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特開2024-98767情報処理装置、情報処理方法、コンピュータプログラムおよび非一時的コンピュータ可読媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024098767
(43)【公開日】2024-07-24
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、コンピュータプログラムおよび非一時的コンピュータ可読媒体
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/18 20120101AFI20240717BHJP
【FI】
G06Q50/18 310
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023002448
(22)【出願日】2023-01-11
(71)【出願人】
【識別番号】300010899
【氏名又は名称】NGB株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001416
【氏名又は名称】弁理士法人信栄事務所
(72)【発明者】
【氏名】金山 英嗣
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC33
5L050CC33
(57)【要約】      (修正有)
【課題】その商品役務の分野における需要者に浸透しやすく、かつ識別力を備えている可能性が高い結合商標を呈示する情報処理装置、情報処理方法、コンピュータプログラムおよび非一時的コンピュータ可読媒体を提供する。
【解決手段】方法は、指定商品役務、商品役務区分及び類似群コードの少なくとも一つに関連する分野における単語が商標に使用される頻度を示す使用頻度情報を、単語毎に生成し、登録件数及び拒絶件数に基づいて、指定商品役務、商品役務区分及び類似群コードの少なくとも一つに関連する分野における入力された単語の識別力を示す識別力情報を単語毎に生成し、二つ以上の単語の中から任意に選択された二つ以上の単語を組み合わせることで一つ以上の結合商標を作成し、使用頻度情報及び識別力情報に基づいて、結合商標毎に、結合商標の推奨度を示す第一推奨度スコアを算出する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
指定商品役務、商品役務区分および類似群コードの少なくとも一つと、少なくとも二つ以上の単語と、を入力するための入力インターフェースと、
プロセッサと、
前記プロセッサが実行可能な少なくとも一つの命令を記憶するメモリと、を備える情報処理装置であって、
少なくとも一つの前記命令が前記プロセッサにより実行されると、前記情報処理装置は、
前記入力インターフェースに入力された前記指定商品役務、前記商品役務区分および前記類似群コードの少なくとも一つと、前記入力インターフェースに入力された前記単語のそれぞれと、に基づいて、前記指定商品役務、前記商品役務区分および前記類似群コードの少なくとも一つおよび前記単語を含む商標の出願件数と、前記指定商品役務、前記商品役務区分および前記類似群コードの少なくとも一つおよび前記単語を含む商標の登録件数と、前記指定商品役務、前記商品役務区分および前記類似群コードの少なくとも一つおよび前記単語を含む商標のうち識別力欠如を理由に拒絶された商標の件数である拒絶件数と、を取得し、
前記出願件数に基づいて、前記指定商品役務、前記商品役務区分および前記類似群コードの少なくとも一つに関連する分野における前記単語が商標に使用される頻度を示す使用頻度情報を前記単語ごとに生成し、
前記登録件数および前記拒絶件数に基づいて、前記指定商品役務、前記商品役務区分および前記類似群コードの少なくとも一つに関連する分野における前記単語の識別力を示す識別力情報を前記単語ごとに生成し、
前記入力インターフェースに入力された二つ以上の前記単語の中から任意に選択された二つ以上の前記単語を組み合わせることで一つ以上の結合商標を作成し、
前記使用頻度情報および前記識別力情報に基づいて、前記結合商標ごとに、前記結合商標の推奨度を示す第一推奨度スコアを算出する、情報処理装置。
【請求項2】
前記情報処理装置は、前記入力インターフェースに入力された前記単語の品詞を前記単語ごとに分析し、所定の品詞の組み合わせで、前記結合商標を作成する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記結合商標は、第一単語と第二単語から構成されており、
前記第一単語の品詞は第一品詞であり、前記第二単語の品詞は第二品詞であり、
前記所定の品詞の組み合わせは、前記第一品詞および前記第二品詞が名詞である組み合わせ、前記第一品詞が形容詞で前記第二品詞が名詞である組み合わせ、および前記第一品詞が副詞で前記第二品詞が形容詞である組み合わせである、請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記結合商標が先願商標と同一である同一商標または前記先願商標に含まれる包含商標である場合、前記情報処理装置は、前記結合商標が前記同一商標または前記包含商標であることを示す注意喚起情報を生成する、請求項1または請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記情報処理装置が作成した前記結合商標の中に先願商標と同一である同一商標がある場合、前記情報処理装置は、前記情報処理装置が作成した前記結合商標から前記同一商標を除外する、請求項1または請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記情報処理装置が作成した前記結合商標の中に先願商標と同一である同一商標および/または前記先願商標に含まれる包含商標がある場合、前記情報処理装置は、前記情報処理装置が作成した前記結合商標から前記同一商標および/または前記包含商標を除外する、請求項1または請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記結合商標の少なくとも一つが先願商標と同一である同一商標である場合、前記情報処理装置は、前記同一商標である前記結合商標に係る前記第一推奨度スコアから所定値を減算した第二推奨度スコアを算出する、請求項1または請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記結合商標の少なくとも一つが先願商標と同一である同一商標または前記先願商標に含まれる包含商標である場合、前記情報処理装置は、
前記同一商標である前記結合商標については、前記第一推奨度スコアから所定値を減算した第二推奨度スコアを算出し、
前記包含商標である前記結合商標については、前記第一推奨度スコアから所定値を減算した第三推奨度スコアを算出する、請求項1または請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記第一推奨度スコアは、前記結合商標に含まれる各単語に係る前記使用頻度情報に基づく使用頻度スコアと、前記結合商標に含まれる各単語に係る前記識別力情報に基づく識別力スコアと、の合計値であり、
前記情報処理装置は、前記使用頻度スコアおよび前記識別力スコアが所定値以上である前記結合商標についてのみ、前記第一推奨度スコアを算出する、請求項1または請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項10】
情報処理装置によって実行される情報処理方法であって、
指定商品役務、商品役務区分および類似群コードの少なくとも一つと、少なくとも二つ以上の単語と、を入力するステップと、
入力された前記指定商品役務、前記商品役務区分および前記類似群コードの少なくとも一つと、入力された前記単語のそれぞれと、に基づいて、前記指定商品役務、前記商品役務区分および前記類似群コードの少なくとも一つおよび前記単語を含む商標の出願件数と、前記指定商品役務、前記商品役務区分および前記類似群コードの少なくとも一つおよび前記単語を含む商標の登録件数と、前記指定商品役務、前記商品役務区分および前記類似群コードの少なくとも一つおよび前記単語を含む商標のうち識別力欠如を理由に拒絶された商標の件数である拒絶件数と、を取得するステップと、
前記出願件数に基づいて、前記指定商品役務、前記商品役務区分および前記類似群コードの少なくとも一つに関連する分野における前記単語が商標に使用される頻度を示す使用頻度情報を前記単語ごとに生成するステップと、
前記登録件数および前記拒絶件数に基づいて、前記指定商品役務、前記商品役務区分および前記類似群コードの少なくとも一つに関連する分野における前記単語の識別力を示す識別力情報を前記単語ごとに生成するステップと、
入力された二つ以上の前記単語の中から任意に選択された二つ以上の前記単語を組み合わせることで一つ以上の結合商標を作成するステップと、
前記使用頻度情報および前記識別力情報に基づいて、前記結合商標ごとに、前記結合商標の推奨度を示す第一推奨度スコアを算出するステップと、を含む、情報処理方法。
【請求項11】
情報処理装置のプロセッサにより実行される少なくとも一つの命令を含むコンピュータプログラムであって、
少なくとも一つの前記命令が前記プロセッサにより実行されると、前記情報処理装置に、
前記情報処理装置の入力インターフェースに入力された指定商品役務、商品役務区分および類似群コードの少なくとも一つと、前記入力インターフェースに入力された単語のそれぞれと、に基づいて、前記指定商品役務、前記商品役務区分および前記類似群コードの少なくとも一つおよび前記単語を含む商標の出願件数と、前記指定商品役務、前記商品役務区分および前記類似群コードの少なくとも一つおよび前記単語を含む商標の登録件数と、前記指定商品役務、前記商品役務区分および前記類似群コードの少なくとも一つおよび前記単語を含む商標のうち識別力欠如を理由に拒絶された商標の件数である拒絶件数と、を取得させ、
前記出願件数に基づいて、前記指定商品役務、前記商品役務区分および前記類似群コードの少なくとも一つに関連する分野における前記単語が商標に使用される頻度を示す使用頻度情報を前記単語ごとに生成させ、
前記登録件数および前記拒絶件数に基づいて、前記指定商品役務、前記商品役務区分および前記類似群コードの少なくとも一つに関連する分野における前記単語の識別力を示す識別力情報を前記単語ごとに生成させ、
前記入力インターフェースに入力された二つ以上の前記単語の中から任意に選択された二つ以上の前記単語を組み合わせることで一つ以上の結合商標を作成させ、
前記使用頻度情報および前記識別力情報に基づいて、前記結合商標ごとに、前記結合商標の推奨度を示す第一推奨度スコアを算出させる、コンピュータプログラム。
【請求項12】
請求項11に記載されたコンピュータプログラムが記憶された、非一時的コンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、情報処理方法、コンピュータプログラムおよび非一時的コンピュータ可読媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、商標に含まれる文字を学習済みモデルに入力することで、商標に含まれる文字が商品又は役務に使用されたときの識別力の度合いを算出し、商標の識別力の有無を判断する情報処理装置を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第7037788号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、商標はその識別力の強さに応じて、独創的商標(Fanciful Trademark)、恣意的商標(Arbitrary Trademark)、暗示的商標(Suggestive Trademark)、記述的商標(Descriptive Trademark)および一般名称的商標(Generic Trademark)の五つに分類される。なお、本明細書における「商標」とは、識別力を備えた標章のみならず、識別力を備えていない標章も含む表現である。識別力の強さは、独創的商標、恣意的商標、示唆的商標、記述的商標、一般名称的商標の順で強い。
【0005】
一方で、識別力が強い商標は、一般的に、識別力が弱い商標と比べて、需要者にその商標に係る商品役務の性質を訴求しにくかったり、その商標を需要者に認知してもらうまでに時間がかかることが多い。なぜならば、例えば、識別力が最も強い独創的商標は特に意味を持たない造語であるのに対し、識別力が比較的低い記述的商標は商品や役務の性質を直接的に表現した商標であり、また一般名称的商標は広く使用される語からなる商標であるからである。
【0006】
しかし、記述的商標および一般名称的商標は、基本的に商標登録を受けることができず、独創的商標、恣意的商標および示唆的商標は商標登録を受けることができる。このため、マーケティング等のビジネス的な観点からは、識別力が弱い商標が好まれることが多い一方で、商標審査上の観点からは識別力が強い商標が好ましい。このように、ビジネス的な観点から見た場合の好ましい商標と商標審査上の観点から見た場合の好ましい商標は相反することが多い。このような事情から、識別力を必要以上に強くしないようにしつつも、商標登録を受けるのに必要な識別力を備えた商標を採択したいというニーズがある。
【0007】
本開示は、その商品役務の分野における需要者に浸透しやすく、かつ識別力を備えている可能性が高い結合商標を呈示することができる情報処理装置、情報処理方法、当該情報処理方法をコンピュータに実行させるコンピュータプログラムおよび当該コンピュータプログラムが記憶された非一時的コンピュータ可読媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するための一態様に係る情報処理装置は、
指定商品役務、商品役務区分および類似群コードの少なくとも一つと、少なくとも二つ以上の単語と、を入力するための入力インターフェースと、
プロセッサと、
前記プロセッサが実行可能な少なくとも一つの命令を記憶するメモリと、を備える情報処理装置であって、
少なくとも一つの前記命令が前記プロセッサにより実行されると、前記情報処理装置は、
前記入力インターフェースに入力された前記指定商品役務、前記商品役務区分および前記類似群コードの少なくとも一つと、前記入力インターフェースに入力された前記単語のそれぞれと、に基づいて、前記指定商品役務、前記商品役務区分および前記類似群コードの少なくとも一つおよび前記単語を含む商標の出願件数と、前記指定商品役務、前記商品役務区分および前記類似群コードの少なくとも一つおよび前記単語を含む商標の登録件数と、前記指定商品役務、前記商品役務区分および前記類似群コードの少なくとも一つおよび前記単語を含む商標のうち識別力欠如を理由に拒絶された商標の件数である拒絶件数と、を取得し、
前記出願件数に基づいて、前記指定商品役務、前記商品役務区分および前記類似群コードの少なくとも一つに関連する分野における前記単語が商標に使用される頻度を示す使用頻度情報を前記単語ごとに生成し、
前記登録件数および前記拒絶件数に基づいて、前記指定商品役務、前記商品役務区分および前記類似群コードの少なくとも一つに関連する分野における前記単語の識別力を示す識別力情報を前記単語ごとに生成し、
前記入力インターフェースに入力された二つ以上の前記単語の中から任意に選択された二つ以上の前記単語を組み合わせることで一つ以上の結合商標を作成し、
前記使用頻度情報および前記識別力情報に基づいて、前記結合商標ごとに、前記結合商標の推奨度を示す第一推奨度スコアを算出する。
【0009】
また、上記の目的を達成するための一態様に係る情報処理方法は、
情報処理装置によって実行される情報処理方法であって、
指定商品役務、商品役務区分および類似群コードの少なくとも一つと、少なくとも二つ以上の単語と、を入力するステップと、
入力された前記指定商品役務、前記商品役務区分および前記類似群コードの少なくとも一つと、入力された前記単語のそれぞれと、に基づいて、前記指定商品役務、前記商品役務区分および前記類似群コードの少なくとも一つおよび前記単語を含む商標の出願件数と、前記指定商品役務、前記商品役務区分および前記類似群コードの少なくとも一つおよび前記単語を含む商標の登録件数と、前記指定商品役務、前記商品役務区分および前記類似群コードの少なくとも一つおよび前記単語を含む商標のうち識別力欠如を理由に拒絶された商標の件数である拒絶件数と、を取得するステップと、
前記出願件数に基づいて、前記指定商品役務、前記商品役務区分および前記類似群コードの少なくとも一つに関連する分野における前記単語が商標に使用される頻度を示す使用頻度情報を前記単語ごとに生成するステップと、
前記登録件数および前記拒絶件数に基づいて、前記指定商品役務、前記商品役務区分および前記類似群コードの少なくとも一つに関連する分野における前記単語の識別力を示す識別力情報を前記単語ごとに生成するステップと、
入力された二つ以上の前記単語の中から任意に選択された二つ以上の前記単語を組み合わせることで一つ以上の結合商標を作成するステップと、
前記使用頻度情報および前記識別力情報に基づいて、前記結合商標ごとに、前記結合商標の推奨度を示す第一推奨度スコアを算出するステップと、を含む。
【0010】
また、上記の目的を達成するための一態様に係るコンピュータプログラムは、
情報処理装置のプロセッサにより実行される少なくとも一つの命令を含むコンピュータプログラムであって、
少なくとも一つの前記命令が前記プロセッサにより実行されると、前記情報処理装置に、
前記情報処理装置の入力インターフェースに入力された指定商品役務、商品役務区分および類似群コードの少なくとも一つと、前記入力インターフェースに入力された単語のそれぞれと、に基づいて、前記指定商品役務、前記商品役務区分および前記類似群コードの少なくとも一つおよび前記単語を含む商標の出願件数と、前記指定商品役務、前記商品役務区分および前記類似群コードの少なくとも一つおよび前記単語を含む商標の登録件数と、前記指定商品役務、前記商品役務区分および前記類似群コードの少なくとも一つおよび前記単語を含む商標のうち識別力欠如を理由に拒絶された商標の件数である拒絶件数と、を取得させ、
前記出願件数に基づいて、前記指定商品役務、前記商品役務区分および前記類似群コードの少なくとも一つに関連する分野における前記単語が商標に使用される頻度を示す使用頻度情報を前記単語ごとに生成させ、
前記登録件数および前記拒絶件数に基づいて、前記指定商品役務、前記商品役務区分および前記類似群コードの少なくとも一つに関連する分野における前記単語の識別力を示す識別力情報を前記単語ごとに生成させ、
前記入力インターフェースに入力された二つ以上の前記単語の中から任意に選択された二つ以上の前記単語を組み合わせることで一つ以上の結合商標を作成させ、
前記使用頻度情報および前記識別力情報に基づいて、前記結合商標ごとに、前記結合商標の推奨度を示す第一推奨度スコアを算出させる。
【0011】
また、上記の目的を達成するための一態様に係る非一時的コンピュータ可読媒体には、
上記のコンピュータプログラムが記憶されている。
【0012】
上記構成に係る情報処理装置によれば、出願件数に基づいて生成された使用頻度情報と、登録件数および拒絶件数に基づいて生成された識別力情報と、に基づいて、二つ以上の単語を組み合わせることで作成された結合商標ごとに、第一推奨度スコアを算出する。なお、使用頻度情報は、入力インターフェースに入力された指定商品役務、商品役務区分および類似群コードの少なくとも一つに関連する分野における入力インターフェースに入力された単語が商標に使用される頻度を示す情報である。識別力情報は、入力インターフェースに入力された指定商品役務、商品役務区分および類似群コードの少なくとも一つに関連する分野における入力インターフェースに入力された単語の識別力を示す情報である。第一推奨度スコアは、使用頻度情報および識別力情報に基づいているので、ユーザは、第一推奨度スコアを利用することで、作成された結合商標のその商品役務の分野における浸透しやすさと識別力を推測することができる。したがって、上記構成に係る情報処理装置によれば、その商品役務の分野における需要者に浸透しやすく、かつ識別力を備えている可能性が高い結合商標を呈示することができる。また、上記構成に係る情報処理方法、コンピュータプログラムおよび非一時的コンピュータ可読媒体においても、同様の効果を奏することができる。
【発明の効果】
【0013】
本開示によれば、その商品役務の分野における需要者に浸透しやすく、かつ識別力を備えている可能性が高い結合商標を呈示することができる情報処理装置、情報処理方法、当該情報処理方法をコンピュータに実行させるコンピュータプログラムおよび当該コンピュータプログラムが記憶された非一時的コンピュータ可読媒体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、本開示の一実施形態に係る情報処理システムのブロック図である。
図2図2は、結合商標に関する組み合わせデータベースに記憶されている組み合わせ情報を例示する図である。
図3図3は、第一実施例に係る情報処理方法のフローチャート図である。
図4図4は、入力画面の一例を示す図である。
図5図5は、入力された各単語の出願件数、登録件数、拒絶件数、使用頻度指数および識別力指数を例示する図である。
図6図6は、第一実施例に係る第一表示用データに基づく画像を例示する図である。
図7図7は、第二実施例に係る情報処理方法のフローチャート図である。
図8図8は、第二実施例に係る第二表示用データに基づく画像を例示する図である。
図9図9は、第三実施例に係る情報処理方法のフローチャート図である。
図10図10は、第三実施例に係る第三表示用データに基づく画像を例示する図である。
図11図11は、第四実施例に係る情報処理方法のフローチャート図である。
図12図12は、第四実施例に係る第四表示用データに基づく画像を例示する図である。
図13図13は、第一実施例の変形例に係る第一表示用データに基づく画像の一例を示す図である。
図14図14は、第二実施例の変形例に係る第二表示用データに基づく画像の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本開示の実施形態の一例について図面を参照しながら説明する。
【0016】
(全体構成)
図1および図2を参照しつつ、本実施形態の情報処理システム1について説明する。図1は、本開示の一実施形態に係る情報処理システム1のブロック図である。図1に例示するように、情報処理システム1は、外部データベース10と、情報処理装置20と、ユーザ端末装置30と、を含む。外部データベース10と情報処理装置20は、例えば、インターネット等を介して、通信可能である。情報処理装置20とユーザ端末装置30は、有線または無線により通信可能である。
【0017】
外部データベース10は、商標データベース11と、辞典データベース12と、を含む。商標データベース11は、例えば、日本国特許庁のデータベース、アメリカ特許商標庁のデータベース、世界知的所有権機関(World Intellectual Property Organization:WIPO)のデータベース、商標サービスプロバイダーが提供する商用データベース等である。辞典データベース12は、例えば、インターネット上で利用可能な国語辞典データベース、外国語辞典データベース等である。
【0018】
商標データベース11には、ある一つの国において出願された商標に関する出願情報と、当該一つの国において登録された商標に関する登録情報と、当該一つの国において識別力欠如を理由に拒絶された商標に関する拒絶情報と、が記憶されている。なお、本実施形態において「国」は、独立国のみならず、国際的には承認されていない国や欧州連合のような複数の国からなる組織も含む概念である。例えば、日本国特許庁のデータベースには、日本国特許庁に対して行われた商標登録出願および国際商標登録出願に係る出願番号、登録番号、国際登録番号、商標、指定商品役務、商品役務区分、類似群コード、拒絶条文コード、審査履歴、出願人、権利者等に関する各種情報が記録されている。
【0019】
類似群コードとは、特許庁の類似商品・役務審査基準に記載されるグループであり、共通性を有する商品・役務をグルーピングし、同じグループに属する指定商品役務に付した5桁の共通コードのことである。類似群コードは、数字2桁とアルファベット1桁と数字2桁からなる。類似群コードが同じである指定商品役務同士は、商標登録出願の審査において、同一または類似であると推定される。
【0020】
拒絶条文コードとは、日本国特許庁から通知された拒絶理由の根拠条文を特定するためのコードである。
【0021】
辞典データベース12には、少なくとも単語の品詞に関する品詞情報が単語ごとに記録されている。当該単語には、日本語の単語のみならず英語等の日本語以外の言語の単語も含まれる。単語の品詞とは、例えば、名詞、形容詞、副詞等である。
【0022】
図1に例示するように、情報処理装置20は、入力インターフェース21と、制御部22と、記憶装置23と、表示部24と、出力インターフェース25と、を備えている。これらはバス26を介して互いに通信可能に接続されている。
【0023】
入力インターフェース21は、情報処理装置20に対するユーザの入力操作を受け付けると共に、当該入力操作に対応する要求信号を生成するように構成されている。入力インターフェース21は、例えば、表示部24上に重ねて配置されたタッチパネルや、情報処理装置20に電気的に接続されたキーボード等の入力装置等である。ユーザは、出願予定国と、指定商品役務、商品役務区分および類似群コードの少なくとも一つと、少なくとも二つ以上の単語と、を入力インターフェース21に入力する。入力インターフェース21は、入力された出願予定国と、指定商品役務、商品役務区分および類似群コードの少なくとも一つと、少なくとも二つ以上の単語と、を制御部22に送信する。
【0024】
制御部22は、ハードウェア構成として、メモリと、プロセッサと、を備えている。メモリは、例えば、各種コンピュータプログラム等が格納されたROM(Read Only Memory)やプロセッサにより実行される各種コンピュータプログラム等が格納される複数ワークエリアを有するRAM(Random Access Memory)等から構成される。プロセッサは、例えばCPU(Central Processing Unit)であって、ROMに組み込まれた各種コンピュータプログラムから指定されたコンピュータプログラムをRAM上に展開し、RAMとの協働で各種処理を実行するように構成されている。
【0025】
なお、本実施形態においては、非一時的コンピュータ可読媒体がメモリとして利用されうる。非一時的コンピュータ可読媒体は、プロセッサが読み取ることのできる情報やデータを記憶しうる、あらゆるタイプの物理メモリ(RAM、ROM等)を指す。非一時的コンピュータ可読媒体は、1つ以上のプロセッサによる実行処理に関する命令を記憶しうる。なお、「非一時的コンピュータ可読媒体」という用語は、有形の品目を包含し、かつ搬送波や一時的な信号は除外する(すなわち、非一時的なものを指す)。非一時的コンピュータ可読媒体とは、例えば、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)、CD-ROM(Read Only Memory)、CD-R、CD-R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM)である。
【0026】
制御部22は、入力インターフェース21に入力された出願予定国に基づいて、国ごとに用意されている商標データベース11のうち、後述する出願件数、登録件数および拒絶件数を取得すべき商標データベースを特定する。
【0027】
制御部22は、例えば、入力インターフェース21に入力された指定商品役務、商品役務区分および類似群コードの少なくとも一つと、入力インターフェース21に入力された単語のそれぞれと、に基づいて、入力インターフェース21に入力された指定商品役務、商品役務区分および類似群コードの少なくとも一つおよび単語を含む商標の出願件数を商標データベース11から取得する。例えば、商標データベース11が日本国特許庁のデータベースであり、入力インターフェース21に類似群コード11C01と単語Xおよび単語Yが入力された場合、制御部22は、類似群コード11C01および単語Xを含む商標の出願件数と、類似群コード11C01および単語Yを含む商標の出願件数と、をそれぞれ日本国特許庁のデータベースから取得する。
【0028】
制御部22は、例えば、入力インターフェース21に入力された指定商品役務、商品役務区分および類似群コードの少なくとも一つと、入力インターフェース21に入力された単語のそれぞれと、に基づいて、入力インターフェース21に入力された指定商品役務、商品役務区分および類似群コードの少なくとも一つおよび単語を含む商標の登録件数を商標データベース11から取得する。例えば、商標データベース11が日本国特許庁のデータベースであり、入力インターフェース21に類似群コード11C01と単語Xおよび単語Yが入力された場合、制御部22は、類似群コード11C01および単語Xを含む商標の登録件数と、類似群コード11C01および単語Yを含む商標の登録件数と、をそれぞれ日本国特許庁のデータベースから取得する。
【0029】
制御部22は、例えば、入力インターフェース21に入力された指定商品役務、商品役務区分および類似群コードの少なくとも一つと、入力インターフェース21に入力された単語のそれぞれと、に基づいて、入力インターフェース21に入力された指定商品役務、商品役務区分および類似群コードの少なくとも一つおよび単語を含む商標のうち識別力欠如を理由に拒絶された商標の件数である拒絶件数を商標データベース11から取得する。例えば、商標データベース11が日本国特許庁のデータベースであり、入力インターフェース21に類似群コード11C01と単語Xおよび単語Yが入力された場合、制御部22は、類似群コード11C01および単語Xを含む商標の拒絶件数と、類似群コード11C01および単語Yを含む商標の拒絶件数と、をそれぞれ日本国特許庁のデータベースから取得する。
【0030】
制御部22は、例えば、二つ以上の単語を組み合わせてなる文字商標(以下、結合商標という)と同一の先願商標および/または結合商標を含む先願商標を商標データベース11から取得しうる。
【0031】
制御部22は、例えば、各単語に関する品詞情報を辞典データベース12から取得する。制御部22は、取得した品詞情報を記憶装置23に送信する。
【0032】
制御部22は、取得された出願件数に基づいて、使用頻度情報を入力インターフェース21に入力された単語ごとに生成する。なお、使用頻度情報とは、入力インターフェース21に入力された指定商品役務、商品役務区分および類似群コードの少なくとも一つに関連する分野における入力インターフェース21に入力された単語が商標に使用される頻度を示す情報である。具体的には、制御部22は、取得された出願件数に基づいて、使用頻度指数(使用頻度情報の一例)を算定する。本実施形態において、使用頻度指数は0から10である。出願件数が0件の場合、使用頻度指数は0である。出願件数が90件以上の場合、使用頻度指数は10であると算定する。出願件数が1件以上90件未満の場合、使用頻度指数は出願件数を10で除したときの商に1を加えた値である。
【0033】
制御部22は、取得された登録件数および拒絶件数に基づいて、識別力情報を入力インターフェース21に入力された単語ごとに生成する。なお、識別力情報とは、入力インターフェース21に入力された指定商品役務、商品役務区分および類似群コードの少なくとも一つに関連する分野における入力インターフェース21に入力された単語の識別力を示す情報である。具体的には、制御部22は、取得された登録件数および拒絶件数に基づいて、識別力指数(識別力情報の一例)を算定する。本実施形態において、識別力指数は、登録件数を登録件数および拒絶件数の和で除した後に10を乗じることで得られる値について小数点第一位を繰り上げたときに得られる整数である。
【0034】
使用頻度指数、識別力指数および各閾値に関し、上述した数値はいずれも一例に過ぎず、上述した数値に限定されないことは言うまでもない。また、使用頻度指数および識別力指数に関し、上述した算定方法はいずれも一例に過ぎず、上述した算定方法に限定されないことは言うまでもない。
【0035】
ここで、記憶装置23について説明する。記憶装置23は、プログラムや各種データを格納するように構成されている。記憶装置23は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ等の記憶装置(ストレージ)である。記憶装置23には、情報処理プログラムが組み込まれてもよい。記憶装置23には、例えば、制御部22から受信した品詞情報を記録することで構成される各単語に関する品詞データベースが記憶されている。また、記憶装置23には、例えば、図2に例示する結合商標に関する組み合わせデータベースが記憶されている。図2に例示するように、組み合わせデータベースには、結合商標を構成する単語の品詞の組み合わせ情報が記憶されている。なお、本実施形態では、二つの単語(第一単語と第二単語)から構成される結合商標を例に挙げて説明するが、結合商標を構成する単語数は二つに限られない。また、本実施形態では、第一単語の品詞を第一品詞と呼び、第二単語の品詞を第二品詞と呼ぶ。第一品詞および第二品詞の組み合わせの詳細については後述する。
【0036】
ここで、結合商標を作成する過程を説明する。制御部22は、記憶装置23に含まれる品詞データベースに基づいて、入力インターフェース21に入力された単語の品詞を単語ごとに分析する。制御部22は、入力インターフェース21に入力された二つ以上の単語の中から任意に選択された二つ以上の単語を組み合わせることで一以上の結合商標を作成する。なお、制御部22は、組み合わせ情報に基づく言語的に適切な所定の品詞の組み合わせで、結合商標を作成する。言語的に適切な所定の品詞の組み合わせとは、結合商標が第一単語および第二単語から構成されている場合、図2に例示する組み合わせである。つまり、結合商標が第一単語および第二単語から構成されている場合における言語的に適切な所定の品詞の組み合わせとは、第一品詞および第二品詞が名詞である組み合わせ、第一品詞が形容詞で第二品詞が名詞である組み合わせ、第一品詞が副詞で第二品詞が形容詞である組み合わせである。制御部22は、当該所定の品詞の組み合わせで結合商標を作成し、それ以外の組み合わせ(例えば、第一品詞および第二品詞が共に副詞である組み合わせ)では結合商標を作成しない。
【0037】
図1に戻り、再び制御部22について説明する。制御部22が、作成した結合商標と同一の先願商標および/または作成した結合商標を含む先願商標を商標データベース11から取得する場合について説明する。制御部22は、結合商標が先願商標と同一である同一商標または先願商標に含まれる包含商標である場合、同一商標および/または包含商標である結合商標について、注意喚起情報を生成する。つまり、制御部22は、作成した結合商標と同一の先願商標および/または作成された結合商標を含む先願商標が取得された場合、同一商標および/または包含商標である結合商標について、注意喚起情報を生成する。注意喚起情報とは、作成された結合商標が同一商標または包含商標であり、いわゆる引例拒絶を受ける可能性が高いことを示す情報である。
【0038】
制御部22は、使用頻度情報および識別力情報に基づいて、結合商標ごとに、結合商標の推奨度を示す第一推奨度スコアを算出する。第一推奨度スコアは、例えば、結合商標に含まれる各単語に係る使用頻度情報に基づく使用頻度スコアと、結合商標に含まれる各単語に係る識別力情報に基づく識別力スコアと、の合計値である。本実施形態において、使用頻度スコアは、結合商標に含まれる各単語に係る使用頻度指数の合計値であり、識別力スコアは、結合商標に含まれる各単語に係る識別力指数の合計値である。制御部22は、作成された結合商標に同一商標および/または包含商標が含まれる場合、作成した結合商標の中から同一商標および/または包含商標を除外した上で、第一推奨度スコアを算出してもよい。つまり、制御部22は、例えば、同一商標および包含商標については第一推奨度スコアを算出せず、同一商標および包含商標以外の結合商標についてのみ第一推奨度スコアを算出してもよい。制御部22は、使用頻度スコアおよび識別力スコアが所定値以上である結合商標についてのみ、第一推奨度スコアを算出してもよい。また、制御部22は、使用頻度スコアおよび識別力スコアが所定値以上である結合商標についてのみ、注意喚起情報を生成してもよい。
【0039】
結合商標の少なくとも一つが先願商標と同一である同一商標である場合、制御部22は、同一商標である結合商標については、第一推奨度スコアから所定値を減算した第二推奨度スコアを算出してもよい。結合商標の少なくとも一つが先願商標に含まれる包含商標である場合、制御部22は、包含商標である結合商標については、第一推奨度スコアから所定値を減算した第三推奨度スコアを算出してもよい。
【0040】
制御部22は、各種情報に基づいて、表示用データを生成する。各種情報とは、例えば、使用頻度情報、識別力情報、第一推奨度スコア、第二推奨度スコア、第三推奨度スコア、注意喚起情報等である。制御部22は、生成した表示用データを表示部24または出力インターフェース25に送信する。
【0041】
表示部24は、例えば、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等のタッチスクリーン型のディスプレイ等である。表示部24は、例えば、制御部22から受信した表示用データに基づく画像を表示するように構成されている。
【0042】
出力インターフェース25は、制御部22から受信した表示用データをユーザ端末装置30に出力する。
【0043】
ユーザ端末装置30は、情報処理装置20のユーザによって操作される端末装置である。ユーザ端末装置30は、例えば、デスクトップタイプのPC、ノートPC、タブレット端末、スマートフォン等の電子機器である。ユーザ端末装置30は、表示部31を備えている。表示部31は、例えば、液晶ディスプレイ等である。表示部31は、出力インターフェース25から受信した表示用データに基づく画像を表示するように構成されている。
【0044】
(第一実施例)
次に、図3から図6を参照しつつ、第一実施例に係る情報処理方法について説明する。図3は、第一実施例に係る情報処理方法のフローチャート図である。なお、本実施例において、日本国特許庁のデータベースには、先願商標として、「スマートブレインプログラム(類似群コード11C01)」および「ブレインパフォーマンス(類似群コード11C01)」が記録されているものとする。
【0045】
図3に例示するように、ユーザは、入力インターフェース21に、出願予定国と、指定商品役務、指定商品役務の区分および類似群コードの少なくとも一つと、少なくとも二つの単語を入力する(STEP01)。ここで、図4は本実施例における入力画面の一例を示す図である。図4に例示するように、本実施例において、出願予定国の欄には「日本国」が、区分の欄には「9類」が、指定商品役務の欄には「コンピュータ」が、類似群コードの欄には「11C01」が、単語の欄には「スマート」、「エクセレント」、「ブレイン」、「パフォーマンス」、「プライマリー」、「スパーブリー」が、それぞれ入力される。入力インターフェース21にこれらの情報が入力されると、入力インターフェース21に入力されたこれらの情報は制御部22に送信される。
【0046】
図3に例示するように、制御部22は、入力された出願予定国に基づいて、入力インターフェース21に入力された単語を含む商標の出願件数、登録件数および拒絶件数を取得すべき商標データベースを特定する(STEP02)。本実施例において、入力インターフェース21には、出願予定国として日本国が入力されている。このため、制御部22は、入力インターフェース21に入力された単語を含む商標の出願件数、登録件数および拒絶件数を取得すべき商標データベースは日本国特許庁のデータベースであると特定する。
【0047】
制御部22は、STEP02で特定した商標データベースから、入力インターフェース21に入力された指定商品役務、商品役務区分および類似群コードの少なくとも一つおよび単語を含む商標の出願件数、登録件数および拒絶件数を取得する(STEP03)。本実施例では、制御部22は、日本国特許庁のデータベースから、入力インターフェース21に入力された類似群コード(11C01)および単語(「スマート」等)を含む商標の出願件数、登録件数および拒絶件数を取得する。なお、当該出願件数、登録件数および拒絶件数は、入力インターフェース21に入力された単語ごとに取得される。
【0048】
本実施例において、制御部22は、例えば、日本国特許庁のデータベースに記録されている出願商標および登録商標のうち、「スマート」を含む商標であって、類似群コードに「11C01」を含む先願商標を日本国特許庁のデータベースから取得する。なお、出願商標とは、審査や審判等に係属している出願に係る商標および拒絶が確定している出願に係る商標である。登録商標とは、商標権の設定登録がされている商標である。このときに取得された出願商標の件数および登録商標の件数の和は、「スマート」に関する出願件数である。このときに取得された登録商標の件数は、「スマート」に関する登録件数である。このときに取得された出願商標のうち識別力欠如を理由に拒絶された商標の件数は、「スマート」に関する拒絶件数である。なお、当該拒絶件数は、識別力欠如に基づく拒絶が確定した出願に係る商標と、識別力欠如に基づく拒絶に対して争っており審査や審判等に係属している出願に係る商標と、がカウントされることで決定される。本実施例において、「スマート」に関する出願件数、登録件数および拒絶件数は、図5に例示するように、それぞれ、124件、72件、48件である。制御部22は、他の単語(「エクセレント」等)についても「スマート」と同様に、出願件数、登録件数および拒絶件数を日本国特許庁のデータベースから取得する。
【0049】
図3に戻り、STEP04について説明する。制御部22は、使用頻度情報を入力インターフェース21に入力された単語ごとに生成する(STEP04)。なお、本実施例において、使用頻度情報は、使用頻度指数である。使用頻度指数は、制御部22によって取得された出願件数に基づいて生成される。図5に例示するように、「スマート」に関する出願件数は124件であるので、「スマート」に関する使用頻度指数は10である。制御部22は、他の単語(「エクセレント」等)についても「スマート」と同様に、使用頻度指数を算定する。
【0050】
図3に戻り、STEP05について説明する。制御部22は、識別力情報を入力インターフェース21に入力された単語ごとに生成する(STEP05)。本実施例において、識別力情報は、識別力指数である。識別力指数は、制御部22によって取得された登録件数および拒絶件数に基づいて生成される。図5に例示するように、「スマート」に関する登録件数は72件であり、「スマート」に関する拒絶件数は48件であるので、識別力指数は6(72/(72+48)×10=6)である。制御部22は、他の単語(「エクセレント」等)についても「スマート」と同様に、識別力指数を算定する。
【0051】
図3に戻り、STEP06について説明する。制御部22は、入力インターフェース21に入力された単語の品詞を単語ごとに分析した後、入力インターフェース21に入力された二つ以上の単語の中から任意に選択された二つ以上の単語を、所定の品詞の組み合わせで組み合わせることで、一以上の結合商標を作成する(STEP06)。制御部22は、例えば、形容詞である「スマート」と名詞である「ブレイン」を組み合わせることで、「スマートブレイン」という結合商標を作成する。一方で、制御部22は、例えば、副詞である「プライマリー」と副詞である「スパーブリー」の組み合わせである「プライマリースパーブリー」という結合商標は作成しない。本実施例において、制御部22は、「スマートブレイン」、「スマートパフォーマンス」、「エクセレントブレイン」、「エクセレントパフォーマンス」、「ブレインパフォーマンス」、「パフォーマンスブレイン」、「プライマリースマート」、「プライマリーエクセレント」、「スパーブリースマート」および「スパーブリーエクセレント」という結合商標を作成する。
【0052】
制御部22は、使用頻度情報および識別力情報に基づいて、結合商標ごとに、結合商標の推奨度を示す第一推奨度スコアを算出する(STEP07)。本実施例において、「スマート」に係る使用頻度指数は10であり、「ブレイン」に係る使用頻度指数は10であるため、「スマートブレイン」に係る使用頻度スコアは20である。また、「スマート」に係る識別力指数は6であり、「ブレイン」に係る識別力指数は7であるため、「スマートブレイン」に係る識別力スコアは13である。したがって、制御部22は、「スマートブレイン」に係る第一推奨度スコアは33であると算定する。制御部22は、他の結合商標(「スマートパフォーマンス」等)についても「スマートブレイン」と同様に、第一推奨度スコアを算定する。
【0053】
制御部22は、作成した結合商標の中に同一商標および包含商標の少なくとも一つがあるかどうか判断する(STEP08)。作成した結合商標の中に同一商標および包含商標の少なくとも一つがある場合(STEP08においてYES)、STEP09に進む。一方で、作成した結合商標の中に同一商標も包含商標もない場合(STEP08においてNO)、STEP10に進む。本実施例において、日本国特許庁のデータベースには、先願商標として、「スマートブレインプログラム(類似群コード11C01)」および「ブレインパフォーマンス(類似群コード11C01)」が記録されている。したがって、制御部22は、作成した結合商標の中に同一商標および包含商標があると判断し(STEP08においてYES)、STEP09に進む。
【0054】
作成した結合商標の中に同一商標および包含商標の少なくとも一つがある場合、制御部22は、「スマートブレイン」および「ブレインパフォーマンス」に係る注意喚起情報を生成する(STEP09)。なお、制御部22は、「スマートブレイン」および「ブレインパフォーマンス」以外の結合商標に係る注意喚起情報は生成しない。制御部22は、注意喚起情報を生成した後、STEP10を実行する。
【0055】
制御部22は、使用頻度情報、識別力情報、第一推奨度スコアおよび注意喚起情報に基づいて、第一表示用データ(表示用データの一例)を生成する(STEP10)。制御部22は、生成した第一表示用データを表示部24または出力インターフェース25に送信する。なお、第一表示用データが出力インターフェース25に送信される場合、出力インターフェース25は、第一表示用データをユーザ端末装置30に出力する。
【0056】
第一表示用データが表示部24に送信、または出力インターフェース25を介してユーザ端末装置30に出力されると、情報処理装置20の表示部24またはユーザ端末装置30の表示部31には、第一表示用データに基づく画像が表示される(STEP11)。
【0057】
ここで、図6を参照しつつ、第一表示用データに基づく画像について詳細に説明する。図6に例示する画像には、結合商標と、各結合商標に係る使用頻度スコア、識別力スコアおよび推奨度スコア(第一推奨度スコア)と、注意喚起情報に基づく補足コメントと、が表示されている。
【0058】
本実施例では、「スマートブレイン」および「ブレインパフォーマンス」について、それぞれ注意喚起情報が付されている。例えば、「スマートブレイン」に係る補足コメント欄には、「先願商標『スマートブレインプログラム』が存在しますので、この結合商標は包含商標です。」という補足コメントが、注意喚起情報に基づく補足コメントとして、表示されている。また、「ブレインパフォーマンス」に係る補足コメント欄には、「先願商標『ブレインパフォーマンス」が存在しますので、この結合商標は同一商標です。』という補足コメントが、注意喚起情報に基づく補足コメントとして、表示されている。
【0059】
本実施例において、推奨度スコア(第一推奨度スコア)が最も高い結合商標は、「スマートブレイン」である。本実施例において、推奨度スコアが最も高い結合商標である「スマートブレイン」の表示態様は、他の結合商標の表示態様と異なっている。具体的には、「スマートブレイン」に関する各種スコア等はHGP創英角ポップ体で表示されているのに対し、他の結合商標に関する各種スコア等は游ゴシックで表示されている。
【0060】
先願商標「ブレインパフォーマンス」と同一商標である「ブレインパフォーマンス」に係る欄には横線のハッチングが付されている。先願商標「スマートブレインプログラム」の包含商標である「スマートブレイン」に係る欄には縦線のハッチングが付されている。つまり、同一商標または包含商標である結合商標(本実施例においては、「スマートブレイン」および「ブレインパフォーマンス」)の表示態様は、これら以外の結合商標の表示態様と異なっている。
【0061】
このように、ユーザは、推奨度スコア(第一推奨度スコア)が最も高い結合商標や同一商標または包含商標である結合商標を直感的に認識することができる。
【0062】
ところで、商標はその識別力の強さに応じて、独創的商標、恣意的商標、暗示的商標、記述的商標および一般名称的商標の五つに分類される。識別力の強さは、独創的商標、恣意的商標、示唆的商標、記述的商標、一般名称的商標の順で強い。一方で、識別力が強い商標は、一般的に、識別力が弱い商標と比べて、需要者にその商標に係る商品役務の性質を訴求しにくかったり、その商標を需要者に認知してもらうまでに時間がかかることが多い。なぜならば、例えば、識別力が最も強い独創的商標は、特に意味を持たない造語であるのに対し、識別力が比較的低い記述的商標は商品や役務の性質を直接的に表現した商標であり、また一般名称的商標は広く使用される語からなる商標であるからである。しかし、記述的商標および一般名称的商標は、基本的に商標登録を受けることができず、独創的商標、恣意的商標および示唆的商標は商標登録を受けることができる。このため、マーケティング等のビジネス的な観点からは、識別力が弱い商標が好まれることが多い一方で、商標審査上の観点からは識別力が強い商標が好ましい。このように、ビジネス的な観点から見た場合の好ましい商標と商標審査上の観点から見た場合の好ましい商標は相反することが多い。このような事情から、識別力を必要以上に強くしないようにしつつも、商標登録を受けるのに必要な識別力を備えた商標を採択したいというニーズがある。
【0063】
上記構成に係る情報処理装置20によれば、出願件数に基づいて生成された使用頻度情報と、登録件数および拒絶件数に基づいて生成された識別力情報と、に基づいて、二つ以上の単語を組み合わせることで作成された結合商標ごとに、第一推奨度スコアを算出する。つまり、第一推奨度スコアは、使用頻度情報および識別力情報に基づいているので、ユーザは、第一推奨度スコアを利用することで、作成された結合商標のその商品役務の分野における浸透しやすさと識別力を推測することができる。したがって、情報処理装置20は、その商品役務の分野における需要者に浸透しやすく、かつ識別力を備えている可能性が高い結合商標を呈示することができる。また、上記構成に係る情報処理方法、コンピュータプログラムおよび非一時的コンピュータ可読媒体によっても、情報処理装置20による効果と同様の効果を奏することができる。
【0064】
また、上記構成に係る情報処理装置20によれば、結合商標は、所定の品詞の組み合わせで作成される。つまり、情報処理装置20は、言語的に適切な組み合わせで、結合商標を作成する。したがって、情報処理装置20によれば、言語的に適切な結合商標を呈示することができる。また、結合商標を構成する単語の数は少なければ少ないほど需要者に浸透しやすいことが知られているが、情報処理装置20が作成する結合商標は二つの単語から構成されるので、需要者に浸透しやすい。
【0065】
また、上記構成に係る情報処理装置20によれば、作成された結合商標が同一商標または包含商標である場合、結合商標が同一商標または包含商標であることを示す注意喚起情報が生成される。同一商標および包含商標は、いわゆる引例拒絶を受ける可能性が高いが、ユーザは、このような注意喚起情報を利用することで、引例拒絶の可能性があることを推測することができる。
【0066】
(第二実施例)
次に、図7および図8を参照しつつ、第二実施例に係る情報処理方法について説明する。なお、本実施例においても、日本国特許庁のデータベースには、先願商標として、「スマートブレインプログラム(類似群コード11C01)」および「ブレインパフォーマンス(類似群コード11C01)」が記録されているものとする。また、本実施例では、第一実施例と同様の部分については第一実施例と同じ符号を用いて説明し、重複する部分の説明は適宜省略する。なお、本実施例において、制御部22は、作成された結合商標に同一商標および/または包含商標が含まれる場合、作成した結合商標の中から同一商標および/または包含商標を除外した上で、第一推奨度スコアを算出する。この点において、本実施例は第一実施例と異なる。図7は、第二実施例に係る情報処理方法のフローチャート図である。
【0067】
STEP21からSTEP26は、第一実施例のSTEP01からSTEP06と同様である。
【0068】
制御部22は、作成された結合商標の中に先願商標と同一である同一商標があるかどうか判断する(STEP27)。制御部22によって作成された結合商標の中に同一商標がある場合(STEP27においてYES)、制御部22は、当該同一商標を除外する(STEP28)。制御部22が同一商標を除外すると、STEP29に進む。一方で、制御部22によって作成された結合商標の中に同一商標がない場合(STEP27においてNO)、STEP29に進む。本実施例では、「ブレインパフォーマンス」が同一商標に該当するので、制御部22は、制御部22によって作成された結合商標の中に同一商標があると判断し(STEP27においてYES)、「ブレインパフォーマンス」を除外する(STEP28)。制御部22が「ブレインパフォーマンス」を除外すると、STEP29に進む。
【0069】
制御部22は、作成された結合商標の中に先願商標に含まれる包含商標があるかどうか判断する(STEP29)。制御部22によって作成された結合商標の中に包含商標がある場合(STEP29においてYES)、制御部22は、当該包含商標を除外する(STEP30)。制御部22が包含商標を除外すると、STEP30に進む。一方で、制御部22によって作成された結合商標の中に包含商標がない場合(STEP29においてNO)、STEP30に進む。本実施例では、「スマートブレイン」が包含商標に該当するので、制御部22は、制御部22によって作成された結合商標の中に包含商標があると判断し(STEP29においてYES)、「スマートブレイン」を除外する(STEP30)。制御部22が「スマートブレイン」を除外すると、STEP31に進む。
【0070】
STEP31は、第一実施例のSTEP07と同様である。
【0071】
制御部22は、使用頻度情報、識別力情報および第一推奨度スコアに基づいて、第二表示用データ(表示用データの一例)を生成する(STEP32)。制御部22は、生成した第二表示用データを表示部24または出力インターフェース25に送信する。なお、第二表示用データが出力インターフェース25に送信される場合、出力インターフェース25は、第二表示用データをユーザ端末装置30に出力する。
【0072】
第二表示用データが表示部24に送信、または出力インターフェース25を介してユーザ端末装置30に出力されると、情報処理装置20の表示部24またはユーザ端末装置30の表示部31には、第二表示用データに基づく画像が表示される(STEP33)。
【0073】
ここで、図8を参照しつつ、第二表示用データに基づく画像について詳細に説明する。図8に例示する画像には、結合商標と、各結合商標に係る使用頻度スコア、識別力スコアおよび推奨度スコア(第一推奨度スコア)と、が表示されている。なお、本実施例において、同一商標および包含商標は除外されているため、第一表示用データに基づく画像(図6参照)と異なり、図8に例示する画像において、「スマートブレイン」および「ブレインパフォーマンス」は表示されていない。
【0074】
本実施例において、推奨度スコア(第一推奨度スコア)が最も高い結合商標は、「エクセレントブレイン」である。本実施例において、推奨度スコアが最も高い結合商標である「エクセレントブレイン」の表示態様は、他の結合商標の表示態様と異なっている。具体的には、「エクセレントブレイン」に関する各種スコア等はHGP創英角ポップ体で表示されているのに対し、他の結合商標に関する各種スコア等は游ゴシックで表示されている。
【0075】
本実施例においても、情報処理装置20は、第一実施例と同様の効果を奏することができる。
【0076】
また、上記構成に係る情報処理装置20によれば、情報処理装置20によって作成された結合商標の中に同一商標および/または包含商標がある場合、情報処理装置20は、情報処理装置20によって作成された結合商標から同一商標および/または包含商標を除外する。したがって、情報処理装置20によれば、引例拒絶が発生する可能性がある結合商標を除外することができる。
【0077】
(第三実施例)
次に、図9および図10を参照しつつ、第三実施例に係る情報処理方法について説明する。なお、本実施例においても、日本国特許庁のデータベースには、先願商標として、「スマートブレインプログラム(類似群コード11C01)」および「ブレインパフォーマンス(類似群コード11C01)」が記録されているものとする。また、本実施例では、第一実施例と同様の部分については第一実施例と同じ符号を用いて説明し、重複する部分の説明は適宜省略する。なお、本実施例において、制御部22は、作成された結合商標が同一商標である場合、同一商標である結合商標について、第一推奨度スコアから10減算した第二推奨度スコアを算出する。また、制御部22は、作成された結合商標が包含商標である場合、包含商標である結合商標について、第一推奨度スコアから5減算した第三推奨度スコアを算出する。この点において、本実施例は第一実施例と異なる。図9は、第三実施例に係る情報処理方法のフローチャート図である。
【0078】
STEP41からSTEP49は、第一実施例のSTEP01からSTEP09と同様である。
【0079】
制御部22は、作成された結合商標の中に先願商標と同一である同一商標があるかどうか判断する(STEP50)。制御部22によって作成された結合商標の中に同一商標がある場合(STEP50においてYES)、制御部22は、同一商標である結合商標について、第二推奨度スコアを算出する(STEP51)。STEP51が実行されると、STEP52に進む。一方で、制御部22によって作成された結合商標の中に同一商標がない場合(STEP50においてNO)、STEP52に進む。本実施例において、日本国特許庁のデータベースには、先願商標として、「ブレインパフォーマンス」が記録されている。したがって、制御部22は、作成した結合商標の中に同一商標があると判断し(STEP50においてYES)、「ブレインパフォーマンス」に係る第一推奨度スコアから10減算することで「ブレインパフォーマンス」に係る第二推奨度スコアを算出する(STEP51)。制御部22が「ブレインパフォーマンス」に係る第二推奨度スコアを算出すると、STEP52に進む。
【0080】
制御部22は、作成された結合商標の中に先願商標に含まれる包含商標があるかどうか判断する(STEP52)。制御部22によって作成された結合商標の中に包含商標がある場合(STEP52においてYES)、制御部22は、包含商標である結合商標について、第三推奨度スコアを算出する(STEP53)。STEP53が実行されると、STEP54に進む。一方で、制御部22によって作成された結合商標の中に包含商標がない場合(STEP52においてNO)、STEP54に進む。本実施例において、日本国特許庁のデータベースには、先願商標として、「スマートブレインプログラム」が記録されている。したがって、制御部22は、作成した結合商標の中に包含商標があると判断し(STEP52においてYES)、「スマートブレイン」に係る第一推奨度スコアから5減算することで「スマートブレイン」に係る第三推奨度スコアを算出する(STEP53)。なお、「スマートブレイン」および「ブレインパフォーマンス」以外の結合商標は、同一商標および包含商標のいずれにも該当しないので、「スマートブレイン」および「ブレインパフォーマンス」以外の結合商標に係る第一推奨度スコアは減算されない。制御部22が「スマートブレイン」に係る第三推奨度スコアを算出すると、STEP54に進む。
【0081】
制御部22は、使用頻度情報、識別力情報、第一推奨度スコア、第二推奨度スコア、第三推奨度スコアおよび注意喚起情報に基づいて、第三表示用データ(表示用データの一例)を生成する(STEP54)。制御部22は、生成した第三表示用データを表示部24または出力インターフェース25に送信する。なお、第三表示用データが出力インターフェース25に送信される場合、出力インターフェース25は、第三表示用データをユーザ端末装置30に出力する。
【0082】
第三表示用データが表示部24に送信、または出力インターフェース25を介してユーザ端末装置30に出力されると、情報処理装置20の表示部24またはユーザ端末装置30の表示部31には、第三表示用データに基づく画像が表示される(STEP55)。
【0083】
ここで、図10を参照しつつ、第三表示用データに基づく画像について詳細に説明する。図10に例示する画像には、結合商標と、各結合商標に係る使用頻度スコア、識別力スコアおよび推奨度スコア(第一推奨度スコア、第二推奨度スコアおよび第三推奨度スコア)と、注意喚起情報に基づく補足コメントと、が表示されている。なお、本実施例における注意喚起情報に基づく補足コメントは、第一実施例における注意喚起情報に基づく補足コメントと同様である。本実施例における推奨度スコア(第一推奨度スコア、第二推奨度スコアおよび第三推奨度スコア)が最も高い結合商標(本実施例においては、「スマートブレイン」)の表示態様は、第一実施例における推奨度スコア(第一推奨度スコア)が最も高い結合商標(第一実施例においては、「スマートブレイン」)の表示態様と同様である。本実施例における同一商標(本実施例においては、「ブレインパフォーマンス」)の表示態様は、第一実施例における同一商標(第一実施例においては、「ブレインパフォーマンス」)の表示態様と同様である。本実施例における包含商標(本実施例においては、「スマートブレイン」)の表示態様は、第一実施例における包含商標(第一実施例においては、「スマートブレイン」)の表示態様と同様である。
【0084】
本実施例においても、情報処理装置20は、第一実施例と同様の効果を奏することができる。
【0085】
また、上記構成に係る情報処理装置20によれば、結合商標の少なくとも一つが同一商標である場合、情報処理装置20は、同一商標である結合商標については、第一推奨度スコアから10減算した第二推奨度スコアを算出する。また、結合商標の少なくとも一つが包含商標である場合、情報処理装置20は、包含商標である結合商標については、第一推奨度スコアから5減算した第三推奨度スコアを算出する。つまり、同一商標または包含商標に該当する結合商標については、第一推奨度スコアよりも低い第二推奨度スコアまたは第三推奨度スコアが算出されるので、情報処理装置20は、引例拒絶のリスクも考慮した推奨度スコアを呈示することができる。
【0086】
(第四実施例)
次に、図11および図12を参照しつつ、第四実施例に係る情報処理方法について説明する。なお、本実施例においても、日本国特許庁のデータベースには、先願商標として、「スマートブレインプログラム(類似群コード11C01)」および「ブレインパフォーマンス(類似群コード11C01)」が記録されているものとする。また、本実施例では、第一実施例と同様の部分については第一実施例と同じ符号を用いて説明し、重複する部分の説明は適宜省略する。なお、本実施例において、制御部22は、使用頻度スコアおよび識別力スコアが所定値以上である結合商標についてのみ、第一推奨度スコアおよび注意喚起情報を算出する。この点において、本実施例は第一実施例と異なる。図11は、第四実施例に係る情報処理方法のフローチャート図である。
【0087】
STEP61からSTEP66は、第一実施例のSTEP01からSTEP06と同様である。
【0088】
制御部22は、制御部22によって作成された結合商標に係る使用頻度スコアおよび識別力スコアを算出し、全ての結合商標に係る使用頻度スコアおよび識別力スコアが所定値以上であるかどうか判断する(STEP67)。なお、本実施例において、STEP67における所定値は10であるとする。制御部22は、全ての結合商標に係る使用頻度スコアおよび識別力スコアが所定値以上であると判断すると(STEP67においてYES)、全ての結合商標に係る第一推奨度スコアを算出する(STEP68)。一方で、制御部22は、制御部22によって作成された結合商標のうち少なくとも一つの結合商標に係る使用頻度スコアおよび/または識別力スコアが所定値未満であると判断すると(STEP67においてNO)、使用頻度スコアおよび識別力スコアが所定値以上の結合商標についてのみ第一推奨度スコアを算出する(STEP69)。本実施例では、「エクセレントパフォーマンス」に係る使用頻度スコアと、「プライマリーエクセレント」に係る使用頻度スコアと、「スパーブリースマート」に係る識別力スコアと、「スパーブリーエクセレント」に係る使用頻度スコアおよび識別力スコアと、が10未満である。したがって、制御部22は、制御部22によって作成された結合商標のうち少なくとも一つの結合商標に係る使用頻度スコアおよび/または識別力スコアが所定値未満であると判断し(STEP67においてNO)、使用頻度スコアおよび識別力スコアが所定値以上の結合商標(すなわち、「エクセレントパフォーマンス」、「プライマリーエクセレント」、「スパーブリースマート」および「スパーブリーエクセレント」以外の結合商標)についてのみ第一推奨度スコアを算出する(STEP69)。
【0089】
STEP70からSTEP71は、第一実施例のSTEP08からSTEP09と同様である。ただし、本実施例においては、「エクセレントパフォーマンス」、「プライマリーエクセレント」、「スパーブリースマート」および「スパーブリーエクセレント」以外の結合商標に対してのみ、STEP70およびSTEP71が実行される。
【0090】
制御部22は、「エクセレントパフォーマンス」、「プライマリーエクセレント」、「スパーブリースマート」および「スパーブリーエクセレント」以外の結合商標に係る使用頻度情報、識別力情報、第一推奨度スコアおよび注意喚起情報に基づいて、第四表示用データ(表示用データの一例)を生成する(STEP72)。制御部22は、生成した第四表示用データを表示部24または出力インターフェース25に送信する。なお、第四表示用データが出力インターフェース25に送信される場合、出力インターフェース25は、第四表示用データをユーザ端末装置30に出力する。
【0091】
第四表示用データが表示部24に送信、または出力インターフェース25を介してユーザ端末装置30に出力されると、情報処理装置20の表示部24またはユーザ端末装置30の表示部31には、第四表示用データに基づく画像が表示される(STEP73)。
【0092】
ここで、図12を参照しつつ、第四表示用データに基づく画像について詳細に説明する。図12に例示する画像には、「エクセレントパフォーマンス」、「プライマリーエクセレント」、「スパーブリースマート」および「スパーブリーエクセレント」以外の結合商標と、各結合商標に係る使用頻度スコア、識別力スコアおよび推奨度スコア(第一推奨度スコア)と、注意喚起情報に基づく補足コメントと、が表示されている。なお、本実施例における注意喚起情報に基づく補足コメントは、第一実施例における注意喚起情報に基づく補足コメントと同様である。本実施例における推奨度スコア(第一推奨度スコア)が最も高い結合商標(本実施例においては、「スマートブレイン」)の表示態様は、第一実施例における推奨度スコア(第一推奨度スコア)が最も高い結合商標(第一実施例においては、「スマートブレイン」)の表示態様と同様である。本実施例における同一商標(本実施例においては、「ブレインパフォーマンス」)の表示態様は、第一実施例における同一商標(第一実施例においては、「ブレインパフォーマンス」)の表示態様と同様である。本実施例における包含商標(本実施例においては、「スマートブレイン」)の表示態様は、第一実施例における包含商標(第一実施例においては、「スマートブレイン」)の表示態様と同様である。
【0093】
本実施例においても、情報処理装置20は、第一実施例と同様の効果を奏することができる。
【0094】
また、上記構成に係る情報処理装置20によれば、使用頻度スコアおよび識別力スコアが10以上である結合商標についてのみ、使用頻度スコアおよび識別力スコアの合計値である第一推奨度スコアが算出される。したがって、情報処理装置20によれば、使用頻度スコアおよび識別力スコアの双方が比較的高い結合商標のみを呈示することができる。
【0095】
上記の実施形態は本開示の理解を容易にするためのものであって、本開示を限定するものではない。本開示は、その趣旨を逸脱することなく変更、改良されうる。
【0096】
上記の第一実施例において、STEP08およびSTEP09は実行されなくてもよい。この場合に情報処理装置20の表示部24またはユーザ端末装置30の表示部31に表示される画像は、図13に例示する画像である。図13に例示する画像は、注意喚起情報に基づく補足コメントが表示されていない点で、図6に例示する画像と異なる。
【0097】
上記の第二実施例において、STEP29およびSTEP30は実行されなくてもよい。この場合に情報処理装置20の表示部24またはユーザ端末装置30の表示部31に表示される画像は、図14に例示する画像である。図14に例示する画像は、「スマートブレイン」に係る使用頻度スコア、識別力スコア、推奨度スコア(第一推奨度スコア)および注意喚起情報に基づく補足コメントが表示されている点で、図8に例示する画像と異なる。この場合、制御部22は、制御部22によって作成された結合商標から同一商標を除外するので、引例拒絶が発生する可能性が極めて高い結合商標だけを除外することができる。
【0098】
上記の実施形態において、入力インターフェース21には「スマート」等の日本語が入力されているが、「smart」等の日本語以外の言語が入力されてもよい。
【0099】
上記の実施形態において、制御部22が作成する結合商標は二つの単語からなる結合商標であるが、制御部22は、例えば、三つ以上の単語からなる結合商標を作成してもよい。この場合、結合商標を構成する単語の品詞の組み合わせは任意でありうる。
【0100】
上記の実施形態において、日本国特許庁データベースを対して上述した情報処理方法を実行する例を用いて説明したが、アメリカ特許商標庁データベース等の外国特許庁のデータベースや商用データベースに対して上述した情報処理方法を実行してもよい。なお、商標データベース11には、複数の国において出願された商標に関する出願情報と、当該複数の国において登録された商標に関する登録情報と、当該複数の国において識別力欠如を理由に拒絶された商標に関する拒絶情報と、が記憶されていてもよい。この場合、制御部22は、入力インターフェース21に入力された出願予定国における出願情報、登録情報および拒絶情報を商標データベース11から取得する。
【0101】
上記の実施形態において、入力インターフェース21には、出願予定国と、指定商品役務と、指定商品役務の区分と、類似群コードと、六つの単語と、が入力されるが、指定商品役務、商品役務区分および類似群コードについては、これらのうちいずれか一つまたは二つが入力されてもよい。例えば、出願予定国の欄には「日本国」が、区分の欄には「9類」が、単語の欄には「スマート」等の複数の単語が入力される場合、制御部22は、「スマート」等を含む商標であって、「9類」の商品役務区分を含む先願商標を日本国特許庁のデータベースから取得する。また、例えば、出願予定国の欄には「日本国」が、指定商品役務区分の欄には「コンピュータ」が、単語の欄には「スマート」等の複数の単語が入力される場合、制御部22は、「スマート」等を含む商標であって、指定商品役務に「コンピュータ」を含む先願商標を日本国特許庁のデータベースから取得する。なお、この場合、制御部22は、指定商品役務「コンピュータ」の類似群コードである類似群コード11C01を特定した後に、「スマート」等を含む商標であって、類似群コードに「11C01」を含む先願商標を日本国特許庁のデータベースから取得してもよい。
【0102】
上記の実施形態において、使用頻度スコアは、結合商標に含まれる各単語に係る使用頻度指数の合計値であるが、結合商標に含まれる各単語に係る使用頻度指数の平均値や二乗和平方根であってもよい。また、上記の実施形態において、識別力スコアは、結合商標に含まれる各単語に係る識別力指数の合計値であるが、識別力スコアは、結合商標に含まれる各単語に係る識別力指数の平均値や二乗和平方根であってもよい。さらに、上記の実施形態において、第一推奨度スコアは、結合商標に含まれる各単語に係る使用頻度情報(使用頻度指数)に基づく使用頻度スコアと、結合商標に含まれる各単語に係る識別力情報(識別力指数)に基づく識別力スコアと、の合計値であるが、結合商標に含まれる各単語に係る使用頻度情報に基づく使用頻度スコアと、結合商標に含まれる各単語に係る識別力情報に基づく識別力スコアと、の平均値や二乗和平方根であってもよい。
【0103】
上記の第一実施例、第三実施例および第四実施例において、情報処理装置20の表示部24またはユーザ端末装置30の表示部31に表示される画像における「ブレインパフォーマンス」に係る欄には横線のハッチングが、「スマートブレイン」に係る欄には縦線のハッチングがそれぞれ付されているが、これらの欄には、例えば、ハッチングの代わりに、色が付されていてもよい。
【0104】
上記の第一実施例、第三実施例および第四実施例では、注意喚起情報に基づく補足コメントとして、「スマートブレイン」に係る補足コメント欄には「先願商標『スマートブレインプログラム』が存在しますので、この結合商標は包含商標です。」という補足コメントが、「ブレインパフォーマンス」に係る補足コメント欄には「先願商標『ブレインパフォーマンス」が存在しますので、この結合商標は同一商標です。』という補足コメントがそれぞれ表示されているが、例えば、先願商標の出願番号、登録番号または国際登録番号が表示されてもよい。
【0105】
上記の実施形態において、使用頻度指数および識別力指数は共に0から10の値であるが、例えば、使用頻度指数は0から10の値である一方で、識別力指数は0から20の値であってもよい。つまり、使用頻度指数および識別力指数の数値範囲は、ユーザが適宜設定しうる。
【0106】
上記の実施形態において、記憶装置23には、各単語に関する品詞データベースが記憶されているが、当該品詞データベースが記憶されていなくてもよい。この場合、制御部22は、結合商標を作成する際に、入力インターフェース21に入力された各単語に関する品詞情報を辞典データベース12から取得する。制御部22は、取得した品詞情報に基づいて、入力インターフェース21に入力された単語の品詞を単語ごとに分析する。
【0107】
上記の実施形態において、記憶装置23には、結合商標に関する組み合わせデータベースが記憶されているが、当該組み合わせデータベースが記憶されていなくてもよい。この場合、当該組み合わせデータベースは、例えば、外部データベース10に記憶されている。また、この場合、制御部22は、結合商標を作成する際に、結合商標を構成する単語の品詞の組み合わせ情報を外部データベース10から取得する。制御部22は、取得した組み合わせ情報に基づく所定の品詞の組み合わせで、結合商標を作成する。
【0108】
上記の第三実施例において、第二推奨度スコアは第一推奨度スコアから10減算することで求められ、第三推奨度スコアは第一推奨度スコアから5減算することで求められているが、本開示はこれに限られない。例えば、第二推奨度スコアおよび第三推奨度スコアは共に、第一推奨度スコアから5減算することで求められてもよい。ただし、第二推奨度スコアを求める際に第一推奨度スコアから減算される値は、第三推奨度スコアを求める際に第一推奨度スコアから減算される値以上である必要がある。
【0109】
上記の実施形態において、制御部22は、図2における所定の品詞の組み合わせで結合商標を作成するが、本開示はこれに限られない。制御部22は、例えば、第一品詞が名詞で第二品詞が形容詞である組み合わせで結合商標を作成してもよい。
【0110】
上記の実施形態において、品詞データベースや結合商標に関する組み合わせデータベースは、記憶装置23に記憶されているが、制御部22のメモリに記憶されていてもよい。この場合、情報処理装置20は、記憶装置23を備えていなくてもよい。
【0111】
上記の実施形態において、制御部22は、使用頻度情報を生成した後に識別力情報を生成しているが、制御部22は、使用頻度情報および識別力情報を同時に生成してもよいし、識別力情報を生成した後に使用頻度情報を生成してもよい。
【0112】
上記の実施形態において、第一単語の品詞および第二単語の品詞は、名詞、形容詞および副詞のいずれかであるが、これら以外の品詞であってもよい。
【0113】
以上説明したように、本明細書には次の事項が開示されている。
(1)指定商品役務、商品役務区分および類似群コードの少なくとも一つと、少なくとも二つ以上の単語と、を入力するための入力インターフェースと、
プロセッサと、
前記プロセッサが実行可能な少なくとも一つの命令を記憶するメモリと、を備える情報処理装置であって、
少なくとも一つの前記命令が前記プロセッサにより実行されると、前記情報処理装置は、
前記入力インターフェースに入力された前記指定商品役務、前記商品役務区分および前記類似群コードの少なくとも一つと、前記入力インターフェースに入力された前記単語のそれぞれと、に基づいて、前記指定商品役務、前記商品役務区分および前記類似群コードの少なくとも一つおよび前記単語を含む商標の出願件数と、前記指定商品役務、前記商品役務区分および前記類似群コードの少なくとも一つおよび前記単語を含む商標の登録件数と、前記指定商品役務、前記商品役務区分および前記類似群コードの少なくとも一つおよび前記単語を含む商標のうち識別力欠如を理由に拒絶された商標の件数である拒絶件数と、を取得し、
前記出願件数に基づいて、前記指定商品役務、前記商品役務区分および前記類似群コードの少なくとも一つに関連する分野における前記単語が商標に使用される頻度を示す使用頻度情報を前記単語ごとに生成し、
前記登録件数および前記拒絶件数に基づいて、前記指定商品役務、前記商品役務区分および前記類似群コードの少なくとも一つに関連する分野における前記単語の識別力を示す識別力情報を前記単語ごとに生成し、
前記入力インターフェースに入力された二つ以上の前記単語の中から任意に選択された二つ以上の前記単語を組み合わせることで一つ以上の結合商標を作成し、
前記使用頻度情報および前記識別力情報に基づいて、前記結合商標ごとに、前記結合商標の推奨度を示す第一推奨度スコアを算出する、情報処理装置。
(2)前記情報処理装置は、前記入力インターフェースに入力された前記単語の品詞を前記単語ごとに分析し、所定の品詞の組み合わせで、前記結合商標を作成する、(1)に記載の情報処理装置。
(3)前記結合商標は、第一単語と第二単語から構成されており、
前記第一単語の品詞は第一品詞であり、前記第二単語の品詞は第二品詞であり、
前記所定の品詞の組み合わせは、前記第一品詞および前記第二品詞が名詞である組み合わせ、前記第一品詞が形容詞で前記第二品詞が名詞である組み合わせ、および前記第一品詞が副詞で前記第二品詞が形容詞である組み合わせである、(2)に記載の情報処理装置。
(4)前記結合商標が先願商標と同一である同一商標または前記先願商標に含まれる包含商標である場合、前記情報処理装置は、前記結合商標が前記同一商標または前記包含商標であることを示す注意喚起情報を生成する、(1)から(3)のいずれか一つに記載の情報処理装置。
(5)前記情報処理装置が作成した前記結合商標の中に先願商標と同一である同一商標がある場合、前記情報処理装置は、前記情報処理装置が作成した前記結合商標から前記同一商標を除外する、(1)から(3)のいずれか一つに記載の情報処理装置。
(6)前記情報処理装置が作成した前記結合商標の中に先願商標と同一である同一商標および/または前記先願商標に含まれる包含商標がある場合、前記情報処理装置は、前記情報処理装置が作成した前記結合商標から前記同一商標および/または前記包含商標を除外する、(1)から(3)のいずれか一つに記載の情報処理装置。
(7)前記結合商標の少なくとも一つが先願商標と同一である同一商標である場合、前記情報処理装置は、前記同一商標である前記結合商標に係る前記第一推奨度スコアから所定値を減算した第二推奨度スコアを算出する、(1)から(4)のいずれか一つに記載の情報処理装置。
(8)前記結合商標の少なくとも一つが先願商標と同一である同一商標または前記先願商標に含まれる包含商標である場合、前記情報処理装置は、
前記同一商標である前記結合商標については、前記第一推奨度スコアから所定値を減算した第二推奨度スコアを算出し、
前記包含商標である前記結合商標については、前記第一推奨度スコアから所定値を減算した第三推奨度スコアを算出する、(1)から(4)のいずれか一つに記載の情報処理装置。
(9)前記第一推奨度スコアは、前記結合商標に含まれる各単語に係る前記使用頻度情報に基づく使用頻度スコアと、前記結合商標に含まれる各単語に係る前記識別力情報に基づく識別力スコアと、の合計値であり、
前記情報処理装置は、前記使用頻度スコアおよび前記識別力スコアが所定値以上である前記結合商標についてのみ、(1)から(8)のいずれか一つに記載の情報処理装置。
(10)情報処理装置によって実行される情報処理方法であって、
指定商品役務、商品役務区分および類似群コードの少なくとも一つと、少なくとも二つ以上の単語と、を入力するステップと、
入力された前記指定商品役務、前記商品役務区分および前記類似群コードの少なくとも一つと、入力された前記単語のそれぞれと、に基づいて、前記指定商品役務、前記商品役務区分および前記類似群コードの少なくとも一つおよび前記単語を含む商標の出願件数と、前記指定商品役務、前記商品役務区分および前記類似群コードの少なくとも一つおよび前記単語を含む商標の登録件数と、前記指定商品役務、前記商品役務区分および前記類似群コードの少なくとも一つおよび前記単語を含む商標のうち識別力欠如を理由に拒絶された商標の件数である拒絶件数と、を取得するステップと、
前記出願件数に基づいて、前記指定商品役務、前記商品役務区分および前記類似群コードの少なくとも一つに関連する分野における前記単語が商標に使用される頻度を示す使用頻度情報を前記単語ごとに生成するステップと、
前記登録件数および前記拒絶件数に基づいて、前記指定商品役務、前記商品役務区分および前記類似群コードの少なくとも一つに関連する分野における前記単語の識別力を示す識別力情報を前記単語ごとに生成するステップと、
入力された二つ以上の前記単語の中から任意に選択された二つ以上の前記単語を組み合わせることで一つ以上の結合商標を作成するステップと、
前記使用頻度情報および前記識別力情報に基づいて、前記結合商標ごとに、前記結合商標の推奨度を示す第一推奨度スコアを算出するステップと、を含む、情報処理方法。
(11)情報処理装置のプロセッサにより実行される少なくとも一つの命令を含むコンピュータプログラムであって、
少なくとも一つの前記命令が前記プロセッサにより実行されると、前記情報処理装置に、
前記情報処理装置の入力インターフェースに入力された指定商品役務、商品役務区分および類似群コードの少なくとも一つと、前記入力インターフェースに入力された単語のそれぞれと、に基づいて、前記指定商品役務、前記商品役務区分および前記類似群コードの少なくとも一つおよび前記単語を含む商標の出願件数と、前記指定商品役務、前記商品役務区分および前記類似群コードの少なくとも一つおよび前記単語を含む商標の登録件数と、前記指定商品役務、前記商品役務区分および前記類似群コードの少なくとも一つおよび前記単語を含む商標のうち識別力欠如を理由に拒絶された商標の件数である拒絶件数と、を取得させ、
前記出願件数に基づいて、前記指定商品役務、前記商品役務区分および前記類似群コードの少なくとも一つに関連する分野における前記単語が商標に使用される頻度を示す使用頻度情報を前記単語ごとに生成させ、
前記登録件数および前記拒絶件数に基づいて、前記指定商品役務、前記商品役務区分および前記類似群コードの少なくとも一つに関連する分野における前記単語の識別力を示す識別力情報を前記単語ごとに生成させ、
前記入力インターフェースに入力された二つ以上の前記単語の中から任意に選択された二つ以上の前記単語を組み合わせることで一つ以上の結合商標を作成させ、
前記使用頻度情報および前記識別力情報に基づいて、前記結合商標ごとに、前記結合商標の推奨度を示す第一推奨度スコアを算出させる、コンピュータプログラム。
(12)(11)に記載されたコンピュータプログラムが記憶された、非一時的コンピュータ可読媒体。
【符号の説明】
【0114】
1:情報処理システム
10:外部データベース
11:商標データベース
12:辞典データベース
20:情報処理装置
21:入力インターフェース
22:制御部
23:記憶装置
24:表示部
25:出力インターフェース
26:バス
30:ユーザ端末装置
31:表示部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
【手続補正書】
【提出日】2023-01-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0096
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0096】
上記の第一実施例において、STEP08およびSTEP09は実行されなくてもよい。この場合に情報処理装置20の表示部24またはユーザ端末装置30の表示部31に表示される画像は、図13に例示する画像である。図13に例示する画像は、注意喚起情報に基づく補足コメントが表示されていない点と、「ブレインパフォーマンス」に係る欄に横線のハッチングが付されていない点と、「スマートブレイン」に係る欄に縦線のハッチングが付されていない点と、で、図6に例示する画像と異なる。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0108
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0108】
上記の第三実施例において、第二推奨度スコアは第一推奨度スコアから10減算することで求められ、第三推奨度スコアは第一推奨度スコアから5減算することで求められているが、本開示はこれに限られない。例えば、第二推奨度スコアおよび第三推奨度スコアは共に、第一推奨度スコアから5減算することで求められてもよい。また、例えば、第二推奨度スコアは第一推奨度スコアから10減算することで求められ、第三推奨度スコアは第一推奨度スコアから0減算することで求められてもよい。言い換えると、上記の第三実施例において、STEP52およびSTEP53は実行されなくてもよい。ただし、第二推奨度スコアを求める際に第一推奨度スコアから減算される値は、第三推奨度スコアを求める際に第一推奨度スコアから減算される値以上である必要がある。
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図13
【補正方法】変更
【補正の内容】
図13