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特開2024-98788駅務システム、駅務プログラムおよび駅務方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024098788
(43)【公開日】2024-07-24
(54)【発明の名称】駅務システム、駅務プログラムおよび駅務方法
(51)【国際特許分類】
   G07B 15/00 20110101AFI20240717BHJP
   G06Q 50/40 20240101ALI20240717BHJP
【FI】
G07B15/00 W
G06Q50/30
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023002500
(22)【出願日】2023-01-11
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(71)【出願人】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】川合 信行
【テーマコード(参考)】
3E127
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
3E127AA03
3E127BA01
3E127CA02
3E127CA05
3E127CA06
3E127CA37
3E127CA56
3E127DA29
5L049CC43
5L050CC43
(57)【要約】
【課題】 係員による業務環境を向上させることができる駅務システム、駅務プログラムおよび駅務方法を提供する。
【解決手段】 実施形態によれば、駅務システムは、複数の駅務機器と表示操作装置とを有する。表示操作装置は、表示部と操作部と無線通信部と第1のプロセッサとを有する。第1のプロセッサは、複数の駅務機器から選択した1つの駅務機器から取得する表示データに基づく表示画面を表示部に表示し、表示部に表示した表示画面に対して操作部を用いて入力された操作指示を示す入力データを選択した1つの駅務機器へ送信する。各駅務機器は、通信部と第2のプロセッサとを有する。第2のプロセッサは、当該駅務機器による駅務を実施するための表示画面を表示する表示データを表示操作装置へ送信し、表示操作装置の操作部に入力された入力データに応じて駅務処理を実行する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の駅務機器と表示操作装置とを有する駅務システムであって、
前記表示操作装置は、
表示部と、
操作指示が入力される操作部と、
前記複数の駅務機器と無線通信するための無線通信部と、
前記無線通信部により通信する複数の駅務機器から選択した1つの駅務機器から取得する表示データに基づく表示画面を前記表示部に表示し、前記表示部に表示した表示画面に対して前記操作部を用いて入力された操作指示を示す入力データを前記選択した1つの駅務機器へ送信する第1のプロセッサと、を有し、
前記各駅務機器は、
前記表示操作装置と通信するための通信部と、
当該駅務機器による駅務を実施するための表示画面を表示する表示データを前記表示操作装置へ送信し、前記表示操作装置の前記操作部に入力された入力データに応じて駅務処理を実行する第2のプロセッサと、を有する、
駅務システム。
【請求項2】
前記表示操作装置の前記第1のプロセッサは、1つの駅務機器を操作端末として設定する機能を有し、前記操作端末に設定された駅務機器からの表示データに基づく表示画面を前記表示部に表示し、前記操作部に入力された操作指示を示す入力データを前記操作端末に設定された駅務機器へ送信する、
請求項1に記載の駅務システム。
【請求項3】
前記表示操作装置の前記第1のプロセッサは、前記操作端末に設定された駅務機器からの表示データに基づく表示画面と共に前記操作端末を別の駅務機器に切り換えることを指示する切換ボタンを前記表示部に表示し、前記切換ボタンが指示された場合に前記操作端末に設定する駅務機器を別の駅務機器に切り換える、
請求項2に記載の駅務システム。
【請求項4】
前記表示操作装置の前記第1のプロセッサは、前記操作端末に設定された駅務機器とは別の駅務機器におけるステータスの変化を検出した場合に、前記ステータスが変化した駅務機器への切り換えを指示する切換ボタンの表示状態を変更する、
請求項3に記載の駅務システム。
【請求項5】
前記複数の駅務機器は、監視盤と窓口処理機とである、
請求項1乃至4の何れか1項に記載の駅務システム。
【請求項6】
前記監視盤と前記窓口処理機とは、前記通信部により無線LANルータに接続し、
前記表示操作装置は、前記無線通信部により前記無線LANルータと無線通信する、
請求項5に記載の駅務システム。
【請求項7】
表示部と操作部と無線通信部とを備える表示操作装置のプロセッサに、
前記無線通信部により複数の駅務機器と無線通信し、
前記無線通信部により無線通信する複数の駅務機器からそれぞれ駅務を実施するための表示画面を表示する表示データを取得し、
前記複数の駅務機器から選択した1つの駅務機器から取得した表示データに基づく表示画面を前記表示部に表示し、
前記表示部に表示した表示画面に対して前記操作部を用いて入力された操作指示を示す入力データを前記選択した1つの駅務機器へ送信する、
処理を実行させる駅務プログラム。
【請求項8】
複数の駅務機器と表示部と操作部とを備える表示操作装置とを有する駅務システムにおける駅務方法であって、
前記表示操作装置は、
複数の駅務機器と無線通信し、
前記複数の駅務機器から選択した1つの駅務機器から取得する表示データに基づく表示画面を前記表示部に表示し、
前記表示部に表示した表示画面に対して前記操作部を用いて入力された操作指示を示す入力データを前記選択した1つの駅務機器へ送信し、
前記各駅務機器は、
前記表示操作装置と通信し、
当該駅務機器による駅務を実施するための表示画面を表示する表示データを前記表示操作装置へ送信し、
前記表示操作装置の前記操作部に入力された入力データに応じて駅務処理を実行する、
駅務方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、駅務システム、駅務プログラムおよび駅務方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、鉄道の駅等では、接客用に設置した窓口において、係員対応によるサービスが受けられる。駅の係員は、係員室に設置した窓口カウンタにおいて種々の駅務機器を用いた窓口業務を行う。ただし、係員室の窓口カウンタ(接客カウンタ)は物理的に狭いことが多いため、複数種類の駅務機器を配置することが難しい。複数の駅務機器が表示信号を切り換えるための切換器を介して接客カウンタに設置した1つの表示操作装置に接続されるシステムを構築することは可能であるが、切換器を含むシステムは小型化することが難しい。
【0003】
また、上述したシステムでは、複数の駅務機器と接客カウンタに設置する表示操作装置とは、切換器を介して表示信号を伝送する信号ケーブルを用いて接続する必要がある。切換器に接続する表示信号を伝送する信号ケーブルは、表示信号の規格上、長くすることが難しい。このため、信号ケーブルおよび切換器を用いて表示操作装置に接続する複数の駅務機器は、表示操作装置を設置する接客カウンタから離れた場所に設置するのが難しいという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2022-016166号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の課題を解決するために、本発明は、係員による業務環境を向上させることができる駅務システム、駅務プログラムおよび駅務方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態によれば、駅務システムは、複数の駅務機器と表示操作装置とを有する。表示操作装置は、表示部と操作部と無線通信部と第1のプロセッサとを有する。第1のプロセッサは、複数の駅務機器から選択した1つの駅務機器から取得する表示データに基づく表示画面を表示部に表示し、表示部に表示した表示画面に対して操作部を用いて入力された操作指示を示す入力データを選択した1つの駅務機器へ送信する。各駅務機器は、通信部と第2のプロセッサとを有する。第2のプロセッサは、当該駅務機器による駅務を実施するための表示画面を表示する表示データを表示操作装置へ送信し、表示操作装置の操作部に入力された入力データに応じて駅務処理を実行する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、実施形態に係る駅務システムとしての窓口業務システム全体の構成例を概略的に示す図である。
図2図2は、実施形態に係る駅務システムにおける監視盤の構成例を示すブロック図である。
図3図3は、実施形態に係る駅務システムにおける窓口処理機の構成例を示すブロック図である。
図4図4は、実施形態に係る駅務システムにおける表示操作装置の構成例を示すブロック図である。
図5図5は、実施形態に係る駅務システムとしての窓口業務システムにおけるソフトウエア構成例を説明するための図である。
図6図6は、実施形態に係る駅務システムにおける表示操作装置による監視盤業務画面の表示例を示す図である。
図7図7は、実施形態に係る駅務システムにおける表示操作装置による窓口処理機業務画面の表示例を示す図である。
図8図8は、実施形態に係る駅務システムとしての窓口業務システムにおける監視盤および窓口処理機の動作例を説明するためのフローチャートである。
図9図9は、実施形態に係る駅務システムとしての窓口業務システムにおける表示操作装置の動作例を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、実施の形態について、図面を参照して説明する。
図1は、実施の形態に係る駅務システムとしての窓口業務システム1の構成例を概略的に示す図である。
窓口業務システム1は、駅の係員が係員室内や窓口などにおける業務(駅務)を実行するためのシステムである。窓口業務システム1は、監視盤2、窓口処理機3、無線LANルータ5および表示操作装置6などにより構成される。また、駅務システムとしては、監視盤2および窓口処理機3にシステム全体の動作および処理履歴などを管理する管理装置としての上位装置(サーバ)が接続される。
【0009】
監視盤2は、監視対象とする改札機4に接続される駅務機器である。例えば、監視盤2は、改札口に設けられる窓口内(係員室)に設置され、当該改札口に設置された改札機4を監視対象とする。監視盤2は、監視対象として接続される各改札機4の動作状態を示す情報を取得し、各改札機の動作状態を示す画面(監視盤業務画面)を生成する。
【0010】
窓口業務システム1において監視盤2は、無線LANルータ5を介して表示操作装置6と通信する。監視盤2は、有線で無線LANルータ5に接続する構成としても良いし、無線通信部を設けて無線LANルータ5と無線通信する構成としても良い。また、監視盤2は、無線通信部を設けて、無線LANルータを介さずに表示操作装置6と直接的に無線通信を行う構成としても良い。
【0011】
監視盤2は、表示操作装置6を表示デバイスおよび操作デバイスとして監視盤業務を実行する機能を備える。例えば、監視盤2は、監視対象とする各改札機4の動作状態などを示す表示画面(監視盤業務画面)の表示データを表示操作装置6へ供給する。また、監視盤2は、改札機4に対する動作指示などの監視盤業務に係る係員による操作指示を示す入力データを表示操作装置6から取得し、表示操作装置6から取得する入力データが示す操作指示に従って改札機4の遠隔制御などの監視盤業務を実行する。
【0012】
窓口処理機3は、駅の窓口において、利用者からの申し出などに応じて窓口業務を行うための装置である。例えば、窓口処理機3は、乗車券媒体(磁気券、ICカード、携帯端末又はコード券など)を処理する機能を有し、係員の操作によって利用者が所持する乗車券媒体を処理する。係員は、窓口処理機3を用いて改札機4での処理がエラーとなった乗車券媒体を処理する。
【0013】
なお、乗車券として利用される乗車券媒体は、磁気記録部に情報が記録される磁気式の記録媒体(磁気券)、2次元コードなどのコード化した情報を記録(印刷又は表示)する記録媒体(コード券)、非接触通信により情報の送受信を行う非接触式ICカード、非接触ICカードと同様な機能を有する携帯電話機などのモバイル端末、或は、2次元コードなどのコード化した情報を表示するモバイル端末などがある。
【0014】
本実施形態に係る窓口業務システム1において窓口処理機3は、無線LANルータ5を介して表示操作装置6と通信する。窓口処理機3は、有線で無線LANルータ5に接続しても良いし、無線通信部を設けて無線LANルータ5と無線通信する構成としても良い。また、窓口処理機3は、無線通信部を設けて、無線LANルータを介さずに表示操作装置6と直接的に無線通信を行う構成としても良い。
【0015】
窓口処理機3は、表示操作装置6を表示デバイスおよび操作デバイスとして窓口業務を実行する機能を備える。例えば、窓口処理機3は、窓口業務を実行するための表示画面(窓口業務画面)の表示データを表示操作装置6へ供給する。また、窓口処理機3は、窓口業務に係る係員による操作指示を示す入力データを表示操作装置6から取得し、表示操作装置6から取得する操作指示に従って窓口業務を実行する。
【0016】
無線LANルータ5は、無線通信機能を備えるルータ装置である。無線LANルータ5は、有線および無線によるLAN(ローカルエリアネットワーク)を構築する。例えば、無線LANルータ5は、監視盤2および窓口処理機3と有線LANにより接続し、表示操作装置6と無線LANにより接続する。また、無線LANルータ5は、監視盤2および窓口処理機3と無線LANにより接続するようにしても良い。無線LANルータ5は、無線通信の通信範囲に表示操作装置6が利用可能となるエリアを含むようにする。
【0017】
表示操作装置6は、無線LANルータ5と無線で通信するインターフェースを有する。表示操作装置6は、無線通信によって無線LANルータ5を介して監視盤2および窓口処理機3と通信する。なお、表示操作装置6と監視盤2とは、無線LANルータ5を介さずに無線通信で接続する構成としても良い、表示操作装置6と窓口処理機3とは、無線LANルータ5を介さずに無線通信で接続する構成として良い。
【0018】
表示操作装置6は、無線通信インターフェースを備え、表示デバイス(表示部)と操作デバイス(操作部)とを有する。例えば、表示操作装置6は、タブレット型のコンピュータ(タブレットPC)、又は、スマートフォンなどのタッチパネル付きの表示装置を備える携帯型の電子装置である。表示操作装置6は、無線LANルータ5との無線通信可能な領域であれば、係員が持ち運んで使用するようにしても良い。例えば、表示操作装置6は、係員室内(窓口近傍)だけでなく、無線LANルータ5が接続される監視盤2によって監視する改札機4が設置されている改札口において当該無線LANルータ5との無線通信ができるようにしても良い。
【0019】
窓口業務システム1における表示操作装置6は、無線LANルータ5を介して接続される複数の駅務機器から選定される1つの駅務機器の表示操作部(表示部および操作部)として機能する。図1に示す構成において、表示操作装置6は、監視盤2および窓口処理機3のうち選択された装置の表示操作部として動作する。例えば、係員が監視盤2を選択すると、表示操作装置6は、監視盤2の表示操作部として機能する。また、係員が窓口処理機3を選択すると、表示操作装置6は、窓口処理機3の表示操作部として機能する。
【0020】
次に、実施形態に係る駅務システムとしての窓口業務システム1における監視盤2の構成について説明する。
図2は、実施形態に係る駅務システムとしての窓口業務システム1における監視盤2の構成例を示すブロック図である。
図2に示すように、監視盤2は、プロセッサ(第2のプロセッサ)21、ROM22、RAM23、記憶部24、改札機インターフェース(I/F)25、通信部26、および、表示操作部27を備える。
【0021】
プロセッサ21は、監視盤2全体の制御を司り、監視盤2における各部の動作制御およびデータ処理などを実行する。プロセッサ21は、演算処理を実行する演算回路を含む。プロセッサ21は、例えば、CPUである。プロセッサ21は、RAM23を用いてROM22又は記憶部24が記憶するプログラム(ソフトウエア)を実行することにより各種の処理を実行する。
【0022】
ROM22は、予めプログラムおよび制御データなどが記憶されている不揮発性のメモリである。例えば、ROM22は、プログラムメモリとして機能する。RAM23は、ワーキングメモリとして機能する揮発性のメモリである。RAM23は、プロセッサ21が処理中のデータなどを一時保管するバッファメモリとして機能する。また、RAM23は、通信部26が送受信するデータを一時的に記憶する。
【0023】
記憶部24は、各種のデータを記憶する。記憶部24は、例えば、HDD(ハードディスクドライブ)あるいはSSD(ソリッドステートドライブ)などの書き換え可能な不揮発性のメモリで構成する。記憶部24は、プログラム及びプログラムで用いられるデータなどを記憶する。例えば、記憶部24は、表示操作部を用いた改札機4の監視などの業務(監視盤業務)を行うためのプログラム(監視盤業務ソフト)を記憶する。また、記憶部24は、表示操作装置6を当該監視盤2の表示操作部として動作させるためのプログラム(表示入力処理サーバ)を記憶する。
【0024】
改札機インターフェース25は、監視対象とする改札機と通信するためのインターフェースである。例えば、改札機インターフェース25は、監視対象とする改札口に設置された複数の改札機に接続する。
【0025】
通信部26は、無線LANルータ5に接続される。通信部26は、無線LANルータ5を介して表示操作装置6と通信する。通信部26は、無線通信で無線LANルータ5に接続するようにしても良い、有線で無線LANルータ5に接続するようにしても良い。また、通信部26は、駅務システムにおける上位装置(サーバ)と通信するインターフェースも含むものとしても良い。
【0026】
表示操作部27は、表示デバイス(表示部)および操作デバイス(操作部)により構成される。表示操作部27の表示デバイスは、監視盤としての業務(以下、監視盤業務と称する)を実行するための画面(監視盤業務画面)を表示する。表示操作部27の操作デバイスは、係員からの動作指示を受け付けるための機器である。表示操作部27は、タッチパネル内蔵の表示装置によって構成される。表示操作部27の操作デバイスとしてのタッチパネルは、表示デバイスの表示画面において指定(タッチ)された位置を検知し、タッチされた位置を示す情報をプロセッサ21に入力する。
【0027】
なお、本実施形態に係る窓口業務システム1では、表示操作装置6が監視盤2の表示操作部として動作するため、監視盤2の構成としては、表示操作部27を省略した構成としても良い。
また、図1および図2に示す構成例では、監視盤2は、通信部26により接続する無線LANルータ5を介して表示操作装置6と通信する構成としたが、無線通信部を設けて表示操作装置6と直接的に無線通信する構成としても良い。
【0028】
次に、実施形態に係る駅務システムとしての窓口業務システム1における窓口処理機3の構成について説明する。
図3は、実施形態に係る駅務システムとしての窓口業務システム1における窓口処理機3の構成例を示すブロック図である。
図3に示す構成例において、窓口処理機3は、プロセッサ(第2のプロセッサ)31、ROM32、RAM33、記憶部34、媒体処理部35、通信部36、および、表示操作部37を有する。
【0029】
プロセッサ31は、窓口処理機3全体の制御を司り、窓口処理機3における各部の動作制御およびデータ処理などを実行する。プロセッサ31は、演算処理を実行する演算回路を含む。プロセッサ31は、例えば、CPUである。プロセッサ31は、ROM32又は記憶部34に格納されているプログラムを実行することにより、種々の処理機能を実現する処理部として機能する。
【0030】
ROM32は、読み出し専用の不揮発性メモリである。ROM32は、プログラム及びプログラムで用いられるデータなどを記憶する。RAM33は、ワーキングメモリとして機能する揮発性のメモリである。RAM33は、プロセッサ31の処理中のデータなどを一時的に格納する。また、RAM33は、プロセッサ31が実行するプログラムを一時的に格納する。
【0031】
記憶部34は、書換え可能な不揮発性メモリとしての記憶装置である。例えば、記憶部34は、ソリッドステートドライブ(SSD)、ハードディスクドライブ(HDD)、または他の記憶装置である。記憶部34は、プログラム及びプログラムで用いられるデータなどを記憶する。例えば、記憶部34は、表示操作部を用いた利用者に対する窓口業務などの業務(窓口処理機業務)を実行するためのプログラム(窓口業務ソフト)を記憶する。また、記憶部34は、表示操作装置6を当該窓口処理機3の表示操作部として動作させるためのプログラム(表示入力処理サーバ)を記憶する。
【0032】
媒体処理部35は、媒体を処理するデバイスである。媒体処理部35は、利用者が提示した乗車券として利用される媒体を処理するデバイスを含む。例えば、媒体処理部35は、利用者が提示する乗車券としてのICカードを処理するためのカードリーダライタである。また、媒体処理部35は、利用者が提示する磁気乗車券を処理する券処理デバイスを含むものであっても良い。また、媒体処理部35は、利用者が提示するコード(例えば、媒体に印字された二次元コード又は携帯端末に表示された二次元コード)を読み取るデバイスを含むものであっても良い。
【0033】
通信部36は、無線LANルータ5に接続するインターフェースを含む。通信部36は、無線通信で無線LANルータ5に接続するようにしても良いし、有線で無線LANルータ5に接続するようにしても良い。また、通信部36は、駅務システムにおける上位装置(サーバ)と通信するインターフェースも含むものとしても良い。
【0034】
表示操作部37は、表示デバイスおよび操作デバイスにより構成される。表示操作部37の表示デバイスは、窓口処理機3の業務を実施するための画面を表示する。表示操作部37の操作デバイスは、係員からの指示を受け付ける。例えば、表示操作部37は、タッチパネル内蔵の表示装置によって構成される。表示操作部37の操作デバイスとしてのタッチパネルは、表示デバイスの表示画面において指定(タッチ)された位置を検知し、タッチされた位置を示す情報をプロセッサ31に入力する。
【0035】
なお、本実施形態に係る窓口業務システム1では、表示操作装置6を窓口処理機3の表示操作部として動作させるため、窓口処理機3は、表示操作部37を省略した構成としても良い。
また、図1および図3に示す構成例では、窓口処理機3は、無線LANルータ5を介して表示操作装置6と通信する構成としたが、無線通信部を設けて表示操作装置6と直接的に無線通信する構成としても良い。
【0036】
また、窓口処理機3は、窓口業務の1つとして料金の決済を行う決済処理部を具備するものであっても良い。窓口処理機3に設ける決済処理部は、現金を処理する現金処理部であっても良いし、利用者が提示するクレジットカードや携帯端末による電子決済を行うための処理ユニットであっても良い。
【0037】
次に、実施形態に係る駅務システムとしての窓口業務システム1における表示操作装置6の構成について説明する。
図4は、実施形態に係る駅務システムとしての窓口業務システム1における表示操作装置6の構成例を示すブロック図である。
図4に示す構成例において、表示操作装置6は、プロセッサ(第1のプロセッサ)61、ROM62、RAM63、記憶部64、無線通信部65、操作部66、および、表示部67を有する。表示操作装置6は、例えば、タブレット型のコンピュータにより構成される。
【0038】
プロセッサ21は、表示操作装置6全体の制御を司り、表示操作装置6における各部の動作制御およびデータ処理などを実行する。プロセッサ61は、演算処理を実行する演算回路を含む。プロセッサ61は、例えば、CPUである。プロセッサ61は、ROM62又は記憶部64に格納されているプログラムを実行することにより、種々の処理機能を実現する処理部として機能する。
【0039】
ROM62は、読み出し専用の不揮発性メモリである。ROM62は、プログラム及びプログラムで用いられるデータなどを記憶する。RAM63は、ワーキングメモリとして機能する揮発性のメモリである。RAM63は、プロセッサ61の処理中のデータなどを一時的に格納する。また、RAM63は、プロセッサ61が実行するプログラムを一時的に格納する。
【0040】
記憶部64は、書換え可能な不揮発性メモリとしての記憶装置である。例えば、記憶部64は、ソリッドステートドライブ(SSD)、ハードディスクドライブ(HDD)、または他の記憶装置である。記憶部64は、プログラム及びプログラムで用いられるデータなどを記憶する。例えば、記憶部64は、当該表示操作装置6が監視盤2又は窓口処理機3の表示操作部として動作するためのプログラム(表示入力処理クライアント)を記憶する。
【0041】
無線通信部65は、無線LANルータ5に接続するインターフェースを含む。無線通信部65は、無線通信により無線LANルータ5に通信接続する。すなわち、無線通信部65は、無線LANルータ5を介して監視盤2および窓口処理機3と通信する。
【0042】
操作部66は、係員が入力する操作指示を検知するためのデバイスである。表示部67は、監視盤2又は窓口処理機3のうち操作対象とする装置(以下、操作端末と称する)が表示する表示画面を表示する。例えば、操作部66は、表示部67としての表示装置に設けたタッチパネルで構成する。タッチパネルとしての操作部66は、表示部67が表示する表示画面においてタッチされた位置を示す情報を出力する。本実施形態において、操作部66および表示部67は、タッチパネルを備える表示装置によって構成されるものとする。
【0043】
図5は、窓口業務システムを構成する監視盤2、窓口処理機3および表示操作装置6におけるソフトウエアの構成例を説明するための図である。
図5に示す構成例において、監視盤2は、プロセッサ21が実行するソフトウエア(プログラム)として、監視盤業務ソフト(業務ソフト)121と表示入力処理サーバ122とを記憶部24(又はROM22)に記憶する。
【0044】
監視盤業務ソフト121は、表示デバイスおよび操作デバイスを用いた改札機4の監視などの監視盤業務を行うためのプログラムである。監視盤業務ソフト121による監視盤業務としては、監視対象とする各改札機4の状態を示す情報を表示デバイスに表示する処理と、係員による操作指示に応じて改札機4に対して動作モードの指示などの制御命令を出力する処理とを含む。すなわち、監視盤業務ソフト121は、監視対象とする各改札機4の状態を示す情報を表示デバイスに表示したり、操作指示に応じて改札機4に対して制御命令を出力したりする処理をプロセッサ21に実行させる。
【0045】
表示入力処理サーバ122は、監視盤業務ソフト121が表示デバイスに表示させる表示データを出力したり、操作デバイスに入力された入力データ(操作指示)を監視盤業務ソフト121に入力したりするためのプログラムである。また、表示入力処理サーバ122は、表示操作装置6にインストールされる表示入力処理クライアント161と連携して動作する。すなわち、表示入力処理サーバ122は、監視盤業務ソフト121からの表示データを表示操作装置6の表示入力処理クライアント161へ供給したり表示操作装置6の操作部66に入力されたデータを表示操作装置6の表示入力処理クライアント161から取得して監視盤業務ソフト121へ供給したりする処理をプロセッサ21に実行させる。
【0046】
また、窓口処理機3は、プロセッサ31が実行するソフトウエア(プログラム)として、窓口業務ソフト(業務ソフト)131と表示入力処理サーバ132とを記憶部34又はROM32に記憶する。
【0047】
窓口業務ソフト131は、表示デバイスおよび操作デバイスを用いた係員の操作による利用者に対する窓口業務などの窓口処理機業務を実行するためのプログラムである。窓口業務ソフト131による窓口処理機業務としては、業務内容の操作案内などを表示デバイスに表示する処理と係員による操作指示を受け付ける処理とを含む。すなわち、窓口業務ソフト131は、操作案内を表示デバイスに表示したり、操作指示を受け付けて操作指示に応じた業務を実行したりする処理をプロセッサ31に実行させる。
【0048】
表示入力処理サーバ132は、窓口業務ソフト131が表示デバイスに表示させる表示データを出力したり、操作デバイスに入力された入力データを窓口業務ソフト131に入力したりするためのプログラムである。また、表示入力処理サーバ132は、表示操作装置6にインストールされる表示入力処理クライアント161と連携して動作する。すなわち、表示入力処理サーバ132は、窓口業務ソフト131からの表示データを表示操作装置6の表示入力処理クライアント161へ供給したり表示操作装置6の操作部66に入力されたデータを表示操作装置6の表示入力処理クライアント161から取得して窓口業務ソフト131へ供給したりする処理をプロセッサ31に実行させる。
【0049】
また、表示操作装置6は、プロセッサ61が実行するソフトウエア(プログラム)として、表示入力処理クライアント161を記憶部64又はROM62に記憶する。
表示入力処理クライアント161は、監視盤2の表示入力処理サーバ122および窓口処理機3の表示入力処理サーバ132と連携して動作する。表示入力処理クライアント161は、操作端末管理部162を有する。操作端末管理部162は、監視盤2および窓口処理機3のどちらの表示操作部として動作するかを管理する。つまり、操作端末管理部162は、当該表示操作装置6が表示および操作する装置(操作端末)が監視盤2であるか窓口処理機3であるかを管理する。
【0050】
操作端末管理部162が監視盤2を表示および操作の対象とする操作端末とする場合、表示操作装置6のプロセッサ61は、表示入力処理クライアント161により監視盤2の表示入力処理サーバ122と通信することで監視盤2の表示操作部として動作する。すなわち、監視盤2を操作端末とする場合、表示入力処理クライアント161を実行するプロセッサ61は、監視盤2の表示入力処理サーバ122から取得する表示データを表示部67に表示し、操作部66に入力された情報を監視盤2の表示入力処理サーバ122へ供給する。
【0051】
これに対し、監視盤2のプロセッサ21は、監視盤業務ソフト121が表示デバイスに表示させる情報(表示データ)を表示入力処理サーバ122によって表示操作装置6の表示入力処理クライアント161へ供給する。これにより、表示操作装置6のプロセッサ61は、表示入力処理クライアント161により監視盤2から取得する表示データに基づく表示画面(監視盤業務画面)を表示部67に表示する。
【0052】
また、監視盤2のプロセッサ21は、表示入力処理サーバ122により表示操作装置6の操作部66に入力された操作指示の内容を示す情報(入力データ)を取得し、操作部66に入力された操作指示の内容を示す入力データを監視盤業務ソフト121へ供給する監視盤2のプロセッサ21は、表示操作装置6の操作部66に入力された操作指示に応じた監視盤業務を監視盤業務ソフト121によって実行する。
【0053】
監視盤2のプロセッサ21は、監視盤業務ソフト121による監視盤業務の結果を表示入力処理サーバ122によって表示操作装置6の表示入力処理クライアント161へ供給する。これにより、表示操作装置6のプロセッサ61は、表示入力処理クライアント161により操作部66に入力した指示に応じて監視盤2が実行した監視盤業務の結果を示す表示データを表示部67に表示する。
【0054】
また、操作端末管理部162が窓口処理機3を操作端末とする場合、表示操作装置6のプロセッサ61は、表示入力処理クライアント161により窓口処理機3の表示入力処理サーバ132と通信する。窓口処理機3を操作端末とする場合、表示入力処理クライアント161を実行するプロセッサ61は、窓口処理機3の表示入力処理サーバ132から取得する表示データを表示部67に表示し、操作部66に入力された操作指示の内容を示す情報(入力データ)を窓口処理機3の表示入力処理サーバ132へ供給する。
【0055】
これに対し、窓口処理機3のプロセッサ31は、窓口業務ソフト131が表示デバイスに表示する情報(表示データ)を表示入力処理サーバ132によって表示操作装置6の表示入力処理クライアント161へ供給する。これにより、表示操作装置6のプロセッサ61は、表示入力処理クライアント161により窓口処理機3から取得する表示データに基づく表示画面(窓口業務画面)を表示部67に表示する。
【0056】
また、窓口処理機3のプロセッサ31は、表示入力処理サーバ132により表示操作装置6の操作部66に入力された指示内容を示す情報を取得し、操作部66に入力された指示内容を示す情報を窓口業務ソフト131へ供給する。窓口処理機3のプロセッサ31は、表示操作装置6の操作部66に入力された指示に応じた窓口業務を窓口業務ソフト131によって実行する。
【0057】
窓口処理機3のプロセッサ31は、窓口業務ソフト131による窓口業務の結果を表示入力処理サーバ132によって表示操作装置6の表示入力処理クライアント161へ供給する。これにより、表示操作装置6のプロセッサ61は、表示入力処理クライアント161により操作部66に入力した指示に応じて窓口処理機3が実行した窓口業務の結果を示す表示データを表示部67に表示する。
【0058】
次に、実施形態に係る窓口業務システム1における表示操作装置6が操作端末としている装置の表示データを表示部67に表示する表示画面の例について説明する。
表示操作装置6のプロセッサ61は、表示入力処理クライアント161により操作端末とする装置から取得する表示データを表示部67に表示すると共に、係員による操作端末の切り換えの指示を受け付ける。例えば、表示操作装置6のプロセッサ61は、操作端末としている装置からの表示データを表示すると共に、操作端末を別の装置に切り換えるための切換ボタンB(Ba、Bb)を表示部67に表示する。
【0059】
図6は、監視盤2を操作端末とした場合に表示操作装置6の表示部67に表示する表示画面の例を示す図である。また、図7は、窓口処理機3を操作端末とした場合に表示操作装置6の表示部67に表示する表示画面の例を示す図である。
図6に示す表示例において、表示操作装置6の表示部67は、操作端末としている監視盤2の表示データに基づく監視盤業務画面と共に、操作端末を窓口処理機3に切り換えることを指示する切換ボタンBaを表示する。切換ボタンBaは、監視盤2からの表示データに基づいて表示される表示画面(監視盤業務画面)の一部に重ねて表示される。図6に示す表示例では、切換ボタンBaは、窓口処理機3への切り換えが可能であることを示す情報として「窓処」と表示されたアイコンである。
【0060】
また、図7に示す表示例において、表示操作装置6の表示部67は、操作端末としている窓口処理機3の表示データに基づく窓口業務画面と共に、操作端末を監視盤2に切り換えることを指示する切換ボタンBbを表示する。切換ボタンBbは、窓口処理機3からの表示データに基づいて表示される表示画面(窓口業務画面)の一部に重ねて表示される。図7に示す表示例では、切換ボタンBbは、監視盤2への切り換えが可能であることを示す情報として「監視」と表示されたアイコンである。
【0061】
図6および図7に示すように、切換ボタンB(Ba、Bb)は、切り換えの対象となる操作端末を示す情報が表示されるアイコンとして表示部67に表示される。また、切換ボタンB(Ba、Bb)は、表示部67の表示領域における所定領域に表示する。ただし、切換ボタンBは、係員の操作によって表示位置を移動できるようにしても良いし、表示する表示画面の内容に応じて表示位置を移動するようにしても良い。
【0062】
また、切換ボタンB(Ba、Bb)は、切り換えの対象となる操作端末の状態(ステータス)を表示するようにしても良い。すなわち、切換ボタンBaは、切り換えの対象となる窓口処理機3の状態を表示するようにしても良い。また、切換ボタンBbは、切り換えの対象となる監視盤2の状態(例えば、監視対象とする各改札機4の状態)を表示するようにしても良い。例えば、切換ボタンBbは、監視盤2が監視対象とする改札機4に異常が発生した場合に異常発生を示す色や点灯状態(点滅など)で表示するようにしても良い。これにより、切換ボタンBは、操作端末として表示している装置だけでなく、切り換えの対象となる装置の状態を報知することもできる。
【0063】
なお、切換ボタンBの表示状態を装置の状態に応じて変更する場合、表示入力処理クライアント161は、操作端末管理部162が操作端末としていない方の装置の状態(ステータス)の変化を表示入力処理サーバ122又は132から取得する表示データに基づいて判定するようにすれば良い。
【0064】
次に、実施形態に係る駅務システムとしての窓口業務システム1における監視盤2および窓口処理機3の動作について説明する。
図8は、実施形態に係る駅務システムとしての窓口業務システム1における監視盤2および窓口処理機3の動作例を説明するためのフローチャートである。
図8は、監視盤2における監視盤業務ソフト(業務ソフト)121および表示入力処理サーバ122による動作例と、窓口処理機3における窓口業務ソフト(業務ソフト)131および表示入力処理サーバ132による動作例とを説明するためのフローチャートである。ここでは、監視盤2における監視盤業務ソフト121および表示入力処理サーバ122による動作例を説明するものとする。
【0065】
監視盤2のプロセッサ21は、通信部26による無線LANルータ5を介した表示操作装置6との接続状態を監視する。監視盤2のプロセッサ21は、表示操作装置6に接続した場合(ステップST11、YES)、監視盤業務ソフト121が監視盤業務画面を表示するための表示データを表示入力処理サーバ122によって表示操作装置6の表示入力処理クライアント161へ送信する(ステップST12)。
【0066】
監視盤2のプロセッサ21は、監視盤業務ソフト121による表示データを表示操作装置6へ送信した後、表示操作装置6へ送信した表示データの更新の要否を監視する(ステップST13)。すなわち、プロセッサ21は、イベントの発生などによってステータスが変化した場合に表示操作装置6に表示させる表示データを更新する必要があると判断する。例えば、監視盤2のプロセッサ21は、監視対象とする改札機4で異常(イベント)が発生した場合、異常が発生した改札機4を報知するために表示データを更新するものと判断する。
【0067】
プロセッサ21は、表示データを更新する場合(ステップST13、YES)、ステータスの変化に応じて監視盤業務画面を更新するための更新用の表示データを業務ソフト121により生成する。プロセッサ61は、業務ソフト121により生成した更新用の表示データを表示入力処理サーバ122により表示操作装置6の表示入力処理クライアント161へ送信する(ステップST14)。これにより、表示操作装置6へ送信された監視盤2の表示データは、更新される。
【0068】
また、監視盤2のプロセッサ21は、表示データを表示操作装置6へ送信した後、表示操作装置6の操作部66で入力された入力データを受け付ける(ステップST15)。プロセッサ21は、表示入力処理サーバ122により表示操作装置6の操作部66で入力された入力データを受信した場合(ステップST15、YES)、入力データを監視盤業務ソフト121へ通知する(ステップST16)。
【0069】
監視盤2のプロセッサ21は、監視盤業務ソフト121によって入力データに基づく操作指示の内容を特定する。例えば、監視盤2のプロセッサ21は、入力データとして表示画面(監視盤業務画面)上におけるタッチ位置を示すデータを取得し、タッチ位置に応じた操作指示の内容を特定する。プロセッサ21は、入力データが示す操作指示に応じた監視盤業務としての業務処理を監視盤業務ソフトによって実行する(ステップST17)。監視盤2のプロセッサ21は、業務処理を実行すると、業務処理の実行結果を表示データとして表示操作装置6へ送信する(ステップS18)。
【0070】
なお、上述した説明では、図8の説明として、監視盤業務ソフト121および表示入力処理サーバ122による監視盤2の動作例を説明したが、窓口業務ソフト131および表示入力処理サーバ132による窓口処理機3の動作についても同様に図8に示す流れで実施できるものとする。
【0071】
次に、実施形態に係る駅務システムとしての窓口業務システム1における表示操作装置6の動作について説明する。
図9は、実施形態に係る駅務システムとしての窓口業務システム1における表示操作装置6の動作例を説明するためのフローチャートである。
表示操作装置6のプロセッサ61は、表示入力処理クライアント161が起動すると、無線通信部65により無線LANルータ5に接続する。表示入力処理クライアント161を実行するプロセッサ61は、無線LANルータ5を介して監視盤2の表示入力処理サーバ122および窓口処理機3の表示入力処理サーバ132と通信する。
【0072】
無線LANルータ5を介して監視盤2および窓口処理機3と接続すると、プロセッサ61は、まず、表示入力処理クライアント161の操作端末管理部162により初期設定に基づいて操作端末を設定する(ステップST21)。表示操作装置6は、デフォルトで表示および操作する操作端末を予め設定情報により設定しておくようにしてもう良い。この場合、表示操作装置6のプロセッサ61は、設定情報に基づいて初期設定の操作端末として監視盤2又は窓口処理機3を設定する。
【0073】
例えば、表示操作装置6は、改札機4の監視を優先に実行する場合、デフォルトで表示および操作する操作端末として監視盤2を指定する設定情報を記憶部64に記憶しておく。この場合、表示操作装置6のプロセッサ61は、記憶部64に記憶した設定情報に従って初期設定の操作端末として監視盤2を設定する。
【0074】
なお、表示操作装置6のプロセッサ61は、表示入力処理クライアント161が起動した際に監視盤2又は窓口処理機3の何れかを係員に選択させるようにしても良い。例えば、プロセッサ61は、監視盤2又は窓口処理機3の選択画面を表示部67に表示し、何れかを操作部66により選択させるようにしても良い。この場合、プロセッサ61は、係員の選択に従って監視盤2又は窓口処理機3の何れかを操作端末として設定する。
【0075】
また、プロセッサ61は、無線LANルータ5を介して監視盤2および窓口処理機3と通信すると、各装置の表示入力処理サーバ122および132からそれぞれ表示データを取得する(ステップST22)。プロセッサ61は、各装置の表示入力処理サーバ122および132から取得するそれぞれの表示データを記憶部64又はRAM63などのメモリに保持する。
【0076】
すなわち、表示操作装置6のプロセッサ61は、監視盤2の監視盤業務ソフト121が表示する表示データ(監視盤業務画面を表示するための表示データ)を表示入力処理サーバ122から取得し、窓口処理機3の窓口業務ソフト131が表示する表示データ(窓口業務画面を表示するための表示データ)を表示入力処理サーバ132から取得する。表示操作装置6のプロセッサ61は、各装置から取得する表示データを記憶部64などのメモリに保持する。
【0077】
表示操作装置6のプロセッサ61は、操作端末とする装置からの表示データを取得すると、操作端末とする装置からの表示データに基づく表示画面(業務画面)と切換ボタンBとを表示部67に表示する(ステップST23)。例えば、表示および操作している操作端末が監視盤2である場合、プロセッサ61は、監視盤2から取得する表示データに基づく監視盤業務画面と窓口処理機3への切り換えを指示する切換ボタンBaとを表示部67に表示する。また、操作端末が窓口処理機3である場合、プロセッサ61は、窓口処理機3から取得する表示データに基づく窓口業務画面と操作端末を監視盤2への切り換えを指示する切換ボタンBbとを表示部67に表示する。
【0078】
また、プロセッサ61は、操作端末とする装置以外の装置(切換ボタンBで表示する装置)におけるステータスを特定し、切換ボタンBをステータスに応じた表示状態とする(ステップST24、25)。すなわち、プロセッサ61は、操作端末とする装置以外の装置におけるステータスが変化した場合(ステップS24、YES)、切換ボタンBの表示状態をステータスに応じて更新する(ステップS25)。
【0079】
例えば、プロセッサ61は、操作端末とする窓口処理機3の窓口業務画面と共に監視盤2への切り換えを指示する切換ボタンBbを表示している間、監視盤2におけるステータスの変化(例えば、監視対象とする各改札機の状態)を監視し、監視盤2のステータスの変化に応じて切換ボタンBbの表示状態を更新する。これにより、監視盤2のステータスが変化した場合(例えば、監視対象とする改札機4に異常が発生した場合)、表示操作装置6は、操作端末を窓口処理機3としている場合(窓口業務画面を表示している場合)であっても、監視盤2における改札機の監視状況などのステータスの変化を報知することができる。
【0080】
また、プロセッサ61は、操作端末とする装置の業務画面を表示部67に表示している状態において、表示部67に表示する業務画面に対する操作部66による操作指示の入力を受け付ける(ステップST26)。プロセッサ61は、操作端末とする装置の表示画面を表示部67に表示した状態において係員が操作部66により操作指示を入力すると(ステップST26、YES)、操作部66により入力された操作指示の内容を示す情報(入力データ)を操作端末とする装置へ送信する(ステップST27)。
【0081】
例えば、表示部67および操作部66がタッチパネル付きの表示装置で構成される場合、プロセッサ61は、表示部67の表示画面上に設けた操作部66としてのタッチパネルにより係員がタッチした位置を示す情報を検知する。プロセッサ61は、操作部66としてのタッチパネルが検知するタッチされた表示画面上における位置(タッチ位置)を示す情報(入力データ)を操作端末とする装置へ送信する。操作端末とする装置は、表示入力処理サーバ122又は132によって表示操作装置6からタッチ位置を示す入力データを取得し、業務ソフト121又は131によってタッチ位置に応じた操作指示の内容を特定し、操作指示に応じた業務を実行する。
【0082】
さらに、プロセッサ61は、操作端末とする装置の表示画面を表示部67に表示している状態において、表示部67に表示する切換ボタンBへの入力を受け付ける(ステップST28)。切換ボタンBへの指示が無ければ(ステップST28、NO)、プロセッサ61は、ステップST22へ戻り、上述した処理を繰り返し実行する。
【0083】
表示部67に表示した切換ボタンBへの指示入力を検知すると(ステップST28、YES)、プロセッサ61は、操作端末とする装置を切り替える処理を実行する(ステップST29)。
例えば、操作端末を窓口処理機3としている状態で監視盤2への切り換えを指示する切換ボタンBbが指示された場合、プロセッサ61は、操作端末を窓口処理機3から監視盤2に変更し、ステップST22へ進む。これにより、表示操作装置6は、操作端末を監視盤2として、表示部67に監視盤2の表示画面を表示すると共に切換ボタンBaを表示する。
【0084】
また、操作端末を監視盤2としている状態で窓口処理機3への切り換えを指示する切換ボタンBaが指示された場合、プロセッサ61は、操作端末を監視盤2から窓口処理機3に変更し、ステップST22へ進む。これにより、表示操作装置6は、操作端末を窓口処理機3とし、表示部67に窓口処理機3の表示画面を表示すると共に切換ボタンBbを表示する。
【0085】
以上のような動作によれば、実施形態に係る窓口業務システムにおいて、表示操作装置は、係員の指示に応じて監視盤又は窓口処理機の何れかを操作端末とし、操作端末とした監視盤又は窓口処理機の何れかの表示部および操作部として機能する。
【0086】
これにより、システム全体としては、監視盤および窓口処理機を窓口に設置する必要が無く、係員が業務を実施する場所におけるスペースを確保できる。また、システムとして監視盤および窓口処理機と表示用の信号ケーブルで接続する切換器が不要となるため、システム全体を小型化することが可能となる。
【0087】
また、上述した構成の窓口業務システムによれば、表示操作装置は、無線通信によって監視盤および窓口処理機と通信接続するように構成すれば良い。このため、監視盤および窓口処理機は、無線LANルータを介して表示操作装置と通信すれば良いため、設置場所の自由度が高くなる。この結果、監視盤および窓口処理機は、係員が実務を行う窓口などに設置しなくても良くなるため、係員室の窓口などにおける係員の業務環境を向上することができる。さらに、表示操作装置は、無線通信によって監視盤および窓口処理機と通信できれば良いため、係員が自由に移動させたり、係員が携帯して業務したりすることが可能となる。この結果、係員としては、駅務機器を用いた業務(駅務)を実行するための操作性が向上し、利便性および業務効率が向上する。
【0088】
なお、上述した実施形態では、表示操作装置が表示および操作する操作端末を監視盤又は窓口処理機の何れかとしたが、表示操作装置が表示および操作する操作端末は、監視盤又は窓口処理機に限定されるものでない。すなわち、表示操作装置は、無線LANルータを介した無線通信又は駅務機器が備える無線通信部による無線通信よって通信接続できる装置であれば、監視盤および窓口処理機に限らずに各種の駅務機器を操作端末として表示および操作できるようにしても良い。
【0089】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0090】
1…窓口業務システム(駅務システム)、2…監視盤、3…窓口処理機、4…改札機、5…無線LANルータ、6…表示操作装置、21…プロセッサ、24…記憶部、25…改札機インターフェース、26…通信部、31…プロセッサ、34…記憶部、35…媒体処理部、36…通信部、61…プロセッサ、64…記憶部、65…無線通信部、66…操作部、67…表示部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9