(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024098505
(43)【公開日】2024-07-23
(54)【発明の名称】センシング装置
(51)【国際特許分類】
G01L 5/166 20200101AFI20240716BHJP
【FI】
G01L5/166
【審査請求】未請求
【請求項の数】62
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024001736
(22)【出願日】2024-01-10
(31)【優先権主張番号】2023900046
(32)【優先日】2023-01-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AU
(71)【出願人】
【識別番号】522446524
【氏名又は名称】コンタクタイル ピーティーワイ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100118913
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 邦生
(74)【代理人】
【識別番号】100142789
【弁理士】
【氏名又は名称】柳 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100201466
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 邦彦
(72)【発明者】
【氏名】ベンジャミン シア
(72)【発明者】
【氏名】ヘバ カミス
【テーマコード(参考)】
2F051
【Fターム(参考)】
2F051AA10
2F051AB03
2F051BA05
2F051BA07
2F051DA03
2F051DB03
(57)【要約】 (修正有)
【課題】本体の遠位端に加えられた力又はトルクを測定するセンシング装置を提供する。
【解決手段】本ドキュメントは、反射領域に光を透過させ、反射光がどのように受光されるかを測定することにより、力又はトルクを測定するセンシング装置に関する。本発明には、非対称反射領域を使用するものや、共線的ではないように配置される少なくとも3つの光センサの複数の配置を使用するものなど、複数の実施形態がある。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体の遠位端に加えられた力又はトルクを測定するセンシング装置であって、
少なくとも1つの入力部を備えるベースであって、前記少なくとも1つの入力部が、
光制御部と、
少なくとも1つの光源と、
少なくとも2行2列を有する2次元光センサアレイと、
を備えるベースと、
該ベースに近位端で接続される前記本体であって、
弾性支持体と、
前記少なくとも1つの入力部分に対応し、前記近位端から前記遠位端に向かって延び、光透過領域終端部で終端する少なくとも1つの代替光透過領域と、
少なくとも1つの軸線について非対称であり、前記光透過領域終端部に位置する反射領域と、
を備える前記本体と、
を備え、
前記少なくとも1つの光源が、前記反射領域に向かって光を射出するように構成され、
前記少なくとも1つの入力部のうちの1つと、使用中の前記少なくとも1つの代替光透過領域のうちの対応する1つとに関して、前記少なくとも1つの光源からの光が、前記代替光透過領域を介して前記反射領域に向かって通過し、使用中に、前記2次元光センサアレイが前記本体の前記遠位端に加えられた力又はトルクに対応する光シグネチャを受信するように、前記光制御部を介して前記反射領域によって前記2次元光センサアレイ上に反射されるセンシング装置。
【請求項2】
前記本体が、感知される物体に前記センシング装置を取り付けるための取付部材を遠位端に備える請求項1に記載のセンシング装置。
【請求項3】
前記取付部材が、機械的インターロックによって、遠位端で前記本体に装着される請求項2に記載のセンシング装置。
【請求項4】
前記取付部材が、機械的インターロックによって、遠位端で前記本体の前記弾性支持体に装着される請求項3に記載のセンシング装置。
【請求項5】
前記本体の遠位端において、前記弾性支持体によって提供される接触面を備える請求項1に記載のセンシング装置。
【請求項6】
前記接触面が湾曲している請求項5に記載のセンシング装置。
【請求項7】
前記反射領域が、前記弾性支持体の内面領域である請求項1に記載のセンシング装置。
【請求項8】
前記反射領域が、前記内面領域に位置するリフレクタである請求項7に記載のセンシング装置。
【請求項9】
前記反射領域が、前記取付部材の表面である請求項2に記載のセンシング装置。
【請求項10】
前記反射領域がオーバル形状である請求項1に記載のセンシング装置。
【請求項11】
前記反射領域が楕円形状である請求項1に記載のセンシング装置。
【請求項12】
前記少なくとも1つの代替光透過領域の近位端が、前記ベースから延びる請求項1に記載のセンシング装置。
【請求項13】
前記少なくとも1つの代替光透過領域が空洞である請求項1に記載のセンシング装置。
【請求項14】
前記空洞が流体で充填される請求項13に記載のセンシング装置。
【請求項15】
前記流体が空気である請求項13に記載のセンシング装置。
【請求項16】
前記流体が実質的に透明な油である請求項13に記載のセンシング装置。
【請求項17】
前記空洞が実質的に透明なシリコーンで充填される請求項13に記載のセンシング装置。
【請求項18】
前記2次元光センサアレイが、
(v)少なくとも4つの発光ダイオード(LED)の配列、
(vi)少なくとも4つのフォトダイオードの配列、
(vii)相補型金属酸化膜半導体(CMOS)イメージセンサ、または、
(viii)荷電結合素子(CCD)イメージセンサ
である請求項2に記載のセンシング装置。
【請求項19】
前記ベースが、プリント回路基板を備え、前記少なくとも1つの光源が、前記プリント回路基板に取り付けられる請求項5に記載のセンシング装置。
【請求項20】
前記光制御部が開口部を備える請求項19に記載のセンシング装置。
【請求項21】
前記開口部が円形状である請求項20に記載のセンシング装置。
【請求項22】
前記光制御部が、前記リフレクタと前記2次元光センサアレイとの間に延在する請求項20に記載のセンシング装置。
【請求項23】
前記プリント回路基板が、前記光制御部に実質的に隣接する請求項19に記載のセンシング装置。
【請求項24】
前記少なくとも1つの入力部が2つ以上の入力部であり、前記少なくとも1つの代替光透過領域が2つ以上の代替光透過領域であり、各代替光透過領域が、一つの入力部に対応する請求項1に記載のセンシング装置。
【請求項25】
前記反射領域が拡散反射領域である請求項1に記載のセンシング装置。
【請求項26】
前記ベースが、前記光制御部、前記少なくとも1つの光源及び前記2次元光センサアレイを収容するハウジングを備え、該ハウジングが、前記弾性支持体の近位端に関連付けられて固定される請求項1に記載のセンシング装置。
【請求項27】
前記ベースが、(i)少なくとも1つの光源と、(ii)光制御部と、(iii)2次元光センサアレイとが装着されたプリント回路基板を備え、前記光制御部が、前記反射領域と前記2次元光センサアレイとの間に延在する請求項1に記載のセンシング装置。
【請求項28】
前記光制御部が、切頭円錐体に近似した外形を有し、実質的に薄肉状であり、前記開口部が、前記薄肉を介して配置され、前記切頭円錐体の軸線と位置合わせされる請求項27に記載のセンシング装置。
【請求項29】
前記少なくとも1つの光源が、前記代替光透過領域内で前記切頭円錐体に隣接して配置される請求項28に記載のセンシング装置。
【請求項30】
前記弾性支持体が、不透明な暗色系のシリコーンである請求項1に記載のセンシング装置。
【請求項31】
本体の遠位端に加えられた力又はトルクを測定するセンシング装置であって、
2つ以上の光管理装置を備え、
各光管理装置が、
入力部を備える基部であって、前記入力部が、光制御部と、少なくとも1つの光源と、共線的にならないように配置される少なくとも3つの光センサ配列と、を備える基部と、
該基部に近位端で接続される本体部であって、弾性支持部と、前記入力部に対応し、前記近位端から前記本体の遠位端に向かって延び、光透過領域終端部で終端する代替光透過領域と、前記光透過領域終端部に位置する反射領域と、を備える本体部と、
を備え、
前記少なくとも1つの光源が、前記反射領域に向かって光を射出するように構成され、
前記2つ以上の光管理装置に対して、前記基部が1つのベースを形成し、前記弾性支持部が一体となって1つの弾性支持体を形成し、前記本体部が1つの本体を形成し、
前記2つ以上の光管理装置の各々が、使用時に、前記少なくとも1つの光源からの光が、前記代替光透過領域を介して前記反射領域に向かって通過し、前記少なくとも3つの光センサ配列が前記本体部の遠位端に加えられた力又はトルクに対応する光シグネチャを受信するように、光制御部を介して前記反射領域によって前記少なくとも3つの光センサ配列上に反射されるように配置されるセンシング装置。
【請求項32】
前記本体が、前記センシング装置を感知される物体に取り付けるための取付部材を遠位端に備える請求項31に記載のセンシング装置。
【請求項33】
前記取付部材が、機械的インターロックによって、遠位端で前記本体に装着される請求項32に記載のセンシング装置。
【請求項34】
前記取付部材が、機械的インターロックによって、前記本体の遠位端で前記弾性支持体に装着される請求項3に記載のセンシング装置。
【請求項35】
前記本体の遠位端において、前記弾性支持体によって提供される接触面を備える請求項31に記載のセンシング装置。
【請求項36】
前記接触面が湾曲している請求項35に記載のセンシング装置。
【請求項37】
前記反射領域が、前記弾性支持体の内面領域である請求項31に記載のセンシング装置。
【請求項38】
前記反射領域が、前記内面領域に位置するリフレクタである請求項31に記載のセンシング装置。
【請求項39】
前記反射領域が、前記取付部材の表面である請求項31に記載のセンシング装置。
【請求項40】
前記反射領域が、少なくとも1つの軸線について非対称である請求項31に記載のセンシング装置。
【請求項41】
前記反射領域がオーバル形状である請求項40に記載のセンシング装置。
【請求項42】
前記反射領域が楕円形状である請求項40に記載のセンシング装置。
【請求項43】
前記代替光透過領域の近位端が、前記基部から延びる請求項31に記載のセンシング装置。
【請求項44】
前記代替光透過領域が空洞である請求項31に記載のセンシング装置。
【請求項45】
前記空洞が流体で充填される請求項44に記載のセンシング装置。
【請求項46】
前記流体が空気である請求項45に記載のセンシング装置。
【請求項47】
前記流体が実質的に透明な油である請求項45に記載のセンシング装置。
【請求項48】
前記空洞が実質的に透明なシリコーンで充填される請求項44に記載のセンシング装置。
【請求項49】
前記少なくとも3つの光センサ配列が、
(i)3つのLEDの配列、
(ii)3つのフォトダイオードの配列、
(iii)相補型金属酸化膜半導体(CMOS)イメージセンサ、または、
(iv)荷電結合素子(CCD)イメージセンサ
である請求項31に記載のセンシング装置。
【請求項50】
前記ベースが、プリント回路基板を備え、各基部の前記少なくとも1つの光源が、前記プリント回路基板に取り付けられる請求項31に記載のセンシング装置。
【請求項51】
前記光制御部が開口部を備える請求項31に記載のセンシング装置。
【請求項52】
前記開口部が円形状である請求項49に記載のセンシング装置。
【請求項53】
前記光制御部が、前記少なくとも3つの光センサ配列によって受光される前記光を制御するように配置される請求項31に記載のセンシング装置。
【請求項54】
前記少なくとも1つの入力部が2つ以上の入力部であり、前記少なくとも1つの代替光透過領域が2つ以上の代替光透過領域であり、各代替光透過領域が一つの入力部に対応する請求項31に記載のセンシング装置。
【請求項55】
前記反射領域が拡散反射領域である請求項31に記載のセンシング装置。
【請求項56】
前記ベースが、前記プリント回路基板、前記光制御部、前記少なくとも1つの光源及び前記3つの光センサ配列を収容するハウジングを備え、該ハウジングと前記弾性支持体の近位端とが固定関係にある請求項31に記載のセンシング装置。
【請求項57】
前記弾性支持体が、不透明な黒色のシリコーンである請求項31に記載のセンシング装置。
【請求項58】
前記ベースが、プリント回路基板を備え、各基部に対して、(i)少なくとも1つの光源と、(ii)光制御部と、(iii)少なくとも3つの光センサ配列とが、前記光制御部が前記反射領域と前記少なくとも3つの光センサ配列との間に延在するように、前記プリント回路基板に装着される請求項31に記載のセンシング装置。
【請求項59】
前記光制御部が、切頭円錐体に近似した外形形状を有し、実質的に薄肉状であり、前記開口部が、前記薄肉を介して配置され、前記切頭円錐体の軸線と位置合わせされる請求項58に記載のセンシング装置。
【請求項60】
前記少なくとも1つの光源が、前記代替光透過領域内で前記切頭円錐体に隣接して配置される請求項59に記載のセンシング装置。
【請求項61】
本体の遠位端に加えられた力又はトルクを測定する方法であって、
光源から前記本体の遠位端に向かう方向に位置する反射領域に向けて光を射出するステップと、
前記反射領域によって前記光を光制御デバイスに向けて反射させるステップと、
前記光制御デバイスを使用して前記光のシグネチャを制御して前記光の一部を除外するステップと、
前記光の残りの部分を、少なくとも2行2列の2次元光センサアレイで受光し、光シグネチャ出力を提供するステップと、
を含み、
前記リフレクタは、前記光シグネチャ出力が前記本体の遠位端に加えられた力又はトルクを示すように、少なくとも1つの軸線について非対称である方法。
【請求項62】
本体の遠位端に加えられた力又はトルクを測定する方法であって、
対応する2つ以上の光管理装置を使用して、2つ以上の光センシング手順を実行するステップであって、前記光管理装置の各々が、前記本体を形成するように一体的に形成された本体部を備え、各光センシング手順が、
光源からの光を、各本体部の遠位端に向かう方向に位置する反射領域に向けて射出するステップと、
前記反射領域によって前記光を光制御デバイスに向けて反射させるステップと、
前記光制御デバイスを使用して前記光のシグネチャを制御して前記光の一部を除外するステップと、
前記光の残りの部分を、共線的にならないように配置される少なくとも3つの光センサ配列で受光して光シグネチャ出力を提供するステップと、
を含むステップ
を含み、
前記2つ以上の光シグネチャ出力が考慮されて、前記本体の遠位端に加えられた力又はトルクを示す方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は、2023年1月10日に出願されたオーストラリア仮特許出願第2023900046号の優先権を主張するものであり、その内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明はセンサに関し、具体的には、Z軸回転またはトルクを測定するセンサに関する。
【0003】
本発明は、主としてロボット工学において、またはロボット工学とともに使用するために開発されたものであり、以下、本出願を参照して説明する。しかしながら、本発明はこの特定の使用分野に限定されないことが理解されよう。
【背景技術】
【0004】
ロボットは、物体の形状、重量、表面特性を「知っている」場合、慣れ親しんだ対象物を把持することはある程度可能である。これは、環境が体系化され反復的な産業用ソリューションには適しているかもしれないが、体系化されていない環境では、ロボットは今まで直面したことのない物体を操作する必要がある。
【0005】
PCT/AU2018/050859(特許文献1:国際公開第2019/033159号)は、ロボット接触センサに関連するシステムおよび方法を開示し、具体的には、「接触面の法線方向のトルクを検出する方法であって、ベース面から先端まで延びる複数の突起を設けることと、前記先端の変位を3次元的に測定することと、前記先端部に加わる力を3次元的に推定することと、前記突起が延びる点における前記ベース面の法線軸線まわりの撓みを測定することとを含む方法」を開示する。
【0006】
また、特許文献1は、3次元での力の測定により、Z軸まわりの力のx-y撓みまたはカールを感知できるため、突起のアレイがトルクを推定できることを開示している。このようにトルクを推定することで、適宜トルクの増加を考慮して把持力を増加させることができるため、把持の安全性を高めることができる。
【0007】
但し、引用文献1は、純粋に接触センサであることに着目することが重要である。このセンサは、接触面としてのみ使用でき、ロボット関節のような2つの部品の間に取り付けるには適していない。
【0008】
本発明は、従来技術の少なくともいくつかの欠点を克服するか、実質的に改善するか、あるいは少なくとも代替手段を提供するセンサを提供しようとするものである。
【0009】
本明細書において先行技術情報が参照されている場合、その参照は、その情報がオーストラリアまたは他国における当該技術分野における一般的な知識の一部を形成していることを認めるものではないことを理解されたい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【発明の概要】
【0011】
本発明の第1の態様によれば、本体の遠位端に加えられた力又はトルクを測定するセンシング装置であって、少なくとも1つの入力部を備えるベースであって、前記少なくとも1つの入力部が、光制御部と、少なくとも1つの光源と、少なくとも2行2列を有する2次元光センサアレイと、を備えるベースと、該ベースに近位端で接続される前記本体であって、弾性支持体と、前記少なくとも1つの入力部分に対応し、前記近位端から前記遠位端に向かって延び、光透過領域終端部で終端する少なくとも1つの代替光透過領域と、少なくとも1つの軸線について非対称であり、前記光透過領域終端部に位置する反射領域と、を備える前記本体と、を備え、前記少なくとも1つの光源が、前記反射領域に向かって光を射出するように構成され、前記少なくとも1つの入力部のうちの1つと、使用中の前記少なくとも1つの代替光透過領域のうちの対応する1つに関して、前記少なくとも1つの光源からの光が、前記代替光透過領域を介して前記反射領域に向かって通過し、使用中に、前記2次元光センサアレイが前記本体の前記遠位端に加えられた力又はトルクに対応する光シグネチャを受信するように、前記光制御部を介して前記反射領域によって前記2次元光センサアレイ上に反射されるセンシング装置(sensing arrangement)が提供される。
【0012】
有利なことに、本センシング装置は、本体の遠位端が、把持されている物体に直接接触しているか、ロボットや機械の他の構成要素であるかに関係なく、本体の遠位端に加えられた力又はトルクを測定することができる。
【0013】
本センシング装置は、ベースに接続された1つの本体から構成されるため、装置全体としては、いくつかの先行技術の装置よりも物理的に複雑にならないようにすることができる。
【0014】
有利なことに、少なくとも1つの軸線について非対称な反射領域は、1つの入力部のみが設けられている場合に、Z軸回転及びトルクを測定することができる。また、3次元の力を測定することもできる。
【0015】
一実施形態では、前記本体が、感知される物体に前記センシング装置を取り付けるための取付部材を遠位端に備える。
【0016】
一実施形態では、前記取付部材が、機械的インターロックによって、遠位端で前記本体に装着される。
【0017】
一実施形態では、前記取付部材が、機械的インターロックによって、遠位端で前記本体の前記弾性支持体に装着される。
【0018】
一実施形態では、前記本体の遠位端において、前記弾性支持体によって提供される接触面を備える。
【0019】
一実施形態では、前記接触面が湾曲している。
【0020】
一実施形態では、前記反射領域が、前記弾性支持体の内面領域である。
【0021】
一実施形態では、前記反射領域が、前記内面領域に位置するリフレクタである。
【0022】
一実施形態では、前記反射領域が、前記取付部材の表面である。
【0023】
一実施形態では、前記反射領域がオーバル形状である。
【0024】
一実施形態では、前記反射領域が楕円形状である。
【0025】
一実施形態では、前記少なくとも1つの代替光透過領域の近位端が、前記ベースから延びる。
【0026】
一実施形態では、前記少なくとも1つの代替光透過領域が空洞である。
【0027】
一実施形態では、前記空洞が流体で充填される。
【0028】
一実施形態では、前記流体が空気である。
【0029】
一実施形態では、前記流体が実質的に透明な油である。
【0030】
一実施形態では、前記空洞が実質的に透明なシリコーンで充填される。
【0031】
一実施形態では、前記2次元光センサアレイが、(i)少なくとも4つの発光ダイオード(LED)の配列、(ii)少なくとも4つのフォトダイオードの配列、(iii)相補型金属酸化膜半導体(CMOS)イメージセンサ、または、(iv)荷電結合素子(CCD)イメージセンサである。
【0032】
一実施形態では、前記ベースが、プリント回路基板を備え、前記少なくとも1つの光源が、前記プリント回路基板に取り付けられる。
【0033】
一実施形態では、前記光制御部が開口部を備える。
【0034】
一実施形態では、前記開口部が円形状である。
【0035】
一実施形態では、前記光制御部が、前記リフレクタと前記2次元光センサアレイとの間に延在する。
【0036】
一実施形態では、前記プリント回路基板が、前記光制御部に実質的に隣接する。
【0037】
一実施形態では、前記少なくとも1つの入力部が2つ以上の入力部であり、前記少なくとも1つの代替光透過領域が2つ以上の代替光透過領域であり、各代替光透過領域が、一つの入力部に対応する。
【0038】
一実施形態では、記反射領域が拡散反射領域である。
【0039】
一実施形態では、前記ベースが、前記光制御部、前記少なくとも1つの光源及び前記2次元光センサアレイを収容するハウジングを備え、該ハウジングが、前記弾性支持体の近位端に関連付けられて固定される。
【0040】
一実施形態では、前記ベースが、(i)少なくとも1つの光源と、(ii)光制御部と、(iii)2次元光センサアレイとが装着されたプリント回路基板を備え、前記光制御部が、前記反射領域と前記2次元光センサアレイとの間に延在する。
【0041】
一実施形態では、前記光制御部が、切頭円錐体に近似した外形を有し、実質的に薄肉状であり、前記開口部が、前記薄肉を介して配置され、前記切頭円錐体の軸線と位置合わせされる。
【0042】
一実施形態では、前記少なくとも1つの光源が、前記代替光透過領域内で前記切頭円錐体に隣接して配置される。
【0043】
一実施形態では、前記弾性支持体が、不透明な暗色系のシリコーンである。
【0044】
本発明の第2の態様によれば、本体の遠位端に加えられた力又はトルクを測定するセンシング装置が提供され、該センシング装置は、2つ以上の光管理装置を備え、各光管理装置が、入力部を備える基部であって、前記入力部が、光制御部と、少なくとも1つの光源と、共線的にならないように配置される少なくとも3つの光センサ配列と、を備える基部と、該基部に近位端で接続される本体部であって、弾性支持部と、前記入力部に対応し、前記近位端から前記本体の遠位端に向かって延び、光透過領域終端部で終端する代替光透過領域と、前記光透過領域終端部に位置する反射領域と、を備える本体部と、を備え、前記少なくとも1つの光源が、前記反射領域に向かって光を射出するように構成され、前記2つ以上の光管理装置に対して、前記基部が1つのベースを形成し、前記弾性支持部が一体となって1つの弾性支持体を形成し、前記本体部が1つの本体を形成し、前記2つ以上の光管理装置の各々が、使用時に、前記少なくとも1つの光源からの光が、前記代替光透過領域を介して前記反射領域に向かって通過し、前記少なくとも3つの光センサ配列が前記本体部の遠位端に加えられた力又はトルクに対応する光シグネチャを受信するように、光制御部を介して前記反射領域によって前記少なくとも3つの光センサ配列上に反射されるように配置される。有利なことに、本センシング装置は、本体の遠位端が、把持されている物体に直接接触しているか、ロボットや機械の他の構成要素であるかに関係なく、本体の遠位端に加えられた力又はトルクを測定することができる。
【0045】
本センシング装置は、ベースに接続された1つの本体から構成されるため、装置全体としては、いくつかの先行技術の装置よりも物理的に複雑にならないようにすることができる。
【0046】
有利なことに、少なくとも2つの光管理装置を設けることにより、Z軸回転及びZトルクを測定することができる。また、2つの光管理装置により、3次元の力及び3次元の変位、Z回転及びZトルク、並びに2つの光センシング管理装置を結ぶ線によって定義される軸線まわりの回転及びトルク(すなわち、Z回転とZトルクだけではない)の測定も可能になる。
【0047】
一実施形態では、前記本体が、前記センシング装置を感知される物体に取り付けるための取付部材を遠位端に備える。
【0048】
一実施形態では、前記取付部材が、機械的インターロックによって、遠位端で前記本体に装着される。
【0049】
一実施形態では、前記取付部材が、機械的インターロックによって、前記本体の遠位端で前記弾性支持体に装着される。
【0050】
一実施形態では、前記本体の遠位端において、前記弾性支持体によって提供される接触面を備える。
【0051】
一実施形態では、前記接触面が湾曲している。
【0052】
一実施形態では、前記反射領域が、前記弾性支持体の内面領域である。
【0053】
一実施形態では、前記反射領域が、前記内面領域に位置するリフレクタである。
【0054】
一実施形態では、前記反射領域が、前記取付部材の表面である。
【0055】
一実施形態では、前記反射領域が、少なくとも1つの軸線について非対称である。
【0056】
一実施形態では、前記反射領域がオーバル形状である。
【0057】
一実施形態では、前記反射領域が楕円形状である。
【0058】
一実施形態では、前記反射鏡領域は2軸に関して対称である。
【0059】
一実施形態では、前記反射器領域が円形状である。
【0060】
一実施形態では、前記代替光透過領域の近位端が、前記基部から延びている。
【0061】
一実施形態では、前記代替光透過領域が空洞である。
【0062】
一実施形態では、前記空洞が流体で充填される。
【0063】
一実施形態では、前記流体が空気である。
【0064】
一実施形態では、前記流体が実質的に透明な油である。
【0065】
一実施形態では、前記空洞が実質的に透明なシリコーンで充填される。
【0066】
一実施形態では、前記少なくとも3つの光センサ配列が、(i)3つのLEDの配列、(ii)3つのフォトダイオードの配列、(iii)相補型金属酸化膜半導体(CMOS)イメージセンサ、または、(iv)荷電結合素子(CCD)イメージセンサである。
【0067】
一実施形態では、前記ベースが、プリント回路基板を備え、各基部の前記少なくとも1つの光源が、前記プリント回路基板に取り付けられる。
【0068】
一実施形態では、前記光制御部が開口部を備える。
【0069】
一実施形態では、前記開口部が円形状である。
【0070】
一実施形態では、前記光制御部が、前記少なくとも3つの光センサ配列によって受光される前記光を制御するように配置される。
【0071】
一実施形態では、前記少なくとも1つの入力部が2つ以上の入力部であり、前記少なくとも1つの代替光透過領域が2つ以上の代替光透過領域であり、各代替光透過領域が一つの入力部に対応する。
【0072】
一実施形態では、前記反射領域が拡散反射領域である。
【0073】
一実施形態では、前記ベースが、前記プリント回路基板、前記光制御部、前記少なくとも1つの光源及び前記3つの光センサ配列を収容するハウジングを備え、該ハウジングと前記弾性支持体の近位端とが固定関係にある。
【0074】
一実施形態では、前記弾性支持体が、不透明な黒色のシリコーンである。
【0075】
一実施形態では、前記ベースが、プリント回路基板を備え、各基部に対して、(i)少なくとも1つの光源と、(ii)光制御部と、(iii)少なくとも3つの光センサ配列とが、前記光制御部が前記反射領域と前記少なくとも3つの光センサ配列との間に延在するように、前記プリント回路基板に装着される。
【0076】
一実施形態では、前記光制御部が、切頭円錐体に近似した外形形状を有し、実質的に薄肉状であり、前記開口部が、前記薄肉を介して配置され、前記切頭円錐体の軸線と位置合わせされる。
【0077】
一実施形態では、前記少なくとも1つの光源が、前記代替光透過領域内で前記切頭円錐体に隣接して配置される。
【0078】
本発明の別の態様によれば、本体の遠位端に加えられた力又はトルクを測定する方法であって、光源から前記本体の遠位端に向かう方向に位置する反射領域に向けて光を射出するステップと、前記反射領域によって前記光を光制御デバイスに向けて反射させるステップと、前記光制御デバイスを使用して前記光のシグネチャを制御して前記光の一部を除外するステップと、前記光の残りの部分を、少なくとも2行2列の2次元光センサアレイで受光し、光シグネチャ出力を提供するステップと、を含み、前記リフレクタは、前記光シグネチャ出力が前記本体の遠位端に加えられた力又はトルクを示すように、少なくとも1つの軸線について非対称である方法が提供される。
【0079】
有利なことに、本方法は、本体の遠位端が、把持されている物体に直接接触しているか、ロボットや機械の他の構成要素であるかに関係なく、本体の遠位端に加えられた力又はトルクを測定することができる。
【0080】
有利なことに、少なくとも1つの軸に関して非対称な反射領域は、Z軸回転及びトルクを測定することを可能にする。
【0081】
本発明の別の態様によれば、本体の遠位端に加えられた力又はトルクを測定する方法であって、対応する2つ以上の光管理装置を使用して、2つ以上の光センシング手順を実行するステップであって、前記光管理装置の各々が、前記本体を形成するように一体的に形成された本体部を備え、各光センシング手順が、光源からの光を、各本体部の遠位端に向かう方向に位置する反射領域に向けて射出するステップと、前記反射領域によって前記光を光制御デバイスに向けて反射させるステップと、前記光制御デバイスを使用して前記光のシグネチャを制御して前記光の一部を除外するステップと、前記光の残りの部分を、共線的にならないように配置される少なくとも3つの光センサ配列で受光して光シグネチャ出力を提供するステップと、を含むステップを含み、前記2つ以上の光シグネチャ出力が考慮されて、前記本体の遠位端に加えられた力又はトルクを示す方法が提供される。
【0082】
有利なことに、本方法は、本体の遠位端が、把持されている物体に直接接触しているか、ロボットや機械の他の構成要素であるかに関係なく、本体の遠位端に加えられた力又はトルクを測定することができる。
【0083】
本センシング装置は、ベースに接続された一体型の本体から構成されるため、装置全体としては、いくつかの先行技術の装置よりも物理的に複雑にならないようにすることができる。
【0084】
有利なことに、各々が本体部を備え、これらの本体部が本体を形成するように一体的に形成された、対応する2つ以上の光管理配置を使用する少なくとも2つの光センシング手順を提供することにより、Z軸回転及びZトルクを測定することができる。また、2つの光センシング手順により、3次元の力及び3次元の変位、Z回転及びZトルク、並びに2つの光センシング管理装置を結ぶ線によって定義される軸線まわりの回転及びトルク(すなわち、Z回転とZトルクだけではない)の測定も可能になる。
【0085】
本発明が関連する技術分野の当業者には、添付の特許請求の範囲に定義された本発明の範囲から逸脱することなく、本発明の構造における多くの変更及び広く異なる実施形態および適用が示唆されるであろう。本明細書における開示および説明は、純粋に例示的なものであり、いかなる意味においても限定的であることを意図するものではない。
【0086】
本発明の他の態様も開示されている。
【図面の簡単な説明】
【0087】
本発明の範囲に含まれ得る他の形態にかかわらず、本発明の好ましい実施形態を、例示のためにのみ、添付図面を参照して説明する。
【
図1】センシング装置の第1の実施形態の断面概略図である。
【
図2】第1の実施形態のセンシング装置のいくつかの部品の底面等角分解図であり、センシング装置の弾性支持部材が断面で示された図である。
【
図3】第1の実施形態のセンシング装置のいくつかの部品の上面等角分解図であり、センシング装置の弾性支持部材が断面で示された図である。
【
図4】センシング装置の第2の実施形態の断面概略図である。
【
図5】センシング装置の第3の実施形態の断面概略図である。
【
図6】様々な実施形態に係る様々な光センサアレイ構成を示す図である。
【
図7】第1の態様のセンシング装置の実施形態(すなわち、1つの軸において非対称なリフレクタを有する1つの空洞)のピンホール計装のシミュレーション結果を示す図である。
【
図8A】
図7の実施形態の模擬フォトダイオード出力に関する一連のチャートを示す図である。
【
図8B】
図7の実施形態の模擬フォトダイオード出力に関する一連のチャートを示す図である。
【
図9A】4つの空洞と円形状リフレクタを有する実施形態から得られた実際のフォトダイオードデータを示す図である。
【
図9B】4つの空洞と円形状リフレクタを有する実施形態から得られた実際のフォトダイオードデータを示す図である。
【
図10A】XYZ力とXYZトルクの実測値と、
図9A及び
図9Bのフォトダイオードの値に多変量多項式回帰を適用して算出した推定値を示す図である。
【
図10B】XYZ力とXYZトルクの実測値と、
図9A及び
図9Bのフォトダイオードの値に多変量多項式回帰を適用して算出した推定値を示す図である。
【
図10C】XYZ力とXYZトルクの実測値と、
図9A及び
図9Bのフォトダイオードの値に多変量多項式回帰を適用して算出した推定値を示す図である。
【
図11】本発明の他の実施形態に係る、本体の遠位端に加えられた力又はトルクを測定する方法を示す図である。
【
図12】本発明の他の実施形態に係る、本体の遠位端に加えられた力又はトルクを測定する代替方法を示す図である。
【
図13】センシング装置の単一PCB実施形態の断面概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0088】
以下の説明において、異なる実施形態における同種または同一の参照符号は、同一または類似の特徴を示すことに留意されたい。
【0089】
本発明の第1の実施形態によるセンシング装置が
図1から
図3に示されており、全般的に符号1で示されている。センシング装置1は、本体5を有し、本体5の遠位端55に加えられた力又はトルクを測定することができる。
【0090】
センシング装置1はベース10を有し、ベース10は4つの入力部を有しており、そのうちの2つが15a,15bとして示されている(15c,15dは不図示)。
【0091】
説明を簡単にするために、図面に示された断面図を考慮すると、図示されていないが、図示された要素と同じタイプの要素は、同じように機能することが理解されるべきである。例えば、図面参照に「c」、「d」を付加することによって示されるそれらの入力部は、2つの入力部15a,15bと同様に機能し、断面視のために示されていないだけである。
【0092】
ベースはまた、パネル16の形態をとる光制御部材と、パネル16が着座するプリント回路基板18と、第2のプリント回路基板17と、ケーシング19とを有する。この実施形態では、パネル16は適切な接着剤によってプリント回路基板18に接着されている。他の実施形態では、パネル16は、任意の適切な手段によってセンシング装置1の残りの部分に対して位置的に固定されてもよい。4つの入力部15a,15b(15c,15dは不図示)の各々は、以下を有する。
1.パネル16に画定された円形状の開口部20a,20b(20c,20dは不図示)の形態の光制御部。
2. 4つのLEDアレイ25a,25b(25c,25dは不図示)の形態の光源。各アレイにおいて、LEDは等間隔に配置されている。
3.4つのフォトダイオードアレイ30a,30b(30c,30dは不図示)の形態の少なくとも2行2列の2次元光センサアレイ。
【0093】
LEDアレイ25a,25bはプリント回路基板18に装着されている。フォトダイオードアレイ30a,30bは、各アレイが各円形状開口部20a,20bのすぐ下に、隣接して、かつそれと位置合わせされて取り付けられている。
【0094】
フォトダイオードアレイ30a,30bは第2のプリント回路基板17に装着されている。
【0095】
プリント回路基板17,18は、一連の接続されたプリント回路基板、または必要な機能を提供する任意の電気的に接続された装置を備え得る。
【0096】
第2のプリント回路基板17は、パネル16の開口部を通って延びるケーブルによってプリント回路基板18に電気的に接続されている。パネル16は熱可塑性ポリマーであるアクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)製である。
【0097】
入力部15a,15b、パネル16、プリント回路基板18及び第2のプリント回路基板17は全て、ケーシング19内に封入されている。この実施形態では、ケーシング19は熱可塑性ポリマーであるアクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)で作製されているが、他の実施形態では、金属やポリマーなど、他の適切な剛性材料で作製されてもよい。
【0098】
本体5は、機械的インターロック31によって、近位端35でケーシング19に接続されている。機械的インターロック31は、部分的に周囲を取り囲むリブ部を有する本体5によって提供される。リブはケーシング19によって係合される。
【0099】
図2及び
図3は、
図1に示されるように横方向に延びるように示されている本体又はパネルの全てを示していないことに留意されたい。
【0100】
本体5は、弾性を有するシリコーン支持体40内に空洞の形態の4つの代替光透過領域を画定する弾性を有するシリコーン支持体40を有し、そのうちの2つは
図1に45a,45b(45c,45dは不図示)で示されており、入力部15a,15bに対応している。この空洞は、本実施形態では空気で充填されている。
【0101】
空洞45a、45bは、近位端35から弾性を有するシリコーン支持体40の遠位端50に向かって延び、本体5の遠位端55の近くにあり、この場合、空洞45a,45b(65c,65dは不図示)の4つの終端60a,60b(60c,60dは不図示)である光透過領域の終端で終端する。
【0102】
本体5は、空洞45a,45b(45c、45dは不図示)の終端60a、60b(60c,60dは不図示)に位置する4つの反射領域65a,65b(65c,65dは不図示)を有する。この実施形態では、反射領域は、弾性を有するシリコーン支持体40の4つの内面領域46a,46b(46c,46dは不図示)に設けられている。
【0103】
この実施形態では、反射領域65a,65b(65c,65dは不図示)は、光をよく反射するが拡散的に反射する不透明な白色シリコーンで形成されている。弾性を有するシリコーン支持体40の残りの部分は、光の反射干渉を低減するために、この実施形態では、暗色系のシリコーン、この場合は黒色から作製されている。空洞45a,45b(45c,45dは不図示)の内面は、反射干渉をさらに低減するためにつや消しである。このつや消しの表面テクスチャは、成形工程で、対応するテクスチャ表面を有する金型でシリコーンを成形することによって実現される。シリコーンの暗い色は、空洞45a,45b(45c,45dは不図示)のつや消しの表面テクスチャとともに、弾性を有する支持体を、光源によって射出されて4つの反射領域65a,65b(65c,65dは不図示)によって反射される光に対して実質的に不透明にする。反射領域65a,65b(65c,65dは不図示)は、弾性を有するシリコーン支持体40の残りの部分と共成形されている。
【0104】
重要なことは、単一の入力部および関連要素(例えば、反射領域、空洞)のみが提供される他の実施形態において、センシング装置がZ軸トルクを読み取ることができるためには、反射領域65aは、少なくとも1つの軸に関して対称的に光を反射してはならないということである。例えば、反射領域は、楕円形状やオーバル形状であってもよい。
【0105】
LEDアレイ25a、25b(25c、25dは不図示)は、対応する反射領域65a,65b(65c,65dは不図示)に向かって比較的均一に光を射出するように方向づけられる。当業者であれば、LEDの配置や数、実際には、リフレクタを十分に照明する光源であれば、どのようなものでも適していることを理解するであろう。光源がリフレクタをできるだけ均一に照明することが望ましいが、不均一な照明であっても較正することができる。
【0106】
第1の入力部15aに関連して、LEDアレイ25aによって射出された光は、空洞45aを通って反射領域65aに向かう。反射領域65aは、使用時に、光を円形状開口部20aを通して反射させ、フォトダイオードアレイ30aに照射させる。これにより、フォトダイオードアレイ30aは、本体の遠位端55が移動すると、光が反射領域65aから異なる方法で反射されるため、本体の遠位端55に加えられた3次元の力に対応する光シグネチャを受信する。
【0107】
有利なことに、センシング装置1は、本体5の遠位端55が把持される物体に直接接触しているか、ロボットまたは機械の他の構成要素であるかに関係なく、本体5の遠位端55に加えられた力またはトルクを測定することができる。
【0108】
この場合、本体5は、その遠位端55に取付部材又は構造70を備える。取付部材70は、
図1に示されるように、機械的インターロック75によって、その遠位端55で本体5、具体的には弾性を有するシリコン支持体40に取り付けられている。
【0109】
取付構造70は、ロボットの他の構成要素、例えばロボットの四肢、手、指などに接続するように適合されている。接続は、ボルトとナット、ねじ、接着剤など、任意の適切な手段で行うことができる。
【0110】
遠位端55が物体を直接把持するために使用される場合、センシング装置1は、ベース10に接続された単一の本体5を備えているので、全体的な装置1は、いくつかの先行技術の装置よりも物理的に複雑にならないようにすることができる。例えば、物体を把持するために多くの本体又は突起が設けられる場合などである。例えば、
図5の実施形態を参照のこと。
【0111】
有利なことに、少なくとも1つの軸に関して非対称な反射領域65a,65bが、Z軸回転およびトルクの測定を可能にする。
【0112】
この実施形態では、反射領域65a,65bはオーバル形状であるが、そうである必要はない。しかし、単一の空洞のみを有する実施形態では、Z回転とトルクを測定するために、反射領域は1つの軸に関して非対称である必要がある。
【0113】
この実施形態では、ベース10は基本的に、
図1に示すように、様々な構成要素が隣接する層状のサンドイッチ構造であるが、他の実施形態では、構成要素間に隙間や間隔があってもよいことを理解されたい。
【0114】
また、この実施形態では、入力部15a~15dのうちの4つには、全ての対応する要素、例えば、開口部20a~d、LEDアレイ25a~d、フォトダイオードアレイ30a~d、空洞45a~d、内面領域46a~d、終端50a~d及び反射領域65a~dのうちの4つが設けられていることを理解されたい。他の実施形態では、5個、6個、7個、8個、9個又は10個以上の入力部15及び対応する素子が設けられてもよい。さらに他の実施形態では、3つ、2つあるいは1つの入力部15及び対応する素子が設けられてもよい。装置に設計された入力部15の数は、センシング装置1の全体的な大きさ、又は特定の用途で必要とされる測定の忠実度若しくは信頼度などの様々な要因によるだろう。反射領域が対称であると仮定すると、3次元トルクの測定には、共線的でない少なくとも3つの入力部15a~15dが必要である。3つ以上の入力部15a~15dは、冗長性及び場合によってはノイズレベルの低減において利点をもたらし得る。
【0115】
反射領域65は少なくとも1つの軸において対称ではないため、この実施形態においても、センシング装置は、単一の入力部15及び対応する素子のみでZ軸トルクを測定できることに留意されたい。
【0116】
図5に示す代替実施形態では、弾性を有するシリコーン支持体40は、好ましくは湾曲している遠位端50における接触面80を提供する。この実施形態では、接触面80は、把持されるか、押されるか、または他の方法で直接操作される物体に接触するように適合される。
【0117】
図4に示す代替実施形態では、反射領域100は、弾性を有するシリコーン支持体40eの表面または領域ではなく、取付部材70eの反射型下面100によって提供される。
【0118】
さらに他の実施形態では、一つの反射領域又は複数の反射領域は、光源によって射出された光のスペクトル範囲の光の拡散反射をもたらす
任意の適切な反射性の本体、構造又は表面によって提供されてもよい。例えば、LEDアレイが有色(例えば赤色)または赤外線LEDである場合、反射領域は、このスペクトル範囲の光を反射し、光センサアレイ(フォトダイオードアレイ30a,30bなど)は、そのスペクトル範囲内で感知するであろう。
【0119】
さらに他の実施形態では、弾性を有するシリコーン支持体40、弾性を有するシリコーン支持体40bは、ゴムまたは可撓性ポリマーなどの任意の弾性材料で作製されている。また、大きな力又はトルクの印加を伴う他の実施形態では、弾性材料は、従来は弾性があるとはみなされていないが、それでもその力またはトルクのレベルに基づいて適切な範囲内で撓む(弾性変形する)ものであることが想定される。このような材料の例としては、金属、ガラス、硬質プラスチックなどがある。
【0120】
代替実施形態では、空洞は、実質的に透明な油など、空気以外の流体で充填されてもよい。空洞はまた、実質的に透明なシリコーンや他の適切な透明流体または材料などの代替の透明材料で充填されてもよい。
【0121】
この実施形態では、2次元光センサアレイ30a,30bの各々は、4つのフォトダイオード(2行2列)のアレイである。しかしながら、少なくとも1つの軸上で対称でないリフレクタを備える単一空洞センシング装置に関しては、1つの軸線に沿った少なくとも2つの位置と、別の異なる軸線に沿った2つの位置とを有し、各位置が干渉することなく反射光を受光することができる光センサの他の任意のアレイが適していることを理解すべきである。例えば、光センサアレイは、発光ダイオード(LED)のアレイであってもよいし、相補型金属酸化膜半導体(CMOS)イメージセンサーデバイスであってもよいし、荷電結合素子(CCD)イメージセンサであってもよい。代替実施形態における光センサアレイの様々な幾何学的配置が
図6に示されているが、例えば、光センサアレイが、
1.三角形の等間隔に配置された3つの各頂点105
2.正方形の間隔を空けた4つの各頂点115
3.円の3つの各セクタ120
4.円の4つの各セクタ125
5.円の離れている4つの各セクタ130
6.六角形の4つの象限135
7.三角形の3つの各部分140(間隔をあけて、又はそれ以外の方法で)
8.菱形の4つの三角形状の各部分145(間隔をあけて、又はそれ以外の方法で)
9.2×2の正方形アレイの4つの各象限146
で、幾何学的に配置された光センシング素子から構成されている場合などである。
【0122】
この
図6において、以下の参照符号が、センシング装置1に適したアレイ構成を示すものである:115、125、130、135、145又は146。
【0123】
代替実施形態では、パネル16は、金属やポリマーなどの他の適切な剛性材料で作製されてもよい。
【0124】
次に、本発明の他の態様に係るセンシング装置1’の他の実施形態を、
図1~
図3の実施形態を参照しつつ、相違点を特定して説明する。この実施形態では、少なくとも2つの入力部15a’,15b’が必要であり、反射領域65a’,65b’は、対称又は非対称の拡散領域とすることができる。反射領域65a,65bは、光センサアレイに向けて光を好適に反射する任意の好適な形状であってよい。それらは、例えば、平坦または湾曲した円板によって提供されてもよい。
【0125】
センシング装置1’の場合、センシング装置1の少なくとも2行及び少なくとも2列の2次元光センサアレイは必ずしも必要ではない。センシング装置1’の光感知は、共線的でない少なくとも3つの光センサの配置によって行われる。
【0126】
有利なことに、光が射出され、反射され、管理された後に感知され、入力部15a’,15b’に対応する、少なくとも2つの光管理装置が提供されることにより、反射領域65a’,65b’の一方が非対称形状であることを必ずしも必要とせずに、Z軸回転及びトルクを測定することができる。
【0127】
センシング装置1,1’を含む様々な実施形態では、三次元の力及びトルクも測定される。
【0128】
図7は、第1の態様のセンシング装置の一実施形態(すなわち、1軸において非対称なリフレクタを有する1つの空洞)のピンホール計装のシミュレーション結果を示す。この実施形態は、x軸半径0.75mm、y軸半径1.5mmの楕円形リフレクタ、半径0.4mmの円形状開口部、及び各素子が1.385×1.385mmの2×2フォトダイオードアレイを含む。リフレクタから開口部までの距離は3.5mmで、フォトダイオードから開口部までの距離は2mmである。
【0129】
図8A及び
図8Bは、
図7の実施形態の模擬フォトダイオード出力に関連する一連のチャートを示す。プロット800は、4つのフォトダイオードquadTL、quadTR、quadBL及びquadBR)からの模擬フォトダイオード出力である。プロット810はX偏向、プロット820はY偏向、プロット830はZ偏向、プロット840はZ回転を示している。これらのプロットの点線は、2次多変量多項式回帰によって計算された推定値を示している(回帰のための特徴は、プロット800からの4つのフォトダイオード出力である)。
【0130】
図9A及び
図9Bは、センシング装置の第2の態様の4つの空洞及び円形状リフレクタを有する実施形態から得られた実際のフォトダイオードデータを示している。
【0131】
【0132】
図11に示されるように、他の実施形態では、本体の遠位端に加えられた力又はトルクを測定する方法であって、
1.光源から本体の遠位端に向かう方向に位置する非対称反射領域に向けて光を射出するステップ(500)と、
2.非対称反射領域によって前記光を光制御デバイスに向けて反射させるステップ(510)と、
3.光制御デバイスを使用して光のシグネチャを制御して光の一部を除外するステップ(520)と、
4.光の残りの部分を、少なくとも2行2列の2次元光センサアレイで受光し、光シグネチャ出力をもたらし、光シグネチャ出力が、本体の遠位端に加えられた力又はトルクを示すステップ(530)と、
を含む方法が開示されている。
【0133】
有利なことに、本方法は、本体の遠位端が把持される物体に直接接触しているか、ロボット又は機械の別の構成要素であるかに関係なく、本体の遠位端に加えられた力又はトルクを測定することができる。
【0134】
有利なことに、少なくとも1つの軸に関して非対称な反射領域は、Z軸回転及びトルクの測定を可能にする。
【0135】
ステップ500~530を含む方法は、センシング装置1によって実施され得ることを理解されたい。
【0136】
図12に示されるように、他の実施形態では、本体の遠位端に加えられた力又はトルクを測定する方法であって、
1.対応する2つ以上の光管理装置を使用して、2つ以上の光センシング手順を実行するステップ(600)であって、光管理装置の各々が、本体を形成するように一体的に形成された本体部を備え、各光センシング手順が、
(1a)光源からの光を、各本体部の遠位端に向かう方向に位置する反射領域に向けて射出するステップ(610)と、
(1b)反射領域によって光を光制御デバイスに向けて反射させるステップ(620)と、
(1c)光制御デバイスを使用して光のシグネチャを制御して光の一部を除外するステップ(630)と、
(1d)光の残りの部分を、共線的でない少なくとも3つの光センサの光センサ配置で受光して光シグネチャ出力を提供するステップ(640)と、
を含むステップを含む方法が開示される。
【0137】
このようにして、2つ以上の光シグネチャ出力がともに考慮されて、本体の遠位端に加えられた力またはトルクを示す。
【0138】
有利なことに、本方法は、本体の遠位端が把持される物体に直接接触しているか、ロボット又は機械の別の構成要素であるかに関係なく、本体の遠位端に加えられた力またはトルクを測定することができる。
【0139】
センシング装置は、ベースに接続された一体型の本体を備えているため、装置全体としては、いくつかの先行技術の装置よりも物理的に複雑にならないようにすることができる。
【0140】
有利なことに、対応する2つ以上の光管理装置を使用する少なくとも2つの光センシング手順を提供し、それぞれが本体部を備え、本体部が本体を形成するように一体的に形成されることにより、Z軸及び他の回転軸と本体の遠位端に加えられたトルクとを、非対称のリフレクタを必要とせずに測定することができる。
【0141】
ステップ600~640を含むこの方法は、センサ装置1’によって実施され得ることを理解されたい。
【0142】
全ての実施形態において、設計パラメータは、本体5の遠位端に加えられた所定の範囲の力又はトルクに対して、光センサアレイ30または構造30’によって受光される光が、作動範囲内で光センサアレイ30または構造30’を横切って移動するように最適化される。設計パラメータは、
(i)各反射領域65のサイズ/直径
(ii)各開口部20のサイズ/直径
(iii)光センサアレイ30又は構造30’の配置
(iv)開口部20と反射領域65との間の距離
(v)開口部20と光センサアレイ30又は構造30’との間の距離
(vi)光センサアレイ30又は配置30’のサイズ
(vii)弾性支持体40の弾性
を含む。
【0143】
弾性支持体40がより硬い材料で作製されている場合、センシング装置1の感度は低くなるが、センシング範囲は大きくなる(他のパラメータは全て同じ)。同様に、弾性支持体40がより弾性を有する材料で作製されている場合、センシング装置1の感度は高くなるが、センシング範囲は小さくなる(他のパラメータは全て同じ)。
【0144】
開口部20の直径は、特定の刺激範囲にわたってセンシング装置1の出力の直線性を最適化するために調整されてもよい。
【0145】
以下は、適切と判断された3つの実施形態X,Y,Zに関連する設計パラメータの例である。
【表1】
【0146】
他の実施形態では、弾性支持体40bは、光センサアレイ25又は構造25’が感度を有する光の周波数に対して少なくとも不透明である。同様に、他の実施形態では、反射領域65,65’は、光センサアレイ25または構造25’が感度を有する光の周波数を少なくとも反射しなければならない。
【0147】
他の実施形態では、開口部20,20’は円形状ではなく、異なる適切な形状であってもよい。
【0148】
他の実施形態では、反射領域65a,65b(65c,65dは不図示)と弾性シリコーン支持体40の光特性の反転がある。先の実施形態では、反射領域65a,65b(65c,65dは不図示)は、光をよく反射するが拡散する不透明な白色シリコーンで形成され、弾力性シリコーン支持体40の残りの部分は、光の反射干渉を低減するために暗色系のシリコーン、その場合は黒色で作製されていたが、この実施形態では、それらの特性が反転している。この実施形態では、反射領域65a,65b(65c,65dは不図示)40は、黒色などの暗色のシリコーンから作製され、弾性シリコーン支持体40は、光をよく反射するが拡散する不透明な白色のシリコーンで形成される。さらに、反射領域65a,65b(65c,65dは不図示)の表面は、反射干渉を低減するためにつや消しである。このつや消しの表面テクスチャは、シリコーンを、対応するテクスチャ表面を有する型内で成形することによって、成形プロセス中に達成される。反射領域65a,65b(65c,65dは不図示)は、弾性シリコーン支持体40の残りの部分と共成形される。
【0149】
最終的な結果は、光センサアレイによって受光される光シグネチャの代わりに、本体の遠位端に加えられた力やトルクに対応する黒いスポットが受け取られることである。そして、これらの力及びトルクを計算するために逆計算プロセスが使用される。
【0150】
センシング装置1,1’及び他の実施形態に係るセンシング装置は、使用される光源(例えばLEDアレイ25a,25b)が何であれ電力を供給するために、かつ、光センサアレイ又は構造30(例えばフォトダイオードアレイ又は構造30a,30b)から出力信号及び/又はデータを受信してそれを処理するために制御装置に接続される。一実施形態では、制御装置は、典型的には、
(i)光源及び光センサに接続されたマイクロプロセッサと、
(ii)マイクロプロセッサ及び光源に接続されて電力を供給する電源ユニットと、
(iii)マイクロプロセッサに接続され、マイクロプロセッサによって実行されるコンピュータ可読命令を記憶するメモリと、
を備えている。
【0151】
ここで
図13を参照すると、センシング装置1’’の単一PCBの実施形態が提供されている。
【0152】
センシング装置1’’は、以下の点以外は、センシング装置1、センシング装置1’又は本明細書に記載の変形例のいずれかと同様の構造であってもよい。まず、ベース10’’は、(i)この実施形態では4つのLEDアレイ25a’’,25b’’(25c’’,25d’’は不図示)の形態の少なくとも1つの光源と、(ii)この実施形態では薄肉切頭円錐体115a~dの形態の光制御部と、(iii)図示されているような2次元アレイ(例えば、4つのフォトダイオードアレイ30a’’~d’’)や共線的でない3つの光センサなどの光センサ配列とが取り付けられた単一のプリント回路基板110を備えている。
【0153】
薄肉切頭円錐体115は、反射領域と光センサ配列の間に延在するように、光センサ配列の上部に位置している。
【0154】
各薄肉切頭円錐体115a~dは、それぞれ、薄肉壁を通って延びる開口部20a’’,20b’’,20c’’及び20d’’を備え、この実施形態では、切頭円錐体の軸線と位置合わせされた中心を有している。
【0155】
少なくとも1つの光源、この場合、4つのLEDアレイ25a’’,25b’’,25c’’及び25d’’は、切頭円錐体115a~dの各々に隣接して各々を取り囲み、各空洞45a’’,45b’’,45c’’及び45d’’内に配置されている。
【0156】
薄肉切頭円錐体115a~dは、ABS、PLA、アルミニウム又はその他の適切な材料で作製されてもよい。
【0157】
各開口部20a’’,20b’’,20c’’及び20d’’も、円錐体115a~dの有効厚さをできるだけ薄くするために、断面が円錐状になっている。
【0158】
[解釈]
マーカッシュ群
さらに、本発明の特徴又は態様がマーカッシュ群の観点で記載されている場合、これによって当業者は、本発明がマーカッシュ群の個々の要素又は要素のサブグループの観点からも記載されていることを認識するであろう。
【0159】
プロセス:
特に断らない限り、以下の議論から明らかなように、「処理」、「計算(computing)」、「計算(calculating)」、「決定」、「分析」などの用語を使用する本明細書の議論全体を通じて、電子量などの物理量として表されるデータを操作及び/又は変換して、同様に物理量として表される他のデータに変換する、コンピュータ若しくはコンピューティングシステムまたは同様の電子コンピューティングデバイスの動作及び/又はプロセスを指すことが理解される。
【0160】
プロセッサ:
同様に、「プロセッサ」という用語は、電子データを、例えば、レジスタ及び/又はメモリから処理して、例えば、レジスタ及び/又はメモリに格納され得る他の電子データに変換する、任意のデバイス又はデバイスの一部を指すことがある。「コンピュータ」、「コンピューティングデバイス」、「コンピューティングマシン」又は「コンピューティングプラットフォーム」は、1つまたは複数のプロセッサを備え得る。
【0161】
本明細書に記載される方法論は、一実施形態では、1つまたは複数のプロセッサによって実行されると、本明細書に記載される方法の少なくとも1つを実行する命令セットを含むコンピュータ可読(マシン可読とも呼ばれる)コードを受け入れる1つまたは複数のプロセッサによって実行可能である。実行されるアクションを指定する命令セット(シーケンシャル又はその他)を実行可能な任意のプロセッサが備えられる。したがって、一例としては、1つ以上のプロセッサを含む典型的な処理システムが挙げられる。処理システムは、メインRAM及び/又はスタティックRAM及び又はROMを備えるメモリサブシステムをさらに備えてもよい。
【0162】
コンピュータ可読媒体:
さらに、コンピュータ可読キャリア媒体は、コンピュータプログラム製品を形成してもよく、又はコンピュータプログラム製品に含まれてもよい。コンピュータプログラム製品は、コンピュータ使用可能なキャリア媒体に格納することができ、コンピュータプログラム製品は、本明細書に記載の方法をプロセッサに実行させるためのコンピュータ可読プログラム手段を含む。
【0163】
ネットワーク又はマルチプロセッサ:
代替の実施形態では、プロセッサは、スタンドアロンデバイスとして動作してもよく、又は、他のプロセッサに接続、例えばネットワーク接続されてもよく、ネットワーク配置では、1つまたは複数のプロセッサは、サーバ・クライアントネットワーク環境ではサーバ又はクライアントマシンの能力で動作してもよく、ピアツーピア又は分散ネットワーク環境ではピアマシンとして動作してもよい。1つ又は複数のプロセッサは、ウェブアプライアンス、ネットワークルータ、スイッチ若しくはブリッジ又はそのマシンによって実行されるアクションを指定する一連の命令(シーケンシャルまたはその他)を実行できる任意のマシンを形成することができる。
【0164】
いくつかの図には、単一のプロセッサとコンピュータ可読コードを格納する単一のメモリのみが示されているが、当業者であれば、上述した構成要素の多くが含まれるが、発明の態様を曖昧にしないために明示的に図示または説明されていないことを理解するであろうことに留意されたい。例えば、単一のマシンのみが図示されていても、「マシン」という用語は、本明細書で議論される方法論のいずれか1つ以上を実行するための命令のセット(または複数のセット)を個々に又は結合させて実行するマシンの任意の集合も含むものとする。
【0165】
接続された:
同様に、特許請求の範囲で使用される場合、接続された、という用語は、直接接続のみに限定して解釈されるべきでないことに留意されたい。したがって、装置Bに接続された装置Aという表現の範囲は、装置Aの出力が装置Bの入力に直接接続された装置又はシステムに限定されるべきではない。つまり、他の装置又は手段を含む経路となり得る、装置Aの出力と装置Bの入力との間の経路が存在する。「接続された」とは、2つ以上の要素が物理的または電気的に直接接触していること、あるいは、2つ以上の要素が直接接触していないが、それでもなお互いに協力または相互作用していることを意味する場合がある。
【0166】
実施形態:
本明細書全体を通して「一実施形態」または「ある実施形態」という表現は、実施形態に関連して記載される特定の特徴、構造又は特性が、本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書を通じて様々な箇所で「一実施形態において」又は「ある実施形態において」という表現が現れるが、必ずしもすべてが同じ実施形態を指すわけではなく、その可能性があることを示している。さらに、特定の特徴、構造又は特性は、1つまたは複数の実施形態において、本開示から当業者に明らかであるように、任意の適切な方法で組み合わせられてもよい。
【0167】
同様に、本発明の例示的な実施形態の上記説明において、本発明の様々な特徴は、開示を合理化し、様々な発明的態様の1つ又は複数の理解を助ける目的で、単一の実施形態、図又はその説明においてグループ化されることがあることを理解されたい。しかしながら、この開示方法は、特許請求される発明が、各請求項に明示的に記載されている以上の特徴を必要とするという意図を反映していると解釈されるべきものではない。むしろ、以下の特許請求の範囲が反映するように、発明的態様は、前述の単一の開示された実施形態のすべての特徴よりも少ない特徴にある。したがって、具体的な実施形態の詳細な説明に続く特許請求の範囲は、各請求項がそれ自体でこの発明の別個の実施形態として成立することにより、この具体的な実施形態の詳細な説明に明示的に組み込まれる。
【0168】
さらに、本明細書に記載されるいくつかの実施形態は、他の実施形態に含まれる他の特徴ではなく、いくつかの特徴を含むが、異なる実施形態の特徴の組み合わせは、当業者によって理解されるように、本発明の範囲内であり、異なる実施形態を形成することを意味する。
例えば、以下の特許請求の範囲において、特許請求される実施形態のいずれかを任意の組み合わせで使用することができる。
【0169】
対象物の異なる実施例
本明細書で使用される場合、特に指定がない限り、共通の対象物を記述するために序数的形容詞「第1の」、「第2の」、「第3の」などを使用することは、単に同様の対象物の異なる実施例が参照されていることを示すだけであり、そのように記述された対象物が、時間的、空間的、順位的又はその他の方法のいずれにおいても、所定の順序になければならないことを意味することを意図していない。
【0170】
具体的な詳細
本明細書において、多数の具体的な詳細が記載されている。しかしながら、本発明の実施形態は、これらの具体的な詳細がなくても実施され得ることが理解される。他の例では、本明細書の理解を不明瞭にしないために、周知の方法、構造及び技術は詳細に示されていない。
【0171】
用語
図面に図示された本発明の好ましい実施形態を説明する際に、明確さのために特定の用語が使用される。しかしながら、本発明は、そのように選択された特定の用語に限定されることを意図するものではなく、各特定の用語は、同様の技術的目的を達成するために同様の方法で動作する全ての技術的等価物を含むことを理解されたい。「前方」、「後方」、「径方向」、「周辺」、「上方」、「下方」などの用語は、参照点を提供するための便宜的な言葉として使用されており、限定的な用語として解釈されるものではない。
【0172】
本明細書において、「及び/又は」という用語は、「及び」若しくは「又は」又はその両方を意味する。
【0173】
本明細書において、名詞の後に続く「(複数形)」は、その名詞の複数形及び又は単数形を意味する。
【0174】
「備える」及び「含む」
後続の特許請求の範囲および発明の先行説明において、文脈上、明示的な表現または必要な暗示により別の表現が必要とされる場合を除き、「備える(comprise)」という語又は「備える(comprises)」若しくは「備える(comprising)」などの変形は、包括的な意味で、すなわち、記載された特徴の存在を特定するために使用されるが、本発明の様々な実施形態におけるさらなる特徴の存在または追加を排除するために使用されるものではない。
【0175】
本明細書で使用される「含む(including)」、「含む(which includes)」又は「含む(that includes)」という用語のいずれか1つは、用語の後に続く要素/機能を少なくとも含むが、他を除外しないことも意味するオープンな用語でもある。したがって、「含む(including)」は「備える(comprising)」と同義であり、「備える(comprising)」を意味する。
【0176】
発明の範囲:
このように、本発明の好ましい実施形態と考えられるものを説明してきたが、当業者であれば、本発明の精神から逸脱することなく、他のさらなる変更を加えることができることを認識するであろう。例えば、上記で示した式は、単に使用され得る手順の代表的なものに過ぎない。ブロック図から機能を追加または削除してもよく、機能ブロック間で操作を入れ替えてもよい。本発明の範囲内で説明される方法にステップを追加又は削除してもよい。
【0177】
本発明を特定の実施例を参照して説明してきたが、当業者には、本発明が他の多くの形態で具体化され得ることが理解されよう。
【0178】
産業への応用:
上記から明らかなように、説明した装置はロボット産業に応用可能である。
【外国語明細書】