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特開2024-98427決済装置、決済システム、及び決済方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024098427
(43)【公開日】2024-07-23
(54)【発明の名称】決済装置、決済システム、及び決済方法
(51)【国際特許分類】
   G07B 15/00 20110101AFI20240716BHJP
   G08G 1/017 20060101ALI20240716BHJP
   G08G 1/04 20060101ALI20240716BHJP
【FI】
G07B15/00 M
G08G1/017
G08G1/04 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023001948
(22)【出願日】2023-01-10
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(71)【出願人】
【識別番号】301063496
【氏名又は名称】東芝デジタルソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】藏重 湧
(72)【発明者】
【氏名】鶴田 隆希
(72)【発明者】
【氏名】下村 学
(72)【発明者】
【氏名】萩田 篤史
(72)【発明者】
【氏名】真壁 雅芳
(72)【発明者】
【氏名】福原 忠司
(72)【発明者】
【氏名】中山 喜三夫
(72)【発明者】
【氏名】大和 利行
【テーマコード(参考)】
3E127
5H181
【Fターム(参考)】
3E127AA16
3E127BA01
3E127CA13
3E127CA21
3E127CA39
3E127CA45
3E127DA11
3E127DA16
3E127EA03
3E127EA14
3E127EA31
3E127EA42
3E127EA43
3E127EA46
3E127FA19
3E127FA20
3E127FA24
5H181AA01
5H181CC04
5H181DD10
5H181EE07
5H181EE10
(57)【要約】
【課題】有料道路の料金所において不正を防止し且つ運営者の導入コスト及び保守コストを低減させることが可能な決済システムを提供すること。
【解決手段】実施形態の決済装置は、第1及び第2のデータベースに基づいて収受処理を実行するプロセッサを含む。第1のデータベースは、車両情報を格納可能に構成される。第2のデータベースは、利用者によって事前に登録された車両情報と決済手段の情報とを格納可能に構成される。プロセッサは、収受処理において、画像データに基づいて、車両ナンバーの読み取りと、車両の検知、車種の判定、軸数の判定、及び進行方向の確認からなる群のうち少なくとも一つを実行して、取得した車両情報を第1のデータベースに格納する。プロセッサは、読み取った車両ナンバーに対応付けられた情報に基づいて通行料金を計算し、読み取った車両ナンバーに対応付けられた決済手段を利用して、計算された通行料金を利用者に請求する。
【選択図】図15
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のデータベースと第2のデータベースとに基づいて、有料道路の通行料金の収受処理を実行することが可能なプロセッサを備え、
前記第1のデータベースは、車両ナンバー、有料道路への入場時刻、入場料金所の名称、有料道路からの出場時刻、出場料金所の名称、車種、及び軸数の情報を格納可能に構成され、
前記第2のデータベースは、利用者によって事前に登録された、車両ナンバー、車種、及び軸数を含む車両情報と決済手段の情報とを格納可能に構成され、
前記プロセッサは、前記収受処理において、
画像データに基づいて、料金所内の車両ナンバーの読み取りと、料金所内の車両の検知、車種の判定、軸数の判定、及び進行方向の確認からなる群のうち少なくとも一つとを実行して、取得した車両情報を前記第1のデータベースに格納し、
前記第1のデータベースに格納された情報のうち、読み取った車両ナンバーに対応付けられた情報に基づいて通行料金を計算し、
前記第2のデータベースに格納された情報のうち、前記読み取った車両ナンバーに対応付けられた決済手段を利用して、計算された通行料金を利用者に請求する、
決済装置。
【請求項2】
前記プロセッサは、前記収受処理において、
前記読み取った車両ナンバーが前記第2のデータベースに登録されている場合に、前記第2のデータベースに格納された情報のうち、前記読み取った車両ナンバーに対応付けられた決済手段を利用して通行料金を請求し、
前記読み取った車両ナンバーが前記第2のデータベースに含まれていない場合に、現金又は電子決済を利用して通行料金を請求する、
請求項1に記載の決済装置。
【請求項3】
前記プロセッサは、前記収受処理において、
前記画像データに基づいて取得された車両情報と、前記第2のデータベースに格納された情報のうち前記読み取った車両ナンバーに対応付けられた車両情報とが一致する場合に、前記第2のデータベースに格納された情報のうち、前記読み取った車両ナンバーに対応付けられた決済手段を利用して利用者に通行料金を請求し、
前記画像データに基づいて取得された車両情報と、前記第2のデータベースに格納された情報のうち前記読み取った車両ナンバーに対応付けられた車両情報とが一致しない場合に、現金又は電子決済を利用して通行料金を請求する、
請求項1に記載の決済装置。
【請求項4】
前記プロセッサは、前記収受処理において、前記読み取った車両ナンバーが前記第2のデータベースに登録されており、且つ、登録された決済手段が利用できないことが確認された場合に、現金又は電子決済を利用して通行料金を請求する、
請求項1に記載の決済装置。
【請求項5】
前記プロセッサは、前記収受処理において、前記画像データに基づいて障害割引の適用対象であるか否かを判定し、障害割引の適用対象である場合に、障害割引が適用された通行料金を請求する、
請求項1に記載の決済装置。
【請求項6】
前記プロセッサは、前記第2のデータベースに登録された車両ナンバーを有する車両による有料道路の利用履歴を第3のデータベースに格納し、
前記第3のデータベースは、利用者によって前記利用履歴にアクセスすることが可能なウェブサイトにより参照される、
請求項1に記載の決済装置。
【請求項7】
請求項1に記載の決済装置と、
前記第1のデータベースと前記第2のデータベースとを記憶可能に構成されたストレージ装置と、
料金所内の車両のナンバープレート、車種、及び軸数のそれぞれを判別可能なように撮影することが可能な撮影装置と、を備える、
決済システム。
【請求項8】
車両ナンバー、有料道路への入場時刻、入場料金所の名称、有料道路からの出場時刻、出場料金所の名称、車種、及び軸数の情報を格納可能に構成された第1のデータベースと、利用者によって事前に登録された、車両ナンバー、車種、及び軸数を含む車両情報と決済手段の情報とを格納可能に構成された第2のデータベースとを利用した決済方法であって、
画像データに基づいて、料金所内の車両ナンバーの読み取りと、料金所内の車両の検知、車種の判定、軸数の判定、及び進行方向の確認からなる群のうち少なくとも一つを実行して、取得した車両情報を前記第1のデータベースに格納することと、
前記第1のデータベースに格納された情報のうち、読み取った車両ナンバーに対応付けられた情報に基づいて通行料金を計算することと、
前記第2のデータベースに格納された情報のうち、前記読み取った車両ナンバーに対応付けられた決済手段を利用して、計算された通行料金を利用者に請求することと、を備える、
決済方法。
【請求項9】
前記読み取った車両ナンバーが前記第2のデータベースに登録されている場合に、前記第2のデータベースに格納された情報のうち、前記読み取った車両ナンバーに対応付けられた決済手段を利用して通行料金を請求することと、
前記読み取った車両ナンバーが前記第2のデータベースに含まれていない場合に、現金又は電子決済を利用して通行料金を請求することと、をさらに備える、
請求項8に記載の決済方法。
【請求項10】
前記画像データに基づいて取得された車両情報と、前記第2のデータベースに格納された情報のうち前記読み取った車両ナンバーに対応付けられた車両情報とが一致する場合に、前記第2のデータベースに格納された情報のうち、前記読み取った車両ナンバーに対応付けられた決済手段を利用して利用者に通行料金を請求することと、
前記画像データに基づいて取得された車両情報と、前記第2のデータベースに格納された情報のうち前記読み取った車両ナンバーに対応付けられた車両情報とが一致しない場合に、現金又は電子決済を利用して通行料金を請求することと、をさらに備える、
請求項8に記載の決済方法。
【請求項11】
前記読み取った車両ナンバーが前記第2のデータベースに登録されており、且つ、登録された決済手段が利用できないことが確認された場合に、現金又は電子決済を利用して通行料金を請求することと、をさらに備える、
請求項8に記載の決済方法。
【請求項12】
前記画像データに基づいて障害割引の適用対象であるか否かを判定し、障害割引の適用対象である場合に、障害割引が適用された通行料金を請求することと、をさらに備える、
請求項8に記載の決済方法。
【請求項13】
前記第2のデータベースに登録された車両ナンバーを有する車両による有料道路の利用履歴を第3のデータベースに格納することをさらに備え、
前記第3のデータベースは、利用者によって前記利用履歴にアクセスすることが可能なウェブサイトにより参照される、
請求項8に記載の決済方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
実施形態は、決済装置、決済システム、及び決済方法に関する。
【背景技術】
【0002】
有料道路の料金所において自動で料金の支払いを行う電子料金収受システム(ETC:Electronic Toll Collection(登録商標))が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平07-021423号公報
【特許文献2】特開平10-134219号公報
【特許文献3】特開2022-052136号公報
【特許文献4】特開2020-135201号公報
【特許文献5】特開2020-086731号公報
【特許文献6】特開2022-104743号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
有料道路の料金所において不正を防止し且つ運営者の導入コスト及び保守コストを低減させることが可能な決済システムを提供すること。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態の決済装置は、第1のデータベースと第2のデータベースとに基づいて、有料道路の通行料金の収受処理を実行することが可能なプロセッサを含む。第1のデータベースは、車両ナンバー、有料道路への入場時刻、入場料金所の名称、有料道路からの出場時刻、出場料金所の名称、車種、及び軸数の情報を格納可能に構成される。第2のデータベースは、利用者によって事前に登録された、車両ナンバー、車種、及び軸数を含む車両情報と決済手段の情報とを格納可能に構成される。プロセッサは、収受処理において、画像データに基づいて、料金所内の車両ナンバーの読み取りと、料金所内の車両の検知、車種の判定、軸数の判定、及び進行方向の確認からなる群のうち少なくとも一つとを実行して、取得した車両情報を第1のデータベースに格納する。プロセッサは、収受処理において、第1のデータベースに格納された情報のうち、読み取った車両ナンバーに対応付けられた情報に基づいて通行料金を計算する。プロセッサは、収受処理において、第2のデータベースに格納された情報のうち、読み取った車両ナンバーに対応付けられた決済手段を利用して、計算された通行料金を利用者に請求する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】実施形態に係る決済システムの全体構成の一例を示すブロック図。
図2】実施形態に係る決済システムが備える料金所システムのハードウェア構成の一例を示す模式図。
図3】実施形態に係る決済システムで使用されるサーバのハードウェア構成の一例を示すブロック図。
図4】実施形態に係る決済システムで使用される端末装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図。
図5】実施形態に係る決済システムが備える管理サーバの機能構成の一例を示すブロック図。
図6】実施形態に係る決済システムが備える管理サーバのデータベース記憶部の機能構成の一例を示すブロック図。
図7】実施形態に係る決済システムが備える管理サーバのデータベース記憶部に記憶された利用者登録情報データベースの構成の一例を示すテーブル。
図8】実施形態に係る決済システムが備える管理サーバのデータベース記憶部に記憶された利用履歴データベースの構成の一例を示すテーブル。
図9】実施形態に係る決済システムが備える管理サーバのデータベース記憶部に記憶された走行車両情報データベースの構成の一例を示すテーブル。
図10】実施形態に係る決済システムが備える管理サーバのデータベース記憶部に記憶された利用不可情報データベースの構成の一例を示すテーブル。
図11】実施形態に係る決済システムが備える管理サーバのデータベース記憶部に記憶された料金計算表情報データベースの構成の一例を示すテーブル。
図12】実施形態に係る決済システムが備える管理サーバの情報管理部の機能構成の一例を示すブロック図。
図13】実施形態に係る決済システムが備える管理サーバの画像処理部の機能構成の一例を示すブロック図。
図14】実施形態に係る決済システムが備える管理サーバのメイン処理部の機能構成の一例を示すブロック図。
図15】実施形態に係る決済システムの入口料金所処理の一例を示すフローチャート。
図16】実施形態に係る決済システムの車両判定処理の一例を示すフローチャート。
図17】実施形態に係る決済システムの車両判定処理の具体例を示す模式図。
図18】実施形態に係る決済システムの第1入場処理の一例を示すフローチャート。
図19】実施形態に係る決済システムの第2入場処理の一例を示すフローチャート。
図20】実施形態に係る決済システムの出口料金所処理の一例を示すフローチャート。
図21】実施形態に係る決済システムの第1出場処理の一例を示すフローチャート。
図22】実施形態に係る決済システムの第2出場処理の一例を示すフローチャート。
図23】実施形態に係る決済システムの第3出場処理の一例を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下に、実施形態について、図面を参照して説明する。図面は、模式的又は概念的なものである。各図面の寸法及び比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。本明細書において、略同一の機能及び構成を有する構成要素には、同一の符号が付加されている。参照符号を構成する文字の後の“ハイフン+数字”や“英字”などは、同じ文字を含んだ参照符号によって参照され、且つ同様の構成を有する要素同士を区別するために使用される。同じ文字を含んだ参照符号で示される要素を相互に区別する必要がない場合、これらの要素はそれぞれ文字のみを含んだ参照符号により参照される。
【0008】
<1>構成
まず、実施形態に係る決済システム1の構成について説明する。
【0009】
<1-1>決済システム1の全体構成
図1は、実施形態に係る決済システム1の全体構成の一例を示すブロック図である。図1に示すように、決済システム1は、例えば、入口料金所システム10-1、出口料金所システム10-2、管理サーバ20-1、決済会社サーバ20-2、料金所用端末装置30-1、管理者用端末装置30-2、及び利用者端末装置30-3を備える。
【0010】
入口料金所システム10-1、出口料金所システム10-2、及び料金所用端末装置30-1のそれぞれは、例えば、専用通信回線を介して、管理サーバ20-1に接続される。決済会社サーバ20-2、管理者用端末装置30-2、及び利用者端末装置30-3のそれぞれは、例えば、公衆通信回線であるネットワークNWを介して、管理サーバ20-1に接続される。管理サーバ20-1と、入口料金所システム10-1、出口料金所システム10-2、及び料金所用端末装置30-1のそれぞれとの間は、専用通信回線を使用することによって、高速且つ安定的な通信を実現し得る。なお、決済システム1は、管理サーバ20-1とその他の装置及びサーバとが通信可能に構成されていればよい。これらの通信には、公衆通信回線が使用されてもよい。以下で説明される決済システム1の動作は、決済システム1内で使用される回線の種類に依らず、実行され得る。
【0011】
入口料金所システム10-1は、有料道路の入口に設置される料金所システムである。出口料金所システム10-2は、有料道路の出口に設置される料金所システムである。入口料金所システム10-1及び出口料金所システム10-2のそれぞれが有料道路に設置される数は、2以上である。決済システム1は、入口料金所システム10-1及び出口料金所システム10-2の組を利用して、有料道路の利用者に対して通行料金を請求し得る。本明細書では、入口料金所システム10-1と出口料金所システム10-2との間で共通の構成を取り扱う場合には、単に“料金所システム10”とも呼ぶ。
【0012】
管理サーバ20-1は、入口料金所システム10-1及び出口料金所システム10-2の運用や管理をすることが可能なサーバである。後述される管理サーバ20-1の機能は、複数のサーバにより実現されてもよい。決済会社サーバ20-2は、通行料金の決済に利用される決済サービスを提供する会社のサーバである。決済システム1が利用することが可能な決済会社サーバ20-2の数は、決済システム1が提携した決済会社の数に対応する。本明細書では、管理サーバ20-1と決済会社サーバ20-2との間で共通の構成を取り扱う場合には、単に“サーバ20”とも呼ぶ。
【0013】
料金所用端末装置30-1は、入口料金所システム10-1及び出口料金所システム10-2の運用手段を実施する端末装置である。料金所用端末装置30-1は、例えば、有料道路を利用した車両の走行データを料金所で修正する際の入力機器や、料金所の車線映像を確認する際の出力機器として使用される。管理者用端末装置30-2は、決済システム1の管理手段を実施する端末装置である。管理者用端末装置30-2は、例えば、料金所の追加、料金所の削除、通行料金の改定などを行う端末装置として使用される。利用者端末装置30-3は、有料道路において決済システム1を利用する際に使用される端末装置である。利用者端末装置30-3は、ウェブサイトなどを介して、決済システム1に利用者登録したり、有料道路の利用履歴を閲覧したりすることが可能に構成される。本明細書では、料金所用端末装置30-1と管理者用端末装置30-2と利用者端末装置30-3との間で共通の構成を取り扱う場合には、単に“端末装置30”とも呼ぶ。
【0014】
なお、決済システム1において、料金所用端末装置30-1は、一般的な端末装置とウェブサイトなどにより上述した運用手段を実行可能であれば、省略されてもよい。同様に、決済システム1において、管理者用端末装置30-2は、一般的な端末装置とウェブサイトなどにより上述した管理手段を実行可能であれば、省略されてもよい。利用者端末装置30-3は、例えば、スマートフォン、携帯電話端末、デスクトップ型パソコン、ラップトップ型パソコンなどである。これに限定されず、利用者端末装置30-3は、インターネット回線(例えば、ネットワークNW)を介して、決済システム1により提供されるウェブサイトのサービスにアクセス可能に構成されていればよい。
【0015】
<1-2>決済システム1のハードウェア構成
<1-2-1>料金所システム10のハードウェア構成
図2は、実施形態に係る決済システム1が備える料金所システム10のハードウェア構成の一例を示す模式図である。図2に示すように、料金所システム10は、例えば、レーン11、車両検出領域12、ゲート13、カメラ14A及び14B、カメラ15A及び15B、案内板16及び17、料金自動収受機18、並びに屋根19を備える。
【0016】
レーン11は、有料道路に入場又は出場する際の車両の移動経路である。図2では、料金所を利用する車両の進行方向が、太い矢印で示されている。以下の説明では、車両の進行方向を“前方”とし、車両の進行方向の逆方向を“後方”とする。
【0017】
車両検出領域12は、レーン11のうち料金所の中間部分に対応する領域である。料金所システム10は、車両検出領域12内の車両を検出し、その車両に対して有料道路の通行料金の支払いに関する処理を実行することが可能に構成される。例えば、決済システム1は、車両検出領域12において、後述される車両判定処理や、通行料金の収受処理などを実行する。
【0018】
ゲート13は、レーン11の前方部分に設置される発進制御器である。入口料金所システム10-1のゲート13は、料金所内の車両の有料道路への入場を制御する。出口料金所システム10-2のゲート13は、料金所内の車両の有料道路からの出場を制御する。ゲート13は、例えば、車両の進行経路を開閉可能に構成されたバーを備える。車両の有料道路への入場又は出場は、ゲート13が開いている場合に許容され、ゲート13が閉じている場合に禁止される。
【0019】
カメラ14A及び14Bのそれぞれは、前方から車両検出領域12を撮影できるように設置された撮影装置である。例えば、カメラ14Aの画角は、カメラ14Bの画角よりも広い。カメラ14Aは、料金所内を走行中の車両の全体を前方から撮影する。カメラ14Bは、料金所内を走行中の車両の前方のナンバープレートを撮影する。カメラ14A及び14Bのそれぞれは、撮影対象に応じて最適化されている。後述される車両判定処理に必要な画質性能を満たせるのであれば、カメラ14A及び14Bが統合されてもよい。
【0020】
カメラ15A及び15Bのそれぞれは、後方から車両検出領域12を撮影できるように設置された撮影装置である。例えば、カメラ15Aの画角は、カメラ15Bの画角よりも広い。カメラ15Aは、料金所内を走行中の車両の全体を後方から撮影する。カメラ15Bは、料金所内を走行中の車両の後方のナンバープレートを撮影する。カメラ15A及び15Bのそれぞれは、撮影対象に応じて最適化されている。後述される車両判定処理に必要な画質性能を満たせるのであれば、カメラ15A及び15Bが統合されてもよい。画像処理の精度を向上させるために、前方及び後方に3以上のカメラが設置されてもよい。車両検出領域12の側方に、カメラが設置されてもよい。
【0021】
案内板16及び17のそれぞれは、車両を運転する利用者により視認できるように設置されたディスプレイである。案内板16及び17のそれぞれは、車両の運転者に対する案内の通知に使用される。案内板16は、車両検出領域12の前側に設置される。案内板17は、例えば、車両検出領域12の後側に設置される。案内板16は、料金所内への車両の入場の可否や、料金所からの車両の出場の可否を利用者へ通知する。案内板17は、料金所内への車両の進入の可否を利用者へ通知する。
【0022】
料金自動収受機18は、通行料金の決済に関する処理を行う機器である。例えば、入口料金所システム10-1の料金自動収受機18は、通行券を発券することが可能に構成される。通行券には、例えば、有料道路への入場時刻や入場料金所が記録される。決済システム1は、有料道路の利用者によって決済システム1の利用登録がされていない車両や、利用登録された車両情報と実際に料金所を利用する車両情報とが異なる車両などを対象として通行券を使用する。出口料金所システム10-2の料金自動収受機18は、有料道路の利用者による料金の支払いに関する処理を実行することが可能に構成される。料金自動収受機18は、料金の支払い方法として、複数の方法に対応し得る。料金自動収受機18を用いた料金の支払い方法としては、例えば、現金や、クレジットカード、交通系IC、バーコード決済、暗号通貨などの電子決済が使用され得る。電子決済の方法としては、先払い方式、即時払い方式、及び後払い方式のいずれが使用されてもよい。
【0023】
屋根19は、料金所システム10に対する天候の影響を防ぐための構造物である。屋根19は、例えば、料金所システム10の各構成を覆うように設置される。屋根19は、カメラ14及び15により撮影された映像が悪天候や太陽光の反射などにより乱れることを抑制し得る。すなわち、屋根19は、カメラ14及び15がナンバープレートを撮影した際の画質低下を抑制することができる。その結果、屋根19は、後述される入口料金所処理や出口料金所処理の安定性を向上させることができる。なお、屋根19は、これらの処理が天候などにより正常に実行されないリスクが低いのであれば、省略されてもよい。料金所システム10には、料金所に使用されている一般的な屋根が利用されてもよい。
【0024】
<1-2-2>サーバ20のハードウェア構成
図3は、実施形態に係る決済システム1で使用されるサーバ20のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。図3に示すように、サーバ20は、例えば、CPU(Central Processing Unit)21、ROM(Read Only Memory)22、RAM(Random Access Memory)23、ストレージ装置24、及び通信インターフェース25を備える。
【0025】
CPU21は、サーバ20の制御に関する様々なプログラムを実行するプロセッサである。ROM22は、サーバ20の制御プログラムを記憶する不揮発性の記憶装置である。RAM23は、CPU21の作業領域として使用される揮発性の記憶装置である。ストレージ装置24は、サーバ20の機能に応じた情報を記憶するように構成された不揮発性の記憶媒体である。通信インターフェース25は、専用通信回線及び公衆通信回線のうち少なくとも1つを利用した通信に使用されるインターフェース回路である。
【0026】
<1-2-3>端末装置30のハードウェア構成
図4は、実施形態に係る決済システム1で使用される端末装置30のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。図4に示すように、端末装置30は、例えば、CPU31、ROM32、RAM33、ストレージ装置34、通信インターフェース35、入力インターフェース36、及びディスプレイ37を備える。
【0027】
CPU31は、端末装置30の制御に関する様々なプログラムを実行するプロセッサである。ROM32は、端末装置30の制御プログラムを記憶する不揮発性の記憶装置である。RAM33は、CPU31の作業領域として使用される揮発性の記憶装置である。ストレージ装置34は、端末装置30の機能に応じた情報を記憶するように構成された不揮発性の記憶媒体である。通信インターフェース35は、専用通信回線及び公衆通信回線のうち少なくとも1つを利用した通信に使用されるインターフェース回路である。入力インターフェース36は、料金所システム10の利用者や料金所の管理者及び運営者などのユーザにより使用されるインターフェースである。ユーザは、入力インターフェース36を用いて端末装置30を操作し得る。ディスプレイ37は、ユーザが視認可能な情報の表示に使用される表示装置である。
【0028】
<1-3>決済システム1の機能構成
<1-3-1>管理サーバ20-1の機能構成
図5は、実施形態に係る決済システム1が備える管理サーバ20-1の機能構成の一例を示すブロック図である。図5に示すように、管理サーバ20-1は、例えば、データベース記憶部100、情報管理部200、通信管理部300、画像処理部400、及びメイン処理部500を備えるコンピュータとして動作する。
【0029】
データベース記憶部100は、決済システム1の運用に利用される各種データベースを構築し、構築した各種データベースを管理する。各種データベースに格納された情報は、情報管理部200やメイン処理部500によりアクセス及び変更され得る。
【0030】
情報管理部200は、決済システム1の運用に関する各種ウェブサイトを構築し、構築した各種ウェブサイトを管理する。各種ウェブサイトは、決済システム1の管理者及び運営者だけでなく、決済システム1の利用者や決済システム1と提携した決済会社によりアクセス可能に構成される。
【0031】
通信管理部300は、管理サーバ20-1の各構成と、ネットワークNWに接続された各端末装置30との間の通信を制御する。具体的には、通信管理部300は、例えば、情報管理部200と利用者端末装置30-3との間や、メイン処理部500と管理者用端末装置30-2との間の通信を制御し得る。
【0032】
画像処理部400は、料金所システム10のカメラ14A、14B、15A及び15Bにより撮影された映像に基づいて画像処理を行う。画像処理は、料金所内の車両を検出することと、料金所内の車両の車両ナンバーを読み取ることと、車種、軸数、進行方向、障害の有無のうち少なくとも一つを判定することとを含む。なお、本明細書において、車種は、車体の大きさなどに基づいて決定される区分である。有料道路では、車種毎に異なる通行料金が割り当てられる。軸数は、例えば、車両を側方から見た場合に接地しているタイヤの数に対応する。有料道路の通行料金は、軸数に応じて変わり得る。
【0033】
メイン処理部500は、画像処理部による画像処理の結果や、データベース記憶部100に格納された各種データベースの情報とに基づいて、入口料金所システム10-1及び出口料金所システム10-2を制御する。メイン処理部500は、例えば、通行料金の請求に関する処理を実施する。また、メイン処理部500は、料金所用端末装置30-1により制御され得る。
【0034】
以上の説明では、管理サーバ20-1が、データベース記憶部100、情報管理部200、通信管理部300、画像処理部400、及びメイン処理部500として機能する場合について例示したが、これに限定されない。管理サーバ20-1の機能ブロック毎に、個別のサーバが割り当てられてもよい。管理サーバ20-1は、ハードウェア機器により構成されていなくてもよいし、クラウドネットワーク上のサーバにより構築されてもよい。
【0035】
<1-3-2>データベース記憶部100の機能構成
図6は、実施形態に係る決済システム1が備える管理サーバ20-1のデータベース記憶部100の機能構成の一例を示すブロック図である。なお、図示された“DB”は、データベースの略称である。図6に示すように、データベース記憶部100は、例えば、利用者登録情報データベース101、利用履歴データベース102、走行車両情報データベース103、利用不可情報データベース104、及び料金計算表情報データベース105を記憶する。
【0036】
利用者登録情報データベース101は、利用者端末装置30-3が決済システム1の利用者登録をした際に入力された情報を格納する。利用履歴データベース102は、決済システム1の利用者毎の有料道路の利用履歴に関する情報を格納する。走行車両情報データベース103は、料金所を入出場した車両のデータを格納する。走行車両情報データベース103は、通行料金の請求金額を算出する際に使用される。利用不可情報データベース104は、利用者登録情報データベース101に登録された決済手段が利用できない車両に関する情報を格納する。料金計算表情報データベース105は、有料道路の通行料金の計算に使用される情報を格納する。
【0037】
以下に、利用者登録情報データベース101、利用履歴データベース102、走行車両情報データベース103、利用不可情報データベース104、及び料金計算表情報データベース105のそれぞれの構成の一例について順に説明する。
【0038】
(利用者登録情報データベース101)
図7は、実施形態に係る決済システム1が備える管理サーバ20-1のデータベース記憶部100に記憶された利用者登録情報データベース101の構成の一例を示すテーブルである。図7に示すように、利用者登録情報データベース101に格納された情報は、例えば、名前、車両ナンバー、障害の有無、連絡先、決済手段、及び決算手段詳細を含む。
【0039】
利用者登録情報データベース101において、“名前”は、決済システム1の利用者に対応する。本例では、利用者登録情報データベース101の“名前”の項目に、“NNNN”、“MMMM”が登録されている。“車両ナンバー”は、利用者の車両に割り当てられた車両ナンバーに対応する。“障害の有無”は、障害割引料金を適用するか否かを判断する際に使用される。“障害の有無”を示す情報として、障害者手帳に記載された情報の一部が格納されてもよい。“連絡先”は、例えば、電子メールアドレスなどである。“決済手段”は、例えば、クレジットカード決済、銀行振替、電子マネーなどである。“決済手段詳細”は、対応付けられたレコードに示された決済手段の詳細な情報である。決済手段詳細としては、支払い方法に合わせた情報が格納される。決済手段がクレジットカード決済である場合、決済手段詳細は、クレジットカードのカード番号などの情報を含む。決済手段詳細は、決済手段毎にデータベースを構築してもよい。本例では、名前“NNNN”に関連付けられて、車両ナンバー“AA0000”、障害“有”、連絡先“XXX@YYYY”、決済手段“クレジットカード”、決算手段詳細“カード番号など”が登録されている。また、名前“MMMM”に関連付けられて、車両ナンバー“BB1111”、障害“無”、連絡先“YYY@ZZZZ”、決済手段“口座引落”、決算手段詳細“口座番号など”が登録されている。
【0040】
なお、利用者登録情報データベース101のデータベース構造としては、様々なデータベース構造が使用され得る。利用者登録情報データベース101は、利用者の車両ナンバー、障害の有無、連絡先、決済手段、及び決算手段詳細を関連付けて格納した構成を有していればよい。
【0041】
(利用履歴データベース102)
図8は、実施形態に係る決済システム1が備える管理サーバ20-1のデータベース記憶部100に記憶された利用履歴データベース102の構成の一例を示すテーブルである。図8は、ある一人の利用者の有料道路の利用履歴に関する情報を示している。図8に示すように、利用履歴データベース102に格納された情報は、例えば、利用回数、入場時刻、入場料金所、出場時刻、出場料金所、及び通行料金を含む。
【0042】
利用履歴データベース102において、“利用回数”は、利用者登録情報データベース101に登録された利用者が有料道路を利用した回数に対応する。 “利用回数”は、有料道路の利用日に置き換えられてもよい。“入場時刻”は、利用者の車両が入口料金所を通過した日時に対応する。“入場料金所”は、利用者の車両が通過した入口料金所の名称に対応する。“出場時刻”は、利用者の車両が出口料金所を通過した日時に対応する。“出場料金所”は、利用者の車両が通過した出口料金所の名称に対応する。“通行料金”は、有料道路を利用した際に請求された通行料金に対応する。本例では、利用履歴データベース102の“利用回数”の項目に、“1(回)”、“2(回)”が登録されている。そして、利用回数“1”に関連付けられて、入場時刻“2022/9/1 12:31”、入場料金所“A料金所”、出場時刻“2022/9/1 16:41”、出場料金所“B料金所”、通行料金“50”が登録されている。また、利用回数“2”に関連付けられて、入場時刻“2022/9/8 10:10”、入場料金所“A料金所”、出場時刻“2022/9/8 17:20”、出場料金所“C料金所”、通行料金“300”が登録されている。
【0043】
なお、利用履歴データベース102のデータベース構造としては、様々なデータベース構造が使用され得る。利用履歴データベース102は、入場時刻、入場料金所、出場時刻、出場料金所、及び通行料金を関連付けて格納した構成を有していればよい。
【0044】
(走行車両情報データベース103)
図9は、実施形態に係る決済システム1が備える管理サーバ20-1のデータベース記憶部100に記憶された走行車両情報データベース103の構成の一例を示すテーブルである。図9に示すように、走行車両情報データベース103に格納された情報は、例えば、入場時刻、入場料金所、出場時刻、出場料金所、車両ナンバー、車種、軸数、障害の有無、及び通行料金を含む。
【0045】
走行車両情報データベース103において、“入場時刻”は、車両が入口料金所を通過した日時に対応する。“入場料金所”は、車両が通過した入口料金所の名称に対応する。“出場時刻”は、車両が出口料金所を通過した日時に対応する。“出場料金所”は、車両が通過した出口料金所の名称に対応する。“車両ナンバー”、“車種”、“軸数”、“障害の有無”のそれぞれは、有料道路を利用した車両の情報に対応する。“通行料金”は、有料道路を利用した際に請求された通行料金に対応する。本例では、走行車両情報データベース103の“車両ナンバー”の項目に、“AA0000”、“BB1111”が登録されている。そして、車両ナンバー“AA0000”に関連付けられて、入場時刻“2022/9/1 12:31”、入場料金所“A料金所”、出場時刻“2022/9/1 16:41”、出場料金所“B料金所”、車種“普通”、軸数“2”、障害“有”、通行料金“50”が登録されている。また、車両ナンバー“BB1111”に関連付けられて、入場時刻“2022/9/1 12:50”、入場料金所“A料金所”、出場時刻“2022/9/1 18:10”、出場料金所“C料金所”、車種“大型”、軸数“3”、障害“無”、通行料金“900”が登録されている。
【0046】
入場時刻と出場時刻は、時間帯割引料金を適用するか否か判断する際に使用される。車種と軸数との組み合わせは、最終的な車種の判断をする際に使用される。例えば、中型車で軸数が3である場合の通行料金としては、大型車の通行料金が適用される。このように、走行車両情報データベース103は、車種と軸数とを組み合わせて格納することによって、車両の正確な車種の判別に使用され得る。
【0047】
なお、走行車両情報データベース103には、車種の情報として、後述される車両判定手段により判定された車種の情報が格納される。走行車両情報データベース103のデータベース構造としては、様々なデータベース構造が使用され得る。走行車両情報データベース103は、入場時刻、入場料金所、出場時刻、出場料金所、車両ナンバー、車種、軸数、障害の有無、及び通行料金を関連付けて格納した構成を有していればよい。
【0048】
(利用不可情報データベース104)
図10は、実施形態に係る決済システム1が備える管理サーバ20-1のデータベース記憶部100に記憶された利用不可情報データベース104の構成の一例を示すテーブルである。図10に示すように、利用不可情報データベース104に格納された情報は、例えば、車両ナンバー、決済手段、及び決算手段詳細を含む。
【0049】
利用不可情報データベース104において、“車両ナンバー”は、利用者登録情報データベース101に登録され、且つ事前に登録された決済手段が利用できない車両の車両ナンバーに対応する。“決済手段”は、車両ナンバーに関連付けられた決済手段に対応する。“決済手段詳細”は、車両ナンバーに関連付けられた決済手段の詳細な情報に対応する。本例では、走行車両情報データベース103の“車両ナンバー”の項目に、“CC2222”、“DD3333”が登録されている。そして、車両ナンバー“CC2222”に関連付けられて、決済手段“クレジットカード”、決済手段詳細“カード番号など”が登録されている。また、車両ナンバー“DD3333”に関連付けられて、決済手段“口座引落”、決済手段詳細“口座番号など”が登録されている。
【0050】
なお、利用不可情報データベース104のデータベース構造としては、様々なデータベース構造が使用され得る。利用不可情報データベース104は、少なくとも車両ナンバーの情報を有していればよい。また、利用不可情報データベース104は、利用者登録情報データベース101と統合されてもよい。この場合、利用者登録情報データベース101が、決済手段の利用可否に関する情報をさらに格納する。
【0051】
(料金計算表情報データベース105)
図11は、実施形態に係る決済システム1が備える管理サーバ20-1のデータベース記憶部100に記憶された料金計算表情報データベース105の構成の一例を示すテーブルである。図11に示すように、料金計算表情報データベース105に格納された情報は、例えば、入場料金所、出場料金所、割引時間帯、通常通行料金、時間帯割引、及び障害割引を含む。
【0052】
料金計算表情報データベース105において、“入場料金所”は、車両が有料道路に入場した入口料金所の名称に対応する。“出場料金所”は、車両が有料道路から出場した出口料金所の名称に対応する。“割引時間帯”は、関連付けられた入場料金所と出場料金所との区間において時間帯割引が適用される時間帯を示している。“通常通行料金”は、時間帯割引や障害割引が適用されない場合の通行料金を示している。“時間帯割引”は、時間帯割引が適用された場合の通行料金を示している。“障害割引”は、障害割引が適用された場合の通行料金を示している。また、料金計算表情報データベース105において、“通常通行料金”、“時間帯割引”、及び“障害割引”のそれぞれは、車種毎の通行料金の情報を格納している。本例では、車種として、“大型”、“中型”、“普通”、及び“小型”が示されている。これに限定されず、“通常通行料金”、“時間帯割引”、及び“障害割引”のそれぞれにおける車種の区分は、適用され得る通行料割引の種類に応じて適宜変更され得る。本例では、料金計算表情報データベース105の“入場料金所”及び“出場料金所”の項目の組に、“A料金所”及び“B料金所”の組と、“A料金所”及び“C料金所”の組とが登録されている。そして、“A料金所”及び“B料金所”の組に関連付けられて、割引時間帯“23:00-04:00”、通常通行料金“大型:500,中型:300,普通:200,小型:150”、時間帯割引“大型:400,中型:200,普通:100,小型:50”、障害割引“大型:400,中型:200,普通:50,小型:40”が登録されている。また、“A料金所”及び“C料金所”の組に関連付けられて、割引時間帯“23:00-05:00”、通常通行料金“大型:900,中型:700,普通:500,小型:450”、時間帯割引“大型:700,中型:500,普通:400,小型:350”、障害割引“大型:700,中型:500,普通:300,小型:250”が登録されている。
【0053】
なお、料金計算表情報データベース105のデータベース構造としては、様々なデータベース構造が使用され得る。料金計算表情報データベース105は、通行料金の計算に必要な情報を格納していればよい。
【0054】
<1-3-3>情報管理部200の機能構成
図12は、実施形態に係る決済システム1が備える管理サーバ20-1の情報管理部200の機能構成の一例を示すブロック図である。また、図12は、情報管理部200と通信する端末及びサーバの機能の一部も併せて示している。図12に示すように、情報管理部200は、例えば、利用者登録ウェブサイト運営手段201、履歴閲覧用ウェブサイト運営手段202、料金所管理ウェブサイト運営手段203、システム管理ウェブサイト運営手段204、決済管理手段205を備えるコンピュータとして機能する。利用者端末装置30-3は、例えば、利用者情報登録手段601、及び利用履歴閲覧手段602を備えるコンピュータとして機能する。料金所用端末装置30-1は、例えば、料金所運用手段603を備えるコンピュータとして機能する。管理者用端末装置30-2は、例えば、システム管理手段604を備えるコンピュータとして機能する。決済会社サーバ20-2は、例えば、決済可否通知手段605を備えるコンピュータとして機能する。
【0055】
利用者情報登録手段601、利用履歴閲覧手段602、システム管理手段604、及び決済可否通知手段605のそれぞれは、例えば、通信管理部300を介して情報管理部200と通信可能に構成される。料金所運用手段603は、例えば、メイン処理部500を介して情報管理部200と通信可能に構成される。これに限定されず、情報管理部200は、利用者情報登録手段601、利用履歴閲覧手段602、システム管理手段604、決済可否通知手段605、及び料金所運用手段603のそれぞれと通信可能に構成されていればよい。
【0056】
利用者登録ウェブサイト運営手段201は、決済システム1の利用者情報登録ウェブサイトを運営する手段である。利用者情報登録ウェブサイトは、利用者端末装置30-3により利用者情報登録手段601を使用する際に用いられる。利用者情報登録手段601は、利用者端末装置30-3により利用者情報登録ウェブサイトにアクセスして、利用者の情報を登録する手段である。決済システム1の利用者は、有料道路を利用する前に、利用者情報登録手段601を用いて、例えば、名前、車両ナンバー、障害の有無、連絡先、決済手段、及び決算手段詳細を登録する。これにより、利用者情報登録手段601により登録された情報が、利用者登録情報データベース101に格納される。なお、利用者情報の登録時に、不正防止のため、車両ナンバーの撮影画像や障害者手帳の撮影画像などを文字データに変換して登録する方法が利用されてもよい。
【0057】
履歴閲覧用ウェブサイト運営手段202は、有料道路の利用履歴閲覧用ウェブサイトを運営する手段である。利用履歴閲覧用ウェブサイトは、利用者端末装置30-3が、利用履歴閲覧手段602を使用する際に用いられる。利用履歴閲覧手段602は、利用履歴閲覧用ウェブサイトにアクセスして、有料道路の利用履歴を閲覧する手段である。なお、利用履歴閲覧用ウェブサイトは、利用者端末装置30-3によってアクセスされ、閲覧されることが想定される。これに限定されず、利用者が有料道路の利用履歴を確認する方法が他にある場合には、利用履歴閲覧手段602が使用されなくてもよい。また、利用履歴閲覧用ウェブサイトと、利用者情報登録ウェブサイトとは、統合されてもよい。
【0058】
料金所管理ウェブサイト運営手段203は、料金所管理ウェブサイト(料金所の運用用ウェブサイト)を運営する手段である。料金所管理ウェブサイトは、料金所用端末装置30-1が、料金所運用手段603を使用する際に用いられる。料金所運用手段603は、料金所管理ウェブサイトにアクセスして、例えば、通行料金の修正や、料金所の通行レーンの封鎖などを行う手段である。なお、料金所の運用を実施できる手段が他にある場合には、料金所運用手段603が省略されてもよい。
【0059】
システム管理ウェブサイト運営手段204は、システム管理ウェブサイトを運営する手段である。システム管理ウェブサイトは、管理者用端末装置30-2が、システム管理手段604を使用する際に用いられる。システム管理手段604は、システム管理ウェブサイトにアクセスして、例えば、料金所の追加及び削除や、通行料金の改訂などを行う手段である。なお、料金所を総括して管理できる手段が他にある場合には、システム管理手段604が省略されてもよい。
【0060】
決済管理手段205は、決済システム1において決済に関する情報を管理する手段である。決済管理手段205は、定期的に決済会社サーバ20-2にアクセスして、利用者登録情報データベース101に登録された決済手段が利用可能であるか否かを確認する。決済会社サーバ20-2は、決済手段が利用可能であるか否かを示す情報を通知するために、決済可否通知手段605を利用する。決済管理手段205は、決済可否通知手段605から通知された情報に基づいて、利用不可情報データベース104を更新する。例えば、決済管理手段205は、決済手段が利用できない状態である場合に、対応付けられた車両ナンバーの情報や、決済手段の情報などを、利用不可情報データベース104に格納する。また、決済管理手段205は、利用不可情報データベース104に格納された車両ナンバーの決済手段が利用できる状態に更新された場合、利用不可情報データベース104から、その車両ナンバーに対応する情報を削除する。
【0061】
<1-3-4>画像処理部400の機能構成
図13は、実施形態に係る決済システム1が備える管理サーバ20-1の画像処理部400の機能構成の一例を示すブロック図である。また、図13は、画像処理部400と通信する料金所システム10の機能の一部も併せて示している。図13に示すように、画像処理部400は、例えば、車両検知手段401、ナンバー読取手段402、車種判定手段403、軸数判定手段404、障害判定手段405、及び進行方向確認手段406を備えるコンピュータとして機能する。料金所システム10は、例えば、車両前方撮影手段701、車両後方撮影手段702、及び車両側方撮影手段703を備える。
【0062】
車両検知手段401は、車両前方撮影手段701、車両後方撮影手段702、及び車両側方撮影手段703のうち少なくとも一つにより撮影された一つの画像、又は一定の時間間隔で撮影された複数の画像から、料金所内に車両が存在するか否かを判定する手段である。車両前方撮影手段701は、車両の前方から車体全体を撮影する手段である。車両前方撮影手段701は、例えば、車体全体を前方から広角に撮影するカメラ14Aと、前方ナンバープレートを精細に撮影するカメラ14Bとの組み合わせにより実現される。車両後方撮影手段702は、車両の後方から車体全体を撮影する手段である。車両後方撮影手段702は、車体全体を後方から広角に撮影するカメラ15Aと、後方ナンバープレートを精細に撮影するカメラ15Bとの組み合わせにより実現されてもよい。車両側方撮影手段703は、接地しているタイヤの数を認識可能なように車両の側方を撮影する手段である。車両側方撮影手段703は、例えば、カメラ14A及び15Aとの組み合わせにより実現される。なお、車両検知手段401は、各撮影手段により撮影されたデータに基づいて料金所内の車両の存在の有無を判定可能であれば、どのような方法を利用してもよい。
【0063】
ナンバー読取手段402は、車両前方撮影手段701及び車両後方撮影手段702の一方又は両方により撮影されたナンバープレートに印された車両ナンバーを文字データに変換する手段である。なお、ナンバー読取手段402は、各撮影手段により撮影されたデータに基づいて料金所内の車両のナンバープレートを認識し、車両ナンバーを文字データに変換することが可能であれば、どのような方法を利用してもよい。
【0064】
車種判定手段403は、車両前方撮影手段701、車両後方撮影手段702、及び車両側方撮影手段703のうち少なくとも一つにより撮影された車両全体の画像から料金所内の車両の車種を判定する手段である。車種判定手段403は、例えば、機械学習などの画像処理方法により車種の特徴を捉えて、車種を判定することが可能なように構成される。なお、車種判定手段403は、各撮影手段により撮影されたデータに基づいて車種を判定することが可能であれば、どのような方法を利用してもよい。有料道路では、例えば、小型、普通、中型、大型、特大の5段階で車種が区別される。これに限定されず、有料道路において、より細かい分類で車種が区別されてもよいし、車種毎に料金体系が設定されてもよい。
【0065】
軸数判定手段404は、車両前方撮影手段701、車両後方撮影手段702、及び車両側方撮影手段703のうち少なくとも一つにより撮影された車両全体の画像から料金所内の車両の軸数を判定する手段である。軸数判定手段404は、例えば、機械学習などの画像処理方法により車種の特徴を捉えて、車種を判定することが可能なように構成される。なお、軸数判定手段404は、各撮影手段により撮影されたデータに基づいて車種を判定することが可能であれば、どのような方法を利用してもよい。
【0066】
障害判定手段405は、車両前方撮影手段701、車両後方撮影手段702、及び車両側方撮影手段703のうち少なくとも一つにより撮影された車両全体の画像から料金所内の車両が障害割引を利用するか否かを判定する手段である。障害判定手段405は、例えば、車両の特定の位置に設置された障害者手帳の情報を読み取ることによって、その車両が障害割引を利用するものと判定する。これに限定されず、障害判定手段405は、各撮影手段により撮影されたデータに基づいて障害割引を利用するか否か(すなわち、障害の有無)を判定することが可能であれば、どのような方法を利用してもよい。
【0067】
進行方向確認手段406は、車両前方撮影手段701、車両後方撮影手段702、及び車両側方撮影手段703のうち少なくとも一つにより撮影された車両全体の画像から、料金所内を走行中の車両の進行方向を判定する手段である。進行方向確認手段406は、例えば、一定の時間間隔で撮影された画像を処理することによって、車両の進行方向を判定する。これに限定されず、進行方向確認手段406は、各撮影手段により撮影されたデータに基づいて車両の進行方向を判定することが可能であれば、どのような方法を利用してもよい。進行方向確認手段406は、例えば、ゲート13が開いた後に、料金所内の車両がゲート13を超えた地点まで移動することを確認することを目的として使用する。
【0068】
<1-3-5>メイン処理部500の機能構成
図14は、実施形態に係る決済システム1が備える管理サーバ20-1のメイン処理部500の機能構成の一例を示すブロック図である。また、図14は、メイン処理部500と通信する料金所システム10の機能の一部も併せて示している。図14に示すように、メイン処理部500は、例えば、走行車両情報記録手段501、案内板制御手段502、ゲート制御手段503、通行許可判定手段504、通行料金計算手段505、通行料金請求手段506、及び履歴情報記録手段507を備えるコンピュータとして機能する。料金所システム10は、例えば、ゲート駆動手段704、料金自動収受機制御手段705、及び案内表示手段706を備える。
【0069】
走行車両情報記録手段501は、走行車両情報データベース103にデータを格納する手段として使用される。走行車両情報記録手段501は、走行車両情報データベース103に、走行車両の入場時刻、入場料金所、出場時刻、出場料近所、車両ナンバー、車種、軸数、障害の有無、通行料金などを格納することが可能であれば、どのような方法を利用してもよい。
【0070】
案内板制御手段502は、案内板16及び17に表示させたい情報を案内表示手段706に情報を送信する手段である。案内表示手段706は、案内板制御手段502から受け取った情報に基づいて、案内板16及び17の表示を制御する。案内板制御手段502は、案内板16及び17のそれぞれの表示を制御することが可能であれば、どのような方法を利用してもよい。
【0071】
ゲート制御手段503は、ゲートの開閉の指示をゲート駆動手段704に送信する手段である。ゲート駆動手段704は、ゲート制御手段503から受け取った情報に基づいてゲート13のバーを駆動することによって、ゲート13の開閉を制御する。ゲート制御手段503は、ゲート13の開閉を制御することが可能であれば、どのような方法を利用してもよい。
【0072】
通行許可判定手段504は、利用者登録情報データベース101と利用不可情報データベース104との間で、車両ナンバー、決済手段、及び決済手段詳細が一致する部分があるかどうかを確認する。そして、通行許可判定手段504は、一致しない場合に、予め登録された決済手段が利用できると判定し、一致する場合に、予め登録された決済手段が利用できないと判定する手段である。また、通行許可判定手段504は、通行料金の支払い若しくは決済が完了したことに基づいて、通行許可をゲート制御手段503に通知する。この場合、ゲート制御手段503は、通行許可判定手段504の通知に基づいてゲートの開閉を制御するように構成される。
【0073】
通行料金計算手段505は、走行車両情報データベース103と、料金計算表情報データベース105とを用いて、通行料金を計算する手段である。例えば、通行料金計算手段505は、走行車両情報データベース103に記録された入場料金所と出場料金所との組み合わせに対応するレコードを、料金計算表情報データベース105から見つけ出す。そして、通行料金計算手段505は、利用者に請求する通行料金として、見つけ出された通行料金の設定のうち、通常通行料金と、時間帯割引料金と、障害割引料金との何れかの料金を適用する。例えば、通行料金計算手段505は、走行車両情報データベース103における入場時刻と出場時刻とが、料金計算表情報データベース105の割引時間帯に含まれるのであれば、時間帯割引の通行料金を適用する。また、通行料金計算手段505は、走行車両情報データベース103により障害割引の適用対象であることがわかった場合には、障害割引の通行料金を適用する。複数種類の割引条件が満たされる場合に、最も安い通行料金が適用されてもよい。これに限定されず、通行料金の設定は、料金所の管理者や運営者により決定することが可能に構成される。通行料金計算手段505により算出された通行料金の情報は、例えば、走行車両情報データベース103に格納される。なお、通行料金計算手段505は、通行料金を計算する機能を有していればよく、上記以外の方法(例えば、従来の手法)を用いて通行料金を算出してもよい。
【0074】
通行料金請求手段506は、通行料金計算手段505により計算された通行料金を利用者に請求する手段である。通行料金請求手段506は、走行車両情報データベース103の車両ナンバーと一致する車両ナンバーを利用者登録情報データベース101から探索する。そして、通行料金請求手段506は、利用者登録情報データベース101に記載された決済手段と決済手段詳細の情報から、利用者に対して走行車両情報データベース103に格納された通行料金を請求する。通行料金請求手段506は、料金の請求に、料金自動収受機制御手段705を利用してもよい。料金自動収受機制御手段705は、例えば、現金や、クレジットカード、交通系IC、バーコード決済、暗号通貨などの電子決済によって通行料金の支払いを受け付ける。なお、通行料金請求手段506は、通行料金を請求する機能を有していればよく、上記以外の方法(例えば、従来の手法)を用いて通行料金を請求してもよい。
【0075】
履歴情報記録手段507は、走行車両情報データベース103に記録された車両が利用者登録情報データベース101に登録されているか否かを確認する。そして、履歴情報記録手段507は、利用者登録情報データベース101に登録されている場合に、登録された利用者に対応付けて有料道路の利用履歴を記録する手段である。つまり、履歴情報記録手段507は、走行車両情報データベース103に記載された有料道路の利用履歴に関する情報を、利用履歴データベース102に格納する。なお、履歴情報記録手段507は、利用者による有料道路の利用履歴を記録する機能を有していればよく、上記以外の方法(例えば、従来の手法)を用いて利用者による有料道路の利用履歴を記録してもよい。
【0076】
<2>動作
決済システム1は、入口料金所システムにおいて入口料金所処理を実行し、出口料金所システムにおいて出口料金所処理を実行する。入口料金所処理は、有料道路に入場する利用者(車両)を対象とした通行料金の収受処理であり、入口料金所システム10-1及び管理サーバ20-1の組により実行される。出口料金所処理は、有料道路から出場する利用者(車両)を対象とした通行料金の収受処理であり、出口料金所システム10-2及び管理サーバ20-1の組により実行される。以下に、実施形態に係る決済システム1の動作として、入口料金所処理と、出口料金所処理とのそれぞれについて順に説明する。
【0077】
<2-1>入口料金所処理
図15は、実施形態に係る決済システム1の入口料金所処理の一例を示すフローチャートである。決済システム1は、図15に示された一連の処理を繰り返し実行するように構成される。以下に、図15を参照して、入口料金所処理の流れについて説明する。なお、入口料金所処理における“料金所”は、入口料金所システム10-1に対応する。
【0078】
入口料金所処理が開始すると、決済システム1は、料金所内で車両が検出されたか否かを確認する(S10)。具体的には、車両前方撮影手段701が、車両検出領域12を撮影する。そして、車両検知手段401が、車両前方撮影手段701により撮影されたデータに基づいて、車両検出領域12における車両の有無を判定する。
【0079】
S10の処理において、料金所内で車両が検出されなかった場合(S10、NO)、決済システム1は、再びS10の処理を実行する。このとき、案内板制御手段502は、案内表示手段706(例えば、案内板17)に、料金所外の車両に対して料金所への進入を促すメッセージを表示させてもよい。
【0080】
S10の処理において、料金所内で車両が検出された場合(S10、YES)、決済システム1は、S11の処理に進む。このとき、案内板制御手段502は、案内表示手段706(例えば、案内板17)に、料金所外の車両に対して料金所への進入を禁止することを示すメッセージを表示させる。
【0081】
S11の処理において、決済システム1は、車両判定処理を実行する。車両判定処理は、料金所に進入した車両の情報を取得する処理である。決済システム1は、車両判定処理によって、車両の車種などを判定し得る。車両判定処理の詳細については後述する。
【0082】
次に、決済システム1は、車両の判定結果を走行車両情報データベース103に格納する(S12)。具体的には、走行車両情報記録手段501が、走行車両情報データベース103に、車両判定処理によって得られた車両ナンバー、車種、軸数、及び障害の有無に関する情報を格納する。
【0083】
次に、決済システム1は、車両のナンバーが利用者登録情報データベース101に存在するか否かを確認する(S13)。具体的には、通行許可判定手段504が、利用者登録情報データベース101から、車両検出領域12内で検出された車両ナンバーを検索する。
【0084】
S13の処理において、車両のナンバーが利用者登録情報データベース101に存在することが確認された場合(S13、YES)、決済システム1は、S14の処理に進む。
【0085】
S13の処理において、車両のナンバーが利用者登録情報データベース101に存在しないことが確認された場合(S13、NO)、決済システム1は、S17の処理に進む。
【0086】
S14の処理において、決済システム1は、走行車両情報データベース103と利用者登録情報データベース101との間で車両情報が一致するか否かを確認する。具体的には、通行許可判定手段504が、利用者登録情報データベース101と走行車両情報データベース103との間で、車種や軸数などの車両情報のそれぞれが同じであるか否かを判定する。一つでも一致しない項目が存在する場合、通行許可判定手段504は、車両情報が一致しないものと判定する。
【0087】
S14の処理において、走行車両情報データベース103と利用者登録情報データベース101との間で車両情報が一致することが確認された場合(S14、YES)、決済システム1は、S15の処理に進む。
【0088】
S14の処理において、走行車両情報データベース103と利用者登録情報データベース101との間で車両情報が一致しないことが確認された場合(S14、NO)、決済システム1は、S17の処理に進む。
【0089】
S15の処理において、決済システム1は、車両のナンバーが利用不可情報データベース104に存在しないかどうかを確認する。具体的には、通行許可判定手段504が、利用不可情報データベース104から、車両検出領域12内で検出された車両ナンバーを検索する。
【0090】
S15の処理において、車両のナンバーが利用不可情報データベース104に存在しないことが確認された場合(S15、YES)、決済システム1は、S16の処理に進む。
【0091】
S15の処理において、車両のナンバーが利用不可情報データベース104に存在することが確認された場合(S15、NO)、決済システム1は、S17の処理に進む。
【0092】
S16の処理において、決済システム1は、第1入場処理を実行する。第1入場処理は、予め登録された決済方法を利用して車両を有料道路に入場させる際に実行される通行料金の収受処理である。第1入場処理の詳細については後述する。第1入場処理が完了すると、決済システム1は、図15の一連の処理を終了する。
【0093】
S17の処理において、決済システム1は、第2入場処理を実行する。第2入場処理は、利用者登録されていない車両、不正が疑われる車両、若しくは予め登録された決済方法を利用できない車両を有料道路に入場させる際に実行される通行料金の収受処理である。第2入場処理の詳細については後述する。第2入場処理が完了すると、決済システム1は、図15の一連の処理を終了する。
【0094】
(車両判定処理)
図16は、実施形態に係る決済システム1の車両判定処理の一例を示すフローチャートである。以下に、図16を参照して、車両判定処理の流れについて説明する。
【0095】
車両判定処理が開始すると、決済システム1は、例えば、車両前方撮影手段701、車両後方撮影手段702、及び車両側方撮影手段703を用いて、車両の全体を撮影する(S111)。具体的には、カメラ14A及び14Bが、車両検出領域12内の車両を前方から撮影し、カメラ15A及び15Bが、車両検出領域12内の車両を後方から撮影する。撮影された画像は、車両のサイズを認識することが可能な全体像と、車両の前方及び後方ナンバープレートと、車両が走行に使用している全てのタイヤと、障害有無の識別部とを含む。例えば、前方及び後方ナンバープレートは、それぞれカメラ14B及び15Bによって、カメラ14A及び15Aよりも精細に撮影される。
【0096】
次に、決済システム1は、ナンバープレートの画像を文字データに変換する(S112)。具体的には、ナンバー読取手段402が、S111の処理によって撮影された画像データのうちナンバープレートに対応する部分から車両ナンバーを抽出する。そして、ナンバー読取手段402が、抽出した車両ナンバーを文字データに変換する。変換された文字データは、例えば、一時的にRAM23に記憶される。
【0097】
次に、決済システム1は、車種を判定する(S113)。具体的には、車種判定手段403が、S111の処理によって撮影された画像データのうち車両の全体像に対応する部分から、車両のサイズを推定する。そして、車種判定手段403は、推定された車両のサイズに基づいて、車種を判定する。なお、S113の処理において、車種判定手段403は、車両の画像データに基づいて、車種、メーカー、車名を推定してもよい。例えば、車種判定手段403は、大量の自動車の画像と、車種、メーカー、車名とを関連付けて事前に記憶し、車両の画像データと事前に記憶されたこれらの情報とを比較することによって、車種、メーカー、車名を推定し得る。また、決済システム1は、推定したこれらの情報に基づいて、より細分化された料金表に基づいて通行料金を請求してもよい。
【0098】
次に、決済システム1は、軸数を判定する(S114)。具体的には、軸数判定手段404が、S111の処理によって撮影された画像データのうち車両の側方に対応する部分から、走行に使用されている車両の軸数をカウントする。そして、軸数判定手段404は、カウント結果を車両の軸数として判定する。
【0099】
次に、決済システム1は、障害の有無を判定する(S115)。具体的には、障害判定手段405が、S111の処理によって撮影された画像データのうち障害有無の識別部に対応する部分から、障害割引が適用されるか否かを判定する。
【0100】
S115の処理が完了すると、決済システム1は、図16の一連の処理を終了する。なお、車両判定処理において、S112~S115のそれぞれの処理は、その他の順番で処理されてもよいし、並列に実行されてもよい。車両判定処理において通行料金の計算に使用されない情報に関連付けられた判定処理は、省略されてもよい。車両判定処理は、少なくとも、車両ナンバーの読み取りと、料金所内の車両の検知、車種の判定、軸数の判定、及び進行方向の確認からなる群のうち少なくとも一つとを実行していればよい。車両判定において省略された判定処理に関する情報は、各種データベースから省略されてもよい。
【0101】
図17は、実施形態に係る決済システム1の車両判定処理の具体例を示す模式図である。図17は、四輪の車両WVの側方の撮影結果を一例として示している。図17に示された画像では、車両WVは、例えば、前方ナンバープレートNPFと、後方ナンバープレートNPRと、フロントガラスFGと、識別部IBと、ホイールWH1及びWH2とを備えている。
【0102】
前方ナンバープレートNPFは、車両WVの前方に設置され、後方ナンバープレートNPRは、車両WVの後方に設置される。このため、前方ナンバープレートNPF及び後方ナンバープレートNPRは、車両検出領域12の前方のカメラ14Bと、車両検出領域12の後方のカメラ15Bとによってそれぞれ撮影され得る。識別部IBは、例えば、フロントガラスFGの内側に設置される。この場合、識別部IBは、例えば、カメラ14Aによって撮影される。ホイールWH1及びWH2のそれぞれのタイヤは、車両WVの側方の映像において接地している。この場合、軸数判定手段404は、車両WVの側方から見て接地しているタイヤの数に基づいて、車両WVの軸数が“2”であると判定する。
【0103】
なお、ナンバー読取手段402は、前方ナンバープレートNPFと、後方ナンバープレートNPRとの少なくとも一方の撮影結果に基づいて、車両検出領域12内の車両の車両ナンバーを判定していればよい。車両は、二輪車である場合、前方ナンバープレートNPFを有さず、後方ナンバープレートNPRを有している。このため、ナンバー読取手段402は、二輪車の車両ナンバーを判定する場合には、後方ナンバープレートNPRの撮影結果に基づいて車両ナンバーを判定する。障害割引を利用する車両では、カメラ14及び15の何れかによって識別可能に識別部IBが設置されていればよい。一方で、障害割引を利用しない利用者の車両は、障害有無の識別部を有していなくてもよい。
【0104】
(第1入場処理)
図18は、実施形態に係る決済システム1の第1入場処理の一例を示すフローチャートである。以下に、図18を参照して、第1入場処理の流れについて説明する。
【0105】
第1入場処理が開始すると、決済システム1は、走行車両情報データベース103に入場時刻と入場料金所名を格納する(S161)。具体的には、走行車両情報記録手段501が、走行車両情報データベース103のうち、車両検出領域12内の車両の車両ナンバーに対応付けられたレコードに、入場時刻と入場料金所名の情報を格納する。
【0106】
次に、決済システム1は、ゲート13を開く(S162)。具体的には、ゲート制御手段503が、ゲート駆動手段704に、ゲート13を開く処理を実行させる。その後、案内板制御手段502が、案内表示手段706(例えば、案内板16)に、料金所内の車両に対して有料道路への進入(入場)を促すメッセージを表示させてもよい。
【0107】
次に、決済システム1は、車両が入場したか否かを確認する(S163)。具体的には、進行方向確認手段406が、車両検出領域12内の車両の進行方向及び位置を確認する。進行方向確認手段406は、例えば、車両が前方に進行し、且つ車両検出領域12を出た場合に、車両が有料道路に入場したものと判定する。
【0108】
S163の処理において、車両が入場していないことが確認された場合(S163、NO)、決済システム1は、再びS163の処理を実行する。
【0109】
S163の処理において、車両が入場したことが確認された場合(S163、YES)、決済システム1は、S164の処理に進む。
【0110】
S164の処理において、決済システム1は、ゲート13を閉じる。具体的には、ゲート制御手段503が、ゲート駆動手段704に、ゲート13を閉じる処理を実行させる。
【0111】
次に、決済システム1は、利用者の車両ナンバーに関連付けて、入場時刻、入場料金所名などを利用履歴データベース102に格納する(S165)。具体的には、履歴情報記録手段507は、利用履歴データベース102のうち、利用者に関連付けられたテーブルに、入場時刻、入場料金所名などの情報を格納する。これにより、利用者は、履歴閲覧用ウェブサイトにアクセスすることによって、有料道路への入場時刻や入場料金所名などを確認できるようになる。また、S165の処理において、決済システム1は、有料道路に入場したことをメールなどの利用者の連絡先に連絡してもよい。
【0112】
S165の処理が完了すると、決済システム1は、図18の一連の処理を終了する。
【0113】
(第2入場処理)
図19は、実施形態に係る決済システムの第2入場処理の一例を示すフローチャートである。以下に、図19を参照して、第2入場処理の流れについて説明する。
【0114】
第2入場処理が開始すると、決済システム1は、通行券を発券する(S171)。具体的には、入口料金所システム10-1の料金自動収受機18が、例えば入場時刻及び入場料金所名が記録された通行券を発券する。S171の処理において、決済システム1は、通行料金の決済が可能であればよく、通行券を利用した決済以外の方法を利用してもよい。
【0115】
次に、決済システム1は、通行券が受け取られたか否かを確認する(S172)。具体的には、通行許可判定手段504が、料金自動収受機18から通行券が受け取られたか否かを確認する。このとき、案内板制御手段502は、案内表示手段706(例えば、案内板16)に、料金所内の車両の利用者に対して、通行券の受け取りを促すメッセージを表示させてもよい。なお、S172の処理は、S171の処理において通行券が利用されない場合に、通行券を利用しないS171の処理に適合した判定処理であればよい。
【0116】
S172の処理において、通行券が受け取られていないことが確認された場合(S172、NO)、決済システム1は、再びS172の処理を実行する。
【0117】
S172の処理において、通行券が受け取られたことが確認された場合(S172、YES)、決済システム1は、S161の処理に進む。
【0118】
S161の処理において、決済システム1は、第1入場処理と同様に、走行車両情報データベース103に入場時刻と入場料金所名を格納する。
【0119】
次に、決済システム1は、第1入場処理と同様に、ゲート13を開く(S162)。その後、案内板制御手段502が、案内表示手段706(例えば、案内板16)に、料金所内の車両に対して有料道路への進入(入場)を促すメッセージを表示させてもよい。
【0120】
次に、決済システム1は、第1入場処理と同様に、車両が入場したか否かを確認する(S163)。
【0121】
S163の処理において、車両が入場していないことが確認された場合(S163、NO)、決済システム1は、再びS163の処理を実行する。
【0122】
S163の処理において、車両が入場したことが確認された場合(S164、YES)、決済システム1は、S164の処理に進む。
【0123】
S164の処理において、決済システム1は、第1入場処理と同様に、ゲート13を閉じる。
【0124】
S164の処理が完了すると、決済システム1は、図19の一連の処理を終了する。
【0125】
<2-3>出口料金所処理
図20は、実施形態に係る決済システム1の出口料金所処理の一例を示すフローチャートである。決済システム1は、図20に示された一連の処理を繰り返し実行するように構成される。以下に、図20を参照して、出口料金所処理の流れについて説明する。なお、出口料金所処理における“料金所”は、出口料金所システム10-2に対応する。
【0126】
出口料金所処理が開始すると、決済システム1は、入口料金所処理と同様に、料金所内で車両が検出されたか否かを確認する(S10)。
【0127】
S10の処理において、料金所内で車両が検出されなかった場合(S10、NO)、決済システム1は、再びS10の処理を実行する。このとき、案内板制御手段502は、案内表示手段706に、料金所内への車両の進入を促すメッセージを表示させてもよい。
【0128】
S10の処理において、料金所内で車両が検出された場合(S10、YES)、決済システム1は、S11の処理に進む。このとき、案内板制御手段502は、案内表示手段706に、料金所内への車両の進入を禁止することを示すメッセージを表示させる。
【0129】
S11の処理において、決済システム1は、入口料金所処理と同様に、車両判定処理を実行する。
【0130】
次に、決済システム1は、走行車両情報データベース103内で一致する車両ナンバーを探索する(S20)。具体的には、通行許可判定手段504が、走行車両情報データベース103から、車両検出領域12内で検出された車両ナンバーを検索する。決済システム1は、以降の処理において、各種データベースにおいて、検索して見つかった車両ナンバーに関連付けられた情報を参照する。
【0131】
次に、決済システム1は、入口料金所処理と同様に、車両のナンバーが利用者登録情報データベース101に存在するか否かを確認する(S13)。
【0132】
S13の処理において、車両ナンバーが利用者登録情報データベース101に存在することが確認された場合(S13、YES)、決済システム1は、S14の処理に進む。
【0133】
S13の処理において、車両ナンバーが利用者登録情報データベース101に存在しないことが確認された場合(S13、NO)、決済システム1は、S23の処理に進む。
【0134】
S14の処理において、決済システム1は、入口料金所処理と同様に、走行車両情報データベース103と利用者登録情報データベース101との間で車両情報が一致するか否かを確認する。
【0135】
S14の処理において、走行車両情報データベース103と利用者登録情報データベース101との間で車両情報が一致することが確認された場合(S14、YES)、決済システム1は、S15の処理に進む。
【0136】
S14の処理において、走行車両情報データベース103と利用者登録情報データベース101との間で車両情報が一致しないことが確認された場合(S14、NO)、決済システム1は、S23の処理に進む。
【0137】
S15の処理において、決済システム1は、入口料金所処理と同様に、車両のナンバーが利用不可情報データベース104に存在しないかどうかを確認する。
【0138】
S15の処理において、車両のナンバーが利用不可情報データベース104に存在しないことが確認された場合(S15、YES)、決済システム1は、S21の処理に進む。
【0139】
S15の処理において、車両ナンバーが利用不可情報データベース104に存在することが確認された場合(S15、NO)、決済システム1は、S22の処理に進む。
【0140】
S21の処理において、決済システム1は、第1出場処理を実行する。第1出場処理は、予め登録された決済方法を利用して有料道路から車両を出場させる際に実行される通行料金の収受処理である。第1出場処理の詳細については後述する。第1出場処理が完了すると、決済システム1は、図20の一連の処理を終了する。
【0141】
S22の処理において、決済システム1は、第2出場処理を実行する。第2出場処理は、第1入場処理を利用したが、時間経過に伴い予め登録された決済方法が利用できなくなった車両を有料道路から出場させる際に実行される通行料金の収受処理である。第2出場処理の詳細については後述する。第2出場処理が完了すると、決済システム1は、図20の一連の処理を終了する。
【0142】
S23の処理において、決済システム1は、第3出場処理を実行する。第3出場処理は、利用者登録されていない車両、不正が疑われる車両、若しくは予め登録された決済方法を入場時に利用できなかった車両を有料道路から出場させる際に実行される通行料金の収受処理である。第3出場処理の詳細については後述する。第3出場処理が完了すると、決済システム1は、図20の一連の処理を終了する。
【0143】
(第1出場処理)
図21は、実施形態に係る決済システムの第1出場処理の一例を示すフローチャートである。以下に、図21を参照して、第1出場処理の流れについて説明する。
【0144】
第1出場処理が開始すると、決済システム1は、走行車両情報データベース103に出場時刻と出場料金所名を格納する(S211)。具体的には、走行車両情報記録手段501が、走行車両情報データベース103のうち、車両検出領域12内の車両の車両ナンバーに対応付けられたレコードに、出場時刻と出場料金所名の情報を格納する。
【0145】
次に、決済システム1は、走行車両情報データベース103に格納された利用情報と料金計算表情報データベース105とに基づいて通行料金を算出する(S212)。具体的には、通行料金計算手段505が、走行車両情報データベース103のうち車両検出領域12内の車両ナンバーに対応付けられた利用情報に応じた通行料金を、料金計算表情報データベース105に格納された車両の区分や障害の有無に応じた料金を適用して算出する。
【0146】
次に、決済システム1は、算出した通行料金の数値を走行車両情報データベース103に格納する(S213)。具体的には、走行車両情報記録手段501が、走行車両情報データベース103のうち、車両検出領域12内の車両の車両ナンバーに対応付けられたレコードに、S212の処理により算出された通行料金の数値を格納する。
【0147】
次に、決済システム1は、利用者登録情報データベース101に格納された決済手段を用いて通行料金を請求する(S214)。具体的には、通行料金請求手段506が、利用者登録情報データベース101のうち、車両検出領域12内の車両の車両ナンバーに対応付けられたレコードに含まれた決済手段を用いて、S212の処理により算出された通行料金を請求する。
【0148】
次に、決済システム1は、ゲート13を開く(S215)。具体的には、ゲート制御手段503が、ゲート駆動手段704に、ゲート13を開く処理を実行させる。その後、案内板制御手段502が、案内表示手段706(例えば、案内板16)に、料金所内の車両に対して有料道路からの出場を促すメッセージを表示させてもよい。
【0149】
次に、決済システム1は、車両が出場したか否かを確認する(S216)。具体的には、進行方向確認手段406が、車両検出領域12内の車両の進行方向及び位置を確認する。進行方向確認手段406は、例えば、車両が前方に進行し、且つ車両検出領域12を出た場合に、車両が有料道路から出場したものと判定する。
【0150】
S216の処理において、車両が出場していないことが確認された場合(S216、NO)、決済システム1は、再びS216の処理を実行する。
【0151】
S216の処理において、車両が出場したことが確認された場合(S216、YES)、決済システム1は、S217の処理に進む。
【0152】
S217の処理において、決済システム1は、ゲート13を閉じる。具体的には、ゲート制御手段503が、ゲート駆動手段704に、ゲート13を閉じる処理を実行させる。
【0153】
次に、決済システム1は、利用者の車両ナンバーに関連付けて、出場時刻、出場料金所名、通行料金などを利用履歴データベース102に格納する(S218)。具体的には、履歴情報記録手段507は、利用履歴データベース102のうち、利用者に関連付けられたテーブルに、出場時刻、出場料金所名、利用料金などの情報を格納する。これにより、利用者は、履歴閲覧用ウェブサイトにアクセスすることによって、有料道路からの出場時刻や出場料金所名や通行料金などを確認できるようになる。また、S218の処理において、決済システム1は、有料道路から出場したことをメールなどの利用者の連絡先に連絡してもよい。
【0154】
S218の処理が完了すると、決済システム1は、図21の一連の処理を終了する。
【0155】
(第2出場処理)
図22は、実施形態に係る決済システムの第2出場処理の一例を示すフローチャートである。以下に、図22を参照して、第2出場処理の流れについて説明する。
【0156】
第2出場処理が開始すると、決済システム1は、第1出場処理と同様に、走行車両情報データベース103に出場時刻と出場料金所名を格納する(S211)。
【0157】
次に、決済システム1は、第1出場処理と同様に、走行車両情報データベース103に格納された利用情報と料金計算表情報データベース105とに基づいて通行料金を算出する(S212)。
【0158】
次に、決済システム1は、第1出場処理と同様に、算出した通行料金の数値を走行車両情報データベース103に格納する(S213)。
【0159】
次に、決済システム1は、通行料金の精算指示をする(S221)。具体的には、出口料金所システム10-2の料金自動収受機18が、S212で算出された通行料金の現金による支払いを受け付ける状態になる。また、案内板制御手段502が、案内表示手段706(例えば、案内板16)に、通行料金の金額を表示させる。なお、通行料金の金額は、料金自動収受機18により表示されてもよい。S221における通行料金の精算方法は、現金に限定されず、クレジットカード、交通系IC、バーコード決済、暗号通貨などの電子決済であってもよい。
【0160】
次に、決済システム1は、通行料金が精算されたか否かを確認する(S222)。具体的には、通行許可判定手段504が、車両の運転者により料金自動収受機18を用いた通行料金の精算が完了したか否かを確認する。
【0161】
S222の処理において、通行料金が精算されていないことが確認された場合(S222、NO)、決済システム1は、再びS222の処理を実行する。
【0162】
S222の処理において、通行料金が精算されたことが確認された場合(S222、YES)、決済システム1は、S215の処理に進む。
【0163】
S215の処理において、決済システム1は、第1出場処理と同様に、ゲート13を開く。その後、案内板制御手段502が、案内表示手段706(例えば、案内板16)に、料金所内の車両に対して有料道路からの出場を促すメッセージを表示させてもよい。
【0164】
次に、決済システム1は、第1出場処理と同様に、車両が出場したか否かを確認する(S216)。
【0165】
S216の処理において、車両が出場していないことが確認された場合、決済システム1は、再びS216の処理を実行する。
【0166】
S216の処理において、車両が出場したことが確認された場合、決済システム1は、S217の処理に進む。
【0167】
S217の処理において、決済システム1は、第1出場処理と同様に、ゲート13を閉じる。
【0168】
次に、決済システム1は、第1出場処理と同様に、利用者の車両ナンバーに関連付けて、出場時刻、出場料金所名、通行料金などを利用履歴データベース102に格納する(S218)。
【0169】
S218の処理が完了すると、決済システム1は、図22の一連の処理を終了する。
【0170】
(第3出場処理)
図23は、実施形態に係る決済システムの第3出場処理の一例を示すフローチャートである。以下に、図23を参照して、第3出場処理の流れについて説明する。
【0171】
第3出場処理が開始すると、決済システム1は、通行券の挿入指示をする(S231)。具体的には、案内板制御手段502が、案内表示手段706(例えば、案内板16)に、料金所内の車両の利用者に対して、通行券の挿入を促すメッセージを表示させる。
【0172】
次に、決済システム1は、通行券が料金自動収受機18に挿入されたか否かを確認する(S232)。具体的には、通行許可判定手段504が、料金自動収受機18に通行券が挿入されたか否かを確認する。
【0173】
S232の処理において、通行券が料金自動収受機18に挿入されていないことが確認された場合(S232、NO)、決済システム1は、再びS232の処理を実行する。
【0174】
S232の処理において、通行券が料金自動収受機18に挿入されたことが確認された場合(S232、YES)、決済システム1は、S211の処理に進む。
【0175】
S211の処理において、決済システム1は、第1出場処理と同様に、走行車両情報データベース103に出場時刻と出場料金所名を格納する(S211)。
【0176】
次に、決済システム1は、第1出場処理と同様に、走行車両情報データベース103に格納された利用情報と料金計算表情報データベース105とに基づいて通行料金を算出する(S212)。
【0177】
次に、決済システム1は、第1出場処理と同様に、算出した通行料金の数値を走行車両情報データベース103に格納する(S213)。
【0178】
次に、決済システム1は、第2出場処理と同様に、通行料金の精算指示をする(S221)。このとき、案内板制御手段502が、案内表示手段706(例えば、案内板16)に、通行料金の金額を表示させる。
【0179】
次に、決済システム1は、第2出場処理と同様に、通行料金が精算されたか否かを確認する(S222)。
【0180】
S222の処理において、通行料金が精算されていないことが確認された場合(S222、NO)、決済システム1は、再びS222の処理を実行する。
【0181】
S222の処理において、通行料金が精算されたことが確認された場合(S222、YES)、決済システム1は、S215の処理に進む。
【0182】
次に、決済システム1は、第1出場処理と同様に、ゲート13を開く(S215)。その後、案内板制御手段502が、案内表示手段706(例えば、案内板16)に、料金所内の車両に対して有料道路からの出場を促すメッセージを表示させてもよい。
【0183】
次に、決済システム1は、第1出場処理と同様に、車両が出場したか否かを確認する(S216)。
【0184】
S216の処理において、車両が出場していないことが確認された場合、決済システム1は、再びS216の処理を実行する。
【0185】
S216の処理において、車両が出場したことが確認された場合、決済システム1は、S217の処理に進む。
【0186】
S217の処理において、決済システム1は、第1出場処理と同様に、ゲート13を閉じる。
【0187】
S217の処理が完了すると、決済システム1は、図23の一連の処理を終了する。なお、S231及びS232のそれぞれの処理は、図19のS171の処理が通行券を利用する以外の通行料金の決済方法であった場合に、S171の処理に適合した方法が利用されていればよい。
【0188】
<3>効果
以上で説明された決済システム1に依れば、有料道路の料金所において不正を防止し且つ運営者の導入コスト及び保守コストを低減させることができる。以下に、実施形態の効果の詳細について説明する。
【0189】
有料道路における通行料金の決済方法として、ETC(登録商標)を利用した方法が知られている。この方法は、車載器とETCカードを用意する必要があり、それらの事前準備に期間やコストを必要とする。これに対して、車両のナンバープレートの情報と、携帯端末の測位機能(例えばGPS)による位置情報とを組み合わせて、料金収受を行う方法が考えられる。この場合、画像処理と携帯端末とを利用することによって、導入コストと運用コストとを抑制することができる。
【0190】
しかしながら、このような方法は、ナンバープレートが付け替えられた場合に、不正通行を検知することができない。通行料金は、例えば、通行車両の車種と軸数に基づいて設定される。車種及び軸数を正確に検知する方法としては、車判用踏板、車長検知器、車高検知器などのハードウェア機器を用いることが考えられる。ナンバープレートの情報を利用した料金収受システムと、車判用踏板などのハードウェア機器との組み合わせは、不正通行を防ぐことができる。一方で、料金所の運営者に対する導入コスト及び保守コストが高くなってしまう。
【0191】
そこで、実施形態に係る決済システム1は、カメラ14及び15によって撮影された画像から、画像処理によって車両ナンバーの情報と、車種や軸数などの情報とを取得する。そして、決済システム1は、取得したこれらの情報に基づいて、有料道路を走行する車両の情報を走行車両情報データベース103により一括で管理する。その結果、決済システム1を利用した有料道路の料金収受システムでは、車両ナンバーと、実際に走行している車両の車種及び軸数とが適正であるかを判断することができる。すなわち、決済システム1は、ハードウェア機器を利用した場合と同等に、ナンバープレートの付け替えによる不正通行を防止することができる。
【0192】
また、実施形態に係る決済システム1では、利用者が、車両ナンバーと、有料道路の利用時に使用する決済手段と、車種や車軸などの車両の情報とを、利用者登録情報データベース101に予め登録する。そして、利用者登録情報データベース101に予め登録された決済手段が、料金所を通過する際に利用される。これにより、決済システム1は、料金所を通過する際の手続きを、ETCカード及び車載器の組み合わせを利用した場合と同様に簡素にすることができる。
【0193】
また、実施形態に係る決済システム1は、利用者が事前に利用予定情報を送信することなく、1回の利用登録によって、有料道路の利用時において予め登録された決済手段を利用できる。すなわち、決済システム1は、管理サーバ20-1によって管理されている料金所であれば、走行する経路に依らず、所望の決済手段を利用可能である。決済システム1は、現行の通行料金体系への対応が可能であり、現在の料金収受システムから置き換えることが容易である。つまり、料金所で使用されているハードウェア機器の数は、決済システム1が利用されることによって削減され得る。
【0194】
以上のように、実施形態に係る決済システム1は、料金所の運営者に対して、不正通行の防止と、ハードウェア機器の削減による導入及び保守コストの低減といった利点を提供することができる。また、決済システム1は、料金所の利用者に対して、車載器とETCカードの準備が不用となり導入コストとが抑制されるといった利点を提供することができる。従って、実施形態に係る決済システム1は、有料道路の料金所において不正を防止し且つ運営者の導入コスト及び保守コストを低減させることができる。
【0195】
<4>その他
実施形態において、動作の説明に用いたフローチャートは、あくまで一例である。フローチャートを用いて説明された各動作は、処理の順番が可能な範囲で入れ替えられてもよいし、その他の処理が追加されてもよいし、一部の処理が省略されてもよい。また、出口料金所処理のS20の処理において判定された車両情報に基づいて、有料道路の走行中に同じ車両ナンバーの車両情報が変わったか否かを判定してもよい。このような判定を行うことによって、有料道路に入場した後の不正を検出することができる。この場合、出口料金所システム10-2は、例えば、走行車両情報データベース103を参照して、入場時及び出場時のそれぞれの車両情報に基づいて算出される通行料金のうち高い方の通行料金を請求する。このときの通行料金の支払い方法としては、例えば現金が使用される。
【0196】
実施形態で説明されたサーバ20及び端末装置30のそれぞれのハードウェア構成は、その他の構成であってもよい。例えば、CPUの替わりに、MPU(Micro Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、あるいはFPGA(field-programmable gate array)などが使用されてもよい。サーバ20及び端末装置30のそれぞれが有する各機能は、一部又は全部が専用のハードウェアによって実現されてもよいし、CPUなどのプロセッサが実行するプログラムとして構成されてもよい。すなわち、サーバ20及び端末装置30のそれぞれが有する各機能は、コンピュータとプログラムとを用いて実現することができる。プログラムが記憶媒体に記録されてもよいし、プログラムがネットワークを介して提供されてもよい。
【0197】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことが出来る。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0198】
1…決済システム、10…料金所システム、10-1…入口料金所システム、10-2…出口料金所システム、11…レーン、12…車両検出領域、13…ゲート、14,15…カメラ、16,17…案内板、18…料金自動収受機、19…屋根、20…サーバ、20-1…管理サーバ、20-2…決済会社サーバ、21…CPU、22…ROM、23…RAM、24…ストレージ装置、25…通信インターフェース、30…端末装置、30-1…料金所用端末装置、30-2…管理者用端末装置、30-3…利用者端末装置、31…CPU、32…ROM、33…RAM、34…ストレージ装置、35…通信インターフェース、36…入力インターフェース、37…ディスプレイ、100…データベース記憶部、101…利用者登録情報データベース、102…利用履歴データベース、103…走行車両情報データベース、104…利用不可情報データベース、105…料金計算表情報データベース、200…情報管理部、201…利用者登録ウェブサイト運営手段、202…履歴閲覧用ウェブサイト運営手段、203…料金所管理ウェブサイト運営手段、204…システム管理ウェブサイト運営手段、205…決済管理手段、300…通信管理部、400…画像処理部、401…車両検知手段、402…ナンバー読取手段、403…車種判定手段、404…軸数判定手段、405…障害判定手段、406…進行方向確認手段、500…メイン処理部、501…走行車両情報記録手段、502…案内板制御手段、503…ゲート制御手段、504…通行許可判定手段、505…通行料金計算手段、506…通行料金請求手段、507…履歴情報記録手段、601…利用者情報登録手段、602…利用履歴閲覧手段、603…料金所運用手段、604…システム管理手段、605…決済可否通知手段、701…車両前方撮影手段、702…車両後方撮影手段、703…車両側方撮影手段、704…ゲート駆動手段、705…料金自動収受機制御手段、706…案内表示手段
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