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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024098736
(43)【公開日】2024-07-24
(54)【発明の名称】船舶推進器
(51)【国際特許分類】
   B63H 20/00 20060101AFI20240717BHJP
   B63H 21/38 20060101ALI20240717BHJP
   F01P 11/04 20060101ALN20240717BHJP
【FI】
B63H20/00 610
B63H21/38 A
F01P11/04 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023002397
(22)【出願日】2023-01-11
(71)【出願人】
【識別番号】000010076
【氏名又は名称】ヤマハ発動機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】弁理士法人新樹グローバル・アイピー
(74)【代理人】
【識別番号】100121382
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 託嗣
(72)【発明者】
【氏名】古賀 宏樹
(72)【発明者】
【氏名】大場 則之
(57)【要約】
【課題】電動モータが用いられる船舶推進器において、電動モータを適切に冷却する。
【解決手段】船舶推進器は、電動モータと、プロペラ軸と、ロアケースと、冷却液循環通路と、ポンプとを備える。プロペラ軸は、電動モータによって駆動される。ロアケースは、プロペラ軸を収容する。冷却液循環通路には、電動モータを冷却するための冷却液が流れる。冷却液循環通路は、冷却通路と、第1接続通路と、熱交換通路と、第2接続通路とを含む。冷却通路は、電動モータを通って配置される。第1接続通路は、冷却通路に接続され、冷却通路からロアケースへ向かって延びる。熱交換通路は、第1接続通路に接続され、ロアケースを通って配置される。第2接続通路は、熱交換通路に接続され、熱交換通路から冷却通路へ延びる。ポンプは、冷却液循環通路に冷却液を循環させる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動モータと、
前記電動モータによって駆動されるプロペラ軸と、
前記プロペラ軸を収容するロアケースと、
前記電動モータを通って配置される冷却通路と、前記冷却通路に接続され前記冷却通路から前記ロアケースへ向かって延びる第1接続通路と、前記第1接続通路に接続され前記ロアケースを通って配置される熱交換通路と、前記熱交換通路に接続され前記熱交換通路から前記冷却通路へ延びる第2接続通路とを含み、前記電動モータを冷却するための冷却液が流れる冷却液循環通路と、
前記冷却液循環通路に前記冷却液を循環させるポンプと、
を備える船舶推進器。
【請求項2】
前記電動モータは、前記ロアケースよりも上方に配置される、
請求項1に記載の船舶推進器。
【請求項3】
前記ロアケースは、
内部空間と、
前記内部空間を囲む側壁と、
を含み、
前記熱交換通路は、前記側壁の内側に配置される、
請求項1に記載の船舶推進器。
【請求項4】
前記ロアケースは、
内部空間と、
前記内部空間を囲む側壁と、
を含み、
前記側壁は、
前記船舶推進器の外部に面する外面と、
前記内部空間に面する内面と、
を含み、
前記熱交換通路は、前記外面と前記内面との間に配置される、
請求項1に記載の船舶推進器。
【請求項5】
前記電動モータを収容するカウルと、
前記電動モータから下方へ延びるドライブ軸と、
前記カウルの下方に配置され、前記ドライブ軸を収容するアッパケースと、
をさらに備え、
前記ロアケースは、前記アッパケースの下方に配置される、
請求項1に記載の船舶推進器。
【請求項6】
前記ロアケースは、キャビテーションプレートを含み、
前記熱交換通路の少なくとも一部は、前記キャビテーションプレートよりも下方に配置される、
請求項1に記載の船舶推進器。
【請求項7】
前記電動モータを制御するモータコントロールユニットをさらに備え、
前記冷却通路は、前記モータコントロールユニットを通って配置される、
請求項1に記載の船舶推進器。
【請求項8】
電動モータと、
前記電動モータを収容するハウジングと、
前記電動モータを通って配置される冷却通路と、前記冷却通路に接続され前記ハウジングを通って配置される熱交換通路を含み、前記電動モータを冷却するための冷却液が流れる冷却液循環通路と、
前記冷却液循環通路に前記冷却液を循環させるポンプと、
を備える船舶推進器。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、船舶推進器に関する。
【背景技術】
【0002】
船舶推進器には、エンジンと、エンジンを冷却するための冷却水通路とを備えるものがある。例えば、特許文献1の船舶推進器は、ウォータポンプと冷却水通路とを含む冷却システムを備えている。ウォータポンプは、ドライブ軸に接続されており、エンジンの駆動力によって駆動される。ウォータポンプは、船外機の外部の水を、船外機の外面に設けられた取水口から取り込み、冷却水通路を通してエンジンに送る。エンジンを通った水は、排水路を通って船外機の外部に排出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-177166号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、船舶推進器の動力源として、エンジンに代わり電動モータが使用される場合がある。電動モータが用いられる船舶推進器では、電動モータの電気部品を保護するために、電動モータの起動後、直ちに電動モータを冷却することが求められる。
【0005】
しかし、上述した冷却システムでは、エンジンが停止しているときには、ウォータポンプが駆動されず、冷却水はエンジンに供給されない。また、船舶推進器の外部の水を取り込んでエンジンまでくみ上げるため、エンジンの始動後、エンジンが冷却水によって冷却されるまでに時間がかかる。そのため、上述した冷却システムを、電動モータが用いられる船舶推進器に適用した場合には、電動モータを適切に冷却することは困難である。本発明の目的は、電動モータが用いられる船舶推進器において、電動モータを適切に冷却することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る船舶推進器は、電動モータと、プロペラ軸と、ロアケースと、冷却液循環通路と、ポンプとを備える。プロペラ軸は、電動モータによって駆動される。ロアケースは、プロペラ軸を収容する。冷却液循環通路には、電動モータを冷却するための冷却液が流れる。冷却液循環通路は、冷却通路と、第1接続通路と、熱交換通路と、第2接続通路とを含む。冷却通路は、電動モータを通って配置される。第1接続通路は、冷却通路に接続され、冷却通路からロアケースへ向かって延びる。熱交換通路は、第1接続通路に接続されロアケースを通って配置される。第2接続通路は、熱交換通路に接続され、熱交換通路から冷却通路へ延びる。ポンプは、冷却液循環通路に冷却液を循環させる。
【0007】
本発明の他の態様に係る船舶推進器は、電動モータと、ハウジングと、冷却液循環通路と、ポンプとを備える。ハウジングは、電動モータを収容する。冷却液循環通路には、電動モータを冷却するための冷却液が流れる。冷却液循環通路は、冷却通路と熱交換通路とを含む。冷却通路は、電動モータを通って配置される。熱交換通路は、冷却通路に接続され、ハウジングを通って配置される。ポンプは、冷却液循環通路に冷却液を循環させる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、冷却液循環通路に冷却液を循環させることで、電動モータが冷却される。そのため、電動モータの起動後、直ちに電動モータを冷却することができる。それにより、電動モータが適切に冷却される。また、冷却液は、冷却液循環通路の熱交換通路において冷却される。そのため、冷却液は、熱交換通路を通ることで、効率よく冷却される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施形態に係る船舶推進器の側面図である。
図2】船舶推進器の拡大側面図である。
図3図2におけるロアケースのIII-III断面図である。
図4】第1変形例に係る船舶推進器の側面図である。
図5】第2変形例に係る船舶推進器の側面図である。
図6】第3変形例に係る船舶推進器のロアケースの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して、実施形態について説明する。図1は、実施形態に係る船舶推進器1の側面図である。本実施形態では、船舶推進器1は、船外機である。船舶推進器1は、ブラケット2と、パワーユニット3と、伝達機構4と、ハウジング5とを備えている。船舶推進器1は、ブラケット2を介して、船舶に取り付けられる。
【0011】
パワーユニット3は、電動モータ11と、モータコントロールユニット(以下、MCU)12とを含む。電動モータ11は、図示しないバッテリからの電力によって駆動され、船舶を推進させるスラストを発生させる。MCU12は、電動モータ11を制御する。MCU12は、プロセッサ及びインバータなどの電気部品を含む。
【0012】
伝達機構4は、電動モータ11の駆動力をプロペラ13に伝達する。伝達機構4は、ドライブ軸14と、プロペラ軸15と、ギア機構16とを含む。ドライブ軸14は、電動モータ11に接続されている。ドライブ軸14は、船舶推進器1の上下方向に延びている。ドライブ軸14は、電動モータ11から下方に延びている。プロペラ軸15は、船舶推進器1の前後方向に延びている。プロペラ軸15は、ギア機構16を介して、ドライブ軸14に接続されている。プロペラ軸15にはプロペラ13が取り付けられる。
【0013】
ギア機構16は、第1ギア17と第2ギア18とを含む。第1ギア17と第2ギア18とは互いに噛み合っている。第1ギア17は、ドライブ軸14に接続される。第2ギア18は、プロペラ軸15に接続される。電動モータ11は、ドライブ軸14を回転駆動する。ドライブ軸14の回転は、ギア機構16を介してプロペラ軸15に伝達される。それにより、プロペラ軸15及びプロペラ13が、回転駆動される。
【0014】
ハウジング5は、カウル21と、アッパケース22と、ロアケース23とを含む。アッパケース22は、カウル21の下方に配置されている。ロアケース23は、アッパケース22の下方に配置されている。ロアケース23は、アルミ、或いはステンレス等の金属製である。
【0015】
ロアケース23は、トーピード部24を含む。トーピード部24は、外側に膨出した形状を有する。プロペラ軸15とギア機構16とは、トーピード部24内に配置される。ロアケース23には、キャビテーションプレート25が接続されている。キャビテーションプレート25は、ロアケース23から後方へ突出している。
【0016】
電動モータ11とMCU12とは、ロアケース23よりも上方に配置される。電動モータ11とMCU12とは、カウル21内に配置される。ドライブ軸14は、アッパケース22及びロアケース23内に配置される。プロペラ軸15とギア機構16とは、ロアケース23内に配置される。
【0017】
図1に示すように、船舶推進器1は、冷却液循環通路30とポンプ31とを含む。冷却液循環通路30には、冷却液が充填されており、冷却液循環通路30は、冷却液を循環させる閉回路を構成している。冷却液循環通路30は、冷却液を貯留するタンクを含んでもよい。ポンプ31は、冷却液循環通路30に冷却液を循環させる。ポンプ31は、例えば電動ポンプ31であり、図示しないバッテリからの電力によって駆動される。冷却液循環通路30は、冷却通路32と、第1接続通路33と、熱交換通路34と、第2接続通路35とを含む。
【0018】
冷却通路32は、電動モータ11とMCU12とを通って配置される。冷却通路32は、電動モータ11とMCU12とに接触して配置される。冷却通路32を流れる冷却液によって、電動モータ11とMCU12とが冷却される。第1接続通路33は、冷却通路32に接続される。第1接続通路33は、冷却通路32からロアケース23へ向かって延びている。第1接続通路33は、カウル21から、アッパケース22内を通って、ロアケース23に向かって延びている。
【0019】
熱交換通路34は、第1接続通路33に接続される。熱交換通路34は、ロアケース23を通って配置される。熱交換通路34は、ロアケース23内に配置される。熱交換通路34の一部は、キャビテーションプレート25よりも下方に配置される。熱交換通路34の全体が、キャビテーションプレート25よりも下方に配置されてもよい。熱交換通路34は、ドライブ軸14の後方に配置される。熱交換通路34は、トーピード部24よりも上方に配置される。
【0020】
熱交換通路34は、ロアケース23と冷却液との間で、熱交換を行わせる。それにより、冷却液は、熱交換通路34において冷却される。第2接続通路35は、熱交換通路34に接続される。第2接続通路35は、熱交換通路34から冷却通路32へ延びる。第2接続通路35は、ロアケース23から、アッパケース22内を通って、カウル21に向かって延びている。
【0021】
図2は、ロアケース23及びアッパケース22の内部を示す拡大側面図である。図3は、図2におけるIII-III断面図である。図2及び図3に示すように、ロアケース23は、内部空間S1-S3と側壁41,42とを含む。側壁41,42は、内部空間S1-S3を囲む。側壁41,42は、外面411,421と内面412,422とを含む。外面411,421は、船舶推進器1の外部に面する。船舶推進器1の使用時には、ロアケース23は水中に位置する。従って、船舶推進器1の使用時には、外面411,421は水と接触している。
【0022】
内部空間S1-S3は、第1内部空間S1と、第2内部空間S2と、第3内部空間S3とを含む。内面412,422は、第1内部空間S1に面する。熱交換通路34は、側壁41,42の内側に配置される。熱交換通路34は、側壁41,42の内面412,422に面して配置される。
【0023】
詳細には、図3に示すように、ロアケース23は、左側壁41と、右側壁42と、前隔壁43と、後隔壁44と、内部隔壁45とを含む。左側壁41と、右側壁42と、前隔壁43と、後隔壁44とは、互いに一体的に形成される。内部隔壁45は、左側壁41と、右側壁42と、前隔壁43と、後隔壁44と別体に形成される。或いは、左側壁41と、右側壁42と、前隔壁43と、後隔壁44との少なくとも一部は、別体であってもよい。内部隔壁45は、左側壁41と、右側壁42と、前隔壁43と、後隔壁44と一体的に形成されてもよい。
【0024】
左側壁41と右側壁42とは、内部空間S1-S3を囲む。前隔壁43は、左側壁41と右側壁42とに亘って配置される。前隔壁43は、左右方向に延びており、左側壁41と右側壁42とに接続される。前隔壁43は、第1内部空間S1と第2内部空間S2とを区画する。第2内部空間S2は、第1内部空間S1の前方に配置される。第2内部空間S2内には、ドライブ軸14が配置される。後隔壁44は、第1内部空間S1と第3内部空間S3とを区画する。第3内部空間S3は、第1内部空間S1の後方に配置される。
【0025】
熱交換通路34は、第1内部空間S1に配置される。内部隔壁45は、第1内部空間S1内に配置される。図3に示すように、水平面における断面視において、熱交換通路34は、ループ状の形状を有する。詳細には、熱交換通路34は、左通路46と、右通路47と、入口通路48と、出口通路49とを含む。左通路46は、内部隔壁45と左側壁41との間に設けられる。左通路46は、入口通路48と出口通路49とに接続されている。右通路47は、内部隔壁45と右側壁42との間に設けられる。右通路47は、入口通路48と出口通路49とに接続されている。入口通路48は、内部隔壁45と後隔壁44との間に設けられる。出口通路49は、内部隔壁45と前隔壁43との間に設けられる。
【0026】
図2に示すように、熱交換通路34は、入口51と出口52とを含む。入口51には、第1接続通路33が接続される。出口52には、第2接続通路35が接続される。第1接続通路33と第2接続通路35とは、例えばホースである。或いは、第1接続通路33と第2接続通路35とは、パイプであってもよい。熱交換通路34の上方は、上隔壁53によって閉じられる。上隔壁53は、ロアケース23と別体である。上隔壁53は、例えばアルミ、或いはステンレスなどの金属製である。入口51と出口52とは、上隔壁53に設けられる。入口51は、入口通路48に連通している。出口52は、出口通路49に連通している。
【0027】
図1に示すように、本実施形態に係る船舶推進器1では、冷却液は、ポンプ31によって、冷却液循環通路30を循環する。冷却液は、冷却通路32を通ることで、電動モータ11とMCU12とを冷却する。冷却液は、第1接続通路33を通って、熱交換通路34へ送られる。
【0028】
図2及び図3に示すように、冷却液は、入口51を通って、入口通路48に流入する。冷却液は、入口通路48から、左通路46と右通路47とに分流し、出口通路49に流れる。左通路46を流れる冷却液は、左側壁41を介して、船舶推進器1の外部の水、或いは、船舶推進器1の外部の空気との間で熱交換を行う。右通路47を流れる冷却液は、右側壁42を介して、船舶推進器1の外部の水、或いは、船舶推進器1の外部の空気との間で熱交換を行う。それにより、冷却液は、熱交換通路34において冷却される。
【0029】
冷却液は、出口通路49から、出口52を通って、第2接続通路35に流出する。冷却液は、第2接続通路35を通って、冷却通路32へ流れる。以上のように冷却液が冷却液循環通路30を循環することにより、冷却通路32における電動モータ11及びMCU12の冷却と、熱交換通路34における熱交換とが繰り返される。
【0030】
以上説明した本実施形態に係る船舶推進器1では、冷却液循環通路30に冷却液を循環させることで、電動モータ11が冷却される。そのため、電動モータ11の起動後、直ちに電動モータ11を冷却することができる。それにより、電動モータ11が適切に冷却される。また、冷却液は、冷却液循環通路30の熱交換通路34において冷却される。そのため、冷却液は、熱交換通路34を通ることで、効率よく冷却される。
【0031】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0032】
船舶推進器1は、船外機に限らず、船内外機などの他の推進器であってもよい。電動モータ11の配置は、上記の実施形態のものに限らず、変更されてもよい。例えば、電動モータ11は、アッパケース22内に配置されてもよい。或いは、電動モータ11は、ロアケース23内に配置されてもよい。MCU12の配置は、上記の実施形態のものに限らず、変更されてもよい。例えば、MCU12は、電動モータ11から離れた位置に配置されてもよい。
【0033】
冷却液循環通路30の構成、或いは、配置は、上記の実施形態のものに限らず、変更されてもよい。冷却通路32は、電動モータ11及びMCU12の一方のみを通るように設けられてもよい。電動モータ11とMCU12とをそれぞれ通るように別々の冷却通路が設けられてもよい。
【0034】
熱交換通路34の配置は、上記の実施形態のものに限らず、変更されてもよい。例えば、図4は、第1変形例に係る船舶推進器1の側面図である。図4に示すように、熱交換通路34は、カウル21に設けられてもよい。或いは、図5は、第2変形例に係る船舶推進器1の側面図である。図5に示すように、熱交換通路34は、アッパケース22に設けられてもよい。この場合、船舶推進器1は、カウル21、或いはアッパケース22内の熱交換通路34まで船舶推進器1の外部の水を引き上げるポンプを備えてもよい。ポンプは、電動モータ11及びMCU12以外の部品に冷却液を供給するものであってもよい。
【0035】
熱交換通路34の構成は、上記の実施形態のものに限らず、変更されてもよい。例えば、図6は、第3変形例に係る船舶推進器のロアケース23の断面図である。図6に示すように、熱交換通路34は、ロアケース23の側壁41,42内に設けられてもよい。すなわち、熱交換通路34は、左側壁41の外面411と内面412との間、及び、右側壁42の外面421と内面422との間とに設けられてもよい。或いは、熱交換通路34は、アッパケース22の側壁内に設けられてもよい。或いは、熱交換通路34は、カウル21の側壁内に設けられてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0036】
本発明によれば、電動モータが適切に冷却されると共に、冷却液が、熱交換通路を通ることで、効率よく冷却される。
【符号の説明】
【0037】
11:電動モータ
12:モータコントロールユニット
14:ドライブ軸
15:プロペラ軸
21:カウル
22:アッパケース
23:ロアケース
25:キャビテーションプレート
30:冷却液循環通路
31:ポンプ
32:冷却通路
33:第1接続通路
34:熱交換通路
35:第2接続通路
S1:第1内部空間
41,42:側壁
411,421:外面
412,422:内面
図1
図2
図3
図4
図5
図6