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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024098671
(43)【公開日】2024-07-24
(54)【発明の名称】情報検索方法および情報検索システム
(51)【国際特許分類】
   G06F 16/38 20190101AFI20240717BHJP
【FI】
G06F16/38
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023002298
(22)【出願日】2023-01-11
(71)【出願人】
【識別番号】000001258
【氏名又は名称】JFEスチール株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】諸岡 伸幸
(72)【発明者】
【氏名】桑原 智
(72)【発明者】
【氏名】假谷 晃
(72)【発明者】
【氏名】竹村 祐輔
【テーマコード(参考)】
5B175
【Fターム(参考)】
5B175DA01
5B175GB04
(57)【要約】
【課題】膨大な情報の中から所望の情報を効率的に検索することができる情報検索方法および情報検索システムを提供すること。
【解決手段】情報検索システムは、情報管理装置が、検索者によって入力されたキーワードと、キーワードに対する相関分析により抽出された1または2以上の絞込用キーワードとを含む検索条件に基づき検索処理を実行し、データベースから検索条件に合致する情報を検索する情報検索方法であって、情報管理装置が、検索条件において、絞込用キーワードをキーワードに対するAND条件とするか否か、絞込用キーワードをキーワードに対するNOT条件とするか否か、を検索者に選択させる選択操作を受け付けた上で、検索処理を実行する。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報管理装置が、検索者によって入力されたキーワードと、前記キーワードに対する相関分析により抽出された1または2以上の絞込用キーワードとを含む検索条件に基づき検索処理を実行し、データベースから前記検索条件に合致する情報を検索する情報検索方法であって、
前記情報管理装置は、前記検索条件において、前記絞込用キーワードを前記キーワードに対するAND条件とするか否か、前記絞込用キーワードを前記キーワードに対するNOT条件とするか否か、を前記検索者に選択させる選択操作を受け付けた上で、前記検索処理を実行する情報検索方法。
【請求項2】
前記情報管理装置は、前記絞込用キーワードとして前記キーワードに対する相関度がこの順に高い第1の絞込用キーワードと、第2の絞込用キーワードとを含む複数の絞込用キーワードが抽出された場合、前記キーワードに対する相関度が相対的に高い前記第1の絞込用キーワード、前記第2の絞込用キーワードの順に、前記選択操作を受け付ける請求項1に記載の情報検索方法。
【請求項3】
前記情報管理装置は、
前記検索者によって前記第1の絞込用キーワードをAND条件とするか否か、前記第1の絞込用キーワードをNOT条件とするか否か、が選択された際に、前記検索処理を実行し、
前記検索条件に合致するデータの件数が所定の閾値を下回った場合、前記第2の絞込用キーワードに対する前記選択操作を受け付けない請求項1に記載の情報検索方法。
【請求項4】
前記相関分析は、前記キーワードと前記絞込用キーワードとの関係を示す複数の区分から任意に設定された区分情報に基づき実行される請求項1に記載の情報検索方法。
【請求項5】
データベースと、検索者によって入力されたキーワードと、前記キーワードに対する相関分析により抽出された1または2以上の絞込用キーワードとを含む検索条件に基づき検索処理を実行し、前記データベースから前記検索条件に合致する情報を検索する情報管理装置と、を備える情報検索システムであって、
前記情報管理装置は、前記検索条件において、前記絞込用キーワードを前記キーワードに対するAND条件とするか否か、前記絞込用キーワードを前記キーワードに対するNOT条件とするか否か、を前記検索者に選択させる選択操作を受け付けた上で、前記検索処理を実行する情報検索システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の情報を格納するデータベースの中から、検索者が求める情報を効率的に検索可能な情報検索方法および情報検索システムに関する。
【背景技術】
【0002】
データベースに格納された膨大な情報の中から所望の情報を検索するためには、情報検索システムに適正なキーワードを入力することが必要である。しかしながら、知識や経験が浅い者の場合、適正なキーワードを入力することが困難であるために、所望の情報を検索することができないという問題が発生しうる。このような背景から、例えば特許文献1では、入力されたキーワードに加えてその類義語も含めて検索を実行することにより、入力されたキーワードが適正でなくとも所望の情報を検索することができる情報検索システムが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-121392号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1で提案された情報検索システムでは、類義語も含めて検索が実行されるため、入力したキーワードによっては検索結果が膨大な数となる。そのため、検索結果の中に所望の情報が含まれているとしても、膨大な検索結果の中から一つずつ確認して所望の情報を特定するには多くの時間を要してしまう。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、膨大な情報の中から所望の情報を効率的に検索することができる情報検索方法および情報検索システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る情報検索方法は、情報管理装置が、検索者によって入力されたキーワードと、前記キーワードに対する相関分析により抽出された1または2以上の絞込用キーワードとを含む検索条件に基づき検索処理を実行し、データベースから前記検索条件に合致する情報を検索する情報検索方法であって、前記情報管理装置が、前記検索条件において、前記絞込用キーワードを前記キーワードに対するAND条件とするか否か、前記絞込用キーワードを前記キーワードに対するNOT条件とするか否か、を前記検索者に選択させる選択操作を受け付けた上で、前記検索処理を実行する。
【0007】
また、本発明に係る情報検索方法は、上記発明において、前記情報管理装置が、前記絞込用キーワードとして前記キーワードに対する相関度がこの順に高い第1の絞込用キーワードと、第2の絞込用キーワードとを含む複数の絞込用キーワードが抽出された場合、前記キーワードに対する相関度が相対的に高い前記第1の絞込用キーワード、前記第2の絞込用キーワードの順に、前記選択操作を受け付ける。
【0008】
また、本発明に係る情報検索方法は、上記発明において、前記情報管理装置が、前記検索者によって前記第1の絞込用キーワードをAND条件とするか否か、前記第1の絞込用キーワードをNOT条件とするか否か、が選択された際に、前記検索処理を実行し、前記検索条件に合致するデータの件数が所定の閾値を下回った場合、前記第2の絞込用キーワードに対する前記選択操作を受け付けない。
【0009】
また、本発明に係る情報検索方法は、上記発明において、前記相関分析が、前記キーワードと前記絞込用キーワードとの関係を示す複数の区分から任意に設定された区分情報に基づき実行される。
【0010】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る情報検索システムは、データベースと、検索者によって入力されたキーワードと、前記キーワードに対する相関分析により抽出された1または2以上の絞込用キーワードとを含む検索条件に基づき検索処理を実行し、前記データベースから前記検索条件に合致する情報を検索する情報管理装置と、を備える情報検索システムであって、前記情報管理装置が、前記検索条件において、前記絞込用キーワードを前記キーワードに対するAND条件とするか否か、前記絞込用キーワードを前記キーワードに対するNOT条件とするか否か、を前記検索者に選択させる選択操作を受け付けた上で、前記検索処理を実行する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、膨大な情報の中から所望の情報を効率的に検索することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、実施形態に係る情報検索システムの構成を示すブロック図である。
図2図2は、フォルダ名およびファイル名の基準の一例を示す図である。
図3A図3Aは、区分定義情報記憶部に記憶されている定義情報の一例を示す図である。
図3B図3Bは、区分に属する単語の作成体系(定義)の一例を示す図である。
図4A図4Aは、情報種類判断用辞書に格納された情報種類判断用キーワードの一例を示す図である。
図4B図4Bは、キーワード辞書に格納されたキーワードの一例を示す図である。
図5図5は、本発明の一実施形態である情報検索処理の流れを示すフローチャートである。
図6A図6Aは、実施形態に係る情報検索方法において、表示装置に表示される第1画面の一例を示す図である。
図6B図6Bは、実施形態に係る情報検索方法において、表示装置に表示される第2画面の一例を示す図である。
図6C図6Cは、実施形態に係る情報検索方法において、表示装置に表示される第3画面の一例を示す図である。
図6D図6Dは、実施形態に係る情報検索方法において、検索キーワードと、検索者により選択された区分に属する各単語(絞込用キーワード)との相関度の一例を示す図である。
図6E図6Eは、実施形態に係る情報検索方法において、表示装置に表示される第4画面の一例を示す図である。
図6F図6Fは、実施形態に係る情報検索方法において、表示装置に表示される第5画面の一例を示す図である。
図6G図6Gは、実施形態に係る情報検索方法において、表示装置に表示される第6画面の一例を示す図である。
図6H図6Hは、実施形態に係る情報検索方法において、表示装置に表示される第7画面の一例を示す図である。
図6I図6Iは、実施形態に係る情報検索方法において、表示装置に表示される第8画面の一例を示す図である。
図7A図7Aは、実施形態に係る情報検索方法において、表示装置に表示される第9画面の一例を示す図である。
図7B図7Bは、実施形態に係る情報検索方法において、表示装置に表示される第10画面の一例を示す図である。
図7C図7Cは、実施形態に係る情報検索方法において、表示装置に表示される第11画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態に係る情報検索システムおよび情報検索方法について説明する。なお、以下では、検索対象の情報の一例として、製造業における設備保全業務情報について説明する。以降の説明で単に「情報」または「データ」というときは「設備保全業務情報」を示すものとする。
【0014】
〔情報検索システム〕
実施形態に係る情報検索システムの構成について、図1図4Bを参照しながら説明する。実施形態に係る情報検索システムは、図1に示すように、情報を管理する情報管理装置10と、検索対象となる複数の設備保全業務情報を格納するデータベース12と、複数のファイルサーバー14と、検索者側端末20と、を備えている。
【0015】
情報管理装置10、データベース12、複数のファイルサーバー14および検索者側端末20は、それぞれネットワーク18を介して接続されている。ネットワーク18は、例えばLAN(Local Area Network)等の利用者の所属する組織(会社)が管理する通信網である。但し、ネットワーク18は、インターネット等の公衆通信網の他、WAN(Wide Area Network)やVAN(Virtual Private Network)のような一般公衆回線を一部に介在させた通信網であってもよい。
【0016】
情報管理装置10および検索者側端末20は、それぞれコンピュータとプログラムとによって実現されている。検索者側端末20としては、例えばスマートフォン等の携帯端末、パーソナルコンピュータ、タブレット型コンピュータ等が挙げられる。この検索者側端末20には、例えばキーボードやマウス等の入力装置22と、ディスプレイ等の表示装置24とが、接続または一体化されている。
【0017】
データベース12内には、各ファイルサーバー14に格納された報告書やマニュアル等の文書や図面、写真等が集約されて格納されている。データベース12に格納される情報には、装置等の故障や不具合とその原因、更にはその対処法等の作業標準やマニュアル等の情報が含まれる。本実施形態におけるファイルサーバー14は、特定の設備が複数の地域(例えば複数国、複数県)に存在していることを想定し、地域ごとに設置されている。
【0018】
情報管理装置10は、検索者によって入力された検索キーワードと、当該検索キーワードに対する相関分析により抽出された1または2以上の絞込用キーワードとを含む検索条件に基づき検索処理を実行し、データベース12から検索条件に合致する情報を検索する。
【0019】
情報管理装置10は、情報登録部110と、情報検索部120と、各種記憶部(キーワード辞書50、区分定義情報記憶部52、検索情報記憶部54、情報種類判断用辞書56)と、を有している。なお、本実施形態では、登録機能と検索機能とを果たす構成が、情報登録部110と情報検索部120とに分かれているが、両者は単一の構成であってもよい。
【0020】
情報登録部110は、上記したような登録機能、より具体的には、各ファイルサーバー14に格納された情報をデータベース12に格納する処理を実行可能に構成されている。また、情報登録部110は、情報連携部112と、情報処理部114と、格納処理部116と、を備えている。
【0021】
情報連携部112は、データベース12に格納された情報と、各ファイルサーバー14に格納された情報との連携を、定期的または不定期に自動的に実行する。情報連携部112は、例えばデータベース12に格納されていない新たなデータがファイルサーバー14に格納されているときに、当該新たなデータを、ネットワーク18を介して取得する。
【0022】
情報処理部114は、情報連携部112によって取得されたデータに所定のデータ処理を施す。情報処理部114は、このデータ処理として、データに情報種類情報を付加する。また、情報種類情報とは、文書がどの情報種類に属するかを示す情報である。
【0023】
情報処理部114は、例えばデータが格納されていたフォルダ名、データのファイル名等によって、当該データの情報種類を特定する。図2は、各ファイルサーバー14に用意されているフォルダ名や、各フォルダに格納されるデータのファイル名を規定する基準の一例を示している。
【0024】
情報種類をフォルダによって特定する場合、情報処理部114は、例えば図2を参照し、「故障報告書」のフォルダに格納されていたデータの情報種類を“故障事例”とする。また、情報処理部114は、「作業標準書」、「作成手順書」および「安全資料」のフォルダに格納されていたデータの情報種類を“マニュアル”とし、「保全ノウハウ」のフォルダに格納されていたデータの情報種類を“保全ノウハウ”とする。また、情報処理部114は、「図面」のフォルダに格納されていたデータの情報種類を“図面”とし、「整備台帳」のフォルダに格納されていたデータの情報種類を“整備台帳”とし、「操業標準」のフォルダに格納されていたデータの情報種類を“操業標準”とする。
【0025】
情報処理部114が情報種類をファイル名によって特定する場合、例えば図2のファイル作成基準に基づいてデータの作成者によってファイル名が作成されるため、このファイル名に基づいて、当該データが“故障事例”に属するといった特定を行う。
【0026】
情報処理部114は、更にデータ処理として、区分定義情報記憶部52に記憶されている区分情報に基づいて、データに区分情報を付与する。図3Aは、区分定義情報記憶部52に記憶されている区分情報の一例を示している。この区分情報では、図3Bに示した基準に基づいて、特定の単語が複数の区分のうちのいずれの区分に属するのかが定義されている。
【0027】
図3Aでは、例えば単語“abc”が“状態”の区分に属すること、区分情報として“D51”が割り当てられていることが示されている。そのため、例えば取得したデータ内に“abc”の単語が含まれる場合、単語“abc”に割り当てられた区分情報“D51”が、当該データに付与される。図1に戻り、残りの構成の説明を続ける。
【0028】
格納処理部116は、情報処理部114によってデータ処理されたデータを、データベース12に格納する。その際、格納処理部16は、格納するデータを情報種類ごとに分けてデータベース12に格納する(図1参照)。
【0029】
データベース12に格納される情報は、情報種類に対応する種類別に、複数のグループA,B,C・・・に予め分けられている。例えば、図1に示したデータベース12において、第1情報種類のグループAには「故障事例」に関する情報が格納され、第2情報種類のグループBには「マニュアル」に関する情報が格納され、第3情報種類のグループCには「図面」に関する情報が格納されている。また、同図では図示を省略しているが、第4情報種類のグループD、第5情報種類のグループE、第6情報種類のグループFには、それぞれ「保全ノウハウ」、「整備台帳」、「操業標準」に関する情報が格納されている。
【0030】
情報検索部120は、検索者側端末20からの検索指示に基づいて、データベース12から特定の設備保全情報を検索、抽出する。情報検索部120は、質問受付部121と、言語処理部122と、検索候補キーワード読出部123と、情報種類判断部124と、区分情報受付部125と、相関算出部126と、絞込用キーワード提示部127と、検索実行部130と、を備えている。
【0031】
質問受付部121は、検索者によって検索者側端末20の入力装置22を介して入力された質問を、ネットワーク18を経由して受け付ける。質問の入力形式は特に限定されず、例えば一以上の単語が入力されてもよく、あるいは自然言語形式の文章が入力されてもよい。検索者側端末20からは、例えば「AA設備でBB装置が故障したときの対処は?」といった文章や、「AA装置 BB装置」といった複数の単語をスペースで区切った質問が入力される。
【0032】
言語処理部122は、質問受付部121で受け付けた質問に対して、既知の形態素解析等の言語処理を行うことにより、単語(自立語)を抽出する。
【0033】
言語処理部122は、具体的には、入力された質問の中から、後に検索に使用する入力検索キーワードと、検索意図(目的)である情報種類を判断するために用いる情報種類判断用キーワードとを抽出する。例えば上記のように、「AA設備でBB装置が故障したときの対処は?」との質問文章が入力された場合、言語処理部122は、「AA設備」および「BB装置」を入力検索キーワードとして抽出する。
【0034】
また、言語処理部122は、質問受付部121で受け付けた質問における文脈を考慮して、肯定形と否定形とを判別して入力検索キーワードを抽出する。例えば上記質問に「焼損」という単語が含まれる場合、「焼損である」または「焼損でない」のどちらかを判別した上で、入力検索キーワードとして抽出する。
【0035】
また、言語処理部122は、情報種類判断用辞書56(図4A参照)を参照して、情報種類判断用辞書56内に登録された単語と一致する単語を、情報種類判断用キーワードとして抽出する。例えば上記のように、「AA設備でBB装置が故障したときの対処は?」との質問文章が入力された場合、言語処理部122は、「故障」および「対処」という用語を情報種類判断用キーワードとして抽出する。
【0036】
続いて、検索候補キーワード読出部123の前にキーワード辞書50について説明する。このキーワード辞書50には、関連するキーワード同士が互いに対応付けされて予め登録、格納されている。
【0037】
キーワード辞書50には、例えば互いに同義のキーワード同士が、互いに対応付けされて登録されている。また、キーワード辞書50には、互いに類義のキーワード同士が、互いに対応付けされて登録されている。但し、キーワード辞書50には、互いに同義のキーワードだけを登録してもよいし、互いに類義のキーワードだけを登録してもよい。
【0038】
図4Bは、キーワード辞書50に予め登録されたキーワードの一例を示している。同図では、同じ行(横列)に属するキーワード同士が互いに関連するキーワードであり、互いに対応付けされている。
【0039】
検索候補キーワード読出部123は、言語処理部122が入力検索キーワードを抽出する度にキーワード辞書50を参照し、入力検索キーワードに関連するキーワードを検索候補キーワードとして読み出す。
【0040】
例えば上記のように、入力検索キーワードが「AA設備」である場合、検索候補キーワード読出部123は、図4Bに示したキーワード辞書50を一致検索する。そして、「AA設備」が含まれる行(同図では第1行目)に属する他の全てキーワードを、または指定のある場合(例えば同義語のみ)には指定されたキーワードを、検索候補キーワードとして読み出す。
【0041】
この例では、「AA設備」の同義語として「〇〇設備」、「A’A’設備」、「A”A”」が、「AA設備」の類義語として「aaa」、「a’a’a’」が読み出される。また、「BB装置」についても同様に、図4Bの第2行目を参照して、関連したキーワードが検索候補キーワードとして読み出される。
【0042】
続いて、情報種類判断部124の前に検索情報記憶部54について説明する検索情報記憶部54は、言語処理部122によって抽出された入力検索キーワードおよび情報種類判断用キーワードと、検索候補キーワード読出部123によって読み出された検索候補キーワードとを、検索キーワードとして記憶する。検索情報記憶部54は、例えば質問が追加的に入力され、追加の検索キーワードが抽出される(読み出される)度に、当該検索キーワードを累積的に記憶する。
【0043】
情報種類判断部124は、質問から抽出された情報種類判断用キーワードに基づいて、検索者の検索意図を示す情報種類を判断する。情報種類判断部124は、具体的には、図4Aに示した情報種類判断用辞書56を参照して、情報種類判断用キーワードに基づいて、検索すべき情報種類を判断する。
【0044】
情報種類判断用辞書56には、質問から抽出されることが想定される情報種類判断用キーワードと、それに対応する情報種類とが対応付けされた状態で予め登録されている。図4Aの情報種類判断用辞書56には、「故障」、「類似例」および「対処」という情報種類判断用キーワードに対して、情報種類の「故障事例」が予め対応付けされた状態で登録されている。また、同図の情報種類判断用辞書56では、「故障の種類」および「交換手順」という情報種類判断用キーワードに対して、情報種類の「マニュアル」が予め対応付けされた状態で登録されている。なお、同図では図示を省略したが、図2に示した情報種類「保全ノウハウ」、「図面」、「整備台帳」、「操業標準」についても、それぞれ情報種類判断用キーワードが登録されている。
【0045】
区分情報受付部125は、絞込用キーワードの属する区分を選択可能に表示する。例えば上記の例では、グループA「故障事例」に属する情報に対して、「AA設備」と「BB装置」(同義語、類義語も含む)という検索キーワードで検索することとなるが、その検索結果が膨大な数となりうる。そこで、区分情報受付部125(および後記する相関算出部126および絞込用キーワード表示部)は、検索結果を絞り込むために、検索者が絞込用キーワードを追加または除外する支援を行う。
【0046】
区分情報受付部125は、複数の区分を選択可能に表示する。区分情報受付部125は、具体的には、「ライン」、「設備」、「装置」、「部品」、「状態」、「原因」を含む複数の区分から、いずれかの区分を選択できるように、例えばプルダウンメニューによって表示する(後記する図6C参照)。
【0047】
相関算出部126は、検索キーワードと、区分情報受付部125において検索者によって選択された区分に属する各単語との相関度を算出する。相関算出部126は、例えば同一の報告書やマニュアル等において、検索キーワードと、区分に属する各単語とが同時に記載されている頻度に基づいて、相関度を算出することができる。また、相関算出部126は、検索情報記憶部54に記憶される検索キーワードとして検索キーワードと区分に属する各単語が組み合わされた回数に基づいて、相関度を算出することができる。
【0048】
なお、検索キーワードが複数ある場合には、検索者の選択により、その一部または全ての検索キーワードについて、相関度が算出される。なお、上記の「検索キーワード」とは、具体的には、言語処理部122が抽出した入力検索キーワードと、検索候補キーワード読出部123が読み出した検索候補キーワードとを示している。
【0049】
絞込用キーワード提示部127は、区分情報受付部125において検索者により選択された区分に属する各単語(以下、「絞込用キーワード」という)を、検索条件に追加するか否かを、検索者に選択可能に提示する。すなわち、絞込用キーワード提示部127は、データベース12の検索条件において、上記の絞込用キーワードを、検索キーワードに対するAND条件とするか否か、上記の絞込用キーワードを検索キーワードに対するNOT条件とするか否か、を検索者に選択させる選択操作を受け付ける(後記する図6E図6G参照)。この選択操作には、具体的には、(1)絞込用キーワードを検索キーワードに対するAND条件とする、(2)NOT条件とする、(3)AND条件にもNOT条件にもしない(スキップする)、の3パターンが含まれる。
【0050】
なお、上記の絞込用キーワードは、肯定形と否定形とが区別された単語である。例えば「焼損」に関する絞込用キーワードは、「焼損である」または「焼損でない」のいずれかとなる。
【0051】
ここで、相関算出部126における処理を通じて、絞込用キーワードとして、検索キーワードに対する相関度がこの順に高い第1の絞込用キーワードと、第2の絞込用キーワードとを含む複数の絞込用キーワードが抽出される場合もある(後記する図6D参照)。例えば図6Dの例では、第1の絞込用キーワードは“abc”であり、第2の絞込用キーワードは“def”である。
【0052】
この場合、絞込用キーワード提示部127は、検索キーワードに対する相関度が相対的に高い第1の絞込用キーワード、第2の絞込用キーワードの順に、これらを検索キーワードに対するAND条件とするか否か、これらを検索キーワードに対するNOT条件とするか否か、に関する選択操作を受け付ける(後記する図6E図6F参照)。この選択操作には、具体的には、(1)第1、第2の絞込用キーワードを検索キーワードに対するAND条件とする、(2)NOT条件とする、(3)AND条件にもNOT条件にもしない(スキップする)、の3パターンが含まれる。
【0053】
また、絞込用キーワード提示部127は、検索者によって第1の絞込用キーワードをAND条件とするか否か、NOT条件とするか否かが選択された際に、仮の検索処理(仮検索処理)を実行する。そして、絞込用キーワード提示部127は、検索条件に合致するデータの件数が、所定の閾値を下回った場合、第2の絞込用キーワードに対する選択操作を受け付けない。すなわち、絞込用キーワード提示部127は、第1の絞込用キーワードを追加または除外して仮検索を行った結果、検索結果が十分に少なくなった場合は、第2の絞込用キーワードを検索条件に追加するか否かを選択させる画面(後記する図6F)を表示させない。
【0054】
検索実行部130は、データベース12に格納された情報に対して、検索情報記憶部54に記憶された検索キーワードと、検索者によって選択された絞込用キーワードとの、テキストベースの一致検索処理を行う。また、検索実行部130は、データベース12内の複数のグループA,B,C・・・のうち、情報種類判断部124によって判断された情報種類に対応するグループ内の情報に対して、上記の一致検索処理を行う。
【0055】
〔情報検索方法〕
実施形態に係る情報検索システムが実行する情報検索方法について、図5図7Cを参照しながら説明する。図5は、実施形態に係る情報検索方法の流れを示すフローチャートである。また、図6A図7Cは、検索者側端末20の表示装置24に表示される画面であり、実施形態に係る情報検索システムを使用するためのアプリケーション画面の一例である。実施形態に係る情報検索方法は、例えば検索者側端末20において、検索者が上記アプリケーションを起動したときに開始される。
【0056】
まず、質問受付部121は、質問を受け付けたか否かを判定する(ステップS101)。例えば検索者がアプリケーションを起動すると、表示装置24には図6Aに示すような画面が表示される。そして、検索者によって、入力装置22を介して検索スペース200に質問が入力され、送信アイコン201が選択(例えばクリック)されると、質問受付部121は質問を受け付ける。
【0057】
本例では、例えば質問受付部121が、「AA設備でBB装置が故障したときの対処は?」という質問文章を受け付けた場合を例に説明する。なお、画面の下方には、履歴表示領域300が設けられており、過去に検索スペース200に入力された質問が全部またはその一部を複製可能に構成されている。
【0058】
ステップS101において、質問受付部121が質問を受け付けた場合(ステップS101でYes)、ステップS102に進み、質問を受け付けなかった場合(ステップS101でNo)、ステップS101に戻る。
【0059】
続いて、言語処理部122は、質問受付部121で受け付けた質問文章に対して形態素解析等の自然言語処理を行うことにより、単語(自立語)を抽出する(ステップS102)。本例において、言語処理部122は、例えば「AA設備でBB装置が故障したときの対処は?」という質問文章から、「AA設備」、「BB装置」、「故障」、「対処」が抽出される。
【0060】
続いて、言語処理部122は、言語処理により抽出された単語から、入力検索キーワードと、情報種類判断用キーワードとを抽出(選択)する(ステップS103)。本例において、言語処理部122は、例えば「AA設備」、「BB装置」を入力検索キーワードとして抽出し、「故障」、「対処」を情報種類判断用キーワードとして抽出する。
【0061】
続いて、検索候補キーワード読出部123は、キーワード辞書50(図4B参照)を参照して、入力検索キーワードに関連したキーワードを検索候補キーワードとして読み出す(ステップS104)。本例において、検索候補キーワード読出部123は、ステップS103で抽出された入力検索キーワードの「AA設備」が属する同義語および類義語と、「BB装置」が属する同義語および類義語とを、検索候補キーワードとして読み出す。
【0062】
続いて、検索情報記憶部54は、入力検索キーワードと、検索候補キーワード読出部123で読み出された検索候補キーワードとを記憶する(ステップS105)。本例において、検索情報記憶部54は、「AA設備」および「BB装置」と、それらの同義語および類義語とを記憶する。
【0063】
続いて、情報種類判断部124は、ステップS103で抽出した情報種類判断用キーワードと、情報種類判断用辞書56(図4A参照)とに基づいて、情報種類(検索意図)を判断する(ステップS106)。本例において、情報種類判断部124は、「故障」および「対処」に対応付けられた「故障事例」を、情報種類と判断する。
【0064】
続いて、情報検索部120は、検索者側端末20を介して、例えば図6Bに示すように、検索期間、情報種類、検索キーワード、区分情報を表示装置24に表示する(ステップS107)。なお、上記の「検索キーワード」とは、具体的には、言語処理部122が抽出した入力検索キーワードと、検索候補キーワード読出部123が読み出した検索候補キーワードとを示している。
【0065】
図6Bに示した画面において、情報種類、検索キーワードおよび区分情報は、選択可能に表示されており、検索者は必要に応じて適宜変更することが可能である。また、検索期間として任意の期間を設定することが可能であり、期間の指定がない場合は、全期間を対象に検索を実行することができる。また、検索キーワードは、各キーワードの前にあるチェックボックスからチェックを外すことにより、検索対象から外すことができる。
【0066】
検索キーワードの表示領域には、単語要望アイコン203が選択可能に表示されており、検索キーワードとして表示されているキーワードに類似する他のキーワードの追加や削除を要望することができる。また、区分情報は、初期状態では「指定なし」が選択されているが、入力装置22を用いて当該箇所を操作することにより、例えば図6Cに示すようにプルダウンメニューが表示され、所望の区分を選択することができる。本例では、例えば情報種類および入力検索キーワードには変更がなく、区分情報が「指定なし」から「状態」に変更された場合を例に説明する。
【0067】
ステップS107において、区分情報が「指定なし」から他の区分に変更されることにより、区分情報受付部125が「指定なし」以外の区分を受け付けると(ステップS108でYes)、ステップS109に進む。一方、区分情報が指定なしであれば(ステップS108でNo)、ステップS112に進む。
【0068】
続いて、相関算出部126は、ステップS107において検索者が選択した検索キーワードと、区分情報受付部125が受け付けた区分に属する各単語との相関度を算出するステップS109)。本例において、相関算出部126は、例えば図6Dに示すように、「AA設備」および「BB装置」の双方のキーワードと、区分「状態」に属する各単語(abc,def,…)との相関度を算出する。
【0069】
続いて、絞込用キーワード提示部127は、検索者側端末20を介して、検索キーワードとの相関度がN番目(初回はN=1)に高い絞込用キーワードを、検索条件の設定候補とともに表示装置24に表示する(ステップS110)。なお、上記の「絞込用キーワード」とは、例えば図6Dに示すような、区分「状態」に属する各単語(abc,def,…)のことを示している。
【0070】
続いて、絞込用キーワード提示部127は、検索者によって選択された検索条件に基づき仮検索を実行する(ステップS111)。続いて、絞込用キーワード提示部127は、所定条件が成立したか否かを判定し(ステップS112)、所定条件が成立した場合はステップS113に進み、所定条件が成立しない場合はステップS110に戻り、「N=N+1」とする。上記の「所定条件」とは、絞込用キーワードを検索者に提示するか否かの条件である。所定条件としては、相関のある絞込用キーワードがない場合、仮検索を行った際の検索HIT数が数十件(例えば50件等)以下となった場合、等が挙げられる。
【0071】
以下、ステップS110~S112の処理の詳細について説明する。絞込用キーワード提示部127は、例えば図6Eに示すように、検索キーワードとの相関度が“1”番目に高い絞込用キーワードである“abc”を、除外条件(NOT条件)とするか否か、追加条件(AND条件)とするか否かを、選択可能に提示する。また、同図の画面では、検索キーワードのみで仮検索を行った場合の現在の検索HIT数、「除外キーワード設定」、「追加キーワード設定」および「スキップ」のアイコン等が表示される。この「スキップ」のアイコンは、絞込用キーワードを除外も追加もしない場合に選択するボタンである。本例では、絞込用キーワード“abc”が追加キーワードに設定された場合を例に説明する。
【0072】
続いて、絞込用キーワード提示部127は、検索キーワードと、追加キーワード“abc”とに基づいて仮検索を実行する。そして、絞込用キーワード提示部127は、例えば図6Fに示すように、検索キーワードとの相関度が“2”番目に高い絞込用キーワードである“def”を、除外条件(NOT条件)とするか否か、追加条件(AND条件)とするか否かを、選択可能に提示する。本例では、絞込用キーワード“def”が除外キーワードに設定された場合を例に説明する。
【0073】
続いて、絞込用キーワード提示部127は、検索キーワードと、追加キーワード“abc”と、除外キーワード“def”とに基づいて仮検索を実行する。そして、絞込用キーワード提示部127は、例えば図6Gに示すように、検索キーワードとの相関度が“3”番目に高い絞込用キーワードである“ghi”を、除外条件(NOT条件)とするか否か、追加条件(AND条件)とするか否かを、選択可能に提示する。本例では、絞込用キーワード“ghi”が除外キーワードに設定された場合を例に説明する。絞込用キーワード提示部127は、図6E図6Gに示すような絞込用キーワードの提示を、上記の所定条件が成立するまで繰り返し実行する。
【0074】
このように、実施形態に係る情報検索システムでは、検索結果数が所定数以下となるまで、検索者に絞込用キーワードの追加または除外を提案することにより、データベース12に格納された情報の絞り込みを容易かつ視覚的に分かりやすく行うことができる。
【0075】
続いて、絞込用キーワード提示部127は、検索者側端末20を介して、例えば図6Hに示すように、情報種類、検索キーワード、区分情報、絞込用キーワード(追加キーワード、除外キーワード)を表示装置24に表示する(ステップS113)。なお、この段階においても、追加キーワードや除外キーワードの前にあるチェックボックスからチェックを外すことにより、検索対象から外すことができる。
【0076】
続いて、検索実行部130は、表示装置24に表示された画面において、検索アイコン202(図6H参照)が選択された場合に、データベース12に格納された情報に対して検索処理を実行する(ステップS114)。検索実行部130は、具体的には、データベース12において、選択された情報種類に対応するグループに属する情報に対して、入力検索キーワード、検索候補キーワード、絞込用キーワードに基づいて、テキストベースの一致検索処理を実行する。
【0077】
続いて、検索実行部130は、例えば図6Iに示すように、検索結果を検索者側の表示装置24に表示し(ステップS115)、本処理を完了する。
【0078】
ここで、図6E図6Gでは、検索キーワードとの相関度が高い順に、絞込用キーワードを除外条件とするか否か、追加条件とするか否かを順番に検索者に提示していたが、提示の仕方はこれに限定されない。例えば図7A図7Cに示すように、複数の絞込用キーワードと、当該絞込用キーワードの検索キーワードに対する相関度と、これらの絞込用キーワードを追加または除外するためのチェックボックスとを提示してもよい。
【0079】
この場合、絞込用キーワード提示部127は、検索者によっていずれかの絞込用キーワードが追加または除外されると、その条件で仮検索を行い、当該仮検索を行った場合の現在の検索HIT数を画面上に表示する。例えば図7Aの例では、絞込用キーワード“abc”を追加した場合の検索HIT数が「×××××件」であるが、図7Bに示すように、更に絞込用キーワード“def”を除外することにより、検索HIT数が「××××件」まで減少する。そして、図7Cに示すように、更に絞込用キーワード“ghi”を除外することにより、検索HIT数が「×××件」まで減少する。
【0080】
また、図7A図7Cの各画面の「キーワードに追加」のアイコンは、チェックボックスで選択した単語を追加キーワードまたは除外キーワードとして登録するためのものである。例えば図7Aのように、“abc”が追加のチェックボックスで選択された状態で「キーワードに追加」のアイコンが押されると、“abc”が追加キーワードとして正式に登録され、図6Hの画面に遷移する。また、例えば図7Bおよび図7Cのように、“def”、“ghi”が除外のチェックボックスで選択された状態で「キーワードに追加」のアイコンが押されると、“def”、“ghi”が除外キーワードとして正式に登録され、図6Hの画面に遷移する。
【0081】
また、図7A図7Cの各画面の「スキップ」のアイコンは、各単語の選択をスキップするためのものである。例えば図7Aのように“abc”を追加または除外できる状態(“abc”の行が強調表示されている状態)で「スキップ」のアイコンが押されると、“abc”の追加または除外がスキップされる。そして、その下段の“def”の行が強調表示され、“def”を追加または除外できる状態に移行する。また、例えば図7Bのように“def”を追加または除外できる状態(“def”の行が強調表示されている状態)で「スキップ」のアイコンが押されると、“def”の追加または除外がスキップされる。そして、その下段の“ghi”の行が強調表示され、“ghi”を追加または除外できる状態に移行する。また、例えば図7Cのように“ghi”を追加または除外できる状態(“ghi”の行が強調表示されている状態)で「スキップ」のアイコンが押されると、“ghi”の追加または除外がスキップされる。そして、図6Hの画面に遷移する。
【0082】
このように、実施形態に係る情報検索システムでは、絞込用キーワードを追加または除外した場合の検索結果数を提示し、検索者に絞込用キーワードの追加または除外を提案することにより、データベース12に格納された情報の絞り込みを容易かつ視覚的に分かりやすく行うことができる。
【0083】
以上説明した実施形態に係る情報検索方法および情報検索システムでは、検索者が入力した質問から入力検索キーワードを抽出し、更に、相関分析によって抽出した絞込用キーワードをAND条件とするか否か、NOT条件とするか否かを検索者に選択させる。これにより、データベース12に格納された膨大な情報の中から、所望の情報を効率的に検索することができる。その結果、例えば故障や不具合等が発生した場合に、検索者がその状況を文章として入力し、データベース12から、効率よく過去の事例等の参考になる情報を検索し、検索された情報に基づいて、検索者が迅速に設備の故障復旧作業を行うことができる。
【0084】
また、実施形態に係る情報検索方法および情報検索システムでは、相関度の高い絞込用キーワードを除外可能とすることにより、検索結果数を効率的に絞ることができる。従って、過去に類似の事例が多いような場合においても、目的とする情報を的確に探し当てることができる。
【0085】
以上、本発明に係る情報検索方法および情報検索システムについて、発明を実施するための形態および実施例により具体的に説明したが、本発明の趣旨はこれらの記載に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて広く解釈されなければならない。また、これらの記載に基づいて種々変更、改変等したものも本発明の趣旨に含まれることはいうまでもない。
【0086】
例えば上記の実施形態では、製造業における設備保全業務情報を検索する場合の例について説明したが、本発明はこれに限定されることはない。本発明に係る情報検索方法および情報検索システムは、例えば病気の症状に応じた対処方法や病名を示す情報、車等の機械類に表示されているエラー名や状態に応じた対処方法を示す情報等、Q&A(Question & Answer)情報全般に適用することができる。
【0087】
また、上記の実施形態では、検索キーワードに対する相関度の算出を一度のみ行い(図5のステップS109参照)、当該相関度が1~3番目に高い絞込用キーワードについて、順次問いかけを行っているが(図6E図6G参照)、相関度を複数回算出してもよい。この場合、絞込用キーワード提示部127は、検索キーワードに対する複数の絞込用キーワードの相関度(図6D参照)を算出し、そのうちの最も相関度の高い絞込用キーワードを追加または除外するか否かを、表示装置24を通じて提示する。
【0088】
検索者によって当該絞込用キーワードの追加または除外が選択されると、絞込用キーワード提示部127は、その条件のもとで相関度を再度算出し、そのうちの最も相関度の高い絞込用キーワードを追加または除外するか否かを、表示装置24を通じて提示する。そして、絞込用キーワード提示部127は、上記の所定条件が成立するまで、相関度の算出と絞込用キーワードの提示とを繰り返す。このように、絞込用キーワードを提示する度に相関度の算出を行うことにより、検索精度を向上させることができる。
【符号の説明】
【0089】
10 情報管理装置
12 データベース
14 ファイルサーバー
18 ネットワーク
20 検索者側端末
22 入力装置
24 表示装置
50 キーワード辞書
52 区分定義情報記憶部
54 検索情報記憶部
56 情報種類判断用辞書
110 情報登録部
112 情報連携部
114 情報処理部
116 格納処理部
120 情報検索部
121 質問受付部
122 言語処理部
123 検索候補キーワード読出部
124 情報種類判断部
125 区分情報受付部
126 相関算出部
127 絞込用キーワード提示部
130 検索実行部
図1
図2
図3A
図3B
図4A
図4B
図5
図6A
図6B
図6C
図6D
図6E
図6F
図6G
図6H
図6I
図7A
図7B
図7C