(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024098486
(43)【公開日】2024-07-23
(54)【発明の名称】位置情報表示方法、位置情報表示システムおよび位置情報表示プログラム
(51)【国際特許分類】
G09B 29/00 20060101AFI20240716BHJP
G08C 17/00 20060101ALI20240716BHJP
G08C 15/00 20060101ALI20240716BHJP
A01B 69/00 20060101ALI20240716BHJP
【FI】
G09B29/00 A
G09B29/00 C
G08C17/00 A
G08C15/00 D
A01B69/00 301
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023178818
(22)【出願日】2023-10-17
(31)【優先権主張番号】P 2023001628
(32)【優先日】2023-01-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】720001060
【氏名又は名称】ヤンマーホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100205350
【弁理士】
【氏名又は名称】狩野 芳正
(74)【代理人】
【識別番号】100117617
【弁理士】
【氏名又は名称】中尾 圭策
(72)【発明者】
【氏名】吉峰 拓海
(72)【発明者】
【氏名】三谷 英樹
【テーマコード(参考)】
2B043
2C032
2F073
【Fターム(参考)】
2B043AA04
2B043AB11
2B043AB15
2B043DA17
2B043EA32
2B043EB05
2B043EB15
2B043EE01
2B043EE06
2C032HC27
2F073AA11
2F073AA19
2F073AA28
2F073AA32
2F073AA33
2F073AA40
2F073AB01
2F073AB04
2F073AB05
2F073BB01
2F073BB04
2F073BB07
2F073BC01
2F073BC02
2F073CC03
2F073CC12
2F073CC14
2F073CD11
2F073DD02
2F073DE02
2F073DE06
2F073DE13
2F073EE01
2F073EF09
2F073FF01
2F073FF12
2F073FG01
2F073FG02
2F073GG01
2F073GG05
2F073GG08
2F073GG09
(57)【要約】
【課題】複数の作業装置の位置情報を、より効率よく表示する。
【解決手段】位置情報表示方法は、複数の作業装置(2)のそれぞれの位置を表す位置情報を取得すること(S01)と、それぞれの位置が所定の地図の上に分布する第1範囲を表す範囲情報を生成すること(S02)と、地図を表す地図情報のうち、第1範囲を含む表示情報を、所定の表示装置(61)の表示領域(62A)に出力するための縮尺を算出すること(S03)と、位置情報、範囲情報および縮尺に基づいて、第1範囲における位置の分布を表す表示情報を出力すること(S05)と、を含む。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の作業装置のそれぞれの位置を表す位置情報を取得することと、
前記それぞれの位置が所定の地図の上に分布する第1範囲を表す範囲情報を生成することと、
前記地図を表す地図情報のうち、前記第1範囲を含む表示情報を、所定の表示装置の表示領域に出力するための縮尺を算出することと、
前記位置情報、前記範囲情報および前記縮尺に基づいて、前記第1範囲における前記位置の前記分布を表す前記表示情報を出力することと、
を含む
位置情報表示方法。
【請求項2】
請求項1に記載の位置情報表示方法において、
前記範囲情報を生成することは、
前記地図に含まれる第2範囲のうち、所定の条件を満たす条件範囲を、前記第1範囲として抽出すること
を含み、
前記条件は、それぞれに移動する前記複数の作業装置の前記位置に基づいて設定される
位置情報表示方法。
【請求項3】
請求項2に記載の位置情報表示方法において、
前記縮尺を算出することは、
前記第1範囲の周りを囲むように配置され、前記表示領域のいずれの端部から前記第1範囲までの距離が所定の閾値より長く、かつ、外周形状が前記表示領域の形状と相似の関係にある第3範囲を含む前記表示情報を、前記表示領域に出力できるように、前記縮尺を算出すること
を含む
位置情報表示方法。
【請求項4】
請求項2または3に記載の位置情報表示方法において、
前記複数の作業装置のそれぞれの稼働状態を表す稼働情報を取得すること
をさらに含み、
前記範囲情報を生成することは、
前記複数の作業装置のうち、前記稼働状態が所定の第1条件を満たす作業装置の前記位置が前記地図の上に分布する第1条件範囲を、前記第1範囲として抽出すること
を含む
位置情報表示方法。
【請求項5】
請求項4に記載の位置情報表示方法において、
前記第1条件は、前記作業装置の前記稼働状態が作業中にあるときに満たされる
位置情報表示方法。
【請求項6】
請求項2または3に記載の位置情報表示方法において、
前記範囲情報を生成することは、
前記第2範囲のうち、前記複数の作業装置が作業を行った作業領域が分布する範囲を、前記第1範囲として抽出すること
を含む
位置情報表示方法。
【請求項7】
請求項2または3に記載の位置情報表示方法において、
前記範囲情報を生成することは、
前記第2範囲のうち、外部から入力された入力範囲情報が表す入力範囲を、前記第1範囲として抽出すること
を含む
位置情報表示方法。
【請求項8】
請求項2または3に記載の位置情報表示方法において、
前記範囲情報を生成することは、
前記複数の作業装置のうち、所定の作業装置の前記位置情報に基づいて、前記所定の作業装置が移動した軌跡を表す軌跡情報を生成することと、
前記第2範囲のうち、前記軌跡と、前記所定の作業装置の位置とを含む範囲を、前記第1範囲として抽出することと、
を含む
位置情報表示方法。
【請求項9】
請求項1に記載の位置情報表示方法において、
前記算出することは、
前記複数の作業装置を、所定のクラスタリング条件に基づいて、複数のクラスタにクラスタリングすることと、
前記複数のクラスタのそれぞれについて、クラスタリングされた前記複数の作業装置の前記位置が分布する範囲を表す前記範囲情報を出力する部分表示領域を前記表示領域に設定することと、
前記複数のクラスタのそれぞれについて、クラスタリングされた前記複数の作業装置の前記範囲情報を生成することと、
を含む
位置情報表示方法。
【請求項10】
請求項9に記載の位置情報表示方法において、
前記出力することは、
前記複数のクラスタのそれぞれについて、クラスタリングされた前記複数の作業装置の前記位置情報、前記範囲情報および前記縮尺に基づいて、前記範囲を含む前記表示情報を、前記部分表示領域に出力すること
を含む
位置情報表示方法。
【請求項11】
請求項9に記載の位置情報表示方法において、
前記クラスタリング条件は、
前記複数の作業装置のうち、第1の作業装置と第2の作業装置との距離が所定の閾値より短いとき、前記第1の作業装置と前記第2の作業装置とを、前記複数のクラスタのうち、同一のクラスタにクラスタリングすることと、
前記距離が前記所定の閾値以上であるとき、前記第1の作業装置と前記第2の作業装置とを、前記複数のクラスタのうち、異なるクラスタにクラスタリングすることと、
を含む
位置情報表示方法。
【請求項12】
複数の作業装置のそれぞれの位置を表す位置情報を取得する取得部と、
前記それぞれの位置が所定の地図の上に分布する第1範囲を表す範囲情報を生成し、前記地図を表す地図情報のうち、前記第1範囲を含む表示情報を、所定の表示装置の表示領域に出力するための縮尺を算出する算出部と、
前記位置情報、前記範囲情報および前記縮尺に基づいて、前記第1範囲における前記位置の前記分布を表す前記表示情報を出力する出力部と、
を備える
位置情報表示システム。
【請求項13】
演算装置に実行させることによって所定の処理を実現するための位置情報表示プログラムであって、
前記処理は、
複数の作業装置のそれぞれの位置を表す位置情報を取得することと、
前記それぞれの位置が所定の地図の上に分布する第1範囲を表す範囲情報を生成することと、
前記地図を表す地図情報のうち、前記第1範囲を含む表示情報を、所定の表示装置の表示領域に出力するための縮尺を算出することと、
前記位置情報、前記範囲情報および前記縮尺に基づいて、前記第1範囲における前記位置の前記分布を表す前記表示情報を出力することと、
を含む
位置情報表示プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は位置情報表示方法、位置情報表示システムおよび位置情報表示プログラムに関し、例えば、農作業を行う複数の作業装置のそれぞれの位置の表示に好適に利用できるものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1(特許第6739385号公報)には、農作業を行う複数の作業装置のそれぞれの位置を、遠隔で取得し、地図上にプロットし、モニターに表示する技術が開示されている。
【0003】
これら複数の作業装置が、広範囲にわたって分布している場合に、この技術を用いて全ての作業装置を一覧表示するためには、表示する地図の範囲および/または縮尺を適宜に調節する操作を、使用者が行う必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記状況に鑑み、本開示は、複数の作業装置の位置情報を、より効率よく表示するための位置情報表示方法、位置情報表示システムおよび位置情報表示プログラムを提供することを目的の1つとする。その他の課題と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以下に、発明を実施するための形態で使用される番号・符号を用いて、課題を解決するための手段を説明する。これらの番号・符号は、特許請求の範囲の記載と発明を実施するための形態との対応関係の一例を示すために、参考として、括弧付きで付加されたものである。よって、括弧付きの記載により、特許請求の範囲は、限定的に解釈されるべきではない。
【0007】
一実施の形態によれば、位置情報表示方法は、複数の作業装置(2)のそれぞれの位置を表す位置情報を取得すること(S01)と、それぞれの位置が所定の地図の上に分布する第1範囲を表す範囲情報を生成すること(S02)とを含む。位置情報表示方法は、さらに、地図を表す地図情報のうち、第1範囲を含む表示情報を、所定の表示装置(61)の表示領域(62A)に出力するための縮尺を算出すること(S03)を含む。位置情報表示方法は、さらに、位置情報、範囲情報および縮尺に基づいて、第1範囲における位置の分布を表す表示情報を出力すること(S05)を含む。
【0008】
一実施の形態によれば、位置情報表示システム(1)は、取得部(511)と、算出部(512)と、出力部(513)とを備える。取得部(511)は、複数の作業装置(2)のそれぞれの位置を表す位置情報を取得する。算出部(512)は、それぞれの位置が所定の地図の上に分布する第1範囲を表す範囲情報を生成し、地図を表す地図情報のうち、第1範囲を含む表示情報を、所定の表示装置(61)の表示領域(62A)に出力するための縮尺を算出する。出力部(513)は、位置情報、前記範囲情報および前記縮尺に基づいて、前記第1範囲における前記位置の前記分布を表す前記表示情報を出力する。
【0009】
一実施の形態によれば、位置情報表示プログラムは、演算装置(51)に実行させることによって所定の処理を実現するための位置情報表示プログラムである。この処理は、複数の作業装置(2)のそれぞれの位置を表す位置情報を取得すること(S01)と、それぞれの位置が所定の地図の上に分布する第1範囲を表す範囲情報を生成すること(S02)とを含む。この処理は、さらに、地図を表す地図情報のうち、第1範囲を含む表示情報を、所定の表示装置(61)の表示領域(61A)に出力するための縮尺を算出すること(S03)を含む。この処理は、さらに、位置情報、範囲情報および縮尺に基づいて、第1範囲における位置の分布を表す表示情報を出力すること(S05)を含む。
【発明の効果】
【0010】
一実施の形態によれば、複数の作業装置の位置情報を、より効率よく表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、一実施形態による位置情報表示システムの一構成例を示す図である。
【
図2】
図2は、一実施形態による位置情報表示装置の一構成例を示す図である。
【
図3】
図3は、一実施形態による位置情報表示方法の処理の一例を示すフローチャートである。
【
図4】
図4は、関連技術による位置情報表示方法で表示される表示情報の一例を示す図である。
【
図5】
図5は、関連技術による位置情報表示方法で表示される表示情報の一例を示す図である。
【
図6】
図6は、関連技術による位置情報表示方法で、
図5の表示情報を別の縮尺で表示した場合の表示情報の一例を示す図である。
【
図7】
図7は、一実施形態による位置情報表示方法で表示される表示情報の一例を示す図である。
【
図8】
図8は、一実施形態による位置情報表示方法で、
図7の表示情報を別の縮尺で表示した場合の表示情報の一例を示す図である。
【
図9】
図9は、一実施形態による外部端末の一構成例を示す図である。
【
図10】
図10は、一実施形態による位置情報表示方法で表示される表示情報の一例を示す図である。
【
図11】
図11は、一実施形態による位置情報表示方法で、
図10の表示情報を別の縮尺で表示した場合の表示情報の一例を示す図である。
【
図12】
図12は、一実施形態による位置情報表示方法で表示される表示情報の一例を示す図である。
【
図13】
図13は、一実施形態による位置情報表示方法で、
図12の表示情報を別の縮尺で表示した場合の表示情報の一例を示す図である。
【
図14】
図14は、一実施形態による位置情報表示方法で、
図13の表示情報を別の縮尺で表示した場合の表示情報の一例を示す図である。
【
図15】
図15は、一実施形態による位置情報表示方法で表示される表示情報の一例を示す図である。
【
図16】
図16は、一実施形態による位置情報表示方法で、
図15の表示情報を別の縮尺で表示した場合の表示情報の一例を示す図である。
【
図17】
図17は、一実施形態による位置情報表示方法で、
図16の表示情報を別の縮尺で表示した場合の表示情報の一例を示す図である。
【
図18】
図18は、一実施形態による算出部の一構成例を示す図である。
【
図19】
図19は、一実施形態による位置情報表示方法の処理の一構成例を示すフローチャートである。
【
図20】
図20は、一実施形態による位置情報表示方法で表示される表示情報の一例を示す図である。
【
図21】
図21は、一実施形態による位置情報表示方法で表示される表示情報の一例を示す図である。
【
図22】
図22は、一実施形態による位置情報表示方法で表示される表示情報の一例を示す図である。
【
図23】
図23は、一実施形態による位置情報表示方法で表示される表示情報の一例を示す図である。
【
図24】
図24は、一実施形態による位置情報表示方法で表示される表示情報の一例を示す図である。
【
図25】
図25は、一実施形態による位置情報表示方法で表示される表示情報の一例を示す図である。
【
図26】
図26は、一実施形態による位置情報表示方法で表示される表示情報の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
添付図面を参照して、本開示による位置情報表示方法、位置情報表示システムおよび位置情報表示プログラムを実施するための形態を以下に説明する。
【0013】
(第1の実施形態)
図1に示すように、一実施形態による位置情報表示システム1は、作業装置2に搭載された搭載端末3と、位置情報表示装置5とを含む。位置情報表示システム1は、外部端末6をさらに含んでもよい。一例として、外部端末6は、スマートフォンやタブレット端末などを含んでもよい。
【0014】
作業装置2は、圃場9で地上を移動しながら農作業を行うトラクターやコンバイン、野菜収穫機、田植機、移植機、播種機、スプレーヤ、搬送台車、トラックなどの作業車両を含む。作業装置2は、さらに、圃場9の上方を飛行しながら農作業を行うドローンなどを含んでもよい。
【0015】
搭載端末3と、位置情報表示装置5と、外部端末6とは、ネットワーク4を介した無線通信および/または有線通信によって各種情報の送受信を行う。一例として、搭載端末3は、作業装置2が圃場9内で移動しながら作業したときに通過した複数の地点の位置をGNSS(Global Navigation Satellite System:全地球航法衛星システム)などで測定した位置情報を、ネットワーク4を介して、位置情報表示装置5へ送信する。位置情報表示装置5は、受信した位置情報を記録する。記録された位置情報は、作業装置2が圃場9の外側を移動したときに通過した複数の位置と、作業装置2が圃場9で作業を行いながら移動したときに通過した複数の位置と、作業装置2が現在存在する現在位置とのうち、一部またはすべてを含んでよい。外部端末6は、位置情報表示装置5が記録した作業装置2の位置情報を表す表示情報を、ネットワーク4を介して受信して出力する。
【0016】
図2に示すように、一実施の形態による位置情報表示装置5は、いわゆるコンピュータとして構成されてもよい。
図2の例において、位置情報表示装置5は、バス50と、演算装置51と、記憶装置52と、通信装置53と、入出力装置54とを備える。バス50は、演算装置51、記憶装置52、通信装置53および入出力装置54を、互いに通信可能に接続するように構成されている。
【0017】
演算装置51は、取得部511と、算出部512と、出力部513と、入力部514とを備える。記憶装置52は、プログラム記憶部521と、地図情報記憶部522とを備える。プログラム記憶部521は、位置情報表示プログラムを記憶する。
【0018】
演算装置51は、位置情報表示プログラムを読み出して実行することによって、取得部511、算出部512、出力部513および入力部514のそれぞれの機能を実現する。取得部511、算出部512、出力部513および入力部514のそれぞれは、演算装置51および記憶装置52が協働して実現する処理を実行する仮想的な機能ブロックである。取得部511は、搭載端末3が送信する位置情報を取得する。算出部512は、位置情報が分布する範囲を表す範囲情報を生成し、地図情報のうち、該範囲を表示装置に表示するための縮尺を算出する。出力部513は、位置情報の分布を表す表示情報を出力する。入力部514は、使用者による操作を受け付ける。これらの機能ブロックのより具体的な処理については、後述する。
【0019】
位置情報表示プログラムは、外部の記録媒体520から読み出されてプログラム記憶部521に格納されてもよい。記録媒体520は、非一時的で有形の媒体(non-transitory and tangible media)であってもよい。
【0020】
通信装置53は、ネットワーク4を介する無線通信および/または有線通信により、搭載端末3および/または外部端末6を含む外部の装置との通信を行う。
【0021】
入出力装置54は、使用者に情報を出力し、使用者が入力する操作を受け付ける。一例として、入出力装置54は、画像を出力する表示装置、入力を受け付けるキーボードおよび/またはマウスなどを含む。
【0022】
一例として、外部端末6も、演算装置と、記憶装置と、通信装置と、入出力装置とを備えてもよい。入出力装置は、画像を出力する表示装置と、タッチ操作による入力を受け付けるタッチパッドとを一体化したタッチパネルを備えてもよい。
【0023】
図3のフローチャートを参照して、一実施形態による位置情報表示方法の処理の一例について説明する。位置情報表示方法の処理は、位置情報表示装置5が起動するときに開始してもよい。このとき、位置情報表示装置5の演算装置51が位置情報表示プログラムを実行することによって、位置情報表示方法の処理が実現される。
【0024】
図3のフローチャートが開始すると、ステップS01が実行される。ステップS01において、
図2の取得部511が、搭載端末3が送信する位置情報を取得する。ここで、搭載端末3は、作業装置2が通過した複数の地点の位置をGNSSなどによって測定し、このようにして得られた位置情報を位置情報表示装置5へ送信してもよい。また、取得部511は、複数の搭載端末3から、これら複数の搭載端末3がそれぞれ搭載された複数の作業装置2の位置情報を取得してもよい。取得部511は、取得した位置情報を、記憶装置52に格納する。作業装置2の位置の測定が行われた地点を、測位点と呼ぶ。位置情報は、それぞれの測位点の位置を表す測位情報を、位置の測定が行われた測位時刻に対応付けて含んでもよい。測位情報は、測位点の緯度および経度を含んでもよいし、測位点の高度をさらに含んでもよい。
【0025】
図3のステップS01の後、ステップS02が実行される。ステップS02において、
図2の算出部512が、複数の作業装置2の測位点が分布する範囲を表す範囲情報を生成する。この範囲は、複数の作業装置2が存在する地域の地図を基準として決定してもよい。基準となる地図を表す地図情報は、
図2の地図情報記憶部522に予め格納されていてもよい。地図情報は、記録媒体520から読み出されて地図情報記憶部522に格納されてもよいし、通信装置53がネットワーク4を介して受信されて地図情報記憶部522に格納されてもよい。
【0026】
図3のステップS02の後、ステップS03が実行される。ステップS03において、
図2の算出部512が、地図情報のうち、ステップS02で生成した範囲情報が表す範囲を含む表示情報を、所定の表示装置の表示領域に出力するための縮尺を算出する。
【0027】
図3のステップS03の後、ステップS04が実行される。ステップS04において、
図2の算出部512が、
図3のステップS01で取得した位置情報と、ステップS02で生成した範囲情報と、ステップS03で算出した縮尺とに基づいて、表示情報を生成する。より詳細には、算出部512は、該範囲に含まれる地図と、作業装置2の位置を表すアイコンとを重ね合わせることによって、表示情報を生成してもよい。ここで、算出部512は、アイコンを、地図において作業装置2の位置が対応する場所に配置してもよい。
【0028】
図3のステップS04の後、ステップS05が実行される。ステップS05において、
図2の出力部513が、
図3のステップS04で生成された表示情報を出力する。より詳細には、
図2の出力部513は、通信装置53を制御して、ネットワーク4を介して表示情報を
図1の外部端末6へ送信する。外部端末6は、受信した表示情報を、表示装置または表示装置として機能するタッチパネルで表示する。
【0029】
図3のステップS05の後、ステップS06が実行される。ステップS06において、
図2の入力部514が、使用者によって入力操作がされたか否かを判定する。一例として、使用者は、
図1の外部端末6を操作して、外部端末6に表示される表示情報を変更するための指示や、位置情報を表示する処理を終了するための指示などを入力する。使用者が外部端末6に入力操作を行うと、外部端末6は、使用者による入力操作の内容を表す指示情報を、ネットワーク4を介して位置情報表示装置5へ送信する。位置情報表示装置5の通信装置53は、ネットワーク4を介して外部端末6からの指示情報を受信すると、使用者による入力操作が検出されたことを表す検出信号を入力部514へ送信する。入力部514は、通信装置53からの検出信号を受信すると、使用者によって入力操作がされたと判定する。反対に、入力部514は、通信装置53からの検出信号を受信していないとき、使用者による入力操作はされていないと判定する。
【0030】
図3のステップS06における判定の結果、入力操作がされていなかった場合(No)、処理はステップS06を繰り返す。言い換えれば、使用者による入力操作が検出されるまで、ステップS06の処理が繰り替えされる。
【0031】
図3のステップS06における判定の結果、入力操作がされていた場合(Yes)、処理はステップS07へ進む。ステップS07において、
図2の入力部514が、
図3のステップS06で検出された入力操作によって、位置情報を表示する処理の終了を指示されたか否かを判定する。
【0032】
図3のステップS07における判定の結果、入力操作の内容が、終了の指示とは別の指示であった場合(No)、処理はステップS02へ戻る。言い換えれば、処理の終了を指示する入力操作がされるまで、ステップS02~ステップS07が繰り返される。
【0033】
ステップS02が再度実行されるとき、
図2の算出部512は、入力指示に基づいて、前回とは異なる範囲情報を新たに生成してもよい。
図3のステップS03が再度実行されるとき、
図2の算出部512は、新たに生成された範囲情報および/または入力指示に基づいて、前回とは異なる縮尺を新たに算出してもよい。
図3のステップS04が再度実行されるとき、
図2の算出部512は、新たに生成された範囲情報、新たに算出された縮尺および/または入力指示に基づいて、前回とは異なる表示情報を生成してもよい。
図3のステップS05が再度実行されるとき、
図2の出力部513は、新たに生成された範囲情報、新たに算出された縮尺、新たに生成された表示情報および/または入力指示に基づいて、前回とは異なる表示情報を出力してもよい。
【0034】
図3のステップS07における判定の結果、入力操作の内容が終了の指示であった場合(Yes)、
図3のフローチャートに示した処理は終了する。
【0035】
本実施形態のより良い理解のために、まず、
図4、
図5、
図6を参照して、関連技術による位置情報表示方法で表示される表示情報の例について説明する。
【0036】
図4の例に示すように、監視対象である複数の作業装置2の現在位置P1C、P2C、P3C、移動開始時の初期位置P1S、P2S、移動経路T1、T2などが、いずれも、「ホーム」で示した使用者の位置P0から比較的近くに存在するとき、作業装置2の分布を、使用者が外部端末6で地図上に一覧表示して把握することは、比較的容易である。
【0037】
しかし、
図5の例に示すように、作業装置2が比較的広い範囲に分布しているとき、作業装置2の位置の分布を地図上に一覧表示するためには地図の縮尺を適宜に調節する必要がある。特に、使用者が外部端末6の操作を開始して最初に表示される初期表示において、縮尺の初期値によっては、
図6の例に示すように、監視対象である複数の作業装置2の一部または全てが地図上に表示されない事態も発生し得る。このような場合に、使用者が外部端末6を操作して、監視対象である全ての作業装置2を一覧表示するように表示範囲および/または縮尺を適切に調整することは、困難または煩雑である場合がある。その理由の一例として、使用者が全ての作業装置2の現在位置を正確に把握していないとき、使用者は全ての作業装置2を表示させるために表示範囲を必要以上に広げる操作を行い、その後、見やすさのために表示範囲を狭める操作を行うことが挙げられる。
【0038】
そこで、本実施形態では、初期表示に用いる縮尺の値を適切に算出することによって、使用者が表示範囲および/または縮尺を調整するための操作を行う必要性を抑制し、作業装置2の位置情報の表示をより効率よく行う。
【0039】
本実施形態では、
図3のステップS05を最初に実行するときに出力する表示情報が、
図7の例に示すように、監視対象である複数の作業装置2の位置P、PWの全てを含むように、ステップS03において縮尺を算出してもよい。もしくは、監視対象である複数の作業装置2のうち、現在稼働中の作業装置2の位置PWの全てを含むように、ステップS03において縮尺を算出してもよい。このとき、監視対象である作業装置2の稼働状態を区別できるように、すなわち、稼働中の作業装置2の位置PWと、稼働中ではない作業装置2の位置Pとを区別できるように、互いに異なるアイコンで表示してもよい。
【0040】
それぞれの作業装置2の稼働状態の判定は、例えば、位置情報に基づいて行うことができる。注目している作業装置2の位置情報のうち、測位時刻が連続する2つの測位点の位置の距離を、測位時間の時間間隔で除算することで、該測位点における作業装置2の車速が得られる。作業装置2の作業中の車速範囲と、作業をしていないときの車速範囲とが異なるとき、得られた車速がどちらの車速範囲に含まれるかに応じて、該測位点において作業装置2が作業中であったか否かを判定する。判定の結果に応じて、稼働状態にある作業装置2の位置情報が分布する範囲を抽出し、抽出した範囲を表す範囲情報を生成してもよい。
【0041】
また、本実施形態では、
図7に示すメニューM1を使用者が操作することによって、
図8の例に示すような、使用者が存在する「ホーム」の位置P0を容易に把握するための表示に切り替えてもよい。
図8は、表示情報を表示するための縮尺を、使用者が存在する「ホーム」の位置P0を容易に把握するための値に切り替えた場合の表示の例を表す。
【0042】
もくしは、上記の順番を逆にして、
図3のステップS05を最初に実行するときに出力する表示情報として、最初に
図8のようなホーム表示を行い、その後、
図8に示すメニューM1を使用者が操作することによって、
図7のような全体表示への切り替えを行ってもよい。さらなる変形例として、最初にホーム表示を行い、所定のウェイト時間の後、使用者によるメニューM1の操作を待たずに、ズームアウト処理による全体表示へのスムーズな移行を行ってもよい。これらの選択肢は、別のメニューを用いて使用者が予め選択してもよい。
【0043】
図9を参照して、
図3のステップS03で縮尺を算出する方法について説明する。
図9の例では、外部端末6の表示装置61のうち、一部を第1の表示領域62Aとして使用し、別の一部を第2の表示領域62Bとして使用する。一例として、第1の表示領域62Aには表示情報を出力し、第2の表示領域62Bには使用者が操作を行うメニュー画面を出力してもよい。メニュー画面は、第1の表示領域62Aに出力してもよい。
【0044】
第1の表示領域62Aに、中央に配置された主要範囲63と、その周囲に配置された周辺領域64とを配置する。主要範囲63は、地図のうち、表示したい全ての作業装置2の位置P、PWを含む最小限の領域を表示するための範囲である。周辺領域64は、主要範囲63の周りを囲むように配置され、主要範囲63の外周と、第1の表示領域62Aの外周との間に所定の閾値より長い距離を設けて、主要範囲63の端部の位置が地図上のどこに存在するかを、使用者が把握しやすくするための領域である。周辺領域64の外周の形状は、第1の表示領域62Aの形状と相似の関係にあるように設定される。表示情報を第1の表示領域62Aに表示するための縮尺は、地図のうち、主要範囲63と周辺領域64とを合わせた面積に対応する領域が第1の表示領域62Aの面積に対応するように算出される。
【0045】
以上に説明したように、本実施形態の位置情報表示方法、位置情報表示システム1および位置情報表示プログラムによれば、使用者が操作をしなくても、または使用者が簡単な操作を行うだけで、複数の作業装置2の位置情報を、より効率よく表示することができる。
【0046】
(第2の実施形態)
上述した第1の実施形態では、
図3のステップS02で範囲情報を生成するときに、地図のうち、作業装置2の位置が分布する範囲を表す範囲情報を生成する場合の構成例について説明した。本実施形態では、作業装置2が作業領域で行った作業の作業履歴を表す稼働データに基づいて範囲情報を生成する場合の構成例について説明する。
【0047】
一例として、作業装置2の稼働データは、作業装置2の位置を測定した測位点を、測位を行った測位時刻の順番につなげた移動軌跡および/または作業軌跡を表す情報を含む。別の一例として、作業装置2の稼働データは、作業装置2が作業を行った作業領域として、少なくとも作業エリア、作業畝、作業圃場のいずれかを表す情報を含む。
【0048】
本実施形態では、
図3のステップS05を最初に実行するときに出力する表示情報が、
図10の例に示すように、監視対象である複数の作業装置2が作業を行った作業領域WRの全てを含むように、ステップS03において縮尺を算出してもよい。
【0049】
また、本実施形態では、
図10に示すメニューM2を使用者が操作することによって、
図11の例に示すような、使用者が存在する「ホーム」の位置P0を容易に把握するための表示に切り替えてもよい。
図11は、表示情報を表示するための縮尺を、使用者が存在する「ホーム」の位置P0を容易に把握するための値に切り替えた場合の表示の例を表す。
【0050】
もくしは、上記の順番を逆にして、
図3のステップS05を最初に実行するときに出力する表示情報として、最初に
図11のようなホーム表示を行い、その後、
図11に示すメニューM2を使用者が操作することによって、
図10のような全体表示への切り替えを行ってもよい。さらなる変形例として、最初にホーム表示を行い、所定のウェイト時間の後、使用者によるメニューM2の操作を待たずに、ズームアウト処理による全体表示へのスムーズな移行を行ってもよい。これらの選択肢は、別のメニューを用いて使用者が予め選択してもよい。
【0051】
以上に説明したように、本実施形態の位置情報表示方法、位置情報表示システム1および位置情報表示プログラムによれば、使用者が操作をしなくても、または使用者が簡単な操作を行うだけで、複数の作業装置2が作業を行った作業領域を表す位置情報を、より効率よく表示することができる。
【0052】
(第3の実施形態)
本実施形態では、上記の各実施形態の、
図3のステップS05を最初に実行したときに表示情報を出力した後に、使用者の操作に応じて、使用者が指定する範囲の表示情報を出力する場合の構成例について説明する。
【0053】
一例として、
図12に示す表示情報が
図9の表示装置61に出力されている状態で、使用者は、
図3のステップS06において、
図12に示すメニューM3を操作し、第1の角部A11と第2の角部A12とを指定することで、角部A11、A12を結ぶ対角線を有する長方形の枠F1を指定する。その後、
図3のステップS05が次に実行されるときに、
図2の出力部513が、
図9の表示装置61が出力する表示情報を、
図13に示す表示情報に切り替えて出力する。
【0054】
より詳細には、
図1の外部端末6が、枠F1を表す指示情報を、ネットワーク4を介して位置情報表示装置5へ送信する。
図2の通信装置53は、ネットワーク4を介して外部端末6からの指示情報を受信すると、受信した指示情報を入力部514へ送信する。入力部514は、指示情報から枠F1を表す情報を検出する。
図3のステップS02~S04が再度実行された後、
図2の出力部513が、枠F1の範囲を含む表示情報を出力する。一例として、
図13に示す表示情報が、枠F1の範囲を含む表示情報として出力される。
【0055】
同様に、
図13に示す表示情報が
図9の表示装置61に出力されている状態で、使用者は、
図3のステップS06において、
図13に示すメニューM3を操作し、第3の角部A21と第4の角部A22とを指定することで、角部A21、A22を結ぶ対角線を有する長方形の枠F2を指定する。その後、
図3のステップS05が次に実行されるときに、
図2の出力部513が、
図9の表示装置61が出力する表示情報を、
図14に示す表示情報に切り替えて出力する。
【0056】
なお、
図12、
図13、
図14に示したメニューM3を使用者が操作することによって、枠F1、F2に含まれる作業装置2および/または作業領域の位置を含む範囲の、手動または自動による設定が切り替わる。手動切り替えの場合は、使用者が指定する枠F1、F2をそのまま表示範囲として設定してもよい。自動切り替えの場合は、使用者が指定する枠F1、F2に含まれる作業装置2および/または作業領域の位置を含む範囲の周囲に、所定の幅を有する周辺領域を追加した表示範囲が自動的に設定されてもよい。
【0057】
以上に説明したように、本実施形態の位置情報表示方法、位置情報表示システム1および位置情報表示プログラムによれば、使用者が簡単な操作を行うだけで、作業装置2および/または作業領域を表す位置情報を、より効率よく表示することができる。
【0058】
(第4の実施形態)
上記の各実施形態では、複数の作業装置2または複数の作業領域WRを含む範囲を表示するための適切な縮尺を算出し、このように算出した縮尺に基づいて表示情報を生成する場合の構成例について説明した。本実施形態では、注目する1つの作業装置2が作業中に移動した移動軌跡を含む範囲を表示するための適切な縮尺を算出し、このように算出した縮尺に基づいて表示情報を生成する場合の構成例について説明する。
【0059】
図15の例に示すように、使用者は、
図9に例示した外部端末6を操作して、第1の表示領域62Aに第1画像I1および第2画像I2を分割表示させてもよい。
図15の例では、第2の表示領域62Bに表示したメニューM6に、複数の作業装置2にそれぞれ対応する複数のアイコン21が描かれている。ここで、使用者が、複数のアイコン21のうち、注目する作業装置2のアイコン21を選択する操作を行うと、第1画像I1に、選択されたアイコン21に対応する作業装置2が作業中に移動した作業経路TW1と、作業以外で移動した移動経路T3とが表示される。第1画像I1には、さらに、メニューM4、M5が表示されてもよい。
図15の例では、使用者は、メニューM4を操作することによって、第1画像I1に注目している作業装置2が作業経路TW1および/または移動経路T3を移動した日時を設定する。また、
図15の例では、使用者は、メニューM5を操作することによって、作業経路TW1および/または移動経路T3、圃場9、各種の作業装置2、などの表示および非表示を切り替える。一例として、これらの操作は
図3のステップS06で検出され、この操作に応じた表示への切り替えはその後に再度実行されるステップS05で行われてもよい。
【0060】
切り替え後の表示の一例として、
図16に示すように、作業装置2の位置P、作業経路TW1および移動経路T3を最低限含む範囲と、この範囲の周囲に配置されて最小限の幅を有する周辺領域とを含む表示情報を、
図3のステップS04で生成し、ステップS05で出力してもよい。
【0061】
切り替え後の表示の別の一例として、
図17に示すように、作業装置2の位置P、作業経路TW1および移動経路T3を最低限含む範囲と、この範囲の周囲に配置されて作業経路TW1の中心が表示領域の中心に配置されるように形成された周辺領域とを含む表示情報を、
図3のステップS04で生成し、ステップS05で出力してもよい。ここで、作業経路TW1の中心は、作業経路TW1の凸包または凹包として算出されるポリゴンの重心であってもよい。
【0062】
以上に説明したように、各実施形態の位置情報表示方法、位置情報表示システム1および位置情報表示プログラムによれば、使用者が操作をしなくても、または使用者が簡単な操作を行うだけで、複数の作業装置2の位置情報を、より効率よく表示することができる。
【0063】
(変形例)
上記の各実施形態では、注目している測位点において作業装置2が作業中であったか否かを、作業装置2の車速に基づいて判定する場合の構成例について説明した。この構成例の変形例として、作業装置2の車速または位置情報とは別の情報に基づいて、作業装置2が作業中であったか否かを判定してもよい。
【0064】
一例として、作業装置2が作業部駆動センサを備える場合は、作業部駆動センサがオン状態であるときに作業装置2は作業中であると判定してもよい。作業部駆動センサの状態を表す信号は、位置情報と共に
図1の搭載端末3から位置情報表示装置5へ送信されてもよい。作業部駆動センサの状態を表す信号は、例えば、刈り取り/脱穀クラッチの状態、植え付けクラッチの状態、PTO(Power Take Off:パワーテイクオフ)の回転数、作業機の昇降状態(昇降高さやリフト角度)、エンジン負荷率などを表す。別のセンサの例として、作業装置2が加速度センサ、振動センサ、その他の後付けセンサなどを備える場合は、これらのセンサが検知した結果を表す信号に基づいて作業装置2が作業中であるか否かを判定してもよい。
【0065】
別の一例として、作業装置2が、特定の車両と並走しているときに、作業装置2は作業中であると判定してもよい。このような車両の組み合わせとして、例えば、作業装置2としての収穫機と、収穫機と並走するトラックまたはトラクタワゴンの組み合わせがある。このような場合には、作業装置2としての収穫機の位置情報と、並走する車両の位置情報とを照らし合わせることで、作業装置2と特定車両とが並走していたか否かを検出する。
【0066】
さらに別の一例として、作業装置2の状態を、CAN(Controller Area Network:コントローラエリアネットワーク)に接続された装置や、その他の装置などを用いて検出し、検出した状態を表す信号を位置情報とともに搭載端末3から位置情報表示装置5へ送信してもよい。このような場合には、作業装置2の状態を検出した結果に基づいて、作業装置2が作業中であった期間を判定する。
【0067】
(第5の実施形態)
上記の各実施形態では、表示装置61に1つの表示領域62Aを設定し、該表示領域62Aに1つの表示情報を出力する構成について説明した。本実施形態では、この構成の変形例として、表示装置61に複数の部分表示領域を設定し、該複数の部分表示領域に複数の表示情報をそれぞれ出力する場合の構成例について説明する。
【0068】
本実施形態による位置情報表示装置5は、
図2に示した第1の実施形態による位置情報表示装置5に、以下の変更を加えることで得られる。すなわち、
図18に示すように、算出部512は、クラスタリング部515と、表示領域設定部516と、範囲情報生成部517とを備える。クラスタリング部515、表示領域設定部516および範囲情報生成部517は、それぞれ、演算装置51および記憶装置52が協働して実現する処理を実行する仮想的な機能ブロックである。クラスタリング部515は、複数の作業装置2を、所定の条件に基づいて複数のクラスタに分類するクラスタリングを行う。表示領域設定部516は、クラスタリングの結果に基づいて、複数のクラスタのそれぞれに対応する複数の部分表示領域の表示装置61における配置を設定する。範囲情報生成部517は、複数の部分表示領域に表示する作業装置2の位置情報が分布する範囲を表す複数の範囲情報を生成する。クラスタリング部515、表示領域設定部516および範囲情報生成部517の詳細については、後述する。
【0069】
本実施形態による位置情報表示方法の処理は、
図3のフローチャートに示した第1の実施形態による位置情報表示方法の処理に、以下の変更を加えることで得られる。すなわち、
図19に示すように、
図3のステップS02は、ステップS21と、ステップS22と、ステップS23とを含む。
図19のステップS21において、
図18のクラスタリング部515が、作業装置2をクラスタリングする。
図19のステップS22において、
図18の表示領域設定部516が、複数の部分表示領域を設定する。
図19のステップS23において、
図18の範囲情報生成部517が、それぞれの範囲情報を生成する。
図19のステップS21、ステップS22およびステップS23の詳細については、後述する。
【0070】
図19のステップS21において
図18のクラスタリング部515が行う作業装置2のクラスタリングについて説明する。
図3のステップS01の後にステップS02が実行されるとき、まず、
図19のステップS21が実行される。クラスタリングとは、複数のデータを、それぞれのデータの類似度に基づいて複数のクラスタに分類する処理である。本実施形態では、複数の作業装置2を、それぞれの位置に基づいて、複数のクラスタに分類する処理を、作業装置2のクラスタリングと呼ぶ。
【0071】
より具体的には、作業装置2のクラスタリングは、比較的近くに位置する2つの作業装置2を同じクラスタに分類し、比較的遠くに位置する2つの作業装置2を異なるクラスタに分類する処理である。一例として、「k-means」と呼ばれる処理によって、分類先のクラスタの総数を事前に決定して、全ての作業装置2をいずれかのクラスタに分類してもよい。別の一例として、「X-means」と呼ばれる処理または「DB-Scan」と呼ばれる処理によって、分類先のクラスタの総数を自動的に最適化しながら、全ての作業装置2をいずれかのクラスタに分類してもよい。いずれの場合も、
図18のクラスタリング部515は、2つの作業装置2の間の距離を元にクラスタを分類する基準として用いる閾値を、
図19のステップS21でクラスタリングの処理を実行する間に適宜に決定してもよい。一例として、2つの作業装置2の間の距離が閾値より短いとき、該2つの作業装置を同一のクラスタに分類し、該距離が該閾値以上であるとき、該2つの作業装置を異なるクラスタに分類してもよい。その結果、
図18のクラスタリング部515は、複数の作業装置2を、それぞれが位置する地域ごとまたはエリアごとに、複数のクラスタに適宜に分類することができる。なお、クラスタリングの後、同一のクラスタに分類した作業装置2のそれぞれの位置を含む部分表示領域の範囲を求めるが、該部分表示領域は実質的に該クラスタに含まれる作業装置2のそれぞれが作業を行った作業領域を含むので、ステップS21におけるクラスタリングの処理は、作業装置2の作業領域を対象として行ってもよい。
【0072】
図19のステップS21の後、ステップS22が実行される。ステップS22において
図18の表示領域設定部516が複数の部分表示領域を設定することについて説明する。表示領域設定部516は、
図19のステップS21で複数の作業装置2がクラスタリングされた複数のクラスタのそれぞれについて、部分表示領域を設定する。より具体的には、それぞれのクラスタに分類された作業装置2の位置が地図の上に分布する範囲を表示するための部分表示領域の、表示装置61における配置を、それぞれのクラスタに分類された作業装置2の位置情報に基づいて設定する。一例として、全てのクラスタを表示装置61で同時に表示する場合、表示領域設定部516は、クラスタの総数と同じ総数の部分表示領域について、表示装置61における配置を設定してもよい。別の一例として、
図19のステップS21で決定された複数のクラスタのうち、一部のクラスタだけ表示装置61で同時に表示する場合、表示領域設定部516は、表示対象であるクラスタの総数と同じ総数の部分表示領域について、表示装置61における配置を設定してもよい。いずれの場合も、表示領域設定部516は、複数の部分表示領域の1つとして、
図19のステップS21におけるクラスタリング処理の対象に含まれる全ての作業装置2を表示する全体表示領域の、表示装置61における配置をさらに設定してもよい。
【0073】
図19のステップS22の後、ステップS23が実行される。ステップS23において
図18の範囲情報生成部517がそれぞれの範囲情報を生成することについて説明する。範囲情報生成部517は、
図19のステップS21で決定された複数のクラスタのそれぞれについて、
図3のステップS02と同じ処理を行って、該複数のクラスタのそれぞれに対応する複数の範囲情報を生成する。なお、
図18の範囲情報生成部517は、
図19のステップS22で表示装置61における配置を決定した全体表示領域に対応する範囲情報をさらに生成してもよい。
【0074】
図19のステップS23の後、
図3のステップS03、ステップS04およびステップS05が、第1の実施形態~第4の実施形態の場合と同様に実行される。ただし、
図3のステップS03において、
図2の算出部512は、複数の部分表示領域および全体表示領域のそれぞれについて縮尺を算出する。また、
図3のステップS04において、
図2の算出部512は、複数の部分表示領域および全体表示領域のそれぞれについて表示情報を生成する。また、
図3のステップS05において、
図2の出力部513は、複数の部分表示領域および全体表示領域のそれぞれについて表示情報を出力する。
【0075】
一例として、
図3のステップS05において、
図2の出力部513は、
図20に示すように、全体表示領域および複数の部分表示領域を出力してもよい。
図20の例では、表示領域62Aの内側に、複数の部分表示領域63A、63B、63Cおよび63Dが、左上、右上、左下および右下にそれぞれ配置されている。ここで、部分表示領域63Bでは、第1クラスタに含まれる作業装置2の位置の分布を、丸いアイコンで地図上に表示している。同様に、部分表示領域63Cでは、第2クラスタに含まれる作業装置2の位置の分布を、正方形のアイコンで地図上に表示している。また、部分表示領域63Dでは、第3クラスタに含まれる作業装置2の位置の分布を、正三角形のアイコンで地図上に表示している。さらに、部分表示領域63Aでは、全ての作業装置2の位置の分布を、部分表示領域63B、63Cおよび63Dでの表示に用いたのと同じアイコンで、地図上に表示している。ここで、部分表示領域63A、63B、63Cおよび63Dの縮尺としてそれぞれの最適値が適用されており、必ずしも同一ではないことに注目されたい。なお、
図20の例では、異なるクラスタに含まれる作業装置2を区別するために、形状が異なるアイコンを用いたが、これは一例にすぎず、本実施形態を限定しない。別の例として、色や大きさなどが異なるアイコンを用いてもよいし、文字や数字を用いてもよい。
【0076】
別の一例として、
図3のステップS05において、
図2の出力部513は、
図21に示すように、全体表示領域および複数の部分表示領域を出力してもよい。
図21の例は、
図20の例に、以下の変更を加えたものである。すなわち、部分表示領域63Bの枠線の線種を破線にし、部分表示領域63Aの地図上に、部分表示領域63Bに表示される範囲を表す枠65Bを、部分表示領域63Bの枠線と同じ線種で示す。同様に、部分表示領域63Cの枠線の線種を一点鎖線にし、部分表示領域63Aの地図上に、部分表示領域63Cに表示される範囲を表す枠65Cを、部分表示領域63Cの枠線と同じ線種で示す。また、部分表示領域63Dの枠線の線種を二点鎖線にし、部分表示領域63Aの地図上に、部分表示領域63Dに表示される範囲を表す枠65Dを、部分表示領域63Dの枠線と同じ線種で示す。なお、
図21の例では、異なる範囲を区別するために、線種が異なる枠65B、65C、65Dを用いたが、これは一例にすぎず、本実施形態を限定しない。別の例として、色や太さが異なる枠を用いてもよい。また、
図3のステップS06において、使用者が、
図2の入出力装置54を介して枠65B、65C、65Dの位置および/またはサイズを操作することによって、部分表示領域63B、63C、63Dに表示される範囲を変更してもよい。
【0077】
別の一例として、
図3のステップS05において、
図2の出力部513は、
図22に示すように、全体表示領域および複数の部分表示領域を出力してもよい。
図22の例は、
図20の例に、以下の変更を加えたものである。すなわち、全体表示領域としての部分表示領域63Aを、表示領域62Aの左半分に配置し、残る部分表示領域63B、63Cおよび63Dを、表示領域62Aの右半分に、縦方向に並べて配置する。一例として、部分表示領域63B、63Cおよび63Dの配置は、表示される範囲の緯度および/または経度の値に基づいて決定してもよい。なお、
図22における部分表示領域63A、63B、63Cおよび63Dの配置は一例にすぎず、本実施形態を限定しない。
【0078】
別の一例として、
図3のステップS05において、
図2の出力部513は、
図23に示すように、全体表示領域および複数の部分表示領域を出力してもよい。
図23の例は、
図20の例に、以下の変更を加えたものである。すなわち、全体表示領域としての部分表示領域63Aには、第1のクラスタに含まれる作業装置2の位置が丸いアイコンで示されており、第2のクラスタに含まれる作業装置2の位置が正方形のアイコンで示されており、第3のクラスタに含まれる作業装置2の位置が正三角形のアイコンで示されており、さらに、第4のクラスタに含まれる作業装置2の位置が正五角形のアイコン66で示されている。これらのクラスタのうち、第1のクラスタは部分表示領域63Bに表示されており、第2のクラスタは部分表示領域63Cに表示されており、第3のクラスタは部分表示領域63Dに表示されているが、第4のクラスタを表示する部分表示領域は無い。このように、
図23の例では、クラスタの総数と、全体表示領域以外の部分表示領域63B、63Cおよび63Dの総数とが一致していない。このような表示は、上述したように、
図19のステップS22において、
図18の表示領域設定部516が、クラスタの総数と、全体表示領域以外の部分表示領域63B、63Cおよび63Dの総数とを一致させなかった場合に発生し得る。一例として、複数のクラスタのうち、部分表示領域63B、63C、63Dにそれぞれ表示するクラスタを選択する基準は、それぞれのクラスタに含まれる作業装置2の総数が多い順であってもよい。
【0079】
別の一例として、
図3のステップS05において、
図2の出力部513は、
図24に示すように、全体表示領域および1つの部分表示領域を出力してもよい。
図24の例は、
図23の例に、以下の変更を加えたものである。すなわち、表示領域62Aに加えて表示領域62Bを配置し、全体表示領域としての部分表示領域63Aを表示領域62Aの左半分に配置し、1つの部分表示領域63Bを表示領域62Aの右半分に配置する。表示領域62Bには、各クラスタに含まれる作業装置2の位置を示すアイコンの凡例と、部分表示領域63Bに表示するクラスタを使用者が切り替えるために操作するメニュー画面とを表示する。使用者による入力操作は、
図3のステップS06において検出されて、その結果として、
図3のステップS02~S05の処理が再度実行されることによって表示情報が更新されてもよい。
【0080】
別の一例として、
図3のステップS05において、
図2の出力部513が部分表示領域を出力した後、
図3のステップS06において使用者による入力操作が検出され、
図3のステップS02の処理が再度実行されるときに、
図19のステップS21における作業装置2のクラスタリング処理も再度実行されてもよい。このとき、
図3のステップS06において使用者がクラスタリングの条件を変更する操作を行った場合は、その後に実行される
図3のステップS05において部分表示領域が出力される表示情報が変更されてもよい。例えば、
図3のステップS06において使用者がクラスタリングの条件を変更する操作を行うことによって、
図25に示す部分表示領域63Bのうち、枠67の範囲が、
図26に示す部分表示領域63Bとなるように変更されてもよい。
図25および
図26の例では、クラスタリングの条件が変更された結果、位置の分布が表示される作業装置2の総数が変更されて、部分表示領域63Bに表示される範囲も変更されている。一例として、使用者は、階層的なクラスタリング条件を設定した後、クラスタリング条件をドリルダウンすることによって、クラスタに含まれる作業装置2を段階的に増減する操作を行ってもよい。なお、使用者は、過去に利用したクラスタリング条件を予めお気に入りとして登録しておき、
図3のステップS06において登録済みのクラスタリング条件を読み出して設定してもよい。
【0081】
(変形例)
上述した第5の実施形態において、作業装置2のクラスタリングを、作業装置2の間の距離を基準に用いる場合の構成について説明した。この構成の変形例として、作業装置2のクラスタリングは、作業装置2が位置する都道府県や市町村などの行政区分け、チームの担当範囲、作業装置2が登録されている組織やチームなどの所属、などに基づいて行われてもよい。
【0082】
(変形例)
上述した第5の実施形態において、部分表示領域63Aとして全体表示領域を表示する場合の構成について説明した。この構成の変形例として、全体表示領域の表示を省略してもよい。この場合は、全ての部分表示領域63A、63B、63C、63Dがいずれかのクラスタに含まれる作業装置2の位置の分布を表示してもよい。
【0083】
以上、発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。また、実施の形態に説明したそれぞれの特徴は、技術的に矛盾しない範囲で自由に組み合わせることが可能である。
【0084】
(付記)
各実施の形態で記載した位置情報表示方法、位置情報表示システム1および位置情報表示プログラムは、以下のように言うことができる。
【0085】
第1の態様に係る位置情報表示方法は、
複数の作業装置のそれぞれの位置を表す位置情報を取得することと、
前記それぞれの位置が所定の地図の上に分布する第1範囲を表す範囲情報を生成することと、
前記地図を表す地図情報のうち、前記第1範囲を含む表示情報を、所定の表示装置の表示領域に出力するための縮尺を算出することと、
前記位置情報、前記範囲情報および前記縮尺に基づいて、前記第1範囲における前記位置の前記分布を表す前記表示情報を出力することと、
を含む。
【0086】
第2の態様に係る位置情報表示方法は、第1の態様に係る位置情報表示方法であって、
前記範囲情報を生成することは、
前記地図に含まれる第2範囲のうち、所定の条件を満たす条件範囲を、前記第1範囲として抽出すること
を含み、
前記条件は、それぞれに移動する前記複数の作業装置の前記位置に基づいて設定される。
【0087】
第3の態様に係る位置情報表示方法は、第2の態様に係る位置情報表示方法であって、
前記縮尺を算出することは、
前記第1範囲の周りを囲むように配置され、前記表示領域のいずれの端部から前記第1範囲までの距離が所定の閾値より長く、かつ、外周形状が前記表示領域の形状と相似の関係にある第3範囲を含む前記表示情報を、前記表示領域に出力できるように、前記縮尺を算出すること
を含む。
【0088】
第4の態様に係る位置情報表示方法は、第2または第3の態様に係る位置情報表示方法であって、
前記複数の作業装置のそれぞれの稼働状態を表す稼働情報を取得すること
をさらに含み、
前記範囲情報を生成することは、
前記複数の作業装置のうち、前記稼働状態が所定の第1条件を満たす作業装置の前記位置が前記地図の上に分布する第1条件範囲を、前記第1範囲として抽出すること
を含む。
【0089】
第5の態様に係る位置情報表示方法は、第4の態様に係る位置情報表示方法であって、
前記第1条件は、前記作業装置の前記稼働状態が作業中にあるときに満たされる。
【0090】
第6の態様に係る位置情報表示方法は、第2または第3の態様に係る位置情報表示方法であって、
前記範囲情報を生成することは、
前記第2範囲のうち、前記複数の作業装置が作業を行った作業領域が分布する範囲を、前記第1範囲として抽出すること
を含む。
【0091】
第7の態様に係る位置情報表示方法は、第2または第3の態様に係る位置情報表示方法であって、
前記範囲情報を生成することは、
前記第2範囲のうち、外部から入力された入力範囲情報が表す入力範囲を、前記第1範囲として抽出すること
を含む。
【0092】
第8の態様に係る位置情報表示方法は、第2または第3の態様に係る位置情報表示方法であって、
前記範囲情報を生成することは、
前記複数の作業装置のうち、所定の作業装置の前記位置情報に基づいて、前記所定の作業装置が移動した軌跡を表す軌跡情報を生成することと、
前記第2範囲のうち、前記軌跡と、前記所定の作業装置の位置とを含む範囲を、前記第1範囲として抽出することと、
を含む
位置情報表示方法。
【0093】
第9の態様に係る位置情報表示方法は、第1の態様に係る位置情報表示方法であって、
前記算出することは、
前記複数の作業装置を、所定のクラスタリング条件に基づいて、複数のクラスタにクラスタリングすることと、
前記複数のクラスタのそれぞれについて、クラスタリングされた前記複数の作業装置の前記位置が分布する範囲を表す前記範囲情報を出力する部分表示領域を前記表示領域に設定することと、
前記複数のクラスタのそれぞれについて、クラスタリングされた前記複数の作業装置の前記範囲情報を生成することと、
を含む。
【0094】
第10の態様に係る位置情報表示方法は、第9の態様に係る位置情報表示方法であって、
前記出力することは、
前記複数のクラスタのそれぞれについて、クラスタリングされた前記複数の作業装置の前記位置情報、前記範囲情報および前記縮尺に基づいて、前記範囲を含む前記表示情報を、前記分割表示領域に出力すること
を含む。
【0095】
第11の態様に係る位置情報表示方法は、第9の態様に係る位置情報表示方法であって、
前記クラスタリング条件は、
前記複数の作業装置のうち、第1の作業装置と第2の作業装置との距離が所定の閾値より短いとき、前記第1の作業装置と前記第2の作業装置とを、前記複数のクラスタのうち、同一のクラスタにクラスタリングすることと、
前記距離が前記所定の閾値以上であるとき、前記第1の作業装置と前記第2の作業装置とを、前記複数のクラスタのうち、異なるのクラスタにクラスタリングすることと、
を含む。
【0096】
第12の態様に係る位置情報表示システムは、
複数の作業装置のそれぞれの位置を表す位置情報を取得する取得部と、
前記それぞれの位置が所定の地図の上に分布する第1範囲を表す範囲情報を生成し、前記地図を表す地図情報のうち、前記第1範囲を含む表示情報を、所定の表示装置の表示領域に出力するための縮尺を算出する算出部と、
前記位置情報、前記範囲情報および前記縮尺に基づいて、前記第1範囲における前記位置の前記分布を表す前記表示情報を出力する出力部と、
を備える。
【0097】
第13の態様に係る位置情報表示プログラムは、演算装置に実行させることによって所定の処理を実現するための位置情報表示プログラムであって、
前記処理は、
複数の作業装置のそれぞれの位置を表す位置情報を取得することと、
前記それぞれの位置が所定の地図の上に分布する第1範囲を表す範囲情報を生成することと、
前記地図を表す地図情報のうち、前記第1範囲を含む表示情報を、所定の表示装置の表示領域に出力するための縮尺を算出することと、
前記位置情報、前記範囲情報および前記縮尺に基づいて、前記第1範囲における前記位置の前記分布を表す前記表示情報を出力することと、
を含む。
【符号の説明】
【0098】
1:位置情報表示システム
2:作業装置
21:アイコン
3:搭載端末
4:ネットワーク
5:位置情報表示装置
50:バス
51:演算装置
511:取得部
512:算出部
513:出力部
514:入力部
515:クラスタリング部
516:表示領域設定部
517:範囲情報生成部
52:記憶装置
520:記録媒体
521:プログラム記憶部
522:地図情報記憶部
53:通信装置
54:入出力装置
6:外部端末
61:表示装置
62A、62B:表示領域
63:主要範囲
63A、63B、63C、63D:部分表示領域
64:周辺領域
65B、65C、65D:枠
66:アイコン
67:枠
9:圃場
A11、A12、A21、A22:角部
F1、F2:枠
I1、I2:画像
M1、M2、M3、M4、M5:メニュー
P:位置
P0:ホーム
P1C、P2C、P3C:現在位置
P1S、P2S:スタート位置
PW:作業位置
T1、T2、T3:移動軌跡
TW1:作業軌跡
WR:作業領域