(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024098533
(43)【公開日】2024-07-24
(54)【発明の名称】駐車場管理システム
(51)【国際特許分類】
G08G 1/14 20060101AFI20240717BHJP
【FI】
G08G1/14 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023002068
(22)【出願日】2023-01-11
(71)【出願人】
【識別番号】308036402
【氏名又は名称】株式会社JVCケンウッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】内田 早紀
(72)【発明者】
【氏名】糟谷 純一
(72)【発明者】
【氏名】中村 功大
【テーマコード(参考)】
5H181
【Fターム(参考)】
5H181AA01
5H181AA26
5H181BB04
5H181BB13
5H181CC04
5H181CC24
5H181FF04
5H181FF13
5H181FF22
5H181FF27
5H181FF33
5H181KK01
5H181KK03
5H181KK04
5H181KK06
(57)【要約】
【課題】設備が大掛かりとなることを抑制しつつ、駐車場における不適切な駐車を効率的に低減する。
【解決手段】駐車場管理システムは、駐車場を飛行可能であり、映像を投影する投影部を有する無人飛行体を備え、無人飛行体は、駐車場において駐車スペースに全体が納まった適正状態ではない不適正状態で駐車している車両を対象車両として検出し、検出した対象車両に対して映像を投影する。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
駐車場を飛行可能であり、映像を投影する投影部を有する無人飛行体を備え、
前記無人飛行体は、前記駐車場において駐車スペースに全体が納まった適正状態ではない不適正状態で駐車している車両を対象車両として検出し、検出した前記対象車両に対して映像を投影する
駐車場管理システム。
【請求項2】
前記不適正状態は、前記駐車スペースとは異なる場所に前記車両が駐車している違反状態を含み、
前記無人飛行体は、前記違反状態の前記対象車両を検出した場合、前記対象車両に対して検出時からの経過時間に応じて異なる態様で前記映像を投影する
請求項1に記載の駐車場管理システム。
【請求項3】
前記不適正状態は、前記駐車スペースから前記車両の一部がはみ出しているはみ出し状態を含み、
前記無人飛行体は、前記はみ出し状態の前記対象車両を検出した場合、前記対象車両のうち前記駐車スペースからみ出した部分に前記映像を投影する
請求項1に記載の駐車場管理システム。
【請求項4】
前記車両に搭載されたナビゲーション装置を更に備え、
前記ナビゲーション装置は、前記無人飛行体との間で通信可能であり、
前記無人飛行体は、前記対象車両を検出した場合、前記対象車両の前記ナビゲーション装置に前記不適正状態であることを通知する通知情報を送信し、
前記ナビゲーション装置は、前記通知情報を受信した場合、前記通知情報を表示部に表示する
請求項1に記載の駐車場管理システム。
【請求項5】
前記ナビゲーション装置は、前記通知情報を受信した場合、前記対象車両が前記不適正状態を解消しようとしているか否かを判定し、前記対象車両が前記不適正状態を解消しようとしていると判定した場合、前記不適正状態が解消されるように前記対象車両を案内する案内情報を前記表示部に表示する
請求項4に記載の駐車場管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駐車場管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
駐車場において駐車スペースごとにプロジェクタ付きカメラを配備して当該駐車スペースを撮影し、無断駐車等の違反車両に対して警告の映像を投影するシステムが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の技術では、駐車スペースごとにプロジェクタ付きカメラを配備する必要があるため、大掛かりな構成となってしまう。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、設備が大掛かりとなることを抑制しつつ、駐車場における不適切な駐車を効率的に低減することができる駐車場管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る駐車場管理システムは、駐車場を飛行可能であり、映像を投影する投影部を有する無人飛行体を備え、前記無人飛行体は、前記駐車場において駐車スペースに全体が納まった適正状態ではない不適正状態で駐車している車両を対象車両として検出し、検出した前記対象車両に対して映像を投影する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、設備が大掛かりとなることを抑制しつつ、駐車場における不適切な駐車を効率的に低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、第1実施形態に係る駐車場管理システムの一例を模式的に示す図である。
【
図2】
図2は、第1実施形態に係る駐車場管理システムの一例を示す機能ブロック図である。
【
図3】
図3は、第1実施形態に係る駐車場管理システムの動作の一例を模式的に示す図である。
【
図4】
図4は、第1実施形態に係る駐車場管理システムの動作の一例を模式的に示す図である。
【
図5】
図5は、第1実施形態に係る駐車場管理システムの動作の一例を模式的に示す図である。
【
図6】
図6は、第1実施形態に係る駐車場管理システムの動作の一例を模式的に示す図である。
【
図7】
図7は、第1実施形態に係る駐車場管理システムの動作の一例を示すフローチャートである。
【
図8】
図8は、第2実施形態に係る駐車場管理システムの一例を模式的に示す図である。
【
図9】
図9は、適正状態及び不適正状態の例を示す図である。
【
図10】
図10は、第2実施形態に係る駐車場管理システムの動作の一例を模式的に示す図である。
【
図11】
図11は、第2実施形態に係る駐車場管理システムの動作の一例を模式的に示す図である。
【
図12】
図12は、第2実施形態に係る駐車場管理システムの動作の一例を模式的に示す図である。
【
図13】
図13は、第2実施形態に係る駐車場管理システムの動作の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明に係る駐車場管理システムの実施形態を図面に基づいて説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
【0010】
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態に係る駐車場管理システム100の一例を模式的に示す図である。
図2は、第1実施形態に係る駐車場管理システム100の一例を示す機能ブロック図である。
【0011】
図1及び
図2に示すように、第1実施形態に係る駐車場管理システム100は、ナビゲーション装置10と、無人飛行体30とを備える。駐車場管理システム100は、駐車場Pを管理するためのシステムである。駐車場Pには、車両Mを駐車するための駐車スペースSが設けられる。駐車スペースSには、占有スペースS1及び空きスペースS2が含まれる。占有スペースS1は、他の車両Mにより占有された状態の駐車スペースSである。具体的には、占有スペースS1は、車両Mが格納された状態、又は無人飛行体30により映像Q(後述)が投影された状態の駐車スペースSである。空きスペースS2は、他の車両Mにより占有されていない状態の駐車スペースSである。具体的には、空きスペースS2は、車両Mが格納されておらず、かつ、無人飛行体30による映像(後述する映像Q1又はQ1a)が投影されていない状態の駐車スペースSである。
【0012】
ナビゲーション装置10は、車両Mに搭載される。以下、ナビゲーション装置10が搭載される車両Mを車両M1と表記する。ナビゲーション装置10は、撮影部11と、GNSS(Global Navigation Satellite System)受信部12と、表示部13と、入力部14と、制御部15とを有する。
【0013】
撮影部11は、車両M1の周囲の映像を撮影する撮影装置である。撮影部11は、例えばカメラである。撮影部11は、ステレオカメラなどの複数のカメラを組み合わせた構成であってもよいし、360度の全方向を撮影する全周カメラで構成されてもよい。
【0014】
GNSS受信部12は、ナビゲーション装置10の位置情報を計測する。GNSS受信部12は、GNSS受信機によりGPS(Global Positioning System)衛星等から送信される電波を受信する。GNSS受信機は、複数のGPS衛星などから送信される電波を受信し、電波を受信した時刻と、GPS衛星などが電波を発信した時刻との差を用いて、GPS衛星等からナビゲーション装置10までの距離を算出することによって、ナビゲーション装置10の現在位置(例えば、緯度、及び経度)を計測する。
【0015】
表示部13は、車両M1の運転者に向けて各種の情報を表示する。表示部13は、バックミラー型の表示デバイスや、例えば、車載インフォテインメントシステムの表示デバイス等であってよい。また、表示部13は、例えば液晶ディスプレイ、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ、マイクロLED(Light Emitting Diode)ディスプレイ等によって実現されてよい。
【0016】
入力部14は、ユーザからの各種の操作を受け付けて、入力信号として制御部15に出力する。入力部14としては、例えばタッチパネル、ボタン、レバー、ダイヤル、スイッチ等の入力装置が用いられる。入力部14により、例えば駐車可能スペースS3(後述)を無人飛行体30に探索させる旨の指示等が入力される。
【0017】
制御部15は、ナビゲーション装置10の動作を制御する。制御部15は、通信部16、処理部17及び記憶部18を有する。
【0018】
通信部16は、外部機器との間で広域の無線通信を行う。通信部16は、例えばネットワークインタフェースカード等のインタフェースを含む。通信部16は、例えばインターネット等のネットワークを介して、無人飛行体30と情報の通信を行う。ネットワークは、インターネットに限定されない。
【0019】
処理部17は、各種の情報処理を行う。処理部17は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサと、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等のメモリとを含む。
【0020】
処理部17は、所定の探索指示情報が入力されたか否かを判定する。探索指示情報は、駐車場Pにおいて車両M1が駐車可能な空きスペースS2を探索するように無人飛行体30に指示する情報である。探索指示情報は、例えば入力部14を介して入力することができる。処理部17は、探索指示情報が入力されたと判定した場合、車両M1の車両情報を無人飛行体30に送信する。車両情報は、車両M1の寸法を判別可能な情報である。車両情報としては、例えば車両M1の車種情報、諸元情報等が挙げられる。また、車両情報は、車両M1の外観の映像、車両M1の識別情報(ナンバープレートの番号等)等を含んでもよい。なお、車種情報については、例えばインターネット等のネットワークによって車種情報を検索することにより、車両M1の寸法を取得することができる。車両情報は、例えば記憶部18に記憶される。
【0021】
処理部17は、車両M1を案内するための各種情報を表示部13に表示する。処理部17は、例えば無人飛行体30から送信される各種情報を受信した場合、受信した情報を表示部13に表示する。各種情報としては、例えば、駐車可能スペースS3の位置情報(後述)、駐車可能スペースS3の周囲の状況に関する状況情報(後述)、駐車可能スペースS3が検出できなかった旨の非検出情報(後述)等が挙げられる。
【0022】
処理部17は、無人飛行体30から送信される位置情報を表示部13に表示した場合に、位置情報に対応する駐車可能スペースS3を予約する旨の入力があったか否かを判定する。
【0023】
処理部17は、駐車可能スペースS3を予約する旨の入力があったと判定した場合、無人飛行体30に対して駐車可能スペースS3に映像を投影するように指示する投影指示情報を送信させる。また、駐車可能スペースS3を予約する旨の入力があったと判定した場合、処理部17は、無人飛行体30から送信された位置情報に基づいて、車両M1を駐車可能スペースS3に案内する案内情報を表示部13に表示する。
【0024】
記憶部18は、各種プログラム、データ等の情報を記憶する。記憶部18は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等のストレージを含む。記憶部18は、例えば上記した車両情報を記憶する。
【0025】
制御部15では、処理部17においてプロセッサが各種プログラムを読み出してメモリに展開することで、処理部17の機能に対応した情報処理を実行する。各種プログラムとしては、例えば通信部16が受信したプログラム、記憶部18に記憶されたプログラム、外部の記録媒体に記録されたプログラム等が挙げられる。制御部15は、各種の情報処理を実行する情報処理装置(コンピュータ)として機能する。なお、制御部15とは異なる他の情報処理装置が各種プログラムを実行してもよいし、制御部15と他の情報処理装置とが協働して各種プログラムを実行してもよい。
【0026】
無人飛行体30は、無人で飛行する無人飛行体である。無人飛行体30としては、例えばドローン等が挙げられる。無人飛行体30は、駐車場Pを飛行可能である。無人飛行体30は、自律飛行が可能な構成であってもよいし、操縦者又は駐車場Pの制御装置(不図示)等により遠隔操縦することで飛行する構成であってもよい。無人飛行体30は、駐車場Pに設けられてもよいし、車両M1に搭載されてもよい。
【0027】
無人飛行体30は、GNSS受信部31と、周辺情報取得部32と、飛行駆動部33と、投影部34と、制御部35とを有する。
【0028】
GNSS受信部31は、GPS衛星等からのGNSS信号を受信する。GNSS受信部31は、受信したGNSS信号を制御部35に出力する。GNSS受信部31は、例えば、GNSS信号を受信可能なGNSS受信回路およびアンテナなどで構成されている。
【0029】
周辺情報取得部32は、無人飛行体30の周辺の情報を取得する。周辺情報取得部32は、例えば無人飛行体30の周辺を撮影するカメラ、無人飛行体30の周辺の障害物を検出するセンサ、無人飛行体30の飛行高度を検出するセンサ等を含む。周辺情報取得部32は、無人飛行体30の自律飛行の制御に使用する映像を撮影する。また、周辺情報取得部32は、駐車可能スペースS3の周辺の画像を撮影する。周辺情報取得部32は、例えば、無人飛行体30の本体に下向きに配置されている。周辺情報取得部32は、例えば、無人飛行体30が飛行を開始してから飛行を終了するまでの間、常時撮影及び検出の少なくとも一方を行う。周辺情報取得部32は、撮影した映像及びセンサによる検出結果を制御部35へ出力する。
【0030】
飛行駆動部33は、無人飛行体30を飛行させるためのプロペラ、モータ等の各種機構を有する。飛行駆動部33は、制御部35からの制御信号によって制御される。飛行駆動部33が制御されることによって、無人飛行体30が離着陸、前進、旋回、上昇、下降およびホバリングなどの各種飛行動作を行う。
【0031】
投影部34は、映像を投影する。投影部34としては、例えばプロジェクタ等の投影装置が用いられる。投影部34は、例えば、無人飛行体30の本体に下向きに配置されている。
【0032】
制御部35は、無人飛行体30の動作を制御する。制御部35は、通信部36、処理部37及び記憶部38を有する。
【0033】
通信部36は、外部機器との間で広域の無線通信を行う。通信部36は、例えばネットワークインタフェースカード等のインタフェースを含む。通信部36は、例えばインターネット等のネットワークを介して、ナビゲーション装置10と情報の通信を行う。ネットワークは、インターネットに限定されない。
【0034】
処理部37は、各種の情報処理を行う。処理部37は、CPU等のプロセッサと、ROM、RAM等のメモリとを含む。
【0035】
処理部37は、ナビゲーション装置10から送信される車両情報を受信した場合、車両M1が駐車可能な駐車可能スペースS3を探索させる。駐車可能スペースS3を探索させる場合、処理部37は、当該車両情報に基づいて車両M1の寸法を取得することができる。また、処理部37は、GNSS受信部31からのGNSS信号に基づいて、現在位置を算出することができる。また、処理部37は、周辺情報取得部32で撮影された映像に対して画像処理等を行うことで、空きスペースS2の有無、寸法を検出することができる。処理部37は、車両M1の寸法と空きスペースS2の寸法とに基づいて、空きスペースS2が駐車可能か否かを判定する。空きスペースS2が駐車可能であると判定した場合、処理部37は、当該空きスペースS2を駐車可能スペースS3として検出する。また、処理部37は、飛行駆動部33を駆動制御することにより、駐車場Pにおいて無人飛行体30を飛行させることができる。
【0036】
処理部37は、駐車可能スペースS3を検出した場合、駐車可能スペースS3の位置情報をナビゲーション装置10に送信させる。また、処理部37は、駐車可能スペースS3を検出した場合、周辺情報取得部32のカメラ、センサ等で取得された情報を処理することで、例えば駐車可能スペースS3の周囲の状況に関する状況情報を取得することができる。この場合、処理部37は、取得した状況情報を位置情報と共にナビゲーション装置10に送信させることができる。
【0037】
処理部37は、駐車可能スペースS3を検出した場合、ナビゲーション装置10からの指示に基づいて、駐車可能スペースS3に映像を投影するように投影部34を制御する。例えば、処理部37は、ナビゲーション装置10から投影指示情報を受信した場合、駐車可能スペースS3に映像を投影させる。投影部34が投影する映像のデータは、例えば記憶部38に記憶させておくことができる。
【0038】
記憶部38は、各種プログラム、データ等の情報を記憶する。記憶部38は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等のストレージを含む。記憶部38は、例えば車両の車種と当該車種に対応する車両の寸法とを対応付けた対応情報を記憶する。また、記憶部38は、例えば投影部34が投影する映像のデータを記憶する。例えば、記憶部38は、投影部34が投影する車両の映像を記憶する。
【0039】
制御部35では、処理部37においてプロセッサが各種プログラムを読み出してメモリに展開することで、上記各部の機能に対応した情報処理を実行する。各種プログラムとしては、例えば通信部36が受信したプログラム、記憶部38に記憶されたプログラム、外部の記録媒体に記録されたプログラム等が挙げられる。制御部35は、各種の情報処理を実行する情報処理装置(コンピュータ)として機能する。なお、制御部35とは異なる他の情報処理装置が各種プログラムを実行してもよいし、制御部35と他の情報処理装置とが協働して各種プログラムを実行してもよい。
【0040】
次に、上記のように構成された駐車場管理システム100の動作の一例を説明する。
図3から
図6は、第1実施形態に係る駐車場管理システム100の動作の一例を模式的に示す図である。ナビゲーション装置10において、処理部17は、所定の探索指示情報が入力されたか否かを判定する。ユーザは、入力部14を介して探索指示情報の当該入力を行うことができる。処理部17は、探索指示情報の入力があったと判定した場合、車両M1の寸法を判別可能な車両情報を無人飛行体30に送信させる。処理部17の制御により、通信部16から車両情報が無人飛行体30に送信される。
【0041】
無人飛行体30では、通信部36において車両情報を受信する。車両情報を受信した場合、処理部37は、車両M1が駐車可能な空きスペースS2を探索するように制御する。この場合、処理部37は、例えばGNSS受信部31が受信した電波に基づいて、無人飛行体30の現在の位置情報を公知の方法によって算出する。無人飛行体30が自律飛行可能な構成である場合、処理部37は、例えば予め記憶部38に記憶される駐車場Pのマップデータ等に基づいて、駐車場Pにおける飛行可能なルートを算出し、算出結果に基づいたルートで飛行するように飛行駆動部33を制御することができる。無人飛行体30が操縦者の操縦により飛行する構成である場合、操縦内容に応じて飛行駆動部33を制御することができる。例えば駐車場Pに設けられる無人飛行体30の場合、処理部37の制御により、
図3に示すように、駐車場P内を飛行しつつ空きスペースS2を探索する。また、車両M1に搭載される無人飛行体30の場合、処理部37の制御により、車両M1から駐車場Pに向けて飛行し、駐車場Pに到着した場合に、駐車場P内を飛行しつつ空きスペースS2を探索する。
【0042】
処理部37は、受信した車両情報に基づいて、車両M1の寸法を判別する。車両情報が諸元情報等のように車両M1の寸法を含む情報である場合、処理部37は、車両情報に含まれる寸法に基づいて車両M1の寸法を判別する。また、例えば予め記憶部38に車種と寸法との対応関係を示す対応情報を記憶させておくことにより、車両情報が車種情報等のように車両M1の寸法を含まない情報である場合、処理部37は、記憶部38に記憶される対応情報に基づいて、車種情報に対応する車両M1の寸法を判別することができる。
【0043】
処理部37は、周辺情報取得部32で取得された情報に基づいて、駐車場Pにおける空きスペースS2を検出する。例えば、処理部37は、周辺情報取得部32のカメラで撮影された映像に基づいて、空きスペースS2を画像処理等により検出することができる。処理部37は、他の車両が駐車していない状態であり、かつ、後述する映像Q1aが投影されていない状態のスペースを空きスペースS2として検出することができる。
【0044】
空きスペースS2を検出した場合、処理部37は、画像処理等により当該空きスペースS2の寸法を算出する。また、処理部37は、算出した空きスペースS2の寸法と、車両情報に基づいて判別した車両M1の寸法とに基づいて、当該空きスペースS2に車両M1が駐車可能か否かを判定する。処理部37は、例えば車両M1がはみ出さずに空きスペースS2に収容される寸法である場合、当該空きスペースS2に車両M1が駐車可能であると判定することができる。処理部37は、空きスペースS2に車両M1が駐車可能であると判断した場合、当該空きスペースS2を駐車可能スペースS3として検出する。
【0045】
処理部37は、駐車可能スペースS3を検出した場合、例えば駐車場Pのマップ情報と、検出時の無人飛行体30の位置情報とに基づいて、当該駐車可能スペースS3の位置情報を取得する。処理部37は、取得した駐車可能スペースS3の位置情報をナビゲーション装置10に送信させる。また、駐車可能スペースS3を検出した場合、処理部37は、周辺情報取得部32のカメラ、センサ等によって取得される情報に基づいて、駐車可能スペースS3の周囲の状況に関する状況情報を取得してもよい。この場合、処理部37は、取得した状況情報を位置情報と共にナビゲーション装置10に送信させることができる。
【0046】
なお、空きスペースS2が検出されなかった場合、空きスペースS2は検出されたものの車両M1の寸法よりも狭い寸法であった場合等、駐車可能スペースS3が検出されなかった場合には、処理部37は、駐車可能スペースS3が検出されなかった旨の非検出情報をナビゲーション装置10に送信させる。この場合、処理部37は、非検出情報が送信された後、例えば探索を終了して所定の待機位置に戻るように無人飛行体30の制御を行うことができる。また、処理部37は、非検出情報をナビゲーション装置10に送信させる処理の他に、例えば駐車場Pとは異なる他の駐車場を検索し、他の駐車場への経路案内をナビゲーション装置10に送信させてもよい。
【0047】
ナビゲーション装置10は、通信部16において当該位置情報、状況情報の受信、又は非検出情報の受信を行う。処理部17は、受信された情報が非検出情報であった場合、駐車可能スペースS3の探索を終了する旨の情報を表示部13に表示する。
【0048】
処理部17は、受信された情報が位置情報を含む場合、
図4に示すように、当該位置情報を表示部13に表示する。
図4に示す例において、表示部13には、位置情報I1として、駐車場Pのうち図中の右から3番目の駐車スペースSが駐車可能スペースS3であることが示されている。この制御により、ユーザは、検出された駐車可能スペースS3の位置を確認できる。処理部17は、受信された情報が状況情報を含む場合、当該状況情報を位置情報と共に表示部13に表示する。
図4に示す例において、表示部13には、状況情報I2として、例えば駐車可能スペースS3の左隣の駐車スペースSに駐車している車両Mの情報や、駐車可能スペースS3と右隣の駐車スペースSとの間に間隔が設けられている旨の情報等が表示されている。この表示により、ユーザは、検出された駐車可能スペースS3の周囲の状況を確認することができる。ユーザは、駐車可能スペースS3の周囲の状況を確認することにより、当該駐車可能スペースS3が自分自身の運転技量で駐車可能か否かを判断することができる。位置情報I1及び状況情報I2として、各情報の内容を説明する文章等のテキストを併せて表示部13に表示してもよい。
【0049】
処理部17は、位置情報I1、又は位置情報I1と状況情報I2とを表示部13に表示した後、当該位置情報に対応する駐車可能スペースS3を予約するか否かを入力するように指示する指示情報を併せて表示部13に表示する。
図4に示す例では、指示情報I3として、駐車可能スペースS3を予約するか否かを確認する旨の文章と、表示部13に設けられるタッチパネル(入力部14)により予約するか予約しないかを入力可能なタッチ領域とが表示されている。処理部17は、当該駐車可能スペースS3を予約する旨の予約入力があったと判定した場合、無人飛行体30に対して駐車可能スペースS3に映像を投影するように指示する投影指示情報を送信させる。
【0050】
無人飛行体30において投影指示情報を受信した場合、処理部37は、駐車可能スペースS3に映像を投影するように投影部34を制御する。処理部37は、例えば車両M1の寸法に対応した寸法の映像Qを駐車可能スペースS3に投影するように制御することができる。以下、車両M1の寸法に対応した寸法の映像Qを映像Q1と表記する。映像Q1は、例えば車両M1の寸法に対応した寸法の車両の映像と、当該車両M1の識別情報(ナンバープレートの番号等)の映像のいずれか一方、もしくは両方を組み合わせた映像を含む。映像Q1を生成する際、処理部37は、車両M1の車種情報に基づいて、当該車両M1の寸法に対応した車両の映像を生成することができる。また、処理部37は、記憶部38に記憶される対応情報に基づいて、当該車両M1の寸法に対応した車両の映像を生成することができる。また、処理部37は、車両M1の車両情報に基づいて、車両M1のナンバープレートの番号を示す映像を生成することができる。投影部34は、処理部37の制御により、映像Q1を駐車可能スペースS3に投影する。
図5に示すように、駐車可能スペースS3に映像Q1が投影された状態となる。なお、映像Q1が投影されることにより、当該駐車可能スペースS3は、占有スペースS1となる。なお、上記した映像Q1と同様に他の車両Mについての車両Mの寸法に対応した寸法の映像Q(以下、映像Q1aと表記する)が投影される駐車スペースSも、占有スペースS1に含まれる。映像Q1が投影された後、例えば車両M1が駐車可能スペースS3に駐車した場合、処理部17は、投影部34による投影を中止し、無人飛行体30が所定の待機位置に戻るように制御して、処理を終了する。
【0051】
また、ナビゲーション装置10において、処理部17は、上記の駐車可能スペースS3を予約する旨の入力があったと判定した場合、
図6に示すように、当該駐車可能スペースS3に車両M1を案内する案内情報I4を表示部13に表示する。例えば、処理部17は、案内情報I4として、当該駐車可能スペースS3に到達するまでの道順等を表示部13に表示することができる。運転者は、ナビゲーション装置10の表示部13に表示された内容を確認することにより、駐車可能スペースS3に容易に到達することができる。また、駐車可能スペースS3には車両M1の寸法に対応した寸法の映像Q1が投影されている。このため、運転者は、駐車可能スペースS3の近くに到達した場合に、当該駐車可能スペースS3を容易に見つけることができる。また、運転者は、駐車可能スペースS3に到達した場合、駐車可能スペースS3に投影される映像Q1に沿って駐車することで、駐車可能スペースS3内の適切な位置に駐車することができる。
【0052】
一方、上記の駐車可能スペースS3を予約しない旨の入力があったと判定した場合、処理部17は、他の駐車可能スペースS3を探索させるか否かを入力するように指示する情報を表示部13に表示する。処理部17は、他の駐車可能スペースS3を探索させる旨の再探索指示情報が入力された場合、無人飛行体30に対して再探索指示情報を送信する。
【0053】
無人飛行体30において、再探索指示情報を受信した場合、処理部37は、上記同様の手順で、他の駐車可能スペースS3の探索を行うよう制御する。このように、ユーザの指示により他の駐車可能スペースS3を探索することで、ユーザの気に入った駐車可能スペースS3を探索することができる。
【0054】
図7は、第1実施形態に係る駐車場管理システム100の動作の一例を示すフローチャートである。
図7に示すように、ナビゲーション装置10において、処理部17は、所定の探索指示情報が入力されたか否かを判定する(ステップS101)。所定の探索指示情報が入力されない場合(ステップS101のNo)、処理部17は、ステップS101の処理を繰り返し行う。所定の探索指示情報の入力があったと判定した場合(ステップS101のYes)、処理部17は、車両M1の寸法を判別可能な車両情報を無人飛行体30に送信させる(ステップS102)。処理部17の制御により、通信部16から車両情報が無人飛行体30に送信される。
【0055】
無人飛行体30では、通信部36において車両情報を受信する(ステップS103)。車両情報を受信した場合、処理部37は、車両M1が駐車可能な空きスペースS2の探索を開始させる(ステップS104)。処理部37は、駐車可能スペースS3を検出した場合(ステップS105のYes)、駐車可能スペースS3の位置情報を取得し、取得した位置情報をナビゲーション装置10に送信させる(ステップS106)。ステップS106において、処理部37は、駐車可能スペースS3の周囲の状況に関する状況情報を取得し、取得した状況情報を位置情報と共にナビゲーション装置10に送信させてもよい。
【0056】
一方、駐車可能スペースS3が検出されなかった場合(ステップS105のNo)、処理部37は、駐車可能スペースS3が検出されなかった旨の非検出情報をナビゲーション装置10に送信させる(ステップS107)。処理部37は、非検出情報が送信された後、例えば探索を終了して所定の待機位置に戻るように無人飛行体30の制御を行う。
【0057】
ナビゲーション装置10は、通信部16において位置情報等の受信、又は非検出情報の受信を行う(ステップS108)。処理部17は、受信された情報が非検出情報であった場合(ステップS109のYes)、駐車可能スペースS3の探索を終了する旨の情報を表示部13に表示する(ステップS110)。
【0058】
処理部17は、受信された情報が位置情報を含む場合(ステップS109のNo)、当該位置情報I1及び状況情報I2を表示部13に表示する(ステップS111)。処理部17は、位置情報I1及び状況情報I2を表示部13に表示した後、当該位置情報I1に対応する駐車可能スペースS3を予約するか否かを入力するように指示する指示情報I3を表示部13に表示する(ステップS112)。ステップS112の後、処理部17は、入力部14からの入力に基づいて、駐車可能スペースS3を予約するか否かの判定を行う(ステップS113)。ステップS113において、処理部17は、駐車可能スペースS3の予約を行わないと判定した場合(ステップS113のNo)、他の空きスペースS2を探索させるか否かを判定する(ステップS114)。他の空きスペースS2を探索させないと判定した場合(ステップS114のNo)、処理部17は、処理を終了する。また、ステップS114において、他の空きスペースS2を探索させると判定した場合(ステップS114のYes)、処理部17は、無人飛行体30に対して再探索指示情報を送信して(ステップS115)、処理を終了する。
【0059】
無人飛行体30において、再探索指示情報を受信した場合(ステップS116のYes)、処理部37は、ステップS104以降の処理を行うことで、他の駐車可能スペースS3の探索を行うよう制御する。
一方、ステップS113において、処理部17は、駐車可能スペースS3の予約を行うと判定した場合(ステップS113のYes)、無人飛行体30に対して駐車可能スペースS3に映像を投影するように指示する投影指示情報を送信させる(ステップS117)。また、処理部17は、当該駐車可能スペースS3に車両M1を案内する案内情報を表示部13に表示する(ステップS118)。
【0060】
無人飛行体30において、再探索指示情報を受信しない場合(ステップS116のNo)、処理部37は、投影指示情報を受信したか否かの判定を行う(ステップS119)。投影指示情報を受信したと判定した場合(ステップS119のYes)、処理部37は、駐車可能スペースS3に映像を投影するように投影部34を制御する(ステップS120)。その後、例えば車両M1が駐車可能スペースS3に駐車した後、処理部17は、投影部34による投影を中止し、無人飛行体30が所定の待機位置に戻るように制御して、処理を終了する。また、投影指示情報を受信しないと判定した場合(ステップS119のNo)、処理部37は、ステップS116に戻って処理を行う。
【0061】
以上のように、本実施形態に係る駐車場管理システム100は、車両M1に搭載されたナビゲーション装置10と、ナビゲーション装置10との間で通信可能であり、駐車場Pを飛行可能であり、映像Q1を投影する投影部34を有する無人飛行体30とを備え、ナビゲーション装置10は、所定の入力があった場合に、車両M1の寸法を判別可能な車両情報を無人飛行体30に送信し、無人飛行体30は、車両情報を受信した場合、車両情報に基づいて駐車場Pにおいて車両M1が駐車可能な空きスペースS2である駐車可能スペースS3を探索し、駐車可能スペースS3を検出した場合、ナビゲーション装置10からの指示に基づいて駐車可能スペースS3に映像Q1を投影する。
【0062】
この構成によれば、駐車可能スペースS3に映像Q1を投影することで、駐車可能スペースS3を確保した旨を周囲に示すことができるため、ロック板等の物理的な器具等が不要になる。これにより、駐車場Pの管理を行う場合において、管理者の負担を軽減することが可能となる。
【0063】
本実施形態に係る駐車場管理システム100において、無人飛行体30は、駐車可能スペースS3を検出した場合、検出した駐車可能スペースS3の位置情報I1をナビゲーション装置10に送信し、ナビゲーション装置10は、表示部13を有し、位置情報I1を受信した場合に位置情報I1を表示部13に表示する。この構成によれば、運転者は、表示部13に表示される位置情報I1を見ることにより、駐車可能スペースS3の位置を容易に把握することができる。
【0064】
本実施形態に係る駐車場管理システム100において、ナビゲーション装置10は、位置情報I1を表示した後、位置情報I1に対応する駐車可能スペースS3を予約する旨の入力があった場合に、無人飛行体30に駐車可能スペースS3に映像Q1を投影させるように指示すると共に、車両M1を駐車可能スペースS3に案内する案内情報を表示部13に表示する。この構成によれば、例えば無人飛行体30が検出した駐車可能スペースS3が運転者にとって適切でなかった場合等に、他の駐車可能スペースS3を探索することができる。
【0065】
本実施形態に係る駐車場管理システム100において、無人飛行体30は、駐車可能スペースS3を検出した場合、駐車可能スペースS3の周囲の状況に関する状況情報I2を取得し、位置情報I1と状況情報I2とをナビゲーション装置10に送信し、ナビゲーション装置10は、位置情報I1及び状況情報I2を表示部13に表示する。この構成によれば、運転者は、表示部13に表示された位置情報I1及び状況情報I2を見ることにより、無人飛行体30が検出した駐車可能スペースS3の周囲の状況を把握することができる。このため、運転者は、無人飛行体30が検出した駐車可能スペースS3が自分の駐車技量に適合しているか否かを容易に判断することができる。
【0066】
本実施形態に係る駐車場管理システム100において、無人飛行体30は、車両M1の寸法に対応した寸法の映像Q1を駐車可能スペースS3に投影する。この構成によれば、運転者は、駐車可能スペースS3に到達した場合、駐車可能スペースS3に投影される映像Q1に沿って駐車することで、駐車可能スペースS3内の適切な位置に駐車することができる。このため、駐車が苦手な運転者であってもスムーズな運転操作が可能となる。
【0067】
[第2実施形態]
図8は、第2実施形態に係る駐車場管理システム200の一例を模式的に示す図である。
図8に示すように、第2実施形態に係る駐車場管理システム200は、ナビゲーション装置10及び無人飛行体30を備える。
【0068】
ナビゲーション装置10及び無人飛行体30のハードウェアの概略構成については、第1実施形態と同様である。すなわち、ナビゲーション装置10は、撮影部11と、GNSS受信部12と、表示部13と、入力部14と、制御部15とを有する。制御部15は、通信部16、処理部17及び記憶部18を有する。また、無人飛行体30は、GNSS受信部31と、周辺情報取得部32と、飛行駆動部33と、投影部34と、制御部35とを有する。制御部35は、通信部36、処理部37及び記憶部38を有する。
【0069】
第2実施形態では、駐車場管理システム200の動作が第1実施形態とは異なっているため、第1実施形態との相違点について説明する。
【0070】
具体的には、第1実施形態において、無人飛行体30の検出対象は、駐車場Pの駐車可能スペースS3である。これに対して、第2実施形態において、無人飛行体30の検出対象は、駐車場Pにおいて適正状態とは異なる不適正状態で駐車している車両(対象車両M2a)である。
図9は、適正状態及び不適正状態の例を示す図である。
図9に示すように、適正状態(ST1)は、駐車スペースSに車両M2の全体が納まった状態である。また、不適正状態(ST2)は、車両M2の少なくとも一部が駐車スペースSに納まっていない状態である。不適正状態(ST2)は、違反状態(ST21)及びはみ出し状態(ST22)を含む。違反状態(ST21)は、駐車スペースSとは異なる場所に車両M2が駐車している状態である。はみ出し状態(ST22)は、駐車スペースSから車両M2の一部がはみ出している状態である。第2実施形態において、無人飛行体30の処理部37は、不適正状態(ST2)で駐車している車両M2を対象車両M2aとして検出する。
【0071】
また、第1実施形態において、無人飛行体30から投影する映像Q1の投影先は、駐車可能スペースS3である。これに対して、第2実施形態において、無人飛行体30から投影する映像(Q2)の投影先は、不適正状態で駐車している対象車両M2aである。処理部37は、不適正状態で駐車している対象車両M2aが検出された場合、対象車両に対して映像を投影するように投影部34を制御する。
【0072】
処理部37は、対象車両M2aが検出された場合、対象車両M2aのナビゲーション装置10に当該対象車両M2aが不適正状態である旨を通知する通知情報を送信する。
【0073】
ナビゲーション装置10において、通知情報を受信した場合、処理部17は、受信した通知情報を表示部13に表示する。通知情報が表示された後、処理部17は、対象車両M2aが不適正状態を解消しようとしているか否かを判定する。当該判定について、処理部17は、例えば対象車両M2aを移動する意思がある旨の情報が入力部14から入力された場合等に、対象車両M2aが不適正状態を解消しようとしていると判定することができる。
【0074】
対象車両M2aが不適正状態を解消しようとしていると判定した場合、処理部17は、不適正状態が解消されるように対象車両M2aを案内する案内情報を表示部13に表示することができる。処理部17は、例えば対象車両M2aの適切な移動先等を案内情報として表示部13に表示することができる。適切な移動先としては、例えば空きスペースS2又は駐車可能スペースS3を案内情報として表示することができる。
【0075】
次に、上記のように構成された駐車場管理システム200の動作の一例を説明する。
図10から
図12は、第2実施形態に係る駐車場管理システム200の動作の一例を模式的に示す図である。無人飛行体30は、駐車場Pに駐車している車両M2のうち不適正状態で駐車している車両M2を探索する。無人飛行体30は、不適正状態の車両M2として、例えば違反状態の車両M2及びはみ出し状態の車両M2の少なくとも一方を探索する。無人飛行体30ごとに探索対象となる不適正状態の種類が予め設定されてもよい。この場合、第1実施形態と同様に、処理部37は、例えば予め記憶部38に記憶される駐車場Pのマップデータ等に基づいて、駐車場Pにおける飛行可能なルートを算出し、算出結果に基づいたルートで飛行するように飛行駆動部33を制御することができる。無人飛行体30が操縦者の操縦により飛行する構成である場合、操縦内容に応じて飛行駆動部33を制御することができる。無人飛行体30は、処理部37の制御により、駐車場P内を飛行しつつ不適正状態で駐車している車両M2を探索する。
【0076】
処理部37は、周辺情報取得部32で取得された情報に基づいて、駐車場Pにおけるそれぞれの車両M2について、適正状態か不適正状態かを判定する。処理部37は、周辺情報取得部32のカメラで撮影された映像に基づいて、車両M2が適正状態か不適正状態かを判定する。処理部37は、例えば
図9で示すように、車両M2の全体が駐車スペースSに格納された状態であることが検出された場合、当該車両M2を適正状態と判定する。また、処理部37は、車両M2の一部が駐車スペースSから出ている状態であることが検出された場合、当該車両M2を不適正状態(はみ出し状態)と判定する。また、処理部37は、車両M2の全体が駐車スペースSから出ている状態であることが検出された場合、当該車両M2を不適正状態(違反状態)と判定する。処理部37は、不適正状態であると判定した車両M2を対象車両M2aとして検出する。
【0077】
対象車両M2aを検出した場合、処理部37は、対象車両M2aに対して映像Q2を投影するように投影部34を制御する。なお、例えば不適正状態に対応した映像を予め記憶部38に記憶しておき、処理部37は、検出された不適正状態に対応した映像を記憶部38から抽出することができる。例えば、違反状態の対象車両M2aを検出した場合、処理部37は、
図10に示すように、対象車両M2aに対して、違反状態の検出時からの経過時間に応じて異なる態様で映像Q2を投影させる。この場合、処理部37は、経過時間が長くなるにつれて、所定の閾値を経過するごとに警告の度合いが強くなるように映像Q2を変化させることができる。例えば、処理部37は、経過時間が閾値(例えば、60分)よりも長くなった場合、経過時間を示す映像を追加で投影してもよい。また、はみ出し状態の対象車両M2aを検出した場合、処理部37は、
図11に示すように、対象車両M2aのうち駐車スペースSからはみ出した部分に映像Q2を投影させる。
【0078】
また、処理部37は、対象車両M2aを検出した場合、対象車両M2aのナビゲーション装置10に当該対象車両M2aが不適正状態である旨を通知する通知情報を送信させる。処理部37は、違反状態の対象車両M2aに対しては、当該対象車両M2aが違反状態であり、適切な駐車スペースSへ移動させるよう警告する内容の通知情報を送信させることができる。また、処理部37は、はみ出し状態の対象車両M2aに対しては、当該対象車両M2aがはみ出し状態であり、対象車両M2aの全体を駐車スペースSに格納させるように案内する内容の通知情報を送信させることができる。なお、処理部37は、例えば違反状態の対象車両M2aを検出してから一定時間が経過した場合、当該対象車両M2aの識別情報(車種、ナンバー等)を検出し、検出した識別情報と共に当該対象車両M2aが違反状態であることを駐車場Pの管理者等に送信してもよい。
【0079】
対象車両M2aのナビゲーション装置10において、通知情報を受信した場合、処理部17は、受信した通知情報を表示部13に表示する。また、処理部17は、対象車両M2aの不適正状態を解消するか否かを入力するよう指示する指示情報を表示部13に表示する。
【0080】
処理部17は、通知情報及び指示情報を表示部13に表示した後、対象車両M2aが不適正状態を解消しようとしているか否かを判定する。処理部17は、例えば対象車両M2aの不適正状態を解消する旨が入力部14から入力された場合に、対象車両M2aが不適正状態を解消しようとしていると判定することができる。
【0081】
対象車両M2aが不適正状態を解消しようとしていると判定した場合、処理部17は、対象車両M2aが不適正状態を解消しようとしている旨の情報を無人飛行体30に送信する。また、処理部17は、不適正状態が解消されるように対象車両M2aを案内する案内情報を表示部13に表示する。例えば、
図12に示すように、処理部17は、違反状態(ST21)の対象車両M2aに対しては、空いている駐車スペースSの情報I5を表示部13に表示することができる。この場合、空いている駐車スペースSの情報I5については、無人飛行体30が第1実施形態に記載の手順と同様の手順で取得し、ナビゲーション装置10に送信することができる。また、処理部17は、はみ出し状態(ST22)の対象車両M2aに対しては、駐車スペースSにおける適切な駐車位置を示す情報I6を表示部13に表示することができる。運転者は、表示部13に表示される情報I5、I6を見ることで、対象車両M2aを適切な移動先に容易に移動させることができる。
【0082】
無人飛行体30において、対象車両M2aが不適正状態を解消しようとしている旨の情報を受信した場合、処理部37は、対象車両M2aに対する映像Q2の投影を中止するよう投影部34を制御する。なお、処理部37は、対象車両M2aが不適正状態を解消しようとしている旨の情報を受信しない場合であっても、例えば周辺情報取得部32で取得される情報に基づいて、対象車両M2aが不適正状態を解消しようとしているか否かを判定してもよい。処理部37は、対象車両M2aが不適正状態を解消しようとしていると判定した場合、対象車両M2aに対する映像Q2の投影を中止するように投影部34を制御することができる。対象車両M2aに対する映像Q2の投影を中止させた後、当該車両M2(対象車両M2a)についての処理を終了し、他の車両M2について適正状態か不適正状態かの判定を行う。
【0083】
図13は、第2実施形態に係る駐車場管理システム200の動作の一例を示すフローチャートである。
図13に示すように、無人飛行体30において、処理部37は、駐車場Pに駐車している車両M2を検出した場合(ステップS201)、検出した車両M2ごとに、不適正状態か否かの判定を行う(ステップS202)。
【0084】
車両M2が不適正状態であると判定した場合(ステップS202のYes)、当該車両M2を対象車両M2aとして検出する(ステップS203)。この場合、処理部37は、対象車両M2aに対して映像を投影するように投影部34を制御する(ステップS204)。このとき、処理部37は、対象車両M2aの位置情報及び識別情報を取得してもよい。また、処理部37は、対象車両M2aのナビゲーション装置10に当該対象車両M2aが不適正状態である旨を通知する通知情報を送信させる(ステップS205)。
【0085】
対象車両M2aのナビゲーション装置10では、通知情報を受信する(ステップS206)。この場合、処理部17は、通知情報と、対象車両M2aを移動させるか否かを入力するよう指示する指示情報とを表示部13に表示する(ステップS207)。
【0086】
処理部17は、各情報を表示部13に表示した後、対象車両M2aが不適正状態を解消しようとしているか否かを判定する(ステップS208)。対象車両M2aが不適正状態を解消しようとしていないと判定した場合(ステップS208のNo)、ステップS208の処理を繰り返し行う。対象車両M2aが不適正状態を解消しようとしていると判定した場合(ステップS208のYes)、処理部17は、対象車両M2aが不適正状態を解消しようとしている旨の情報を無人飛行体30に送信する(ステップS209)。また、処理部17は、対象車両M2aを案内するための案内情報を表示部13に表示する(ステップS210)。
【0087】
無人飛行体30において、処理部37は、対象車両M2aが不適正状態を解消しようとしているか否かを判定する(ステップS211)。ステップS211において、処理部37は、例えばステップS209で送信された情報を受信した場合、対象車両M2aが不適正状態を解消していると判定することができる。また、ステップS211において、処理部37は、ステップS209で送信された情報を受信しない場合であっても、例えば周辺情報取得部32により取得される情報に基づいて、対象車両M2aが不適正状態を解消している旨を判定することができる。
【0088】
処理部37は、対象車両M2aが不適正状態を解消しようとしていないと判定した場合(ステップS211のNo)、不適正状態の検出時からの経過時間が閾値を超えたか否かを判定する(ステップS212)。不適正状態の検出時からの経過時間が閾値を超えないと判定した場合(ステップS212のNo)、処理部37は、ステップS211に戻って処理を行う。不適正状態の検出時からの経過時間が閾値を超えたと判定した場合(ステップS212のYes)、処理部37は、対象車両M2aに投影する映像Q2の態様を変更させ(ステップS213)、ステップS211に戻る。なお、経過時間が閾値を超えたか否かの判断(ステップS212)については、ナビゲーション装置10の処理部17で行ってもよい。
【0089】
処理部37は、対象車両M2aが不適正状態を解消しようとしていると判定した場合(ステップS211のYes)、対象車両M2aに対する映像Q2の投影を中止させる(ステップS214)。ステップS214の後、又はステップS202において車両M2が適正状態であると判定した場合(ステップS202のNo)、当該車両M2についての処理を終了し、他の車両M2についてステップS201以降の処理を行うようにする。
【0090】
以上のように、本実施形態に係る駐車場管理システム200は、駐車場Pを飛行可能であり、映像Q2を投影する投影部34を有する無人飛行体30を備え、無人飛行体30は、駐車場Pに駐車している車両M2のうち駐車スペースSに全体が納まった適正状態ではない不適正状態で駐車している車両M2を対象車両M2aとして検出し、検出した対象車両M2aに対して映像Q2を投影する。
【0091】
この構成によれば、飛行により駐車スペースSを跨って移動可能な無人飛行体30に設けられる投影部34を用いて、駐車場Pに存在する不適正状態の対象車両M2aに対して映像Q2が投影される。このため、駐車スペースSごとの投影設備の配置が不要となる。これにより、設備が大掛かりとなることを抑制しつつ、駐車場Pにおける不適切な駐車を効率的に低減することができる。
【0092】
本実施形態に係る駐車場管理システム200において、不適正状態は、駐車スペースSとは異なる場所に車両M2が駐車している違反状態を含み、無人飛行体30は、違反状態の対象車両M2aを検出した場合、対象車両M2aに対して検出時からの経過時間に応じて異なる態様で映像Q2を投影する。この構成によれば、対象車両M2aに対して検出時からの経過時間に応じて異なる態様で映像Q2を投影することで、対象車両M2aの運転者等に対して経過時間に応じた態様で警告を行うことができる。
【0093】
本実施形態に係る駐車場管理システム200において、不適正状態は、駐車スペースSから車両M2の一部がはみ出しているはみ出し状態を含み、無人飛行体30は、はみ出し状態の対象車両M2aを検出した場合、対象車両M2aのうち駐車スペースSからみ出した部分に映像Q2を投影する。この構成によれば、対象車両M2aのはみ出し部分に映像Q2を投影することで、対象車両M2aの運転者等に対してはみ出し状態であることを容易に把握させることができる。
【0094】
本実施形態に係る駐車場管理システム200において、車両M2に搭載されたナビゲーション装置10を更に備え、ナビゲーション装置10は、無人飛行体30との間で通信可能であり、無人飛行体30は、対象車両M2aを検出した場合、対象車両M2aのナビゲーション装置10に不適正状態であることを通知する通知情報を送信し、ナビゲーション装置10は、通知情報を受信した場合、通知情報を表示部13に表示する。この構成によれば、対象車両M2aのナビゲーション装置10に不適正状態である旨を通知し、ナビゲーション装置10が通知情報を表示部13に表示することで、対象車両M2aの運転者等に対して不適正状態であることを容易に把握させることができる。
【0095】
本実施形態に係る駐車場管理システム200において、ナビゲーション装置10は、通知情報を受信した場合、対象車両M2aが不適正状態を解消しようとしているか否かを判定し、対象車両M2aが不適正状態を解消しようとしていると判定した場合、不適正状態が解消されるように対象車両M2aを案内する案内情報を表示部13に表示する。この構成によれば、運転者は、表示部13に表示される案内情報を見ることで、対象車両M2aを適切な移動先に容易に移動させることができる。
【0096】
本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更を加えることができる。例えば、上記実施形態では、ナビゲーション装置10の制御部15と無人飛行体30の制御部35とにおける処理に基づいて各動作を行う構成を例に挙げて説明したが、この構成に限定されない。例えば、駐車場管理システム100、200に配備される不図示の管理装置や、駐車場Pの予約を行うためのサーバ等が一部の動作を行う構成であってもよい。
【符号の説明】
【0097】
I1…位置情報、I2…状況情報、I3…指示情報、I4…案内情報、I5,I6…情報、M,M1,M2…車両M2a…対象車両、P…駐車場、Q,Q1,Q2…映像、S…駐車スペース、S1…占有スペース、S2…空きスペース、S3…駐車可能スペース、10…ナビゲーション装置、11…撮影部、12,31…GNSS受信部、13…表示部、14…入力部、15,35…制御部、16,36…通信部、17,37…処理部、18,38…記憶部、30…無人飛行体、32…周辺情報取得部、33…飛行駆動部、34…投影部、100,200…駐車場管理システム