(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024098676
(43)【公開日】2024-07-24
(54)【発明の名称】手押し運搬装置
(51)【国際特許分類】
B62B 15/00 20200101AFI20240717BHJP
B62B 13/06 20060101ALI20240717BHJP
B62B 3/02 20060101ALI20240717BHJP
B62B 5/06 20060101ALI20240717BHJP
B62B 5/00 20060101ALI20240717BHJP
E01D 19/12 20060101ALI20240717BHJP
E01D 21/00 20060101ALI20240717BHJP
【FI】
B62B15/00 A
B62B13/06
B62B3/02 F
B62B5/06 B
B62B5/00 J
E01D19/12
E01D21/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023002306
(22)【出願日】2023-01-11
(71)【出願人】
【識別番号】000101662
【氏名又は名称】アルインコ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100077791
【弁理士】
【氏名又は名称】中野 収二
(72)【発明者】
【氏名】伴 和夫
(72)【発明者】
【氏名】澤近 邦彰
(72)【発明者】
【氏名】篠原 明里
【テーマコード(参考)】
2D059
3D050
【Fターム(参考)】
2D059AA14
2D059EE00
3D050AA11
3D050BB02
3D050DD01
3D050DD05
3D050EE04
3D050EE13
3D050EE18
3D050GG02
(57)【要約】
【課題】配筋付きデッキの鉄筋上を滑走することにより走行する手押し運搬装置を提供する。
【解決手段】ハンドル付きの荷台(11)と、該荷台を下側から支持する走行体(12)により構成され、前記走行体(12)は、金属製の支持体(18)に固設された基板(20)の下面に固定手段を介して合成樹脂製の滑走板(21)を着脱自在に固着しており、前記固定手段(22)は、前記滑走板に設けた取付孔(27)と、該取付孔に下方から上向きに挿入される頭付きボルト(28)と、該ボルトを前記基板(20)に固着させるナット(29)により構成され、前記取付孔(27)は、前記ボルトの頭部(28a)を陥没させる嵌合孔部(27a)と、該嵌合孔部から滑走板の下面に向けて次第に内径を広げるテーパ孔部(27b)を設けている。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
鉄筋を列設した配筋付きデッキの鉄筋上を滑走することにより走行する手押し運搬装置であり、荷台(11)と、該荷台を下側から支持する走行体(12)により構成されており、
前記走行体(12)は、前記デッキに列設された鉄筋の間隔よりも広い幅寸法を有すると共に走行方向に向けて幅寸法よりも長く延びる形状とされた金属製の支持体(18)と、該支持体の下面に固設された基板(20)と、該基板の下面に固定手段(22)を介して着脱自在に固着された合成樹脂製の滑走板(21)を備えており、
前記固定手段(22)は、前記滑走板に設けた取付孔(27)と、該取付孔に下方から上向きに挿入される頭付きボルト(28)と、該ボルトを前記基板(20)に固着させるナット(29)により構成され、
前記取付孔(27)は、前記ボルトの頭部(28a)を陥没させる嵌合孔部(27a)と、該嵌合孔部から滑走板の下面に向けて次第に内径を広げるテーパ孔部(27b)を設けて成ることを特徴とする手押し運搬装置。
【請求項2】
前記支持体(18)は、走行方向に延びる長手フレーム(19a)を左右幅方向に並設し、左右の長手フレームを走行方向に間隔をあけて複数の短手フレームで連結することにより形成された枠体(19)により構成され、柱脚部材(23)を介して前記短手フレームと前記荷台を連結することにより、前記長手フレーム(19a)と荷台(11)の間に空間(S)を形成しており、
前記固定手段(22)は、前記枠体(19)における隣り合う短手フレームの間に位置して、ボルト(28)を滑走板(21)の取付孔(27)に挿通すると共に、基板(20)に設けた取付孔(26)に挿通させ、基板の上からナット(29)を螺着するように構成されて成ることを特徴とする請求項1に記載の手押し運搬装置。
【請求項3】
走行方向(F)に関して、荷台(11)の後側にハンドル(16)を設け、前記支持体(18)を構成する枠体(19)の最前部に設けられた短手フレーム(19b)に前向きのブラケット(24)を設け、該ブラケットに補助輪(25)を設けて成ることを特徴とする請求項2に記載の手押し運搬装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配筋付きデッキの鉄筋上を滑走することにより走行する手押し運搬装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、床スラブを構築する際、フェローデッキと称される配筋付きトラスデッキが敷設され、デッキの上で作業者により作業が行われる。
【0003】
このような配筋付きデッキは、底板の上に鉄筋を列設しているので、資材等を運搬する際に、車輪付きの台車は、車輪が鉄筋の間に脱落するので、使用できない。
【0004】
そこで、車輪以外の手段で走行可能な手押し運搬装置を提供するためには、例えば、折屋根等の折板の上を滑走させるように構成された手押し運搬装置(特許文献1及び2)を参考にすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実用新案登録第3108343公報
【特許文献2】実用新案登録第3125223公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1及び2に開示された手押し運搬装置は、折板の上を滑走するソリとして機能する走行体に関して、特許文献1では丸パイプにより形成し、特許文献2では丸棒部材により形成したものを提案している。
【0007】
しかしながら、配筋付きデッキにおける間隔をあけて列設された鉄筋の上を滑走可能とした手押し運搬装置を提供するためには、特許文献1及び2のような丸パイプや丸棒部材から成る走行体は、鉄筋の間から脱落するので、不適格である。
【0008】
この点の問題は、走行体を板状ないし盤状に形成すれば解決できる。しかしながら、本発明の使用対象は、配筋付きトラスデッキであるから、列設された鉄筋に含まれる異形鉄筋や、鉄筋を結束する番線等が露呈されており、このため、走行体の滑走時の円滑性の確保や、走行面の摩損の防止等、更に解決すべき多くの課題がある。
【0009】
本発明は、このような配筋付きデッキの上を走行する際に生じる特有の課題を解決した手押し運搬装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
そこで、本発明が手段として構成したところは、鉄筋を列設した配筋付きデッキの鉄筋上を滑走することにより走行する手押し運搬装置であり、ハンドル付きの荷台と、該荷台を下側から支持する走行体により構成され、前記走行体は、前記デッキに列設された鉄筋の間隔よりも広い幅寸法を有すると共に走行方向に向けて幅寸法よりも長く延びる形状とされた金属製の支持体と、該支持体の下面に固設された金属製の基板と、該基板の下面に固定手段を介して着脱自在に固着された合成樹脂製の滑走板を備えており、前記固定手段は、前記滑走板に設けた取付孔と、該取付孔に下方から上向きに挿入される頭付きボルトと、該ボルトを前記基板に固着させるナットにより構成され、前記取付孔は、前記ボルトの頭部を陥没させる嵌合孔部と、該嵌合孔部から滑走板の下面に向けて次第に内径を広げるテーパ孔部を設けて成る点にある。
【0011】
本発明の好ましい実施形態において、前記支持体は、走行方向に延びる長手フレームを左右幅方向に並設し、左右の長手フレームを走行方向に間隔をあけて複数の短手フレームで連結することにより形成された枠体により構成され、柱脚部材を介して前記短手フレームと前記荷台を連結することにより、前記長手フレームと荷台の間に空間を形成しており、前記固定手段は、前記枠体における隣り合う短手フレームの間に位置して、ボルトを滑走板の取付孔に挿通すると共に、基板に設けた取付孔に挿通させ、基板の上からナットを螺着するように構成されている。
【0012】
手押し運搬装置は、走行方向に関して、荷台の後側にハンドルを設け、前記支持体を構成する枠体の最前部に設けられた短手フレームに前向きのブラケットを設け、該ブラケットに補助輪を設けることが好ましい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、鉄筋を列設した配筋付きデッキの鉄筋上を滑走可能とした手押し運搬装置を提供することができる。特に、摩損し易い合成樹脂製の滑走板21を交換可能とする着脱自在な固定手段22を設けた構成において、該滑走板21の下面が配筋付きデッキの上で障害物に引っ掛かることなく、好適に乗り越えながら滑走することを可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の実施形態に関して、(A)は配筋付きデッキと手押し運搬装置を並べて示す斜視図、(B)は矢印Eで示す部分の拡大図である。
【
図2】手押し運搬装置を走行方向の後側から示す斜視図である。
【
図3】荷台と走行体を分離した状態で示す斜視図である。
【
図4】走行体に関して、支持体と基板と滑走板を分離状態として上から見た斜視図である。
【
図5】走行体に関して、支持体と基板と滑走板を分離状態として下から見た斜視図である。
【
図6】基板に対する滑走板の固定手段を示しており、(A)はボルトを挿入する前の状態を示す斜視図、(B)その状態を示す断面図、(C)はボルトを挿入してナットを螺着した状態を示す斜視図、(D)はその状態を示す断面図である。
【
図7】配筋付きデッキの上で走行中の手押し運搬装置に関して、(A)は走行方向の側面から見た断面図、(B)は部分的拡大図である。
【
図8】配筋付きデッキの上で走行中の手押し運搬装置に関して、(A)は走行方向の正面から見た断面図、(B)は部分的拡大図である。
【
図9】不使用時における手押し運搬装置の移動方法を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下図面に基づいて本発明の好ましい実施形態を詳述する。
【0016】
図1は、本発明の手押し運搬装置が走行の対象とする配筋付きデッキ1(以下、単に「デッキ1」という場合がある。)を示しており、フェローデッキと称される配筋付きトラスデッキを例示している。本発明がこれに限定されるものではないが、フェローデッキは、底板2の上に、間隔をあけて上弦材3及び下弦材4を平行に列設し、ラチス材5で連結している。更に、上弦材3に交差して異形鉄筋6を列設し、番線7で結束している。
【0017】
手押し運搬装置10は、デッキ1の上を走行することにより、資材その他の物品を搬送する。このため、走行中に鉄筋の間から脱落しないことが必要であり、しかも、前記異形鉄筋6や、番線7のように、硬くて複雑な凹凸の上で引っ掛かりやすい小突起を乗り越えながら円滑に走行することが必要である。
【0018】
図1ないし
図3に示すように、手押し運搬装置10は、荷台11と、該荷台11を下側から支持する走行体12により構成されており、走行体12がデッキ1の上を滑走することにより走行するように構成されている。
【0019】
(荷台)
荷台11は、アルミニウム等の型材13を並設した状態で、走行方向Fの前縁部と後縁部をそれぞれ断面コ字形の枠フレーム14a、14bにより抱持した状態で固定することにより形成されている。
【0020】
図示実施形態の場合、荷台11の後端近傍の両側に枢支金具15、15が設けられ、パイプ材をほぼ門形に折曲形成したハンドル16の両側端部を枢結している。これにより、ハンドル16は、回動することにより、
図1ないし
図3に示す起立姿勢と、
図9に示す折畳姿勢が可能とされており、図示省略しているが、それぞれの姿勢を固定するためのロックピンが設けられている。
【0021】
更に、荷台11の後縁部を構成する枠フレーム14bには、手提げ式のグリップ17が設けられている。
【0022】
(走行体)
荷台11の下側には、左右一対の走行体12、12が設けられている。一対の走行体12、12は、左右対称に形成されており、実質的に同一構成のものとされている。
【0023】
走行体12は、金属製の枠体19により形成された支持体18と、該支持体18の下面に固設される金属製の基板20と、該基板20の下面に着脱自在に固着される合成樹脂製の滑走板21により構成されている。
【0024】
前記基板20は、図示省略しているが、支持体18の下面の全面に、溶接や、接着剤による接着や、ビス等から選択された任意の手段により、固設される。これに対して、滑走板21は、基板20の下面の前面に、固定手段22により、着脱自在に固着される。
【0025】
(枠体)
前記支持体18を構成する枠体19は、走行方向Fに延びる一対の長手フレーム19a、19aを左右幅方向に並設した状態で、走行方向に間隔をあけて複数の短手フレームで連結することにより梯子状に枠組みされている。
【0026】
図示実施形態の場合、走行方向Fに関して、前端部の短手フレーム19bと後端部の短手フレーム19cの間に、3本の短手フレーム19dが配置されている。前端部及び後端部の短手フレームに19b、19cの両端と長手フレーム19a、19aの間には、斜交フレーム19eが介装されており、これにより、支持体18の周囲の輪郭に関して、走行方向Fに対して傾斜する逃げ部12aが形成されている。
【0027】
前端部及び後端部の短手フレームに19b、19cと、中央の短手フレーム19dには、それぞれ、柱脚部材23が立設されており、該柱脚部材23を荷台11の下面に連結することにより、走行体12が荷台11に取付けられる。これにより、走行体12と荷台11の間には、長手フレーム19aの全長にわたり開口する空間Sが形成される。
【0028】
図示実施形態の場合、前端部の短手フレーム19bに立設された柱脚部材23には、前向きのブラケット24が設けられ、該ブラケット24に補助輪25を軸支している。
【0029】
(基板及び滑走板)
【0030】
基板20と滑走板21は、前記支持体18の周囲輪郭と同形同大に形成されており、コーナ部分を斜めに切り落とした形状とすることにより、枠体19の斜交フレーム19eと相俟って走行体12の逃げ部12aを形成している。
【0031】
上述のように、支持体18の下面の前面に固設された基板20に対して、滑走板21は、固定手段22により、着脱自在に固着される。この際、
図3に示すように、固定手段22は、枠体19において隣り合う短手フレームの間に位置して配設されている。図例の場合、前端部の短手フレーム19bと、中間の3本の短手フレーム19dと、後端部の短手フレーム19cの合計5本の短手フレームの間の4個所に対応して固定手段22が設けられている。
【0032】
図4ないし
図6に示すように、基板20が比較的薄い金属板により形成されているのに対して、滑走板21は、比較的分厚い合成樹脂板により形成され、周囲の縁部には、全周にわたる面取り部21aが形成されている。
【0033】
4個所に設けられた固定手段22は、同一構成とされており、基板20と滑走板21のそれぞれに相互に連通するように形成された取付孔26、27と、滑走板21の取付孔27に下方から挿入される頭付きボルト28と、基板20の上方から該ボルトに螺着されるナット29により構成されている。この際、ボルト28の頭部28aは、回転工具を係合させるための六角穴その他の係合孔28bを設けている。
【0034】
滑走板21の取付孔27は、
図6に示すように、前記ボルト28の頭部28aを陥没させる嵌合孔部27aと、該嵌合孔部27aから滑走板21の下面に向けて次第に内径を広げるテーパ孔部27bを形成している。
【0035】
そこで、滑走板21を取付ける際は、
図6(A)(B)に示すように、支持体18に固設された基板20の下面に滑走板21を重ね、両者の取付孔26、27を連通させた状態で、
図6(C)(D)に示すように、下方からボルト28を挿通させると共に、挿通されたボルトの軸部28cに、基板20の上方からナット29を螺着し、係合孔28bを介して回転工具により頭部28aを駆動回転させれば良い。これにより、ボルト頭部28aとナット29の間に、基板20と滑走板21が締結される。この際、頭部28aは、嵌合孔28bに陥没し、滑走板21の下面にはテーパ孔部27bが臨まされる。
【0036】
尚、図示実施形態の場合、固定手段22に独立した部品としてのナット29を含んでいるが、図示のようなナット29を使用することは必ずしも必要ではなく、例えば、基板20の取付孔26にネジ孔を一体形成することによりナットを構成しても良い。
【0037】
(走行の作用)
図7及び
図8は、以上のように構成した手押し運搬装置10を配筋付きデッキ1の上で滑走することにより走行させるときの状態を示している。
【0038】
荷台11に積荷(図示せず)を積載した状態で、走行体12の滑走板21がデッキ1の上に載せられ、作業者がハンドル16を押すことにより、走行方向Fに滑走させられる。尚、ハンドル16を引くことにより、反対方向にも滑走可能なことは言うまでもない。
【0039】
滑走板21は、合成樹脂により形成されているので、硬い鉄筋の上に馴染み易く、滑りも良いので、軽い力で良好に滑走する。この際、走行体12は、デッキ1に列設された鉄筋の間隔よりも幅広に形成されているので、鉄筋の間に落ち込むことはない。しかも、走行方向Fに関して、直進方向から進路を変更するため旋回させる場合でも、走行体12の左右には逃げ部12aが形成されており、更に、滑走板21の逃げ部12aを含む全周に面取り部21aが形成されているので、鉄筋等の引っ掛かりがなく、良好に旋回する。
【0040】
ところで、デッキ1の上を滑走する際、図示のように、異形鉄筋6のリブ又は節による突部6aや、巻きつけられた番線7等が、滑走を妨げる障害物となる。
【0041】
この点に関して、図示実施形態の手押し運搬装置10の場合、滑走板21の下面は、全面にわたり突起部を有しない平坦面を形成しているので、滑走性が良い。
【0042】
この際、着脱自在な固定手段22を構成するためボルト28を使用すると、取付孔27が滑走板21の下面に開口させられることが不可避であり、その場合、孔の開口縁に前述のような障害物が引っかかる問題がある。この問題を解決するため、取付孔27はボルト頭部28aを陥没させた嵌合孔部27aからテーパ孔部27bを形成しており、テーパ孔部27bを滑走板21の下面に開口させている。これにより、突部6aや番線7等の障害物が孔の開口部に進入したとしても、テーパ孔部27bがガイドとして機能し、走行方向に向けて障害物を容易に乗り越えることができる。
【0043】
(メンテナンスの作用)
滑走板21は、合成樹脂により形成されているので、滑走性に優れている反面において、摩耗し易いので、交換可能とされている。このため、滑走板21は、基板20に対して、着脱自在な固定手段22により固着されている。
【0044】
従って、滑走板21が摩損したときは、固定手段22による固定を解除することにより、古い滑走板21を取外して新しい滑走板21と交換し、再び固定手段22を固定することになる。
【0045】
この際、固定手段22は、滑走板21の下方から、つまり、テーパ孔部27bに臨ませた回転工具により、係合孔28bを介して、ボルト頭部28aを回転させ、基板20の上で保持したナット29に対して着脱させるように構成されている。このため、作業者は、一方の手で回転工具を操作し、他方の手を空間に入れてナット29を保持することが必要となるところ、上述のように、空間Sは枠体19の長手フレーム19aの全長にわたり開口させられているので、作業者の手を容易に挿入することができ、4個所に及ぶ固定手段22の着脱作業を容易に行うことが可能である。
【0046】
(不使用時の作用)
手押し運搬装置10は、使用しないときは、倉庫等に保管することになる。この場合、
図9に示すように、枢支金具15に対してハンドル16を回動することにより折畳み、グリップ17を把持して荷台11を引き起こした状態とすれば、補助輪25が床面を走行可能となるので、簡便に移動させることができる。
【符号の説明】
【0047】
1 配筋付きデッキ
2 底板
3 上弦材
4 下弦材
5 ラチス材
6 異形鉄筋
6a 突部
7 番線
10 手押し運搬装置
11 荷台
12 走行体
12a 逃げ部
13 型材
14a、14b 枠フレーム
15 枢支金具
16 ハンドル
17 グリップ
18 支持体
19 枠体
19a 長手フレーム
19b、19c、19d 短手フレーム
19e 斜交フレーム
S 空間
20 基板
21 滑走板
21a 面取り部
22 固定手段
23 柱脚部材
24 ブラケット
25 補助輪
26 取付孔(基板)
27 取付孔(滑走板)
27a 嵌合孔部
27b テーパ孔部
28 頭付きボルト
28a 頭部
28b 係合孔
28c 軸部
29 ナット