(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024098467
(43)【公開日】2024-07-23
(54)【発明の名称】引き剥がし用開口部付使い捨てカイロ
(51)【国際特許分類】
A61F 7/03 20060101AFI20240716BHJP
【FI】
A61F7/08 334P
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2023010557
(22)【出願日】2023-01-10
(71)【出願人】
【識別番号】520485930
【氏名又は名称】日本反射器工業株式会社
(72)【発明者】
【氏名】岡崎 重樹
【テーマコード(参考)】
4C099
【Fターム(参考)】
4C099AA01
4C099GA03
4C099LA14
4C099NA05
(57)【要約】 (修正有)
【課題】使用後に容易に衣類から引き剥がすことが可能な使い捨てカイロを提供する。
【解決手段】剥離紙の四角の内の少なくとも一角に切り取り線(ミシン目線)を設け、剥離紙の一部を残すようにする。使用後にカイロを衣類より剥がす時、この箇所が最初の引き剥がし開口部として利用でき、カイロを衣類から剥がす時に円滑に行える。特に非力な高齢者などでは、開口部の剥離紙を剥がすと粘着剤が現れる。ここに手を絡ませると、より強く力を入れられ、よりスムースに引き剥がす事が可能である。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
使い捨てカイロの粘着面に貼る剥離紙の四角の内の少なくとも一角に、切り取り線もしくはミシン目線を設けて、剥離紙を剥がす場合に残す剥離紙と除去する剥離紙を容易に分離させる構造を特徴とした使い捨てカイロ。
【請求項2】
使い捨てカイロに塗布する粘着剤を、カイロの四角の内の少なくとも一角に塗布しない構造を特徴とした使い捨てカイロ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、衣類に貼り付けた使い捨てカイロを剥がす時、引き剥がし除去を容易にする引き剥がし用開口部を設ける構造に関する。
【背景技術】
【0002】
カイロの粘着剤塗布面を衣類の当該箇所に貼り付けて、本来の目的に使用した後、当該カイロを衣類から引き剥がす時、粘着剤がカイロ表面全周を含む全面に塗布されており、衣類に完全に密着張り付いている。
【0003】
かかる状況では、最初の引き剥がし開口部を作り出すのが困難である。特に、非力な高齢者にとっては非常に困る事である。この最初の引き剥がし場所を作り出すのに相当の時間を要し、例えば入浴前の脱衣場で行う際には周囲の寒さに耐えながら行う場合、寒さにより健康を害する恐れがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
類似関連発明は発見されず。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、本発明はかかる問題点に鑑み、除去する剥離紙2の四角の内の少なくとも一角に切り取り線3またはミシン目線3を施す事により(
図2)、剥離紙の一部2-2を残す事とした(
図3)。
【0006】
このようにすると、(
図3)、(
図4)に示す通り、衣類5にカイロを貼り付ける前に剥離紙2-1を剥がす時に剥離紙2-2を残して剥がす事ができる。
【0007】
カイロを剥がす時、摘み部の剥離紙2-2が滑って力が入らず引き剥がし難い場合は、当該剥離紙2-2は容易に剥がせる。剥がした後には粘着面6が現れるので、この部を摘むと粘着面に指が絡むので、より容易にカイロ全体を引き剥がす事が可能となる。
【実施方法】
【0008】
本発明の一実施例を説明する。全面に粘着剤が塗布されている面1に、貼りつける剥離紙の四角の内の少なくとも一角に切り取り線(ミシン目線)3を施す。この線3を施した剥離紙2(2-1,2―2含む)を自動的または手動的にカイロの粘着剤塗布面に貼りつける(
図2)。
【0009】
使用に際し、衣類5に貼り付ける前に、切り取り線(ミシン目線)3を設けた箇所よりゆっくりと剥離紙2-1を剥がしていく(切り取り線3を境に山折にすると、剥離紙2-1を剥がしやすくなる)。この時、切り取り線(ミシン目線目線)3で区切られ残った剥離紙2-2が共に剥がれないように、指で押さえて剥離紙2-1を切り離す。
【0010】
剥離紙2-2が付いたまま粘着面1を衣類5に貼りつける(
図4)。
【0011】
このように当該カイロを衣類5に貼りつける(
図4)と、使用後に衣類5から当該カイロを剥がす時、引き剥がし開口部は剥離紙2-2により衣類5に粘着しておらず自由な状態である。このため、使用者はこの部分2-2を掴んで容易に当該カイロを衣類5より引き剥がすことができる。
もし、剥離紙2-2が滑って上手く掴めない場合は、剥離紙2-2は当該部より容易に取り去ることができる。この場合は、粘着部6が指に粘着して引き剥がす力がより強く伝わるため、更に容易に当該カイロを引き剥がすことが可能となる。
【0012】
従来品で、既に剥離紙の中央にミシン目線7が施されている製品が存在する。しかし、本ミシン目線7の存在は剥離紙を剥がす時に最初の開口部を作るためのもので、今回の発明の目的である剥離紙の一部2-2を残して、剥がす時の開口部としての役割を与えるというものではない。
【0013】
また、現在市販されている貼るタイプの使いすてカイロの使用方法説明欄には、「粘着剤のない部分に指をいれてゆっくりとはがしてください」と記載されてはいる。しかしながら、当該品の粘着剤はカイロ表面の全周を含む全面に塗布されている。粘着剤塗布の連続製造工程上、粘着剤のない部分は存在しない。
【図面の簡単な説明】
【
図3】 衣類に貼りつける前の、除去する剥離紙剥がし始めの図
【
図4】 衣類に貼りつけた後の剥がし開口部を示した図
【
図5】 開口部剥離紙の剥離紙2-2を取った粘着部6の図
【
図6】 ミシン目線7の施された従来品の剥離紙面の図
【符号の説明】
1. 塗布粘着剤
2. 剥離紙
2-1. 衣類粘着部剥離紙
2--2 開口部用残し剥離紙
3. 切り取り線(ミシン目線)
4. カイロ表面
5. 衣類
6. 剥がし開口部粘着剤
7 従来品のミシン目線