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特開2024-98401アルコール測定システム、測定制御プログラム、アルコール測定装置、発光パターン判定システムおよび発光パターン判定プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024098401
(43)【公開日】2024-07-23
(54)【発明の名称】アルコール測定システム、測定制御プログラム、アルコール測定装置、発光パターン判定システムおよび発光パターン判定プログラム
(51)【国際特許分類】
   G01N 33/98 20060101AFI20240716BHJP
【FI】
G01N33/98
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023001897
(22)【出願日】2023-01-10
(71)【出願人】
【識別番号】302031454
【氏名又は名称】東海電子株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100140796
【弁理士】
【氏名又は名称】原口 貴志
(72)【発明者】
【氏名】石澤 毅
(72)【発明者】
【氏名】大平 健治
【テーマコード(参考)】
2G045
【Fターム(参考)】
2G045CB22
2G045DA74
2G045JA01
2G045JA07
(57)【要約】
【課題】 不正な測定が実行される可能性を低減することができるアルコール測定システム、測定制御プログラムおよびアルコール測定装置を提供する。
【解決手段】 アルコール測定システムは、呼気中のアルコール濃度の測定を実行するアルコール測定装置と、カメラと、アルコール測定装置による測定を制御する測定制御部とを備え、アルコール測定装置は、複数の発光パターンで発光可能である発光部を備え、カメラは、発光部と、アルコール測定装置に対して呼気を吹いている被測定者の顔とを測定の実行中に撮影可能であり、測定制御部は、発光パターンを決定し、発光部は、測定制御部によって決定された発光パターンで測定の実行中に発光し、カメラは、発光部の発光中に撮影を実行し(S129)、測定制御部は、測定の結果と、測定制御部が決定した発光パターンと、発光部の発光中にカメラによって撮影された画像とを互いに関連付ける(S133およびS134)。
【選択図】 図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
呼気中のアルコール濃度の測定を実行するアルコール測定装置と、
撮影デバイスと、
前記アルコール測定装置による前記測定を制御する測定制御部と
を備え、
前記アルコール測定装置は、複数の発光パターンで発光可能である発光部を備え、
前記撮影デバイスは、前記発光部と、前記アルコール測定装置に対して呼気を吹いている被測定者の顔とを前記測定の実行中に撮影可能であり、
前記測定制御部は、前記発光パターンを決定し、
前記発光部は、前記測定制御部によって決定された前記発光パターンで前記測定の実行中に発光し、
前記撮影デバイスは、前記発光部の発光中に撮影を実行し、
前記測定制御部は、前記測定の結果と、前記測定制御部が決定した前記発光パターンと、前記発光部の発光中に前記撮影デバイスによって撮影された画像とを互いに関連付けることを特徴とするアルコール測定システム。
【請求項2】
前記測定制御部は、前記発光パターンを前記測定毎に決定することを特徴とする請求項1に記載のアルコール測定システム。
【請求項3】
前記測定制御部は、前記測定制御部が決定した前記発光パターンを示す画像を、前記発光部の発光中に前記撮影デバイスによって撮影された画像に合成することによって、前記測定制御部が決定した前記発光パターンと、前記発光部の発光中に前記撮影デバイスによって撮影された画像とを互いに関連付けることを特徴とする請求項1に記載のアルコール測定システム。
【請求項4】
呼気中のアルコール濃度の測定を実行するアルコール測定装置による前記測定を制御する測定制御部をコンピューターに実現させ、
前記アルコール測定装置は、複数の発光パターンで発光可能である発光部を備え、
前記測定制御部は、前記発光パターンを決定し、
前記発光部は、前記測定制御部によって決定された前記発光パターンで前記測定の実行中に発光し、
前記測定制御部は、前記発光部と、前記アルコール測定装置に対して呼気を吹いている被測定者の顔とを前記測定の実行中に撮影可能である撮影デバイスによって前記発光部の発光中に撮影された画像と、前記測定の結果と、前記測定制御部が決定した前記発光パターンとを互いに関連付けることを特徴とする測定制御プログラム。
【請求項5】
呼気中のアルコール濃度の測定を実行するアルコール測定装置であって、
複数の発光パターンで発光可能である発光部を備え、
前記発光部は、前記アルコール測定装置による前記測定を制御する測定制御部によって決定された前記発光パターンで前記測定の実行中に発光することを特徴とするアルコール測定装置。
【請求項6】
請求項1から請求項3までのいずれかに記載のアルコール測定システムにおける、前記発光部の発光中に前記撮影デバイスによって撮影された画像に含まれている前記発光パターンの正当性を判定する発光パターン判定部を備え、
前記発光パターン判定部は、前記発光部の発光中に前記撮影デバイスによって撮影された画像に含まれている前記発光パターンを画像解析によって特定し、特定した前記発光パターンと、前記発光部の発光中に前記撮影デバイスによって撮影された画像に関連付けられている前記発光パターンとが同一である場合に、前記発光部の発光中に前記撮影デバイスによって撮影された画像に含まれている前記発光パターンが正当なものであると判定することを特徴とする発光パターン判定システム。
【請求項7】
請求項1から請求項3までのいずれかに記載のアルコール測定システムにおける、前記発光部の発光中に前記撮影デバイスによって撮影された画像に含まれている前記発光パターンの正当性を判定する発光パターン判定部をコンピューターに実現させ、
前記発光パターン判定部は、前記発光部の発光中に前記撮影デバイスによって撮影された画像に含まれている前記発光パターンを画像解析によって特定し、特定した前記発光パターンと、前記発光部の発光中に前記撮影デバイスによって撮影された画像に関連付けられている前記発光パターンとが同一である場合に、前記発光部の発光中に前記撮影デバイスによって撮影された画像に含まれている前記発光パターンが正当なものであると判定することを特徴とする発光パターン判定プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、呼気中のアルコール濃度を測定するためのアルコール測定システム、測定制御プログラム、アルコール測定装置、発光パターン判定システムおよび発光パターン判定プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、呼気中のアルコール濃度を測定するためのアルコール測定システムとして、呼気中のアルコール濃度の測定を実行するアルコール測定装置と、撮影デバイスと、アルコール測定装置による測定を制御する測定制御部とを備えるものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。特許文献1に記載されたアルコール測定システムにおける撮影デバイスは、アルコール測定装置に対して呼気を吹いている被測定者の顔を測定の実行中に撮影可能である。特許文献1に記載されたアルコール測定システムにおける撮影デバイスは、測定の実行中に撮影を実行する。特許文献1に記載されたアルコール測定システムにおける測定制御部は、測定の結果と、測定の実行中に撮影デバイスによって撮影された画像とを互いに関連付ける。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010-185813号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載されたアルコール測定システムにおいては、測定の実行中に撮影デバイスによって撮影された画像に含まれる被測定者が呼気を吹いているアルコール測定装置が正当なアルコール測定装置であるか不明であるので、被測定者以外の者が正当なアルコール測定装置に対して呼気を吹いていて、被測定者がダミーのアルコール測定装置に対して呼気を吹いている可能性があるという問題がある。
【0005】
そこで、本発明は、不正な測定が実行される可能性を低減することができるアルコール測定システム、測定制御プログラム、アルコール測定装置、発光パターン判定システムおよび発光パターン判定プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のアルコール測定システムは、呼気中のアルコール濃度の測定を実行するアルコール測定装置と、撮影デバイスと、前記アルコール測定装置による前記測定を制御する測定制御部とを備え、前記アルコール測定装置は、複数の発光パターンで発光可能である発光部を備え、前記撮影デバイスは、前記発光部と、前記アルコール測定装置に対して呼気を吹いている被測定者の顔とを前記測定の実行中に撮影可能であり、前記測定制御部は、前記発光パターンを決定し、前記発光部は、前記測定制御部によって決定された前記発光パターンで前記測定の実行中に発光し、前記撮影デバイスは、前記発光部の発光中に撮影を実行し、前記測定制御部は、前記測定の結果と、前記測定制御部が決定した前記発光パターンと、前記発光部の発光中に前記撮影デバイスによって撮影された画像とを互いに関連付けることを特徴とする。
【0007】
この構成により、本発明のアルコール測定システムは、アルコール測定装置の発光部と、このアルコール測定装置に対して呼気を吹いている被測定者の顔とを測定の実行中に撮影デバイスによって撮影可能であり、測定の結果と、決定した発光パターンと、発光部の発光中に撮影デバイスによって撮影された画像とを互いに関連付けるので、決定した発光パターンと、撮影デバイスによって撮影された発光部の発光パターンとが同一である場合に、測定の実行中に撮影デバイスによって撮影された被測定者が呼気を吹いているアルコール測定装置が正当なアルコール測定装置である可能性を向上することができる。したがって、本発明のアルコール測定システムは、不正な測定が実行される可能性を低減することができる。
【0008】
本発明のアルコール測定システムにおいて、前記測定制御部は、前記発光パターンを前記測定毎に決定しても良い。
【0009】
この構成により、本発明のアルコール測定システムは、発光パターンを測定毎に決定するので、正当な発光パターンで発光するダミーのアルコール測定装置を用意する困難性を向上することができる。したがって、本発明のアルコール測定システムは、不正な測定が実行される可能性を低減することができる。
【0010】
本発明のアルコール測定システムにおいて、前記測定制御部は、前記測定制御部が決定した前記発光パターンを示す画像を、前記発光部の発光中に前記撮影デバイスによって撮影された画像に合成することによって、前記測定制御部が決定した前記発光パターンと、前記発光部の発光中に前記撮影デバイスによって撮影された画像とを互いに関連付けても良い。
【0011】
この構成により、本発明のアルコール測定システムは、決定した発光パターンを示す画像を、発光部の発光中に撮影デバイスによって撮影された画像に合成するので、決定した発光パターンと、撮影デバイスによって撮影された発光部の発光パターンとが同一であるか否かの確認を容易化することができる。
【0012】
本発明の測定制御プログラムは、呼気中のアルコール濃度の測定を実行するアルコール測定装置による前記測定を制御する測定制御部をコンピューターに実現させ、前記アルコール測定装置は、複数の発光パターンで発光可能である発光部を備え、前記測定制御部は、前記発光パターンを決定し、前記発光部は、前記測定制御部によって決定された前記発光パターンで前記測定の実行中に発光し、前記測定制御部は、前記発光部と、前記アルコール測定装置に対して呼気を吹いている被測定者の顔とを前記測定の実行中に撮影可能である撮影デバイスによって前記発光部の発光中に撮影された画像と、前記測定の結果と、前記測定制御部が決定した前記発光パターンとを互いに関連付けることを特徴とする。
【0013】
この構成により、本発明の測定制御プログラムを実行するコンピューターは、アルコール測定装置による測定の結果と、コンピューター自身が決定した発光パターンと、アルコール測定装置の発光部の発光中に撮影デバイスによって撮影された画像とを互いに関連付けるので、コンピューター自身が決定した発光パターンと、撮影デバイスによって撮影された発光部の発光パターンとが同一である場合に、アルコール測定装置による測定の実行中に撮影デバイスによって撮影された被測定者が呼気を吹いているアルコール測定装置が正当なアルコール測定装置である可能性を向上することができる。したがって、本発明の測定制御プログラムを実行するコンピューターは、不正な測定が実行される可能性を低減することができる。
【0014】
本発明のアルコール測定装置は、呼気中のアルコール濃度の測定を実行するアルコール測定装置であって、複数の発光パターンで発光可能である発光部を備え、前記発光部は、前記アルコール測定装置による前記測定を制御する測定制御部によって決定された前記発光パターンで前記測定の実行中に発光することを特徴とする。
【0015】
この構成により、本発明のアルコール測定装置を備えるアルコール測定システムは、不正な測定が実行される可能性を低減することができる。
【0016】
本発明の発光パターン判定システムは、上述のアルコール測定システムにおける、前記発光部の発光中に前記撮影デバイスによって撮影された画像に含まれている前記発光パターンの正当性を判定する発光パターン判定部を備え、前記発光パターン判定部は、前記発光部の発光中に前記撮影デバイスによって撮影された画像に含まれている前記発光パターンを画像解析によって特定し、特定した前記発光パターンと、前記発光部の発光中に前記撮影デバイスによって撮影された画像に関連付けられている前記発光パターンとが同一である場合に、前記発光部の発光中に前記撮影デバイスによって撮影された画像に含まれている前記発光パターンが正当なものであると判定することを特徴とする。
【0017】
この構成により、本発明の発光パターン判定システムは、アルコール測定装置の発光部の発光中に撮影デバイスによって撮影された画像に含まれている発光パターンの正当性を判定するので、利便性を向上することができる。
【0018】
本発明の発光パターン判定プログラムは、上述のアルコール測定システムにおける、前記発光部の発光中に前記撮影デバイスによって撮影された画像に含まれている前記発光パターンの正当性を判定する発光パターン判定部をコンピューターに実現させ、前記発光パターン判定部は、前記発光部の発光中に前記撮影デバイスによって撮影された画像に含まれている前記発光パターンを画像解析によって特定し、特定した前記発光パターンと、前記発光部の発光中に前記撮影デバイスによって撮影された画像に関連付けられている前記発光パターンとが同一である場合に、前記発光部の発光中に前記撮影デバイスによって撮影された画像に含まれている前記発光パターンが正当なものであると判定することを特徴とする。
【0019】
この構成により、本発明の発光パターン判定プログラムを実行するコンピューターは、アルコール測定装置の発光部の発光中に撮影デバイスによって撮影された画像に含まれている発光パターンの正当性を判定するので、利便性を向上することができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明のアルコール測定システム、測定制御プログラム、アルコール測定装置、発光パターン判定システムおよび発光パターン判定プログラムは、不正な測定が実行される可能性を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の第1の実施の形態に係る点呼システムのブロック図である。
図2】(a)図1に示すアルコール測定装置の正面図である。 (b)図2(a)に示すアルコール測定装置の背面図である。
図3図2に示すアルコール測定装置のブロック図である。
図4図1に示す情報端末の外観斜視図である。
図5図4に示す情報端末のブロック図である。
図6図1に示す執行者端末のブロック図である。
図7】被測定者の呼気中のアルコール濃度を測定する場合の図5に示す情報端末の動作の一部のフローチャートである。
図8図7に示すフローチャートの続きのフローチャートである。
図9】測定開始指令を受信した場合の図3に示すアルコール測定装置の動作の一部のフローチャートである。
図10図9に示すフローチャートの続きのフローチャートである。
図11】被測定者が図2に示すアルコール測定装置のマウスピースに呼気を吹き込んでいる様子を表す図である。
図12図8に示す動作において取得された測定中画像の一例を示す図である。
図13図8に示す動作において生成された発光パターン付き測定中画像の一例を示す図である。
図14図1に示す点呼システムを使用して主に電話による会話によって点呼を行う方法の一例のフローチャートである。
図15図1に示す点呼システムを使用して主にビデオ通話による会話によって点呼を行う方法の一例のフローチャートである。
図16】1台のコンピューターによって構成される場合の本発明の第2の実施の形態に係る点呼システムの測定結果記憶システムの一例のブロック図である。
図17】測定中画像に含まれている発光パターンの正当性を判定する場合の図16に示す測定結果記憶システムの動作のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。
【0023】
(第1の実施の形態)
まず、本発明の第1の実施の形態に係る点呼システムの構成について説明する。
【0024】
図1は、本実施の形態に係る点呼システム10のブロック図である。
【0025】
図1に示すように、点呼システム10は、呼気中のアルコール濃度の測定結果を記憶する測定結果記憶システム20を備えている。測定結果記憶システム20は、1台のコンピューターによって構成されても良いし、複数台のコンピューターによって構成されても良い。測定結果記憶システム20は、クラウドサーバーによって実現されても良い。
【0026】
点呼システム10は、呼気中のアルコール濃度を測定するアルコール測定システム30を備えている。アルコール測定システム30は、呼気中のアルコール濃度の測定の対象者、すなわち、被測定者によって使用される。アルコール測定システム30は、被測定者によって携帯されても良い。被測定者は、点呼の対象者(以下「被点呼者」という。)でもある。例えば、被測定者は、トラック、バス、タクシーなどの事業用自動車の運転者である。点呼システム10は、呼気中のアルコール濃度を測定するアルコール測定システムを被測定者毎に備えていても良い。点呼システム10に含まれる全てのアルコール測定システムは、それぞれ、アルコール測定システム30と同様の構成である。以下においては、点呼システム10に含まれる全てのアルコール測定システムを代表して、アルコール測定システム30について説明する。
【0027】
アルコール測定システム30は、呼気中のアルコール濃度の測定を実行するアルコール測定装置40と、アルコール測定装置40による測定結果を測定結果記憶システム20に送信するコンピューターである情報端末60とを備えている。
【0028】
情報端末60は、測定結果記憶システム20とインターネットなどのネットワーク11を介して通信可能である。
【0029】
図2(a)は、アルコール測定装置40の正面図である。図2(b)は、アルコール測定装置40の背面図である。図3は、アルコール測定装置40のブロック図である。
【0030】
図2および図3に示すように、アルコール測定装置40は、筐体41と、筐体41に対して着脱可能であり、被測定者によって咥えられて呼気が吹き込まれるマウスピース42と、種々の操作が入力される例えばボタンなどの操作デバイスである操作部43と、種々の情報を表示する例えばLCD(Liquid Crystal Display)などの表示デバイスである表示部44と、複数の発光パターンで発光可能である発光部45と、マウスピース42に吹き込まれた呼気の強さとしての呼気圧を検出する呼気圧センサー46と、マウスピース42に吹き込まれた呼気を吸引する吸引ポンプ47と、吸引ポンプ47によって吸引された呼気中のアルコール濃度を検出するアルコールセンサー48と、USB(Universal Serial Bus)ケーブルなどの通信ケーブルを介した有線通信、または、Bluetooth(登録商標)などの無線通信によって直接に情報端末60(図1参照。)と通信を行うための通信デバイスである通信部49と、各種のデータを記憶している半導体メモリーなどの不揮発性の記憶デバイスである記憶部50と、アルコール測定装置40全体を制御する制御部51とを備えている。
【0031】
発光部45は、アルコール測定装置40の背面に配置されている。発光部45は、赤および青の2色を切り替えて発光可能であるLED(Light-Emitting Diode)を6つ、すなわち、LED45a、45b、45c、45d、45e、45fを備えている。LED45a~45fは、被測定者が適切な姿勢でアルコール測定装置40に呼気を吹き込んでいる場合に、上下方向に1列に並ぶように配置されている。ここで、適切な姿勢とは、脚および上半身が略鉛直方向に延在するように立った姿勢、または、上半身が略鉛直方向に延在するように座った姿勢である。
【0032】
制御部51は、例えば、CPU(Central Processing Unit)と、プログラムおよび各種のデータを記憶しているROM(Read Only Memory)と、制御部51のCPUの作業領域として用いられるメモリーとしてのRAM(Random Access Memory)とを備えている。制御部51のCPUは、記憶部50または制御部51のROMに記憶されているプログラムを実行する。
【0033】
図4は、情報端末60の外観斜視図である。図5は、情報端末60のブロック図である。
【0034】
図4および図5に示すように、情報端末60は、筐体61と、種々の操作が入力される例えばボタンなどの操作デバイスである操作部62と、撮影デバイスとしてのカメラ63と、種々の情報を表示する例えばLCDなどの表示デバイスである表示部64と、音声を入力するマイク65と、音声を出力するスピーカー66と、IC(Integrated Circuit)チップから情報を読み取る情報読取部67と、有線通信または無線通信によって直接にアルコール測定装置40(図1参照。)と通信を行うための通信デバイスである通信部68と、LTE(Long Term Evolution)などの携帯電話用の無線通信によってネットワーク11を介して他の電子機器と通信を行うための通信デバイスであるネットワーク通信部69と、各種のデータを記憶している半導体メモリーなどの不揮発性の記憶デバイスである記憶部70と、情報端末60全体を制御する制御部71とを備えている。情報端末60は、例えば、スマートフォンによって構成されている。
【0035】
操作部62の少なくとも一部は、表示部64とともにタッチパネルを構成しても良い。
【0036】
記憶部70は、アルコール測定装置40による測定を制御するためのアプリケーションプログラムとしての測定制御プログラム70aを記憶している。測定制御プログラム70aは、例えば、情報端末60の製造段階で情報端末60にインストールされていても良いし、USB(Universal Serial Bus)メモリーなどの外部の記憶媒体から情報端末60に追加でインストールされても良いし、ネットワーク上から情報端末60に追加でインストールされても良い。
【0037】
記憶部70は、被測定者の識別情報(以下「測定者ID」という。)と、被測定者の運転免許証の情報との対応関係を示す被測定者情報70bを記憶している。
【0038】
制御部71は、例えば、CPUと、プログラムおよび各種のデータを記憶しているROMと、制御部71のCPUの作業領域として用いられるメモリーとしてのRAMとを備えている。制御部71のCPUは、記憶部70または制御部71のROMに記憶されているプログラムを実行する。
【0039】
制御部71は、測定制御プログラム70aを実行することによって、アルコール測定装置40による測定を制御する測定制御部71aを実現する。
【0040】
図1に示すように、点呼システム10は、被点呼者に対して点呼を執行する者(以下「点呼執行者」という。)によって使用される執行者端末80を備えている。例えば、点呼執行者は、自動車運送事業者の運行管理者、または、運行管理者の補助者である。点呼システム10は、執行者端末を点呼執行者毎に備えていても良い。点呼システム10に含まれる全ての執行者端末は、それぞれ、執行者端末80と同様の構成である。以下においては、点呼システム10に含まれる全ての執行者端末を代表して、執行者端末80について説明する。
【0041】
執行者端末80は、測定結果記憶システム20とネットワーク11を介して通信可能である。また、アルコール測定システムの情報端末と、執行者端末80とは、ネットワーク11を介して通信可能である。
【0042】
図6は、執行者端末80のブロック図である。
【0043】
図6に示すように、執行者端末80は、種々の操作が入力される例えばキーボード、マウスなどの操作デバイスである操作部81と、撮影デバイスとしてのカメラ82と、種々の情報を表示する例えばLCDなどの表示デバイスである表示部83と、音声を入力するマイク84と、音声を出力するスピーカー85と、ネットワーク11を介して他の電子機器と通信を行うための通信デバイスである通信部86と、各種のデータを記憶している半導体メモリーなどの不揮発性の記憶デバイスである記憶部87と、執行者端末80全体を制御する制御部88とを備えている。執行者端末80は、例えば、PC(Personal Computer)によって構成されている。
【0044】
制御部88は、例えば、CPUと、プログラムおよび各種のデータを記憶しているROMと、制御部88のCPUの作業領域として用いられるメモリーとしてのRAMとを備えている。制御部88のCPUは、記憶部87または制御部88のROMに記憶されているプログラムを実行する。
【0045】
図1に示すように、点呼システム10は、点呼執行者によって使用される電話機90を備えている。点呼システム10は、電話機を点呼執行者毎に備えていても良い。
【0046】
次に、被測定者の呼気中のアルコール濃度を測定する場合のアルコール測定システム30の動作について説明する。
【0047】
図7は、被測定者の呼気中のアルコール濃度を測定する場合の情報端末60の動作の一部のフローチャートである。図8は、図7に示すフローチャートの続きのフローチャートである。
【0048】
被測定者は、情報端末60の操作部62を介して測定制御プログラム70aの起動を情報端末60に指示する。情報端末60の制御部71は、測定制御プログラム70aの起動が指示されると、測定制御プログラム70aを起動する。したがって、測定制御部71aは、図7および図8に示す動作を実行する。
【0049】
図7および図8に示すように、測定制御部71aは、ホーム画面を表示部64に表示する(S101)。ホーム画面には、アルコール測定装置40による測定の開始を指示するための「アルコール測定」ボタンが含まれている。被測定者は、情報端末60の操作部62を介して、ホーム画面において「アルコール測定」ボタンを押すことができる。
【0050】
測定制御部71aは、S101の処理が終了すると、ホーム画面において「アルコール測定」ボタンが押されたと判断するまで、ホーム画面において「アルコール測定」ボタンが押されたか否かを判断する(S102)。
【0051】
測定制御部71aは、ホーム画面において「アルコール測定」ボタンが押されたとS102において判断すると、アルコール測定装置40との接続を試みる(S103)。ここで、アルコール測定装置40の状態が呼気中のアルコール濃度を測定可能な状態であって、アルコール測定装置40と、情報端末60とが有線通信または無線通信の少なくとも1つを実行可能である場合に、測定制御部71aと、アルコール測定装置40との接続が成功する。
【0052】
測定制御部71aは、S103の処理が終了すると、S103において試みた接続が成功したか否かを判断する(S104)。
【0053】
測定制御部71aは、S103において試みた接続が成功しなかったとS104において判断すると、アルコール測定装置40の電源を入れることの、被測定者に対する指示を表示部64に表示する(S105)。したがって、被測定者は、アルコール測定装置40の操作部43を介した操作によってアルコール測定装置40を起動させることができる。アルコール測定装置40の制御部51は、アルコール測定装置40が起動されると、アルコール測定装置40の状態を、呼気中のアルコール濃度を測定可能な状態まで遷移させる。なお、S105における表示には、アルコール測定装置40と、情報端末60とを例えばUSBケーブルによって接続することの、被測定者に対する指示が含まれていても良い。また、S105における表示には、情報端末60においてBluetoothを有効にすることの、被測定者に対する指示が含まれていても良い。
【0054】
測定制御部71aは、S105の処理の後、S103の処理を実行する。
【0055】
測定制御部71aは、S103において試みた接続が成功したとS104において判断すると、被測定者の測定者IDの入力、または、被測定者の運転免許証からの情報の読み取りの、被測定者に対する指示を表示部64に表示する(S106)。したがって、被測定者は、操作部62を介して被測定者自身の測定者IDを入力したり、被測定者自身の運転免許証から情報を情報読取部67に読み取らせたりすることができる。
【0056】
測定制御部71aは、S106の処理が終了すると、操作部62を介して測定者IDが入力されたか否かを判断する(S107)。
【0057】
測定制御部71aは、操作部62を介して測定者IDが入力されていないとS107において判断すると、情報読取部67によって運転免許証から情報が読み取られたか否かを判断する(S108)。
【0058】
測定制御部71aは、情報読取部67によって運転免許証から情報が読み取られていないとS108において判断すると、S107の処理を実行する。
【0059】
測定制御部71aは、情報読取部67によって運転免許証から情報が読み取られたとS108において判断すると、情報読取部67によって運転免許証から読み取られた情報に被測定者情報70bにおいて対応付けられている測定者IDを特定する(S109)。
【0060】
測定制御部71aは、操作部62を介して測定者IDが入力されたとS107において判断するか、S109の処理が終了すると、発光部45の発光パターンをランダムに決定する(S110)。発光部45の発光パターンとは、LED45a~45fのそれぞれにおける赤色および青色のいずれかの点灯のパターンである。LED45a~45f、すなわち、6つのLEDのそれぞれに対して赤色の点灯と、青色の点灯との2通りのパターンが存在するので、発光部45の発光パターンは、2の6乗、すなわち、64通り存在する。例えば、測定制御部71aは、発光部45の発光パターンとして、「LED45aが赤色に点灯、LED45bが赤色に点灯、LED45cが青色に点灯、LED45dが赤色に点灯、LED45eが青色に点灯、LED45fが青色に点灯」という発光パターンをS110において決定する。
【0061】
測定制御部71aは、S110の処理が終了すると、呼気中のアルコール濃度の測定の開始を指示するための指令(以下「測定開始指令」という。)をアルコール測定装置40に送信する(S111)。測定制御部71aは、S110において生成した発光パターンを測定開始指令に含める。また、測定制御部71aは、測定開始指令のデータに発生する可能性がある符号誤りをアルコール測定装置40側で検出するための符号を測定開始指令に含める。
【0062】
図9は、測定開始指令を受信した場合のアルコール測定装置40の動作の一部のフローチャートである。図10は、図9に示すフローチャートの続きのフローチャートである。
【0063】
アルコール測定装置40の制御部51は、情報端末60から測定開始指令を受信すると、図9および図10に示す動作を実行する。
【0064】
図9および図10に示すように、制御部51は、情報端末60から受信した測定開始指令に含まれる、符号誤りの検出用の符号を使用して、この測定開始指令に符号誤りが含まれているか否かを判断する(S141)。
【0065】
制御部51は、測定開始指令に符号誤りが含まれているとS141において判断すると、エラーの発生を情報端末60に通知して(S142)、図9および図10に示す動作を終了する。
【0066】
制御部51は、測定開始指令に符号誤りが含まれていないとS141において判断すると、情報端末60から受信した測定開始指令を情報端末60にエコーバックする(S143)。
【0067】
なお、制御部51は、測定開始指令に符号誤りが含まれているとS141において判断した場合に、測定開始指令に含まれている符号誤りを訂正可能であるとき、S142の処理を実行せずに、測定開始指令に含まれている符号誤りを訂正して、S143の処理を実行しても良い。
【0068】
図7および図8に示すように、情報端末60の測定制御部71aは、S111の処理が終了すると、アルコール測定装置40からエラーの発生が通知されたか否かを判断する(S112)。
【0069】
測定制御部71aは、アルコール測定装置40からエラーの発生が通知されたとS112において判断すると、エラーの発生を表示部64に表示する(S113)。
【0070】
測定制御部71aは、S113の処理が終了すると、アルコール測定装置40との接続を解除して(S114)、ホーム画面を表示部64に表示する(S101)。
【0071】
測定制御部71aは、アルコール測定装置40からエラーの発生が通知されていないとS112において判断すると、アルコール測定装置40から測定開始指令が送信されてきたか否かを判断する(S115)。
【0072】
測定制御部71aは、アルコール測定装置40から測定開始指令が送信されてきていないとS115において判断すると、S112の処理を実行する。
【0073】
測定制御部71aは、アルコール測定装置40から測定開始指令が送信されてきたとS115において判断すると、アルコール測定装置40から送信されてきた測定開始指令と、S111においてアルコール測定装置40に送信した測定開始指令とが同一であるか否かを判断する(S116)。
【0074】
測定制御部71aは、アルコール測定装置40から送信されてきた測定開始指令と、S111においてアルコール測定装置40に送信した測定開始指令とが同一ではないとS116において判断すると、S113の処理を実行する。すなわち、測定制御部71aは、エラーの発生を表示部64に表示して(S113)、アルコール測定装置40との接続を解除した後(S114)、ホーム画面を表示部64に表示する(S101)。
【0075】
測定制御部71aは、アルコール測定装置40から送信されてきた測定開始指令と、S111においてアルコール測定装置40に送信した測定開始指令とが同一であるとS116において判断すると、測定開始指令の受信の確認の成功をアルコール測定装置40に通知する(S117)。
【0076】
図9および図10に示すように、アルコール測定装置40の制御部51は、S143の処理が終了すると、情報端末60との接続が解除されたか否かを判断する(S144)。
【0077】
制御部51は、情報端末60との接続が解除されたとS144において判断すると、図9および図10に示す動作を終了する。
【0078】
制御部51は、情報端末60との接続が解除されていないとS144において判断すると、測定開始指令の受信の確認の成功が情報端末60から通知されたか否かを判断する(S145)。
【0079】
制御部51は、測定開始指令の受信の確認の成功が情報端末60から通知されていないとS145において判断すると、S144の処理を実行する。
【0080】
制御部51は、測定開始指令の受信の確認の成功が情報端末60から通知されたとS145において判断すると、例えば「呼気を吹き込んでください。」というメッセージの表示など、呼気の吹き込みを被測定者に指示するための表示を表示部44において実行する(S146)。
【0081】
図7および図8に示すように、情報端末60の測定制御部71aは、S117の処理が終了すると、カメラ63を起動する(S121)。
【0082】
測定制御部71aは、S121の処理が終了すると、カメラ63によって撮影された画像を表示部64に表示することを開始する(S122)。
【0083】
図11は、被測定者301がアルコール測定装置40のマウスピース42に呼気を吹き込んでいる様子を表す図である。
【0084】
被測定者は、S146(図9参照。)において実行された、アルコール測定装置40の表示部44における表示を見て、マウスピース42に呼気の吹き込みを開始することができる。また、被測定者は、マウスピース42に呼気を吹き込む場合に、情報端末60の位置を、S122(図8参照。)において情報端末60の表示部64への表示が開始された画像に、被測定者自身の顔と、アルコール測定装置40の発光部45とが含まれる位置に調整することができる。例えば、被測定者は、マウスピース42に呼気を吹き込む場合に、情報端末60の位置を、図11に示す位置に調整することができる。
【0085】
図9および図10に示すように、アルコール測定装置40の制御部51は、S146の処理が終了すると、S146の処理の実行時からの経過時間が特定の時間を超えたか否かを判断する(S147)。
【0086】
制御部51は、S146の処理の実行時からの経過時間が特定の時間を超えたとS147において判断すると、S142の処理を実行する。すなわち、制御部51は、エラーの発生を情報端末60に通知して(S142)、図9および図10に示す動作を終了する。
【0087】
図7および図8に示すように、情報端末60の測定制御部71aは、S122の処理が終了すると、アルコール測定装置40からエラーの発生が通知されたか否かを判断する(S123)。
【0088】
測定制御部71aは、アルコール測定装置40からエラーの発生が通知されたとS123において判断すると、カメラ63によって撮影された画像を表示部64に表示することを終了する(S124)。
【0089】
測定制御部71aは、S124の処理が終了すると、カメラ63の駆動を終了し(S125)、S113の処理を実行する。すなわち、測定制御部71aは、エラーの発生を表示部64に表示し(S113)、アルコール測定装置40との接続を解除した後(S114)、ホーム画面を表示部64に表示する(S101)。
【0090】
図9および図10に示すように、アルコール測定装置40の制御部51は、S146の処理の実行時からの経過時間が特定の時間を超えていないとS147において判断すると、呼気圧センサー46によって検出されている呼気圧が特定の呼気圧以上であるか否かを判断する(S148)。
【0091】
制御部51は、呼気圧センサー46によって検出されている呼気圧が特定の呼気圧以上ではないとS148において判断すると、S147の処理を実行する。
【0092】
制御部51は、呼気圧センサー46によって検出されている呼気圧が特定の呼気圧以上であるとS148において判断すると、呼気の吹き込みの進捗状況を特定のアルゴリズムによって算出する(S161)。進捗状況は、直前のS148において特定の呼気圧以上であると制御部51によって判断されてからマウスピース42に吹き込まれた呼気の流量が特定の流量に到達する時点を100%であるとした場合の百分率で表されるものである。制御部51は、直前のS148において特定の呼気圧以上であると判断してからマウスピース42に吹き込まれた呼気の流量に少なくとも基づいて進捗状況を算出する。制御部51は、呼気圧センサー46によって検出された呼気圧に基づいて流量を算出する。
【0093】
制御部51は、S161の処理が終了すると、S161において算出した進捗状況を情報端末60に通知する(S162)。
【0094】
図7および図8に示すように、情報端末60の測定制御部71aは、アルコール測定装置40からエラーの発生が通知されていないとS123において判断すると、アルコール測定装置40から進捗状況が通知されたか否かを判断する(S126)。
【0095】
測定制御部71aは、アルコール測定装置40から進捗状況が通知されていないとS126において判断すると、S123の処理を実行する。
【0096】
測定制御部71aは、アルコール測定装置40から進捗状況が通知されたとS126において判断すると、アルコール測定装置40から通知された進捗状況を表示部64に表示する(S127)。
【0097】
図9および図10に示すように、アルコール測定装置40の制御部51は、S162の処理が終了すると、発光部45を発光させているか否かを判断する(S163)。
【0098】
制御部51は、発光部45を発光させていないとS163において判断すると、S161において算出した進捗状況が特定の進捗状況に達したか否かを判断する(S164)。例えば、特定の進捗状況は、70%である。
【0099】
制御部51は、S161において算出した進捗状況が特定の進捗状況に達したとS164において判断すると、測定開始指令に含まれていた発光パターンで発光部45を発光させる(S165)。すなわち、発光部45は、呼気中のアルコール濃度の測定の実行中に、情報端末60の測定制御部71aによってS110において決定された発光パターンで発光する。
【0100】
制御部51は、発光部45を発光させているとS163において判断すると、S161において算出した進捗状況が100%に達したか否かを判断する(S166)。
【0101】
制御部51は、S161において算出した進捗状況が特定の進捗状況に達していないとS164において判断するか、S165の処理が終了するか、S161において算出した進捗状況が100%に達していないとS166において判断すると、呼気圧センサー46によって検出されている呼気圧が特定の呼気圧以上であるか否かを判断する(S167)。S167の判断における閾値である「特定の呼気圧」は、S148の判断における閾値である「特定の呼気圧」と同一である。
【0102】
制御部51は、呼気圧センサー46によって検出されている呼気圧が特定の呼気圧以上ではないとS167において判断すると、S142の処理を実行する。すなわち、制御部51は、エラーの発生を情報端末60に通知して(S142)、図9および図10に示す動作を終了する。したがって、情報端末60の測定制御部71aは、図7および図8に示すように、アルコール測定装置40からエラーの発生が通知されたとS123において判断し、カメラ63によって撮影された画像を表示部64に表示することを終了し(S124)、カメラ63の駆動を終了し(S125)、エラーの発生を表示部64に表示し(S113)、アルコール測定装置40との接続を解除した後(S114)、ホーム画面を表示部64に表示する(S101)。
【0103】
図9および図10に示すように、アルコール測定装置40の制御部51は、呼気圧センサー46によって検出されている呼気圧が特定の呼気圧以上であるとS167において判断すると、S161の処理を実行する。
【0104】
図7および図8に示すように、情報端末60の測定制御部71aは、S127の処理が終了すると、アルコール測定装置40から通知された進捗状況が100%に達したか否かを判断する(S128)。
【0105】
測定制御部71aは、アルコール測定装置40から通知された進捗状況が100%に達していないとS128において判断すると、S123の処理を実行する。
【0106】
測定制御部71aは、アルコール測定装置40から通知された進捗状況が100%に達したとS128において判断すると、カメラ63によって撮影されている画像の静止画像を測定中画像として取得する(S129)。
【0107】
測定制御部71aは、S129の処理が終了すると、カメラ63によって撮影された画像を表示部64に表示することを終了する(S130)。
【0108】
測定制御部71aは、S130の処理が終了すると、カメラ63の駆動を終了する(S131)。
【0109】
図12は、S129において取得された測定中画像310の一例を示す図である。
【0110】
図12に示す測定中画像310には、マウスピース42によってアルコール測定装置40に呼気を吹き込んでいる状態の被測定者301の顔と、発光している発光部45とが含まれている。
【0111】
なお、情報端末60においてカメラ63で撮影した画像が左右反転した画像になるように設定されているので、測定中画像310において、アルコール測定装置40における発光部45の左右方向における配置が、図2(b)に示す配置とは逆になっている。したがって、情報端末60においてカメラ63で撮影した画像が左右反転した画像にならないように設定されていれば、測定中画像310において、アルコール測定装置40における発光部45の左右方向における配置は、図2(b)に示す配置と同一になる。
【0112】
図9および図10に示すように、アルコール測定装置40の制御部51は、S161において算出した進捗状況が100%に達したとS166において判断すると、マウスピース42に吹き込まれた呼気を吸引ポンプ47によって吸引する(S168)。
【0113】
制御部51は、S168の処理が終了すると、S168において吸引した呼気に対してアルコールセンサー48によって出力された信号に基づいてアルコール濃度の算出を開始する(S169)。
【0114】
制御部51は、S169の処理が終了すると、S168における呼気の吸引の後、特定の時間が経過したと判断するまで、S168における呼気の吸引の後、特定の時間が経過したか否かを判断する(S170)。S170における特定の時間は、例えば、2秒である。
【0115】
制御部51は、S168における呼気の吸引の後、特定の時間が経過したとS170において判断すると、発光部45の発光を終了させる(S171)。
【0116】
制御部51は、S171の処理が終了すると、S169において開始された算出の結果であるアルコール濃度を含む測定結果データを記憶部50に保存する(S172)。ここで、測定結果データは、今回の測定の識別情報としての測定番号と、今回の測定の完了日時とを含んでいる。測定番号は、制御部51によって決定されたものである。
【0117】
制御部51は、S172の処理が終了すると、S172において記憶部50に保存した測定結果データと同一の測定結果データを情報端末60に送信して(S173)、図9および図10に示す動作を終了する。
【0118】
図7および図8に示すように、情報端末60の測定制御部71aは、S131の処理が終了すると、アルコール測定装置40から測定結果データが送信されてきたと判断するまで、アルコール測定装置40から測定結果データが送信されてきたか否かを判断する(S132)。
【0119】
測定制御部71aは、アルコール測定装置40から測定結果データが送信されてきたとS132において判断すると、S110において決定した発光パターンを示す画像(以下「発光パターン画像」という。)を、S129において取得した測定中画像に合成した画像(以下「発光パターン付き測定中画像」という。)を生成する(S133)。すなわち、測定制御部71aは、発光パターン画像を、発光部45の発光中にカメラ63によって撮影された画像としての測定中画像に合成することによって、S110において決定した発光パターンと、測定中画像とを互いに関連付ける。
【0120】
図13は、S133において生成された発光パターン付き測定中画像320の一例を示す図である。
【0121】
図13に示す発光パターン付き測定中画像320には、測定中画像310と、発光パターン画像321とが含まれている。
【0122】
図7および図8に示すように、情報端末60の測定制御部71aは、S133の処理が終了すると、アルコール測定装置40から送信されてきた測定結果データと、操作部62を介して入力されたとS107において判断され、または、S109において特定された測定者IDと、S133において生成した発光パターン付き測定中画像とを互いに関連付けて測定結果記憶システム20に送信する(S134)。したがって、測定結果記憶システム20は、S134において情報端末60から送信されてきた測定結果データ、測定者IDおよび発光パターン付き測定中画像を互いに関連付けて記憶する。
【0123】
測定制御部71aは、S134の処理が終了すると、S114の処理を実行する。すなわち、測定制御部71aは、アルコール測定装置40との接続を解除した後(S114)、ホーム画面を表示部64に表示する(S101)。
【0124】
次に、点呼システム10を使用して主に電話による会話によって点呼を行う方法について説明する。
【0125】
図14は、点呼システム10を使用して主に電話による会話によって点呼を行う方法の一例のフローチャートである。
【0126】
図14に示すように、被点呼者は、被点呼者自身の情報端末によって点呼執行者の電話機に接続する前に、上述したように、被点呼者自身の呼気中のアルコール濃度をアルコール測定システム30によって測定する(S181)。
【0127】
次いで、被点呼者は、被点呼者自身の情報端末によって点呼執行者の電話機に接続する(S182)。
【0128】
次いで、点呼執行者は、点呼執行者自身の電話機と、被点呼者の情報端末とを介した電話による被点呼者との会話によって、被点呼者に対する点呼の執行を開始する(S183)。ここで、被点呼者に対する点呼における確認項目には、測定結果記憶システム20に記憶された被点呼者の最新の測定結果データに基づいた確認項目も含まれている。
【0129】
次いで、点呼執行者は、測定結果記憶システム20に記憶された被点呼者の最新の測定結果データの対象の測定が正当な測定であるか否かを判断する(S184)。例えば、点呼執行者は、点呼執行者の執行者端末を使用して、測定結果記憶システム20に記憶された被点呼者の最新の測定結果データに関連付けられている発光パターン付き測定中画像を見て、この発光パターン付き測定中画像に含まれている測定中画像に含まれている被測定者の顔が、被点呼者の顔であって、この測定中画像に含まれている発光部の発光パターンが、この発光パターン付き測定中画像に含まれている発光パターン画像に示されている発光パターンと同一である場合に、この測定結果データの対象の測定が正当な測定であると判断することができる。一方、点呼執行者は、測定結果記憶システム20に記憶された被点呼者の最新の測定結果データに関連付けられている発光パターン付き測定中画像に含まれている測定中画像に含まれている被測定者の顔が、被点呼者の顔ではない場合、または、測定結果記憶システム20に記憶された被点呼者の最新の測定結果データに関連付けられている発光パターン付き測定中画像に含まれている測定中画像に含まれている発光部の発光パターンが、この発光パターン付き測定中画像に含まれている発光パターン画像に示されている発光パターンと同一ではない場合に、この測定結果データの対象の測定が正当な測定ではないと判断することができる。
【0130】
点呼執行者は、測定結果記憶システム20に記憶された被点呼者の最新の測定結果データの対象の測定が正当な測定ではないとS184において判断した場合、例えば、呼気中のアルコール濃度の測定を被点呼者に再度実行させても良いし、被点呼者が事業用自動車の運転者であるときには被点呼者に乗務禁止を命令しても良い。
【0131】
点呼執行者は、S184の動作が終了した後、被点呼者に対する点呼における全ての確認項目の確認が終了したと判断するまで、被点呼者に対する点呼における全ての確認項目の確認が終了したか否かを判断する(S185)。
【0132】
点呼執行者は、被点呼者に対する点呼における全ての確認項目の確認が終了したとS185において判断すると、被点呼者に対する点呼の執行を終了する(S186)。
【0133】
最後に、被点呼者および点呼執行者のいずれか一方は、被点呼者の情報端末と、点呼執行者の電話機との接続を終了する(S187)。
【0134】
次に、点呼システム10を使用して主にビデオ通話による会話によって点呼を行う方法について説明する。
【0135】
図15は、点呼システム10を使用して主にビデオ通話による会話によって点呼を行う方法の一例のフローチャートである。
【0136】
図15に示すように、被点呼者は、被点呼者自身の情報端末によって点呼執行者の執行者端末に接続する(S191)。
【0137】
次いで、点呼執行者は、点呼執行者自身の執行者端末と、被点呼者の情報端末とを介したビデオ通話による被点呼者との会話によって、被点呼者に対する点呼の執行を開始する(S192)。ここで、被点呼者に対する点呼における確認項目には、測定結果記憶システム20に記憶された被点呼者の最新の測定結果データに基づいた確認項目も含まれている。
【0138】
次いで、被点呼者は、上述したように、被点呼者自身の呼気中のアルコール濃度をアルコール測定システム30によって測定する(S193)。
【0139】
次いで、点呼執行者は、S184(図14参照。)の処理と同様に、測定結果記憶システム20に記憶された被点呼者の最新の測定結果データの対象の測定が正当な測定であるか否かを判断する(S194)。
【0140】
点呼執行者は、測定結果記憶システム20に記憶された被点呼者の最新の測定結果データの対象の測定が正当な測定ではないとS194において判断した場合、例えば、呼気中のアルコール濃度の測定を被点呼者に再度実行させても良いし、被点呼者が事業用自動車の運転者であるときには被点呼者に乗務禁止を命令しても良い。
【0141】
点呼執行者は、S194の動作が終了した後、被点呼者に対する点呼における全ての確認項目の確認が終了したと判断するまで、被点呼者に対する点呼における全ての確認項目の確認が終了したか否かを判断する(S195)。
【0142】
点呼執行者は、被点呼者に対する点呼における全ての確認項目の確認が終了したとS195において判断すると、被点呼者に対する点呼の執行を終了する(S196)。
【0143】
最後に、被点呼者および点呼執行者のいずれか一方は、被点呼者の情報端末と、点呼執行者の執行者端末との接続を終了する(S197)。
【0144】
以上に説明したように、アルコール測定システム30は、アルコール測定装置40の発光部45と、このアルコール測定装置40に対して呼気を吹いている被測定者の顔とを測定の実行中にカメラ63によって撮影可能であり、測定の結果と、S110において決定した発光パターンと、発光部45の発光中にカメラ63によって撮影された測定中画像とを互いに関連付ける(S133およびS134)ので、S110において決定した発光パターンと、カメラ63によって撮影された発光部45の発光パターンとが同一である場合に、測定の実行中にカメラ63によって撮影された被測定者が呼気を吹いているアルコール測定装置40が正当なアルコール測定装置である可能性を向上することができる。したがって、アルコール測定システム30は、不正な測定が実行される可能性を低減することができる。
【0145】
アルコール測定システム30は、発光パターンを測定毎に決定する(S110)ので、正当な発光パターンで発光するダミーのアルコール測定装置を用意する困難性を向上することができる。したがって、アルコール測定システム30は、不正な測定が実行される可能性を低減することができる。
【0146】
アルコール測定システム30は、本実施の形態において、発光パターンを測定毎に決定する。しかしながら、アルコール測定システム30は、発光パターンを測定毎以外のタイミング毎に決定しても良い。例えば、アルコール測定システム30は、複数回の測定が実行される毎に発光パターンを決定しても良いし、15分毎など、定期的なタイミングで発光パターンを決定しても良い。
【0147】
アルコール測定システム30は、S110において決定した発光パターンを示す発光パターン画像を測定中画像に合成する(S133)ので、S110において決定した発光パターンと、カメラ63によって撮影された発光部45の発光パターンとが同一であるか否かの確認を容易化することができる。
【0148】
アルコール測定システム30は、本実施の形態において、発光パターン画像を測定中画像に合成することによって、S110において決定した発光パターンと、測定中画像とを互いに関連付ける。しかしながら、アルコール測定システム30は、発光パターン画像と、測定中画像とを合成せずに別々に保持した上で、発光パターン画像と、測定中画像とを互いに関連付けることによって、S110において決定した発光パターンと、測定中画像とを互いに関連付けても良い。また、アルコール測定システム30は、S110において決定した発光パターンを示すテキストデータなど、S110において決定した発光パターンを示す、画像以外の情報と、測定中画像とを互いに関連付けることによって、S110において決定した発光パターンと、測定中画像とを互いに関連付けても良い。
【0149】
(第2の実施の形態)
まず、本発明の第2の実施の形態に係る点呼システムの構成について説明する。
【0150】
本実施の形態に係る点呼システムの構成は、呼気中のアルコール濃度の測定結果を記憶する測定結果記憶システム220(図16参照。)を第1の実施の形態に係る点呼システム10(図1参照。)が測定結果記憶システム20(図1参照。)に代えて備えた構成と同様である。本実施の形態に係る点呼システムの構成要素のうち、点呼システム10の構成要素と同様の構成要素については、点呼システム10の構成要素と同一の符号を付して、詳細な説明を省略する。
【0151】
測定結果記憶システム220は、1台のコンピューターによって構成されても良いし、複数台のコンピューターによって構成されても良い。測定結果記憶システム220は、クラウドサーバーによって実現されても良い。
【0152】
図16は、1台のコンピューターによって構成される場合の測定結果記憶システム220の一例のブロック図である。
【0153】
図16に示す測定結果記憶システム220は、種々の操作が入力される例えばキーボード、マウスなどの操作デバイスである操作部221と、種々の情報を表示する例えばLCDなどの表示デバイスである表示部222と、ネットワーク11を介して他の電子機器と通信を行うための通信デバイスである通信部223と、各種のデータを記憶している半導体メモリーなどの不揮発性の記憶デバイスである記憶部224と、測定結果記憶システム220全体を制御する制御部225とを備えている。
【0154】
記憶部224は、情報端末60から測定結果記憶システム220に送信されてきた測定結果データを複数記憶可能である。例えば、記憶部224は、測定結果データ224aを記憶している。
【0155】
記憶部224は、情報端末60から測定結果記憶システム220に送信されてきた測定者IDを複数記憶可能である。例えば、記憶部224は、測定者ID224bを記憶している。
【0156】
記憶部224は、情報端末60から測定結果記憶システム220に送信されてきた発光パターン付き測定中画像を複数記憶可能である。例えば、記憶部224は、発光パターン付き測定中画像224cを記憶している。
【0157】
なお、記憶部224は、情報端末60から測定結果記憶システム220に送信されてきた測定結果データ、測定者IDおよび発光パターン付き測定中画像を互いに関連付けて記憶している。
【0158】
記憶部224は、測定中画像に含まれている発光パターンの正当性の判定結果を示す発光パターン判定結果情報を発光パターン付き測定中画像毎に発光パターン付き測定中画像に関連付けて記憶可能である。例えば、記憶部224は、発光パターン判定結果情報224dを記憶している。
【0159】
記憶部224は、測定中画像に含まれている発光パターンの正当性を判定するための発光パターン判定プログラム224eを記憶している。発光パターン判定プログラム224eは、例えば、測定結果記憶システム220の製造段階で測定結果記憶システム220にインストールされていても良いし、USBメモリーなどの外部の記憶媒体から測定結果記憶システム220に追加でインストールされても良いし、ネットワーク上から測定結果記憶システム220に追加でインストールされても良い。
【0160】
制御部225は、例えば、CPUと、プログラムおよび各種のデータを記憶しているROMと、制御部225のCPUの作業領域として用いられるメモリーとしてのRAMとを備えている。制御部225のCPUは、記憶部224または制御部225のROMに記憶されているプログラムを実行する。
【0161】
制御部225は、発光パターン判定プログラム224eを実行することによって、測定中画像に含まれている発光パターンの正当性を判定する発光パターン判定部225aを実現する。
【0162】
図17は、測定中画像に含まれている発光パターンの正当性を判定する場合の測定結果記憶システム220の動作のフローチャートである。
【0163】
発光パターン判定部225aは、記憶部224に記憶されている発光パターン付き測定中画像に含まれている発光パターンの正当性を判定する場合、発光パターン付き測定中画像毎に図17に示す動作を実行する。
【0164】
図17に示すように、発光パターン判定部225aは、現在の対象の発光パターン付き測定中画像に含まれている測定中画像に含まれている発光部の発光パターンを画像解析によって特定する(S251)。
【0165】
発光パターン判定部225aは、S251の処理が終了すると、現在の対象の発光パターン付き測定中画像に含まれている発光パターン画像に示されている発光パターンを画像解析によって特定する(S252)。
【0166】
発光パターン判定部225aは、S252の処理が終了すると、S251において特定した発光パターンと、S252において特定した発光パターンとが同一であるか否かを判断する(S253)。
【0167】
発光パターン判定部225aは、S251において特定した発光パターンと、S252において特定した発光パターンとが同一であるとS253において判断すると、現在の対象の発光パターン付き測定中画像に含まれている測定中画像に含まれている発光部の発光パターンが正当なものであることを示す発光パターン判定結果情報を、現在の対象の発光パターン付き測定中画像に関連付けて記憶部224に記憶して(S254)、図17に示す動作を終了する。
【0168】
発光パターン判定部225aは、S251において特定した発光パターンと、S252において特定した発光パターンとが同一ではないとS253において判断すると、現在の対象の発光パターン付き測定中画像に含まれている測定中画像に含まれている発光部の発光パターンが正当なものではないことを示す発光パターン判定結果情報を、現在の対象の発光パターン付き測定中画像に関連付けて記憶部224に記憶して(S255)、図17に示す動作を終了する。
【0169】
なお、図17に示す動作の少なくとも一部は、AI(Artificial Intelligence)によって実現されても良い。
【0170】
点呼執行者は、測定結果記憶システム220に記憶された被点呼者の測定結果データの対象の測定が正当な測定であるか否かを判断する場合に、この測定結果データに関連付けられている発光パターン付き測定中画像に関連付けられている発光パターン判定結果情報を参考にすることができる。
【0171】
以上に説明したように、測定結果記憶システム220は、アルコール測定装置の発光部の発光中にカメラによって撮影された画像に含まれている発光パターンの正当性を判定する(S253~S255)ので、利便性を向上することができる。
【0172】
測定結果記憶システム220は、本実施の形態において、発光パターン付き測定中画像に含まれている発光パターン画像に示されている発光パターンを画像解析によって特定する(S252)。しかしながら、測定結果記憶システム220は、測定中画像に合成されずに測定中画像に関連付けられている発光パターン画像が存在する場合には、この発光パターン画像に示されている発光パターンをS252において画像解析によって特定しても良い。また、測定結果記憶システム220は、例えばテキストデータなど、画像以外の情報として測定中画像に関連付けられている発光パターンが存在する場合には、この発光パターンをS252において特定しても良い。
【0173】
本発明の発光パターン判定システムは、本実施の形態において、測定結果記憶システム220によって実現されている。しかしながら、本発明の発光パターン判定システムは、測定結果記憶システム220以外によって実現されても良い。例えば、本発明の発光パターン判定システムは、アルコール測定システムの情報端末によって実現されても良いし、執行者端末によって実現されても良い。
【0174】
発光部45は、上述の各実施の形態において、発光パターンとして、6つの発光箇所のそれぞれにおける赤色および青色のいずれかの点灯のパターンを採用している。しかしながら、発光部45は、発光パターンとして、6つの発光箇所のそれぞれにおける赤色の点灯と、青色の点灯と、消灯とのいずれかのパターンを採用しても良い。
【0175】
発光部45は、上述の各実施の形態において、発光箇所を6つ備えている。しかしながら、発光部45は、6つ以外の数の発光箇所を備えても良い。
【0176】
発光部45は、上述の各実施の形態において、赤色および青色の2色を切り替えて発光可能である発光箇所を備えている。しかしながら、発光部45は、赤色および青色の組み合わせ以外の組み合わせの2色を切り替えて発光可能である発光箇所を備えても良い。また、発光部45は、2色以上の数の色を切り替えて発光可能である発光箇所を備えても良いし、1色のみを発光可能である発光箇所を備えても良い。また、発光部45は、発光可能である色の数と、発光可能である色の種類との少なくとも1つが互いに異なる少なくとも2つの発光箇所を備えても良い。
【0177】
測定制御部は、上述の各実施の形態において、情報端末60によって実現されている。しかしながら、測定制御部は、アルコール測定装置40によって実現されても良いし、アルコール測定装置40および情報端末60のいずれでもない電子機器によって実現されても良いし、複数の電子機器によって実現されても良い。
【符号の説明】
【0178】
30 アルコール測定システム
40 アルコール測定装置
45 発光部
60 情報端末(コンピューター)
63 カメラ(撮影デバイス)
70a 測定制御プログラム
71a 測定制御部
220 測定結果記憶システム(発光パターン判定システム、コンピューター)
224e 発光パターン判定プログラム
225a 発光パターン判定部
301 被測定者
310 測定中画像(発光部の発光中に撮影デバイスによって撮影された画像)
321 発光パターン画像(測定制御部が決定した発光パターンを示す画像)
図1
図2
図3
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図16
図17