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特開2024-98530ボンディング装置及びボンディング方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024098530
(43)【公開日】2024-07-24
(54)【発明の名称】ボンディング装置及びボンディング方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/52 20060101AFI20240717BHJP
   B05C 5/00 20060101ALI20240717BHJP
   B05C 11/10 20060101ALI20240717BHJP
   B05C 13/02 20060101ALI20240717BHJP
【FI】
H01L21/52 G
B05C5/00 101
B05C11/10
B05C13/02
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023002065
(22)【出願日】2023-01-11
(71)【出願人】
【識別番号】519294332
【氏名又は名称】株式会社新川
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】田澤 秀博
【テーマコード(参考)】
4F041
4F042
5F047
【Fターム(参考)】
4F041AA02
4F041AA05
4F041AB01
4F041BA05
4F041BA23
4F041BA34
4F042AA02
4F042AA07
4F042AB00
4F042BA08
4F042BA12
4F042DF09
4F042DF15
5F047BB16
5F047FA01
5F047FA08
5F047FA22
5F047FA31
5F047FA79
(57)【要約】      (修正有)
【課題】複数の処理ヘッドの処理自由度を向上させつつ、タクトタイムを短縮するボンディング装置及びボンディング方法を提供する。
【解決手段】ボンディング装置1において、搬送台2は、基板S1を第1ディスペンス装置31及び第2ディスペンス装置32が接着材料の供給処理が可能な位置まで搬送し、ガイドレール21に沿って動くガイド爪等で基板S1を把持してX軸方向に搬送し、第1吸着部ap1、第2吸着部ap2及び第3吸着部ap3及びボンディング吸着部apbが吸着可能な位置で搬送を停止する。その後、第1吸着部ap1、第2吸着部ap2及び第3吸着部ap3及びボンディング吸着部apbは、基板S1の対象領域を吸着する。処理装置3は、接着材料の供給処理又はボンディング処理を実行する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
行方向及び列方向に配列された複数のボンディング領域を有する第1ブロック、及び、当該第1ブロックと第1距離を介して離間しかつ行方向及び列方向に配列された複数のボンディング領域を有する第2ブロック、を1つ又は複数の基板における前記ボンディング領域に設定して電子部品をボンディングするための所定の処理を実行するボンディング装置であって、
行方向に沿って前記1つ又は複数の基板を搬送しかつ前記1つ又は複数の基板の前記ボンディング領域を吸着する搬送台と、
行方向において互いに離間して設けられた複数の処理ヘッドと、
前記所定の処理を実行するように前記搬送台及び前記複数の処理ヘッドを制御する制御部と
を備え、
前記搬送台は、第1列に沿って配列された複数の吸着穴を有する第1吸着部と、前記第1列に対して前記第1距離以上の第2距離を介して離間した第2列に沿って配列された複数の吸着穴を有する第2吸着部とを含み、
前記制御部は、前記第1吸着部が前記第1ブロックのいずれかの列方向の複数の前記ボンディング領域を吸着しているとともに前記第2吸着部が前記第2ブロックのいずれかの列方向の複数の前記ボンディング領域を吸着している間において、前記複数の処理ヘッドが前記第1ブロック及び前記第2ブロックにおける吸着されたそれぞれの前記ボンディング領域に対して前記所定の処理を実行するように、前記搬送台及び前記複数の処理ヘッドを制御する、ボンディング装置。
【請求項2】
前記制御部は、
前記1つ又は複数の基板が、前記第1吸着部が前記第1ブロックのいずれかの列方向の複数の前記ボンディング領域を吸着可能な位置にあるとともに前記第2吸着部が前記第2ブロックのいずれかの列方向の複数の前記ボンディング領域を吸着可能な位置にない場合、
前記1つ又は複数の基板を、前記第1吸着部が前記第1ブロックのいずれかの列方向の複数の前記ボンディング領域を吸着可能な位置にあるとともに前記第2吸着部が前記第2ブロックのいずれかの列方向の複数の前記ボンディング領域を吸着可能な位置まで搬送させるように制御する、請求項1に記載のボンディング装置。
【請求項3】
前記所定の処理は、前記ボンディング領域に対して、接着材料を供給する処理又は半導体チップをボンディングする処理である、請求項1に記載のボンディング装置。
【請求項4】
前記第2距離は、前記第1距離と、同一ブロックの隣り合う前記ボンディング領域の中心同士の距離の整数倍の距離との和に応じて設定される、請求項1に記載のボンディング装置。
【請求項5】
前記搬送台は、前記第1吸着部と第2吸着部との間に設けられた、第3列に沿って配列された複数の吸着穴を有する第3吸着部をさらに含み、
前記制御部は、前記第2及び第3吸着部が、それぞれ同一ブロックの異なる列方向の前記ボンディング領域を吸着している間において、前記複数の処理ヘッドが前記同一ブロックにおける吸着されたそれぞれの列方向の前記ボンディング領域に対して前記所定の処理を実行するように、前記搬送台及び前記複数の処理ヘッドを制御する、請求項1に記載のボンディング装置。
【請求項6】
前記第2及び第3吸着部の距離は、同一ブロックの隣り合う列方向の前記ボンディング領域の中心同士の距離の整数倍の距離である請求項5に記載のボンディング装置。
【請求項7】
前記複数の処理ヘッドは、列方向において互いに離間して設けられた第1処理ヘッド及び第2処理ヘッドを有しており、
前記制御部は、前記第1及び第2ブロック上の複数の前記ボンディング領域を搬送方向を基準として分割したときに、分割された一方の領域に属する前記ボンディング領域に対して、前記第1処理ヘッドを用いて前記所定の処理を実行し、分割された他方の領域に属する前記ボンディング領域に対して、前記第2処理ヘッドを用いて前記所定の処理を実行するように制御する、請求項1に記載のボンディング装置。
【請求項8】
前記複数の処理ヘッドが、それぞれ前記1つ又は複数の基板に対して垂直に設けられている請求項1に記載のボンディング装置。
【請求項9】
行方向及び列方向に配列された複数のボンディング領域を有する第1ブロック、及び、当該第1ブロックと第1距離を介して離間しかつ行方向及び列方向に配列された複数のボンディング領域を有する第2ブロック、を有する1つ又は複数の基板における前記ボンディング領域に電子部品をボンディングするための所定の処理を実行するボンディング装置を用いたボンディング方法であって、
前記ボンディング装置は、
行方向に沿って前記1つ又は複数の基板を搬送しかつ前記1つ又は複数の基板の前記ボンディング領域を吸着する搬送台と、
列方向に互いに離間して設けられた複数の処理ヘッドと、
前記所定の処理を実行するように前記搬送台及び前記複数の処理ヘッドを制御する制御部と
を備え、
前記搬送台は、第1列に沿って配列された複数の吸着穴を有する第1吸着部と、前記第1列に対して前記第1距離以上の第2距離を介して離間した第2列に沿って配列された複数の吸着穴を有する第2吸着部とを含み、
前記ボンディング方法は、
前記第1吸着部が前記第1ブロックのいずれかの列方向の複数の前記ボンディング領域を吸着しているとともに前記第2吸着部が前記第2ブロックのいずれかの列方向の複数の前記ボンディング領域を吸着している工程と、
前記複数の処理ヘッドが前記第1ブロック及び前記第2ブロックにおける吸着されたそれぞれの前記ボンディング領域に対して前記所定の処理を実行する工程と、
を含む、ボンディング方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ボンディング装置及びボンディング方法に関する。
【背景技術】
【0002】
基板上のボンディング領域に対して、2つの処理ヘッドを用いて同時に接着材料を塗布する技術が開示されている。例えば特許文献1には、2つの処理ヘッドを同一基板上の、セクションが列方向に連続して配列された列状セクションにおける、連続した2つのセクションに対して、同時に接着材料を塗布することが可能となる。この様な構成の2つの処理ヘッドを採用したボンディング装置を用いて、ボンディング工程を行うことで、処理能力増加によるタクトタイムの短縮が可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012-104828号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、同一列の連続したセクションに対して接着材料を塗布するために、それぞれの処理ヘッドを基板に対して傾けるため、それぞれの処理ヘッドの先端同士の距離が近くなる。この様な構造上、本来独立して動作可能な各処理ヘッドは、互いの先端同士の接触を回避するために処理範囲が制限されてしまう。また、処理ヘッドを用いてダイボンディングを実行する場合、処理ヘッド先端に半導体チップを保持するため、半導体チップ同士の接触を回避するためにさらに処理範囲が制限されてしまう。
【0005】
そこで、本発明は、複数の処理ヘッドの処理自由度を向上させつつ、タクトタイムを短縮することが可能なボンディング装置及びボンディング方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様におけるボンディング装置は、行方向及び列方向に配列された複数のボンディング領域を有する第1ブロック、及び、第1ブロックと第1距離を介して離間しかつ行方向及び列方向に配列された複数のボンディング領域を有する第2ブロック、を有する1つ又は複数の基板におけるボンディング領域に電子部品をボンディングするための所定の処理を実行するボンディング装置であって、行方向に沿って1つ又は複数の基板を搬送しかつ1つ又は複数の基板のボンディング領域を吸着する搬送台と、行方向において互いに離間して設けられた複数の処理ヘッドと、所定の処理を実行するように搬送台及び複数の処理ヘッドを制御する制御部とを備え、搬送台は、第1列に沿って配列された複数の吸着穴を有する第1吸着部と、第1列に対して第1距離以上の第2距離を介して離間した第2列に沿って配列された複数の吸着穴を有する第2吸着部とを含み、制御部は、第1吸着部が第1ブロックのいずれかの列方向の複数のボンディング領域を吸着しているとともに第2吸着部が第2ブロックのいずれかの列方向の複数のボンディング領域を吸着している間において、複数の処理ヘッドが第1ブロック及び第2ブロックにおける吸着されたそれぞれのボンディング領域に対して所定の処理を実行するように、搬送台及び複数の処理ヘッドを制御する。
【0007】
また、本発明の第2の態様におけるボンディング方法は、行方向及び列方向に配列された複数のボンディング領域を有する第1ブロック、及び、第1ブロックと第1距離を介して離間しかつ行方向及び列方向に配列された複数のボンディング領域を有する第2ブロック、を有する1つ又は複数の基板におけるボンディング領域に電子部品をボンディングするための所定の処理を実行するボンディング装置を用いたボンディング方法であって、ボンディング装置は、行方向に沿って1つ又は複数の基板を搬送しかつ1つ又は複数の基板のボンディング領域を吸着する搬送台と、列方向に互いに離間して設けられた複数の処理ヘッドと、所定の処理を実行するように搬送台及び複数の処理ヘッドを制御する制御部とを備え、搬送台は、第1列に沿って配列された複数の吸着穴を有する第1吸着部と、第1列に対して第1距離以上の第2距離を介して離間した第2列に沿って配列された複数の吸着穴を有する第2吸着部とを含み、ボンディング方法は、第1吸着部が第1ブロックのいずれかの列方向の複数のボンディング領域を吸着しているとともに第2吸着部が第2ブロックのいずれかの列方向の複数のボンディング領域を吸着している工程と、複数の処理ヘッドが第1ブロック及び第2ブロックにおける吸着されたそれぞれのボンディング領域に対して所定の処理を実行する工程と、を含む。
【発明の効果】
【0008】
本発明は、複数の処理ヘッドの処理自由度を向上させつつ、タクトタイムを短縮することが可能なボンディング装置及びボンディング方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施形態に係るボンディング装置の一例を示した図である。
図2図1に示すボンディング装置のI-I断面図である。
図3図1に示すボンディング装置のII-II断面図である。
図4】マトリクス状に配列された複数のボンディング領域が設けられた基板の一例を示した拡大図である。
図5】搬送台の第1、第2及び第3吸着部とその近傍の一例を示した拡大図である。
図6】搬送台上の基板の第1ブロックの第1列目のボンディング領域に対して接着材料の供給処理を実行する際の近傍の一例を示した拡大図である。
図7】搬送台上の基板の同一ブロックの異なる列のボンディング領域に対して同時に接着材料の供給処理を実行する際の近傍の一例を示した拡大図である。
図8】搬送台上の基板を搬送する際の近傍の一例を示した拡大図である。
図9】搬送台上の基板の異なるブロックのボンディング領域に対して同時に接着材料の供給処理を実行する際の近傍の一例を示した拡大図である。
図10】本発明の実施形態に係るボンディング装置の他の例を示した図である。
図11図10に示すボンディング装置のXI-XI断面図である。
図12図10に示すボンディング装置のXII-XII断面図である。
図13】マトリクス状に配列された複数のボンディング領域が設けられた基板の他の例を示した拡大図である。
図14】搬送台の第1、第2及び第3吸着部とその近傍の他の例を示した拡大図である。
図15】搬送台上の基板の異なるブロックのボンディング領域に対して同時に供給を実行する際の近傍の他の例を示した拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、特許請求の範囲に係る発明を以下の実施形態に限定するものではない。また、実施形態で説明する構成の全てが課題を解決するための手段として必須であるとは限らない。
【0011】
<ボンディング装置の構成例>
以下に、本発明の実施形態に係る構成例のボンディング装置1について図1図2及び図3を参照して説明する。図1は、本発明の実施形態に係るボンディング装置の一例を示した図である。図2は、図1に示すボンディング装置のI-I断面をY軸方向から見た図である。図3は、図1に示すボンディング装置のII-II断面をX軸方向とは反対方向から見た図である。
【0012】
ボンディング装置1は、搬送台2、処理装置3、ウェハ保持台4及び制御部5を含む。基板S1は、搬送台2上を、図1の紙面の左側から右側に向かうX軸方向に沿って搬送される。また、ウェハWを実装サイズごとに分割した半導体チップDは、処理装置3によって、ウェハ保持台4から搬送台2まで、図1の紙面の下側から上側に向かうY軸方向に沿って移動される。搬送台2及び処理装置3は制御部5によって制御されて、基板S1の搬送及び半導体チップDの移動を行う。なお、図1において紙面の奥側から手前側に向かう方向をZ軸方向とする。
【0013】
搬送台2は、基板S1の搬送と吸着を行う。搬送台2は、例えば、基板S1を搬送するための一対のガイドレール21、接着材料の供給処理及びボンディング処理が実行されるためのステージ22、及び、ステージ22を支持するための支持台23を含む。ステージ22には、接着材料の供給処理を実行する際に基板S1の対象領域を吸着するための第1吸着部ap1、第2吸着部ap2及び第3吸着部ap3が設けられている。また、ステージ22には、ボンディング処理を実行する際に基板S1の対象領域を吸着するためのボンディング吸着部apbが設けられている。
【0014】
接着材料の供給処理では、基板S1が、ステージ22の第1吸着部ap1、第2吸着部ap2又は第3吸着部ap3によって吸着可能な位置まで搬送された際に、各吸着部が基板S1の対象領域を吸着して、その対象領域に接着材料の供給が行われる。
【0015】
ボンディング処理では、基板S1が、ステージ22のボンディング吸着部apbによって吸着可能な位置まで搬送された際に、ボンディング吸着部apbが基板S1の対象領域を吸着して、その対象領域に半導体チップDのボンディングが行われる。
【0016】
図2で示した搬送台2は、基板S1を第1ディスペンス装置31及び第2ディスペンス装置32が接着材料の供給処理可能な位置まで搬送している。搬送台2は、例えば、ガイドレール21に沿って動くガイド爪等で基板S1を把持してX軸方向に搬送し、第1、第2及び第3吸着部ap1~ap3及びボンディング吸着部apbが吸着可能な位置で搬送を停止する。その後、第1、第2又は第3吸着部ap1~ap3又はボンディング吸着部apbは、基板S1の対象領域を吸着して、接着剤量の供給処理又はボンディング処理が実行される。なお、搬送台2は、接着材料が基板S1に適切に供給されているか検出を行う際も搬送を停止してよい。
【0017】
図3で示した搬送台2は、基板S1を第1ディスペンス装置31が供給処理可能な位置まで搬送している。ガイドレール21は、例えば、基板S1がX軸方向に沿って搬送されるようにガイドする。第1吸着部ap1は、例えば、複数の対象領域を吸着可能なように、複数の吸着穴が真空供給管と連結する構造になっている。
【0018】
処理装置3は、基板S1に対して接着材料の供給処理及びボンディング処理を実行する。処理装置3は、例えば、第1ディスペンス装置31と、第2ディスペンス装置32と、基板検出装置33と、実装装置34と、Xガイド35と、Yガイド36とを含む。第1ディスペンス装置31及び第2ディスペンス装置32は、基板S1に対して接着材料の供給処理を実行する。基板検出装置33は、基板S1に接着材料が適切に供給されているかの検出を行う。実装装置34は、基板S1に対してボンディング処理を実行する。Xガイド35及びYガイド36は、上記の各装置がXY軸方向に移動可能に設けられる。なお、第1ディスペンス装置31及び第2ディスペンス装置32は、X軸方向及びY軸方向において、互いに離間して設けられている。
【0019】
図2で示した処理装置3は、第1ディスペンス装置31及び第2ディスペンス装置32を用いて基板S1に対して接着材料を供給処理可能である。処理装置3は、例えば、第1ディスペンス装置31の第1ディスペンスヘッド31a(「処理ヘッド」の一例である。)及び第2ディスペンス装置32の第2ディスペンスヘッド32a(「処理ヘッド」の一例である。)が、それぞれ基板S1に向かって垂直に延在して設けられ、かつZ軸方向に移動可能に設けられている。また、基板検出装置33の検出カメラ33a及び実装装置34のボンディングヘッド34aも、同様に構成されてよい。なお、第1ディスペンス装置31及び第2ディスペンス装置32の構造上、第1ディスペンスヘッド31a及び第2ディスペンスヘッド32aはX軸方向に離間して設けられている。第1ディスペンスヘッド31a、第2ディスペンスヘッド32aを基板S1に対して垂直に設けることにより、ディスペンスユニットのノズル先端を曲げる構成と比較して接着材料の制御性を向上させることができる。すなわち、ノズル先端を曲げるとノズルの長さが延長されることから接着材料がノズル内部に残留し、接着材料の消費量が増える。
【0020】
図3で示した処理装置3では、第1ディスペンス装置31を用いて基板S1に対して接着材料を供給処理可能である。第1ディスペンス装置31は、例えば、第1ディスペンスヘッド31aに第1カメラ31bが設けられており、第1カメラ31bは基板S1を撮影して、撮影した画像をもとに第1ディスペンスヘッド31aが接着材料の供給処理を実行するための位置決めを行う。また、第2ディスペンスヘッド32も同様の第2カメラ32bが設けられてよい。
【0021】
ウェハ保持台4は、ウェハWを保持する。ウェハ保持台4は、例えば、図示しないダイシングテープ及び剥離ユニットを含む。ダイシングテープは、実装サイズごとに分割された半導体チップDを、粘着シート等を使用して保持する。剥離ユニットは、実装装置34に設けられたボンディングヘッド34aでピックアップする際に、針等でチップ背面からチップをZ軸方向に突き上げることで半導体チップDの剥離を容易にする。
【0022】
制御部5は、搬送台2及び処理装置3を制御する。制御部5は、例えば、搬送台2の基板S1の搬送、搬送停止、又は、吸着等を制御し、処理装置3を制御して接着材料の供給処理及びボンディング処理を実行する。また、制御部5は、第1、第2又は第3吸着部ap1~ap3又はボンディング吸着部apbが基板S1の対象領域を適宜吸着するように制御してよい。また、制御部5は、第1及び第2ディスペンス装置31、32の一方又は両方の供給処理を実行するように制御してよい。
【0023】
図4は、マトリクス状に配列された複数のボンディング領域が設けられた基板の一例を示した拡大図である。基板S1は、例えば、8行4列に配列された32個のボンディング領域BRを有する第1ブロックB1及び第2ブロックB2が、互いに第1距離D1を介して離間している。また、同一ブロックの隣り合うボンディング領域BRの中心同士の距離はボンディング領域間距離Dbrとする。マトリクス状の複数のボンディング領域BRの順番は、Y軸方向の反対方向に向かって第1行目、第2行目、・・・第8行目として、X軸方向の反対方向に向かって第1列目、第2列目、・・・第4列目とする。
【0024】
図5は、搬送台の第1、第2及び第3吸着部とその近傍の一例を示した拡大図である。第1、第2及び第3吸着部ap1~ap3は、例えば、それぞれY軸方向に等間隔に設けられた8個の吸着穴shが設けられている。第1吸着部ap1と第2吸着部ap2との間の第2距離D2は、第1距離D1とボンディング領域間距離Dbrの2倍の距離との和の距離に設定されている。また、第2吸着部ap2と第3吸着部ap3との間の第3距離D3は、ボンディング領域間距離Dbrの2倍の距離に設定されている。なお、それぞれの吸着部はX軸方向に独立して移動可能であり、各吸着部間の距離は基板S1の規格に応じて適宜調整可能である。
【0025】
ここで、上記第2距離D2及び第3距離D3は上記の態様に限定されるものではない。例えば、第1吸着部ap1と第2吸着部ap2との間の第2距離D2は、第1距離D1以上であればよい。例えば、第2距離D2は、第1距離D1と、ボンディング領域間距離Dbrの整数倍の距離との和の距離に設定されてもよい。また、第2吸着部ap2と第3吸着部ap3との間の第3距離D3は、ボンディング領域間距離Dbrの整数倍の距離に設定されてよい。
【0026】
図6は、搬送台上の基板の第1ブロックの第1列目のボンディング領域に対して接着材料の供給処理を実行する際の近傍の一例を示した拡大図である。図6では、基板S1の第1ブロックB1の第1列目のボンディング領域BRが、搬送台2の第2吸着部ap2に吸着されて、第1ディスペンスヘッド31aを用いて接着材料の供給処理を実行する。基板S1がステージ22上を搬送され、第2吸着部ap2の8個の吸着穴shと、第1ブロックB1の第1列目の8個のボンディング領域BRの中心とが重なる位置で搬送停止される。その後、第2吸着部ap2で第1ブロックB1の第1列目のボンディング領域BRを吸着して接着材料の供給処理を開始する。
【0027】
図6の接着材料の供給処理開始時において、第1ディスペンスヘッド31aは、第1ブロックB1の第1行1列のZ軸方向の上部に位置決めされる。第1ヘッド位置HP1は、第1ディスペンスヘッド31aの初期位置を基板S1上に投影したものであり、第1ディスペンスヘッド31aは第1行1列から第4行4列までを処理対象領域として第1処理経路PR1に沿って接着材料の供給処理を実行する。
【0028】
例えば、第1ディスペンスヘッド31aが、第1行1列、第2行1列、・・・第4行1列まで接着材料の供給処理の実行を完了したら、接着材料の供給処理と、第2吸着部ap2の吸着を停止して、搬送台2が基板S1をX軸方向に1列分搬送する。その後、第2吸着部ap2で第1ブロックB1の第2列目のボンディング領域BRを吸着して、第1ディスペンスヘッド31aが、第1行2列の位置まで移動して、接着材料の供給処理を再開する。このように、第1行目から第4行目と、第5行目から第8行目とでボンディング領域BRを分割したときに、第1ディスペンスヘッド31aは第1行目から第4行目の領域に属するボンディング領域BRに対して、接着材料の供給処理を実行してよい。
【0029】
また、第1処理経路PR1は、図示しない矩形状の経路でもよい。例えば、第1ディスペンスヘッド31aが、第1行1列、第2行1列、・・・第4行1列まで供給処理の実行を完了したら、供給処理と第2吸着部ap2の吸着を停止して、搬送台2が基板S1をX軸方向に1列分搬送する。その後、第2吸着部ap2で第1ブロックB1の第2列目のボンディング領域BRを吸着して、第1ディスペンスヘッド31aが、先ほど接着材料の供給処理の実行を完了した位置から供給処理を再開してよい。すなわち、第1ディスペンスヘッド31aは、第4行1列での供給処理の実行完了した位置で停止したまま、基板S1はX軸方向に1列分搬送され、第4行2列、第3行2列、・・・第1行2列まで接着材料の供給処理を実行してもよい。
【0030】
図7は、搬送台上の基板の同一ブロックの異なる列のボンディング領域に対して同時に接着材料の供給処理を実行する際の近傍の一例を示した拡大図である。図7では、基板S1の第1ブロックB1の第1列目及び第3列目のボンディング領域BRが、搬送台2の第2吸着部ap2及び第3吸着部ap3にそれぞれ吸着されて、第1ディスペンスヘッド31a及び第2ディスペンスヘッド32aを用いて接着材料の供給処理を同時に実行する。
【0031】
基板S1がステージ22上を搬送されて、第2吸着部ap2及び第3吸着部ap3の複数の吸着穴shが、それぞれ第1ブロックB1の第3列目及び第1列目のボンディング領域BRの中心に重なる位置で搬送停止する。その後、各吸着部が第1ブロックB1の各列のボンディング領域BRを吸着して接着材料の供給処理を再開する。なお、図7の接着材料の供給処理再開始時において、第1ブロックB1の第1行1列、第2行1列、・・・第4行1列、第1行2列、第2行2列、・・・第4行2列までのボンディング領域BRは接着材料の供給処理を実行済である。
【0032】
図7の接着材料の供給処理再開始時において、第1ディスペンスヘッド31aは、第1ブロックB1の第1行3列のZ軸方向の上部に位置決めされ、第2ディスペンスヘッド32aは、第1ブロックB1の第5行1列のZ軸方向の上部に位置決めされる。第2ヘッド位置HP2は、第2ディスペンスヘッド32aの初期位置を基板S1上に投影したものであり、第2ディスペンスヘッド32aは第5行1列から第8行4列までを処理対象領域として第2処理経路PR2に沿って供給処理を実行する。
【0033】
例えば、第1ディスペンスヘッド31aの、第1ブロックB1の、第3列目から第4列目までの接着材料の供給処理と、第2ディスペンスヘッド32aの、第1ブロックB1の、第1列目から第2列目までの接着材料の供給処理は同時に実行する。このとき、第1ディスペンスヘッド31a及び第2ディスペンスヘッド32aのX軸方向の離間距離は第3距離D3に保たれてよい。また、このように、第1行目から第4行目と、第5行目から第8行目とでボンディング領域BRを分割したときに、第2ディスペンスヘッド32aは第5行目から第8行目の領域に属するボンディング領域BRに対して、接着材料の供給処理を実行してよい。
【0034】
また、第2処理経路PR2は、図示しない矩形状の経路でもよい。例えば、第2ディスペンスヘッド32aが、第5行1列、第6行1列、・・・第8行1列まで接着材料の供給処理の実行を完了したら、接着材料の供給処理と第2吸着部ap2の吸着を停止して、搬送台2が基板S1をX軸方向に1列分搬送する。その後、第2吸着部ap2で第1ブロックB1の第2列目のボンディング領域BRを吸着して、第2ディスペンスヘッド32aが、先ほど接着材料の供給処理の実行を完了した位置から接着材料の供給処理を再開してよい。すなわち、第2ディスペンスヘッド32aは、第8行1列での接着材料の供給処理の実行完了した位置で停止したまま、基板S1はX軸方向に1列分搬送され、第8行2列、第7行2列、・・・第5行2列まで接着材料の供給処理を実行する。
【0035】
図8は、搬送台上の基板を搬送する際の近傍の一例を示した拡大図である。図8では、基板S1の第1ブロックB1の第3列目のボンディング領域BRが、搬送台2の第3吸着部ap3の位置まで搬送された場合に、搬送台2は基板S1をX軸方向にさらに搬送する。基板S1がステージ22上を搬送されて、第3吸着部ap3の8個の吸着穴shと、第1ブロックB1の第3列目の8個のボンディング領域BRの中心とが重なる位置まで搬送される。このとき、第1吸着部ap1及び第2吸着部ap2の複数の吸着穴shは、それぞれボンディング領域BRを吸着できない位置にあり、搬送台2は基板S1をX軸方向にさらに搬送する。
【0036】
図8の基板搬送時において、基板S1は第3吸着部ap3のみが第1ブロックB1の第3列目のボンディング領域BRを吸着可能な位置にあるため、第1ディスペンスヘッド31a及び第2ディスペンスヘッド32aが同時に接着材料の供給処理を実行できない。このとき、搬送台2は、第1、第2及び第3吸着部ap1~ap3のうち、少なくとも2つの吸着部が吸着可能な位置まで基板S1をX軸方向にさらに搬送してよい。
【0037】
図9は、搬送台上の基板の異なるブロックのボンディング領域に対して同時に接着材料の供給処理を実行する際の近傍の一例を示した拡大図である。図9では、基板S1の第1ブロックB1の第3列目のボンディング領域BR及び第2ブロックB2の第1列目のボンディング領域BRが、搬送台2の第1吸着部ap1及び第2吸着部ap2にそれぞれ吸着される。その後、第1ディスペンスヘッド31a及び第2ディスペンスヘッド32aを用いて接着材料の供給処理を同時に実行する。
【0038】
基板S1がステージ22上を搬送されて、第1吸着部ap1及び第2吸着部ap2の複数の吸着穴shが、それぞれ第1ブロックB1の第3列目のボンディング領域BR及び第2ブロックB2の第1列目のボンディング領域BRの中心に重なる位置で搬送停止する。その後、各吸着部が第1ブロックB1及び第2ブロックB2の各列のボンディング領域BRを吸着して接着材料の供給処理を再開する。なお、図9の接着材料の供給処理再開始時において、第1ブロックB1の第1行1列、・・・第4行4列までのボンディング領域BR及び第5行1列、第6行1列、・・・第8行1列、第5行2列、第6行2列、・・・第8行2列までのボンディング領域BRは接着材料の供給処理を実行済である。
【0039】
図9の接着材料の供給処理再開始時において、第1ディスペンスヘッド31aは、第2ブロックB1の第1行1列のZ軸方向の上部に位置決めされ、第2ディスペンスヘッド32aは、第1ブロックB1の第5行3列のZ軸方向の上部に位置決めされる。例えば、第1ディスペンスヘッド31aの、第2ブロックB2の、第1行1列から第4行2列までの接着材料の供給処理と、第2ディスペンスヘッド32aの、第1ブロックB1の、第5行3列から第8行4列目までの接着材料の供給処理は同時に実行する。このとき、第1ディスペンスヘッド31a及び第2ディスペンスヘッド32aのX軸方向の離間距離は第2距離D2に保たれてよい。
【0040】
以上、図1~9で説明したとおり、本発明の実施形態に係るボンディング装置1を用いることで、第1及び第2ディスペンスヘッド31a、32aはX軸方向に離間して設けられているため、各ヘッドの処理自由度を向上させつつ接着材料の供給処理を実行することができる。また、第1及び第2ブロックB1、B2の第1距離D1に応じて、第1及び第2吸着部ap1、ap2の第2距離D2が調整される。このため、第1及び第2ブロックB1、B2を第1及び第2吸着部ap1、ap2で同時に吸着して、同時に接着材料の供給処理を実行することができるので、ボンディング工程のタクトタイムを短縮することができる。また、例えば、基板S1を搬送台2上に2つ並べて、それぞれの基板S1上のブロックに、第1及び第2ディスペンスヘッド31a、32aが対応するように構成されて接着材料の供給処理を実行しても、同様の効果が得られる。
【0041】
<ボンディング装置の他の構成例>
以下に、本発明の実施形態に係る他の構成例のボンディング装置100について図10図11及び図12を参照して説明する。図10は、本発明の実施形態に係るボンディング装置の他の例を示した図である。図11は、図10に示すボンディング装置のXI-XI断面をY軸方向から見た図である。図12は、図10に示すボンディング装置のXII-XII断面をX軸方向から見た図である。
【0042】
ボンディング装置100は、ボンディングを実行するためのボンディングヘッドが2つ設けられている点、吸着動作させるための吸着部をマトリクス状の吸着穴から選択する点で、ボンディング装置1と異なる。また、このようなボンディング装置100に適用される基板S2の規格では、複数のボンディング領域から構成されるブロック同士の離間距離が基板S1より大きい。
【0043】
ボンディング装置100は、搬送台200、処理装置300、ウェハ保持台400及び制御部500を含む。図10図11及び図12に示したボンディング装置100の搬送台200及び処理装置300は後述する内部構成が、図1に示したボンディング装置1の搬送台2及び処理装置3とは異なる。その他構成については同一のため、説明を省略する。
【0044】
搬送台200は、基板S2の搬送と吸着を行う。搬送台200は、例えば、基板S2を搬送するための一対のガイドレール201、接着材料の供給処理及びボンディング処理が実行されるためのステージ202及びステージ202を支持するための支持台203を含む。ステージ202には複数の吸着穴shが設けられており、接着材料の供給処理を実行する際に基板S2の対象領域を吸着するためのディスペンス吸着部apdが選択される。また、複数の吸着穴shから、ボンディング処理を実行する際に基板S2の対象領域を吸着するための第1吸着部ap1、第2吸着部ap2及び第3吸着部ap3が選択される。
【0045】
接着材料の供給処理では、基板S2が、ステージ202のディスペンス吸着部apdが吸着可能な位置まで搬送された際に、ディスペンス吸着部apdが基板S2の対象領域を吸着して、その対象領域に接着材料の供給を行う。
【0046】
ボンディング処理では、基板S2が、ステージ202の第1吸着部ap1、第2吸着部ap2又は第3吸着部ap3が吸着可能な位置まで搬送された際に、各吸着部が基板S2の対象領域を吸着して、その対象領域に半導体チップDのボンディングを行う。
【0047】
図11で示した搬送台200は、基板S2を第1実装装置303及び第2実装装置304がボンディング処理可能な位置まで搬送している。搬送台200は、例えば、ガイドレール21に沿って動くガイド爪等で基板S2を把持してX軸方向に搬送し、ディスペンス吸着部apd及び第1、第2及び第3吸着部ap1~ap3が吸着可能な位置で搬送を停止する。その後、基板S2の対象領域を吸着して、接着材料の供給処理又はボンディング処理を実行する。
【0048】
図12で示した搬送台200は、基板S2を第2実装装置304がボンディング処理可能な位置まで搬送している。複数の吸着穴shは、例えば、複数の対象領域を吸着可能なように、複数の吸着穴が真空供給管と連結する構造になっている。
【0049】
処理装置300は、基板S2に対して接着材料の供給処理及びボンディング処理を実行する。処理装置300は、例えば、ディスペンス装置301と、基板検出装置302と、第1実装装置303と、第2実装装置304と、Xガイド305と、Yガイド306とを含む。ディスペンス装置301は、基板S2に対して接着材料の供給処理を実行する。基板検出装置302は、基板S2に接着材料が適切に供給されているかの検出を行う。第1実装装置303及び第2実装装置304は、基板S2に対してボンディング処理を実行する。Xガイド305及びYガイド306は、上記の各装置がXY軸方向に移動可能に設けられる。なお、第1実装装置303及び第2実装装置304は、X軸方向及びY軸方向において、互いに離間して設けられている。
【0050】
図11で示した処理装置300は、第1実装装置303及び第2実装装置304を用いて基板S2に対してボンディング処理可能である。処理装置300は、例えば、第1実装装置303及び第2実装装置304の、それぞれに設けられた第1及び第2ボンディングヘッド303a、304a(「処理ヘッド」の一例である。)から基板S2に向かって垂直に延在して設けられ、かつZ軸方向に移動可能に設けられている。
【0051】
図12で示した処理装置300は、第2実装装置304を用いて基板S2に対してボンディング処理可能である。第2実装装置304は、例えば、第2ボンディングヘッド304aを用いてウェハ保持台400から半導体チップDをピックアップして、Y軸方向に移動して、基板S2上の対象領域にボンディング処理を実行する。なお、第1実装装置303も同様にボンディング処理を実行してよい。
【0052】
図13は、マトリクス状に配列された複数のボンディング領域が設けられた基板の他の例を示した拡大図である。例えば、基板S2は、第1ブロックB1及び第2ブロックB2の離間している第1距離D10が、図4で示した基板S1よりも大きく、一例としてボンディング領域間距離Dbrの4倍の距離である。その他構成については同一のため、説明を省略する。このとき、第2吸着部ap2と第3吸着部ap3との間の第3距離D30は、ボンディング領域間距離Dbrの例えば1倍の距離に設定されてよい。なお、上記第2距離D20及び第3距離D30は上記の態様に限定されるものではなく、上記実施形態で説明した態様を適用することができる。
【0053】
図14は、搬送台の第1、第2及び第3吸着部とその近傍の他の例を示した拡大図である。第1、第2及び第3吸着部ap1~ap3は、例えば、基板S2の第1距離D10、ボンディング領域間距離Dbrに応じて選択された、それぞれY軸方向に等間隔に設けられた8個の吸着穴shであり、第1吸着部ap1と第2吸着部ap2との間の第2距離D20はボンディング領域間距離Dbrの例えば6倍の距離(第1距離D10とボンディング領域間距離Dbrの2倍の距離との和の距離)、第2吸着部ap2と第3吸着部ap3との間の第3距離D30はボンディング領域間距離Dbrの例えば2倍の距離に設定されている。
【0054】
図15は、搬送台上の基板の異なるブロックのボンディング領域に対して同時に接着材料の供給処理を実行する際の近傍の他の例を示した拡大図である。図15では、基板S2の第1ブロックB1の第3列目のボンディング領域BR及び第2ブロックB2の第1列目のボンディング領域BRが、搬送台200の第1吸着部ap1及び第2吸着部ap2にそれぞれ吸着されている。その後、第1及び第2実装装置303、304の第1及び第2ボンディングヘッド303a、304aを用いてボンディング処理を同時に実行する。なお、図15のボンディング処理再開始時において、第1ブロックB1の第1行1列、・・・第4行4列までのボンディング領域BRはボンディング処理を実行済である。さらに、第1ブロックB1の第5行1列、第6行1列、・・・第8行1列、第5行2列、第6行2列、・・・第8行2列までのボンディング領域BRもボンディング処理を実行済である。
【0055】
図15のボンディング処理再開始時において、第1実装装置303の第1ボンディングヘッド303aは、第2ブロックB1の第1行1列のZ軸方向の上部に位置決めされる。第2実装装置304の第2ボンディングヘッド304aは、第1ブロックB1の第5行3列のZ軸方向の上部に位置決めされる。
【0056】
以上、図10~15で説明した本発明の実施形態に係るボンディング装置100を用いることで、第1及び第2ボンディングヘッド303a、304aはX軸方向に離間して設けられているため、各ヘッドの処理自由度を向上させつつボンディング処理を実行することができる。また、第1及び第2ブロックB1、B2の第1距離D10に応じて、複数の吸着穴shから第1及び第2吸着部ap1、ap2が選択され第2距離D20が設定されるため、第1及び第2ブロックB1、B2を第1及び第2吸着部ap1、ap2で同時に吸着する。その後、同時にボンディング処理を実行することができるので、ボンディング工程のタクトタイムを短縮することができる。また、例えば、基板S2を搬送台200上に2つ並べて、それぞれの基板S2上のブロックに、第1及び第2ボンディングヘッド303a、304aが対応するように構成されてボンディング処理を実行しても、同様の効果が得られる。
【0057】
以上、本発明の実施形態に係るボンディング装置1、100に、基板S1、S2を適用して所定の処理を実行する例を説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の構成が変更されてよい。具体的には、例えば、ボンディング装置1に基板S2を適用した場合や、ボンディング装置100に基板S1を適用した場合でも同様に本発明の効果が得られる。また、例えば、基板S1、S2のブロックごとの規格を8行4列としたが基板の規格はこれらに限られず、搬送台2、200の、第1、第2及び第3吸着部ap1~ap3は基板の規格に応じて変更しても同様に本発明の効果が得られる。
【0058】
(付記1)
行方向及び列方向に配列された複数のボンディング領域を有する第1ブロック、及び、当該第1ブロックと第1距離を介して離間しかつ行方向及び列方向に配列された複数のボンディング領域を有する第2ブロック、を有する1つ又は複数の基板におけるボンディング領域に電子部品をボンディングするための所定の処理を実行するボンディング装置であって、行方向に沿って1つ又は複数の基板を搬送しかつ1つ又は複数の基板のボンディング領域を吸着する搬送台と、行方向において互いに離間して設けられた複数の処理ヘッドと、所定の処理を実行するように搬送台及び複数の処理ヘッドを制御する制御部とを備え、搬送台は、第1列に沿って配列された複数の吸着穴を有する第1吸着部と、第1列に対して第1距離以上の第2距離を介して離間した第2列に沿って配列された複数の吸着穴を有する第2吸着部とを含み、制御部は、第1吸着部が第1ブロックのいずれかの列方向の複数のボンディング領域を吸着しているとともに第2吸着部が第2ブロックのいずれかの列方向の複数のボンディング領域を吸着している間において、複数の処理ヘッドが第1ブロック及び第2ブロックにおける吸着されたそれぞれのボンディング領域に対して所定の処理を実行するように、搬送台及び複数の処理ヘッドを制御する、ボンディング装置。
【0059】
(付記2)
制御部は、1つ又は複数の基板が、第1吸着部が第1ブロックのいずれかの列方向の複数のボンディング領域を吸着可能な位置にあるとともに第2吸着部が第2ブロックのいずれかの列方向の複数のボンディング領域を吸着可能な位置にない場合、1つ又は複数の基板を、第1吸着部が第1ブロックのいずれかの列方向の複数のボンディング領域を吸着可能な位置にあるとともに第2吸着部が第2ブロックのいずれかの列方向の複数のボンディング領域を吸着可能な位置まで搬送させるように制御する、付記1に記載のボンディング装置。
【0060】
(付記3)
所定の処理は、ボンディング領域に対して、接着材料を供給する処理又は半導体チップをボンディングする処理である、付記1又は付記2に記載のボンディング装置。
【0061】
(付記4)
第2距離は、第1距離と、同一ブロックの隣り合うボンディング領域の中心同士の距離の整数倍の距離との和に応じて設定される、付記1から付記3の何れか1項に記載のボンディング装置。
【0062】
(付記5)
搬送台は、第1吸着部と第2吸着部との間に設けられた、第3列に沿って配列された複数の吸着穴を有する第3吸着部をさらに含み、制御部は、第2及び第3吸着部が、それぞれ同一ブロックの異なる列方向のボンディング領域を吸着している間において、複数の処理ヘッドが同一ブロックにおける吸着されたそれぞれの列方向のボンディング領域に対して所定の処理を実行するように、搬送台及び複数の処理ヘッドを制御する、付記1から付記4の何れか1項に記載のボンディング装置。
【0063】
(付記6)
第2及び第3吸着部の距離は、同一ブロックの隣り合う列方向のボンディング領域の中心同士の距離の整数倍の距離である付記1から付記5の何れか1項に記載のボンディング装置。
【0064】
(付記7)
複数の処理ヘッドは、列方向において互いに離間して設けられた第1処理ヘッド及び第2処理ヘッドを有しており、制御部は、第1及び第2ブロック上の複数のボンディング領域を搬送方向を基準として分割したときに、分割された一方の領域に属するボンディング領域に対して、第1処理ヘッドを用いて所定の処理を実行し、分割された他方の領域に属するボンディング領域に対して、第2処理ヘッドを用いて所定の処理を実行するように制御する、付記1から付記6の何れか1項に記載のボンディング装置。
【0065】
(付記8)
複数の処理ヘッドが、それぞれ1つ又は複数の基板に対して垂直に設けられている付記1から付記7の何れか1項に記載のボンディング装置。
【0066】
(付記9)
行方向及び列方向に配列された複数のボンディング領域を有する第1ブロック、及び、当該第1ブロックと第1距離を介して離間しかつ行方向及び列方向に配列された複数のボンディング領域を有する第2ブロック、を有する1つ又は複数の基板におけるボンディング領域に電子部品をボンディングするための所定の処理を実行するボンディング装置を用いたボンディング方法であって、ボンディング装置は、行方向に沿って1つ又は複数の基板を搬送しかつ1つ又は複数の基板のボンディング領域を吸着する搬送台と、列方向に互いに離間して設けられた複数の処理ヘッドと、所定の処理を実行するように搬送台及び複数の処理ヘッドを制御する制御部とを備え、搬送台は、第1列に沿って配列された複数の吸着穴を有する第1吸着部と、第1列に対して第1距離以上の第2距離を介して離間した第2列に沿って配列された複数の吸着穴を有する第2吸着部とを含み、ボンディング方法は、第1吸着部が第1ブロックのいずれかの列方向の複数のボンディング領域を吸着しているとともに第2吸着部が第2ブロックのいずれかの列方向の複数のボンディング領域を吸着している工程と、複数の処理ヘッドが第1ブロック及び第2ブロックにおける吸着されたそれぞれのボンディング領域に対して所定の処理を実行する工程と、を含む、ボンディング方法。
【符号の説明】
【0067】
1,100…ボンディング装置
2,200…搬送台
3,300…処理装置
4,400…ウェハ保持台
5,500…制御部
21,201…ガイドレール
22,202…ステージ
23,203…支持台
31…第1ディスペンス装置
31a…第1ディスペンスヘッド
31b…第1カメラ
32…第2ディスペンス装置
32a…第2ディスペンスヘッド
32b…第2カメラ
33、302…基板検出装置
33a…検出カメラ
34…実装装置
34a…ボンディングヘッド
35,305…Xガイド
36,306…Yガイド
301…ディスペンス装置
303…第1実装装置
303a…第1ボンディングヘッド
304…第2実装装置
304a…第2ボンディングヘッド
W…ウェハ
D…半導体チップ
S1,S2…基板
B1…第1ブロック
B2…第2ブロック
BR…ボンディング領域
ap1…第1吸着部
ap2…第2吸着部
ap3…第3吸着部
apb…ボンディング吸着部
apd…ディスペンス吸着部
sh…吸着穴
1,D10…第1距離
2,D20…第2距離
3,D30…第3距離
br…ボンディング領域間距離
HP1…第1ヘッド位置
HP2…第2ヘッド位置
PR1…第1処理経路
PR2…第2処理経路
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15