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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024098340
(43)【公開日】2024-07-23
(54)【発明の名称】包装箱
(51)【国際特許分類】
   B65D 5/355 20060101AFI20240716BHJP
   B65D 5/10 20060101ALI20240716BHJP
   B65D 5/468 20060101ALI20240716BHJP
【FI】
B65D5/355
B65D5/10 D
B65D5/468 100
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023001791
(22)【出願日】2023-01-10
(71)【出願人】
【識別番号】000122298
【氏名又は名称】王子ホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小林 昌弘
(72)【発明者】
【氏名】小松 正行
(72)【発明者】
【氏名】袴田 佳孝
(72)【発明者】
【氏名】岩本 祥
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 麻美
【テーマコード(参考)】
3E060
【Fターム(参考)】
3E060AA03
3E060AB05
3E060BA03
3E060BB02
3E060BB03
3E060BC02
3E060CA01
3E060CA12
3E060CA23
3E060DA13
3E060EA12
(57)【要約】
【課題】育ち具合や生産地等によって大きさが変化する青果物等を上手く収納するための包装箱を提供する。
【解決手段】本発明は、一対の第1側壁部11a、11bと、一対の第2側壁部12a、12bと、一対の第1天面フラップ部21a、21bと、一対の第2天面フラップ部22a、22bと、底壁部30と、を含み、一対の第1天面フラップ部21a、21bおよび一対の第2天面フラップ部22a、22bで回転止めすることによって、直方体形状を呈している包装箱10であって、一対の第1天面フラップ部21a、21bおよび一対の第2天面フラップ部22a、22bにはそれぞれ、上辺よりも先縁側に上辺に平行に追加罫線AL1、AL2が形成されおり、さらに、形成された罫線よりも先縁側にハの字状または逆ハの字状に補助罫線SL1、SL2が形成されている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対向する一対の第1側壁部と、
前記第1側壁部と直交する方向に対向する一対の第2側壁部と、
前記一対の第1側壁部の上辺からそれぞれ延びて第1側壁部と直交する一対の第1天面フラップ部と、
前記一対の第2側壁部の上辺からそれぞれ延びて第2側壁部と直交する一対の第2天面フラップ部と、
前記一対の第1天面フラップ部および前記一対の第2天面フラップ部に対向する底壁部と、を含み、
前記一対の第1天面フラップ部それぞれの端部で前記第2天面フラップ部を挟み、前記一対の第2天面フラップ部それぞれの端部で前記第1天面フラップ部を挟むように、前記一対の第1天面フラップ部および前記一対の第2天面フラップ部で回転止めすることによって、直方体形状を呈している包装箱であって、
前記一対の第1天面フラップ部および前記一対の第2天面フラップ部にはそれぞれ、前記上辺よりも先縁側に前記上辺に平行に追加罫線が形成されおり、
前記一対の第1天面フラップ部および前記一対の第2天面フラップ部にはそれぞれ、前記形成された罫線よりも先縁側にハの字状または逆ハの字状に補助罫線が形成されていることを特徴とする包装箱。
【請求項2】
前記第1側壁部には、空気孔が形成されており、
前記第2側壁部には、持ち手孔が形成されており、
前記底壁部には、水抜き孔が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の包装箱。
【請求項3】
前記追加罫線および/または前記補助罫線は、リード罫であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の包装箱。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包装箱に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、野菜、果物等の青果物を含む物品の陳列や競りなどにおいて、段ボール箱などの包装箱(以下、単に包装箱ともいう)が、広く使用されている。
【0003】
このような包装箱としては、左右方向に交互に連接する一対の第1側面パネル及び一対の第2側面パネルを備え、第1側面パネルおよび第2側面パネルの上縁からそれぞれ延出した蓋フラップを突き合わせて封函テープを貼着することで封函するものが公知である一方、封函テープを用いることなく蓋部を形成できるものも知られている。例えば、特許文献1には、第1フラップから第4フラップを反時計回りに折り曲げていくことで蓋部を形成する構成において、第2フラップの右側(第3フラップ側)に第3フラップの方へ延伸する突起部を形成すると共に、この突起部を差し込むための係止用穴を第3フラップに設けるものが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2015-168455号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、青果物等の物品は育ち具合や生産地等によって大きさが変化するところがあり、包装箱に収納しようとすると、包装箱の天面から上方にはみ出る可能性があり、当該天面側に向いている青果物の面が汚損するおそれが考えられ、また、青果物の変化する大きさに合わせるように大きさの異なる包装箱を用意しようとすると、コストや保管場所の増大が予想される。しかしながら、特許文献1に記載されている段ボール箱では、これらの点について十分に考慮されていないので、育ち具合や生産地等によって大きさが変化する青果物等を収納するための包装箱の構造について依然として改善の余地がある。
【0006】
本発明の目的は、育ち具合や生産地等によって大きさが変化する青果物等を上手く収納するための包装箱を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る包装箱の第1形態は、対向する一対の第1側壁部と、前記第1側壁部と直交する方向に対向する一対の第2側壁部と、前記一対の第1側壁部の上辺からそれぞれ延びて第1側壁部と直交する一対の第1天面フラップ部と、前記一対の第2側壁部の上辺からそれぞれ延びて第2側壁部と直交する一対の第2天面フラップ部と、前記一対の第1天面フラップ部および前記一対の第2天面フラップ部に対向する底壁部と、を含み、前記一対の第1天面フラップ部それぞれの端部で前記第2天面フラップ部を挟み、前記一対の第2天面フラップ部それぞれの端部で前記第1天面フラップ部を挟むように、前記一対の第1天面フラップ部および前記一対の第2天面フラップ部で回転止めすることによって、直方体形状を呈している包装箱であって、前記一対の第1天面フラップ部および前記一対の第2天面フラップ部にはそれぞれ、前記上辺よりも先縁側に前記上辺に平行に追加罫線が形成されおり、前記一対の第1天面フラップ部および前記一対の第2天面フラップ部にはそれぞれ、前記形成された罫線よりも先縁側にハの字状または逆ハの字状に補助罫線が形成されていることを特徴とするものである。
【0008】
本発明に係る包装箱の第2形態は、前記第1側壁部には、空気孔が形成されており、前記第2側壁部には、持ち手孔が形成されており、前記底壁部には、水抜き孔が形成されていることを特徴とする第1形態として記載のものである。
【0009】
本発明に係る包装箱の第3形態は、前記追加罫線および/または前記補助罫線は、リード罫であることを特徴とする第1形態または第2形態として記載のものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、包装箱の天面フラップ部に上記の追加罫線および補助罫線を設けることによって、育ち具合や生産地等によって大きさが変化する青果物等を上手く収納することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の第1実施形態に係る、青果物が収容された通常時の包装箱の斜視図である。
図2】本発明の第1実施形態に係る、青果物が収容された満杯時の包装箱の斜視図である。
図3】本発明の第1実施形態に係る包装箱を展開したブランクの平面図である。
図4】本発明の第1実施形態に係る、追加罫線に対する補助罫線の傾斜角の好適な範囲について説明するための平面図である。
図5】本発明の第2実施形態に係る、青果物が収容された通常時の包装箱の斜視図である。
図6】本発明の第2実施形態に係る、青果物が収容された満杯時の包装箱の斜視図である。
図7】本発明の第2実施形態に係る包装箱を展開したブランクの平面図である。
図8】本発明の第2実施形態に係る、追加罫線に対する補助罫線の傾斜角の好適な範囲について説明するための平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照しながら本発明を実施するための形態を詳細に説明する。但し、本発明は本形態の態様に限定されるものではない。
【0013】
なお、本明細書および特許請求の範囲の記載において、「天面」および「底面」とは、包装箱によって画成された面を指すものとして参照される。但し、これらの用語はあくまで便宜上のものであり、重力方向における絶対的な位置を規定するものではないことは勿論である。また、「上」、「下」などの用語についても同様である。
【0014】
また、本明細書および特許請求の範囲の記載において、「矩形」とは、長方形、略長方形のほか正方形や略正方形を含むものであり、「直方体」とは、直方体、略直方体のほか立方体や略立方体を含むものである。さらに、本明細書および特許請求の範囲の記載において、「平行」とは、平行のほか略平行を含むものであり、「直交」とは、直交のほか略直交を含むものである。
【0015】
本明細書において、「青果物が収容された通常時の包装箱」の「通常時」とは、包装箱10の側壁部11a、11b、12a、12bの上辺L5、L6において天面フラップ部21a、21b、22a、22bを折り曲げたときに、包装箱10の胴部に青果物Mが収まる時を表す(図1を参照)。また、本明細書において、「青果物が収容された満杯時の包装箱」の「満杯時」とは、包装箱10の側壁部11a、11b、12a、12bの上辺L5、L6において天面フラップ部21a、21b、22a、22bを折り曲げたときに、包装箱10の胴部に青果物Mが入りきらず、天面フラップ部21a、21b、22a、22bを追加罫線AL1、AL2において折り曲げたときに、包装箱10に収容される時を表し、当該「満杯時」においては、補助罫線SL1、SL2において天面フラップ部21a、21b、22a、22bを折り曲げている(図2を参照、詳細は後述)。
【0016】
<第1実施形態>
<構造>
図1は本発明の第1実施形態に係る、青果物が収容された通常時の包装箱の斜視図であり、図2は本実施形態に係る、青果物が収容された満杯時の包装箱の斜視図であり、図3は本実施形態に係る包装箱を展開したブランクの平面図である。図1および図2中、包装箱10に収容されている青果物Mは、説明の便宜上、2点鎖線で表している。
【0017】
本発明に係る包装体は、包装箱10に、物品Mを収容して構成される。物品Mは、本発明の効果が発現される限り、どのような物品であっても良い。収容される物品Mは、例えば、野菜、果物等の青果物、さらに具体的には、白菜、キャベツ、大根が挙げられる。本発明の目的の1つとして、作物が育ちすぎた際、規程数量をいれると蓋が閉まらなくなる場合に備えたものである。本実施形態では、物品Mは白菜であり、図1および図2に示すように、包装箱10には、3個2列の計6個の白菜Mが収容されている。また、包装箱10は、段ボール箱である。青果物を収容する場合、重量があることを考慮して、頑丈な厚みを持つ段ボール箱が好ましい。図1および図2では、説明の便宜上、白菜Mが包装箱10から透けて見えるように示されているが、天面フラップ部については、後述の追加罫線AL1、AL2や補助罫線SL1、SL2と区別を付け易くするため、透けないように示している。
【0018】
農産物の箱は、基本的に収容物品の重さが基準であり、本発明に係る包装箱10は、例えば、15kgのケースである。白菜Mの成長しすぎとは、例えば、白菜M1個の大きさが少し大きくなっており、例えばいわゆるLサイズがL+サイズくらいになったものである。本発明に係る包装箱10は、例えば、通常Lサイズ6個入れ(15kgくらい)を封緘してちょうどいいサイズのところ、1個1個のサイズが少しずつ大きくなって、包装箱の中で白菜を2段積むとうまく封緘できていない現状に対応したものである。
【0019】
本実施形態に係る包装箱10は、補助罫線付き高さ可変ケースであり、より具体的には、図1から図3に示すように、対向する一対の第1側壁部11a、11bと、第1側壁部11a、11bと直交する方向に対向する一対の第2側壁部12a、12bと、一対の第1側壁部11a、11bの上辺L5からそれぞれ延びて第1側壁部11a、11bと直交する一対の第1天面フラップ部21a、21bと、一対の第2側壁部12a、12bの上辺L6からそれぞれ延びて第2側壁部12a、12bと直交する一対の第2天面フラップ部22a、22bと、一対の第1天面フラップ部21a、21bおよび一対の第2天面フラップ部22a、22bに対向する底壁部30と、を含み、一対の第1天面フラップ部21a、21bそれぞれの端部で第2天面フラップ部22a、22bを挟み、一対の第2天面フラップ部22a、22bそれぞれの端部で第1天面フラップ部21a、21bを挟むように、一対の第1天面フラップ部21a、21bおよび一対の第2天面フラップ部22a、22bで回転止めすることによって、直方体形状を呈しているものであって、一対の第1天面フラップ部21a、21bおよび一対の第2天面フラップ部22a、22bにはそれぞれ、上辺よりも先縁側に上辺に平行に追加罫線AL1、AL2が形成されおり、一対の第1天面フラップ部21a、21bおよび一対の第2天面フラップ部22a、22bにはそれぞれ、形成された罫線よりも先縁側にハの字状に補助罫線SL1、SL2が形成されている。
【0020】
補助罫線は、追加罫線に対して角度をつけて2本(以上)設ける。補助罫線SL1、SL2については、本実施形態では1つの天面フラップ部につき2本であるが、本発明ではこの限りではなく、1本の補助罫線を追加してもよい。この場合、追加する補助罫線も、追加罫線AL1、AL2に対して傾斜するものとする。また、本実施形態では、補助罫線SL1、SL2は、天面フラップ部の中心を通り上辺L5、L6に対して直交する直線を基準にして線対称となっているが本発明では、非対称であってもよい。しかし、本発明の効果を奏する上では、線対称が好ましい。後述の第2実施形態でも同様である。
【0021】
また、本実施形態に係る包装箱10では、底壁部30は、図1から図3に示すように、一対の外側の第1底面フラップ部31a、31bおよび一対の内側の第2底面フラップ部32a、32bをそれぞれ、一対の第7縁辺L7および一対の第8縁辺L8において折り曲げ先縁を突き合わせて、封函テープ等を貼ることによって形成される。
【0022】
さらに、本実施形態では、図1から図3に示すように、第1側壁部11a、11bには、一対の空気孔41がそれぞれ形成されており、第2側壁部12a、12bには、持ち手孔52がそれぞれ形成されており、第1底面フラップ部31a、31bおよび第2底面フラップ部32a、32bには、水抜き孔61、62がそれぞれ形成されている。本発明では、第1側壁部11a、11bのいずれかに、空気孔41が1つ形成されている態様や、第1底面フラップ部31a、31bおよび第2底面フラップ部32a、32bのいずれかに、水抜き孔が1つ形成されている態様も許容され得る。
【0023】
本実施形態では、追加罫線AL1、AL2および/または補助罫線SL1、SL2は、弱め線のようなものでも良いが、本発明の効果を奏する上で、リード罫が好ましい。リード罫は、罫線上に断続的な切れ目を入れたものである。本発明では、追加罫線AL1、AL2および/または補助罫線SL1、SL2は、一方向からプレスして設ける罫線でもよい。
【0024】
<ブランク>
本実施形態における包装箱10のブランク(ブランクシートとも言う)10Bにおいて、図3に示すように、一対の第1側壁部11の一方を形成する第1側板11aは、第1折り曲げ線L1を介して一対の第2側壁部12の一方を形成する第2側板12aと接続される。そして、第2側板12aは、第2折り曲げ線L2を介して一対の第1側壁部11の他方を形成する第3側板11bと接続され、第3側板11bは、第3折り曲げ線L3を介して一対の第2側壁部12の他方を形成する第4側板12bと接続される。本実施形態に係るブランク10Bは、第1側板11aと第4側板12bとを繋ぐための継ぎ代13を備える。継ぎ代13は、第4折り曲げ線L4を介して第1側板11aと接続される。尚、継ぎ代13は、第1側板11aではなく、第4側板12bから接続されても良い。本実施形態では、図3に示すように、継ぎ代13には小片が折り曲げ線を介して接続されている。
【0025】
本実施形態におけるブランク10Bにおいて、図3に示すように、一対の第1天面フラップ部21a、21bは、一対の第1側壁部11(つまり第1側板11aおよび第3側板11b)に一対の第1側壁部11の上辺、すなわち、一対の第5折り曲げ線L5を介してそれぞれ接続され、一対の第2天面フラップ部22a、22bは、一対の第2側壁部12(つまり第2側板12aおよび第4側板12b)に一対の第2側壁部12の上辺、すなわち、第6折り曲げ線L6を介してそれぞれ接続される。また、一対の第1底面フラップ部31a、31bは、一対の第1側壁部11(つまり第1側板11aおよび第3側板11b)に一対の第1側壁部11の下辺、すなわち、第7折り曲げ線L7を介してそれぞれ接続され、一対の第2底面フラップ部32a、32bは、一対の第2側壁部12(つまり第2側板12aおよび第4側板12b)に一対の第2側壁部12の下辺、すなわち、第8折り曲げ線L8を介してそれぞれ接続される。
【0026】
本実施形態におけるブランク10Bにおいて、図3に示すように、一対の第1天面フラップ部21a、21bには、一対の第5折り曲げ線L5よりも先縁側に、第5折り曲げ線L5と平行に一対の第1追加罫線AL1がそれぞれ形成されており、一対の第2天面フラップ部22a、22bには、一対の第6折り曲げ線L6よりも先縁側に、第6折り曲げ線L6と平行に一対の第2追加罫線AL2がそれぞれ形成されている。
【0027】
この構成により、包装箱10に青果物を入れたときに、一対の第5折り曲げ線L5および一対の第6折り曲げ線L6を超えて青果物が上方にはみ出る場合に、一対の第1天面フラップ部21a、21bおよび一対の第2天面フラップ部22a、22bを、一対の第1追加罫線AL1および一対の第2追加罫線AL2において折り曲げることによって、包装箱10に青果物を収容することが可能となる(図2を参照)。すなわち、追加罫線AL1、AL2にて折り曲げて梱包すると、通常時より高さに余裕ができることになる。
【0028】
また、本実施形態におけるブランク10Bにおいて、図3に示すように、一対の第1天面フラップ部21a、21bには、一対の第1追加罫線AL1よりも先縁側に、ハの字状に一対の第1補助罫線SL1がそれぞれ形成されており、一対の第2天面フラップ部22a、22bには、一対の第2追加罫線AL2よりも先縁側に、ハの字状に一対の第2補助罫線SL2がそれぞれ形成されている。
【0029】
この構成により、包装箱10に青果物を入れたときに、一対の第5折り曲げ線L5および一対の第6折り曲げ線L6を超えて青果物が上方にはみ出る場合に、一対の第1天面フラップ部21a、21bおよび一対の第2天面フラップ部22a、22bを、一対の第1追加罫線AL1および一対の第2追加罫線AL2において折り曲げ、さらに一対の第1補助罫線AL1および一対の第2補助罫線AL2において折り曲げることによって、包装箱10に青果物を収容することが可能となる(図2を参照)。すなわち、この構成により、封緘時、最後に折った天面フラップ部の下から最初に折った天面フラップ部を引き抜いて封緘しやすく、また、封緘したとき包装箱10中の白菜Mに形が添わせやすい。補助罫線SL1、SL2を設けることによって、頑丈な包装箱の天面フラップ部において、折り曲げると反発が強くなることに鑑み、それを抑制し、封緘の効果を高めることが可能となる。
【0030】
本実施形態におけるブランク10Bでは、第1折り曲げ線L1から第4折り曲げ線L4が段ボールの縦罫線(いわゆる、クリーズ)となり、第5折り曲げ線L5から第8折り曲げ線L8が段ボールの横罫線(いわゆる、スコア)となるように設定されている。尚、罫線の形成方向は、これに限られず、本発明の目的を達成しうるものであれば、いずれの方向に形成されても良い。
【0031】
<組み立て>
本実施形態では、青果物Mが収容された通常時の包装箱10の場合、図3に示すブランク10Bについて、各折り曲げ線で折り曲げて、継ぎ代13において第3側板11bに接着して、底側を閉鎖し、天面側については、天面フラップ部21a、21b、22a、22bにおいて、例えば、先ず短面である第2天面フラップ部22aを第6折り曲げ線L6において折り曲げ、折り曲げた第2天面フラップ部22aを基準として、その一方端面の表側の上に長面である第1天面フラップ部21aの他方端面の裏側が重なるように、第1天面フラップ部21aを第5折り曲げ線L5において折り曲げ、次に、その第1天面フラップ部21aの一方端面の表側の上に短面である第2天面フラップ部22bの他方端面の裏側が重なるように、第2天面フラップ部22bを第6折り曲げ線L6において折り曲げ、そして、その第2天面フラップ部22bの一方端面の表側の上に長面である第1天面フラップ部21bの他方端面の裏側が重なるように、第1天面フラップ部21bを第5折り曲げ線L5において折り曲げ、且つ第2天面フラップ部22aの他方端面の裏側の下に第1天面フラップ部21bの一方端面の表側が重なるように、第2天面フラップ部22aの他方端面を引き上げて(引っ張り上げて)、回転止めを行うことにより、図1に示すような包装箱10が出来上がる。当該回転止めは、本実施形態のようなショートフラップ構成ではなく、突き合わせ可能な長さを有する天面フラップを有する段ボール製の包装箱でも、引っ越しの時など封緘テープ(例えばガムテープ)無しで閉じる時に使える。当該回転止めの折り順は、本実施形態の場合は折り線(補助罫線)が対称形なので左右どちら回りでも良い。本実施形態では、図1(または図3)に示すように右回りになっている。本発明では勿論、補助罫線が対称形でも非対称形であっても、左右どちら回りの回転止めでも良い。折り始めの天面フラップ部は、本実施形態では第2天面フラップ部22aであるが、本発明では、何処でも(第2天面フラップ部22bや、長い方の第1天面フラップ部21a、21bからでも)良い。当該回転止めの折り順や折り始めの天面フラップ部については、次に述べる満杯時の包装箱10や、後述の第2実施形態も同様である。
【0032】
また、本実施形態では、青果物Mが収容された満杯時の包装箱10の場合、図3に示すブランク10Bについて、通常時と同様に、各折り曲げ線で折り曲げて、継ぎ代13において第3側板11bに接着して、底側を閉鎖する。天面側については、通常時とは異なり、天面フラップ部21a、21b、22a、22bにおいて、例えば、先ず短面である第2天面フラップ部22aを第2追加罫線AL2において折り曲げ、折り曲げた第2天面フラップ部22aを基準として、その一方端面の表側の上に長面である第1天面フラップ部21aの他方端面の裏側が重なるように、第1天面フラップ部21aを第1追加罫線AL1において折り曲げ、次に、その第1天面フラップ部21aの一方端面の表側の上に短面である第2天面フラップ部22bの他方端面の裏側が重なるように、第2天面フラップ部22bを第2追加罫線AL2において折り曲げ、そして、その第2天面フラップ部22bの一方端面の表側の上に長面である第1天面フラップ部21bの他方端面の裏側が重なるように、第1天面フラップ部21bを第1追加罫線AL1において折り曲げ、且つ第2天面フラップ部22aの他方端面の裏側の下に第1天面フラップ部21bの一方端面の表側が重なるように、第2天面フラップ部22aの他方端面を引き上げて(引っ張り上げて)、回転止めを行うことにより、図2に示すような包装箱10が出来上がる。この時、本実施形態では、補助罫線SL1、SL2が在るため、補助罫線SL1、SL2において折り曲がり、最後に折った第1天面フラップ部21bの下から最初に折った第2天面フラップ部22aを引き抜いて封緘しやすくなる。また、収容される青果物の外形に沿って、補助罫線SL1、SL2が折り曲がり、天面フラップ部21a、21b、22a、22bが蓋として上手く機能することになる。
【0033】
本実施形態によれば、包装箱10の天面フラップ部21a、21b、22a、22bに追加罫線AL1、AL2および補助罫線SL1、SL2を設けることによって、育ち具合や生産地等によって大きさが変化する青果物等を上手く収納することが可能となる。
【0034】
また、本実施形態によれば、補助罫線SL1、SL2によって、封緘時の天面フラップ部21a、21b、22a、22bの反発を和らげて封緘しやすくなる。すなわち、包装箱10の天面フラップ部21a、21b、22a、22bが頑丈な場合、折り曲げると反発が強くなることに鑑み、補助罫線SL1、SL2によって、それを抑制し、封緘の効果を高めることが可能となる。
【0035】
図4は本実施形態に係る、追加罫線に対する補助罫線の傾斜角の好適な範囲について説明するための平面図である。本実施形態では、追加罫線AL1(またはAL2)に対する補助罫線SL1(またはSL2)の傾斜角は、図4に示すように、本実施形態の効果を奏する上でα度からβ度(γ度の範囲)であることが好ましい。例えば、αは30、βは75、γは45である。追加罫線AL1(またはAL2)に対する補助罫線SL1(またはSL2)の傾斜角が、75度以上程度になると段ボールの目方向(90度)に平行に近づくため当該目方向に引っ張られて本実施形態の効果が薄くなり、30度以下程度になると、天面フラップ部の折り曲げ線(または追加罫線)の方向(0度)に近づくため同様に引っ張られて本実施形態の効果が薄くなる。本実施形態では、図4に示すように、図3のブランク10Bの天面フラップ部21a、21b(または22a、22b)に形成されたハの字状の一対の補助罫線SL1(またはSL2)のうち、左側の補助罫線SL1(またはSL2)の傾斜角について説明したが、右側の補助罫線SL1(またはSL2)についても同様である(1つの天面フラップ部に逆ハの字状の一対の補助罫線を有する、後述の第2実施形態も同様)。
【0036】
また、本実施形態では、包装箱10のブランク10Bの厚みは、本発明の効果を奏する上で、5mm前後(例えば3mmから7mm)が好ましい(当該厚みについては、後述の第2実施形態も同様)。
【0037】
<第2実施形態>
本発明の第2実施形態では、第1実施形態と異なり、補助罫線SL1、SL2の形状を逆ハの字状にすることで、封緘した後で天面フラップ部が外れにくくすることが可能となる。
【0038】
図5は本発明の第2実施形態に係る、青果物が収容された通常時の包装箱の斜視図であり、図6は本実施形態に係る、青果物が収容された満杯時の包装箱の斜視図であり、図7は本実施形態に係る包装箱を展開したブランクの平面図である。本実施形態に係る包装箱10’を構成する各要素のうち、同様の機能を有するものについては、第1実施形態と同一の符号を付してその説明を省略する。
【0039】
本実施形態に係る包装箱10’は、図5から図7に示すように、第1実施形態と同様に、対向する一対の第1側壁部11a、11bと、第1側壁部11a、11bと直交する方向に対向する一対の第2側壁部12a、12bと、一対の第1側壁部11a、11bの上辺L5からそれぞれ延びて第1側壁部11a、11bと直交する一対の第1天面フラップ部21a、21bと、一対の第2側壁部12a、12bの上辺L6からそれぞれ延びて第2側壁部12a、12bと直交する一対の第2天面フラップ部22a、22bと、一対の第1天面フラップ部21a、21bおよび一対の第2天面フラップ部22a、22bに対向する底壁部30と、を含み、一対の第1天面フラップ部21a、21bそれぞれの端部で第2天面フラップ部22a、22bを挟み、一対の第2天面フラップ部22a、22bそれぞれの端部で第1天面フラップ部21a、21bを挟むように、一対の第1天面フラップ部21a、21bおよび一対の第2天面フラップ部22a、22bで回転止めすることによって、直方体形状を呈しているものであり、一対の第1天面フラップ部21a、21bおよび一対の第2天面フラップ部22a、22bにはそれぞれ、上辺よりも先縁側に上辺に平行に追加罫線AL1、AL2が形成されている。また、本実施形態に係る包装箱10’は、図5から図7に示すように、第1実施形態とは異なり、一対の第1天面フラップ部21a、21bおよび一対の第2天面フラップ部22a、22bにはそれぞれ、形成された罫線よりも先縁側に逆ハの字状に補助罫線SL1、SL2が形成されている。
【0040】
本実施形態における包装箱10’のブランク10B’において、図7に示すように、第1実施形態とは異なり、一対の第1天面フラップ部21a、21bには、一対の第1追加罫線AL1よりも先縁側に、逆ハの字状に一対の第1補助罫線SL1がそれぞれ形成されており、一対の第2天面フラップ部22a、22bには、一対の第2追加罫線AL2よりも先縁側に、逆ハの字状に一対の第2補助罫線SL2がそれぞれ形成されている。
【0041】
この構成により、包装箱10’に青果物Mを入れたときに、一対の第5折り曲げ線L5および一対の第6折り曲げ線L6を超えて青果物が上方にはみ出る場合に、一対の第1天面フラップ部21a、21bおよび一対の第2天面フラップ部22a、22bを、一対の第1追加罫線AL1および一対の第2追加罫線AL2において折り曲げ、さらに一対の第1補助罫線AL1および一対の第2補助罫線AL2において折り曲げることによって、包装箱10’に青果物Mを上手く収容することが可能となる(図6を参照)。
【0042】
本実施形態では、青果物Mが収容された通常時の包装箱10’の場合、第1実施形態と同様に、図7に示すブランク10B’について、各折り曲げ線で折り曲げて、継ぎ代13において第3側板11bに接着して、底側を閉鎖し、天面側については、天面フラップ部21a、21b、22a、22bにおいて、第1実施形態において説明したように、一対の第5折り曲げ線L5および一対の第6折り曲げ線L6で折り曲げ、回転止めを行うことにより、図5に示すような包装箱10’が出来上がる。
【0043】
また、本実施形態では、青果物Mが収容された満杯時の包装箱10’の場合、図7に示すブランク10B’について、通常時と同様に、各折り曲げ線で折り曲げて、継ぎ代13において第3側板11bに接着して、底側を閉鎖する。天面側については、通常時とは異なり、天面フラップ部21a、21b、22a、22bにおいて、第1実施形態において説明したように、一対の第1追加罫線AL1および一対の第2追加罫線AL2で折り曲げ、回転止めを行うことにより、図6に示すような包装箱10’が出来上がる。この時、本実施形態では、逆ハの字状に補助罫線SL1、SL2が在るため、封緘した後で天面フラップ部21a、21b、22a、22bの係合が外れにくくなる。
【0044】
本実施形態によれば、包装箱10’の天面フラップ部21a、21b、22a、22bに追加罫線AL1、AL2および補助罫線SL1、SL2を設けることによって、第1実施形態と同様に、育ち具合や生産地等によって大きさが変化する青果物等を上手く収納することが可能となる。
【0045】
また、本実施形態によれば、第1実施形態と同様に、補助罫線SL1、SL2によって、封緘時の天面フラップ部21a、21b、22a、22bの反発を和らげて封緘しやすくなる。
【0046】
図8は本実施形態に係る、追加罫線に対する補助罫線の傾斜角の好適な範囲について説明するための平面図である。本実施形態では、追加罫線AL1(またはAL2)に対する補助罫線SL1(またはSL2)の傾斜角は、図8に示すように、本実施形態の効果を奏する上でδ度からε度(ζ度の範囲)であることが好ましい。例えば、δは30、εは75、ζは45である。追加罫線AL1(またはAL2)に対する補助罫線SL1(またはSL2)の傾斜角が、75度以上程度になると段ボールの目方向(90度)に平行に近づくため当該目方向に引っ張られて本実施形態の効果が薄くなり、30度以下程度になると、天面フラップ部の折り曲げ線(または追加罫線)の方向(0度)に近づくため同様に引っ張られて本実施形態の効果が薄くなる。
【0047】
<その他>
本発明は、上述した実施形態や、随所に述べた変形例に限られることなく、本発明の技術的思想から逸脱しない範囲で、適宜の変更や変形が可能である。
【0048】
例えば、上記各実施形態に係る包装箱は、いわゆるA式(JIS Z 1507 02形)の段ボール箱であるが、本発明は、天面フラップ部を有する様々な包装箱に採用可能である。
【0049】
加えて、上記各実施形態に係る包装箱およびブランクの材質は、段ボール製であるが、これに限られず、本発明の効果を発揮できるものであれば、どのような素材を使用してもよく、例えば、厚紙やプラスチック製のものであってもよい。
【0050】
また、上記各実施形態に係る包装箱は、いわゆるショートフラップであるが、本発明は、ショートフラップではなく先縁を突き合わせることが可能な長さを有するフラップを備える包装箱にも採用可能である。しかし、天面フラップ部の回転止めのし易さを考慮すると、ショートフラップの方が好ましい。
【0051】
さらに、上記各実施形態に係る包装箱を構成する段ボールシートは、シングルフルートではあるが、本発明では、ダブルフルートでもよい。
【0052】
上記各実施形態に係る包装箱では、長さ面側の第1天面フラップ部21a、21bの上辺L5に沿った方向における長さは、幅面側の第2天面フラップ部22a、22bの上辺L6に沿った方向における長さよりも長いが、本発明では、同じ長さでもいい。しかし、回転止めのし易さを考慮したら、長さに違いが在る方が良い。
【0053】
また、上記各実施形態に係る包装箱は、3個2段の青果物を収容するものであるが、本発明ではこれに限られず、例えば、3個3段(例えば20kg)など、様々な収容態様に採用されうる。さらに、本発明に係る包装箱に収容される物品は、上述したように、白菜だけに限られず、収容される物品が大根であれば、例えば3本1段が収容可能な、高さを抑えた扁平状の態様とすることも可能である。
【0054】
上記各実施形態に係る包装箱は、勿論積み上げて使用可能である。
【符号の説明】
【0055】
10、10’ 包装箱
10B、10B’ ブランク
11a、11b 第1側壁部
12a、12b 第2側壁部
13 継ぎ代
21a、21b 第1天面フラップ部
22a、22b 第2天面フラップ部
30 底壁部
31a、31b 第1底面フラップ部
32a、32b 第2底面フラップ部
41 空気孔
52 持ち手孔
61、62 水抜き孔
M 物品(青果物)
L1~L8 第1乃至第8折り曲げ線(第1乃至第8縁辺)
AL1 第1追加罫線
AL2 第2追加罫線
SL1 第1補助罫線
SL2 第2補助罫線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8