(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024098502
(43)【公開日】2024-07-23
(54)【発明の名称】分配オーガ用の軸受ブロック装置内の加熱デバイスを交換するシステムを有する道路舗装機械
(51)【国際特許分類】
E01C 19/48 20060101AFI20240716BHJP
【FI】
E01C19/48 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024001374
(22)【出願日】2024-01-09
(31)【優先権主張番号】23150886.2
(32)【優先日】2023-01-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】596068349
【氏名又は名称】ヨゼフ フェゲーレ アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【弁理士】
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【識別番号】100129425
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 護晃
(74)【代理人】
【識別番号】100168642
【弁理士】
【氏名又は名称】関谷 充司
(74)【代理人】
【識別番号】100217076
【弁理士】
【氏名又は名称】宅間 邦俊
(72)【発明者】
【氏名】フランク・グリム
(72)【発明者】
【氏名】インゴ・ヘルツベルク
(72)【発明者】
【氏名】ベンヤミン・ブッツ
(72)【発明者】
【氏名】ダーク・ベルナッツ
【テーマコード(参考)】
2D052
【Fターム(参考)】
2D052AA03
2D052BD03
2D052BD05
2D052BD11
2D052DA21
(57)【要約】 (修正有)
【課題】道路舗装機械上の分配オーガを支えるための軸受ブロック装置用の加熱デバイスを効率的に取り外す方法を提供する。
【解決手段】加熱デバイスは、軸受ブロック装置の収容空間(29)内に収容されている。軸受ブロック装置は、作動構成および取外し構成に選択的に導かれるように構成され、加熱デバイスは、取外し構成において収容空間(29)から取外し可能であるが、作動構成においては取外し可能でない。カバー(21)の少なくとも基部(42)は、作動構成および取外し構成の両方において軸受ブロックに接続されている。作動構成において、カバー(21)の基部(42)は、道路舗装機械の舗装方向に対して前方に向かって加熱デバイスを少なくとも部分的に覆っている。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
道路舗装機械(1)であって、
舗装材を締固めする舗装スクリード(5)と、
軸受ブロック(17)、カバー(21)および加熱デバイス(31)を含む軸受ブロック装置(15)と、
前記舗装材を分配するために前記軸受ブロック(17)に回転可能に取り付けられた分配オーガ(13)と、
を備え、
前記加熱デバイス(31)は、前記軸受ブロック装置(15)の収容空間(29)内に収容されており、
前記軸受ブロック装置(15)は、作動構成と取外し構成とに選択的に導かれるように構成され、前記加熱デバイス(31)は、前記取外し構成において前記収容空間(29)から取外し可能であるが、前記作動構成において取外し可能でなく、
前記カバー(21)の少なくとも基部(42)が、前記作動構成および前記取外し構成の両方において前記軸受ブロック(17)に接続されており、
前記作動構成において、前記カバー(21)の前記基部(42)は、道路舗装機械(1)の舗装方向(9)に対して前方に向かって前記加熱デバイス(31)を少なくとも部分的に覆っている、道路舗装機械。
【請求項2】
前記収容空間(29)は、前記軸受ブロック(17)と前記カバー(21)との間に形成されている、請求項1に記載の道路舗装機械。
【請求項3】
前記カバー(21)の前記基部(42)は、前記カバー(21)の全質量の少なくとも40パーセント、または少なくとも50パーセント、または少なくとも60パーセント、または少なくとも70パーセント、または少なくとも80パーセント、または少なくとも90パーセント、または少なくとも95パーセントを構成する、請求項1または2に記載の道路舗装機械。
【請求項4】
前記カバー(21)は、前記作動構成と前記取外し構成との間で前記軸受ブロック装置(15)の構成を変更するために旋回軸(33、35、37、39、41)回りで旋回可能である少なくとも1つのフラップ部を備える、請求項1から3のいずれか1項に記載の道路舗装機械。
【請求項5】
前記カバー(21)は、前記作動構成と前記取外し構成との間で前記軸受ブロック装置(15)の構成を変更するために共通の旋回軸(37)回りで旋回可能である2つのフラップ部を備える、請求項1から4のいずれか1項に記載の道路舗装機械。
【請求項6】
前記カバー(21)は、追加部(44)を備え、前記作動構成において、前記追加部(44)は、前記基部(42)から独立して前記軸受ブロック(17)に着脱可能に取り付けられ、前記取外し構成において、前記追加部(44)は、前記軸受ブロック(17)から取り外される、請求項1から5のいずれか1項に記載の道路舗装機械。
【請求項7】
前記軸受ブロック装置(15)は、クランプ要素(47)を備え、前記クランプ要素(47)は、前記加熱デバイス(31)を支持構造(45)に対してクランプするように構成されている、請求項1から6のいずれか1項に記載の道路舗装機械。
【請求項8】
前記カバー(21)は、加熱デバイスホルダを備え、前記加熱デバイスホルダは、前記作動構成において前記加熱デバイス(31)を定位置に保持し、前記取外し構成において前記加熱デバイス(31)を取り外せるようにする、請求項1から7のいずれか1項に記載の道路舗装機械。
【請求項9】
前記カバー(21)はプラウボディとして構成され、前記作動構成の前記カバー(21)の前記基部(42)は、道路舗装機械(1)の前記舗装方向(9)に対して前方にテーパ状になる前記プラウボディの形状の少なくとも一部を形成し、好ましくは、前記舗装方向(9)に対して前方にテーパ状になる前記プラウボディの形状は、前記舗装方向(9)に沿って鋭角で互いに対向する2つの側面(23、25)を有する、請求項1から8のいずれか1項に記載の道路舗装機械。
【請求項10】
道路舗装機械(1)の軸受ブロック装置(15)から加熱デバイス(31)を取り外す方法であって、
前記道路舗装機械(1)は、軸受ブロック(17)、カバー(21)および加熱デバイス(31)を含む軸受ブロック装置(15)を備え、前記加熱デバイス(31)は、前記軸受ブロック装置(15)の収容空間(29)内に収容され、
舗装材を分配するための分配オーガ(13)が前記軸受ブロック(17)において回転可能に取り付けられ、
前記軸受ブロック装置(15)は、作動構成から取外し構成に移され、
前記カバー(21)の少なくとも基部(42)は、前記作動構成と前記取外し構成の両方において前記軸受ブロック(17)に接続され、
前記作動構成における前記カバー(21)の前記基部(42)は、前記道路舗装機械(1)の舗装方向(9)に対して前方に向かって前記加熱デバイス(31)を少なくとも部分的に覆っており、
前記加熱デバイス(31)は、前記取外し構成において前記収容空間(29)から取り外される、方法。
【請求項11】
前記軸受ブロック装置(15)を前記作動構成から前記取外し構成に移すステップは、前記カバー(21)のフラップ部を旋回軸(33、35、37、39、41)回りで旋回させるステップであって、それによって前記加熱デバイス(31)を取り外すための開口部を解放する、ステップを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記軸受ブロック装置(15)を前記作動構成から前記取外し構成に移すステップは、前記カバー(21)の追加部(44)を前記軸受ブロック(17)から取り外すステップを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記軸受ブロック装置(15)を前記作動構成から前記取外し構成に移すステップは、前記収容空間(29)を開けるステップを含む、請求項10から12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
前記加熱デバイス(31)を前記収容空間(29)から取り外す前に、前記加熱デバイス(31)を支持構造(45)に対してクランプするクランプ要素(47)が解放される、請求項10から13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
前記軸受ブロック装置(15)を前記作動構成から前記取外し構成に移すステップは、前記加熱デバイス(31)と前記軸受ブロック装置(15)との間のねじ接続を緩めるステップを含む、請求項10から14のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転可能な分配オーガ用の加熱された軸受ブロック装置を有する道路舗装機械に関する。特に、本発明は、例えば、加熱デバイスを交換または保守するために、軸受ブロック装置からの加熱デバイスの取外しに関する。
【背景技術】
【0002】
欧州特許第2821551(B1)号から、道路舗装機械の機械フレーム上にスクリューコンベヤを回転可能に支持する軸受構造を有する道路舗装機械が知られている。軸受構造は、少なくとも1つの発熱体によって加熱され得る。一変形例によれば、発熱体は、軸受構造内の空洞内に配置されている。別の一変形例では、発熱体は、軸受構造の外側に設けられている。保護部材が、発熱体を保護するために設けられてもよい。保護部材は、軸受構造に取外し可能に取り付けられ得る。
【発明の概要】
【0003】
例えば、発熱体の保守または発熱体の交換のために、スクリューコンベヤ用の軸受構造を加熱するための発熱体を取り外すことはかなりの作業量を伴い得る。
【0004】
本発明の目的は、道路舗装機械上の分配オーガを支えるための軸受ブロック装置用の加熱デバイスを効率的に取り外す方法を提供することである。
【0005】
本発明の一態様によれば、道路舗装機械が提供される。道路舗装機械は、舗装スクリードと、軸受ブロック装置と、分配オーガと、を備える。舗装スクリードは、舗装材を締固めするように構成されている。軸受ブロック装置は、軸受ブロックと、カバーと、加熱デバイスと、を含む。分配オーガは、舗装材を分配するために軸受ブロックに回転可能に取り付けられている。加熱デバイスは、軸受ブロック装置の収容空間内に収容されている。軸受ブロック装置は、作動構成(working configuration)と取外し構成(removal configuration)とに選択的に導かれるように構成されている。取外し構成では、加熱デバイスを収容空間から取外し可能である。作動構成では、加熱デバイスを収容空間から取り外すことができない。カバーの少なくとも基部は、作動構成と取外し構成との両方で軸受ブロックに接続されている。作動構成において、カバーの基部は、道路舗装機械の舗装方向に対して前方に向かって加熱デバイスを少なくとも部分的に覆っている。
【0006】
軸受ブロック装置は、加熱デバイスによって加熱され得る。その結果、軸受ブロック装置との接触による舗装材の冷却が防止され得る。軸受ブロック装置が加熱されると、軸受ブロック装置に付着する材料が低減され得る。加熱デバイスは、分配オーガが作動し始める前に作動することにより、軸受ブロック装置の領域内に付着した可能性のある、以前の設置工程からのすべての材料を加熱し、それで分配オーガの動き始めのトルクを低減し得る。
【0007】
分配オーガは、道路舗装機械の舗装方向に対して舗装スクリードの前方に配置され得る。分配オーガは、舗装方向に対して横方向に延在し得る。分配オーガは、平面上の舗装方向に対して横方向に舗装スクリードの前方に材料を分配するように構成され得る。
【0008】
道路舗装機械は牽引車両を含み得る。舗装スクリードは、牽引車両に接続されて、牽引車両の後方で牽引されてもよい。軸受ブロック装置および分配オーガは、牽引車両に取り付けられ得る。その代替として、軸受ブロック装置および分配オーガは、舗装スクリードに取り付けられ得る。
【0009】
舗装方向に関して、分配オーガは、舗装スクリードと牽引車両との間に配置され得る。分配オーガは、舗装スクリードと牽引車両との間で、舗装方向に対して横方向に内側から外側に材料を搬送するように構成され得る。
【0010】
加熱デバイスは、軸受ブロック装置の収容空間内での汚れまたは損傷から少なくとも部分的に保護され得る。少なくとも作動構成において、加熱デバイスが軸受ブロック装置の外側から見えないように、加熱デバイスは、軸受ブロック装置の収容空間内に収容され得る。少なくとも作動構成において、加熱デバイスは、軸受ブロック装置の収容空間内に完全に収容され得る。
【0011】
軸受ブロック装置の取外し構成において加熱デバイスの取外しができることは、加熱デバイスの保守または交換を簡素化し得る。
【0012】
カバーは、道路舗装機械の舗装方向に対して前方を向く軸受ブロックの側面に取り付けられ得る。
【0013】
カバーの少なくとも基部は、加熱デバイスを少なくとも部分的に覆うことによって、作動構成において加熱デバイスを保護し得る。特に、カバーの基部は、加熱デバイスが舗装材と接触するのを防止し得る。
【0014】
カバーの少なくとも基部は作動構成と取外し構成との両方で軸受ブロックに接続されているので、加熱デバイスを取り外すためにカバーを完全に取り外す必要が少なくともない。これにより、特にカバーの重量が大きい場合、加熱デバイスの取外しを簡素化し得る。
【0015】
カバーは、金属材料で作製されるか、または金属材料を含み得る。カバーは、鋼で作製されるか、または鋼を含み得る。
【0016】
加熱デバイスは、電気的に作動することができる。加熱デバイスは、電力を熱出力に変換するように構成され得る。加熱デバイスは、少なくとも1つの抵抗発熱体を備え得る。抵抗発熱体は、少なくとも1つの加熱ロッド、加熱ワイヤ、または加熱コイルを備え得る。
【0017】
加熱デバイスは、分離可能なプラグコネクタを用いて電気的に接続され得る。プラグコネクタの少なくとも一部は、軸受ブロック装置の収容空間内に設けられ得る。
【0018】
カバーは、舗装方向に沿って鋭角で互いに対向する2つの側面を有し得る。側面のうちの少なくとも1つは、カバーの基部によって形成され得る。両側面は、カバーの基部によって形成され得る。2つの側面は、対称面に関して互いの鏡像であり得る。対称面は垂直面であり得る。対称面は、垂直方向および舗装方向に対して平行であり得る。
【0019】
収容空間は、軸受ブロックとカバーとの間に形成され得る。収容空間は、軸受ブロックとカバーによって部分的にまたは完全に囲まれ得る。収容空間は、道路舗装機械の舗装方向と反対の方向において、軸受ブロックによって境界を定められ得る。道路舗装機械の舗装方向において、収容空間は、カバーによって境界を定められ得る。加熱デバイスは、収容空間内で軸受ブロックとカバーの両方を加熱し得る。
【0020】
カバーの基部は、カバーの全質量のうちの少なくとも40パーセント、または少なくとも50パーセント、または少なくとも60パーセント、または少なくとも70パーセント、または少なくとも80パーセント、または少なくとも90パーセント、または少なくとも95パーセントを構成し得る。カバーの基部は、作動構成と取外し構成との両方で軸受ブロックに接続されているので、その対応する重量が、加熱デバイスを取り外すために軸受ブロックから取り除かれる必要がない。
【0021】
カバーは、少なくとも1つのフラップ部を有し得る。フラップ部は、旋回軸回りで旋回可能であることにより、軸受ブロック装置の構成を作動構成と取外し構成との間で変更し得る。フラップ部は、作動構成と取外し構成との両方において、軸受ブロックに接続され得、および/または軸受ブロック上に保持され得る。フラップ部は、カバーの基部の一部であり得る。旋回軸は、少なくとも実質的に垂直方向の旋回軸であってもよい。旋回軸は、少なくとも本質的に水平方向の旋回軸であり得る。旋回軸は、傾斜した旋回軸であり得る。
【0022】
取外し構成は、1つだけのフラップ部を旋回させることによって達成され得る。しかしながら、カバーのいくつかのフラップ部が旋回させられることにより、加熱デバイスの取外しを可能にするか、または簡素化することも考えられ得る。
【0023】
特に、作動構成と取外し構成との間で軸受ブロック装置の構成を変更するため、カバーが共通の旋回軸回りで旋回させられ得る2つのフラップ部を有することができる。共通の旋回軸は、少なくとも本質的に水平方向の旋回軸であり得る。共通の旋回軸は、少なくとも実質的に垂直方向の旋回軸であってもよい。共通の旋回軸は、傾斜した旋回軸であってもよい。該旋回軸は、舗装方向に沿って鋭角で互いに対向するカバーの2つの側面間の境界に沿って延び得る。該旋回軸は、舗装方向に沿って鋭角で互いに対向するカバーの2つの側面間の中心を延び得る。フラップ部は、それぞれ、舗装方向に沿って鋭角で互いに対向するカバーの2つの側面のうちの1つを有し得るか、または形成し得る。
【0024】
実施形態において、カバーは、基部のみで構成されてもよい。カバーが基部のみで構成されていると、カバー全体は、作動構成と取外し構成との両方で軸受ブロックに接続される。その代替として、カバーは、少なくとも1つの追加部を有し得、該追加部は、作動構成において基部から独立して軸受ブロックに着脱可能に取り付けられ、取外し構成において軸受ブロックから取り外される。追加部を取り外すことによって、軸受ブロック装置は、取外し構成に移行され得る。追加部が取り外されると、加熱デバイスを取り外すために、その加熱デバイスにアクセスできるようになる。
【0025】
軸受ブロック装置は、クランプ要素を含んでもよい。クランプ要素は、支持構造に対して加熱デバイスをクランプするように構成され得る。軸受ブロック装置は、クランプ要素を解放することによって、作動構成から取外し構成に移行され得る。クランプ要素は、支持構造に対して加熱デバイスをクランプするために、軸受ブロックまたはカバーにねじ止めされるように構成されてもよい。支持構造は、軸受ブロックの一部であり得るか、または軸受ブロックに取り付けられてもよい。支持構造は、カバーの一部であり得るか、またはカバーに取り付けられ得る。支持構造は、引張要素、特にばねを備え得る。
【0026】
カバーは、加熱デバイスホルダを含み得る。加熱デバイスホルダは、作動構成において加熱デバイスを定位置に保持することができ、取外し構成において加熱デバイスを取り外せるようにすることができる。加熱デバイスホルダは、加熱デバイス用のねじホルダを含み得る。
【0027】
カバーは、プラウボディ(plow body)として構成され得る。作動構成において、カバーの基部は、道路舗装機械の舗装方向に対して前方に向かってテーパ状になるプラウボディの形状の少なくとも一部を形成し得る。道路舗装機械の舗装方向に対して前方に向かってテーパ状になる形状に起因して、プラウボディは、プラウボディを囲む舗装材に対する抵抗を低減し得る。
【0028】
舗装方向に対して前方に向かってテーパ状になるプラウボディの形状は、舗装方向に沿って鋭角で互いに対向する2つの側面を有し得る。側面のうちの少なくとも1つは、カバーの基部によって形成され得る。両側面は、カバーの基部によって形成され得る。2つの側面は、対称面に関して互いの鏡像であり得る。対称面は、垂直面であり得る。対称面は、垂直方向および舗装方向に対して平行であり得る。
【0029】
本発明のさらなる態様によれば、道路舗装機械の軸受ブロック装置から加熱デバイスを取り外す方法が提供される。道路舗装機械は軸受ブロック装置を備える。軸受ブロック装置は、軸受ブロックと、カバーと、加熱デバイスと、を含む。加熱デバイスは、軸受ブロック装置の収容空間内に収容される。舗装材を分配するための分配オーガが、軸受ブロックに回転可能に取り付けられる。軸受ブロック装置は、作動構成から取外し構成に移される。カバーの少なくとも1つの基部は、作動構成と取外し構成との両方において軸受ブロックに接続される。作動構成において、カバーの基部は、道路舗装機械の舗装方向に対して前方に向かって加熱デバイスを少なくとも部分的に覆う。加熱デバイスは、取外し構成において収容空間から取り外される。
【0030】
軸受ブロック装置を作動構成から取外し構成に移すことは、カバーのフラップ部を旋回軸回りで旋回させることを含み得る。旋回させることは、加熱デバイスを取り外すための開口部を解放し得る。
【0031】
軸受ブロック装置を作動構成から取外し構成に移すことは、軸受ブロックからカバーの追加部を取り外すことを含んでもよい。
【0032】
軸受ブロック装置を作動構成から取外し構成に移すことは、収容空間を開くことを含み得る。
【0033】
加熱デバイスを収容空間から取り外す前に、支持構造に対して加熱デバイスをクランプするクランプ要素を解放することができる。
【0034】
軸受ブロック装置を作動構成から取外し構成に移すことは、加熱デバイスと軸受ブロック装置との間のねじ接続を緩めることを含み得る。
【0035】
カバーはプラウボディとして構成され得る。作動構成において、カバーの基部は、道路舗装機械の舗装方向に対して前方に向かってテーパ状になるプラウボディの形状の少なくとも一部を形成し得る。
【0036】
舗装方向に対して前方に向かってテーパ状になるプラウボディの形状は、舗装方向に沿って鋭角で互いに対向する2つの側面を有し得る。側面のうちの少なくとも1つは、カバーの基部によって形成され得る。両側面は、カバーの基部によって形成され得る。2つの側面は、対称面に関して互いの鏡像であり得る。対称面は、垂直面であり得る。対称面は、垂直方向および舗装方向に対して平行であり得る。
【0037】
説明したように、本発明は、道路舗装機械、および道路舗装機械の軸受ブロック装置から加熱デバイスを取り外す方法に関する。道路舗装機械に関連して説明された特徴が、方法に転用され得るか、または方法と組み合わされ得る。本方法に関連して説明された機能が、道路舗装機械に転用され得るか、道路舗装機械と組み合わされ得る。道路舗装機械は、本方法を実行するのに適切であり得るか、適合され得るか、および/またはそのように構成され得る。本方法は、道路舗装機械を用いて実行され得る。
【0038】
以下において、本発明は、実施形態によって図面を参照してさらに説明される。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【
図1】一実施形態による道路舗装機械についての概略斜視図である。
【
図2】一実施形態による軸受ブロック装置を斜め前方から見た概略斜視図である。
【
図3】ヒンジ付きカバーの様々な実施形態を示す図である。
【
図4】ヒンジ付きカバーの様々な実施形態を示す図である。
【
図5】ヒンジ付きカバーの様々な実施形態を示す図である。
【
図6】基部と追加部とを有するカバーの一実施形態を示す図である。
【
図7】ねじ接続を有するカバーの様々な実施形態を示す図である。
【
図8】ねじ接続を有するカバーの様々な実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
図1は、一実施形態による道路舗装機械1についての概略斜視図である。道路舗装機械1は、移動駆動装置を有する牽引車両3と、舗装スクリード5と、を備える。舗装スクリード5は、牽引バー7を介して牽引車両3に取り付けられ、牽引車両3によって引かれる。道路舗装機械1の舗装方向9に対して牽引車両3の前方に、ホッパー11が舗装材を受け入れるために設けられている。ホッパー11からの舗装材は、牽引車両3上の搬送装置を介して、舗装方向9に対して後方に搬送され、舗装スクリード5に与えられる。
【0041】
分配オーガ13は、舗装スクリード5と牽引車両3との間に、舗装方向9に関連して設けられている。分配オーガ13は、舗装方向9に対して横方向に延在し、舗装方向9に対して横方向に舗装スクリード5の前において舗装材を分配する。分配オーガ13は、軸受ブロック装置15を介して牽引車両3に取り付けられる。分配オーガ13は、軸受ブロック装置15上に回転可能に取り付けられる。
【0042】
図2は、牽引車両3から見た軸受ブロック装置15を示す。軸受ブロック装置15は、図示された実施形態では、分配オーガ13を回転可能に支持する軸受19を有する軸受ブロック17を備える。カバー21が、舗装方向9の前方にある軸受ブロック17に取り付けられている。図示された実施形態では、カバー21は、プラウボディとして構成されている。カバー21は、舗装方向9に沿って鋭角で互いに対向する2つの側面23、25を備える。カバー21のテーパ形状に起因して、カバー21は、カバー21の周りを流れる舗装材に対して比較的低い抵抗を提供する。図示された実施形態では、カバー21は、ねじ接続27を介して軸受ブロック17に接続されている。
【0043】
加熱デバイス31が収容される収容空間29(
図3~8を参照)は、軸受ブロック17とカバー21との間に形成されている。加熱デバイス31は、加熱ロッドの形式の電気抵抗発熱体として構成され得る。
【0044】
図2に示す状態では、軸受ブロック装置15は作動構成において提供されている。作動構成では、加熱デバイス31を収容空間29から取り外すことができない。加熱デバイス31の交換または保守を可能にするために、軸受ブロック装置15は、加熱デバイス31が収容空間29から取り外され得る取外し構成に導かれ得る。
【0045】
図3~8は、カバー21の様々な実施形態を示しており、該カバーは、
図1に示す道路舗装機械1または
図2に示す軸受ブロック装置15に特に使用され得る。
【0046】
図3に示す実施形態では、舗装方向9に沿って鋭角で互いに対向するカバー21の側面23、25は、それぞれ、各側面23、25に割り当てられた軸33、35回りで旋回させられ得る。図示された実施形態では、軸33、35は垂直軸である。側面23、25を旋回させることによって、軸受ブロック17とカバー21との間の収容空間29がアクセス可能にされ得る。軸受ブロック装置15は、そのため、軸33、35回りで側面23、25を旋回させることによって、作動構成から取外し構成に移すことにより、加熱デバイス31の取外しを可能にし得る。
【0047】
図4に示す実施形態では、軸受ブロック装置15は、また、側面23、25を旋回させることによって、作動構成から取外し構成に移され得る。しかしながら、
図3に示す実施形態とは対照的に、
図4による実施形態では、両側面23、25が共通軸37回りで旋回させられる。図示された実施形態では、共通軸37は垂直軸である。
【0048】
図5では、軸受ブロック装置15は、また、側面23、25を旋回させることによって、作動構成から取外し構成に変換され得る。
図5では、側面23は、軸39回りで旋回させられ得、側面25は、軸41回りで旋回させられ得る。軸39および41は水平軸である。
【0049】
図3~5はそれぞれ、両側面23、25が旋回可能であることを示す。しかしながら、軸受ブロック装置15を取外し構成に導くためには、側面23、25のうちの1つのみを旋回させることでもう十分であることがある。
【0050】
図3~5では、カバー21全体は、作動構成と取外し構成との両方において軸受ブロック17に接続されているカバー21の基部42とみなされ得る。
【0051】
図6は、カバー21の一部のみが基部42を形成し、作動構成と取外し構成との両方において軸受ブロック17に接続されたままであるカバー21の実施形態を示している。基部42に加えて、
図6のカバー21は追加部44を備える。
図6では、線40は、基部42と追加部44との間の区切りを表している。軸受ブロック装置15を作動構成から取外し構成に導くために、追加部44は、追加部44を軸受ブロック17に接続しているねじ接続27を緩めることによって、軸受ブロック17から取り外され得る。基部42は、一方で軸受ブロック17に接続されたままとすることができる。カバー21の(少なくとも)二つの部分で構成されている特性に起因して、カバー21全体を取り外して収容空間29をアクセス可能にする必要がない。
【0052】
図7は、カバー21のさらなる実施形態を示す。
図7に示す実施形態において、カバー21は、加熱デバイス31を収容空間29内へと挿入できる開口部43を備える。図示された実施形態では、開口部43は、頂部が開口していることにより、加熱デバイス31が鉛直方向に沿って挿入または取り外されることができるようになっている。収容空間29内には、加熱デバイス31のための支持構造45としてばねが設けられている。開口部43は、雌ねじを有する。雄ねじを有するクランプ要素47が、開口部43内にねじ込まれ得る。加熱デバイス31が挿入されると、クランプ要素47は、ねじ込まれた状態で加熱デバイス31を上から押して、加熱デバイス31を支持構造45に押し付ける。軸受ブロック装置15を作動構成から取外し構成に移すために、クランプ要素47は、開口部43からねじが外され得る。支持構造45は、ばねとして構成されており、それで加熱デバイス31を上向きに押すことにより、加熱デバイス31が開口部43から突出して取り外され得る。カバー21は、プロセス全体を通じて軸受ブロック17に接続されたままである。
【0053】
図8に示す実施形態は、本質的に
図7に示す実施形態に対応するが、クランプ要素47は加熱デバイス31の一部である。加熱デバイス31とクランプ要素47との間の接続により、加熱デバイス31は、クランプ要素47と開口部43との間のねじ接続を緩めた後に、クランプ要素47を上方に掴むことによって直接取り外される。
【0054】
雌ねじを有する開口部43は、加熱デバイスホルダと呼ばれることがある。
【0055】
図7および8のそれぞれでは、カバー21全体を、作動構成と取外し構成との両方において軸受ブロック17に接続されるプラウボディ21の基部42として見ることができる。
【外国語明細書】