(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024009857
(43)【公開日】2024-01-23
(54)【発明の名称】修飾された第IX因子、並びに、細胞、器官及び組織への遺伝子導入のための組成物、方法及び使用
(51)【国際特許分類】
C12N 15/12 20060101AFI20240116BHJP
【FI】
C12N15/12 ZNA
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023171763
(22)【出願日】2023-10-03
(62)【分割の表示】P 2021012811の分割
【原出願日】2016-06-23
(31)【優先権主張番号】62/183,599
(32)【優先日】2015-06-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/315,453
(32)【優先日】2016-03-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/338,315
(32)【優先日】2016-05-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/348,781
(32)【優先日】2016-06-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/349,572
(32)【優先日】2016-06-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】301040958
【氏名又は名称】ザ・チルドレンズ・ホスピタル・オブ・フィラデルフィア
【氏名又は名称原語表記】THE CHILDREN’S HOSPITAL OF PHILADELPHIA
(74)【代理人】
【識別番号】100126572
【弁理士】
【氏名又は名称】村越 智史
(72)【発明者】
【氏名】ハイ,キャサリン エー.
(72)【発明者】
【氏名】アンゲラ,ザビエル
(57)【要約】 (修正有)
【課題】核酸配列、発現ベクター(例えば、ベクターゲノム)及びプラスミド、組成物、並びに、ウイルスベクターであって、その核酸が第IX因子(例えばヒト第IX因子)をコードするものを提供する。
【解決手段】ヒト第IX因子タンパクをコードする核酸配列であって、前記核酸は、ヒト第IX因子をコードする、野生型配列と比較して、減少した数のCpGジヌクレオチドを有する核酸配列である。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒト第IX因子タンパクをコードする核酸配列であって、
前記核酸は、ヒト第IX因子をコードする野生型配列と比較して減少した数のCpGジ
ヌクレオチドを有する核酸配列。
【請求項2】
ヒト第IX因子タンパクをコードする核酸配列を含む発現ベクター又はプラスミドであ
って、
前記核酸は、ヒト第IX因子をコードする天然の配列と比較して減少した数のCpGジ
ヌクレオチドを有し、及び/又は、ヒト第IX因子をコードする核酸配列に1つ以上のさ
らなる配列が、前記ベクター又は前記プラスミドの中に存在する場合に、前記さらなる配
列は、任意に、同等の天然の又は野生型の配列と比較して減少した数のCpGジヌクレオ
チドを有する、発現ベクター又はプラスミド。
【請求項3】
イントロン、発現制御因子、1つ以上のアデノ随伴ウイルス(AAV)逆方向末端反復
(ITR)、及び/又は、フィラーポリヌクレオチド配列をさらに含み、
任意に、前記イントロン、前記発現制御因子、前記アデノ随伴ウイルス(AAV)逆方
向末端反復(ITR)、及び/又は、前記フィラーポリヌクレオチド配列は、同等の天然
の又は野生型の発現制御因子、同等の天然の又は野生型のアデノ随伴ウイルス(AAV)
逆方向末端反復(ITR)、及び/又は、同等の天然の又は野生型のフィラーポリヌクレ
オチド配列と比較して減少した数のCpGジヌクレオチドを有する、請求項1に記載の、
ヒト第IX因子タンパクをコードする核酸配列、請求項2に記載の発現ベクター若しくは
プラスミド、又は、請求項3に記載の組成物。
【請求項4】
前記イントロンが、前記ヒト第IX因子タンパクをコードする配列内に存在するか、又
は、
前記発現制御因子が、前記ヒト第IX因子タンパクをコードする配列と作用可能に連結
されているか、又は、
前記AAVITRが、前記ヒト第IX因子タンパクをコードする配列の5’末端又は3
’末端に隣接しているか、又は、
前記フィラーポリヌクレオチド配列は、前記ヒト第IX因子タンパクをコードする配列
の5’末端又は3’末端に隣接している、
請求項4に記載の、ヒト第IX因子タンパクをコードする核酸配列。
【請求項5】
前記ヒトFIXタンパクをコードする配列、イントロン、発現制御因子、ITR、及び
/又は、フィラーポリヌクレオチド配列は、ヒト第IX因子をコードする天然配列より1
~5個少ない数のCpGジヌクレオチドを有する、
請求項1~5のいずれか1項に記載の、ヒトFIXタンパクをコードする核酸配列。
【請求項6】
前記ヒトFIXタンパクをコードする配列、イントロン、発現制御因子、ITR、及び
/又は、フィラーポリヌクレオチド配列は、ヒト第IX因子をコードする天然配列より5
~10個少ない数のCpGジヌクレオチドを有する、
請求項1~5のいずれか1項に記載の、ヒトFIXタンパクをコードする核酸配列。
【請求項7】
前記ヒトFIXタンパクをコードする配列、イントロン、発現制御因子、ITR、及び
/又は、フィラーポリヌクレオチド配列は、ヒト第IX因子をコードする天然配列より1
0~15個少ない数のCpGジヌクレオチドを有する、
請求項1~5のいずれか1項に記載の、ヒトFIXタンパクをコードする核酸配列。
【請求項8】
前記ヒトFIXタンパクをコードする配列、イントロン、発現制御因子、ITR、及び
/又は、フィラーポリヌクレオチド配列は、ヒト第IX因子をコードする天然配列より1
5~20個少ない数のCpGジヌクレオチドを有する、
請求項1~5のいずれか1項に記載の、ヒトFIXタンパクをコードする核酸配列。
【請求項9】
前記ヒトFIXタンパクをコードする配列、イントロン、発現制御因子、ITR、及び
/又は、フィラーポリヌクレオチド配列は、ヒト第IX因子をコードする天然配列より2
0~25個少ない数のCpGジヌクレオチドを有する、
請求項1~5のいずれか1項に記載の、ヒトFIXタンパクをコードする核酸配列。
【請求項10】
前記ヒトFIXタンパクをコードする配列、イントロン、発現制御因子、ITR、及び
/又は、フィラーポリヌクレオチド配列は、ヒト第IX因子をコードする天然配列より2
5~30個少ない数のCpGジヌクレオチドを有する、
請求項1~5のいずれか1項に記載の、ヒトFIXタンパクをコードする核酸配列。
【請求項11】
前記ヒトFIXタンパクをコードする配列、イントロン、発現制御因子、ITR、及び
/又は、フィラーポリヌクレオチド配列は、ヒト第IX因子をコードする天然配列より3
0~40個少ない数のCpGジヌクレオチドを有する、
請求項1~5のいずれか1項に記載の、ヒトFIXタンパクをコードする核酸配列。
【請求項12】
前記ヒトFIXタンパクをコードする配列、イントロン、発現制御因子、ITR、及び
/又は、フィラーポリヌクレオチド配列は、ヒト第IX因子をコードする天然配列より4
0~55個少ない数のCpGジヌクレオチドを有する、
請求項1~5のいずれか1項に記載の、ヒトFIXタンパクをコードする核酸配列。
【請求項13】
前記ヒトFIXタンパクをコードする配列、イントロン、発現制御因子、ITR、及び
/又は、フィラーポリヌクレオチド配列は、すべてのCpGジヌクレオチドを欠損してい
る、
請求項1~5のいずれか1項に記載の、ヒトFIXタンパクをコードする核酸配列。
【請求項14】
前記ヒトFIXタンパクをコードする配列は、配列番号:10に対して80%又はそれ
以上の同一性を有する配列を含み、凝固分析によって測定される機能する因子IXをコー
ドする、
請求項1~5のいずれか1項に記載の、ヒトFIXタンパクをコードする核酸配列。
【請求項15】
前記ヒトFIXタンパクをコードする配列は、配列番号:10に対して90%又はそれ
以上の同一性を有する配列を含み、凝固分析によって測定される機能する因子IXをコー
ドする、
請求項1~5のいずれか1項に記載の、ヒトFIXタンパクをコードする核酸配列。
【請求項16】
前記ヒトFIXタンパクをコードする配列は、配列番号:10に対して95%又はそれ
以上の同一性を有する配列を含み、凝固分析によって測定される機能する因子IXをコー
ドする、
請求項1~5のいずれか1項に記載の、ヒトFIXタンパクをコードする核酸配列。
【請求項17】
前記ヒトFIXタンパクをコードする配列は、配列番号:10、配列番号:25又は配
列番号:26を含む、
請求項1~5のいずれか1項に記載の、ヒトFIXタンパクをコードする核酸配列。
【請求項18】
前記ヒト第IX因子をコードする天然配列は、配列番号:11に記載されている配列を
含む、
請求項1~5のいずれか1項に記載の、ヒトFIXタンパクをコードする核酸配列。
【請求項19】
前記イントロン配列は、配列番号:17に記載されている配列を含む、
請求項1~5のいずれか1項に記載の、ヒトFIXタンパクをコードする核酸配列。
【請求項20】
前記発現制御因子は、配列番号:14に記載されている配列を含むエンハンサー配列を
含む、
請求項1~5のいずれか1項に記載の、ヒトFIXタンパクをコードする核酸配列。
【請求項21】
前記発現制御因子は、配列番号:15に記載されている配列を含むプロモーター配列を
含む、
請求項1~5のいずれか1項に記載の、ヒトFIXタンパクをコードする核酸配列。
【請求項22】
前記1つ以上のアデノ随伴ウイルス(AAV)逆方向末端反復(ITR)の配列は、配
列番号:13及び/又は配列番号:20に記載されている配列を含む、
請求項1~5のいずれか1項に記載の、ヒトFIXタンパクをコードする核酸配列。
【請求項23】
前記フィラーポリヌクレオチド配列は、配列番号:21に記載されている配列を含む、
請求項1~5のいずれか1項に記載の、ヒトFIXタンパクをコードする核酸配列。
【請求項24】
前記ヒトFIXタンパクをコードする配列は、免疫反応を誘導する能力を低下させる、
請求項1~5のいずれか1項に記載の、ヒトFIXタンパクをコードする核酸配列。
【請求項25】
前記ヒトFIXタンパクをコードする配列は、CpGジヌクレオチドの数が減少してい
ないヒト第IX因子をコードする天然配列よりも高いレベル又は該天然配列と同等のレベ
ルで発現される、
請求項1~5のいずれか1項に記載の、ヒトFIXタンパクをコードする核酸配列。
【請求項26】
前記発現制御因子は、恒常的な若しくは制御可能な制御因子、又は、組織特異的な発現
制御因子若しくはプロモーターを含む、
請求項1~5のいずれか1項に記載の、ヒトFIXタンパクをコードする核酸配列。
【請求項27】
前記発現制御因子は、肝臓において発現を与える因子を含む、
請求項1~5のいずれか1項に記載の、ヒトFIXタンパクをコードする核酸配列。
【請求項28】
前記発現制御因子は、ヒトα1-抗トリプシン(hAAT)プロモーター、アポリポタ
ンパクE(ApoE)HCR-1、及び/又は、HCR-2エンハンサーを含む、
請求項1~5のいずれか1項に記載の、ヒトFIXタンパクをコードする核酸配列。
【請求項29】
前記ヒト第IX因子をコードする核酸配列の3’に配置されたポリアデニル化配列をさ
らに含む、
請求項1~5のいずれか1項に記載の、ヒトFIXタンパクをコードする核酸配列。
【請求項30】
前記ヒト第IX因子をコードする核酸配列の3’に配置された前記ポリアデニル化配列
は、bGHポリアデニル化配列を含む、
請求項29に記載の、ヒト第IX因子タンパクをコードする核酸配列。
【請求項31】
前記ヒト第IX因子をコードする核酸配列の3’に配置された前記ポリアデニル化配列
は、すべてのCpGジヌクレオチドが除去されたポリアデニル化配列を含む、
請求項29に記載の、ヒト第IX因子タンパクをコードする核酸配列。
【請求項32】
前記ポリアデニル化配列は、配列番号:19に記載されている配列を含む、
請求項31に記載の、ヒトFIXタンパクをコードする核酸配列。
【請求項33】
前記フィラーポリヌクレオチド配列は、前記ヒトFIXタンパクをコードする配列の3
’に配置されている、
請求項4又は請求項5に記載の、ヒトFIXタンパクをコードする核酸配列。
【請求項34】
前記AAVは、前記ヒトFIXタンパクをコードする配列の3’末端に隣接する、
請求項4又は請求項5に記載の、ヒトFIXタンパクをコードする核酸配列。
【請求項35】
前記フィラーポリヌクレオチド配列は、前記ヒトFIXタンパクをコードする配列の3
’末端に隣接するAAV ITRの3’に配置されている、
請求項34に記載の、ヒトFIXタンパクをコードする核酸配列。
【請求項36】
前記フィラーポリヌクレオチド配列は、ラムダファージ配列を含む、
請求項4又は請求項5に記載の、ヒトFIXタンパクをコードする核酸配列。
【請求項37】
請求項1~請求項36のいずれかに記載の、ヒトFIXタンパクをコードする核酸配列
を含む、ヒトFIXタンパクをコードするプラスミド配列であって、
1つ以上の複製開始点及び/又は抗生物質に対する耐性をコードする核酸をさらに含む
、プラスミド配列。
【請求項38】
配列番号:12又は配列番号:26を含むヒトFIXタンパクをコードするプラスミド
配列。
【請求項39】
ヒトFIXタンパク又は発現ベクターをコードする配列を含むウイルスベクターであっ
て、
請求項1~5のいずれか1項に記載の、ヒトFIXタンパクをコードする核酸配列を含
む、
ウイルスベクター。
【請求項40】
前記ウイルスベクターが、レンチウイルスベクター又はアデノウイルスベクターである
、請求項39に記載のウイルスベクター。
【請求項41】
前記ウイルスベクターが、アデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターである、請求項39
に記載のウイルスベクター。
【請求項42】
以下のいずれか:
AAV1、AAV2、AAV3、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7、AAV8、
AAV9、AAV10、AAV11、Rh10、Rh74又はAAV-2i8のAAV血
清型のITR配列を含む請求項41に記載のAAVベクター。
【請求項43】
前記ベクターのキャプシド配列は、AAV1、AAV2、AAV3、AAV4、AAV
5、AAV6、AAV7、AAV8、AAV9、AAV10、AAV11、Rh10、R
h74、又は、AAV-2i8のVP1配列、VP2配列又はVP3に対して90%以上
の同一性を有するVP1キャプシド配列、VP2キャプシド配列及び/又はVP3キャプ
シド配列を含む、
請求項41に記載のAAVベクター。
【請求項44】
前記ベクターのキャプシド配列は、AAV1、AAV2、AAV3、AAV4、AAV
5、AAV6、AAV7、AAV8、AAV9、AAV10、AAV11、Rh10、R
h74、又は、AAV-2i8のAAV血清型から選択されるVP1キャプシド配列、V
P2キャプシド配列又はVP3キャプシド配列を含む、請求項41に記載のAAVベクタ
ー。
【請求項45】
前記ベクターのキャプシド配列は、配列番号:1に対して90%以上の配列同一性を有
し、若しくは、当該配列において1~50個のアミノ酸が置換、欠損若しくは付加された
VP1配列;
配列番号:2に対して90%以上の配列同一性を有し、若しくは、当該配列において1
~50個のアミノ酸が置換、欠損若しくは付加されたVP2配列;及び/又は、
配列番号:3に対して90%以上の配列同一性を有し、若しくは、当該配列において1
~50個のアミノ酸が置換、欠損若しくは付加されたVP3配列を含む、
請求項41に記載のAAVベクター。
【請求項46】
配列ベクターの前記キャプシドは、配列番号:1に記載されているVP1キャプシド配
列のアミノ酸位置195、199、201又は202のいずれか1つにおいてアミノ酸置
換を有し、又は、
配列番号:1に記載されているVP1キャプシド配列のリジンがアルギニンに置換され
たアミノ酸置換を有する、請求項41に記載のAAVベクター。
【請求項47】
前記ベクターのキャプシド配列は、配列番号:1に記載されているVP1キャプシド配
列のアミノ酸位置195、199、201又は202のいずれか1つにおいてA、V、P
又はNアミノ酸のいずれかの残基を有する、請求項41に記載のAAVベクター。
【請求項48】
前記ベクターのキャプシド配列は、配列番号:1に記載されているVP1キャプシド配
列のアミノ酸位置195のA残基、アミノ酸位置199のV残基、アミノ酸位置201の
P残基、又は、アミノ酸位置202のN残基を有する、
請求項41に記載のAAVベクター。
【請求項49】
前記ベクターのキャプシド配列は、配列番号:4として記載されたVP1キャプシド配
列のアミノ酸位置195のA残基、アミノ酸位置199のV残基、アミノ酸位置201の
P残基、又は、アミノ酸位置202のN残基のいずれか2つ、3つ又は4つを有する、
請求項41に記載のAAVベクター。
【請求項50】
前記ベクターのキャプシド配列は、配列番号:4-9のいずれかに対して90%以上の
同一性を有するVP1キャプシド配列を含む、
請求項41に記載のAAVベクター。
【請求項51】
前記ベクターのキャプシド配列は、配列番号:4-9のいずれか含むVP1キャプシド
配列を含む、
請求項41に記載のAAVベクター。
【請求項52】
請求項1~38のいずれか一項に記載のヒトFIXタンパクをコードする核酸配列、及
び/又は、請求項39~51のいずれか一項に記載のウイルスベクターを含む医薬組成物
。
【請求項53】
空キャプシドAAVをさらに含む、請求項52に記載の医薬組成物。
【請求項54】
前記空キャプシドが、AAV1、AAV2、AAV3、AAV4、AAV5、AAV6
、AAV7、AAV8、AAV9、AAV10及びAAV11の血清型AAVから選択さ
れる、
請求項53に記載の医薬組成物。
【請求項55】
配列番号:11又は配列番号:25を含む発現ベクター。
【請求項56】
配列番号:14に記載されている配列を含むエンハンサー配列をさらに含む、
請求項55に記載の発現ベクター。
【請求項57】
配列番号:15に記載されている配列を含むプロモーター配列をさらに含む、
請求項55に記載の発現ベクター。
【請求項58】
配列番号:12又は配列番号:26に記載されている上流の及び/又は下流のAAV2
ITRをさらに含み、
前記上流のITRが、前記エンハンサーの5’に配置されており、及び/又は、前記下
流のAAV2 ITRが、配列番号12又は26に記載されているhFIXエクソン2
~8の3’に配置されている、
請求項55に記載の発現ベクター。
【請求項59】
配列番号:12又は26に記載されているhFIXエクソン2~8の3’に配置され、
かつ、前記下流のAAV2 ITRの5’に配置されたpolyA配列をさらに含む、
請求項55に記載の発現ベクター。
【請求項60】
請求項55~59のいずれか1項に記載の発現ベクターを含むAAVベクター。
【請求項61】
前記キャプシド配列は、配列番号:4-9のいずれかを含むVP1キャプシド配列を含
む、
請求項60に記載のAAVベクター。
【請求項62】
細胞中に核酸配列を届け又は移す方法であって、
前記細胞の遺伝子導入を可能にする条件下で、請求項1~61のいずれかに記載の核酸
配列、発現ベクター又はウイルスベクターを哺乳動物細胞と接触させ、それによって前記
哺乳動物細胞中に核酸配列を届け又は移すステップを含む、方法。
【請求項63】
哺乳動物又は哺乳動物の細胞の中に核酸配列を届け又は移す方法であって、
請求項1~61のいずれかに記載の核酸配列、発現ベクター、又は、ウイルスベクター
を哺乳動物又は哺乳動物の細胞に投与し、それによって前記哺乳動物又は前記哺乳動物の
細胞の中に前記核酸配列を届け又は移すステップを含む、方法。
【請求項64】
第IX因子タンパクの必要がある哺乳動物を治療する方法であって、
(a)核酸配列、発現ベクター又はウイルスベクターを提供するステップと、
(b)請求項1~61のいずれかに記載の核酸配列、発現ベクター又はウイルスベクター
の所定量を前記哺乳動物に投与するステップを含み、
前記第IX因子が前記哺乳動物中で発現される、方法。
【請求項65】
前記哺乳動物の細胞、組織又は器官において前記第XI因子タンパクが発現される、
請求項62~64のいずれかに記載の方法。
【請求項66】
前記細胞が分泌細胞を含む、請求項65に記載の方法。
【請求項67】
前記細胞が内分泌細胞を含む、請求項65に記載の方法。
【請求項68】
前記細胞が、肝細胞、神経系細胞、膠細胞、網膜細胞、上皮細胞、肺細胞、又は、分化
全能性の、複数分化性の若しくは多能性の幹細胞を含む、
請求項65に記載の方法。
【請求項69】
前記哺乳動物の組織又は器官が、肝臓、脳、中枢神経系、脊髄、目、網膜又は肺を含む
、請求項65に記載の方法。
【請求項70】
前記哺乳動物が、不充分な量の第IX因子タンパク、又は、不完全な若しくは異常な第
IX因子タンパクを生産する、
請求項62~69のいずれかに記載の方法。
【請求項71】
前記哺乳動物が血友病Bを有する、請求項62~69のいずれかに記載の方法。
【請求項72】
前記核酸配列、発現ベクター又はウイルスベクターは、
静脈内、動脈内、筋肉内、皮下、経口、挿管によって、カテーテルによって、皮膚、頭
蓋内、吸入によって、腔内、又は、粘膜の経路で哺乳動物に届けられる、
請求項62~69のいずれかに記載の方法。
【請求項73】
前記哺乳動物がヒトである、請求項62~69のいずれかに記載の方法。
【請求項74】
前記哺乳動物は、AAV1、AAV2、AAV3、AAV4、AAV5、AAV6、A
AV7、AAV8、AAV9、AAV10、AAV11又はAAV-Rh74の血清型に
対して血清反応ポジティブ又は血清反応ネガティブである、
請求項62~69のいずれかに記載の方法。
【請求項75】
空キャプシドAAVを投与するステップをさらに含む、
請求項62~69のいずれかに記載の方法。
【請求項76】
AAV1、AAV2、AAV3、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7、AAV8
、AAV9、AAV10、AAV11及び/又はAAV-Rh74の血清型の空キャプシ
ドを投与するステップをさらに含む、
請求項62~69のいずれかに記載の方法。
【請求項77】
投与されたAAVベクターと同じ血清型の空キャプシドAAVを投与するステップをさ
らに含む、請求項62~69のいずれかに記載の方法。
【請求項78】
前記第IX因子タンパクが、前記哺乳動物に対して治療効果を有するレベルで前記哺乳
動物において発現される、請求項62~69のいずれかに記載の方法。
【請求項79】
前記の第IX因子タンパクは、哺乳動物において、少なくとも、1日、2日、3日、4日
、5日、6日、7日、8日、9日、10日、11日、12日、13日若しくは14日、数
週間、又は、数ヶ月間に亘って治療効果を有するレベルで発現される、
請求項62~69のいずれか1項に記載の方法。
【請求項80】
前記第IX因子タンパクは、哺乳動物において、少なくとも、1日、2日、3日、4日
、5日、6日、7日、8日、9日、10日、11日、12日、13日若しくは14日の連
続した日、数週間、又は、数か月に亘って、約20%のFIX活性又は20%を超える活
性のレベルで存在する、
請求項62~69のいずれか1項に記載の方法。
【請求項81】
前記ウイルスベクターは、哺乳動物1キログラム当たり、概ね、1×1010~1×10
11、1×1011~1×1012、1×1012~1×1013、又は、1×1013~1×1014
のベクターゲノム(vg/kg)の範囲内の用量で投与される、
請求項62~69のいずれかに記載の方法。
【請求項82】
前記ウイルスベクターは、哺乳動物1キログラム(vg/kg)当たり1×1012ベク
ターゲノム未満の用量で投与され、その哺乳動物において、少なくとも、1日、2日、3
日、4日、5日、6日、7日、8日、9日、10日、11日、12日、13日若しくは1
4日の連続した日、数週間又は数ヶ月間に亘って、約20%の活性又は20%を超える活
性のレベルで第IX因子タンパクが生産される、
請求項62~69のいずれかに記載の方法。
【請求項83】
前記ウイルスベクターは、哺乳動物1キログラム(vg/kg)当たり約5×1011ベ
クターゲノムの用量で投与され、その哺乳動物において、少なくとも、1日、2日、3日
、4日、5日、6日、7日、8日、9日、10日、11日、12日、13日若しくは14
日、数週間又は数ヶ月間に亘って、約20%の活性又は20%を超える活性のレベル第I
X因子タンパクが生産される、
請求項62~69のいずれか1項に記載の方法。
【請求項84】
前記哺乳動物に投与される核酸配列、発現ベクター又はウイルスベクターは、第IX因
子タンパク及び/又はウイルスベクターに対する本質的な免疫反応を生じない、
請求項62~69のいずれか1項に記載の方法。
【請求項85】
第IX因子タンパク及び/又は前記ウイルスベクターに対する本質的な免疫反応は、少
なくとも、1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日、8日、9日、10日、11日、
12日、13日若しくは14日の連続した日、数週間又は数ヶ月間に亘って生じない、
請求項62~69のいずれか1項に記載の方法。
【請求項86】
前記哺乳動物は、第IX因子タンパクに対する本質的な免疫反応を生じない、
請求項62~69のいずれか1項に記載の方法。
【請求項87】
前記哺乳動物は、第IX因子タンパク治療効果を低減又はブロックするのに充分な、第
IX因子タンパクに対する免疫反応を発達させない、
請求項62~69のいずれか1項に記載の方法。
【請求項88】
前記哺乳動物は、少なくとも、1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日、8日、9
日、10日、11日、12日、13日若しくは14日、数週間又は数ヶ月間に亘って、第
IX因子タンパク治療効果を低減又はブロックするのに充分な第IX因子タンパクに対す
る本質的な免疫反応を生じない、
請求項62~69のいずれか1項に記載の方法。
【請求項89】
前記の哺乳動物は、少なくとも1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日、8日、9
日、10日、11日、12日、13若しくは14日の連続した日、数週間又は数ヶ月に亘
って、第IX因子タンパク治療効果を低減又はブロックするのに充分な第IX因子タンパ
クに対する免疫反応を発達させない、
請求項62~69のいずれか1項に記載の方法。
【請求項90】
前記哺乳動物は、第IX因子タンパク治療効果を低減又はブロックするのに充分なAA
Vベクターに対する免疫反応を発達させない、
請求項62~69のいずれか1項に記載の方法。
【請求項91】
前記哺乳動物は、少なくとも、1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日、8日、9
日、10日、11日、12日、13日若しくは14日の連続した日、数週間、又は、数ヶ
月間に亘って、第IX因子タンパク治療効果を低減又はブロックするのに充分なAAVベ
クターに対する免疫反応を発達させない、
請求項62~69のいずれか1項に記載の方法。
【請求項92】
前記第IX因子タンパクは、前記哺乳動物において、免疫抑制剤(例えば、ステロイド
)を投与することなく、前記哺乳動物に治療効果を有する量又は活性レベルで発現される
、請求項62~69のいずれか1項に記載の方法。
【請求項93】
前記第IX因子タンパクは、前記哺乳動物において、少なくとも、1日、2日、3日、
4日、5日、6日、7日、8日、9日、10日、11日、12日、13若しくは14日、
数週間又は数ヶ月に亘って、免疫抑制剤(例えば、ステロイド)を投与することなく、治
療効果を有する量で又は活性レベルで発現される、
請求項62~69のいずれか1項に記載の方法。
【請求項94】
前記哺乳動物は、少なくとも、1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日、8日、9
日、10日、11日、12日、13日若しくは14日の連続した日、数週間又は数ヶ月間
に亘って、肝臓のALT酵素、AST酵素及び/又はLDH酵素の異常に高い値を生じな
い、
請求項62~69のいずれか1項に記載の方法。
【請求項95】
前記哺乳動物は、少なくとも、1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日、8日、9
日、10日、11日、12日、13日若しくは14日の連続した日、数週間又は数ヶ月間
に亘って、免疫抑制剤(例えば、ステロイド)を使用することを必要とする肝臓のALT
酵素、AST酵素及び/又はLDH酵素の異常に高い値を生じない、
請求項62~69のいずれか1項に記載の方法。
【請求項96】
前記第IX因子タンパクは、少なくとも、1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日
、8日、9日、10日、11日、12日、13日若しくは14日、数週間又は数ヶ月間に
亘って、自然に生じる間接出血又は脳出血の期間、重症度又は頻度を低減するために必要
とされるFIXの血中濃度より高いレベルで哺乳動物において発現される、
請求項62~69のいずれか1項に記載の方法。
【請求項97】
前記第IX因子タンパクは、少なくとも、1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日
、8日、9日、10日、11日、12日、13日若しくは14日、数週間又は数ヶ月間に
亘って、AAVベクター投与後に組み換えFIXタンパクを必要とすることがない又は投
与されることないレベルで哺乳動物において発現される、
請求項62~69のいずれか1項に記載の方法。
【請求項98】
血友病Bを治療するための組み換えAAVベクターであって、
前記組み換えAAVベクターは、キャプシド及びゲノムを含み、
前記キャプシドは配列番号:4のアミノ酸配列を有するVP1タンパクを含み、
前記ゲノムは単鎖であり、5’から3’の順序で、
(a)第1のAAV2 ITR
(b)ApoE HCR-1エンハンサー
(c)AATプロモーター
(d)ヒト第IX因子Paduaをコードするコドン最適化された核酸であって、前記核
酸は、少なくとも1つのCpGジヌクレオチドを欠損しているか、そうでなければ存在し
ているもの
(e)ポリアデニル化配列
(f)第2のAAV2 ITR
の因子を含む、組み換えAAVベクター。
【請求項99】
請求項98に記載のrAAVベクターであって、
(a)第1のAAV2 ITRの核酸配列は、配列番号:12のヌクレオチド1~141
からなり、
(b)ApoE HCR-1エンハンサーの核酸配列は、配列番号:12のヌクレオチド
152~472からなり、
(c)ATTプロモーターの核酸配列は、配列番号:12のヌクレオチド482~878
からなり、
(d)ヒト第IX因子Padua変異体をコードする前記核酸の核酸配列は、配列番号:
12のヌクレオチド908~3731からなり、
(e)前記のポリアデニル化配列の核酸配列は、配列番号:12のヌクレオチド3820
~4047からなり、
(f)前記第2のAAV2 ITRの核酸配列は、配列番号:12のヌクレオチド409
7~4204からなる。
【請求項100】
前記ゲノムが、配列番号:12のヌクレオチド1~4204に対応する核酸配列を含む
、請求項99に記載のrAAVベクター。
【請求項101】
請求項98又は99のいずれか1項に記載の治療的有効量のrAAVベクターを前記被
検体に投与するステップを含む、血友病Bを有するヒト被検体を治療する方法。
【請求項102】
前記の被検体が重度の血友病Bを有し、前記治療が血友病Bの症状を重度から中程度又
は軽度に緩和するのに有効である、請求項101に記載の方法。
【請求項103】
前記治療は、少なくとも、正常なFIX活性の1%、2%、3%、4%、5%、6%、
7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%
、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%
、28%、29%、30%、31%、32%、33%、34%、35%、36%、37%
、38%、39%、40%、41%、42%、43%、44%、45%、46%、47%
、48%、49%又は50%である血漿FIX活性のレベルを達成するのに有効である、
請求項101に記載の方法。
【請求項104】
前記治療は、少なくとも、3か月、4か月、5か月、6か月、7か月、8か月、9か月
、10か月、11か月、12か月、13か月、14か月、15か月、16か月、17か月
、1.5年、2年、2.5年、3年、3.5年、4年、4.5年又は5年の持続時間に亘
って、血漿FIX活性の前記レベルを達成するのに有効である、請求項103に記載の方
法。
【請求項105】
前記治療は、少なくとも、6か月、1年、2年、3年、4年又は5年の持続時間に亘っ
て少なくとも1%の血漿FIX活性を達成するのに有効である、請求項104に記載の方
法。
【請求項106】
前記治療は、少なくとも、6か月、1年、2年、3年、4年又は5年の持続時間に亘っ
て少なくとも5%の血漿FIX活性を達成するのに有効である、請求項104に記載の方
法。
【請求項107】
前記治療は、少なくとも、6か月、1年、2年、3年、4年又は5年の持続時間に亘っ
て少なくとも10%の血漿FIX活性を達成するのに有効である、請求項104に記載の
方法。
【請求項108】
前記治療は、少なくとも、6か月、1年、2年、3年、4年又は5年の持続時間に亘っ
て少なくとも20%の血漿FIX活性を達成するのに有効である、請求項104に記載の
方法。
【請求項109】
前記治療は、少なくとも、6か月、1年、2年、3年、4年又は5年の持続時間に亘っ
て少なくとも30%の血漿FIX活性を達成するのに有効である、請求項104に記載の
方法。
【請求項110】
前記の治療は、少なくとも、6か月、1年、2年、3年、4年又は5年の持続時間に亘
って少なくとも40%の血漿FIX活性を達成するのに有効である、請求項104に記載
の方法。
【請求項111】
前記治療は、少なくとも、6か月の持続時間に亘って少なくとも20%の血漿FIX活
性を達成するのに有効である、請求項104に記載の方法。
【請求項112】
前記AAVベクターの治療的有効量が、約5.0×1011vg/kgである請求項11
1に記載の方法。
【請求項113】
前記治療は、重度の血友病Bを有する平均的ヒト被検体が、適切な止血を維持するため
のFIXタンパク置換療法を必要とする頻度を、概ね、5%、10%、15%、20%、
25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、
75%、80%、85%、90%、95%又は100%低減するのに有効である、請求項
101に記載の方法。
【請求項114】
前記治療は、重度の血友病Bを有する治療されていない平均的ヒト被検体と比較して、
重度の血友病Bを有するヒト被検体の関節中への自然出血の頻度を、概ね、5%、10%
、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%
、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%又は100%低減するのに
有効である、請求項101に記載の方法。
【請求項115】
前記AAVベクターは、投与の少なくとも4週間後に測定した場合、キャプシドに対し
て、1:2、1:3、1:4、1:5、1:6、1:7、1:8、1:9、1:10、1
:11、1:12、1:13、1:14、1:15又は1:20以下の抗体価をもたらす
、請求項103に記載の方法。
【請求項116】
前記AAVベクターは、ELISPOT分析を使用して測定したときに、投与の少なく
とも4週以降に測定した場合、キャプシドに対するT細胞免疫反応が、100万PBMC
当たり、10、20、30、40、50、100、200、300、400又は500以
下のスポット・フォーミング・ユニットをもたらす、請求項103に記載の方法。
【請求項117】
前記AAVベクターは、肝臓酵素の上限の正常(ULN)値の0%、10%、20%、
30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、200%、30
0%、400%又は500%以下の上昇した肝臓酵素レベルをもたらす、請求項103に
記載の方法。
【請求項118】
前記酵素は、アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)、アスパラギン酸アミノト
ランスフェラーゼ(AST)又は乳酸脱水素酵素(LDH)である、請求項117に記載
の方法。
【請求項119】
前記治療は、ベクターを投与した後少なくとも8週間以降に測定した場合、15、14
、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2又は1未満の標準偏差で、
少なくとも、正常値の1%、5%、10%、20%、30%又は40%である平均血漿F
IX活性を達成するのに有効である、請求項101に記載の方法。
【請求項120】
前記のAAVベクターが、空キャプシドを含む医薬組成物の中に投与され、
前記空キャプシドが、配列番号:4のアミノ酸配列を有するVP1タンパクを含む、
請求項101-119のいずれか1項に記載の方法。
【請求項121】
前記AAVベクターに対する前記空キャプシドの比率は、概ね、2:1、3:1、4:
1、5:1、6:1、7:1、8:1、9:1又は10:1である、請求項120に記載
の方法。
【請求項122】
配列番号:12の1~4204から得た核酸配列と同一の隣接する核酸配列を含むホス
ト細胞。
【請求項123】
AAV Repタンパク、AAVキャプシドタンパク、及び、アデノウイルス・ヘルパ
ー・タンパクをさらに含む、請求項122に記載のホスト細胞。
【請求項124】
前記AAVキャプシドタンパクが、配列番号:4を含む又は当該配列番号に対して90
%以上の同一性を有する配列を含む、請求項123に記載の宿主細胞。
【請求項125】
前記ホスト細胞がFIXPaduaタンパクを発現する、請求項123に記載のホスト
細胞。
【請求項126】
配列番号:12の1~4204の核酸配列を含むAAVベクターを生産する方法であっ
て、
配列番号:12の1~4204に由来する核酸配列をAAV粒子中に詰め込むことを可
能にする条件下で請求項123に記載のホスト細胞をインキュベートし、それによってA
AVベクターを生産するステップを含む、方法。
【請求項127】
そのように生産されたAAVベクターを、精製又は分離するステップをさらに含む、請
求項126に記載の方法。
【請求項128】
請求項126に記載の方法によって生産されたAAVベクター。
【請求項129】
請求項127に記載の方法によって生産、分離又は精製されたAAVベクター。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
この特許出願は、2015年6月23日に提出された米国特許出願第62/183,5
99号、2016年3月30日に提出された米国特許出願第62/315,453号、2
016年5月18日に提出された米国特許出願第62/338,315号、2016年6
月10日に提出された米国特許出願第62/348,781号、及び、2016年6月1
3日に提出された米国特許出願第62/349,572号の利益を主張する。これらの全
出願の全体が参照よりに明示的に本明細書に組み込まれる。
イントロダクション
【0002】
望ましい遺伝子欠損若しくは欠乏(機能の損失)、又は、望ましくない遺伝子若しくは
欠陥遺伝子の発現(機能の獲得)によって生じる遺伝障害は、様々な疾病に至る。機能喪
失の遺伝疾患の一例は、凝固VIII因子(FVIII、血友病A)又は第IX因子(F
IX、血友病B)のいずれかの欠失によって生じる遺伝性出血性疾患である血友病である
。機能獲得の遺伝疾患の一例は、特に基底核及び大脳皮質の中に蓄積し、ニューロンの徐
々の破壊に結びつく変異タンパクをコードする病的「HTT」遺伝子(ハンチンチンタン
パクをコードする)によって引き起こされる疾病であるハンチントン病である。
【0003】
血友病の現行の治療は、出血が生じた場合に必要に応じて又は予防的に、組み換え凝固
因子を静脈内に投与することにある。しかしながら、この治療のアプローチは、繰り返さ
れる注入の必要、治療のコスト、抗治療因子免疫反応を発達させるリスク、及び、潜在的
に致命的な出血のリスク等のいくつかの欠点を有する。これらの限界は、血友病のための
遺伝子をベースとした治療の開発を促した。この目的のために、血友病は、1)治療濃度
域が非常に広く、正常の1%を超えるレベルは既に重篤から中程度に表現型を変化させる
ことができ、100%のレベルはいかなる副作用を伴わず、2)治療導入遺伝子の組織特
異的発現は厳密に必要ではなく、3)治療効力の終了点の測定に多くの経験があるので、
遺伝子導入をベースとした治療に理想的である。
【0004】
現在、アデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターは、インビボでの遺伝子送達のための最
良の安全性及び効能プロフィールを有するので、遺伝子導入ベクターとして最適なものと
認識されている。今までに単離されたAAV血清型のうち、AAV2とAAV8は、重度
の血友病Bに罹患したヒトの肝臓をターゲットとするために使用されてきた。
【要約】
【0005】
本発明は、核酸配列、発現ベクター(例えば、ベクターゲノム)及びプラスミド、組成
物、並びに、ウイルスベクターであって、その核酸が第IX因子(例えばヒト第IX因子
)をコードするものを提供する。第IX因子をコードする核酸は、FIXをコードする配
列と比較して、CpG(シトシン・グアニン)ジヌクレオチドの数が減るように修飾され
ている。特別な実施形態において、第IX因子をコードする修飾された核酸は、ヒト第I
X因子をコードする野生型又は天然の配列と比較して、減少した数のCpGジヌクレオチ
ドを有する。
【0006】
CpG(シトシン・グアニン)ジヌクレオチドの数を減らすように修飾されたFIXの
ような第IX因子をコードする修飾された核酸は、ウイルスベクター等のベクターに含ま
れていてもよい。代表的なウイルスベクターは、例えば、他の細胞種の中でも、肝臓の肝
細胞をターゲットとするレンチウイルスベクター及びパーボウイルスベクター(例えば、
アデノウイルスベクター又はアデノ随伴ウイルス(AAV)ベクター)を含む。核酸配列
送達のためのベクターとして、AAVベクターは、細胞中でポリヌクレオチドを発現させ
る。第IX因子をコードする修飾された核酸等のような、タンパクをコードするポリヌク
レオチドは、投与した後に、任意に治療レベルで発現されることができる。
【0007】
従って、第IX因子をコードする修飾された核酸を含むベクターゲノムを含む(キャプ
シドで包膜、包んでいる)組み換えAAVベクターが提供される。特定の実施形態におい
て、組み換えAAV粒子は、ベクターゲノムをキャプシドで包膜しているか又は包んでい
る。そのような発明の組み換えAAV粒子は、異種起源のポリヌクレオチド配列(例えば
、CpG(シトシン・グアニン)ジヌクレオチドの数を減らすように修飾されたFIX等
のような第IX因子をコードする修飾された核酸)を含むウイルスベクターゲノムを含む
。ある実施形態において、CpG(シトシン・グアニン)ジヌクレオチドの数を減らすよ
うに修飾されたFIX等のような、第IX因子をコードする修飾された核酸を含むベクタ
ーゲノムは、AAVキャプシド又はAAVキャプシド変異体によってキャプシドで包膜さ
れているか又は包まれている。
【0008】
本発明の組み換えAAVベクターにおいて、異種起源ポリヌクレオチド配列は、転写さ
れ、続いて、タンパクに翻訳されることができる。様々な態様において、異種起源ポリヌ
クレオチド配列は、治療用タンパクをコードする。特別な態様において、タンパクは、血
液凝固因子(例えば、第IX因子、第XIII因子、X因子、第VIII因子、第VII
a因子、又は、プロテインC)である。さらなる特別な態様において、ベクターは第IX
因子をコードする修飾された核酸(例えばCpG(シトシン・グアニン)ジヌクレオチド
の数を減らすように修飾されたFIXのような第IX因子をコードする修飾された核酸)
を含む。
【0009】
AAV及びキャプシド変異体等のAAVの変異体は、望ましい又は治療上の利益を提供
するポリヌクレオチド及び/又はタンパクを届けることができ、それによって、様々な疾
病を治療する。例えば、AAV1、AAV2、AAV3、AAV4、AAV5、AAV6
、AAV7、AAV8、AAV9、AAV10、AAV11、Rh10、Rh74若しく
はAAV-2i8、及び、これらの変異体、並びに、AAVキャプシド変異体(例えば、
4-1)は、血友病A、B等を治療するための治療遺伝子(例えば、第IX因子)を、細
胞、組織及び器官に届けるために有用なベクターである。
【0010】
ベクターゲノム(ウイルス又はAAV)を含む(キャプシドで包膜する、包む)本発明
の組み換えウイルス及びAAVベクターは、シス又はトランスで機能するさらなる因子を
含む。特定の実施形態において、ベクターゲノムを含む(キャプシドで包膜する、包む)
組み換えのウイルスの(例えばAAV)ベクターは、さらに;(例えば、CpG(シトシ
ン・グアニン)ジヌクレオチドの数を減らすように修飾されたFIX等の第IX因子をコ
ードする修飾された核酸)異種起源ポリヌクレオチド配列の5’末端又は3’末端に隣接
する1つ以上の逆方向末端反復(ITR)配列;構造的因子又は制御可能な制御因子等の
ような、異種起源ポリヌクレオチド配列(例えば、CpG(シトシン・グアニン)ジヌク
レオチドの数を減らすように修飾されたFIXのような第IX因子をコードする修飾され
た核酸)を転写させる発現制御因子(例えば、プロモーター又はエンハンサー)、又は、
組織特異的発現制御因子;イントロン配列、スタッファー又はフィラーポリヌクレオチド
配列;及び/又は、異種起源ポリヌクレオチド配列の3’に位置するポリアデニル化配列
を有する。
【0011】
従って、ベクターは、さらに、イントロン、発現制御因子(例えば、構造的因子若しく
は制御可能な制御因子、又は、組織特異的発現制御因子若しくはプロモーター(例えば、
ヒトα1-抗トリプシン(hAAT)プロモーター、及び/又は、アポリポタンパクE(
ApoE)HCR-1、及び/又は、HCR-2エンハンサー等の肝臓発現のためのもの
))、1つ以上のアデノ随伴ウイルス(AAV)逆方向末端反復(ITR)(例えば、A
AV1、AAV2、AAV3、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7、AAV8、A
AV9、AAV10、AAV11、Rh10、Rh74又はAAV-2i8のAAV血清
型のいずれかのITR配列)、及び/又は、フィラーポリヌクレオチド配列を含むことが
できる。そのようなさらなる因子の位置は変わってもよい。特別な態様において、イント
ロンは、ヒトFIXタンパクをコードする配列中に存在し、及び/又は、発現制御因子は
、ヒトFIXタンパクをコードする配列に作用可能に連結され、及び/又は、AAV I
TRは、ヒトFIXタンパクをコードする配列の5’又は3’に隣接し、及び/又は、前
記フィラーポリヌクレオチド配列の末端は、ヒトFIXタンパクをコードする配列の5’
末端又は3’末端に隣接する。
【0012】
いくつかの実施形態において、CpG(シトシン・グアニン)ジヌクレオチドの数を減
らすように修飾されたFIX核酸は、ヒト第IX因子をコードする天然の配列又は野生型
の配列よりも、1~5個少ない、5~10個少ない、10~15個少ない、15~20個
少ない、20~25個少ない、25~30個少ない、30~40個少ない、40-55個
少ない、55-75個少ない、75-100個少ない、100-150個少ない、150
-200個少ないCpGジヌクレオチドを有していてもよい。特別な態様において、本明
細書に記載されている修飾されたFIX核酸は、CpGジヌクレオチドの数が減少してい
ないヒト第IX因子をコードする野生型の配列又は天然の配列よりも多いか又は同等のレ
ベルで発現されるヒトFIXタンパクをコードする
【0013】
さらなる実施形態において、イントロン、発現制御因子(例えば、構造的因子若しくは
制御可能な制御因子、又は、組織特異的発現制御因子若しくはプロモーター(例えば、ヒ
トα1-抗トリプシン(hAAT)プロモーター、及び/又は、アポリポタンパクE(A
poE)HCR-1、及び/又は、HCR-2エンハンサー等の肝臓発現のためのもの)
)、1又はそれ以上のアデノ随伴ウイルス(AAV)逆方向末端反復(ITR)(例えば
、AAV1、AAV2、AAV3、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7、AAV8
、AAV9、AAV10、AAV11、Rh10、Rh74又はAAV-2i8のAAV
血清型のいずれかのITR配列)、及び/又は、フィラーポリヌクレオチド配列は、同等
の天然又は野生型の発現制御因子、アデノ随伴ウイルス(AAV)逆方向末端反復(IT
R)、及び/又は、フィラーポリヌクレオチド配列と比較して、CpG(シトシン・グア
ニン)ジヌクレオチドの数を減らすように修飾されていてもよい。特別な態様において、
発現制御因子、アデノ随伴ウイルス(AAV)逆方向末端反復(ITR)、及び/又は、
フィラーポリヌクレオチド配列は、天然又は野生型の同等配列より、1~5個少ない、5
~10個少ない、10~15個少ない、15~20個少ない、20~25個少ない、25
~30個少ない、30~40個少ない、40-55個少ない、55-75個少ない、75
-100個少ない、100-150個少ない、150-200個少ないCpGジヌクレオ
チドを有する。
【0014】
典型的なAAVベクターは、AAV1、AAV2、AAV3、AAV4、AAV5、A
AV6、AAV7、AAV8、AAV9、AAV10、AAV11、Rh10、Rh74
若しくはAAV-2i8のいずれかのAAVキャプシド配列、又は、AAV1、AAV2
、AAV3、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7、AAV8、AAV9、AAV1
0、AAV11、Rh10、Rh74若しくはAAV-2i8のキャプシド変異体を含む
。また、本発明の組み換えAAV粒子は、AAV1、AAV2、AAV3、AAV4、A
AV5、AAV6、AAV7、AAV8、AAV9、AAV10、AAV11、Rh10
、Rh74、若しくは、AAV-2i8、並びに、これらの変異体を含む。特別なキャプ
シド変異体は、アミノ酸の置換、欠損又は挿入/付加を有するキャプシド配列等のような
、AAV1、AAV2、AAV3、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7、AAV8
、AAV9、AAV10、AAV11、Rh10、Rh74又はAAV-2i8等のキャ
プシド変異体を含む。特別な態様において、置換は、Rh74 VP1キャプシド配列(
配列番号:1)において、例えば、アミノ酸位置195、199、201又は202のい
ずれか1つでなされる。さらなる特別な態様において、置換された残基は、Rh74 V
P1キャプシド配列のアミノ酸位置195、199、201又は202のいずれか1つに
おけるA、V、P又はNのアミノ酸に対応する。さらに特別な態様において、キャプシド
配列は、Rh74 VP1キャプシド配列のアミノ酸位置195のA残基;アミノ酸位置
199のV残基、アミノ酸位置201のP残基、又は、アミノ酸位置202のN残基を有
する。さらなる特別な態様において、キャプシド配列は、Rh74 VP1キャプシド配
列のアミノ酸位置195のA残基、アミノ酸位置199のV残基、アミノ酸位置201の
P残基、又は、アミノ酸位置202のN残基の任意の2つ、3つ、又は、4つすべてを有
する。
【0015】
さらなる特別な態様において、キャプシド変異体は、配列番号4-9のいずれかを含む
。さらなる実施形態において、AAVベクターは、任意のAAV血清型の任意のVP1、
VP2及び/又VP3に対して、90%又はより高い配列同一性を有する、AAV VP
1配列、VP2配列及び/又はVP3配列を有するキャプシド配列を有する。特別な態様
において、AAVベクターは、AAV1、AAV2、AAV3、AAV4、AAV5、A
AV6、AAV7、AAV8、AAV9、AAV10、AAV11、Rh10、Rh74
又はAAV-2i8のVP1配列、VP2配列及び/又はVP3配列に対して90%又は
より高い同一性を有する、VP1キャプシド配列、VP2キャプシド配列又はVP3キャ
プシド配列を有するキャプシド配列を有する。さらなる特別な態様において、AAVベク
ターは、AAV1、AAV2、AAV3、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7、A
AV8、AAV9、AAV10、AAV11、Rh10、Rh74又はAAV-2i8の
AAV血清型のいずれかより選択される、VP1キャプシド配列、VP2キャプシド配列
又はVP3キャプシド配列を有するキャプシド配列を有する。
【0016】
さらなる実施形態において、組み換えベクターゲノムは、CpG(シトシン・グアニン
)ジヌクレオチドの数を減らすように修飾されたFIX等のような、第IX因子をコード
する修飾された核酸と、フィラーポリヌクレオチド配列若しくはスタッファポリヌクレオ
チド配列を含む。特別な態様において、第IX因子をコードする修飾された核酸は、約4
.7kb未満の長さを有する。さらに特別な態様において、第IX因子をコードする修飾
された核酸は、4.7kb未満の長さを有し、1つ以上のAAV ITRに隣接している
か、又は、2つのアデノ随伴ウイルス(AAV)ITR配列内に配置されている。さらな
る特別な態様において、フィラー配列又はスタッファポリヌクレオチド配列は、第IX因
子をコードする修飾された核酸と結合した場合に、第IX因子をコードする核酸配列と、
フィラー配列又はスタッファポリヌクレオチド配列との合計の結合した長さが概ね3.0
kb~5.5kbの間、概ね4.0kb~5.0kb、又は、概ね4.3kb~4.8k
bの間となる長さを有する。
【0017】
フィラー配列又はスタッファポリヌクレオチド配列は、そのベクターの機能又は活性を
阻害しないベクター配列中のいかなる所望の位置に配置されることができる。一態様にお
いて、フィラー配列又はスタッファポリヌクレオチド配列は、CpG(シトシン・グアニ
ン)ジヌクレオチドの数が減少したFIX等のような第IX因子コード核酸配列のそれぞ
れの5’及び/又は3’の末端に隣接する5’及び/又は3’のITR(例えば、AAV
1、AAV2、AAV3、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7、AAV8、AAV
9、AAV10、AAV11、Rh10、Rh74又はAAV-2i8のITR及びそれ
らの変異体)の間に配置されている。別の態様において、フィラー配列又はスタッファポ
リヌクレオチド配列は、CpGジヌクレオチドの数が減少したFIX等のような第IX因
子コード核酸配列のそれぞれの5’及び/又は3’の末端に隣接する5’及び/又は3’
のITRの内部に配置されている。さらなる態様において、フィラー配列又はスタッファ
ポリヌクレオチド配列は、CpGジヌクレオチドの数が減少したFIXのような第IX因
子コード核酸配列のそれぞれの5’及び/又は3’末端に隣接する5’及び/又は3’の
ITRに隣接して配置されている。さらなる一態様において、フィラー配列又はスタッフ
ァポリヌクレオチド配列は、CpGジヌクレオチドの数が減少したFIXのような第IX
因子をコードする修飾された(例えば、ゲノム核酸内のイントロンと類似した)核酸の内
部に配置されている。
【0018】
従って、様々な実施形態において、フィラー配列又はスタッファポリヌクレオチド配列
は、AAV ITR配列に隣接して配置され;2つのアデノ随伴ウイルス(AAV)IT
R配列内に配置され;2つのアデノ随伴ウイルス(AAV)ITR配列の外部に配置され
;又は、2つのフィラー配列又はスタッファポリヌクレオチド配列が存在し、第1のフィ
ラー配列又はスタッファポリヌクレオチド配列が、2つのアデノ随伴ウイルス(AAV)
ITR配列の内部に配置され、第2のフィラー配列又はスタッファポリヌクレオチド配列
が、2つのアデノ随伴ウイルス(AAV)ITR配列の外部に配置される。
【0019】
さらなる特別な態様において、フィラー配列又はスタッファポリヌクレオチド配列は、
2つのアデノ随伴ウイルス(AAV)ITR配列の内部に配置されている場合、CpGジ
ヌクレオチドの数が減少したFIXのような、第IX因子をコードする修飾された核酸と
結合したときに、その異種起源ポリヌクレオチド配列と、フィラー配列又はスタッファポ
リヌクレオチド配列との合計の結合した長さが、概ね3.0kb~5.5kb、概ね4.
0kb~5.0kb又は概ね4.3kb~4.8kbとなるような長さを有する。さらに
別の特別な態様において、フィラー配列又はスタッファポリヌクレオチド配列は、2つの
アデノ随伴ウイルス(AAV)ITR配列の外部に配置されている場合、4.7kbを超
える、概ね5.0kb~10.0kb又は概ね6.0kb~8.0kbの長さを有する。
【0020】
典型的に、フィラー配列又はスタッファポリヌクレオチド配列は、不活性であるか又は
無毒性であり、また、機能又は活性を有しない。様々な特別な態様において、フィラー配
列又はスタッファポリヌクレオチド配列はバクテリアのポリヌクレオチド配列ではなく、
フィラー配列又はスタッファポリヌクレオチド配列はタンパクをコードする配列ではなく
、又は、フィラー配列又はスタッファポリヌクレオチド配列は、異種起源ポリヌクレオチ
ド配列(例えば、第IX因子をコードする修飾された核酸)、AAV逆方向末端反復(I
TR)配列、発現制御因子、複製開始点、選択可能なマーカー又はポリアデニル化(ポリ
A)シグナル配列のいずれからも区別される配列である。
【0021】
様々な追加的な特別な態様において、フィラー配列又はスタッファポリヌクレオチド配
列は、異種起源ポリヌクレオチド配列(例えば、CpGジヌクレオチドの数が減少したF
IXのような第IX因子をコードする修飾された核酸)と関係がある又は関係がないイン
トロン配列である。特別な態様において、イントロン配列は、異種起源ポリヌクレオチド
配列(例えば、CpGジヌクレオチドの数が減少したFIXのような第IX因子をコード
する修飾された核酸)の内部に配置される。他の特別な態様において、イントロンが、異
種起源ポリヌクレオチド配列(例えば、第IX因子をコードする修飾された核酸)によっ
てもコードされるタンパクをコードするゲノムDNAのようなゲノムDNA中に存在する
ように、イントロン配列は、異種起源ポリヌクレオチド配列(例えば、CpGジヌクレオ
チドの数が減少したFIXのような第IX因子をコードする修飾された核酸)と関係があ
る。
【0022】
AAV1、AAV2、AAV3、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7、AAV8
、AAV9、AAV10、AAV11、Rh10、Rh74及びAAV-2i8のような
組み換えレンチウイルス及びパーボウイルス(例えば、AAV)ベクター、並びに、組み
換えAAVベクターゲノムを含む(キャプシドで包膜する、包む)キャプシド変異体(例
えば、4-1)粒子のような変異体が、細胞内に含まれていてもよい。そのような実施形
態において、細胞は、ウイルス(AAV)粒子を生産することができる、若しくは、溶解
してウイルス(AAV)粒子を生産することができるパッケージング細胞で構成されても
よいし、又は、異種起源ポリヌクレオチド配列を発現することが望まれる標的細胞で構成
されてもよい。従って、CpGジヌクレオチド数が減少したFIXのような、第IX因子
をコードする修飾された核酸のベクター、並びに、AAV1、AAV2、AAV3、AA
V4、AAV5、AAV6、AAV7、AAV8、AAV9、AAV10、AAV11、
Rh10、Rh74及びAAV-2i8のようなレンチウイルス及びパーボウイルス(例
えば、AAV)ベクター及び変異体(例えば、4-1等)の粒子を含む細胞が提供される
。
【0023】
さらなる実施形態において、ヒトFIXタンパクをコードする核酸配列であって、ヒト
第IX因子をコードする天然の配列と比較して減少した数のCpGジヌクレオチドを有す
る核酸、又は、ヒトFIXタンパクをコードする核酸配列を含む発現ベクター又はプラス
ミドであって、ヒト第IX因子をコードする天然の配列と比較して減少した数のCpGジ
ヌクレオチドを有する核酸が、組成物中に含まれる。特別な態様において、そのような核
酸配列は、医薬組成物中に含まれていてもよい。従って、AAV1、AAV2、AAV3
、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7、AAV8、AAV9、AAV10、AAV
11、Rh10、Rh74及びAAV-2i8のように組み換えのレンチウイルス及びパ
ーボウイルス(例えば、AAV)ベクター、並びに、ベクターゲノムを含む(キャプシド
で包膜する、包む)変異体(例えば、4-1等)粒子が、医薬組成物中に含まれてもよい
。そのような組成物は、組換えベクター(例えば、AAV)、及び、AAV1、AAV2
、AAV3、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7、AAV8、AAV9、AAV1
0、AAV11、Rh10、Rh74又はAAV-2i8のようなウイルス粒子、並びに
、ベクター(例えば、AAV)ゲノムを含む(キャプシドで包膜する、包む)変異体(例
えば4-1)の被検体への投与に有用である。
【0024】
AAV1、AAV2、AAV3、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7、AAV8
、AAV9、AAV10、AAV11、Rh10、Rh74及びAAV-2i8のような
組み換えレンチウイルス及びパーボウイルス(例えば、AAV)ベクター、並びに、ベク
ターゲノムを含む(キャプシドで包膜する、包む)変異体(例えば、4-1等)粒子は、
様々な方法及び用途において使用することができる。従って、哺乳動物又は哺乳動物の細
胞のような生物又は細胞中に、異種起源ポリヌクレオチド配列(例えば、CpGジヌクレ
オチドの数が減少したFIXのような、第IX因子をコードする修飾された核酸)を届け
又は移すための方法及び使用が提供される。
【0025】
一実施形態において、方法又は使用は、AAV1、AAV2、AAV3、AAV4、A
AV5、AAV6、AAV7、AAV8、AAV9、AAV10、AAV11、Rh10
、Rh74及びAAV-2i8のようなレンチウイルス若しくはパーボウイルス(例えば
、AAV)のベクター、又は、異種起源ポリヌクレオチド配列(例えば、CpGジヌクレ
オチドの数が減少したFIXのような、第IX因子をコードする修飾された核酸)粒子を
ベクターゲノム中に含む(キャプシドで包膜する、包む)変異体を適切な条件下で哺乳動
物又は哺乳動物の細胞に投与して、哺乳動物又は哺乳動物の細胞中に異種起源ポリヌクレ
オチド配列を届け又は移すことを含む。一態様において、この方法又は使用は、哺乳動物
及び/又は細胞中に異種起源のポリヌクレオチド(例えば、CpGジヌクレオチドの数が
減少したFIXのような第IX因子をコードする修飾された核酸)を移し/届ける。別の
態様において、この方法は、異種起源のポリヌクレオチド(例えば、CpGジヌクレオチ
ドの数が減少したFIXのような第IX因子をコードする修飾された核酸)の細胞中への
転送/送達、続いて起こる転写物を形成する転写、及び、続いて起こる遺伝子産物(例え
ば第IX因子)を形成する翻訳を可能にする。
【0026】
さらなる実施形態において、方法又は使用は、タンパクの発現又は機能の欠乏又はタン
パクの発現又は機能の必要性のある被検体(例えば、哺乳動物)を治療するためのもので
あり、AAV1、AAV2、AAV3、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7、AA
V8、AAV9、AAV10、AAV11、Rh10、Rh74又はAAV-2i8のよ
うなレンチウイルス若しくはパーボウイルス(例えば、AAV)ベクター若しくは変異体
、複数のそのようなウイルス(例えば、AAV)粒子、又は、AAV1、AAV2、AA
V3、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7、AAV8、AAV9、AAV10、A
AV11、Rh10、Rh74若しくはAAV-2i8のようなレンチウイルス若しくは
パーボウイルス(例えば、AAV)ベクター若しくは変異体、粒子、若しくは、複数のそ
のようなウイルス(例えばAAV)粒子の医薬組成物を提供すること;及び、ウイルス粒
子、複数のウイルス粒子、又は、ウイルス粒子若しくは複数のウイルス粒子の医薬組成物
を被検体(例えば哺乳動物)に投与することを含む。そのように投与された異種起源ポリ
ヌクレオチド配列(例えば、CpGジヌクレオチドの数が減少したFIXのような第IX
因子をコードする修飾された核酸)は、続いて被検体(例えば、哺乳動物)中で発現され
ることができる。
【0027】
投与又は送達のための方法及び用途は、被検体に適合するあらゆるモードを含む。特定
の実施形態において、AAV1、AAV2、AAV3、AAV4、AAV5、AAV6、
AAV7、AAV8、AAV9、AAV10、AAV11、Rh10、Rh74及びAA
V-2i8のようなレンチウイルス又はパーボウイルス(例えば、AAV)ベクター及び
変異体、又は、複数のそのようなウイルス粒子は、静脈内に、動脈内に、筋肉内に、皮下
に又はカテーテル経由等のように、非経口的に投与又は送達される。
【0028】
被検体は、ヒト及び非ヒト(例えば、霊長類)等のような哺乳動物を含む。特定の実施
形態において、被検体は、異種起源ポリヌクレオチド配列の発現から利益を受け、又は、
異種起源ポリヌクレオチド配列の発現を必要とするであろう。さらなる特別な実施形態に
おいて、被検体は、例えば、低減された量の第IX因子を発現する血友病Bに罹患した被
検体のような被検体等のように、第IX因子の発現又は機能から利益を得るだろう。
【0029】
本発明に従って、AAV1、AAV2、AAV3、AAV4、AAV5、AAV6、A
AV7、AAV8、AAV9、AAV10、AAV11、Rh10、Rh74及びAAV
-2i8のような組み換えのレンチウイルス及びパーボウイルス(例えば、AAV)ベク
ター、並びに、ベクターゲノムを含む(キャプシドで包膜する、包む)変異体を生産する
方法が提供される。ある実施形態において、1つの方法は、増殖性のウイルス感染を生じ
させるために、パッケージング細胞中に組換えベクター(例えば、AAV)プラスミドを
導入すること;及び、組み換えウイルス粒子を生産する条件下でパッケージング細胞をイ
ンキュベートすることを含む。別の一実施形態において、組み換えウイルスベクターが混
入核酸を含み、低減された量の組み換えウイルス粒子を有する組み換えウイルス又はAA
V粒子を生産する方法であって、前記方法は、パッケージング細胞中に組換えベクター(
例えばAAV)プラスミドを導入すること;及び、組み換えウイルス粒子を生産する条件
下で前記パッケージング細胞をインキュベートすることであって、生産される組み換えウ
イルス粒子が、フィラー配列又はスタッファポリヌクレオチド配列が組み換えウイルスベ
クターに存在しない状態で生産される混入核酸を含むウイルス粒子の数と比較して、混入
核酸を含むベクターゲノムを有するウイルス粒子の数が減少していることを含む。特別な
態様において、混入核酸は、バクテリアの核酸であるか;又は、前記異種起源ポリヌクレ
オチド配列若しくはITR、プロモーター、エンハンサー、複製開始点、ポリA配列、又
は、選択可能なマーカー以外の配列である。
【0030】
パッケージング細胞は哺乳動物細胞を含む。特定の実施形態において、パッケージング
細胞は、(異種起源のポリヌクレオチド)配列(例えば、CpGジヌクレオチドの数が減
少したFIXのような第IX因子をコードする修飾された核酸)、発現ベクター(例えば
、ベクターゲノム)をウイルス粒子(例えば、AAV粒子)中にパッケージするためのヘ
ルパー(例えばAAV)機能を含む。特別な態様において、パッケージング細胞は、AA
V Repタンパク及び/又はCapタンパク(例えば、Rep78、及び/又は、Re
p68タンパク)を提供し;パッケージング細胞は、Repタンパク配列及び/又はCa
pタンパク配列をコードするポリヌクレオチドが安定的に又は一時的に導入され;及び/
又は、パッケージング細胞は、Rep78及び/又はRep68タンパクポリヌクレオチ
ドコード配列を安定的に又は一時的に導入される。
【0031】
本発明において、組み換えレンチウイルス又はパーボウイルス(例えばAAV)ベクタ
ー、及び、それに伴うシス(例えば、発現制御因子、ITR、polyA)因子、又は、
トランス(例えば、キャプシドタンパク、Rep/Capタンパク等のパッケージ機能)
因子は、任意の生物、種、株又は血清型をベースとしてもよい。組み換えウイルス(例え
ばAAV)粒子は、典型的には、AAV1、AAV2、AAV3、AAV4、AAV5、
AAV6、AAV7、AAV8、AAV9、AAV10、AAV11、Rh10、Rh7
4及びAAV-2i8並びに変異体をベースとするが、異なる複数の血清型のハイブリッ
ド又はキメラを含む。代表的なAAV血清型は、限定されるものではないが、AAV1、
AAV2、AAV3、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7、AAV8、AAV9、
AAV10、AAV11、Rh10、Rh74及びAAV-2i8の血清型を含む。従っ
て、ベクターゲノムを含む組み換えウイルス(例えばAAV)粒子は、AAV1、AAV
2、AAV3、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7、AAV8、AAV9、AAV
10、AAV11、Rh10、Rh74又はAAV-2i8の血清型のVP1、VP2又
はVP3キャプシドタンパクのような異なる血清型、複数の血清型の混合、又は、異なる
複数の血清型のハイブリッド若しくはキメラに由来するキャプシドタンパクを含んでいて
もよい。更に、AAV1、AAV2、AAV3、AAV4、AAV5、AAV6、AAV
7、AAV8、AAV9、AAV10、AAV11、Rh10、Rh74及びAAV-2
i8のような組み換えレンチウイルス又はパーボウイルス(例えばAAV)ベクター、配
列、プラスミド、ベクターゲノムは、いずれか1つの血清型、血清型の混合、又は、異な
る複数の血清型のハイブリッド若しくはキメラに由来する因子を含んでいてもよい。いく
つかの実施形態において、組み換えAAVベクターは、ITR、Cap、Rep、及び/
又は、AAV1、AAV2、AAV3、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7、AA
V8、AAV9、AAV10、AAV11、Rh10、Rh74及び/若しくはAAV-
2i8血清型、又は、前述のAAV血清型の混合、ハイブリッド若しくはキメラに由来す
る配列を含む。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【0033】
【0034】
【0035】
図4は、キャプシド変異体4-1 VP1タンパクのアミノ酸配列を示す。
【0036】
図5は、キャプシド変異体15-1のアミノ酸配列を示す。
【0037】
図6は、キャプシド変異体15-2のアミノ酸配列を示す。
【0038】
図7は、キャプシド変異体15-3/15-5のアミノ酸配列を示す。
【0039】
図8は、キャプシド変異体15-4のアミノ酸配列を示す。
【0040】
図9は、キャプシド変異体15-6のアミノ酸配列を示す。
【0041】
【0042】
【0043】
【0044】
図12Bは、phFIX39v2プラスミドの配列を示す。
【0045】
【0046】
【0047】
図15は、FIX39+イントロンAの核酸配列を示す。
【0048】
図16は、インビトロセッティングにおいて分析された、AAV-4-1キャプシド変
異体(配列番号:4)の形質導入効率を示す。
【0049】
図17は、AAV-FIX39-Padua(四角/円)及びAAV-FIX19-P
adua(ダイヤモンド/六角形)を1×10
11又は1×10
12vg/kgのいずれか第
8週に静脈内注射した後の野生型マウスの血漿中のhFIXのレベルを示す。ヒトFIX
血漿中濃度は、ELISAによって分析され、試験期間中に動物の同じグループを続けて
出血させることによって得た複数の測定を示している。エラーバーは標準誤差を示す。
【0050】
図18は、5μgのpFIX19-Paduaプラスミド又はpFIX39-Padu
aプラスミドの水圧尾静脈注入の24時間後のマウス血漿中のヒトFIXの血中濃度を示
す。P=0.3337
【0051】
図19は、本発明によるAAV-FIX Padua変異体(FIX39)を有するベ
クターの単独注入を受けた4人のヒト血友病B患者のデータ要約、及び、その後の評価期
間(それぞれ、183日、102日、69日及び50日)に亘るFIX活性(%)を示す
。
【0052】
図20Aは、183日間の評価期間に亘る、AAV-FIX Padua変異体(FI
X39)を有するベクターの単独注入を受けた第1のヒト血友病B患者のFIX活性(%
)データを示す。
【0053】
図20Bは、183日の評価期間に亘る、AAV-FIX Padua変異体(FIX
39)を有するベクターの単独注入を受けた第1のヒト血友病B患者の肝臓機能検査(A
LT酵素、AST酵素及びLDH酵素)データを示す。プロットされているLDH値(L
DH1)は、ALT値及びAST値と共に示すために10で除されている。
【0054】
図21Aは、102日の評価期間に亘る、AAV-FIX Padua変異体(FIX
39)を有するベクターの単独注入を受けた第2のヒト血友病B患者のFIX活性(%)
データを示す。
【0055】
図21Bは、102日の評価期間に亘る、AAV-FIX Padua変異体(FIX
39)を有するベクターの単独注入を受けた第2のヒト血友病B患者の肝臓機能検査(A
LT酵素、AST酵素及びLDH酵素)データを示す。プロットされているLDH値(L
DH1)は、ALT値及びAST値と共に示すために10で除されている。
【0056】
図22Aは、69日の評価期間に亘る、AAV-FIX Padua変異体(FIX3
9)を有するベクターの単独注入を受けた第3のヒト血友病B患者のFIX活性(%)デ
ータを示す。
【0057】
図22Bは、69日の評価期間に亘る、AAV-FIX Padua変異体(FIX3
9)を有するベクターの単独注入を受けた第3のヒト血友病B患者の肝臓機能検査(AL
T酵素、AST酵素及びLDH酵素)データを示す。プロットされているLDH値(LD
H1)は、ALT値及びAST値と共に示すために10で除されている。
【0058】
図23Aは、50日の評価期間に亘る、AAV-FIX Padua変異体(FIX3
9)を有するベクターの単独注入を受けた第4のヒト血友病B患者のFIX活性(%)デ
ータを示す。
【0059】
図23Bは、50日の評価期間に亘る、AAV-FIX Padua変異体(FIX3
9)を有するベクターの単独注入を受けた第4のヒト血友病B患者の肝臓機能検査(AL
T酵素、AST酵素及びLDH酵素)データを示す。プロットされているLDH値(LD
H1)は、ALT値及びAST値と共に示すために10で除されている。
【0060】
図24Aは、ヒト被検体中のAAV-FIX39 Paduaの相対的な免疫原性プロ
フィールを示す。
【0061】
図24Bは、ヒト被検体のAAV-FIX39パドヴァ及びAAV8-FIX19の相
対的な免疫原性プロフィールを示す。
【詳細な説明】
【0062】
本発明は、ヒトFIXタンパクのような、タンパクをコードする修飾された核酸配列の
開発に少なくとも一部分において基づいている。いくつかの実施形態において、修飾され
た核酸は、ヒト第IX因子をコードする天然(野生型)の配列のような、第IX因子をコ
ードする基準核酸配列と比較して、CpG(シトシン・グアニン)ジヌクレオチドの数が
減少している。さらなる実施形態において、核酸(例えば、ヒト第IX因子をコードする
天然の配列)をコードする基準第IX因子と比較して、CpGジヌクレオチドの数が減少
したそのような修飾された核酸は、発現ベクター(例えば、ベクターゲノム)又はプラス
ミド中に含まれている。
【0063】
本発明は、さらにヒトFIXをコードする修飾された核酸配列を含む組成物のような組
成物を含む。そのような組成物において、修飾された核酸は、ヒト第IX因子をコードす
る天然(野生型)配列のような参照配列に対してCpGジヌクレオチドの数が減少してい
る。また、組成物は、発現ベクター(例えば、ウイルスベクター/ベクターゲノム)、及
び、CpGジヌクレオチドの数が減少したヒトFIXタンパクをコードするそのような修
飾された核酸配列を含むプラスミドを含む。
【0064】
特別な態様において、ヒトFIXタンパクをコードする核酸配列は、ヒト第IX因子を
コードする天然の配列より1~5個少ないCpGジヌクレオチドを有し;又は、ヒト第I
X因子をコードする天然(野生型)の配列より5~10個少ないCpGジヌクレオチドを
有し;又は、ヒト第IX因子をコードする天然(野生型)の配列より10~15個少ない
CpGジヌクレオチドを有し;又は、ヒト第IX因子をコードする天然(野生型)の配列
より15~20個少ないCpGジヌクレオチドを有し;又は、ヒト第IX因子をコードす
る天然(野生型)の配列より20~25個少ないCpGジヌクレオチドを有し;又は、ヒ
ト第IX因子をコードする天然(野生型)の配列より25~30個少ないCpGジヌクレ
オチドを有し;又は、ヒト第IX因子をコードする天然(野生型)の配列より30~40
個少ないCpGジヌクレオチドを有し;又は、ヒト第IX因子をコードする天然(野生型
)の配列より40~55個少ないCpGジヌクレオチドを有し;又は、あらゆるCpGジ
ヌクレオチドが完全に欠けている。
【0065】
CpGジヌクレオチドの数が減少したFIXのような、第IX因子をコードする修飾さ
れた核酸は、1つ以上のさらなるシス因子をさらに含んでいてもよい。代表的なシス因子
は、限定されるものではないが、発現制御因子、イントロン、ITR、停止コドン、po
lyA配列及び/又はフィラーポリヌクレオチド配列を含む。特定の実施形態において、
そのようなシス作用因子は修飾されていてもよい。例えば、発現制御因子、イントロン、
ITR、ポリA配列及び/又はフィラーポリヌクレオチド配列のようなシス作用エレメン
トは、CpGジヌクレオチドの減少した数を有していてもよい。1つの態様において、発
現制御因子、イントロン、ITR、ポリA配列及び/又はフィラーポリヌクレオチド配列
のような1つ以上のシス作用因子は、CpGジヌクレオチドが欠けている。特別な態様に
おいて、発現制御因子、イントロン、ITR、ポリA配列及び/又はフィラーポリヌクレ
オチド配列のような1つ以上のシス作用因子は、対照標準シス作用エレメントより1~5
個少ないCpGジヌクレオチドを有し;又は、対照標準シス作用エレメントより5~10
個少ないCpGジヌクレオチドを有し;又は、対照標準シス作用エレメントより10~1
5個少ないCpGジヌクレオチドを有し;又は、対照標準シス作用因子より15~20個
少ないCpGジヌクレオチドを有し;又は、対照標準シス作用因子より20~25個少な
いCpGジヌクレオチドを有し;又は、対照標準シス作用因子より25~30個少ないC
pGジヌクレオチドを有し;又は、対照標準シス作用因子より30~40個少ないCpG
ジヌクレオチドを有し;又は、対照標準シス要素より40~55の少数のCpGジヌクレ
オチドを有し;又は、あらゆるCpGジヌクレオチドが欠けている。
【0066】
本発明は、CpGジヌクレオチドの数が減少したFIXのような、ヒトFIXタンパク
をコードする修飾された核酸配列を含むウイルスベクターを含む。特定の実施形態におい
て、ベクターは、アデノウイルスベクターのような、レンチウイルスベクター又はパーボ
ウイルスベクターを含む。より特別な実施形態において、CpGジヌクレオチドの数が減
少したFIXのようなヒトFIXタンパクをコードする修飾された核酸配列は、アデノ随
伴ウイルス(AAV)ベクターに含まれる。
【0067】
さらに特別な実施形態において、アデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターは、AAV1
、AAV2、AAV3、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7、AAV8、AAV9
、AAV10、AAV11、Rh10、Rh74及びAAV-2i8に由来するキャプシ
ド、並びに、それらの変異体(例えば、アミノ酸の挿入、付加及び置換等のキャプシド変
異体)を含む。当業者に理解されるように、AAVキャプシドは、典型的には、VP1タ
ンパクと、本質的にVP1のアミノ末端基切断であるVP2及びVP3と呼ばれる2つの
より短いタンパクとを含む。キャプシド及び当業者に知られている他の要因に依存して、
3つのキャプシドタンパク、VP1、VP2及びVP3は、典型的には、それぞれ1:1
:10に接近する比率でキャプシド中に存在する。ただし、この比率、特にVP3の比率
は、著しく変わる場合があり、いかなる態様においても限定するものとして解釈してはな
らない。
【0068】
AAV変異体は、AAV-Rh74変異体(例えば、Rh74 VP1キャプシド配列
、配列番号:1、
図1のAAVキャプシド変異体)を含み、これらに限定されるものでは
ないが、表1に示されている変異体4-1、15-1、15-2、15-3/15-5、
15-4及び15-6を含む。Rh74 VP2及びRh74 VP3アミノ酸配列は、
それぞれ、配列番号:2(
図2)及び配列番号:3(
図3)において提供される。
【表1】
【0069】
4-1変異体(配列番号:4)は、VP1キャプシドの、アミノ酸位置195、199
、201及び202において、それぞれ、アラニン、バリン、プロリン及びアスパラギン
の置換を有していた。下線及び太字になっている置換された残基a、v、p及びnを有す
る4-1変異体VP1キャプシド・アミノ酸配列は、
図4(配列番号:4)に示されてい
る。変異体4-1については、それぞれ、VP2配列が配列番号27からなり、VP3配
列が配列番号3からなる。
【0070】
15-1、15-2、15-3、15-4、15-5及び15-6変異体もまた、VP
1キャプシドのアミノ酸位置195、199、201及び202において、それぞれ、ラ
ニン、バリン、プロリン及びアスパラギンの置換を有していた。さらに、これらの変異体
は、様々な位置においてリジンのアルギニン置換を多数有していた。15-1変異体VP
1キャプシド・アミノ酸配列(配列番号:5)は、
図5に示されており;15-2変異体
VP1キャプシド・アミノ酸配列(配列番号:6)は、
図6に示されており;15-3/
15-5変異体VP1キャプシド・アミノ酸配列(配列番号:7)は、
図7に示されてお
り;15-4変異体VP1キャプシド・アミノ酸配列(配列番号:8)は、
図8に示され
ており;また、15-6変異体VP1キャプシド・アミノ酸配列(配列番号:9)は、図
9に示されている。ここで使用することができるキャプシドの例は、限定されるものでは
ないが。米国特許出願公報第2015/0023924号に開示されているものを含む。
【0071】
従って、AAVベクターのようなレンチウイルスベクター及びパーボウイルスベクター
、並びに、CpGジヌクレオチドの数が減少したFIXのような、ヒトFIXタンパクを
コードする修飾された核酸配列を含むベクターゲノムを含む(キャプシドで包膜する、包
む)AAV変異体(例えば、4-1、15-1、15-2、15-3/15-5、15-
4及び15-6のようなキャプシド変異体)のようなウイルスベクター変異体が提供され
る。
【0072】
例示的研究において、AAV-Rh74は、他のいくつかの血清型より有意に高い、遺
伝子の導入/送達で生成されるタンパク発現レベルを媒介した。特に、AAV-Rh74
ベクター及びキャプシド変異体(例えば、4-1)の肝臓に対する送達のための標的遺伝
子は、肝臓への遺伝子導入のための究極の判断基準である、血友病Bのイヌ及び/又はマ
ウス及び/又はマカクにおけるAAV8に少なくとも匹敵する効率を有する。
【0073】
本明細書に開示されているように、AAV血清型及び変異体を含む、レンチウイルス及
びパーボウイルスベクターのようなウイルスベクターは、エクスビボ、インビトロ及びイ
ンビボにおいてポリヌクレオチド配列を細胞中に送達するための手段を提供し、そのポリ
ヌクレオチド配列は、タンパクをコードすることができ、そのコードされるタンパクを細
胞が発現することができる。例えば、組み換えAAVベクターは、望まれるタンパク又は
ペプチド(例えば、第IX因子)をコードする異種起源のポリヌクレオチドを含んでいて
もよい。従って、被検体(例えば、哺乳動物)に対するベクター送達又は投与は、コード
されたタンパク及びペプチドを被検体に提供する。従って、AAV血清型とキャプシド変
異体(例えば、4-1)のような変異体を含む、レンチウイルス及びパーボウイルスベク
ターのようなウイルスベクターは、発現のための及び任意に様々な疾病の治療のための異
種起源のポリヌクレオチドを移動/送達するために使用することができる。
【0074】
特定の実施形態において、組換えベクター(例えばAAV)は、パルボウイルスベクタ
ーである。パルボウイルスは一本鎖DNAゲノムを有する小さいウイルスである。「アデ
ノ随伴ウイルス」(AAV)はパルボウイルスファミリーに属する。
【0075】
AAVを含むパルボウイルスは、細胞に浸透することができ、核酸/遺伝物質を導入す
ることができ、その核酸/遺伝物質が細胞中に安定して維持されるので、遺伝子治療ベク
ターとして有用なウイルスである。さらに、これらのウイルスは、例えば、染色体19に
おける特定部位のように、特定部位に核酸/遺伝物質を導入することができる。AAVは
ヒトにおいて病原性疾病に関係していないので、AAVベクターは、本質的なAAV発病
又は疾病を引き起こすことなく、ヒト患者に異種起源ポリヌクレオチド配列(例えば、治
療タンパク及び治療剤)を届けることができる。
【0076】
AAV及びAAV変異体(例えば、4-1のようなキャプシド変異体)の血清型(例え
ば、VP1配列、VP2配列及び/又はVP3配列)は、例えば、AAV1-AAV11
、Rh74又はRh10を含む他のAAV血清型とは異なっていてもよい(例えば、AA
V1-AAV11、Rh74又はRh10血清型のいずれかのVP1配列、VP2配列及
び/又はVP3配列とは異なっていてもよい)し、異なっていなくてもよい。
【0077】
本明細書で使用されているように、「血清型」という用語は、他のAAV血清型とは血
清学的に区別されるキャプシドを有するAAVを表すために使用される区別である。他の
AAVと比較して、血清学的独自性は、1つのAAVに対する抗体間の交差反応性の欠如
に基づいて決定される。そのような交差反応性の差は、通常、キャプシドタンパク配列/
抗原決定基群の差による(例えば、AAV血清型のVP1配列、VP2配列及び/又はV
P3配列差による)。キャプシド変異体を含むAAV変異体が対照標準AAV又は他のA
AV血清型とは血清学的に区別できないかもしれない可能性にもかかわらず、AAV変異
体は、対照標準又は他のAAV血清型と比較して、少なくとも1つのヌクレオチド又はア
ミノ酸残基が異なる。
【0078】
従来の定義の下では、血清型は、中和活性に関して区別されたすべての既存の血清型に
特異的な漿液に対して、対象とするウイルスを試験し、対象とするウイルスを中和する抗
体が見つからなかったことを意味する。より多くの天然ウイルス分離株が発見され、及び
/又は、より多くのキャプシド変異体が生成されても、現在存在する血清型のいずれかと
血清学的な違いがあってもよいし、なくてもよい。従って、新しいウイルス(例えば、A
AV)が血清学的な違いを有しない場合、この新しいウイルス(例えば、AAV)は対応
する血清型のサブグループ又は変異体であろう。多くの場合、キャプシド配列修飾を有す
る変異ウイルスに対しては、それらが血清型の従来の定義に従って別の血清型のものであ
るかを判断するための、中和活性に関する血清学的試験がまだおこなわれていない。従っ
て、便宜のために、また、繰り返しを避けるために、「血清型」という用語は、血清学的
に区別されるウイルス(例えば、AAV)及び血清学的に区別されないウイルス(例えば
、AAV)であって、所定の血清型のサブグループ又は変異体に属することができるもの
の両方を広く表す。
【0079】
組換えベクター(例えば、AAV)プラスミド、ベクター(例えば、AAV)ゲノム、
並びに、方法及び使用は、あらゆるウイルス株又は血清型を含む。非限定的な例として、
組換えベクター(例えば、AAV)プラスミド又はベクター(例えば、AAV)ゲノムは
、例えば、AAV-1、-2、-3、-4、-5、-6、-7、-8、-9、-10、-
11、-rh74、-rh10又はAAV-2i8のような任意のAAVゲノムをベース
とするものであってもよい。そのようなベクターは、同じ株又は血清型(あるいは、サブ
グループ又は変異体)をベースとしていてもよいし、又は、互いに異なっていてもよい。
非限定的な例として、1つの血清型ゲノムをベースとした組換えベクター(例えば、AA
V)プラスミド又はベクター(例えば、AAV)ゲノムは、そのベクターを包むキャプシ
ドタンパクの1つ以上と同一であってもよい。さらに、組換えベクター(例えば、AAV
)プラスミド又はベクター(例えば、AAV)のゲノムは、そのベクターを包むキャプシ
ドタンパクの1つ以上とは異なるAAV(例えば、AAV2)血清型ゲノムをベースとし
ていてもよく、その場合、3つのキャプシドタンパクの少なくとも1つは、例えば、AA
V1、AAV2、AAV3、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7、AAV8、AA
V9、AAV10、AAV11、Rh10、Rh74若しくはAAV-2i8、又は、A
AV-Rh74変異体(例えば、4-1、15-1、15-2、15-3/15-5、1
5-4及び15-6のようなキャプシド変異体)のような変異体であってもよい。
【0080】
従って、AAVベクターは、特定の血清型に特徴的な遺伝子/タンパク配列と同一の遺
伝子/タンパク配列を含む。ここで使用されているように、「AAV1と関係するAAV
ベクター」は、1つ以上のAAVタンパク(例えば、VP1配列、VP2配列及び/又は
VP3配列)であって、AAV1を構成する1つ以上のポリヌクレオチド配列又はポリペ
プチド配列に対する本質的な配列同一性を有するものを表す。同様に、「AAV8と関係
するAAVベクター」は、1つ以上のAAVタンパク(例えば、VP1配列、VP2配列
及び/又はVP3配列)であって、AAV8を構成する1つ以上のポリヌクレオチド配列
又はポリペプチド配列に対する本質的な配列同一性を有するものを表す。「AAV-Rh
74と関係するAAVベクター」は、1つ以上のAAVタンパク(例えば、VP1配列、
VP2配列及び/又はVP3配列)であって、AAV-Rh74を構成する1つ以上のポ
リヌクレオチド配列又はポリペプチド配列に対する本質的な配列同一性を有するものを表
す(例えば、
図1ないし
図3のVP1、VP2、VP3を参照されたい)。従って、例え
ば、AAV1、AAV2、AAV3、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7、AAV
8、AAV9、AAV10、AAV11、Rh10、Rh74又はAAV-2i8等の他
の血清型に関連づけられたそのようなAAVベクターは、AAV1、AAV2、AAV3
、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7、AAV8、AAV9、AAV10、AAV
11、Rh10、Rh74及びAAV-2i8とは区別される1つ以上の配列を有してい
てもよいが、AAV1、AAV2、AAV3、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7
、AAV8、AAV9、AAV10、AAV11、Rh10、Rh74又はAAV-2i
8の1つ以上の遺伝子及び/若しくはタンパクに対する本質的な配列同一性を示すもので
あってもよいし、並びに/又は、それらの1つ以上の機能的特性(例えば、細胞/組織指
向性等)を有していてもよい。典型的な非限定的なAAV-Rh74のようなAAV-R
h74若しくは関連AAV、又は、(例えば、4-1、15-1、15-2、15-3/
15-5、15-4及び15-6のようなキャプシド変異体)のようなAAV-Rh74
変異体及び関連AAV変異体の配列は、例えば、
図1ないし
図9に記載されているVP1
、VP2及び/又はVP3を含む。
【0081】
様々な典型的な実施形態において、対照標準血清型と関係するAAVベクターは、1つ
以上のAAV1、AAV2、AAV3、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7、AA
V8、AAV9、AAV10、AAV11、Rh10、Rh74又はAAV-2i8(例
えば、
図1ないし
図9に記載されているAAV-Rh74 VP1配列、VP2配列及び
/又はVP3配列等)に対して少なくとも80%以上(例えば、85%、90%、95%
、96%、97%、98%、99%、99.5%等)同一の配列を含むか又は当該配列か
らなるポリヌクレオチド、ポリペプチド、又は、その部分配列を有する。
【0082】
本発明の方法及び使用は、AAV配列(ポリペプチド及びヌクレオチド)、AAV-R
h74配列(ポリペプチド及びヌクレオチド)、及び、それらの部分配列であって、AA
V1、AAV2、AAV3、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7、AAV8、AA
V9、AAV10、AAV11、Rh10又はAAV-2i8、例えば、AAV-Rh7
4の遺伝子又はタンパク配列(例えば、
図1~
図9に記載されているVP1配列、VP2
配列及び/又はVP3配列)のような対照標準AAV血清型に対して100%未満の配列
同一性を示すが、AAV1、AAV2、AAV3、AAV4、AAV5、AAV6、AA
V7、AAV8、AAV9、AAV10、AAV11、Rh10、Rh74AAV-2i
8の遺伝子又はタンパクのような既知のAAV遺伝子又はタンパクから区別され、同一で
ないものを含む。一実施形態において、AAVポリペプチド又はその部分配列は、AAV
1、AAV2、AAV3、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7、AAV8、AAV
9、AAV10、AAV11、Rh10、Rh74又はAAV-2i8のような任意の対
照標準AAV配列又はその部分配列(例えば、
図1~
図9に記載されているVP1配列、
VP2配列及び/又はVP3配列)に対して少なくとも80%以上(例えば、85%、8
5%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、9
6%、97%、98%、99%、99.5%、つまり、最大100%)同一の配列を含む
か又は当該配列からなる。特別な態様において、AAV変異体は、4個のアミノ酸置換の
うちの1個、2個、3個又は4個を有する(例えば、キャプシド変異体4-1、15-1
、15-2、15-3/15-5、15-4及び15-6)。
【0083】
AAV1、AAV2、AAV3、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7、AAV8
、AAV9、AAV10、AAV11、Rh10、Rh74又はAAV-2i8、並びに
、変異体、関連するハイブリッド配列及びキメラ配列を含む組換えベクター(例えば、A
AV)は、機能する1つ以上のAAV ITR配列が隣接した1つ以上の異種起源ポリヌ
クレオチド配列(遺伝子組み換え)を含むために、当業者に知られている組み換え技術を
使用して構築することができる。そのようなベクターは、野性型AAV遺伝子の1つ以上
の全体又は一部分(例えば、Rep遺伝子及び/又はCap遺伝子)が削除されていても
よいが、救助、複製、及び、AAVベクター粒子中への組換えベクターのパッケージング
に必要であるので、少なくとも1つの機能する隣接ITR配列を保持していてもよい。従
って、AAVベクターゲノムは、複製及びパッケージングのためにシスにおいて必要とさ
れる配列(例えば、機能するITR配列)を含むであろう。
【0084】
「ポリヌクレオチド」との用語及び「核酸」との用語は、デオキシリボ核酸(DNA)
及びリボ核酸(RNA)を含む、オリゴヌクレオチド、核酸のすべての形態を表すために
交換可能に用いられる。ポリヌクレオチドは、ゲノムDNA、cDNA及びアンチセンス
DNA、並びに、スプライシングされた若しくはスプライシングされていないmRNA、
rRNA、tRNA、及び、阻害性のDNA若しくはRNA(RNAi、例えば、小さい
又は短いヘアピン(sh)RNA、マイクロRNA(miRNA)、小さい又は短い干渉
(si)RNA、トランススプライシングRNA、又は、アンチセンスRNA)を含む。
ポリヌクレオチドは、天然の、合成の、及び、意図的に修飾若しくは変更された(例えば
、CpGジヌクレオチドが減少した)ポリヌクレオチドを含む。ポリヌクレオチドは、単
鎖、二重鎖、若しくは、三重鎖、線状、又は、環状であってもよく、また、任意の長さで
あってもよい。ポリヌクレオチドについて議論する際には、特定のポリヌクレオチドの配
列又は構造は、5’から3’の方向に配列を提供する慣例に従って本明細書に記載されて
いる。
【0085】
「異種起源」のポリヌクレオチドは、細胞中へのポリヌクレオチドのベクターを介した
移入/送達の目的のためのベクター(例えば、AAV)中に挿入されたポリヌクレオチド
を表す。異種起源のポリヌクレオチドは、ベクター(例えば、AAV)核酸とは典型的に
異なる。つまり、異種起源のポリヌクレオチドは、ウイルス(例えば、AAV)の核酸に
対しては外来種である。細胞中に移され/届けられると、ベクター中に含まれる異種起源
のポリヌクレオチドは、発現することができる(例えば、適切な場合には、転写され、翻
訳される)。あるいは、ベクター中に含まれ、細胞中の移された又は届けられた異種起源
のポリヌクレオチドは、発現される必要はない。「異種起源」という用語は、本明細書に
おいて必ずしもポリヌクレオチドに関して使用されるとは限らないが、「異種起源」との
修飾がないポリヌクレオチドへの言及が、その省略にもかかわらず異種起源のポリヌクレ
オチドを含むように意図されている。異種起源配列の一例は、対照標準核酸配列と比較し
てCpGジヌクレオチドの数が減少した核酸等のような、第IX因子をコードする核酸(
例えば、第IX因子をコードする修飾された核酸)であろう。
【0086】
「ポリヌクレオチド配列」によってコードされる「ポリペプチド」、「タンパク」及び
「ペプチド」は、天然のタンパクのような全長の天然配列のみならず、機能する部分配列
、修飾された形態又は配列変異体であって、天然の全長のタンパクの機能性をある程度保
持している部分配列、修飾された形態又は配列変異体を含む。本発明の方法及び使用にお
いて、ポリヌクレオチド配列によってコードされるそのようなポリペプチド、タンパク及
びペプチドは、不完全である内因性タンパク、又は、治療される哺乳動物においてその発
現が不十分であるか若しくは欠乏している内因性タンパクと同一であってもよいが、同一
である必要はない。
【0087】
本発明において、アデノウイルスベクターのような、また、AAV1、AAV2、AA
V3、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7、AAV8、AAV9、AAV10、A
AV11、Rh10、Rh74又はAAV-2i8及びAAV-Rh74変異体のような
関連AAV変異体(例えば、4-1、15-1、15-2、15-3/15-5、15-
4及び15-6のようなキャプシド変異体)を含むAAVベクターのようなレンチウイル
スベクター及びパーボウイルスベクターは、細胞及びその後代にポリヌクレオチドを安定
的に又は一時的に導入/送達するために使用することができる。本明細書において、「導
入遺伝子」との用語は、細胞又は生命体の中に導入された又は導入されるように意図され
た異種起源のポリヌクレオチドを便宜的に表すために使用される。導入遺伝子は、ポリペ
プチド又はタンパク(例えば、第IX因子)をコードする遺伝子のような、あらゆるポリ
ヌクレオチドを含む。
【0088】
例えば、導入遺伝子を有する細胞において、導入遺伝子は、AAVのようなベクター、
細胞の「形質導入」又は「トランスフェクション」によって導入/移動される。「形質導
入する」との用語及び「トランスフェクトする」との用語は、細胞又はホスト生物の中へ
のポリヌクレオチドのような分子の導入を表す。
【0089】
導入遺伝子が導入された細胞は「形質導入細胞」と呼ばれる。従って、「形質導入され
た」細胞(例えば、細胞又は組織又は器官細胞のような哺乳動物中のもの)は、外因性分
子(例えば、細胞中へのポリヌクレオチド又はタンパク(例えば、導入遺伝子))の取り
込み後の細胞における遺伝的変化を意味する。従って、「形質導入された」細胞は、例え
ば、外因性分子が導入された細胞又はその後代である。その細胞は増殖させることができ
、導入されたタンパクは発現され、又は、導入された核酸が転写される。遺伝子治療の使
用及び方法に関して、形質導入される細胞が被検体中に存在していてもよい。
【0090】
導入されるポリヌクレオチドは、レシピエントの細胞又は生物の核酸中に統合されても
よいし、統合されなくてもよい。導入されるポリヌクレオチドがレシピエントの細胞又は
生物の核酸(ゲノムDNA)中に統合される場合、その導入されるポリヌクレオチドは、
その細胞又は生物で維持され、さらに、そのレシピエントの細胞又は生物の子孫の細胞又
は生物に受け継がれるか又は継承される。最後に、導入される核酸は、レシピエントの細
胞又はホスト生物に一時的にだけ存在してもよい。
【0091】
遺伝子導入することができる細胞は、あらゆる起原(例えば、中胚葉、外胚葉又は内胚
葉)のあらゆる組織種又は器官種の細胞を含む。細胞の非限定的な例は、肝臓(例えば、
肝細胞、類洞内皮細胞)、膵臓(例えば、ベータ島細胞)、肺、脳(例えば、神経、神経
膠、又は、上衣細胞)若しくは脊椎のような中枢神経系若しくは末梢神経系、腎臓、眼(
例えば、レチナール、細胞成分)、脾臓、皮膚、胸腺、精巣、肺、横隔膜、心臓(心臓)
、筋肉若しくは腰筋、腸(例えば、内分泌腺)、脂肪組織(白、褐色又はベージュ)、筋
肉(例えば、繊維芽細胞)、滑膜細胞、軟骨細胞、破骨細胞、上皮細胞、内皮細胞、唾液
腺細胞、内耳神経細胞、又は、造血細胞(例えば、血液又はリンパ)を含む。さらなる例
は、肝臓(例えば、肝細胞、類洞内皮細胞)、膵臓(例えば、ベータ島細胞)、肺、脳(
例えば、神経、神経膠、又は、上衣細胞)若しくは脊椎のような中枢神経系若しくは末梢
神経系、腎臓、眼(例えば、レチナール、細胞成分)、脾臓、皮膚、胸腺、精巣、肺、横
隔膜、心臓(心臓)、筋肉若しくは腰筋、腸(例えば、内分泌腺)、脂肪組織(白、褐色
又はベージュ)、筋肉(例えば、繊維芽細胞)、滑膜細胞、軟骨細胞、破骨細胞、上皮細
胞、内皮細胞、唾液腺細胞、内耳神経細胞、又は、造血細胞(例えば、血液又はリンパ)
に進化又は分化することができる多能性又は分化多能性の前駆細胞のような幹細胞を含む
。
【0092】
一実施形態における「治療分子」は、細胞又は被検体におけるタンパクの欠如又は不足
に起因する症状を緩和又は低減することができるペプチドかタンパクである。あるいは、
導入遺伝子によってコードされる「治療」用のペプチド又はタンパクは、例えば、遺伝子
(発現又は機能的)欠陥を修正し、遺伝子欠損を修正するように、被検体に利益を与える
ものである。
【0093】
本発明に従った有用な遺伝子産物(例えば、治療用タンパク)をコードする異種起源の
ポリヌクレオチドの非限定的な例は、血友病A、血友病B、サラセミア病及び貧血のよう
な血液凝固疾患を含むが、これらに限定されない疾病又は疾患の治療において使用できる
ものを含む。
【0094】
本明細書に開示されている非限定的な遺伝子及びタンパクを含む、遺伝子産物をコード
するポリヌクレオチドの哺乳類及び哺乳類以外の形式のすべては、既知であっても既知で
なくても、明示的に含まれる。従って、本発明は、非哺乳動物、非ヒト哺乳動物、及び、
ヒトに由来する遺伝子及びタンパクであって、本明細書に記載されているヒトの遺伝子及
びタンパクと実質的に同様の態様で機能する遺伝子及びタンパクを含む。非ヒト哺乳類の
第IX因子配列の非限定的な例は、Yoshitakeら, 1985, supra; Kurachi ら, 1995, supr
a; Jallatら,1990, supra; Kurachi ら, 1982,Proc. Natl. Acad. Sci. USA 79:6461-646
4; Jayeら, 1983, Nucl. Acids Res. 11:2325-2335; Ansonら,1984, EMBO J. 3: 1053-10
60; Wuら,1990, Gene 86:275-278; Evansら, Proc Natl Acad Sci USA 86:10095 (1989),
Blood 74:207-212; Pendurthiら, 1992, Thromb.Res. 65:177-186; Sakar et al., 1990
, Genomics 1990, 6:133-143; 及び、Katayamaら, 1979, Proc. Natl. Acad. Sci.USA 76
:4990-4994に記載されている。
【0095】
ポリヌクレオチド、ポリペプチド及びそれらの部分配列は、修飾された形態及び変異体
形態を含む。本明細書で使用されているように、「修飾する」との用語又は「変異体」と
の用語並びにそれらの文法的な変形は、ポリヌクレオチド、ポリペプチド、又は、それら
の部分配列が参照配列から逸脱していることを意味する。従って、修飾された配列及び変
異体配列は、基準配列と実質的に同じ、より大きい、又は、より小さい活性又は機能を有
していてもよいが、少なくとも基準配列の部分な活性又は機能を保持していてもよい。特
別な実施形態において、修飾された核酸は、第IX因子をコードし、対照標準の第IX因
子をコードする核酸(例えば、ヒト又は他の哺乳類の第IX因子遺伝子配列のような野生
型の第IX因子配列)と比較して、CpGジヌクレオチドの数が少なくなるように修飾さ
れている。
【0096】
また、変異体は、機能の獲得又は損失した変異体を含む。例えば、野生型のヒト第IX
因子DNA塩基配列であって、そのタンパクの変異体又は変種が、活性を保持し、又は、
治療的に有効であるか、又は、変異体ではないヒト第IX因子と同等に又はさらに治療的
に活性であるものが、本発明の方法及び使用に含まれる。天然のヒト第IX因子変異体の
非限定的な一例において、「Padua」と呼ばれるヒト第IX因子は、位置338にお
いてR(アルギニン)に代えてL(ロイシン)を有する。Padua FIXは、Pad
ua変異がないヒト第IX因子と比較して、より大きい触媒活性及び凝固活性を有する。
ヒト第IX因子の残基338をアルギニンからアラニンに変更することは、触媒活性の向
上を生じさせる(Changら、J.Biol.Chem.、273:12089-94
、1998)。他の特別な一例において、コラーゲンIVは、第IX因子を捕捉する役割
を果たし、哺乳動物の筋組織中に導入されたときに、筋組織中の間質腔内に保持されるの
で、第IX因子のうちのいくらかが血液凝固への関与には利用可能でないことを意味する
。コラーゲンIVに対する結合が減少したタンパクが生じる第IX因子の配列の変異(例
えば、機能の損失)は、例えば、血友病の治療のために有用な変異である。そのような変
異体第IX因子遺伝子の一例は、成熟タンパクの始めから5番目のアミノ酸位置のリジン
に代えてアミノ酸アラニンを有するヒトFIXタンパクをコードする。
【0097】
修飾の非限定的な例は、導入遺伝子において他のジヌクレオチドによりCpGを置換す
ること(例えば、CpGジヌクレオチドの数が減少したFIXコード遺伝子のような、第
IX因子コード遺伝子)のような、1つ以上のヌクレオチド又はアミノ酸(例えば、1~
3個、3~5個、5~10個、10~15個、15~20個、20~25個、25~30
個、30~40個、40~50個又は50~100個以上のヌクレオチド又は残基)の置
換を含む。アミノ酸置換の一例は、キャプシド配列の保存アミノ酸の置換である。アミノ
酸置換の他の一例は、リジン残基に代えたアルギニン(例えば、4-1、15-1、15
-2、15-3/15-5、15-4及び/又は15-6のいずれかに記載されているリ
ジンのアルギニン置換の1つ以上)である。さらなる修飾は、基準配列への付加(例えば
、1~3個、3~5個、5~10個、10~15個、15~20個、20~25個、25
~30個、30~40個、40~50個又は50~100個以上のヌクレオチド又は残基
の挿入)、及び、基準配列の欠損(例えば、部分配列又はフラグメント)を含む。特別な
実施形態において、修飾された配列又は変異体配列は、修飾されていない配列の機能又は
活性の少なくとも一部を保持している。そのような修飾された形態及び変異体は、例えば
、本明細書に記載されている基準配列と同じ、より少ない、又は、より大きいが、少なく
とも部分的な機能又は活性を有していてもよい。
【0098】
本明細書に記載されているように、変異体は、1つ以上の非保存的な又は保存的なアミ
ノ酸配列の相違若しくは修飾又はその両方を有していてもよい。「保存的置換」は、生物
学的、化学的又は構造的に類似の残基による1つのアミノ酸の置換である。生物学的類似
は、その置換が生物活性を破壊しないことを意味する。構造的類似は、それらのアミノ酸
が、アラニン、グリシン及びセリンのように、同様の長さの側鎖を有するか、又は、同様
のサイズを有することを意味する。化学的類似は、それらの残基が同じ電荷を有している
か、又は、いずれもが親水性若しくは疎水性であることを意味する。特別な例は、イソロ
イシン、バリン、ロイシン又はメチオニンを他の1つに置換するような、1つの疎水性残
基の置換を他の1つの残基に置換すること、又は、リジンに代えたアルギニンによる置換
、アスパラギン酸に代えたグルタミン酸による置換、アスパラギンに代えたグルタミンに
よる置換、トレオニンに代えたセリンによる置換などのように、1つの極性残基を他の1
つの残基に置換することを含む。保存的置換の特別な一例は、イソロイシン、バリン、ロ
イシン若しくはメチオニンを他の1つに置換すること、及び、リジンに代えたアルギニン
による置換、アスパラギン酸に代えたグルタミン酸による置換、アスパラギンに代えたグ
ルタミンによる置換、トレオニンに代えたセリンによる置換などのような、1つの極性残
基を他の1つの残基に置換することを含む。例えば、保存アミノ酸置換は、典型的には、
以下のグループ:グリシン、アラニン;バリン、イソロイシン、ロイシン;アスパラギン
酸、グルタミン酸;アスパラギン、グルタミン;セリン、トレオニン;リジン、アルギニ
ン;及び、フェニルアラニン、チロシンの範囲内での置換を含む。また、「保存的置換」
は、置換されていない親アミノ酸に代えて置換されるアミノ酸の使用を含む。
【0099】
従って、本発明は、1つ以上の生物活性(例えば、血液凝固等の機能)を保持する(例
えば、本明細書に記載されているタンパクをコードするポリヌクレオチドの)遺伝子変異
体及びタンパク変異体を含む。変異体は、天然のポリヌクレオチド、タンパク又はペプチ
ドのような基準配列と異なっていてもよい。ポリヌクレオチド、タンパク又はポリペプチ
ドのそのような変異体は、そのポリヌクレオチド、タンパク又はポリペプチドが変更され
た特性又はさらなる特性を有するように組み換えDNA技術を使用して修飾された又は修
飾することができるタンパク又はポリペプチドを含む。
【0100】
ヌクレオチド配列レベルでは、天然の変異体遺伝子と非天然の変異体遺伝子は、基準遺
伝子に対して、典型的には少なくとも約50%、より典型的には約70%、さらに典型的
には約80%同一である。従って、例えば、CpGジヌクレオチドの数が減少したFIX
遺伝子は、野生型のFIX遺伝子に対して80%以上の同一性、又は、野生型のFIX遺
伝子に対して、80%~85%、85%~90%、90%~95%、又は、より高い(例
えば、野生型のFIX遺伝子に対して96%、97%、98%、99%の)同一性を有し
ていてもよい。
【0101】
アミノ酸配列レベルでは、天然の変異体タンパク又は非天然の変異体タンパクは、基準
タンパクに対して、典型的には少なくとも約70%同一であり、より典型的には約80%
同一であり、さらに典型的には約90%又はそれ以上同一である。とはいえ、非同一性の
本質的部位は、非保存領域に存在することが許される(例えば、60%未満、50%未満
又は40%未満のような70%のより小さい同一性)。他の実施形態において、配列は、
基準配列に対して少なくとも60%、70%、75%又はそれより高い同一性(例えば、
80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又はより高い同一性
)を有する。
【0102】
「同一性」、「相同」及びそれらの文法的変形は、2つ以上の言及されている構成要素
が、「整列された」配列である場合に、同じであることを意味する。従って、例として、
2つのポリペプチド配列が同一である場合、それらのポリペプチド配列は、少なくとも参
照された領域又は部分の範囲内において同じアミノ酸配列を有する。2つのポリヌクレオ
チド配列が同一である場合、それらのポリヌクレオチド配列は、少なくとも参照された領
域又は部分の範囲内において同じアミノ酸配列を有する。同一性は、配列の明らかにされ
ているエリア(領域又はドメイン)に亘るものであってもよい。同一性の「エリア」又は
「領域」は、参照される2つ以上の同一の構成要素の一部分を表す。従って、2つのタン
パク又は核酸配列が配列の1つ以上のエリア又は領域に亘って同一である場合、それらの
タンパク又は核酸配列は、その領域内での同一性を共有する。「整列された」配列は、複
数のポリヌクレオチド又はタンパク(アミノ酸)の配列を表し、多くの場合、基準配列と
比較して欠損した又は付加された塩基又はアミノ酸(ギャップ)のための訂正を含む。
【0103】
同一性は、配列の全長又は一部分に亘るものであってもよい。特別な態様において、同
一性パーセンテージを共有する配列の長さは、2個、3個、4個、5個又はそれ以上の連
続するポリヌクレオチド又はアミノ酸(例えば、6個、7個、8個、9個、10個、11
個、12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、19個、20個等の連
続するポリヌクレオチド又はアミノ酸)である。さらなる特別な態様において、同一性を
共有する配列の長さは、21個又はそれ以上の連続するポリヌクレオチド又はアミノ酸(
例えば、21個、22個、23個、24個、25個、26個、27個、28個、29個、
30個、31個、32個、33個、34個、35個、36個、37個、38個、39個、
40個の連続するポリヌクレオチド又はアミノ酸)である。さらなる特別な態様において
、同一性を共有する配列の長さは、41個又はそれ以上の連続するポリヌクレオチド又は
アミノ酸(例えば、42個、43個、44個、45個、45個、47個、48個、49個
、50個の連続するポリヌクレオチド又はアミノ酸)である。またさらなる特別な態様に
おいて、同一性を共有する配列の長さは、50個又はそれ以上の連続するポリヌクレオチ
ド又はアミノ酸(例えば、50個~55個、55個~60個、60個~65個、65個~
70個、70個~75個、75個~80個、80個~85個、85個~90個、90個~
95個、95個~100個、100個~110個等のような連続するポリヌクレオチド又
はアミノ酸)である。
【0104】
「相同の」との用語又は「相同性」との用語は、言及されている2つ以上の構成要素が
、所定の領域又は部分に亘って少なくとも部分的な同一性を共有することを意味する。相
同性又は同一性の「エリア、領域又はドメイン」は、言及されている2つ以上の構成要素
の一部が、相同性を共有するか又は同一であることを意味する。従って、2つの配列が1
つ以上の配列領域に亘って同一である場合、それらの2つの配列は、それらの領域におい
て同一性を共有する。「本質的な相同性」は、1つの分子が、該1つの分子が相同性を共
有している対照標準分子又は該対照標準分子の関連する/対応する領域若しくは部分の構
造又は機能(例えば、生物学的機能又は活性)の1つ以上の部分的な構造又は機能を少な
くとも有する又は有すると期待されるように構造的に又は機能的に保存されていることを
意味する。
【0105】
2つの配列間の同一性(相同性)の程度は、コンピュータプログラム及び/又は数学ア
ルゴリズムを使用して確認することができる。配列の同一性(相同性)パーセンテージを
計算するアルゴリズムは、一般的に、比較する領域又はエリアに亘って配列ギャップ及び
ミスマッチを説明する。例えば、BLAST(例えば、BLAST2.0)サーチアルゴ
リズム(例えば、Altschulら、J. Mol. Biol. 215:403
(1990)、NCBIにより公開されているものを参照されたい。)は:ミスマッチ-
2;ギャップオープン5;ギャップエクステンション2のような典型的なサーチパラメー
ターを有する。ポリペプチド配列比較のために、BLASTPアルゴリズムは、典型的に
は、PAM100、PAM250、BLOSUM62又はBLOSUM50のようなスコ
アリングマトリックスと組み合わせて使用される。FASTA(例えば、FASTA2及
びFASTA3)及びSSEARCH配列比較プログラムもまた、同一性の程度を定量す
るために使用される(Pearsonら、Proc. Natl. Acad. Sci
. USA 85:2444 (1988); Pearson, Methods M
ol Biol. 132:185 (2000); and Smithら、J. M
ol. Biol. 147:195 (1981))。ドローネーをベースとした位相
写像を使用してタンパク構造の類似性を定量するためのプログラムも開発されている(B
ostickら、Biochem Biophys Res Commun. 304:
320 (2003))。
【0106】
ポリヌクレオチドは、付加及び挿入(例えば、1つ以上の異種起源ドメイン)を含む。
付加(例えば、異種起源ドメイン)は、合成物に対する任意の種類の分子の共有結合又は
非共有結合であってもよい。典型的に、付加及び挿入(例えば、異種起源ドメイン)は、
補完的な又は別個の機能又は活性を付与する。
【0107】
付加及び挿入は、キメラ配列又は融合配列を含み、対照標準の天然(野性型)の配列に
通常は存在せず、配列に共有結合により結合した1つ又はそれ以上の分子を有するポリヌ
クレオチド又はタンパクの配列である。「融合」との用語又は「キメラ」との用語並びに
それらの文法的変形は、1つの分子に関して使用された場合、当該1つの分子の一部又は
部分が、その分子とは区別される(異種の)異なる構成要素を含み、それらが典型的には
天然では一緒に存在しないことを意味する。すなわち、例えば、融合又はキメラの1つの
部分は、天然には一緒に存在しない部分を含むか又は当該部分からなり、また、構造的に
区別されるものである。
【0108】
「ベクター」との用語は、プラスミド、ウイルス(例えば、AAVベクター)又は他の
輸送手段であって、ポリヌクレオチドの挿入又は組み込みによって操作されることができ
るものを表す。そのようなベクターは、細胞中にポリヌクレオチドを導入/移動し、並び
に、細胞中の挿入されたポリヌクレオチドを転写若しくは翻訳するために、遺伝子操作(
つまり、「クローニングベクター」)用に使用することができる。ベクター核酸配列は、
一般的に、細胞中での増殖のための複製開始点を少なくとも含み、任意に、異種起源ポリ
ヌクレオチド配列、発現制御因子(例えば、プロモーター、エンハンサー)、イントロン
、ITR、選択可能なマーカー(例えば、抗生物質耐性)、ポリアデニン(ポリアデニル
化とも呼ばれる)配列のようなさらなる因子を含む。
【0109】
ウイルスベクターは、ウイルスゲノムを含む1つ以上の核酸因子に由来し又は該核酸因
子をベースとしたものである。特別なウイルスベクターは、アデノ随伴ウイルス(AAV
)ベクターのようなレンチウイルス及びパーボウイルスベクターを含む。
【0110】
本明細書で使用されているように、「組み換え」との用語は、組み換えレンチウイルス
又は組み換えパーボウイルス(例えば、AAV)ベクターのように、ウイルスベクターの
修飾語として、並びに、組み換えポリヌクレオチド及び組み換えポリペプチドのように、
配列の修飾後として、その構成(例えば、AAV又は配列)が、通常天然には生じない態
様で操作されている(つまり、変更されている)ことを意味する。AAVベクターのよう
な組換えベクターの特別な一例は、野生型ウイルス(例えば、AAV)のゲノム中に通常
は存在しないポリヌクレオチドが、そのウイルスゲノム中に挿入されている場合であろう
。例えば、組み換えポリヌクレオチドの一例は、タンパクをコードする異種起源のポリヌ
クレオチド(例えば、遺伝子)がベクター中にクローンされた場合であって、5’、3’
領域及び/又はイントロン領域の有無にかかわらず、その遺伝子が通常はそのウイルス(
例えば、AAV)のゲノムの内部に結びついている場合であろう。「組み換え」との用語
は、本明細書において必ずしも、ウイルス及びAAVベクターのようなベクター、並びに
、ポリヌクレオチド及びポリペプチドのような配列に関して使用されるとは限られないが
、ウイルス、AAV、並びに、ポリヌクレオチド及びポリペプチドを含む配列の組み換え
形態は、あらゆるそのような省略にもかかわらず、明示的に含まれる。
【0111】
組み換えウイルスの「ベクター」又は「AAVベクター」は、ウイルス(例えば、AA
V)から野性型ゲノムを取り除くための分子法を使用すること及び非天然の核酸で置換す
ることによるAAVのように、また、異種起源ポリヌクレオチド配列(例えば、CpGジ
ヌクレオチドの数が減少したFIXのような、ヒトFIXをコードする修飾された核酸配
列)のように、ウイルスの野性型ゲノムに由来する。AAVに関して、典型的には、AA
Vゲノムの1つ又は両方の逆方向末端反復(ITR)配列は、AAVベクター中に保持さ
れる。「組み換え」ウイルスベクター(例えば、AAV)は、そのウイルスゲノムのすべ
て又は一部が、異種起源ポリヌクレオチド配列(例えば、CpGジヌクレオチドの数が減
少したFIXのような、ヒトFIXをコードする修飾された核酸配列)のように、ウイル
ス(例えば、AAV)のゲノムの核酸に対して非天然である配列で置換されているので、
ウイルス(例えば、AAV)のゲノムとは区別される。従って、非天然の配列の組み込み
(例えば、CpGジヌクレオチドの数が減少したFIXのような、ヒトFIXをコードす
る修飾された核酸配列)は、そのウイルスベクター(例えば、AAV)を「組み換え」ベ
クターとして定義し、AAVの場合には、「rAAVベクター」と称することができる。
【0112】
組換えベクター(例えば、レンチ、パーボ、AAV)配列は、その後のエクスビボ、イ
ンビトロ又はインビボにおける細胞の感染(遺伝子導入)のために、本明細書において「
粒子」と呼ばれるものに包まれてもよい。組換えベクター配列がAAV粒子中にキャプシ
ド包膜又される又は包まれる場合、その粒子を「rAAV」と呼ぶことができる。そのよ
うな粒子は、ベクターゲノムをキャプシド包膜する又は包むタンパクを含む。特別な例は
、ウイルスエンベロープタンパクを含み、AAVの場合には、キャプシドタンパクを含む
。
【0113】
組み換えプラスミドに関して、ベクター「ゲノム」は、組み換えプラスミド配列の部分
であって、最終的に包まれるか又はキャプシド包膜されてウイルス(例えば、AAV)粒
子を形成する部分を表す。組み換えベクターを構築又は製造するために組み換えプラスミ
ドが使用される場合、ベクターゲノムは、その組み換えプラスミドのベクターゲノム配列
に対応しない「プラスミド」の部分を含まない。組み換えプラスミドのこの非ベクターゲ
ノム部分は、「プラスミド骨格」と呼ばれ、増殖及び組み替えウイルス生産に必要とされ
るプロセスである、プラスミドのクローニング及び増殖にとって重要であるが、それ自体
は、ウイルス(例えば、AAV)粒子中に包まれ又はキャプシド包膜されない。
【0114】
従って、ベクター「ゲノム」は、ウイルス(例えば、AAV)によって包まれる又はキ
ャプシド包膜され、異種起源ポリヌクレオチド配列を含むベクタープラスミドの部分を表
す。組み換えプラスミドの非ベクターゲノム部分は、「プラスミド骨格」であり、そのプ
ラスミド骨格は、プラスミドのクローニング及び増殖にとって重要であり、例えば、カナ
マイシンのような選択可能なマーカーを有するが、組み換えプラスミドの非ベクターゲノ
ム部分は、ウイルス(例えば、AAV)によってそれ自体が包まれ又はキャプシド包膜さ
れない。
【0115】
ベクターゲノムをキャプシド包膜する/包むrAAVの量は、例えば、定量的PCRに
よって測定することができる。例えば、この分析は、リアルタイム定量的ポリメラーゼ連
鎖反応によって、包まれているベクターゲノムの物理的な数を測定し、例えば、バルクA
AVベクター及び最終生産物に対して、製造/精製工程の様々な段階で行うことができる
。
【0116】
組み換えベクター配列は、ポリヌクレオチドの挿入又は組み込みによって操作される。
本明細書に開示されているように、ベクタープラスミドは、一般に、細胞における増殖の
ための複製開始点と、1つ又はそれ以上の発現制御因子とを少なくとも含む。
【0117】
AAVベクターを含むベクター配列は、1つ以上の「発現制御因子」を含んでいてもよ
い。典型的には、発現制御因子は、作用可能に連結したポリヌクレオチドの発現に影響を
及ぼす核酸配列である。プロモーター及びエンハンサーのような本明細書に記載されてい
る発現制御因子を含む、ベクター内に現在する制御因子は、適切な異種起源ポリヌクレオ
チドの転写、及び、適切な場合には、翻訳を促進するために含まれている(例えば、プロ
モーター、エンハンサー、イントロンのためのスプライシングシグナル、mRNAのイン
フレーム翻訳を可能にする遺伝子の正確なリーディングフレームのメンテナンス、及び、
停止コドン等)。そのような因子は、典型的にはシスで作用し、「シス作用する」因子と
呼ばれるが、トランスで作用してもよい。
【0118】
発現制御は、転写、翻訳、スプライシング、メッセージ安定性などのレベルで達成する
ことができる。典型的には、転写を調整する発現制御因子は、転写されるポリヌクレオチ
ドの(例えば、CpGジヌクレオチドの数が減少したFIXのような、第IX因子をコー
ドする修飾された核酸の)5’末端の近く(つまり、「上流に」)に配置される。発現制
御因子は、転写配列の3’端末(つまり、「下流」)に配置されてもよいし、又は、転写
物内に(例えば、イントロン中に)配置されてもよい。発現制御因子は、転写配列と隣接
して配置されてもよいし、又は、距離を置いて(例えば、そのポリヌクレオチドから、1
~10個、10~25個、25~50個、50~100個、100~500個、又は、そ
れより多いヌクレオチド)、かなりの距離をおいて配置されていてもよい。しかしながら
、AAVベクターのような特定のベクターのポリヌクレオチド長さ制約のために、そのよ
うな発現制御因子は、典型的には、転写されるポリヌクレオチドから1~1000個のヌ
クレオチドの範囲内に存在するであろう。
【0119】
機能的に、作用可能に連鎖した異種起源ポリヌクレオチドの発現は、その因子(例えば
、プロモーター)がポリヌクレオチドの転写、及び、必要に応じて、転写物の翻訳を調整
するように、その因子によって少なくとも部分的には制御可能である。発現制御因子の具
体例は、通常は転写配列の5’に配置されるプロモーターである。発現制御因子の他の一
例は、転写配列の5’、3’に、又は、転写配列内に配置されることができるエンハンサ
ーである。
【0120】
本明細書で使用されているように、「プロモーター」は、組み換え産物をコードするポ
リヌクレオチド配列と隣接した位置にある核酸(例えば、DNA)配列を表すことができ
る。プロモーターは、典型的には、隣接した配列(例えば、異種起源ポリヌクレオチド、
例えば第IX因子をコードする修飾された核酸)に作用可能に連結されている。プロモー
ターは、典型的には、プロモーターが存在しない場合に発現される量と比較して、異種起
源のポリヌクレオチドから発現される量を増加させる。
【0121】
本明細書で使用されているように、「エンハンサー」は、異種起源のポリヌクレオチド
と隣接した位置にある配列を表すことができる。エンハンサーは、典型的にはプロモータ
ー因子の上流に位置するが、DNA配列(例えば、異種起源ポリヌクレオチド)の下流に
又は該DNA配列内に配置されることも可能であり、機能する。従って、エンハンサーは
、異種起源のポリヌクレオチドの100塩基対、200塩基対又は300塩基対以上上流
又は下流に配置されることが可能である。エンハンサーは、典型的には、プロモーター因
子によって与えられる発現増加を超えて、発現される異種起源のポリヌクレオチドを増加
させる。
【0122】
発現制御因子(例えば、プロモーター)は、特定の組織種又は細胞種において活性なも
のを含み、本明細書において「組織特異的発現制御因子/プロモーター」と呼ばれる。組
織特異的な発現制御因子は、典型的には、特定の細胞又は組織(例えば、肝臓、脳、中枢
神経系、脊髄、目、網膜、硬骨、筋肉、肺、膵臓、心臓、腎臓細胞等)において活性であ
る。発現制御因子は、その発現制御因子が、特定の細胞種、組織種又は器官種に対してユ
ニークである転写活性化因子タンパク又は転写の他の制御因子によって認識されるので、
典型的にはこれらの細胞、組織又は器官において活性である。
【0123】
骨格筋において活性なプロモーターの例は、骨格α-アクチン、ミオシン軽鎖2A、ジ
ストロフィン、筋クレアチンキナーゼをコードする遺伝子に由来するプロモーター、及び
、天然のプロモーターより高い活性を有する合成筋肉プロモーターを含む(例えば、Li
ら、Nat.Biotech、17:241-245(1999)参照)。肝臓に対して
組織特異的であるプロモーターの例は、ヒト・アルファ1抗トリプシン(hAAT)プロ
モーターである;特に、albumin, Miyatake, et al. J.
Virol., 71:5124-32 (1997); hepatitis B v
irus core promoter, Sandig,ら、Gene Ther.
3:1002-9 (1996); alpha-fetoprotein (AFP)
, Arbuthnot, ら、Hum. Gene. Ther., 7:1503-
14 (1996)], bone (osteocalcin, Stein,ら、M
ol. Biol. Rep., 24:185-96 (1997); bone s
ialoprotein, Chen, ら、J. Bone Miner. Res.
11 :654-64 (1996)), lymphocytes (CD2, H
ansal, ら、J. Immunol., 161:1063-8 (1998);
immunoglobulin heavy chain; T cell rece
ptor a chain), neuronal (neuron-specific
enolase (NSE) promoter, Andersen, ら、Cel
l. Mol. Neurobiol., 13:503-15 (1993); ne
urofilament light-chain gene, Piccioli,
ら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 88:5611-5
(1991); the neuron-specific vgf gene, Pi
ccioli, ら、Neuron, 15:373-84 (1995)参照。肝臓に
おいて活性なエンハンサーの一例は、アポリポタンパクE(apoE)HCR-1及びH
CR-2である(Allanら、J. Biol. Chem. 272:29113-
19 (1997))。
【0124】
発現制御因子は、さらに多くの異種細胞タイプ中でポリヌクレオチドの発現を駆り立て
ることができる、遍在か乱雑なプロモーター/エンハンサーを含む。そのような因子は、
サイトメガロウイルス(CMV)即初期プロモーター/エンハンサー配列、ラウス肉腫ウ
イルス(RSV)プロモーター/エンハンサー配列及び様々な哺乳動物細胞タイプにおい
て活性な他のウイルスプロモーター/エンハンサー、又は、天然には存在しない合成因子
(例えば、Boshartら、Cell、41:521-530(1985))、SV4
0プロモーター、ジヒドロ葉還元酵素プロモーター、細胞質β-アクチン・プロモーター
、及び、ホスホ・グリセロール・キナーゼ(PGK)プロモーターを含むが、これらに限
定されるものではない。
【0125】
発現制御因子は、制御可能な態様で発現を与えることができる。すなわち、シグナル又
は刺激は、作用可能に連鎖した異種起源ポリヌクレオチドの発現を増加又は減少させる。
シグナル又は刺激に応じて作用可能に連結したポリヌクレオチドの発現を増加させる制御
可能な因子は、「誘導可能な因子」と呼ばれる(つまり、シグナルによって誘導されるも
のである)。特別な例は、ホルモン(例えば、ステロイド)誘導プロモーターを含むが、
それに限定されるものではない。シグナル又は刺激に応じて作用可能に連結したポリヌク
レオチドの発現を減少させる制御可能な因子は、「抑制性因子」と呼ばれる(つまり、そ
のシグナルは、そのシグナルが除去又は不存在であるときに、発現が増加するように、発
現を減少させる)。典型的には、そのような因子によって与えられる増加又は減少は、存
在するシグナル又は刺激の量に比例し;シグナル又は刺激の量が多いほど、発現の増加又
は減少が大きい。特別な非限定的な例は、亜鉛誘導性のヒツジ・メタロチオネイン(MT
)プロモーター;ステロイドホルモン誘導性のマウス乳腺腫瘍ウイルス(MMTV)プロ
モーター;T7ポリメラーゼ・プロモーター・システム(WO98/10088);テト
ラサイクリン抑制システム(Gossenら、Proc. Natl. Acad. S
ci. USA, 89:5547-5551 (1992));テトラサイクリン誘導
系;(Gossenら、Science、268:1766-1769(1995);H
arveyら、Curr. Opin. Chem. Biol. 2:512-518
(1998))も参照;RU486誘導系(Wangら、Nat.Biotech.1
5:239-243(1997)、及び、Wangら、Gene Ther. 4:43
2-441 (1997);及び、ラパマイシン誘導系(Magariら、J. Cli
n. Invest. 100:2865-2872(1997);Riveraら、N
at. Medicine. 2:1028-1032 (1996)。この文脈におい
て有用な他の制御可能な制御因子は、特定の生理的状態(例えば、体温、急性期、発生)
によって制御されるものである。
【0126】
また、発現制御因子は、異種起源のポリヌクレオチドのための天然の因子を含む。異種
起源のポリヌクレオチドの発現が天然の発現を模倣することが望まれる場合、天然の制御
因子(例えば、プロモーター)を使用することができる。異種起源のポリヌクレオチドの
発現が、一時的に若しくは発展的に、又は、組織特異的な態様で、又は、特定の転写刺激
に応じて、制御されることになる場合、天然の因子を使用することができる。イントロン
、ポリアデニル化部位又はKozakコンセンサス配列のような他の天然の発現制御因子
を使用することもできる。
【0127】
本明細書で使用されているように、「作用可能な連結」又は「作用可能に連結された」
との用語は、複数の構成要素の物理的又は機能的な隣接配置であって、意図した態様でそ
れらが機能することを可能にするものを表す。核酸との作用可能な連結における発現制御
因子の例において、その関係は、制御因子が核酸の発現を調整する状態である。より詳し
くは、例えば、作用可能に連結した2つのDNA塩基配列は、2つのDNAが、それらの
DNA塩基配列の少なくとも1つが他の配列に対して生理的影響を及ぼすことができる関
係で配置されている(シス又はトランス)ことを意味する。
【0128】
従って、ヒトFIXタンパクをコードする修飾された核酸配列、並びに、AAVベクタ
ーを含むレンチウイルスベクター及びパルボウイルスベクターのようなウイルスベクター
を含むベクター及びプラスミドに加えて、それらの組成物は、さらなる核酸因子を含んで
いてもよい。これらの因子は、限定されるものではないが、AAV ITR配列、発現制
御(例えば、プロモーター/エンハンサー)因子、転写終結シグナル若しくは停止コドン
、ポリヌクレオチドに隣接する配列5’若しくは3’の非翻訳領域(例えば、ポリアデニ
ル化(polyA)配列)、又は、ゲノムヒト第IX因子(配列番号:13)のイントロ
ンIのすべて又は一部分のようなイントロンの1つ又は以上のコピーを含む。
【0129】
核酸因子は、例えば、詰め込みを改良して混入核酸の存在を減らすために(例えば、プ
ラスミド骨格の詰め込みを減らすために)、例えば、フィラー配列又はスタッファポリヌ
クレオチド配列をさらに含む。本明細書に開示されているように、AAVベクターは、典
型的には、一般には約4kb~約5.2kb又はそれよりわずかに大きい定義された範囲
のサイズを有するDNAの挿入物を取り込む。従って、より短い配列については、ウイル
ス粒子中に詰め込むAAVベクターのために許容できるウイルスゲノム配列の正常なサイ
ズに又はそれに近いサイズになるように長さを調節するために、挿入物フラグメント中に
スタッファー又はフィラーを含めてもよい。いくつかの実施形態において、フィラー核酸
配列/スタッファー核酸配列は、核酸の翻訳されない(タンパクをコードしない)セグメ
ントである。AAVベクターの特定の実施形態において、異種起源ポリヌクレオチド配列
は、4.7kb未満の長さを有し、フィラー配列又はスタッファポリヌクレオチド配列は
、その異種起源ポリヌクレオチド配列と結合した(例えば、ベクターに挿入された)場合
、概ね3.0kb~5.5kb、又は、概ね4.0kb~5.0kb、又は、概ね4.3
kb~4.8Kbの全体長さを有する。
【0130】
イントロンは、ウイルス粒子中に詰め込むAAVベクターの長さを達成するためのフィ
ラー配列又はスタッファポリヌクレオチド配列として機能することもできる。フィラーポ
リヌクレオチド配列又はスタッファポリヌクレオチド配列としての機能するイントロン及
びイントロンフラグメント(例えば、FIXのイントロンIの一部分)は、発現を増大さ
せることもできる。イントロン因子の包含は、イントロン因子が存在しない状態における
発現と比較して、発現を増大させることができる(Kurachiら、1995、sup
ra)。
【0131】
イントロンの使用は、第IX因子イントロンI配列の包含に限定されるものではないが
、他のイントロンも含み、そのイントロンは、同じ遺伝子に関係していてもよいし(例え
ば、核酸が第IX因子をコードする場合、イントロンは、第IX因子のゲノムの配列中に
存在するイントロンに由来する)、又は、完全に異なる遺伝子若しくは他のDNA塩基配
列と関連していてもよい。また、従って、同族の(関連する)遺伝子(異種起源ポリヌク
レオチド配列が、ゲノムの配列によってコードされる同じタンパクのすべて又は一部分を
コードする)、及び、非同族の(無関係な)遺伝子(異種起源ポリヌクレオチド配列が、
ゲノム配列によってコードされるタンパクとは区別されるタンパクをコードする)に由来
するゲノム配列に見られるイントロンのような、核酸の他の翻訳されていない(タンパク
をコードしない)領域は、本発明に従ってフィラーポリヌクレオチド配列又はスタッファ
ポリヌクレオチド配列として機能することもできる。
【0132】
本明細書で用いられているように、「イントロンIの一部分」は、約0.1kbから約
1.7kbまでのヌクレオチド長さを有するイントロンIの領域であって、イントロンI
の一部分が存在しない状態でのFIXの発現と比較したときに、典型的には、プラスミド
又はウイルスベクターのテンプレート上での第IX因子の発現を約1.5倍又はそれ以上
増大させる領域を意味する。より特殊な一部分は、イントロンIの1.3kbの部分であ
る。第IX因子イントロンIの配列の非限定的な一例は、配列番号:13に記載されてい
るFIX第1のイントロンの5’部分及び3’部分で構成されたキメラである、イントロ
ンAである。
【0133】
発現制御因子、ITR、ポリA配列、フィラー配列、又は、スタッファポリヌクレオチ
ド配列は、長さが変わっていてもよい。特別な態様において、発現制御因子、ITR、p
olyA、又は、フィラーポリヌクレオチド配列若しくはスタッファポリヌクレオチド配
列は、概ね、1~10、10~20、20~30、30~40、40~50、50~60
、60~75、75~100、100~150、150~200、200~250、25
0~300、300~400、400~500、500~750、750~1000、1
000~1,500、1500~2000、又は、2000~2500のヌクレオチド長
さの配列である。
【0134】
非限定的な一実施形態によれば、AAVベクターは、4-1キャプシド変異体VP1タ
ンパク(配列番号:4)含むAAVキャプシドと、形質導入された哺乳動物細胞において
異種遺伝子を発現するためのゲノムとを含む。
【0135】
このベクターのキャプシドは、4-1キャプシド変異体に由来するVP2タンパク及び
VP3タンパクを含む(それぞれ、配列番号:27及び配列番号:3)。特定の非限定的
な実施形態によれば、VP1タンパク及びVP2タンパクは、概ね1:1(又は、また別
の比率)の理論混合比で存在し、VP3タンパクは、VP1若しくはVP2のいずれかに
対して、又は、VP1及びVP2の両社に対して、概ね、5:1、6:1、7:1、8:
1、9:1、10:1、11:1、12:1、13:1、14:1、15:1、16:1
、17:1、18:1、19:1、20:1に近い比率で、又は、また別の比率で存在す
る。
【0136】
いくつかの実施例において、4-1キャプシド変異体タンパク(VP1、VP2、VP
3)を含むキャプシドを有するものを含むが、それに限定されないAAVベクターのゲノ
ムは、ヒト第IX因子(FIX)タンパクをコードする異種起源の核酸配列を含む。いく
つかの実施形態において、FIXタンパクは、野性型であり、他の実施形態においては、
FIXタンパクは、そのタンパクの活性を変化させる置換変異又は他の変異を含む。いく
つかの実施形態において、変異は、FIX触媒活性、及び/又は、凝固促進剤としてのそ
のタンパクの活性を増大させる。いくつかの実施形態において、FIXタンパクは、Pa
dua FIXタンパクであり、FIXタンパクの位置338に対応するアミノ酸におけ
るアルギニンからアラニンへの置換を有する。いくつかの実施形態によれば、ヒトFIX
(FIX Paduaを含む)をコードする遺伝子は、例えば、CpGジヌクレオチドを
短縮又は除去することにより、最適化されたコドンである。他のタイプのコドン最適化は
同様に可能である。
【0137】
いくつかの実施形態において、AAVベクターのゲノムは、ゲノムの左端及び右端(つ
まり、それぞれ、5’末端及び3’末端)に配置されている、AAV2に由来する逆方向
末端反復(ITR)をさらに含む。いくつかの実施形態において、左のITRは、配列番
号:12に由来するヌクレオチド1~141(本明細書に配列番号:13として開示され
ている)を含むか若しくは該ヌクレオチドからなり、また、右のITRは、配列番号12
に由来するヌクレオチド4097~4204(本明細書に配列番号:20として開示され
ている)を含むか若しくは該ヌクレオチドからなる。各ITRは、可変長の核酸配列によ
って、ベクターゲノム中の他の因子から隔てられていてもよい。
【0138】
他の実施形態において、AAVベクターのゲノムは、プロモーターを含む発現制御因子
をさらに含み、また、任意にエンハンサーをさらに含む。いくつかの実施形態において、
AAVベクターゲノムは、プロモーターとエンハンサーの両者を含み、それらは、恒常的
、誘導性、又は、組織特異的であってもよい。いくつかの実施形態において、プロモータ
ー、エンハンサー、又は、両方は、組織特異的である。典型的な実施形態によれば、エン
ハンサーとプロモーターの両方は、他の特定の細胞種と比較して、肝細胞において選択的
に活性である。一実施形態によれば、エンハンサーは、ヒトApoE HCR-1エンハ
ンサーの全体又は一部分であり、また、プロモーターは、ヒト・アルファ-1抗トリプシ
ン(AAT)プロモーターの全体又は一部分である。いくつかの実施形態において、AA
Vベクターゲノムは、配列番号:12に由来するヌクレオチド152~472(本明細書
に配列番号:14として開示されている)を含むか又は当該ヌクレオチドからなるApo
E HCR-1エンハンサーを含み、また、配列番号:12に由来するヌクレオチド48
2~878(本明細書に配列番号:15として開示されている)を含むか又は該ヌクレオ
チドからなるAATプロモーターを含む。いくつかの実施形態において、ApoE HC
R-1エンハンサーは、AATプロモーターの5’に配置されており、それらの配列は、
隣接していてもよいし又は他のヌクレオチド配列によって隔てられていてもよい。いくつ
かの実施形態によれば、エンハンサーとプロモーターは、第IX因子をコードする核酸配
列の5’に配置されており、また、第IX因子遺伝子の第1のエクソンに隣接して結合さ
れていてもよいし、又は、ヒト第IX因子遺伝子に由来する5’非翻訳配列(UTR)若
しくはスペーサーとして機能するある他の配列によってそこから隔てられていてもよい。
典型的な非限定的一実施形態において、5’UTR配列は、配列番号:12に由来するヌ
クレオチド879~907を含むか又は当該ヌクレオチドからなる。
【0139】
いくつかの実施例において、天然のFIX Paduaを含む、FIXをコードする遺
伝子は、ヒト第IX因子のゲノム配列中に存在する1つ又はそれ以上のイントロンを含む
。他の実施形態において、すべてのイントロンが除外されていてもよく、その一例は、配
列番号:10の核酸配列として開示されており、また、本明細書において「FIX39」
のためのコーディング配列と呼ばれる。存在する場合、イントロンは、本明細書に記載さ
れているように、スタッファー配列又はフィラー配列として作用することができる。遺伝
子全体が、CpGジヌクレオチドを減少又は除去するように、コドン最適化されていても
よい。
【0140】
特別の非限定的一実施形態において、AAVベクター中で使用されるヒト第IX因子を
コードする遺伝子は、配列番号:12に由来するヌクレオチド908~3731を含むか
又は当該ヌクレオチドからなり、そのヌクレオチドは、FIX Paduaをコードし、
CpGジヌクレオチドを除去するようにコドン最適化されている。この配列は、エクソン
1(配列番号:12に由来するヌクレオチド908~995)、第1のイントロン(時々
イントロンIとして知られている;配列番号:12に由来するヌクレオチド996~24
33)、及び、エクソン2~8(配列番号:12に由来するヌクレオチド2434-37
31)を含む。
【0141】
ある実施形態において、第IX因子をコードする遺伝子は、その3’端末に、ヒト第I
X因子遺伝子に由来する3’UTR配列(配列番号:12に由来するヌクレオチド373
2~3779のような、これに限定されないもの)、及び/又は、第IX因子遺伝子若し
くは他の遺伝子に由来するポリアデニレート(polyA)配列が、繋がっていてもよい
。非限定的な一例において、polyA配列は、ウシ成長ホルモン(bGH)遺伝子に由
来してもよく、また、配列番号:12に由来するヌクレオチド3820~4047を含む
か又は当該ヌクレオチドからなるものであってもよい。いくつかの実施形態において、3
’UTRは、ヌクレオチドの介在配列によってpolyA配列から可変的に間隔を置いて
配置されていてもよい。
【0142】
いくつかの実施形態において、上述されている因子は、1つのAAVベクターゲノム中
に組み合わされてもよい。非限定的な一例によれば、AAVベクターは、5’から3’の
順序で、左のAAV ITR、ApoE HCR-1エンハンサー(又はその一部分)、
hAATプロモーター(又はその一部分)、ヒト第IX因子5’UTRの一部分、ヒト第
IX因子Paduaをコードする核酸(イントロンIのような、1つ以上のイントロンを
任意に含む)、ヒト第IX因子3’UTRの一部分、bGHに由来するpolyA配列(
又は、その一部分)、及び、右のAAV2 ITRを含むゲノムを有していてもよい。こ
れらの実施形態のいくつかにおいて、左のAAV2 ITRは、配列番号:13の核酸配
列を有し;ApoE HCR-1エンハンサーは、配列番号:14の核酸配列を有し;h
AATプロモーターは、配列番号:15の核酸配列を有し;5’UTRは、配列番号:1
6の核酸配列を有し;FIX Paduaをコードする遺伝子(イントロンIを含む)は
、配列番号:10の核酸配列によってコードされるFIXタンパクをコードし;3’UT
Rは、配列番号:18の核酸配列を有し;polyA領域は、配列番号:19の核酸配列
を有し;また、右のAAV2 ITRは、配列番号:20の核酸配列を有する。
【0143】
ある実施形態によれば、AAVベクターのゲノムは、配列番号:12に由来するヌクレ
オチド1~4204、又は、当該ヌクレオチドに対して少なくとも95%、96%、97
%、98%又は99%同一である配列を含むか、又は、当該ヌクレオチド若しくは配列か
らなる。これらの実施形態のいくつかにおいて、キャプシドは、4-1 VP1キャプシ
ドタンパク変異体(配列番号:4)及び対応するVP2及びVP2キャプシドタンパクを
含む。AAVベクターの特定の非限定的一実施形態において、本明細書において「AAV
-FIX39Padua」と呼ばれ、そのベクターは、4-1キャプシド変異体タンパク
(VP1、VP2、VP3)から形成されたキャプシド、及び、配列番号:12に由来す
るヌクレオチド1~4204に対応する核酸配列を含む単鎖のゲノムを含む。
【0144】
本明細書で用いられているように、AAV「空キャプシド」は、AAVベクターゲノム
を含む「キャプシドを含むゲノム」とは対照的に、ベクターゲノムを含んでいない(従っ
て、「中空」との用語)。空キャプシドは、完全な(AAVベクターを含むゲノム)ウイ
ルスと反応する1つ又はそれ以上の抗体と反応するという点でウイルス様粒子である。
【0145】
空キャプシドは、AAVベクター調合物中に含まれていてもよい。もし望まれれば、A
AV空キャプシドは、AAVベクター調合物中に加えられてもよいし、又は、本明細書中
の方法に従って被検体に別々に投与されてもよい。
【0146】
理論によって拘束されることを意図しないが、AAV空キャプシドは、AAVベクター
に対する抗体と結合又は反応し、それによって、AAVベクターの不活性化を減らすため
のおとりとして機能すると信じられている。そのようなおとりは、AAVベクターを対象
とする抗体を吸収するように作用し、それによって、細胞のAAVベクター導入遺伝子の
形質導入(導入遺伝子の導入)を増加又は改良し、次に、転写物及び/又はコードされる
タンパクの細胞発現を増加させる。
【0147】
空キャプシドは、生成して所定の品質に精製することができ、その量を決定することが
できる。例えば、空キャプシドの濃度滴定は、(Sommerら、Mol. Ther.
2003 Jan;7(1):122-8に基づいて)280nmの波長における光学
密度による吸光度測定法によって測定することができる。
【0148】
空のAAV又は空キャプシドは、時々、AAVベクター調合物中に天然に見つかる。そ
のような天然の混合物は、本発明に従って使用することができ、又は、もし望まれれば、
空キャプシド及び/又はベクターの量を増加又は減少させるために操作されてもよい。例
えば、空キャプシドの量は、任意に、被検体中でのベクターを介した遺伝子導入に使用さ
れるように意図されているAAVベクターと反応する抗体の阻害作用を減らすと予想され
る量に調節されてもよい。空キャプシドの使用は、米国公報2014/0336245に
記載されている。
【0149】
いくつかの実施形態において、AAV空キャプシドは、AAVベクターと共に調剤され
、及び/又は、被検体に投与される。特別な態様において、AAV空キャプシドは、より
少ない量又は同じ量のベクターと共に(例えば、AAV空キャプシドに対して1.5倍~
100倍のAAVベクター、又は、AAV空キャプシドに対するAAVベクターの比率が
約1:1で)調剤される。他の特別な態様において、AAVベクターは、過剰なAAV空
キャプシド(例えば、AAVベクターに対して1倍超のAAV空キャプシド、例えば、A
AVベクターに対して1.5倍~100倍のAAV空キャプシド)と共に調剤される。任
意に、低位からネガティブまでの滴定濃度AAV中和抗体を有する被検体は、より小さい
量の空キャプシド(AAVベクターに対して1~10倍のAAV空キャプシド、AAVベ
クターに対して2~6倍のAAV空キャプシド、又は、AAVベクターに対して約4~5
倍のAAV空キャプシド)を受け取ることができる。
【0150】
ある実施形態によれば、AAVベクターを含む医薬組成物は、組成物中に、4-1キャ
プシド変異体タンパク(VP1、VP2及びVP3)を含むものを含み、AAVベクター
(つまり、ベクターゲノムを含むもの)の濃度より多い過剰な空キャプシドを含む。AA
Vベクターに対する空キャプシドの比率は、概ね、1.1、1.2、1.3、1.4、1
.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2
.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、3
.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4.0、4.1、4.2、4.3、4.4、4
.5、4.6、4.7、4.8、4.9、5.0、5.1、5.2、5.3、5.4、5
.5、5.6、5.7、5.8、5.9、6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6
.5、6.6、6.7、6.8、6.9、7.0、7.1、7.2、7.3、7.4、7
.5、7.6、7.7、7.8、7.9、8.0、8.1、8.2、8.3、8.4、8
.5、8.6、8.7、8.8、8.9、9.0、9.1、9.2、9.3、9.4、9
.5、9.6、9.7、9.8、9.9、10~1であってもよいし、又は、また別の比
率であってもよい。
【0151】
いくつかの実施形態において、空キャプシドは、AAVベクター中に存在するのと同じ
VP1キャプシドタンパク、VP2キャプシドタンパク及びVP3キャプシドタンパクを
含む。他の実施形態において、空キャプシドは、AAVベクターでみられるものとは異な
るアミノ酸配列を有するVP1タンパク、VP2タンパク及びVP3タンパクを含む。必
ずではないが、典型的には、空キャプシドのキャプシドタンパクとAAVベクターのキャ
プシドのキャプシドタンパクとが配列同一でない場合、それらは同じ血清型のものであろ
う。
【0152】
いくつかの実施形態によれば、組成物は、AAV-FIX39 Padua(又は、同
じキャプシドを有するもの、及び、少なくとも95%、96%、97%、98%、又は、
99%同一のゲノム配列を有するもの)のような本明細書に記載されているAAVベクタ
ーと、任意に、同じキャプシドタンパクを含む過剰の空キャプシドとを含み、AAVベク
ターに対する前記空キャプシドの比率は、概ね、1.1、1.2、1.3、1.4、1.
5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.
5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、3.
5、3.6、3.7、3.8、3.9、4.0、4.1、4.2、4.3、4.4、4.
5、4.6、4.7、4.8、4.9、5.0、5.1、5.2、5.3、5.4、5.
5、5.6、5.7、5.8、5.9、6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.
5、6.6、6.7、6.8、6.9、7.0、7.1、7.2、7.3、7.4、7.
5、7.6、7.7、7.8、7.9、8.0、8.1、8.2、8.3、8.4、8.
5、8.6、8.7、8.8、8.9、9.0、9.1、9.2、9.3、9.4、9.
5、9.6、9.7、9.8、9.9、10~1、又は、また別の比率である。いくつか
の実施形態において、組成物中の空キャプシドに対するAAV-FIX39 Padua
の比率は、約1:5である。他の実施形態において、AAV-FIX39 Paduaと
空キャプシドとを含む組成物は、重度の、中程度の、又は、軽度の血友病Bを含む血友病
Bを有するヒト被検体に投与される。
【0153】
「選択可能な標識遺伝子」は、発現された場合、遺伝子導入された細胞に抗生物質耐性
(例えば、カナマイシン)のような選択可能な表現型を与える遺伝子を表す。「リポータ
ー」遺伝子は、検出できるシグナルを提供するものである。レポーター遺伝子の非限定的
な一例は、ルシフェラーゼ遺伝子である。
【0154】
修飾された形態を含む、核酸、ポリヌクレオチド、発現ベクター(例えば、ベクターゲ
ノム)、プラスミドは、様々な標準クローニング、組み換えDNA技術)を使用して、細
胞発現によって又はインビトロにおける翻訳と化学合成技術によって作ることができる。
ポリヌクレオチドの純度は、シーケンシング、ゲル電気泳動などによって測定することが
できる。例えば、核酸は、ハイブリダイゼーション、又は、コンピュータをベースとした
データベーススクリーニング手法を使用して分離することができる。そのような技術は、
以下のものを含むが、それらに限定されるものではない。
(1)複数の相同なヌクレオチド配列を検出するためのプローブを有するゲノムDNA又
はcDNAライブラリーのハイブリダイゼーション
(2)例えば、発現ライブラリーを使用した、共有された構造的特徴を有する複数のポリ
ペプチドを検出する抗体スクリーニング
(3)対象とする核酸配列にアニールすることができるプライマーを使用したゲノムDN
A又はcDNAに対するポリメラーゼ連鎖反応(PCR)
(4)関連配列に関する配列データベースのコンピュータ調査
(5)サブトラクション核酸ライブラリーのディファレンシャルスクリーニング
【0155】
「分離された」との用語は、組成物の修飾語として使用された場合、その組成物が、人
の手によって作られたこと、又は、それが自然発生したインビボ環境から完全に若しくは
少なくとも部分的に分離されたことを意味する。一般に、分離された組成物は、それらの
組成物が自然状態では通常伴う1つ又はそれ以上の物質(例えば、1つ又はそれ以上のタ
ンパク、核酸、脂肪、炭水化物、細胞膜)を実質的に含まない。「分離された」との用語
は、例えば、組み換えベクター配列(例えば、rAAV)、又は、ベクターゲノムを包む
若しくはキャプシド包膜するウイルス粒子と医薬製剤等のような、人の手によって作られ
た組み合わせを除外しない。また、「分離された」との用語は、ハイブリッド/キメラ、
マルチマー/オリゴマー、修飾(例えば、リン酸化、グリコシレーション、脂質付加)若
しくは誘導された形式のような組成物の代替的物理的形態、又は、人の手によって作られ
たホスト細胞において発現される形態を除外しない。
【0156】
本発明の方法及び用途は、分裂細胞及び/又は非分裂細胞を含む、ホスト細胞中に異種
起源ポリヌクレオチド(導入遺伝子)を届ける(遺伝子導入する)ための手段を提供する
。本発明の組み換えベクター(例えば、rAAV)配列、ベクターゲノム、組み替えウイ
ルス粒子、方法、使用、及び、医薬製剤は、治療方法として、核酸又はタンパクをその必
要のある被検体に送達、投与又は提供する方法においてさらに有用である。このように、
核酸は転写され、タンパクは被検体中でインビボにおいて生産されることができる。被検
体が核酸若しくはタンパクの欠乏を有するので、又は、被検体における核酸若しくはタン
パクの生産が、治療法として若しくはそうでなくても、いくつかの治療効果を与えること
ができるので、被検体は、核酸若しくはタンパクから利益を得ることができ、又は、核酸
若しくはタンパクを必要とすることができる。
【0157】
一般に、組み換えたレンチウイルス又はパーボウイルスベクター(例えば、AAV)の
配列、ベクターゲノム、組み替えウイルス粒子、方法及び使用は、不充分な又は望ましく
ない遺伝子発現に関連したあらゆる疾患に伴う1つ又はそれ以上の症状を治療又は改善す
る生物学的作用を有するあらゆる異種起源ポリヌクレオチド(導入遺伝子)を届けるため
に使用することができる。組み換えたレンチウイルス又はパーボウイルスベクター(例え
ば、AAV)の配列、プラスミド、ベクターゲノム、組み替えウイルス粒子、方法及び使
用は、様々な病状に療法を提供するために使用することができる。
【0158】
本発明の核酸、ベクター、組み換えベクター(例えば、rAAV)、ベクターゲノム及
び組み替えウイルス粒子、方法及び使用は、遺伝子疾患の治療を可能にする。一般に、病
状は、たいていは酵素の、一般に劣性遺伝する欠乏状態と、少なくとも時々は制御タンパ
ク又は構造的タンパクを含み、優性遺伝するアンバランス状態との2つのクラスに分類さ
れる。欠乏状態の病気については、置換療法として正常な遺伝子を罹患した組織にもたら
すために、及び、アンチセンス変異を使用したその病気のための動物モデルを作成するた
めに、遺伝子導入を使用することができる。アンバランス状態の病気については、モデル
系において病状を作るために遺伝子導入を使用することができ、その後、病状を打ち消す
ための取り組みにおいてそのモデル系を使用することができる。さらに、欠乏を治療する
ための核酸配列の部位特異的な組み込みを使用することもできる。
【0159】
病状の説明に役立つ例は、血友病A、血友病B、サラセミア及び貧血のような先天性血
液凝固因子疾患を含むが、それらに限定されるものではない。
【0160】
本発明に従って、治療の方法及び使用であって、本発明の核酸、ベクター、組み換えベ
クター(例えば、rAAV)、ベクターゲノム、及び、組み替えウイルス粒子を含むもの
が提供される。本発明の方法及び用途は、遺伝子の発現又は機能、例えば、遺伝子の追加
又は置換を提供し、又は、増加させ若しくは促進することに広く適用可能である。
【0161】
ある実施形態において、本発明の方法又は使用は:
(a)ベクター又はベクターゲノムなどにおいてCpGジヌクレオチドの数が減少したF
IXのような、第IX因子をコードする修飾された核酸を提供するステップであって、
前記修飾された核酸配列が、前記配列の転写を与える発現制御因子に作用可能に連結され
ているステップと;
(b)第IX因子が哺乳動物中で発現されるように、修飾された核酸の所定量を当該哺乳
動物に投与するステップを含む。
【0162】
別の一実施形態において、本発明の方法又は使用は、ベクターゲノムを含むウイルス(
例えば、AAV)粒子又は複数のウイルス(例えば、AAV)粒子(例えば、キャプシド
変異体(例えば4-1)等)を哺乳動物又は哺乳動物の細胞に投与することによって、減
少した数のCpGジヌクレオチドを有するFIXのような、第IX因子をコードする修飾
された核酸配列を哺乳動物又は哺乳動物の細胞の中に届け又は移すステップであって、前
記ベクターゲノムが、減少した数のCpGジヌクレオチド(及び、任意にITR、イント
ロン、polyA、フィラーポリヌクレオチド配列/スタッファポリヌクレオチド配列)
を有するFIXのような、第IX因子をコードする修飾された核酸を含み、それによって
哺乳動物又は哺乳動物の細胞の中に第IX因子をコードする修飾された核酸を届け又は移
すステップを含む。
【0163】
本発明の特別な態様において、本明細書に開示されている方法及び使用は、核酸の発現
は、哺乳動物(例えば、ヒト)に治療的利益を提供する。より特別な態様において、第I
X因子の発現は、血友病Bを有する哺乳動物のような哺乳動物(例えば、ヒト)に治療的
利益を提供する。様々なさらなる特別な態様において、CpGジヌクレオチドの数が減少
したFIXのような第IX因子をコードする修飾された核酸と結合した長さが、概ね3.
0Kb~5.5Kb、又は、概ね4.0Kb~5.0Kb、又は、概ね4.3Kb~4.
8kbの全体長さを有するように、フィラーポリヌクレオチド配列/スタッファポリヌク
レオチド配列がベクター配列中に含まれている。
【0164】
本発明の方法及び用途は、あらゆる治療的効果又は有利な効果をもたらす治療方法を含
む。様々な発明の方法及び用途において、その病気によって引き起こされる又はその病気
に関連した1つ又はそれ以上の不都合な(例えば、物理的)症状、疾患、疾病、病気又は
合併症を抑制、減少又は低減することがさらに含まれる。血友病のような出血性疾患につ
いては、治療的効果又は有利な効果は、低減された傷、低減された血液凝固時間、低減さ
れた出血症状(継続期間、重症度、頻度)を含むが、それらに限定されるものではない。
例えば、関節又は大脳(脳)の出血症状の継続期間、重症度又は頻度を低減した。血友病
のような出血性疾患については、治療的効果又は有利な効果は、補足的凝固因子タンパク
(例えば、第IX因子タンパク)の低減された量、又は、補足的凝固因子タンパク(例え
ば、第IX因子タンパク)の投与の廃止をさらに含むが、それらに限定されるものではな
い。
【0165】
従って、治療の治療的効果又は有利な効果は、特定の被検体に対して提供されるあらゆ
る客観的又は主観的な測定可能な又は検出可能な改良又は利益である。治療的効果又は有
利な効果は、病気のすべて又は任意の特定の不都合な症状、疾病、疾患、又は、合併症の
完全な除去であってもよいが、必ずしもそうである必要はない。従って、満足な臨床的終
了点は、短期間又は長期間(数時間、数日、数週、数か月等)に亘って、病気によって引
き起こされる若しくは病気に伴う不都合な症状、疾患、疾病若しくは合併症における漸進
的な改善若しくは部分的低下が存在する場合、又は、その病気によって引き起こされる若
しくはその病気に伴う1つ以上の不都合な症状、疾患、疾病若しくは合併症の悪化若しく
は進行の抑制、低減、抑止、抑制、予防、限定若しくは制御が存在するときに達成される
。
【0166】
核酸、ベクター、組み換えベクター(例えば、rAAV)、ベクターゲノム、及び、ベ
クターゲノムを含む組み替えウイルス粒子のような、本発明の組成物、方法、及び、使用
は、その必要がある被検体に対して充分な又は有効な量で投与することができる。「有効
な量」又は「充分な量」は、一回投与又は複数回投与で、単独で又は組み合わされて、1
つ又はそれ以上の他の組成物(薬剤のような治療剤)、治療、プロトコル又は治療療法剤
と共に、任意の継続時間(長期間又は短期間)の検出可能なレスポンス、被検体における
期待される若しくは望まれる結果、又は、任意の測定可能な若しくは検出可能な程度の若
しくは任意の継続時間(例えば、数分、数時間、数日、数か月、数年、又は、治療された
)に亘る利益を被検体に提供する量を表す。
【0167】
当業者は、一回のrAAV/ベクター用量の投与が充分であるか、又は、rAAV/ベ
クターの複数回投与が必要であるかを判断することができる。例えば、FIXが前もって
定めたレベルよりも低い(例えば、治療的利益を提供する最小よりも少ない)場合、当業
者は、適切であれば、rAAV/ベクターの追加用量を投与することを決定することがで
きる。
【0168】
治療効果を達成する用量、例えば、体重1キログラム当たりのベクターゲノムの用量(
vg/kg)は、投与経路、治療効果を達成するために必要とされる異種起源ポリヌクレ
オチド発現のレベル、治療される特定の疾患、ウイルスベクターに対する任意の宿主免疫
反応、異種起源のポリヌクレオチド又は発現産物(タンパク)に対する宿主免疫反応、及
び、発現されるタンパクの安定性を含むが、それらに限定されないいくつかの要因によっ
て変化するであろう。当業者は、前述の要因及び他の要因に基づいて、特定の疾病又は疾
患を有する患者を治療するためのrAAV/ベクターゲノムの用量範囲を決定することが
できる。一般に、用量は、治療効果を達成するために、被検体の重量1キログラム当たり
、少なくとも1×108又はそれ以上、例えば、1×109、1×1010、1×1011、1
×1012、1×1013又は1×1014又はそれ以上のベクターゲノム(vg/kg)であ
ろう。
【0169】
いくつかの実施形態において、AAVベクター(例えば、AAV-FIX39Padu
a、又は、それと同じキャプシドと、それと少なくとも95%、96%、97%、98%
又は99%同一のゲノム配列を有するものを含む)の治療的有効量は、血友病B又は他の
第IX因子活性欠損を有する被検体(例えば、ヒト)に投与された場合に、重度の血友病
Bを軽度又は中程度の血友病Bに転換するか又は明らかに病気でない状態にするのに充分
な量である。他の実施形態において、AAVベクターの治療的有効量は、血友病Bを有す
るヒト被検体が、第IX因子置換療法を完全に見合わせること又は適切な止血を維持する
ために置換FIXが投与される頻度を減らすことを可能にするのに充分な量である。当業
者に理解されるように、因子置換療法は、血友病Bのための医療の現在のスタンダードで
あるが、患者が充分なレベルの機能する凝固因子を生産する能力の欠如を補うためには、
組み換え技術によって生成されたヒト第IX因子の頻繁な注射を必要とする。
【0170】
重度の血友病Bが、多くの場合は自然な(先行する外傷がなく)、被検体の筋肉又は関
節の中への、頻繁な出血(例えば、一週間に少なくとも1回又は2回)を特徴とすること
は、一般的に認められている。健康なヒトにみられるFIX活性の1%未満は、重度の血
友病Bに関係している。中程度の血友病Bを有する人は、重度の血友病Bを有する人より
も少ない頻度(例えば、1か月当たり約1回)で出血するが、手術、外傷、又は、歯の作
業の後に正常な人よりも長い期間に亘って出血するであろうことが、一般的に認められて
いる。中程度の疾病を有するヒトが自然に頻繁には出血しないことは一般的に認められて
いる。正常に対して1%~5%のFIX活性は、一般的に中程度の血友病Bに関係してお
り、中程度の血友病Bを有するヒト被検体は、仮にあっても、外科手術又は大きい外傷の
結果としてだけ、過度に出血する。一般的に、軽度の血友病は、正常に対して6%~40
%のFIX活性と関係している。一般的に、血友病Bの症状を有しない、健康であると考
えられる個体は、正常に対して約50%から150%の範囲のFIX活性を有する。さら
なる情報は、Fijnvandraatら、Diagnosis and manage
ment of hemophilia, Br. Med. J., 344:36-
40 (2012)で見ることができる。
【0171】
第IX因子活性は、当業者に知られている様々な方法で測定することができる。例えば
、1つの典型的な非限定的分析は、被検体から得られた血漿サンプル中のFIX凝固活性
を測定するための、一段階活性化部分トロンボプラスチン時間(activated p
artial thromboplastin time、APTT)分析である。FI
X活性は、多くの場合、国際単位(IU)で表される。1IUは、正常なドナーから得た
1mlのプール血漿中に存在するFIX凝固活性として定義される。この慣例を用いると
、重度の血友病Bは、0.01 IU/ml未満のFIXレベルに関係しており、中程度
の病気は、0.02~0.05 IU/mlのFIXレベルに関係しており、軽度の病気
は、0.06-0.40 IU/mlのFIXレベルに関係しており、また、病気がない
ことは、0.50-1.50 IU/mlのFIXレベルに関係している。
【0172】
当業者によって理解されるように、天然に生じるFIX Padua変異体のような第
IX因子変異体であって、野生型ヒトFIXと比較してより高い触媒活性を有するものは
、「非Padua」FIXと比較して、より低い濃度の活性タンパクでFIX活性の所定
のレベル(例えば、1 IU/ml)を作ることができる。
【0173】
ある実施形態において、AAVベクター(例えば、AAV-FIX39Padua、又
は、それと同じキャプシドと、それに対して少なくとも95%、96%、97%、98%
又は99%同一のゲノム配列とを有するものを含む)の治療的有効量は、重度の、中程度
の、又は、軽度の血友病Bを有する被検体(例えば、ヒト)に投与された場合に、正常な
FIX活性の概ね、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、
11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、
21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、
31%、32%、33%、34%、35%、36%、37%、38%、39%、40%、
41%、42%、43%、44%、45%、46%、47%、48%、49%、若しくは
、50%、又は、それ以上の血漿FIX活性を達成するのに充分な量である。他の実施形
態において、治療的有効量は、他の点でそのような活性を欠いている被検体において1%
又はそれ以上(例えば、被検体のFIX活性の1.5%~10%、10%~15%、15
%~20%、20%~25%、25%~30%以上)のFIX活性を達成する量である。
【0174】
血友病Bを有する被検体の治療に関して、AAVベクター(例えば、AAV-FIX3
9Padua、又は、それと同じキャプシドと、それに対して少なくとも95%、96%
、97%、98%又は99%同一のゲノム配列とを有するものを含む)の治療的有効量は
、希望の治療効果を達成するために、被検体の重量の1キログラム当たり少なくとも1×
1010ベクターゲノム(vg)(vg/kg)、又は、被検体の重量の概ね1×1010~
1×1011vg/kg若しくは被検体の重量の概ね1×1011~1×1012vg/kg(
例えば、概ね1×1011~2×1011vg/kg、又は、概ね2×1011~3×1011v
g/kg、又は、概ね3×1011~4×1011vg/kg、又は、概ね4×1011~5×
1011vg/kg、又は、概ね5×1011~6×1011vg/kg、又は、概ね6×10
11~7×1011vg/kg、又は、概ね7×1011~8×1011vg/kg、概ね8×1
011~9×1011vg/kg、又は、概ね9×1011~1×1012vg/kg)、又は、
被検体の体重の概ね1×1012~1×1013vg/kgであってもよい。さらなる用量は
、希望の治療効果を達成するために、被検体の重量1キログラム(vg/kg)当たり概
ね5×1010~1×1010のベクターゲノム(vg)の範囲内、又は、被検体の重量1キ
ログラム当たり概ね1×1010~5×1011vg/kgの範囲内、又は、被検体の重量1
キログラム当たり概ね5×1011~1×1012vg/kgの範囲内、又は、被検体の重量
1キログラム当たり概ね1×1012~5×1013vg/kgの範囲内であってもよい。他
の実施形態において、AAVベクターの治療的有効量は、概ね、2.0×1011vg/k
g、2.1×1011vg/kg、2.2×1011vg/kg、2.3×1011vg/kg
、2.4×1011vg/kg、2.5×1011vg/kg、2.6×1011vg/kg、
2.7×1011vg/kg、2.8×1011vg/kg、2.9×1011vg/kg、3
.0×1011vg/kg、3.1×1011vg/kg、3.2×1011vg/kg、3.
3×1011vg/kg、3.4×1011vg/kg、3.5×1011vg/kg、3.6
×1011vg/kg、3.7×1011vg/kg、3.8×1011vg/kg、3.9×
1011vg/kg、4.0×1011vg/kg、4.1×1011vg/kg、4.2×1
011vg/kg、4.3×1011vg/kg 4.4×1011vg/kg、4.5×10
11vg/kg、4.6×1011vg/kg、4.7×1011vg/kg、4.8×1011
vg/kg、4.9×1011vg/kg、5.0×1011vg/kg、5.1×1011v
g/kg、5.2×1011vg/kg、5.3×1011vg/kg、5.4×1011vg
/kg、5.5×1011vg/kg、5.6×1011vg/kg、5.7×1011vg/
kg、5.8×1011vg/kg、5.9×1011vg/kg、6.0×1011vg/k
g、6.1×1011vg/kg、6.2×1011vg/kg、6.3×1011vg/kg
、6.4×1011vg/kg、6.5×1011vg/kg、6.6×1011vg/kg、
6.7×1011vg/kg、6.8×1011vg/kg、6.9×1011vg/kg、7
.0×1011vg/kg、7.1×1011vg/kg、7.2×1011vg/kg、7.
3×1011vg/kg、7.4×1011vg/kg、7.5×1011vg/kg、7.6
×1011vg/kg、7.7×1011vg/kg、7.8×1011vg/kg、7.9×
1011vg/kg、若しくは、8.0×1011vg/kg又は他の用量である。これらの
実施形態のいずれかにおいて、AAVベクターは、AAV-FIX39Padua、又は
、それと同じキャプシドと、それに対して少なくとも95%、96%、97%、98%又
は99%同一のゲノム配列とを有するものであってもよく、薬学的に許容できる組成物中
に単独で被検体に投与されてもよいし、又は、同じキャプシド種の空キャプシドと共に、
ベクターに対する空キャプシドの比率を概ね2:1、3:1、4:1、5:1、6:1、
7:1、8:1、9:1、10:1又は他の比率として被検体に投与されてもよい。
【0175】
病気の進行又は悪化を減少、低減、阻害、抑制、限定又は制御することが満足な結果で
はあるが、治療のための(例えば、緩和するための、又は、治療的利益若しくは改善を提
供するための)「有効な量」又は「充分な量」の用量は、典型的には、1つ、複数又はす
べての病気の不都合な症状、結果又は合併症、例えば、病気によって引き起こされる又は
その病気に関連する1つ以上の不都合な症状、疾患、病気、病理又は合併症に対する反応
を測定可能な程度で提供するために有効である。
【0176】
有効な量又は充分な量は、1回の投与で提供されてもよいが、提供する必要はなく、複
数回の投与を必要としてもよく、また、単独で、又は、他の組成物(例えば、薬剤)、治
療、プロトコル若しくは治療計画と組み合わせて投与されてもよいが、必ずしもそうする
必要はない。例えば、その量は、被検体の必要性、治療される疾病又は(もしあれば)治
療の副作用の種類、状態及び重症度によって示されるのにつれて比例して増加してもよい
。さらに、所定の被検体において有効若しくは充分であると考えられるために、そのよう
な用量より多い上回るさらなる用量、量若しくは投与期間、又は、さらなる組成(例えば
、医薬品又は作用物質)、治療、プロトコル若しくは治療計画が含まれてもよいので、有
効な量又は充分な量は、もし第2の組成(例えば、他の薬剤又は作用物質)、治療、プロ
トコル又は治療計画を伴わずに1回の投与又は複数回の投与で与えられたときに有効であ
る必要はない。また、有効であると考えられる量は、凝固障害(例えば、血友病A又は血
友病B)の治療のための組み換え凝固因子タンパクの投与のような、他の治療、治療計画
又はプロトコルの使用の低減をもたらす量を含む。
【0177】
有効な量又は充分な量は、治療されるすべてのあらゆる被検体において有効である必要
はなく、また、所定のグループ又は集団の治療される被検体の大多数において有効である
必要もない。有効な量又は充分な量は、グループ又は一般人口ではなく、特定の被検体に
おける有効性又は充分さを意味する。そのような方法には典型的であるように、与えられ
る治療の方法又は使用に対して、より大きい反応を示す被検体もあれば、より少ない反応
を示すか又は反応を示さない被検体もある。
【0178】
「緩和する」との用語は、被検体の疾病又はその症状における検出可能な又は測定可能
な改善、又は、根底にある細胞反応を意味する。検出可能な又は測定可能な改善は、病気
の発生、頻度、重症度、進行若しくは継続期間における主観的若しくは客観的な減少、低
下、阻害、抑制、限定若しくは制御、又は、その病気によって引き起こされる若しくはそ
の病気に関連する合併症、又は、その病気の症状、根底にある原因若しくは結果における
改善、又は、その病気の回復を含む。
【0179】
従って、成功した治療的成果は、被検体において、病気、又は、その病気の1つ以上の
不都合な症状若しくは根本的原因若しくは結果の発生、頻度、重症度、進行若しくは持続
期間を減少、低減、阻害、抑制、限定、制御又は予防することの「治療的効果」又は「利
益」に結びつくことができる。従って、病気の根本原因又は不都合な症状の1つ以上に作
用する治療の方法及び使用は、有益であると考えられる。また、病気を安定化すること等
のような、悪化における又はその不都合な症状における減少又は低減は、成功した治療的
成果である。
【0180】
従って、治療的な利益又は改善は、その病気の、又は、その病気と関連する不都合な症
状、合併症、結果若しくは根本原因のいずれか1つ、大部分若しくはすべての、完全な除
去である必要はない。従って、被検体の病気における漸進的な改善、又は、病気の発生、
頻度、重症度、進行若しくは継続期間における部分的な減少、低減、阻害、抑制、限定、
制御若しくは予防、又は、病気の阻害若しくは回復(例えば、1つ以上の症状又は合併症
を安定化すること)が、短期間又は長期間(数時間、数日、数週、数か月等)に亘って存
在するときに、満足な終了点が達成される。潜在的な治療的利益又は病気の改善を提供す
る治療等のような方法又は使用の有効性は、凝血形成時間等のような様々な方法によって
確認することができる。
【0181】
いくつかの実施形態によれば、AAVベクターの治療的有効量は、血友病Bを有するヒ
ト被検体に投与された場合、一定時間に亘ってあるレベル以上のFIX活性をもたらすの
に充分な量である。これらの実施形態のいくつかにおいて、AAVベクターの有効量は、
少なくとも3か月、4か月、5か月、6か月、7か月、8か月、9か月、10か月、11
か月、12か月、13か月、14か月、15か月、16か月、17か月、1.5年、2年
、2.5年、3年、3.5年、4年、4.5年、5年、5.5年、6年、6.5年、7年
、7.5年、8年、8.5年、9年、9.5年、10年又はそれ以上の持続時間に亘って
、血友病Bを有するヒト被検体の少なくとも1%の正常なFIX活性をもたらす。他の実
施形態において、AAVベクターの有効量は、少なくとも3か月、4か月、5か月、6か
月、7か月、8か月、9か月、10か月、11か月、12か月、13か月、14か月、1
5か月、16か月若しくは17か月、又は、少なくとも1.5年、2年、2.5年、3年
、3.5年、4年、4.5年、5年、5.5年、6年、6.5年、7年、7.5年、8年
、8.5年、9年、9.5年、10年若しくはそれ以上の持続時間に亘って少なくとも5
%の正常なFIX活性をもたらす。他の実施形態において、AAVベクターの有効量は、
少なくとも3か月、4か月、5か月、6か月、7か月、8か月、9か月、10か月、11
か月、12か月、13か月、14か月、15か月、16か月若しくは17か月、又は、少
なくとも1.5年、2年、2.5年、3年、3.5年、4年、4.5年、5年、5.5年
、6年、6.5年、7年、7.5年、8年、8.5年、9年、9.5年、10年若しくは
それ以上の持続時間に亘って少なくとも10%の正常なFIX活性をもたらす。他の実施
形態において、AAVベクターの有効量は、少なくとも3か月、4か月、5か月、6か月
、7か月、8か月、9か月、10か月、11か月、12か月、13か月、14か月、15
か月、16か月若しくは17か月、又は、少なくとも1.5年、2年、2.5年、3年、
3.5年、4年、4.5年、5年、5.5年、6年、6.5年、7年、7.5年、8年、
8.5年、9年、9.5年、10年若しくはそれ以上の持続時間に亘って少なくとも15
%の正常なFIX活性をもたらす。他の実施形態において、AAVベクターの有効量は、
少なくとも3か月、4か月、5か月、6か月、7か月、8か月、9か月、10か月、11
か月、12か月、13か月、14か月、15か月、16か月若しくは17か月、又は、少
なくとも1.5年、2年、2.5年、3年、3.5年、4年、4.5年、5年、5.5年
、6年、6.5年、7年、7.5年、8年、8.5年、9年、9.5年、10年若しくは
それ以上の持続時間に亘って少なくとも20%の正常なFIX活性をもたらす。他の実施
形態において、AAVベクターの有効量は、少なくとも3か月、4か月、5か月、6か月
、7か月、8か月、9か月、10か月、11か月、12か月、13か月、14か月、15
か月、16か月若しくは17か月、又は、少なくとも1.5年、2年、2.5年、3年、
3.5年、4年、4.5年、5年、5.5年、6年、6.5年、7年、7.5年、8年、
8.5年、9年、9.5年、10年若しくはそれ以上の持続時間に亘って少なくとも25
%の正常なFIX活性をもたらす。他の実施形態において、AAVベクターの有効量は、
少なくとも3か月、4か月、5か月、6か月、7か月、8か月、9か月、10か月、11
か月、12か月、13か月、14か月、15か月、16か月若しくは17か月、又は、少
なくとも1.5年、2年、2.5年、3年、3.5年、4年、4.5年、5年、5.5年
、6年、6.5年、7年、7.5年、8年、8.5年、9年、9.5年、10年若しくは
それ以上の持続時間に亘って少なくとも30%の正常なFIX活性をもたらす。他の実施
形態において、AAVベクターの有効量は、少なくとも3か月、4か月、5か月、6か月
、7か月、8か月、9か月、10か月、11か月、12か月、13か月、14か月、15
か月、16か月若しくは17か月、又は、少なくとも1.5年、2年、2.5年、3年、
3.5年、4年、4.5年、5年、5.5年、6年、6.5年、7年、7.5年、8年、
8.5年、9年、9.5年、10年若しくはそれ以上の持続時間に亘って少なくとも35
%の正常なFIX活性をもたらす。他の実施形態において、AAVベクターの有効量は、
少なくとも3か月、4か月、5か月、6か月、7か月、8か月、9か月、10か月、11
か月、12か月、13か月、14か月、15か月、16か月若しくは17か月、又は、少
なくとも1.5年、2年、2.5年、3年、3.5年、4年、4.5年、5年、5.5年
、6年、6.5年、7年、7.5年、8年、8.5年、9年、9.5年、10年若しくは
それ以上の持続時間に亘って少なくとも40%の正常なFIX活性をもたらす。他の実施
形態において、AAVベクターの有効量は、少なくとも3か月、4か月、5か月、6か月
、7か月、8か月、9か月、10か月、11か月、12か月、13か月、14か月、15
か月、16か月若しくは17か月、又は、少なくとも1.5年、2年、2.5年、3年、
3.5年、4年、4.5年、5年、5.5年、6年、6.5年、7年、7.5年、8年、
8.5年、9年、9.5年、10年若しくはそれ以上の持続時間に亘って少なくとも45
%の正常なFIX活性をもたらす。これらの実施形態のいずれかにおいて、AAVベクタ
ーは、AAV-FIX39Padua、又は、それと同じキャプシドと、それに対して少
なくとも95%、96%、97%、98%若しくは99%同一のゲノム配列とを有するも
のであってもよく、薬学的に許容できる組成中に単独で被検体に投与されてもよいし、又
は、同じキャプシド種の空キャプシドと共に、ベクターに対する空キャプシドの比率を概
ね2:1、3:1、4:1、5:1、6:1、7:1、8:1、9:1、10:1若しく
は他の比率として被検体に投与されてもよい。
【0182】
他の実施形態によれば、AAVベクターの治療的有効量は、重症の又は中程度の血友病
Bを有するヒト被検体に投与された場合、正常に対して少なくとも20%、21%、22
%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、31%、32
%、33%、34%、35%、36%、37%、38%、39%、40%、41%、42
%、43%、44%又は45%であるFIX活性を少なくとも6か月の持続時間に亘って
もたらすのに充分な量である。いくつかの実施例において、AAV-FIX39Padu
a、又は、それと同じキャプシドと、それに対して少なくとも95%、96%、97%、
98%若しくは99%同一のゲノム配列とを有するものの用量は、約5.0×1011vg
/kgであり、薬学的に許容できる組成中に単独で、又は、同じキャプシド種の空キャプ
シドと共に、ベクターに対する空キャプシドの比率を概ね2:1、3:1、4:1、5:
1、6:1、7:1、8:1、9:1、10:1若しくは他の比率として、投与されても
よい。
【0183】
治療的有用量のAAVベクター(例えば、AAV-FIX39Padua、又は、それ
と同じキャプシドと、それに対して少なくとも95%、96%、97%、98%若しくは
99%同一のゲノム配列とを有するものを含む)を摂取したいくつかのヒト被検体におい
ては、ベクターに起因するFIX活性が、長い期間(例えば、数か月又は数年)の間に、
もはや充分であると考えられないレベルに低下することが理解されるであろう(例えば、
被検体は、中程度の又は重度の血友病Bの症状及び/又はFIX活性特性を示す。)その
ような状況では、最初の治療と同じタイプのAAVベクターを再び被検体に投薬すること
ができる。他の実施形態においては、特に、被検体が最初のベクターに対して免疫反応を
発達させた場合には、標的細胞においてFIXを発現するが、最初のAAVベクターと比
較して免疫反応性が小さい、異なる又は変異体の血清型のキャプシドを有するように設計
されたAAVベクターをその患者に与えることができる。
【0184】
ある実施形態によれば、AAVベクターの治療的有効量は、血友病Bを有するヒト被検
体に投与された場合、適切な止血を維持するための、被検体の組み換えのヒト第IX因子
置換療法の必要性を低減又は除去するのに充分な量である。従って、いくつかの実施形態
において、AAVベクターの治療的有効量は、適切な止血を維持するために、中程度の又
は重度の血友病Bを有する平均的なヒト被検体がFIX置換療法を必要とする頻度を、概
ね、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%
、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%又は10
0%低減することができる。関連する実施形態において、AAVベクターの治療的有効量
は、適切な止血を維持するために中程度の又は重度の血友病Bの有する平均的なヒト被検
体が必要とする組み換えヒト第IX因子の用量を、概ね、5%10%、15%、20%、
25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、
75%、80%、85%、90%、95%又は100%減らすことができる。これらの実
施形態のいずれかにおいて、AAVベクターは、AAV-FIX39Padua、又は、
それと同じキャプシドと、それに対して少なくとも95%、96%、97%、98%若し
くは99%同一のゲノム配列とを有するものであってもよく、薬学的に許容できる組成物
中で単独で、又は、同じキャプシド種の空キャプシドと共にベクターに対する空キャプシ
ドの比率を概ね2:1、3:1、4:1、5:1、6:1、7:1、8:1、9:1、1
0:1若しくは他の比率として、被検体に投与されてもよい。
【0185】
他の実施形態において、AAVベクターの治療的有効量は、重度の血友病Bを有するヒ
ト被検体に投与された場合、関節中への自然出血を軽減する又はなくすのに充分な量であ
る。従って、いくつかの実施形態において、AAVベクターの治療的有効量は、重度の血
友病Bを有するヒト被検体の関節中への自然出血の頻度を、重度の血友病Bを有する治療
されていない平均的なヒト被検体と比較して、概ね、5%、10%、15%、20%、2
5%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、7
5%、80%、85%、90%、95%又は100%低減することができる。関節中への
出血は、関節の磁気共鳴画像若しくは超音波検査、又は、当業者によく知られている他の
技術を用いて検出することができる。これらの実施形態のいずれかにおいて、AAVベク
ターは、AAV-FIX39Padua、又は、それと同じキャプシドと、それに対して
少なくとも95%、96%、97%、98%若しくは99%同一のゲノム配列とを有する
ものであってもよく、薬学的に許容できる組成物中で単独で、又は、同じキャプシド種の
空キャプシドと共にベクターに対する空キャプシドの比率を概ね2:1、3:1、4:1
、5:1、6:1、7:1、8:1、9:1、10:1若しくは他の比率として、被検体
に投与されてもよい。
【0186】
血友病を治療するためのAAVベクターを開発する先の努力は、成功したものではなく
、少なくとも一部において、先の臨床試験においてAAVキャプシドに対する頑強な免疫
反応のせいであると考えられている(例えば、Nathwaniら、NEJM 2011
; 365(25):2357-2365; 及び、Mannoら、Nat Med 2
006; 12(3):342-347参照)。進行中の臨床試験は、AAVベクターの
ある実施形態が、重度の血友病Bを有するヒト被検体において、AAVベクターを投与し
た6か月後(実施例5)にも免疫反応を生じさせないか又は最小限の免疫反応生じさせる
一方で、高いレベルのFIX活性を作ることができることを実証した。従って、ある実施
形態によれば、AAVベクターの治療的有効量は、重度の又は中程度の血友病Bを有する
被検体に投与された場合に、意味のある期間に亘って、免疫反応を生じないか又は最小限
の免疫反応を生じさせる一方で、止血を維持するのに適切なFIX活性をもたらす濃度で
ある。ある実施形態において、免疫反応は、先天性免疫応答、体液性免疫反応、若しくは
、細胞性免疫反応であってもよいし、又は、3つのタイプすべての免疫反応であってもよ
い。いくつかの実施形態において、免疫反応は、キャプシド、ベクターゲノム、及び/又
は、形質導入細胞から生産される第IX因子タンパクを対象とするものであってもよい。
【0187】
ある実施形態によれば、AAVベクターの治療的有効量は、キャプシド、ゲノム及び/
又は形質導入細胞から生産された第IX因子タンパクに対して免疫反応を生じないか又は
最小限の免疫反応(つまり、抗体)を生じさせる一方で、血友病Bを有する被検体におい
て止血を維持するのに適切なFIX活性をもたらす。ウイルス、又はAAVベクターのよ
うなウイルス様粒子に対する抗体応答は、被検体の漿液又は血漿中の抗体価を測定するこ
とによって、又は、免疫学の当業者によく知られている技術を用いて、測定することがで
きる。キャプシドタンパクのようなAAVベクターの任意の構成要素、又は、第IX因子
Padua(若しくは他のFIX変異体)のようなベクターゲノムによってコードされる
遺伝子産物及び形質導入細胞において生産される遺伝子産物に対する抗体価は、そのよう
な技術を使用して測定することができる。抗体価は、典型的には、抗体の存在を検出する
ために使用されている特定の分析においてもはやその抗体シグナルを検知できなくなる前
の希釈倍率を示す比率として表される。例えば、2倍、5倍、10倍又は他のある希釈比
のような、異なる希釈比を使用することができる。例えば、WO2015/006743
に記載されているようなELISA、FACS又はレポーター遺伝子分析のような、抗体
の存在に関するあらゆる適切な分析を用いることができるが、限定されるものではない。
さらに、当業者の知識に従って、他の分析を使用することもできる。抗体価は、AAVベ
クターの最初投与後に異なる回数で測定することができる。
【0188】
ある実施形態において、AAVベクターの治療的有効量は、被検体がAAVベクターを
投与されてから1週間後、2週間後、3週間後、4週間後、5週間後、6週間後、7週間
後、8週間後、3か月後、4か月後、5か月後、6か月後、7か月後、8か月後、9か月
後、10か月後、11か月後、12か月後、18か月後、2年後、3年後、4年後、5年
後又はより長い期間の後に測定した場合に、キャプシド、ゲノム及び/又は形質導入細胞
から生産される第IX因子タンパク(FIXパドヴァ等)に対して作る抗体価が1:2、
1:3、1:4、1:5、1:6、1:7、1:8、1:9、1:10、1:11、1:
12、1:13、1:14、1:15、1:20、1:30、1:40、1:50、1:
60、1:70、1:80、1:90、1:100、1:200、1:300、1:40
0、1:500又はそれ以上である一方で、血友病Bを有する被検体において少なくとも
1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%又はそれ以上の
FIX活性をもたらす。典型的な非限定的一実施形態によれば、AAVベクターは、いず
れもAAVベクターが投与された時から6か月後に、キャプシド及び/又は形質導入細胞
によって生産される第IX因子に対する抗体価を1:2、1:3又は1:4以下であるよ
うに誘導する一方で、重度の血友病Bを有する被検体において少なくとも20%のFIX
活性をもたらす。これらの実施形態のいずれかにおいて、AAVベクターは、AAV-F
IX39Padua、又は、それと同じキャプシドと、それに対して少なくとも95%、
96%、97%、98%若しくは99%同一のゲノム配列とを有するものであってもよく
、薬学的に許容できる組成物中で単独で、又は、同じキャプシド種の空キャプシドと共に
ベクターに対する空キャプシドの比率を概ね2:1、3:1、4:1、5:1、6:1、
7:1、8:1、9:1、10:1若しくは他の比率として、被検体に投与されてもよい
。
【0189】
上述したように、血友病Bのための、AAVを介した遺伝子治療を用いた先の試みは、
免疫抑制を引き起こす高容量のステロイドの必要性がなく、意味のある期間に亘って自己
制限的免疫反応がその治療を有効でないものとすることを防いだ。重要な要因は、研究下
のAAVベクターにより遺伝子導入された肝細胞を除去した細胞免疫反応であったと考え
られる。この結果は、肝損傷を示唆する肝酵素の上昇、及び、被検体中のキャプシド特異
的T細胞の存在の両方から検出することができた。
【0190】
ある実施形態において、AAVベクターの治療的有効量は、キャプシド及び/又は形質
導入細胞から生産される第IX因子タンパクに対して細胞免疫反応を生じさせないか又は
最小限の細胞免疫反応を生じさせる一方で、血友病Bを有する被検体において止血を維持
するのに適切なFIX活性をもたらす。細胞免疫反応は、キャプシドタンパク若しくは第
IX因子に対して特異的なT細胞活性に関する分析、及び、肝細胞に対するダメージを示
す上昇した肝酵素値の存在に関する試験の少なくとも2つの方法で決定することができる
。
【0191】
いくつかの実施形態において、細胞免疫反応は、キャプシドタンパク及び/又は遺伝子
導入された肝細胞によって生産される第IX因子タンパクに対して特異的なT細胞活性に
ついて分析することによって決定される。T細胞反応のための異なるいくつかの分析が当
業界で知られている。典型的な非限定的一実施形態において、T細胞反応は、血友病Bの
治療のためにAAVベクターによって以前に治療された被検体から末梢血単核細胞(PB
MC)を回収することによって決定される。その後、その細胞は、ベクター中に使用され
たVP1キャプシドタンパクに由来するペプチド、及び/又は、FIX Paduaのよ
うな遺伝子導入された肝細胞によって生産された第IX因子タンパクと共にインキュベー
トされる。キャプシドタンパク又は第IX因子タンパクを特異的に認識するT細胞は、刺
激されてインターフェロンγ又は他のサイトカイン等のようなサイトカインを放出し、そ
の後、それは、ELISPOT分析を使用して又は当業者によく知られている他の分析を
使用して検出及び定量することができる(例えば、Mannoら、Nat Med 20
06; 12(3):342-347を参照されたい。)。血友病Bを治療するためのA
AVベクターの用量を被検体が摂取する前、及び、摂取した後に異なる時点で、例えば、
週1回、月1回又はその他の間隔で、T細胞反応を監視することができる。従って、ある
実施形態によれば、AAVベクターの治療的有効量は、毎週、毎月、若しくは、他の間隔
で、又は、AAVベクターの投与後から2週間後、1か月後、2か月後、3か月後、6か
月後、9か月後、1年後、2年後若しくは他の期間の後に測定した場合に、分析した10
0万個のPBMC当たりに、10、20、30、40、50、100、200、300、
400、500、600、700、800、900、1000、1500、2000又は
それ以上を超えないスポット・フォーミング・ユニットである、ELISPOTを使用し
て測定されるT細胞反応を生じさせる一方で、血友病Bを有する被検体において止血を維
持するのに適切なFIX活性(例えば、少なくとも1%、5%、10%、20%、30%
又はそれ以上のFIX活性)をもたらす。これらの実施形態のいくつかにおいて、ELI
SPOT分析は、AAVベクター・キャプシドタンパクに由来するペプチドによって促進
されたインターフェロンγ(又は他のサイトカイン)生産、及び、遺伝子導入された肝細
胞によって生産される第IX因子タンパク(FIXPadua又は異なる変異体を含む)
を検出するように設計されている。これらの実施形態のいずれかにおいて、AAVベクタ
ーは、AAV-FIX39Padua、又は、それと同じキャプシドと、それに対して少
なくとも95%、96%、97%、98%若しくは99%同一のゲノム配列とを有するも
のであってもよく、薬学的に許容できる組成物中で単独で、又は、同じキャプシド種の空
キャプシドと共にベクターに対する空キャプシドの比率を概ね2:1、3:1、4:1、
5:1、6:1、7:1、8:1、9:1、10:1若しくは他の比率として、被検体に
投与されてもよい。
【0192】
遺伝子導入された肝細胞に対する細胞免疫反応用の代用物として、標準的方法を使用し
て、正常より大きい肝臓酵素の存在を分析することができる。理論に拘束されることを意
図するものではないが、先の臨床試験において使用されたもののような、特定のAAVベ
クターに対して特異的なT細胞は、遺伝子導入された肝細胞を攻撃して殺すことができ、
循環中へ肝臓酵素一時的に放出させる。典型的な肝酵素は、アラニンアミノトランスフェ
ラーゼ(ALT)、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)、及び、乳酸脱
水素酵素(LDH)を含むが、肝臓ダメージを示す他の酵素をモニターすることもできる
。循環におけるこれらの酵素の正常値は、典型的には、それを超えて酵素レベルが上昇し
、それによって肝臓ダメージを示すと考えられる値を有する範囲として定義される。正常
な範囲は、一部分において、分析を行う臨床研究室によって使用される基準に依存する。
ある実施形態において、AAVベクターの治療的有効量は、上昇したレベルの循環肝臓酵
素(ALT、AST又はLDH等)を生じさせる一方で、血友病Bを有する被検体中にお
いて止血を維持するのに適切なFIX活性(例えば、少なくとも1%、5%、10%、2
0%、30%又はそれより高いFIX活性)をもたらし、該上昇したレベルの循環肝臓酵
素は、平均で、各範囲の正常な値の上限(ULN)の0%、10%、20%、30%、4
0%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、200%、300%、40
0%、500%、600%、700%、800%、900%、1000%、1500%、
2000%以下であるか、又は、AAVベクター投与後の異なる時点(例えば、毎週又は
毎月の間隔)の治療下の同じ被検体から抽出した複数のサンプルにおいて測定される最高
レベルの0%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、9
0%、100%、200%、300%、400%、500%、600%、700%、80
0%、900%、1000%、1500%、2000%以下である。これらの実施形態の
いずれかにおいて、AAVベクターは、AAV-FIX39Padua、又は、それと同
じキャプシドと、それに対して少なくとも95%、96%、97%、98%若しくは99
%同一のゲノム配列とを有するものであってもよく、薬学的に許容できる組成物中で単独
で、又は、同じキャプシド種の空キャプシドと共にベクターに対する空キャプシドの比率
を概ね2:1、3:1、4:1、5:1、6:1、7:1、8:1、9:1、10:1若
しくは他の比率として、被検体に投与されてもよい。
【0193】
血友病Bを治療するためにAAVベクターを使用した先の臨床試験において、調査者は
、治療を受ける被検体が、第IX因子タンパクを生産する遺伝子導入細胞を除去する免疫
反応を開始するのを防ぐために、ステロイド等のような免疫抑制剤を併用投与する必要が
あった。しかしながら、特定のAAVベクターを用いた試験的治療を受けた被検体で見ら
れた低減された免疫反応により、免疫抑制剤の併用投与は必要ではないかもしれない。従
って、特定の実施形態において、AAVベクターの治療的有効量は、(ステロイド又は他
の免疫抑制薬等のような)免疫抑制剤の併用投与(前に、同時に、又は、後に)の必要が
なく、重度の又は中程度の血友病Bを有する被検体において適切な止血を維持するのに充
分な量である。しかしながら、すべての被検体において免疫反応が予測可能ではないので
、血友病Bのための治療の本発明における方法は、免疫抑制剤と共に併用投与されるAA
Vベクターを含む。AAVベクターが血友病Bを有する被検体に投与される前に、投与と
同時に、又は、投与の後に、免疫抑制剤の併用投与が存在してもよい。いくつかの実施例
において、免疫抑制剤は、血友病Bを治療するためにAAVベクターを投与された後に、
数日、数週間又は数か月の期間に亘って被検体に投与される。典型的な免疫抑制剤は、ス
テロイド(例えば、限定されるものではないが、プレドニゾン又はプレドニゾロン)、及
び、シクロスポリン、ラパマイシン等の非ステロイド免疫抑制剤を含む。いかなる薬剤用
量及び治療時間が充分な免疫抑制を達成するのに必要とされるかは、治療を受ける各被検
体に特有な要因に依存するが、用量及び治療時間は当業者の技術の範囲内であろう。いく
つかの実施例において、免疫抑制薬は、1回以上投与される必要があるかもしれない。
【0194】
ある実施形態によれば、AAVベクターの治療的有効量は、重度の又は中程度の血友病
Bを有するヒト被検体の集団に投与された場合に、FIX活性の一貫した上昇をもたらす
。一貫性は、平均及び標準偏差(SD)又は当業者によく知られている他の統計的手法の
ような統計的手法を使用してヒト被検体の集団における反応の変動を計算することにより
決定することができる。いくつかの実施形態において、AAVベクターの治療的有効量は
、重度の又は中程度の血友病Bを有するヒト被検体の集団に投与された場合に、投与後3
か月、6か月、9か月、12か月、15か月、18か月、21か月又は21か月において
、15未満、14未満、13未満、12未満、11未満、10未満、9未満、8未満、7
未満、6未満、5未満、4未満、3未満、2未満又は1未満の標準偏差で1%~5%の平
均FIX活性;15未満、14未満、13未満、12未満、11未満、10未満、9未満
、8未満、7未満、6未満、5未満、4未満、3未満、2未満又は1未満の標準偏差で2
.5%~7.5%の平均FIX活性;15未満、14未満、13未満、12未満、11未
満、10未満、9未満、8未満、7未満、6未満、5未満、4未満、3未満、2未満又は
1未満の標準偏差で5%~10%の平均FIX活性;15未満、14未満、13未満、1
2未満、11未満、10未満、9未満、8未満、7未満、6未満、5未満、4未満、3未
満、2未満又は1未満の標準偏差で7.5%~12.5%の平均FIX活性;15未満、
14未満、13未満、12未満、11未満、10未満、9未満、8未満、7未満、6未満
、5未満、4未満、3未満、2未満又は1未満の標準偏差で10%~15%の平均FIX
活性;15未満、14未満、13未満、12未満、11未満、10未満、9未満、8未満
、7未満、6未満、5未満、4未満、3未満、2未満又は1未満の標準偏差で12.5%
~17.5%の平均FIX活性;15未満、14未満、13未満、12未満、11未満、
10未満、9未満、8未満、7未満、6未満、5未満、4未満、3未満、2未満又は1未
満の標準偏差で15%~20%の平均FIX活性;15未満、14未満、13未満、12
未満、11未満、10未満、9未満、8未満、7未満、6未満、5未満、4未満、3未満
、2未満又は1未満の標準偏差で17.5%~22.5%の平均FIX活性;15未満、
14未満、13未満、12未満、11未満、10未満、9未満、8未満、7未満、6未満
、5未満、4未満、3未満、2未満又は1未満の標準偏差で20%~25%の平均FIX
活性;15未満、14未満、13未満、12未満、11未満、10未満、9未満、8未満
、7未満、6未満、5未満、4未満、3未満、2未満又は1未満の標準偏差で22.5%
~27.5%の平均FIX活性;15未満、14未満、13未満、12未満、11未満、
10未満、9未満、8未満、7未満、6未満、5未満、4未満、3未満、2未満又は1未
満の標準偏差で25%~30%の平均FIX活性;15未満、14未満、13未満、12
未満、11未満、10未満、9未満、8未満、7未満、6未満、5未満、4未満、3未満
、2未満又は1未満の標準偏差で27.5%~32.5%の平均FIX活性;15未満、
14未満、13未満、12未満、11未満、10未満、9未満、8未満、7未満、6未満
、5未満、4未満、3未満、2未満又は1未満の標準偏差で30%~35%の平均FIX
活性;15未満、14未満、13未満、12未満、11未満、10未満、9未満、8未満
、7未満、6未満、5未満、4未満、3未満、2未満又は1未満の標準偏差で32.5%
~37.5%の平均FIX活性;15未満、14未満、13未満、12未満、11未満、
10未満、9未満、8未満、7未満、6未満、5未満、4未満、3未満、2未満又は1未
満の標準偏差で35%~40%の平均FIX活性;15未満、14未満、13未満、12
未満、11未満、10未満、9未満、8未満、7未満、6未満、5未満、4未満、3未満
、2未満又は1未満の標準偏差で37.5%~42.5%の平均FIX活性;15未満、
14未満、13未満、12未満、11未満、10未満、9未満、8未満、7未満、6未満
、5未満、4未満、3未満、2未満又は1未満の標準偏差で40%~45%の平均FIX
活性;15未満、14未満、13未満、12未満、11未満、10未満、9未満、8未満
、7未満、6未満、5未満、4未満、3未満、2未満又は1未満の標準偏差で42.5%
~47.5%の平均FIX活性;又は、15未満、14未満、13未満、12未満、11
未満、10未満、9未満、8未満、7未満、6未満、5未満、4未満、3未満、2未満又
は1未満の標準偏差で45%~50%の平均FIX活性をもたらす。これらの実施形態の
いずれかにおいて、AAVベクターは、AAV-FIX39Padua、又は、それと同
じキャプシドと、それに対して少なくとも95%、96%、97%、98%若しくは99
%同一のゲノム配列とを有するものであってもよく、薬学的に許容できる組成物中で単独
で、又は、同じキャプシド種の空キャプシドと共にベクターに対する空キャプシドの比率
を概ね2:1、3:1、4:1、5:1、6:1、7:1、8:1、9:1、10:1若
しくは他の比率として、被検体に投与されてもよい。
【0195】
本発明の方法及び使用は、望まれる治療的な、有益な、付加的な、相乗的な又は相補的
な活性又は効力を有する任意の化合物、作用物質、薬剤、治療又は他の治療計画若しくは
プロトコルと組み合わされてもよい。典型的な組み合わせの組成及び治療は、生物製剤(
タンパク)、作用物質及び医薬品等のような第2の活性成分を含む。そのような生物製剤
(タンパク)、作用物質、医薬品、治療及び療法は、任意の他の方法又は本発明の使用(
例えば、血液凝固疾病について被検体を治療する治療方法)に先立って、それと実質的に
同時に、又は、その後に投与又は実行することができる。
【0196】
化合物、作用物質、薬、治療又は他の治療計画若しくは治療プロトコルは、組み合わせ
組成として投与されてもよいし、又は、核酸、ベクター、組み換えベクター(例えば、r
AAV)、ベクターゲノム若しくは組み替えウイルス粒子の送達若しくは投与(に先立っ
て、又は、の後で)と同時に若しくは順番に若しくは連続して別々に投与することができ
る。従って、本発明は、本発明の方法か使用が、本明細書に記載されている又は当業者に
知られている任意の化合物、作用物質、薬剤、治療計画、治療プロトコル、プロセス、治
療薬又は組成物と組み合わされた組み合わせを提供する。その化合物、作用物質、薬剤、
治療計画、治療プロトコル、プロセス、治療薬又は組成物は、被検体に対する本発明の核
酸、ベクター、組み換えベクター(例えば、rAAV)、ベクターゲノム又は組み替えウ
イルス粒子の投与に先立って、該投与と実質的に同時に、又は、該投与の後で、投与又は
実行することができる。
【0197】
ある実施形態において、1つの組み合わせ組成は、1つ以上の免疫抑制剤を含む。ある
実施形態において、1つの方法は、哺乳動物に対して1つ以上の免疫抑制剤を投与するか
又は届けることを含む。ある実施形態において、1つの組み合わせ組成物は、AAV-F
IX粒子と1つ以上の免疫抑制剤を含む。ある実施形態において、1つの方法は、哺乳動
物に対してAAV-FIX粒子を投与又は届けること、及び、哺乳動物に対して免疫抑制
剤を投与すること含む。当業者は、1つ以上の免疫抑制物質を有するそのような組み合わ
せ組成、及び、哺乳動物に対して免疫抑制剤を投与することの適切な必要性又はタイミン
グを決定することができる。
【0198】
また、本発明の方法及び使用は、特に、他の化合物、作用物質、薬剤、治療計画、治療
プロトコル、プロセス又は治療薬の必要性又は使用を減らす方法及び使用を含む。例えば
、血液凝固疾病について、本発明の方法又は使用は、所定の被検体において、被検体中の
不充分な又は不完全な(異常な又は変異な)内因性凝固因子を補完するための、組み換え
凝固因子タンパクの投与のより少ない頻度の又は低減した用量又は廃止を有する場合、治
療的利益を有する。従って、本発明に従って、他の治療又は療法の必要性又は使用を減ら
す方法及び使用が提供される。
【0199】
本発明は、ヒト及び動物の医学的応用を含む動物において有用である。従って、適切な
被検体は、ヒト等の哺乳動物、及び、ヒト以外の哺乳動物を含む。「被検体」との用語は
、動物を表し、典型的には、ヒト等の哺乳動物、ヒト以外の霊長類(類人猿、テナガザル
、ゴリラ、チンパンジー、オランウータン、マカク)、家庭動物(イヌ及びネコ)、家畜
動物(ニワトリ及びカモ等の飼鳥類、ウマ、ウシ、ヤギ、ヒツジ、ブタ等)、及び、実験
動物(マウス、ラット、ラビット、モルモット)を表す。ヒト被検体は、胎児、新生児、
幼児、若年者、及び、成人の被検体を含む。被検体は、動物の疾病モデル(例えば、血液
凝固疾病のマウス及び他の動物モデル、並びに、当業者に知られている他の動物モデル)
を含む。
【0200】
治療するのに適切な被検体は、機能する遺伝子生成物(タンパク)の生産量が不充分で
あるか若しくは欠損している若しくはそのようなリスクのある者、又は、異常な、部分的
にしか機能しない若しくは機能しない遺伝子産物(タンパク)であって、病気に至り得る
ものを生産する者を含む。本発明に従った治療に適切な被検体は、病気に結びつく異常な
又は不完全な(変異体の)遺伝子産物(タンパク)を有するか又は作るリスクがあり、そ
の異常な又は不完全な(変異体の)遺伝子産物(タンパク)の量、発現又は機能を減少さ
せることが、その病気の治療に結びつくか又は1つ以上の症状を低減するか若しくはその
病気を緩和することになる者をさらに含む。従って、ターゲット被検体は、血友病患者(
例えば、血友病B)等のような、異常な若しくは不充分な血液凝固因子を作り、又は、血
液凝固因子を作らない被検体を含む。
【0201】
本発明に従った治療のために適切な被検体は、補助タンパク(例えば、血友病を治療す
るためのFIX等のような組み換え血液凝固因子)で以前に又は現在治療されている者を
さらに含む。本発明に従った治療に適切な被検体は、FIXタンパクに対して本質的な若
しくは検出可能な免疫反応を発達させていない、又は、FIXをベースとした遺伝子治療
を妨害若しくは阻害する抗FIXタンパクの阻害抗体の量を発達させていない者をさらに
含む。
【0202】
他の実施形態において、(例えば、遺伝子型決定によって)血友病Bを有すると決定さ
れたが、まだ血友病Bの症状のいずれをも示していない小児のヒト被験体は、最初の段階
でいかなるそのような症状が生じることを防ぐために、又は、他の実施形態においては、
治療しない状態であればそうでなると考えられるのと同じくらい重度になることを防ぐた
めに、AAVベクターによって予防的に治療することができる。いくつかの実施例におい
て、このように予防的に治療されるヒト被検体は、止血を維持し、ひいては、血友病Bの
1つ以上の症状の重症度を防止又は低減するのに適切なFIX活性を生産及び維持するた
めにAAVベクターが投与される場合、少なくとも3か月、4か月、5か月、6か月、7
か月、8か月、9か月、10か月、11か月、12か月、13か月、14か月、15か月
、16か月、17か月、18か月又はそれ以上の年齢である。これらの実施形態のいずれ
かにおいて、AAVベクターは、AAV-FIX39Padua、又は、それと同じキャ
プシドと、それに対して少なくとも95%、96%、97%、98%若しくは99%同一
のゲノム配列とを有するものであってもよく、薬学的に許容できる組成物中で単独で、又
は、同じキャプシド種の空キャプシドと共にベクターに対する空キャプシドの比率を概ね
2:1、3:1、4:1、5:1、6:1、7:1、8:1、9:1、10:1若しくは
他の比率として、被検体に投与されてもよい。
【0203】
被検体に対する投与又はインビボ送達は、その病気によって引き起こされる又はその病
気に関連する不都合な症状、病状、合併症等の発生に先立って行われてもよい。例えば、
選抜(例えば、遺伝子的)は、そのような被検体を、本発明の組成、方法及び用途のため
の候補と確認するために使用されてもよい。従って、そのような被検体は、機能する遺伝
子生成物(タンパク)の量が不充分であるか若しくは欠損していること、又は、異常な、
部分的にしか機能しない若しくは機能しない遺伝子産物(タンパク)の生産についてポジ
ティブであると選抜された者を含む。
【0204】
本発明の方法及び用途は、全身的な、局所的な若しくは部分的な、又は、任意の経路(
例えば、注射又は注入による)の送達及び投与を含む。そのような送達及び投与は、非経
口、例えば、血管内、静脈内、筋肉内、腹腔内、皮内、皮下、又は口腔粘膜内の送達及び
投与を含む。典型的な投与及び送達の経路は、静脈内(i.v.)、腹腔内(i.p.)
、動脈内、皮下、胸膜腔内、挿管、肺内、腔内、イオン導入、臓器内、リンパ管内への投
与及び送達を含む。
【0205】
代替的に又は付加的に、AAVベクターは、門脈を経由して肝臓に届けられてもよい。
他の選択肢において、肝動脈経由で肝臓にAAVベクターを届けるために、大腿動脈中に
導入されたカテーテルを使用することができる。肝臓にAAVベクターを直接届けるため
に、内視鏡的逆行性胆道膵管造影(ERCP)等のような外科以外の手段を使用すること
もでき、それによって血流及びAAV中和抗体を回避することができる。抗AAV抗体を
発達させる又は先在する抗AAV抗体を有する被検体中にAAVベクターを届けるために
入り口として、顎下腺の管等のような他の送管システムを使用することもできる。
【0206】
用量は、変わってもよく、その治療が対象としている病気の種類、発病、進行、重症度
、頻度、持続期間若しくは見込み、望まれる臨床的終了点、以前の若しくは同時に行う治
療、被検体の健康状態、年齢、性別、人種若しくは免疫適格性、並びに、当業者によって
理解される要因に依存してもよい。治療又は療法の任意の不都合な副作用、合併症又は他
の危険因子、並びに、被検体の状態によって示されるのに釣り合うように、用量、数、頻
度又は継続期間を増加又は減少させることができる。当業者は、治療的な又は予防的な利
益を提供するのに充分な量を提供するために必要となる用量及びタイミングに影響する可
能性がある要因を理解するであろう。
【0207】
本発明の方法及び使用は、本明細書に記載されているように、被験者が、その治療が対
象としている病気を有することが確認されたか、その病気の1つ以上の症状を有している
か、又は、その被験者がその病気の1つ以上の症状を有していないが、本明細書に記載さ
れているように陽性であると選抜されて確認された後、1~2時間、2~4時間、4~1
2時間、12~24時間又は24~72時間以内に実行することができる。もちろん、本
発明の方法及び使用は、被験者が、その治療が対象としている病気を有することが確認さ
れたか、その病気の1つ以上の症状を有しているか、又は、その被験者がその病気の1つ
以上の症状を有していないが、本明細書に記載されているように陽性であると選抜されて
確認された後、1~7日、7~14日、14~21日、21~48日、若しくは、それ以
上の日数、数ヶ月、又は、数年の期間内に実行することができる。
【0208】
本発明の核酸、ベクター、組み換えベクター(例えば、rAAV)、ベクターゲノム及
び組み替えウイルス粒子、並びに、他の組成物、作用物質、医薬品、生物製剤(タンパク
)は、医薬的組成(例えば、薬学的に許容できる担体、賦形剤)の中に組み込まれてもよ
い。そのような医薬組成は、特に、被検体に対するインビボ又はエクスビボでの投与及び
送達のために有用である。
【0209】
本明細書で使用されているように、「薬学的に許容できる」との用語及び「生理的に許
容できる」との用語は、気体、液体若しくは固体又はそれらの混合物の、生物学的に許容
できる製剤形態であり、その製剤形態が、インビボでの送達又は接触の1本以上の投与経
路に適していることを意味する。「薬学的に許容できる」又は「生理的に許容できる」組
成は、生物学的に又は他の点において望ましくないものではない材料であり、例えば、そ
の材料は、望ましくない生物学的作用を本質的に引き起こさずに、被検体に投与できる。
従って、そのような医薬組成は、例えば、被検体にウイルスベクター又はウイルス粒子を
投与することにおいて使用されてもよい。
【0210】
そのような組成は、医薬投与又はインビボでの接触若しくは送達と適合する、溶剤(水
性又は非水性)、溶液(水性又は非水性)、乳剤(例えば、水中油又は油中水)、懸濁液
、シロップ剤、エリキシル剤、分散液及び懸濁液、コーティング、等張剤、並びに、吸収
促進剤及び吸収遅延剤を含む。水性溶剤及び非水性溶剤、溶液並びに懸濁液は、懸濁化剤
と増粘剤を含んでいてもよい。そのような薬学的に許容できる担体は、錠剤(コーティン
グされた又はコーティングされていない)、カプセル剤(堅い又は軟らかい)、マイクロ
ビーズ、パウダー、果粒剤及び結晶を含む。補助活性化合物(例えば、保存剤、抗菌剤、
抗ウイルス剤、及び、抗真菌剤)を組成中に組み込むこともできる
【0211】
医薬組成は、本明細書に記載されているように又は当業者に知られているように、特定
の投与経路又は送達に適合するように調剤されてもよい。従って、医薬組成は、様々なル
ートによる投与に適した担体、希釈剤又は賦形剤を含む。
【0212】
非経口適用に適した組成物は、活性化合物の水性溶液、非水性溶液、懸濁液又は乳濁液
を含み、その調合薬は、典型的には無菌であり、意図されているレシピエントの血液と等
張であってもよい。非限定的な説明に役立つ例は、水、食塩水、デキストロース、フルク
トース、エタノール、動物油、野菜油、又は、合成油を含む。
【0213】
共溶媒及び補助薬が剤形態に加えられてもよい。共溶媒の非限定的な例は、例えば、イ
ソプロピルアルコール等のようなアルコール;プロピレングリコール、ポリエチレングリ
コール、ポリプロピレングリコール、グリコールエーテル等のようなグリコール;グリセ
ロール;ポリオキシエチレンアルコール、ポリオキシエチレン脂肪酸エステルのように、
水酸基又は他の極性基を含む。
補助薬は、例えば、大豆レシチン及びオレイン酸等のような界面活性剤;ソルビタントリ
オレエート等のようなソルビタンエステル;及び、ポリビニルピロリドンを含む。
【0214】
本発明の組成物、方法及び用途に適切な医薬組成及び送達システムは、当業界において
知られている(例えば、Remington: The Science and Pr
actice of Pharmacy (2003) 20th ed., Mack
Publishing Co., Easton, PA; Remington’s
Pharmaceutical Sciences (1990) 18th ed.,
Mack Publishing Co., Easton, PA; The Mer
ck Index (1996) 12th ed., Merck Publishin
g Group, Whitehouse, NJ; Pharmaceutical
Principles of Solid Dosage Forms (1993),
Technonic Publishing Co., Inc., Lancast
er, Pa.; Ansel and Stoklosa, Pharmaceuti
cal Calculations (2001) 11th ed.,Lippinc
ott Williams & Wilkins, Baltimore, MD; 及
び、Poznanskyら, Drug Delivery Systems (198
0), R. L. Juliano, ed., Oxford, N.Y., pp
. 253-315を参照されたい。)。
【0215】
本明細書で使用されているように、「ユニット投薬形態」という用語は、治療される被
検体のための単一量として適した物理的に分離した単位を表す。各単位は、任意に薬剤担
体(賦形剤、希釈剤、媒体又は充満剤)を伴って、1又はそれ以上の用量で投与された場
合に、所望の効果(例えば、予防的効果又は治療的効果)を生じさせると計算される所定
の量を含む。単位用量形態は、例えば、アンプル及びバイアル中に存在していてもよい。
単位用量形態は、液状組成物を含んでいてもよいし、又は、フリーズドライ又は凍結乾燥
された状態の組成物を含んでいてもよい。例えば、インビボでの投与又は送達に先立って
無菌の液状担体が加えられてもよい。個別の単位量形態は、複数用量キット又は包装容器
中に含められてもよい。組み換えベクター(例えばrAAV)配列、組み替えウイルス粒
子、及び、それらの医薬組成物は、投与のしやすさ及び容量の均一性のために、単一の単
位用量又は複数の単位用量でパッケージされてもよい。
【0216】
本発明は、パッケージング材及びその中の1つ以上の成分を有するキットを提供する。
キットは、典型的には、成分の説明又は成分のインビトロ、インビボ、エスクビボでの使
用説明書を含む、ラベル又はパッケージング挿入物を含む。キットは、例えば、核酸、組
換え型のベクター、ウイルス(例えば、AAV)ベクター又はウイルス粒子等のそのよう
な成分の集合物と、任意に、他の化合物、作用物質、薬剤又は組成物等のような第2の活
性成分を含んでいてもよい。
【0217】
キットは、当該キットの1つ以上の成分を収容する物理構造を表す。パッケージング材
は、その成分を無菌的に維持することができ、そのような目的のために一般的に使用され
る材料からなるものであってもよい(例えば、紙、波形のファイバー、ガラス、プラスチ
ック、箔、アンプル、バイアル、チューブ等)。
【0218】
ラベル又は挿入物は、1つ以上の成分、用量、(作用機序、薬物動態学及び薬動力学を
含む)有効成分の臨床薬理学を特定する情報を含んでいてもよい。ラベル又は挿入物は、
製造業者、ロット番号、製造業者の居所及び日付、使用期限を特定する情報を含んでいて
もよい。ラベル又は挿入物は、製造業者情報、ロット番号、製造業者の居所及び日付を特
定する情報を含んでいてもよい。ラベル又は挿入物は、キットの成分を使用することがで
きる疾病に関する情報を含んでいてもよい。ラベル又は挿入物は、方法、使用、又は、治
療プロトコル若しくは治療規制の1つ以上においてキット成分を使用するための、臨床医
又は被検体のための指示書を含んでいてもよい。指示書は、用量、頻度又は期間、及び、
本明細書に記載されている、用途、治療プロトコル、又は、予防計画若しくは治療計画の
いずれかを実行するための指示を含んでいてもよい。
【0219】
ラベル又は挿入物は、予防的利益又は治療的利益等のような、成分が提供することがで
きるあらゆる利益に関する情報を含んでいてもよい。ラベル又は挿入物は、特定の組成物
を使用することが適切でない状況に関する被検体又は臨床医に対する警告等のような、潜
在的な不都合な副作用、合併症又は反応に関する情報を含んでいてもよい。被検体が、組
成物と適合しない可能性がある1つ以上の他の薬物を有し、将来的に有し、若しくは、現
在摂取している場合、又は、被検体が、組成物と適合しない他の治療プロトコル又は治療
計画を有し、将来的に受け、若しくは、現在受けている場合、副作用又は合併症がさらに
生じる可能性があり、従って、指示書は、そのような不適合性に関する情報を含んでいて
もよい。
【0220】
ラベル又は挿入物は、「印刷物」、例えば、紙、厚紙であって、成分、キット若しくは
パッケージ材料(例えば、箱)と分離した若しくは添付された、又は、キット成分を含む
アンプル、チューブ若しくはバイアルに添付されたものを含む。ラベル又は挿入物は、バ
ーコード付きのプリントされたラベル、ディスク、CD-若しくはDVD-ROM/RA
M、DVD等の光ディスク、MP3、磁気テープ、又は、RAM、ROM等の電気的記憶
媒体、又は、磁気/光記憶媒体、FLASHメディア又はメモリ型カード等のハイブリッ
ド、等のコンピュータ読取り可能なメディアをさらに含んでいてもよい。
【0221】
別段の定めがない限り、本明細書で使用されている技術的用語及び科学用語のすべては
、この発明が属する分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。本
明細書に記載されているものと類似又は等価の方法及び材料を本発明の実行又は試験にお
いて使用することができるが、適切な方法及び材料は本明細書に記載されている
【0222】
本明細書で引用されているすべての特許、特許出願、刊行物及び他の参考文献、Gen
Bank引用並びにATCC引用は、参照することによってそれらの全体が組み込まれて
いる。抵触する場合には、定義を含む明細書が規定する。
【0223】
本明細書に開示されているすべての特徴はあらゆる組み合わせで組み合わせられてもよ
い。本明細書に開示されている各特徴は、同じ、等価、又は、類似の目的を果たす代替的
特徴に置換されてもよい。従って、明示的に別段の記載が無い限り、開示されている特徴
(例えば、核酸変異体、ベクタープラスミド、組換え型のベクター(例えばrAAV)配
列又は組み替え型のウイルス粒子)は、等価な又は同様の特徴の属の例である。
【0224】
本明細書で使用されているように、明示的に別段の定めがない限り、「1つの」(a)
及び「その」(the)という単数形は、複数の指示物を含む。従って、例えば、「核酸
」(a nucleic acid)への言及は複数のそのような核酸を含む。「ベクタ
ー」(a vector)への言及は複数のそのようなベクターを含む。「ウイルス」(
a virus)又は「粒子」(a particle)への言及は複数のそのようなウ
イルス/粒子を含む。
【0225】
本明細書で使用されているように、明示的に別段の定めがない限り、数値又は数値範囲
は、すべてそのような範囲内の整数と、範囲内の値又は整数の一部を含む。従って、説明
のために、80%又はそれ以上の同一性への言及は、81%、82%、83%、84%、
85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%等
、並びに、81.1%、81.2%、81.3%、81.4%、81.5%等、82.1
%、82.2%、82.3%、82.4%、82.5%等を含む。
【0226】
「より多い(より大きな)」又は「より少ない」を伴う整数への言及は、参照値より大
きい任意の数又は参照値より小さい任意の数をそれぞれ含む。例えば、従って、「100
より小さい」への言及は、99、98、97等、数1(1)に至る途中のすべての数を含
む。また、「10より小さい」は、9、8、7等、数1(1)に至る途中のすべての数を
含む。
【0227】
本明細書で使用されているように、明示的に別段の定めがない限り、すべての数値又は
範囲は、そのような範囲内の値及び整数の一部、並びに、そのような範囲内の整数の一部
を含む。従って、説明のために、1-10のような数値範囲への言及は、1、2、3、4
、5、6、7、8、9、10等、及び、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5等を含
む。従って、1-50の範囲への言及は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、
11、12、13、14、15、16、17、18、19、20等、最大で50まで、か
つ、50を含み、また、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5等、2.1、2.2、
2.3、2.4、2.5等を含む。
【0228】
連続した範囲への言及は、その連続における異なる範囲の境界の値を組み合わせた範囲
を含む。従って、連続した範囲への言及を説明するために、例えば、1-10、10-2
0、20-30、30-40、40-50、50-60、60-75、75-100、1
00-150、150-200、200-250、250-300、300-400、4
00-500、500-750、750-850は、1-20、1-30、1-40、1
-50、1-60、10-30、10-40、10-50、10-60、10-70、1
0-80、20-40、20-50、20-60、20-70、20-80、20-90
、50-75、50-100、50-150、50-200、50-250、100-2
00、100-250、100-300、100-350、100-400、100-5
00、150-250、150-300、150-350、150-400、150-4
50、150-500等の範囲を含む。
【0229】
本発明は、多数の実施形態及び態様について記載するために、本明細書中において断定
的な言葉を使用して一般的に開示されている。また、本発明は、物質又は材料、方法ステ
ップ及び条件、プロトコル又は手続等の特定の主題が、全部又は一部分において除外され
た実施形態を特に含む。例えば、本発明のある実施形態又は態様において、材料及び/又
は方法ステップが除外される。従って、本発明が含んでいないものという観点では、たと
え本発明が本明細書中に一般に表現されていなくても、本発明において明示的に除外され
ていない態様はそれにも拘わらず本明細書に開示されている。
【0230】
本発明の多くの実施形態が記載されている。しかし、当業者は、本発明の趣旨及び範囲
から逸脱せずに、様々な使用法及び状況に本発明を適応させるために、本発明に様々な変
更及び修飾を加えることができる。従って、以下の実施例は、説明するように意図されて
おり、いかなる態様においても特許請求の範囲に記載された発明の範囲を限定するもので
はない。
【0231】
従って、以下の実施例は、本発明の範囲を説明するが、特許請求の範囲に記載されてい
る本発明の範囲を制限しないように意図されている。
実施例1 ベクター設計/調製
【0232】
338L Padua変異(Simioni Pら、N Engl J Med 20
09、361:1671)を有する高い特異的活性のヒト第IX因子タンパクをコードす
る新規な第IX因子核酸を設計した(「FIX39-Padua」、配列番号:10、図
10)。FIX39Paduaは、FIXコード配列及びイントロン配列の中のCpGジ
ヌクレオチドを完全に欠損している。比較試験のために、FIX19(Mingozzi
ら、Sci. Transl Med. 2013)が調製され、FIX Paduaに
起因するあらゆる潜在的な混乱させる結果を除外するために、FIX Paduaを含む
ように修飾された(「FIX19-Padua」、配列番号:11、
図11)。
【0233】
プラスミド(「pAAV-ApoE_hAAT-FIX39」、11125塩基対、配
列番号:12、
図12A)が合成され、そのプラスミドは、FIX39 Padua発現
カセット及び表2に記載されている因子を含んでいた。pAAV-ApoE_hAAT-
FIX39のマップは
図13に示されている。
【表2】
【0234】
FIX39Paduaをコードする配列及びイントロンAの配列は、配列番号:25に
記載されている(
図15)。また、FIX19PaduaCDS及び同じ制御因子、同じ
アデノ随伴逆方向末端反復(ITR)、並びに、pAAV-ApoE_hAATFIX3
9と同じ肝臓特異的ApoE/hAATプロモーターを含むプラスミドも合成した。
【0235】
FIX39Padua(「AAV-FIX39Padua」)導入遺伝子及びFIX1
9Padua(「AAV-FIX19Padua」)導入遺伝子のために、トリプル・ト
ランスフェクション・プロセス、及び、その後の二重塩化セシウム勾配遠心分離(Ayu
so E, Metら、Gene Ther 2010、17:503)を使用して、4
-1キャプシド変異(配列番号:4)を有するAAVベクターを調製した。標準物質とし
て線状化したプラスミドを使用して、定量的PCRによって、ベクターを滴定した。実施
例3に記載されている研究のために、尾静脈注入用として、マウス1匹当たり200μL
の最終体積となるように、PBS、5%ソルビトール、0.001%のF68によってベ
クターを希釈した。
実施例2 インビトロにおけるAAV変異体4-1の遺伝子導入
【0236】
細胞1個当たり500から62500ベクターゲノムの範囲内の4つの異なる感染多重
度(MOI)でルシフェラーゼを発現する4-1変異体キャプシド(配列番号:4)を用
いて、カニクイザル及びヒトから得た初代肝細胞を形質導入した。遺伝子導入の72時間
後に、ルシフェラーゼ発現を分析した。
図16に示されているように、遺伝子導入された
ヒト肝細胞の比率は、非ヒト霊長類の肝細胞と比較して、使用したMOIに依存して、0
.8~1.5の範囲内であった。インビトロで生成されたこれらのデータは、カニクイザ
ル及びヒトの被検体において凝固IX因子の発現を比較したとき、以前のインビボでの観
察と一致しているようにみえる。
実施例3 効果研究
【0237】
マウスにおいて、AAV-FIX39PaduaとAAV-FIX19Paduaの効
果を比較評価するための研究を行った。5つのグループのマウスに、8~10週齢で、1
×1011vg/kg又は1×1012vg/kgのいずれかのAAV-FIX39Padu
a及びAAV-FIX19Paduaを注入した。ベクターの投与後に、ヘパリン処理さ
れたキャピラリーチューブを使用して、眼窩後出血によって血液を回収した。血漿を4℃
、10分間の9000rpmの遠心分離によって分離し、分析するまで-80℃で冷凍保
存した。
【0238】
hFIX導入遺伝子の発現を評価するために、回収された血漿を使用した。ELISA
キット(Affinity Biologicals、Ancaster、ON、カナダ
)を使用して、血漿中のヒトFIXレベルを測定した。
【0239】
活性化部分トロンボプラスチン時間(aPTT)分析によって、ヒトFIXの活性レベ
ルを測定した。サンプル血漿を、ヒトFIX欠損血漿(George King Bio
medical社)及びaPTT試薬(Trinity Biotech)と1:1:1
の体積比で混合し、その後に37℃で180秒間インキュベーションをすることによって
、aPTT分析を実行した。25mM塩化カルシウムを加えることによって凝固を開始し
た。STart4凝析装置(Diagnostica Stago)を使用して、血栓形
成時間を測定した。TBS pH7.4(48μl+192μl)による1:5の希釈か
ら始まり、その後の1:2の連続希釈(120μl+120μl)を伴う、ジョージ・キ
ングから得た正常なプール血漿を用いて、標準曲線を生成した。ベクター投与後第17週
に各サンプルの活性を計算するためにそのヒト標準曲線を使用した。2匹の治療していな
いマウスにおいても活性を測定した。治療していないマウスにおけるFIX活性を平均し
、次に、その平均値を、FIXPaduaタンパクに起因する追加的(つまり、ヒト)活
性を計算するために、治療されたサンプルから引いた。
【0240】
図17に示されているように、AAV-FIX39Padua及びAAV-FIX19
Paduaは、実質的に等しいレベルのFIXを発現するようにみえる。
【0241】
ベクター投与の17週間後に、1×10
12vg/kgのベクター用量で治療されたマウ
スにおいてヒトFIX活性を測定した。抗原に対する活性の比率は、5.2~7.5の範
囲内であり、FIX19Paduaグループ及びFIX39Paduaグループの両方に
ついて平均は6.4であった(表3)。
【表3】
【0242】
これらの結果は、両方の発現カセットの効力が実質的に類似していることを示唆してい
るが、プラスミド流体尾静脈注入の設定においてもその2つの構築物を分析した。裸のD
NAのインビボでの投与に由来するFIXレベルの評価の理論的根拠は、AAV滴定、ベ
クター製造等における差の潜在的干渉がない状態において、両方の発現カセットを比較す
ることであった。
【0243】
図18に示されているように、両方の裸の発現カセットは、FIXを発現させることに
おいて同程度の効力があり、そのことは、AAVセッティングにおいて得られたデータを
確かにしていた。これらの結果は、FIX19Padua及びFIX39Padua発現
カセットが同様の効力を有することを示す。
実施例4 AAV-FIX39Padua遺伝子治療
【0244】
AAV-FIX39Paduaの単独の静脈注入の安全性及び動態を決定するために臨
床研究を行う。使用したAAV4-1キャプシド変異体は、前臨床試験において、優れた
安全性及び効力(1×10
12vg/kgのベクター注入の3か月後に、NHPにおいて最
大35%の保持されたFIX活性レベルを達成する能力)を有することが示された。AA
V4-1キャプシド変異体に対してクロス反応する中和抗体(Ab)は、AAV8よりも
約10%少なく広まっている。この研究の設計は表4に提供されている。
【表4】
実施例5 臨床結果
【0245】
血友病Bを有する4つの被検体に、AAV-FIX39Paduaベクターを単独で静
脈注射により投与した。最初の2人の被検体は、それぞれ、23歳と18歳であり、肝臓
病の既往歴を有しておらず、一方、第3の被検体は、47歳で、HCV感染の既往歴を有
していたが、自然になくなっていた。4人全員の被検体は、新規なAAVキャプシドに対
する中和抗体で選抜されており、ネガティブであることがわかった。
【0246】
被検体に、1時間以内の期間に亘って5×10
11vg/kgのAAV-FIX39Pa
duaベクターを静脈内に注入した。
各被検体に投与されたすべてのAAV-FIX39Paduaベクターが
図20~
図23
に示されており、示されているAAV空キャプシドの量と合計されている。
【0247】
図19~
図23は研究結果を示しており、AAV-FIX39Paduaベクターが0
日目に投与された。全研究評価期間を通じて増加したFIX活性によって反映されている
ように、その結果は、4つの被検体すべてにおいて増加した第IX因子の生産を示す。
【0248】
概ね0日目から3日目におけるFIX活性の最初の増加は、100IU/kgのAlp
rolix(商標)又はBeneFIX(商標)の投与によるものであり、これらは、約
82時間の近似半減期を有する組み換えFIX-Fc融合タンパクである。AAV-FI
X39Paduaベクターに起因する第IX因子活性は、AAVベクター注入後の概ね6
日~8日目後に始まる。
【0249】
図19に要約されているように、また、
図20、
図21A、
図22A及び
図23Aにお
ける個々の被検体について示されているように、4つの被検体すべてについて、第IX因
子活性は、徐々に増加し、183日、102日、69日及び50日の評価期間の間に亘っ
て安定していると思われる。これらのデータは、5×10
11vg/kgのAAV-FIX
39Paduaベクターの1回の注入が、血友病B患者に、充分なかつ保持された第IX
因子の生産及び活性をもたらし、止血を提供するための意味がありかつ有益な血液凝固活
性を提供することを示す。
【0250】
図19、20A、21A、22A及び23Aに示されているように、第IX因子活性レ
ベルは、注入後183日、102日、69日及び50日において、被検体1-4のそれぞ
れについて、それぞれ、正常値の28%、41%、26%及び33%であった。半減期が
延長された生成物を有する被検体#3は、ベクター注入の2日後に足首出血が疑われ、自
分自身を治療したが、それ以外には、評価期間中に因子は注入せず、出血も無かった。
【0251】
免疫抑制剤(ステロイド)は、被検体のいずれにも投与されていない。さらに、概して
、正常値の上限を超えてトランスアミナーゼが持続的に上昇することはなく、治療の悪影
響を示さなかった(
図20B、
図21B、
図22B及び
図23)。
【0252】
4つの被検体すべてにおいて、AAVに対する及びFIXに対するT細胞応答をモニタ
ーするためにELISPOTを使用した。反応は無いか又は非常に低かった。注目すべき
ことに、第IX因子レベルが安定レベルまで上昇する時間経過は、著しく日数と一致して
いる(
図19)。第IX因子Padua変異体の特異的活性が8倍増加したと仮定すると
、抗原レベルの穏やかな変動は、活性レベルにおけるより大きい変化をもたらす。
【0253】
公表されているデータ(Nathwaniら、N Engl J Med. 371(
21):1994-2004(2014))は、野生型の第IX因子を発現するAAV8
ベクターを注入した血友病B患者における第IX因子の長期的発現を示している。しかし
ながら、発現のレベルは、最小用量(2×1011ベクターゲノム[vg]/kg体重)に
おける正常値の1.4%~2.2、及び、最高用量(2×1012vg/kg)における2
.9%~7.2%と低い範囲内であった。さらに、最高用量を注入した4/6の被検体は
、最高用量に関連して増加するトランスアミナーゼ(しかし、2×1011又は6×1011
vg/kgの低用量では観察されなかった)を低減するために、免疫抑制薬(プレドニゾ
ロン)の経過を必要とした。血友病患者の自然の歴史研究からのデータは、自然に起こる
関節出血の年間回数をゼロまで減らすためには、~12%のFIXの血中濃度を必要とす
ることを示唆している(den Uijlら、Haemophilia 17(1):4
1-4 (2011))。
【0254】
これらは、高い特異的活性の第IX因子導入遺伝子を発現する、生物工学によって作ら
れた新規なAAVキャプシドを使用した、最初の臨床結果である。被検体1-4において
見られた、正常値の28%、41%、26%及び33%である第IX因子活性レベルは、
先の研究において見られた、公表されているデータに基づいたものよりも実質的に高い循
環因子IXレベルであり、また、自然に生じる関節出血の年間回数をゼロにまで減らすた
めに必要とされる循環因子IXレベルを超える。
【0255】
更に、この研究においてみられた本質的な第IX因子活性レベルは、ベクター注入以後
に組み換え因子IXを使用することなく、また、免疫抑制剤(ステロイド)を使用するこ
となく達成された。これらの結果は、その結果、免疫抑制が必要でないという、肝臓を対
象とした遺伝子治療のための重要なゴールを可能にする、低薬量のAAVベクター投与で
高いレベルの凝固因子発現を導くことができるAAV-FIXベクターの開発を示してい
る。この研究において観察された第IX因子活性レベルは、この研究期間の間に亘って保
持された。
実施例6 AAV-FIX39Paduaベクターの低減された免疫原性
【0256】
現在のフェーズI/II研究のために、有効化されたインターフェロン-ガンマ(IF
Ng)エンザイム・リンクド・イムノスポット(ELISPOT)アッセイを用いて、A
AVベクターに対する潜在的な免疫反応について、5×11vg/kgのAAV-FIX
39Paduaを摂取した4つの被検体をモニターした。毎週の採血から分離した精製さ
れたPBMCを、インターフェロンγELISPOT分析で調べた。24~25個のペプ
チドをそれぞれ含む6個のAAVキャプシドペプチドプールを、2e5細胞中においてト
リプリケートでインキュベートした。T細胞応答は、IFNgに対するビオチン化抗体を
使用して検出され、その後の比色定量現像により、100万個の細胞当たりのスポット・
フォーミング・ユニット(SFU)として報告された。各時点において最も高い応答をす
るプールが、SFU/100万細胞として示されている。ポジティブとして歴史的に用い
られている臨界点は、50超のSFUとメディアコントロールの3倍(青線)である。被
検体840-003-001、840-001-002、840-001-004及び8
40-001-005(黒で示されている)は、26週間、14週間、11週間及び8週
間を超えるまでモニターした。ELISPOTは、2つの被検体、CP-16及びPT1
7が、1e12vg/kgのAAV8-FIX19ベクターを摂取し、1つの被検体が、
2e12vg/kgのAAV8-FIX19を摂取した以前の試みから得たものであり、
赤で示されている。
【0257】
ポジティブなT細胞反応に関する基準として、歴史的に受け入れられている50超のS
FU及びバックグラウンド(メディア)コントロールの3倍の値を使用すると、注入後2
6週間を過ぎても、3つの被検体における反応は、ほとんど無いか又はまったくなかった
(
図24A)。これは、3人の被検体にFIX導入遺伝子カセットを届けるためにコドン
最適化されたAAV8ベクターを使用し、第2週の時点で早くも頑強なIFNg T細胞
応答が観察された、我々のグループによる公開されていない以前の研究(
図24B)とは
まったく対照的である。AAV-2(Mannoら、2006 Nat Med)を用い
た以前に公表されている他の研究、及び、AAV-8自己相補的ベクター(Nathwa
niら、2011 NEJM)を用いた以前に公表されている他の研究は、同様に、AA
Vキャプシドに対する初期のT細胞応答の証拠を示している。重要なことに、導入遺伝子
の産物に対する反応は、この試みにおいて観察されていない。
【0258】
AAVキャプシドT細胞エピトープを提示する、遺伝子導入された肝細胞に対する免疫
反応を介したT細胞の活性化は、導入遺伝子の発現が長続きせず、最終的に失われる被検
体において役割を果たしている可能性があるという仮説が立つ。従って、AAV-FIX
39Paduaベクターの低減された免疫原性プロファイルは、全面的効力に向けた有望
な改良を意味する。
Rh74 VP1アミノ酸配列(配列番号:1)
MAADGYLPDWLEDNLSEGIREWWDLKPGAPKPKANQQKQD
NGRGLVLPGYKYLGPFNGLDKGEPVNAADAAALEHDKAYD
QQLQAGDNPYLRYNHADAEFQERLQEDTSFGGNLGRAVFQ
AKKRVLEPLGLVESPVKTAPGKKRPVEPSPQRSPDSSTGI
GKKGQQPAKKRLNFGQTGDSESVPDPQPIGEPPAGPSGLG
SGTMAAGGGAPMADNNEGADGVGSSSGNWHCDSTWLGDRV
ITTSTRTWALPTYNNHLYKQISNGTSGGSTNDNTYFGYST
PWGYFDFNRFHCHFSPRDWQRLINNNWGFRPKRLNFKLFN
IQVKEVTQNEGTKTIANNLTSTIQVFTDSEYQLPYVLGSA
HQGCLPPFPADVFMIPQYGYLTLNNGSQAVGRSSFYCLEY
FPSQMLRTGNNFEFSYNFEDVPFHSSYAHSQSLDRLMNPL
IDQYLYYLSRTQSTGGTAGTQQLLFSQAGPNNMSAQAKNW
LPGPCYRQQRVSTTLSQNNNSNFAWTGATKYHLNGRDSLV
NPGVAMATHKDDEERFFPSSGVLMFGKQGAGKDNVDYSSV
MLTSEEEIKTTNPVATEQYGVVADNLQQQNAAPIVGAVNS
QGALPGMVWQNRDVYLQGPIWAKIPHTDGNFHPSPLMGGF
GLKHPPPQILIKNTPVPADPPTTFNQAKLASFITQYSTGQ
VSVEIEWELQKENSKRWNPEIQYTSNYYKSTNVDFAVNTE
GTYSEPRPIGTRYLTRNL
Rh74 VP2アミノ酸(配列番号:2)
TAPGKKRPVEPSPQRSPDSSTGIGKKGQQPAKKRLNFGQT
GDSESVPDPQPIGEPPAGPSGLGSGTMAAGGGAPMADNNE
GADGVGSSSGNWHCDSTWLGDRVITTSTRTWALPTYNNHL
YKQISNGTSGGSTNDNTYFGYSTPWGYFDFNRFHCHFSPR
DWQRLINNNWGFRPKRLNFKLFNIQVKEVTQNEGTKTIAN
NLTSTIQVFTDSEYQLPYVLGSAHQGCLPPFPADVFMIPQ
YGYLTLNNGSQAVGRSSFYCLEYFPSQMLRTGNNFEFSYN
FEDVPFHSSYAHSQSLDRLMNPLIDQYLYYLSRTQSTGGT
AGTQQLLFSQAGPNNMSAQAKNWLPGPCYRQQRVSTTLSQ
NNNSNFAWTGATKYHLNGRDSLVNPGVAMATHKDDEERFF
PSSGVLMFGKQGAGKDNVDYSSVMLTSEEEIKTTNPVATE
QYGVVADNLQQQNAAPIVGAVNSQGALPGMVWQNRDVYLQ
GPIWAKIPHTDGNFHPSPLMGGFGLKHPPPQILIKNTPVP
ADPPTTFNQAKLASFITQYSTGQVSVEIEWELQKENSKRW
NPEIQYTSNYYKSTNVDFAVNTEGTYSEPRPIGTRYLTRN
L
Rh74 VP3アミノ酸(配列番号:3)
MAAGGGAPMADNNEGADGVGSSSGNWHCDSTWLGDRVITT
STRTWALPTYNNHLYKQISNGTSGGSTNDNTYFGYSTPWG
YFDFNRFHCHFSPRDWQRLINNNWGFRPKRLNFKLFNIQV
KEVTQNEGTKTIANNLTSTIQVFTDSEYQLPYVLGSAHQG
CLPPFPADVFMIPQYGYLTLNNGSQAVGRSSFYCLEYFPS
QMLRTGNNFEFSYNFEDVPFHSSYAHSQSLDRLMNPLIDQ
YLYYLSRTQSTGGTAGTQQLLFSQAGPNNMSAQAKNWLPG
PCYRQQRVSTTLSQNNNSNFAWTGATKYHLNGRDSLVNPG
VAMATHKDDEERFFPSSGVLMFGKQGAGKDNVDYSSVMLT
SEEEIKTTNPVATEQYGVVADNLQQQNAAPIVGAVNSQGA
LPGMVWQNRDVYLQGPIWAKIPHTDGNFHPSPLMGGFGLK
HPPPQILIKNTPVPADPPTTFNQAKLASFITQYSTGQVSV
EIEWELQKENSKRWNPEIQYTSNYYKSTNVDFAVNTEGTY
SEPRPIGTRYLTRNL
4-1変異体VP1キャプシド・アミノ酸配列(配列番号:4)
1 MAADGYLPDWLEDNLSEGIREWWDLKPGAPKPKANQ
QKQDNGRGLVLPGYKYLGPFNGLD
61 KGEPVNAADAAALEHDKAYDQQLQAGDNPYLRYNHA
DAEFQERLQEDTSFGGNLGRAVFQ
121 AKKRVLEPLGLVESPVKTAPGKKRPVEPSPQRSPDS
STGIGKKGQQPAKKRLNFGQTGDS
181 ESVPDPQPIGEPPA
APSG
VG
PNTMAAGGGAPMADNN
EGADGVGSSSGNWHCDSTWLGDRV
241 ITTSTRTWALPTYNNHLYKQISNGTSGGSTNDNTYF
GYSTPWGYFDFNRFHCHFSPRDWQ
301 RLINNNWGFRPKRLNFKLFNIQVKEVTQNEGTKTIA
NNLTSTIQVFTDSEYQLPYVLGSA
361 HQGCLPPFPADVFMIPQYGYLTLNNGSQAV GRSSF
YCLEYFPSQMLRTGNNFEFSYNFED
421 VPFHSSYAHSQSLDRLMNPLIDQYLYYLSRTQSTGG
TAGTQQLLFSQAGPNNMSAQAKNW
481 LPGPCYRQQRVSTTLSQNNNSNFAWTGATKYHLNGR
DSLVNPGVAMATHKDDEERFFPSS
541 GVLMFGKQGAGKDNVDYSSVMLTSEEEIKTTNPVAT
EQYGVVADNLQQQNAAPIVGAVNS
601 QGALPGMVWQNRDVYLQGPIWAKIPHTDGNFHPSPL
MGGFGLKHPPPQILIKNTPVPADP
661 PTTFNQAKLASFITQYSTGQVSVEIEWELQKENSKR
WNPEIQYTSNYYKSTNVDFAVNTE
721 GTYSEPRPIGTRYLTRNL
4-1変異体VP2キャプシド・アミノ酸配列(配列番号:27)
TAPGKKRPVEPSPQRSPDSSTGIGKKGQQPAKKRLNFGQT
GDSESVPDPQPIGEPPA
APSG
VG
PNT
MAAGGGAPMADNNEGADGVGSSSGNWHCDSTWLGDRVITT
STRTWALPTYNNHLYKQISNGTS
GGSTNDNTYFGYSTPWGYFDFNRFHCHFSPRDWQRLINNN
WGFRPKRLNFKLFNIQVKEVTQNEG
TKTIANNLTSTIQVFTDSEYQLPYVLGSAHQGCLPPFPAD
VFMIPQYGYLTLNNGSQAVGRSSFYCL
EYFPSQMLRTGNNFEFSYNFEDVPFHSSYAHSQSLDRLMN
PLIDQYLYYLSRTQSTGGTAGTQQLLF
SQAGPNNMSAQAKNWLPGPCYRQQRVSTTLSQNNNSNFAW
TGATKYHLNGRDSLVNPGVAMAT
HKDDEERFFPSSGVLMFGKQGAGKDNVDYSSVMLTSEEEI
KTTNPVATEQYGVVADNLQQQNAAP
IVGAVNSQGALPGMVWQNRDVYLQGPIWAKIPHTDGNFHP
SPLMGGFGLKHPPPQILIKNTPVPADPP
TTFNQAKLASFITQYSTGQVSVEIEWELQKENSKRWNPEI
QYTSNYYKSTNVDFAVNTEGTYSEPRPI
GTRYLTRNL
4-1変異体VP3キャプシド・アミノ酸配列(配列番号:3)
MAAGGGAPMADNNEGADGVGSSSGNWHCDSTWLGDRVITT
STRTWALPTYNNHLYKQISNGTS
GGSTNDNTYFGYSTPWGYFDFNRFHCHFSPRDWQRLINNN
WGFRPKRLNFKLFNIQVKEVTQNEG
TKTIANNLTSTIQVFTDSEYQLPYVLGSAHQGCLPPFPAD
VFMIPQYGYLTLNNGSQAVGRSSFYCL
EYFPSQMLRTGNNFEFSYNFEDVPFHSSYAHSQSLDRLMN
PLIDQYLYYLSRTQSTGGTAGTQQLLF
SQAGPNNMSAQAKNWLPGPCYRQQRVSTTLSQNNNSNFAW
TGATKYHLNGRDSLVNPGVAMAT
HKDDEERFFPSSGVLMFGKQGAGKDNVDYSSVMLTSEEEI
KTTNPVATEQYGVVADNLQQQNAAP
IVGAVNSQGALPGMVWQNRDVYLQGPIWAKIPHTDGNFHP
SPLMGGFGLKHPPPQILIKNTPVPADPP
TTFNQAKLASFITQYSTGQVSVEIEWELQKENSKRWNPEI
QYTSNYYKSTNVDFAVNTEGTYSEPRPI
GTRYLTRNL
15-1の変異体VP1キャプシド・アミノ酸配列(配列番号:5)
1 MAADGYLPDWLEDNLSEGIREWWDLKPGAPKPKANQ
QRQDNGRGLVLPGYRYLGPFNGLD
61 KGEPVNAADAAALEHDRAYDQQLQAGDNPYLRYNHA
DAEFQERLQEDTSFGGNLGRAVFQ
121 AKKRVLEPLGLVESPVRTAPGKKRPVEPSPQRSPDS
STGIGKKGQQPARKRLNFGQTGDS
181 ESVPDPQPIGEPPAAPSGVGPNTMAAGGGAPMADNN
EGADGVGSSSGNWHCDSTWLGDRV
241 ITTSTRTWALPTYNNHLYRQISNGTSGGSTNDNTYF
GYSTPWGYFDFNRFHCHFSPRDWQ
301 RLINNNWGFRPKRLNFKLFNIQVKEVTQNEGTRTIA
NNLTSTIQVFTDSEYQLPYVLGSA
361 HQGCLPPFPADVFMIPQYGYLTLNNGSQAVGRSSFY
CLEYFPSQMLRTGNNFEFSYNFED
421 VPFHSSYAHSQSLDRLMNPLIDQYLYYLSRTQSTGG
TAGTQQLLFSQAGPNNMSAQAKNW
481 LPGPCYRQQRVSTTLSQNNNSNFAWTGATKYHLNGR
DSLVNPGVAMATHRDDEERFFPSS
541 GVLMFGRQGAGRDNVDYSSVMLTSEEEIRTTNPVAT
EQYGVVADNLQQQN AAPIVGAVNS
601 QGALPGMVWQNRDVYLQGPIWAKIPHTDGNFHPSPL
MGGFGLKHPPPQILIKNTPVPADP
661 PTTFNQAKLASFITQYSTGQVSVEIEWELQKENSKR
WNPEIQYTSNYYKSTNVDFAVNTE
721 GTYSEPRPIGTRYLTRNL
15-2変異体VP1キャプシド・アミノ酸配列(配列番号:6)
1 MAADGYLPDWLEDNLSEGIREWWDLKPGAPKPKANQ
QRQD NGRGLVLPGY RYLGPFNGLD
61 KGEPVNAADAAALEHDRAYDQQLQAGDNPYLRYNHA
DAEF QERLQEDTSF GGNLGRAVFQ
121 AKKRVLEPLGLVESPVRTAPGKKRPVEPSPQRSPDS
STGI GKRGQQPARK RLNFGQTGDS
181 ESVPDPQPIGEPPAAPSGVGPNTMAAGGGAPMADNN
EGAD GVGSSSGNWH CDSTWLGDRV
241 ITTSTRTWALPTYNNHLYRQISNGTSGGSTNDNTYF
GYST PWGYFDFNRF HCHFSPRDWQ
301 RLINNNWGFRPKRLNFKLFNIQVKEVTQNEGTRTIA
NNLT STIQVFTDSE YQLPYVLGSA
361 HQGCLPPFPADVFMIPQYGYLTLNNGSQAVGRSSFY
CLEY FPSQMLRTGN NFEFSYNFED
421 VPFHSSYAHSQSLDRLMNPLIDQYLYYLSRTQSTGG
TAGT QQLLFSQAGP NNMSAQAKNW
481 LPGPCYRQQRVSTTLSQNNNSNFAWTGATKYHLNGR
DSLV NPGVAMATHR DDEERFFPSS
541 GVLMFGKQGAGRDNVDYSSVMLTSEEEIRTTNPVAT
EQYG VVADNLQQQN AAPIVGAVNS
601 QGALPGMVWQNRDVYLQGPIWAKIPHTDGNFHPSPL
MGGF GLKHPPPQIL IKNTPVPADP
661 PTTFNQAKLASFITQYSTGQVSVEIEWELQKENSKR
WNPE IQYTSNYYKS TNVDFAVNTE
721 GTYSEPRPIGTRYLTRNL
15-3/15-5変異体VP1キャプシド・アミノ酸配列(配列番号:7)
1 MAADGYLPDWLEDNLSEGIR EWWDLKPGAPKPKAN
QQRQD NGRGLVLPGY RYLGPFNGLD
61 KGEPVNAADAAALEHDRAYDQQLQAGDNPYLRYNHA
DAEF QERLQEDTSF GGNLGRAVFQ
121 AKKRVLEPLGLVESPVRTAPGKKRPVEPSPQRSPDS
STGI GKRGQQPAKK RLNFGQTGDS
181 ESVPDPQPIGEPPAAPSGVGPNTMAAGGGAPMADNN
EGAD GVGSSSGNWH CDSTWLGDRV
241 ITTSTRTWALPTYNNHLYRQISNGTSGGSTNDNTYF
GYST PWGYFDFNRF HCHFSPRDWQ
301 RLINNNWGFRPKRLNFKLFNIQVKEVTQNEGTRTIA
NNLT STIQVFTDSE YQLPYVLGSA
361 HQGCLPPFPADVFMIPQYGYLTLNNGSQAVGRSSFY
CLEY FPSQMLRTGN NFEFSYNFED
421 VPFHSSYAHSQSLDRLMNPLIDQYLYYLSRTQSTGG
TAGT QQLLFSQAGP NNMSAQAKNW
481 LPGPCYRQQRVSTTLSQNNNSNFAWTGATKYHLNGR
DSLV NPGVAMATHR DDEERFFPSS
541 GVLMFGRQGAGRDNVDYSSVMLTSEEEIRTTNPVAT
EQYG VVADNLQQQN AAPIVGAVNS
601 QGALPGMVWQNRDVYLQGPIWAKIPHTDGNFHPSPL
MGGF GLKHPPPQIL IKNTPVPADP
661 PTTFNQAKLASFITQYSTGQVSVEIEWELQKENSKR
WNPE IQYTSNYYKS TNVDFAVNTE
721 GTYSEPRPIGTRYLTRNL
15-4変異体VP1キャプシド・アミノ酸配列(配列番号:8)
1 MAADGYLPDWLEDNLSEGIREWWDLKPGAP KPKAN
QQRQD NGRGLVLPGY RYLGPFNGLD
61 KGEPVNAADAAALEHDRAYDQQLQAGDNPY LRYNH
ADAEF QERLQEDTSF GGNLGRAVFQ
121 AKKRVLEPLGLVESPVRTAPGKKRPVEPSP QRSPD
SSTGI GKRGQQPAKK RLNFGQTGDS
181 ESVPDPQPIGEPPAAPSGVGPNTMAAGGGA PMADN
NEGAD GVGSSSGNWH CDSTWLGDRV
241 ITTSTRTWALPTYNNHLYRQISNGTSGGST NDNTY
FGYST PWGYFDFNRF HCHFSPRDWQ
301 RLINNNWGFRPKRLNFKLFNIQVKEVTQNE GTRTI
ANNLT STIQVFTDSE YQLPYVLGSA
361 HQGCLPPFPADVFMIPQYGYLTLNNGSQAV GRSSF
YCLEY FPSQMLRTGN NFEFSYNFED
421 VPFHSSYAHSQSLDRLMNPLIDQYLYYLSR TQSTG
GTAGT QQLLFSQAGP NNMSAQAKNW
481 LPGPCYRQQRVSTTLSQNNNSNFAWTGATK YHLNG
RDSLV NPGVAMATHR DDEERFFPSS
541 GVLMFGKQGAGRDNVDYSSVMLTSEEEIRT TNPVA
TEQYG VVADNLQQQN AAPIVGAVNS
601 QGALPGMVWQNRDVYLQGPIWAKIPHTDGN FHPSP
LMGGF GLKHPPPQIL IKNTPVPADP
661 PTTFNQARLASFITQYSTGQVSVEIEWELQ KENSK
RWNPE IQYTSNYYKS TNVDFAVNTE
721 GTYSEPRPIGTRYLTRNL
15-6変異体VP1キャプシド・アミノ酸配列(配列番号:9)
1 MAADGYLPDWLEDNLSEGIREWWDLKPGAPKPKANQ
QRQDNGRGLVLPGY RYLGPFNGLD
61 KGEPVNAADAAALEHDRAYDQQLQAGDNPYLRYNHA
DAEFQERLQEDTSF GGNLGRAVFQ
121 AKKRVLEPLGLVESPVRTAPGKKRPVEPSPQRSPDS
STGIGKKGQQPAKK RLNFGQTGDS
181 ESVPDPQPIGEPPAAPSGVGPNTMAAGGGAPMADNN
EGADGVGSSSGNWH CDSTWLGDRV
241 ITTSTRTWALPTYNNHLYRQISNGTSGGSTNDNTYF
GYSTPWGYFDFNRF HCHFSPRDWQ
301 RLINNNWGFRPKRLNFKLFNIQVKEVTQNEGTRTIA
NNLTSTIQVFTDSE YQLPYVLGSA
361 HQGCLPPFPADVFMIPQYGYLTLNNGSQAVGRSSFY
CLEYFPSQMLRTGN NFEFSYNFED
421 VPFHSSYAHSQSLDRLMNPLIDQYLYYLSRTQSTGG
TAGTQQLLFSQAGP NNMSAQAKNW
481 LPGPCYRQQRVSTTLSQNNNSNFAWTGATKYHLNGR
DSLVNPGVAMATHR DDEERFFPSS
541 GVLMFGRQGAGRDNVDYSSVMLTSEEEIRTTNPVAT
EQYGVVADNLQQQN AAPIVGAVNS
601 QGALPGMVWQNRDVYLQGPIWAKIPHTDGNFHPSPL
MGGFGLKHPPPQIL IKNTPVPADP
661 PTTFNQARLASFITQYSTGQVSVEIEWELQKENSKR
WNPEIQYTSNYYKS TNVDFAVNTE
721 GTYSEPRPIGTRYLTRNL
FIX39核酸配列(配列番号:10)
ATGCAGAGGGTGAACATGATCATGGCTGAGAGCCCTGGCC
TGATCACCATCTGCCTGCTGGGCTACCTGCTGTCTGCTGA
ATGTACAGTTTTTCTTGATCATGAAAATGCCAACAAAATT
CTGAATAGACCAAAGAGGTATAACTCTGGCAAGCTTGAAG
AGTTTGTACAGGGGAATCTGGAGAGAGAGTGTATGGAAGA
GAAGTGCAGCTTTGAGGAAGCCAGAGAAGTGTTTGAAAAT
ACAGAGAGAACAACTGAATTTTGGAAGCAGTATGTGGATG
GTGATCAATGTGAGAGCAATCCCTGCTTGAATGGGGGGAG
CTGTAAAGATGATATCAACAGCTATGAATGTTGGTGTCCC
TTTGGATTTGAGGGGAAAAACTGTGAGCTTGATGTGACCT
GTAATATCAAGAATGGCAGGTGTGAGCAATTTTGCAAGAA
TTCTGCTGATAACAAAGTGGTCTGTAGCTGCACTGAGGGA
TATAGGCTGGCTGAAAACCAGAAGAGCTGTGAACCTGCAG
TGCCTTTTCCCTGTGGGAGAGTGTCTGTGAGCCAAACCAG
CAAGCTGACTAGGGCTGAAGCAGTCTTTCCTGATGTAGAT
TATGTGAATAGCACTGAGGCTGAGACAATCCTTGACAATA
TCACTCAGAGCACACAGAGCTTCAATGACTTCACCAGGGT
GGTAGGAGGGGAGGATGCCAAGCCTGGGCAGTTCCCCTGG
CAGGTAGTGCTCAATGGAAAAGTGGATGCCTTTTGTGGAG
GTTCAATTGTAAATGAGAAGTGGATTGTGACTGCAGCCCA
CTGTGTGGAAACTGGAGTCAAGATTACTGTGGTGGCTGGA
GAGCACAATATTGAGGAAACTGAGCACACTGAGCAGAAGA
GGAATGTGATCAGGATTATCCCCCACCACAACTACAATGC
TGCTATCAACAAGTACAACCATGACATTGCCCTCCTGGAA
CTGGATGAACCCCTGGTCTTGAACAGCTATGTGACACCCA
TCTGTATTGCTGATAAAGAGTACACCAACATCTTCTTGAA
ATTTGGGTCTGGATATGTGTCTGGCTGGGGCAGGGTGTTC
CATAAAGGCAGGTCTGCCCTGGTATTGCAGTATTTGAGGG
TGCCTCTGGTGGATAGAGCAACCTGCTTGCTGAGCACCAA
GTTTACAATCTACAACAATATGTTCTGTGCAGGGTTCCAT
GAAGGTGGTAGAGACAGCTGCCAGGGAGATTCTGGGGGTC
CCCATGTGACTGAGGTGGAGGGAACCAGCTTCCTGACTGG
GATTATCAGCTGGGGTGAGGAGTGTGCTATGAAGGGAAAG
TATGGGATCTACACAAAAGTATCCAGATATGTGAACTGGA
TTAAGGAGAAAACCAAGCTGACTTGA
FIX19核酸配列(配列番号:11)
ATGCAGCGCGTGAACATGATCATGGCCGAGAGCCCTGGCC
TGATTACCATCTGCCTGTTAGGATATCTACTCAGTGCTGA
ATGTACAGTTTTTCTTGATCATGAAAACGCCAACAAAATC
CTGAACCGGCCCAAGCGGTACAACTCAGGCAAGCTGGAAG
AGTTCGTGCAGGGCAACCTGGAACGGGAGTGCATGGAAGA
GAAGTGCAGCTTCGAGGAAGCCCGGGAGGTGTTCGAGAAC
ACCGAGCGGACCACCGAGTTCTGGAAGCAGTACGTGGACG
GCGACCAGTGCGAGTCAAACCCCTGCCTGAACGGCGGCAG
CTGCAAGGACGATATCAACAGCTACGAGTGCTGGTGCCCC
TTCGGCTTCGAGGGCAAGAACTGCGAGCTGGACGTGACCT
GCAACATCAAGAACGGCCGCTGCGAGCAGTTCTGCAAGAA
CAGCGCCGACAACAAGGTGGTGTGCTCATGCACTGAGGGC
TACCGGCTGGCCGAGAACCAGAAGAGCTGCGAGCCCGCCG
TGCCCTTCCCCTGCGGCAGAGTGTCCGTGAGCCAGACCAG
CAAGCTGACCAGGGCCGAGGCCGTGTTCCCTGACGTGGAC
TACGTGAACTCAACCGAGGCCGAGACAATCCTGGACAACA
TCACCCAGAGCACCCAGTCCTTCAACGACTTCACCCGGGT
GGTGGGCGGCGAGGACGCCAAGCCCGGCCAGTTCCCTTGG
CAGGTGGTGCTGAACGGCAAGGTGGACGCCTTCTGCGGCG
GCTCAATCGTGAACGAGAAGTGGATCGTGACAGCCGCCCA
CTGCGTGGAGACAGGCGTGAAGATCACCGTGGTGGCCGGC
GAACACAATATCGAGGAAACCGAGCACACCGAGCAGAAAC
GGAACGTGATCCGGATTATCCCCCACCACAACTACAACGC
CGCCATCAACAAGTACAACCACGATATCGCCCTGCTGGAA
CTGGACGAGCCTCTGGTGCTGAATTCATACGTGACCCCCA
TCTGTATCGCCGACAAAGAGTACACCAACATCTTTCTGAA
GTTCGGCAGCGGCTACGTGTCCGGCTGGGGCAGGGTGTTC
CACAAGGGCCGCAGCGCCCTGGTGCTGCAGTACCTGCGGG
TGCCCCTGGTGGACAGAGCCACCTGCCTGCGGTCAACCAA
GTTCACCATCTACAACAACATGTTCTGCGCCGGCTTCCAC
GAGGGCGGCAGGGACAGCTGCCAGGGCGACAGCGGCGGAC
CCCACGTGACCGAGGTGGAGGGCACCAGCTTTCTGACCGG
CATCATCTCATGGGGCGAGGAATGCGCCATGAAGGGCAAG
TACGGAATCTACACTAAGGTGTCAAGATACGTGAACTGGA
TCAAAGAGAAAACCAAGCTGACCTGA
pAAV-ApoE_hAAT-FIX39(配列番号:12)
LOCUS FIX39 11125
bp DNA circular UNA
DEFINITION AKA FIX39 Step 4.
ACCESSION urn.local...e-3um3omk
VERSION urn.local...e-3um3omk
KEYWORDS .
SOURCE
ORGANISM
.
FEATURES Location/Qualifiers
repeat_region 1..141
/Imported_from="<a
href=""http://wishar
t.biology.ualberta.ca/PlasMapper"">Pla
sMapper</a>"
/Transferred_From="
LAAV-2_ITR"
/Transferred_Simila
rity="100.00%"
/modified_by="User"
/label="AAV2 ITR"
enhancer 152..472
/created_by="User"
/modified_by="User"
/Transferred_From="
ApoE HCR-1"
/Transferred_Simila
rity="100.00%"
/label="ApoE HCR-1"
promoter 482..878
/vntifkey=21
/ApEinfo_fwdcolor=
"#ffff00"
/ApEinfo_revcolor="
#0080ff"
/Transferred_From="
hAAT Promoter"
/Transferred_Simila
rity="100.00%"
/modified_by="User"
/label="hAAT Promot
er"
5'UTR 879..907
/created_by="User"
/label="FIX 5'UTR"
CDS order(908..995,2434
..3731)
/created_by="User"
/Transferred_From="
hFIX CDS"
/Transferred_Simila
rity="79.22%"
/modified_by="User"
/label="hFIX CDS"
intron 996..2433
/created_by="User"
/Transferred_From="
hFIX Intron"
/Transferred_Simila
rity="100.00%"
/modified_by="User"
/label="hFIX Intron"
3'UTR 3732..3779
/created_by="User"
/label="hF9 3' UTR"
Terminator 3820..4047
/Imported_from="<a
href=""http://wishar
t.biology.ualberta.ca/PlasMapper"">Pla
sMapper</a>"
/Transferred_From="
bGH_PA term"
/Transferred_Simila
rity="100.00%"
/label="bGH_PA term"
repeat_region complement(4097..42
04)
/modified_by="User"
/label="AAV2 ITR"
misc_feature 4219..8579
/modified_by="User"
/label="Lambda Stuf
fer"
Gene complement(8491..85
80)
/Imported_from="<a
href=""http://wishar
t.biology.ualberta.ca/PlasMapper"">Pla
sMapper</a>"
/Transferred_From="
cosN"
/Transferred_Simila
rity="100.00%"
/label="cosN"
rep_origin 8680..8986
/modified_by="User"
/label="F1 Ori"
misc._marker 9284..10096
/modified_by="User"
/label="Kan R"
rep_origin complement(10453..1
1120)
/modified_by="User"
/label="pUC Ori"
ORIGIN
1 cctgcaggca gctgcgcgct cgctcgct
ca ctgaggccgc ccgggcaaag cccgggcgtc
61 gggcgacctt tggtcgcccg gcctcagt
ga gcgagcgagc gcgcagagag ggagtggcca
121 actccatcac taggggttcc tgcggcct
ag taggctcaga ggcacacagg agtttctggg
181 ctcaccctgc ccccttccaa cccctcag
tt cccatcctcc agcagctgtt tgtgtgctgc
241 ctctgaagtc cacactgaac aaacttca
gc ctactcatgt ccctaaaatg ggcaaacatt
301 gcaagcagca aacagcaaac acacagcc
ct ccctgcctgc tgaccttgga gctggggcag
361 aggtcagaga cctctctggg cccatgcc
ac ctccaacatc cactcgaccc cttggaattt
421 cggtggagag gagcagaggt tgtcctgg
cg tggtttaggt agtgtgagag gggtacccgg
481 ggatcttgct accagtggaa cagccact
aa ggattctgca gtgagagcag agggccagct
541 aagtggtact ctcccagaga ctgtctga
ct cacgccaccc cctccacctt ggacacagga
601 cgctgtggtt tctgagccag gtacaatg
ac tcctttcggt aagtgcagtg gaagctgtac
661 actgcccagg caaagcgtcc gggcagcg
ta ggcgggcgac tcagatccca gccagtggac
721 ttagcccctg tttgctcctc cgataact
gg ggtgaccttg gttaatattc accagcagcc
781 tcccccgttg cccctctgga tccactgc
tt aaatacggac gaggacaggg ccctgtctcc
841 tcagcttcag gcaccaccac tgacctgg
ga cagtgaatac cactttcaca atctgctagc
901 aaaggttatg cagagggtga acatgatc
at ggctgagagc cctggcctga tcaccatctg
961 cctgctgggc tacctgctgt ctgctgaa
tg tacaggtttg tttccttttt tataatacat
1021 tgagtatgct tgccttttag atatagaa
at atctgattct gtcttcttca ctaaattttg
1081 attacatgat ttgacagcaa tattgaag
ag tctaacagcc agcacccagg ttggtaagta
1141 ctggttcttt gttagctagg ttttcttc
tt cttcactttt aaaactaaat agatggacaa
1201 tgcttatgat gcaataaggt ttaataaa
ca ctgttcagtt cagtatttgg tcatgtaatt
1261 cctgttaaaa aacagtcatc tccttggt
tt aaaaaaatta aaagtgggaa aacaaagaaa
1321 tagcagaata tagtgaaaaa aaataacc
ac agtatttttg tttggactta ccactttgaa
1381 atcaaattgg gaaacaaaag cacaaaca
gt ggccttattt acacaaaaag tctgatttta
1441 agatatgtga caattcaagg tttcagaa
gt atgtaaggag gtgtgtctct aattttttaa
1501 attatatatc ttcaatttaa agttttag
tt aaaacataaa gattaacctt tcattagcaa
1561 gctgttagtt atcaccaaag cttttcat
gg attaggaaaa aatcattttg tctctatctc
1621 aaacatcttg gagttgatat ttggggaa
ac acaatactca gttgagttcc ctaggggaga
1681 aaagcaagct taagaattga cacaaaga
gt aggaagttag ctattgcaac atatatcact
1741 ttgttttttc acaactacag tgacttta
tt tatttcccag aggaaggcat acagggaaga
1801 aattatccca tttggacaaa cagcatgt
tc tcacagtaag cacttatcac acttacttgt
1861 caactttcta gaatcaaatc tagtagct
ga cagtaccagg atcaggggtg ccaaccctaa
1921 gcacccccag aaagctgact ggccctgt
gg ttcccactcc agacatgatg tcagctgtga
1981 aatccacctc cctggaccat aattaggc
tt ctgttcttca ggagacattt gttcaaagtc
2041 atttgggcaa ccatattctg aaaacagc
cc agccagggtg atggatcact ttgcaaagat
2101 cctcaatgag ctattttcaa gtgatgac
aa agtgtgaagt taagggctca tttgagaact
2161 ttctttttca tccaaagtaa attcaaat
at gattagaaat ctgacctttt attactggaa
2221 ttctcttgac taaaagtaaa attgaatt
tt aattcctaaa tctccatgtg tatacagtac
2281 tgtgggaaca tcacagattt tggctcca
tg ccctaaagag aaattggctt tcagattatt
2341 tggattaaaa acaaagactt tcttaaga
ga tgtaaaattt tcatgatgtt ttcttttttg
2401 ctaaaactaa agaattattc ttttacat
tt cagtttttct tgatcatgaa aatgccaaca
2461 aaattctgaa tagaccaaag aggtataa
ct ctggcaagct tgaagagttt gtacagggga
2521 atctggagag agagtgtatg gaagagaa
gt gcagctttga ggaagccaga gaagtgtttg
2581 aaaatacaga gagaacaact gaattttg
ga agcagtatgt ggatggtgat caatgtgaga
2641 gcaatccctg cttgaatggg gggagctg
ta aagatgatat caacagctat gaatgttggt
2701 gtccctttgg atttgagggg aaaaactg
tg agcttgatgt gacctgtaat atcaagaatg
2761 gcaggtgtga gcaattttgc aagaattc
tg ctgataacaa agtggtctgt agctgcactg
2821 agggatatag gctggctgaa aaccagaa
ga gctgtgaacc tgcagtgcct tttccctgtg
2881 ggagagtgtc tgtgagccaa accagcaa
gc tgactagggc tgaagcagtc tttcctgatg
2941 tagattatgt gaatagcact gaggctga
ga caatccttga caatatcact cagagcacac
3001 agagcttcaa tgacttcacc agggtggt
ag gaggggagga tgccaagcct gggcagttcc
3061 cctggcaggt agtgctcaat ggaaaagt
gg atgccttttg tggaggttca attgtaaatg
3121 agaagtggat tgtgactgca gcccactg
tg tggaaactgg agtcaagatt actgtggtgg
3181 ctggagagca caatattgag gaaactga
gc acactgagca gaagaggaat gtgatcagga
3241 ttatccccca ccacaactac aatgctgc
ta tcaacaagta caaccatgac attgccctcc
3301 tggaactgga tgaacccctg gtcttgaa
ca gctatgtgac acccatctgt attgctgata
3361 aagagtacac caacatcttc ttgaaatt
tg ggtctggata tgtgtctggc tggggcaggg
3421 tgttccataa aggcaggtct gccctggt
at tgcagtattt gagggtgcct ctggtggata
3481 gagcaacctg cttgctgagc accaagtt
ta caatctacaa caatatgttc tgtgcagggt
3541 tccatgaagg tggtagagac agctgcca
gg gagattctgg gggtccccat gtgactgagg
3601 tggagggaac cagcttcctg actgggat
ta tcagctgggg tgaggagtgt gctatgaagg
3661 gaaagtatgg gatctacaca aaagtatc
ca gatatgtgaa ctggattaag gagaaaacca
3721 agctgacttg atgaaagatg gatttcca
ag gttaattcat tggaattgaa aattaacaga
3781 gatctagagc tgaattcctg cagccagg
gg gatcagcctc tactgtgcct tctagttgcc
3841 agccatctgt tgtttgcccc tccccctt
gc cttccttgac cctggaaggt gccactccca
3901 ctgtcctttc ctaataaaat gaggaaat
tg catcacattg tctgagtagg tgtcattcta
3961 ttctgggggg tggggtgggg caggacag
ca agggggagga ttgggaagac aatagcaggc
4021 atgctgggga tgcagtgggc tctatggc
tt ctgaggcaga aagaaccagc tggggctcga
4081 gatccactag ggccgcagga acccctag
tg atggagttgg ccactccctc tctgcgcgct
4141 cgctcgctca ctgaggccgc ccgggctt
tg cccgggcggc ctcagtgagc gagcgagcgc
4201 gcagctgcct gcaggggcag cttgaagg
aa atactaaggc aaaggtactg caagtgctcg
4261 caacattcgc ttatgcggat tattgccg
ta gtgccgcgac gccgggggca agatgcagag
4321 attgccatgg tacaggccgt gcggttga
ta ttgccaaaac agagctgtgg gggagagttg
4381 tcgagaaaga gtgcggaaga tgcaaagg
cg tcggctattc aaggatgcca gcaagcgcag
4441 catatcgcgc tgtgacgatg ctaatccc
aa accttaccca acccacctgg tcacgcactg
4501 ttaagccgct gtatgacgct ctggtggt
gc aatgccacaa agaagagtca atcgcagaca
4561 acattttgaa tgcggtcaca cgttagca
gc atgattgcca cggatggcaa catattaacg
4621 gcatgatatt gacttattga ataaaatt
gg gtaaatttga ctcaacgatg ggttaattcg
4681 ctcgttgtgg tagtgagatg aaaagagg
cg gcgcttacta ccgattccgc ctagttggtc
4741 acttcgacgt atcgtctgga actccaac
ca tcgcaggcag agaggtctgc aaaatgcaat
4801 cccgaaacag ttcgcaggta atagttag
ag cctgcataac ggtttcggga ttttttatat
4861 ctgcacaaca ggtaagagca ttgagtcg
at aatcgtgaag agtcggcgag cctggttagc
4921 cagtgctctt tccgttgtgc tgaattaa
gc gaataccgga agcagaaccg gatcaccaaa
4981 tgcgtacagg cgtcatcgcc gcccagca
ac agcacaaccc aaactgagcc gtagccactg
5041 tctgtcctga attcattagt aatagtta
cg ctgcggcctt ttacacatga ccttcgtgaa
5101 agcgggtggc aggaggtcgc gctaacaa
cc tcctgccgtt ttgcccgtgc atatcggtca
5161 cgaacaaatc tgattactaa acacagta
gc ctggatttgt tctatcagta atcgacctta
5221 ttcctaatta aatagagcaa atcccctt
at tgggggtaag acatgaagat gccagaaaaa
5281 catgacctgt tggccgccat tctcgcgg
ca aaggaacaag gcatcggggc aatccttgcg
5341 tttgcaatgg cgtaccttcg cggcagat
at aatggcggtg cgtttacaaa aacagtaatc
5401 gacgcaacga tgtgcgccat tatcgcct
ag ttcattcgtg accttctcga cttcgccgga
5461 ctaagtagca atctcgctta tataacga
gc gtgtttatcg gctacatcgg tactgactcg
5521 attggttcgc ttatcaaacg cttcgctg
ct aaaaaagccg gagtagaaga tggtagaaat
5581 caataatcaa cgtaaggcgt tcctcgat
at gctggcgtgg tcggagggaa ctgataacgg
5641 acgtcagaaa accagaaatc atggttat
ga cgtcattgta ggcggagagc tatttactga
5701 ttactccgat caccctcgca aacttgtc
ac gctaaaccca aaactcaaat caacaggcgc
5761 cggacgctac cagcttcttt cccgttgg
tg ggatgcctac cgcaagcagc ttggcctgaa
5821 agacttctct ccgaaaagtc aggacgct
gt ggcattgcag cagattaagg agcgtggcgc
5881 tttacctatg attgatcgtg gtgatatc
cg tcaggcaatc gaccgttgca gcaatatctg
5941 ggcttcactg ccgggcgctg gttatggt
ca gttcgagcat aaggctgaca gcctgattgc
6001 aaaattcaaa gaagcgggcg gaacggtc
ag agagattgat gtatgagcag agtcaccgcg
6061 attatctccg ctctggttat ctgcatca
tc gtctgcctgt catgggctgt taatcattac
6121 cgtgataacg ccattaccta caaagccc
ag cgcgacaaaa atgccagaga actgaagctg
6181 gcgaacgcgg caattactga catgcaga
tg cgtcagcgtg atgttgctgc gctcgatgca
6241 aaatacacga aggagttagc tgatgcta
aa gctgaaaatg atgctctgcg tgatgatgtt
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aa gcagtctgtc agtcagtgcg tgaagccacc
6361 accgcctccg gcgtggataa tgcagcct
cc ccccgactgg cagacaccgc tgaacgggat
6421 tatttcaccc tcagagagag gctgatca
ct atgcaaaaac aactggaagg aacccagaag
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gc ccatatcgat gggcaactca tgcaattatt
6541 gtgagcaata cacacgcgct tccagcgg
ag tataaatgcc taaagtaata aaaccgagca
6601 atccatttac gaatgtttgc tgggtttc
tg ttttaacaac attttctgcg ccgccacaaa
6661 ttttggctgc atcgacagtt ttcttctg
cc caattccaga aacgaagaaa tgatgggtga
6721 tggtttcctt tggtgctact gctgccgg
tt tgttttgaac agtaaacgtc tgttgagcac
6781 atcctgtaat aagcagggcc agcgcagt
ag cgagtagcat ttttttcatg gtgttattcc
6841 cgatgctttt tgaagttcgc agaatcgt
at gtgtagaaaa ttaaacaaac cctaaacaat
6901 gagttgaaat ttcatattgt taatattt
at taatgtatgt caggtgcgat gaatcgtcat
6961 tgtattcccg gattaactat gtccacag
cc ctgacgggga acttctctgc gggagtgtcc
7021 gggaataatt aaaacgatgc acacaggg
tt tagcgcgtac acgtattgca ttatgccaac
7081 gccccggtgc tgacacggaa gaaaccgg
ac gttatgattt agcgtggaaa gatttgtgta
7141 gtgttctgaa tgctctcagt aaatagta
at gaattatcaa aggtatagta atatctttta
7201 tgttcatgga tatttgtaac ccatcgga
aa actcctgctt tagcaagatt ttccctgtat
7261 tgctgaaatg tgatttctct tgatttca
ac ctatcatagg acgtttctat aagatgcgtg
7321 tttcttgaga atttaacatt tacaacct
tt ttaagtcctt ttattaacac ggtgttatcg
7381 ttttctaaca cgatgtgaat attatctg
tg gctagatagt aaatataatg tgagacgttg
7441 tgacgtttta gttcagaata aaacaatt
ca cagtctaaat cttttcgcac ttgatcgaat
7501 atttctttaa aaatggcaac ctgagcca
tt ggtaaaacct tccatgtgat acgagggcgc
7561 gtagtttgca ttatcgtttt tatcgttt
ca atctggtctg acctccttgt gttttgttga
7621 tgatttatgt caaatattag gaatgttt
tc acttaatagt attggttgcg taacaaagtg
7681 cggtcctgct ggcattctgg agggaaat
ac aaccgacaga tgtatgtaag gccaacgtgc
7741 tcaaatcttc atacagaaag atttgaag
ta atattttaac cgctagatga agagcaagcg
7801 catggagcga caaaatgaat aaagaaca
at ctgctgatga tccctccgtg gatctgattc
7861 gtgtaaaaaa tatgcttaat agcaccat
tt ctatgagtta ccctgatgtt gtaattgcat
7921 gtatagaaca taaggtgtct ctggaagc
at tcagagcaat tgaggcagcg ttggtgaagc
7981 acgataataa tatgaaggat tattccct
gg tggttgactg atcaccataa ctgctaatca
8041 ttcaaactat ttagtctgtg acagagcc
aa cacgcagtct gtcactgtca ggaaagtggt
8101 aaaactgcaa ctcaattact gcaatgcc
ct cgtaattaag tgaatttaca atatcgtcct
8161 gttcggaggg aagaacgcgg gatgttca
tt cttcatcact tttaattgat gtatatgctc
8221 tcttttctga cgttagtctc cgacggca
gg cttcaatgac ccaggctgag aaattcccgg
8281 accctttttg ctcaagagcg atgttaat
tt gttcaatcat ttggttagga aagcggatgt
8341 tgcgggttgt tgttctgcgg gttctgtt
ct tcgttgacat gaggttgccc cgtattcagt
8401 gtcgctgatt tgtattgtct gaagttgt
tt ttacgttaag ttgatgcaga tcaattaata
8461 cgatacctgc gtcataattg attatttg
ac gtggtttgat ggcctccacg cacgttgtga
8521 tatgtagatg ataatcatta tcacttta
cg ggtcctttcc ggtgatccga caggttacgg
8581 ggcggcgacc tgcctgatgc ggtatttt
ct ccttacgcat ctgtgcggta tttcacaccg
8641 catacgtcaa agcaaccata gtacgcgc
cc tgtagcggcg cattaagcgc ggcgggtgtg
8701 gtggttacgc gcagcgtgac cgctacac
tt gccagcgcct tagcgcccgc tcctttcgct
8761 ttcttccctt cctttctcgc cacgttcg
cc ggctttcccc gtcaagctct aaatcggggg
8821 ctccctttag ggttccgatt tagtgctt
ta cggcacctcg accccaaaaa acttgatttg
8881 ggtgatggtt cacgtagtgg gccatcgc
cc tgatagacgg tttttcgccc tttgacgttg
8941 gagtccacgt tctttaatag tggactct
tg ttccaaactg gaacaacact caactctatc
9001 tcgggctatt cttttgattt agacctgc
ag gcatgcaagc ttggcactgg ccgtcgtttt
9061 acaacgtcgt gactgggaaa accctggc
gt tacccaactt aatcgccttg cagcacatcc
9121 ccctttcgcc agctggcgta atagcgaa
ga ggcccgcacc gatcgccctt cccaacagtt
9181 gcgcagcctg aatggcgaat gcgattta
tt caacaaagcc gccgtcccgt caagtcagcg
9241 taatgctctg ccagtgttac aaccaatt
aa ccaattctga ttagaaaaac tcatcgagca
9301 tcaaatgaaa ctgcaattta ttcatatc
ag gattatcaat accatatttt tgaaaaagcc
9361 gtttctgtaa tgaaggagaa aactcacc
ga ggcagttcca taggatggca agatcctggt
9421 atcggtctgc gattccgact cgtccaac
at caatacaacc tattaatttc ccctcgtcaa
9481 aaataaggtt atcaagtgag aaatcacc
at gagtgacgac tgaatccggt gagaatggca
9541 aaagcttatg catttctttc cagacttg
tt caacaggcca gccattacgc tcgtcatcaa
9601 aatcactcgc atcaaccaaa ccgttatt
ca ttcgtgattg cgcctgagcg agacgaaata
9661 cgcgatcgct gttaaaagga caattaca
aa caggaatcga atgcaaccgg cgcaggaaca
9721 ctgccagcgc atcaacaata ttttcacc
tg aatcaggata ttcttctaat acctggaatg
9781 ctgttttccc ggggatcgca gtggtgag
ta accatgcatc atcaggagta cggataaaat
9841 gcttgatggt cggaagaggc ataaattc
cg tcagccagtt tagtctgacc atctcatctg
9901 taacatcatt ggcaacgcta cctttgcc
at gtttcagaaa caactctggc gcatcgggct
9961 tcccatacaa tcgatagatt gtcgcacc
tg attgcccgac attatcgcga gcccatttat
10021 acccatataa atcagcatcc atgttgga
at ttaatcgcgg cttcgagcaa gacgtttccc
10081 gttgaatatg gctcataaca ccccttgt
at tactgtttat gtaagcagac agttttattg
10141 ttcatgatga tatattttta tcttgtgc
aa tgtaacatca gagattttga gacacaacgt
10201 ggctttgttg aataaatcga acttttgc
tg agttgaagga tcagatcacg catcttcccg
10261 acaacgcaga ccgttccgtg gcaaagca
aa agttcaaaat caccaactgg tccacctaca
10321 acaaagctct catcaaccgt ggctccct
ca ctttctggct ggatgatggg gcgattcagg
10381 cctggtatga gtcagcaaca ccttcttc
ac gaggcagacc tctcgacgga gttccactga
10441 gcgtcagacc ccgtagaaaa gatcaaag
ga tcttcttgag atcctttttt tctgcgcgta
10501 atctgctgct tgcaaacaaa aaaaccac
cg ctaccagcgg tggtttgttt gccggatcaa
10561 gagctaccaa ctctttttcc gaaggtaa
ct ggcttcagca gagcgcagat accaaatact
10621 gttcttctag tgtagccgta gttaggcc
ac cacttcaaga actctgtagc accgcctaca
10681 tacctcgctc tgctaatcct gttaccag
tg gctgctgcca gtggcgataa gtcgtgtctt
10741 accgggttgg actcaagacg atagttac
cg gataaggcgc agcggtcggg ctgaacgggg
10801 ggttcgtgca cacagcccag cttggagc
ga acgacctaca ccgaactgag atacctacag
10861 cgtgagctat gagaaagcgc cacgcttc
cc gaagggagaa aggcggacag gtatccggta
10921 agcggcaggg tcggaacagg agagcgca
cg agggagcttc cagggggaaa cgcctggtat
10981 ctttatagtc ctgtcgggtt tcgccacc
tc tgacttgagc gtcgattttt gtgatgctcg
11041 tcaggggggc ggagcctatg gaaaaacg
cc agcaacgcgg cctttttacg gttcctggcc
11101 ttttgctggc cttttgctca catgt
phFIX39v2(配列番号:26)
LOCUS phFIX39v2 11199
bp DNA circular UNA
FEATURES Location/Qualifiers
repeat_region 1..141
/label="AAV2 ITR"
enhancer 152..472
/label="ApoE HCR-1"
promoter 482..878
/label="hAAT Promot
er"
CDS order(908..995,2434
..3731)
/label="hFIX CDS"
intron 996..2433
/label="hFIX Intron"
3'UTR 3732..3779
/label="hF9 3' UTR"
Terminator 3820..4047
/label="bGH_PA term"
repeat_region complement(4097..42
37)
/label="AAV2 ITR"
misc_feature 4248..8713
/label="Eukaryotic
Stuffer"
rep_origin 8754..9060
/label="F1 Ori"
CDS complement(9355..10
170)
/label="Kanamycin r
esistance"
rep_origin complement(10527..1
1194)
/label="pUC Ori"
ORIGIN
1 cctgcaggca gctgcgcgct cgctcgct
ca ctgaggccgc ccgggcaaag cccgggcgtc
61 gggcgacctt tggtcgcccg gcctcagt
ga gcgagcgagc gcgcagagag ggagtggcca
121 actccatcac taggggttcc tgcggcct
ag taggctcaga ggcacacagg agtttctggg
181 ctcaccctgc ccccttccaa cccctcag
tt cccatcctcc agcagctgtt tgtgtgctgc
241 ctctgaagtc cacactgaac aaacttca
gc ctactcatgt ccctaaaatg ggcaaacatt
301 gcaagcagca aacagcaaac acacagcc
ct ccctgcctgc tgaccttgga gctggggcag
361 aggtcagaga cctctctggg cccatgcc
ac ctccaacatc cactcgaccc cttggaattt
421 cggtggagag gagcagaggt tgtcctgg
cg tggtttaggt agtgtgagag gggtacccgg
481 ggatcttgct accagtggaa cagccact
aa ggattctgca gtgagagcag agggccagct
541 aagtggtact ctcccagaga ctgtctga
ct cacgccaccc cctccacctt ggacacagga
601 cgctgtggtt tctgagccag gtacaatg
ac tcctttcggt aagtgcagtg gaagctgtac
661 actgcccagg caaagcgtcc gggcagcg
ta ggcgggcgac tcagatccca gccagtggac
721 ttagcccctg tttgctcctc cgataact
gg ggtgaccttg gttaatattc accagcagcc
781 tcccccgttg cccctctgga tccactgc
tt aaatacggac gaggacaggg ccctgtctcc
841 tcagcttcag gcaccaccac tgacctgg
ga cagtgaatac cactttcaca atctgctagc
901 aaaggttatg cagagggtga acatgatc
at ggctgagagc cctggcctga tcaccatctg
961 cctgctgggc tacctgctgt ctgctgaa
tg tacaggtttg tttccttttt tataatacat
1021 tgagtatgct tgccttttag atatagaa
at atctgattct gtcttcttca ctaaattttg
1081 attacatgat ttgacagcaa tattgaag
ag tctaacagcc agcacccagg ttggtaagta
1141 ctggttcttt gttagctagg ttttcttc
tt cttcactttt aaaactaaat agatggacaa
1201 tgcttatgat gcaataaggt ttaataaa
ca ctgttcagtt cagtatttgg tcatgtaatt
1261 cctgttaaaa aacagtcatc tccttggt
tt aaaaaaatta aaagtgggaa aacaaagaaa
1321 tagcagaata tagtgaaaaa aaataacc
ac agtatttttg tttggactta ccactttgaa
1381 atcaaattgg gaaacaaaag cacaaaca
gt ggccttattt acacaaaaag tctgatttta
1441 agatatgtga caattcaagg tttcagaa
gt atgtaaggag gtgtgtctct aattttttaa
1501 attatatatc ttcaatttaa agttttag
tt aaaacataaa gattaacctt tcattagcaa
2101 cctcaatgag ctattttcaa gtgatgac
aa agtgtgaagt taagggctca tttgagaact
2161 ttctttttca tccaaagtaa attcaaat
at gattagaaat ctgacctttt attactggaa
2221 ttctcttgac taaaagtaaa attgaatt
tt aattcctaaa tctccatgtg tatacagtac
2281 tgtgggaaca tcacagattt tggctcca
tg ccctaaagag aaattggctt tcagattatt
2341 tggattaaaa acaaagactt tcttaaga
ga tgtaaaattt tcatgatgtt ttcttttttg
2401 ctaaaactaa agaattattc ttttacat
tt cagtttttct tgatcatgaa aatgccaaca
2461 aaattctgaa tagaccaaag aggtataa
ct ctggcaagct tgaagagttt gtacagggga
2521 atctggagag agagtgtatg gaagagaa
gt gcagctttga ggaagccaga gaagtgtttg
2581 aaaatacaga gagaacaact gaattttg
ga agcagtatgt ggatggtgat caatgtgaga
2641 gcaatccctg cttgaatggg gggagctg
ta aagatgatat caacagctat gaatgttggt
2701 gtccctttgg atttgagggg aaaaactg
tg agcttgatgt gacctgtaat atcaagaatg
2761 gcaggtgtga gcaattttgc aagaattc
tg ctgataacaa agtggtctgt agctgcactg
2821 agggatatag gctggctgaa aaccagaa
ga gctgtgaacc tgcagtgcct tttccctgtg
2881 ggagagtgtc tgtgagccaa accagcaa
gc tgactagggc tgaagcagtc tttcctgatg
2941 tagattatgt gaatagcact gaggctga
ga caatccttga caatatcact cagagcacac
3001 agagcttcaa tgacttcacc agggtggt
ag gaggggagga tgccaagcct gggcagttcc
3061 cctggcaggt agtgctcaat ggaaaagt
gg atgccttttg tggaggttca attgtaaatg
3121 agaagtggat tgtgactgca gcccactg
tg tggaaactgg agtcaagatt actgtggtgg
3181 ctggagagca caatattgag gaaactga
gc acactgagca gaagaggaat gtgatcagga
3241 ttatccccca ccacaactac aatgctgc
ta tcaacaagta caaccatgac attgccctcc
3301 tggaactgga tgaacccctg gtcttgaa
ca gctatgtgac acccatctgt attgctgata
3361 aagagtacac caacatcttc ttgaaatt
tg ggtctggata tgtgtctggc tggggcaggg
3421 tgttccataa aggcaggtct gccctggt
at tgcagtattt gagggtgcct ctggtggata
3481 gagcaacctg cttgctgagc accaagtt
ta caatctacaa caatatgttc tgtgcagggt
3541 tccatgaagg tggtagagac agctgcca
gg gagattctgg gggtccccat gtgactgagg
3601 tggagggaac cagcttcctg actgggat
ta tcagctgggg tgaggagtgt gctatgaagg
3661 gaaagtatgg gatctacaca aaagtatc
ca gatatgtgaa ctggattaag gagaaaacca
3721 agctgacttg atgaaagatg gatttcca
ag gttaattcat tggaattgaa aattaacaga
3781 gatctagagc tgaattcctg cagccagg
gg gatcagcctc tactgtgcct tctagttgcc
3841 agccatctgt tgtttgcccc tccccctt
gc cttccttgac cctggaaggt gccactccca
3901 ctgtcctttc ctaataaaat gaggaaat
tg catcacattg tctgagtagg tgtcattcta
3961 ttctgggggg tggggtgggg caggacag
ca agggggagga ttgggaagac aatagcaggc
4021 atgctgggga tgcagtgggc tctatggc
tt ctgaggcaga aagaaccagc tggggctcga
4081 gatccactag ggccgcagga acccctag
tg atggagttgg ccactccctc tctgcgcgct
4141 cgctcgctca ctgaggccgg gcgaccaa
ag gtcgcccgac gcccgggctt tgcccgggcg
4201 gcctcagtga gcgagcgagc gcgcagct
gc ctgcaggggc ccatgggcag atgcaccacc
4261 tgtctcagtg caaagccctg cctaagta
gg ctggtcataa gaccatgtgt ctggctgtaa
4321 ctccaattga ttgtcagcat caataaaa
ct tggccaacac tgttatatac tggtattgat
4381 agttacaact gaacatattt gtttaagc
aa ttggaattaa gaattcacat gcaatgatat
4441 cagggtcctt ctcctctggt tagtgtat
tg gggggaaatt ggacatctct cagctcagta
4501 ggctagttag gccaggatgg atgacatc
ca cagcccctgg gcagagagat tatgatgtag
4561 ctagtctgac tcctgacaaa gacttgct
tc ctggagcttc tactactttc tggtggatgg
4621 ctaagaaata tggttgtgtt cttttaag
tc tgaagagcat tatttttgcc aacccctgac
4681 caaacatcct tgccaaggaa aaggccta
aa atatatttgc atttaaagat attacaaact
4741 acttggtttt ggaatgtttg gcctttca
gg atcatagcta tcaaaatatt agctatttgg
4801 ggtatgagat gtctgcttgg tcaaggac
aa gttcttaaag acatcatgtt ggggaataat
4861 ggggaaaatg ggaaggctta tgctctga
gt aagacatctg agttatcatc tgtcaaacat
4921 ttttgttagt catagtctaa tgggagcc
tg ttttccctct ttaatataca ttcacatctg
4981 aatttatgct cttcattgac aatgccag
cc cagaacaaca gctcttaccc tttggttttc
5041 ttcctaacct ttaactccaa tgtaacca
tt acctgccatt tcagtaaaac cattattctc
5101 cctacttacc cacccaagtt gtacaata
aa gagtgtttgc tctcactcat atacaaagca
5161 aattcatttg tttgtgatgt acagcttg
ct atgcccacag atgtggtttg cctagtcctt
5221 tgctctaggt catttgactg ggaacaga
tg ggatgctcac tttggttttt aatggttaac
5281 tagtcattga aatgcatttc atcaaata
at cttagaggat aattgtttaa atgtctgtcc
5341 agactagctt tgtagagcca ggtgccat
ta cacatgtcac cttcttattt ctcttaattg
5401 aatttttatc atctgagata ggaataat
ag agggcttttt caagtgaaga tattactata
5461 gtctaaagac cttagtgtaa catcctgg
cc cctaaggaaa aacaagttct ggttcataca
5521 tataataact ttgcatgtta tctgccac
tg agatgtgtcc taatccaaca gaaaggattg
5581 aatctctgta gctaggtgta cagggcaa
ga gctgtacagg gaacctttaa agatagcttc
5641 aggccaaagc tgaggaaagt ggatggag
ac tggggaaaat gctaagacat tttaaagatt
5701 ttctttaggt caaaaataga ataagaaa
ta gaccatttcc ctggacattt tctgtaggtt
5761 aatactgtta actattggta aatgcata
tg ctacaactta atatgtctgc tttgtgagtt
5821 tagcattgtc tccttgtcat tccagaaa
tg aaatggcaaa tacatttaaa tcagaactaa
5881 aaaggggaac agggtataaa ggctcaat
tt agtcacatca tttccctttc tcacccaccc
5941 cctttaaacc agatgtttgc caatgcat
ta acaatgcaga tgtttcctga aagaaagttt
6001 agtaactcaa gcagacacct tattttct
tt tcaagcagaa aagactatga gatggtggtt
6061 gtggttgttc tgggagggag aagatata
aa tgatacacat tatttcaaat catttcatga
6121 cctcactgca cacttatagt tattgtac
ct gttgtctttt tgctgtcaag cctagctaag
6181 atcatttgga atgttcaaga tcactcat
ac atgcatgtgc acacatacac atgcacatat
6241 gttcactccc tatttcatcc acatgaac
ta agattactga tgtgtacaga ttcaaagcac
6301 ttttattctt ttccaaaggc aagaagct
ga gctactttcc agaatagttg tgaaagaccc
6361 tgtcatactt ctgcattgtt tcctccac
ac cacctccatc cagttcctta tgaatggtta
6421 ctggttttca aaaatatgag ataaattg
ag tgtataaaag tcatttttag acaaaatgaa
6481 acaggaaatg aaagaaacca gaatctct
cc tcatttgtgg atgggccagc tccaccatgt
6541 catggttaat ctgcagggag gaaatact
ag atttgattgc agatcagact gcagcaaacc
6601 tgctgtgact aaggcatcaa gagaaagc
aa gcaacagctg gggcttcagt ggtgaaaaca
6661 ttatatatct agctttgaaa tatgaaat
ac tgtttagcag tgtcacctag aaaagagtgt
6721 ttcaaaatgc tgatgcttca taagaacc
tt tctcttcaga gttgtttctt ttatctttca
6781 aattagccag ggtgggaaat aaagtgat
ca cttggtgaag aaatctcaca aagaagaaca
6841 tagagagttc actttcatct ggagtaat
ga acagattgaa caaactagaa atggttagtc
6901 tgttaaagaa aaggtgtagg tgagctgt
tt gcaagagcca caagggaaag gggaagacaa
6961 cttctttgtg gacttaaggg tgaaagtt
gc aagcaggcaa gaccattctg acctccatta
7021 agaaagccct ttccaaccaa caaccact
gg gttggttact caggttgggc agcattggga
7081 gcaaatgttg attgaacaaa tgtttgtc
ag aattgttgac ttaaagagct gttctgtcac
7141 tggggacagc agcagctaga tagcccca
tt cagggagagg gcatttgttc acctggccag
7201 agatcagagc aggctaaggg actgctgg
ga tcctgtccag ctttgagacc ctacagagcc
7261 atgttcacct agcaggtatc ccttctga
gg tcactctcat ttcttacctt attccagggc
7321 tttcacctca gcttgccagg ctggagcc
aa gggccaaggc agcctcacct tgttggctat
7381 ggtagcttcc caggagcccc ctatggtt
ca ggaacagctc tgcctgcccc atcctgtttg
7441 ctacctccta aagccaaagg cactggtg
gg ccaggccagc ttctaaagtc acacaaggtt
7501 agaaggttcc tgacaggaag ggcttgag
gc caatggaagg aggtacttca gtttccctcc
7561 agatgcccag tgatgggctc agagctcc
tt gagaacttgg gaaaggaagc agggtctctg
7621 aagaaatact tcaggagtag aaagagga
ag ctagagggtt aaatgcacta cacaggaaca
7681 gaaatgagtt tttcttagag ttagtata
tg tctagaggtg tagtaaacta aaacaagtct
7741 tgaattgcat acagccactt agggaaga
aa tgaaaacctt tgaatattag tgaaaaaagg
7801 gaaactgcaa cccctgtatt actagata
gc tttcatcaac agctcaaaac agacagattt
7861 ttataggttt actgtgtgca ctttaata
ca agggcagtgg ttcagaacta gtcaggtcct
7921 gaaaaggatt taccaaatgt tgagtgtg
cc ctctagtgtt cacacttccc agctttcttc
7981 ctataaaggt ggatcaaggc acttgctt
ac aactggaact gaaatcctcc aagtggaact
8041 agacattgag atggagaaaa tattcatt
gt ccactgtaat tatgcaagga atatccagtt
8101 gagataatgg acttgcctct tatctaat
aa tacccaggct caatgggtca ctgctttgtc
8161 cactttgccc aaaattcaag cacagcta
ag ttgatatttt aggacaaagg cagcttacta
8221 tccagccaga ggggagtaga atatggtt
aa gagagagtgg aaagaatgaa tgagccctgc
8281 tattcctcac tgcctggatg gctataag
ca cagcccttat ggaggcctta ggtcttgctt
8341 cataatattc cagtttgaaa agggtttg
aa aagacctcct agaaaaatca gtagtttttc
8401 tcttttgagt aacatgtagc aaaaaaaa
tt tcatcatgta ggtacaggga acaccctaat
8461 aactattaat ctcaaggagt caagccag
tg tgtttcctaa tgtatctgct gtatccccat
8521 gaagcaaatt ttgccatcag agaaactg
ac tcatggggaa aaaatccaag gacctcaaat
8581 caccaaaaga agccattcct cagatttg
cc taagcttaag cttccctgtc tctcattgtg
8641 tgttgctttc aatgcagtta cataaatg
gc ttttttgttt atgcaccaaa aacactaatt
8701 catctgcaaa gctataggtc aaagcaac
ca tagtatgcac cctgctagct ggcgcattaa
8761 gcgcggcggg tgtggtggtt acgcgcag
cg tgaccgctac acttgccagc gccttagcgc
8821 ccgctccttt cgctttcttc ccttcctt
tc tcgccacgtt cgccggcttt ccccgtcaag
8881 ctctaaatcg ggggctccct ttagggtt
cc gatttagtgc tttacggcac ctcgacccca
8941 aaaaacttga tttgggtgat ggttcacg
ta gtgggccatc gccctgatag acggtttttc
9001 gccctttgac gttggagtcc acgttctt
ta atagtggact cttgttccaa actggaacaa
9061 cactcaactc tatctcgggc tattcttt
tg atttagacct gcaggcatgc aagcttggca
9121 ctggccgtcg ttttacaacg tcgtgact
gg gaaaaccctg gcgttaccca acttaatcgc
9181 cttgcagcac atcccccttt cgccagct
gg cgtaatagcg aagaggcccg caccgatcgc
9241 ccttcccaac agttgcgcag cctgaatg
gc gaatgcgatt tattcaacaa agccgccgtc
9301 ccgtcaagtc agcgtaatgc tctgccag
tg ttacaaccaa ttaaccaatt ctgattagaa
9361 aaactcatcg agcatcaaat gaaactgc
aa tttattcata tcaggattat caataccata
9421 tttttgaaaa agccgtttct gtaatgaa
gg agaaaactca ccgaggcagt tccataggat
9481 ggcaagatcc tggtatcggt ctgcgatt
cc gactcgtcca acatcaatac aacctattaa
9541 tttcccctcg tcaaaaataa ggttatca
ag tgagaaatca ccatgagtga cgactgaatc
9601 cggtgagaat ggcaaaagct tatgcatt
tc tttccagact tgttcaacag gccagccatt
9661 acgctcgtca tcaaaatcac tcgcatca
ac caaaccgtta ttcattcgtg attgcgcctg
9721 agcgagacga aatacgcgat cgctgtta
aa aggacaatta caaacaggaa tcgaatgcaa
9781 ccggcgcagg aacactgcca gcgcatca
ac aatattttca cctgaatcag gatattcttc
9841 taatacctgg aatgctgttt tcccgggg
at cgcagtggtg agtaaccatg catcatcagg
9901 agtacggata aaatgcttga tggtcgga
ag aggcataaat tccgtcagcc agtttagtct
9961 gaccatctca tctgtaacat cattggca
ac gctacctttg ccatgtttca gaaacaactc
10021 tggcgcatcg ggcttcccat acaatcga
ta gattgtcgca cctgattgcc cgacattatc
10081 gcgagcccat ttatacccat ataaatca
gc atccatgttg gaatttaatc gcggcttcga
10141 gcaagacgtt tcccgttgaa tatggctc
at aacacccctt gtattactgt ttatgtaagc
10201 agacagtttt attgttcatg atgatata
tt tttatcttgt gcaatgtaac atcagagatt
10261 ttgagacaca acgtggcttt gttgaata
aa tcgaactttt gctgagttga aggatcagat
10321 cacgcatctt cccgacaacg cagaccgt
tc cgtggcaaag caaaagttca aaatcaccaa
10381 ctggtccacc tacaacaaag ctctcatc
aa ccgtggctcc ctcactttct ggctggatga
10441 tggggcgatt caggcctggt atgagtca
gc aacaccttct tcacgaggca gacctctcga
10501 cggagttcca ctgagcgtca gaccccgt
ag aaaagatcaa aggatcttct tgagatcctt
10561 tttttctgcg cgtaatctgc tgcttgca
aa caaaaaaacc accgctacca gcggtggttt
10621 gtttgccgga tcaagagcta ccaactct
tt ttccgaaggt aactggcttc agcagagcgc
10681 agataccaaa tactgttctt ctagtgta
gc cgtagttagg ccaccacttc aagaactctg
10741 tagcaccgcc tacatacctc gctctgct
aa tcctgttacc agtggctgct gccagtggcg
10801 ataagtcgtg tcttaccggg ttggactc
aa gacgatagtt accggataag gcgcagcggt
10861 cgggctgaac ggggggttcg tgcacaca
gc ccagcttgga gcgaacgacc tacaccgaac
10921 tgagatacct acagcgtgag ctatgaga
aa gcgccacgct tcccgaaggg agaaaggcgg
10981 acaggtatcc ggtaagcggc agggtcgg
aa caggagagcg cacgagggag cttccagggg
11041 gaaacgcctg gtatctttat agtcctgt
cg ggtttcgcca cctctgactt gagcgtcgat
11101 ttttgtgatg ctcgtcaggg gggcggag
cc tatggaaaaa cgccagcaac gcggcctttt
11161 tacggttcct ggccttttgc tggccttt
tg ctcacatgt
//
イントロンA核酸配列(配列番号:17)
GTTTGTTTCCTTTTTTATAATACATTGAGTATGCTTGCCT
TTTAGATATAGAAATATCTGATTCTGTCTTCTTCACTAAA
TTTTGATTACATGATTTGACAGCAATATTGAAGAGTCTAA
CAGCCAGCACCCAGGTTGGTAAGTACTGGTTCTTTGTTAG
CTAGGTTTTCTTCTTCTTCACTTTTAAAACTAAATAGATG
GACAATGCTTATGATGCAATAAGGTTTAATAAACACTGTT
CAGTTCAGTATTTGGTCATGTAATTCCTGTTAAAAAACAG
TCATCTCCTTGGTTTAAAAAAATTAAAAGTGGGAAAACAA
AGAAATAGCAGAATATAGTGAAAAAAAATAACCACAGTAT
TTTTGTTTGGACTTACCACTTTGAAATCAAATTGGGAAAC
AAAAGCACAAACAGTGGCCTTATTTACACAAAAAGTCTGA
TTTTAAGATATGTGACAATTCAAGGTTTCAGAAGTATGTA
AGGAGGTGTGTCTCTAATTTTTTAAATTATATATCTTCAA
TTTAAAGTTTTAGTTAAAACATAAAGATTAACCTTTCATT
AGCAAGCTGTTAGTTATCACCAAAGCTTTTCATGGATTAG
GAAAAAATCATTTTGTCTCTATCTCAAACATCTTGGAGTT
GATATTTGGGGAAACACAATACTCAGTTGAGTTCCCTAGG
GGAGAAAAGCAAGCTTAAGAATTGACACAAAGAGTAGGAA
GTTAGCTATTGCAACATATATCACTTTGTTTTTTCACAAC
TACAGTGACTTTATTTATTTCCCAGAGGAAGGCATACAGG
GAAGAAATTATCCCATTTGGACAAACAGCATGTTCTCACA
GTAAGCACTTATCACACTTACTTGTCAACTTTCTAGAATC
AAATCTAGTAGCTGACAGTACCAGGATCAGGGGTGCCAAC
CCTAAGCACCCCCAGAAAGCTGACTGGCCCTGTGGTTCCC
ACTCCAGACATGATGTCAGCTGTGAAATCCACCTCCCTGG
ACCATAATTAGGCTTCTGTTCTTCAGGAGACATTTGTTCA
AAGTCATTTGGGCAACCATATTCTGAAAACAGCCCAGCCA
GGGTGATGGATCACTTTGCAAAGATCCTCAATGAGCTATT
TTCAAGTGATGACAAAGTGTGAAGTTAAGGGCTCATTTGA
GAACTTTCTTTTTCATCCAAAGTAAATTCAAATATGATTA
GAAATCTGACCTTTTATTACTGGAATTCTCTTGACTAAAA
GTAAAATTGAATTTTAATTCCTAAATCTCCATGTGTATAC
AGTACTGTGGGAACATCACAGATTTTGGCTCCATGCCCTA
AAGAGAAATTGGCTTTCAGATTATTTGGATTAAAAACAAA
GACTTTCTTAAGAGATGTAAAATTTTCATGATGTTTTCTT
TTTTGCTAAAACTAAAGAATTATTCTTTTACATTTCAG
図15
イントロンAを含むFIX39核酸配列(イントロンAに下線)(配列番号:25)
ATGCAGAGGGTGAACATGATCATGGCTGAGAGCCCTGGCC
TGATCACCATCTGCCTGCTGGGCTACCTGCTGTCTGCTGA
ATGTACAG
GTTTGTTTCCTTTTTTATAATACATTGAGTAT
GCTTGCCTTTTAGATATAGAAATATCTGATTCTGTCTTCT
TCACTAAATTTTGATTACATGATTTGACAGCAATATTGAA
GAGTCTAACAGCCAGCACCCAGGTTGGTAAGTACTGGTTC
TTTGTTAGCTAGGTTTTCTTCTTCTTCACTTTTAAAACTA
AATAGATGGACAATGCTTATGATGCAATAAGGTTTAATAA
ACACTGTTCAGTTCAGTATTTGGTCATGTAATTCCTGTTA
AAAAACAGTCATCTCCTTGGTTTAAAAAAATTAAAAGTGG
GAAAACAAAGAAATAGCAGAATATAGTGAAAAAAAATAAC
CACAGTATTTTTGTTTGGACTTACCACTTTGAAATCAAAT
TGGGAAACAAAAGCACAAACAGTGGCCTTATTTACACAAA
AAGTCTGATTTTAAGATATGTGACAATTCAAGGTTTCAGA
AGTATGTAAGGAGGTGTGTCTCTAATTTTTTAAATTATAT
ATCTTCAATTTAAAGTTTTAGTTAAAACATAAAGATTAAC
CTTTCATTAGCAAGCTGTTAGTTATCACCAAAGCTTTTCA
TGGATTAGGAAAAAATCATTTTGTCTCTATCTCAAACATC
TTGGAGTTGATATTTGGGGAAACACAATACTCAGTTGAGT
TCCCTAGGGGAGAAAAGCAAGCTTAAGAATTGACACAAAG
AGTAGGAAGTTAGCTATTGCAACATATATCACTTTGTTTT
TTCACAACTACAGTGACTTTATTTATTTCCCAGAGGAAGG
CATACAGGGAAGAAATTATCCCATTTGGACAAACAGCATG
TTCTCACAGTAAGCACTTATCACACTTACTTGTCAACTTT
CTAGAATCAAATCTAGTAGCTGACAGTACCAGGATCAGGG
GTGCCAACCCTAAGCACCCCCAGAAAGCTGACTGGCCCTG
TGGTTCCCACTCCAGACATGATGTCAGCTGTGAAATCCAC
CTCCCTGGACCATAATTAGGCTTCTGTTCTTCAGGAGACA
TTTGTTCAAAGTCATTTGGGCAACCATATTCTGAAAACAG
CCCAGCCAGGGTGATGGATCACTTTGCAAAGATCCTCAAT
GAGCTATTTTCAAGTGATGACAAAGTGTGAAGTTAAGGGC
TCATTTGAGAACTTTCTTTTTCATCCAAAGTAAATTCAAA
TATGATTAGAAATCTGACCTTTTATTACTGGAATTCTCTT
GACTAAAAGTAAAATTGAATTTTAATTCCTAAATCTCCAT
GTGTATACAGTACTGTGGGAACATCACAGATTTTGGCTCC
ATGCCCTAAAGAGAAATTGGCTTTCAGATTATTTGGATTA
AAAACAAAGACTTTCTTAAGAGATGTAAAATTTTCATGAT
GTTTTCTTTTTTGCTAAAACTAAAGAATTATTCTTTTACA
TTTCAGTTTTTCTTGATCATGAAAATGCCAACAAAATTCT
GAATAGACCAAAGAGGTATAACTCTGGCAAGCTTGAAGAG
TTTGTACAGGGGAATCTGGAGAGAGAGTGTATGGAAGAGA
AGTGCAGCTTTGAGGAAGCCAGAGAAGTGTTTGAAAATAC
AGAGAGAACAACTGAATTTTGGAAGCAGTATGTGGATGGT
GATCAATGTGAGAGCAATCCCTGCTTGAATGGGGGGAGCT
GTAAAGATGATATCAACAGCTATGAATGTTGGTGTCCCTT
TGGATTTGAGGGGAAAAACTGTGAGCTTGATGTGACCTGT
AATATCAAGAATGGCAGGTGTGAGCAATTTTGCAAGAATT
CTGCTGATAACAAAGTGGTCTGTAGCTGCACTGAGGGATA
TAGGCTGGCTGAAAACCAGAAGAGCTGTGAACCTGCAGTG
CCTTTTCCCTGTGGGAGAGTGTCTGTGAGCCAAACCAGCA
AGCTGACTAGGGCTGAAGCAGTCTTTCCTGATGTAGATTA
TGTGAATAGCACTGAGGCTGAGACAATCCTTGACAATATC
ACTCAGAGCACACAGAGCTTCAATGACTTCACCAGGGTGG
TAGGAGGGGAGGATGCCAAGCCTGGGCAGTTCCCCTGGCA
GGTAGTGCTCAATGGAAAAGTGGATGCCTTTTGTGGAGGT
TCAATTGTAAATGAGAAGTGGATTGTGACTGCAGCCCACT
GTGTGGAAACTGGAGTCAAGATTACTGTGGTGGCTGGAGA
GCACAATATTGAGGAAACTGAGCACACTGAGCAGAAGAGG
AATGTGATCAGGATTATCCCCCACCACAACTACAATGCTG
CTATCAACAAGTACAACCATGACATTGCCCTCCTGGAACT
GGATGAACCCCTGGTCTTGAACAGCTATGTGACACCCATC
TGTATTGCTGATAAAGAGTACACCAACATCTTCTTGAAAT
TTGGGTCTGGATATGTGTCTGGCTGGGGCAGGGTGTTCCA
TAAAGGCAGGTCTGCCCTGGTATTGCAGTATTTGAGGGTG
CCTCTGGTGGATAGAGCAACCTGCTTGCTGAGCACCAAGT
TTACAATCTACAACAATATGTTCTGTGCAGGGTTCCATGA
AGGTGGTAGAGACAGCTGCCAGGGAGATTCTGGGGGTCCC
CATGTGACTGAGGTGGAGGGAACCAGCTTCCTGACTGGGA
TTATCAGCTGGGGTGAGGAGTGTGCTATGAAGGGAAAGTA
TGGGATCTACACAAAAGTATCCAGATATGTGAACTGGATT
AAGGAGAAAACCAAGCTGACTTGA
【配列表】
【手続補正書】
【提出日】2023-10-16
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒト第IX因子タンパクをコードする核酸配列であって、
前記核酸は、ヒト第IX因子をコードする野生型配列と比較して減少した数のCpGジ
ヌクレオチドを有する核酸配列。
【外国語明細書】