(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024098400
(43)【公開日】2024-07-23
(54)【発明の名称】脳活動計測システムおよびタスク呈示装置
(51)【国際特許分類】
A61B 10/00 20060101AFI20240716BHJP
G06F 3/01 20060101ALI20240716BHJP
【FI】
A61B10/00 H
G06F3/01 560
G06F3/01 515
A61B10/00 E
A61B10/00 X
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023001896
(22)【出願日】2023-01-10
(71)【出願人】
【識別番号】000001993
【氏名又は名称】株式会社島津製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100104433
【弁理士】
【氏名又は名称】宮園 博一
(72)【発明者】
【氏名】堀 彩夏
【テーマコード(参考)】
5E555
【Fターム(参考)】
5E555AA08
5E555BA21
5E555BA22
5E555BB21
5E555BB22
5E555BE08
5E555CB70
5E555DA24
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】被験者の脳の認知機能を計測するためのタスクを被験者に呈示するタスク呈示装置を配置する場所を容易に確保することが可能な脳活動計測システムおよびタスク呈示装置を提供する。
【解決手段】この脳活動計測システム100は、脳活動計測部1と、脳活動計測部1を制御する脳活動計測用制御部2と、脳活動計測部により被験者の脳の認知機能の活動状態を計測するためのタスクを被験者の身体の一部に対する刺激により呈示するタスク呈示装置4と、入力受付部3と、被験者Suの脳の活動状態の計測に関わる情報を表示する表示部3とを備える。タスク呈示装置4は、脳活動計測用制御部2、入力受付部3、および、表示部3のうちの少なくとも1つが配置される机Tの天板Tbの端部Tb1に着脱可能に取り付けられる着脱機構45を含んでいる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被験者の脳の認知機能の活動状態を計測する脳活動計測部と、
前記脳活動計測部を制御する脳活動計測用制御部と、
前記脳活動計測部により前記被験者の脳の認知機能の活動状態を計測するためのタスクを前記被験者の身体の一部に対する刺激により呈示するタスク呈示装置と、
前記タスク呈示装置により呈示された前記タスクに対する前記被験者の回答の入力を受け付ける入力受付部と、
前記被験者の脳の活動状態の計測に関わる情報を表示する表示部とを備え、
前記タスク呈示装置は、前記脳活動計測用制御部、前記入力受付部、および、前記表示部のうちの少なくとも1つが配置される机の天板の端部に着脱可能に取り付けられる着脱機構を含んでいる、脳活動計測システム。
【請求項2】
前記タスク呈示装置は、前記被験者の身体の一部に対して刺激を与える刺激領域が設けられた上面を有する筐体を含み、
前記タスク呈示装置の前記刺激領域が設けられた前記上面の高さ位置は、前記天板の表面の高さ位置と略同じである、請求項1に記載の脳活動計測システム。
【請求項3】
前記着脱機構は、前記天板の端部を挟持することにより前記天板の端部に取り付けられるとともに、前記天板の端部の挟持を解除することにより前記天板の端部から取り外されるように構成されている、請求項1に記載の脳活動計測システム。
【請求項4】
前記着脱機構は、
前記天板の表面に上方から当接する上側当接部と、
前記上側当接部よりも下方に設けられ、前記天板の裏面に下方から当接する下側当接部とを有し、
前記着脱機構は、前記上側当接部と前記下側当接部との上下方向の幅を狭めることにより前記天板の端部を挟持する、請求項3に記載の脳活動計測システム。
【請求項5】
前記タスク呈示装置に当接する上端部および接地面に当接する下端部を有し、前記下端部を前記接地面に当接させた状態で前記タスク呈示装置を支持する支持部をさらに備える、請求項1に記載の脳活動計測システム。
【請求項6】
前記支持部は、棒状の支持棒を含む、請求項5に記載の脳活動計測システム。
【請求項7】
前記支持部は、上下方向の長さが調整可能に構成されている、請求項5に記載の脳活動計測システム。
【請求項8】
前記支持部は、前記タスク呈示装置に対して複数設けられている、請求項5に記載の脳活動計測システム。
【請求項9】
前記脳活動計測用制御部は、前記筐体内に収容される、請求項2に記載の脳活動計測システム。
【請求項10】
前記タスク呈示装置は、前記刺激領域において前記被験者の身体の一部として手の一部に刺激を与える刺激付与機構をさらに含む、請求項2に記載の脳活動計測システム。
【請求項11】
前記脳活動計測部および前記脳活動計測用制御部は、光計測装置を構成する、請求項1に記載の脳活動計測システム。
【請求項12】
前記筐体には、前記刺激領域に対応する部分に開口が形成されており、
前記刺激付与機構は、前記筐体内に収容され、前記開口を介して突出した状態で移動することにより、前記開口を覆った前記手の一部を押圧して刺激を与える接触部材を有する、請求項10に記載の脳活動計測システム。
【請求項13】
前記タスク呈示装置は、前記筐体に取り付けられ、前記開口を介して前記筐体内の前記接触部材が触れられないように塞ぐ閉塞部材をさらに含む、請求項12に記載の脳活動計測システム。
【請求項14】
前記筐体は、
前記開口としての第1開口が形成された上板部と、
前記上面を有し、前記上板部上に取り付けられるとともに、前記第1開口と連通する前記開口としての第2開口が形成された板状部材とを有し、
前記閉塞部材は、前記上板部と前記板状部材との間に配置され、前記接触部材の移動に合わせて伸縮可能な第1シート部材を有する、請求項13に記載の脳活動計測システム。
【請求項15】
前記第1シート部材は、前記上板部と前記板状部材とにより挟持される、請求項14に記載の脳活動計測システム。
【請求項16】
前記板状部材および前記第1シート部材の各々は、前記上板部上に着脱可能に取り付けられており、
前記閉塞部材は、前記上板部の下面に取り付けられ、前記接触部材の移動に合わせて伸縮可能な第2シート部材をさらに有する、請求項14に記載の脳活動計測システム。
【請求項17】
前記第1シート部材は、耐薬品性を有している、請求項14に記載の脳活動計測システム。
【請求項18】
被験者の脳の認知機能の活動状態を計測する脳活動計測部により前記被験者の脳の認知機能の活動状態を計測するためのタスクを前記被験者の身体の一部に対する刺激により呈示するタスク呈示本体部と、
前記タスク呈示本体部を机の天板の端部に着脱可能に取り付ける着脱機構とを備えている、タスク呈示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、脳活動計測システムおよびタスク呈示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、脳活動計測システムおよびタスク呈示装置が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
上記特許文献1には、触覚刺激呈示装置(タスク呈示装置)が開示されている。この触覚刺激呈示装置は、接触部材と、駆動機構とを備えている。接触部材は、被験者の掌に接触し刺激を与える部材である。駆動機構は、接触部材を水平方向において互いに直交するX方向およびY方向に移動させるように構成されている。駆動機構は、接触部材を上下方向であるZ方向に移動させるように構成されている。触覚刺激呈示装置は、駆動機構によりX方向、Y方向およびZ方向の各々に接触部材を移動させることによって、被験者の掌に所定の文字または記号などを接触部材に書かせるように構成されている。これにより、触覚刺激呈示装置により被験者の脳の認知機能を診断するためのタスクが、被験者に呈示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、上記特許文献1には明記されていないが、被験者の脳の認知機能を診断するためのタスクを被験者に呈示する際、触覚刺激呈示装置だけでなく、脳の活動状態を計測する計測部、計測部を制御する制御装置、および、接触部材により掌に書かれた所定の文字または記号などの回答を被験者が入力するための入力受付部なども用いられる。また、上記特許文献1には明記されていないが、一般的に、計測部は被験者に装着されているが、触覚刺激呈示装置、制御装置および入力受付部は、机の天板上に載置される。この場合、制御装置および入力受付部などを机の天板上に載置することに起因して、机の天板上における触覚刺激呈示装置を載置する場所が確保しにくくなる。そこで、被験者の脳の認知機能を診断(計測)するためのタスクを被験者に呈示する触覚刺激呈示装置(タスク呈示装置)を配置する場所を容易に確保することが望まれている。
【0006】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、被験者の脳の認知機能を計測するためのタスクを被験者に呈示するタスク呈示装置を配置する場所を容易に確保することが可能な脳活動計測システムおよびタスク呈示装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、この発明の第1の局面における脳活動計測システムは、被験者の脳の認知機能の活動状態を計測する脳活動計測部と、脳活動計測部を制御する脳活動計測用制御部と、脳活動計測部により被験者の脳の認知機能の活動状態を計測するためのタスクを被験者の身体の一部に対する刺激により呈示するタスク呈示装置と、タスク呈示装置により呈示されたタスクに対する被験者の回答の入力を受け付ける入力受付部と、被験者の脳の活動状態の計測に関わる情報を表示する表示部とを備え、タスク呈示装置は、脳活動計測用制御部、入力受付部、および、表示部のうちの少なくとも1つが配置される机の天板の端部に着脱可能に取り付けられる着脱機構を含んでいる。
【0008】
また、この発明の第2の局面におけるタスク呈示装置は、被験者の脳の認知機能の活動状態を計測する脳活動計測部により被験者の脳の認知機能の活動状態を計測するためのタスクを被験者の身体の一部に対する刺激により呈示するタスク呈示本体部と、タスク呈示本体部を机の天板の端部に着脱可能に取り付ける着脱機構とを備えている。
【発明の効果】
【0009】
上記第1の局面における脳活動計測システム、および、上記第2の局面におけるタスク呈示装置において、タスク呈示装置は、脳活動計測用制御部、入力受付部、および、表示部のうちの少なくとも1つが配置される机の天板の端部に着脱可能に取り付けられる着脱機構を含んでいる。これにより、制御装置および入力受付部などを机の天板上に載置することに起因して、机の天板上におけるタスク呈示装置を載置する場所が確保しにくい場合でも、着脱機構により机の天板の端部にタスク呈示装置を取り付けることにより天板上にタスク呈示装置を載置しなくてもよい。その結果、被験者の脳の認知機能を計測するためのタスクを被験者に呈示するタスク呈示装置を配置する場所を容易に確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】第1実施形態の脳活動計測システムの全体を示した模式図である。
【
図2】第1実施形態の脳活動計測システムの脳活動計測用制御部を示したブロック図である。
【
図3】第1実施形態の脳活動計測システムの制御装置を示したブロック図である。
【
図4】第1実施形態の脳活動計測システムのタスク呈示装置を示した概略図である。
【
図5】第1実施形態の脳活動計測システムのタスク呈示装置を机の天板の端部に取り付けた状態を示した斜視図である。
【
図6】第1実施形態の脳活動計測システムのタスク呈示装置の側面図である。
【
図7】第1実施形態の脳活動計測システムのタスク呈示装置を机側から見た側面図である。
【
図8】第1実施形態の脳活動計測システムのタスク呈示装置の板状部材および第1シート部材を外した状態を示した分解斜視図である。
【
図10】第2実施形態の脳活動計測システムの全体を示した模式図である。
【
図11】第2実施形態の脳活動計測システムのタスク呈示装置の支持棒を示した側面図である。
【
図12】参考例の脳活動計測システムの全体を示した模式図である。
【
図13】参考例の脳活動計測システムのタスク呈示装置の支持棒を示した側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
【0012】
[第1実施形態]
まず、
図1~
図9を参照して、本発明の実施形態による脳活動計測システム100の構成について説明する。
【0013】
図1に示すように、脳活動計測システム100は、計算および文字の認識などを行わせるタスクを被験者Suに対して提示した際の、被験者Suの脳の活動状態を計測するためのシステムである。脳活動計測システム100は、脳の活動状態の計測結果を被験者Suに示すことにより、被験者Suに対して脳の認知機能の活動状態を認識させるように構成されている。
【0014】
具体的には、脳活動計測システム100は、光計測部1と、脳活動計測用制御部2と、制御装置3と、タスク呈示装置4とを備えている。なお、光計測部1は、特許請求の範囲の「脳活動計測部」の一例である。
【0015】
(光計測部および脳活動計測用制御部)
図1および
図2に示すように、光計測部1および脳活動計測用制御部2は、近赤外分光法(NIRS;near‐infrared spectroscopy)に基づいて脳内の血流変化に対応したヘモグロビン量の変化を光学的に計測する光計測装置を構成する。以下に、光計測部1および脳活動計測用制御部2の各々について説明する。
【0016】
〈光計測部〉
光計測部1は、タスク呈示装置4によりタスク呈示されたタスクに対する被験者Suの脳の認知機能の活動状態を計測するように構成されている。具体的には、光計測部1は、複数の送光用の計測プローブ11と、複数の受光用の計測プローブ12と、複数の光ファイバ13と、ホルダ14とを含んでいる。
【0017】
複数の送光用の計測プローブ11の各々は、近赤外光である計測光を被験者Suの頭部に照射するように構成されている。複数の受光用の計測プローブ12の各々は、被験者Suの頭部を通過した計測光を受光するように構成されている。これらにより、被験者Suの脳活動が計測される。複数の光ファイバ13は、複数の送光用の計測プローブ11のそれぞれに対応して設けられた複数の光ファイバ13aと、複数の受光用の計測プローブ12のそれぞれに対応して設けられた複数の光ファイバ13bとを有している。光ファイバ13aは、送光用の計測プローブ11と脳活動計測用制御部2とを接続している。光ファイバ13bは、受光用の計測プローブ12と脳活動計測用制御部2とを接続している。ホルダ14は、複数の送光用の計測プローブ11および複数の受光用の計測プローブ12を被験者Suの頭部表面上の所定位置に固定するための部材である。
【0018】
〈脳活動計測用制御部〉
脳活動計測用制御部2は、光計測部1を制御するように構成されている。ここで、脳活動計測用制御部2は、タスク呈示装置4と一体的に設けられている。すなわち、脳活動計測用制御部2は、タスク呈示装置4の後述する筐体43の第1部分431内に収容されている。
【0019】
具体的には、脳活動計測用制御部2は、光出力器21と、光検出器22と、プローブ制御部23と、本体制御部24と、記憶部25と、通信部26とを備えている。
【0020】
光出力器21は、光ファイバ13aを介して送信用の計測プローブ11から照射する計測光を出力するように構成されている。光検出器22は、受光用の計測プローブ12に入射した計測光を光ファイバ13bを介して検出するように構成されている。プローブ制御部23は、本体制御部24から通信部26を介して取得した計測パラメータに基づいて、光出力器21および光検出器22を制御するように構成されている。これにより、光出力器21の点灯および消灯のタイミングが制御されるとともに、光検出器22において受光した計測光の信号が取得される。
【0021】
本体制御部24は、CPU(Central Processing Unit)およびメモリなどを有している。記憶部25は、メモリなどの不揮発性の記憶媒体を含んでいる。記憶部25には、光計測部1を用いた脳活動の計測するための各種プログラムが記憶されている。通信部26は、制御装置3と有線または無線により通信するための機器である。本体制御部24は、記憶部25に記憶された各種プログラムに基づいて、光計測部1を用いた脳活動の計測を制御するように構成されている。
【0022】
(制御装置)
図3に示すように、制御装置3は、被験者Suの脳の認知機能の活動状態を計測する際、通信部34を介して脳活動計測用制御部2およびタスク呈示装置4に、トリガ信号、計測パラメータおよび制御パラメータなどを送信する制御を行うように構成されている。制御装置3は、持ち運び可能な携帯型のコンピュータである。具体的には、制御装置3は、制御部31と、記憶部32と、表示部33と、通信部34とを有している。なお、表示部33は、特許請求の範囲の「操作受付部」および「表示部」の一例である。
【0023】
制御部31は、CPUおよびメモリなどを有している。記憶部32は、HDD(Hard Disk Drive)またはSSD(Solid State Drive)などの不揮発性の記憶媒体を含んでいる。
【0024】
表示部33は、タッチパネルディスプレイである。これにより、表示部33は、タスク呈示装置4により呈示されたタスクに対する被験者Suの回答の入力を受け付けるように構成されている。また、表示部33は、被験者Suの脳の活動状態の計測に関わる情報を表示するように構成されている。被験者Suの脳の活動状態の計測に関わる情報とは、計測の手順、計測に必要な機器の操作方法、および、光計測部1と脳活動計測用制御部2とにより取得された脳内の血流変化に対応したヘモグロビン量の変化量の計測結果などである。なお、計測結果は、被験者Su所有の携帯端末の表示部に表示されてもよい。
【0025】
通信部34は、脳活動計測用制御部2およびタスク呈示装置4の各々と有線または無線により通信するための機器である。これにより、制御装置3は、被験者Suの脳の活動状態の計測に必要な情報を、脳活動計測用制御部2およびタスク呈示装置4の各々と送受信することが可能である。
【0026】
(タスク呈示装置)
図4に示すように、タスク呈示装置4は、光計測部1により被験者Suの脳の認知機能の活動状態を計測するためのタスクを被験者Suの掌に対する刺激により呈示するように構成されている。なお、被験者Suの掌は、特許請求の範囲の「被験者の身体の一部」および「被験者の手の一部」の一例である。
【0027】
タスク呈示装置4は、制御部41と、記憶部42と、筐体43と、刺激付与機構44と、着脱機構45(
図5を参照)と、閉塞部材46(
図5を参照)と、通信部47とを含んでいる。ここで、筐体43は、一体的に設けられた第1部分431と第2部分432(
図5を参照)とを有している。なお、制御部41、記憶部42、筐体43および刺激付与機構44を合わせた構成は、特許請求の範囲の「タスク呈示本体部」の一例である。
【0028】
ここで、上下方向をZ方向とし、上方向をZ1方向とし、下方向をZ2方向とする。水平方向のうち筐体43の第1部分431と着脱機構45とが並ぶ方向をX方向とし、X方向のうちの着脱機構45側をX1方向とし、X方向のうちの筐体43の第1部分431側をX2方向とする。水平方向のうちX方向に直交する方向をY方向とし、Y方向のうちの一方向をY1方向とし、Y方向のうちの他方向をY2方向とする。
【0029】
具体的には、制御部41は、CPUおよびメモリなどを有している。記憶部42は、メモリなどの不揮発性の記憶媒体を有している。記憶部42には、刺激付与機構44を制御するためのプログラムが記憶されている。制御部41は、記憶部42に記憶されたプログラムに基づいて、刺激付与機構44を制御するように構成されている。
【0030】
〈筐体〉
筐体43は、上記したように、一体的に設けられた第1部分431と第2部分432(
図5を参照)とを有している。なお、筐体43の構造は、第1部分431と第2部分432(
図5を参照)とを一体化したような構造に限定されない。ここで、筐体43の一部である第1部分431は、脳活動計測用制御部2、制御部41、記憶部42、および、刺激付与機構44を収容するように構成されている。
【0031】
具体的には、
図5に示すように、第1部分431は、板状部材431aと、側板部431bと、下板部431cと、上板部431dとを有している。ここで、板状部材431aおよび上板部431dの各々は、第1部分431の上面を構成する。側板部431bは、第1部分431のX1方向側の面を構成する。下板部431cは、第1部分431のZ2方向側の下面を構成する。また、板状部材431a、側板部431b、下板部431c、および、上板部431dの各々は、板状に形成されている。
【0032】
板状部材431aは、上板部431d上に着脱可能に取り付けられている。すなわち、板状部材431aには、上板部431dからZ1方向に突出した突起に嵌合する嵌合孔4311aが形成されている。嵌合孔4311aは、複数の突起の数に合わせて複数形成されている。
【0033】
また、板状部材431aは、タスクを被験者Suの掌に対する刺激により呈示する際、被験者Suの掌が載せられる部材である。板状部材431aは、被験者Suの掌に対して刺激を与える刺激領域Arが設けられた上面4312aを有している。上面4312aは、板状部材431aのZ1方向側の面である。板状部材431aには、刺激領域Arに対応する部分に開口4313a(
図6を参照)が形成されている。開口4313aは、板状部材431aをZ方向に貫通している。開口4313aは、上板部431dの後述する開口4311dと連通している。なお、開口4311dは、特許請求の範囲の「第1開口」の一例である。また、開口4313aは、特許請求の範囲の「第2開口」の一例である。
【0034】
側板部431bは、第1部分431の水平方向に配置された複数(4つ)の側板部のうち、X方向において天板Tbと対向する面を構成している。すなわち、側板部431bは、X1方向側に設けられた第1部分431の面を構成している。また、側板部431bには、筐体43の一部である第2部分432が一体的に設けられている。
【0035】
下板部431cは、第1部分431のZ2方向側に設けられた第1部分431の面を構成している。上板部431dは、第1部分431のZ1方向側に設けられた第1部分431の面を構成している。上板部431dには、Z方向において、刺激領域Arに対応する部分に開口4311d(
図6を参照)が形成されている。開口4311dは、上板部431dをZ方向に貫通している。
【0036】
〈刺激付与機構〉
図4に示すように、刺激付与機構44は、刺激領域Arにおいて被験者Suの掌に刺激を与えるように構成されている。具体的には、刺激付与機構44は、X軸移動機構44aと、Y軸移動機構44bと、Z軸移動機構44cと、接触部材44d(
図6を参照)とを有している。
【0037】
X軸移動機構44aは、Y軸移動機構44bをX1方向またはX2方向に移動させる機構を有している。X軸移動機構44aは、たとえば、モータおよび直線移動機構を有している。Y軸移動機構44bは、Z軸移動機構44cをY1方向またはY2方向に移動させる機構を有している。Y軸移動機構44bは、たとえば、モータおよび直線移動機構を有している。Z軸移動機構44cは、接触部材44dをZ1方向またはZ2方向に移動させる機構を有している。Z軸移動機構44cは、たとえば、モータおよび昇降移動機構を有している。
【0038】
ここで、X軸移動機構44a、Y軸移動機構44b、Z軸移動機構44cおよび接触部材44dの各々の取り付けに関して以下に一例を示す。すなわち、たとえば、X軸移動機構44aは、第1部分431の下板部431cの内面に固定されている。Y軸移動機構44bは、たとえば、X軸移動機構44aのZ1方向側の部分に移動可能に取り付けられている。Z軸移動機構44cは、たとえば、Y軸移動機構44bのZ1方向側の部分に移動可能に取り付けられている。接触部材44dは、たとえば、Z軸移動機構44cのZ1方向側の部分に移動可能に取り付けられている。
【0039】
図6に示すように、接触部材44dは、開口4313aおよび開口4311dを介して突出した状態で移動することにより、開口4311dを覆った被験者Suの掌を押圧して刺激(触覚刺激)を与えるように構成されている。接触部材44dは、被験者Suの掌を押圧して刺激を与える突起状の部材である。突起状の接触部材44dのZ1方向側の端部が、被験者Suの掌に閉塞部材46を介して間接的に接触することにより、被験者Suの掌を押圧する。接触部材44dは、被験者Suの掌を押圧する際、被験者Suの掌の凹凸に追従して上下に弾性的に変位するように構成されている。
【0040】
このように、接触部材44dは、制御部41により、X軸移動機構44a、Y軸移動機構44bおよびZ軸移動機構44cの各々を制御することによって、所定の文字または記号を被験者Suの掌に書くように構成されている。
【0041】
〈着脱機構〉
図6および
図7に示すように、第1実施形態のタスク呈示装置4は、病院および研究所などの医療の専門的な施設だけでなく、スポーツジムおよび高齢者施設などの施設においても容易に設置可能にするため、机Tの天板Tbの端部Tb1に着脱可能に取り付けられる着脱機構45を含んでいる。ここで、机Tの天板Tbの端部Tb1とは、机Tの天板Tbの端だけでなく、机Tの天板Tbの端の付近も含む概念である。なお、一例として、机Tの天板Tb上には、制御装置3が配置されている場合を想定している(
図1を参照)。
【0042】
着脱機構45は、天板Tbの端部Tb1を挟持することにより天板Tbの端部Tb1に取り付けられるとともに、天板Tbの端部Tb1の挟持を解除することにより天板Tbの端部Tb1から取り外されるように構成されている。
【0043】
具体的には、着脱機構45は、一対の上側当接部45aと、一対の取付部45bと、複数(2つ)の調整部45cとを有している。複数(2つ)の調整部45cの各々は、特許請求の範囲の「下側当接部」の一例である。
【0044】
一対の上側当接部45aは、天板Tbの表面Ts1にZ1方向側から当接する板状の部材である。一対の上側当接部45aは、側板部431bのZ1方向側の端部に固定されている。第1部分431のZ2方向側の端部の高さ位置を基準として、一対の上側当接部45aの各々のZ方向における高さ位置は、高さ位置Hmで同じである。一対の上側当接部45aの各々は、一対の取付部45bよりもZ1方向側に配置されている。一対の上側当接部45aの各々は、側板部431bからX1方向に向かって突出している。一対の上側当接部45aは、Y方向において対向している。一対の上側当接部45aのうちY1方向側の上側当接部45aは、第2部分432よりもY1方向側の側板部431bの部分に固定されている。Y1方向側の上側当接部45aは、Z方向において、一対の取付部45bのうちのY1方向側の取付部45bと対向している。一対の上側当接部45aのうちY2方向側の上側当接部45aは、第2部分432よりもY2方向側の側板部431bの部分に固定されている。Y2方向側の上側当接部45aは、Z方向において、一対の取付部45bのうちのY2方向側の取付部45bと対向している。
【0045】
一対の取付部45bの各々は、調整部45cを移動可能に取り付けた板状の部材である。一対の取付部45bの各々には、調整部45cを移動可能に取り付けるためのめねじ部が設けられている。一対の取付部45bは、側板部431bの一対の上側当接部45aよりもZ2方向側に固定されている。第1部分431のZ2方向側の端部の高さ位置を基準として、一対の取付部45bの各々のZ方向における高さ位置は、同じである。一対の取付部45bの各々は、側板部431bからX1方向に向かって突出している。一対の取付部45bは、Y方向において対向している。一対の取付部45bのうちY1方向側の取付部45bは、第2部分432よりもY1方向側の側板部431bの部分に固定されている。一対の取付部45bのうちY2方向側の取付部45bは、第2部分432よりもY2方向側の側板部431bの部分に固定されている。
【0046】
複数の調整部45cの各々は、天板Tbの裏面Ts2にZ2方向側から当接するねじ部材である。複数の調整部45cの各々は、取付部45bにZ方向に移動可能に取り付けられている。複数の調整部45cのうちY1方向側の調整部45cは、一対の取付部45bのうちのY1方向側の取付部45bに移動可能に取り付けられている。複数の調整部45cのうちY2方向側の調整部45cは、一対の取付部45bのうちのY2方向側の取付部45bに移動可能に取り付けられている。このように、複数の調整部45cの各々は、上側当接部45aよりもZ2方向側に下方に設けられている。
【0047】
ここで、複数の調整部45cの各々は、ねじ部材として、ノブ、ボルトおよびパッドを有している。ノブは、ユーザにより回転させる部分である。ノブは、取付部45bよりもZ2方向側に配置されている。ボルトは、一対の取付部45bの各々に螺合されている。これにより、ボルトは、ノブの回転に伴って回転することにより取付部45bに対して相対的にZ1方向およびZ2方向のいずれかに移動する。パッドは、天板Tbの裏面Ts2に接触する部材である。パッドは、取付部45bよりもZ1方向側に配置されている。
【0048】
上記したような構成を有する着脱機構45は、上側当接部45aと調整部45cとのZ方向の幅Wを狭めることにより天板Tbの端部Tb1を挟持するように構成されている。具体的には、調整部45cを一方に回すことにより幅Wを狭めることによって、天板Tbの端部Tb1が、調整部45cのパッドと上側当接部45aとに挟持される。これにより、机Tの天板Tbの端部Tb1にタスク呈示装置4が取り付けられる。また、調整部45cを他方に回すことにより幅Wを広げることによって、天板Tbの端部Tb1の調整部45cのパッドと上側当接部45aとの挟持が解除される。これにより、机Tの天板Tbの端部Tb1からタスク呈示装置4が外れる。このような作業が、複数の調整部45cの各々に対して行われる。
【0049】
〈タスク呈示装置の高さ位置〉
図6および
図7に示すように、筐体43の第1部分431のZ2方向側の端部の高さ位置を基準として、タスク呈示装置4の刺激領域Arが設けられた上面4312aの高さ位置Hcは、天板Tbの表面Ts1の高さ位置Htと略同じである。ここで、高さ位置Hcと高さ位置Htとが略同じとは、高さ位置Hcと高さ位置Htとが同じであるか、高さ位置Hcが高さ位置Htよりも若干上か、または、高さ位置Hcが高さ位置Htよりも若干下の場合を含む広い概念である。
【0050】
具体的には、タスク呈示装置4の刺激領域Arが設けられた上面4312aの高さ位置Hcは、筐体43の第1部分431のZ2方向側の端部の高さ位置を基準として、天板Tbの表面Ts1の高さ位置Htよりも若干上である。高さ位置Hcは、高さ位置Htから、板状の部材である上側当接部45aのZ方向の厚みおよび板状部材431aのZ方向の厚み分だけZ1方向側の位置に設けられている。ここで、板状の部材である上側当接部45aのZ1方向側の端部の高さ位置Hmは、筐体43の第1部分431のZ2方向側の端部の高さ位置を基準として、板状部材431aのZ2方向側の端部の高さ位置と同じ位置である。板状の部材である上側当接部45aのZ2方向側の端部の高さ位置は、筐体43の第1部分431のZ2方向側の端部の高さ位置を基準として、天板Tbの表面Ts1の高さ位置Htと同じ位置である。
【0051】
〈閉塞部材〉
図8および
図9に示すように、閉塞部材46は、開口4313aおよび開口4311dを介して第1部分431内の接触部材44dが触れられないように塞いでいる。具体的には、閉塞部材46は、第1シート部材46aと、第2シート部材46bとを有している。ここで、第1シート部材46aおよび第2シート部材46bの各々は、水平方向において、開口4313a(開口4311d)よりも大きい面積を有している。なお、
図9では、第1シート部材46aおよび第2シート部材46bを見易くするためにZ方向の厚みを大きくしている。
【0052】
第1シート部材46aは、ゲル素材により形成されている。第1シート部材46aは、板状部材431aのZ方向の厚みよりも薄いシートである。また、第1シート部材46aは、所定の文字または記号などを被験者Suの掌に書く際の接触部材44dの移動を妨げない程度の伸縮性および摩擦抵抗を有している。すなわち、第1シート部材46aは、接触部材44dの移動に合わせて伸縮可能に構成されている。
【0053】
第1シート部材46aは、アルコールに対する耐薬品性を有している。これにより、管理者が第1シート部材46aをアルコールで拭いた場合でも第1シート部材46aの劣化を抑制可能である。第1シート部材46aは、アルコールなどの水分を染み込ませない材質(上記ゲル素材)により形成されている。
【0054】
第1シート部材46aは、Z方向において、上板部431dと板状部材431aとの間に配置されている。第1シート部材46aは、第1部分431に取り付けられている。具体的には、第1シート部材46aは、上板部431dと板状部材431aとにより挟持されている。すなわち、第1シート部材46aは、Z方向において、上板部431dと板状部材431aとの間に配置された状態で挟持されている。具体的には、第1シート部材46aは、上板部431dの開口4311dの周囲の部分と、板状部材431aの開口4313a付近の凹部4314aのZ1方向側の底面とにより挟持されている。第1シート部材46aは、上板部431d上に着脱可能に取り付けられている。すなわち、管理者が板状部材431aを外すことにより、管理者は第1シート部材46aを取り出すことができるので、管理者は第1シート部材46aを交換することが可能である。
【0055】
図8および
図9に示すように、第2シート部材46bは、第1シート部材46aと材質および寸法などが同じに形成されている。すなわち、第2シート部材46bは、ゲル素材により形成されている。第2シート部材46bは、板状部材431aのZ方向の厚みよりも薄いシートである。また、第2シート部材46bは、所定の文字または記号などを被験者Suの掌に書く際の接触部材44dの移動を妨げない程度の伸縮性および摩擦抵抗を有している。すなわち、第2シート部材46bは、接触部材44dの移動に合わせて伸縮可能に構成されている。
【0056】
第2シート部材46bは、第1部分431に取り付けられている。第2シート部材46bは、上板部431dの下面(Z2方向側の面)に取り付けられている。具体的には、第2シート部材46bは、Z方向において、上板部431dと取付用板51とにより挟持されている。ここで、取付用板51は、上板部431dを介してZ1方向側から第1部分431内に挿入された複数のねじ52により締結された状態で、上板部431dのZ2方向側の第1部分431の内部の空間に配置されている。取付用板51には、開口4313aおよび開口4311dの水平方向における位置および面積と同じ位置および面積を有する開口51aが形成されている。これにより、第2シート部材46bは、上板部431dの開口4311dの周囲の部分と、取付用板51の開口51aの周囲の部分とにより挟持されている。開口51aには、所定の文字または記号などを被験者Suの掌に書く際、接触部材44dが挿入される。
【0057】
〈通信部〉
通信部47(
図4を参照)は、制御装置3と有線または無線により通信するための機器である。これにより、タスク呈示装置4は、被験者Suの脳の活動状態の計測に必要な情報を、制御装置3と送受信することが可能である。
【0058】
(第1実施形態の効果)
第1実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0059】
第1実施形態では、上記のように、脳活動計測システム100は、被験者Suの脳の認知機能の活動状態を計測する光計測部1と、光計測部1を制御する脳活動計測用制御部2とを備えている。脳活動計測システム100は、光計測部1により被験者Suの脳の認知機能の活動状態を計測するためのタスクを被験者Suの掌に対する刺激により呈示するタスク呈示装置4を備えている。脳活動計測システム100は、タスク呈示装置4により呈示されたタスクに対する被験者Suの回答の入力受け付けるとともに、被験者Suの脳の活動状態の計測に関わる情報を表示する制御装置3を備えている。タスク呈示装置4は、制御装置3が配置される机Tの天板Tbの端部Tb1に着脱可能に取り付けられる着脱機構45を含んでいる。これにより、制御装置3などを机Tの天板Tb上に載置することに起因して、机Tの天板Tb上におけるタスク呈示装置4を載置する場所が確保しにくい場合でも、着脱機構45により机Tの天板Tbの端部Tb1にタスク呈示装置4を取り付けることにより天板Tb上にタスク呈示装置4を載置しなくてもよい。この結果、被験者Suの脳の認知機能を計測するためのタスクを被験者Suに呈示するタスク呈示装置4を配置する場所を容易に確保することができる。
【0060】
また、第1実施形態では、上記のように、タスク呈示装置4は、被験者Suの掌に対して刺激を与える刺激領域Arが設けられた上面4312aを有する筐体43を含んでいる。タスク呈示装置4の刺激領域Arが設けられた上面4312aの高さ位置Hcは、天板Tbの表面Ts1の高さ位置Htと略同じである。これにより、被験者Suが天板Tbの表面Ts1に手を置いた状態から、被験者Suが過度に掌を上げることなく、刺激領域Arに掌を置くことができるので、認知機能の診断の際の被験者Suの動作負担の増加を抑制することができる。
【0061】
また、第1実施形態では、上記のように、着脱機構45は、天板Tbの端部Tb1を挟持することにより天板Tbの端部Tb1に取り付けられるとともに、天板Tbの端部Tb1の挟持を解除することにより天板Tbの端部Tb1から取り外されるように構成されている。これにより、着脱機構45による挟持および挟持の解除を行うだけで、天板Tbの端部Tb1へのタスク呈示装置4の取り付けおよび取り外しを行うことができるので、比較的容易にタスク呈示装置4の天板Tbの端部Tb1への取り付けおよび取り外しを行うことができる。
【0062】
また、第1実施形態では、上記のように、着脱機構45は、天板Tbの表面Ts1に上方から当接する上側当接部45aと、上側当接部45aよりも下方に設けられ、天板Tbの裏面Ts2に下方から当接する調整部45cとを有している。着脱機構45は、上側当接部45aと調整部45cとの上下方向の幅Wを狭めることにより天板Tbの端部Tb1を挟持する。これにより、着脱機構45の構造を簡易な構造で実現することができるので、タスク呈示装置4の構造の複雑化を抑制することができる。
【0063】
また、第1実施形態では、上記のように、脳活動計測用制御部2は、筐体43内に収容される。これにより、机Tの天板Tb上に載置される構成を少なくすることができるので、机Tの天板Tb上のスペースを確保することができる。
【0064】
また、第1実施形態では、上記のように、タスク呈示装置4は、刺激領域Arにおいて被験者Suの掌に刺激を与える刺激付与機構44を含んでいる。これにより、刺激付与機構44により被験者Suの掌に与えられる刺激によってタスクを提示することができるので、脳活動計測システム100において触覚刺激による脳の認知機能の活動状態の計測を行うことができる。
【0065】
また、第1実施形態では、上記のように、光計測部1および脳活動計測用制御部2は、光計測装置を構成する。これにより、光計測装置により近赤外分光法(NIRS)に基づいて脳の認知機能の活動状態の変化を光学的に計測することができる。この結果、電磁波に起因する外乱の影響を受けにくいので、病院などの医療専門の施設だけでなく様々な一般の施設において脳の活動状態を計測することができる。
【0066】
また、第1実施形態では、上記のように、筐体43には、刺激領域Arに対応する部分に開口4313aおよび開口4311dが形成されている。刺激付与機構44は、筐体43内に収容され、開口4313aおよび開口4311dを介して突出した状態で移動することにより、開口4313aおよび開口4311dを介して掌を押圧して刺激を与える接触部材44dを有している。これにより、接触部材44dにより、文字または記号などを書くことにより脳の認知機能のタスクを被験者Suに提示することができる。
【0067】
また、第1実施形態では、上記のように、タスク呈示装置4は、筐体43に取り付けられ、開口4313aおよび開口4311dを介して筐体43内の接触部材44dが触れられないように塞ぐ閉塞部材46を含んでいる。これにより、閉塞部材46が筐体43に取り付けられていることにより、接触部材44dの移動とともに閉塞部材46が移動する場合と比較して、閉塞部材46は移動しないので、開口4313aおよび開口4311dを塞ぐために必要な閉塞部材46の寸法を小さくすることができる。この結果、閉塞部材46が取り付けられる筐体43の大型化を抑制することができる。また、閉塞部材46により接触部材44dに被験者Suが直接的に触れないようにすることができる。
【0068】
また、第1実施形態では、上記のように、筐体43は、開口4311dが形成された上板部431dと、上面4312aを有し、上板部431d上に取り付けられるとともに、開口4311dと連通する開口4313aが形成された板状部材431aとを有している。閉塞部材46は、上板部431dと板状部材431aとの間に配置され、接触部材44dの移動に合わせて伸縮可能な第1シート部材46aを有している。これにより、接触部材44dの移動を妨げることなく開口4313aおよび開口4311dを塞ぐことができるので、第1シート部材46aに起因する接触部材44dによる文字または記号などを被験者Suの掌に書く機能の低下を抑制することができる。
【0069】
また、第1実施形態では、上記のように、第1シート部材46aは、上板部431dと板状部材431aとにより挟持される。これにより、上板部431dと板状部材431aとに間に隙間ができないようにすることができるので、液体および埃などの筐体43内への侵入を抑制することができる。また、第1シート部材46aの取り付けに専用のねじなどの部品を用いないので、タスク呈示装置4の部品点数の増加を抑制することができる。
【0070】
また、第1実施形態では、上記のように、板状部材431aおよび第1シート部材46aの各々は、上板部431d上に着脱可能に取り付けられている。閉塞部材46は、上板部431dの下面に取り付けられ、接触部材44dの移動に合わせて伸縮可能な第2シート部材46bを有している。これにより、第1シート部材46aを取り外し後も第2シート部材46bにより開口4311dおよび開口4313aを塞ぐことができるので、筐体43内に液体および埃などがより侵入しにくくすることができる。
【0071】
また、第1実施形態では、上記のように、第1シート部材46aは、耐薬品性を有している。これにより、第1シート部材46aをアルコールで拭いた場合でも、第1シート部材46aの劣化をすることができるとともに、第1シート部材46aを清潔に保つことができる。
【0072】
また、第1実施形態では、上記のように、タスク呈示装置4は、被験者Suの脳の認知機能の活動状態を計測する光計測部1により被験者Suの脳の認知機能の活動状態を計測するためのタスクを被験者Suの掌に対する刺激により呈示するタスク呈示本体部を備えている。タスク呈示装置4は、タスク呈示本体部を机Tの天板Tbの端部Tb1に着脱可能に取り付ける着脱機構45を備えている。これにより、制御装置3などを机Tの天板Tb上に載置することに起因して、机Tの天板Tb上におけるタスク呈示装置4を載置する場所が確保しにくい場合でも、着脱機構45により机Tの天板Tbの端部Tb1にタスク呈示装置4を取り付けることにより天板Tb上にタスク呈示装置4を載置しなくてもよいので、被験者Suの脳の認知機能を計測するためのタスクを被験者Suに呈示するタスク呈示装置4を配置する場所を容易に確保することが可能なタスク呈示装置4を提供できる。
【0073】
[第2実施形態]
図10および
図11を参照して、本発明の第2実施形態による脳活動計測システム200の構成について説明する。第2実施形態では、第1実施形態とは異なり、タスク呈示装置204は、着脱機構45および支持棒248により支持されている。なお、第2実施形態では、第1実施形態と同じ構成については、詳細な説明を省略する。
【0074】
図10および
図11に示すように、本発明の第2実施形態による脳活動計測システム200は、計算および文字の認識などを行わせるタスクを被験者Suに対して提示した際の、被験者Suの脳の活動状態を計測するためのシステムである。
【0075】
具体的には、脳活動計測システム200は、光計測部1と、脳活動計測用制御部2と、制御装置3と、タスク呈示装置204とを備えている。なお、光計測部1は、特許請求の範囲の「脳活動計測部」の一例である。
【0076】
(タスク呈示装置)
タスク呈示装置204は、光計測部1により被験者Suの脳の認知機能の活動状態を計測するためのタスクを被験者Suの掌に対する刺激により呈示するように構成されている。なお、被験者Suの掌は、特許請求の範囲の「被験者の身体の一部」および「被験者の手の一部」の一例である。
【0077】
タスク呈示装置204は、制御部41と、記憶部42と、筐体43と、刺激付与機構44と、着脱機構45(
図11を参照)と、閉塞部材46(
図5を参照)と、通信部47(
図4を参照)と、支持棒248(
図11を参照)とを含んでいる。なお、制御部41、記憶部42、筐体43および刺激付与機構44を合わせた構成は、特許請求の範囲の「タスク呈示本体部」の一例である。また、支持棒248は、特許請求の範囲の「支持部」の一例である。
【0078】
ここで、上下方向をZ方向とし、上方向をZ1方向とし、下方向をZ2方向とする。水平方向のうち一方向をX方向とし、X方向のうちの一方向をX1方向とし、X方向のうちの他方向をX2方向とする。水平方向のうちX方向に直交する方向をY方向とし、Y方向のうちの一方向をY1方向とし、Y方向のうちの他方向をY2方向とする。
【0079】
〈支持部〉
図11に示すように、支持棒248は、タスク呈示装置204を安定して天板Tbの端部Tb1に取り付けるため、着脱機構45だけでなく、接地面Fr(たとえば、床など)にタスク呈示装置4を支持するように構成されている。支持棒248は、棒状の部材である。具体的には、支持棒248は、大径部材248aと、小径部材248bと、接地部248cとを有している。なお、接地部248cは、特許請求の範囲の「下端部」の一例である。
【0080】
大径部材248aおよび小径部材248bの各々は、円筒形状を有している。Z方向に直交する方向において、大径部材248aの内径は、小径部材248bの外形よりも大きい。大径部材248aのZ1方向側の端部は、タスク呈示装置204のZ2方向側の端部に当接している。小径部材248bは、大径部材248aのZ2方向側の部分にZ1方向またはZ2方向に大径部材248aに対して相対的に移動可能に取り付けられている。これにより、支持棒248は、Z方向の長さ調整可能に構成されている。すなわち、小径部材248bを一方に回すことにより小径部材248bがZ2方向側に移動して大径部材248aから出てくるとともに、支持棒248のZ方向の長さが大きくなる。また、小径部材248bを他方に回すことにより小径部材248bが大径部材248a内へ収容されるとともに、支持棒248のZ方向の長さが小さくなる。
【0081】
接地部248cは、小径部材248bのZ2方向側の端部に取り付けられた緩衝部材である。接地部248cのZ2方向側の端部は、接地面Frに当接するように構成されている。支持棒248は、接地部248cを接地面Frに当接させた状態でタスク呈示装置204を支持している。
【0082】
このような支持棒248は、タスク呈示装置204に対して複数(4つ)設けられている。すなわち、複数(2つ)の支持棒248の各々は、接地部248cを接地面Frに当接させた状態で筐体43の第1部分431を支持している。複数(2つ)の支持棒248の各々は、接地部248cを接地面Frに当接させた状態で筐体43の第2部分432を支持している。なお、支持棒248は、2、3または5つ以上配置されてもよいし、1つ配置されてもよい。また、第2実施形態のその他の構成は、第1実施形態の構成と同様であるので、説明を省略する。
【0083】
(第2実施形態の効果)
第2実施形態では、脳活動計測システム200は、被験者Suの脳の認知機能の活動状態を計測する光計測部1と、光計測部1を制御する脳活動計測用制御部2とを備えている。脳活動計測システム200は、光計測部1により被験者Suの脳の認知機能の活動状態を計測するためのタスクを被験者Suの掌に対する刺激により呈示するタスク呈示装置204を備えている。脳活動計測システム200は、タスク呈示装置204により呈示されたタスクに対する被験者Suの回答の入力受け付けるとともに、被験者Suの脳の活動状態の計測に関わる情報を表示する制御装置3を備えている。タスク呈示装置204は、制御装置3が配置される机Tの天板Tbの端部Tb1に着脱可能に取り付けられる着脱機構45を含んでいる。これにより、被験者Suの脳の認知機能を計測するためのタスクを被験者Suに呈示するタスク呈示装置204を配置する場所を容易に確保することができる。
【0084】
また、第2実施形態では、上記のように、脳活動計測システム200は、タスク呈示装置204に当接する上端部および接地面Frに当接する接地部248cを有し、接地部248cを接地面Frに当接させた状態でタスク呈示装置204を支持する支持棒248(支持部)を備えている。これにより、着脱機構45だけでなく、支持棒248により接地面Frからタスク呈示装置204を支持することができるので、タスク呈示装置204を安定した状態で天板Tbの端部Tb1に取り付けることができる。
【0085】
また、第2実施形態では、上記のように、支持部は、棒状の支持棒248を含んでいる。これにより、支持部を比較的簡易な構造により実現することができる。
【0086】
また、第2実施形態では、上記のように、支持棒248(支持部)は、上下方向の長さが調整可能に構成されている。これにより、接地面Frからタスク呈示装置204の下端部までの距離に応じて支持棒248の長さを調整することができるので、様々な場所で支持棒248を使用してタスク呈示装置204を支持することができる。
【0087】
また、第2実施形態では、上記のように、支持棒248(支持部)は、タスク呈示装置204に対して複数設けられている。これにより、より安定してタスク呈示装置204を支持することができる。なお、第2実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態の効果と同様である。
【0088】
[参考例]
図12および
図13を参照して、本発明の参考例による脳活動計測システム300の構成について説明する。参考例では、第1実施形態とは異なり、タスク呈示装置304は、複数の支持棒347のみにより支持されている。なお、参考例では、第1実施形態と同じ構成については、詳細な説明を省略する。
【0089】
図12および
図13に示すように、本発明の参考例による脳活動計測システム300は、計算および文字の認識などを行わせるタスクを被験者Suに対して提示した際の、被験者Suの脳の活動状態を計測するためのシステムである。
【0090】
具体的には、脳活動計測システム300は、光計測部1と、脳活動計測用制御部2と、制御装置3と、タスク呈示装置304とを備えている。なお、光計測部1は、特許請求の範囲の「脳活動計測部」の一例である。
【0091】
(タスク呈示装置)
タスク呈示装置304は、光計測部1により被験者Suの脳の認知機能の活動状態を計測するためのタスクを被験者Suの掌に対する刺激により呈示するように構成されている。なお、被験者Suの掌は、特許請求の範囲の「被験者の身体の一部」および「被験者の手の一部」の一例である。
【0092】
タスク呈示装置304は、制御部41と、記憶部42と、筐体43と、刺激付与機構44と、閉塞部材46(
図5を参照)と、複数の支持棒347(
図13を参照)とを含んでいる。なお、制御部41、記憶部42、筐体43および刺激付与機構44を合わせた構成は、特許請求の範囲の「タスク呈示本体部」の一例である。また、支持棒347は、特許請求の範囲の「支持部」の一例である。
【0093】
ここで、上下方向をZ方向とし、上方向をZ1方向とし、下方向をZ2方向とする。水平方向のうち一方向をX方向とし、X方向のうちの一方向をX1方向とし、X方向のうちの他方向をX2方向とする。水平方向のうちX方向に直交する方向をY方向とし、Y方向のうちの一方向をY1方向とし、Y方向のうちの他方向をY2方向とする。
【0094】
〈支持棒〉
図13に示すように、支持棒347は、天板Tbの端部Tb1の水平方向における近傍位置に配置するため、接地面Fr(たとえば、床など)にタスク呈示装置304を支持させる棒状の部材である。支持棒347は、タスク呈示装置304を机Tの天板Tbの端部Tb1と対向する位置に配置している。支持棒347は、Z1方向側から見て、天板Tbの端部Tb1と第2部分432とをオーバーラップさせる位置においてタスク呈示装置304を支持している。
【0095】
具体的には、支持棒347は、大径部材347aと、小径部材347bと、接地部347cとを有している。なお、接地部347cは、特許請求の範囲の「下端部」の一例である。
【0096】
このような支持棒347は、タスク呈示装置304に対して複数(4つ)設けられている。すなわち、複数(2つ)の支持棒347の各々は、接地部347cを接地面Frに当接させた状態で第1部分431を支持している。複数(2つ)の支持棒347の各々は、接地部347cを接地面Frに当接させた状態で第2部分432を支持している。なお、支持棒347は、2、3または5つ以上配置されてもよいし、1つ配置されてもよい。また、参考例のその他の構成は、第1実施形態の構成と同様であるので、説明を省略する。
【0097】
(参考例の効果)
参考例では、脳活動計測システム300は、下端部46cを接地面Frに当接させた状態でタスク呈示装置304を机Tの天板Tbの端部Tb1と対向する位置に配置する支持棒347(支持部)を備えている。これにより、机Tの天板Tb上におけるタスク呈示装置304を載置する場所が確保しにくい場合でも、支持棒347により天板Tb上にタスク呈示装置304を載置しなくてもよいので、被験者Suの脳の認知機能を計測するためのタスクを被験者Suに呈示するタスク呈示装置304を配置する場所を容易に確保することができる。なお、参考例のその他の効果は、上記第1実施形態の効果と同様である。
【0098】
[変形例]
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
【0099】
たとえば、上記第1実施形態および上記第2実施形態では、特許請求の範囲の「脳活動計測部」が、光計測装置である例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、脳活動計測部は、脳波計測装置であってもよい。
【0100】
また、上記第1実施形態および上記第2実施形態では、脳活動計測用制御部2が、筐体43内に収容される例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、脳活動計測用制御部は、筐体とは別個に設けられ、机の天板上に載置されるか、または、椅子に立てかけられていてもよい。この場合、筐体の上下方向および水平方向の寸法は、脳活動計測用制御部の分だけ小さくなる。
【0101】
また、上記第1実施形態および上記第2実施形態では、机Tの天板Tb上には、制御装置3が配置されている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、机の天板上には、脳活動計測用制御部、入力受付部、および、表示部のうちの少なくとも1つが配置されていればよい。
【0102】
また、上記第1実施形態および上記第2実施形態では、制御装置3が、特許請求の範囲の「入力受付部」および「表示部」の機能を一体的に有している例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、入力受付部および表示部は、別個に設けられてもよい。
【0103】
また、上記第1実施形態および上記第2実施形態では、第1シート部材46aおよび第2シート部材46bの各々は、ゲル素材により形成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、第1シート部材および第2シート部材の各々は、薄い樹脂シートにより形成されていてもよい。
【0104】
また、上記第1実施形態および上記第2実施形態では、第1シート部材46aは、耐薬品性を有している例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、第1シート部材は、耐薬品性を有していなくてもよい。この場合、第1シート部材は、使い捨てのシート部材であってもよい。
【0105】
また、上記第1実施形態および上記第2実施形態では、第2シート部材46bは、第1シート部材46aと材質および寸法などが同じに形成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、第2シート部材は、第1シート部材と材質および寸法などが異なってもよい。
【0106】
また、上記第1実施形態および上記第2実施形態では、閉塞部材46は、上板部431dの下面に取り付けられ、接触部材44dの移動に合わせて伸縮可能な第2シート部材46bを有する例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、閉塞部材は、第2シート部材の代わりに、開閉可能なシャッター機構を有していてもよい。
【0107】
また、上記第1実施形態および上記第2実施形態では、刺激付与機構44は、接触部材44dにより掌に刺激を与える触覚刺激を付与する例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、刺激付与機構は、指先などの手の一部に温感、冷感または圧感などを付与してもよい。
【0108】
また、上記第1実施形態および上記第2実施形態では、光計測部1は、複数の送光用の計測プローブ11と、複数の受光用の計測プローブ12と、複数の光ファイバ13と、ホルダ14とを含んでいる例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、光計測部は、複数の送光用の計測プローブと、複数の受光用の計測プローブと、複数の光ファイバと、ホルダと、光出力部と、光検出器と、プローブ制御部と、バッテリとを含んでいてもよい。
【0109】
また、上記第1実施形態では、複数の調整部45cの各々は、ねじ部材として、ノブ、ボルトおよびパッドを有している例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、調整部は、上下方向に移動可能に筐体に設けられた取付部を上方向に付勢するバネ部材であってもよい。
【0110】
[態様]
上記した例示的な実施形態は、以下の態様の具体例であることが当業者により理解される。
【0111】
(項目1)
被験者Suの脳の認知機能の活動状態を計測する脳活動計測部1と、
前記脳活動計測部1を制御する脳活動計測用制御部2と、
前記脳活動計測部1により前記被験者Suの脳の認知機能の活動状態を計測するためのタスクを前記被験者Suの身体の一部に対する刺激により呈示するタスク呈示装置4(204)と、
前記タスク呈示装置4により呈示された前記タスクに対する前記被験者Suの回答の入力を受け付ける入力受付部3と、
前記被験者Suの脳の活動状態の計測に関わる情報を表示する表示部3とを備え、
前記タスク呈示装置4(204)は、前記脳活動計測用制御部2、前記入力受付部3、および、前記表示部3のうちの少なくとも1つが配置される机Tの天板Tbの端部Tb1に着脱可能に取り付けられる着脱機構45を含んでいる、脳活動計測システム100。
【0112】
(項目2)
前記タスク呈示装置4(204)は、前記被験者Suの身体の一部に対して刺激を与える刺激領域Arが設けられた上面4312aを有する筐体43を含み、
前記タスク呈示装置4(204)の前記刺激領域Arが設けられた前記上面4312aの高さ位置Hcは、前記天板Tbの表面Ts1の高さ位置Htと略同じである、項目1に記載の脳活動計測システム100。
【0113】
(項目3)
前記着脱機構45は、前記天板Tbの端部Tb1を挟持することにより前記天板Tbの端部Tb1に取り付けられるとともに、前記天板Tbの端部Tb1の挟持を解除することにより前記天板Tbの端部Tb1から取り外されるように構成されている、項目1に記載の脳活動計測システム100。
【0114】
(項目4)
前記着脱機構45は、
前記天板Tbの表面に上方から当接する上側当接部45aと、
前記上側当接部45aよりも下方に設けられ、前記天板Tbの裏面Ts2に下方から当接する下側当接部45cとを有し、
前記着脱機構45は、前記上側当接部45aと前記下側当接部45cとの上下方向の幅Wを狭めることにより前記天板Tbの端部Tb1を挟持する、項目3に記載の脳活動計測システム100。
【0115】
(項目5)
前記タスク呈示装置204に当接する上端部および接地面Frに当接する下端部248cを有し、前記下端部248cを前記接地面Frに当接させた状態で前記タスク呈示装置204を支持する支持部をさらに備える、項目1に記載の脳活動計測システム100。
【0116】
(項目6)
前記支持部は、棒状の支持棒248を含む、項目5に記載の脳活動計測システム100。
【0117】
(項目7)
前記支持部は、上下方向の長さが調整可能に構成されている、項目5に記載の脳活動計測システム100。
【0118】
(項目8)
前記支持部は、前記タスク呈示装置204に対して複数設けられている、項目5に記載の脳活動計測システム100。
【0119】
(項目9)
前記脳活動計測用制御部2は、前記筐体43内に収容される、項目2に記載の脳活動計測システム100。
【0120】
(項目10)
前記タスク呈示装置4(204)は、前記刺激領域Arにおいて前記被験者Suの身体の一部として手の一部に刺激を与える刺激付与機構44をさらに含む、項目2に記載の脳活動計測システム100。
【0121】
(項目11)
前記脳活動計測部1および前記脳活動計測用制御部2は、光計測装置を構成する、項目1に記載の脳活動計測システム100。
【0122】
(項目12)
前記筐体43には、前記刺激領域Arに対応する部分に開口4313a、4311dが形成されており、
前記刺激付与機構44は、前記筐体43内に収容され、前記開口4313a、4311dを介して突出した状態で移動することにより、前記開口4313a、4311dを覆った前記手の一部を押圧して刺激を与える接触部材44dを有する、項目10に記載の脳活動計測システム100。
【0123】
(項目13)
前記タスク呈示装置4(204)は、前記筐体43に取り付けられ、前記開口4313a、4311dを介して前記筐体43内の前記接触部材44dが触れられないように塞ぐ閉塞部材46をさらに含む、項目12に記載の脳活動計測システム100。
【0124】
(項目14)
前記筐体43は、
前記開口4313a、4311dとしての第1開口4311dが形成された上板部431dと、
前記上面4312aを有し、前記上板部431d上に取り付けられるとともに、前記第1開口4311dと連通する前記開口4313a、4311dとしての第2開口4313aが形成された板状部材431aとを有し、
前記閉塞部材46は、前記上板部431dと前記板状部材431aとの間に配置され、前記接触部材44dの移動に合わせて伸縮可能な第1シート部材46aを有する、項目13に記載の脳活動計測システム100。
【0125】
(項目15)
前記第1シート部材46aは、前記上板部431dと前記板状部材431aとにより挟持される、項目14に記載の脳活動計測システム100。
【0126】
(項目16)
前記板状部材431aおよび前記第1シート部材46aの各々は、前記上板部431d上に着脱可能に取り付けられており、
前記閉塞部材46は、前記上板部431dの下面に取り付けられ、前記接触部材44dの移動に合わせて伸縮可能な第2シート部材46bをさらに有する、項目14に記載の脳活動計測システム100。
【0127】
(項目17)
前記第1シート部材46aは、耐薬品性を有している、項目14に記載の脳活動計測システム100。
【0128】
(項目18)
被験者Suの脳の認知機能の活動状態を計測する脳活動計測部1により前記被験者Suの脳の認知機能の活動状態を計測するためのタスクを前記被験者Suの身体の一部に対する刺激により呈示するタスク呈示本体部と、
前記タスク呈示本体部を机Tの天板Tbの端部Tb1に着脱可能に取り付ける着脱機構45とを備えている、タスク呈示装置4(204)。
【符号の説明】
【0129】
1 光計測部(脳活動計測部)
2 脳活動計測用制御部
3 制御装置(表示部、入力受付部)
4、204、304 タスク呈示装置
41 制御部(タスク呈示用制御部)
43 筐体
431a 板状部材
431d 上板部
44 刺激付与機構
44d 接触部材
45 着脱機構
45a 上側当接部
45c 調整部(下側当接部)
46 閉塞部材
46a 第1シート部材
46b 第2シート部材
100、200、300 脳活動計測システム
248、347 支持棒(支持部)
248c、347c 接地部(下端部)
4311d 開口(第1開口)
4312a 上面
4313a 開口(第2開口)
Ar 刺激領域
Fr 接地面
Hc 高さ位置
Ht 高さ位置
Su 被験者
T 机
Tb 天板
Tb1 端部
Ts1 表面
Ts2 裏面