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特開2024-98496燃料電池の圧縮量の測定ツールおよびその燃料電池の圧縮量の検出方法
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  • 特開-燃料電池の圧縮量の測定ツールおよびその燃料電池の圧縮量の検出方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024098496
(43)【公開日】2024-07-23
(54)【発明の名称】燃料電池の圧縮量の測定ツールおよびその燃料電池の圧縮量の検出方法
(51)【国際特許分類】
   H01M 8/2404 20160101AFI20240716BHJP
   H01M 8/2465 20160101ALI20240716BHJP
【FI】
H01M8/2404
H01M8/2465
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023211406
(22)【出願日】2023-12-14
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-04-22
(31)【優先権主張番号】202310035582.6
(32)【優先日】2023-01-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】522401992
【氏名又は名称】中汽研新能源汽車検験中心(天津)有限公司
【氏名又は名称原語表記】CATARC New Energy Vehicle Test Center (Tianjin) Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】No.88 Xiongzi Road,Dongli District,Tianjin 300300,China
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】弁理士法人コスモス国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】焦 道寛
(72)【発明者】
【氏名】▲ハオ▼ 冬
(72)【発明者】
【氏名】張 妍懿
(72)【発明者】
【氏名】王 暁兵
(72)【発明者】
【氏名】▲蘭▼ 昊
(72)【発明者】
【氏名】馬 明輝
(72)【発明者】
【氏名】楊 子栄
(72)【発明者】
【氏名】趙 ▲シン▼
(72)【発明者】
【氏名】王 睿▲ディー▼
【テーマコード(参考)】
5H126
【Fターム(参考)】
5H126AA22
5H126BB06
(57)【要約】      (修正有)
【課題】組立過程における圧縮度を自由に制御でき、電池の組み立ての最適な状態を決定することができる、燃料電池の圧縮量の測定ツールと圧縮量の検出方法を提供する。
【解決手段】本発明の圧縮量の検出方法は、回転ホルダ200を駆動して自身の軸方向に回転させ、回転ホルダが回転スリーブ300を回転駆動して自身の軸方向に回転させることにより、回転スリーブのナット穴にある六角ナットをボルトにねじ込む。六角ナットが燃料電池スタックに接触した後、燃料電池スタックにプリテンションフォースが発生し、燃料電池スタックがプリテンションフォースによって圧縮する。変位検出手段を使用して燃料電池スタックの圧縮変位量を検出し、燃料電池スタックの組立過程におけるリアルタイムのフィードバックを実現し、リアルタイムの組立プリテンション量を継続的に出力する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料電池の圧縮量の測定ツールの燃料電池の圧縮量の検出方法であって、
燃料電池の圧縮量の測定ツールが固定ホルダ、回転ホルダ、回転スリーブおよび変位検出部材を含み、
前記回転ホルダは、前記固定ホルダの底部に設置され、前記回転ホルダは前記固定ホルダに対して自身の軸方向に回転可能に構成され、
前記回転スリーブは、前記固定ホルダに回転可能に接続され、前記回転スリーブの底部には、内に六角ナットが設置されるナット穴が設けられ、
前記回転ホルダの回転により、前記ナット穴の六角ナットが燃料電池スタックのボルトにねじ込まれるように、前記回転スリーブが自身の軸に沿って移動し、
前記変位検出部材は、前記燃料電池スタックの圧縮変位量を検出するために、前記固定ホルダに接続され、
前記変位検出部材は、接続筒と変位センサを備え、
前記接続筒は前記固定ホルダに連結され、前記接続筒には取付孔が設けられ、前記変位センサは前記取付孔に設けられ、
検出方法は、
組み立てられる燃料電池スタックが、膜電極、フローフィールドプレート、集電板、およびエンドプレートをサンドイッチの対称的に配置するように順番に配置され、上下のエンドプレートに予備された穴が揃えることと、
ボルト締結具を一端のエンドプレートに通して上に向って置き、燃料電池スタックを整列させた順序ですべての配置を完成するまで1つずつに入れることと、
ナットをエンドプレートに接触するまでねじ込み、エンドプレートのすべての穴とすべてのナットの1つの角に指示線を引き、複数のナットが同じ状態になるようにマークして位置決めすことと、
外付けの電子抵抗分析装置を組み立てられた燃料電池スタックに接続し、このときの抵抗率の示度を記録すること、
回転スリーブをナットに取り付け、変位センサの示度をゼロにリセットし、回転スリーブを駆動してナットをねじ込み、リアルタイムの抵抗率の示度と変位の示度を記録し、リアルタイムの抵抗率の変化を分析し、変化率が緩やかな傾向を示した場合、組立を停止することと、
を含むことを特徴とする燃料電池の圧縮量の測定ツールの燃料電池の圧縮量の検出方法。
【請求項2】
請求項1に記載の燃料電池の圧縮量の測定ツールの燃料電池の圧縮量の検出方法において、
前記回転ホルダはリング状に設置され、前記回転ホルダの内リング壁には内歯が設置され、前記回転スリーブの外壁には外歯が設置され、前記内歯と前記外歯は、前記回転スリーブが回転ホルダと一緒に回転できるように噛み合って接続されていることを特徴とする燃料電池の圧縮量の測定ツールの燃料電池の圧縮量の検出方法。
【請求項3】
請求項2に記載の燃料電池の圧縮量の測定ツールの燃料電池の圧縮量の検出方法において、
前記固定ホルダには回転軸受が設けられ、前記回転軸受は前記回転スリーブに外装し、前記回転スリーブの頂部は前記回転軸受を貫通することを特徴とする燃料電池の圧縮量の測定ツールの燃料電池の圧縮量の検出方法。
【請求項4】
請求項1に記載の燃料電池の圧縮量の測定ツールの燃料電池の圧縮量の検出方法において、
前記変位検出部材は、デジタル表示モジュールをさらに備え、
前記デジタル表示モジュールは接続筒の頂部に配置され、前記デジタル表示モジュールは前記変位センサに電気的に接続されていることを特徴とする燃料電池の圧縮量の測定ツールの燃料電池の圧縮量の検出方法。
【請求項5】
請求項4に記載の燃料電池の圧縮量の測定ツールの燃料電池の圧縮量の検出方法において、
前記固定ホルダにはねじ穴が設けられ、前記連結筒の外壁には雄ねじが設けられ、前記雄ねじは前記ねじ穴に螺合することを特徴とする燃料電池の圧縮量の測定ツールの燃料電池の圧縮量の検出方法。
【請求項6】
請求項1に記載の燃料電池の圧縮量の測定ツールの燃料電池の圧縮量の検出方法において、
前記回転ホルダの外壁にはハンドルが設けられていることを特徴とする燃料電池の圧縮量の測定ツールの燃料電池の圧縮量の検出方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料電池の技術分野に関し、特に燃料電池の圧縮量の測定ツールおよび燃料電池の圧縮量の検出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
プロトン交換膜燃料電池は、21世紀で最も潜在的なクリーンパワーユニットの1つとして知られており、現在広く使用されている内燃機関に取って代わり、運輸の分野で次世代のグリーンエンジンになることが期待されている。その出力密度は高く、排出の産物は純水であり、現在、広く注目されている。
【0003】
燃料電池は、膜電極(プロトン交換膜、触媒層、ガス拡散層)、フローフィールドプレート、集電板、ガスケット、エンドプレートで構成されている。各部品の間には、独立した分割特性により、ボルトやナットなどで電池の組立と締め付けが必要である。一方では、各部品を組立体になり、良好な気密性に保つためであり、他方では、電池部品間の接触抵抗を減らすことも重要な理由の一つである。膜電極とフローフィールドプレートは独立しているため、2つの間の接触抵抗も組立のプリテンションフォースによって変化する。一般に、組立のプリテンションフォースが増加するにつれて、接触抵抗は最初に急速に低下し、その後、徐々に安定する。
【0004】
しかし、従来の組立工程では、プリテンションフォースの大きさが直接に適切な値を選択することはできず、組立条件での膜電極の圧縮度を決定することも困難である。従来の方法では、経験値を使用し、例えば、トルクレンチを用いてボルトを1つの経験値まで締め付け、電池の性能のテストを行う。このとき、電池の性能が最適な状態であることを判断することは基本的に困難である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、燃料電池の組み立てと締め付けの過程で、燃料電池の組み立ての圧縮プリテンションの程度を決定することができず、電池の組み立ての最適な状態を決定することが困難である従来技術の課題を軽減するために、燃料電池の圧縮量の測定ツールおよび燃料電池の圧縮量の検出方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に提供される燃料電池の圧縮量の測定ツールは、固定ホルダ、回転ホルダ、回転スリーブ、変位検出部材を含み、前記回転ホルダは、前記固定ホルダの底部に設置され、前記回転ホルダは、前記固定ホルダに対して自身の軸方向に回転可能に構成され、前記回転スリーブは前記固定ホルダに回転可能に接続され、前記回転スリーブの底部には、内に六角ナットが設置されるナット穴が設けられ、前記回転ホルダの回転により、前記ナット穴の六角ナットが燃料電池スタックのボルトにねじ込まれるように、前記回転スリーブが自身の軸に沿って移動し、前記変位検出部材は、前記燃料電池スタックの圧縮変位量を検出するために、前記固定ホルダに接続されている。
【0007】
さらに、前記回転ホルダはリング状に設置され、前記回転ホルダの内リング壁には内歯が設置され、前記回転スリーブの外壁には外歯が設置され、前記内歯と前記外歯は、前記回転スリーブが回転ホルダと一緒に回転できるように噛み合って接続されている。
【0008】
さらに、前記固定ホルダには回転軸受が設けられ、前記回転軸受は前記回転スリーブに外装し、前記回転スリーブの頂部は前記回転軸受を貫通する。
【0009】
さらに、前記変位検出部材は、接続筒と変位センサを備え、前記接続筒は前記固定ホルダに連結され、前記接続筒には取付孔が設けられ、前記変位センサは前記取付孔に設けられている。
【0010】
さらに、前記変位検出部材は、デジタル表示モジュールをさらに備え、前記デジタル表示モジュールは接続筒の頂部に配置され、前記デジタル表示モジュールは前記変位センサに電気的に接続されている。
【0011】
さらに、前記固定ホルダにはねじ穴が設けられ、前記接続筒の外壁には雄ねじが設けられ、前記雄ねじは前記ねじ穴に螺合する。
【0012】
さらに、前記回転ホルダの外壁にはハンドルが設けられている。
【0013】
本発明に提供される前記燃料電池の圧縮量の測定ツールに基づく燃料電池の圧縮量の検出方法は、組み立てられる燃料電池スタックが、膜電極、フローフィールドプレート、集電板、およびエンドプレートをサンドイッチの対称的に配置するように順番に配置され、上下のエンドプレートに予備された穴が揃えることと、ボルト締結具を一端のエンドプレートに通して上に向って置き、燃料電池スタックを整列させた順序ですべての配置を完成するまで1つずつに入れることと、を含む。
【0014】
さらに、ナットをエンドプレートに接触するまでねじ込み、エンドプレートのすべての穴とすべてのナットの1つの角に指示線を引き、複数のナットが同じ状態になるようにマークして位置決めすことと、外付けの電子抵抗分析装置を組み立てられた燃料電池スタックに接続し、このときの抵抗率の示度を記録すること、を含む。
【0015】
さらに、回転スリーブをナットに取り付け、変位センサの示度をゼロにリセットし、回転スリーブを駆動してナットをねじ込み、リアルタイムの抵抗率の示度と変位の示度を記録し、リアルタイムの抵抗率の変化を分析し、変化率が緩やかな傾向を示した場合、組立を停止することと、を含む。
【0016】
本発明に提供される燃料電池の圧縮量の測定ツールは、回転ホルダを駆動して自身の軸方向に回転させ、回転の回転ホルダが回転スリーブを駆動して自身の軸方向に回転させることにより、回転スリーブのナット穴にある六角ナットをボルトにねじ込むことができる。六角ナットが燃料電池スタックに接触した後、燃料電池スタックにプリテンションフォースが発生し、燃料電池スタックがプリテンションフォースによって圧縮される。変位検出手段を使用して燃料電池スタックの圧縮変位量を検出し、燃料電池スタックの組立過程におけるリアルタイムのフィードバックを実現し、リアルタイムの組立プリテンション量を継続的に出力する。これにより、組立過程における圧縮度を自由に制御でき、燃料電池の組み立てと締め付けの過程で、燃料電池の組み立ての圧縮プリテンションの程度を決定することができず、電池の組み立ての最適な状態を決定することが困難である従来技術の課題を軽減する。
【0017】
本発明の詳しい実施形態または従来技術の技術案をより明確に説明するために、以下では、詳しい実施形態または従来技術の説明で使用する必要がある図面を簡単に紹介する。以下の説明の図面は、本発明のいくつかの実施形態であり、当業者は、発明的な働きを支払うことなく、これらの図面から他の図面を入手することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の実施形態に係る燃料電池の圧縮量の測定ツールの全体構造の概略図である。
図2】本発明の実施形態に係る燃料電池の圧縮量の測定ツールの別の観点からの全体構造の概略図である。
図3】本発明の実施形態に係る燃料電池の圧縮量の測定ツールにおける燃料電池スタックの概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の技術案を実施形態と併せて明確かつ完全に説明するが、説明する実施形態は本発明の一部の実施形態であり、すべての実施形態ではないことは明らかである。本発明の実施形態に基づいて、当業者が発明的な労働を行うことなく得られる他のすべての実施形態は、本発明の保護の範囲内にある。
【0020】
図1図2図3に示すように、本実施形態で提供する燃料電池の圧縮量の測定ツールは、固定ホルダ100、回転ホルダ200、回転スリーブ300、および変位検出部材400を含み、回転ホルダ200は固定ホルダ100の底部に設置され、回転ホルダ200は固定ホルダ100に対して自身の軸方向に回転可能に構成され、回転スリーブ300は固定ホルダ100に回転可能に接続され、回転スリーブ300の底部には六角ナットを設置するナット穴310が設置され、回転ホルダ200の回転により回転スリーブ300が自身の軸に沿って移動し、ナット穴310の六角ナットが燃料電池スタックのボルト50にねじ込まれる。変位検出部材400は、燃料電池スタックの圧縮変位量を検出するために、固定ホルダ100に接続される。
【0021】
具体的には、固定ホルダ100の底部が内向きに窪んで係止溝が形成され、回転ホルダ200の頂部が上向きに延びて係止突起が形成され、係止突起が係止溝に入り込んでおり、固定ホルダ100と回転ホルダ200との両方が環状構造であるため、回転ホルダ200を固定ホルダ100に対して回転させることができ、回転ホルダ200が自身の軸線に沿って回転することを実現し、回転スリーブ300を自身の軸線に沿って回転させ、ナット穴310に位置する六角ナットを回転させることができる。
【0022】
この実施形態で提供される燃料電池の圧縮量の測定ツールは、回転ホルダ200を駆動して自身の軸方向に回転させ、回転ホルダ200を回転して回転スリーブ300を駆動して自身の軸方向に回転させることにより、回転スリーブ300のナット穴310に位置する六角ナットをボルト50にねじ込むことができる。六角ナットが燃料電池スタックに接触した後、燃料電池スタックにプリテンションフォースがかかり、燃料電池スタックがプリテンションフォースによって圧縮される。変位検出部材400を使用して、燃料電池スタックの圧縮変位量を検出し、燃料電池スタックの組立中にリアルタイムのフィードバックを実現し、リアルタイムの組立のプリテンション量を継続的に出力する。これにより、組立過程における圧縮度を自由に制御でき、燃料電池の組み立てと締め付けの過程で、燃料電池の組み立ての圧縮プリテンションの程度を決定することができず、電池の組み立ての最適な状態を決定することが困難である従来技術の課題を軽減する。
【0023】
上記実施形態に加えて、さらに、本実施形態に提供される燃料電池の圧縮量の測定ツールは、回転ホルダ200の回転が回転スリーブ300を回転させるために、回転ホルダ200を環状に設け、回転ホルダ200の内環壁に内歯210を設け、回転スリーブ300の外壁に外歯320を設け、内歯210と外歯320を噛み合わせて連結し、回転スリーブ300が回転ホルダ200と一緒に回転できるようにしたものである。
【0024】
なお、回転スリーブ300は、複数設けることができ、例えば4つまたは6つ設けることができ、燃料電池スタックのボルト50の具体的な数に応じて回転スリーブ300の数を設ける。
【0025】
さらに、固定ホルダ100には回転軸受110が設けられており、回転軸受110は回転スリーブ300に外装され、回転スリーブ300の頂部は回転軸受110を貫通している。
【0026】
具体的には、固定ホルダ100に軸受孔を開設し、軸受孔に回転軸受110を取り付け、回転軸受110を回転スリーブ300が貫通し、回転軸受110が回転スリーブ300の横方向の変位を規制し、回転スリーブ300が自身の軸線に沿ってより円滑に移動できるようにする。
【0027】
さらに、変位検出部材400は、接続筒410と変位センサ420とを含み、接続筒410は固定ホルダ100に接続され、接続筒410には取付孔が設けられ、変位センサ420は取付孔に設けられる。変位検出部材400は、デジタル表示モジュール430をさらに含む。デジタル表示モジュール430は、接続筒410の頂部に設けられる。デジタル表示モジュール430は、変位センサ420に電気的に接続される。
【0028】
具体的には、接続筒410の中央部に取付孔が穿設され、変位センサ420が取付孔内に設けられ、変位センサ420の測定端が取付孔から突出している。変位センサ420は、放射線センサとして設定することができ、燃料電池の頂部のエンドプレート10の変位量をリアルタイムで検出する。
【0029】
変位センサ420の接続線は、取付穴を通ってデジタル表示モジュール430に接続され、変位センサ420からの信号を処理し、リアルタイムの変位量を表示する。
【0030】
別の実施形態では、固定ホルダ100にねじ穴が設けられ、接続筒410の外壁に雄ねじが設けられ、雄ねじはねじ穴にねじ込まれる。
【0031】
具体的には、固定ホルダ100の中央部にはねじ穴が設けられており、接続筒410がねじでねじ穴にねじ止めされ、接続筒410のねじ止めにより接続筒410の高さ位置が自由に調節可能となっている。
【0032】
さらに、回転ホルダ200の外壁には、ハンドル220が設けられている。
【0033】
具体的には、回転ホルダ200の回動を容易にするために、回転ホルダ200の外壁にハンドル220を接続し、ユーザがハンドル220を介して回転ホルダ200を回動させる。
【0034】
また、回転ホルダ200も電動駆動可能である。例えば、駆動モータの駆動端に回転ギアを外装し、回転ホルダ200の外壁にラックを設け、回転ギアとラックを噛合させ、駆動モータの駆動により回転ホルダ200を回転させることができる。
【0035】
本実施形態に提供される燃料電池の圧縮量の測定ツールは、電池の組立過程での継続的な締め付けによる圧縮量と抵抗率変化の定量測定を実現することができ、この時の圧縮変形量は膜電極40のプリテンション作用下での圧縮変形である。従来の組立過程では、プリテンションフォースとリアルタイムの圧縮量を取得することは困難である。過剰な圧縮プリテンションは、内部ガス拡散層の過度の変形を引き起こし、内部破断を引き起こし、バリを形成する可能性がある。一方では、ガス拡散層の炭素繊維を流路に突き出させ、ガスの流れ抵抗が増加し、液体の水の排出が困難になることを引き起こす。他方では、破断した炭素繊維がプロトン交換膜を突き破り、電池の故障や安全上の事故を引き起こす可能性があるとともに、電池の内部抵抗を低下させることがないだけでなく、炭素繊維の破断による抵抗率の上昇もあり、同時にガス拡散層の孔径、空隙率を大幅に削減して電池の熱伝達性能に影響を与える可能性がある。また、過剰な圧縮プリテンションは、触媒層の安定性や電池の耐久性などにダメージを与える。圧縮プリテンションが十分でないと、電池の接触抵抗が大きくなり、電池の性能が低下し、最適な設計目標を満たすことができない。したがって、本実施形態に提供される燃料電池の圧縮量の測定ツールは、電池の組立圧縮量と電池自体の抵抗変化との間の数値的相関関係を確立するのに役立ち、同時に、リアルタイムの抵抗率の変化に応じて、電池の組立プリテンションの程度を正確に確定でき、優れたエンジニアリング価値がある。
【0036】
また、現段階では、電池の組立過程での習熟度やツールの使用などにおけるテスターの違いにより、同じ膜電極40製品が異なるテスターの操作性で異なる性能を得ることがよくある。本実施形態に提供される燃料電池の圧縮量の測定ツールは、オペレータの技量の差異による試験中の電池性能の差異を効果的に弱めることができる。
【0037】
本実施形態に提供される燃料電池の圧縮量の測定ツールに基づく燃料電池の圧縮量の検出方法は、組み立てられる燃料電池スタックが、膜電極40、フローフィールドプレート30、集電板20、およびエンドプレート10がサンドイッチの対称的に配置するように順番に配置され、上下のエンドプレート10に予備された穴が揃えることと、締結具とするボルト50を一端のエンドプレート10に通し上に向って置き、燃料電池スタックを整列させた順序ですべての配置を完成するまで1つずつに入れることと、ナットをエンドプレート10に接触するまでねじ込み、エンドプレート10のすべての穴とすべてのナットの角に指示線を引き、複数のナットが同じ状態になるようにマークして位置決めすこと、外付けの電子抵抗分析装置を組み立てられた燃料電池スタックに接続し、このときの抵抗率の示度を記録すること、を含み、さらに、回転スリーブ300をナットに取り付け、変位センサ420の示度をゼロにリセットし、回転スリーブ300を駆動してナットをねじ込み、リアルタイムの抵抗率の示度と変位の示度を記録し、リアルタイムの抵抗率の変化を分析し、変化率が緩やかな傾向を示す場合は、組立を停止することと、を含む。
【0038】
具体的には、第1ステップでは、まず、組み立てられる燃料電池モジュールが、膜電極40、フローフィールドプレート30、集電板20、エンドプレート10をサンドイッチの対称的に配置するように順番に配置され、上下の2つのエンドプレート10に予備された穴が揃える。本実施形態では穴が4つある。これらの穴の役割は、締結モジュールに使用され、ボルト50の配置に使用される。穴のサイズに厳密な制限はないが、ボルト50のねじのサイズに合わせて設計する必要があるため、2つの設計を一致させる必要がある。本実施形態では、穴の直径は15mmを例とする。次、穴は精密な加工で雌ねじを配置する必要がある。ねじのピッチは5μmであり、ねじの深さは5μm以上である。同時に、締結モジュールのねじとピッチは、締結過程中に使用するために、穴と一致を保つ。
【0039】
第2ステップでは、4つのボルト50を一端のプレート10に通して上に向って置き、第1ステップで言及した燃料電池モジュールを整列させた順序ですべての配置を完成するまで1つずつに入れる。すべて入れた後、エンドプレート10に接触するまでナットをねじ込む。このとき、エンドプレート10のすべての穴とすべての六角ナットの1つの角に指示線を引き、4つの六角ナットが同じ状態になるようにマークして位置決めし、本願に設計された取り付け具を使用しやすいように、図1に示すように放置される。
【0040】
第3ステップでは、外付けの電子抵抗分析装置を組み立てられた燃料電池に接続し、このときの抵抗率の示度を記録する。
【0041】
第4ステップでは、回転スリーブ300を位置決めされた六角ナットに接続し、変位センサ420の示度をゼロにリセットし、駆動して組み立て、リアルタイムの抵抗率の示度と変位の示度を記録し、リアルタイムの抵抗率の変化を分析し、変化率が緩やかな傾向を示した場合、組立を停止する。
【0042】
現段階での単電池の組立工程では、位置決めボルト50に従って、電池の極板、膜電極40などを1つずつ入れた後、個々ねじ込む方法が採用されている。このように、まずは、組み立て順序と組み立て加圧荷重の原因により、電池の各部分が不均一な力を受け、組み立ての圧縮度を正確に制御することが困難である。且つ、1つずつ締め付ける過程により、電池部品の位置が初期位置と比べて、過度に変形し、部品の軽微または深刻な損傷を引き、電池の実際の性能に影響を与える可能性がある。しかし、本願の方法は、組立過程中に、複数の精密締結モジュールを駆動モジュールの駆動下で同時に動作させることができ、組立過程のバランスを確保する。さらに、組立過程の変位モジュールのフィードバックにより、テスターが組立過程を定量的に制御するのに効果的に役立つ。これは、組立結果の一致性を達成し、さまざまな担当者による組立の違いを変更するのに非常に役立つ。
【0043】
また、燃料電池は冬期のコールドスタートの問題がある。温度が低いため、電池の内部が凍結し、ガス輸送チャネルが詰まされ、電池が正常に動作しなくなる。コールドスタートの典型的な策略は、電池内部の抵抗(内部抵抗)を制御して調整することである。これは、内部抵抗が電池の動作中の発熱と密接に関係しているためである。本願は、まず、組立圧縮量と電池自体の抵抗変化との関係を効果的に確立することができる。組立完了後の電池抵抗の変化は、主に内部の水分含有量によって決定されるため、本願は、電池の動作中の抵抗の変化に、初期値を標定し、水分含有量を予測する役割がある。次、従来の組立手段では、ボルト50を1つずつ締め付ける方法を採用しているため、電池の組立力が不足または超過した場合に二次調整を行うことができないが、本願の方法では、固定モジュールを同時に行うことができ、電池の圧縮とリバウンドは、各部分が同時に行い、幅が一致するため、電池の性能に対する二次調整の影響を大幅に弱めることができる。
【0044】
最後に、上記の実施形態は、本発明の技術策を説明するためにのみ使用され、制限するために使用されるものではないが、上記の実施形態を参照して本発明を詳細に説明したにもかかわらず、当業者は、上記の各実施形態に記載されている技術策を修正するか、それらの技術的特徴の一部または全部を同等に置き換えるが、これらの修正または置き換えは、対応する技術策の本質を本発明の各実施形態の技術策の範囲から逸脱させるものではないことを理解する必要がある。
【符号の説明】
【0045】
10…エンドプレート、20…集電板、30…フローフィールドプレート、40…膜電極、50…ボルト、100…固定ホルダ、110…回転軸受、200…回転ホルダ、210…内歯、220…ハンドル、300…回転スリーブ、310…ナット穴、320…外歯、400…変位検出部材、410…接続筒、420…変位センサ、430…デジタル表示モジュール
図1
図2
図3
【手続補正書】
【提出日】2024-02-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料電池の圧縮量の測定ツールの燃料電池の圧縮量の検出方法であって、
燃料電池の圧縮量の測定ツールが固定ホルダ、回転ホルダ、回転スリーブおよび変位検出部材を含み、
前記回転ホルダは、前記固定ホルダの底部に設置され、前記回転ホルダは前記固定ホルダに対して自身の軸方向に回転可能に構成され、
前記回転スリーブは、前記固定ホルダに回転可能に接続され、前記回転スリーブの底部には、内に六角ナットが設置されるナット穴が設けられ、
前記回転ホルダの回転により、前記ナット穴の六角ナットが燃料電池スタックのボルトにねじ込まれるように、前記回転スリーブが自身の軸に沿って移動し、
前記変位検出部材は、前記燃料電池スタックの圧縮変位量を検出するために、前記固定ホルダに接続され、
前記変位検出部材は、接続筒と変位センサを備え、
前記接続筒は前記固定ホルダに連結され、前記接続筒には取付孔が設けられ、前記変位センサは前記取付孔に設けられ、
検出方法は、
組み立てられる燃料電池スタックが、膜電極、フローフィールドプレート、集電板、およびエンドプレートをサンドイッチの対称的に配置するように順番に配置され、上下のエンドプレートに予備された穴が揃えることと、
ボルト締結具を一端のエンドプレートに通して上に向って置き、燃料電池スタックを整列させた順序ですべての配置を完成するまで1つずつに入れることと、
ナットをエンドプレートに接触するまでねじ込み、エンドプレートのすべての穴とすべてのナットの1つの角に指示線を引き、複数のナットが同じ状態になるようにマークして位置決めすことと、
外付けの電子抵抗分析装置を組み立てられた燃料電池スタックに接続し、このときの抵抗率の示度を記録すること、
回転スリーブをナットに取り付け、変位センサの示度をゼロにリセットし、回転スリーブを駆動してナットをねじ込み、リアルタイムの抵抗率の示度と変位の示度を記録し、リアルタイムの抵抗率の変化を分析し、変化率が緩やかな傾向を示した場合、組立を停止することと、を含むことを特徴とする燃料電池の圧縮量の測定ツールの燃料電池の圧縮量の検出方法。
【請求項2】
請求項1に記載の燃料電池の圧縮量の測定ツールの燃料電池の圧縮量の検出方法において、
前記回転ホルダはリング状に設置され、前記回転ホルダの内リング壁には内歯が設置され、前記回転スリーブの外壁には外歯が設置され、前記内歯と前記外歯は、前記回転スリーブが回転ホルダと一緒に回転できるように噛み合って接続されていることを特徴とする燃料電池の圧縮量の測定ツールの燃料電池の圧縮量の検出方法。
【請求項3】
請求項2に記載の燃料電池の圧縮量の測定ツールの燃料電池の圧縮量の検出方法において、
前記固定ホルダには回転軸受が設けられ、前記回転軸受は前記回転スリーブに外装し、前記回転スリーブの頂部は前記回転軸受を貫通することを特徴とする燃料電池の圧縮量の測定ツールの燃料電池の圧縮量の検出方法。
【請求項4】
請求項1に記載の燃料電池の圧縮量の測定ツールの燃料電池の圧縮量の検出方法において、
前記変位検出部材は、デジタル表示モジュールをさらに備え、
前記デジタル表示モジュールは前記接続筒の頂部に配置され、前記デジタル表示モジュールは前記変位センサに電気的に接続されていることを特徴とする燃料電池の圧縮量の測定ツールの燃料電池の圧縮量の検出方法。
【請求項5】
請求項4に記載の燃料電池の圧縮量の測定ツールの燃料電池の圧縮量の検出方法において、
前記固定ホルダにはねじ穴が設けられ、前記接続筒の外壁には雄ねじが設けられ、前記雄ねじは前記ねじ穴に螺合することを特徴とする燃料電池の圧縮量の測定ツールの燃料電池の圧縮量の検出方法。
【請求項6】
請求項1に記載の燃料電池の圧縮量の測定ツールの燃料電池の圧縮量の検出方法において、
前記回転ホルダの外壁にはハンドルが設けられていることを特徴とする燃料電池の圧縮量の測定ツールの燃料電池の圧縮量の検出方法。