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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024098476
(43)【公開日】2024-07-23
(54)【発明の名称】噛合式剛性可変耐風免震支持座
(51)【国際特許分類】
   F16F 1/32 20060101AFI20240716BHJP
   E04H 9/02 20060101ALI20240716BHJP
   F16F 15/08 20060101ALI20240716BHJP
【FI】
F16F1/32
E04H9/02 331A
F16F15/08 E
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023080110
(22)【出願日】2023-05-15
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-10-13
(31)【優先権主張番号】202310035365.7
(32)【優先日】2023-01-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】513059401
【氏名又は名称】同▲済▼大学
(74)【代理人】
【識別番号】100216471
【弁理士】
【氏名又は名称】瀬戸 麻希
(72)【発明者】
【氏名】相陽
(72)【発明者】
【氏名】徐奎元
(72)【発明者】
【氏名】李国強
【テーマコード(参考)】
2E139
3J048
3J059
【Fターム(参考)】
2E139AA01
2E139AB00
2E139CA02
2E139CB08
3J048AA01
3J048BA08
3J048BB02
3J048DA01
3J048EA38
3J059BA23
3J059BC01
3J059BD01
3J059CB15
3J059DA33
3J059GA42
(57)【要約】      (修正有)
【課題】免震層の水平剛性を向上させ、かつ部品を交換する必要がなく使用しやすく、メンテナンス費用を大幅に削減できる噛合式剛性可変耐風免震支持座を提供する。
【解決手段】本発明は、ゴム免震支持座と、抗風剛性調整器とを備え、ゴム免震支持座は、免震層の上部構造と下部構造との間に設けられ、抗風剛性調整器は、上部接続板と下部接続板との間に設けられると共に、前記ゴム免震支持座の回りに設けられる。抗風剛性調整器は、前記上部接続板に固定された水平スライド噛合板と、前記下部接続板に設けられた縦方向ガイド溝と、バーズノズル板、皿ばね組及び剛性調整ボルトを備える。バーズノズル板は、縦方向ガイド溝に沿って上下に摺動することができ、バーズノズル板の上部フック状構造は、さらに前記水平スライド噛合板に貼り合せて引っかけられる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
噛合式剛性可変耐風免震支持座であって、
免震層の上部構造と下部構造との間に設けられ、上面及び下面にそれぞれ前記免震層の
上部構造と下部構造とを接続するための上部接続板(1)及び下部接続板(2)が設けら
れたゴム免震支持座(4)と、
前記上部接続板(1)及び前記下部接続板(2)との間に設けられると共に、前記ゴム
免震支持座(4)の回りに設けられた若干組の抗風剛性調整器とを備え、
前記抗風剛性調整器は、前記上部接続板(1)に固定された水平スライド噛合板(3)
と、前記下部接続板(2)に設けられた縦方向ガイド溝(7)と、前記縦方向ガイド溝(
7)内に上から下への順に設置されたバーズノズル板(6)及び皿ばね組(10)とを備
え、前記バーズノズル板(6)は前記縦方向ガイド溝(7)に沿って上下に摺動すること
ができ、前記バーズノズル板(6)の上部フック状構造はさらに前記水平スライド噛合板
(3)に貼り合せて引っかけることを特徴とする噛合式剛性可変耐風免震支持座。
【請求項2】
前記バーズノズル板(6)はコンマ形状であり、円形構造及び前記円形構造に一体に連
接した上部フック状構造を含み、前記水平スライド噛合板(3)はL字状構造であり、横
レバーおよび前記横レバーの端部に設けられたバンプを備え、前記バーズノズル板(6)
の上部フック状構造は前記水平スライド噛合板(3)のバンプに貼り合せて引っかけるこ
とを特徴とする請求項1に記載の噛合式剛性可変耐風免震支持座。
【請求項3】
前記バーズノズル板(6)の上部フック状構造が、前記水平スライド噛合板(3)のバ
ンプに貼り合せて引っかけると、貼り合せて引っかけられる界面は傾斜する坂面になるこ
とを特徴とする請求項2に記載の噛合式剛性可変耐風免震支持座。
【請求項4】
前記バーズノズル板(6)の円心構造の中央には、水平リンク(8)が前記バーズノズ
ル板(6)を貫通して並列に設置された若干組の前記抗風剛性調整器に連接するための孔
をさらに有することを特徴とする請求項2に記載の噛合式剛性可変耐風免震支持座。
【請求項5】
前記縦方向ガイド溝(7)の両側壁は非等長構造であり、長い側壁及び短い側壁を含み
、前記長い側壁の最高箇所は前記水平スライド噛合板(3)の最も低い箇所よりも低いこ
とを特徴とする請求項2に記載の噛合式剛性可変耐風免震支持座。
【請求項6】
前記長い側壁は、さらに前記バーズノズル板(6)の上部フック状構造にスライドして
貼り合せられ、前記短い側壁は、前記バーズノズル板(6)の円形構造にスライド移動し
て貼り合せられることを特徴とする請求項5に記載の噛合式剛性可変耐風免震支持座。
【請求項7】
前記皿ばね組(10)の上面と、下面には、上部スチールガスケット(11)と、下部
スチールガスケット(12)が設けられ、前記上部スチールガスケット(11)は、前記
バーズノズル板(6)の底部に貼り合せられ、前記下部スチールガスケット(12)の下
には、前記皿ばね組(10)の圧縮状態を調整するための剛性調整ボルト(9)が設けら
れていることを特徴とする請求項1に記載の噛合式剛性可変耐風免震支持座。
【請求項8】
前記剛性調整ボルト(9)は、前記縦方向ガイド溝(7)に設けられたボルト端板(9
-1)と、前記ボルト端板(9-1)に固定されたスクリュー(9-2)と、前記スクリュ
ー(9-2)を上から下への順に貫通するガスケット(9-3)及びナット(9-4)とを
備えることを特徴とする請求項7に記載の噛合式剛性可変耐風免震支持座。
【請求項9】
前記下部スチールガスケット(12)の中心に、前記スクリュー(9-2)が前記下部
スチールガスケット(12)を貫通して前記ナット(9-4)により前記皿ばね組(10
)を固定連接するための孔が開設されていることを特徴とする請求項8に記載の噛合式剛
性可変耐風免震支持座。
【請求項10】
前記スクリュー(9-2)が前記下部スチールガスケット(12)を貫通して、前記剛
性調整ボルト(9)と前記皿ばね組(10)とを固定すると、前記ガスケット(9-3)
は、さらに前記下部スチールガスケット(12)に貼り合せられ、前記ボルト端板(9-
1)は、さらに前記縦方向ガイド溝(7)の底部に貼り合わせられることを特徴とする請
求項8に記載の噛合式剛性可変耐風免震支持座。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、耐風免震建築構造の技術分野に属し、特に噛合式剛性可変耐風免震支持座に
関する。
【背景技術】
【0002】
免震技術は、地震による建築構造への損害を効果的に軽減し、人の生命及び財産の安全
を十分に保護することができ、近年ますます広く応用されている。免震技術の基本的な原
理は、免震層に水平剛性の低い免震支持座を設置し、構造の自己振動周期を延長し、地震
作用の卓越した周期を回避することで、上部構造の地震動力応答を軽減することである。
したがって、理論的には、免震層の水平剛性が低いほど、免震効果がよくなる。
【0003】
免震設計を行う時には、関連する仕様及び標準に合致する前提で、免震層の水平剛性を
できるだけ低くして、免震支持座の免震性能を十分に発揮させるべきである。しかし、免
震構造が同時に大きな設計風荷重に耐える必要がある場合(例えば、風荷重が大きい地域
に位置し、階が高いか風感受性構造に属する等)、低すぎる免震層の剛性は、構造が風荷
重の作用で床面加速度応答が過大になる等の問題、すなわち風荷重作用での快適性の問題
を引き起こす可能性がある。
【0004】
免震構造が耐風快適性の要求を満たすために、従来の技術では、一般的に免震層の水平
剛性を向上させる必要がある。該方法は免震構造の機能優位性をある程度削減し、最大限
の「水平地震隔離」の機能を実現することができず、免震構造の免震効率を低下させてし
まう。
【0005】
免震構造の耐風快適性制御問題と免震層の柔軟性の最大化問題を協調的に解決するため
に、免震構造の免震層に耐風ユニットを追加設置し、それが風荷重の作用下で免震層に付
加的な剛性を提供し、中、大地震の作用で作動を終了し、免震層の柔軟性が完全に解放す
る必要がある。従来の免震支持座に増設された耐風装置は、ある程度で耐風効果を果たす
ことができるが、付加剛性の調整不可、構造が複雑でメンテナンスしにくく、「耐風ロッ
ク→免震ロック解除」状態の遷移転換を自動的に実現することができず、大きな地震の作
用で部品の塑性損傷等が発生するなど、様々な欠陥がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、上述の従来技術に存在する欠陥を克服するために、噛合式剛性可変耐
風免震支持座を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の目的は、以下の技術解決策によって実現することができる。
本発明の技術解決策は、免震層の上部構造と下部構造との間に設けられ、上面及び下面
にそれぞれ前記免震層の上部構造と下部構造とを接続するための上部接続板及び下部接続
板が設けられたゴム免震支持座と、
前記上部接続板及び前記下部接続板との間に設けられると共に、前記ゴム免震支持座の
回りに設けられた若干組の抗風剛性調整器とを備える噛合式剛性可変耐風免震支持座を提
供することである。前記抗風剛性調整器は、前記上部接続板に固定された水平スライド噛
合板と、前記下部接続板に設けられた縦方向ガイド溝と、前記縦方向ガイド溝内に上から
下への順に設置されたバーズノズル板及び皿ばね組とを備える。前記バーズノズル板は前
記縦方向ガイド溝に沿って上下に摺動することができ、前記バーズノズル板の上部フック
状構造は、さらに前記水平スライド噛合板に貼り合せて引っかけられる。
【0008】
そのうち、ゴム免震支持座は、建築免震用ゴム支持座などの従来の市販商品である。
【0009】
また、バーズノズル板はコンマ形状であり、円形構造及び前記円形構造に一体に連接し
た上部フック状構造を備え、前記水平スライド噛合板はL字状構造であり、横レバーおよ
び前記横レバーの端部に設けられたバンプを備える。前記バーズノズル板の上部フック状
構造は、前記水平スライド噛合板のバンプに貼り合せて引っかけられる。
また、前記バーズノズル板の上部フック状構造が、前記水平スライド噛合板のバンプに
貼り付けて引っかけられると、貼り付けて引っかけられている界面は傾斜する坂面になる
【0010】
また、前記バーズノズル板の円心構造の中央には、水平リンクが前記バーズノズル板を
貫通して並列に設置された若干組の前記抗風剛性調整器に連接するための孔をさらに有し
ている。
【0011】
また、前記縦方向ガイド溝の両側壁は非等長構造であり、長い側壁及び短い側壁を含み
、前記長い側壁の最高箇所は、前記水平スライド噛合板の最も低い箇所よりも低い。
【0012】
また、前記長い側壁は、さらに前記バーズノズル板の上部フック状構造にスライド貼り
合せられ、前記短い側壁は、前記バーズノズル板の円形構造にスライド移動して貼り合せ
られる。
【0013】
また、前記皿ばね組の上面と、下面には、上部スチールガスケットと、下部スチールガ
スケットが設けられ、前記上部スチールガスケットは前記バーズノズル板の底部と貼り合
せられ、前記下部スチールガスケットの下には、前記皿ばね組の圧縮状態を調整するため
の剛性調整ボルトが設けられている。
【0014】
さらに、前記剛性調整ボルトは、前記縦方向ガイド溝に設けられたボルト端板と、前記
ボルト端板に固定されたスクリューと、前記スクリューを上から下への順に貫通するガス
ケット及びナットとを備える。
【0015】
また、前記下部スチールガスケットの中心に、前記スクリューが前記下部スチールガス
ケットを貫通して、前記ナットにより前記皿ばね組を固定連接するための孔が開設されて
いる。
【0016】
また、前記スクリューが前記下部スチールガスケットを貫通して、前記剛性調整ボルト
と前記皿ばね組とを固定すると、前記ガスケットは、さらに前記下部スチールガスケット
と貼り合せられ、前記ボルト端板は、さらに前記縦方向ガイド溝の底部と貼り付けられる
【発明の効果】
【0017】
本発明は、従来技術に比べて、以下のような有益効果を有する。
【0018】
(1)本発明の耐風剛性調整器における皿ばね組及びバーズノズル板が水平スライド噛合
板に貼り合せて引っかけられる場合、本発明に水平剛性を提供する。これにより、免震層
が風荷重の作用下で受ける水平方向のせん断荷重に抵抗し、従来の設計での免震支持座が
風振効果を考慮して過大な水平剛性を提供するという問題を回避し、免震構造の耐風快適
性の問題を効果的に解決できる。
【0019】
(2)本発明は地震の作用下で、バーズノズル板が水平推力を受けるため、皿ばね組を押
圧し、バーズノズル板と水平スライド噛合板を離脱させ、耐風剛性調整器が作動を終了し
、免震層の水平変位を制限せず、ゴム免震支持座の柔軟性を十分に発揮させる。かつ作動
を終了した耐風剛性調整器は、ゴム免震支持座の免震効果に影響を与えず、地震作用下の
耐風免震層に対して専用項設計再検討を実施する必要がなく、免震構造に負担を増加する
ことを回避する。
【0020】
(3)本発明の耐風剛性調整器は取り外し可能式設計であり、地震後、剛性調整ボルト
を緩めて皿バネ組の圧力を解放し、次にバーズノズル板を動かしてその上部フック状構造
を再び水平スライド噛合板に貼り合せて引っかけ、最後に剛性調整ボルトを改めて締め付
けることで、耐風剛性調整器の作動状態を迅速に回復させることができる。プロセス全体
の操作が簡単で、部品を交換する必要がなく、リセットの難易度が低く、作業効率が高く
、耐風免震支持座の頻繁な交換を回避し、メンテナンス費用を大幅に削減できる。
【0021】
(4)本発明は、「耐風ロック-免震ロック解除-耐風ロック」のメカニズムは全過程の
力伝達経路が明らかである。かつ本発明は構造が簡単で、取り付けが便利で、安全で信頼
性が高く、性能が安定して優れており、幅広い応用が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の構造の正面を示す模式図である。
図2】本発明の構造の解除状態を示す模式図である。
図3】本発明の構造の上面を示す模式図である。
図4】本発明における下部接続板の構造を示す模式図である。
図5】本発明における抗風剛性調整器の構造を示す模式図である。
図6】本発明におけるバーズノズル板の構造を示す模式図である。
図7】本発明における縦方向ガイド溝の構造の上面を示す模式図である。
図8】本発明における剛性調整ボルトの構造を示す模式図である。
図9】本発明における抗風剛性調整器の3D模式図である。
図10】本発明の3D模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、添付図面及び具体的な実施例を組み合わせて本発明を詳細に説明する。
【0024】
以下の各実施例において、機能部品又は構造に対して特に説明されていない場合、それ
らは、いずれも本分野の対応する機能を実現するために用いられる一般的な部品又は一般
的な構造であることを示す。
(実施例1)
【0025】
図1~10に示すように、噛合式剛性耐風免震支持座は、免震層の上部構造と下部構造
との間に設けられ、上面及び下面にそれぞれ前記免震層の上部構造と下部構造とを接続す
るための上部接続板1及び下部接続板2が設けられたゴム免震支持座4、及び上部接続板
1及び前記下部接続板2との間に設けられると共に、前記ゴム免震支持座4の回りに設け
られた12組の抗風剛性調整器を備える。ゴム免震支持座4の四周には、いずれも3組の
並列に設置された耐風剛性調整器が設置されている。上部接続板1と免震層の上部構造は
、第1のアンカーボルト13-1により接続固定され、下部接続板2と免震層の下部構造
は、第2のアンカーボルト13-2により接続固定される。図5及び図9に示されるよう
に、耐風剛性調整器は、第1の接続ボルト5-1により上部接続板1に固定された水平ス
ライド噛合板3と、第2の固定ボルト5-2により下部接続板2に固定された縦方向ガイ
ド溝7と、縦方向ガイド溝7内に上から下への順に設置されたバーズノズル板6と、皿ば
ね組10及び剛性調整ボルト9とを備える。バーズノズル板6は、縦方向ガイド溝7に沿
って上下に摺動することができ、バーズノズル板6の上部フック状構造は、さらに水平ス
ライド噛合板3に貼り合せて引っかけられる。皿ばね組10の上面、下面には、上部スチ
ールガスケット11及び下部スチールガスケット12が設けられ、上部スチールガスケッ
ト11は、バーズノズル板6の底部に貼り合せられ、下部スチールガスケット12は、皿
ばね組10の圧縮状態を調整するための剛性調整ボルト9に接続される。図8に示すよう
な剛性調整ボルト9は、縦方向ガイド溝7に設けられたボルト端板9-1と、ボルト端板
9-1に固定されたスクリュー9-2と、スクリュー9-2を上から下への順に貫通するガ
スケット9-3及びナット9-4とを備える。下部スチールガスケット12の中心には、ス
クリュー9-2が下部スチールガスケット12を貫通して、ナット9-4により皿ばね組1
0を固定連接するための孔が開設されている。スクリュー9-2が下部スチールガスケッ
ト12を貫通して、剛性調整ボルト9と皿バネ組10とを固定する場合、ガスケット9-
3は、さらに下部スチールガスケット12に貼り合せられ、ボルト端板9-1は、さらに
縦方向ガイド溝7の底部に貼り合せられる。
【0026】
図6に示すようなバーズノズル板6はコンマ形状であり、円形構造及び円形構造と一体
に連接された上部フック状構造を含む。水平スライド噛合板3はL字状構造であり、横レ
バー及び横レバーの端部に設けられたバンプを備え、バーズノズル板6の上部フック状構
造は、水平スライド噛合板3のバンプに貼り合せて引っかけられる。バーズノズル板6の
上部フック状構造が、水平スライド噛合板3のバンプに貼り合せて引っかけられる場合、
貼り合せて接触する界面は傾斜する坂面になる。バーズノズル板6の円心構造の中央には
、水平リンク8がバーズノズル板6を通して3組の並列に設置された抗風剛性調整器に連
接するための孔をさらに有している。図7に示すような縦方向ガイド溝7の両側壁は、非
等長構造であり、長い側壁及び短い側壁を含み、長い側壁の最高箇所は、水平スライド噛
合板3の最も低い箇所より低い。長い側壁は、さらにバーズノズル板6の上部フック状構
造にスライドして貼り合せられ、短い側壁は、バーズノズル板6の円形構造にスライド移
動して貼り合せられる。
【0027】
本発明の作用原理は、以下のとおりである。
【0028】
皿ばね組10の圧縮特性と、バーズノズル板6が水平スライド噛合板3に貼り合せて引
っかけられることで発生する水平抵抗を利用して、本発明に水平剛性を提供し、風荷重作
用で免震層が負担する曲げモーメント及び水平方向のせん断荷重に抵抗するために用いら
れ、免震構造の耐風問題を効果的に解決することができる。ある程度の地震作用下で、バ
ーズノズル板6は水平方向の推力を受け、縦方向ガイド溝7の中で皿ばね組10を押圧し
て水平スライド噛合板3から離脱する。したがって、耐風剛性調整器は作動を終了し、免
震層の水平変位を拘束せず、ゴム免震支持座4は作用を開始し、かつ耐風剛性調整器の初
期剛性はゴム免震支持座4の水平免震効果に影響せず、従来の設計に起因する免震支持座
が風振効果を考慮して過大な水平剛性を提供するという問題を回避する。地震の後に、剛
性調整ボルト9を緩めて皿ばね組10の圧力を解放して、次に水平スライド噛合板3を動
かしてそれを再びバーズノズル板6に貼り合わせて引っかけ、最後に剛性調整ボルト9を
ねじって再び締め付け、耐風剛性調整器の作動状態を迅速に回復することができ、「耐風
ロック-免震ロック解除-耐風ロック」メカニズムの全過程において部品の交換及び塑性損
傷が発生しない。
【0029】
本発明の装置の取り付け方法は、以下の通りである。
【0030】
(1)第1のアンカーボルト13-1により上部接続板1を免震層の上部構造に固定し
、第2のアンカーボルト13-2により下部接続板2を免震層の下部構造に固定し、ゴム
免震支持座4を上部接続板1と下部接続板2との間の中央位置に取り付ける。上部接続板
1は、第1の接続ボルト5-1により水平スライド噛合板3に固定され、下部接続板2は
第2の接続ボルト5-2により縦方向ガイド溝7に固定される。
【0031】
(2)剛性調整ボルト9を縦方向ガイド溝7の底部に溶接させ、縦方向ガイド溝7にお
いて、下部スチールガスケット12を剛性調整ボルト9に配置すると共に、下部スチール
ガスケット12の上部に、皿ばね組10、上部スチールガスケット11及びバーズノズル
板6を順次に配置し、バーズノズル板6が水平スライド噛合板3に貼り合せるように位置
を調整する。
【0032】
(3)バーズノズル板6が水平スライド噛合板3に貼り合せるように、剛性調整ボルト
9をねじって皿ばね組10の圧縮状態を調整し、取り付けを完了する。
【0033】
当業者が発明を理解して使用することを容易にするために、上記の実施例を説明した。
当業者は創造的な労働を経ることなく、これらの実施例に対して様々な修正を行うことが
でき、ここで説明した一般的な原理を他の実施例に応用することが容易にできることは明
らかである。したがって、本発明は上記の実施例に限定されるものではなく、当業者が本
発明の開示に基づいて、本発明の範囲から逸脱することなく行われた改善及び修正は、い
ずれも本発明の保護範囲内に属するべきである。
【符号の説明】
【0034】
1 上部接続板
2 下部接続板
3 水平スライド噛合板
4 ゴム免震支持座
5-1 第1の接続ボルト
5-2 第2の接続ボルト
6 バーズノズル板
7 縦方向ガイド溝
8 水平リンク
9 剛性調整ボルト
9-1 ボルト端板
9-2 スクリュー
9-3 ガスケット
9-4 ナット
10 皿ばね組
11 上部スチールガスケット
12 下部スチールガスケット
13-1 第1のアンカーボルト
13-2 第2のアンカーボルト
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10