(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024098600
(43)【公開日】2024-07-24
(54)【発明の名称】電動作業機械、電動作業機械の制御システムおよび電動作業機械の制御方法
(51)【国際特許分類】
E02F 9/26 20060101AFI20240717BHJP
E02F 9/20 20060101ALI20240717BHJP
E02F 9/00 20060101ALI20240717BHJP
H02J 7/00 20060101ALI20240717BHJP
B60L 50/60 20190101ALI20240717BHJP
B60L 58/12 20190101ALI20240717BHJP
B60L 3/00 20190101ALI20240717BHJP
【FI】
E02F9/26 Z
E02F9/20 N
E02F9/00 C
E02F9/20 Z
H02J7/00 P
H02J7/00 X
B60L50/60
B60L58/12
B60L3/00 S
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023002181
(22)【出願日】2023-01-11
(71)【出願人】
【識別番号】000001236
【氏名又は名称】株式会社小松製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山口 昌保
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 泰徳
(72)【発明者】
【氏名】羽賀 誠哉
【テーマコード(参考)】
2D003
5G503
5H125
【Fターム(参考)】
2D003AA01
2D003AA02
2D003AA03
2D003AB01
2D003BA01
2D003BA04
2D003BA06
2D003BA07
2D003CA02
2D003CA10
2D003DA04
2D003DB04
2D003DB08
5G503AA01
5G503BA01
5G503BB01
5G503EA04
5G503FA06
5H125AA12
5H125AC12
5H125AC24
5H125BC18
5H125BC21
5H125CA18
5H125CC06
5H125CC07
5H125CD02
5H125CD03
5H125DD02
5H125DD16
5H125EE27
5H125EE55
5H125EE62
(57)【要約】
【課題】充電設備に到達するまでの正確な必要電気量を知ることができる電動作業機械、電動作業機械の制御システムおよび電動作業機械の制御方法を提供する。
【解決手段】バッテリ31は、充電設備50により充電される。走行体5は、バッテリ31から供給される電力により走行する。位置センサ21は、電動ショベル100の位置情報を取得する。コントローラ40は、充電設備50の位置情報と位置センサ21により取得された電動ショベル100の位置情報とに基づいて充電設備50と電動ショベル100との離間距離を算出し、離間距離を移動するのに必要な必要電気量を算出し、必要電気量がバッテリ31に蓄えられた蓄電池残量以上であると判断した場合に報知情報を出力する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動作業機械であって、
充電設備により充電されるバッテリと、
前記バッテリから供給される電力により走行する走行体と、
前記電動作業機械の位置情報を取得する位置センサと、
前記充電設備の位置情報と前記位置センサにより取得された前記電動作業機械の位置情報とに基づいて前記充電設備と前記電動作業機械との離間距離を算出し、前記離間距離を移動するのに必要な必要電気量を算出し、前記必要電気量が前記バッテリに蓄えられた蓄電池残量以上であると判断した場合に報知情報を出力するコントローラと、を備えた、電動作業機械。
【請求項2】
記憶部をさらに備え、
前記コントローラは、前記記憶部に予め記憶された前記充電設備の位置情報に基づいて前記離間距離を算出する、請求項1に記載の電動作業機械。
【請求項3】
前記コントローラは、前記離間距離と前記電動作業機械が移動するために必要な電気量との関係を示す情報を参照して前記離間距離に基づいて前記必要電気量を算出する、請求項1に記載の電動作業機械。
【請求項4】
前記コントローラは、作業現場の土質情報に基づくスリップ率と前記充電設備までの高低差に基づく傾斜との少なくとも一方を考慮して前記必要電気量を算出する、請求項1に記載の電動作業機械。
【請求項5】
前記コントローラは、前記必要電気量と前記蓄電池残量との差分に応じて警報の出力形態を変更する、請求項1に記載の電動作業機械。
【請求項6】
前記コントローラは、前記必要電気量が前記蓄電池残量以上であると判断した場合に、走行速度に制限を課すように前記走行体を制御する、請求項1に記載の電動作業機械。
【請求項7】
電動作業機械であって、
充電設備により充電されるバッテリと、
前記バッテリから供給される電力により走行する走行体と、
前記電動作業機械の位置情報を取得する位置センサと、
前記充電設備の位置情報と前記位置センサにより取得された前記電動作業機械の位置情報とに基づいて前記充電設備と前記電動作業機械との離間距離を算出し、前記離間距離を移動するのに必要な必要電気量を算出し、前記必要電気量が前記バッテリに蓄えられた蓄電池残量以上であると判断した場合に報知情報を出力するコントローラと、を備えた、電動作業機械の制御システム。
【請求項8】
前記電動作業機械から離れて配置された報知装置と、
前記報知装置に報知情報を送信する送信部と、をさらに備え、
前記コントローラは、前記必要電気量が前記バッテリに蓄えられた前記蓄電池残量以上であると判断した場合に前記送信部を通じて前記報知装置に報知するよう前記報知情報を出力する、請求項7に記載の電動作業機械の制御システム。
【請求項9】
充電設備により充電されるバッテリと、前記バッテリから供給される電力により走行する走行体とを備える電動作業機械の制御方法であって、
前記充電設備の位置情報と前記電動作業機械の位置情報とに基づいて前記充電設備と前記電動作業機械との離間距離を算出するステップと、
前記離間距離を移動するのに必要な必要電気量を算出するステップと、
前記必要電気量が前記バッテリに蓄えられた蓄電池残量以上であると判断した場合に報知情報を出力するステップと、を備えた、電動作業機械の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電動作業機械、電動作業機械の制御システムおよび電動作業機械の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
バッテリから供給される電力で走行(移動)する電動作業機械がある。このような電動作業機械においては、バッテリ残量が充電設備まで移動できる電力を下回ると、作業機械が充電設備に自力で辿り着けない状況が生じる。
【0003】
そこで特開2020-159055号公報(特許文献1)では、バッテリ残量が予め設定された閾値を下回ったときに走行モード指示装置からの入力に関わらず走行モータが走行第1速側へ切り替えられる。
【0004】
また特開2020-125625号公報(特許文献2)では、作業機械が充電設備から作業現場まで走行するときのバッテリ減量が算出され、このバッテリ減量を限界バッテリ残量に加算した値に基づいて警告閾値が設定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2020-159055号公報
【特許文献2】特開2020-125625号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら上記特許文献1、2においては充電設備に到達するまでの正確な必要電気量が分からない。
【0007】
本開示の目的は、充電設備に到達するまでの正確な必要電気量を知ることができる電動作業機械、電動作業機械の制御システムおよび電動作業機械の制御方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の電動作業機械および電動作業機械の制御システムの各々は、バッテリと、走行体と、位置センサと、コントローラとを備える。バッテリは、充電設備により充電される。走行体は、バッテリから供給される電力により走行する。位置センサは、電動作業機械の位置情報を取得する。コントローラは、充電設備の位置情報と位置センサにより取得された電動作業機械の位置情報とに基づいて充電設備と電動作業機械との離間距離を算出し、離間距離を移動するのに必要な必要電気量を算出し、必要電気量がバッテリに蓄えられた蓄電池残量以上であると判断した場合に報知情報を出力する。
【0009】
本開示の電動作業機械の制御方法は、充電設備により充電されるバッテリと、バッテリから供給される電力により走行する走行体とを備える電動作業機械の制御方法であって、以下のステップを備える。
【0010】
充電設備の位置情報と電動作業機械の位置情報とに基づいて充電設備と電動作業機械との離間距離が算出される。離間距離を移動するのに必要な必要電気量が算出される。必要電気量がバッテリに蓄えられた蓄電池残量以上であると判断した場合に報知情報が出力される。
【発明の効果】
【0011】
本開示によれば、充電設備に到達するまでの正確な必要電気量を知ることができる電動作業機械、電動作業機械の制御システムおよび電動作業機械の制御方法を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本開示の一実施形態における電動作業機械の構成を示す図である。
【
図2】本開示の一実施形態における電動作業機械の制御システムの機能ブロックを示す図である。
【
図3】
図2に示すコントローラの機能ブロックを示す図である。
【
図4】本開示の一実施形態における電動作業機械の制御方法を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本開示の実施の形態について、図面に基づいて説明する。
【0014】
明細書および図面において、同一の構成要素または対応する構成要素には、同一の符号を付し、重複する説明を繰り返さない。また、図面では、説明の便宜上、構成を省略または簡略化している場合もある。
【0015】
以下の説明において、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」とは、
図1に示す運転室4内の運転席4Sに着座したオペレータを基準とした方向である。
【0016】
<電動作業機械の構成>
本開示の電動作業機械の一例として電動ショベルの構成について
図1を用いて説明する。本開示の電動作業機械は、バッテリに蓄えた電力により走行する作業機械であれば、ホイールローダ、ブルドーザ、モータグレーダなどの他の作業機械であってもよい。
【0017】
図1は、本開示の一実施形態における電動ショベルの構成を概略的に示す図である。
図1に示されるように、本実施形態の電動ショベル100は、本体1と、作業機2とを有している。本体1は、旋回体3と、走行体5とを有している。
【0018】
走行体5は、一対の履帯5Crと、走行モータ5Mとを有している。電動ショベル100は、履帯5Crの回転により走行可能である。走行モータ5Mは、走行体5の駆動源として設けられている。走行モータ5Mは、たとえば油圧により作動する油圧モータである。なお、走行体5は車輪(タイヤ)を有していてもよい。
【0019】
旋回体3は、走行体5の上に配置され、かつ走行体5により支持されている。旋回体3は、旋回モータ(図示せず)により旋回軸RXを中心として走行体5に対して旋回可能である。旋回モータは、たとえば油圧により作動する油圧モータである。旋回軸RXは、旋回体3の旋回中心となる仮想の直線である。なお走行モータ5Mあるいは旋回モータは電動モータであってもよい。
【0020】
旋回体3は、運転室4(キャブ)を有している。運転室4内には、オペレータが着座する運転席4Sが設けられている。オペレータ(乗員)は、運転室4に搭乗して、作業機2の操作、走行体5に対する旋回体3の旋回操作、および走行体5による電動ショベル100の走行操作が可能である。旋回体3は、外装カバー9を有している。外装カバー9は、機械室を覆っている。電動ショベル100は、遠隔操作されるものでもよい。
【0021】
作業機2は、旋回体3に支持されている。作業機2は、ブーム6と、アーム7と、バケット8とを有している。作業機2は、ブームシリンダ10と、アームシリンダ11と、バケットシリンダ12とをさらに有している。
【0022】
ブーム6は、本体1に回動可能に接続されている。具体的にはブーム6の基端部は、ブームフートピン13を支点として旋回体3に回動可能に接続されている。アーム7は、ブーム6に回動可能に接続されている。具体的にはアーム7の基端部は、ブームトップピン14を支点としてブーム6の先端部に回動可能に接続されている。バケット8は、アーム7に回転可能に接続されている。具体的にはバケット8の基端部は、アームトップピン15を支点としてアーム7の先端部に回動可能に接続されている。
【0023】
ブームシリンダ10の一端は旋回体3に接続され、他端はブーム6に接続されている。ブーム6は、ブームシリンダ10により本体1に対して駆動可能である。この駆動により、ブーム6は、ブームフートピン13を支点として旋回体3に対して上下方向に回動可能である。
【0024】
アームシリンダ11の一端はブーム6に接続され、他端はアーム7に接続されている。アーム7は、アームシリンダ11によりブーム6に対して駆動可能である。この駆動により、アーム7は、ブームトップピン14を支点としてブーム6に対して上下方向または前後方向に回動可能である。
【0025】
バケットシリンダ12の一端はアーム7に接続され、他端はバケットリンク17に接続されている。バケット8は、バケットシリンダ12によりアーム7に対して駆動可能である。この駆動により、バケット8は、アームトップピン15を支点としてアーム7に対して上下方向に回動可能である。
【0026】
ブームシリンダ10、アームシリンダ11およびバケットシリンダ12の各々は、油圧により駆動する油圧シリンダであるが、電動シリンダなどの他のアクチュエータであってもよい。
【0027】
電動ショベル100は、位置センサ21をさらに有している。位置センサ21は、たとえばGNSS(Global Navigation Satellite Systems:全地球航法衛星システム)受信機である。位置センサ21は、2つのGNSS受信機21a、21bを含む。2つのGNSS受信機21a、21bの各々は、旋回体3の異なる位置に設置される。GNSS受信機21a、21bの各々は、グローバル座標系における旋回体3の位置を示す衛星測位信号を衛星から受信する。
【0028】
電動ショベル100は、周囲情報センサ24をさらに有している。周囲情報センサ24は、たとえば運転室4の上面であって前端付近に取り付けられている。周囲情報センサ24は、たとえば本体1の前方を撮像可能に配置されている。周囲情報センサ24は、たとえば作業機2の刃先付近または掘削対象物付近を撮像可能に配置されている。
【0029】
複数個の周囲情報センサ24が本体1に配置されていてもよい。複数個の周囲情報センサ24は、本体1の前方、左右側方および後方を撮像可能に配置されていてもよい。
【0030】
周囲情報センサ24は、たとえばレーザ光を射出して対象物の情報を取得するLiDAR(Light Detection and Ranging)である。周囲情報センサ24は、電波を射出することにより対象物の情報を取得するRadar(Radio Detection and Ranging)であってもよい。Radarは、たとえば送信アンテナから発したミリ波帯の電波が物体の表面で反射して戻ってくる様子を受信アンテナで検出するミリ波レーダであってもよい。周囲情報センサ24は、カメラを含む視覚センサであってもよい。周囲情報センサ24は、赤外線センサであってもよい。
【0031】
<電動作業機械の制御システム>
次に、本実施形態における電動作業機械の制御システムについて
図2を用いて説明する。
【0032】
図2は、本開示の一実施形態における電動作業機械の制御システムの機能ブロックを示す図である。
図2において1本線は電気回路を示し、2本線は油圧回路を示し、破線は機械的な連結を示している。
【0033】
図2に示されるように、電動作業機械である電動ショベル100の制御システムは、位置センサ21と、受信機22と、通信機23と、周囲情報センサ24と、報知装置25と、操作装置26とを有している。
【0034】
位置センサ21は、衛星から受信したグローバル座標系における旋回体3の位置を示す衛星測位信号をコントローラ40へ出力する。コントローラ40は、この衛星測位信号から、グローバル座標系における電動ショベル100の位置を演算する。
【0035】
受信機22は、充電設備50と通信可能である。受信機22と充電設備50との無線通信は、たとえば特定小電力無線または無線LANを用いて行われる。充電設備50から充電設備50の位置情報を受信する。受信機22は、受信した充電設備50の位置を示す位置信号をコントローラ40へ出力する。コントローラ40は、充電設備50から受信した位置信号に基づいて、グローバル座標系における充電設備50の位置を演算する。
【0036】
充電設備50は、電動ショベル100のバッテリ31を充電する。充電設備50は、地面に接地された固定式であってもよく、またトラックなどに搭載された移動式であってもよい。充電設備50は、位置センサ51と、記憶部52と、送信装置53とを有している。位置センサ51は、たとえばGNSS受信機である。位置センサ51は、グローバル座標系における充電設備50の位置を示す衛星測位信号を衛星から受信する。記憶部52は、位置センサ51により受信した充電設備50の位置を記憶してもよい。送信装置53は、位置センサ51により受信された、または記憶部52に記憶された充電設備50の位置情報を受信機22へ送信する。
【0037】
通信機23は、遠隔操作装置60と通信可能である。通信機23は、遠隔操作装置60からの操作信号を受信する。通信機23は遠隔操作装置60から受信した操作信号をコントローラ40へ出力する。また通信機23は、コントローラ40から取得した報知信号、周囲情報センサ24が検出した電動ショベル100の作業状況、現況地形、設計地形などの各種情報を遠隔操作装置60の通信装置61へ報知の情報、を送信する。
【0038】
遠隔操作装置60は、オペレータが遠隔地から電動ショベル100を操作するための装置である。遠隔操作装置60は、たとえば通信装置61と、操作装置62と、表示装置63(報知装置)とを有している。通信装置61、操作装置62および表示装置63の各々は、電動ショベル100の遠隔地に配置されている。電動ショベル100にオペレータが搭乗して電動ショベル100を操作してもよい。
【0039】
通信装置61は、通信機23と無線で通信可能である。通信装置61と通信機23との無線通信は、たとえば特定小電力無線または無線LANを用いて行われる。
【0040】
操作装置62は、たとえばオペレータが操作するための操作レバー、操作スイッチなどを含む。オペレータにより操作装置62に入力された操作信号は、通信装置61を通じて通信機23により受信され、電動ショベル100のコントローラ40へ出力される。
【0041】
なお遠隔操作装置60は、通信装置61および表示装置63を有し、操作装置62を有しない遠隔管理装置であってもよい。この場合、遠隔管理装置60の通信装置61が電動ショベル100の通信機23から受信した各種の情報(報知情報など)が遠隔管理装置60の表示装置63に表示される。また遠隔管理装置60は報知用スピーカーを有し、通信機23から報知情報を受信した場合に、報知用スピーカーから音を発してもよい。
【0042】
表示装置63は、報知情報、電動ショベル100の作業状況、現況地形、設計地形などの各種情報を表示する。表示装置63は、通信機23および通信装置61を通じて電動ショベル100から取得した情報を表示することができる。
【0043】
周囲情報センサ24は、周囲情報センサ24により検出した電動ショベル100の周囲情報を示す信号をコントローラ40へ出力する。コントローラ40は、この周囲情報を報知装置25、遠隔操作装置60の表示装置63などに送信する。
【0044】
報知装置25は、たとえば表示装置であってもよく、報知用スピーカーであってもよい。報知装置25は、たとえば運転室4内に配置されている。報知装置25としての表示装置には、たとえば報知情報が表示される。また報知装置25としての表示装置には、周囲情報センサ24により検出された周囲情報が表示されてもよく、現況地形データ、設計地形データ、作業機2の刃先位置などが表示されてもよく、施工計画データが表示されてもよい。報知用スピーカーは警告音を発する。
【0045】
操作装置26は、運転室4内に配置されている。操作装置26は、電動ショベル100の走行、作業機2の動作、旋回体3の旋回動作などを操作するものであり、オペレータによって操作される。操作装置26の操作量は、たとえばポテンショメータ、ホールIC(Integrated Circuit)などによって検出される。操作装置26が操作されると、操作装置26の操作量を示す操作信号がコントローラ40に送信される。コントローラ40は、操作信号を、作業機用電磁制御弁36、走行モータ用電磁制御弁37などに操作指令として送信する。
【0046】
バッテリ31は、電気配線を通じてコントローラ40およびインバータ33の各々に接続されている。コントローラ40は、電気配線で接続されたインバータ33に制御信号を与える。バッテリ31は、インバータ33を通じて、動力源としての電動モータ34に電力を供給する。バッテリ31は、たとえばリチウムイオン電池のセルを複数集めたユニットである。
【0047】
インバータ33は、コントローラ40からの制御信号に基づいて、バッテリ31の出力である直流電力を周波数などを制御した交流電力に変換する。インバータ33は、電気配線を通じて電動モータ34に交流電力を供給する。これにより電動モータ34は、バッテリ31を電源として、インバータ33から供給された交流電力により駆動する。
【0048】
電動モータ34と油圧ポンプ35とは機械的に連結されている。電動モータ34の駆動力が油圧ポンプ35に伝達されることにより油圧ポンプ35が駆動する。油圧ポンプ35は、駆動することにより、作動油タンクTAから作動油を汲み出す。油圧ポンプ35は、作動油タンクTAから汲み出した作動油を作業機用電磁制御弁36を通じて各作業機アクチュエータ10、11、12に給排する。作動油の給排により各作業機アクチュエータ10、11、12が作動する。また油圧ポンプ35は、作動油タンクTAから汲み出した作動油を走行モータ用電磁制御弁37を通じて走行モータ5Mに給排する。作動油の給排により走行モータ5Mが作動する。
【0049】
コントローラ40は、作業機用電磁制御弁36の開閉を制御する。これにより作業機アクチュエータ10、11、12の各々の駆動が制御される。コントローラ40は、走行モータ用電磁制御弁37の開閉を制御する。これにより走行モータ5Mの駆動が制御される。
【0050】
コントローラ40は、取得した操作信号に基づいて、インバータ33、作業機用電磁制御弁36および走行モータ用電磁制御弁37への制御信号を出力する。これにより操作装置26または遠隔操作装置60からの操作信号に基づいて電動ショベル100の走行体5の走行および作業機2を動作が操作される。
【0051】
充電残量センサ32は、バッテリ31の充電残量を検出する。充電残量センサ32は、検出したバッテリ31の充電残量を示す信号をコントローラ40に出力する。
【0052】
コントローラ40は、充電設備50の位置情報と受信機22により受け取られた電動ショベル100の位置情報とに基づいて充電設備50と電動ショベル100との離間距離を算出する。コントローラ40は、上記離間距離を移動するのに必要な必要電気量を算出する。コントローラ40は、上記必要電気量がバッテリ31に蓄えられた蓄電池残量以上であると判断した場合に報知情報を出力する。
【0053】
<コントローラ40>
次に、コントローラ40の機能ブロックについて
図3を用いて説明する。
【0054】
図3は、
図2に示すコントローラの機能ブロックを示す図である。
図3に示されるように、コントローラ40は、プロセッサと、メインメモリと、ストレージとを含む。プロセッサはたとえばCPU(Central Processing Unit)などである。メインメモリは、たとえばROM(Read Only Memory)のような不揮発性メモリおよびRAM(Random Access Memory)のような揮発性メモリを含む。コントローラ40は、ストレージに記憶されているプログラムを読み出してメインメモリに展開し、プログラムに従って所定の処理を実行する。
【0055】
コントローラ40は、電動ショベル100に搭載されていてもよく、電動ショベル100の外部に離れて配置されていてもよい。コントローラ40が電動ショベル100の外部に離れて配置されている場合、コントローラ40は、電動ショベル100に搭載される各装置、センサなどと無線により接続されていてもよい。この場合、コントローラ40は、電動ショベル100から離れたサーバに格納されていてもよい。
【0056】
コントローラ40は、作業機械位置取得部41と、充電設備位置取得部42と、充電残量取得部43と、離間距離算出部44と、記憶部45と、必要電気量算出部46と、移動可否判定部47と、報知制御部48と、走行速度制限部49とを有している。
【0057】
作業機械位置取得部41は、グローバル座標系における電動ショベル100の位置を示す信号を位置センサ21から取得する。作業機械位置取得部41は、取得した電動ショベル100の位置を示す信号を離間距離算出部44へ出力する。
【0058】
充電設備位置取得部42は、グローバル座標系における充電設備50の位置を示す信号を受信機22から取得する。充電設備位置取得部42は、取得した充電設備50の位置を示す信号を離間距離算出部44へ出力する。これにより充電設備50がトラックなどに搭載された移動式である場合であっても、充電設備位置取得部42は、正確な充電設備50の位置を取得することができる。
【0059】
充電残量取得部43は、バッテリ31の充電残量を示す信号を充電残量センサ32から取得する。充電残量取得部43は、取得したバッテリ31の充電残量を示す信号を移動可否判定部47へ出力する。
【0060】
離間距離算出部44は、取得した電動ショベル100の位置を示す信号と充電設備50の位置を示す信号とに基づいて、充電設備50と電動ショベル100との離間距離を算出する。離間距離算出部44は、算出した離間距離を必要電気量算出部46へ出力する。
【0061】
離間距離算出部44は、充電設備50が地面に接地された固定式の場合、作業機械位置取得部41から取得した電動ショベル100の位置情報と記憶部45に予め記憶された充電設備50の位置情報とに基づいて離間距離を算出してもよい。この場合には、離間距離算出部44は、充電設備位置取得部42から充電設備50の位置を示す信号を取得する必要はない。
【0062】
必要電気量算出部46は、取得した離間距離に基づいて充電設備50まで移動するために必要な必要電気量を算出する。この際、必要電気量算出部46は、記憶部45に記憶された離間距離と電動ショベル100が移動するために必要な電気量との関係を示す情報(テーブル)を参照する。電動ショベル100が移動するために必要な電気量は、設定走行速度、電動モータ34のスペック、油圧ポンプ35および走行モータ5Mの効率および圧力損失といった既知情報に基づいて予め求められる。必要電気量算出部46は、算出した必要電気量を示す信号を移動可否判定部47へ出力する。
【0063】
また必要電気量算出部46は、作業現場の土質情報に基づくスリップ率と充電設備50との高低差に基づく傾斜との少なくとも一方を考慮して必要電気量を算出してもよい。作業現場の土質情報に基づくスリップ率は、予め作業現場の土質情報を調べてスリップ率を算出したうえで記憶部45に記憶されていてもよい。また作業現場の土質情報に基づくスリップ率は、周囲情報センサ24により検出された周囲の土質情報から算出されてもよい。なおスリップ率は、制動力あるいは駆動力が作用している場合に履帯5Cr(またはタイヤ)と地面との間に生じる滑りの程度を示す尺度である。車体速度をV、車輪角速度をω、車輪有効半径をrとしたとき、駆動時のスリップ率は(V-ωr)/ωrで表わされ、制動時のスリップ率は(V-ωr)/Vで表わされる。
【0064】
また電動ショベル100と充電設備50との高低差に基づく傾斜は、電動ショベル100が位置する地面の高さ位置および充電設備50が位置する地面の高さ位置の差と離間距離とから算出されてもよい。電動ショベル100が位置する地面の高さ位置として、位置センサ21により取得されたグローバル座標系における電動ショベル100の位置が用いられる。また充電設備50が位置する地面の高さ位置として、受信機22により取得された充電設備50の高さ位置、または予め記憶部45に記憶された充電設備50の高さ位置のいずれが用いられてもよい。
【0065】
移動可否判定部47は、必要電気量算出部46から取得した必要電気量を示す信号と充電残量取得部43から取得した充電残量を示す信号とに基づいて、電動ショベル100が充電設備50へ移動可能か否かを判定する。具体的には移動可否判定部47は、充電残量が必要電気量以下(充電残量≦必要電気量)であるか否かを判定する。移動可否判定部47は、判定結果を示す判定信号を報知制御部48および走行速度制限部49へ出力する。また移動可否判定部47は、必要電気量と充電残量との差分の大きさを示す差分信号を報知制御部48および走行速度制限部49へ出力する。
【0066】
報知制御部48は、取得した判定信号と差分信号とに基づいて報知装置25と遠隔操作装置60の表示装置63とを制御する。具体的には報知制御部48は、移動可否判定部47から充電残量が必要電気量以下であるとの判定結果を示す信号を取得した場合、報知装置25および通信機23に報知信号を出力する。
【0067】
報知装置25は、報知制御部48から報知信号を取得すると、報知信号に基づいて必要な警告を画像、光、音などで発報する。また報知装置25は、差分信号における必要電気量と充電残量との差分の大きさに応じて警報の出力形態を変更してもよい。たとえば報知装置25が画像、光で警告を発する場合には、画像、光の色彩を黄色、赤色などで変更する。また報知装置25が音で警告を発する場合には、音を断続音または連続音で変更する。
【0068】
通信機23は、報知制御部48から報知信号を取得すると、遠隔操作装置60に報知信号を送信する。これにより遠隔操作装置60は、報知信号に基づいて必要な警告を表示装置63に画像で表示し、またはスピーカーなどで音を発することにより発報する。遠隔操作装置60は、報知装置25と同様、差分信号における必要電気量と充電残量との差分の大きさに応じて警報の出力形態を変更してもよい。
【0069】
走行速度制限部49は、取得した判定信号または差分信号に基づいて走行モータ用電磁制御弁37を制御する。具体的にはコントローラ40の走行速度制限部49は、必要電気量が蓄電池残量以上であるとの判定信号を取得した場合、電動ショベル100の走行速度に制限を課すように走行モータ用電磁制御弁37を制御する。たとえば最大速度で走行するように操作装置26が操作されても、走行速度制限部49は必要電気量が蓄電池残量以上であるとの判定信号を取得した場合には、最大速度よりも遅い制限速度となるように走行モータ用電磁制御弁37を制御する。走行モータ用電磁制御弁の開度を調整することにより制限速度となるように制御することができる。また走行速度制限部49は、取得した判定信号に基づいてインバータ33を制御してもよい。たとえば走行速度制限部49がインバータ33を制御することにより電動モータ34に与える周波数を変更することによって制限速度となるように制御してもよい。なお走行速度制限部49は、取得した差分信号に応じて制限する走行速度を変えてもよい。
【0070】
<電動作業機械の制御方法>
次に、本実施形態における電動作業機械の制御方法について
図2~
図4を用いて説明する。
【0071】
図4は、本開示の一実施形態における電動作業機械の制御方法を示すフロー図である。
図3および
図4に示されるように、作業機械位置取得部41は、グローバル座標系における電動ショベル100の位置を示す信号を位置センサ21から取得する(ステップS1:
図4)。作業機械位置取得部41は、取得した電動ショベル100の位置を示す信号を離間距離算出部44へ出力する。
【0072】
充電設備位置取得部42は、グローバル座標系における充電設備50の位置を示す信号を受信機22から取得する(ステップS2:
図4)。充電設備位置取得部42は、取得した充電設備50の位置を示す信号を離間距離算出部44へ出力する。
【0073】
充電残量取得部43は、バッテリ31の充電残量を示す信号を充電残量センサ32から取得する(ステップS3:
図4)。充電残量取得部43は、取得したバッテリ31の充電残量を示す信号を移動可否判定部47へ出力する。
【0074】
離間距離算出部44は、取得した電動ショベル100の位置を示す信号と充電設備50の位置を示す信号とに基づいて、充電設備50と電動ショベル100との離間距離を算出する(ステップS4:
図4)。離間距離算出部44は、算出した離間距離を必要電気量算出部46へ出力する。
【0075】
必要電気量算出部46は、取得した離間距離に基づいて充電設備50まで移動するために必要な必要電気量を算出する(ステップS5:
図4)。この際、必要電気量算出部46は、記憶部45に記憶された離間距離と電動ショベル100が移動するために必要な電気量との関係を示す情報を参照する。必要電気量算出部46は、算出した必要電気量を示す信号を移動可否判定部47へ出力する。
【0076】
移動可否判定部47は、取得した必要電気量を示す信号と充電残量を示す信号とに基づいて、電動ショベル100が充電設備50へ移動可能か否かを判定する。具体的には移動可否判定部47は、充電残量が必要電気量以下(充電残量≦必要電気量)であるか否かを判定する(ステップS6:
図4)。なお必要電気量に所定の余裕量を加算したものを必要電気量とすることにより、後述のステップS8にて早目に報知情報を出力するようにしてもよい。
【0077】
充電残量が必要電気量より大きいと移動可否判定部47が判定した場合、報知制御部48は報知装置25および通信機23へ報知情報(報知信号)を出力しない(ステップS7)。
【0078】
一方、充電残量が必要電気量以下であると移動可否判定部47が判定した場合、報知制御部48は報知装置25および通信機23へ報知情報(報知信号)を出力する(ステップS8)。
【0079】
報知装置25は、報知制御部48から報知信号を取得すると、報知信号に基づいて必要な警告を画像、光または音で発する。
【0080】
通信機23は、報知制御部48から報知信号を取得すると、遠隔操作装置60に報知信号を送信する。これにより遠隔操作装置60は、報知信号に基づいて表示装置63に画像、光で表示し、またはスピーカーなどで音を発することにより警告する。
【0081】
以上により本実施形態における電動作業機械の制御方法が実行される。
【0082】
<効果>
次に、本実施形態における効果について説明する。
【0083】
造園、水道管作業などに用いられる小型の電動ショベルなどの場合、搭載されるバッテリも小型となる。このため交換用バッテリを電動ショベルで持ち運び、使用中のバッテリの充電残量が少なくなった場合にそのバッテリを交換用バッテリと取替えることもできる。
【0084】
しかしながら中型、大型の電動ショベルの場合、搭載されるバッテリも大型となる。このため交換用バッテリを電動ショベル、トラックなどで持ち運ぶことは困難であり、またバッテリを交換する作業自体も困難である。
【0085】
また広い敷地、河川、山中、僻地などの作業現場では、充電設備を設置することも難しいため、電動ショベルは充電設備から遠く離れた現場で作業する場合もある。この様な場合、電動ショベルは、遠く離れた充電設備と作業現場との間を往復移動する必要がある。
【0086】
また電動ショベルでは、掘削などの作業もバッテリに蓄えられた電力を用いて行われるため作業機の動作によっても電力が消費される。このため電動ショベルのオペレータがバッテリの充電残量を正確に把握しなければ、充電設備への到達前または作業途中でバッテリの充電残量が0(ゼロ)になることもあり得る。またオペレータがバッテリの充電残量を正確に把握しなければ、バッテリの充電残量が十分に残っているにも関わらず、作業を中断して充電設備へ移動を開始する場合も生じ、作業効率が低下するおそれもある。
【0087】
これに対して本実施形態においては
図3に示されるように、コントローラ40は、充電設備50と電動ショベル100との離間距離を移動するのに必要な必要電気量がバッテリ31に蓄えられた蓄電池残量以上であると判断した場合に報知情報を出力する。これにより充電設備50に到達するまでの正確な必要電気量を知ることができる。
【0088】
また本実施形態によれば
図3に示されるように、コントローラ40は、記憶部45に予め記憶された充電設備50の位置情報に基づいて離間距離を算出する。これにより充電設備50の位置情報を受信機22を通じて取得する必要がなくなり、装置構成の簡略化を図ることができる。
【0089】
また本実施形態によれば
図3に示されるように、コントローラ40は、離間距離と電動ショベル100が移動するために必要な電気量との関係を示す情報を参照して離間距離に基づいて必要電気量を算出する。これにより容易に必要電気量を算出することが可能となる。
【0090】
また本実施形態によれば
図3に示されるように、コントローラ40は、作業現場の土質情報に基づくスリップ率と前記充電設備までの高低差に基づく傾斜とその少なくとも一方を考慮して必要電気量を算出する。これにより充電設備50に到達するまでのより正確な必要電気量を知ることができる。
【0091】
また本実施形態によれば
図3に示されるように、コントローラ40は、必要電気量と蓄電池残量との差分に応じて警報の出力形態を変更する。これによりオペレータは、蓄電池残量を適切に把握することができる。
【0092】
また本実施形態によれば
図3に示されるように、コントローラ40は、必要電気量が蓄電池残量以上であると判断した場合に、走行速度に制限を課すように走行体5(走行モータ5M)を制御する。これにより走行速度を増加させることにより生じる無駄な電力の消費を抑制することができる。
【0093】
また本実施形態によれば
図3に示されるように、コントローラ40は、必要電気量がバッテリに蓄えられた蓄電池残量以上であると判断した場合に通信機23を通じて表示装置63(報知装置)に報知するよう報知情報を出力する。これにより電動ショベル100から離れた遠隔の管理者がいる場合、その管理者は電動ショベル100におけるバッテリ31の状況を認識することができる。
【0094】
<付記>
以上の説明は、以下に付記する特徴を含む。
【0095】
(付記1)
電動作業機械であって、
充電設備により充電されるバッテリと、
前記バッテリから供給される電力により走行する走行体と、
前記電動作業機械の位置情報を取得する位置センサと、
前記充電設備の位置情報と前記位置センサにより取得された前記電動作業機械の位置情報とに基づいて前記充電設備と前記電動作業機械との離間距離を算出し、前記離間距離を移動するのに必要な必要電気量を算出し、前記必要電気量が前記バッテリに蓄えられた蓄電池残量以上であると判断した場合に報知情報を出力するコントローラと、を備えた、電動作業機械。
【0096】
(付記2)
記憶部をさらに備え、
前記コントローラは、前記記憶部に予め記憶された前記充電設備の位置情報に基づいて前記離間距離を算出する、付記1に記載の電動作業機械。
【0097】
(付記3)
前記コントローラは、前記離間距離と前記電動作業機械が移動するために必要な電気量との関係を示す情報を参照して前記離間距離に基づいて前記必要電気量を算出する、付記1または付記2に記載の電動作業機械。
【0098】
(付記4)
前記コントローラは、作業現場の土質情報に基づくスリップ率と前記充電設備までの高低差に基づく傾斜との少なくとも一方を考慮して前記必要電気量を算出する、付記1から付記3のいずれか一つに記載の電動作業機械。
【0099】
(付記5)
前記コントローラは、前記必要電気量と前記蓄電池残量との差分に応じて警報の出力形態を変更する、付記1から付記4のいずれか一つに記載の電動作業機械。
【0100】
(付記6)
前記コントローラは、前記必要電気量が前記蓄電池残量以上であると判断した場合に、走行速度に制限を課すように前記走行体を制御する、付記1から付記5のいずれか一つに記載の電動作業機械。
【0101】
(付記7)
電動作業機械であって、
充電設備により充電されるバッテリと、
前記バッテリから供給される電力により走行する走行体と、
前記電動作業機械の位置情報を取得する位置センサと、
前記充電設備の位置情報と前記位置センサにより取得された前記電動作業機械の位置情報とに基づいて前記充電設備と前記電動作業機械との離間距離を算出し、前記離間距離を移動するのに必要な必要電気量を算出し、前記必要電気量が前記バッテリに蓄えられた蓄電池残量以上であると判断した場合に報知情報を出力するコントローラと、を備えた、電動作業機械の制御システム。
【0102】
(付記8)
前記電動作業機械から離れて配置された報知装置と、
前記報知装置に報知情報を送信する送信部と、をさらに備え、
前記コントローラは、前記必要電気量が前記バッテリに蓄えられた前記蓄電池残量以上であると判断した場合に前記送信部を通じて前記報知装置に報知するよう前記報知情報を出力する、付記7に記載の電動作業機械の制御システム。
【0103】
(付記9)
充電設備により充電されるバッテリと、前記バッテリから供給される電力により走行する走行体とを備える電動作業機械の制御方法であって、
前記充電設備の位置情報と前記電動作業機械の位置情報とに基づいて前記充電設備と前記電動作業機械との離間距離を算出するステップと、
前記離間距離を移動するのに必要な必要電気量を算出するステップと、
前記必要電気量が前記バッテリに蓄えられた蓄電池残量以上であると判断した場合に報知情報を出力するステップと、を備えた、電動作業機械の制御方法。
【0104】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0105】
1 本体、2 作業機、3 旋回体、4 運転室、4S 運転席、5 走行体、5Cr 履帯、5M 走行モータ、6 ブーム、7 アーム、8 バケット、9 外装カバー、10 ブームシリンダ、11 アームシリンダ、12 バケットシリンダ、13 ブームフートピン、14 ブームトップピン、15 アームトップピン、17 バケットリンク、21,51 位置センサ、21a,21b GNSS受信機、22 受信機、23 通信機、24 周囲情報センサ、25 報知装置、26,62 操作装置、31 バッテリ、32 充電残量センサ、33 インバータ、34 電動モータ、35 油圧ポンプ、36 作業機用電磁制御弁、37 走行モータ用電磁制御弁、40 コントローラ、41 作業機械位置取得部、42 充電設備位置取得部、43 充電残量取得部、44 離間距離算出部、45,52 記憶部、46 必要電気量算出部、47 移動可否判定部、48 報知制御部、50 充電設備、53 送信装置、60 遠隔操作装置、61 通信装置、63 表示装置、100 電動ショベル、RX 旋回軸、TA 作動油タンク。