(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024098460
(43)【公開日】2024-07-23
(54)【発明の名称】光照射装置及びホログラム画像再生装置
(51)【国際特許分類】
F21S 2/00 20160101AFI20240716BHJP
F21V 8/00 20060101ALI20240716BHJP
F21V 5/04 20060101ALI20240716BHJP
F21V 5/00 20180101ALI20240716BHJP
G03H 1/22 20060101ALI20240716BHJP
G02B 3/00 20060101ALI20240716BHJP
F21Y 103/10 20160101ALN20240716BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20240716BHJP
【FI】
F21S2/00 432
F21V8/00 310
F21V8/00 330
F21S2/00 431
F21S2/00 439
F21S2/00 441
F21V5/04 600
F21V5/04 650
F21V5/04 200
F21V5/04 400
F21V5/00 510
F21V5/00 530
F21S2/00 436
F21S2/00 435
G03H1/22
G02B3/00 A
F21Y103:10
F21Y115:10
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023002018
(22)【出願日】2023-01-10
(71)【出願人】
【識別番号】513143537
【氏名又は名称】株式会社アーティエンス・ラボ
(74)【代理人】
【識別番号】100111659
【弁理士】
【氏名又は名称】金山 聡
(72)【発明者】
【氏名】白倉 明
(72)【発明者】
【氏名】西川 博
【テーマコード(参考)】
2K008
3K244
【Fターム(参考)】
2K008CC03
2K008HH03
2K008HH06
3K244AA04
3K244BA11
3K244BA26
3K244BA32
3K244CA03
3K244DA01
3K244DA19
3K244EA02
3K244EA03
3K244EA12
3K244EA22
3K244EB01
3K244ED01
3K244FA08
3K244FA14
3K244GA01
3K244KA04
3K244KA10
(57)【要約】 (修正有)
【課題】導光板に加工を施す必要がなく、導光板の厚み方向の面となる端面以外の面から光を導光板に入射させることができ、光の利用効率を低下させないようにする。
【解決手段】前面2Fと後面を有し、前面2Fには平行光が所定の角度で入射する入射領域が形成され、該入射領域には前面2Fの形状を変化させる加工が施されておらず、入射領域から入射する平行光が前面2Fと後面で全反射しながら伝搬する基板2からなる導光板と、LEDを配列させた光源アレイと、LEDの各々に対向して配置され、LEDからの光を平行光にする平凸レンズ3a~3iを配列させたレンズアレイ3と、LEDとLEDに対向する平凸レンズ3a~3iの距離を一定にして光源アレイとレンズアレイ3を基板2に固定する光源レンズ固定部4と、レンズアレイ3から出射する平行光を所定の角度で入射領域に入射させる光導入手段とを備えた光照射装置。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部が透明で厚さ方向に直交する第1の面と第2の面を有し、該第1の面には平行光が所定の角度で入射する入射領域が形成され、該入射領域には前記第1の面の形状を変化させる加工が施されておらず、前記入射領域から入射する前記平行光が前記第1の面と第2の面で全反射しながら伝搬する平板状の基板からなる導光板と、
複数の光源を配列させた光源アレイと、
前記複数の光源の各々に対向して配置され、前記光源からの光を平行光にする複数のレンズを配列させたレンズアレイと、
前記光源と前記光源に対向する前記レンズの距離を一定にして前記光源アレイと前記レンズアレイを前記基板に固定する光源レンズ固定手段と、
前記レンズアレイから出射する平行光を前記所定の角度で前記入射領域に入射させる光導入手段と
を備えたことを特徴とする光照射装置。
【請求項2】
前記光源レンズ固定手段は、前記距離を一定にするスペーサであって、前記光源から出射する光を前記光源と対向する前記レンズと隣り合うレンズに入射させない隔壁を有する隔壁スペーサを備えていることを特徴とする請求項1記載の光照射装置。
【請求項3】
前記光導入手段は、
前記レンズアレイから出射する平行光が垂直に入射する入射面と、該入射面から入射した前記平行光が出射する出射面を有するプリズムと、
前記出射面を前記第1の面の前記入射領域に光学密着させる光学密着部材
を備えたことを特徴とする請求項1記載の光照射装置。
【請求項4】
前記光源はLEDであり、前記レンズはフレネルレンズ又は平凸レンズであることを特徴とする請求項1記載の光照射装置。
【請求項5】
前記光源アレイ、前記レンズアレイ及び隔壁スペーサは一体化されたユニットを形成し、該ユニットを該ユニットの長手方向に並べて配置したことを特徴とする請求項2記載の光照射装置。
【請求項6】
内部が透明で厚さ方向に直交する第1の面と第2の面を有し、該第1の面には平行光が所定の角度で入射する入射領域が形成され、該入射領域には前記第1の面の形状を変化させる加工が施されておらず、前記入射領域から入射する前記平行光が前記第1の面と第2の面で全反射しながら伝搬する平板状の基板からなる導光板と、
複数の光源を配列させた光源アレイと、
前記複数の光源の各々に対向して配置され、前記光源からの光を平行光にする複数のレンズを配列させたレンズアレイと、
前記光源と前記光源に対向する前記レンズの距離を一定にして前記光源アレイと前記レンズアレイを前記基板に固定する光源レンズ固定手段と、
前記レンズアレイから出射する平行光を光の損失が生じないように前記所定の角度で前記入射領域に入射させる光導入手段と、
前記第1の面又は前記第2の面の領域であって前記導光板内を伝搬する平行光が照射する領域に取り付けられ、該平行光の照射によりホログラム画像を再生するホログラフィック光学素子と
を備えたことを特徴とするホログラム画像再生装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光源アレイとレンズアレイからの平行光を平板状の透明基板内で伝搬させて透明基板の一方の面から照明光を出射させる光照射装置及び透明基板に取り付けたホログラフィック光学素子からホログラム画像を再生するホログラム画像再生装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
広告宣伝用の立体的な画像等を表示するホログラムは、物体を表す物体光と参照光を干渉させて生じる干渉縞を感光材料に記録したものであり、ホログラムによる画像を再生して視認するためには、原則としてホログラムを記録する際に用いた参照光の照射方向と同じ方向、またはその共役の方向から照明光をホログラムに照射する必要がある。
このホログラムを再生するための照明光を照射する光照射装置には、各種光源を使用した光学系が用いられるが、ホログラムが大きくなると光照射装置も大型となることから、大サイズのホログラム用の光照射装置をコンパクトにするため、光学系にLED等の光源と透明基板からなる導光板を使用した光照射装置の提案がなされている。
この場合、光源からの拡散光を平行光にして導光板内を伝搬させる必要があり、光源からの拡散光を平行光する手段として、ホログラフィック回折格子を使用したものやフレネルレンズ、コリメータレンズ等のレンズを使用したものがあるが、光源からの光の利用効率が高い点で、ホログラフィック回折格子を使用したものよりレンズを使用したものの方が優れている。
そして、光源からの光をレンズにより平行光にして導光板内を伝搬させる光照射装置として種々の提案がなされている。
【0003】
例えば、特許文献1(国際公開WO2018/221091号公報)には、円筒701、711の端部において、光源704とコリメータフレネルレンズ703が一体化されたユニットを入射面702に近接させあるいは、光源714とコリメータフレネルレンズ703が一体化されたユニットを入射面に702近接させて光導入路を形成し、円筒状の導光板内を略平行光が伝搬するようにし、フレキシブル基板に光源をマウントした光照射装置(特許文献1の段落[0094]、
図16、17)が開示されている。
しかしながら、上記特許文献1の光照射装置は、導光板が円筒状であり、平板状の導光板には適用できない。
この点、特許文献1には、厚さtの平板の端面を角θに傾斜させて(2t×sinθ)に広げて照射角θで導光する導光板を形成し、外部光学系で略平行光にした光を平板の端面から入射させる光照射装置(特許文献1の段落[0093]、
図15)も記載されている。
しかしながら、この厚さtの平板を使用した光照射装置では、平板の端面を傾斜させて広げる加工が必要となり、端面加工が困難な平板や端面から光を入射させることができない平板(例えば、既存のガラス窓のように枠がついているものや、既存のガラス扉や展示スペースの間仕切り用の透明平板のように端面が床面に接している平板)を導光板として使用することができない。
【0004】
ところで、特許文献2(特開2002-304110号公報)には、光源65と、この光源65から出射された照明光LLを所定の幅に平行光化するコリメータ(シリンドリカルフレネルレンズ66、67)と、コリメータからの照明光LLを所定の反射角度で反射するミラー63等を有する本体60と、入射した照明光LLを多重全反射しながら導光する導光板71の一方の主面にホログラフィックステレオグラム40が密着して貼付されるとともに、他方の主面の一部領域に階段状の凹凸部72を形成している光学部材70とを備え、本体60は、光学部材70を重ね合わせるように装着し、照明光LLを凹凸部72から導光板71の内部に入射するようにした画像再生装置50が開示されている。
しかしながら、特許文献2の画像再生装置50の光源65は、特許文献1のような複数の光源を配列させた光源アレイではなく、光学系をコンパクトにしたものではない。
また、特許文献2の画像再生装置50では、ミラー63で照明光LLを反射することから、光源からの光の利用効率が低下し、導光板71の他方の主面の一部領域に凹凸部72を形成していることから、導光板71に凹凸部72を形成する加工が必要となる。
【0005】
次に、特許文献3(特開2015-161737号公報)には、LCOS(反射型液晶表示素子)30、透明な基板40、反射プリズム50、プリズムアレイ60、光束導入光学系70を有し、光束導入光学系70は、光源71、レンズ72、偏光ビームスプリッタ73及び1/4波長板74を備える表示装置であって、光源71から射出されレンズ72を経て偏光ビームスプリッタ73に入射された照明光束1は、偏光膜73aで反射されて偏光ビームスプリッタ73から射出してLCOS30に照射し、LCOS30で反射された回折光は、1/4波長板74と偏光ビームスプリッタ73を経て透明な基板40に入射して反射プリズム50で反射され、表示光束2として透明な基板40に入射するようにした表示装置が開示されている。
しかしながら、特許文献3の表示装置においては、光源71が特許文献2の光源65と同様に光源アレイではなく、光束導入光学系70からの光が反射プリズム50で反射されて透明な基板40に入射するため、反射プリズム50での反射により光の利用効率が低下する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】国際公開WO2018/221091号公報
【特許文献2】特開2002-304110号公報
【特許文献3】特開2015-161737号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、光学系に光源アレイと平板状の導光板を使用した光照射装置及びホログラム画像再生装置において、導光板に加工を施す必要がなく、導光板の厚み方向の面となる端面以外の面から光を導光板に入射させることができ、光の利用効率を低下させないようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1の発明は、内部が透明で厚さ方向に直交する第1の面と第2の面を有し、該第1の面には平行光が所定の角度で入射する入射領域が形成され、該入射領域には前記第1の面の形状を変化させる加工が施されておらず、前記入射領域から入射する前記平行光が前記第1の面と第2の面で全反射しながら伝搬する平板状の基板からなる導光板と、複数の光源を配列させた光源アレイと、前記複数の光源の各々に対向して配置され、前記光源からの光を平行光にする複数のレンズを配列させたレンズアレイと、前記光源と前記光源に対向する前記レンズの距離を一定にして前記光源アレイと前記レンズアレイを前記基板に固定する光源レンズ固定手段と、前記レンズアレイから出射する平行光を前記所定の角度で前記入射領域に入射させる光導入手段とを備えた光照射装置を提供して、上記課題を解決するものである。
ここで、本明細書に記載した「平行光」とは、物理的に厳密な意味でのコリメート光ではなく、いわゆる拡散光や収束光に比べて拡散・収束の度合いが少なく、人の目で見たときに実質的に平行光成分の多い光のことを意味する。
【0009】
請求項2の発明は、前記光源レンズ固定手段は、前記距離を一定にするスぺーサであって、前記光源から出射する光を前記光源と対向する前記レンズと隣り合うレンズに入射させない隔壁を有する隔壁スペーサを備えている光照射装置を提供して、上記課題を解決するものである。
【0010】
請求項3の発明は、前記光導入手段は、前記レンズアレイから出射する平行光が垂直に入射する入射面と、該入射面から入射した前記平行光が出射する出射面を有するプリズム又はプリズムシートと、前記出射面を前記第1の面の前記入射領域に光学密着させる光学密着部材を備えた光照射装置を提供して、上記課題を解決するものである。
【0011】
請求項4の発明は、前記光源はLEDであり、前記レンズはフレネルレンズ又は平凸レンズである光照射装置を提供して、上記課題を解決するものである。
【0012】
請求項5の発明は、前記光源アレイ、前記レンズアレイ及び隔壁スペーサは一体化されたユニットを形成し、該ユニットを該ユニットの長手方向に並べて配置した光照射装置を提供して、上記課題を解決するものである。
【0013】
請求項6の発明は、内部が透明で厚さ方向に直交する第1の面と第2の面を有し、該第1の面には平行光が所定の角度で入射する入射領域が形成され、該入射領域には前記第1の面の形状を変化させる加工が施されておらず、前記入射領域から入射する前記平行光が前記第1の面と第2の面で全反射しながら伝搬する平板状の基板からなる導光板と、複数の光源を配列させた光源アレイと、前記複数の光源の各々に対向して配置され、前記光源からの光を平行光にする複数のレンズを配列させたレンズアレイと、前記光源と前記光源に対向する前記レンズの距離を一定にして前記光源アレイと前記レンズアレイを前記基板に固定する光源レンズ固定手段と、前記レンズアレイから出射する平行光を光の損失が生じないように前記所定の角度で前記入射領域に入射させる光導入手段と、前記第1の面又は前記第2の面の領域であって前記導光板内を伝搬する平行光が照射する領域に取り付けられ、該平行光の照射によりホログラム画像を再生するホログラフィック光学素子とを備えたホログラム画像再生装置を提供して、上記課題を解決するものである。
【発明の効果】
【0014】
請求項1に記載の発明の光照射装置においては、平行光が所定の角度で入射する入射領域が形成される基板の第1の面には形状を変化させる加工が施されていないことから、導光板に加工を施す必要がなく、基板の第1の面は厚み方向に直交することから、導光板の厚み方向の面となる端面以外の面から光を導光板に入射させることができ、光源と対向するレンズの距離を一定にして光源アレイとレンズアレイが光源レンズ固定手段により固定され、レンズアレイから出射する平行光が光導入手段により所定の角度で基板の入射領域に入射されることから、光の損失をなくして光の利用効率を低下させないようにして導光板に平行光を入射できるという効果を奏する。
【0015】
請求項2に記載の発明の光照射装置においては、さらに、隔壁により光源から出射する光が対向するレンズと隣り合うレンズには入射されず、レンズからは対向する光源からの光のみが入射され、レンズからは平行光のみを出射して基板の第1の面の入射領域に入射できるという効果を奏する。
【0016】
請求項3に記載の発明の光照射装置においては、さらに、レンズアレイから出射する平行光がプリズムの入射面に垂直に入射することから、光の損失なくプリズム内に平行光と入射でき、プリズムの出射面が第1の面の入射領域に光学密着されることから、プリズムから出射した平行光が第1の面の入射領域に入射する際の光の損失がなく、光の損失なく平行光を基板に入射できるという効果を奏する。
【0017】
請求項4に記載の発明の光照射装置においては、さらに、光源がLEDであるため、明るい光をレンズに入射でき、レンズがフレネルレンズ又は平凸レンズであるため、平行光を容易に出射できるという効果を奏する。
【0018】
請求項5に記載の発明の光照射装置においては、さらに、レンズアレイ及び隔壁スペーサは一体化されたユニットを長手方向に並べて配置することにより、左右方向に長い平行光を基板に入射させることができ、長い対象物に対しても光照射装置により照射光を照射することができるという効果を奏する。
【0019】
請求項6に記載の発明のホログラム画像再生装置においては、平行光が所定の角度で入射する入射領域が形成される基板の第1の面には形状を変化させる加工が施されていないことから、導光板に加工を施す必要がなく、基板の第1の面は厚み方向に直交することから、導光板の厚み方向の面となる端面以外の面から光を導光板に入射させることができ、光源と対向するレンズの距離を一定にして光源アレイとレンズアレイが光源レンズ固定手段により固定され、レンズアレイから出射する平行光が光導入手段により所定の角度で基板の入射領域に入射されることから、光の損失をなくして光の利用効率を低下させないようにして導光板に平行光を入射でき、明るいホログラム像を再生でき、さらに、入射領域が形成される基板の第1の面には形状を変化させる加工が施されず、端面以外の面から光を導光板に入射させることができることから、既存のガラス板が使われている壁、扉、窓などを基板としてホログラム画像再生装置を設置でき、既存のガラス板が使われている壁、扉、窓などに後付けで画像表示できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図3】
図1に示す光照射装置の左側面図と右側面図である。
【
図5】コリメータフレネルレンズからなるレンズアレイの斜視図である。
【
図6】2個の光源ユニット1Aを左右方向(X方向)に連結した状態の斜視図である。
【
図7】中央のLED5eから出射した拡散光が、平凸レンズ3eと直角プリズム7を通って基板2内を伝搬する状態を説明する説明図である。
【
図8】中央のLED5eから出射した拡散光が、平凸レンズ3eと直角プリズム7を経て基板2内を伝搬しホログラフィック光学素子9を照射する状態を説明するための基板2とホログラフィック光学素子9の左側面図である。
【
図9】平行光b2、b3、b4、b5がホログラフィック光学素子9の干渉縞により回折して、基板2から後面2R側に照射光としての拡散光を出射する状態を説明する説明図である。
【
図10】本発明の他の例となる光照射装置の斜視図である。
【
図12】
図10に示す光照射装置の左側面図と右側面図である。
【
図14】光照射装置11において、中央のLED5eから出射した拡散光が、平凸レンズ3eと直角プリズム17を通って基板2内を伝搬する状態を説明する説明図である。
【
図15】光照射装置11において、直角プリズム17に代えて他の三角プリズムを使用した場合に、中央のLED5eから出射した拡散光が、平凸レンズ3eと三角プリズム17を通って基板2内を伝搬する状態を説明する説明図である。
【
図16】直角プリズム17と同じ光学的機能を有するプリズムシートの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
[光照射装置の構成]
図1は、本発明の光照射装置の斜視図、
図2は、
図1に示す光照射装置の正面図、
図3(a)は、
図1に示す光照射装置の左側面図、
図3(b)は、
図1に示す光照射装置の右側面図、
図4は、
図1に示す光照射装置の分解斜視図である。
図中、1は光照射装置、1Aは光源ユニット、2は基板、2Fは前面、2Rは後面、3はレンズアレイ、3a~3iは平凸レンズ、4は光源レンズ固定部、4Aは隔壁スペーサ、4a~4iはセル、4m1、4m2は磁石、4p1、4p2は突起、4q1、4q2は穴、5は光源シート、5a~5iはLED、5kはシート基材、6は放熱体、6rは溝、7は直角プリズム、7Bは底面、7Rは直角面、7Sは斜面、8m1、8m2は磁石、9はホログラフィック光学素子であり、図において、Xは基板2の前面2Fが正面を向くように置いた場合の前面2Fにおける水平方向(左右方向)、Yは前面2FにおけるX方向と垂直な方向(上下方向)、Zは前面2F(XY面)と垂直な方向(上下方向、基板2の厚み方向)である。
図に示すように、光照射装置1は、基板2、レンズアレイ3、光源レンズ固定部4、光源シート5、放熱体6、直角プリズム7及びホログラフィック光学素子9を備えている。
【0022】
基板2は、光学的屈折率が1.3~1.7の平板状の無色透明な板であり、第1の面となる前面2F、第2の面となる後面2Rを備え、アクリル、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート、ポリアミド、トリアセチルセルロース(TAC)等のプラスチック材料、あるいは、ガラス等からなる。
本実施形態の基板2は、光学的屈折率が約1.5で、厚さが5mmの無色透明のアクリル板からなる。
レンズアレイ3は、X方向に隙間なく配置された9個の平凸レンズ3a~3iからなり、各平凸レンズ3a~3iは、プラスチック、ガラス等からなり、LED5a~5iからの拡散光を平行光にして出射する。
本発明のレンズアレイは、平凸レンズからなるものに限定されず、LED5a~5iからの拡散光を平行光にするコリメータフレネルレンズ等のコリメータレンズからなるものであればよい。
コリメータレンズとしては、平凸レンズ、フレネルレンズの他、両凸レンズ、非球面レンズ等の単レンズがあり、また、レンズは焦点距離の異なるシリンドリカルレンズやそれをフレネルレンズ化したリニアフレネルレンズを組み合わせて使うことにより、縦横比の大きい平行光を作ることも可能である。
図5は、コリメータフレネルレンズからなるレンズアレイの斜視図であり、3’はレンズアレイ、3a’~3i’はフレネルレンズである。
レンズアレイ3’は、X方向に隙間なく配置された9個のレネルレンズ3a’~3i’からなり、各レネルレンズ3a’~3i’は、プラスチック、ガラス等からなり、LED5a~5iからの拡散光を平行光にして出射する。
光源レンズ固定部4は隔壁スペーサ4Aを備え、隔壁スペーサ4Aは、格子状の仕切り壁により形成され上面と下面が開口した9個のセル4a~4iを有する箱体である。
この隔壁スペーサ4Aは、LED5a~5iからの拡散光が平凸レンズ3a~3iで平行光となるようにLED5a~5iと平凸レンズ3a~3iの距離の設定(位置決め)を行い、セル4a~4iの仕切り壁はLED5a~5iから光を遮蔽する。
また、隔壁スペーサ4Aにおいては、背面の左端部と右端部にそれぞれ磁石4m1、4m2が取り付けられ、左側面に突起4p1、4p2が設けられ、右側面には穴4q1、4q2gが設けられている。
【0023】
光源シート5は、シート基材5kの上に等間隔でLED5a~5iが取り付けられたもので、LED5a~5iは本発明の光源アレイとなる。
LED5a~5iの各LEDは、LED素子とそれを覆う封入樹脂、土台となるパッケージ基板、電極、ボンディングワイヤー(いずれも図示せず)等を備えたLEDパッケージである。
放熱体6は、溝6rを備えた金属性のくし状体であり、発光するLED5a~5iの放熱を行う。
直角プリズム7は、プラスチック、ガラス等からなり、底面7B、底面7Bに直角な直角面7R及び斜面7Sを備え、底面7Bと斜面7Sのなす角がφの直角三角柱のプリズムであり、底面7Bが水平面となってレンズアレイ3から出射する平行光が入射する入射面となり、斜面7Sが底面7Bか入射した平行光が全反射する全反射面となり、直角面7Rが斜面7Sで全反射した平行光が出射する出射面となる。
この場合、直角プリズム7の光学的屈折率は、基板2の光学的屈折率と同じかそれに近いもの(例えば0.1~0.2程度の屈折率差があるもの)であることが望ましい。
磁石8m1、8m2は、隔壁スペーサ4Aの背面に取り付けられた磁石4m1、4m2を吸着するもので、基板2の後面2Rの磁石4m1、4m2と対向する位置に磁石の吸着力により固定される。
【0024】
ホログラフィック光学素子9は、体積型ホログラム素子であり、感光性材料である体積型ホログラフィック記録材料からなり、基板2の前面2Fに空気を介さずに貼り合わされている。
このホログラフィック光学素子9には、その背面(前面2F)に対して所定の方向・角度から、所定の波長の平行光が入射されたとき、拡散光、平行光、収束光、発散光等の照明光を出射する干渉縞が記録されている。
本実施形態のホログラフィック光学素子は、反射型であり、光学的屈折率が約1.5の体積型ホログラフィック記録材料からなり、このホログラフィック光学素子8には、後面2R側から前面2Fの法線に対して約60度の角度で、白色の平行光が照射されたとき、平行光を前面2Fの法線に対して前後方向に±15度、左右方向に±15度の拡散光として後面2R側に回折する干渉縞が記録されている。
なお、ホログラフィック光学素子9は、透過型でもよく、その場合は、基板2の後面2Rに透過型のホログラフィック光学素子9が貼り付けられ、前面2F側から後面2Rの法線に対して所定角度で所定波長の平行光が照射され、後面2R側に照明光が出射される。
【0025】
光照射装置1においては、レンズアレイ3の各平凸レンズ3a~3iの光軸(レンズの中心を通るY方向の軸)上に光源レンズ固定部4の各セル4a~4iの中心と光源シート5の各LED5a~5iの中心が位置するようにして、隔壁スペーサ4Aの上面にレンズアレイ3(平凸レンズ3a~3i)の下面が接着剤等により固定され、隔壁スペーサ4Aの下面にシート基材5kの上面が接着剤等により固定され、シート基材5kの下面に放熱体6上面が接着剤等により固定される。
これにより、レンズアレイ3、光源レンズ固定部4(隔壁スペーサ4A)、光源シート5及び放熱体6が一体となった光源ユニット1Aが形成される。
一方、基板2の前面2Fの所定の位置には、直角プリズム7の直角面7Rが空気を介さずに光学接着剤(例えばシリコーン系接着剤)に貼り付けられる。
この場合、光学接着剤の光学的屈折率は、基板2や直角プリズム7の光学的屈折率と同じかそれに近いもの(例えば0.1~0.2程度以内の屈折率差があるもの)であることが望ましい。
そして、レンズアレイ3の平凸レンズ3a~3iの上面が直角プリズム7の底面7Bに当接乃至近接するようにして、隔壁スペーサ4Aの背面に取り付けられた磁石4m1、4m2と基板2の後面2R側の磁石8m1、8m2が引き合う(吸着する)ことにより、光源ユニット1Aの隔壁スペーサ4Aが、基板2の前面2Fの下部に固定される。
この場合、磁石8m1、8m2は、基板2の後面2Rに固定されず、後面2Rに沿って移動可能であることから、光源ユニット1A(隔壁スペーサ4A)の位置を自由に調整できる。
なお、基板2の前面2Fに直角プリズム7の直角面7Rを貼り付ける光学接着剤は、必ずしも永久接着力を伴うものである必要はなく、直角プリズム7の底面7Bから入射した平行光が直角面7Rに当たっても全反射しないようにするための屈折率調整液、インデックスマッチング液やオイルと呼ばれる屈折率が直角プリズム7に近い液体であってもよく、自己粘着性をもつ透明ゲル等であってもよい。
【0026】
また、光源ユニット1Aの隔壁スペーサ4Aの左側面に設けられている突起4p1、4p2を、別の光源ユニット1Aの隔壁スペーサ4Aの右側面に設けられている穴4q1、4q2gに嵌め込み、複数の光源ユニット1Aを左右方向(X方向)に連結して、基板2の前面2Fに固定することもできる。
図6は、2個の光源ユニット1Aを左右方向(X方向)に連結した状態の斜視図である。
この場合、隔壁スペーサ4Aの左側面となるセル4aの左側の仕切り壁の厚みと、隔壁スペーサ4Aの右側面となるセル4iの右側の仕切り壁の厚みを、他のセルの仕切り壁の厚みの1/2程度とすることにより、光源ユニット1Aを連結しても、連結部分の隣合セルの仕切り壁の厚みが連結部分以外のセルの仕切り壁の厚みとほぼ同じになり、連結部分のセル4a、4iの開口部から出射する左右方向の光が連続するようになる。
このように複数の光源ユニット1Aを左右方向に並べて連結して基板2の前面2Fに固定することにより、左右方向に長い対象物に対しても光照射装置1により照射光を照射することができる。
【0027】
[平凸レンズから出射した平行光が基板2内を伝搬する状態]
図7は、中央のLED5eから出射した拡散光が、平凸レンズ3eと直角プリズム7を通って基板2内を伝搬する状態を説明する説明図であり、同図(a)、(b)は、基板2、LED5e、平凸レンズ3e及び直角プリズム7が配置された状態の左側面図、正面図である。
図中、abは拡散光、a0、a1、b1、a2、b2、a3は平行光、A1、B1、A2、B2、A3は平行光が入射乃至反射する領域であり、
図7(a)において、LED5eから出射して平凸レンズ3eと直角プリズム7を経て基板2内を伝搬する光を一点鎖線で表し、
図7(b)において、平行光の束を薄い灰色で表す。
図7(a)に示すようにLED5eから出射した拡散光abは、平凸レンズ3eの下面(平な面)に入射し、凸面で屈折して平行光a0として出射し、平行光a0は、直角プリズム7の底面7Bに垂直に入射する。
LED5eはセル4e内にあることから、隣のLED5d、5fから出射した拡散光は、セル4eを形成する仕切り壁に遮蔽されて平凸レンズ3eの下面には入射せず、平凸レンズ3eの下面には、LED5eから出射した拡散光abだけが入射し、平凸レンズ3eの凸面からは主に平行光のみが出射することとなる。
ここで、直角プリズム7の斜面7Sと底面7Bがなす角φは、臨界角(直角プリズム7の屈折率をn1、臨界角をαとするとsinα=(1/n1)となる。)以上となっていることから、底面7Bから入射した平行光a0は、斜面7Sで全反射して底面7Bに対して角θの平行光となって直角面7Rに当たる(例えば、φ=75度とするとθ=60度となる)。
すなわち、平行光a0のうち平凸レンズ3eの前端から出射した光は、斜面7Sの下端Pに当たって全反射し、底面7Bとなす角がθの平行光a01となって直角プリズム7内を進み、直角面7Rに当たる。
また、平行光a0のうち平凸レンズ3eの後端から出射した光は、底面7Bに垂直な平行光a02となって直角プリズム7内を進み、斜面7Sの上端の近傍Qに当たって全反射し、水平面(底面7B)となす角がθの平行光となって直角面7Rに当たる。
【0028】
直角プリズム7の直角面7Rと基板2の前面2Fの間には空気が介在せず光学接着剤するから、水平面となす角がθの平行光は、直角面7Rに当たっても全反射せずに直角面7Rから出射し(直角面7Rで全反射しない条件は、直角プリズム7の屈折率をn1、光学接着剤の屈折率をn2とすると、n1sinθ<n2)、また、直角プリズム7の直角面7Rと基板2の前面2Fの間に介在する光学接着剤の光学的屈折率は、基板2や直角プリズム7の光学的屈折率と同じかそれに近いため、直角面7Rから出射する平行光は、大きな屈折せずに基板2の前面2Fの領域A1から入射し、基板2と直角プリズム7の光学的屈折率は同じか近いため、前面2Fの領域A1から入射した平行光は、水平面となす角がθの平行光a1となって基板2内を進む。
そして、θは基板2の臨界角より大きいことから、平行光a1は、基板2の後面2Rの領域B1に当たって全反射して平行光b1となり、平行光b1は、基板2の前面2Fの領域A2に当たって全反射して平行光a2となり、平行光a2は、基板2の後面2Rの領域B2に当たって全反射して平行光b2となり、平行光b2は、基板2の前面2Fの領域A3に当たって全反射して平行光a3となり、これを繰り返して基板2内を平行光が伝搬して行く。
この場合、基板2の前面2Fと後面2Rで全反射される平行光(a1、b1、a2、b2、a3・・・)は、
図7(b)に示すように伝搬方向に直交し基板2の厚み方向に直交する方向に拡散せず平行であり(
図7(b)に示されている灰色の帯状領域)、その伝搬方向の長さL(領域A1、B1、A2、B2、A3のY方向の長さ)は、基板2の厚さをtとすると、L=2t×tanθとなる。
同様に他のLED(LED5a~5d、5f~5i)から出射した拡散光も他の平凸レンズ(平凸レンズ3a~3d、3f~3i)で平行光となって直角プリズム7の水平面7Hに入射し、傾斜面7Sで全反射して水平面となす角がθの平行光となって直角面7Rから出射し、この平行光は、基板2の前面2Fから入射して前面2Fと後面2Rで全反射を繰り返して基板2内を伝搬して行く。
これにより基板2は、平行光が伝搬する導光板となる。
【0029】
ここで、水平面となす角がθの平行光が入射する基板2の前面2Fの領域(LED5eからの平行光が入射する領域A1と他のLEDからの平行光が入射する領域)には、前面2Fの形状を変化させる加工が施されていない。
また、各LED5a~5iからの拡散光は、各平凸レンズ3a~3iの底面から入射して凸面から平行光として出射し、この平行光は、直角プリズム7の底面7Bに垂直に入射することから、底面7Bでのわずかな反射光を除いて、光の損失なく直角プリズム7内に入射し、底面7Bから入射した平行光は全て斜面7Sで全反射して水平面となす角のθの平行光となって直角面7Rから出射することから、直角面7Rから出射するまでの光の損失はなく、直角プリズム7の直角面7Rと基板2の前面2Fを接着する光学接着剤の光学的屈折率は、基板2や直角プリズム7の光学的屈折率と同じかそれに近いため、直角面7Rから出射する平行光が前面2Fから基板2内に入射する際の光の損失はほとんどなく、基板2内に入射した平行光は、前面2Fと後面2Rで全反射を繰り返して基板2内を伝搬して行くことから、平行光が伝搬する際の光の損失はない。
よって、光照射装置1においては、各LED5a~5iからの拡散光が、ほとんど光の損失なく直角プリズム7を経て基板2内に入射して伝搬することから、光の利用効率を低下させない導光板が形成される。
【0030】
[基板2内を伝搬する平行光によるホログラフィック光学素子9の照射]
図8は、中央のLED5eから出射した拡散光が、平凸レンズ3eと直角プリズム7を経て基板2内を伝搬しホログラフィック光学素子9を照射する状態を説明するための基板2とホログラフィック光学素子9の左側面図である。
図中、9Fはホログラフィック光学素子9の前面、b3、a4、b4、a5、b5、a6は平行光、B3、A4、B4、A5、B5、A6は平行光が入射乃至反射する領域であり、図において、基板2内を伝搬する光を一点鎖線で表す。
前述のように基板2の前面2Fの領域A1から入射した水平面となす角がθの平行光a1は、基板2の後面2Rの領域B1に当たって全反射して平行光b1となり、平行光b1は、基板2の前面2Fの領域A2に当たって全反射して平行光a2となり、平行光a2は、基板2の後面2Rの領域B2に当たって全反射して平行光b2となる。
ここで、平行光b2が当たる基板2の前面2Fの領域A3にはホログラフィック光学素子9が貼り付けられていることから、平行光b2は、ホログラフィック光学素子9に入って一部の光が透過して前面9Fの領域A3に当たって全反射して平行光a3となり、平行光a3は、基板2内に入って後面2Rの領域B3に当たって全反射して平行光b3となり、平行光b3は、ホログラフィック光学素子9に入って一部の光が透過して前面9Fの領域A4に当たって全反射して平行光a4となり、平行光a4は、基板2内に入って後面2Rの領域B4に当たって全反射し、これを繰り返して基板2内を平行光a4、b4、a5、b5、a6・・・が伝搬して行く。
また、他のLED(LED5a~5d、5f~5i)から出射して他の平凸レンズ(平凸レンズ3a~3d、3f~3i)、直角プリズム7を経ての底面7Bに入射し、基板2内入射した平行光も、同様にしてその一部がホログラフィック光学素子9の前面9Fと基板2の後面2Rで全反射を繰り返して基板2内を伝搬して行く。
【0031】
ここで、ホログラフィック光学素子9には、基板2内を伝搬する平行光(XZ面に対して角度θの平行光)が入射したとき、Y方向(上下方向)に±15度、X方向(左右方向)に±15度の拡散光を出射する干渉縞が記録されている。
図9は、平行光b2、b3、b4、b5がホログラフィック光学素子9の干渉縞により回折して、基板2から後面2R側に照射光としての拡散光を出射する状態を説明する説明図である。
図9に示すようにホログラフィック光学素子9に入った平行光b2、b3、b4、b5のうち透過しない光は、ホログラフィック光学素子9で前面9F(前面2F)の法線に対して上下方向に±15度、左右方向に±15度の拡散光c1、c2、c3、c4として後面2R側に回折され、拡散光c1、c2、c3、c4が出射する。
出射した拡散光c1、c2、c3、c4は、検査対象物等を照射する照射光となる。
この場合、拡散光c1、c2、c3、c4の強さが均一になるように、ホログラフィック光学素子9の回折効率を変化させ、例えば、ホログラフィック光学素子9に最初に入る平行光b2の回折効率を25%、次の平行光b3の回折効率を33.3%、次の平行光b4の回折効率を50%、最後の平行光b5の回折効率を100%とすると、拡散光c1、c2、c3、c45の強さが均一になる。
なお、ホログラフィック光学素子14から照明光として平行光を出射する場合、ホログラフィック光学素子9には、平行光(XY面に対して角度θの平行光)が入射したとき、前面2F(XY面)に対して垂直な平行光を出射する干渉縞を記録し、ホログラフィック光学素子9から照明光として発散光を出射する場合、ホログラフィック光学素子9には、平行光(XZ面に対して角度θの平行光)が入射したとき、基板2の前方の点から発散する発散光を出射する干渉縞を記録すればよい。
【0032】
[光照射装置の他の例]
図10は、本発明の他の例となる光照射装置の斜視図、
図11は、
図10に示す光照射装置の正面図、
図12(a)は、
図10に示す光照射装置の左側面図、
図12(b)は、
図10に示す光照射装置の右側面図、
図13は、
図10に示す光照射装置の分解斜視図である。
図中、11は光照射装置、11Aは光源ユニット、14は光源レンズ固定部、14Aは隔壁スペーサ、14p1、14p2は突起、14q1、14q2は穴、17は直角プリズム、17Bは底面、17Rは直角面、17Sは斜面、OAは光軸であり、
図1~
図4に示す光照射装置1の構成部分と同一のものには同一の符号を付す。
図に示すように、光照射装置11は、基板2、レンズアレイ3、光源レンズ固定部14、光源シート5、放熱体6、直角プリズム17及びホログラフィック光学素子9を備えている。
すなわち、光照射装置11は、光照射装置1の光源レンズ固定部4、直角プリズム7に代えて光源レンズ固定部14、直角プリズム17を備え、他の構成は光照射装置1と同じである。
【0033】
光源レンズ固定部14は隔壁スペーサ14Aを備え、隔壁スペーサ14Aは、光照射装置1の隔壁スペーサ4と同じ格子状の仕切り壁により形成され上面と下面が開口した9個のセル(セル4a~4iと同じもの)を有する箱体であり、各セルの仕切り壁はLED5a~5iから光を遮蔽するが、箱体の背面が底面に対して直角ではなくθ’傾斜している点で隔壁スペーサ4と異なっている。
このように隔壁スペーサ14Aの背面を底面に対して角θ’の傾斜面とすることにより、隔壁スペーサ14Aの背面が鉛直になるようにしたとき、隔壁スペーサ14Aの上面に取り付けたレンズアレイ3の平凸レンズ3a~3iの光軸OAが水平面に対してθ’傾くこととなる。
また、隔壁スペーサ14Aにおいては、隔壁スペーサ4Aと同様に背面の左端部と右端部にそれぞれ磁石4m1、4m2が取り付けられ、左側面には突起4p1、4p2と同じ突起14p1、14p2が設けられ、右側面には穴4q1、4q2gと同じ穴14q1、14q2gが設けられている。
【0034】
直角プリズム17は、プラスチック、ガラス等からなり、光照射装置1の直角プリズム7と同様に、底面17B、底面17Bに直角な直角面17R及び斜面17Sを備えた直角三角柱のプリズムであるが、底面17Bと斜面17Sのなす角がθ’であり、直角面17Rではなく斜面17Sが基板2に取り付けられ、底面17Bが水平ではなく傾斜し、直角面17Rが鉛直ではなく傾斜している点で直角プリズム7と異なっている。
この直角プリズム17では、直角プリズム7と同様に底面17Bがレンズアレイ3から出射する平行光が入射する入射面となるが、直角プリズム7と異なり、斜面17Sが底面17Bから入射した平行光が出射する出射面となる。
この場合、直角プリズム17の光学的屈折率は、直角プリズム7と同様に基板2の光学的屈折率と同じかそれに近いもの(例えば0.1~0.2程度以内の屈折率差があるもの)であることが望ましい。
【0035】
光照射装置11においては、光照射装置1と同様にレンズアレイ3の各平凸レンズ3a~3iの光軸OA上に光源レンズ固定部14の各セルの中心と光源シート5の各LED5a~5iの中心が位置するようにして、隔壁スペーサ14Aの上面にレンズアレイ3(平凸レンズ3a~3i)の下面が接着剤等により固定され、隔壁スペーサ14Aの下面にシート基材5kの上面が接着剤等により固定され、シート基材5kの下面に放熱体6上面が接着剤等により固定される。
これにより、レンズアレイ3、光源レンズ固定部14(隔壁スペーサ14A)、光源シート5及び放熱体6が一体となった光源ユニット11Aが形成される。
一方、基板2の前面2Fの所定の位置には、直角プリズム17の斜面17Sが空気を介さずに光学接着剤(例えばシリコーン系接着剤)により貼り付けられる。
この場合、光学接着剤の光学的屈折率は、基板2や直角プリズム17の光学的屈折率と同じかそれに近いもの(例えば0.1~0.2程度の屈折率差があるもの)であることが望ましい。
そして、レンズアレイ3の平凸レンズ3a~3iの上面が直角プリズム17の底面17Bに当接乃至近接するようにして、隔壁スペーサ14Aの背面に取り付けられた磁石4m1、4m2と基板2の後面2R側の磁石8m1、8m2が引き合う(吸着する)ことにより、光源ユニット1Aの隔壁スペーサ4Aが、基板2の前面2Fの下部に固定される。
なお、基板2の前面2Fに直角プリズム17の斜面17Sを貼り付ける光学接着剤は、直角プリズムの7の場合と同様に、必ずしも永久接着力を伴うものである必要はなく、直角プリズム17の底面17Bから入射した平行光が斜面17Sに当たっても全反射しないようにするための屈折率調整液、インデックスマッチング液やオイルと呼ばれる屈折率が直角プリズム7に近い液体であってもよく、自己粘着性をもつ透明ゲル等であってもよい。
【0036】
このとき、隔壁スペーサ14Aの背面は底面に対してθ’傾斜しており、隔壁スペーサ14Aの背面を、磁石4m1、4m2を介して基板2の前面2Fに固定すると、隔壁スペーサ14Aの背面は前面2Fと平行になり、レンズアレイ3の平凸レンズ3a~3iの光軸OAは、水平面に対してθ’傾く。
一方、直角プリズム17の底面17Bは斜面17S(基板2の前面2F)に対してθ’傾斜している。
これより、光源ユニット11Aにおいては、平凸レンズ3a~3iの光軸OAが直角プリズム17の底面17Bに直交し、平凸レンズ3a~3iから出射する平行光が直角プリズム17の底面17Bに垂直に入射することとなる。
なお、磁石8m1、8m2は、基板2の後面2Rに固定されず、後面2Rに沿って移動可能であることから、光源ユニット1A(隔壁スペーサ4A)と同様に光源ユニット11A(隔壁スペーサ14A)の位置を自由に調整できる。
【0037】
図14は、光照射装置11において、中央のLED5eから出射した拡散光が、平凸レンズ3eと直角プリズム17を通って基板2内を伝搬する状態を説明する説明図であり、基板2、LED5e、平凸レンズ3e及び直角プリズム17が配置された状態の左側面図である。
図中、ab’は拡散光、a0’、a1’、b1’、a2’、b2’、a3’は平行光、A1’、B1’、A2’、B2’、A3’は平行光が入射乃至反射する領域であり、図において、LED5eから出射して平凸レンズ3eと直角プリズム7を経て基板2内を伝搬する光を一点鎖線で表す。
図14に示すようにLED5eから出射した拡散光abは、平凸レンズ3eの下面(平な面)に入射して凸面で屈折し、水平面に対してθ’傾いた平行光a0’として出射し、平行光a0’は、直角プリズム17の底面17Bに入射する。
底面17Bは斜面17S(鉛直面)に対してθ’傾いていることから、平行光a0’は、底面17Bに垂直に入射し、屈折せずに直角プリズム17内を直進し、斜面17Sに当たる。
このとき、平凸レンズ3eの前端から出射した平行光a0’は、底面17Bの前端から入射し直角面17Rに沿って直進し、斜面17Sの上端に当たる。
【0038】
直角プリズム17の斜面17Sと基板2の前面2Fの間には空気が介在せず光学接着剤が介在するから、水平面となす角がθ’の平行光は、斜面17Sに当たっても全反射せずに斜面17Sから出射し(斜面17Sで全反射しない条件は、直角プリズム17の屈折率をn1、光学接着剤の屈折率をn2とすると、n1sinθ’<n2)、また、直角プリズム17の斜面17Sと基板2の前面2Fの間に介在する光学接着剤の光学的屈折率は、基板2や直角プリズム17の光学的屈折率と同じかそれに近いため、斜面17Sから出射する平行光は、大きな屈折せずに基板2の前面2Fの領域A1’から入射し、基板2と直角プリズム17の光学的屈折率は同じか近いため、前面2Fの領域A1’から入射した平行光は、水平面となす角がθ’の平行光a1’となって基板2内を進む。
そして、θ’は基板2の臨界角より大きいことから、平行光a1’は、基板2の後面2Rの領域B1’に当たって全反射して平行光b1’となり、平行光b1’は、基板2の前面2Fの領域A2’に当たって全反射して平行光a2’となり、平行光a2’は、基板2の後面2Rの領域B2’に当たって全反射して平行光b2’となり、平行光b2’は、基
板2の前面2Fの領域A3’に当たって全反射して平行光a3’となり、これを繰り返して基板2内を平行光が伝搬して行く。
この場合、基板2の前面2Fと後面2Rで全反射される平行光(a1’、b’1、a2’、b2’、a3’・・・)は、伝搬方向に直交し基板2の厚み方向に直交する方向に拡散せず平行であり、その伝搬方向の長さL’(領域A1’、B1’、A2’、B2’、A3’のY方向の長さ)は、基板2の厚さをt’とすると、L’=2t’×tanθ’となる。
同様に他のLED(LED5a~5d、5f~5i)から出射した拡散光も他の平凸レンズ(平凸レンズ3a~3d、3f~3i)で水平面に対してθ’傾いた平行光となって直角プリズム17の底面17Bに入射し、直角プリズム17内を直進し、斜面17Sから出射する水平面となす角がθ’の平行光は、基板2の前面2Fから入射して前面2Fと後面2Rで全反射を繰り返して基板2内を伝搬して行く。
このように直角プリズム17の底面17Bと斜面Sのなす角θ’は、平行光が基板2内を伝搬する伝搬角となるが、θ’は55度から80度の範囲で適宜選択でき、例えば、θ’=60度、あるいは、θ’=75度とすることができる。
【0039】
次に、光照射装置11においては、光照射装置1と同様に、平凸レンズ3a~3iの底面から入射して凸面から平行光として出射し、この平行光は、直角プリズム17の底面17Bに垂直に入射することから、底面17Bでのわずかな反射光を除いて、光の損失なく直角プリズム17内に入射し、底面17Bから入射した平行光は、直進して斜面17Sから出射することから、斜面17Sから出射するまでの光の損失はなく、直角プリズム17の斜面17Sと基板2の前面2Fを接着する光学接着剤の光学的屈折率は、基板2や直角プリズム17の光学的屈折率と同じかそれに近いため、斜面17Sから出射する平行光が前面2Fから基板2内に入射する際の光の損失はほとんどなく、基板2内に入射した平行光は、前面2Fと後面2Rで全反射を繰り返して基板2内を伝搬して行くことから、平行光が伝搬する際の光の損失はない。
よって、光照射装置11においても、各LED5a~5iからの拡散光が、ほとんど光の損失なく直角プリズム17を経て基板2内に入射して伝搬することから、光の利用効率を低下させない導光板が形成される。
【0040】
また、光照射装置11においては、前述のように基板2の前面2Fの領域A1’から入射した水平面となす角がθ’の平行光a1’は、基板2の後面2Rの領域B1’に当たって全反射して平行光b1’となり、平行光b1’は、基板2の前面2Fの領域A2’に当たって全反射して平行光a2’となり、平行光a2’は、基板2の後面2Rの領域B2’に当たって全反射して平行光b2’となる。
ここで、平行光b2’が当たる基板2の前面2Fの領域A3’にはホログラフィック光学素子9が貼り付けられていることから、平行光b2’は、ホログラフィック光学素子9に入って一部の光が透過して前面9Fの領域A3’に当たって全反射して平行光となり、この平行光は、基板2内に入って後面2Rの領域に当たって全反射して次の平行光となり、この次の平行光は、ホログラフィック光学素子9に入って一部の光が透過して前面9Fの領域A4に当たって全反射して平行光となり、これを繰り返して基板2内を平行光が伝搬して行く。
また、他のLED(LED5a~5d、5f~5i)から出射して他の平凸レンズ(平凸レンズ3a~3d、3f~3i)、直角プリズム17を経て基板2内入射した平行光も、同様にしてその一部がホログラフィック光学素子9の前面9Fと基板2の後面2Rで全反射を繰り返して基板2内を伝搬して行く。
そして、ホログラフィック光学素子9に入った平行光のうち透過しない光は、ホログラフィック光学素子9で前面9F(前面2F)の法線に対して所定角度の拡散光、あるいは平行光、発散光等として後面2R側に回折され、拡散光、平行光、発散光等が出射し、出射した拡散光は、検査対象物等を照射する照射光となる。
【0041】
図15は、光照射装置11において、直角プリズム17に代えて他の三角プリズムを使用した場合に、中央のLED5eから出射した拡散光が、平凸レンズ3eと三角プリズム17を通って基板2内を伝搬する状態を説明する説明図であり、図中、18は三角プリズム、18Bは底面、18S1は第1斜面、18S2は第2斜面である。
三角プリズム18は、プラスチック、ガラス等からなり、底面18B、第1斜面18S1及び第2斜面18S2を有し、底面18Bと第1斜面18S1のなす角はθ’であるが、底面18Bの前後方向(Z方向)の長さと第1斜面18S1の上下方向(Y方向)の長さ
が直角プリズム17の底面17Bと斜面17Sより長く、底面18Bと第2斜面18S2のなす角が直角ではなく鋭角である点で、直角プリズム17と異なっている。
この三角プリズム18は、第1斜面18S1が基板2の前面2Fに貼り付けられ、底面18Bが鉛直面に対してθ’傾いていることから、直角プリズム17の場合と同様に、平凸レンズ3eからの平行光a0’は、底面18Bに垂直に入射し、屈折せずに三角プリズム18内を直進し、斜面17Sから出射する。
このとき、平凸レンズ3eの前端から出射した平行光a0’は、底面18Bの前端から後方に寄った位置から入射し、第1斜面18S1の上端から下方によった位置から出射することとなる。
そして、直角プリズム17の場合と同様に、第1斜面18S1から出射する平行光は、屈折せずに基板2の前面2Fの領域A1’から入射し、水平面となす角がθ’の平行光a1’となって基板2内を進み、基板2の後面2Rの領域B1’に当たって全反射して平行光b1’となり、基板2内を伝搬して行く。
これより、光照射装置11における三角プリズムは、基板2の前面2Fに貼り付けられる面と底面のなす角がθ’であって、レンズアレイ3の平凸レンズからの平行光が底面に垂直に入射し、底面から入射した平行光が、三角プリズム内を直進して前面2Fに貼り付けられた面から出射して、領域A1’(上下方向の長さがL’=2t’×tanθ’の領域)から基板2内に入射するような三角プリズムであればよい。
【0042】
図16は、直角プリズム17と同じ光学的機能を有するプリズムシートの斜視図であり、図中、19はプリズムシート、19a~19fは小プリズムである。
プリズムシート19は、6個の小プリズム19a~19fがシート状に繋がったものであり、プリズムシート19のX方向の長さとY方向の長さは、直角プリズム17のX方向の長さとY方向の長さと同じであり、各小プリズム19a~19fの斜面(XY面と平行な面)と底面のなす角はθ’である。
プリズムシート19は、直角プリズム17に代わるものであり、プリズムシート19のXY面と平行な面(各小プリズム19a~19fの斜面)が、直角プリズム17の斜面17Sと同様にして、基板2の前面2Fの所定の位置に空気を介さずに光学接着剤により貼り付けられる。
そして、直角プリズム17に代えてプリズムシート19を基板2の前面2Fに貼り付けた場合、レンズアレイ3の各平凸レンズ3a~3iから出射した平行光は、プリズムシート19のいずれかの小プリズム19a~19fの底面に垂直に入射し、屈折せずに小プリズム19a~19f内を直進し、その斜面17から出射し、基板2の前面2Fの領域A1’から入射し、水平面となす角がθ’の平行光a1’となって基板2内を進み、基板2の後面2Rの領域B1’に当たって全反射して平行光b1’となり、基板2内を伝搬して行く。
【0043】
[ホログラム画像再生装置]
本発明のホログラム画像再生装置は、上述の光照射装置1や光照射装置11において、照明光用としての拡散光、平行光、発散光を出射する干渉縞が記録されたホログラフィック光学素子9に代えて、基板2の前面(後面2R)に対して所定の方向・角度から、所定の波長の平行光が照射されたとき、所定の視野角をもつホログラム画像が再生される干渉縞が記録されているホログラフィック光学素子(以下「画像再生ホログラフィック光学素子という」)が使用される。
すなわち、ホログラム画像再生装置は、基板2、レンズアレイ3、光源レンズ固定部4(光源レンズ固定部14)、光源シート5、放熱体6、直角プリズム7(直角プリズム17)及び画像再生ホログラフィック光学素子を備えている。
そして、画像再生ホログラフィック光学素子は、反射型であり、光学的屈折率が約1.5の体積型ホログラフィック記録材料からなり、この画像再生ホログラフィック光学素子には、YZ方向前面2F側からXY面(後面2R)の法線に対して約60度の角度で、532nmを中心とした緑色の平行光が照射されたときXY面(後面2R)の法線に対してY方向(上下方向)に±20度、X方向(左右方向)に±45度の視野角をもつホログラム画像が前面2F側に再生される干渉縞が記録されている。
これより、基板2内を伝搬する平行光(Z方向のXY面に対して角θ、θ’の平行光)が基板2の前面2Fに貼り付けられた画像再生ホログラフィック光学素子を照射すると、一部の平行光が画像再生ホログラフィック光学素子で回折されてホログラム画像が再生され、残りの平行光が全反射されて基板2内を伝搬し、正面側の像再生ホログラフィック光学素子と対向する位置にいる観察者は、再生されたホログラム画像を視認することができる。
【0044】
また、ホログラム画像再生装置においても、基板2の前面2Fに直角プリズム7、17を貼り付ける光学接着剤は、直角プリズム7、17の直角面7R、底面17Bから入射した平行光が直角面7R、斜面17Sに当たっても全反射しないようにするための屈折率調整液、インデックスマッチング液やオイルと呼ばれる屈折率が直角プリズム7、17に近い液体であってもよく、自己粘着性をもつ透明ゲル等であってもよい。
そして、光学接着剤をこのようなものとすることにより、基板2から光源ユニット1A(レンズアレイ3、光源レンズ固定部4、光源シート5、放熱体6)と直角プリズム7が着脱可能となり、あるいは、基板2から光源ユニット11A(レンズアレイ3、光源レンズ固定部14、光源シート5、放熱体6)と直角プリズム17が着脱可能となり、光源ユニット1A、11Aの細かい調整やメンテナンスをしやすくしたり、基板2に既存の施設の透明板を利用して期間限定でホログラム画像再生装置を設置して演出・加飾などをした後に元通りに戻したり、季節ごとに同一の透明ガラス扉の異なる場所に光源ユニット1A(光源ユニット11A)と直角プリズム7(直角プリズム17)を取り付けてホログラム画像再生装置を配置したりするといったような利点を付与することもできる。
【産業上の利用可能性】
【0045】
本発明の光照射装置及びホログラム画像再生装置は、導光板に加工を施す必要がなく、導光板の厚み方向の面となる端面以外の面から光を導光板に入射させることができ、光の利用効率を低下させないようにでき、光源アレイとレンズアレイからの平行光を平板状の透明基板内で伝搬させて透明基板の一方の面から照明光を出射させる光照射装置及び透明基板に取り付けたホログラフィック光学素子からホログラム画像を再生するホログラム画像再生装置、既存のガラス板が使われている壁、扉、窓などに後付けで画像表示するホログラム画像再生装置に利用できる。
【符号の説明】
【0046】
1 光照射装置
1A 光源ユニット
2 基板
2F 前面
2R 後面
3、3’ レンズアレイ
3a~3i 平凸レンズ
3a’~3i’ フレネルレンズ
4 光源レンズ固定部
4A 隔壁スペーサ
4a~4i セル
4m1、4m2 磁石
4p1、4p2 突起
4q1、4q2 穴
5 光源シート
5a~5i LED
5k シート基材
6 放熱体
6r 溝
7 直角プリズム
7B 底面
7R 直角面
7S 斜面
8m1、8m2 磁石
9 ホログラフィック光学素子
11 光照射装置
11A 光源ユニット
14 光源レンズ固定部
14A 隔壁スペーサ
14p1、14p2 突起
14q1、14q2 穴
17 直角プリズム
17B 底面
17R 直角面
17S 斜面
18 三角プリズム
18B 底面
18S1 第1斜面
18S2 第2斜面
19 プリズムシート
19a~19f 小プリズム
ab、ab’ 拡散光
a0、a1、b1、a2、b2、a3、a0’、a1’、b1’、a2’、b2’、a3’ 平行光
A1、B1、A2、B2、A3、A1’、B1’、A2’、B2’、A3’ 領域
OA 光軸。