(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024098640
(43)【公開日】2024-07-24
(54)【発明の名称】搬送装置、およびゴムシート検出装置
(51)【国際特許分類】
B65H 5/02 20060101AFI20240717BHJP
B29D 30/06 20060101ALI20240717BHJP
B65G 15/14 20060101ALI20240717BHJP
B65H 7/02 20060101ALI20240717BHJP
【FI】
B65H5/02 N
B29D30/06
B65G15/14
B65H7/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023002241
(22)【出願日】2023-01-11
(71)【出願人】
【識別番号】000183233
【氏名又は名称】住友ゴム工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000280
【氏名又は名称】弁理士法人サンクレスト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中川 亮
【テーマコード(参考)】
3F023
3F048
3F049
4F215
4F501
【Fターム(参考)】
3F023AA05
3F023BA02
3F023BB06
3F023BC01
3F023CA03
3F023EA01
3F048AA00
3F048AB00
3F048AC00
3F048BA05
3F048BB02
3F048CA03
3F048CC03
3F048DA06
3F048DC00
3F048DC18
3F048DC19
3F048EB24
3F049AA02
3F049DA02
3F049EA28
3F049LA16
3F049LB12
4F215AH20
4F215AP06
4F215VA12
4F215VC02
4F215VL14
4F215VM06
4F215VQ03
4F501TA12
4F501TB02
4F501TF06
4F501TQ03
4F501TR06
4F501TV12
(57)【要約】
【課題】ゴムシートの先端の位置を検出することができる技術を提供する。
【解決手段】搬送装置1は、上面20a1にゴムシートGが載置される下搬送ベルト20と、下搬送ベルト20との間でゴムシートGを挟持する挟持面26b1を有する上搬送ベルト26と、上搬送ベルト26の幅方向に平行な軸51回りに揺動可能なアーム40と、アーム40に支持され、上搬送ベルト26の挟持面26b1の反対面26b2を走行するローラ42と、アーム40から突出した棒状部材44と、棒状部材44の被検出突起45cを検出可能な近接センサ46と、を備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゴムシートを搬送する搬送装置であって、
上面に前記ゴムシートが載置される下搬送ベルトと、
前記下搬送ベルトとの間で前記ゴムシートを挟持する挟持面を有する上搬送ベルトと、
前記上搬送ベルトの幅方向に平行な揺動軸回りに揺動可能なアームと、
前記アームに支持され、前記上搬送ベルトの前記挟持面の反対面を走行するローラと、
前記アームから突出した棒状部材と、
前記棒状部材の先端部を検出可能な近接センサと、を備える
搬送装置。
【請求項2】
前記棒状部材は、前記先端部の位置が前記アームの先端よりも突出した位置となるように前記アームの長手方向に沿って延びている本体部を含む
請求項1に記載の搬送装置。
【請求項3】
前記下搬送ベルトを駆動する駆動部と、
前記近接センサの出力に基づいて前記駆動部を制御する制御部と、をさらに備える
請求項1または請求項2に記載の搬送装置。
【請求項4】
上面にゴムシートが載置される下搬送ベルトと、前記下搬送ベルトとの間で前記ゴムシートを挟持する挟持面を有する上搬送ベルトと、によって搬送されるゴムシートを検出するゴムシート検出装置であって、
前記上搬送ベルトの幅方向に延びる揺動軸回りに揺動可能なアームと、
前記アームに支持され、前記上搬送ベルトの前記挟持面の反対面を走行するローラと、
前記アームから突出した棒状部材と、
前記棒状部材の先端部を検出可能な近接センサと、を含む
ゴムシート検出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、搬送装置、およびゴムシート検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
空気入りタイヤの製造工程において、エイペックスやトレッド等のゴムシートを成形装置へ供給するために、搬送装置が用いられる(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、ゴムシートの先端の位置を検出することができる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
(1)本発明は、ゴムシートを搬送する搬送装置である。この搬送装置は、上面に前記ゴムシートが載置される下搬送ベルトと、前記下搬送ベルトとの間で前記ゴムシートを挟持する挟持面を有する上搬送ベルトと、前記上搬送ベルトの幅方向に平行な揺動軸回りに揺動可能なアームと、前記アームに支持され、前記上搬送ベルトの前記挟持面の反対面を走行するローラと、前記アームから突出した棒状部材と、前記棒状部材の先端部を検出可能な近接センサと、を備える。
【0006】
上記構成によれば、下搬送ベルトと上搬送ベルトとの間でゴムシートが挟持されると、上搬送ベルトに盛り上がりが生じる。よって、上搬送ベルトの挟持面の反対面を走行するローラは、ゴムシートの盛り上がりに乗り上げると上方へ移動し、アームを上方向に揺動させる。アームが揺動すると、棒状部材の先端部も、アームの揺動に応じて、揺動軸を中心とする円弧に沿って移動する。
棒状部材の先端部の移動は近接センサによって検出される。よって、近接センサ46の出力に基づいて、ゴムシートの先端がローラの位置に到達したか否かを判定することができる。この結果、ゴムシートの先端の位置を検出することができ、ゴムシートを精度よく搬送することが可能となる。
【0007】
(2)上記搬送装置において、前記棒状部材は、前記先端部の位置が前記アームの先端よりも突出した位置となるように前記アームの長手方向に沿って延びている本体部を含んでいてもよい。
この場合、アームが揺動したときにおける棒状部材の先端部の移動量が、アームの先端の移動量よりも増幅される。
この結果、ゴムシートが比較的薄い場合にも、ゴムシートの先端の位置の検出が可能となる。
【0008】
(3)また、上記搬送装置において、前記下搬送ベルトを駆動する駆動部と、前記近接センサの出力に基づいて前記駆動部を制御する制御部と、をさらに備えていてもよい。
この場合、近接センサの出力と、駆動機構による動作量と、に基づいて、ゴムシートの先端がローラの位置を通過してからのゴムシートの搬送長さを正確に把握することができる。
【0009】
(4)また、他の観点から見た本発明は、上面にゴムシートが載置される下搬送ベルトと、前記下搬送ベルトとの間で前記ゴムシートを挟持する挟持面を有する上搬送ベルトと、によって搬送されるゴムシートを検出するゴムシート検出装置である。このゴムシート検出装置は、前記上搬送ベルトの幅方向に延びる揺動軸回りに揺動可能なアームと、前記アームに支持され、前記上搬送ベルトの前記挟持面の反対面を走行するローラと、前記アームから突出した棒状部材と、前記棒状部材の先端部を検出可能な近接センサと、を含む。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、ゴムシートの先端の位置を検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、実施形態に係る搬送装置の全体構成を示す図である。
【
図2】
図2は、
図1中のゴムシート検出装置の部分を拡大した図である。
【
図3】
図3は、ゴムシート検出装置の一部を示す上面図である。
【
図4】
図4は、近接センサと、棒状部材の被検出突起と、の間の位置関係を示した図であり、
図4(a)は、搬送装置がゴムシートを搬送していない場合を示し、
図4(b)は、搬送装置がゴムシートを搬送している場合を示している。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、好ましい実施形態について図面を参照しつつ説明する。
〔搬送装置の全体構成〕
図1は、実施形態に係る搬送装置の全体構成を示す図である。
搬送装置1は、エイペックス等のゴムシートGを搬送するための装置である。搬送装置1は、例えば、押出機(図示せず)と、成形装置と、の間に配置される。押出機はゴムシートGを成形する装置である。成形装置はゴムシートGを用いて空気入りタイヤを成形する装置である。ゴムシートGは、帯状であり、厚みは数~1ミリ程度である。
【0013】
搬送装置1の上流側には、上流側搬送装置2が配置される。搬送装置1の下流側には、下流側搬送装置3が配置される。
押出機によって成形されたゴムシートGは、上流側搬送装置2によって搬送され搬送装置1へ与えられる。搬送装置1は、与えられたゴムシートGを下流側搬送装置3へ与える。下流側搬送装置3は、与えられたゴムシートGを成形装置へ与える。
このように、各搬送装置1,2,3は、第1方向に沿ってゴムシートGを搬送する。第1方向とは、
図1に示すように、搬送装置1の長手方向に沿う方向に平行な方向であって上流側搬送装置2から、下流側搬送装置3へ向かう方向をいう。また、第1方向の反対方向を第2方向という。
【0014】
搬送装置1は、下搬送部6と、上搬送部8と、ゴムシート検出装置10と、を備える。
下搬送部6は、フレーム12と、駆動ローラ13と、従動ローラ14,15,16,17と、下搬送ベルト20と、サーボモータ21と、制御装置22(制御部)と、を有する。
下搬送ベルト20は、無端環状のベルトである。下搬送ベルト20は、駆動ローラ13及び従動ローラ14,15,16,17に巻き掛けられている。
各ローラ13,14,15,16,17は、フレーム12に固定される。
フレーム12は、フレーム本体12aと、ガイド板12bと、を有する。ガイド板12bは、フレーム本体12aの上部に設けられている。
【0015】
ガイド板12bは、第1方向に沿う方向に延びる長尺の板状部材である。
従動ローラ15はガイド板12bの上流端に隣接して設けられている。従動ローラ16はガイド板12bの下流端に隣接して設けられている。よって、下搬送ベルト20のうち、従動ローラ15と従動ローラ16との間に架け渡されている上部分20aは、ガイド板12bの上面12b1を走行する。
下搬送ベルト20の上部分20aの上面20a1にはゴムシートGが載置される。
【0016】
サーボモータ21は、下搬送ベルト20を駆動する駆動部としての機能を有する。サーボモータ21は、駆動ローラ13を回転駆動する。駆動ローラ13がサーボモータ21によって駆動されると、従動ローラ14,15,16,17は、下搬送ベルト20を介して従動回転する。これによって、下搬送ベルト20は周回する。周回する際、下搬送ベルト20は、従動ローラ15と従動ローラ16との間の部分が第1方向に沿って走行する。
【0017】
上搬送部8は、従動ローラ24,25と、上搬送ベルト26と、押さえローラ27と、アーム28と、を有する。
上搬送ベルト26は、無端環状のベルトである。上搬送ベルト26は、従動ローラ24,25に巻き掛けられている。上搬送ベルト26は、従動ローラ24,25の上部間に架け渡されている上部分26aと、従動ローラ24,25の下部間に架け渡されている下部分26bと、を有する。
【0018】
従動ローラ24は、ガイド板12bの上流端部の上方に設けられている。従動ローラ25は、従動ローラ16よりも下流側に設けられている。
上搬送ベルト26の下部分26bは、下搬送ベルト20に対向するように配置されている。
よって、下搬送ベルト20の上面20a1にゴムシートGが載置されると、ゴムシートGは、上面20a1と、下部分26bの下面26b1との間で挟持される。つまり、下面26b1は、下搬送ベルト20との間でゴムシートGを挟持する挟持面である。以下の説明では、下面26b1を挟持面26b1ということがある。
【0019】
押さえローラ27は、上部分26aと下部分26bとの間に配置されている。押さえローラ27は、上搬送ベルト26の下部分26bの上面26b2を走行可能に設けられている。押さえローラ27が走行する上面26b2は、挟持面26b1の反対面である。以下の説明では、上面26b2を反対面26b2ということがある。
【0020】
アーム28は、押さえローラ27を支持する。アーム28の基端部は、フレーム12の側面に設けられたブラケット29に固定されている。アーム28は、ブラケット29に設けられた軸30によって固定されている。軸30の中心は、両ベルト20,26の幅方向に平行である。アーム28は、軸30回りに揺動可能にブラケット29に固定されている。
押さえローラ27は、アーム28の先端部に回転自在に固定されている。
なお、以下の説明では、両ベルト20,26の幅方向を単に幅方向ともいう。
【0021】
アーム28と、フレーム12との間には、スプリング31が設けられている。
スプリング31の上端はアーム28の中間部分に固定されている。中間部分は、アーム28における基端部と先端部との間の部分である。
スプリング31の下端はフレーム12に固定されている。スプリング31は、押さえローラ27を下方向へ向けて付勢している。
この押さえローラ27は、ガイド板12bとの間で、上搬送ベルト26と、下搬送ベルト20とを挟持する。よって、上搬送ベルト26は、下搬送ベルト20の走行に従って走行する。
【0022】
制御装置22は、ゴムシート検出装置10の出力に基づいてサーボモータ21を制御する機能を有する。
制御装置22の制御によってサーボモータ21が駆動ローラ13を回転駆動すると、下搬送ベルト20が走行する。
ここで、上流側搬送装置2からゴムシートGが与えられ、ゴムシートGの先端g1が下搬送ベルト20の上面20a1に到達すると、ゴムシートGは、下搬送ベルト20によって第1方向沿って搬送され、上搬送部8の位置に到達する。
上搬送部8の位置に到達すると、ゴムシートGは、上搬送ベルト26と、下搬送ベルト20と、の間に挟持されつつ、下搬送ベルト20によって搬送される。このとき、上搬送ベルト26、下搬送ベルト20、およびゴムシートGは、押さえローラ27によって押圧される。これにより、ゴムシートGは、上搬送ベルト26と下搬送ベルト20との間で挟持され、下搬送ベルト20とゴムシートGとの間でスリップが生じるのを抑制することができる。
【0023】
ゴムシートGは、上搬送ベルト26と下搬送ベルト20との間で挟持された状態で搬送装置1によって搬送され、下流側搬送装置3へ与えられる。
ゴムシート検出装置10は、搬送装置1に与えられたゴムシートGの先端g1の位置を検出する機能を有する。
【0024】
〔ゴムシート検出装置の構成について〕
図2は、
図1中のゴムシート検出装置10の部分を拡大した図である。
ゴムシート検出装置10は、アーム40と、ローラ42と、棒状部材44と、近接センサ46と、を備える。
アーム40は、鋼板等によって形成された部材であり、第2方向に沿って延びている。アーム40は、フレーム12の側方に配置されている。
【0025】
アーム40の第1端部40aは、ブラケット50によってフレーム12に固定されている。ブラケット50は、フレーム本体12aの側面12a1に固定された板状部材である。第1端部40aは、アーム40の第1方向側の端部である。
アーム40は、ブラケット50に設けられた軸51(揺動軸)によって固定されている。軸51の中心は、幅方向に平行である。アーム40は、軸51回りに揺動可能にブラケット50に固定されている。
【0026】
図3は、ゴムシート検出装置10の一部を示す上面図である。なお、
図3では、理解を容易にするために上搬送ベルト26の上部分26aを省略して示している。
図2および
図3を参照して、アーム40の第2端部40bには、支持シャフト53が設けられている。支持シャフト53は、幅方向に沿って延びている。支持シャフト53は、フレーム12の上方に配置されている。第2端部40bは、アーム40の第2方向側の端部である。
ローラ42は、支持シャフト53に取り付けられている。支持シャフト53は、ローラ42を回転自在に支持する。
ローラ42は、円筒状の部材である。ローラ42は、中心軸が幅方向に平行となるように、アーム40および支持シャフト53によって支持されている。
【0027】
ローラ42は、押さえローラ27と同様、上搬送ベルト26における上部分26aと下部分26bとの間に配置されている。上述のようにアーム40は軸51回りに揺動可能である。よって、ローラ42は、下部分26bの反対面26b2を走行可能にアーム40および支持シャフト53に支持されている。
【0028】
アーム40と、フレーム12との間には、スプリング54が設けられている。
スプリング54の上端はアーム40の中間部分に固定されている。中間部分は、アーム40における第1端部40aと第2端部40bとの間の部分である。
スプリング54の下端はフレーム12に固定されている。スプリング54は、ローラ42を下方向へ向けて付勢している。
ローラ42は、押さえローラ27と同様、ガイド板12bとの間で、上搬送ベルト26と、下搬送ベルト20とを挟持する。
【0029】
棒状部材44は、アーム40の上面40cに固定されている。棒状部材44は、先端部44aと、基端部44bと、を有する。基端部44bは、上面40cに固定されている端部である。
先端部44aは、基端部44bからアーム40の長手方向に沿って、第2方向に向かって突出している。
基端部44bは、アーム40の上面40cに溶接等によって固定されている。よって、棒状部材44は、アーム40に対して一体に固定されている。従って、棒状部材44は、アーム40とともに一体に揺動する。
【0030】
棒状部材44は、横棒部45aと、本体部45bと、被検出突起45cと、を有する。
横棒部45aは、幅方向に沿って延びる棒状の部分である。横棒部45aの一端は基端部44bである。よって、横棒部45aは、アーム40から幅方向に突出している。
横棒部45aの他端は、折れ曲がり部45dを介して、本体部45bに繋がっている。
【0031】
本体部45bは、第2方向に沿って延びる棒状の部分である。本体部45bの一端は、折れ曲がり部45dに繋がっている。本体部45bの他端には、被検出突起45cが設けられている。
被検出突起45cは、本体部45bの他端から突出した部材である。被検出突起45cは、棒状部材44の先端部44aを構成する。被検出突起45cは、近接センサ46によって検出されるための突起である。
被検出突起45cの位置は、アーム40の先端である第2端部40bよりも第2方向側(上流側)へ突出した位置となっている。
つまり、本体部45bは、被検出突起45cの位置がアーム40の先端よりも突出した位置となるようにアーム40の長手方向に沿って延びている。
【0032】
また、
図3に示すように、横棒部45aの他端および折れ曲がり部45dは、上方から見たときに、両ベルト20,26の幅方向ほぼ中央に位置する。よって、本体部45bは、両ベルト20,26の幅方向ほぼ中央に位置し、かつ、第2方向に沿って延びている。
【0033】
近接センサ46は、被検出突起45cの接近を検出する非接触センサである。近接センサ46には、誘導形や、静電容量形、超音波形、磁気形等が含まれるが、いずれのタイプを用いてもよい。近接センサ46は、制御装置22に接続されている。近接センサ46の出力は、制御装置22へ与えられる。
【0034】
近接センサ46は、ブラケット56によってフレーム12に固定されている。ブラケット56は、フレーム本体12aの側面12a1に固定された部材である。ブラケット56は、近接センサ46を上搬送ベルト26の上方であって、両ベルト20,26の幅方向中央で支持する。
【0035】
近接センサ46は、被検出突起45cに対向することが可能な位置に設けられている。より具体的に、近接センサ46の検出面46aと、被検出突起45cの先端面45c1と、が対向可能な位置に、近接センサ46は設けられている。
【0036】
図4は、近接センサ46と、棒状部材44の被検出突起45cと、の間の位置関係を示した図であり、
図4(a)は、搬送装置1がゴムシートGを搬送していない場合を示している。
上述したように、ローラ42は、ガイド板12bとの間で、上搬送ベルト26の下部分26bと、下搬送ベルト20の上部分20aとを挟持する。
このとき、棒状部材44の本体部45bは、両ベルト20,26およびガイド板12bに対してほぼ平行である。
また、近接センサ46の検出面46aと、被検出突起45cの先端面45c1と、は、僅かな隙間を介して、互いに対向配置されている。
このとき、近接センサ46は、被検出突起45cの存在を検出する。近接センサ46は、被検出突起45cを検出したことを示す出力を、制御装置22へ与える。
よって、この場合、制御装置22は、搬送装置1がゴムシートGを搬送していないことを認識することができる。
【0037】
図4(b)は、搬送装置1がゴムシートGを搬送している場合を示している。
上流側搬送装置2からゴムシートGが与えられると、ゴムシートGは、下搬送ベルト20と上搬送ベルト26との間で挟持される。すると、上搬送ベルト26には、ゴムシートGの厚み分だけ上方への盛り上がりが生じる。
【0038】
両ベルト20,26に挟持されたゴムシートGが搬送され、ゴムシートGの先端g1がローラ42の位置に到達すると、上搬送ベルト26の反対面26b2を走行するローラ42は、ゴムシートGによる上搬送ベルト26の盛り上がりに乗り上げると上方へ移動し、アーム40を上方向に揺動させる。
【0039】
上述したように、棒状部材44は、アーム40とともに一体に揺動する。よって、アーム40が揺動すると、棒状部材44の被検出突起45cも、アーム40の揺動に応じて、軸51(
図2)を中心とする円弧に沿って移動する。
ゴムシートGによる上搬送ベルト26の盛り上がりによって、被検出突起45cが移動したとき、
図4(b)に示すように、被検出突起45cの先端面45c1は、検出面46aから離れた位置へ移動する。
【0040】
このとき、近接センサ46は、被検出突起45cを検出することはない。近接センサ46は、被検出突起45cを検出していないことを示す出力を、制御装置22へ与える。
よって、ゴムシートGの先端g1がローラ42の位置に到達していない間において、近接センサ46は、被検出突起45cを検出したことを示す出力を制御装置22へ与え、先端g1がローラ42の位置に到達すると、被検出突起45cを検出していないことを示す出力を、制御装置22へ与える。
より具体的に、近接センサ46は、被検出突起45cを検出していないことを示す出力として、所定電圧の信号(例えば、0v)を制御装置22へ与える。また、近接センサ46は、被検出突起45cを検出したことを示す出力として、所定電圧以外の電圧の信号を制御装置22へ与える。
【0041】
これにより、制御装置22は、近接センサからの出力の切り替わったタイミングにより、ゴムシートGの先端g1がローラ42の位置に到達したことを認識することができる。
【0042】
このように、本実施形態によれば、被検出突起45cの移動を近接センサ46によって検出することができ、近接センサ46の出力に基づいて、ゴムシートGの先端g1がローラ42の位置に到達したか否かを判定することができる。この結果、ゴムシートGの先端g1の位置を検出することができる。この結果、先端g1が通過してからどの程度の長さのゴムシートGを搬送したのかを把握することができ、ゴムシートGを精度よく搬送することが可能となる。
【0043】
すなわち、制御装置22は、近接センサ46の出力に基づいて、サーボモータ21を制御する。よって、制御装置22は、近接センサ46の出力と、サーボモータ21の動作量と、に基づいて、先端g1がローラ42の位置を通過してからのゴムシートGの搬送長さを正確に把握することができる。
これにより、ゴムシートGの供給精度を高めることができる。
【0044】
また、本実施形態の棒状部材44は、先端部である被検出突起45cの位置がアーム40の第2端部40bよりも突出した位置となるようにアーム40の長手方向に沿って延びている本体部45bを含んでいる。
このため、アーム40が揺動したときにおける棒状部材44の被検出突起45cの移動量が、例えば、アーム40の先端の移動量よりも増幅される。
この結果、ゴムシートGの厚みが1mmといったように比較的薄い場合にも、ゴムシートGの先端g1の位置の検出が可能となる。
【0045】
例えば、
図2中、アーム40の長手方向における軸51とローラ42との間の距離L1が115mmである場合、アーム40の長手方向における軸51と被検出突起45cの先端面45c1との間の距離L2は、250mm以上であることが好ましい。
このようにすることで、例えば、ゴムシートGの厚さが1mm程度であってもゴムシートGの先端g1の位置を検出することができる。
【0046】
〔その他〕
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。
本開示の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味、及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0047】
1 搬送装置
2 上流側搬送装置
3 下流側搬送装置
6 下搬送部
8 上搬送部
10 ゴムシート検出装置
12 フレーム
12a フレーム本体
12a1 側面
12b ガイド板
12b1 上面
13 駆動ローラ
14 従動ローラ
15 従動ローラ
16 従動ローラ
17 従動ローラ
20 下搬送ベルト
20a 上部分
20a1 上面
21 サーボモータ
22 制御装置
24 従動ローラ
25 従動ローラ
26 上搬送ベルト
26a 上部分
26b 下部分
26b1 挟持面(下面)
26b2 反対面(上面)
27 押さえローラ
28 アーム
29 ブラケット
30 軸
31 スプリング
40 アーム
40a 第1端部
40b 第2端部
40c 上面
42 ローラ
44 棒状部材
44a 先端部
44b 基端部
45a 横棒部
45b 本体部
45c 被検出突起
45c1 先端面
45d 折れ曲がり部
46 近接センサ
46a 検出面
50 ブラケット
51 軸
53 支持シャフト
54 スプリング
56 ブラケット
G ゴムシート
g1 先端