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特開2024-98675圧力センサのキャラクタリゼーション用モジュール
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024098675
(43)【公開日】2024-07-24
(54)【発明の名称】圧力センサのキャラクタリゼーション用モジュール
(51)【国際特許分類】
   G01L 27/00 20060101AFI20240717BHJP
【FI】
G01L27/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023002305
(22)【出願日】2023-01-11
(71)【出願人】
【識別番号】000006666
【氏名又は名称】アズビル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】津嶋 鮎美
(72)【発明者】
【氏名】中園 茉友子
【テーマコード(参考)】
2F055
【Fターム(参考)】
2F055AA40
2F055BB05
2F055CC02
2F055DD20
2F055EE40
2F055FF01
2F055GG12
2F055GG25
2F055HH01
2F055HH08
(57)【要約】
【課題】キャラクタリゼーションで温度を一定にする対象物の熱容積が小さい状態でキャラクタリゼーションを行うことが可能な圧力センサのキャラクタリゼーション用モジュールを提供する。
【解決手段】基板34の第1の面34a上に載置されたセンサパッケージ41を有し、基板34の第1の面34aの反対側に突出したのち屈曲して先端に第1、第2のワッシャ63,64が設けられた第1、第2の導圧パイプ61,62を有する圧力センサ12を収容する。基板34の周縁部と係合して基板34の第1の面34a側を覆う基板カバー16を備える。第1、第2のワッシャ63,64を挿通するとともに、外部からの流体圧力が伝達されることを可能とする第9、第10の貫通孔82,83(ワッシャ挿通孔)とを有し、かつ、基板34を挟んで基板カバー16と反対側に設置され基板34を保持する基板ホルダ35を備える。
【選択図】 図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板の第1の面上に載置されたセンサパッケージを有しかつ前記センサパッケージから前記基板に形成された切欠き又は孔を通して前記基板の第1の面の反対側に突出したのち屈曲して前記基板の第1の面の反対側の第2の面に対して平行に延伸して先端にワッシャが設けられた圧力導入パイプを有する圧力センサを収容し、この圧力センサのキャラクタリゼーションを行うために用いられる圧力センサのキャラクタリゼーション用モジュールであって、
前記基板の周縁部と係合して前記基板の第1の面側を覆う基板カバーと、
前記圧力導入パイプの前記ワッシャを挿通するとともに、外部からの流体圧力が前記圧力導入パイプに伝達されることを可能とするワッシャ挿通孔を有し、かつ、前記基板を挟んで前記基板カバーと反対側に設置され前記基板を保持する基板ホルダと
を備えたことを特徴とする圧力センサのキャラクタリゼーション用モジュール。
【請求項2】
請求項1に記載の圧力センサのキャラクタリゼーション用モジュールにおいて、
前記基板カバー、前記基板、および、前記基板ホルダは、前記基板カバー、前記基板、および、前記基板ホルダを貫通する貫通孔に挿入される締結部材により結合されて一体化される
ことを特徴とする圧力センサのキャラクタリゼーション用モジュール。
【請求項3】
請求項2に記載の圧力センサのキャラクタリゼーション用モジュールにおいて、
前記締結部材は、前記基板カバーと、前記基板と、前記基板ホルダとの一端部どうしを結合しており、
前記基板カバーの他端側で前記基板を厚み方向の両側から挟んで保持する第1のストッパー部と、
前記基板ホルダの他端側で前記基板の前記第2の面に当接する第2のストッパー部とを有していることを特徴とする圧力センサのキャラクタリゼーション用モジュール。
【請求項4】
請求項3に記載の圧力センサのキャラクタリゼーション用モジュールにおいて、
前記基板カバーと前記基板ホルダとには、前記圧力センサが搭載される圧力測定装置に形成された内周面に嵌合する嵌合部が形成されていることを特徴とする圧力センサのキャラクタリゼーション用モジュール。
【請求項5】
請求項1に記載の圧力センサのキャラクタリゼーション用モジュールにおいて、
前記基板カバーと前記基板ホルダは一体成形され、
前記基板は前記基板カバーと前記基板ホルダ間に形成された溝部に一端部を装着して保持されることを特徴とする圧力センサのキャラクタリゼーション用モジュール。
【請求項6】
請求項5に記載の圧力センサのキャラクタリゼーション用モジュールにおいて、
前記基板カバーと前記基板ホルダとには、前記圧力センサが搭載される圧力測定装置に形成された内周面に嵌合する嵌合部が形成されていることを特徴とする圧力センサのキャラクタリゼーション用モジュール。
【請求項7】
請求項1~6の何れか一つに記載の圧力センサのキャラクタリゼーション用モジュールにおいて、
前記基板ホルダの底面には、キャラクタリゼーション装置のステージ部上面に形成された凸部または凹部と係合して前記ステージ部上の位置決めを行うための凹部または凸部を有する位置決め部が設けられていることを特徴とする圧力センサのキャラクタリゼーション用モジュール。
【請求項8】
請求項7に記載の圧力センサのキャラクタリゼーション用モジュールにおいて、
前記基板の第2の面側および前記基板ホルダを覆うとともに前記基板カバーと結合して保護ハウジングを形成する保護ケースを更に設けたことを特徴とする圧力センサのキャラクタリゼーション用モジュール。
【請求項9】
請求項8に記載の圧力センサのキャラクタリゼーション用モジュールにおいて、
前記保護ケースの底面には前記基板ホルダの底面に設けられた前記位置決め部を露出させる開口が形成されていることを特徴とする圧力センサのキャラクタリゼーション用モジュール。
【請求項10】
請求項9に記載の圧力センサのキャラクタリゼーション用モジュールにおいて、
前記保護ケースの天井面には前記基板ホルダの底面に設けられた前記位置決め部を垂直に投影した対向部位に開口が形成されていることを特徴とする圧力センサのキャラクタリゼーション用モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧力センサに対してキャラクタリゼーションを行うために用いる圧力センサのキャラクタリゼーション用モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
工業用の圧力計は、例えば特許文献1に記載されているように、圧力を検出するためにSiなどで構成されるセンサ素子を備えている。この種の圧力計は、製造工程が終了した後、キャラクタリゼーションと呼ばれる補正を行ってから次の工程に送られる。キャラクタリゼーションは、周囲の温度や圧力などの周囲の環境の影響を除去するために行われる。
【0003】
特許文献1に示す圧力測定装置は、図27に示すように、センサ素子1を収容するセンサヘッダー2と、センサヘッダー2を支持する金属ボディ3およびカバー4などを備えている。この圧力測定装置5は、センサ素子1を測定媒体など外部腐食環境から保護するために、センサ素子1をセンサヘッダー2に収容し、さらに、ステンレス鋼などによって形成された金属ボディ3にセンサヘッダー2が内包される構成が採られている。金属ボディ3内の導圧路6には、センサ素子1に圧力を伝達する圧力伝達媒体としてオイル7が封入されている。センサ素子1は、センサヘッダー2内の配線8を介してカバー4の外部出力ピン9に電気的に接続されている。
【0004】
特許文献1に示す圧力測定装置5のセンサヘッダー2は、金属ボディ3およびカバー4に溶接して固定されている。この圧力測定装置5においてセンサ素子1のキャラクタリゼーションは、センサヘッダー2を金属ボディ3およびカバー4に溶接した後に外部出力ピン9にキャラクタリゼーション用の基板(図示せず)を接続して行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2020-187047号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載された圧力測定装置5では、センサヘッダー2が金属ボディ3およびカバー4に溶接された後にセンサ素子1のキャラクタリゼーションが行われる。このため、キャラクタリゼーションを行うにあたっては、金属ボディ3およびカバー4などの温度もセンサ素子と同温度に保持しなければならない。すなわち、特許文献1に示す圧力測定装置5では、キャラクタリゼーションを行う設備が大型化するとともに、キャラクタリゼーションで温度を一定にする対象物の熱容積が大きいために温度安定化に長い時間が必要になるという問題があった。
【0007】
本発明の目的は、キャラクタリゼーションで温度を一定にする対象物の熱容積が小さい状態でキャラクタリゼーションを行うことが可能な圧力センサのキャラクタリゼーション用モジュールを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的を達成するために本発明に係る圧力センサのキャラクタリゼーション用モジュールは、基板の第1の面上に載置されたセンサパッケージを有しかつ前記センサパッケージから前記基板に形成された切欠き又は孔を通して前記基板の第1の面の反対側に突出したのち屈曲して前記基板の第1の面の反対側の第2の面に対して平行に延伸して先端にワッシャが設けられた圧力導入パイプを有する圧力センサを収容し、この圧力センサのキャラクタリゼーションを行うために用いられる圧力センサのキャラクタリゼーション用モジュールであって、前記基板の周縁部と係合して前記基板の第1の面側を覆う基板カバーと、前記圧力導入パイプの前記ワッシャを挿通するとともに、外部からの流体圧力が前記圧力導入パイプに伝達されることを可能とするワッシャ挿通孔を有し、かつ、前記基板を挟んで前記基板カバーと反対側に設置され前記基板を保持する基板ホルダとを備えたものである。
【0009】
本発明は、前記圧力センサのキャラクタリゼーション用モジュールにおいて、前記基板カバー、前記基板、および、前記基板ホルダは、前記基板カバー、前記基板、および、前記基板ホルダを貫通する貫通孔に挿入される締結部材により結合されて一体化されてもよい。
【0010】
本発明は、前記圧力センサのキャラクタリゼーション用モジュールにおいて、前記締結部材は、前記基板カバーと、前記基板と、前記基板ホルダとの一端部どうしを結合しており、前記基板カバーの他端側で前記基板を厚み方向の両側から挟んで保持する第1のストッパー部と、前記基板ホルダの他端側で前記基板の前記第2の面に当接する第2のストッパー部とを有していてもよい。
【0011】
本発明は、前記圧力センサのキャラクタリゼーション用モジュールにおいて、前記基板カバーと前記基板ホルダとには、前記圧力センサが搭載される圧力測定装置に形成された内周面に嵌合する嵌合部が形成されていてもよい。
【0012】
本発明は、前記圧力センサのキャラクタリゼーション用モジュールにおいて、前記基板カバーと前記基板ホルダは一体成形され、前記基板は前記基板カバーと前記基板ホルダ間に形成された溝部に一端部を装着して保持されていてもよい。
【0013】
本発明は、前記圧力センサのキャラクタリゼーション用モジュールにおいて、前記基板ホルダの底面には、キャラクタリゼーション装置のステージ部上面に形成された凸部または凹部と係合して前記ステージ部上の位置決めを行うための凹部または凸部を有する位置決め部が設けられていてもよい。
【0014】
本発明は、前記圧力センサのキャラクタリゼーション用モジュールにおいて、前記基板の第2の面側および前記基板ホルダを覆うとともに前記基板カバーと結合して保護ハウジングを形成する保護ケースを更に設けてもよい。
【0015】
本発明は、前記圧力センサのキャラクタリゼーション用モジュールにおいて、
前記保護ケースの底面には前記基板ホルダの底面に設けられた前記位置決め部を露出させる開口が形成されていてもよい。
【0016】
本発明は、前記圧力センサのキャラクタリゼーション用モジュールにおいて、前記保護ケースの天井面には前記基板ホルダの底面に設けられた前記位置決め部を垂直に投影した対向部位に開口が形成されていてもよい。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係るキャラクタリゼーション用モジュールは、キャラクタリゼーション装置に装着して圧力センサのキャラクタリゼーションを実施することができる。すなわち、圧力センサを圧力測定装置のボディに組付けることなくキャラクタリゼーションを行うことができる。したがって、キャラクタリゼーションを実施する設備の小型化を図ることができ、しかも、キャラクタリゼーションで温度を一定にする対象物の熱容積が小さい状態でキャラクタリゼーションを行うことが可能な圧力センサのキャラクタリゼーション用モジュールを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1図1は、本発明に係る圧力センサのキャラクタリゼーション用モジュールの斜視図である。
図2図2は、保護ケースを外したキャラクタリゼーション用モジュールの分解斜視図である。
図3図3は、保護ケースとキャラクタリゼーション用モジュールの斜視図である。
図4図4は、保護ケースの斜視図である。
図5図5は、基板カバーの斜視図である。
図6図6は、キャラクタリゼーション用モジュールの分解斜視図である。
図7図7は、第1のストッパー部を拡大して示す斜視断面図である。
図8図8は、基板カバーと圧力測定装置のボディとの嵌合部を拡大して示す斜視断面図である。
図9図9は、キャラクタリゼーション用モジュールと圧力測定装置のボディとの嵌合部を示す斜視断面図である。
図10図10は、圧力センサの斜視断面図である。
図11図11は、キャラクタリゼーション用モジュールを圧力測定装置のボディに組み付けた状態を示す斜視図である。
図12図12は、圧力測定装置のボディの一部を破断して示すボディとキャラクタリゼーション用モジュールの斜視図である。
図13図13は、基板ホルダを示す図である。
図14図14は、キャラクタリゼーション用モジュールを圧力測定装置に組付けた状態における縦断面図である。
図15図15は、ワッシャ部分を拡大して示す斜視断面図である。
図16図16は、ワッシャ部分に封止材を充填した状態を示す斜視断面図である。
図17図17は、キャラクタリゼーション用モジュールと保護ケースの平面図である。
図18図18は、キャラクタリゼーション用モジュールと保護ケースの底面図である。
図19図19は、キャラクタリゼーション装置の斜視図である。
図20図20は、キャラクタリゼーション装置の分解斜視図である。
図21図21は、台座部材の斜視図である。
図22図22は、キャラクタリゼーション装置とキャラクタリゼーション用モジュールの要部の斜視断面図である。
図23図23は、キャラクタリゼーション時のキャラクタリゼーション装置とキャラクタリゼーション用モジュールの縦断面図である。
図24図24は、ワッシャ押さえピンの斜視図である。
図25図25は、ワッシャ押さえピンを支持する構造を示す斜視断面図である。
図26図26は、キャラクタリゼーション装置とキャラクタリゼーション用モジュールの要部の斜視断面図である。
図27図27は、従来の圧力測定装置の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明に係る圧力センサのキャラクタリゼーション用モジュールの一実施の形態を図1図26を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明に係るキャラクタリゼーション用モジュール11を示す斜視図である。図1(A)は斜め上方から見た状態で描いてあり、図1(B)は斜め下方から見た状態で描いてある。キャラクタリゼーション用モジュール11は、内部に設けられた圧力センサ12のキャラクタリゼーションを行うためのものである。キャラクタリゼーションを行うことにより、センサ出力の直線性、温度特定、静圧特性などが補正され、周囲の温度や圧力などの周囲の環境の影響を除去することができるようになる。キャラクタリゼーションは、図19に示すキャラクタリゼーション装置13にキャラクタリゼーション用モジュール11を装填した状態で実施される。
【0020】
図1に示すキャラクタリゼーション用モジュール11は、圧力センサ12を外力から保護する形態のもので、外側を覆う保護ハウジング14を備えている。保護ハウジング14は、図2に示すように、箱状に形成された保護ケース15と、保護ケース15と結合して保護ケース15の開口部を塞ぐ構造の基板カバー16とによって構成されている。以下において、キャラクタリゼーション用モジュール11の部品を説明するうえで方向を説明するにあたっては、便宜上、箱状の保護ケース15が開口する方向を後方とし、保護ケース15の矩形の底面が上下方向と左右方向とに延びる姿勢でキャラクタリゼーション用モジュール11を前方から見たときの方向を示す。
【0021】
(保護ケースの説明)
保護ケース15は、プラスチック材料によって形成されており、図2および図3に示すように、箱の底となる前壁15aと、前壁15aの上端と下端とから箱の開口側に向けて延びる上壁15b、下壁15cと、前壁15aの左端と右端とから箱の開口側に向けて延びる左側壁15dおよび右側壁15eを有している。これらの壁は、一体成形により一体に形成されている。上壁15bと下壁15cは、左側壁15dおよび右側壁15eより後方に突出している。
【0022】
上壁15bには第1の貫通孔17が形成され、下壁15cには第2の貫通孔18が形成されている。これらの第1、第2の貫通孔17,18は、それぞれ左右方向に長い長円状に形成されている。
上壁15bの第1の貫通孔17は、下壁15cの第2の貫通孔18を下壁15cに垂直に投影した対向部位に形成されている。
【0023】
下壁15cには、図4に示すように、前後方向に延びて第2の貫通孔18に連なるように第1の溝21が形成されている。
左側壁15dには、前後方向に延びる第2の溝22と第3の溝23とが形成されている。右側壁15eには前後方向に延びる第4の溝24と第5の溝25とが形成されている。
図1(A)に示すように、保護ケース15の上端部であって左前側の角部には、通気用の穴26が保護ケース15の内外を連通するように形成されている。
【0024】
(圧力センサ組立体の説明)
保護ケース15の開口部を塞ぐ基板カバー16は、圧力センサ12を含む圧力センサ組立体31(図2図3参照)の一部を構成する部品である。圧力センサ組立体31は、キャラクタリゼーションが終了した後に後述する圧力測定装置32(図11図12および図14参照)のボディ33に組み付けられる。
【0025】
圧力センサ組立体31は、図6に示すように、図6において最も右側に描かれている基板カバー16と、基板カバー16の左側に描かれている圧力センサ12と、圧力センサ12の左側に描かれている基板34と、基板34の左側に描かれている基板ホルダ35などによって構成されている。圧力センサ12は、詳細は後述するが、基板34の部品実装面となる第1の面34aに搭載されている。
基板カバー16と基板ホルダ35は、それぞれプラスチック材料によって形成されている。基板カバー16と、基板34と、基板ホルダ35とは、前後方向において隣り合うものどうしの一端部(この実施の形態においては下端部)が互いに密着する状態で組み合わせられ、締結部材としてのねじ部材36によって結合されて一体化される。ねじ部材36は、基板ホルダ35の下端部に形成された第3の貫通孔37と、基板34の下端部に形成された第4の貫通孔38とに前方から通され、基板カバー16の下端部に形成された第5の貫通孔39にねじ込まれている。
【0026】
(基板カバーの説明)
基板カバー16は、図5に示すように、前方と上方とに向けて開口する箱状に形成されており、詳細は後述するが基板34の周縁部と係合して基板34の第1の面34a側(部品実装面側)を覆っている。基板カバー16の下端部には、後述する圧力センサ12のセンサパッケージ41(図6参照)を収容するための凹部42と、基板34に当接する平坦な基板取付面43とが形成されている。基板取付面43は、基板カバー16の下端から凹部42の上縁と略同じ高さとなる位置まで上下方向に延びているとともに、基板カバー16の左端から右端に至るように左右方向に延びている。
【0027】
基板カバー16における凹部42の上方近傍には、基板カバー16の内外を連通する通気用の穴44が形成されている。
基板カバー16の左側の上部と、右側の上下方向の中間部とには、前方に向けて突出する係止片45,46が設けられている。これらの係止片45,46は、図7に示すように(図7には左側の係止片45のみが図示されている)、基板カバー16を基板34に被せた状態において、基板34の外側縁に形成された係止用切欠47に挿入され、基板34の第1の面34aとは反対側の第2の面34bに接触する状態で基板34に係止される。
【0028】
係止片45,46が基板34に係止されることにより、基板34の上部が基板カバー16から離れる方向に(前方に)向けて撓むことが規制される。
係止片45,46の基部には、係止片45,46が基板34に係止された状態で基板34の第1の面34aに当接する当接面48が形成されている。当接面48は、係止片45,46の基部の他に、図5に示すように基板カバー16の左右両側の上端部にも形成されている。これらの当接面48は、基板34の第1の面34aに厚み方向から(後方から)当接し、基板34の上部が基板カバー16に向けて(後方に向けて)撓むことを規制する。このため、基板34に基板カバー16が取付けられることにより、基板34の他端側(上側)に設けられた係止片45,46と当接面48とによって、基板34の上部が前後方向へ撓むことが基板カバー16によって規制される。この実施の形態においては、これらの複数の係止片45,46と当接面48とが本発明でいう「第1のストッパー部」に相当する。
【0029】
基板カバー16の右側の係止片46の上方近傍には切欠部49が形成されている。この切欠部49は、基板34に設けられているコネクタ50(図6参照)を通すためのスペースを形成している。
図3に示すように、基板カバー16の基板34とは反対側の右側部および左側部には、それぞれ上下方向に並ぶ第1~第3の凸曲面51~53が形成されている。これらの第1~第3の凸曲面51~53は、後述する圧力測定装置32のボディ33の形状に合わせた形状であって、上下方向から見た断面形状が円弧状となるように形成されている。
【0030】
第1~第3の凸曲面51~53のうち、最も下に位置する第1の凸曲面51は、図8に示すように、後述する圧力測定装置32の円筒状に形成されている検出部54の内部に遊嵌状態で挿入可能な形状に形成されている。第1の凸曲面51の上に隣接する第2の凸曲面52は、図8および図9に示すように、検出部54の内周面54aに嵌合する形状に形成されている。この第2の凸曲面52が本発明でいう「基板カバーの嵌合部」に相当する。
第3の凸曲面53は、検出部54の上に取り付けられる部品(図示せず)との干渉を避けることが可能な形状に形成されている。
【0031】
(圧力センサの説明)
圧力センサ12は、図10に示すように、図10において最も上に描かれているセンサパッケージ41と、センサパッケージ41に一端部が接続された第1、第2の導圧パイプ61,62と、第1、第2の導圧パイプ61,62の他端部に接続された第1、第2のワッシャ63,64とを備えている。この実施の形態においては、第1、第2の導圧パイプ61,62が本発明でいう「圧力導入パイプ」に相当する。
【0032】
センサパッケージ41は、セラミックス材料によって形成された有底角筒状のパッケージ本体65と、パッケージ本体65の開口部を塞ぐ蓋体66とによって形成されており、内部にセンサチップ67を収容している。
パッケージ本体65の底面65aには、複数の半田付け用パッド68が設けられている。これらの半田付け用パッド68は、図示してはいないが、パッケージ本体65の内部に形成された導体と、ボンディングワイヤなどを介してセンサチップ67の電極に電気的に接続されている。半田付け用パッド68は、パッケージ本体65を基板34の部品実装面である第1の面34aに載置した状態で基板34の半田付け用ランド(図示せず)に半田付けされる。このとき、センサパッケージ41に接続された第1、第2の導圧パイプ61,62は、基板34の下端部に形成されている導圧パイプ挿通用切欠き69(図6参照)に通される。
【0033】
第1の導圧パイプ61と第2の導圧パイプ62は、それぞれステンレス鋼によって形成され、センサパッケージ41から前方に向けて延びるとともに、基板34に形成された導圧パイプ用切欠き69を通して基板34の第1の面34aの反対側に突出したのち下方に向けて屈曲し、基板34の第1の面34aの反対側の第2の面34b(図6参照)に対して平行に延伸している。これらの第1および第2の導圧パイプ61,62の先端に後述する第1、第2のワッシャ63,64が溶接されている。
【0034】
第1および第2の導圧パイプ61,62の一端部は、パッケージ本体65の底壁65bに形成された第6の貫通孔71に通されてセンサパッケージ41内に延びており、パッケージ本体65の底壁65bに半田付けされている。第1および第2の導圧パイプ61,62とパッケージ本体65との半田付け部分の半田を図10中に符号72で示す。
【0035】
第1および第2の導圧パイプ61,62のパッケージ本体65側の先端部分は、センサチップ67に接着されている。第1および第2の導圧パイプ61,62の中には、圧力センサ12が完成した後に圧力伝達媒体73(図14参照)が注入される。センサチップ67は、第1の導圧パイプ61内の圧力伝達媒体73の圧力と、第2の導圧パイプ62内の圧力伝達媒体73の圧力との差圧を検出する。
第1および第2の導圧パイプ61,62の外面には、パッケージ本体65との間に半田72が濡れ拡がるように、金めっきが施されている。なお、パッケージ本体65の底面65aにおける第6の貫通孔71の周辺部には、図示してはいないが、第1および第2の導圧パイプ61,62との間で半田が濡れ拡がるようにメタライズ処理が施されている。
【0036】
第1および第2のワッシャ63,64は、圧力センサ12を後述する圧力測定装置32(図14参照)のボディ33に取付けるためのもので、図10に示すように、円板状に形成された円板部74と、円板部74の軸心部に突設された円筒部75とによって形成されている。この第1および第2のワッシャ63,64の軸心部には、第1および第2の導圧パイプ61,62の他端部が挿入される第7の貫通孔76が形成されている。第1および第2の導圧パイプ61,62は、第7の貫通孔76に挿入された状態で円筒部75にかしめ加工が施されることによって第1および第2のワッシャ63,64に固定される。そして、第1および第2の導圧パイプ61,62は、円筒部75に固定された状態で先端と円筒部75との境界部分にレーザー光が照射されてレーザー溶接によって円筒部75に溶接されている。
【0037】
(基板の説明)
基板34は、上下方向に長い長方形の板状に形成されており、部品実装面である第1の面34aの下部に圧力センサ12が実装されている。また、第1の面34aにおける右側の上端部にはコネクタ50が実装されている。コネクタ50は、圧力センサ12が半田付けされる半田付け用ランドに電気的に接続されている。このコネクタ50には、後述するキャラクタリゼーション時に図示していないキャラクタリゼーション用回路から延びるケーブルが接続される。また、圧力センサ組立体31が圧力測定装置32に組み込まれた状態においては、図示していない圧力検出回路から延びるケーブルが接続される。
【0038】
図6に示すように、基板34の下端部には第1、第2の導圧パイプ61,62を通す導圧パイプ挿通用切欠き69および第4の貫通孔38が形成され、左右両側部には係止用切欠47が形成されている。なお、図示してはいないが、導圧パイプ挿通用切欠き69の代わりに第1、第2のワッシャ63,64を挿通可能なワッシャ貫通孔を形成してもよい。
【0039】
(基板ホルダの説明)
図6に示すように、基板ホルダ35は、基板34を挟んで基板カバー16とは反対側に設置されている。この実施の形態による基板ホルダ35は、図13(A)~(C)に示すように形成されており、後述する第1~第3の機能部を有している。図13(A)は斜め上方から見た基板ホルダ35の斜視図、図13(B)は基板ホルダ35の断面図、図13(C)は斜め下方から見た基板ホルダ35の斜視図である。
第1の機能部は、第8~第11の貫通孔81~84と導圧パイプ挿入用の溝85とが開口する基部86である。第8~第11の貫通孔81~84は、図13(B)に示すように上下方向に延びて基部86を上下方向に貫通している。
【0040】
第8の貫通孔81と第11の貫通孔84には、基板ホルダ35をボディ33に固定するための固定用ボルト87(図12参照)が挿入される。第9の貫通孔82には上述した第1のワッシャ63が挿入され、第10の貫通孔83には上述した第2のワッシャ64が挿入される。この実施の形態においては、第9の貫通孔82と第10の貫通孔83とが本発明でいう「ワッシャ挿通孔」に相当する。
【0041】
導圧パイプ挿入用の溝85は、基板ホルダ35の左右方向の中央部に形成されており、前端部が第9の貫通孔82および第10の貫通孔83に連通され、この前端部から後方に延びている。基板34を基板ホルダ35に取り付ける際には、第1および第2の導圧パイプ61,62が溝85に上方から挿入されるとともに、第1および第2のワッシャ63,64が第9、第10の貫通孔82,83に上方から挿入される。
【0042】
図13(C)に示すように基部86の下端面86a、すなわち基板ホルダ35の底面であって圧力センサ組立体31の底面には、位置決め部88が設けられている。この実施の形態による位置決め部88は、下方{図13(C)においては上方}に向けて開口する凹部88aを有している。この凹部88aは、基板ホルダ35をボディ33に載置することによって、ボディ33に凸設された位置決め用の凸部89(図12および図15参照)と係合する。凸部89の近傍には、図12に示すように固定用ボルト87がねじ込まれるねじ孔90が形成されている。
【0043】
第2の機能部は、図13(A)に示すように、基板ホルダ35の後端部に位置する基板取付部91である。基板取付部91には、上下方向と左右方向に延びる平坦面からなる基板取付面92が形成されている。この基板取付面92には、基板ホルダ35に基板34を取付けることによって、基板34の第2の面34bが密着する。基板取付面92は、基板ホルダ35の下端から上端まで延びているとともに、基板ホルダ35の左端から右端まで延びている。上述した導圧パイプ挿入用の溝85は、基板取付面92に開口し、この開口部から第9および第10の貫通孔82,83まで延びている。基板取付部91の下端部であって左右方向の両端部には、上述したねじ部材36が挿通される第3の貫通孔37が形成されている。基板ホルダ35に基板34と基板カバー16とが取付けられた状態においては、図9に示すように、基板34が基板ホルダ35の基板取付面92と基板カバー16の基板取付面43とによって挟まれて保持される。この実施の形態においては、基板ホルダ35の基板取付面92の上端部が本発明でいう「第2のストッパー部」に相当する。
【0044】
第3の機能部は、図13(A)に示すように基板ホルダ35の左右方向の両端部に位置するボディ接続部93である。ボディ接続部93は、ボディ33の円筒状の検出部54(図14参照)の内周面54aに嵌合する形状(上方から見て円弧状)に形成されている。この実施の形態においては、ボディ接続部93が本発明でいう「基板ホルダの嵌合部」に相当する。
【0045】
基板ホルダ35に基板34と基板カバー16とを結合させて圧力センサ組立体31を組み立てるためには、先ず、圧力センサ12が実装された基板34を上方から基板ホルダ35に接近させ、第1、第2のワッシャ63,64を第9、第10の貫通孔82,83に上方から挿入するとともに、第1、第2の導圧パイプ61,62を導圧パイプ挿入用の溝85に上方から挿入する。この状態で基板34に後方から基板カバー16を重ね、ねじ部材36を前方から基板ホルダ35の第3の貫通孔37と基板34の第4の貫通孔38とに通して基板カバー16の第5の貫通孔39にねじ込む。ねじ部材36を締め込むとともに基板カバー16の係止片45,46を基板34に係止させることにより、基板ホルダ35と、基板34と、基板カバー16とからなる圧力センサ組立体31が形成される。
【0046】
なお、前述の圧力センサのキャラクタリゼーション用モジュールの実施の形態では、基板カバー16と基板ホルダ35とは別体で製作されており、基板ホルダ35に基板34と基板カバー16とを結合させて圧力センサ組立体31を組み立てるようにしていたが、当初より基板カバー16と基板ホルダ35が一体成形された基板保持部材(図示せず)を使用し、基板保持部材の基板カバー16と基板ホルダ35の間に基板34の一端部を装着する溝(図示せず)を形成しておき、この溝に基板34の一端部を装着して保持することで圧力センサ組立体31を形成する実施の形態も採用することができる。
圧力センサ組立体31は、後述するキャラクタリゼーションを行った後に図11および図14に示すように圧力測定装置32のボディ33に組み込まれる。
【0047】
(圧力測定装置の説明)
圧力測定装置32のボディ33は、図14に示すように、図14において最も下に描かれている第1、第2のパイプ101,102が接続された受圧部103と、図14において上側に描かれている有底円筒状の検出部54とを有している。検出部54の底部が受圧部103に接続されている。
【0048】
受圧部103には、第1のパイプ101の中を満たす第1の被測定流体104に接する第1の受圧ダイアフラム105と、第2のパイプ102の中を満たす第2の被測定流体106に接する第2の受圧ダイアフラム107とが設けられている。また、受圧部103には、第1の受圧ダイアフラム105が壁の一部となる第1の受圧室108と、第2の受圧ダイアフラム107が壁の一部となる第2の受圧室109とが形成されている。第1の受圧室108は、ボディ33内に形成された第1の導圧路110を介して検出部54の第1のセンサ接続口111に連通されている。
【0049】
第2の受圧室109は、ボディ33内に形成された第2の導圧路112を介して検出部54の第2のセンサ接続口113に連通されている。第1および第2の受圧室108,109から第1および第2のセンサ接続口111,113に至る圧力伝達経路は、圧力伝達媒体73で満たされている。
第1および第2のセンサ接続口111,113は、検出部54の位置決め用の凸部89に開口している。第1のセンサ接続口111には上述した圧力センサ12の第1のワッシャ63が溶接され、第2のセンサ接続口113には第2のワッシャ64が溶接されている。
【0050】
この溶接を行うためには、先ず、圧力センサ組立体31をボディ33の検出部54に挿入し、基板ホルダ35を固定用ボルト87によってボディ33に固定する。この作業により、図15に示すように第1、第2のワッシャ63,64が第1、第2のセンサ接続口111,113に重なるようになる。
次に、基板ホルダ35の第9、第10の貫通孔82,83に上方から棒状の抵抗溶接用の電極114を挿入し、この電極114を第1および第2のワッシャ63,64に押し付る。その後、これらの電極114から第1、第2のワッシャ63,64を経てボディ33に通電し、抵抗溶接を行う。
【0051】
このように溶接を行った後、図16に示すように、基板ホルダ35の第9、第10の貫通孔82,83と導圧パイプ挿入用の溝85とに封止材115をポッティングによって充填し、第1および第2の導圧パイプ61,62と、第1および第2のワッシャ63,64とを封止材115の中に埋め込む。封止材115を充填した後、第1および第2の導圧路110,112に図示していない注入口から圧力伝達媒体73を注入し、第1および第2の受圧室108,107からセンサチップ67に至る圧力伝達経路を圧力伝達媒体73で満たすことにより、第1および第2の被測定流体104,106の差圧を検出することが可能な圧力測定装置32が完成する。
【0052】
(キャラクタリゼーション装置の説明)
次に、圧力センサ12のキャラクタリゼーションを行うキャラクタリゼーション装置13について説明する。キャラクタリゼーションは、図19に示すキャラクタリゼーション装置13を使用して実施される。キャラクタリゼーションは、圧力センサ組立体31のみをキャラクタリゼーション用モジュールとしてキャラクタリゼーション装置13に装填して実施したり、圧力センサ組立体31を保護ケース15に挿入した保管、運搬形態を採るキャラクタリゼーション用モジュール11をキャラクタリゼーション装置13に装填して実施することができる。ここでは保管、運搬時の形態であるキャラクタリゼーション用モジュール11を使用してキャラクタリゼーションを行う場合について説明する。
【0053】
圧力センサ組立体31と保護ケース15とを組み合わせて保管、運搬時の形態であるキャラクタリゼーション用モジュール11を組み立てるためには、図3に示すように保護ケース15の開口部に圧力センサ組立体31を後方から挿入して行う。このとき、保護ケース15の下壁15cに基板ホルダ35の底面を重ね、第1、第2のワッシャ63,64を下壁15cの第1の溝21に挿入して行う。また、基板ホルダ35のボディ接続部93を保護ケース15の第2、第4の溝22,24に挿入するとともに、基板カバー16の係止片45,46を保護ケース15の第3、第5の溝23,25に挿入する。
【0054】
保管、運搬時の形態であるキャラクタリゼーション用モジュール11においては、保護ケース15に圧力センサ組立体31を挿入することにより、圧力センサ組立体31が保護ケース15の下壁15cに載置された状態となる。なお、圧力センサ組立体31を保護ケース15に組み込む以前に、第1および第2のワッシャ63,64の下端部にOリング116(図20参照)を取付けておく。このように圧力センサ組立体31を保護ケース15に組み合わせることにより、基板34の第2の面34b側および基板ホルダ35が保護ケース15によって覆われる。このため、保管、運搬時の形態であるキャラクタリゼーション用モジュール11においては、第1および第2のワッシャ63,64や第1および第2の導圧パイプ61,62が保護ケース15の中に収容されて保護された状態になる。
【0055】
保管、運搬時の形態であるキャラクタリゼーション用モジュール11を上下方向から見ると、図17および図18に示すように、保護ケース15の第1、第2の貫通孔17,18を通して第1、第2のワッシャ63,64を見ることができる。すなわち、保護ケース15の天井面(上端面)には、図17に示すように、基板ホルダ35の底面に設けられた位置決め部88を垂直に投影した対向部位に第1の貫通孔17からなる開口が形成されている。また、図18に示すように、保護ケース15の底面には、基板ホルダ35の底面に設けられた位置決め部88を露出させる第2の貫通孔18からなる開口が形成されている。
【0056】
(台座部材の説明)
キャラクタリゼーション装置13は、図19(A),(B)に示すように、これらの図において最も下に位置する台座部材121と、台座部材121から上方に延びる複数の(2本の)支柱122と、支柱122の上端部に接続されたワッシャ押さえピン保持部材123などを備えている。
台座部材121は、キャラクタリゼーション用モジュール11を載置するためのもので、図20に示すように、その上面にはステージ部124とモジュール固定部125とが設置されている。ステージ部124は、キャラクタリゼーション用モジュール11の底面と当接してキャラクタリゼーション用モジュール11を支持する。この実施の形態によるステージ部124は、台座部材121の上端部で上方に向けて開放されて前後方向に延びる溝の底によって構成されている。ステージ部124の左右方向の幅は、キャラクタリゼーション用モジュール11が嵌合する幅である。
【0057】
このステージ部124には、図21に示すように、位置決め部126と第1および第2のワッシャ挿入孔127,128とが設けられている。位置決め部126は、キャラクタリゼーション用モジュール11の底面(基板ホルダ35の底面)に形成された凹部88aと係合する凸部126aを有している。凸部126aがキャラクタリゼーション用モジュール11の凹部88aと係合することにより、キャラクタリゼーション用モジュール11がステージ部124上で位置決めされる。
【0058】
第1および第2のワッシャ挿入孔127,128は、第1、第2のワッシャ63,64が挿入される孔で、凸部126aの上端に形成され、上方へ向けて開口している。第1および第2のワッシャ挿入孔127,128は、図22に示すように、第1、第2のワッシャ63,64の円板部74が挿入される大径部131と、第1、第2のワッシャ63,64に装着されたOリング116が収容される小径部132とを有し、ステージ部124内に形成された第1、第2の圧力導入路133,134に接続されている。Oリング116が第1、第2のワッシャ63,64の円板部74と位置決め部126とに挟まれて圧縮されることにより、第1、第2の圧力導入路133,134が開口する位置決め部126と第1、第2のワッシャ63,64との間がシールされる。
【0059】
第1の圧力導入路133は、図22に示すように、台座部材121の後端面に開口する第1の試験流体導入孔135に接続され、第2の圧力導入路134は、台座部材121の前端面に開口する第2の試験流体導入孔136に接続されている。
第1、第2の試験流体導入孔135,136は、圧力センサ12のキャラクタリゼーションを行うために用いられる試験流体の圧力を導入するための孔である。
【0060】
第1のワッシャ63が挿入される第1のワッシャ挿入孔127は、台座部材121の後端面に開口する第1の試験流体導入孔135に第1の圧力導入路134を介して接続されている。第2のワッシャ64が挿入される第2のワッシャ挿入孔128は、台座部材121の前端面に開口する第2の試験流体導入孔136に第2の圧力導入路134を介して接続されている。
第1、第2の試験流体導入孔135,136は、キャラクタリゼーションが行われるときに所定の圧力の流体が供給される。試験流体の圧力は、第1、第2の試験流体導入孔135,136から第1、第2のワッシャ挿入孔127,128まで第1、第2の圧力導入路133,134を通って導かれる。
【0061】
図21に示すように、モジュール固定部125は、ステージ部124を形成する溝の溝壁によって形成されており、ステージ部124に載置されたキャラクタリゼーション用モジュール11の左右方向への移動を規制する。モジュール固定部125には、支柱122が螺着されるねじ孔137が形成されている。ねじ孔137は、モジュール固定部125の上面に開口し、上下方向に延びている。支柱122は、図23に示すように、両端部に雄ねじ122aが形成されたボルトによって構成されている。モジュール固定部125のねじ孔137に支柱122が螺着されることにより、支柱122は、ステージ部124に載置されたキャラクタリゼーション用モジュール11の外縁に離間してステージ部124より垂直方向に立設されることになる。この実施の形態による支柱122は、モジュール固定部125のねじ孔137にねじ込まれた状態でロックナット138が締め込まれてモジュール固定部125に固定されている。
【0062】
(ワッシャ押さえピン保持部材の説明)
支柱122に接続されるワッシャ押さえピン保持部材123は、左右方向に延びる細長い板状に形成されている。このワッシャ押さえピン保持部材123の左右方向の両端部には、支柱122が通される第12の貫通孔141がそれぞれ穿設されている。ワッシャ押さえピン保持部材123は、第12の貫通孔141に支柱122が通された状態においては、支柱122に沿って上下方向に移動可能である。
【0063】
このワッシャ押さえピン保持部材123の左右方向の中央部には、図23に示すように、下方に向けて開口する二つの保持孔142が形成されている。これらの保持孔142には、上下方向に延びる一対のワッシャ押さえピン143,144の一端部(上端部)143a,144aがそれぞれ挿入されている。
ワッシャ押さえピン143,144は、第1および第2のワッシャ63,64を上方から押圧して台座部材121に押し付け、台座部材121に対して固定する(押圧固定する)ためのもので、円柱からなる棒状に形成されている。
【0064】
このワッシャ押さえピン143,144の一端部(上端部)143a,144aと他端部(下端部)143b,144bは、長手方向の中央部より外径が小さくなるように形成されている。ワッシャ押さえピン143,144の一端部143a,144aの外径は、ワッシャ押さえピン保持部材123の保持孔142に嵌合する径である。図24に示すように、ワッシャ押さえピン143,144の一端部143a,144aには、部分的に平坦部145が形成されている。平坦部145は、扁平に形成されているとともに、一端部143a,144aの径方向の一方と他方とに互いに平行になるように形成されている。
【0065】
ワッシャ押さえピン143,144の他端部143b,144bには、スリット146が形成されている。このスリット146は、ワッシャ押さえピン143,144で第1、第2のワッシャ63,64を押すときに第1、第2の導圧パイプ61,62がスリット146内に収容されてワッシャ押さえピン143,144と第1、第2の導圧パイプ61,62との干渉を避けるために形成されている。この実施の形態によるスリット146は、ワッシャ押さえピン143,144の先端面(下端面)から一端部143a,144a側に向けて所定の長さだけ延びているとともに、ワッシャ押さえピン143,144の径方向において、外周面側から径方向の中央部まで延びている。スリット146の互いに対向する二つの内壁面146aは、一端部の平坦部145と平行に形成されている。
【0066】
2本のワッシャ押さえピン143,144は、他端部143b,144bの外周部に開口するスリット146の開口部分が互いに対向する状態でその一端部143a,144aがワッシャ押さえピン保持部材123の保持孔142に挿入され、後述する固定構造147(図25参照)によってワッシャ押さえピン保持部材123に固定されている。この場合、保持孔142に挿入されたワッシャ押さえピン143,144の一端部143a,144aの平坦部145は、上下方向と左右方向とに延びる状態となる。
【0067】
固定構造147は、図25に示すように、保持孔142からワッシャ押さえピン保持部材123の側面123a(後面)まで延伸するねじ孔148と、このねじ孔148にねじ込まれた止めねじ149とによって構成されている。保持孔142にワッシャ押さえピン143,144の一端部143a,144aが挿入された状態で止めねじ149がねじ孔148にねじ込まれることにより、止めねじ149がワッシャ押さえピン143,144の一端部143a,144aに押し付けられてワッシャ押さえピン143,144がワッシャ押さえピン保持部材123に固定される。
【0068】
ワッシャ押さえピン143,144を上述したようにスリット146が2本のワッシャ押さえピン143,144どうしの内側を指向する状態としてその一端部143a,144aを保持孔142に挿入した状態においては、図25に示すように、一端部143a,144aの平坦部145に止めねじ149が当接する。このため、固定構造147によってワッシャ押さえピン143,144をワッシャ押さえピン保持部材123に固定することにより、ワッシャ押さえピン133,144の上下方向への移動が規制されるとともに、ワッシャ押さえピン143,144のワッシャ押さえピン保持部材123に対する回動が防止される。
【0069】
(キャラクタリゼーションを実施する手順の説明)
このように構成されたキャラクタリゼーション装置13を用いて圧力センサ12のキャラクタリゼーションを実施するためには、先ず、キャラクタリゼーション装置13の支柱122からワッシャ押さえピン保持部材123を外した状態で台座部材121のステージ部124にキャラクタリゼーション用モジュール11を載置する。この載置にあたっては、ステージ部124の位置決め部126を保護ケース15の第2の貫通孔18に挿入し、図22に示すように、第1、第2のワッシャ63,64およびOリング116を位置決め部126の第1、第2のワッシャ挿入孔127,128に上方から挿入する。
【0070】
このとき、台座部材121のステージ部124に保護ケース15が嵌っており、台座部材121に対する圧力センサ組立体31の左右方向の位置が決まっているから、第1、第2のワッシャ63,64を容易に第1、第2のワッシャ挿入孔127,128に正しく挿入することができる。このことは、第1、第2の導圧パイプ61,62の位置が設計通りの位置となり、第1、第2の導圧パイプ61,62がワッシャ押さえピン143,144のスリット146に正しく挿入されてワッシャ押さえピン143,144に接触して変形することを防ぐことができることを意味する。また、台座部材121のステージ部124に保護ケース15が載置されている状態においては、基板34のコネクタ50にケーブル着脱時の力が加えられたとしても基板34が台座部材121に対して大きく傾くことはない。このため、第1、第2の導圧パイプ61,62とセンサパッケージ41との半田付け部に応力が集中することを防ぐことができる。
【0071】
次に、ワッシャ押さえピン保持部材123に固定された2本のワッシャ押さえピン143,144を保護ケース15の上壁15bの第1の貫通孔17に上方から挿入し、ワッシャ押さえピン保持部材123の第12の貫通孔141に支柱122の上端部を挿入する。このようにワッシャ押さえピン保持部材123が支柱122に接続されている状態でワッシャ押さえピン保持部材123を下げることにより、ワッシャ押さえピン143,144の他端部(下端部)143b,144bが第1、第2のワッシャ63,64に上方から載置される。このとき、第1、第2の導圧パイプ61,62は、ワッシャ押さえピン143,144のスリット146に収容される。
【0072】
その後、支柱122の上端部の雄ねじ122aに締結用のナット151(図20図23参照)を螺合させ、ナット151を締め込む。ネット151が締め込まれることによりワッシャ押さえピン保持部材123が下方に押され、台座部材121と第1、第2のワッシャ63,64との間に挟まれているOリング116が圧縮される。そして、更にナット151を締め込むことにより、図26に示すように第1および第2のワッシャ63,64の円板部74が第1、第2のワッシャ挿入孔127,128の大径部131の底に当たり、ワッシャ押さえピン143,144のそれ以上の下方への移動が規制される。このようにOリング116が圧縮されて第1、第2のワッシャ63,64が台座部材121に当接することにより、台座部材121と第1、第2のワッシャ63,64との間がシールされ、キャラクタリゼーション用モジュール11のキャラクタリゼーション装置13への装着作業が完了する。
【0073】
しかる後、基板34のコネクタ50に図示していないキャラクタリゼーション用ケーブルを接続し、キャラクタリゼーション装置13の温度が所定の温度に達している状態で、台座部材121の第1、第2の試験流体導入孔135,136に試験流体を導入してキャラクタリゼーションを行う。
キャラクタリゼーションが終了した後、キャラクタリゼーション用モジュール11をキャラクタリゼーション装置13から取外し、さらに、保護ケース15から圧力センサ組立体31を取外す。そして、圧力センサ組立体31を圧力測定装置32のボディ33に取り付ける。
【0074】
(圧力センサ組立体を圧力測定装置に取り付ける手順の説明)
圧力センサ組立体31をボディ33に取り付けるにあたっては、先ず、図12に示すように、圧力センサ組立体31をボディ33の円筒状の検出部54に上方から挿入する。圧力センサ組立体31が検出部54に挿入されることにより、図11および図14に示すように基板ホルダ35のボディ接続部93が検出部54の内周面54aに嵌合し、図19に示すように基板カバー16の第2の凸曲面52が検出部54に嵌合する。そして、固定用ボルト87によって圧力センサ組立体31をボディ33に固定し、第1、第2のワッシャ63,64をボディ33に溶接する。その後、基板ホルダ35内に封止材115を注入し、ボディ33内の第1、第2の導圧路110,112から圧力センサ12の内部に至る圧力伝達経路に圧力伝達媒体73を充填することによって、圧力センサ組立体31の取付作業が終了する。
【0075】
(実施の形態による効果の説明)
この実施の形態によるキャラクタリゼーション用モジュール11は、キャラクタリゼーション装置13に装着して圧力センサ12のキャラクタリゼーションを実施することができるものである。すなわち、圧力センサ12を圧力測定装置32のボディ33に組付けることなくキャラクタリゼーションを行うことができる。このようなキャラクタリゼーション用モジュール11においては、キャラクタリゼーションを実施する設備を相対的に小さくすることができる。しかも、このキャラクタリゼーション用モジュール11は、圧力測定装置32のボディ33を使用する場合と較べて熱容積が小さくなる。
したがって、この実施の形態によれば、キャラクタリゼーションを実施する設備の小型化を図ることができ、しかも、キャラクタリゼーションで温度を一定にする対象物の熱容積が小さい状態でキャラクタリゼーションを行うことが可能な圧力センサのキャラクタリゼーション用モジュールを提供することができる。
【0076】
この実施の形態による基板カバー16、基板34および基板ホルダ35は、基板カバー16、基板34および基板ホルダ35を貫通する第3~第5の貫通孔37~39に挿入されるねじ部材36(締結部材)により結合されて一体化されている。このため、圧力センサ12を有する基板34が基板ホルダ35と基板カバー16によって挟まれて強固に保持された圧力センサ組立体31を形成することができる。この結果、基板34のコネクタ50に対して着脱作業を行うときに基板34が撓むことを防ぐことができるから、各接合部に応力が生じることがなく、各接合部において接合異常が発生することがない。各接合部とは、上述した実施の形態においては3箇所ある。第1の接合部は、第1、第2のワッシャ63,64とキャラクタリゼーション装置13あるいは圧力測定装置32のボディ33との接合部である。この第1の接合部における接合異常とは、キャラクタリゼーション時の試験流体のリークや、第1、第2のワッシャ63,64とボディ33との溶接部の破損などである。
【0077】
第2の接合部は、第1、第2の導圧パイプ61,62とセンサパッケージ41との半田付け部である。この第2の接合部における接合異常とは、半田付け部の剥離である。
第3の接合部は、センサパッケージ41と基板34との接合部である。この第3の接合部における接合異常とは、半田付け部の剥離である。
【0078】
この実施の形態によるキャラクタリゼーション用モジュール11のねじ部材36(締結部材)は、基板カバー16と、基板34と、基板ホルダ35との一端部どうしを結合している。また、このキャラクタリゼーション用モジュール11は、基板カバー16の他端側で基板34を厚み方向の両側から挟んで保持する第1のストッパー部(係止片45,46と当接面48)と、基板ホルダ35ーの他端側で基板34の第2の面34bに当接する第2のストッパー部(基板ホルダ35の基板取付面92の上端部)とを有している。このため、基板34の一端側および他端側を基板ホルダ35と基板カバー16とによって拘束することができるから、基板34の撓みをより一層強固に抑えることができる。
【0079】
この実施の形態によるキャラクタリゼーション用モジュール11において、基板カバー16の一端部と、基板ホルダ35の一端部には、圧力測定装置32のボディ33に形成された内周面54aに嵌合する嵌合部(第2の凸曲面52、ボディ接続部93)が形成されている。このため、基板カバー16と基板ホルダ35がボディ33に支えられることになり、基板34がボディ33に対して変位することを防ぐことができる。この結果、圧力測定装置32が振動したときに基板34が過度に変位することがないから、各接合部の接合異常をより一層確実に防ぐことが可能になる。
【0080】
この実施の形態によるキャラクタリゼーション用モジュール11において、基板ホルダ35の底面には、キャラクタリゼーション装置13のステージ部124の上面に形成された凸部126aと係合してステージ部124上の位置決めを行うための凹部88aを有する位置決め部88が設けられている。このため、位置決め部88によって基板ホルダ35をキャラクタリゼーション装置13に対して位置決めすることができるから、第1、第2のワッシャ63,64を台座部材121のワッシャ挿入孔127,128に正確に挿入することができる。この結果、試験流体のリークを防ぐことができ、キャラクタリゼーションを精度よく実施することができる。
【0081】
この実施の形態によるキャラクタリゼーション用モジュール11においては、基板34の第2の面34b側および基板ホルダ35とを覆うとともに基板カバー16と結合して保護ハウジング14を形成する保護ケース15を備えている。このため、第1および第2のワッシャ63,64と第1および第2の導圧パイプ61,62を保護ケース15によって保護することができるから、キャラクタリゼーション用モジュール11を保管したり運搬するときに第1、第2のワッシャ63,64や第1、第2の導圧パイプ61,62に外力が加えられて第1、第2の導圧パイプ61,62が変形したり、センサパッケージ41との半田付け部が破損することがない。
【0082】
この実施の形態による保護ケース15の底面(下壁15c)には、基板ホルダ35の底面に設けられた位置決め部88を露出させる開口(第2の貫通孔18)が形成されている。このため、保護ケース15を圧力センサ組立体31に取り付けた状態でキャラクタリゼーションを実施することができるから、キャラクタリゼーションを実施する工程においても第1、第2の導圧パイプ61,62の変形、センサパッケージ41との半田付け部の破損を防止できる。
【0083】
この実施の形態による保護ケース15の天井面(上壁15b)には、基板ホルダ35の底面に設けられた位置決め部88を垂直に投影した対向部位に開口(第1の貫通孔17)が形成されている。このため、この開口にワッシャ押さえピン143,144を挿入して下方に導くことによってワッシャ押さえピン143,144の下端が第1、第2のワッシャ63,64に接触するようになる。このため、ワッシャ押さえピン143,144の先端を目視することなく、簡単に第1、第2のワッシャ63,64に正確に当接させることができる。この結果、キャラクタリゼーションを行うための段取り作業を早くかつ確実に実施することができる。
【0084】
上述した実施の形態においては、圧力測定装置32のボディ33に位置決め用の凸部89が形成され、この凸部89に係合する凹部88aが基板ホルダ35の底面に形成されている例を示した。しかし、図示してはいないが、圧力測定装置32のボディ33に位置決め用の凹部が凸部89の代わりに形成されている場合は、この凹部に係合する凸部を基板ホルダ35の底面に突設する。この場合、キャラクタリゼーション装置13の台座部材121にも基板ホルダ35の凸部に係合する凹部を有する位置決め部126を設ける。
【0085】
上述した実施の形態による圧力センサ組立体31は、個別に形成された基板カバー16と基板ホルダ35とによって基板34を厚み方向に挟んで保持する構成のものである。しかし、基板カバー16と基板ホルダ35は、一体成形することができる。基板カバー16と基板ホルダ35とを一体に形成する場合は、この一体成形物の基板カバー16と基板ホルダ35との間に上下方向に延びる溝部を形成し、この溝部に基板の一端部を装着することにより一体成形物に基板を保持させる。
このように基板カバー16と基板ホルダ35とを一体に形成した場合であっても、キャラクタリゼーションを実施する設備の小型化を図ることができ、しかも、キャラクタリゼーションで温度を一定にする対象物の熱容積が小さい状態でキャラクタリゼーションを行うことが可能な圧力センサのキャラクタリゼーション用モジュールを提供することができる。
【符号の説明】
【0086】
1…キャラクタリゼーション用モジュール、11…キャラクタリゼーション用モジュール、12…圧力センサ、14…保護ハウジング、15…保護ケース、16…基板カバー、17…第1の貫通孔1(開口)、18…第2の貫通孔(開口)、32…圧力測定装置、34…基板、34a…第1の面、34b…第2の面、35…基板ホルダ、36…ねじ部材(締結部材)、37~39…第3~第5の貫通孔、41…センサパッケージ、45,46…係止片(第1のストッパー部、48…当接面(第1のストッパー部)、52…第2の凸曲面(嵌合部)、54a…内周面、61…第1の導圧パイプ(圧力導入用パイプ)、62…第2の導圧パイプ(圧力導入用パイプ)、63…第1のワッシャ、64…第2のワッシャ、69…導圧パイプ挿通用切欠き、82…第9の貫通孔(ワッシャ挿通孔)83…第10の貫通孔(ワッシャ挿通孔)88…位置決め部、88a…凹部、92…基板取付面(第2のストッパー部)、93…ボディ接続部(嵌合部)、126a…凸部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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