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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024098435
(43)【公開日】2024-07-23
(54)【発明の名称】計測装置、及び、計測方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/66 20060101AFI20240716BHJP
   G03F 7/20 20060101ALI20240716BHJP
【FI】
H01L21/66 J
G03F7/20 501
G03F7/20 521
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023001965
(22)【出願日】2023-01-10
(71)【出願人】
【識別番号】318010018
【氏名又は名称】キオクシア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001634
【氏名又は名称】弁理士法人志賀国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】谷崎 広幸
(72)【発明者】
【氏名】芳野 公則
(72)【発明者】
【氏名】文田 香織
(72)【発明者】
【氏名】白川 裕晃
(72)【発明者】
【氏名】高桑 真歩
(72)【発明者】
【氏名】笠 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】井上 壮一
(72)【発明者】
【氏名】田中 聡
【テーマコード(参考)】
2H197
4M106
【Fターム(参考)】
2H197CA03
2H197JA17
2H197JA23
4M106AA01
4M106BA04
4M106CA39
4M106DB04
4M106DB16
4M106DJ07
4M106DJ17
4M106DJ20
(57)【要約】
【課題】ロバストかつ精度よくオーバーレイを計測することができる、計測装置、及び、計測方法を提供する。
【解決手段】メモリホールMH、スリットSHE、STが形成されたウェハ100上の計測スポット50に多波長光を照射する光源21と、計測スポット50からの反射光の第1瞳面強度分布像を取得する第1撮像部27と、同反射光の第2瞳面強度分布像を取得する第2撮像部29と、第2瞳面強度分布像を解析してオーバーレイを計測する検出部30を備える。計測スポット50の位置を移動させながら第1及び第2瞳面強度分布像を取得し、第1瞳面強度分布像に基づきスリットSTが含まれない計測スポット50を選択し、選択した計測スポット50の第2瞳面強度分布像の解析により得られたオーバーレイをメモリホールMH、スリットSHEのオーバーレイとするオーバーレイ解析部33と、を備える。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1パターン、第2パターン、および、第3パターンが表面に形成された被検体が載置された検体ステージと、
前記被検体に設定された計測スポットに多波長光を照射する光源と、
前記多波長光の照射により前記計測スポットから発せられる反射光を2方に分光するビームスプリッタと、
前記ビームスプリッタにより分光された一方の前記反射光の第1瞳面強度分布像を取得する第1撮像部と、
前記ビームスプリッタにより分光された他方の前記反射光の第2瞳面強度分布像を取得する第2撮像部と、
前記第2瞳面強度分布像を解析して前記計測スポットに形成された前記第1パターンと前記第2パターンのオーバーレイを計測する解析部と、
前記被検体における前記計測スポットの位置を移動させながら、複数の前記計測スポットのそれぞれにおける前記第1瞳面強度分布像と前記第2瞳面強度分布像とを取得し、前記第1瞳面強度分布像に基づいて前記3パターンが含まれない前記計測スポットを選択し、選択した前記計測スポットの前記第2瞳面強度分布像の解析により得られた前記オーバーレイを前記第1パターンと前記第2パターンのオーバーレイとするオーバーレイ計測部と、
を備えることを特徴とする、計測装置。
【請求項2】
前記第1瞳面強度分布像は、前記反射光のパラレルニコルの像であり、前記第2瞳面強度分布像は、前記反射光のクロスニコルの像である、請求項1に記載の計測装置。
【請求項3】
前記第3パターンはトレンチパターンである、請求項1に記載の計測装置。
【請求項4】
前記第1パターンはホールパターンであり、前記第2パターンはトレンチパターンであり、前記第2パターンのトレンチの深さは前記第3パターンのトレンチの深さよりも浅い、請求項3に記載の計測装置。
【請求項5】
第1パターン、第2パターン、および、第3パターンが表面に形成された被検体に設定された計測スポットに多波長光を照射することと、
前記多波長光の照射により前記計測スポットから発せられる反射光を2方に分光することと、
分光された一方の前記反射光の第1瞳面強度分布像を取得することと、
分光された他方の前記反射光の第2瞳面強度分布像を取得することと、
第2瞳面強度分布像を解析して前記計測スポットに形成された前記第1パターンと前記第2パターンのオーバーレイを計測することと、
前記被検体における前記計測スポットの位置を移動させながら、複数の前記計測スポットのそれぞれにおける前記第1瞳面強度分布像と前記第2瞳面強度分布像とを取得し、前記第1瞳面強度分布像に基づいて前記3パターンが含まれない前記計測スポットを選択し、選択した前記計測スポットの前記第2瞳面強度分布像の解析により得られた前記オーバーレイを前記第1パターンと前記第2パターンのオーバーレイとすることを特徴とする、計測方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本実施形態は、計測装置、及び、計測方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体記憶装置は、高積層化される一方でサイズの縮小が進んでいる。このため、積層された層に微細なパターンを形成するリソグラフィ技術とともに、パターンの合わせずれ(オーバーレイ)の制御は、半導体記憶装置の信頼性向上や歩留まり向上のために重要な技術となる。オーバーレイを高精度で計測する装置として、瞳面強度分布像を用いた計測装置が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第10546790号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本実施形態は、ロバストかつ精度よくオーバーレイを計測することができる、計測装置、及び、計測方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本実施形態の段差計測装置は、第1パターン、第2パターン、および、第3パターンが表面に形成された被検体が載置された検体ステージと、前記被検体に設定された計測スポットに多波長光を照射する光源と、前記多波長光の照射により前記計測スポットから発せられる反射光を2方に分光するビームスプリッタと、前記ビームスプリッタにより分光された一方の前記反射光の第1瞳面強度分布像を取得する第1撮像部と、前記ビームスプリッタにより分光された他方の前記反射光の第2瞳面強度分布像を取得する第2撮像部と、前記第2瞳面強度分布像を解析して前記計測スポットに形成された前記第1パターンと前記第2パターンのオーバーレイを計測する解析部とを有する。また、前記被検体における前記計測スポットの位置を移動させながら、複数の前記計測スポットのそれぞれにおける前記第1瞳面強度分布像と前記第2瞳面強度分布像とを取得し、前記第1瞳面強度分布像に基づいて前記3パターンが含まれない前記計測スポットを選択し、選択した前記計測スポットの前記第2瞳面強度分布像の解析により得られた前記オーバーレイを前記第1パターンと前記第2パターンのオーバーレイとするオーバーレイ計測部も有する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】本実施形態にかかるウェハ上に配置されたメモリチップのレイアウトの一例を説明する平面図。
図2】3次元構造のNANDメモリセルアレイのブロックの構成例を示す図。
図3図1のメモリチップに形成されたメモリセルアレイの一例を説明する平面図。
図4図3のメモリセルアレイの一部領域を拡大した図。
図5】メモリセルアレイの詳細な構造の一例を説明する平面図および断面図。
図6】計測対象となる被検体の構造の一例を説明する断面図。
図7】本実施形態にかかる計測装置の構成例を説明するブロック図。
図8】計測スポットの設定に用いる各種寸法の一例を説明する平面図。
図9】計測スポットの形状の一例を説明する概略図。
図10】本実施形態にかかる計測方法の一例を説明するフローチャート。
図11図10に示すS1の詳細な手順の一例を説明するフローチャート。
図12図10に示すS2の詳細な手順の一例を説明するフローチャート。
図13】第1強度分布像に基づく重回帰信号の変化の一例を説明する図。
図14】スポットピッチと計測数の一例を説明する図。
図15】スポットピッチと計測数の別の一例を説明する図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、図面を参照して実施形態を説明する。
(1. 構成)
(1-1.被検体の構成)
実施形態の計測装置は、例えば、半導体記憶装置としての不揮発性メモリに形成されたメモリセルアレイにおいて、ストリングユニット間を分離する絶縁層(スリット)とメモリホールとのオーバーレイの計測に用いることができる。まず、被検体の構成について、図1図6を用いて説明する。
【0008】
図1は、本実施形態にかかるウェハ上に配置されたメモリチップのレイアウトの一例を説明する平面図である。被検体である不揮発性メモリは、メモリセルアレイ10と周辺回路20とから構成されている。不揮発性メモリは、メモリチップ200としてウェハ100に形成される。以下の説明では、ウェハ100表面と平行な平面と平行な一方向をX方向とする。また、ウェハ100表面と平行かつX方向と直交する方向をY方向とする。また、ウェハ100表面と直交する方向をZ方向とする。図1に示すように、ウェハ100には、複数のメモリチップ200が、X方向およびY方向に行列状に配列される。ウェハ100上に、CVD技術などにより各種の膜を堆積させたり、イオン注入技術により各種膜に不純物を注入したり、リソグラフィ技術及びエッチング技術により堆積された膜をパターニングしたりする様々な工程を繰り返し、複数のメモリチップ200のそれぞれに不揮発性メモリが形成される。
【0009】
リソグラフィ技術は、主に、フォトレジスト(感光性)を塗布するコーティング、パターンが形成されたレチクルにUV光を通過させてレジスト膜にパターンを転写する露光、露光された部分またはされていない部分を現像液によって除去しレジストパターンを形成する現像、の3つの工程により、ウェハの最表面に微細なレジストパターンを形成する。一般的に、レチクル101には、複数のメモリチップ200のパターンが形成されている。そして、露光工程では、すべてのメモリチップ200に対してレジストパターンが形成されるように、レチクル101またはウェハ100を移動させることで露光箇所を移動させながら、複数回の露光が行われる。図1は、1枚のレチクル101に10個のメモリチップ200のパターンが形成されており、ウェハ100に対して6回の露光を行う例を示している。なお、1枚のレチクルに含まれるチップのパターンの数は10個に限られず、例えば、それ以上のパターンが含まれていてもよい。また、1枚のウェハに対して行われる露光の回数は6回に限られず、例えば、それ以上の露光が行われてもよい。
【0010】
メモリセルアレイ10は、複数のブロックを備える。図2は3次元構造のNANDメモリセルアレイのブロックの構成例を示す図である。図2はメモリセルアレイ10を構成する複数のブロックのうちの1つのブロックBLKを示している。メモリセルアレイの他のブロックも図2と同様の構成を有する。
【0011】
図示するように、ブロックBLKは、例えば5つのストリングユニット(SU0~SU4)を含む。また各々のストリングユニットSUは、複数のNANDストリングNSを含む。NANDストリングNSの各々は、ここでは8個のメモリセルトランジスタMT(MT0~MT7)と、選択ゲートトランジスタST1,ST2とを含む。なお、NANDストリングNSに含まれるメモリセルトランジスタMTの個数は、ここでは8個であるが、8個に限られず、例えば、32個、48個、64個、96個等でもよい。選択ゲートトランジスタST1,ST2は、電気回路上は1つのトランジスタとして示しているが、構造上はメモリセルトランジスタと同じでもよい。また、例えばカットオフ特性を高めるために、選択ゲートトランジスタST1,ST2として、それぞれ複数の選択ゲートトランジスタを用いてもよい。さらに、メモリセルトランジスタMTと選択ゲートトランジスタST1,ST2との間には、ダミーセルトランジスタが設けられていてもよい。
【0012】
メモリセルトランジスタMTは、選択ゲートトランジスタST1,ST2間において、直列接続されるようにして配置されている。一端側のメモリセルトランジスタMT7が、選択ゲートトランジスタST1に接続され、他端側のメモリセルトランジスタMT0が、選択ゲートトランジスタST2に接続されている。
【0013】
ストリングユニットSU0~SU4の各々の選択ゲートトランジスタST1のゲートは、それぞれ選択ゲート線SGD0~SGD4(以下、これらを区別する必要がない場合には選択ゲート線SGDという)に接続される。他方で、選択ゲートトランジスタST2のゲートは、同一のブロックBLK内にある複数のストリングユニットSU間で同一の選択ゲート線SGSに共通接続される。また、同一のブロックBLK内にあるメモリセルトランジスタMT0~MT7のゲートは、それぞれワード線WL0~WL7に共通接続される。すなわち、ワード線WL0~WL7及び選択ゲート線SGSは、同一ブロックBLK内の複数のストリングユニットSU0~SU4間で共通に接続されているのに対し、選択ゲート線SGDは、同一ブロックBLK内であってもストリングユニットSU0~SU4毎に独立している。
【0014】
NANDストリングNSを構成するメモリセルトランジスタMT0~MT7のゲートには、それぞれワード線WL0~WL7が接続されている。ブロックBLK内において同一行にあるメモリセルトランジスタMTiのゲートは、同一のワード線WLiに接続される。
【0015】
各NANDストリングNSは、対応するビット線に接続されている。従って、各メモリセルトランジスタMTは、NANDストリングNSに含まれる選択ゲートトランジスタST1,ST2や他のメモリセルトランジスタMTを介して、ビット線に接続されている。
【0016】
図3は、図1のメモリチップに形成されたメモリセルアレイの一例を説明する平面図である。図3には、メモリセルアレイ10の一部領域を拡大して示している。メモリセルアレイ10に含まれる各ブロックBLKは、X方向を長手方向としY方向に所定の幅を有する帯状領域として形成される。各ブロックBLKの間にはスリットST(図3の一点鎖線で示す部分)が形成されている。スリットSTには絶縁材料が充填されており、隣り合うブロックBLK間を電気的に分離する。各ブロックBLKは、複数のストリングユニットSUを含む。ストリングユニットSUは、ブロックBLKをY方向において分割した帯状領域として形成される。各ストリングユニットSUの間にはスリットSHE(図3の点線で示す部分)が形成されている。スリットSHEには絶縁材料が充填されており、隣り合うストリングユニットSU間の選択ゲート線SGDを電気的に分離する。各々のストリングユニットSUは、複数のNANDストリングを含む。各NANDストリングNSは、Z方向に延伸する円柱状のメモリホールMHに形成される。
【0017】
図4は、図3のメモリセルアレイの一部領域を拡大した図である。図4には、1つのブロックBLKの一部領域を拡大して示している。各ブロックBLKは、隣のブロックから、スリットSTを介して隔てられている。スリットSTの中にはソース線への接続配線として機能する配線LIが形成されていてもよい。図4の丸印はNANDストリングを構成するメモリホールMHを示している。1ストリングユニットSUにはNANDストリングNSを構成するメモリホールMHが複数配置される。1ストリングユニット中のNANDストリング数(メモリホール数)は極めて多く(図4では28個のみ示してある)、チップサイズを縮小するために、メモリホールMHは千鳥配列に配置される。各ストリングユニットSUを区画するスリットSHEの形成領域には、メモリホールMHを形成する必要はない。しかしながら、製造上の理由から、メモリホールMHは配置位置が均一化された状態で形成される場合がある。この場合、図4に示すように、スリットSHEは、メモリホールMHの一部と重複するように形成される。
【0018】
図5は、メモリセルアレイの詳細な構造の一例を説明する平面図および断面図である。図5は紙面左側にブロックBLKの一部の平面形状を示しており、A-A線で切断した断面形状を紙面右側に示している。絶縁層351は、図5に示す1ブロックBLKを他のブロックBLKと分離する。詳しくは、図5の右側の断面図に示すように、絶縁層351は、選択ゲート線SGD上に形成された層間絶縁膜337の上面からソース線330まで延設されて、選択ゲート線SGD、複数のワード線WL、選択ゲート線SGSをブロックBLK間で分離する。絶縁層351は、絶縁材料が充填されたスリットSTとして機能する。絶縁層351の中には、層間絶縁膜337の上面からソース線330まで延設された配線340が形成されている。配線340は、ソース線330への接続配線である配線LIとして機能する。図5の例は、1ブロックBLK内に、絶縁層352によって分離された5つの選択ゲート線SGD0~SGD4をそれぞれ含む5つのストリングユニットSU0~SU4が構成された例を示している。絶縁層352は、図5の右側の例では、選択ゲート線SGD上に形成された層間絶縁膜337の上面から、複数の選択ゲート線SGDの最下層と複数のワード線WLの最上層との間のまで延設されて、各選択ゲート線SGD0~SGD4を相互に分離する。すなわち、絶縁層352は、絶縁材料が充填されたスリットSHEである。なお、図5ではメモリホールMHの上面よりも層間絶縁膜337の上面のほうが上方に位置するように層間絶縁膜337が形成されている場合を一例として示しているが、メモリホールMHの上面と層間絶縁膜337の上面が同じ高さになるように層間絶縁膜337を形成してもよい。
【0019】
1ストリングユニット内の各メモリホールMHは、それぞれコンタクトプラグ339によってビット線BL0,BL1,…(以下、これらを区別する必要がない場合にはビット線BLという)に接続される。なお、図5の左側では図面の見やすさを考慮して、一部のビット線BL及び一部のコンタクトプラグ339のみを示してある。
【0020】
図5に示すように、各ビット線BL0,BL1,…は、それぞれコンタクトプラグ339を介してストリング毎に1つのメモリホールMHに接続される。なお、各ビット線BLを各ストリングの1つのメモリホールMHに接続するために、コンタクトプラグ339の位置は、ビット線BLの延伸方向に直交する方向にずらしてある。
【0021】
ソース線330上には、複数のNANDストリングNSが形成されている。すなわち、ソース線330上には、選択ゲート線SGS、複数のワード線WL、および複数の選択ゲート線SGDが絶縁膜を介して積層されている。そして、これらの選択ゲート線SGD、ワード線WL及び選択ゲート線SGSを貫通してソース線330に達するメモリホールMHが形成されている。メモリホールMHの側面には、ブロック絶縁膜、電荷蓄積膜(電荷保持領域)、およびゲート絶縁膜からなるONO膜336が形成され、更にメモリホールMH内に導電体柱335が埋め込まれている。導電体柱335は、例えばポリシリコンからなり、NANDストリングNSに含まれるメモリセルトランジスタMT並びに選択ゲートトランジスタST1及びST2の動作時にチャネルが形成される領域として機能する。すなわち、選択ゲート線SGDと導電体柱335とONO膜336がそれぞれ選択ゲートトランジスタST1として機能し、ワード線WLと導電体柱335とONO膜336がそれぞれメモリセルトランジスタMTとして機能し、選択ゲート線SGSと導電体柱335とONO膜336が選択ゲートトランジスタST2として機能する。
【0022】
なお、図5では、メモリホールMHは、同一径の円柱形状であるものとして示したが、実際にはソース線330に向かって細径となるテーパ形状を有する。また、製造工程によっては、メモリホールMH及び導電体柱は、テーパ形状の途中で拡径して再びソース線330に向かって細径となる複数段のテーパ形状を有することもある。
【0023】
図6は、計測対象となる被検体の構造の一例を説明する断面図である。実施形態の計測装置では、例えば、図5に示す構造のメモリセルアレイ10において、層間絶縁膜337にスリットST、SHEが形成された段階(絶縁材料が充填される前の状態)のウェハ100を被検体とする。すなわち、図6に示す構造の被検体において、ストリングユニットSU間を分離するスリットSHEとメモリホールMHとのオーバーレイを計測する。
(1-2.計測装置の構成)
図7は、実施形態にかかる計測装置の構成例を説明するブロック図である。実施形態の計測装置は、瞳面強度分布像計測装置2と、情報処理装置3とを備える。なお、計測されたオーバーレイに関する情報や、計測中に取得したデータ等を表示させる表示装置4を更に備えてもよい。
【0024】
瞳面強度分布像計測装置2は、被検体(ここでは、ウェハ100)に照明光を照射し、反射光(回折光)を2つの検出部に同時に伝達する。それぞれの検出部までの反射光の伝達経路を異なる構成にすることで、2種類の瞳面強度分布像を取得することができる。一つ目は、ウェハ100表面に形成されたパターンの立体形状(凹凸形状)に応じて強度分布が変化する瞳面強度分布像である。二つ目は、ウェハ100の表面に形成されたパターンの平面形状(XY平面におけるパターンの形状)に応じて強度分布が変化する瞳面強度分布像である。以下、立体形状を反映した瞳面強度分布像を第1強度分布像、平面形状を反映した瞳面強度分布像を第2強度分布像とよぶ。
【0025】
瞳面強度分布像計測装置2は、ウェハ100に照明光を伝達する機構として、光源21と、照明光学系22と、プリズム23と、対物光学系24とを備える。また、瞳面強度分布像計測装置2は、ウェハ100からの反射光(回折光)を伝達して瞳面強度分布像を検出する機構として、ビームスプリッタ25と、第1検出光学系26と、第1撮像部27と、第2検出光学系28と、第2撮像部29と、検出部30とを備える。さらに、瞳面強度分布像計測装置2は、ウェハ100を載置して計測位置を調整する機構として、検体ステージ51と、ステージ駆動部52とを備える。
【0026】
光源21より放射された照明光(多波長光)は、照明光学系22を経てプリズム23により反射された後、対物光学系24を介して検体ステージ51上に配置されたウェハ100に導かれる。照明光学系22は絞りを備えており、絞りにもうけられた開口部の形状を変化させることが可能な構造となっている。そのため、開口部の大きさ・形状を変化させると、ウェハ100の表面に照射される照明の範囲(以下、計測スポットと示す)の大きさ・形状を変化させることができる。なお、図7において、照明光の光軸を模式的に点線で示しており、反射光の光軸を模式的に一点鎖線で示している。なお、照明光として特定の波長を用いることにより、ウェハ100に形成された膜の材料の特性に応じ、様々な構造を計測することも可能であるが、本明細書においてはオーバーレイ以外の計測については特に言及しない。
【0027】
ウェハ100の計測スポットに照射された照明光は、このウェハ100で反射され、再び対物光学系24を介してプリズム23を透過し、ビームスプリッタ25に入射する。ビームスプリッタ25によりZ方向上方に分岐された光は、第1検出光学系26を介して第1撮像部27に計測スポットの瞳面強度分布像(第1強度分布像)を結像させる。一方、ビームスプリッタ25によりX方向に分岐された光は、第2検出光学系28を介して第2撮像部29に計測スポットの瞳面強度分布像(第2強度分布像)を結像させる。
【0028】
例えば、照明光学系22に偏光子が設けられ、第1検出光学系26と第2検出光学系28のそれぞれ検光子が設けられている場合、偏光子の透過軸方向と第1検出光学系26の検光子の透過軸方向とが平行なパラレルニコル条件を満たし、かつ、偏光子の透過軸方向と第2検出光学系28の検光子の透過軸方向とが互いに直交するクロスニコル条件を満たすように設定される。
【0029】
第1撮像部27に結像された第1強度分布像と、第2撮像部29に結像された第2強度分布像は、検出部30に出力される。検出部30は、第1強度分布像における各画素の輝度分布に基づき、計測スポットに形成されたパターンの立体形状(凹凸形状)を推定する。また、検出部30は、第2強度分布像から非対称性信号を抽出し、該信号を用いて計測スポットに形成されたパターンのオーバーレイを推定する。すなわち、第2強度分布像を用いてパターンのオーバーレイを計測することができる。なお、検出部30は、第1強度分布像、第2強度分布像、これらから推定されたパターンの形状などのデータを、情報処理装置3に出力可能に構成されている。
【0030】
検体ステージ51は、ステージ駆動部52によって、X方向、及び、Y方向に移動可能に構成されている。また、XY平面においてZ軸と平行な軸のまわりに回転可能に構成されている。ウェハ100を載置した状態で検体ステージ51を移動させることにより、ウェハ100における計測スポットの位置を移動させることができる。
【0031】
情報処理装置3は、例えばコンピュータであり、中央演算処理装置(CPU)31と、RAM32と、オーバーレイ解析部33とを備えている。情報処理装置3は、瞳面強度分布像計測装置2から入力されるデータに基づき、ウェハ100に設定された評価ターゲットにおける、指定されたパターン間のオーバーレイを算出する。例えば、ウェハ100上の特定のメモリチップ200におけるメモリセルアレイ10の特定のブロックBLKが評価ターゲットとして設定されると、情報処理装置3は、当該ブロックBLKに形成されたメモリホールMHとスリットSHEとのオーバーレイを算出する。
【0032】
CPU31は、図示しないメモリに記憶されたプログラムに従って動作し、情報処理装置3の各部を制御する。RAM32は、瞳面強度分布像計測装置2から入力されるデータを格納したり、オーバーレイ解析部33での検出結果を格納したりする。
【0033】
オーバーレイ解析部33は、瞳面強度分布像計測装置2から入力されるデータに基づき、評価ターゲット内における指定されたパターン間のオーバーレイを算出する。なお、オーバーレイ解析部33における動作を予めプログラムとして図示しないメモリに格納しておき、CPU31において実行することにより、ソフトウェア的にオーバーレイの算出を行ってもよい。また、情報処理装置3は、瞳面強度分布像計測装置2の一部として一体的に構成され、指定されたパターン間のオーバーレイの算出だけでなく、検体ステージ51の位置調整制御など、瞳面強度分布像計測装置2の制御を行う機能等を有していてもよい。
(2.方法)
次に、実施形態における計測方法について説明する。まず、計測方法の概要について説明する。オーバーレイの計測においては、計測対象となるパターンのみが計測スポットに存在するように、計測スポットの位置決めをすることが望ましい。なぜなら、計測スポットに計測対象外のパターンが存在すると、瞳面強度分布像が当該パターンの影響を受けてしまい、オーバーレイが正確に計測できない可能性があるからである。より具体的には、例えば、メモリホールMHとスリットSHEとのオーバーレイが計測対象である場合、計測スポットにスリットSTが存在する場合、オーバーレイが正確に計測できない可能性がある。従って、計測スポット内に計測対象外のパターン(例えばスリットST)が含まれない状態における瞳面強度分布像を取得する必要がある。そこで、計測スポットの位置を移動させながら瞳面強度分布像を取得し、正確なオーバーレイ計測に適した計測スポット位置を特定する。そして、特定した位置において計測スポットに形成されたパターンの平面形状を推定し、対象パターン間のオーバーレイを算出する。
【0034】
図8は、計測スポットの設定に用いる各種寸法の一例を説明する平面図である。ここでは、上述してきた一例を用い、特定ブロックBLKに形成されたメモリホールMHとスリットSHEとのオーバーレイを計測する場合について説明する。計測スポット50は、スポットの形状、X方向の長さSXおよびY方向の長さSYによって設定される。図8では、計測スポット50の形状が円状である例を示している。この場合、X方向の長さSXおよびY方向の長さSYは計測スポット50の径となり一致する。なお、計測スポット50の形状は円状に限定されない。
【0035】
計測スポット50のスポットサイズ(X方向の長さSXおよびY方向の長さSY)の最小値および最大値は、例えば、光源21、照明光学系22、プリズム23、対物光学系24の構成および配置などによって決まる。
【0036】
図9は、計測スポットの形状の一例を説明する概略図である。計測スポット50の形状は、図9(a)に示すような円状であってもよいし、図9(b)に示すような楕円形状や図9(c)に示すような矩形状であってもよい。楕円形状や矩形状の場合、X方向が長い形状でもよいし、Y方向が長い形状でもよい。計測対象となるパターンを含み、かつ、計測対象外のパターンが含まれないような大きさ・形状であれば、任意の形状を選択することができる。
【0037】
評価ターゲットであるブロックBLKは、X方向を長手方向とする帯状の領域である。スリットSTは、ブロックBLKのY方向上下おいて、ブロックBLKの長手方向の辺と接して配置される。このとき、ブロックBLKのY方向の長さ(幅)をスリットスペースSTS、スリットSTのY方向の長さ(幅)をスリット幅STWとする。また、隣接して配置される2つのスリットSTにおいて対応する箇所(例えばそれぞれの端部)のY方向の距離(幅)をスリットピッチSTPとする。スリット幅STWはスリットピッチSTPと比べて十分に小さい。
【0038】
スリットSTはブロックBLKのY方向上下に配置されているため、計測スポット50の位置がX方向にずれても、スリットSTが計測スポット50に含まれることはない。一方、Y方向においては、計測スポット50の設定位置がY方向にずれると、計測スポット50にスリットSTが含まれてしまう可能性がある。そこで、計測スポット50をY方向(図8において黒塗りの太い矢印で示す方向)に移動させながら、複数の瞳面強度分布像を取得し、正確なオーバーレイ計測に適した計測スポット位置を特定する必要がある。このときの、計測スポット50の取得間隔(連続して設定される2つの計測スポット50におけるY方向の距離)をスポットピッチSPとする。
【0039】
図10は、本実施形態にかかる計測方法の一例を説明するフローチャートである。図9に示す手順を実行することで、計測対象のパターンに近接して計測対象外のパターンが存在する場合にも、ロバストかつ精度よくオーバーレイを計測することができる。
【0040】
まず、計測スポット50のスポットサイズ(X方向の長さおよびY方向の長さ)と、スポットピッチSPとを設定する(S1)。S1は、例えば、図11に示す手順で行われる。図11は、図10に示すS1の詳細な手順の一例を説明するフローチャートである。まず、評価ターゲットであるブロックBLKが含まれるメモリセルアレイ10のX方向端部において、計測対象外となる領域を設定する(S11)。次に、計測スポット50のX方向の長さSXを決定する(S12)。後述するように、計測スポット50のX方向の長さSXが長いほど、単位時間あたりに取得できる信号の量を増やすことができる。このため、例えば、X方向において計測スポット50がS11で設定した計測対象外の領域にかからないように、計測スポット50のX方向の長さSXを設定する。続いて、半導体記憶装置を構成する各部位のレイアウトデータであるCAD(Computer Aided Disign)データを取得する(S13)。S13では、スリットピッチSTP、スリットスペースSTS、スリット幅STWのうち少なくとも2種類のデータを取得する。
【0041】
次に、計測スポット50のY方向の長さSYを設定する(S14)。計測スポット50のY方向の長さSYがスリットスペースSTSよりも大きい場合、計測スポット内に計測対象外のパターン(例えばスリットST)が含まれない状態における瞳面強度分布像を取得することができない。従って、計測スポット50のY方向の長さSYは、スリットスペースSTSよりも小さな値を設定される。より好ましくは、計測スポット50のY方向の長さSYは、最小値に設定される。
【0042】
続いて、スポットピッチSPと計測数Nを決定する(S15)。スポットピッチSPと計測数Nとは、「SP×N>SY+STW」および「SY+(SP×N)<STS+STW+STS」を満たすように設定される。違う言い方をすると、スポットピッチSPと計測数Nとは、「2×STS+STW>SP×N>STW+SY」を満たすように設定される。計測数Nは、自然数である。計測数Nは、1つの評価ターゲットついて、計測スポット内に計測対象外のパターン(例えばスリットST)が含まれない状態における瞳面強度分布像を取得するために必要となる計測の数である。計測数Nは自然数であり、小さいほど好ましい。
【0043】
図14に示す例では、スリットスペースSTSが12であり、スリット幅STWが1であり、スポットサイズSYが7である。図14における各寸法は規格化されている。この場合、計測数Nを3としたとき、スポットピッチSPが1、2、3または6の場合であれば上記の式を満たさないが、4または5であれば上記の式を満たす。従って、例えば、スポットピッチSPを4または5とした場合、3回の計測を行うことで、計測スポット内に計測対象外のパターン(例えばスリットST)が含まれない状態における瞳面強度分布像を少なくとも1つ取得することができる。
【0044】
また、図15に示す例では、スリットスペースSTSが13であり、スリット幅STWが2であり、スポットサイズSYが10である。図15における各寸法は規格化されている。この場合、計測数Nを5としたとき、スポットピッチSPが1、2または4の場合であれば上記の式を満たさないが、3であれば上記の式を満たす。従って、例えば、スポットピッチSPを3とした場合、5回の計測を行うことで、計測スポット内に計測対象外のパターン(例えばスリットST)が含まれない状態における瞳面強度分布像を少なくとも1つ取得することができる。
【0045】
このようにスポットピッチSPおよび計測数Nを設定すると、Y方向における計測スポット50の最初の設定位置がどこであっても、スポットピッチSPの間隔で計測スポット50を計測数Nだけ移動させれば、このうちのいずれか1回はスリットSTが含まれない計測スポット50となる。以上の一連の手順により、スポットピッチSPと計測数Nが設定され、計測に必要な諸条件の設定が完了する。
【0046】
なお、上記の一例の手順において、S12はS15のあとに実行してもよい。実施形態の方法によれば、1つの評価ターゲットのオーバーレイを計測するために、計測スポット50を移動させながらS15で設定した回数だけ瞳面強度分布像を取得する必要がある。したがって、1つの評価ターゲットに対し瞳面強度分布像を1つだけ取得する場合に比べ、トータルの計測時間が長くなってしまう可能性がある。例えば、X方向の長さSXを長くすることで計測スポット50をX方向に長軸を有する楕円形状にし、計測スポット50の面積を拡大すると、単位時間あたりに取得できる信号の量を増やすことができる。すなわち、1つの評価ターゲットに対する瞳面強度分布像の取得時間を短縮させても、X方向の長さSXを長くし計測スポット50の面積を大きくすることで、SN比を低下させず、かつ、スループットの低下を抑制することができる。
【0047】
図10の手順に戻り、S1における各種設定が終了すると、設定された条件を用いて計測が行われる(S2)。S2は、例えば、図12に示す手順で行われる。図12は、図10に示すS2の詳細な手順の一例を説明するフローチャートである。まず、被検体であるウェハ100を検体ステージ51に載置し(S21)、アライメントを調整する(S22)。S22におけるアライメントの調整は、検体ステージ51の位置をX方向およびY方向に移動させて、最初の計測スポット50に照明光が照射されるように調整することと、検体ステージ51のX方向とウェハ100のX方向、及び、検体ステージ51のY方向とウェハ100のY方向とが一致するように、検体ステージ51をZ軸と平行な軸のまわりに回転させて調整することとが含まれる。また、照明光学系22に設けられた開口部の大きさ・形状を変更し、S1で設定された計測スポット50の大きさ・形状と照明光の照射範囲が一致するように調整する。例えば、図8に示すブロックBLKを評価ターゲットとする場合、最初の計測スポットとして計測スポット50_1の位置にアライメント調整する。
【0048】
続いて、ウェハ100をY方向に移動させながら、S1で設定されたスポットピッチSPごとに瞳面強度分布像を取得する(S23)。S23では、ひとつの計測スポット50について、第1強度分布像と第2強度分布像の2つの瞳面強度分布像を取得する。例えば、図8に示す一例では、計測スポット50_1、計測スポット50_2、計測スポット50_3の順に、瞳面強度分布像を取得する。瞳面強度分布像の取得が完了したら、第1強度分布像の強度分布波形を生成する(S24)。図13は、第1強度分布像に基づく重回帰信号強度の変化の一例を説明する図である。具体的には、S23で取得した第1強度分布像から、計測スポット内のスリットSTパターンの密度にリニアリティがある回帰式を用いて、計測スポットのY方向位置に対する重回帰信号強度の変化を求める。すなわち、重回帰信号強度が高く算出された計測スポットにはスリットSTパターンが含まれており、重回帰信号強度が低く算出された計測スポットにはスリットSTパターンが含まれていないといえる。
【0049】
図13に示すグラフにおいて、例えば、図8に示す計測スポット50_1における第1強度分布像から算出した重回帰信号強度はD1にプロットされ、同図の計測スポット50_2における第1強度分布像から算出した重回帰信号強度はD2にプロットされ、同図の計測スポット50_3における第1強度分布像から算出した重回帰信号強度はD3にプロットされる。
【0050】
このようにして得られた強度分布波形に基づき、評価対象の計測スポット50を選択する(S25)。すなわち、強度分布波形において、重回帰信号強度が低く算出された計測スポット50_1を選択することで、複数の計測スポット50からスリットSTが含まれていない計測スポット50_1を抽出する。最後に、S25で選択された計測スポットの第2強度分布像から抽出された非対称性信号に基づき、計測スポット50_1に形成されたメモリホールMHとスリットSHEのオーバーレイを計測する(S26)。以上のようにして、オーバーレイの計測を完了する
なお、図10に示すように、S2で計測されたオーバーレイの結果をプロセスにフィードバックする(S3)。これにより、半導体記憶装置の歩留まりや品質の向上を図ることができる。たとえば、半導体記憶装置の製造工程の途中、図5に示す構造の段階でメモリホールMHとスリットSHEのオーバーレイ計測が行われた場合、同一ロットの上層の製造工程、例えば、コンタクトプラグ339を形成するためのリソグラフィ工程において、メモリホールMHとスリットSHEの合わせずれを考慮してレチクルの位置を調整する。これにより、コンタクトプラグ339とメモリホールMHとの位置ずれを減少させることができる。また例えば、別のロットの半導体記憶装置を製造する際に、スリットSHEを形成するためのリソグラフィ工程において、既に計測されたメモリホールMHとスリットSHEの合わせずれを考慮してレチクルの位置を調整する。これにより、当該ロットのメモリホールMHとスリットSHEとの位置ずれを減少させることができる。
【0051】
以上のように、本実施形態によれば、計測スポットの位置を移動させながら瞳面強度分布像を取得し、ウェハ100表面に形成されたパターンの立体形状(凹凸形状)に応じて強度分布が変化する瞳面強度分布像である第1強度分布像を用いて正確なオーバーレイ計測に適した計測スポット位置を選択する。そして、選択された計測スポットにおいて、第2強度分布像を用いてパターンの平面形状を推定し、対象パターン間のオーバーレイを算出する。これにより、オーバーレイの計測結果に影響を及ぼす可能性のある計測対象外のパターン(例えば、スリットST)が、計測対象パターン(例えば、メモリホールMHとスリットSHE)の近傍に存在する場合にも、その影響を排除することができる。すなわち、ロバストかつ精度よくオーバーレイを計測することができる計測装置、及び、計測方法を提供することができる。
【0052】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、一例として示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0053】
2…瞳面強度分布像計測装置
3…情報処理装置
4…表示装置
21…光源
22…照明光学系
23…プリズム
24…対物光学系
25…ビームスプリッタ
26…第1検出光学系
27…第1撮像部
28…第2検出光学系
29…第2撮像部
30…検出部
31…中央演算処理装置(CPU)
32…RAM
33…オーバーレイ解析部
50…計測スポット
51…検体ステージ
52…ステージ駆動部
100…ウェハ
MH…メモリホール
SHE…スリット
ST…スリット
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
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図15