(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024098783
(43)【公開日】2024-07-24
(54)【発明の名称】冷蔵庫
(51)【国際特許分類】
F25D 11/00 20060101AFI20240717BHJP
【FI】
F25D11/00 101B
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023002493
(22)【出願日】2023-01-11
(71)【出願人】
【識別番号】503376518
【氏名又は名称】東芝ライフスタイル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100205785
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼橋 史生
(74)【代理人】
【識別番号】100203297
【弁理士】
【氏名又は名称】橋口 明子
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100135301
【弁理士】
【氏名又は名称】梶井 良訓
(72)【発明者】
【氏名】平井 育人
【テーマコード(参考)】
3L045
【Fターム(参考)】
3L045AA02
3L045BA03
3L045BA04
3L045CA03
3L045DA02
3L045EA01
3L045HA02
3L045HA07
3L045LA10
3L045LA11
3L045LA14
3L045LA18
3L045MA00
3L045MA01
3L045MA02
3L045MA12
3L045NA03
3L045NA16
3L045NA22
3L045PA01
3L045PA02
3L045PA03
3L045PA04
(57)【要約】
【課題】適切な冷却制御を行うことができる冷蔵庫を提供することである。
【解決手段】実施形態の冷蔵庫は、筐体と、冷却部と、温度検出器と、制御部とを備える。前記制御部は、少なくとも、第1冷却制御と、前記第1冷却制御と比べて食品の温度を急速に低下させる第2冷却制御とで前記冷却部を制御可能である。前記制御部は、前記第2冷却制御の開始後、所定時間の経過前に到来する1回以上の所定時期に前記温度検出器の検出結果に基づき前記第2冷却制御を続行するか否かを判定する判定処理を行い、前記判定処理で前記温度検出器の検出結果が所定条件を満たす場合には前記所定時間の途中で前記第2冷却制御を終了させる。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
貯蔵室を含む筐体と、
前記貯蔵室を冷却する冷却部と、
前記貯蔵室に設けられた温度検出器と、
少なくとも、第1冷却制御と、前記第1冷却制御と比べて食品の温度を急速に低下させる冷却制御であって開始後に所定時間が経過することに応じて終了される第2冷却制御とで前記冷却部を制御可能な制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記第2冷却制御の開始後、前記所定時間の経過前に到来する1回以上の所定時期に前記温度検出器の検出結果に基づき前記第2冷却制御を続行するか否かを判定する判定処理を行い、前記判定処理で前記温度検出器の検出結果が所定条件を満たす場合には前記所定時間の途中で前記第2冷却制御を終了させる、
冷蔵庫。
【請求項2】
前記第2冷却制御は、ユーザによって前記所定時間の長さが設定可能な冷却制御である、
請求項1に記載の冷蔵庫。
【請求項3】
前記温度検出器は、前記貯蔵室内の食品の温度に関連する情報を検出する食品温度検出器を含み、
前記制御部は、前記判定処理において、前記食品温度検出器を用いて検出された前記食品の温度が前記食品の潜熱に関連する温度範囲に含まれる場合、前記所定条件が満たされる場合として前記第2冷却制御を終了させる、
請求項1または請求項2に記載の冷蔵庫。
【請求項4】
前記温度検出器は、前記貯蔵室内の食品の温度に関連する情報を検出する食品温度検出器を含み、
前記制御部は、前記第2冷却制御の実行中に、他の冷却制御への変更を示すユーザの指示が受け付けられた場合、前記第2冷却制御の開始後に前記食品温度検出器を用いて検出された前記食品の温度に基づき前記食品が所定状態であるか否かを判定し、前記食品が前記所定状態でないと判定される場合は、前記ユーザに冷却制御の変更の可否を問い合わせる報知を行い、前記食品が前記所定状態であると判定される場合は、前記報知を行わずに冷却制御を変更する、
請求項1または請求項2に記載の冷蔵庫。
【請求項5】
前記制御部は、前記第2冷却制御の実行中に、他の冷却制御への変更を示すユーザの指示が受け付けられた場合、前記第2冷却制御の開始後の経過時間に関する判定を行い、前記経過時間が閾値時間よりも短い場合は、前記ユーザに冷却制御の変更の可否を問い合わせる報知を行い、前記経過時間が前記閾値時間以上である場合は、前記報知を行わずに冷却制御を変更する、
請求項1または請求項2に記載の冷蔵庫。
【請求項6】
前記貯蔵室を開閉可能に閉じる扉と、
前記扉の開状態を検知可能な扉開検知器と、
をさらに備え、
前記制御部は、前記判定処理で前記温度検出器の検出結果が前記所定条件を満たす場合には前記所定時間の途中で所定の報知を行い、前記所定の報知後に前記扉開検知器により前記扉の開状態が検知された場合に前記第2冷却制御を終了させる、
請求項1または請求項2に記載の冷蔵庫。
【請求項7】
前記温度検出器は、前記貯蔵室の空気温度を検出する空気温度検出器を含み、
前記制御部は、前記判定処理において、前記空気温度検出器を用いて検出された温度が冷凍温度帯の温度範囲内に設定された第1閾値温度を下回る場合、前記所定条件が満たされる場合として前記第2冷却制御を終了させる、
請求項1または請求項2に記載の冷蔵庫。
【請求項8】
前記冷却部は、前記貯蔵室に冷却空気を送る送風機を含み、
前記制御部は、前記第2冷却制御の開始時に第1回転速度で前記送風機を回転させ、前記第2冷却制御の途中において、前記温度検出器を用いて検出された温度が最大氷結晶生成帯の下限以下に設定される第2閾値温度を下回る場合に、前記第1回転速度よりも低い第2回転速度に前記送風機の回転速度を変更する、
請求項1または請求項2に記載の冷蔵庫。
【請求項9】
前記温度検出器は、前記貯蔵室内の食品の温度に関連する情報を検出する食品温度検出器を含み、
前記冷却部は、前記貯蔵室に冷却空気を送る送風機を含み、
前記制御部は、前記第2冷却制御の開始時に第1回転速度で前記送風機を回転させ、前記第2冷却制御の途中において、前記食品温度検出器を用いて検出された温度変化が前記食品の潜熱に関連する温度範囲を抜けたことを示す場合には、前記第1回転速度よりも低い第2回転速度に前記送風機の回転速度を変更する、または、前記温度範囲を抜けた後に所定時間に亘り前記送風機を回転させて前記送風機を停止させる、
請求項1または請求項2に記載の冷蔵庫。
【請求項10】
前記冷却部に設けられた除霜用の加熱器をさらに備え、
前記冷却部は、前記貯蔵室に冷却空気を送る送風機を含み、
前記制御部は、前記第2冷却制御の実行中に前記加熱器により除霜を行う場合は、前記送風機を逆回転させる、
請求項1または請求項2に記載の冷蔵庫。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、冷蔵庫に関する。
【背景技術】
【0002】
通常の冷却制御よりも急速に食品の温度を低下させる急速冷却制御を実行可能な冷蔵庫が知られている。ところで、冷蔵庫は、冷却制御のさらなる適切化が期待されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、適切な冷却制御を行うことができる冷蔵庫を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態の冷蔵庫は、筐体と、冷却部と、温度検出器と、制御部とを備える。前記筐体は貯蔵室を含む。前記冷却部は、前記貯蔵室を冷却する。前記温度検出器は、前記貯蔵室に設けられている。前記制御部は、少なくとも、第1冷却制御と、前記第1冷却制御と比べて食品の温度を急速に低下させる冷却制御であって開始後に所定時間が経過することに応じて終了される第2冷却制御とで前記冷却部を制御可能である。前記制御部は、前記第2冷却制御の開始後、前記所定時間の経過前に到来する1回以上の所定時期に前記温度検出器の検出結果に基づき前記第2冷却制御を続行するか否かを判定する判定処理を行い、前記判定処理で前記温度検出器の検出結果が所定条件を満たす場合には前記所定時間の途中で前記第2冷却制御を終了させる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】実施形態の家電管理システムの全体構成を示す図。
【
図3】実施形態の冷蔵庫の機能構成を示すブロック図。
【
図4】実施形態の食品温度センサを説明するための断面図。
【
図5】実施形態の食品の凍結曲線の一例を示すグラフ。
【
図6】実施形態の時間設定の概略の流れを示すフローチャート。
【
図7】実施形態の時間設定の第1処理例の流れを示すフローチャート。
【
図8】実施形態の時間設定の第2処理例の流れを示すフローチャート。
【
図9】実施形態の時間設定の第3処理例の流れを示すフローチャート。
【
図10】実施形態の時間設定の第4処理例の流れを示すフローチャート。
【
図11】実施形態の時間設定の第4処理例における報知情報の表示例を示す図。
【
図12】実施形態の時間設定の第5処理例の流れを示すフローチャート。
【
図13】実施形態の時間設定の第5処理例における報知情報の表示例を示す図。
【
図14】実施形態の時間設定の第6処理例の流れを示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、実施形態の冷蔵庫を、図面を参照して説明する。以下の説明では、同一または類似の機能を有する構成に同一の符号を付す。そして、それら構成の重複する説明は省略する場合がある。本出願で「XXに基づく」とは、「少なくともXXに基づく」ことを意味し、XXに加えて別の要素に基づく場合も含み得る。また「XXに基づく」とは、XXを直接に用いる場合に限定されず、XXに対して演算や加工が行われたものに基づく場合も含み得る。本出願で「XXまたはYY」とは、XXとYYのうちいずれか一方の場合に限定されず、XXとYYの両方の場合も含み得る。これは選択的要素が3つ以上の場合も同様である。XXおよびYYは、任意の要素(例えば任意の情報)である。
【0008】
(実施形態)
<1.家電管理システムの全体構成>
図1は、実施形態の家電管理システム1の全体構成を示す図である。家電管理システム1は、例えば、冷蔵庫100と、サーバ200と、端末装置300の家電管理アプリAPPとを含む。後述するネットワークNWは、例えば、インターネット、セルラー網、Wi-Fi網、LPWA(Low Power Wide Area)、WAN(Wide Area Network)、LAN(Local Area Network)、またはその他の公衆回線や専用回線などを状況に応じて利用すればよい。
【0009】
冷蔵庫100は、ユーザUの住居内に設置される。冷蔵庫100は、例えば、ユーザUの住居内に設置される無線ルータWRおよびモデムMを介してネットワークNWと接続される。冷蔵庫100は、ネットワークNWを介して、サーバ200または端末装置300と通信可能である。
【0010】
サーバ200は、冷蔵庫100を管理する管理サーバである。サーバ200は、1つまたは複数のサーバ装置(例えばクラウドサーバ)により構成される。サーバ200は、ネットワークNWを介して、冷蔵庫100または端末装置300と通信可能である。サーバ200は、ネットワークNW中のルータに含まれる情報処理部など、エッジコンピューティングやフォグコンピューティングを行う情報処理部を含んでもよい。サーバ200は、クラウドサーバに限定されず、ユーザUの住居にあるコンピュータでもよく、家庭内ルータなどでもよい。
【0011】
端末装置300は、冷蔵庫100のユーザUが使用する端末装置である。端末装置300は、例えば、スマートフォンまたはタブレット端末装置のような端末装置である。ただし、端末装置300は、端末装置に限定されず、パーソナルコンピュータなどでもよいし、スマートスピーカのような音声対話装置などでもよい。端末装置300は、例えば、表示装置301と、入力装置302と、通信部303とを有する。表示装置301は、種々の情報を表示可能な表示画面301aを有する。入力装置302は、ユーザUの入力を受け付け可能である。入力装置302は、例えば表示装置301の表示画面301aと重ねて設けられたタッチパネルである。入力装置302は、端末装置300に設けられたカメラやマイクなどを含み得る。通信部303は、無線通信可能な通信モジュールである。通信部303は、ネットワークNWと接続される。通信部303は、ネットワークNWを介して、サーバ200または冷蔵庫100と通信可能である。
【0012】
端末装置300には、アプリケーションプログラムPがインストールされ、以下に説明する機能がサポートされる。アプリケーションプログラムPは、例えば、冷蔵庫100に関する情報の確認または操作を行うためのアプリケーションプログラムである。以下では、アプリケーションプログラムPが実行されることで起動されるアプリケーションソフトウェアを「家電管理アプリAPP」と称する。
【0013】
<2.冷蔵庫>
まず、冷蔵庫100について詳しく説明する。
図2は、冷蔵庫100の概略構成を示す正面図である。冷蔵庫100は、例えば、筐体10と、複数の扉20とを備えている。
【0014】
筐体10は、断熱性を有し、矩形箱状に形成されている。筐体10の内部には、複数の貯蔵室30が設けられている。複数の貯蔵室30は、例えば、冷蔵室31、チルド室31A、野菜室32、製氷室33、小冷凍室34、および主冷凍室35を含む。冷蔵室31および野菜室32は、冷蔵温度帯(例えば平均温度が1℃~7℃の温度帯)の貯蔵室である。チルド室31Aは、チルド温度帯(例えば平均温度が-1度~+1度の温度帯)の貯蔵室である。製氷室33、小冷凍室34、および主冷凍室35は、冷凍温度帯(例えば平均温度が-10℃~-40℃の温度帯)の貯蔵室である。
【0015】
以下では説明の便宜上、冷蔵温度帯とチルド温度帯とを纏めて「冷蔵温度帯」と称する場合がある。以下では、冷蔵室31、チルド室31A、および野菜室32を区別しない場合、「冷蔵温度帯の貯蔵室30R」と称する場合がある。また以下では、製氷室33、小冷凍室34、および主冷凍室35を区別しない場合、「冷凍温度帯の貯蔵室30F」と称する場合がある。なお本出願でいう「貯蔵室」は、上記例に限定されず、パーシャル温度帯に冷却されるパーシャル室や、複数の温度帯(例えば冷蔵温度帯と冷凍温度帯)で温度が切り替え可能な温度切替室などでもよい。
【0016】
複数の貯蔵室30の開口は、複数の扉20によって開閉可能に閉じられる。複数の扉20は、冷蔵室31の開口を閉じる左右の冷蔵室扉21A,21B、野菜室32の開口を閉じる野菜室扉22、製氷室33の開口を閉じる製氷室扉23、小冷凍室34の開口を閉じる小冷凍室扉24、および主冷凍室35の開口を閉じる主冷凍室扉25を含む。以下では、左右の冷蔵室扉21A,21Bを区別しない場合、「冷蔵室扉21」と称する。
【0017】
図3は、冷蔵庫100の機能構成を示すブロック図である。冷蔵庫100は、例えば、扉開検知センサ110、温度センサ120、冷却部130、操作部140、通信部150、報知部160、制御装置170、および記憶部190を有する。
【0018】
<2.1 扉開検知センサ>
扉開検知センサ110は、扉20の開状態を検知可能なセンサである。扉開検知センサ110は、例えば、冷蔵室扉21の開状態を検知可能な冷蔵室扉センサ111、野菜室扉22の開状態を検知可能な野菜室扉センサ112、製氷室扉23の開状態を検知可能な製氷室扉センサ113、小冷凍室扉24の開状態を検知可能な小冷凍室扉センサ114、および主冷凍室扉25の開状態を検知可能な主冷凍室扉センサ115を含む。扉開検知センサ110の検出結果は、制御装置170に出力される。扉開検知センサ110は、「扉開検知器」の一例である。
【0019】
<2.2 温度センサ>
温度センサ120は、貯蔵室30に設けられて、貯蔵室30の温度(例えば貯蔵室30内の空気温度)または貯蔵室30に収容された食品の温度を検出する温度センサである。温度センサ120は、例えば、冷蔵室31に設けられて冷蔵室31の温度を検出する冷蔵室温度センサ121、チルド室31Aに設けられてチルド室31Aの温度を検出するチルド室温度センサ122、小冷凍室34に設けられて小冷凍室34の温度を検出する小冷凍室温度センサ123、主冷凍室35に設けられて主冷凍室35の温度を検出する主冷凍室温度センサ124、および小冷凍室34に設けられて小冷凍室34内に収容された食品の温度を検出する食品温度センサ125を含む。温度センサ120の検出結果は、制御装置170に出力される。本実施形態では、温度センサ120は、「温度検出器」の一例である。小冷凍室温度センサ123は、小冷凍室34の空気温度を検出する温度センサであり、「空気温度検出器」の一例である。食品温度センサ125は、「食品温度検出器」の一例である。
【0020】
図4は、食品温度センサ125を説明するための断面図である。
図4に示すように、小冷凍室34は、底板34aと、底板34aの周端部から起立した側板34bとによって形成されている。底板34aには貫通孔34dが設けられる。食品温度センサ125は、貫通孔34dを介して、底板34aから突出するように配置されている。食品温度センサ125は、底板34a上に載せられた金属トレイALに接している。
【0021】
小冷凍室34内では、食品Fは、金属トレイAL上に載せて収容され、金属トレイALを介して底板34aに支持される。食品Fが金属トレイAL上に置かれると、食品温度センサ125は、金属トレイALを介して、食品Fの温度を検出する。一方で、小冷凍室34内の空気温度は、小冷凍室温度センサ123により検出される。
【0022】
なお、小冷凍室34には、小冷凍室34内の空気温度を検出する小冷凍室温度センサ123と、小冷凍室34内の食品Fの温度を検出する食品温度センサ125との双方を設ける必要はない。例えば、後述する時間設定の第1処理例を行う場合には、小冷凍室34に小冷凍室温度センサ123だけが設けられてもよい。例えば、後述する時間設定の第2処理例を行う場合には、小冷凍室34に食品温度センサ125だけが設けられてもよい。
【0023】
また、本出願でいう「食品温度検出器」は、食品と接触することで食品の温度を検出するセンサに限定されない。例えば、食品温度検出器は、赤外線カメラなど非接触の方法で食品の温度を検出する検出器でもよい。また、食品が収容された貯蔵室30の空気温度から当該食品の温度が推定される場合、食品温度検出器は、貯蔵室30の空気温度を検出する温度センサでもよい。本出願で「温度を検出する」とは、検出器単体の機能によって温度を検出する場合に限定されず、例えば後述する制御装置170に設けられる情報処理部(画像処理部または温度推定部など)と協働することで温度を検出する場合も該当する。言い換えると、食品温度検出器により検出される情報は、食品の温度そのものに限定されず、食品の温度に関連する情報であればよい。以下の説明における「食品温度検出器により検出された温度」とは、「食品温度検出器を用いて検出された温度」と読み替え可能である。
【0024】
<2.3 冷却部>
図3に戻り、冷却部130について説明する。
冷却部130は、複数の貯蔵室30を冷却する装置である。冷却部130は、例えば、第1冷却器131、第2冷却器132、圧縮機133、三方弁134、第1送風機135、第2送風機136、加熱器137、および冷気流れ調整機構138を含む。
【0025】
第1冷却器131は、冷蔵温度帯の貯蔵室30R(冷蔵室31、チルド室31A、および野菜室32)に対応して配置されている。第2冷却器132は、冷凍温度帯の貯蔵室30F(製氷室33、小冷凍室34、および主冷凍室35)に対応して配置されている。圧縮機133は、第1冷却器131および第2冷却器132に冷媒を供給する。
【0026】
三方弁134は、圧縮機133により圧縮された冷媒を第1冷却器131に供給する第1状態と、圧縮機133により圧縮された冷媒を第2冷却器132に供給する第2状態とに選択的に切り替えられる。第1送風機135は、第1冷却器131により冷却された空気(冷却空気)を冷蔵温度帯の貯蔵室30R(冷蔵室31、チルド室31A、および野菜室32)に供給する。第2送風機136は、第2冷却器132により冷却された空気(冷却空気)を冷凍温度帯の貯蔵室30F(製氷室33、小冷凍室34、および主冷凍室35)に供給する。
【0027】
加熱器137は、例えばヒータなどの発熱体である。加熱器137は、除霜用に設けられた加熱器である。加熱器137は、例えば、第2冷却器132に取り付けられ、第2冷却器132に付着した霜を解凍して除去する。
【0028】
冷気流れ調整機構138は、例えば、第2冷却器132により生成されて冷凍温度帯の各貯蔵室30Rに向かう冷却空気の供給量を調整する装置である。例えば、冷気流れ調整機構138は、各貯蔵室30(製氷室33、小冷凍室34、および主冷凍室35)に対応して設けられて各貯蔵室30に設けられた開口を開閉することで、各貯蔵室30に流入する冷気の流れを抑制可能(例えば遮断可能)なダンパーを含む。冷気流れ調整機構138は、「調整機構」の一例である。
【0029】
<2.4 操作部>
操作部140は、冷蔵庫100に対するユーザUの操作を受け付け可能である。操作部140は、例えば、扉20の表面または筐体10の内面に設けられた1つ以上のボタンを含む。ユーザUは、操作部140を操作することで、冷蔵庫100の各制御モードを実行可能である。
【0030】
後述する「急速冷凍モード」および「タイマー付き急速冷却モード」は、例えば、操作部140に対するユーザUの操作(または端末装置300の家電管理アプリAPPに対するユーザUの操作)により開始される制御モードである。また、「タイマー付き急速冷却モード」では、操作部140に対するユーザUの操作(または端末装置300の家電管理アプリAPPに対するユーザUの操作)により、急速冷却の実行時間の長さが設定可能(指定可能)である。
【0031】
<2.5 通信部>
通信部150は、例えば無線通信モジュールである。通信部150は、ユーザUの住居に配置された無線ルータWRおよびモデムMを介してサーバ200と通信可能である。
【0032】
<2.6 報知部>
報知部160は、例えば、冷蔵庫100の状態または状態変化をユーザUに知らせるための報知を行う。報知部160は、例えば、報知情報を音声により報知するものでもよいし、冷蔵庫100に搭載された表示装置の表示画面に報知情報を表示するものでもよい。また、報知部160は、通信部150およびサーバ200を介して、端末装置300に報知情報を送信し、端末装置300の表示画面301aに報知情報を表示させることで報知を行ってもよい。
【0033】
<2.7 制御装置>
制御装置170は、冷蔵庫100の全体を統括的に制御する。制御装置170は、冷蔵庫100に搭載されたCPU(Central Processing Unit)のような1つ以上のハードウェアプロセッサがプログラムを実行することにより実現される。ただし、これら機能部の一部または全部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、またはFPGA(Field Programmable Gate Array)などのハードウェアによって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアとの協働によって実現されてもよい。
【0034】
本実施形態では、制御装置170は、例えば、冷却温度管理部171と、冷却時間管理部172と、モード設定管理部173と、除霜管理部174とを含む。制御装置170は、「制御部」の一例である。
【0035】
<2.8 冷却温度管理部>
冷却温度管理部171は、貯蔵室30の温度管理を行う。前述したように、本実施形態では、冷凍温度帯の貯蔵室30F(製氷室33、小冷凍室34、主冷凍室35)を冷却する冷却機構として第2冷却器132と第2送風機136とが設けられている。そして、三方弁134は、冷蔵期間(第1時間、例えば15分)と冷凍期間(第2時間、例えば30分)とで交互に切り替えられる。冷蔵期間では、圧縮機133により圧縮された冷媒が第1冷却器131に供給され、第1冷却器131により冷却された冷却空気が第1送風機135により貯蔵室30Rに供給される。一方で、冷凍期間では、圧縮機133により圧縮された冷媒が第2冷却器132に供給され、第2冷却器132により冷却された冷却空気が第2送風機136により貯蔵室30Fに供給される。
【0036】
以下では、小冷凍室34において複数の冷却制御(第1冷却制御および第2冷却制御)が実行可能である場合について説明する。冷却温度管理部171は、少なくとも、第1冷却制御と、第2冷却制御とで冷却部130を制御可能である。
【0037】
第1冷却制御は、例えば、通常の冷却制御である。冷却温度管理部171は、第1冷却制御として、例えば、主冷凍室35の温度を検出する主冷凍室温度センサ124の検出値と主冷凍室35の目標温度(または小冷凍室34の温度を検出する小冷凍室温度センサ123の検出値と小冷凍室34の目標温度)に基づくPID(Proportional-Integral-Differential Controller)制御を行う。すなわち、主冷凍室温度センサ124または小冷凍室温度センサ123により検出される温度と、貯蔵室30に設定された目標温度との差が大きいほど、圧縮機133の運転周波数を高く設定するとともに、第2送風機136の回転速度を大きく設定する。一方で、主冷凍室温度センサ124または小冷凍室温度センサ123により検出される温度と、貯蔵室30に設定された目標温度との差が小さいほど、圧縮機133の運転周波数を低く設定するとともに、第2送風機136の回転速度を小さく設定する。
【0038】
第2冷却制御は、第1冷却制御と比べて食品Fの温度を急速に低下させる冷却制御であって開始後に所定時間が経過することに応じて終了される制御である。例えば、第2冷却制御は、操作部140または端末装置300の家電管理アプリAPPに対するユーザUの操作に基づき第2冷却制御の開始が設定されることで、第1冷却制御から第2冷却制御に遷移して開始される。例えば、第2冷却制御は、第2冷却制御の開始後に所定時間が経過することに応じて終了されて第1冷却制御に復帰する。
【0039】
冷却温度管理部171は、第2冷却制御として、第1冷却制御と比べて食品Fを急速冷却するように冷却部130を制御する。例えば、冷却温度管理部171は、第2冷却制御では、第2送風機136の回転速度を、第1冷却制御における最大値と同じまたはそれ以上とすることで、急速冷却を実現する。本実施形態では、第2冷却制御における第2送風機136の回転速度は、例えば、少なくとも第2冷却制御の開始時には、第2送風機136の最大回転速度に設定される。
【0040】
または、冷却温度管理部171は、上記急速冷却では、第2送風機136から小冷凍室34に供給される冷気の風が小冷凍室34内の食品Fに直接当たるように第2送風機136を高速で回転させ、この送風により食品Fの温度を低下させてもよい。また、冷却温度管理部171は、上記例に代えて/加えて、第2冷却制御として、例えば圧縮機133の運転周波数を、第1冷却制御における最大値と同じまたはそれ以上とすることで、急速冷却を実現してもよい。
【0041】
<2.9 冷却時間管理部>
冷却時間管理部172は、貯蔵室30を冷却する冷却時間の管理を行う。本実施形態では、冷却時間管理部172は、「急速冷凍モード」および「タイマー付き急速冷却モード」に関する冷却時間の管理を行う。「急速冷凍モード」および「タイマー付き急速冷却モード」の各々は、上述した「第2冷却制御」の一例である。
【0042】
「急速冷凍モード」は、貯蔵室30(例えば小冷凍室34)に対して固定時間(例えば3時間)の急速冷却を行うことで、小冷凍室34に収容された食品Fの温度を急速に低下させる制御モードである。「急速冷凍モード」は、例えば、食品Fの最大氷結晶生成帯の下限(例えば-5℃)まで食品Fの温度を急速に低下させることで、新鮮さを保持したまま食品Fを冷凍することを主目的とするモードである。
【0043】
「タイマー付き急速冷却モード」は、貯蔵室(例えば小冷凍室34)に対して、タイマー機能を用いてユーザUにより任意に設定された(任意に指定された)時間に亘る急速冷却を行うことで、小冷凍室34に収容された食品Fの温度を急速に低下させる制御モードである。「タイマー付き急速冷却モード」の冷却制御の内容は、時間に関する内容を除き、「急速冷凍モード」の冷却制御の内容と同じである。「タイマー付き急速冷却モード」は、例えば、ユーザUにより設定された1分~60分の間の任意の時間に亘り急速冷却を行うものであり(すなわち急速冷却の実行時間の長さが任意に設定可能であり)、例えば調理で熱せられた食品Fの粗熱取りを主目的とするモードである。本実施形態では、冷却時間管理部172は、「急速冷凍モード」および「タイマー付き急速冷却モード」において、食品Fの凍結曲線を考慮して、冷却時間の管理を行う。
【0044】
図5は、食品Fの凍結曲線の一例を示す図である。
図5において、横軸は時間であり、縦軸は食品Fの温度である。
図5に示すように、食品Fに対して冷却を行うと、時間の経過とともに、食品Fの温度が低下する。そして、食品Fの温度が-1℃付近まで低下すると、食品Fの温度が略一定となり、冷却を進めても食品Fの温度が低下しにくい期間となる。これは、食品Fが氷結するときに費やされる潜熱があるためである。そして、潜熱の期間を抜けると、時間の経過とともに、食品Fの温度は再び大きく下降を始める。ここで、-1℃~-5℃の温度帯は氷結晶が成長していく期間であり、以下ではこの温度帯を最大氷結晶生成帯と称する。食品Fの鮮度を保って冷凍を行うには、最大氷結晶生成帯を通過するまで時間をかけずに冷凍を進めることが重要である。一方で、最大氷結晶生成帯を通過した後は、食品Fの温度を早く低下させることによる鮮度面の影響は小さい。
【0045】
このため本実施形態では、冷却時間管理部172は、「急速冷凍モード」が設定されると、「急速冷凍モード」である第2冷却制御を開始し、第2冷却制御の開始後、所定時間の一例である固定時間(例えば3時間)の経過前に到来する1回以上の所定時期に、温度センサ120の検出結果に基づき、急速冷凍モードを継続するか否かを判定する判定処理を行う。そして、冷却時間管理部172は、上記判定処理で温度センサ120の検出結果が所定条件を満たす場合には上記所定時間の途中で第2冷却制御を終了させる。
【0046】
また本実施形態では、第2冷却制御の開始時に、例えば第2送風機136を第1回転速度で回転させることで、急速冷却が開始される。そして、冷却時間管理部172は、上記判定処理において食品Fの冷却が一定以上進んでいると見做すことができる場合、固定時間(例えば3時間)が経過する前に、第2送風機136の回転速度を第1回転速度より低い回転速度に変更する(例えば第2送風機136の回転速度を徐々に低下させるように段階的に変更する)。
【0047】
例えば、冷却温度管理部171は、第2冷却制御の開始時に第1回転速度で第2送風機136を回転させ、第2冷却制御の途中において、温度センサ120により検出された温度(例えば小冷凍室温度センサ123により検出された温度、または食品温度センサ125により検出された温度)が第2閾値温度を下回るまでは第1回転速度を維持する。一方で、冷却温度管理部171は、第2冷却制御の途中において、温度センサ120により検出された温度(例えば小冷凍室温度センサ123により検出された温度、または食品温度センサ125により検出された温度)が上記第2閾値温度を下回る場合、第1回転速度よりも低い第2回転速度に第2送風機136の回転速度を変更する。第2閾値温度は、例えば、第1閾値温度よりも高い温度である。第2閾値温度は、例えば、氷結晶生成帯の下限(-5℃)以下に設定される温度である。例えば、第2閾値温度は、-5℃から-18℃の間に設定される任意の温度である。
【0048】
なお上記に代えて、冷却温度管理部171は、第2冷却制御の開始時に第1回転速度で第2送風機136を回転させ、第2冷却制御の途中において食品温度センサ125により検出された温度変化が潜熱区間を抜けたことを示す場合には、第1回転速度よりも低い第2回転速度に第2送風機136の回転速度を変更してもよい。「食品温度センサにより検出された温度変化が潜熱区間を抜けたことを示す場合」は、第2冷却制御の開始後に冷却食品温度センサ125により検出される食品Fの温度が最大氷結晶生成帯に到達し、食品Fの温度変化が所定範囲内で停滞した後、所定の温度幅以上(例えば3℃以上)の温度低下が冷却食品温度センサ125により再び検出される場合である。本出願で「潜熱区間」とは、食品の潜熱に関する温度範囲(例えば潜熱の吸収または放熱が行われる温度範囲)を意味する。また以下の説明において「検出された温度が潜熱区間に含まれる(入る、到達する)」とは、「検出された温度が潜熱区間に対応する温度範囲に含まれる(入る、到達する)」ことを意味する。
【0049】
また上記に代えて、冷却温度管理部171は、第2冷却制御の開始時に第1回転速度で第2送風機136を回転させ、第2冷却制御の途中において食品温度センサ125により検出された温度変化が潜熱区間を抜けたことを示す場合には、潜熱区間を抜けた後に所定時間(例えば10分)に亘り第2送風機136を回転させて第2送風機136を停止させてもよい。
【0050】
また本実施形態では、冷却時間管理部172は、「タイマー付き急速冷却モード」が設定されると、「タイマー付き急速冷却モード」である第2冷却制御を開始し、第2冷却制御の開始後、所定時間(ユーザUにより任意に設定された実行時間)の経過前に到来する1回以上の所定時期(例えば5分ごとの所定周期)に、温度センサ120の検出結果に基づき、「タイマー付き急速冷却モード」を継続するか否かを判定する判定処理を行う。そして、冷却時間管理部172は、上記判定処理で温度センサ120の検出結果が所定条件を満たす場合には上記所定時間の途中で第2冷却制御を終了させる。以下、これらの内容を詳しく説明する。
【0051】
<2.9-1 時間設定の第1処理例>
以下、冷却時間管理部172による時間設定処理例について説明する。本実施形態の冷蔵庫100では、食品Fを急速冷凍する処理や、食品Fの粗熱を取る処理は、食品Fを小冷凍室34内に収容して行われる。時間設定の第1処理例は、「急速冷凍モード」が設定され、小冷凍室34に収容された食品Fを急速冷凍する場合に適用される。
【0052】
第1処理例では、冷却時間管理部172は、「急速冷凍モード」が設定されると、第2冷却制御である急速冷却を開始し、第2冷却制御の開始後、所定時間の一例である固定時間(例えば3時間)の経過前に到来する1回以上の所定時期(例えば、急速冷凍モード開始後における各冷凍期間の終了時)に、温度センサ120の検出結果に基づき、急速冷凍モードを継続するか否かを判定する判定処理を行う。そして、冷却時間管理部172は、上記判定処理で温度センサ120の検出結果が所定条件を満たす場合には上記所定時間の途中で急速冷凍モードを終了させる。すなわち、冷却時間管理部172は、3時間の固定時間の途中に急速冷凍モードを終了させる。
【0053】
第1処理例では、冷却時間管理部172は、上記判定処理において、小冷凍室温度センサ123により検出された温度が冷凍温度帯の温度範囲内に設定された第1閾値温度を下回る場合、上記所定条件が満たされる場合として急速冷凍モードを終了させる。上記第1閾値温度は、食品Fの温度が最大氷結晶生成帯を通過したことに対応する閾値温度である。上記第1閾値温度は、例えば、-18℃である。なお、上記判定処理を行う所定時期は、上述した例(各冷凍期間の終了時)に限定されず、所定の周期(例えば5分毎)でもよい。また、上記第1閾値温度は、上記例に限定されず、食品Fの温度が最大氷結晶生成帯を通過したと見做すことができる温度であればよく、別の温度値(-13℃や-15℃など)でもよい。
【0054】
1つの具体例では、冷却時間管理部172は、「急速冷凍モード」の開始後の一定時間(例えば30分)は、第2冷却制御による急速冷却を行う。上記一定時間(例えば30分)の急速冷却は、食品Fの温度が最大氷結晶生成帯を通過する一般的な時間を想定して設定されている。上記一定時間(例えば30分)の急速冷却の後、冷却時間管理部172は、小冷凍室温度センサ123により小冷凍室34内の空気温度を検出し、小冷凍室温度センサ123により検出された温度が第1閾値温度(例えば-18℃)を下回るか否かに基づき、急速冷凍モードを継続するか否かを判定する。
【0055】
一方で、冷却時間管理部172は、固定時間(例えば3時間)の経過前に、小冷凍室温度センサ123により検出された温度が第1閾値温度まで下がらない場合、固定時間(例えば3時間)に亘り急速冷却を継続し、固定時間(例えば3時間)の経過後に急速冷却を終了させ、例えば通常の冷却制御(第1冷却制御)に切り替わる。なお本出願で「固定時間(例えば3時間)に亘り急速冷却を継続し」とは、固定時間(例えば3時間)の間に上記冷蔵期間と上記冷凍期間とが交互に行われ、固定時間(例えば3時間)に含まれる上記冷凍期間において急速冷却を継続される場合も該当する。
【0056】
時間設定の第1処理例では、「急速冷凍モード」に設定して、小冷凍室34に収容された食品Fを急速冷却する際に、固定時間(3時間)が経過する前に、小冷凍室34内の空気温度が-18℃まで下降していれば、急速冷却を行う第2冷却制御を終了して、通常の冷却制御(第1冷却制御)に切り替える。これにより、食品Fの鮮度を保ったまま、消費電力の低減を図ることができる。
【0057】
<2.9-2 時間設定の第2処理例>
第2処理例では、冷却時間管理部172は、「急速冷凍モード」が設定され、小冷凍室34に収容された食品Fを急速冷凍する場合に適用される。上述の第1処理例では、小冷凍室温度センサ123により小冷凍室34内の空気温度に基づき上記判定処理が行われることに対して、第2処理例では、食品温度センサ125により検出された食品Fの温度に基づき上記判定処理が行われる点が異なる。第2処理例の詳細は、以下に説明する以外の内容は、第1処理例の詳細と同じである。
【0058】
第2処理例では、冷却時間管理部172は、上記判定処理において、急速冷凍モードの途中において食品温度センサ125により検出された温度が潜熱区間を抜けたことを示す場合には、上記所定条件が満たされる場合として、固定時間(例えば3時間)の途中で急速冷凍モードを終了させ、例えば通常の冷却制御(第1冷却制御)に切り替わる。「食品温度センサにより検出された温度が潜熱区間を抜けたことを示す場合」とは、例えば、食品温度センサ125により検出された食品Fの温度が、最大氷結晶生成帯の下限以下に設定される第2温度閾値を下回ることである。第2温度閾値は、例えば、最大氷結晶生成帯の下限(-5℃)に設定される。
【0059】
すなわち
図5に示したように、最大氷結晶生成帯は-1℃~-5℃の温度帯である。このことから、冷却時間管理部172は、一定時間(例えば30分)、第2冷却制御による急速冷却を行った後に、上記判定処理として食品温度センサ125により食品Fの温度が-5℃を超えて下降しているか否かを判定する。そして、冷却時間管理部172は、食品Fの温度が最大氷結晶生成帯の下限に対応する-5℃を超えて下降していれば、固定時間(3時間)の急速冷凍モードを終了して、例えば通常の冷却制御(第1冷却制御)に切り替える。これにより、食品Fの鮮度を保ったまま、消費電力の低減を図ることができる。
【0060】
<2.9-3 時間設定の第3処理例>
第3処理例では、冷却時間管理部172は、「急速冷凍モード」が設定され、小冷凍室34に収容された食品Fを急速冷凍する場合に適用される。上述の第2処理例では、食品温度センサ125により検出された温度と第2閾値温度とに基づき上記判定処理が行われることに対して、第3処理例では、食品温度センサ125により検出された食品Fの温度変化(例えば単位時間当たりの温度変化量)に基づき上記判定処理が行われる点が異なる。第3処理例の詳細は、以下に説明する以外の内容は、第2処理例の詳細と同じである。
【0061】
第3処理例では、冷却時間管理部172は、上記判定処理において、急速冷凍モードの途中において食品温度センサ125により検出された温度変化が潜熱区間を抜けたことを示す場合には、上記所定条件が満たされる場合として、固定時間(例えば3時間)の途中で急速冷凍モードを終了させ、例えば通常の冷却制御(第1冷却制御)に切り替わる。「食品温度センサにより検出された温度変化が潜熱区間を抜けたことを示す場合」とは、例えば、急速冷却の開始後に冷却食品温度センサ125により検出される食品Fの温度が最大氷結晶生成帯に到達し、食品Fの温度が所定範囲内で停滞した後、所定の温度幅以上(例えば3℃以上)の温度低下が冷却食品温度センサ125により検出される場合である。
【0062】
すなわち
図5に示したように、最大氷結晶生成帯は-1℃~-5℃の温度帯である。このことから、冷却時間管理部172は、一定時間(例えば30分)、第2冷却制御による急速冷却を行った後に、食品温度センサ125により食品Fの温度変化(例えば単位時間当たりの温度変化量、例えば5分間における温度変化量)を検出して、温度変化が殆ど一定となる潜熱区間に到達したか否かを判定する。冷却時間管理部172は、上記一定時間(例えば30分)、冷却温度管理部171を第2冷却制御として急速冷却を行った後に、食品温度センサ125の検出値が略一定の期間を経過して下降に転じたら、潜熱区間を通過したとして、固定時間(例えば3時間)の急速冷却の終了を待たずに、第2冷却制御を終了して、例えば通常の冷却制御(第1冷却制御)に切り替える。これにより、食品Fの鮮度を保ったまま、消費電力の低減を図ることができる。
【0063】
<2.9-4 時間設定の第4処理例>
第4処理例は、「タイマー付き急速冷却モード」が設定され、小冷凍室34に収容された食品Fの粗熱を取る場合に適用される。第4処理例では、冷却時間管理部172は、「タイマー付き急速冷却モード」が設定されると、第2冷却制御である急速冷却を開始し、第2冷却制御の開始後、ユーザUによって任意に設定された長さの所定時間の経過前に到来する1回以上の所定時期(例えば、所定の周期(例えば5分毎))に、温度センサ120の検出結果に基づき、「タイマー付き急速冷却モード」を継続するか否かを判定する判定処理を行う。そして、冷却時間管理部172は、上記判定処理で温度センサ120の検出結果が所定条件を満たす場合には上記所定時間の途中で「タイマー付き急速冷却モード」を終了させ、例えば通常の冷却制御(第1冷却制御)に切り替わるとともに、ユーザUに所定の報知を行う。所定の報知は、例えば、小冷凍室34に収容された食品Fの粗熱取りが完了したことを知らせる報知である。
【0064】
第4処理例では、冷却時間管理部172は、上記判定処理において、「タイマー付き急速冷却モード」の途中で食品温度センサ125により検出された温度が潜熱区間に入ったことを示す場合には、上記所定条件が満たされる場合として、ユーザUにより任意に設定された上記所定時間の途中で「タイマー付き急速冷却モード」を終了させ、例えば通常の冷却制御(第1冷却制御)に切り替わる。「食品温度センサにより検出された温度が潜熱区間に入ったことを示す場合」とは、例えば、急速冷却の開始後に冷却食品温度センサ125により検出される食品Fの温度が最大氷結晶生成帯に到達し、食品Fの温度変化が所定範囲内で停滞することが冷却食品温度センサ125により検出された場合である。
【0065】
図5の凍結曲線で示したように、食品Fを冷凍させていくと、食品Fの温度が略一定となる潜熱区間に入り、食品Fの氷結が始まる。食品Fの粗熱取りを行う場合には、食品Fを冷凍させる必要はなく、一定の温度帯まで食品Fの温度を低下させることができれば十分である。このことから、第4処理例では、冷却時間管理部172は、食品温度センサ125により検出された温度変化に基づき、食品Fの温度が潜熱区間に入ったか否かを判定し、食品Fの温度が潜熱区間に入った場合、設定された所定時間を待たずに、「タイマー付き急速冷却モード」を終了して、例えば通常の冷却制御(第1冷却制御)に切り替える。これにより、食品Fの粗熱を取る際に、食品を冷凍させたり、過剰な冷凍にさせたりすることを抑制しつつ、消費電力の低減を図ることができる。
【0066】
<2.9-5 時間設定の第5処理例>
第5処理例は、「タイマー付き急速冷却モード」が設定され、小冷凍室34に収容された食品Fの粗熱を取る場合に適用される。上述した第4処理例では、冷却時間管理部172は、食品温度センサ125の検出値の変化により食品Fの温度が潜熱区間に入ったか否かを判定し、食品Fの温度が潜熱区間に入っていれば、急速冷却を行う第2冷却制御を終了して、通常の冷却制御(第1冷却制御)に切り替える。これに対して、第5処理例では、冷却時間管理部172は、食品温度センサ125の検出値の変化により食品Fの温度が潜熱区間に入ったか否かを判定し、食品Fの温度が潜熱区間に入っていれば、報知部160により、食品Fが十分冷えたことをユーザUに知らせる報知を行う。そして、冷却時間管理部172は、「タイマー付き急速冷却モード」を終了させるためのユーザUの指示があれば、「タイマー付き急速冷却モード」を終了して、通常の冷却制御(第1冷却制御)に切り替える。これにより、食品Fの粗熱を取る際に、食品を氷結させたり過剰に冷凍させたりすることが抑制することができるとともに、消費電力の低減を図ることができる。
【0067】
<2.9-6 時間設定の第6処理例>
第6処理例は、「タイマー付き急速冷却モード」が設定され、小冷凍室34に収容された食品Fが取り出された場合を考慮して、時間設定を行うものである。第6処理例では、上記判定処理で温度センサ120の検出結果が上記所定条件(第2冷却制御を終了させる所定条件)を満たす場合には、制御装置170は、報知部160または端末装置300の家電管理アプリAPPを通じて、上記所定時間の途中に、食品Fの十分な冷却が行われたことを示す所定の報知を行う。そして、冷却時間管理部172は、上記所定の報知後に小冷凍室扉センサ114により小冷凍室扉24の開状態が検知された場合に、小冷凍室34から粗熱取りの対象食品Fが取り出されたものとして、「タイマー付き急速冷却モード」を終了させ、例えば通常の冷却制御(第1冷却制御)に切り替える。
【0068】
<2.10 モード設定管理部>
次に、モード設定管理部173について説明する。モード設定管理部173は、冷凍期間において、制御モードの遷移が行われる場合の管理を行う。
【0069】
<2.10-1 モード遷移設定の第1処理例>
前述したように、冷凍温度帯の貯蔵室30Fでは、「急速冷凍モード」と「タイマー付き急速冷却モード」とが設定可能である。更に、冷凍温度帯の貯蔵室30Fでは、例えば、「野菜冷凍モード」と「野菜冷凍ドライモード」とが設定可能である。「野菜冷凍モード」は、すぐに使わない野菜や料理のときに余った野菜を保存するもので、水分を保ったまま野菜冷凍を行うモードである。「野菜冷凍ドライモード」は、乾いた冷気で野菜の水分をとばし、乾燥を保って野菜冷却を行うモードである。「急速冷凍モード」、「タイマー付き急速冷凍モード」、「野菜冷凍ドライモード」、および「急速製氷モード」は、互いに排他的な制御モード(同時に設定不可な制御モード)である。
【0070】
モード遷移設定の第1処理例では、モード設定管理部173は、「急速冷凍モード」または「タイマー付き急速冷却モード」が設定されて急速冷却を開始した後に、ユーザUにより他の制御モード(他の冷却制御)へ変更する指示が受け付けられた場合、食品温度センサ125により検出された温度に基づき、食品Fが所定状態(例えば十分に冷却された状態)であるか否かを判定する。そして、モード設定管理部173は、食品Fが上記所定状態でない(例えば十分に冷やされていない)と判定する場合、報知部160により、制御モードの変更の可否をユーザUに問い合わせる報知を行う。
【0071】
「食品Fが十分に冷やされていない」とは、例えば、「急速冷凍モード」において、食品Fの温度が潜熱区間に入っていないこと、または食品Fの温度が潜熱区間に入ってから所定の閾値時間が経過していないことなどである。また「食品Fが十分に冷やされていない」とは、例えば、「タイマー付き急速冷却モード」において、食品Fの温度が所定の閾値温度まで低下していないことなどである。
【0072】
一方で、モード設定管理部173は、食品Fが上記所定状態である(例えば十分に冷やされている)と判定する場合、ユーザUへの報知を行わずに、実行中の「急速冷凍モード」または「タイマー付き急速冷却モード」を終了して、変更後の他の制御モード(他の冷却制御)を開始する。
【0073】
<2.10-2 モード遷移設定の第2処理例>
モード遷移設定の第2処理例では、モード設定管理部173は、「急速冷凍モード」または「タイマー付き急速冷却モード」が設定されて急速冷却を開始した後に、ユーザUにより他の制御モード(他の冷却制御)への変更を示すユーザUの指示が受付られた場合、「急速冷凍モード」または「タイマー付き急速冷却モード」の開始後の経過時間に関する判定を行い、経過時間が閾値時間よりも短い場合は、ユーザUに冷却制御の変更の可否を問い合わせる報知を行い、経過時間が上記閾値時間以上である場合は、報知を行わずに、実行中の「急速冷凍モード」または「タイマー付き急速冷却モード」を終了して変更後の他の制御モード(他の冷却制御)を開始する。
【0074】
上記所定の閾値時間は、例えば、「急速冷凍モード」において、60分に設定される。上記所定の閾値時間は、例えば、「タイマー付き急速冷却モード」において、30分に設定される。
【0075】
<2.11 除霜管理部>
除霜管理部174は、冷蔵庫100内の除霜を管理する。除霜管理部174は、例えば、「急速冷凍モード」が実行中であっても、「急速冷凍モード」の開始から所定時間(例えば150分)以降には、除霜制御を実行可能である。例えば、除霜管理部174は、所定の除霜周期に基づいた除霜制御を行う場合、除霜の時期が到来したとき、急速冷凍モードの開始から所定時間(例えば150分)以降であれば除霜を実行する。一方で、除霜管理部174は、上記除霜の時期が到来したとき、急速冷凍モードの開始から所定時間(例えば150分)の経過前であれば、急速冷凍モードの開始から所定時間経過後まで除霜を待機させ、急速冷凍モードの開始から所定時間経過後に除霜を実行する。この場合、除霜管理部174は、次回の除霜までの時間が上記所定の除霜周期よりも短くならないように、除霜開始と共に上記所定の除霜周期のカウンタをリセットしてもよい。
【0076】
除霜制御が行われると、第2冷却器132に付着した霜を溶かすために加熱器137が加熱される。このため、第2冷却器132の周囲の空気は温かくなる。
【0077】
<2.11-1 第1除霜制御>
第1除霜制御では、除霜管理部174は、貯蔵室30Fに収容された食品Fに与える除霜の影響を小さくするために、加熱器137の加熱処理が行われる間、冷気流れ調整機構138により貯蔵室30Fに流入する冷却空気の流れを抑制する。例えば、除霜管理部174は、冷気流れ調整機構138がダンパーである場合、当該ダンパーにより貯蔵室30Fへの流路を閉じることで、貯蔵室30Fに流入する冷却空気の流れを遮断する。
【0078】
<2.11-2 第2除霜制御>
第2除霜制御では、除霜管理部174は、貯蔵室30Fに収容された食品Fに与える除霜の影響を小さくするために、加熱器137の加熱処理が行われる間、第2送風機136を逆回転させる。すなわち、上述した第2冷却器132により冷却された空気を貯蔵室30Fに供給する場合と比べて、第2送風機136を逆方向に回転させる。これにより、貯蔵室30F内へ暖かい空気が流入することを抑制する。
【0079】
<2.12 記憶部>
記憶部190は、各種情報を記憶する機能部である。記憶部190は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)、またはSSD(Solid State Drove)などの組み合わせにより実現される。記憶部190には、上述した制御および判定処理を行うための、各種の設定値および各種閾値が記憶されている。
【0080】
<3.処理の流れ>
次に、冷却時間管理部172により行われる処理例の流れについて説明する。
図6は、時間設定の概略の流れを示すフローチャートである。本実施形態では、冷却時間管理部172は、急速冷却が開始されると(ステップS1)、ユーザUの操作による時間設定が行われているか否かの判定を行う(ステップS2)。ユーザUによる時間設定が行われていなければ(ステップS2:NO)、冷却時間管理部172は、「急速冷凍モード」での処理を行う(ステップS3)。ユーザUによる時間設定が行われていれば(ステップS2:YES)、冷却時間管理部172は、「タイマー付き急速冷却モード」での処理を行う(ステップS4)。
【0081】
<3.1 時間設定の第1処理例の流れ>
図7は、時間設定の第1処理例の流れを示すフローチャートである。第1処理例では、ステップS3の急速冷凍モードでの処理において、
図7に示すような処理が行われる。
【0082】
(ステップS101)冷却時間管理部172は、第2冷却制御である急速冷凍モードを開始する。なお、第2冷却制御では、通常の冷却制御(第1冷却制御)と比べて、食品Fの温度を急速に低下させるように設定される。例えば、第2冷却制御では、冷却温度管理部171は、第2送風機136の回転速度を最大に設定する。また、冷却温度管理部171は、小冷凍室温度センサ123の検出値から貯蔵室30内の温度を検出し、これに応じて、必要な回転数となるように、第2送風機136の回転速度を設定してもよい。
【0083】
(ステップS102)冷却時間管理部172は、第2冷却制御の開始後、予め設定された一定時間である30分以上経過したか否かを判定する。冷却時間管理部172は、30分以上経過していないと判定された場合には(ステップS102:NO)、処理をステップS103に進める。一方で、冷却時間管理部172は、30分以上経過したと判定された場合には(ステップS102:YES)、処理をステップS104に進める。
【0084】
(ステップS103)冷却時間管理部172は、急速冷凍モードでの固定時間である3時間が経過したか否かを判定する。冷却時間管理部172は、3時間を経過していなければ(ステップS103:NO)、処理をステップS101に戻し、3時間を経過していれば(ステップS103:YES)、処理をステップS105に進める。
【0085】
(ステップS104)冷却時間管理部172は、小冷凍室温度センサ123の検出値に基づき小冷凍室34の空気温度が-18℃以下であるか否かを判定する。小冷凍室34の空気温度が-18℃である場合は、食品Fの温度が最大氷結晶生成帯を通過し、食品Fからの熱容量の吸収が終了したと見做すことができる。冷却時間管理部172は、小冷凍室34の空気温度が-18℃以下でなければ(ステップS104:NO)、処理をステップS103に進め、小冷凍室34の空気温度が-18℃以下であれば(ステップS104:YES)、処理をステップS105に進める。
【0086】
(ステップS105)冷却時間管理部172は、第2冷却制御を終了し、通常の冷却制御(第1冷却制御)に切り替える。例えば、第1冷却制御では、冷却温度管理部171は、第2冷却制御と比べて第2送風機136の回転速度を落とし、または回転を停止させる。なお、このとき、冷却温度管理部171は、小冷凍室温度センサ123の検出値から小冷凍室34の空気温度を検出し、検出された空気温度に応じて、段階的に、第2送風機136の回転速度を低下させてもよい。
【0087】
第1処理例では、ステップS101で第2冷却制御(急速冷凍)が行われると、ステップS102で急速冷凍が30分以上に達したと判定されるまでは(ステップS102:NO)、ステップS102、ステップS103、ステップS101、ステップS102の処理が繰り返され、第2冷却制御(急速冷凍)が30分間継続されて、食品Fが急速冷凍される。
【0088】
ステップS102で急速冷凍モードが30分以上継続されたと判定されると(ステップS102:YES)、ステップS104で、小冷凍室34の空気温度が-18℃以下であるか否かが判定される。小冷凍室34の空気温度が-18℃以下まで低下されていなければ(ステップS104:NO)、ステップS104、ステップS103、ステップS101、ステップS102、ステップS104の処理が繰り返され、第2冷却制御(急速冷凍モード)が維持される。これにより、小冷凍室34の空気温度が-18℃以下になるまで、急速冷凍が継続される。
【0089】
ステップS104、ステップS103、ステップS101、ステップS102、ステップS104の処理が繰り返された結果、小冷凍室34の空気温度が-18℃以下まで冷却されると(ステップS104:YES)、ステップS105で、通常の冷却制御に切り替えられる。-18℃は最大氷結晶生成帯に達したときの庫内温度に対応するので、小冷凍室34の空気温度が-18℃以下まで急速冷凍モードを維持することで、鮮度を保ったまま、食品Fを冷凍することができる。
【0090】
ステップS104、ステップS103、ステップS101、ステップS102、ステップS104の処理を繰り返した結果、3時間が経過すると、ステップS103で3時間が経過したと判定される。ステップS103で3時間が経過したと判定されると(ステップS103:Yes)、ステップS105で通常の冷却制御(第1冷却制御)に切り替えられる。
【0091】
<3.2 時間設定の第2処理例の流れ>
図8は、時間設定の第2処理例の流れを示すフローチャートである。第2処理例では、ステップS3の急速冷凍モードでの処理において、
図8に示すような処理が行われる。
【0092】
第1処理例では、ステップS104で、小冷凍室温度センサ123により小冷凍室34の空気温度が第1閾値温度(-18℃)まで低下したか否かが判定される。これに対して、第2処理例では、ステップS104Aで、食品温度センサ125により食品Fの温度が最大氷結晶生成帯を通過した温度(第2閾値温度、-5℃以下)まで低下したか否かが判定される。その他の処理は、第1処理例と同一である。
【0093】
<3.3 時間設定の第3処理例の流れ>
図9は、時間設定の第3処理例の流れを示すフローチャートである。第3処理例では、ステップS3の急速冷凍モードでの処理において、
図9に示すような処理が行われる。
【0094】
第3処理例では、ステップS104Bで、食品温度センサ125により検出された温度変化により小冷凍室34内の食品Fの温度が潜熱区間を通過するまで冷却されたか否かが判定される。その他の処理は、基本的に、第1処理例と同一である。
【0095】
<3.4 時間設定の第4処理例の流れ>
図10は、時間設定の第4処理例の流れを示すフローチャートである。第4処理例では、ステップS4の「タイマー付き急速冷却モード」での処理において、
図10に示すような処理が行われる。
【0096】
(ステップS201)冷却時間管理部172は、第2冷却制御である急速冷却を行う。
【0097】
(ステップS202)冷却時間管理部172は、食品温度センサ125の検出値の変化に基づき、食品Fが潜熱区間に入るまで冷凍されたか否かを判定する。冷却時間管理部172は、食品Fが潜熱区間に入るまで冷却されていなければ(ステップS202:NO)、処理をステップS203に進め、食品Fが潜熱区間に入るまで冷却されていれば(ステップS202:YES)、処理をステップS204に進める。
【0098】
(ステップS203)冷却時間管理部172は、ユーザUが設定した急速冷却の実行時間を経過したか否かを判定する。冷却時間管理部172は、ユーザUが設定した急速冷却の実行時間を経過していなければ(ステップS203:NO)、処理をステップS201に戻し、急速冷却の実行時間を経過していれば(ステップS203:YES)、処理をステップS205に進める。
【0099】
(ステップS204)冷却時間管理部172は、食品Fが粗熱を取るのに十分冷却されたことを示す報知を報知部160により実行させ、処理をステップS206に進める。
【0100】
(ステップS205)冷却時間管理部172は、ユーザUが設定した急速冷却の実行時間が終了したことを示す報知を報知部160により実行させ、処理をステップS206に進める。
【0101】
(ステップS206)冷却時間管理部172は、通常の冷却制御(第1冷却制御)に切り替わる。
【0102】
第4処理例では、ステップS201で第2冷却制御(急速冷凍)が行われると、ステップS202で食品Fの温度が潜熱区間に入っていない(ステップS202:No)、またはステップS203で設定時間に達していないと判定されると(ステップS203:No)、ステップS201、ステップS202、ステップS203、ステップS201の処理が繰り返され、第2冷却制御(急速冷却)が維持され、食品Fが急速に冷却される。
【0103】
ステップS202で、食品Fの温度が潜熱区間に入るまで冷却されると(ステップS202:Yes)、ステップS204で、ユーザUに食品Fが粗熱を取るのに十分冷却されたことを示す報知が行われた後、ステップS206で、通常の冷却制御(第1冷却制御)に切り替わる。
【0104】
ステップS201、ステップS202、ステップS203、ステップS201の処理が繰り返される間に、ユーザUが設定した所定の時間に到達すると、ステップS203で、ユーザUが設定した所定の時間に到達したと判定される。ステップS203で、ユーザUが設定した所定の時間に到達したと判定されると(ステップS203:YES)、ステップS205で、設定時間が終了したことを示す報知が行われた後、ステップS206で、第1冷却制御に設定され、通常の冷却制御(第1冷却制御)に切り替えられる。
【0105】
図11は、ステップS204およびステップS205でのユーザUへの報知の一例である。この例では、報知部160は通信部150を介して端末装置300に報知情報を送信する。
【0106】
図11に示すように、ユーザUが設定した時間より前に、ステップS202で食品Fの温度が潜熱区間に入ったと判定されると、「設定時間前ですが、十分冷えていますので、急速冷却を終了します」というような報知情報310Aが端末装置300の表示画面301aに表示される(
図11中の(a)参照)。また、ステップS205で、ユーザUが設定した時間に到達すると、「設定時間になったので急速冷却を終了します」というような報知情報310Bが端末装置300の表示画面301aに表示される(
図11中の(b)参照)。
【0107】
<3.5 時間設定の第5処理例の流れ>
図12は、時間設定の第5処理例の流れを示すフローチャートである。第5処理例では、ステップS4の「タイマー付き急速冷却モード」での処理において、
図12に示すような処理が行われる。
【0108】
冷却時間管理部172は、ステップS204で食品Fが粗熱を取るのに十分冷却されたことを示す報知を行った後、ステップS207でユーザUが急速冷却の停止の指示があるか否かを判定する。冷却時間管理部172は、急速冷却の停止の指示がない場合に(ステップS207:NO)、処理をステップS201に戻す。冷却時間管理部172は、急速冷却の停止の指示がある場合に(ステップS207:YES)、通常の冷却制御(第1冷却制御)に切り替える。その他の処理は、基本的に、第4処理例と同一である。
【0109】
図13は、ステップS204およびステップS205でのユーザUへの報知の一例である。
図13に示すように、ユーザUが設定した時間より前に、ステップS202で食品Fの温度が潜熱区間に入ったと判定されると、「設定時間前ですが、十分に冷えています。急速冷凍を終了しますか」というような報知情報320Aが端末装置300の表示画面301aに表示されるとともに、YESまたはNOの選択操作部321Aおよび321Bが表示される(
図13中の(a)参照)。ユーザUは、選択操作部321Aおよび321Bにより、急速冷却を停止するか否かを選択することができる。また、ステップS205で、ユーザUが設定した時間に到達すると、「設定時間前になったので急速冷却を終了します」というような報知情報320Bが端末装置300の表示画面301aに表示される(
図13中の(b)参照)。
【0110】
<3.6 時間設定の第6処理例の流れ>
図14は、時間設定の第6処理例の流れを示すフローチャートである。第6処理例では、ステップS4の「タイマー付き急速冷却モード」での処理において、
図14に示すような処理が行われる。
【0111】
(ステップS301)冷却時間管理部172は、小冷凍室扉センサ114の検知信号に基づき小冷凍室扉24の開状態を検出する。冷却時間管理部172は、小冷凍室扉24の開状態を検知すると(ステップS301:YES)、割り込み処理に入り、処理をステップS302に進める。
【0112】
(ステップS302)冷却時間管理部172は、第2冷却制御で急速冷却が行われているか否かを判定する。冷却時間管理部172は、第2冷却制御で急速冷却が行われていれば(ステップS302:YES)、処理をステップS303に進め、急速冷却が行われていなければ、処理をステップS301に戻す。
【0113】
(ステップS303)冷却時間管理部172は、通常の冷却制御(第1冷却制御)に切り替える。
【0114】
第6処理例は、ステップS301で小冷凍室扉センサ114の検知信号に基づき小冷凍室扉24の開状態を検出することで、「タイマー付き急速冷却モード」の設定中に、小冷凍室34に収容された食品Fが取り出されたか否かが検知される。そして、ステップS301で小冷凍室扉24の閉状態が検知されると(ステップS301:YES)、ステップS302で第2冷却制御により急速冷却が行われているか否かが検出され、第2冷却制御で急速冷却が行われていれば(ステップS302:YES)、通常の冷却制御(第1冷却制御)に切り替えられる。これにより、小冷凍室34から食品Fが取り出された後に、過度に急速冷却が行われることがなくなり、消費電力の低減を図ることができる。
【0115】
<4.利点>
本実施形態にかかる冷蔵庫100は、貯蔵室30Fを含む筐体10と、貯蔵室30Fを冷却する冷却部130と、貯蔵室30Fに設けられた温度センサ120と、少なくとも、第1冷却制御と、第1冷却制御と比べて食品Fの温度を急速に低下させる冷却制御であって開始後に所定時間が経過することに応じて終了される第2冷却制御とで冷却部130を制御可能な制御装置170とを備える。制御装置170は、第2冷却制御の開始後、所定時間の経過前に到来する1回以上の所定時期に温度センサ120の検出結果に基づき第2冷却制御を続行するか否かを判定する判定処理を行い、判定処理で温度センサ120の検出結果が所定条件を満たす場合には上記所定時間の途中で第2冷却制御を終了させる。このような構成によれば、急速冷凍を行う場合に、食品Fの鮮度を保ったまま、消費電力の低減を図ることができる。また、食品Fの粗熱を取る場合に、過度な急速冷凍が行われることが抑制され、消費電力の低減を図ることができる。
【0116】
本実施形態にかかる冷蔵庫100では、第2冷却制御は、ユーザUによって上記所定時間の長さが設定可能な冷却制御である。このような構成によれば、ユーザUによって設定された上記所定時間が長すぎる場合(例えば、食品Fがもともとある程度冷たく、すぐに潜熱区間に到達する場合)に、ユーザUによって設定された上記所定時間に亘る過度な冷却を行うことを避けることができる。
【0117】
本実施形態にかかる冷蔵庫100では、第2冷却制御は、上記所定時間が60分以内に設定され、食品Fの粗熱取りを主目的とする冷却制御である、このような構成によれば、上記所定時間が粗熱取りの時間として長すぎる場合(例えば、食品Fがもともとある程度冷たく、すぐに潜熱区間に到達する場合)に、上記所定時間に亘る過度な冷却を行うことを避けることができる。
【0118】
本実施形態では、温度センサ120は、貯蔵室30F内の食品Fの温度を検出する食品温度センサ125を含む。制御装置170は、上記判定処理において、食品温度センサ125により検出された食品Fの温度が潜熱区間に含まれる場合、所定条件が満たされる場合として第2冷却制御を終了させる。このような構成によれば、食品Fの温度が潜熱区間にあることを検出することで、食品Fの凍結曲線に従って、食品Fの氷結状態を判定できる。これにより、過度な冷却を行うことを避けることができる。
【0119】
本実施形態では、制御装置170は、第2冷却制御の実行中に、他の冷却制御への変更を示すユーザUの指示が受け付けられた場合、第2冷却制御の開始後に食品温度センサ125により検出された食品Fの温度に基づき食品Fが所定状態であるか否かを判定し、食品Fが所定状態でないと判定される場合は、ユーザUに冷却制御の変更の可否を問い合わせる報知を行い、食品Fが所定状態であると判定される場合は、報知を行わずに冷却制御を変更する。このような構成によれば、「急速冷凍モード」または「タイマー付き急速冷却モード」で食品Fの冷却処理を行っている最中に、他の制御モードへの変更要求があった場合に、食品の氷結状態に応じて、ユーザUに対する注意喚起が必要な場合は注意喚起を行うとともに、注意喚起を省略可能な場合は注意喚起を省略することができる。これにより、ユーザUは、煩わしい注意喚起を受ける機会を少なくすることができ、利便性を高めることができる。
【0120】
本実施形態では、制御装置170は、第2冷却制御の実行中に、他の冷却制御への変更を示すユーザUの指示が受け付けられた場合、第2冷却制御の開始後の経過時間に関する判定を行い、経過時間が閾値時間よりも短い場合は、ユーザUに冷却制御の変更の可否を問い合わせる報知を行い、経過時間が閾値時間以上である場合は、報知を行わずに冷却制御を変更する。このような構成によれば、「急速冷凍モード」または「タイマー付き急速冷却モード」で食品Fの冷却処理を行っている最中に、他の制御モードへの変更要求があった場合に、経過時間に応じて、ユーザUに対する注意喚起が必要な場合は注意喚起を行うとともに、注意喚起を省略可能な場合は注意喚起を省略することができる。これにより、ユーザUは、煩わしい注意喚起を受ける機会を少なくすることができ、利便性を高めることができる。
【0121】
本実施形態では、冷蔵庫100は、小冷凍室扉24の開状態を検出する扉開検知センサ110をさらに備える。制御装置170は、上記判定処理で温度センサ120の検出結果が所定条件を満たす場合には所定時間の途中で所定の報知を行い、所定の報知後に扉開検知センサ110により小冷凍室扉24の開状態が検知された場合に第2冷却制御を終了させる。このような構成によれば、ユーザUが食品Fを取り出したと見做すことができる場合に第2冷却制御が終了することができる。
【0122】
本実施形態では、温度センサ120は、貯蔵室の空気温度を検出する小冷凍室温度センサ123を含む。上記所定条件は、小冷凍室温度センサ123により検出された温度が冷凍温度帯の温度範囲内に設定された第1閾値温度を下回ることである。このような構成によれば、上記所定時間(例えば固定時間)が長すぎる場合(例えば、食品Fがもともとある程度冷たく、すぐに潜熱区間を通過する場合)に、上記所定時間に亘る過度な冷却を行うことを避けることができる。
【0123】
本実施形態では、冷却部130は、貯蔵室に冷却空気を送る第2送風機136を含み、制御装置170は、第2冷却制御の開始時に第1回転速度で第2送風機136を回転させ、第2冷却制御の途中に温度センサ120により検出された温度が第2閾値温度を下回る場合には、第1回転速度よりも低い第2回転速度で第2送風機136を回転させる。このような構成によれば、食品Fの温度が低下した場合に第2送風機136の回転速度を小さくすることで、消費電力の低減を図ることができる。
【0124】
本実施形態では、制御装置170は、第2冷却制御の開始時に第1回転速度で第2送風機136を回転させ、第2冷却制御の途中に食品温度センサ125により検出された温度変化が所定条件を満たす場合には、所定の追加時間に亘り第1回転速度で第2送風機136を回転させた後、第1回転速度よりも低い第2回転速度で第2送風機136を回転させる。このような構成によれば、食品Fの温度が低下した場合に第2送風機136の回転速度を小さくすることで、消費電力の低減を図ることができる。
【0125】
本実施形態では、冷蔵庫100は、冷却部130に設けられた除霜用の加熱器137と、冷却部から貯蔵室30Fに流入する冷却空気の流れを遮断可能な冷気流れ調整機構138とをさらに備える。制御装置170は、第2冷却制御の実行中に加熱器137により除霜を行う場合は、冷気流れ調整機構138により貯蔵室30Fに流入する冷却空気の流れを抑制する。このような構成によれば、冷気流れ調整機構138により冷却空気の流れを抑制することで、貯蔵室30Fへの温かい空気の流れ込みを抑制することができる。
【0126】
本実施形態では、冷蔵庫100は、冷却部130に設けられた除霜用の加熱器137をさらに備える。冷却部130は、貯蔵室30Fに冷却空気を送る第2送風機136を含む。制御装置170は、第2冷却制御の実行中に加熱器137により除霜を行う場合は、第2送風機136を逆回転させる。このような構成によれば、第2送風機136を逆回転させることで、貯蔵室30Fへの温かい空気の流れ込みを抑制することができる。
【0127】
(変形例)
以上、実施形態について説明したが、実施形態は上記例に限定されない。例えば、「タイマー付き急速冷却モード」の時間設定処理を行う場合にも、小冷凍室温度センサ123の検出値に基づいて、第2冷却制御から第1冷却制御への切り替えを制御しても良い。
【0128】
また、例えば、「タイマー付き急速冷却モード」及び「急速冷凍モード」の時間設定処理を行う場合に、小冷凍室温度センサ123と食品温度センサ125の双方の検出値に基づいて、第2冷却制御から第1冷却制御への切り替えを制御しても良い。
【0129】
また、食品Fが収納される小冷凍室34の庫内に、重量センサやカメラを設けるようにしても良い。時間設定の第6処理例では、小冷凍室扉センサ114の検知信号に基づき小冷凍室扉24の開状態を検知した場合に、小冷凍室34から食品Fが取り出されたものとして、第2冷却制御を終了し、第1冷却制御に切り替えるようにしている。小冷凍室34の庫内に、重重量センサやカメラを設けておけば、重重量センサやカメラを用いて小冷凍室34から実際に食品Fが取り出されたか否かを判定し、第2冷却制御の終了時期を決定することができる。
【0130】
また、上述の実施形態では、食品Fを冷凍温度帯の貯蔵室30Fの中で、小冷凍室34に収納して、「急速冷凍モード」や「タイマー付き急速冷却モード」に設定した際の時間設定処理について説明したが、貯蔵室30Fの冷凍室(製氷室33、小冷凍室34、および主冷凍室35)であれば、同様に適用できる。また、本実施形態は、チルド室31Aや野菜室32の時間設定処理にも応用可能である。
【0131】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0132】
1…家電管理システム、100…冷蔵庫、130…冷却部、110…扉開検知センサ(扉開検知器)、114…小冷凍室扉センサ、120…温度センサ(温度検知器)、123…小冷凍室温度センサ(空気温度検知器)、125…食品温度センサ(食品温度検知器)、130…冷却部、137…加熱器、160…報知部、170…制御装置(制御部)。