(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024098669
(43)【公開日】2024-07-24
(54)【発明の名称】固定部材及び壁
(51)【国際特許分類】
E01F 8/00 20060101AFI20240717BHJP
F16B 5/10 20060101ALI20240717BHJP
【FI】
E01F8/00
F16B5/10 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023002291
(22)【出願日】2023-01-11
(71)【出願人】
【識別番号】000231110
【氏名又は名称】JFE建材株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001461
【氏名又は名称】弁理士法人きさ特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】神谷 洋介
【テーマコード(参考)】
2D001
3J001
【Fターム(参考)】
2D001AA01
2D001BA02
2D001BB01
2D001CA01
2D001CB01
2D001DA04
2D001PA07
3J001FA03
3J001GA01
3J001GB01
3J001HA02
3J001JA01
3J001JC02
3J001JC06
3J001JC12
3J001KA19
3J001KB04
(57)【要約】
【課題】固定部材による壁構造体の固定時の作業負担を軽減する固定部材及び壁を提供する。
【解決手段】本発明に係る固定部材は、第1方向に沿って溝が形成された支柱の溝の内側に挿入された壁構造体に固定され、2つの面のうち一方を押した反力により壁構造体を他方に押し付けて設置する板状の弾性部材である固定部材であって、一方の端部に、押圧部と、他方の端部に、壁構造体に設けられた固定面に沿わせた状態で固定される固定部と、押圧部及び固定部を接続する支点部と、を備える。固定部は、支点部が壁構造体に当接し、押圧部が2つの面のうち一方に当接した状態または当該固定部の先端が固定面に当接した状態において、当該固定部の第1方向に垂直な第1断面における断面形状の支点部から当該固定部の先端の間の中央部が、固定面と離間するように構成され、かつ貫通孔を備え、固定部の中央部の接線は、固定面又は固定面のうち接合部材が接合される接合部における接線と平行である。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方向に沿って溝が形成された支柱の前記溝の内側に挿入された壁構造体に接合部材により固定され、前記溝の対向する2つの面のうち一方を押した反力により前記壁構造体を前記2つの面うち他方に押し付けて設置する板状の弾性部材である固定部材であって、
一方の端部に、前記2つの面のうち一方に押し付けられる押圧部と、
他方の端部に、前記壁構造体に設けられた固定面に沿わせた状態で固定される固定部と、
前記押圧部及び前記固定部を接続する支点部と、を備え、
前記押圧部は、
前記2つの面のうち一方と前記壁構造体との間に形成される隙間に挿入され、
前記2つの面のうち一方と前記壁構造体に当接した前記支点部との間で前記壁構造体を前記2つの面のうち他方に押し付けるように付勢するものであり、
前記固定部は、
前記支点部が前記壁構造体に当接し、前記押圧部が前記2つの面のうち一方に当接した状態または当該固定部の先端が前記固定面に当接した状態において、当該固定部の第1方向に垂直な第1断面における断面形状の前記支点部から当該固定部の先端の間の中央部が、前記固定面と離間するように構成され、かつ前記中央部が貫通孔を備え、
前記第1断面において、前記固定部の前記中央部の接線は、
前記固定面又は前記固定面のうち前記接合部材が接合される接合部における接線と平行である、固定部材。
【請求項2】
前記固定部は、
前記第1断面において、前記壁構造体の前記固定面に対向する凹面を備える、請求項1に記載の固定部材。
【請求項3】
前記固定部の前記凹面は、
中央部に頂点を有する、請求項2に記載の固定部材。
【請求項4】
前記固定部の前記凹面は、
前記第1断面において、弧状である、請求項2又は3に記載の固定部材。
【請求項5】
前記固定部の前記凹面は、
前記第1断面において、中央部で2つの平面を接続した形状である、請求項2又は3に記載の固定部材。
【請求項6】
前記押圧部は、
前記固定部の前記凹面を前記支点部から延長した仮想面とは異なる方向に延びる、請求項2又は3に記載の固定部材。
【請求項7】
前記押圧部は、
前記固定部の前記凹面を前記支点部から延長した仮想面に対し外側に向かって延びる、請求項2又は3に記載の固定部材。
【請求項8】
前記支点部は、
前記壁構造体に向かう突出部が形成されている、請求項1~3の何れか1項に記載の固定部材。
【請求項9】
板面に弾性力を増加させるための凸形状を更に備える、請求項1~3の何れか1項に記載の固定部材。
【請求項10】
前記壁構造体に仮固定するための係止部を更に備える、請求項1~3の何れか1項に記載の固定部材。
【請求項11】
第1方向に沿って前記溝が形成された支柱と、
前記溝の内側に挿入された前記壁構造体と、
前記壁構造体に固定された請求項1~3の何れか1項に記載の固定部材と、を備え、
前記固定部材は、
前記壁構造体に設けられた前記固定面に、前記固定部が沿うように変形された状態で固定された、壁。
【請求項12】
前記固定部材を前記固定面に接合するための接合部材を備え、
前記壁構造体は、
前記接合部材が固定される接合部を備え、
前記接合部材は、
前記接合部に一体に接合され、前記固定部を前記固定面に沿うように変形させた状態で固定する、請求項11に記載の壁。
【請求項13】
前記固定部材は、
自然状態において、前記支点部を前記壁構造体に当接させ、前記固定部を前記固定面に対向させて配置したときに、前記壁構造体と前記溝の一方の面との間に挿入自在に構成されている、請求項11に記載の壁。
【請求項14】
前記接合部材は、ボルトであり、
前記ボルトの首下長さは、
第1方向に垂直な断面において前記固定部材の前記固定部の両端を結んだ直線から前記固定部の頂点までの距離よりも長い、請求項12に記載の壁。
【請求項15】
第1方向に沿って前記溝が形成された支柱と、
前記溝の内側に挿入された前記壁構造体と、
前記壁構造体に固定された請求項8に記載の固定部材と、を備え、
前記壁構造体は、
前記支点部が嵌る嵌合部を備え、
前記固定部材は、
前記壁構造体に設けられた前記固定面に前記固定部が沿うように変形された状態で接合された、壁。
【請求項16】
前記壁構造体は、
透明な材料で構成された透光パネルと、
前記透光パネルを支持する縦枠と、を備え、
前記縦枠は、
前記壁構造体の中央側を向いた面に凹部が形成され、
前記透光パネルの水平方向の縁部は、
前記凹部に嵌り保持され、
前記接合部材は、
前記透光パネルの縁部を避けて配置される、請求項12に記載の壁。
【請求項17】
前記固定面は、
前記縦枠に設けられ、第1方向に垂直な断面において、前記壁構造体の中央側に傾斜している、請求項16に記載の壁。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、道路又は鉄道に設置される壁に用いられる固定部材及び壁の構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、鉄道の軌道や道路を走行する車両による騒音の抑制のために鉄道や道路などに沿って壁が設置されている。壁は、例えば鉄道においては、軌道の側方に設けられており、軌道を走行する車両の騒音が軌道の外部に漏れるのを抑制するものである。
【0003】
鉄道の軌道に沿って設置されている壁は、軌道の側方に立設されている2つのH形支柱のそれぞれのフランジ部の間に壁構造体を挿入して構成されている。壁構造体の厚さは、H形支柱のフランジ部の間の寸法よりも薄い。壁構造体とフランジ部との間に生じる隙間には弾性を有する固定部材が挿入され、固定部材の弾性による反発力により壁構造体をフランジ部に押し付けて位置が固定される。固定部材は、壁構造体にボルト及びナットを用いて固定される(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
固定部材は、一方の端部が壁構造体とH形支柱のフランジとの間に挿入され、他方の端部が壁構造体に設けられた固定部にボルトにより固定されている。固定部材は、平板状のバネ材を折り曲げて成形されたものであり、自由状態で断面形状が略「く」の字形状に屈曲されている。一方の端部と他方の端部との間が屈曲部となっており、他方の端部をボルトにより壁構造体の固定面に押し付けた状態で固定することにより、固定部材の一方の端部は、H形支柱の一方のフランジの裏面に押し付けられる。壁構造体は、固定部材の一方の端部が一方のフランジに押し付けられる反力により固定部材を介して他方のフランジ側に押し付けられ、H形支柱のフランジの間に固定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に開示されている固定部材は、固定部が平板状に形成されているため、ボルト又はねじなどの固定部材を設置する前の状態においては、固定部と壁構造体の固定面との間にくさび状の隙間が生じる(
図7参照)。この状態において、ボルトで固定部を固定面に緊結固定するには、固定部に設けられた貫通孔にボルトを挿通した状態で、固定面の裏側に設置されたナットのねじ孔にボルトを螺合させ締め込む作業が必要になる。ボルトを締め込む前の状態において、固定部の平面と壁構造体の固定面とは互いに交差した位置関係になっており、ボルトを貫通孔に挿通させたままねじ孔に螺合させるためには、貫通孔を大きくする必要があった。
【0007】
また、固定部材により壁構造体を強固に固定するためには、交差した位置関係にある固定部材の固定部の平面と壁構造体の固定面との成す角度がなるべく大きくなる様に設定される。このとき、固定面の法線方向からの視点において、ボルトを螺合させるねじ孔と固定部材の貫通孔とがずれて位置するため、ボルトをねじ孔に螺合させるには、固定部材の固定部に荷重を掛けて貫通孔の位置をねじ孔に近づけながらボルトを挿通させる必要があった。このように、特許文献1に開示されている固定部材は、ボルトによる緊結作業が困難であるという課題があった。
【0008】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、固定部材による壁構造体の固定時の作業負担を軽減する固定部材及び壁を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る固定部材は、第1方向に沿って溝が形成された支柱の前記溝の内側に挿入された壁構造体に接合部材により固定され、前記溝の対向する2つの面のうち一方を押した反力により前記壁構造体を前記2つの面うち他方に押し付けて設置する板状の弾性部材である固定部材であって、一方の端部に、前記2つの面のうち一方に押し付けられる押圧部と、他方の端部に、前記壁構造体に設けられた固定面に沿わせた状態で固定される固定部と、前記押圧部及び前記固定部を接続する支点部と、を備え、前記押圧部は、前記2つの面のうち一方と前記壁構造体との間に形成される隙間に挿入され、前記2つの面のうち一方と前記壁構造体に当接した前記支点部との間で前記壁構造体を前記2つの面のうち他方に押し付けるように付勢するものであり、前記固定部は、前記支点部が前記壁構造体に当接し、前記押圧部が前記2つの面のうち一方に当接した状態または当該固定部の先端が前記固定面に当接した状態において、当該固定部の第1方向に垂直な第1断面における断面形状の前記支点部から当該固定部の先端の間の中央部が、前記固定面と離間するように構成され、かつ前記中央部が貫通孔を備え、前記第1断面において、前記固定部の前記中央部の接線は、前記固定面又は前記固定面のうち前記接合部材が接合される接合部における接線と平行である。
【0010】
本発明に係る壁は、第1方向に沿って溝が形成された支柱と、前記溝の内側に挿入された壁構造体と、前記壁構造体に固定された上記の固定部材と、を備え、前記固定部材は、前記壁構造体に設けられた前記固定面に、前記固定部が沿うように変形された状態で固定されたものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、固定部材の固定部に設けられた貫通孔は、壁構造体の固定面に固定される前後で位置の変動を抑えられる。そのため、固定部材の壁構造体への固定作業が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】実施の形態1に係る壁100の正面図及び上面図である。
【
図2】実施の形態1に係る壁100が鉄道の軌道94の側壁として設置された一例を示す断面図である。
【
図3】実施の形態1に係る壁100の壁構造体10を支柱30に固定する構造の周辺の拡大斜視図である。
【
図4】実施の形態1に係る壁100の壁構造体10及び支柱30の断面構造の説明図である。
【
図5】実施の形態1に係る固定部材20の平面図及び上面図である。
【
図6】実施の形態1に係る固定部材20の平面図及び上面図である。
【
図7】実施の形態1に係る壁100において固定部材1020周辺の断面構造の模式図である。
【
図8】実施の形態1に係る壁100において固定部材20周辺の断面構造の模式図である。
【
図9】実施の形態1に係る固定部材20の変形例を用いた壁100の断面構造の説明図である。
【
図10】
図9に示す固定部材20を固定するボルト40を途中まで締め込んだ状態を示す図である。
【
図11】実施の形態1に係る固定部材20の他の変形例を用いた壁100の断面構造の説明図である。
【
図12】実施の形態1に係る固定部材20の他の変形例を用いた壁100の断面構造の説明図である。
【
図13】実施の形態1に係る壁構造体10の変形例の端部周辺の斜視図である。
【
図15】
図13の端面部材160の内側部材162の斜視図である。
【
図16】
図13の端面部材160の外側部材161の斜視図である。
【
図17】実施の形態2に係る壁100の壁構造体10及び支柱30の断面構造の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には、同一符号を付して、その説明を適宜省略又は簡略化する。また、各図に記載の構成について、その形状、大きさ、及び配置等は、本発明の範囲内で適宜変更することができる。また、理解を容易にするために方向を表す用語(例えば、上、下、左及び右等)を適宜用いるが、それらの表記は、説明の便宜上の記載であり、構造の各部材及び各部分の配置、方向及び向きを限定するものではない。
【0014】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る壁100の正面図及び上面図である。
図2は、実施の形態1に係る壁100が鉄道の軌道94の側壁として設置された一例を示す断面図である。
図3は、実施の形態1に係る壁100の壁構造体10を支柱30に固定する構造の周辺の拡大斜視図である。壁100は、例えば鉄道や高速道路などにおいて車両80が走行する部分の側方に立設されるものであり、例えば鉄道においては、車両80(
図2参照)が走行する軌道94(
図2参照)の側方に設けられている。壁100は、軌道94に沿って壁面が配置され、主に車両80の走行により発生する騒音の音波が外部に直接拡散するのを抑制するものである。以下の説明においては、一例として高架鉄道の軌道94に沿って設置される透光型の壁について説明する。
【0015】
壁100は、床版90の上に立設された2本の支柱30の間に壁構造体10を取り付けて構成される。実施の形態1においては、壁構造体10は、中央部に、例えば透明なポリカーボネート製又はアクリル製の透光パネル11を備える。透光パネル11は、枠体12に周縁11a(
図4参照)が嵌って支持されるものである。透光パネル11は、例えば鉄道において車両80の走行による騒音を外部に直接拡散しないように抑制すると共に、車両80に乗っている人が走行している周辺の環境を視認できるようにしたものである。また、壁構造体10は、強風時に車両80の走行への影響を低減させる効果もある。ただし、壁構造体10は、実施の形態1に示される透光型の壁構造体10のみに限定されるものではない。例えば、壁構造体10は、透光パネル11を有さない遮音板、吸音板、又は防護柵等であっても良い。
【0016】
支柱30は、所定の間隔を置いて立設されている。支柱30は、例えば鉄道においては軌道94(
図2参照)に沿って側方に設置されている。壁構造体10は、隣合って設置されている2本の支柱30の間に上方から挿入されて設置される。支柱30は、軌道94に沿って複数設置されており、隣合う2本の支柱30の間のそれぞれに壁構造体10が設置される。
【0017】
(支柱30)
図1(a)に示される様に、支柱30は、例えば断面がH形の鋼材により構成される。支柱30は、長手方向を上下方向に向けて床版90から立設されている。
図1(b)に示される様に、支柱30は、上方から見たときに2つのフランジ部31の間にウェブ部32が渡されている形状になっている。ウェブ部32は、上方から見たときに壁100の壁面垂直方向に沿って延びる。フランジ部31は、上方から見たときにウェブ部32に対し垂直方向、即ち壁100の壁面に沿った方向に延びる。壁構造体10は、1つの支柱30が備える2つのフランジ部31の間に上方から挿入されて支柱30に取り付けられる。つまり、壁構造体10の水平方向の両端部は、支柱30の2つのフランジ部31の間に隙間を持って挿入される。このように構成されることにより、壁構造体10は、2つのフランジ部31により壁100の壁面垂直方向に支持され、2つの支柱30の間から水平方向に外れることがない。なお、支柱30の断面形状は、H形に限定されるものではない。壁構造体10の水平方向の端部が挿入され、壁構造体10を壁面垂直方向に支持することができれば、例えばコの字形の断面形状であっても良い。また、壁構造体10の端部が挿入される溝35を有していれば、その他の構造物に溝35を形成したものであっても良い。また、壁構造体10が挿入される溝35が延びる方向を第1方向と呼ぶ。
【0018】
(壁構造体10)
図3に示される様に、壁構造体10は、透光パネル11の周縁11aを保持する枠体12を備える。枠体12は、上端及び下端に位置し水平方向に延びる2つの横枠13と、2つの横枠13のそれぞれの水平方向の両端を接続する2つの縦枠14と、を備える。縦枠14は、壁構造体10の水平方向の両端縁を形成している。透光パネル11は、例えば透明のポリカーボネート製の板又はアクリル製の板であり、壁100の壁面を構成する。
【0019】
図4は、実施の形態1に係る壁100の壁構造体10及び支柱30の断面構造の説明図である。2つの横枠13及び2つの縦枠14は、それぞれが矩形の透光パネル11の4辺に位置しており、透光パネル11の周縁11aを保持する。
図4に示されている縦枠14の断面構造のように、縦枠14は、壁構造体10の中央側を向いた内側端面19に凹部19aが形成されている。透光パネル11の周縁11aは、凹部19aの内部に挿入されている。凹部19aには2つのパッキン62及び63が配置されている。2つのパッキン62及び63は、透光パネル11の板面垂直方向の両側から挟み込み、透光パネル11を保持する。
【0020】
縦枠14と同様に、横枠13にも壁構造体10の中央側を向いた内側端面19に凹部19aが形成されており、2つのパッキン62及び63を介して透光パネル11の周縁11aを保持している。つまり、枠体12は、透光パネル11の周縁11aを全周に亘ってパッキン62及び63を介して保持している。パッキン62及び63は、例えばゴムにより構成されており、弾性を有する。そのため、比較的薄い透光パネル11に荷重が掛かった際又は透光パネル11が振動した際においても、透光パネル11は、比較的硬度の高い枠体12に直接接触することなく、破損を防止することができる。
【0021】
実施の形態1において横枠13及び縦枠14は、例えばアルミニウム合金又は鋼により構成されている。アルミニウム合金で構成した場合、壁構造体10を比較的軽量にできる。横枠13及び縦枠14は、例えばアルミニウム合金を押出成形等により形成され、所定の断面形状を有する長尺部材である。なお、横枠13及び縦枠14を構成する材料は、アルミニウム合金又は鋼に限定されるものでは無く、例えば樹脂等、必要とされる強度に応じて適宜変更することができる。また、各部材の成形方法も限定されるものではなく、一部又は全部をプレス成形、鋳造等の他の成形方法により成形しても良い。
【0022】
縦枠14は、透光パネル11を保持する側の部材である主構造部65と、壁構造体10の水平方向の端面に位置する端面部材60と、を備える。主構造部65は、壁構造体10の水平方向の端面側が開放されており、内部にボルト40と螺合するねじ孔42が設けられているナット41、及び縦枠14と横枠13とを接合するためのネジ66が配置される。主構造部65は、ナット41及びネジ66が組み付けられた後に、端面部材60により内部構造に蓋がされる。主構造部65と端面部材60とは、リベット61などにより接合される。
【0023】
(壁構造体10を支柱30に固定する構造)
図1、
図3及び
図4に示される様に、壁構造体10は、2つの支柱30の間に設置される。壁構造体10の水平方向の両端部のそれぞれは、支柱30が有する2つのフランジ部31の間に挿入される。言い換えると、壁構造体10の端部は、支柱30に形成された溝35を形成する対向する2つの面33の間に挿入される。壁構造体10の水平方向の両端部は、縦枠14が配置されている。縦枠14は、支柱30の延びる方向に沿った長尺部材であり、その一部が支柱30のフランジ部31の間に挿入されている。縦枠14は、壁構造体10の面方向の両側が2つのフランジ部31に挟まれて位置する。2つのフランジ部31の間の寸法は、壁構造体10の面方向における縦枠14の幅寸法よりも大きく形成されている。即ち、縦枠14は、2つのフランジ部31の間に隙間を持って挿入されている。
【0024】
縦枠14と2つのフランジ部31との間には、隙間があるため、このままの状態では、壁構造体10は、その隙間の分だけ面方向に移動することができる。しかし、壁構造体10は、軌道94を走行する車両80による風圧及び振動、自然環境の風、並びに地震等により力を受ける場合があり、力を受けても容易に移動しないように保持する必要がある。保持しない場合、壁構造体10は、2つのフランジ部31の間を面方向に移動できるため、例えば車両80の走行による風圧により縦枠14がフランジ部31に衝突し、騒音などの不具合が発生するだけでなく、破損するおそれがある。
【0025】
図4に示される様に、実施の形態1においては、縦枠14と2つのフランジ部31の一方との間の隙間に、固定部材20が挿入されている。固定部材20は、弾性材料で構成されており、その弾性力でフランジ部31の面33と縦枠14とを押す。固定部材20は、一方の端部に縦枠14に固定される固定部21と、他方の端部にフランジ部31の面33に当接する押圧部22とを備える。固定部21は、縦枠14の固定面15にボルト40により固定される。固定部21は、
図4において点線で示されるように固定面15に沿うように変形された状態で固定される。固定部21を縦枠14の固定面15に固定するため、縦枠14は、挿通穴64が設けられ、その奥にはナット41が配置されている。ボルト40は、ナット41のねじ孔42に螺合し、固定部21を固定面15に締結固定できる。なお、ボルト40を接合部材、接合部材であるボルト40が螺合するナット41のねじ孔42を接合部と呼ぶ場合がある。
【0026】
押圧部22は、縦枠14が挿入されている支柱30の2つのフランジ部31の一方の内側の面33に当接する。壁構造体10に固定された弾性を有する固定部材20が2つのフランジ部31のうちの一方の面33を押すことにより、壁構造体10は、2つのフランジ部31のうちの他方に押し付けられる。つまり、壁構造体10に固定された固定部材20の弾性力により、壁構造体10は、2つのフランジ部31の間の片側に寄せられて位置が決まる。
【0027】
図1(a)に示される様に、固定部材20は、縦枠14に複数固定されている。設置される固定部材20の数量は、固定部材20の弾性力、及び壁構造体10に加わる面方向の力に応じて適宜設定されるものである。実施の形態1においては、固定部材20は、縦枠14の水平方向の両端部に配置された2つの縦枠14のそれぞれに3箇所ずつ設置されている。壁構造体10の面積が小さい場合には、固定部材20を設置する数量を減少させても良い。
【0028】
(固定部材20)
図5は、実施の形態1に係る固定部材20の平面図及び上面図である。固定部材20は、板状の弾性部材であり、例えばバネ材により構成される。固定部材20は、例えば平板状のバネ材をプレス加工等により折り曲げて成形されたものである。
図5(b)に示される様に、固定部材20の一方の端部は、上面視において先端部26が円弧形状に曲げられた押圧部22である。また、固定部材20の他方の端部は、円弧形状に曲げて形成された固定部21である。押圧部22と固定部21との間には、固定部材20の面方向に突出し、外形が円弧形状に形成された支点部23が設けられている。
【0029】
押圧部22は、先端部26と接続部25からなる。接続部25は、先端部26と支点部23との間を繋いでいる。実施の形態1において接続部25は、平坦に形成されているが、これに限定されるものではなく曲線状であっても良い。
【0030】
固定部21と接続部25とは、実施の形態1においては、平行ではなく交差するような角度を成している。接続部25は、支点部23から固定部21の凹面28を延長させた仮想面Pとは異なる方向に向かって延びている。また、詳しくは、接続部25は、固定部21の凹面28を延長した仮想面Pにより描かれる曲線の外側に向かって延びている。なお、固定部21と押圧部22との位置関係は、上記に限定されるものではない。
【0031】
固定部21は、ボルト40が挿通される貫通孔24を有する。実施の形態1において、貫通孔24は、縦枠14が延びる方向に沿って並べて2箇所設けられている。貫通孔24は、円形状、押圧部22から固定部21に向かう方向に長軸方向を向けた長穴形状、または固定部21の先端27の縁から設けられた切り欠きであっても良い。
【0032】
(固定部材20の取付方法及び固定部材20の作用)
次に、
図4を用いて固定部材20の壁構造体10への取付方法を説明する。まず、壁構造体10は、2つの支柱30の間に上方から挿入される。縦枠14は、溝35の内側に挿入され、それぞれの支柱30の2つのフランジ部31の間に隙間を持って位置するように配置される。この工程を、壁構造体設置工程と呼ぶ。
【0033】
壁構造体10は、一方のフランジ部31との間に隙間を形成するように他方のフランジ部31側に寄せられる。そして、一方のフランジ部31と縦枠14との間に固定部材20の押圧部22が挿入される。押圧部22は、一方のフランジ部31の面33に当接されるか、または面33から若干の距離を持って配置される。このとき、固定部材20の支点部23は、縦枠14の一方のフランジ部31側の面に形成された溝16に嵌る様に配置される。また、固定部21は、凹面28を縦枠14の固定面15に対向させるように配置される。固定部21の支点部23側の端29及び先端27とは、固定面15に沿って位置する。言い換えると、端29と先端27とを結ぶ弦Qは、固定面15に沿って位置し、固定面15に概ね平行である。また、貫通孔24は、固定面15の法線方向から見たときに、ナット41のねじ孔と重なる様に位置している。このとき固定部材20は、押圧部22がフランジ部31の面33に当接しているか、または若干離れており、支点部23が溝16に嵌っているが、
図4中に破線矢印Fで示されるバネ力を作用させていない。または、バネ力を作用させていたとしても微小である。つまり、板バネである固定部材20は、実質的に自然状態になっている。この工程を、挿入工程と呼ぶ。
【0034】
挿入工程が完了し固定部材20が自然状態において、ボルト40が固定部材20の貫通孔24に通される。そして、ボルト40の先端は、壁構造体10の固定面15に形成された挿通穴64に挿通され、縦枠14内部に設置されたナット41に螺合する。このとき、ボルト40の首下長さLは、固定部材20の孤形状の固定部21の頂点と壁構造体10の固定面15との高さHよりも長く設定されていることが望ましい。固定部21に設けられた貫通孔24は、湾曲した固定部21の中央部にある頂点を含む領域に配置されており、貫通孔24とナット41のねじ孔42とは、それぞれの中心軸が一致しているか、または互いに近傍に位置しており、かつ2つの中心軸が互いに実質的に平行になるように配置されている。したがって、ボルト40をナット41のねじ孔に向かって挿入しようとしたときに、貫通孔24は挿入を阻害しない。固定部21に設けられている貫通孔24は、少なくともボルト40のねじが挿通できる程度に構成されている必要があるが、固定部21が上記のように貫通孔24とナット41のねじ孔とが実質的に一致するように構成されているため、貫通孔24の内径は必要以上に大きくする必要がない。
【0035】
次に、ボルト40を固定部21が固定面15に当接するまで締め込む。このとき、固定部材20の固定部21は、
図4に破線で示されている位置まで変形する。つまり、固定部21は固定面15に沿った形状に変形する。すると、押圧部22は、先端部26が支柱30の一方のフランジ部31側に移動するため、破線矢印Fで示されるバネ力が増加する。つまり、一方のフランジ部31の面33と縦枠14の溝16との間に反発する力が加わり、縦枠14は、他方のフランジ部31に押し付けられる。ボルト40の締め込みは、例えばインパクトレンチなどの工具で行われる。この工程を、ボルト締め込み工程と呼ぶ。
【0036】
ボルト締め込み工程が完了した状態において、固定部材20は、押圧部22がフランジ部31の面33に当接し、支点部23が溝16を構成する面に当接している。ボルト40を締め込むことにより、湾曲した固定部21が固定面15に沿う形状(
図4においては平板状)に変形する。ここで、
図5に示す押圧部22の接続部25が延びる方向に沿った仮想線S及び固定部21の孤形状の支点部23側の端における接線Tを規定する。固定部21が固定面15に沿った形状に変形すると、接線Tは固定面15(
図5においては弦Q)に平行になるように移動する。このとき、仮想線Sと接線Tとの位置関係が維持されるため(
図5において角度θが維持されるため)、押圧部22も、固定部21の変形にしたがって矢印E側に移動することにより、支点部23を支点として押圧部22からフランジ部31の面33に作用する力が増加する。固定部材20は、支点部23が支点、押圧部22が作用点、固定部21とボルトと接触した部分が力点となっている梃子のように作用し、壁構造体10と2つのフランジ部31の一方とが反発するように力を作用させるものである。
【0037】
実施の形態1において、支点部23は、縦枠14側に凸形状になっており、縦枠14には支点部23の凸形状に対応するように溝16が形成されているが、この形態に限定されるものではない。例えば、支点部23が平坦な面であっても良く、この場合、支点部23は、縦枠14の前面17と固定面15とが交わる部分に形成された角部に当接し、梃子の支点となる。
【0038】
なお、上記の固定部材20の取付方法においては、ボルト40を壁構造体10に設置されたナット41のねじ孔42に螺合させて固定部21を固定面15に固定する形態について説明したが、ボルト40及びナット41で固定する形態に限定されず、例えばリベットなどのその他の接合部材を壁構造体10の接合部に固定してもよい。
【0039】
(比較例に係る固定部材1020)
図6は、実施の形態1に係る固定部材20の平面図及び上面図である。
図7は、実施の形態1に係る壁100において固定部材1020周辺の断面構造の模式図である。比較例に係る固定部材1020は、
図6(b)に示す様に、実施の形態1に係る固定部材20の固定部21を平板状に変更したものである。固定部材1020は、板状の弾性部材であり、例えばバネ材により構成される。固定部材1020は、例えば平板状のバネ材をプレス加工等により折り曲げて成形されたものである。
図6(b)に示される様に、固定部材1020の一方の端部は、上面視において円弧形状に曲げられた押圧部22である。また、固定部材1020の他方の端部は、表面が平坦な固定部21である。押圧部22と固定部21との間には、固定部材20の面方向に突出し、外形が円弧形状に形成された支点部23が設けられている。さらに、支点部23と押圧部22との間は、接続部25で繋がれている。接続部25は、平坦に形成されている。固定部21と接続部25とは、実施の形態1においては、平行ではなく交差するような角度を成して支点部23から延びている。
【0040】
固定部1021は、ボルト40が挿通される貫通孔24を有する。貫通孔24は、円形状の孔であり、実施の形態1に係る固定部材20と同様に縦枠14が延びる方向に沿って並べて2箇所設けられている。このため、比較例に係る固定部材1020は、壁構造体10にボルト40を用いて固定する際に、自然状態でボルト40を貫通孔24に挿通すると、ボルト40の中心軸が固定面15に設けられたねじ孔42の中心軸とずれているため、そのままの状態ではボルト40をねじ孔42に螺合できない。
図7に示す様に、固定部材1020の貫通孔24は、固定面15の法線方向から見たときに、ねじ孔42とずれて位置している。そのため、ボルト40は、固定部材1020の貫通孔24に挿通した状態では、ねじ孔42にうまく螺合させられない。ボルト40をねじ孔42に螺合させるには、固定部1021に荷重をかけて、固定部1021と固定面15との間のくさび状の隙間を無くした状態にするか、貫通孔24を大きくする必要がある。
【0041】
貫通孔24は、円形に限定されず、その他の形状にすることもできる。例えば、貫通孔24は、
図5において上下方向に長軸を有する長円形状であっても良いし、
図5において水平方向に長軸を有する長円形状であっても良い。また、貫通孔24は、楕円形状、
図5において固定部21の上下方向又は右方向の端縁から設けられた切り欠き形状であっても良い。
【0042】
(実施の形態1に係る固定部材20の効果)
図8は、実施の形態1に係る壁100において固定部材20周辺の断面構造の模式図である。
図8に点線で示されている固定部21は、ボルト40などの接合部材で固定面15に沿うように変形された状態の固定部21を示している。上記で説明した比較例に対し、実施の形態1に係る固定部材20の固定部21は、第1方向に垂直な第1断面において、壁構造体10の固定面15に対向する凹面28と、支点部23から当該固定部21の先端27の間の中央部に貫通孔24と、を備えており、貫通孔24に挿通されたボルト40などの接合部材により固定面15に沿うように変形された状態で固定されるものである。これにより、ボルト40などの接合部材は、貫通孔24に挿通された状態で、固定部21を変形させることなく、固定面15の法線方向から固定面15に設けられた接合部に挿入が可能となっている。また、ボルト40をねじ孔42に締め込むことにより、固定部21は、支点部23側の端29における接線Tが固定面15側に近づく様に移動するのに伴い、押圧部22が面33に押し付けられる様に移動する。よって、固定部材20は、固定面15に固定された状態で、壁構造体10とフランジ部31とが離間する方向に荷重を掛けるため、壁構造体10が溝35内で一方のフランジ部31に押し付けられる。
【0043】
固定部材20は、ボルト40などの接合部材により固定される前の状態において、支点部23及び固定部21の先端27が固定面15に当接した状態である。そして、押圧部22は、フランジ部31の面33から若干離れた状態であるか、当接していても荷重Fが微小な状態である。この状態において、固定部21の凹面28が固定面15に対向する様に構成されており、固定部21の中央部は、固定面15から離間している。また、固定部21のうち貫通孔24が設けられている部分は、少なくとも支点部23側の端29における接線Tよりも固定面15側に位置しており、貫通孔24が設けられている部分の接線T2は、少なくとも接線Tよりも固定面15と成す角度が小さくなっている。望ましくは、接線T2は、固定面15に実質的に平行である。このように構成されていることにより、固定部材20を固定面15に配置した状態において、ボルト40などの接合部材の配置も容易になる。つまり、固定部材20に強い荷重を掛けて固定部21を変形させることなくボルト40を貫通孔24に挿通し、ねじ孔42に螺合させることができる。固定部材20は、支点部23と固定部21の先端27とが固定面15に当接するように構成されているため、安定して配置作業が可能となっている。
【0044】
上記のように、実施の形態1においては、固定部材20の取付時にボルト40の配置が容易になるため、
図6及び
図7に示す比較例に係る固定部材1020を取り付ける際に生じるボルト40の首下に配置されるワッシャーの損傷を抑制できる。
図7に示すように、比較例に係る固定部材1020は、ボルト40の軸方向とねじ孔42の軸方向が交差するため、例えば貫通孔24を
図6の水平方向に長い長円形状に形成して、ボルト40の位置がねじ孔42に合うように構成される。このとき、比較例に係るボルト40の首下に配置されるワッシャーは、固定部材1020の固定部1021の先端側に片当たりし、メッキの剥がれなどの損傷が生じやすい。一方、実施の形態1に係る固定部材20は、ボルト40の首下に配置されるワッシャーは、固定部21の頂点における接線と概ね水平に当接するため損傷が生じにくい。
【0045】
実施の形態1に係る壁100の様に鉄道に用いられる透光型の壁100は、車両80の走行による風圧などを受けるため、容易に壁構造体10が移動しないように、固定部材20は、高い荷重で壁構造体10を押し付ける必要がある。また、壁構造体10が受ける荷重により、ボルト40が緩むおそれがある。そのため、ボルト40の締め込みは、比較的高いトルクで行うことになり、限られた作業時間内で締め込みトルクも精度良く管理する必要がある。実施の形態1に係る固定部材20によれば、固定部21を変形させて固定面15に固定することにより、押圧部22が移動しようとするため、押圧部22の弾性力を溝35の内側の面33に強く作用させることが可能となる。また、固定部21に設けられている貫通孔24を大きくする必要がないため、ボルト40及び座金が接触する座面も十分に面積を確保でき、締め込みトルクを高くすることも可能である。
【0046】
実施の形態1に係る固定部材20によれば、固定部21が曲面で構成されており、ボルト40の締め込みに対する弾性力を備えるため、ボルト40のスプリングワッシャーとして機能する。これにより、壁100に振動が生じても、ボルト40の緩みを抑制する効果を期待できる。
【0047】
図5に示す様に、壁構造体10の固定面15は、壁構造体10の中央側に傾斜している。また、固定面15は、透光パネル11の面及びフランジ部31の面に対して傾斜している。従って、ボルト締め込み工程において、ボルト40は、壁100の面方向に対し傾斜した方向から貫通孔24に挿し込まれる。このように構成されることにより、ボルト締め込み工程において、工具を使用してボルト40を締め込む際に透光パネル11及びフランジ部31に工具が接触することがないため、締め込み作業が容易になり、ボルト40は適切なトルクで締結される。また、ボルト40が締め込まれた状態において、ボルト40の頭が縦枠14の厚さの範囲内に納めることができる。
【0048】
また、
図2に示す鉄道の軌道94の側壁として設置された一例においては、吸音板91の上に透光型の壁構造体10が設置されている。吸音板91も、上記において説明した壁構造体10と同様に断面形状がH形の支柱30の2つのフランジ部31の間に挿入されて設置されている。また、壁構造体10の上方には、騒音低減装置92が設置されている。支柱30、吸音板91、壁構造体10、及び騒音低減装置92は、床版90の上に立設されている。床版90の上には車両80が走行する軌道94が設置され、軌道94と壁100との間には点検通路93が設けられている。点検通路93は、鉄道に設けられている設備を作業者が点検又は修理するために設けられた通路である。
【0049】
実施の形態1に係る壁100は、
図3に示される様に固定部材20が縦枠14と支柱30のフランジ部31との間に形成される隙間に挿入される。また、固定部材20は、壁構造体10の縦枠14に固定される。壁100は、このような構造を備えるため、
図2の点検通路93側に壁構造体10を固定するための固定部材20が突出することがない。従って、壁100が備える壁構造体10の固定構造は、狭い点検通路93を通行する作業者を阻害することがない。
【0050】
また、壁100は、縦枠14の固定面15が上下方向の視点において、壁構造体10の中央側に傾斜している。そのため、
図4に示される様に、固定部材20を縦枠14の固定面15に固定するボルト40は、支柱30側に寄った位置に配置されることになる。従って、壁構造体10の透光パネル11が設置される範囲は、支柱30に近い位置まで広げることができる。これにより、透光型の壁100は、透光パネル11の範囲が広く、例えば壁100の外側の環境を視認し易くなる。また、
図4に示される様に、ボルト40は、縦枠14に斜めに挿し込まれるため、縦枠14の内部で透光パネル11を避けて設置することができる。また、ボルト40の首下長さLが、実施の形態1に係る固定部材20の固定部21が変形する前の高さHよりも長ければ、ボルト40とナット41のねじ孔42とが螺合できるため、実施の形態1に係る壁100においては、ボルト40を必要以上に長くする必要がないという利点がある。これにより、壁構造体10は、縦枠14の内部構造を大きくできる。つまり、壁構造体10は、縦枠14の内側端面19に設けられた凹部19aを大きくできるため、透光パネル11の周縁11aを広い範囲で保持でき、透光パネル11を強固に保持できる。このとき、透光パネル11は、凹部19aに合わせて大きくすることにより、パッキン62に保持される周縁11aの幅を拡大できる。
【0051】
(固定部材20の変形例)
一方、壁100の固定部材20を固定する固定面15は、支柱30のフランジ部31に平行に設けることもできるし、
図4に示される内側端面19に平行に設けることもできる。
【0052】
図9は、実施の形態1に係る固定部材20の変形例を用いた壁100の断面構造の説明図である。実施の形態1に係る固定部材20は、
図9に示される様に、フランジ部31の面33に平行な固定面15に設置することもできる。この場合、固定部材20の自然状態における形状は、
図4及び
図5に示されている固定部材20の固定部21と押圧部22との位置関係に対し変更されている。つまり、
図9における変形例に係る固定部材20は、
図5に示す角度θを適宜変更して、自然状態で溝35と壁構造体10との間に固定部材20を挿入でき、固定部21の凹面28が固定面15に対向するように構成される。
【0053】
また、固定部材20は、ボルト40を締め込む前の自然状態において、固定部21の先端27が固定面15に当接するか近傍にあることが望ましい。しかし、
図9に示す様に、固定部21の先端27側を削除した形状であっても良い。このとき、固定部材20は、支点部23が固定面15に当接し、かつ押圧部22がフランジ部31の面33に当接し、荷重Fが微小な状態で、固定部21の凹面28が固定面15に対向している。また、固定部21のうち貫通孔24が設けられている部分は、少なくとも支点部23側の端における接線Tよりも固定面15側に位置しており、貫通孔24が設けられている部分の接線T2は、少なくとも接線Tよりも固定面15と成す角度が小さくなっている。望ましくは、接線T2は、固定面15に実質的に平行である。
【0054】
図10は、
図9に示す固定部材20を固定するボルト40を途中まで締め込んだ状態を示す図である。
図10に示す固定部材20の固定部21は、ボルト40を締め込むことにより先端27が固定面15に当接している。この状態においては、固定部21が変位したことにより、押圧部22は、変位して面33に押し付けられ荷重Fが生じている。この状態から、ボルト40が更に締め込まれることにより、固定部21は、先端27が固定面15状を滑りながら変形し、固定面15に沿った平板状まで変形する。なお、固定部21の変形に伴い、先端27だけでなく支点部23も固定面15上を滑って移動しても良い。または、先端27の位置が固定されて支点部23のみが移動する様に構成されても良い。つまり、壁構造体10は、固定部21の変形に伴う支点部23又は先端27の移動を制限するストッパー構造を有していても良い。
図4に示されている溝16は、ストッパー構造の一例である。
【0055】
また、
図10においては、固定部材20の支点部23と固定部21の先端27が固定面15に当接し、固定部21が変形する例を示しているが、固定部21が固定面15に沿うように変形させる構造であれば、その他の部分が当接するような構造であっても良い。つまり、固定部21の先端27の近傍及び支点部23の近傍が、ボルト40などの接合部材による荷重を受けられるように支持されていれば、固定部材20及び壁構造体10の構造は他の形態をとることも可能である。
【0056】
図11は、実施の形態1に係る固定部材20の他の変形例を用いた壁100の断面構造の説明図である。固定部材20は、
図4に示したように傾斜した固定面15に限らず、フランジ部31の面33に直交する固定面15に固定部21を固定しても良い。
図9に示す様に、固定部21の凹面28を延長した仮想面Pにより内側に延びているが、固定面15に沿うように固定部21を変形させることにより、押圧部22はフランジ部31側に移動する。壁構造体10の角部18は、丸めるか面取りが施されていても良い。また、
図9に示す固定部材20は、支点部23が板状部材を微小に曲げて形成されているが、
図5に示す固定部材20のように壁構造体10側に突出していても良い。
【0057】
図12は、実施の形態1に係る固定部材20の他の変形例を用いた壁100の断面構造の説明図である。固定部材20の固定部21は、
図5、
図8及び
図9に示したように湾曲した形状に限定されず、固定部21の中央部で平板を折り曲げた形状であっても良い。
図11の固定部材20のように、固定部21は、支点部23側の端29と先端27との間の中央部で折り曲げられ、中央部に貫通孔24を設けることにより、凹面28が固定面15に対向した状態で貫通孔24と固定面15のねじ孔42とが重なるように配置できる。つまり、固定部材20は、壁構造体10に支点部23を当接させ、かつ自然状態であるときに、固定部21の凹面28を固定面15に対向させることができれば、固定部21の凹面28が曲線状でも折れ線状であっても良い。
【0058】
また、
図12に示す固定部材20の固定部21は、中央部が固定面15と平行な台形状に構成されていても良い。
【0059】
図示は省略するが固定部材20は、壁構造体10に係止するための係止部が設けられていても良い。係止部は、例えば固定部材20の支点部23との間で壁構造体10の一部を挟みこみ、壁構造体10に引っ掛かるように構成されている。係止部は、固定部材20を固定するためのボルト40を締め込んだときには、壁構造体10から外れるように構成されていても良い。また、係止部は、固定部21の先端27に設けられていても良い。係止部は、固定部材20を壁構造体10に取り付ける作業において、仮止めすることにより、作業負荷を軽減させるものである。
【0060】
(壁構造体10の変形例)
図13は、実施の形態1に係る壁構造体10の変形例の端部周辺の斜視図である。
図13は、壁構造体10に固定部材20を取り付け、ボルト40を締め込む前の状態を示している。上記においては、壁構造体10として透光パネル11を有する透光板の例について説明したが、
図13に示す壁構造体10は、吸音板タイプの一例を示しており、吸音部111の全長に亘って概ね均一の厚さに構成されており、端部に板金を折り曲げて形成した端面部材160が取り付けられている。壁構造体10の上面、背面、及び下面は、枠部材165に覆われている。吸音部111は、前面(例えば、鉄道などの軌道が配置されている側に向いた面)に吸音孔111aが形成され、内部に吸音材などが配置されている。
【0061】
図14は、
図13の壁構造体10の端部の断面図である。
図15は、
図13の端面部材160の内側部材162の斜視図である。
図16は、
図13の端面部材160の外側部材161の斜視図である。外側部材161は、固定面15を備え、壁構造体10の吸音部111の表面に対し傾斜して設けられている。外側部材161の内側には内側部材162が配置され、内側部材162は、固定面15の裏側に沿ったナット設置部162aを備える。ナット設置部162aは、ナット41が接合されており、外側部材161に設けられた孔161cを通じて挿入されたボルト40とナット41とが螺合できるように構成されている。
【0062】
図15に示すように内側部材162の上端部及び下端部は、枠部材165との接合部162bを有しており、枠部材165の内側面に当接される。内側部材162の上下方向の中央部にはナット設置部162aが配置されている。内側部材162は、吸音部111の背面側の面の延長上に配置された背面部162cを備え、その上端部及び下端部が枠部材165の内側面に当接され、接合される。つまり、内側部材162は、上端部及び下端部が上面視においてコの字形に形成され、枠部材165の内側に嵌め込まれている。
【0063】
図14に示すように、外側部材161は、内側部材162の外側を囲むように配置され、枠部材165を前後から挟み込むようにして配置される。また、
図14及び
図16に示すように、外側部材161は、第1部材161aと第2部材161bとを接合して構成されている。第1部材161aと第2部材161bとは、吸音部111よりも突出した突出部161fの接合部168においてリベット、溶接又はねじなどの接合手段により接合されている。第1部材161aは、突出部161fの端部から吸音部111に向かって傾斜して延びる傾斜部161gと、吸音部111に接合される当接部161hとを備える。当接部161hは、吸音部111の前面に沿って配置される部分であり、接合部168において接合手段により吸音部111に接合される。なお、接合部168は、上端部、下端部及び中央部の3箇所に配置されているが、この形態に限定されず、数量及び位置を適宜変更できる。
【0064】
図14に示すように、変形例に係る壁構造体10は、固定部材20が固定面15に取り付けられ、ボルト40を締め込むことにより、押圧部22がフランジ部31の面33を押し、
図4に示す壁構造体10と同様に支柱30に固定される。他方のフランジ部31に押し付けられる外側部材161の背面側の表面(第2部材161bの背面部161dの外側面)には、発泡クロロプレンゴムなどの緩衝材118が貼り付けられている。緩衝材118は、外側部材161、内側部材162及び枠部材165を接合する接合部168を保護し、端面部材160とフランジ部31とが平均的に当接するためのものである。
【0065】
変形例に係る壁構造体10は、上記のような構造により、
図4に示される実施の形態1の壁構造体10と同様な固定面15を設けることが可能となる。上記の変形例においては、端面部材160を3つの板金部材を接合して構成されている例について説明したが、各部材は一体化してもよいし、更に多くの部材を組み合わせて構成されていても良い。
【0066】
実施の形態2.
実施の形態2に係る壁100について説明する。実施の形態2に係る壁100は、実施の形態1に係る壁100を構成する壁構造体10及び固定部材20の構造を変更したものである。なお、実施の形態1と同一の機能及び作用を有する構成要素については、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0067】
図17は、実施の形態2に係る壁100の壁構造体10及び支柱30の断面構造の説明図である。
図17に示す様に、実施の形態2に係る壁構造体10の固定面15は、周囲の部分よりも凹んだ面として形成されている。固定部材20は、固定部21が平板状に形成されており、板面が固定面15と対向するように配置されている。固定部21の支点部23側の部分と先端27は、固定面15の両端の凹んだ部分の周辺に当接し、ボルト40を締め込むことにより、固定部21は、固定面15に沿って変形する。固定部21の変形に伴い、押圧部22は、溝35の一方の面33側に移動しようとするため、面33に荷重が掛かり、実施の形態1の固定部材20と同様に機能する。
【0068】
実施の形態2に係る壁構造体10の固定面15は、断面形状において孤形状の曲面であるが、固定面15の中央部と固定部21の中央部とが離間していればその他の形状であっても良い。例えば、固定面15は、
図17に示す断面において、中央部で平面同士を接続した形状であっても良いし、底に平面を有する形状であっても良い。
【0069】
実施の形態2において、固定部21の中央部の接線T2は、固定部21の板面と同一面上にある。固定部21に対向する壁構造体10の固定面15は、中央部に例えばナット41などによりねじ孔42が設けられており、接合部材であるボルト40が接合される接合部となっている。
図17に示す断面において、固定面15の接合部が設けられている中央部の接線T3は、固定部21の板面と平行になっている。これにより、ボルト40は、固定部21の貫通孔24に挿通した状態で接合部であるねじ孔42に螺合できる。
【0070】
以上に本発明を実施の形態に基づいて説明したが、本発明は上述した実施の形態の構成のみに限定されるものではない。例えば、固定部材20の形状は、必要なバネ力に応じて板厚及び形状を適宜変更することができる。また、壁100において固定部材20の設置箇所も変更することができる。また、壁構造体10は、透光型の壁構造体10だけでなく、遮音板又は防音板等に変更しても良い。要するに、いわゆる当業者が必要に応じてなす種々なる変更、応用、利用の範囲をも本発明の要旨(技術的範囲)に含むことを念のため申し添える。
【0071】
上記に説明した固定部材20及び壁100は、以下の付記1~17に示す各特徴の組み合わせも含み得るものである。その組み合わせについて下記に示す。
【0072】
[付記1]
第1方向に沿って溝が形成された支柱の前記溝の内側に挿入された壁構造体に接合部材により固定され、前記溝の対向する2つの面のうち一方を押した反力により前記壁構造体を前記2つの面うち他方に押し付けて設置する板状の弾性部材である固定部材であって、
一方の端部に、前記2つの面のうち一方に押し付けられる押圧部と、
他方の端部に、前記壁構造体に設けられた固定面に沿わせた状態で固定される固定部と、
前記押圧部及び前記固定部を接続する支点部と、を備え、
前記押圧部は、
前記2つの面のうち一方と前記壁構造体との間に形成される隙間に挿入され、
前記2つの面のうち一方と前記壁構造体に当接した前記支点部との間で前記壁構造体を前記2つの面のうち他方に押し付けるように付勢するものであり、
前記固定部は、
前記支点部が前記壁構造体に当接し、前記押圧部が前記2つの面のうち一方に当接した状態または当該固定部の先端が前記固定面に当接した状態において、当該固定部の第1方向に垂直な第1断面における断面形状の前記支点部から当該固定部の先端の間の中央部が、前記固定面と離間するように構成され、かつ前記中央部が貫通孔を備え、
前記第1断面において、前記固定部の前記中央部の接線は、
前記固定面又は前記固定面のうち前記接合部材が接合される接合部における接線と平行である、固定部材。
[付記2]
前記固定部は、
前記第1断面において、前記壁構造体の前記固定面に対向する凹面を備える、付記1に記載の固定部材。
[付記3]
前記固定部の前記凹面は、
中央部に頂点を有する、付記2に記載の固定部材。
[付記4]
前記固定部の前記凹面は、
前記第1断面において、弧状である、付記2又は3に記載の固定部材。
[付記5]
前記固定部の前記凹面は、
前記第1断面において、中央部で2つの平面を接続した形状である、付記2又は3に記載の固定部材。
[付記6]
前記押圧部は、
前記固定部の前記凹面を前記支点部から延長した仮想面とは異なる方向に延びる、付記2~5の何れか1つに記載の固定部材。
[付記7]
前記押圧部は、
前記固定部の前記凹面を前記支点部から延長した仮想面に対し外側に向かって延びる、付記2~5の何れか1つに記載の固定部材。
[付記8]
前記支点部は、
前記壁構造体に向かう突出部が形成されている、付記1~7の何れか1つに記載の固定部材。
[付記9]
板面に弾性力を増加させるための凸形状を更に備える、付記1~7の何れか1つに記載の固定部材。
[付記10]
前記壁構造体に仮固定するための係止部を更に備える、付記1~7の何れか1つに記載の固定部材。
[付記11]
第1方向に沿って前記溝が形成された支柱と、
前記溝の内側に挿入された前記壁構造体と、
前記壁構造体に固定された付記1~10の何れか1項に記載の固定部材と、を備え、
前記固定部材は、
前記壁構造体に設けられた前記固定面に、前記固定部が沿うように変形された状態で固定された、壁。
[付記12]
前記固定部材を前記固定面に接合するための接合部材を備え、
前記壁構造体は、
前記接合部材が固定される接合部を備え、
前記接合部材は、
前記接合部に一体に接合され、前記固定部を前記固定面に沿うように変形させた状態で固定する、付記11に記載の壁。
[付記13]
前記固定部材は、
自然状態において、前記支点部を前記壁構造体に当接させ、前記固定部を前記固定面に対向させて配置したときに、前記壁構造体と前記溝の一方の面との間に挿入自在に構成されている、付記11又は12に記載の壁。
[付記14]
前記接合部材は、ボルトであり、
前記ボルトの首下長さは、
第1方向に垂直な断面において前記固定部材の前記固定部の両端を結んだ直線から前記固定部の頂点までの距離よりも長い、付記12に記載の壁。
[付記15]
第1方向に沿って前記溝が形成された支柱と、
前記溝の内側に挿入された前記壁構造体と、
前記壁構造体に固定された付記8に記載の固定部材と、を備え、
前記壁構造体は、
前記支点部が嵌る嵌合部を備え、
前記固定部材は、
前記壁構造体に設けられた前記固定面に前記固定部が沿うように変形された状態で接合された、壁。
[付記16]
前記壁構造体は、
透明な材料で構成された透光パネルと、
前記透光パネルを支持する縦枠と、を備え、
前記縦枠は、
前記壁構造体の中央側を向いた面に凹部が形成され、
前記透光パネルの水平方向の縁部は、
前記凹部に嵌り保持され、
前記ボルトは、
前記透光パネルの縁部を避けて配置される、付記12に記載の壁。
[付記17]
前記固定面は、
前記縦枠に設けられ、第1方向に垂直な断面において、前記壁構造体の中央側に傾斜している、付記16に記載の壁。
【符号の説明】
【0073】
10 壁構造体、11 透光パネル、11a 周縁、12 枠体、13 横枠、14 縦枠、15 固定面、16 溝、17 前面、18 角部、19 内側端面、19a 凹部、20 固定部材、21 固定部、22 押圧部、23 支点部、24 貫通孔、25 接続部、26 先端部、27 先端、28 凹面、29 端、30 支柱、31 フランジ部、32 ウェブ部、33 面、35 溝、40 ボルト、41 ナット、42 ねじ孔、60 端面部材、61 リベット、62 パッキン、63 パッキン、64 挿通穴、65 主構造部、66 ネジ、80 車両、90 床版、91 吸音板、92 騒音低減装置、93 点検通路、94 軌道、100 壁、111 吸音部、111a 吸音孔、118 緩衝材、160 端面部材、161 外側部材、161a 第1部材、161b 第2部材、161c 孔、161d 背面部、161f 突出部、161g 傾斜部、161h 当接部、162 内側部材、162a ナット設置部、162b 接合部、162c 背面部、165 枠部材、168 接合部、1020 固定部材、1021 固定部、E 矢印、F 破線矢印、H 高さ、P 仮想面、Q 弦、S 仮想線、T 接線、T2 接線、θ 角度。