(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024098593
(43)【公開日】2024-07-24
(54)【発明の名称】製袋包装装置及び計量包装システム
(51)【国際特許分類】
G01G 19/387 20060101AFI20240717BHJP
【FI】
G01G19/387 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023002168
(22)【出願日】2023-01-11
(71)【出願人】
【識別番号】000147833
【氏名又は名称】株式会社イシダ
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】弁理士法人新樹グローバル・アイピー
(72)【発明者】
【氏名】長島 良太
(72)【発明者】
【氏名】影山 寿晴
(57)【要約】
【課題】製袋包装装置と組合せ計量装置とからなるシステムの設置スペース幅の抑制を図る。
【解決手段】製袋包装装置10では、製袋包装機100A,100Bが、左右に二台並設される。各製袋包装機は、後部に配置されるフィルム供給部と、前部に配置され、フィルム供給部から供給されるシート状のフィルムを筒状に成形するフォーマ機構と、組合せ計量装置600から供給される物品が内部に投入された筒状のフィルムの上下を横シールする横シール機構と、を備える。各製袋包装機は、二台の組合せ計量機610A,610Bが上面視において左右方向に略対称に接合され、組合せ計量機を一体として支持するベース部材690を備えた組合せ計量装置の、対応する1の組合せ計量機の排出シュートの下方に配置される。製袋包装装置を前方から見た際の最大幅W2は、ベース部材の幅W1より狭い。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
製袋包装機を左右に二台並設した製袋包装装置であって、
各製袋包装機は、
後部に配置されるフィルム供給部と、
前部に配置され、フォーマ及びチューブを有し、後部の前記フィルム供給部から供給されるシート状のフィルムを筒状に成形するフォーマ機構と、
前記フォーマ機構の下方に配置され、上方から供給される物品が内部に投入された筒状の前記フィルムの上下を横シールする横シール機構と、
前記フィルム供給部及び前記横シール機構の動作を制御する制御部と、
を備え、
前記製袋包装機のそれぞれは、円周の一部に沿って配置された複数のホッパ内に前記物品を供給し、目標重量に応じて選択した一つ以上の前記ホッパ内に貯留されている前記物品を組合せて排出する組合せ計量機が上面視において左右方向に二台が略対称に接合され、前記組合せ計量機を一体として支持するベース部材を備えた組合せ計量装置の、対応する1の前記組合せ計量機の排出シュートの下方に配置され、
前記製袋包装装置を前方から見た際の最大幅は、前記ベース部材の幅より狭い、
製袋包装装置。
【請求項2】
前記製袋包装機のそれぞれは、前記制御部の基板を収納する収納部を更に備え、
前記収納部は、前記フォーマ機構及び前記横シール機構の後方に配置される、
請求項1に記載の製袋包装装置。
【請求項3】
前記収納部は、前記フィルム供給部の前記フィルムの搬送経路の下方に配置される、
請求項2に記載の製袋包装装置。
【請求項4】
前記製袋包装機のそれぞれは、前記フィルム供給部、前記フォーマ機構、及び前記横シール機構のそれぞれの一部を少なくとも囲うフレームを構成する、立設する複数の支柱を有し、
前記製袋包装装置の、最も右側に配置される前記支柱の右端と最も左側に配置される前記支柱の左端との距離は、前記製袋包装装置の前記最大幅より小さい、
請求項1又は2に記載の製袋包装装置。
【請求項5】
前記製袋包装機のそれぞれは、前記フィルム供給部、前記フォーマ機構、及び前記横シール機構のそれぞれの一部を少なくとも囲うフレームを構成する、立設する複数の支柱を有し、
左側の前記製袋包装機では、左側最前列の前記支柱は、前記フォーマ機構の前記チューブより後方に配置され、
右側の前記製袋包装機では、右側最前列の前記支柱は、前記フォーマ機構の前記チューブより後方に配置される
請求項1又は2に記載の製袋包装装置。
【請求項6】
二台の前記製袋包装機は、左右方向に略線対称の構造を有し、
前記製袋包装機のそれぞれは、他の前記製袋包装機に対向する側面の少なくとも一部に開口部を有する、
請求項1又は2に記載の製袋包装装置。
【請求項7】
二台の前記製袋包装機の間に設けられる、二台の前記製袋包装機の間の隙間を塞ぐ隙間閉塞部材を更に備える、
請求項6に記載の製袋包装装置。
【請求項8】
前記製袋包装機のそれぞれは、上下方向において、前記フォーマ機構と前記横シール機構の間に配置される仕切板を有する、
請求項1又は2に記載の製袋包装装置。
【請求項9】
請求項1又は2に記載の製袋包装装置と、
左右方向に二台が略対称に接合された前記組合せ計量機と、前記組合せ計量機を一体として支持する前記ベース部材と、を含み、前記組合せ計量機のそれぞれは、上面視において円周の一部に沿って配置された複数の前記ホッパと、前記排出シュートと、を有し、前記ホッパ内に供給される前記物品を計量し、前記目標重量に応じて選択した一つ以上の前記ホッパ内に貯留されている前記物品を組合せて前記排出シュートから排出する前記組合せ計量装置と、
を備えた、計量包装システム。
【請求項10】
前記ベース部材の周囲に配置される踏板と、前記踏板を支持する架台フレームと、を有する架台を更に備える、
請求項9に記載の計量包装システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、製袋包装装置、及び、組合せ計量装置及び製袋包装装置を備えた計量包装システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1(特開2009-258040号公報)に開示されているような、左右方向に二台対称に接合された組合せ計量機を有し、二台の組合せ計量機を、ベース部材により一体として支持する組合せ計量装置が知られている。
【0003】
このような組合せ計量装置を利用することで、単に二台の組合せ計量機(単一の組合せ計量機からなる組合せ計量装置)を二台並べる場合に比べて、組合せ計量装置の設置に必要なスペースの幅を抑制できる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1(特開2009-258040号公報)に開示されているような組合せ計量装置は、しばしば、組合せ計量装置の下方に配置される二台の製袋包装機と組み合わせて用いられる。
【0005】
このような組み合わせからなるシステムでは、組合せ計量装置の設置に必要なスペースの幅は抑制されるものの、組合せ計量装置の下方に配置される製袋包装機側の問題で、システムの設置に必要な幅の抑制が十分になされていない。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1観点に係る製袋包装装置では、製袋包装機が左右に二台並設されている。各製袋包装機は、フィルム供給部と、フォーマ機構と、横シール機構と、制御部と、を備える。フィルム供給部は、後部に配置される。フォーマ機構は、前部に配置される。フォーマ機構は、フォーマ及びチューブを有する。フォーマ機構は、後部のフィルム供給部から供給されるシート状のフィルムを筒状に成形する。横シール機構は、フォーマ機構の下方に配置されている。横シール機構は、上方から供給される物品が内部に投入された筒状のフィルムの上下を横シールする。制御部は、フィルム供給部及び横シール機構の動作を制御する。製袋包装機のそれぞれは、円周の一部に沿って配置された複数のホッパ内に物品を供給し、目標重量に応じて選択した一つ以上のホッパ内に貯留されている物品を組合せて排出する組合せ計量機が上面視において左右方向に二台、略対称に接合され、組合せ計量機を一体として支持するベース部材を備えた組合せ計量装置の、対応する1の組合せ計量機の排出シュートの下方に配置される。製袋包装装置を前方から見た際の最大幅は、ベース部材の幅より狭い。
【0007】
第1観点の製袋包装装置では、製袋包装装置と組合せ計量装置とからなるシステムの設置に要するスペースの幅の抑制を図ることができる。
【0008】
本発明の第2観点に係る製袋包装装置は、第1観点の製袋包装装置であって、製袋包装機のそれぞれは、制御部の基板を収納する収納部を更に備える。収納部は、フォーマ機構及び横シール機構の後方に配置される。
【0009】
第2観点の製袋包装装置では、制御部の基板を製袋包装機の左右に配置するのではなく、フォーマ機構及び横シール機構の後方に配置しているので、製袋包装装置の設置に必要なスペースの左右幅の増大を抑制できる。
【0010】
本発明の第3観点に係る製袋包装装置は、第2観点の製袋包装装置であって、収納部は、フィルム供給部のフィルムの搬送経路の下方に配置される。
【0011】
第3観点の製袋包装装置では、基板を収納する収納部をフィルム供給部の下方に配置することで、空間を有効利用して、コンパクトな製袋包装装置を実現できる。また、第3観点の製袋包装装置では、収納部をフィルム供給部の後方に配置する場合に比べ、製袋包装装置と組合せ計量装置とからなるシステムの設置に要するスペースの前後方向の幅の抑制も図ることができる。
【0012】
第4観点の製袋包装装置は、第1観点から第3観点のいずれかの製袋包装装置であって、製袋包装機のそれぞれは、立設する複数の支柱を有する。複数の支柱は、フィルム供給部、フォーマ機構、及び横シール機構のそれぞれの一部を少なくとも囲うフレームを構成する。製袋包装装置の、最も右側に配置される支柱の右端と最も左側に配置される支柱の左端との距離は、製袋包装装置の最大幅より小さい。
【0013】
第4観点の製袋包装装置では、製袋包装装置の設置に必要なスペースの左右幅に特に影響を与える、最も右側に配置される支柱の右端と最も左側に配置される支柱の左端との距離が、製袋包装装置の最大幅より小さい。そのため、第4観点の製袋包装装置では、製袋包装装置と組合せ計量装置とからなるシステムの設置に要するスペースの幅が抑制されやすい。
【0014】
第5観点の製袋包装装置は、第1観点から第4観点のいずれかの製袋包装装置であって、製袋包装機のそれぞれは、立設する複数の支柱を有する。複数の支柱は、フィルム供給部、フォーマ機構、及び横シール機構のそれぞれの一部を少なくとも囲うフレームを構成する。左側の製袋包装機では、左側最前列の支柱は、フォーマ機構のチューブより後方に配置される。右側の製袋包装機では、右側最前列の支柱は、フォーマ機構のチューブより後方に配置される。
【0015】
第5観点の製袋包装装置では、左側の製袋包装機の左前方、及び、右側の製袋包装機の右前方に、清掃等のメンテナンスの際に作業者が製袋包装機内のフォーマ機構等の機器にアクセス可能な空間が確保される。その結果、第5観点の製袋包装装置では、製袋包装装置の設置に要するスペースの幅は抑制しつつ、高いメンテナンス性を実現できる。
【0016】
第6観点の製袋包装装置は、第1観点から第5観点のいずれかの製袋包装装置であって、二台の製袋包装機は、左右方向に略線対称の構造を有する。製袋包装機のそれぞれは、他の製袋包装機に対向する側面の少なくとも一部に開口部を有する。
【0017】
左右方向において二台の製袋包装機を近づけて設置した場合、製袋包装機が隣接する側からは各製袋包装機にアクセスしにくい。そのため、各製袋包装機の、二台の製袋包装機が近接する側には、清掃等が難しい空間が生じやすい。
【0018】
しかし、第6観点の製袋包装装置では、互いに対向する面に開口部が形成されているため、製袋包装装置には、右端から左端までが連続した空間が形成される。このように構成することで、例えば右側/左側に配置されている製袋包装機の右側/左側から空気を吹き込めば、各製袋包装機の二台の製袋包装機が近接する側にたまった汚れを、左側/右側に配置された製袋包装機の左側/右側まで容易に移動させることができる。その結果、第6観点の製袋包装装置では、設置スペースの幅は抑制しつつ、高い清掃性を実現できる。
【0019】
第7観点の製袋包装装置は、第6観点の製袋包装装置であって、二台の製袋包装機の間に設けられる、製袋包装機の隙間を塞ぐ隙間閉塞部材を更に備える。
【0020】
第7観点の製袋包装装置では、製袋包装機の隙間にゴミが落下するのを防ぐことができるため衛生的である。
【0021】
第8観点の製袋包装装置は、第1観点から第7観点のいずれかの製袋包装装置であって、製袋包装機のそれぞれは、上下方向において、フォーマ機構と横シール機構の間に配置される仕切板を有する。
【0022】
第8観点の製袋包装装置では、フォーマ機構と横シール機構の間に仕切板が配置されるので、組合せ計量装置が落下供給する物品の欠片等のゴミにより横シール機構が汚れにくい。また、第8観点の製袋包装装置では、フォーマ機構と横シール機構の間に配置される仕切板が板状であるため、組合せ計量装置が落下供給する物品の欠片等が仕切板上に落下した際に、これを除去することが容易である。
【0023】
そのため、第8観点の製袋包装装置では、製袋包装機を左右に二台近接配置することでメンテナンスに利用できる空間が減っても、製袋包装装置が清潔に保たれやすい。
【0024】
第9観点の計量包装システムは、第1観点から第8観点のいずれかの製袋包装装置と、組合せ計量装置と、を備える。組合せ計量装置は、左右方向に二台が略対称に接合された組合せ計量機と、組合せ計量機を一体として支持するベース部材と、を含む。組合せ計量機のそれぞれは、上面視において円周の一部に沿って配置された複数のホッパと、排出シュートと、を有し、ホッパ内に供給される物品を計量し、目標重量に応じて選択した一つ以上のホッパ内に貯留されている物品を組合せて排出シュートから排出する。
【0025】
第9観点の計量包装システムでは、製袋包装装置と組合せ計量装置とからなるシステムの設置に要するスペースの幅の抑制を図ることができる。
【0026】
第10観点の計量包装システムは、第9観点の計量包装システムであって、架台を更に備える。架台は、ベース部材の周囲に配置される踏板と、踏板を支持する架台フレームと、を有する。
【0027】
第10観点の計量包装システムでは、組合せ計量装置の周囲にメンテナンススペースを確保できる。
【発明の効果】
【0028】
本発明の製袋包装装置及び計量包装システムでは、製袋包装装置と組合せ計量装置とからなるシステムの設置に要するスペースの幅の抑制を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】本発明の一実施形態の計量包装システムの概略斜視図である。
【
図3】
図1の計量包装システムの製袋包装装置の概略構成図である。
【
図4】
図3の製袋包装装置の製袋包装機のカバーの内部を描画した図である。
【
図6】
図3の製袋包装装置を右上方から見た概略図である。
【
図8】
図3の製袋包装装置の右側に配置される製袋包装機の概略斜視図である。
【
図9】
図8の製袋包装機の他の角度からの概略斜視図である。
【
図11】
図3の製袋包装装置の支柱の配置を描画した概略平面図である。
【
図12】
図8の製袋包装機のフレームの支柱の配置を描画した概略右側面図である。
【
図13】
図8の製袋包装機の左方から見た状態を模式的に描画した図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
図面を参照しながら、本発明の計量包装システムの一実施形態の計量包装システム1、及び、本発明の製袋包装装置の一実施形態の製袋包装装置10を説明する。なお、以下の実施形態は、本発明の具体例であり本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0031】
以下の説明では、方向や位置関係の説明に、垂直、直交、水平、鉛直、対称等の表現を用いる場合があるが、これらの表現は、厳密な意味に限定されず、得られる構造、結果、機能等が実質的に変わらない程度に垂直、直交、水平、鉛直、対称等である場合を含む。また、以下の説明では、「略」、「約」等の表現を用いる場合があるが、これらの表現は、この表現の付された語が厳密な意味に限定されないことを明示しているが、これらの表現と共に用いられない語も、厳密な意味に限定されるものではない。また、以下の説明では、方向や配置を表すため、前(正面)、後(背面)、上、下、左、右等の表現を使用する。特記無き場合、ここでの前(正面)、後(背面)、上、下、左、右は、図面に付された矢印の向きに従う。
【0032】
なお、本開示では、後述する製袋包装装置10の製袋包装部200から見て後述する製袋包装装置10のフィルム供給部300が配置される側を後方と定義する。また、水平方向であって、前後方向と直交する方向を、左右方向と定義する。
【0033】
(1)計量包装システム
計量包装システム1について、
図1を参照しながら説明する。
図1は、計量包装システム1の概略斜視図である。
【0034】
計量包装システム1は、
図1に示すように、主に、組合せ計量装置600と、製袋包装装置10と、架台700と、を備える。
【0035】
組合せ計量装置600は、
図1に示すように、左右方向に二台対称に接合された組合せ計量機610A,610Bと、ベース部材690と、を含む。ベース部材690は、二台の組合せ計量機610A,610Bを一体として支持する。本実施形態では、右側に配置される組合せ計量機を組合せ計量機610Aと呼び、左側に配置される組合せ計量機を組合せ計量機610Bと呼ぶ。組合せ計量機610A,610Bのそれぞれは、組合せ計量機610A,610Bに供給される物品Pを、後述する複数の計量ホッパ650で計量し、複数の計量ホッパ650の計量値を合計重量が所定の重量範囲(目標重量)になるように組み合わせる。そして、組合せ計量機610A,610Bのそれぞれは、計量値が目標重量に応じて選択した一つ以上の計量ホッパ650内に貯留されている物品Pを組み合わせて、最終的に後述する排出シュート670から排出する。
【0036】
製袋包装装置10は、
図1に示すように、左右に二台並設された製袋包装機100A,100Bを含む。製袋包装機100Aは右側に配置され、製袋包装機100Bは左側に配置される。製袋包装機100Aは、組合せ計量装置600の対応する1の組合せ計量機610Aの下方に配置され、製袋包装機100Bは、組合せ計量装置600の対応する1の組合せ計量機610Bの下方に配置される。製袋包装機100A,100Bのそれぞれは、上方に配置される対応する組合せ計量機610A,610Bから物品Pの供給を受ける。
【0037】
製袋包装機100A,100Bのそれぞれは、シート状のフィルムFから袋状の包装材を製造し、内部に、対応する組合せ計量機610A,610Bから供給された物品Pが収容された袋Bを製造する。
【0038】
架台700は、組合せ計量装置600及び製袋包装装置10を取り囲むように配置される。架台700は、組合せ計量装置600のメンテナンススペースを提供する構造体である。架台700は、
図1に示すように、組合せ計量装置600のベース部材690の周囲に配置される踏板710と、踏板710を支持する架台フレーム720と、を有する。作業者は、踏板710上に立ち、組合せ計量装置600に対し各種のメンテナンスを行う。
【0039】
(2)組合せ計量装置
組合せ計量装置600について、
図2を更に参照しながら詳細を説明する。
図2は、組合せ計量装置600の概略構成図である。
【0040】
組合せ計量装置600は、
図1に示すように、二台の組合せ計量機610A及び組合せ計量機610Bと、ベース部材690と、物品振分部680と、図示しない制御部と、を主に有する。
【0041】
二台の組合せ計量機610A及び組合せ計量機610Bは、上面視において、左右方向に略対称に接合されている(
図2参照)。言い換えれば、組合せ計量装置600では、上面視において、組合せ計量機610Aの後述する分散テーブル620及び分散テーブル620の周囲に配置されるヘッドHが、組合せ計量機610Bの分散テーブル620及び分散テーブル620の周囲に配置されるヘッドHと、略左右対称に配置された状態で、組合せ計量機610Aと組合せ計量機610Bとが接合されている。
【0042】
ベース部材690は、組合せ計量機610A及び組合せ計量機610Bを下部側で支持する部材である。左右方向に見た際に、ベース部材690の幅W1は、製袋包装装置10全体の幅W0よりも狭い。
【0043】
物品振分部680は、図示しないコンベアが搬送してくる物品Pを、二台の組合せ計量機610Aと組合せ計量機610Bに振り分けて供給する。図示を省略する組合せ計量装置600の制御部は、組合せ計量機610A及び組合せ計量機610Bのそれぞれのために、後述する組合せ演算を行うとともに、各種構成の動作を制御する。
【0044】
組合せ計量機610A,610Bは、分散テーブル620と、分散テーブル620の周りに配置される複数のヘッドHと、排出シュート670と、を主に有する(
図2参照)。
【0045】
複数のヘッドHのそれぞれは、放射トラフ630と、プールホッパ640と、計量ホッパ650と、ブースタホッパ660と、を1つずつ有する。
【0046】
制御部は、複数の計量ホッパ650内の物品Pの重量を基に組合せ演算を行う。組合せ演算とは、各計量ホッパ650内の物品Pの重量値を組み合わせて、合計重量が所定の重量範囲(目標重量)になるような重量値の組合せ(重量値に対応する一つ以上の計量ホッパ650の組合せ)を選択する演算である。制御部は、組合せ演算により目標重量に応じて選択された一つ以上の計量ホッパ650、又は計量ホッパ650で計量された物品Pを一時的に貯留しているブースタホッパ660から物品Pを排出させる。計量ホッパ650から、又はブースタホッパ660を介して排出された物品Pは、排出シュート670内で集合させられ、排出シュート670から、下方に配置される、組合せ計量機610Aに対応する製袋包装機100Aに(組合せ計量機610Bであれば製袋包装機100Bに)排出される。
【0047】
(3)製袋包装装置
製袋包装装置10について、
図3~
図10を更に参照しながら詳細を説明する。
図3は、製袋包装装置10の概略構成図である。
図4は、製袋包装装置10の製袋包装機100A,100Bのカバー580の内部を描画した図である。
図5は、製袋包装装置10の概略正面図である。
図6は、製袋包装装置10を右上方から見た概略図である。
図7は、製袋包装装置10の概略上面図である。
図8は、製袋包装装置10の右側に配置される製袋包装機100Bの概略斜視図である。
図9は、製袋包装機100Aの、
図8とは別の角度から見た概略斜視図である。なお、
図9は、製袋包装機100Aの前方上部に配置される後述する扉582を開き、製袋包装装置10の前方下部に配置される保護プレート590(
図8参照)を取り外した状態を描画している。また、
図9は、メンテナンス等のため、後述するフォーマ機構210や縦シール機構230を、製袋包装装置10の運転時位置から移動させた状態を描画している。
図10は、製袋包装機100Aの概略構成図である。
【0048】
製袋包装装置10では、
図3等に示すように、製袋包装機100A,100Bが、左右に二台併設されている。
【0049】
製袋包装機100A及び製袋包装機100Bは、製袋包装装置10を前方から見た際に、左右方向にあまり隙間を空けずに、例えば10mm~30mmの間隔で配置されている。その結果、製袋包装装置10の最大幅W2は、組合せ計量装置600のベース部材690の幅W1より狭い。
【0050】
製袋包装機100Aと製袋包装機100Bとの間には、若干の隙間ができる。そのため、製袋包装装置10には、この隙間を塞ぐ隙間閉塞部材420が設けられる(
図4及び
図7参照)。隙間閉塞部材420は、形状を限定するものではないが、前後方向に延びる平板上の部材である。隙間閉塞部材420は、例えば、後述する製袋包装機100A,100Bの第1仕切板250及び第2仕切板260と、面一に配置されている。または、隙間閉塞部材420は、上記の位置に代えて、又は、上記の位置に加えて、二台の製袋包装機100A,100Bの金属検査装置400を支持する天板502及びフレーム500の間に設置されてもよい。隙間閉塞部材420は、上方から落下してくる物品Pの欠片等のゴミが製袋包装機100Aと製袋包装機100Bとの間の床面等に落下するのを防止する。
【0051】
また、好ましくは、製袋包装機100A,100Bは、
図3~
図8に示すように、左右方向に線対称の構造を有する。ここで、製袋包装機100Aと製袋包装機100Bとが左右対称に配置されるとは、製袋包装機100Aの主な構成と、製袋包装機100Bの主な構成とが、左右方向に対称に配置されることを意味する。
【0052】
また、製袋包装機100A,100Bのそれぞれは、他の製袋包装機100B,100Aに対向する側面の少なくとも一部に開口部Opを有することが好ましい。特に製袋包装機100A,100Bが左右方向に線対称の構造を有する場合には、開口部Opを介して、製袋包装機100Aの内部空間と製袋包装機100Bの内部空間とは連通する。
【0053】
左側(製袋包装機100Bと隣接する側)から見た製袋包装機100Aを模式的に示した
図13を参照しながら、開口部Opについて説明する。
図13の、ハッチングを付した部分は、フレームや装置を覆うカバーが取り付けられている位置(つまり部材が存在する位置)を示し、ハッチングを付していない部分は開口部Opを示す。製袋包装機100Bと製袋包装機100Aとは左右対称に構成されている場合、両製袋包装機100A,100Bの開口部Opを介して製袋包装機100Aの後述のフレーム500内の空間は、製袋包装機100Aの後述のフレーム500内の空間は連通する。例えば、製袋包装機100Aの製袋包装部200の第1仕切板250より上の空間と、製袋包装機100Bの製袋包装部200の第1仕切板250より上の空間とは、開口部Opが存在するために、
図4に示すように、連続した空間Vとなる。製袋包装機100Aのフィルム供給部300の第2仕切板260より上の空間と、製袋包装機100Bのフィルム供給部300の第2仕切板260より上の空間についても同様である。
【0054】
このため、例えば、左側の製袋包装機100Aの左側から空気を吹き込めば、製袋包装機100A内の空間や製袋包装機100B内の空間に存在するゴミを、右側の製袋包装機100Bの右端まで空気の力で動かすことができる。特に、本実施形態の製袋包装装置10では、製袋包装機100A,100Bの第1仕切板250及び第2仕切板260や、隙間閉塞部材420の存在により、ゴミが、第1仕切板250及び第2仕切板260や、隙間閉塞部材420より下方に落下するのを防止できる。また、製袋包装機100Aの第1仕切板250及び第2仕切板260は右端側よりも隙間閉塞部材420側(左端側)が高くなるように、製袋包装機100Bの第1仕切板250及び第2仕切板260は左端側よりも隙間閉塞部材420側(右端側)が高くなるように、それぞれ傾斜をつけてもよい。これにより、さらにゴミを取り除きやすくなる。
【0055】
(3-1)製袋包装機
製袋包装機100Aについて、詳細を説明する。なお、製袋包装機100Bは、製袋包装機100Aと、左右対称に配置される以外の構造は同様であるので、必要のない限り、製袋包装機100Bの説明は省略する。
【0056】
製袋包装機100Aは、シート状のフィルムFから袋状の包装材を製造し、内部に物品Pが収容された袋Bを製造する(
図10参照)。袋Bに収容される物品Pは、製袋包装機100Aの上方に配置される組合せ計量機610Aから(製袋包装機100Bであれば、組合せ計量機610Bから)供給される。
【0057】
なお、製袋包装機100Aの製造した袋Bは、搬送装置2により搬送され、搬送装置2による搬送中にシール検査装置3により袋Bのシール状態が検査される(
図8参照)。
【0058】
製袋包装機100Aは、
図8~
図10に示すように、フィルム供給部300と、製袋包装部200と、金属検査装置400と、フレーム500と、制御部460と、第1仕切板250と、第2仕切板260と、を主に含む。
【0059】
フィルム供給部300は、製袋包装機100Aの後部に配置される。フィルム供給部300は、シート状のフィルムFを、前方に配置される製袋包装部200に供給する。製袋包装部200は、製袋包装機100Aの前部に配置される。製袋包装部200は、シート状のフィルムFを筒状に成形し、筒状に成形された筒状フィルムFtを横シールして袋Bを製袋する。金属検査装置400は、図示しない組合せ計量機から製袋包装機100Aへと落下供給される物品Pに対する異物(金属)の混入を検査する。フレーム500は、フィルム供給部300、製袋包装部200、及び金属検査装置400を主に支持する。制御部460は、フィルム供給部300及び製袋包装部200の各部の動作の制御や、各種の演算や処理を行う。第1仕切板250は、第1仕切板250より上方の空間と下方の空間とを仕切る。第2仕切板260は、第2仕切板260より上方の空間と下方の空間とを仕切る。第1仕切板250及び第2仕切板260の配置される位置については後述する。
【0060】
(3-1-1)フィルム供給部
フィルム供給部300は、製袋包装機100Aの後部に配置される。フィルム供給部300は、製袋包装部200の後方に、製袋包装部200と並べて配置される。フィルム供給部300は、シート状のフィルムFを、前方に配置されている製袋包装部200の後述するフォーマ機構210に供給する。
【0061】
フィルム供給部300は、
図10に示すように、フィルムロール支持機構310と、ガイド機構320と、を主に含む。
【0062】
フィルムロール支持機構310は、シート状のフィルムFが巻き芯(図示省略)に巻き回されたフィルムロールFRを保持する。フィルムロール支持機構310は、図示しないモータ等の駆動部を用いてフィルムロールFRの巻き芯が取り付けられているシャフト312(
図10~
図11参照)を回転させ、フィルムロールFRからフィルムFを繰り出す。
【0063】
ガイド機構320は、フィルムFの搬送経路Rに沿って配置される複数のローラを含む。ガイド機構320は、フィルムロールFRから繰り出されるフィルムFを、製袋包装部200のフォーマ機構210にガイドする。
【0064】
(3-1-2)第2仕切板
第2仕切板260は、製袋包装機100Aの後部であって、フィルム供給部300のガイド機構320によるフィルムFの搬送経路Rの下方に配置される板状の部材である(
図6参照)。第2仕切板260は、フィルムFが搬送される第2仕切板260より上方の空間と、第2仕切板260の下方の空間とを仕切る。
【0065】
好ましくは、第2仕切板260の下方の空間には、後述する制御部460の基板462を収容する収納部(制御ボックス)450が配置される。言い換えれば、基板462を収容する収納部450は、フィルム供給部300のフィルムFの搬送経路Rの下方に配置されることが好ましい。この位置に収納部450を配置することで、収納部450を例えば製袋包装機100Aの右側に配置する場合に比べ、製袋包装装置10の横幅が抑制されやすい。また、この位置に収納部450を配置することで、収納部450をフィルム供給部300のフィルムFの搬送経路Rの上方に配置する場合に比べ、製袋包装装置10の高さが抑制されやすく、収納部450をフィルム供給部300のフィルムFの搬送経路Rの後方に配置する場合に比べ、製袋包装装置10の前後方向の長さが抑制されやすい。
【0066】
さらに、第2仕切板260が上方からのゴミの落下を抑制するため、第2仕切板260の下方の空間では、ゴミが基板462に対して悪影響を与える事態の発生が抑制されやすい。ただし、第2仕切板260の存在は必須ではない。
【0067】
(3-1-3)製袋包装部
製袋包装部200は、
図10に示すように、フォーマ機構210と、搬送機構220と、縦シール機構230と、横シール機構240と、を主に含む。
【0068】
フォーマ機構210は、フォーマ212と、チューブ214と、ベース216と、把持部218と、を主に含む。
【0069】
フォーマ212は、筒状のチューブ214を取り囲むように配置され、製袋包装機100Bの後部のフィルム供給部300から搬送されてくるシート状のフィルムFを、フィルムFの幅方向の左右の端部が重なるように曲げて筒状に成形する。フォーマ212で成形された筒状フィルムFtは、筒状のチューブ214の下部側の外周面に巻きつくように案内され、チューブ214に巻き付いた状態で下方に搬送される。
【0070】
チューブ214は、鉛直方向に延び、上下の端部が開口している筒状の部材である。チューブ214は、落下してくる物品Pを上部の開口で受け取り、上部の開口から投入された物品Pを下部の開口から筒状フィルムFtの内部に供給する。
【0071】
ベース216は、後述する第1仕切板250上に設けられる載置部(図示省略)に載置されて固定されている。フォーマ212及びチューブ214は、直接、あるいは、他の部材を介して、ベース216に取り付けられており、ベース216は、フォーマ212及びチューブ214を支持する。また、ベース216には、直接、あるいは、他の部材を介して、把持部218が取り付けられている。フォーマ機構210を載置部に取り付けたり、載置部から取り外したりする際には、作業者は把持部218を把持して、フォーマ機構210を動かす。
【0072】
搬送機構220は、ベース216の下方に配置される。搬送機構220は、筒状フィルムFtが巻き付くチューブ214の部分214aの左右それぞれに配置される。搬送機構220は、フィルムロールFRから繰り出されるフィルムFをフォーマ機構210へと搬送し、フォーマ212で成形された筒状フィルムFtを横シール機構240へ搬送する。搬送機構220は、吸着機能を有するプルダウンベルト226を有し、フィルムFを吸着した状態でプルダウンベルト226が巻き掛けられている駆動ローラ222を図示しないモータ等の駆動機構により駆動することで、筒状フィルムFtを下方に搬送する。
【0073】
縦シール機構230は、筒状フィルムFtの左右端部の重なり部分をシールする。縦シール機構230は、チューブ214に巻き付いた状態で搬送される筒状フィルムFtの、左右端部の重なり部分が搬送される経路の前方に配置される。縦シール機構230の内部には、図示しないヒータが内蔵されている。ヒータがONとなった状態の縦シール機構230が図示しない駆動部により駆動され、縦シール機構230が筒状フィルムFtを介してチューブ214に押し付けられると、筒状フィルムFtの左右端部の重なり部分は上下方向(縦方向)にシールされる。
【0074】
横シール機構240は、
図2に示すように、縦シール機構230の下方に配置されている。横シール機構240は、袋Bの1つ分の(1つの袋Bを製造するのに用いられる)筒状フィルムFtの上下を横シールして、物品Pの収容された袋Bを製造する。具体的には、横シール機構240は、搬送機構220により下方に搬送されてくる縦シール済みの筒状フィルムFtを、筒状フィルムFtの搬送方向Aと直交する方向に横シールして、袋Bの横シール部分を形成する。
【0075】
(3-1-4)第1仕切板
第1仕切板250は、仕切板の一例であり、フォーマ機構210のベース216の下方、かつ、横シール機構240の上方に配置される板状の部材である(
図4、
図6、
図8参照)。第1仕切板250は、ゴミが、第1仕切板250の下方に配置される、縦シール機構230や横シール機構240上に落下するのを抑制する。
【0076】
第1仕切板250は、フォーマ機構210の周囲を囲むように配置される。第1仕切板250には上下に貫通する貫通孔(図示省略)が形成されており、この貫通孔にフォーマ機構210のチューブ214が挿入されている。貫通孔は、上面視において、その全体が、フォーマ機構210のベース216で覆われることが好ましい。
【0077】
(3-1-5)金属検査装置
金属検査装置400は、フォーマ機構210のチューブ214の上端の上方に配置される。言い換えれば、金属検査装置400は、フォーマ機構210の上方に配置される。金属検査装置400は、組合せ計量機からチューブ214の上端の開口に落下供給される物品Pへの異物(金属)の混入を検査する。金属検査装置400は、フレーム500及びフレーム500に載置される天板502により支持される(
図9参照)。天板502は前後に分割されており、一方を取り外すことで、金属検査装置400へのアクセスが容易になり、清掃やメンテナンスが行いやすくなる。金属検査装置400自体は、既知の装置であるため、詳細な説明は省略する。
【0078】
(3-1-6)制御部
制御部460は、フィルム供給部300のフィルムFの搬送経路Rに対して下方に配置される。制御部460は、製袋包装装置10の各種構成の動作を制御する。なお、各製袋包装機100A,100Bが制御部460を有するという表現には、1台の装置が、製袋包装機100Aの制御部460及び製袋包装機100Bの制御部460として機能する場合も含む。
【0079】
制御部460は、各種の電子部品が搭載された基板462を含む。基板462に搭載される電子部品には、例えば、CPUや、メモリ等を含む。制御部460では、CPUがメモリに記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、フィルム供給部300や、製袋包装部200の搬送機構220、縦シール機構230、及び横シール機構240等の製袋包装装置10の各種構成の動作を制御する。
【0080】
基板462は、収納部(制御ボックス)450に配置されている。収納部450は、フォーマ機構210及び横シール機構240の後方に配置される。従来、基板の収納部は、製袋包装機100Aの左方又は右方に配置されている。これに対し、基板の収納部を、フォーマ機構210及び横シール機構240の後方に配置することで、製袋包装装置10の横幅が抑制されやすい。特に、上記のように、フィルム供給部300のフィルムFの搬送経路Rの下方に収納部450を配置することで、製袋包装機100Aの、ひいては製袋包装装置10のサイズが抑制されやすい。
【0081】
(3-1―7)フレーム
フレーム500について、
図11及び
図12を参照して説明する。
図11は、製袋包装装置10の支柱510の配置を描画した概略平面図である。
図12は、製袋包装機100Aのフレーム500の支柱510の配置を描画した概略右側面図である。なお、
図11及び
図12では、図面のわかりやすさの観点から、支柱510にハッチングを付している。
【0082】
製袋包装機100Aのフレーム500は、製袋包装機100Aのフィルム供給部300の各種の機器及び部品や、製袋包装部200の各種の機器及び部品や、金属検査装置400を支持する。
【0083】
フレーム500は、立設する複数の支柱510や、支柱510間に渡されている梁等を含む。言い換えれば、フレーム500は、支柱510や梁等により構成される。ここでは、特に支柱510について主に説明する。なお、ここでの支柱510は、その上端が、横シール機構240よりも上方に配置される柱を指す。
【0084】
複数の支柱510を含むフレーム500は、フィルム供給部300、フォーマ機構210、及び横シール機構240のそれぞれの一部を少なくとも囲う。
【0085】
ここで、フレーム500が、フィルム供給部300の一部を少なくとも囲うとは、上方から見た時に、最前方に配置される支柱510を通る左右方向に延びる仮想直線と、最後方に配置される支柱510を通る左右方向に延びる仮想直線と、最右方に配置される支柱510を通る上下方向に延びる仮想直線と、最左方に配置される支柱510を通る上下方向に延びる仮想直線と、により囲まれた領域内(
図11中の長方形内)に、フィルム供給部300の少なくとも一部が配置されることを意味する。フレーム500が、フォーマ機構210及び横シール機構240のそれぞれの一部を少なくとも囲うという表現についても同様である。
【0086】
複数の支柱510は、左右方向において(製袋包装機100Aの左右方向の中心を前後方向に延びる仮想直線Kに対して)、製袋包装機100Aの製袋包装機100Bと隣接する側(ここでは左側)に配置された複数本の支柱510を含む第1支柱群520と、製袋包装機100Aの製袋包装機100Bと隣接しない側(ここでは右側)に配置された複数本の支柱510を含む第2支柱群530と、を含む(
図11参照)。なお、ここでは、製袋包装機100Bは、製袋包装機100Aと左右方向に線対称の構造を有するため、製袋包装機100Bでは、製袋包装機100Aと隣接する右側に配置された複数本の支柱510が第1支柱群520であり、製袋包装機100Aの製袋包装機100Bとは隣接しない左側に配置された複数本の支柱510が第2支柱群530である(
図11参照)。
【0087】
製袋包装機100Bでは、複数の支柱510は、製袋包装機100Bの左右方向の中心を延びる仮想直線Kに対して非対称に配置される。
【0088】
具体的には、第1支柱群520の支柱510のうち、最前に配置される第1支柱522は、上方から見た際に、チューブ214の中心Oより前方に(中心Oを通過する仮想直線Lに対して前方に)配置される。より好ましくは、第1支柱522は、チューブ214(特にここでは、チューブ214の、フォーマ212により筒状に形成された筒状フィルムFtが巻き付く部分214a)より前方に配置される。一方で、第2支柱群530の支柱510のうち、最前に配置される第2支柱532は、上方から見た際に、チューブ214の中心Oより後方に(中心Oを通過する仮想直線Lに対して後方に)配置される。より好ましくは、第2支柱532は、チューブ214の部分214aより後方に配置される。
【0089】
なお、ここでは、チューブ214の中心Oとは、チューブ214の部分214aを水平に切断した断面の重心の位置を意味する。例えば、チューブ214の部分214aの断面形状が円環状であれば、チューブ214の中心Oは、チューブ214の部分214aを水平に切断した断面における中心である。なお、チューブ214の部分214aの断面形状は、楕円形等の円環形状以外であってもよい。
【0090】
第1支柱522は、横シール機構240より下方から、横シール機構240より上方まで延びる。また、第2支柱532も、横シール機構240より下方から、横シール機構240より上方まで延びる。例えば、具体的には、第1支柱522及び第2支柱532は、製袋包装機100Bの底部のベース550から、フォーマ機構210のチューブ214の上端より上方まで延びる。
【0091】
第1支柱522及び第2支柱532は、例えば、フォーマ機構210を直接的に又は間接的に支持する。また、特に、第1支柱522は、フォーマ機構210より上方に配置される、重量物である、金属検査装置400を支持する。また、第1支柱522は、製袋包装機100Bのカバー580を支持する。
【0092】
ここで、カバー580は、フォーマ機構210の前方及び右方を覆う部材である。カバー580は、第1支柱522に取り付けられており、第1支柱522は、カバー580を支持する。なお、カバー580の前方及び右方を覆う部分は、開閉可能な扉582になっている。メンテナンス等の際には、第1支柱522に設けられた蝶番を支点に扉582を回転させることで(
図9参照)、作業者はフォーマ機構210、搬送機構220、縦シール機構230等にアクセスできる。また、カバー580は、フレーム500の梁を覆うようにしてもよい。これにより、ゴミがカバー580とフレーム500の間に入り込むことをより防ぐことができる。なお、メンテナンス性の観点からは、上記の第1仕切板250の一部は扉582に取り付けられており、第1仕切板250の一部は、扉582を開くと、扉582と共に移動することが好ましい。このように構成されることで、第1仕切板250が作業の邪魔になりにくく、メンテナンス性の高い製袋包装装置10が実現できる。
【0093】
なお、製袋包装装置10の全体において、最も右側に配置される支柱510の右端510Rと最も左側に配置される支柱510の左端510Lとの距離は、製袋包装装置10の最大幅W2より小さいことが好ましい。これにより、計量包装システム1の設置に要するスペースの左右方向の幅の抑制が特に図られやすい。
【0094】
支柱510を
図11及び
図12のように配置することで得られる効果を説明する。
【0095】
製袋包装機100Aのフレーム500の構造の利点の1つは、左右方向において、第2支柱群530の配置される側(ここでは右側)に、フォーマ機構210等の作業スペースを確保しやすい点にある。具体的には、
図9に示すように上述のカバー580の扉582を開くと、製袋包装装置10の右側には、少なくともチューブ214の中心Oの前方には支柱510が無いので、作業者は、フレーム500内に、製袋包装装置10の右側又は右前方側から体を入れて、フォーマ機構210の把持部218を把持し、フォーマ機構210を製袋包装装置10から取り外すことが容易である。また、製袋包装装置10の右側には、少なくともチューブ214の中心Oより前方には支柱510が無いので、フォーマ機構210の取り外しが支柱510により阻害されにくい。
【0096】
この構造の他の利点は、フレーム500の構造の安定性にある。具体的には、左右方向において、第1支柱群520の配置される側(ここでは左側)では、第1支柱522が、チューブ214の中心Oより前方に配置されるので、フォーマ機構210の上部に配置される(特に本実施形態では、
図12のように、一部がチューブ214の中心Oより前方に配置される)金属検査装置400のような重量物や、フォーマ機構210の周りに配置されるカバー580をしっかりと支持できる。
【0097】
なお、カバー580の下端と地面の間にゴミが溜まる可能性があるため、カバー580の下方に水平方向の長穴を設け、そこからエアを吹きつけるノズルを挿入できるようにしてもよい。
【0098】
(4)製袋包装装置及び計量包装システムの特徴
(4-1)
製袋包装装置10では、製袋包装機100A,100Bが、左右に二台並設されている。各製袋包装機100A,100Bは、フィルム供給部300と、フォーマ機構210と、横シール機構240と、制御部460と、を備える。フィルム供給部300は、後部に配置される。フォーマ機構210は、前部に配置される。フォーマ機構210は、フォーマ212及びチューブ214を有し、後部のフィルム供給部300から供給されるシート状のフィルムFを筒状に成形する。横シール機構240は、フォーマ機構210の下方に配置され、上方から供給される物品Pが内部に投入された筒状フィルムFtの上下を横シールする。制御部460は、フィルム供給部300及び横シール機構240の動作を制御する。製袋包装機100A,100Bのそれぞれは、円周の一部に沿って配置された複数の計量ホッパ650内に物品Pを供給し、目標重量に応じて選択した一つ以上の計量ホッパ650内に貯留されている物品Pを組合せて排出する組合せ計量機610A,610Bが上面視において左右方向に二台、略対称に接合され、組合せ計量機610A,610Bを一体として支持するベース部材690を備えた組合せ計量装置600の、対応する1の組合せ計量機610A,610Bの排出シュート670の下方に配置される。製袋包装装置10を前方から見た際の最大幅W2は、ベース部材690の幅W1より狭い。
【0099】
製袋包装装置10では、製袋包装装置10と組合せ計量装置600とからなる計量包装システム1の設置に要するスペースの幅の抑制を図ることができる。
【0100】
(4-2)
製袋包装装置10では、製袋包装機100A,100Bのそれぞれは、制御部460の基板462を収納する収納部(制御ボックス)450を備える。収納部450は、フォーマ機構210及び横シール機構240の後方に配置される。
【0101】
製袋包装装置10では、制御部460の基板462を製袋包装機100A,100Bの左右に配置するのではなく、フォーマ機構210及び横シール機構240の後方に配置しているので、製袋包装装置10の設置に必要なスペースの左右幅の増大を抑制できる。
【0102】
(4-3)
製袋包装装置10では、収納部450は、フィルム供給部300のフィルムFの搬送経路Rの下方に配置される。
【0103】
製袋包装装置10では、基板462を収納する収納部450をフィルム供給部300の下方に配置することで、空間を有効利用して、コンパクトな製袋包装装置10を実現できる。また、製袋包装装置10では、収納部450をフィルム供給部300の後方に配置する場合に比べ、計量包装システム1の設置に要するスペースの前後方向の幅の抑制も図ることができる。
【0104】
(4-4)
製袋包装装置10では、製袋包装機100A,100Bのそれぞれは、立設する複数の支柱510を有する。複数の支柱510は、フィルム供給部300、フォーマ機構210、及び横シール機構240のそれぞれの一部を少なくとも囲うフレーム500を構成する。製袋包装装置10の、最も右側に配置される支柱510の右端510Rと最も左側に配置される支柱510の左端510Lとの距離W3は、製袋包装装置10の最大幅W2より小さい。
【0105】
製袋包装装置10では、製袋包装装置10の設置に必要なスペースの左右幅に特に影響を与える、最も右側に配置される支柱510の右端510Rと最も左側に配置される支柱510の左端510Lとの距離W3が、製袋包装装置10の最大幅W2より小さい。そのため、製袋包装装置10では、計量包装システム1の設置に要するスペースの左右方向の幅の抑制が特に図られやすい。
【0106】
(4-5)
製袋包装装置10において、左側の製袋包装機100Bでは、左側最前列の支柱510(532)は、フォーマ機構210のチューブ214より後方に配置される。右側の製袋包装機100Aでは、右側最前列の支柱510(532)は、フォーマ機構210のチューブ214より後方に配置される。
【0107】
製袋包装装置10では、左側の製袋包装機100Bの左前方、及び、右側の製袋包装機100Aの右前方に、清掃等のメンテナンスの際に作業者が製袋包装機100A,100B内のフォーマ機構210等の機器にアクセス可能な空間が確保される。その結果、製袋包装装置10では、製袋包装装置10の設置に要するスペースの幅は抑制しつつ、高いメンテナンス性を実現できる。
【0108】
(4-6)
製袋包装装置10では、二台の製袋包装機100A,100Bは、左右方向に略線対称の構造を有する。製袋包装機100A,100Bのそれぞれは、他の製袋包装機100B,100Aに対向する側面の少なくとも一部に開口部Opを有する。
【0109】
左右方向において二台の製袋包装機100A,100Bを近づけて設置した場合、製袋包装機100A,100Bが隣接する側からは各製袋包装機100A,100Bにアクセスしにくい。そのため、各製袋包装機100A,100Bの、二台の製袋包装機100A,100Bが近接する側には、清掃等が難しい空間が生じやすい。
【0110】
しかし、この製袋包装装置10では、互いに対向する面に開口部Opが形成されているため、製袋包装装置10には、右端から左端までが連続した空間が形成される。このように構成することで、例えば右側/左側に配置されている製袋包装機100A/100Bの右側/左側から空気を吹き込めば、各製袋包装機100A/100Bの二台の製袋包装機100A/100Bが近接する側にたまった汚れを、左側/右側に配置された製袋包装機100B/100Aの左側/右側まで容易に移動させることができる。その結果、この製袋包装装置10では、設置スペースの幅は抑制しつつ、高い清掃性を実現できる。
【0111】
(4-7)
製袋包装装置10は、二台の製袋包装機100A,100Bの間に設けられる、製袋包装機100A,100Bの隙間を塞ぐ隙間閉塞部材420を備える。隙間閉塞部材420は、下記第1仕切板250と第2仕切板260の間、又は二台の製袋包装機100A,100Bの金属検査装置400を支持する天板及びフレーム500の間に設置される。
【0112】
この製袋包装装置10では、製袋包装機100A,100Bの隙間にゴミが落下するのを防ぐことができるため衛生的である。
【0113】
(4-8)
製袋包装装置10は、製袋包装機100A,100Bのそれぞれは、上下方向において、フォーマ機構210と横シール機構240の間に配置される仕切板の一例としての第1仕切板250を有する。
【0114】
製袋包装装置10では、フォーマ機構210と横シール機構240の間に第1仕切板250が配置されるので、組合せ計量装置600が落下供給する物品Pの欠片等のゴミにより横シール機構240が汚れにくい。また、製袋包装装置10では、フォーマ機構210と横シール機構240の間に配置される第1仕切板250が板状であるため、組合せ計量装置600が落下供給する物品の欠片等が第1仕切板上に落下した際に、これを除去することが容易である。
【0115】
そのため、この製袋包装装置10では、製袋包装機100A,100Bを左右に二台近接配置することでメンテナンスに利用できる空間が減っても、製袋包装装置10が清潔に保たれやすい。
【0116】
(4-9)
上記実施形態の計量包装システム1は、上記の製袋包装装置10と、組合せ計量装置600と、を備える。組合せ計量装置600は、左右方向に二台が略対称に接合された組合せ計量機610A,610Bと、組合せ計量機610A,610Bを一体として支持するベース部材690と、を含む。組合せ計量機610A,610Bのそれぞれは、上面視において円周の一部に沿って配置された複数の計量ホッパ650と、排出シュート670と、を有し、計量ホッパ650内に供給される物品Pを計量し、目標重量に応じて選択した一つ以上の計量ホッパ650内に貯留されている物品Pを組合せて排出シュート670から排出する。
【0117】
計量包装システム1では、計量包装システム1の設置に要するスペースの幅の抑制を図ることができる。
【0118】
(4-10)
上記実施形態の計量包装システム1は、架台700を備える。架台700は、ベース部材690の周囲に配置される踏板710と、踏板710を支持する架台フレーム720と、を有する。
【0119】
計量包装システム1では、組合せ計量装置600の周囲にメンテナンススペースを確保できる。
【0120】
(5)変形例
以下に、上記実施形態の変形例を示す。なお、各変形例の内容の一部または全部は、互いに矛盾しない範囲で上記実施形態の内容や他の変形例の内容と組み合わされてもよい。
【0121】
(5-1)変形例A
上記実施形態では、製袋包装機100A,100Bの支柱510は左右非対称に配置されるが、これに限定されるものではない。例えば、製袋包装機100A,100Bの上端が横シール機構240より上方に配置される全ての支柱510は、フォーマ機構210のチューブ214より後方に配置されてもよい。この場合にも高い清掃性が得られやすい。ただし、支持の安定性の観点からは、上記実施形態のように構成されることが好ましい。
【0122】
(5-2)変形例B
上記実施形態では、第1仕切板250、第2仕切板260、及び隙間閉塞部材420を別々の部材で構成したが、これに限定されるものではない。例えば、第1仕切板250、第2仕切板260、及び隙間閉塞部材420を1枚の板部材から構成してもよい。この場合、各部材のつなぎ目にゴミが堆積することを防ぐことができる。
【符号の説明】
【0123】
10 :製袋包装装置
100A :製袋包装機
100B :製袋包装機
210 :フォーマ機構
212 :フォーマ
214 :チューブ
240 :横シール機構
250 :第1仕切板(仕切板)
300 :フィルム供給部
420 :隙間閉塞部材
450 :収納部
460 :制御部
462 :基板
500 :フレーム
510 :支柱
510R :右端(最も右側に配置される支柱の右端)
510L :左端(最も左側に配置される支柱の左端)
600 :組合せ計量装置
610A :組合せ計量機
610B :組合せ計量機
690 :ベース部材
700 :架台
710 :踏板
720 :架台フレーム
F :フィルム
Ft :筒状フィルム(筒状のフィルム)
Op :開口部
P :物品
R :搬送経路(フィルムの搬送経路)
W1 :ベース部材の幅
W2 :製袋包装装置の最大幅
W3 :距離
【先行技術文献】
【特許文献】
【0124】