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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024098789
(43)【公開日】2024-07-24
(54)【発明の名称】画像形成装置及び原本判定方法
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/00 20060101AFI20240717BHJP
【FI】
H04N1/00 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023002501
(22)【出願日】2023-01-11
(71)【出願人】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】小野 真嗣
【テーマコード(参考)】
5C062
【Fターム(参考)】
5C062AA05
5C062AB17
5C062AB22
5C062AB23
5C062AB40
5C062AC02
5C062AC04
5C062AC05
5C062AE03
(57)【要約】
【課題】負担をかけずに対象印刷物の真贋判定を可能にする画像形成装置を提供すること。
【解決手段】実施形態に係る画像形成装置は、画像形成部、画像読取部、検出部、登録部、判定部、及び出力部を備える。前記画像形成部は、識別画像を含む原本画像を形成する。前記画像読取部は、前記原本画像又は判定対象画像を読み取る。前記検出部は、前記原本画像の原本読み取りデータから原本識別画像を検出し、前記判定対象画像の判定対象読み取りデータから判定対象識別画像を検出する。前記登録部は、前記原本識別画像を登録する。前記判定部は、前記原本識別画像と前記判定対象識別画像の比較に基づき、前記判定対象画像が前記原本画像であるか否かを判定する。前記出力部は、判定結果を出力する。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
識別画像を含む原本画像を形成する画像形成部と、
前記原本画像又は判定対象画像を読み取る画像読取部と、
前記原本画像の原本読み取りデータから原本識別画像を検出し、前記判定対象画像の判定対象読み取りデータから判定対象識別画像を検出する検出部と、
前記原本識別画像を登録する登録部と、
前記原本識別画像と前記判定対象識別画像の比較に基づき、前記判定対象画像が前記原本画像であるか否かを判定する判定部と、
判定結果を出力する出力部と、
を備える画像形成装置。
【請求項2】
前記画像形成部は、複数色の前記識別画像を含む前記原本画像を形成する、請求項1の画像形成装置。
【請求項3】
前記識別画像は、複数のパッチを含み、
各パッチの色は、異なる、請求項2の画像形成装置。
【請求項4】
前記判定部は、前記原本識別画像に含まれる複数のパッチの色と前記判定対象識別画像に含まれる複数のパッチの色の差分に基づき前記判定結果を生成する、請求項3の画像形成装置。
【請求項5】
識別画像を含む原本画像を形成し、
前記原本画像を読み取り、
前記原本画像の原本読み取りデータから原本識別画像を検出し、
前記原本識別画像を登録し、
判定対象画像を読み取り、
前記判定対象画像の判定対象読み取りデータから判定対象識別画像を検出し、
前記原本識別画像と前記判定対象識別画像の比較に基づき、前記判定対象画像が前記原本画像であるか否かを判定し、
判定結果を出力する、原本判定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、画像形成装置及び原本判定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
印刷物の原本管理に関して様々な技術が提案されている。例えば、原本の印刷物に対してバーコード又はRFID(Radio Frequency Identification)を付与する、或いは地紋を含む印刷物を原本とするなどの手法が採られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7-74947号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記した手法を採用しても、対象の印刷物が、原本であるか複写物であるかを負担なく判別することは難しく、改善が要望されている。
【0005】
例えば、目視確認の場合にはそれなりの時間を要し、また、対象の印刷物が多数ある場合には一枚ずつ確認する作業が担当者の負担になる。さらに、RFID等を利用する場合には、RFIDに加えてそのリーダも必要となり、導入コストが負担になる。
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、負担をかけずに対象印刷物の真贋判定を可能にする画像形成装置及び原本判定方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態に係る画像形成装置は、画像形成部、画像読取部、検出部、登録部、判定部、及び出力部を備える。前記画像形成部は、識別画像を含む原本画像を形成する。前記画像読取部は、前記原本画像又は判定対象画像を読み取る。前記検出部は、前記原本画像の原本読み取りデータから原本識別画像を検出し、前記判定対象画像の判定対象読み取りデータから判定対象識別画像を検出する。前記登録部は、前記原本識別画像を登録する。前記判定部は、前記原本識別画像と前記判定対象識別画像の比較に基づき、前記判定対象画像が前記原本画像であるか否かを判定する。前記出力部は、判定結果を出力する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態に係る画像形成装置のシステム構成の一例を示すブロック図である。
図2図2は、実施形態に係る原本画像の一例を示す図である。
図3図3は、実施形態に係る複写画像の一を示す図である。
図4図4は、実施形態に係る原本画像出力及び原本画像登録の一例を示すフローチャートである。
図5図5は、実施形態に係る原本識別画像の登録データの一例を示す図である。
図6図6は、実施形態に係る原本判定の一例を示すフローチャートである。
図7図7は、実施形態に係るコントロールパネルの画面表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して、実施形態について説明する。なお、以下の実施形態の説明に用いる各図面は、各部の縮尺を適宜変更している。また、以下の実施形態の説明に用いる各図面は、説明のため、構成を適宜省略している。
【0010】
[構成]
図1は、実施形態に係る画像形成装置のシステム構成の一例を示すブロック図である。画像形成装置は、ワークプレイス等に設置され利用される。
図1に示すように、画像形成装置1は、スキャナ部101、スキャナI/F(Interface)102、RAM(Random Access Memory)103、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)104、プリンタI/F105、プリンタ部106、通信路107、コントロールパネル制御部108、コントロールパネル109、CPU(Central Processing Unit)110、ROM(Read Only Memory)111、RAM112、ROM113、RAM114、HDD(Hard Disk Drive)115、SSD(Solid State Drive)116、ネットワーク制御部117、プリンタエンジン及び定着制御部118、カセット及び搬送制御部119、複数のカセット120、原本記憶部121、及び原本判定部122を備える。
【0011】
画像形成装置1の各部は、通信路107を介して接続され、制御信号及び画像データ等を送受信する。
【0012】
スキャナ部101は、原稿台にセットされた原稿の画像を読み取り、原稿の画像に対応する読み取りデータを出力する。また、スキャナ部101は、ADF(Auto Document Feeder)を備え、ADFは複数の原稿を一枚ずつ原稿台へ搬送する。スキャナ部101は、ADFから送られる原稿の画像を読み取り、原稿の画像に対応する読み取り画像データを出力する。ADFの利用により、負担なく複数の原稿画像の読み取りが可能となる。スキャナI/F102は、スキャナ部101から出力される読み取りデータを入力し、ASIC104へ出力する。
【0013】
スキャナ部101で読み取られる原稿は、原本画像又は判定対象画像である。また、判定対象画像は、原本画像又はその複写画像である。
【0014】
ASIC104は、スキャナ部101から出力される読み取りデータを受け取り、RAM103に一時保存し、RAM103から読み出される読み取りデータを出力画像データに変換する。また、ASIC104は、ネットワーク制御部117を介して、パーソナルコンピュータ等(以下端末装置)から送信される印刷データを受け取り、RAM103に一時保存し、RAM103から読み出される印刷データを出力画像データに変換する。
【0015】
プリンタI/F105は、ASIC104から出力される出力画像データを入力し、プリンタ部106へ出力する。プリンタ部106は、プリンタI/F105から出力される出力画像データに基づく画像を形成する。例えば、プリンタ部106は、ネットワーク制御部117を介して受け取った印刷データに対応する出力画像データに基づき、原本画像を形成する。また、プリンタ部106は、スキャナ部101を介して受け取った読み取りデータに対応する出力画像データに基づき、複写画像を形成する。
【0016】
コントロールパネル制御部108は、CPU110からの制御に基づき、コントロールパネル109を介した情報出力等を制御する。また、コントロールパネル制御部108は、コントロールパネル109からの入力情報を検出し、入力情報をCPU110へ通知する。コントロールパネル109は、表示部及び入力部を備え、表示部を介して各種情報を表示し、入力部を介して情報の入力を受け付ける。
【0017】
CPU110は、ROM111に記憶されたプログラムに基づき動作し、スキャナ部101による画像の読み取り、プリンタ部106による画像の形成等を制御する。RAM112は、CPU110の動作に伴い一時的にデータを記憶する。ROM113は、各部で使用される動作プログラム及びパラメータ等を記憶する。RAM114は、各部で使用される一時的なデータを記憶する。HDD115及びSSD116は、スキャナ部101から出力される読み取りデータ、及び端末装置から送信される印刷データを記憶する。
【0018】
ネットワーク制御部117は、ネットワークを介して、端末装置又はクラウドサーバ等の外部機器と接続し、印刷データを受信する。プリンタエンジン及び定着制御部118は、プリンタ部106による画像形成を制御し、また、定着部のヒータ等を制御する。カセット及び搬送制御部119は、複数のカセット120から所定のカセット120を選択し、選択したカセットに収納されたシートをプリンタ部106へ搬送し、プリンタ部106により画像が形成されたシートを排出部へ搬送する。複数のカセット120は、サイズ別にシートを収納する。
【0019】
原本記憶部121は、原本識別画像を登録する。原本識別画像の登録については後に詳しく説明する。原本判定部122は、スキャナ部101により読み取られた判定対象画像が原本画像であるか否かを判定する。
【0020】
上記したプリンタ部106は、画像形成部の少なくとも一部に対応し、識別画像を含む原本画像を形成する。スキャナ部101は、画像読取部の少なくとも一部に対応し、原本画像又は判定対象画像を読み取る。ASIC104は、検出部の少なくとも一部に対応し、原本画像の原本読み取りデータから原本識別画像を検出し、判定対象画像の判定対象読み取りデータから判定対象識別画像を検出する。原本記憶部121は、登録部の少なくとも一部に対応し、原本識別画像を登録する。原本判定部122は、判定部の少なくとも一部に対応し、原本識別画像と判定対象識別画像の比較に基づき、判定対象画像が原本画像であるか否かを判定する。コントロールパネル109は、出力部の少なくとも一部に対応し、判定結果を出力する。
【0021】
[原本画像と複写画像]
図2は、実施形態に係る原本画像の一例を示す図である。図3は、実施形態に係る複写画像の一を示す図である。
例えば、原本印刷の指示を受けたASIC104は、ネットワーク制御部117を介して印刷データを受け取り、原本を識別するための識別画像データを生成し、印刷データ及び識別画像データに基づき原本出力画像データを生成する。
【0022】
プリンタ部106は、原本出力画像データに基づき、複数色の識別画像を含む原本画像を印刷(形成)する。言い換えれば、印刷された原稿画像には複数色の識別画像が埋め込まれる。
【0023】
例えば、識別画像は、複数のパッチを含み、各パッチの色は、異なる色である。図2に示すように、原本画像200は、パッチ201、202、及び203を含む。パッチ201、202、203は、それぞれRGB(Red、Green、Blue)の成分を含む。本実施形態では、3つのパッチを含む識別画像について説明するが、識別画像は1以上のパッチを含めばよい。
【0024】
原本印刷の指示は、ネットワーク制御部117を介した端末装置からの指示でもよいし、コントロールパネル109からの指示でもよい。印刷データは、契約書又は仕様書等の原本フォームのデータであり、例えば、原本フォームは、識別画像の位置データを含む。ASIC104は、印刷データ、識別画像データ、及び識別画像の位置データに基づき原本出力画像データを生成する。プリンタ部106により印刷される原本画像は、位置データで指定される所定の位置に識別画像を含む。
【0025】
なお、ASIC104に替えてCPU110が、原本を識別するための識別画像データを生成してもよい。或いは、ASIC104又はCPU110が識別画像データを生成することに替えて、ネットワーク制御部117が識別画像データを受信するようにしてもよい。この場合、ASIC104は、受信した識別画像データに基づき、原本出力画像データを生成する。
【0026】
例えば、画像形成装置1とは別の画像形成装置(以下、他の複写機)が、図2に示す原本画像を複写すると、図3に示す複写画像が生成される。図3に示すように、複写画像300は、パッチ301、302、及び303を含む。
【0027】
目視では、図2に示す原本画像と図3に示す複写画像の相違判断が難しいことがあるが、画像形成装置1と他の複写機の個体差(特定の違い)により、図2に示す原本画像と図3に示す複写画像の色味に違いが生じる。本実施形態の画像形成装置1は、図3に示す複写画像を判定対象画像として取り込み、原稿画像ではないことを判定することができる。詳細は、以下に説明する。
【0028】
[原本画像登録]
図4は、実施形態に係る原本画像出力及び原本画像登録の一例を示すフローチャートである。
図4に示すように、原本印刷の指示を受けたASIC104は、ネットワーク制御部117を介して印刷データを受け取り、原本を識別するための識別画像データを生成し、印刷データ及び識別画像データに基づき原本出力画像データを生成する(ST101)。
【0029】
プリンタ部106は、原本出力画像データに基づき、識別画像を含む原本画像を印刷(形成)する(ST102)。例えば、識別画像は、パッチ201、202、及び203を含む。
【0030】
スキャナ部101は、原稿台又はADFにセットされた原本画像を読み取る(ST103)。ASIC104は、スキャナ部101から出力される読み取りデータから原本識別画像を検出し(ST104)、原本記憶部121は、原本識別画像を登録する(ST105)。
【0031】
例えば、ASIC104は、識別画像データに対応するテンプレートを保持し、テンプレートに基づき読み取りデータから原本識別画像を検出する。なお、ASIC104は、原本フォームに含まれる識別画像の位置データに基づき読み取りデータから原本識別画像を検出してもよい。位置データを利用することにより、原本識別画像の検出精度を高めることができる。
【0032】
図5は、実施形態に係る原本識別画像の登録データの一例を示す図である。
パッチ201、202、及び203は、それぞれRGBの成分を含む。図5に示すように、登録データは、パッチ201、202、及び203のRGBの値を含む。プリンタ部106の出力特性には個体差があり、また、スキャナ部101の入力特性にも個体差がある。登録データには、このような出力特性及び入力特性が反映される。
【0033】
[原本判定]
図6は、実施形態に係る原本判定の一例を示すフローチャートである。
図6に示すように、スキャナ部101は、原稿台又はADFにセットされた判定対象画像を読み取る(ST201)。ASIC104は、スキャナ部101から出力される読み取りデータから判定対象識別画像を検出する(ST202)。
【0034】
原本判定部122は、原本記憶部121に登録された原本識別画像と読み取りデータから検出された判定対象識別画像の比較に基づき、判定対象画像が原本画像であるか否かを判定する(ST203)。
【0035】
即ち、原本判定部122は、原本識別画像に含まれる複数のパッチの色と判定対象識別画像に含まれる複数のパッチの色の差分に基づき判定結果を生成する。例えば、原本判定部122は、スキャナ部101の読み取り性能に応じた許容範囲に基づき、差分を評価し判定結果を生成する。
【0036】
スキャナ部101の読み取り精度には、誤差が生じることがある。画像形成装置1の製造工程で、スキャナ部101の読み取り誤差に基づき、この誤差を許容する許容範囲が設定される。原本判定部122又はHDD115等は、許容範囲を記憶する。
【0037】
原本判定部122は、原本識別画像に含まれる複数のパッチの色と判定対象識別画像に含まれる複数のパッチの色の差分が許容範囲以内である場合は(ST204、YES)、判定対象画像を原本と判定し、原本であることを示す判定結果を生成する。
【0038】
コントロールパネル制御部108は、原本であることを示す判定結果に基づき、コントロールパネル109に判定結果を出力させる。図7は、実施形態に係るコントロールパネルの画面表示例を示す図である。コントロールパネル109は、原本であることを示す判定結果として、例えば、OKを表示する(ST205)。
【0039】
原本判定部122は、原本識別画像に含まれる複数のパッチの色と判定対象識別画像に含まれる複数のパッチの色の差分が許容範囲を超える場合は(ST204、NO)、判定対象画像を複写と判定し、複写であることを示す判定結果を生成する。
【0040】
コントロールパネル制御部108は、複写であることを示す判定結果に基づき、コントロールパネル109に判定結果を出力させる。コントロールパネル109は、複写であることを示す判定結果として、例えば、NGを表示する(ST206)。
【0041】
なお、コントロールパネル109は、原本識別画像に含まれる複数のパッチの色と判定対象識別画像に含まれる複数のパッチの色の差分の評価結果を表示してもよい。例えば、コントロールパネル109は、原本らしさを示す評価結果を数値又はイメージで表示してもよい。即ち、コントロールパネル109は、原本である確率90%又は20%のように表示してもよい。
【0042】
[複数原本画像の識別]
例えば、画像形成装置1は、共通の印刷画像データに基づき複数部数の原本画像を形成する場合、これら複数部数の原本画像それぞれの識別が可能となるよう、原本画像それぞれに異なる識別画像を含めるようにしてもよい。これにより、画像形成装置1が、同一の原本画像を複数部数作成した場合に、各原本画像を区別しつつ原本であるか、複写であるかを確認することができる。
【0043】
例えば、プリンタ部106は、印刷画像データ(例えばドキュメントA)に基づき第1の識別画像を含む第1の原本画像(原本番号001)及び第2の識別画像を含む第2の原本画像(原本番号002)を形成する。スキャナ部101は、原稿台又はADFにセットされた第1の原本画像を読み取り、第1の読み取りデータから第1の原本識別画像を検出し、原本記憶部121は、第1の原本識別画像(原本識別番号001)を登録する。さらに、スキャナ部101は、原稿台又はADFにセットされた第2の原本画像を読み取り、第2の読み取りデータから第2の原本識別画像を検出し、原本記憶部121は、第2の原本識別画像(原本識別番号002)を登録する。
【0044】
スキャナ部101は、原稿台又はADFにセットされた判定対象画像を読み取り、ASIC104は、スキャナ部101から出力される読み取りデータから判定対象識別画像を検出する。原本判定部122は、原本記憶部121に登録された第1の原本識別画像と読み取りデータから検出された判定対象識別画像の比較に基づき、差分が許容範囲以内である場合は、判定対象画像を第1の原本画像と判定し、第1の原本画像であることを示す判定結果を生成する。コントロールパネル109は、第1の原本画像であることを示す判定結果(原本番号001)を表示する。担当者は、コントロールパネル109を介して、原本番号001の原本画像であることを確認することができる。
【0045】
また、原本判定部122は、原本記憶部121に登録された第2の原本識別画像と読み取りデータから検出された判定対象識別画像の比較に基づき、差分が許容範囲以内である場合は、判定対象画像を第2の原本画像と判定し、第2の原本画像であることを示す判定結果を生成する。コントロールパネル109は、第2の原本画像であることを示す判定結果(原本番号002)を表示する。担当者は、コントロールパネル109を介して、原本番号002の原本画像であることを確認することができる。
【0046】
また、原本判定部122は、何れの比較においても、差分が許容範囲を超える場合は、複写画像と判定し、複写画像であることを示す判定結果を生成する。コントロールパネル109は、複写画像であることを示す判定結果を表示する。
【0047】
或いは、画像形成装置1は、複数の異なる印刷画像データに基づき複数の異なる原本画像を形成する場合、これら複数の異なる原本画像それぞれの識別が可能となるよう、これら複数の異なる原本画像それぞれに異なる識別画像を含めるようにしてもよい。これにより、画像形成装置1が、複数の異なる原本画像を作成した場合に、各原本画像を区別しつつ原本であるか、複写であるかを確認することができる。
【0048】
例えば、プリンタ部106は、第1の印刷画像データ(例えばドキュメントA)に基づき第1の識別画像を含む第1の原本画像(原本番号001)を形成し、第2の印刷画像データ(例えばドキュメントB)に基づき第2の識別画像を含む第2の原本画像(原本番号002)を形成する。スキャナ部101は、原稿台又はADFにセットされた第1の原本画像を読み取り、第1の読み取りデータから第1の原本識別画像を検出し、原本記憶部121は、第1の原本識別画像(原本識別番号001)を登録する。さらに、スキャナ部101は、原稿台又はADFにセットされた第2の原本画像を読み取り、第2の読み取りデータから第2の原本識別画像を検出し、原本記憶部121は、第2の原本識別画像(原本識別番号002)を登録する。
【0049】
スキャナ部101は、原稿台又はADFにセットされた判定対象画像を読み取り、ASIC104は、スキャナ部101から出力される読み取りデータから判定対象識別画像を検出する。原本判定部122は、原本記憶部121に登録された第1の原本識別画像と読み取りデータから検出された判定対象識別画像の比較に基づき、差分が許容範囲以内である場合は、判定対象画像を第1の原本画像と判定し、第1の原本画像であることを示す判定結果を生成する。コントロールパネル109は、第1の原本画像であることを示す判定結果(原本番号001)を表示する。担当者は、コントロールパネル109を介して、原本番号001の原本画像であることを確認することができる。
【0050】
また、原本判定部122は、原本記憶部121に登録された第2の原本識別画像と読み取りデータから検出された判定対象識別画像の比較に基づき、差分が許容範囲以内である場合は、判定対象画像を第2の原本画像と判定し、第2の原本画像であることを示す判定結果を生成する。コントロールパネル109は、第2の原本画像であることを示す判定結果(原本番号002)を表示する。担当者は、コントロールパネル109を介して、原本番号002の原本画像であることを確認することができる。
【0051】
また、原本判定部122は、何れの比較においても、差分が許容範囲を超える場合は、複写画像と判定し、複写画像であることを示す判定結果を生成する。コントロールパネル109は、複写画像であることを示す判定結果を表示する。
以上により、画像形成装置1は、原本画像それぞれの識別を可能にする。
【0052】
[識別情報の位置]
例えば、画像形成装置1は、原本画像上の指定された位置に識別情報を含めるようにしてもよい。印刷データを出力する端末装置は、契約書又は仕様書等の原本フォームを表示する。例えば、端末装置は、識別画像の位置が異なる複数の原本フォームを表示する。第1の原本フォームは、識別画像を第1の位置に配置する第1の位置データを含み、第2の原本フォームは、識別画像を第2の位置に配置する第2の位置データを含む。端末装置は、担当者により選択される第1又は第2の原本フォームの印刷データを含む原本印刷の指示を画像形成装置1へ送信する。
【0053】
画像形成装置1のプリンタ部106は、第1の原本フォームに基づき、第1の位置に識別画像を含む第1の原本画像を形成する。スキャナ部101は、原稿台又はADFにセットされた第1の原本画像を読み取り、第1の位置データに基づき、第1の読み取りデータから第1の原本識別画像を検出し、原本記憶部121は、第1の原本識別画像を登録する。
【0054】
同様に、プリンタ部106は、第2の原本フォームに基づき、第2の位置に識別画像を含む第2の原本画像を形成する。スキャナ部101は、原稿台又はADFにセットされた第2の原本画像を読み取り、第2の位置データに基づき、第2の読み取りデータから第2の原本識別画像を検出し、原本記憶部121は、第2の原本識別画像を登録する。
【0055】
スキャナ部101は、原稿台又はADFにセットされた判定対象画像を読み取り、ASIC104は、第1及び第2の位置データに基づき、スキャナ部101から出力される読み取りデータから判定対象識別画像を検出する。
【0056】
原本判定部122は、原本記憶部121に登録された第1の原本識別画像と読み取りデータから検出された判定対象識別画像の比較に基づき、差分が許容範囲以内である場合は、判定対象画像を第1の原本画像と判定し、第1の原本画像であることを示す判定結果を生成する。コントロールパネル109は、第1の原本画像であることを示す判定結果を表示する。
【0057】
また、原本判定部122は、原本記憶部121に登録された第2の原本識別画像と読み取りデータから検出された判定対象識別画像の比較に基づき、差分が許容範囲以内である場合は、判定対象画像を第2の原本画像と判定し、第2の原本画像であることを示す判定結果を生成する。コントロールパネル109は、第2の原本画像であることを示す判定結果を表示する。
画像形成装置1は、位置データを利用することにより、原本識別画像の検出精度を高め、より正確な原本判定を可能とする。
【0058】
上記の通り、画像形成装置1は、登録される原本識別画像と判定対象画像の判定対象読み取りデータから検出される判定対象識別画像の比較に基づき、判定対象画像が原本画像であるか否かを判定し、判定結果を出力する。画像形成装置1によれば、負担をかけずに対象印刷物の真贋判定を可能にすることができる。
【0059】
例えば、画像形成装置1は、ADFにセットされる複数の判定対象画像を取り込み、真贋判定結果を出力する。これにより、判定対象画像が多数の場合でも、担当者の目視確認に頼らずに済むので、担当者の負担を大幅に軽減することができる。例えば、原本判定部122は、判定対象画像が原本ではなく、複写であると判定した場合に、カセット及び搬送制御部119は、ADFにより取り込まれた判定対象画像を排出し、ADFによる判定対象画像の取り込みを一時停止する。また、コントロールパネル109は、複写であることを示す判定結果を表示する。担当者は、最後に排出された判定対象画像を複写原稿として区別することができる。
【0060】
なお、本実施形態に係る画像形成及び原本判定を担うASIC104、CPU110、及び原本判定部122を1又は複数のプロセッサで実現してもよい。また、1又は複数のプロセッサにより実行されるプログラムは、画像形成装置1等の電子機器に記憶された状態で譲渡されてよいし、電子機器に記憶されていない状態で譲渡されてもよい。後者の場合、プログラムは、ネットワークを介して譲渡されてよいし、記憶媒体に記憶された状態で譲渡されてもよい。記憶媒体は、非一時的な有形の媒体である。記憶媒体は、コンピュータ可読媒体である。記憶媒体は、光ディスク、メモリカード等のプログラムを記憶可能かつコンピュータで読取可能な媒体であればよく、その形態は問わない。電子機器は、ネットワークを介して譲渡(提供)されるプログラムをダウンロードしてメモリにインストールする、又は記憶媒体からプログラムを読み取りメモリにインストールする。
【0061】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0062】
1…画像形成装置
101…スキャナ部
102…スキャナI/F
103…RAM
104…ASIC
105…プリンタI/F
106…プリンタ部
107…通信路
109…コントロールパネル
110…CPU
111…ROM
112…RAM
113…ROM
114…RAM
115…HDD
116…SSD
117…ネットワーク制御部
118…プリンタエンジン及び定着制御部
119…カセット及び搬送制御部
120…カセット
121…原本記憶部
122…原本判定部
200…原本画像
201、202、203…パッチ
300…複写画像
301、302、303…パッチ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7