する車両と、奥車線を通行する車両とが、重なっているデータを取得しようとする場合、時間・場所・コストの制約、取得できるデータ量が限られるといった問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2022-022822号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述したように、学習モデルを作成するために、学習用の測定データが必要となるが、時間・場所・コスト等の種々の制限がある。
【0006】
本発明の目的は、車両を検出するための学習モデルを、時間・場所・コスト等の制約少なく、作成可能とすることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の発明の車両検出システムは、2つ以上の学習用測定データを合成し、前記2つ以上の学習用測定データを合成した学習用合成データに基づいて、学習モデルを作成し、作成した前記学習モデルと測定データとに基づいて、車両を検出することを特徴とする。
【0008】
本発明では、車両検出システムは、2つ以上の学習用測定データを合成した学習用合成データに基づいて、学習モデルを作成する。そして、車両検出システムは、作成した学習モデルと測定データに基づいて、車両を検出する。これにより、車両を検出するための学習モデルを、時間・場所・コスト等の制約少なく、作成することができる。
【0009】
第2の発明の車両検出システムは、第1の発明の車両検出システムにおいて、前記学習用測定データ及び前記測定データは、振動データであることを特徴とする。
【0010】
第3の発明の車両検出システムは、第1の発明の車両検出システムにおいて、前記車両が移動する移動対象に生じる振動を測定し、測定した振動データを前記学習用測定データとして用いることを特徴とする。
【0011】
第4の発明の車両検出システムは、第1の発明の車両検出システムにおいて、所定数の前記車両が移動する移動対象に生じる振動を測定し、測定した振動データを前記学習用測定データとして用いることを特徴とする。
【0012】
本発明では、車両検出システムは、所定数の車両が移動する移動対象(例えば、道路等)に生じる振動を測定し、測定した振動データを学習用測定データとして用いる。例えば、1台の車両(所定数の車両)の振動データが、学習用測定データとして用いられ、合成される。これにより、2台の車両の振動データを測定することなく、2台の車両の学習モデルを作成することができる。
【0013】
第5の発明の車両検出システムは、第1の発明の車両検出システムにおいて、前記車両が移動する移動対象に生じる振動を測定し、測定した振動データから振動ピークを抽出し、抽出した前記振動ピークを前記学習用測定データとして用いることを特徴とする。
【0014】
第6の発明の車両検出システムは、第1の発明の車両検出システムにおいて、所定数の前記車両が移動する移動対象に生じる振動を測定し、測定した振動データから振動ピークを抽出し、抽出した前記振動ピークを前記学習用測定データとして用いることを特徴とする。
【0015】
第7の発明の車両検出システムは、第1の発明の車両検出システムにおいて、前記車両が通行する複数車線道路の各車線に生じる振動を測定し、測定した各車線の振動データから振動ピークを抽出し、抽出した各車線の前記振動ピークを前記学習用測定データとして用いることを特徴とする。
【0016】
本発明では、車両検出システムは、車両が通行する複数車線道路の各車線に生じる振動を測定し、測定した各車線の振動データから振動ピークを抽出し、抽出した各車線の振動ピークを学習用測定データとして用いる。これにより、各車線を通行する車両が重なった場合の振動ピークを人工的に作成することができる。従って、各車線を通行する車両による振動ピークが最低1つずつあれば、各車線を通行する車両が重なった場合の振動ピークを生成できるため、実測と比較して、時間・場所・コストを削減することができる。また、振動ピークをずらしながら合成(重複)させることで学習データを増やすことができる。
【0017】
第8の発明の車両検出システムは、第1の発明の車両検出システムにおいて、2つ以上の学習用測定データのうち、一方の前記学習用測定データに対して、他方の前記学習用測定データを所定時間ずらして合成することを特徴とする。
【0018】
第9の発明の車両検出システムは、第1の発明の車両検出システムにおいて、作成した前記学習モデルと測定データとに基づいて、車両の台数を検出することを特徴とする。
【0019】
第10の発明の車両検出システムは、第1の発明の車両検出システムにおいて、作成した前記学習モデルと測定データとに基づいて、車両の種別を検出することを特徴とする請求項1に記載の車両検出システム。
【0020】
第11の発明の車両検出システムは、センサーと、制御部と、を備え、前記制御部は、前記センサーによって測定された、2つ以上の学習用測定データを合成し、前記2つ以上の学習用測定データを合成した学習用合成データに基づいて、学習モデルを作成し、作成した前記学習モデルと、前記センサーによって測定された測定データと、に基づいて、車両を検出することを特徴とする。
【0021】
第12の発明の車両検出システムは、車両が移動する移動対象に生じる振動を測定する振動センサーと、制御部と、を備え、前記制御部は、前記振動センサーによって測定された、2つ以上の学習用振動データを合成し、前記2つ以上の学習用振動データを合成した学習用合成データに基づいて、学習モデルを作成し、作成した前記学習モデルと、前記振動センサーによって測定された振動データと、に基づいて、車両を検出することを特徴とする。
【0022】
第13の発明の車両検出方法は、2つ以上の学習用測定データを合成し、前記2つ以上の学習用測定データを合成した学習用合成データに基づいて、学習モデルを作成し、作成した前記学習モデルと測定データとに基づいて、車両を検出することを特徴とする。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、車両を検出するための学習モデルを、時間・場所・コスト等の制約少なく、作成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】振動センサーを示す図である。
図2図1の破線部A内部を示す模式図である。
図3】振動ピークを合成する場合の車両検出システムの処理動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施形態について説明する。本発明の実施形態に係る車両検出システムは、例えば、車両の台数を検出(計数)し、また、車両の種別を検出する。車両は、例えば、自動車、バイク、自転車等である。車両検出システムは、車両の種別として、例えば、自動車、バイク、自転車等を検出し、自動車においては、さらに、大型車、小型車を検出する。
【0026】
車両検出システムは、例えば、振動センサー、パーソナルコンピューター(PC)等により構成される。PCの制御部として機能するCPU(Central Processing Unit)は、車両を検出するためのプログラムに従って、種々の処理を実行する。なお、車両検出システムは、1つの装置から構成されていてもよいし、2以上の装置から構成されていてもよい。また、振動センサーによって測定された振動データに基づく車両の検出は、例えば、(クラウド)サーバーによって行われるようになっていてもよい。なお、以下で説明する処理等は、基本的に制御部によって実行されるが、「制御部は、~する。」という「~する」処理において、「制御部は」の文言を省略している場合がある。また、「車両検出システムは、~する」と表現する場合がある。
【0027】
図1は、振動センサー101を示す図である。図2は、図1の破線部A内部を示す模式図である。振動センサー101は、例えば、車両が通行する道路等に設置される。振動センサー101が道路に設置される場合、道路が、車両が移動する移動対象となる。振動センサー101は、道路等の移動対象に生じる振動を測定し、測定した振動を振動データ(測定データ)として、PC等に出力する。
【0028】
図2に示すように、筐体102の内部に、錘104、ピエゾ(圧電)素子103が配置されている。筐体102は、中空の略円筒形状である。筐体102の下面(底面)には、略錐形状の突出部102aが設けられている。突出部102aが道路等の移動対象に接触する部分である。ピエゾ素子103は、圧電体に加えられた力を電圧に変換する。ピエゾ素子103は、例えば、扁平な略円盤状である。ピエゾ素子103は、筐体102の内部の最下部に配置されている。錘104は、ピエゾ素子103に電圧を発生させるためのものである。錘104は、ピエゾ素子103と並べて配置されている。具体的には、錘104は、ピエゾ素子103の上に並べて配置されている。錘104は、筐体102の内壁に沿って、上下方向(重力方向)に移動可能となっている。
【0029】
本実施形態では、車両が移動対象を移動したときに移動対象に発生する振動が測定され、測定された振動データに基づいて、学習モデルが作成される。例えば、学習モデルを作成するための1台の車両による振動データが測定される。学習モデルを作成するため、2つの、1台の車両による振動データ(学習用測定データ、学習用振動データ)が合成される。
【0030】
上述した合成データ(学習用合成データ)に基づいて、学習が行われ、学習モデルが作成される。そして、作成された学習モデルと、振動センサー101によって測定された振動データと、に基づいて、車両が検出される。具体的には、作成された学習モデルと振動データと、に基づいて、車両の台数が検出される。また、作成された学習モデルと、振動データと、に基づいて、車両の種別が検出される。
【0031】
なお、ここでは、2つの、1台の車両による振動データ(学習用測定データ、学習用振動データ)が合成される場合について説明したが、3つ以上の、1台の車両による振動データ(学習用測定データ、学習用振動データ)が合成されてもよい。また、2台以上の車両による振動データが測定され、測定された2台以上の車両による振動データが合成されてもよい。
【0032】
具体的には、本実施形態では、車両が移動する移動対象に生じる振動が測定され、測定された振動データから振動ピークが抽出され、抽出された振動ピークが、学習モデルを作成するための、学習用測定(振動)データとして用いられる。まず、例えば、二車線道路において、振動センサーの設置場所からみて、手前車線を通行する車両の振動が測定される。また、奥車線を通行する車両の振動が測定される。そして、これらの振動データから、振動ピークが抽出される。
【0033】
上述のように、例えば、車両検出システムを構成するPCには、車両を検出するためのプログラムがインストールされている。振動センサー101が、所定の設置場所に設置された後、上述のプログラムに従って、振動センサー101による振動データの測定等が実施される。すなわち、PCの制御部は、振動センサー101に対し、振動の測定を指示し、振動センサー101は、この指示に従って、振動を測定する。次に、振動センサー101は、測定した振動データをPCに出力する。PCの制御部は、振動センサー101から出力された振動データに基づいて、上述の振動ピークの抽出、以下に説明する振動データ(振動ピーク)の合成を行う。PCの制御部は、合成した振動データに基づいて、学習モデルを作成する。
【0034】
また、PCの制御部は、車両の検出においては、振動センサー101が、所定の設置場所に設置された後、振動センサー101に対し、振動の測定を指示し、振動センサー101は、この指示に従って、振動を測定する。次に、振動センサー101は、測定した振動データをPCに出力する。PCの制御部は、振動センサー101から出力された振動データと学習モデルとに基づいて、車両の検出を行う。
【0035】
以下、手前車線を通行する車両と奥車線を通行する車両とが重なり合った場合の振動ピークを合成により生成する場合について、図3に示すフローチャートに基づいて説明する。
【0036】
以下の説明では、手前車線を通行する車両による振動ピークをピークA、奥車線を通行する車両による振動ピークをピークBとする。なお、いずれをピークA、ピークBとするかは、特に問題ではない。また、合成する振動ピークは、2つに限られず、3つ以上の複数であってもよい。さらに、ここでは、二車線道路の例を説明するが、三車線以上の複数車線道路において、手前車線、奥車線、その間の車線を通行する車両による振動データに基づく振動ピークが、合成されてもよい。また、以下では、振動ピークの長さは、2秒である。
【0037】
まず、車両検出システムは、ピークA、ピークB、定数Xを設定する(S1)。ピークA、ピークBは、予め、振動データから抽出され、ユーザーによって、入力される。車両検出システムは、入力されたピークA、ピークBを設定する。また、定数Xは、ピークが合成されるときに、何秒間ずらして合成されるかを示す定数であり、ユーザーによって入力される。車両検出システムは、入力された定数Xを設定する。次に、車両検出システムは、カウンタ変数iを0で初期化する(i←0)(S2)。このカウンタ変数iには、ピークの合成時にスライドした(ずらした)時間が加算される。
【0038】
次に、車両検出システムは、ピークAを複製し、ピークA’を作成する(S3)。次に、車両検出システムは、ピークBを定数Xで示す秒数スライドし、iにXを加算する(S4)。次に、車両検出システムは、X秒スライドしたピークBをピークA’に合成する(S5)。次に、車両検出システムは、ピークBを合成したピークA’を保存する(S6)。次に、車両検出システムは、i>2.0であるか否かを判断する(S7)。ピークの時間は、2秒であるため、これを超えていれば、合成される対象がないため、i>2.0であるか否かが判断される。
【0039】
車両検出システムは、i>2.0ではないと判断した場合(S7:No)、S3の処理を実行する。車両検出システムは、i>2.0であると判断した場合(S7:Yes)、処理を終了する。
【0040】
以上説明したように、本実施形態では、車両検出システムは、2つ以上の学習用測定データを合成した学習用合成データに基づいて、学習モデルを作成する。そして、車両検出システムは、作成した学習モデルと測定データに基づいて、車両の数を検出する。これにより、車両を検出するための学習モデルを、時間・場所・コスト等の制約少なく、作成することができる。
【0041】
また、本実施形態では、車両検出システムは、所定数の車両が移動する移動対象(例えば、道路等)に生じる振動を測定し、測定した振動データを学習用測定データとして用いる。例えば、1台の車両(所定数の車両)の振動データが、学習用測定データとして用いられ、合成される。これにより、2台の車両の振動データを測定することなく、2台の車両の学習モデルを作成することができる。
【0042】
また、本実施形態では、車両検出システムは、車両が通行する複数車線道路の各車線に生じる振動を測定し、測定した各車線の振動データから振動ピークを抽出し、抽出した各車線の振動ピークを学習用測定データとして用いる。これにより、各車線を通行する車両が重なった場合の振動ピークを人工的に作成することができる。従って、各車線を通行する車両による振動ピークが最低1つずつあれば、各車線を通行する車両が重なった場合の振動ピークを生成できるため、実測と比較して、時間・場所・コストを削減することができる。また、振動ピークをずらしながら合成(重複)させることで学習データを増やすことができる。
【0043】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明を適用可能な形態は、上述の実施形態には限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更を加えることが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0044】
本発明は、車両を検出する車両検出システム、及び、車両検出方法に好適に採用され得る。
【符号の説明】
【0045】
101 振動センサー
102 筐体
102a 突出部
103 ピエゾ素子
104 錘
図1
図2
図3