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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024098710
(43)【公開日】2024-07-24
(54)【発明の名称】走行制御システム
(51)【国際特許分類】
   B60W 30/10 20060101AFI20240717BHJP
   G01C 21/34 20060101ALI20240717BHJP
   G08G 1/16 20060101ALI20240717BHJP
   G08G 1/09 20060101ALI20240717BHJP
   G16Y 10/40 20200101ALI20240717BHJP
   G16Y 40/60 20200101ALI20240717BHJP
   B60W 30/14 20060101ALI20240717BHJP
   B60W 40/04 20060101ALI20240717BHJP
   B60W 40/02 20060101ALI20240717BHJP
【FI】
B60W30/10
G01C21/34
G08G1/16 A
G08G1/09 V
G16Y10/40
G16Y40/60
B60W30/14
B60W40/04
B60W40/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023002347
(22)【出願日】2023-01-11
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000001236
【氏名又は名称】株式会社小松製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110000969
【氏名又は名称】弁理士法人中部国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】野澤 優介
(72)【発明者】
【氏名】溝尾 駿
(72)【発明者】
【氏名】高島 亨
(72)【発明者】
【氏名】岡野 隆宏
(72)【発明者】
【氏名】長川 研太
(72)【発明者】
【氏名】平中 貴士
(72)【発明者】
【氏名】小西 翔太
【テーマコード(参考)】
2F129
3D241
5H181
【Fターム(参考)】
2F129AA03
2F129BB03
2F129EE52
2F129FF02
2F129FF20
2F129FF32
2F129FF51
2F129GG04
2F129GG05
2F129GG06
2F129GG17
3D241BA15
3D241DC11Z
3D241DC51Z
5H181AA01
5H181AA07
5H181BB04
5H181BB20
5H181CC03
5H181CC04
5H181FF04
5H181FF13
5H181LL09
5H181MB01
(57)【要約】
【課題】移動体の流れを良好にすることである。
【解決手段】本走行制御システムにおいて、複数の移動体のうちの第1移動体の走行により発生すると推定される砂埃の影響を第2移動体が受け難くなるように、第1移動体と第2移動体との少なくとも一方の走行が制御される。それにより、第1移動体と第2移動体との相対位置関係を、第1移動体の走行により発生すると推定される砂埃の影響を第2移動体が受け難くなる関係とすることができる。その結果、視界不良に起因する速度低下を抑制でき、移動体の流れを良好にすることができる。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の移動体のうちの第1移動体と第2移動体との少なくとも一方の走行を制御する走行制御システムであって、
当該走行制御システムが、前記第1移動体の走行により発生すると推測される砂埃の状態に基づいて前記第1移動体と前記第2移動体との少なくとも一方の走行を制御することにより、前記砂埃が発生した場合に前記第2移動体が受けると推測される前記砂埃の影響を抑制する走行制御装置を含む走行制御システム。
【請求項2】
前記走行制御装置が、前記砂埃の状態に基づいて、前記第1移動体と前記第2移動体との相対位置関係が、前記第1移動体の走行により発生すると推測される砂埃の影響を前記第2移動体が受けると推測される関係から外れた関係となるように、前記第1移動体と前記第2移動体との少なくとも一方の走行を制御する請求項1に記載の走行制御システム。
【請求項3】
前記走行制御装置が、前記第1移動体と前記第2移動体との少なくとも一方の目標経路を決定する請求項2に記載の走行制御システム。
【請求項4】
前記走行制御装置が、前記第1移動体の目標経路を、前記複数の移動体が走行する走行路の端部を通る経路に決定する請求項3に記載の走行制御システム。
【請求項5】
前記走行制御装置が、前記第1移動体の走行速度を遅くする請求項1ないし4のいずれか1つに記載の走行制御システム。
【請求項6】
前記走行制御装置が、前記第1移動体の走行による砂の巻き上げ易さと前記砂埃の広がり易さとの少なくとも一方に基づいて前記砂埃の状態を取得するものである請求項1ないし4のいずれか1つに記載の走行制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の移動体のうちの少なくとも1つの走行を制御する走行制御システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、落石等により通過障害となる場所に関する情報が受信された場合に、その通過障害となる場所を回避して走行経路を設定する経路案内装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005-345152号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、移動体の流れを良好にすることである。
【課題を解決するための手段、作用および効果】
【0005】
本発明に係る走行制御システムにおいて、複数の移動体のうちの第1移動体の走行により発生すると推定される砂埃の状態に基づいて、第2移動体がその砂埃の影響を受け難くなるように、第1移動体と第2移動体との少なくとも一方の走行が制御される。それにより、第1移動体と第2移動体との相対位置関係を、第1移動体の走行により発生すると推定される砂埃の影響を第2移動体が受け難くなる関係とすることができる。その結果、視界不良に起因する速度低下を抑制でき、移動体の流れを良好にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】本発明の実施例1に係る走行制御システムとしての管理システム全体を概念的に示す図である。
図2】上記走行制御システムにおいて、砂埃の状態のレベルの決定方法を概念的に示す図である。
図3】上記走行制御システムの中央管制装置の管制ECUに記憶される目標経路等決定プログラムを表すフローチャートである。
図4】上記管制ECUに記憶される砂埃状態取得プログラムを表すフローチャートである。
図5】上記走行制御システムの制御対象である移動体の移動体ECUに記憶される移動体側走行制御プログラムを表すフローチャートである。
図6】上記複数の移動体のうちの第1移動体の走行により発生すると推測される砂埃の状態を概念的に示す図である。
図7】上記目標経路等決定プログラムの実行により決定された前記第1移動体とは別の第2移動体の目標経路を概念的に示す図である。
図8】上記目標経路等決定プログラムの実行により決定された前記第2移動体の別の目標経路を概念的に示す図である。
図9】上記第1移動体の走行により発生すると推測される砂埃の別の状態を概念的に示す図である。
図10】上記目標経路等決定プログラムの実行により前記第1移動体について減速制御が行われた状態を示す図である。
図11】上記目標経路等決定プログラムの実行により決定された第1移動体の目標経路を概念的に示す図である。
図12】本発明の実施例2に係る走行制御システムの全体を概念的に示す図である。
図13】上記移動体の走行により発生すると推測された砂埃の状態を概念的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本発明の一実施形態に係る走行制御システムについて図面に基づいて説明する。
【実施例0008】
本実施例に係る走行制御システムは、図1に示すように、例えば、鉱山等で作業を行う複数の移動体Vの走行を制御するものである。走行制御システムは、複数の移動体Vと通信可能な管制装置としての中央管制装置C、1つ以上のアンテナA等を含む。複数の移動体Vは、予め定められた走行領域としての走行路を走行する。これら複数の移動体Vと中央管制装置Cとにおいては、直接またはアンテナAを介して無線の通信が行われる。
【0009】
複数の移動体Vは、1個以上の重機HVと、1個以上のライトビークルLVとを含む。本実施例において、これら重機HV,ライトビークルLV等を総称して、または、個別に単に移動体Vと称する場合がある。
【0010】
1個以上の重機HVの各々は、重工業に用いられる機械であり、本実施例においては、鉱山で作業を行う移動体である。また、重機HVは、中央管制装置Cからの指令に基づいて作動(走行を含む)させられるものであり、自動運転移動体である。
1個以上のライトビークルLVの各々は、重機HVに比較して重量が軽い移動体である。ライトビークルLVは、作業員を乗せたり、作業に要する荷物を載せたりして、走行することが多い。本実施例において、ライトビークルLVは、運転者による運転操作により走行可能なマニュアル運転移動体であっても、運転者による運転操作が行われなくても走行可能な自動運転移動体であってもよい。
【0011】
マニュアル運転移動体において、運転者の視覚により自移動体Vの周辺の環境が認識され、その認識された周辺の環境に基づいて運転者による運転操作が行われる。そのため、視界が悪い状態において、マニュアル運転移動体の走行は困難となる。
自動運転移動体において、カメラ、ライダ等により自移動体Vの周辺の環境が認識され、中央管制装置Cから供給された運行計画とカメラ、ライダ等により認識された周辺の環境とに基づいて自動で走行させられる。そのため、カメラのレンズの視界が悪い場合、ライダによる信号の状態が悪い場合には、自動運転移動体においても、走行が困難となる場合がある。
【0012】
移動体Vの各々は、それぞれ、図1に示すように、移動体Vを駆動する駆動装置D,移動体Vを制動する制動装置B,移動体Vの操舵輪を転舵する転舵装置T,GPS(Global Positioning System)信号を受信するGPS受信機10、カメラ,ライダ等を含む周辺情報取得装置14、無線の情報を送信したり受信したりする移動体通信装置としての移動体通信装置12、コンピュータを主体とする移動体ECU20等を含む。
【0013】
駆動装置Dは、例えば、複数の車輪28のうちの複数の駆動輪に連結された駆動源としての電動機を含むものとすることができる。また、電動機に対応して駆動回路(例えば、インバータ)が設けられるが、駆動回路の制御により、複数の駆動輪に加えられる駆動力が制御され、移動体Vに加えられる駆動力が自動で制御される。
【0014】
なお、駆動装置Dは、電動機に加えて、または、電動機に代えてエンジン等を含むものとすることもできる。
【0015】
制動装置Bは、例えば、複数の車輪28の各々に対応して設けられ、摩擦係合部材を車輪28と一体的に回転可能なブレーキ回転体に押し付けることにより車輪28の回転を抑制する摩擦ブレーキと、複数の摩擦ブレーキの各々の押付力を制御可能な押付力制御アクチュエータとを含むものとすることができる。押付力制御アクチュエータの制御により、複数の車輪28の各々に設けられた摩擦ブレーキの押付力が制御され、複数の車輪28の各々に加えられる制動力が制御され、移動体Vに加えられる制動力が自動で制御される。なお、車輪28には、駆動装置Dに含まれる電動機の制動による回生制動が加えられる場合もある。
【0016】
転舵装置Tは、複数の車輪28のうちの操舵輪である左側車輪と右側車輪とを転舵するものである。転舵装置Tは、例えば、左側車輪、右側車輪を連結する一対のタイロッドおよび一対のタイロッドを連結する転舵ロッド、転舵ロッドに設けられた転舵アクチュエータ等を含む。転舵アクチュエータにより転舵ロッドが車両の軸方向に移動させられることにより、左側車輪と右側車輪とが自動で転舵される。
【0017】
GPS受信機10は、GNSS(Global Navigation Satellite System)の一例であるGPSからの信号(例えば、GPS信号)を受信するものであり、GPS信号に基づいて、移動体Vである自車両の位置が取得される。GPS信号に基づいて、緯度、経度、高度の3次元の位置が取得されるようにしても、緯度、経度の2次元の位置が取得されるようにしてもよい。
周辺情報取得装置14は、複数のカメラ、ライダ等を含み、移動体Vである自移動体の周辺の物体を認識するとともに、その物体と自移動体との相対位置関係等を取得する。
【0018】
移動体通信装置12は、移動体ECU20において作成された移動体情報を無線で送信したり、中央管制装置Cから無線で送信された情報である管制情報を受信したりするものである。
【0019】
移動体ECU20には、これら駆動装置Dの駆動回路、制動装置Bの押付力制御アクチュエータ、転舵装置Tの転舵アクチュエータ、GPS受信機10、周辺情報取得装置14、移動体通信装置12等が接続される。また、移動体ECU20には、識別情報等記憶部22、移動体情報作成部24、走行制御部26等が含まれる。
【0020】
識別情報等記憶部22は、移動体Vである自車両に設定された識別情報等を記憶するものである。複数の重機HV、ライトビークルLVの各々は、互いに異なる識別情報が付与されている。
【0021】
移動体情報作成部24は、GPS信号に基づいて取得された移動体Vの位置を表す移動体位置情報、移動体Vの識別情報等を含む移動体情報を作成する。作成された移動体情報は、移動体通信装置12に出力される。移動体通信装置12は移動体情報を送信する。
【0022】
走行制御部26は、駆動装置D,制動装置B,転舵装置Tを制御することにより、移動体Vの走行を制御するものである。本実施例において、走行制御部26は、移動体通信装置12において受信された中央管制装置Cから送信された管制情報に含まれる走行指令に基づいて、駆動装置D,制動装置B,転舵装置T等を制御する。
【0023】
なお、移動体Vの車輪28のタイヤに、路面センサが取り付けられている場合には、路面センサによって路面の状態が検出される。路面の状態には、路面の湿度等が該当する。路面センサが通信機能を含む場合(タイヤに路面センサの検出結果を送信可能な通信装置が設けられている場合)には、タイヤと車体との間の無線の通信により、路面センサの検出結果が車体側に供給されるようにすることができる。移動体ECU20は、路面センサによって検出された路面の状態を表す情報を含む移動体情報を作成することができる。
【0024】
中央管制装置Cは、コンピュータを主体とする管制ECU40と管制ECU40に接続された管制通信装置42とを含む。管制ECU40は、砂埃状態取得部50を含む目標経路等決定部52、管制情報作成部54等を含む。
【0025】
管制通信装置42は、管制情報作成部54によって作成された管制情報を無線で送信したり、移動体Vから無線で送信された移動体情報を受信したりするものである。
【0026】
砂埃状態取得部50は、走行路内において発生すると推測される砂埃の状態を取得するものである。砂埃とは、砂が舞い上がって煙のように見えるものであり、砂けむり、砂塵等と称することができる。本実施例において、砂埃とは、舞い上がった砂により視界(人間の視界、カメラの視界等を含む)が悪くなることに起因して移動体Vの走行に支障が生じる濃さの砂埃をいう。換言すると、空気中に浮遊する砂等の濃度が設定濃度以上であり、視界不良が生じると判定し得る砂埃である。“砂を巻き上げ易く、かつ、風量が多い場合”には、砂埃の範囲が広くなるが、“砂を巻き上げ易く、かつ、風量が少ない場合”、または、“砂を巻き上げ難い場合”には、砂埃の範囲は狭くなる。このように、砂埃の状態は、砂の巻き上げ易さ、砂の広がり易さ等に基づいて決まる。また、砂埃の状態として発生すると推測される砂埃の範囲を表すことが多い。砂埃の範囲は、図2に示すように、砂を巻き上げ易く、砂が広がり易い場合に、砂を巻き上げ難く、砂が広がり難い場合より、高くなる砂埃レベルで表すこともできる。
【0027】
砂の巻き上げ易さは、複数の移動体Vのうちの第1移動体V1の状態、路面の状態、気象情報等で決まる。砂の広がり易さは、路面の状態、気象情報等で決まる。
第1移動体V1の状態には、第1移動体の走行速度、第1移動体の重量と積載重量との和である総重量、第1移動体のタイヤの形状等が該当する。第1移動体V1の走行速度が速い場合は遅い場合より、砂を巻き上げ易い。第1移動体の総重量が大きい場合は小さい場合より、砂を巻き上げ易い。第1移動体V1のタイヤの直径が大きく、溝が深い場合は、タイヤの直径が小さく、溝が浅い場合より砂を巻き上げ易い。
【0028】
路面の状態には、路面の乾燥状態等が含まれる。路面の乾燥度が高い場合は低い場合より砂を巻き上げ易く、広がり易い。
気象情報には、湿度、風量(風速)、風向き等が該当する。湿度が低い場合は高い場合より、砂埃が広がり易い。風量が多い場合は少ない場合(風速が早い場合は遅い場合)より砂埃は広がり易い。また、風向きによって砂埃が広がる向きが決まる。
【0029】
目標経路等決定部52は、砂埃状態取得部50によって取得された砂埃の状態に基づいて、第1移動体V1と第2移動体V2(重機HVまたはライトビークルLV)との少なくとも一方の目標経路等を決定するものである。例えば、第2移動体V2が、第1移動体V1の走行により発生すると推測される砂埃の状態に基づいて決まる砂埃に進入しないように、第1移動体V1と第2移動体V2との少なくとも一方の目標経路等が決定される。換言すると、第1移動体V1と第2移動体V2との相対位置関係が、第1移動体V1の走行により発生すると推測される砂埃の影響を第2移動体が受けると推測される関係から外れた関係となるように、目標経路等が決定されるのである。このことは、第1移動体V1と第2移動体V2との相対位置関係が制御されると考えることができる。
【0030】
なお、目標経路決定部52によって決定された目標経路は、複数の移動体Vの出発前に、作業計画で決まる目標経路とは異なる場合が多い。目標経路決定部52によって、予め作業計画で決められた目標経路が変更されると考えることができる。
また、目標経路の決定等は、AI(Artificial Intelligence)を利用して、行うことができる。
【0031】
仮に、移動体Vが砂埃の範囲内に位置する場合には、運転者の視界が悪くなったり、カメラやライダにより周辺の環境を認識し難くなったりする。そのため、移動体Vの走行速度が低下する場合がある。また、砂埃の発生を抑制するために散水を行う場合もあるが、走行領域全体に散水を行うのは困難である。それに対して、本実施例においては、目標経路が、第1移動体V1と第2移動体V2との相対位置関係が、第1移動体V1の走行により発生すると推測される砂埃の影響を第2移動体が受けると推測される関係から外れた関係となるように決定される。それにより、散水を行う必要性が低くなり、移動体の走行速度の低下等を抑制することができる。
【0032】
例えば、第1移動体V1が重機HVであり、第2移動体V2がライトビークルLVである場合において、図6に示す場合には、第1移動体V1が走行路Sの部分Pを走行する場合には、砂埃X1が発生すると推測される。仮に、第2移動体V2が、破線が示す目標経路RTに沿って走行すると、砂埃X1に進入する可能性がある。
【0033】
それに対して、本実施例においては、図7に示すように、第2移動体V2の目標経路R1が、砂埃X1を回避するように決定される。換言すると、第1移動体V1と第2移動体V2との相対位置関係が、第1移動体V1の走行により砂埃X1が発生すると推測された場合に、第2移動体V2がその砂埃X1の影響を受ける関係から外れた関係となるように、目標経路R1が決定されるのである。それにより、第2移動体V2は、第1移動体V1の走行により砂埃X1が発生した場合であっても、砂埃X1の影響を受け難くすることができる。第2移動体V2の走行速度の低下を抑制し、流れを良好にすることができ、複数の移動体Vの作業性を向上させることができる。
【0034】
また、図8に示すように、第1移動体V1が部分Pに到着する前において、または、部分Pに位置する場合に、第1移動体V1を停止させることができる。それにより、砂埃の発生がなくなる。そして、第1移動体V1に後続する第2移動体V2について目標経路R2が決定される。第2移動体V2が目標経路R2に沿って走行することにより、第1移動体V1を追い抜くことができる。また、複数の第2移動体V2が互いに近くに位置する場合には、他の第2移動体V2についても目標経路R2´が決定される。それにより、複数の第2移動体V2を第1移動体V1より先行させることができる。
【0035】
図9に示すように、風向き、風量等により、走行路Sの部分Pにおいて第1移動体V1の走行により砂埃X2が発生すると推測される場合において、仮に、第2移動体V2が目標経路Raに沿って走行した場合には第2移動体V2は砂埃X2に進入する可能性が高い。それに対して、例えば、図11に示すように、第1移動体V1が走行路Sの縁Shに近い部分(走行路Sの端部)を走行するように、目標経路R3が決定される。例えば、風向きfが走行路Sの縁Shから走行路Sの外方へ向う向きである場合において、図11に示すように、第1移動体V1が目標経路R3に沿って、走行路Sの風下側の縁Shに近い部分を走行した場合には、砂埃X2が主として走行路外に及び、走行路内に及び難くすることができる。そのため、第2移動体V2は、破線で示す目標経路Raに沿って走行しても、砂埃X2に進入し難くすることができる。
【0036】
その他、図10に示すように、第1移動体V1の走行速度を遅くすることができる。それにより、発生すると推測される砂埃の範囲X2´を狭くすることができる。第2移動体V2は、目標経路Raに沿って走行しても、砂埃の範囲X2´内に進入し難くすることができる。
【0037】
なお、砂埃の範囲を推測する場合には、建物等の遮蔽物を考慮することができる。
また、複数の移動体Vのうち、中央管制装置Cからの制御指令に従って走行し、自移動体Vの周辺情報取得装置14のカメラの撮像画像やライダの信号等の情報を利用することなく走行可能な移動体Vがある場合には、その移動体Vは、砂埃の内部を、速度を低下することなく走行することができる。そのため、そのような移動体Vについては砂埃の状態を考慮して目標経路を決定する必要性は低い。
【0038】
管制情報作成部54は、管制情報を作成するものである。作成した管制情報は、管制通信装置42に出力され、送信される。管制情報は、砂埃の状態に基づいて設定された目標経路、走行速度等を表す制御指令と、制御対象移動体の識別情報とを含む。
【0039】
目標経路等決定部52において、図3のフローチャートで表される走行経路等決定プログラムが予め定められた設定時間毎に実行される。
ステップ1(以下、単にS1と略称する。他のステップについても同様とする)において、管制通信装置42において受信した移動体情報に基づいて、第1移動体V1,第2移動体V2が特定され、これらの位置が取得される。S2において、第1移動体V1が走行路の前方の部分を走行する場合に発生すると推測される砂埃の状態が取得される。S3において、第1移動体V1と第2移動体V2との少なくとも一方の目標経路等が作成されたり、第1移動体V1への減速指令、停止指令、第2移動体V2への追い抜き指令等が作成されたりする。S4において、制御対象である第1移動体V1と第2移動体V2との少なくとも一方の識別情報と、目標経路を表す情報,減速指令または停止指令等の制御指令を表す情報等とを含む管制情報が作成されて、送信される。
【0040】
また、第1移動体V1が部分Pを走行する場合に発生すると推測される砂埃が、その範囲内に行き渡るまでの時間は、風量等に基づいて推測することができる。そのため、第1移動体V1が部分Pを走行し、砂埃が発生すると推測される場合に、その砂埃が広がるまでの時間に基づいて決まるタイミングで、第1移動体V1と第2移動体V2との少なくとも一方に管制情報を供給することができる。
【0041】
上記S2の砂埃の状態の取得は、砂埃状態取得部50において、図4のフローチャートで表される砂埃状態取得ルーチンの実行により行われる。中央管制装置Cにおいては、走行領域の複数の部分の各々の路面の状態、複数の移動体Vの各々の状態は予め取得され、気象情報等はその都度取得される。
S11において、走行領域のうち、第1移動体V1の前方の部分Pの路面の状態が取得され、S12において、その前方の部分Pの気象情報等が取得され、S13において、第1移動体V1の状態が取得される。そして、S14において、これらに基づいて、第1移動体V1が部分Pを走行する場合に発生すると推測される砂埃の状態が取得される。
【0042】
複数の移動体Vの各々の移動体ECU20においては、図5のフローチャートで表される移動体側走行制御プログラムが実行される。
S31において、管制情報を受信したか否かが判定される。判定がYESである場合には、S32において、識別情報が一致するか否かが判定され、判定がYESである場合には、制御指令の内容が取得される。S33において停止指令であるか否か、S34において減速指令であるか否か、S35において追い抜き指令であるか否か、S36において目標経路であるか否かが、それぞれ判定される。
【0043】
S33の判定がYESである場合には、S37において、停止制御が行われる。制動装置Bを制御することにより、移動体Vが停止させられる。S34の判定がYESである場合には、S38において、減速制御が行われる。制動装置Bや駆動装置Dの制御により、第1移動体V1の走行速度が遅くされる。S35の判定がYESである場合には、S39において、第1移動体V1を追い抜くよう、駆動装置D,転舵装置T等が制御される。S36の判定がYESである場合には、S40において、第2移動体V2が決定された目標経路に沿って走行するよう、駆動装置D,転舵装置T、制動装置B等が制御される。
【0044】
以上のように、本実施例においては、第1移動体V1の走行により発生する砂埃の状態が、第2移動体V2が砂埃に進入する前に、換言すると、第2移動体V2が視界不良な状態に至る前に推測される。仮に、第2移動体V2において視界不良が検出された場合、または、第1移動体V1の後部または第2移動体V2の前部に設けられた粉塵センサによって検出された空気中の砂等の濃度が設定濃度以上である場合、換言すると、第2移動体V2が砂埃に進入した後に、第1移動体V1と第2移動体V2との相対位置関係が制御される場合には、第2移動体V2の走行速度が低下する等の問題が生じる。それに対して、本実施例においては、第2移動体V2が砂埃に進入する前に、相対位置関係の制御が開始される。その結果、第2移動体V2の砂埃Xへの進入を回避することができる。第2移動体V2が視界不良な状態に至ることに起因する走行速度の低下を抑制し、それにより、移動体Vの走行を良好に行うことが可能となり、作業性の向上を図ることができる。
【0045】
また、第1移動体V1の走行速度を遅くすることにより、砂埃レベルを小さくすることができる。
【0046】
なお、上記実施例においては、砂埃の状態がその都度取得され、目標経路等が設定されるようにされていたが、発生すると推測される砂埃の状態が考慮されて作業計画が作成されるようにすることができる。
例えば、複数の移動体Vの作業開始前に、走行路Sの複数の部分の各々における路面の状態、気象情報等が取得され、発生すると推測される砂埃の状態を考慮して作業計画が作成されるようにすることができる。例えば、複数の移動体Vの各々が、走行路Sの複数の部分の各々を走行した場合に発生すると推測される砂埃の状態と、第1移動体V1と第2移動体V2との相対位置関係等とに基づいて、設定時間の間に予め定められた量の作業が行われることを条件として、複数の移動体Vの各々の走行経路、走行速度、総重量等について最適解が求められ、作業計画が作成されるようにすることができる。
【0047】
このように、本実施例においては、複数の移動体Vの作業開始前に、作業計画が砂埃の状態に基づいて作成される場合には、作業開始後に、気象情報等が適宜修正され、砂埃の状態が修正等されて、目標経路等が修正されるようにすることができる。
【0048】
以上、本実施例においては、中央管制装置Cの管制ECU40の目標経路等決定プログラムを記憶する部分、実行する部分等により走行制御装置が構成されると考えることができる。走行制御装置には、移動体ECU20の走行制御プログラムのS33-40を記憶する部分、実行する部分等を含めることができる。走行制御装置は相対位置関係制御装置でもある。走行制御装置のうち管制ECU40のS2(砂埃状態取得プログラム)を記憶する部分、実行する部分等により砂埃状態取得部が構成され、S3を記憶する部分、実行する部分等により目標経路等決定部が構成される。
【0049】
なお、上記実施例において、第1移動体が重機HVであり、第2移動体がライトビークルLVである場合について説明したが、それに限らない。例えば、第1移動体と第2移動体との両方が、ライトビークルまたは重機等であってもよい。
【0050】
また、移動体Vが路面センサを含む場合において、路面センサの検出結果を表す情報が移動体情報に含まれて中央管制装置Cに供給されるようにすることができる。中央管制装置Cにおいて、移動体情報に含まれる路面センサの検出結果に基づいて予め入力された路面の状態が修正等され、砂埃の状態が修正等されるようにすることができる。それにより、走行路Sの複数の部分の各々の路面の状態を細かに取得することが可能となり、より正確に砂埃の状態が取得されるようにすることができる。
【0051】
さらに、第1移動体V1の走行により砂埃が発生した後、その砂埃の影響を第2移動体V2が受ける前に、本実施例を適用することができる。第1移動体V1の走行により砂埃が発生した後、第2移動体V2が砂埃の影響を受ける前であれば、第2移動体V2は砂埃を回避して走行することができる。
【実施例0052】
本発明は、図12,13に示すように、未舗装の走行路を複数の移動体Vcが走行する場合に適用することができる。
複数の移動体Vcは、図12に示すように、それぞれ、駆動装置Dc、制動装置Bc、転舵装置Tc、GPS受信機10c、周辺情報取得装置14c、移動体通信装置12c、移動体ECU20c等を含む。移動体ECU20cは、識別情報等記憶部22c、移動体情報作成部24c、走行制御部26c、砂埃状態取得部72c、目標経路決定部74c等を含む。駆動装置Dc、制動装置Bc、転舵装置Tc、GPS受信機10c、移動体通信装置12c、周辺情報取得装置14c、識別情報等記憶部22c、移動体情報作成部24c、走行制御部26c等については、上記実施例におけるそれらと同様のものであるため、説明を省略する。
【0053】
外部情報発信装置80cは、複数の移動体Vcが走行する走行領域である走行路に含まれる複数の部分の各々における路面の状態、気象情報等の情報を発信するものである。外部情報発信装置80cから送信された情報は、移動体Vcの移動体通信装置12cにおいて受信される。
【0054】
砂埃状態取得部72cは、自身である自移動体Vcが、走行領域としての走行路の前方の部分を走行した場合に発生すると推測される砂埃の状態を取得するものである。砂埃の状態は、外部情報発信装置80cから発信された路面状態情報および気象情報と、自移動体Vcの状態とに基づいて取得される。
【0055】
移動体情報作成部24cは、自移動体Vcの位置と、自移動体Vcが、前方の部分を走行する場合に発生すると推測される砂埃の状態を表す砂埃状態情報とを含む移動体情報を作成する。作成した移動体情報は移動体通信装置12cから無線で送信される。
【0056】
目標経路決定部74cは、受信した移動体情報に基づいて、発生すると推測される砂埃の状態に基づいて、自移動体Vcが、その砂埃への進入を回避するよう目標経路を作成するものである。
走行制御部26cは、目標経路決定部74cにおいて作成された目標経路に沿って、自移動体が走行するように、駆動装置Dc,制動装置Bc,転舵装置Tc等を制御する。
【0057】
例えば、図13に示すように、移動体Vcxは、前方の部分Pxの路面状態と、気象情報と、自移動体Vcxの状態とに基づいて、自移動体Vcxが前方の部分Pxを走行する場合に発生すると推測される砂埃の状態を取得する。そして、自移動体Vcxの位置を表す位置情報と、走行路の前方の部分Pxを自移動体Vcxが走行する場合に発生すると推測される砂埃の状態(砂埃の範囲等)を表す情報とを含む移動体情報を作成して、送信する。
【0058】
移動体Vcxとは別の移動体Vcyは、移動体Vcxから送信されて、受信した移動体情報から、移動体Vcxが走行路の前方の部分Pxを走行する場合に発生すると推測される砂埃の状態(砂埃Axの範囲等)を取得する。そして、自移動体Vcyが、砂埃Axへの進入を回避するように目標経路を作成して、その目標経路に沿って走行する。それにより、移動体Vcyは、砂埃Axに進入し難くすることができる。
【0059】
なお、移動体Vcyは、移動体Vcyが目標経路の前方の部分Pyを走行する場合に発生すると推測される砂埃Ayの状態を取得し、その砂埃Ayの状態を表す情報、自身の位置を表す情報を含む移動体情報を作成して、送信する。
【0060】
このように、移動体間の通信、移動体Vcと外部情報発信装置80cとの間の通信等におり、複数の移動体Vcの各々は、別の移動体Vcにより発生すると推測される砂埃の状態を取得することができる。そして、取得した砂埃の状態に基づいて、砂埃に進入するのを未然に防止することができる。それにより、移動体の各々の走行を良好にすることができ、複数の移動体の流れを良好にすることができる。
【0061】
本実施例においては、複数の移動体Vc,外部情報発信装置80c等により走行制御システムが構成され、複数の移動体Vcの各々の移動体ECU20cの砂埃状態取得部72c、目標経路決定部74c、走行制御部26c等により走行制御装置が構成される。
【0062】
なお、複数の移動体Vcの各々が路面状態センサを含む場合には、複数の移動体Vcの各々が、それぞれ、路面状態センサによって検出された路面状態を表す情報を移動体情報に含めて、送信することもできる。本実施例においては、外部情報発信装置80cは不可欠ではない。
【0063】
さらに、周辺情報取得装置14cに含まれるカメラ、ライダ等により、路面に含まれる砂等の状態を表す路面状態を取得することができる。
このように、周辺情報取得装置14cによって取得された周辺情報と気象情報とに基づいて、自移動体の前方の路面の状態を取得することが可能となる場合がある。その場合には、自移動体において、前方の路面の状態と自移動体の状態とに基づいて発生すると推測される砂埃の状態を取得することができる。
【0064】
その他、本発明は、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した種々の態様で実施することができる。
【符号の説明】
【0065】
10,10c:GPS受信機 14,14c:移動体通信装置 20,20c:移動体ECU 24,24c:移動体情報作成部 26,26c:走行制御部 40:管制ECU 42:管制通信装置 50,72c:砂埃状態取得部 52,74c:目標経路等決定部 70c:路面センサ C:中央管制装置 V:移動体
【特許請求可能な発明】
【0066】
以下の各項に、特許請求可能な発明を記載する。
【0067】
(1) 複数の移動体のうちの第1移動体と第2移動体との少なくとも一方の走行を制御する走行制御システムであって、
当該走行制御システムが、前記第1移動体の走行により発生すると推測される砂埃の状態に基づいて前記第1移動体と前記第2移動体との少なくとも一方の走行を制御することにより、前記砂埃が発生した場合に前記第2移動体が受けると推測される前記砂埃の影響を抑制する走行制御装置を含む走行制御システム。
【0068】
走行の制御には、走行速度の制御、走行経路の制御等が含まれる。走行速度の制御には、停止させることも含まれる。第1移動体と第2移動体との少なくとも一方の走行の制御により、第1移動体と第2移動体との相対位置関係が制御される。
【0069】
(2)前記走行制御装置が、前記砂埃の状態に基づいて、前記第1移動体と前記第2移動体との相対位置関係が、前記砂埃の影響を前記第2移動体が受けると推測される関係から外れた関係となるように、前記第1移動体と前記第2移動体との少なくとも一方の走行を制御する(1)項に記載の走行制御システム。
【0070】
(3)前記走行制御装置が、前記第1移動体と前記第2移動体との少なくとも一方の目標経路を決定する(2)項に記載の走行制御システム。
【0071】
第1移動体と第2移動体との相対位置関係は、第1移動体と第2移動体との走行経路で決まる。
【0072】
(4)前記走行制御装置が、前記第1移動体の目標経路を、前記複数の移動体が走行する走行路の端部を通る経路に決定する(3)項に記載の走行制御システム。
【0073】
例えば、風向きと、走行路の伸びる方向等とに基づき、第1移動体の目標経路を、走行路の端部(走行路の縁部近傍の部分)を通る経路に決定することにより、砂埃が主として走行路の外側に広がり、内部に広がり難くすることができる。
【0074】
(5)前記走行制御装置が、前記第1移動体を一旦停止させて、前記第2移動体が前記第1移動体を追い抜くように、前記第1移動体と前記第2移動体との少なくとも一方の走行を制御する(2)項ないし(4)項のいずれか1つに記載の走行制御システム。
【0075】
設定範囲内に第2移動体が複数位置する場合には、複数の第2移動体が第1移動体を追い抜くことが望ましい。
【0076】
(6)前記走行制御装置が、前記第1移動体の走行速度を遅くする(2)項ないし(5)項のいずれか1つに記載の走行制御システム。
【0077】
第1移動体の走行速度を遅くすることにより、砂の巻き上げ量を少なくすることができる。砂埃における砂を薄くし、砂埃の範囲を狭くすることができる。
なお、本項に記載の走行制御システムにおいては、第1移動体と第2移動体との相対位置関係が、第1移動体の走行により発生すると推測される砂埃の影響を第2移動体が受けると推測される関係から外れた関係となるように、砂埃の範囲が狭くされると考えることができる。
また、第1移動体の走行速度が第2移動体の走行速度に対して遅くされることにより、第1移動体と第2移動体との相対位置関係が変わると考えることもできる。
【0078】
(7)前記走行制御装置が、前記第1移動体の走行による砂の巻き上げ易さと前記砂埃の広がり易さとの少なくとも一方に基づいて前記砂埃の状態を取得するものである(1)項ないし(6)項のいずれか1つに記載の走行制御システム。
【0079】
(8)前記走行制御装置が、前記複数の移動体が走行する走行領域の路面の状態と、前記第1移動体の状態と、気象情報とのうちの1つ以上に基づいて、前記砂埃の状態を取得するものである(1)項ないし(7)項のいずれか1つに記載の走行制御システム。
【0080】
(9)前記走行制御装置が、前記砂埃の影響を前記第2移動体が受ける前に、前記第1移動体と前記第2移動体との少なくとも一方の走行の制御を開始する(1)項ないし(8)項のいずれか1つに記載の走行制御システム。
【0081】
第2移動体が実際に砂埃の影響を受ける前に、その砂埃の状態が推測され、第2移動体が砂埃(砂埃の影響を受ける範囲)内に進入しないように目標経路が決定等される。
本項に記載の走行制御システムにおいて、第1移動体の走行により砂埃が発生する前に、走行の制御が開始される場合、砂埃が発生した後、第2移動体が砂埃の影響を受ける前に、走行の制御が開始される場合等がある。
【0082】
(10) 複数の移動体のうちの第1移動体と第2移動体との少なくとも一方の走行を制御する走行制御システムであって、
当該走行制御システムが、前記第1移動体の走行により発生すると推測される砂埃の状態に基づいて、前記第1移動体と前記第2移動体との相対位置関係を制御して、前記砂埃が発生したと仮定した場合に、前記第2移動体が受けると推測される前記砂埃の影響を抑制する相対位置関係制御装置を含む走行制御システム。
【0083】
また、本項に記載の走行制御システムには、(1)項ないし(9)項のいずれか1つに記載の技術的特徴を採用することができる。相対位置関係制御装置は走行制御装置の一例である。
【0084】
(11) 複数の移動体を管理する管理システムであって、
当該管理システムが、前記複数の移動体のうちの第1移動体と第2移動体との相対位置関係と、前記第1移動体の走行により発生すると推測される砂埃の状態とに基づいて、前記第2移動体が受けると推測される前記砂埃の影響が抑制されるように、前記複数の移動体についての作業計画を作成する作業計画作成装置を含む管理システム。
【0085】
本項に記載の管理システムには、(1)項ないし(10)項のいずれか1つに記載の技術的特徴を採用することができる。
本項に記載の管理システムにおいては、例えば、複数の移動体について、設定時間内に予め定められた作業量の作業が行われることを前提として、第2移動体が受けると推測される砂埃の影響が抑制されるように、第1移動体と第2移動体との相対位置関係が決まり、作業計画が作成される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13