(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024098793
(43)【公開日】2024-07-24
(54)【発明の名称】梱包ユニット及び梱包方法
(51)【国際特許分類】
B65D 85/68 20060101AFI20240717BHJP
B65D 61/00 20060101ALI20240717BHJP
【FI】
B65D85/68 W
B65D61/00 J
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023002507
(22)【出願日】2023-01-11
(71)【出願人】
【識別番号】596006536
【氏名又は名称】カネカフォームプラスチックス株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000000941
【氏名又は名称】株式会社カネカ
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】蜂須 和則
(72)【発明者】
【氏名】中道 幹芳
【テーマコード(参考)】
3E037
3E085
【Fターム(参考)】
3E037AA20
3E037BA01
3E037BA07
3E037BB05
3E037CA04
3E085AB03
3E085AC05
3E085AD02
3E085AD06
(57)【要約】
【課題】梱包ユニットを製造するために必要な金型の種類を減らすこと。
【解決手段】第1分割梱包材(32)は、第1梱包材(20)と同じ部材を厚み方向に沿って分割した2つの部材のうちの1つの部材であって、複数の第1保持凹部(22)を有している。第1分割蓋体(34)は、第1梱包材(20)と同じ部材を厚み方向に沿って分割した2つの部材のうちのもう1つの部材である。第2分割梱包材(50)は、第2梱包材(36)と同じ部材を厚み方向に沿って分割した2つの部材のうちの1つの部材であって、複数の第2保持凹部(38)を有している。第2分割蓋体(52)は、第2梱包材(36)と同じ部材を厚み方向に沿って分割した2つの部材のうちのもう1つの部材である。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定方向に配列した複数の被梱包物を複数段に積載した状態で梱包するための梱包ユニットであって、
前記所定方向に延びており、被梱包物を保持する複数の保持凹部が前記所定方向に間隔を置いて形成された1段又は複数段の梱包材と、
前記梱包材と同じ部材を厚み方向に沿って分割した2つの部材のうちの1つの部材であって、最下段の前記梱包材の下側に配置され、前記複数の保持凹部を有した分割梱包材と、
前記2つの部材のうちのもう1つの部材であって、最上段の前記梱包材の上側に配置された分割蓋体と、を備える、梱包ユニット。
【請求項2】
前記梱包材の前記所定方向の各端面に、前記梱包材を運搬台に対して前記所定方向に位置決めするための位置決め凸部が形成され、前記分割梱包材と前記分割蓋体とは、前記梱包材と同じ部材を2つの前記位置決め凸部の位置を基準として分割されたものである、請求項1に記載の梱包ユニット。
【請求項3】
前記梱包材の前記所定方向の各端面における前記所定方向に直交する方向の端部に凹段部が形成され、前記分割梱包材は、前記凹段部を有し、
前記分割梱包材の前記凹段部に嵌合され、前記分割梱包材を運搬台に対して前記所定方向に直交する方向に位置決めするためのスペーサを更に備える、請求項1に記載の梱包ユニット。
【請求項4】
前記梱包材の上縁に係合凸部又は係合凹部のうちの一方が形成されると共に、前記梱包材の下縁に前記係合凸部又は前記係合凹部のうちの他方が形成され、
前記分割梱包材は、前記係合凸部又は前記係合凹部のうちの一方を有し、前記分割蓋体は、前記係合凸部又は前記係合凹部のうちの他方を有し、
前記分割梱包材における前記係合凸部又は前記係合凹部のうちの一方は、最下段の前記梱包材の下縁における前記係合凸部又は前記係合凹部のうちの他方に係合するように構成され、最上段の前記梱包材の上縁における前記係合凸部又は前記係合凹部のうちの一方は、前記分割蓋体における前記係合凸部又は前記係合凹部のうちの他方に係合するように構成されている、請求項1に記載の梱包ユニット。
【請求項5】
前記梱包材は、ポリスチン系樹脂発泡体又はポリオレフィン系樹脂発泡体から構成されている、請求項1から4のいずれか1項に記載の梱包ユニット。
【請求項6】
所定方向に配列した複数の被梱包物を複数段に積載した状態で梱包するための梱包ユニットであって、
前記所定方向に延びており、被梱包物の一端側を保持する複数の第1保持凹部が前記所定方向に間隔を置いて形成された1段又は複数段の第1梱包材と、
前記第1梱包材と同じ部材を厚み方向に沿って分割した2つの部材のうちの1つの部材であって、最下段の前記第1梱包材の下側に配置され、前記複数の第1保持凹部を有した第1分割梱包材と、
前記第1梱包材と同じ部材を厚み方向に沿って分割した2つの部材のうちのもう1つの部材であって、最上段の前記第1梱包材の上側に配置された第1分割蓋体と、
前記所定方向に直交する方向に1段又は複数段の前記第1梱包材と対向して配置され、前記所定方向に延びており、被梱包物の他端側を保持する複数の第2保持凹部が前記所定方向に間隔を置いて形成された1段又は複数段の第2梱包材と、
前記第2梱包材と同じ部材を厚み方向に沿って分割した2つの部材のうちの1つの部材であって、最下段の前記第2梱包材の下側に配置され、前記複数の第2保持凹部を有した第2分割梱包材と、
前記第2梱包材と同じ部材を厚み方向に沿って分割した2つの部材のうちのもう1つの部材であって、最上段の前記第2梱包材の上側に配置された第2分割蓋体と、を備える梱包ユニット。
【請求項7】
前記第1梱包材の前記所定方向の各端面に、前記第1梱包材を運搬台に対して前記所定方向に位置決めするための第1位置決め凸部が形成され、前記第1分割梱包材と前記第1分割蓋体とは、前記第1梱包材と同じ部材を2つの前記第1位置決め凸部の位置を基準として分割されたものであり、
前記第2梱包材における前記所定方向の各端面に、前記第2梱包材を運搬台に対して前記所定方向に位置決めするための第2位置決め凸部が形成され、前記第2分割梱包材と前記第2分割蓋体とは、前記第2梱包材と同じ部材を2つの前記第2位置決め凸部の位置を基準として分割されたものである、請求項6に記載の梱包ユニット。
【請求項8】
前記第1梱包材の前記所定方向の各端面における前記直交する方向の端部に第1凹段部が形成され、前記第1分割梱包材は、前記第1凹段部を有し、
前記第2梱包材の前記所定方向の各端面における前記直交する方向の端部に第2凹段部が形成され、前記第2分割梱包材は、前記第2凹段部を有し、
一端部が前記第1分割梱包材の前記第1凹段部又は前記第2分割梱包材の前記第2凹段部に嵌合され、前記第1分割梱包材又は前記第2分割梱包材を運搬台に対して前記所定方向に直交する方向に位置決めするためのスペーサと、
一端部が前記第1分割梱包材の前記第1凹段部に嵌合され、他端部が前記第2分割梱包材の前記第2凹段部に嵌合され、前記第1分割梱包材と前記第2分割梱包材との間隔を設定するための中間スペーサと、を更に備える、請求項6に記載の梱包ユニット。
【請求項9】
前記第1梱包材の上縁に第1係合凸部又は第1係合凹部のうちの一方が形成されると共に、前記第1梱包材の下縁に前記第1係合凸部又は前記第1係合凹部のうちの他方が形成され、
前記第1分割梱包材は、前記第1係合凸部又は前記第1係合凹部のうちの一方を有し、前記第1分割蓋体は、前記第1係合凸部又は前記第1係合凹部のうちの他方を有し、
前記第1分割梱包材における前記第1係合凸部又は前記第1係合凹部のうちの一方は、最下段の前記第1梱包材の下縁における前記第1係合凸部又は前記第1係合凹部のうちの他方に係合するように構成され、最上段の前記第1梱包材の上縁における前記第1係合凸部又は前記第1係合凹部のうちの一方は、前記第1分割蓋体における前記第1係合凸部又は前記第1係合凹部のうちの他方に係合するように構成されており、
前記第2梱包材の上縁に第2係合凸部又は第2係合凹部のうちの一方が形成されると共に、前記第2梱包材の下縁に前記第2係合凸部又は前記第2係合凹部のうちの他方が形成され、
前記第2分割梱包材は、前記第2係合凸部又は前記第2係合凹部のうちの一方を有し、前記第2分割蓋体は、前記第2係合凸部又は前記第2係合凹部のうちの他方を有し、
前記第2分割梱包材における前記第2係合凸部又は前記第2係合凹部のうちの一方は、最下段の前記第2梱包材の下縁における前記第2係合凸部又は前記第2係合凹部のうちの他方に係合するように構成され、最上段の前記第2梱包材の上縁における前記第2係合凸部又は前記第2係合凹部のうちの一方は、前記第2分割蓋体における前記第2係合凸部又は前記第2係合凹部のうちの他方に係合するように構成されている、請求項6に記載の梱包ユニット。
【請求項10】
前記梱包ユニットを2組備え、2組の前記梱包ユニットが運搬台に前記所定方向に直交する方向に隣接した状態で設置されている、請求項6に記載の梱包ユニット。
【請求項11】
前記梱包ユニットを2組備え、2組の前記梱包ユニットが運搬台に前記所定方向に直交する方向に隣接した状態で設置されており、
1組目の前記梱包ユニットにおける前記スペーサの端部が前記第1分割梱包材の前記第1凹段部に嵌合され、2組目の前記梱包ユニットにおける前記スペーサの端部が前記第2分割梱包材の前記第2凹段部に嵌合されている、請求項8に記載の梱包ユニット。
【請求項12】
前記第1梱包材及び前記第2梱包材は、それぞれ、ポリスチレン系樹脂発泡体又はポリオレフィン系樹脂発泡体から構成されている、請求項6から11のいずれか1項に記載の梱包ユニット。
【請求項13】
請求項1に記載の梱包ユニットを用いて、所定方向に配列した複数の被梱包物を複数段に積載した状態で梱包するための梱包方法であって、
運搬台に前記分割梱包材を設置する第1設置工程と、
前記第1設置工程の修了後に、前記分割梱包材の複数の前記保持凹部に被梱包物をそれぞれ保持させる第1保持工程と、
前記第1保持工程の修了後に、前記分割梱包材の上側に前記梱包材を段積みし、前記梱包材の複数の前記保持凹部に被梱包物をそれぞれ保持させる第2保持工程と、
前記第2保持工程の修了後に、前記梱包材の上側に前記分割蓋体を設置する第2設置工程と、を含む、梱包方法。
【請求項14】
請求項6に記載の梱包ユニットを用いて、所定方向に配列した複数の被梱包物を複数段に積載した状態で梱包するための梱包方法であって、
運搬台に前記第1分割梱包材及び前記第2分割梱包材を前記所定方向に直交する方向に離隔して設置する第1設置工程と、
前記第1設置工程の修了後に、前記第1分割梱包材の複数の前記第1保持凹部に被梱包物の一端部をそれぞれ保持させる共に、前記第2分割梱包材の複数の前記第2保持凹部に被梱包物の他端部をそれぞれ保持させる第1保持工程と、
前記第1保持工程の修了後に、前記第1分割梱包材の上側に前記第1梱包材を段積みしかつ前記第2分割梱包材の上側に前記第2梱包材を段積みし、前記第1梱包材の複数の前記第1保持凹部に被梱包物の一端部をそれぞれ保持させると共に、前記第2梱包材の複数の前記第2保持凹部に被梱包物の他端部をそれぞれ保持させる第2保持工程と、
前記第2保持工程の修了後に、前記第1梱包材の上側に前記第1分割蓋体を設置しかつ前記第2梱包材の上側に前記第2分割蓋体を設置する第2設置工程と、を含む、梱包方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定方向に配列した複数の被梱包物を複数段に積載した状態で梱包するための梱包ユニット及び梱包方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、自動車には形状やサイズの異なる複数の自動車部品が使用されている。複数の自動車部品は、複数段に積載した状態で梱包され、自動車部品の製造工場から自動車の組立工場へ搬送される。複数の被梱包物としての複数の自動車部品を複数段に積載した状態で梱包するための梱包ユニットが用いられ、梱包ユニットの先行技術として特許文献1に示すものがある。
【0003】
特許文献1に記載の梱包ユニットは、複数段に積載されかつ樹脂発泡体からなる第1梱包材と、最上段の第1梱包材の上側に配置されかつ樹脂発泡体からなる第1蓋体とを備えている。各第1梱包材は、所定方向に延びており、各第1梱包材には、被梱包物としての自動車部品の一端部を保持する複数の第1保持凹部が所定方向に間隔を置いて形成されている。また、特許文献1に記載の梱包ユニットは、複数段に積載されかつ樹脂発泡体からなる第2梱包材と、最上段の第2梱包材の上側に配置されかつ樹脂発泡体からなる第2蓋体とを備えている。各第2梱包材は、所定方向に延びており、各第2梱包材には、被梱包物としての自動車部品の他端部を保持する複数の第2保持凹部が所定方向に間隔を置いて形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、第1梱包材と第1蓋体は形状が異なるため、第1梱包材及び第1蓋体をそれぞれ成型するための複数種の金型が必要になる。また、被梱包物が左右非対称な長尺物である場合には、第1梱包材と第2梱包材の形状が異なり、第1蓋体と第2蓋体の形状が異なるため、第1梱包材、第1蓋体、第2梱包材、及び第2蓋体をそれぞれ成型するための複数種の金型が必要になる。つまり、梱包ユニットを製造するため必要な金型の種類が増えて、梱包ユニットの製造コストが高くなるという問題がある。
【0006】
そこで、本発明の一態様は、梱包ユニットを製造するために必要な金型の種類を減らして、梱包ユニットの製造コストの低減を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前述の課題を解決するため、本発明の一態様は、以下の通りである。
【0008】
〔1〕所定方向に配列した複数の被梱包物を複数段に積載した状態で梱包するための梱包ユニットであって、前記所定方向に延びており、被梱包物を保持する複数の保持凹部が前記所定方向に間隔を置いて形成された1段又は複数段の梱包材と、前記梱包材と同じ部材を厚み方向に沿って分割した2つの部材のうちの1つの部材であって、最下段の前記梱包材の下側に配置され、前記複数の保持凹部を有した分割梱包材と、前記2つの部材のうちのもう1つの部材であって、最上段の前記梱包材の上側に配置された分割蓋体と、を備える、梱包ユニット。
【0009】
〔2〕前記梱包材の前記所定方向の各端面に、前記梱包材を運搬台に対して前記所定方向に位置決めするための位置決め凸部がそれぞれ形成され、前記分割梱包材と前記分割蓋体とは、前記梱包材と同じ部材を2つの前記位置決め凸部の位置を基準として分割されたものである、〔1〕の梱包ユニット。
【0010】
〔3〕前記梱包材の前記所定方向の各端面における前記所定方向に直交する方向の端部に凹段部が形成され、前記分割梱包材は、前記凹段部を有し、前記分割梱包材の前記凹段部に嵌合され、前記分割梱包材を運搬台に対して前記所定方向に直交する方向に位置決めするためのスペーサを更に備える、〔1〕又は〔2〕の梱包ユニット。
【0011】
〔4〕前記梱包材の上縁に係合凸部又は係合凹部のうちの一方が形成されると共に、前記梱包材の下縁に前記係合凸部又は前記係合凹部のうちの他方が形成され、前記分割梱包材は、前記係合凸部又は前記係合凹部のうちの一方を有し、前記分割蓋体は、前記係合凸部又は前記係合凹部のうちの他方を有し、前記分割梱包材における前記係合凸部又は前記係合凹部のうちの一方は、最下段の前記梱包材の下縁における前記係合凸部又は前記係合凹部のうちの他方に係合するように構成され、最上段の前記梱包材の上縁における前記係合凸部又は前記係合凹部のうちの一方は、前記分割蓋体における前記係合凸部又は前記係合凹部のうちの他方に係合するように構成されている、〔1〕から〔3〕のいずれかの梱包ユニット。
【0012】
〔5〕前記梱包材は、ポリスチレン系樹脂発泡体又はポリオレフィン系樹脂発泡体から構成されている、〔1〕から〔4〕のいずれかの梱包ユニット。
【0013】
〔6〕所定方向に配列した複数の被梱包物を複数段に積載した状態で梱包するための梱包ユニットであって、前記所定方向に延びており、被梱包物の一端側を保持する複数の第1保持凹部が前記所定方向に間隔を置いて形成された1段又は複数段の第1梱包材と、前記第1梱包材と同じ部材を厚み方向に沿って分割した2つの部材のうちの1つの部材であって、最下段の前記第1梱包材の下側に配置され、前記複数の第1保持凹部を有した第1分割梱包材と、前記第1梱包材と同じ部材を厚み方向に沿って分割した2つの部材のうちのもう1つの部材であって、最上段の前記第1梱包材の上側に配置された第1分割蓋体と、前記所定方向に直交する方向に1段又は複数段の前記第1梱包材と対向して配置され、前記所定方向に延びており、被梱包物の他端側を保持する複数の第2保持凹部が前記所定方向に間隔を置いて形成された1段又は複数段の第2梱包材と、前記第2梱包材と同じ部材を厚み方向に沿って分割した2つの部材のうちの1つの部材であって、最下段の前記第2梱包材の下側に配置され、前記複数の第2保持凹部を有した第2分割梱包材と、前記第2梱包材と同じ部材を厚み方向に沿って分割した2つの部材のうちのもう1つの部材であって、最上段の前記第2梱包材の上側に配置された第2分割蓋体と、を備える梱包ユニット。
【0014】
〔7〕前記第1梱包材の前記所定方向の各端面に、前記第1梱包材を運搬台に対して前記所定方向に位置決めするための第1位置決め凸部が形成され、前記第1分割梱包材と前記第1分割蓋体とは、前記第1梱包材と同じ部材を2つの前記第1位置決め凸部の位置を基準として分割されたものであり、前記第2梱包材における前記所定方向の各端面に、前記第2梱包材を運搬台に対して前記所定方向に位置決めするための第2位置決め凸部が形成され、前記第2分割梱包材と前記第2分割蓋体とは、前記第2梱包材と同じ部材を2つの前記第2位置決め凸部の位置を基準として分割されたものである、〔6〕に記載の梱包ユニット。
【0015】
〔8〕前記第1梱包材の前記所定方向の各端面における前記直交する方向の端部に第1凹段部が形成され、前記第1分割梱包材は、前記第1凹段部を有し、前記第2梱包材の前記所定方向の各端面における前記直交する方向の端部に第2凹段部が形成され、前記第2分割梱包材は、前記第2凹段部を有し、一端部が前記第1分割梱包材の前記第1凹段部又は前記第2分割梱包材の前記第2凹段部に嵌合され、前記第1分割梱包材又は前記第2分割梱包材を運搬台に対して前記所定方向に直交する方向に位置決めするためのスペーサと、一端部が前記第1分割梱包材の前記第1凹段部に嵌合され、他端部が前記第2分割梱包材の前記第2凹段部に嵌合され、前記第1分割梱包材と前記第2分割梱包材との間隔を設定するための中間スペーサと、を更に備える、〔6〕又は〔7〕の梱包ユニット。
【0016】
〔9〕前記第1梱包材の上縁に第1係合凸部又は第1係合凹部のうちの一方が形成されると共に、前記第1梱包材の下縁に前記第1係合凸部又は前記第1係合凹部のうちの他方が形成され、前記第1分割梱包材は、前記第1係合凸部又は前記第1係合凹部のうちの一方を有し、前記第1分割蓋体は、前記第1係合凸部又は前記第1係合凹部のうちの他方を有し、前記第1分割梱包材における前記第1係合凸部又は前記第1係合凹部のうちの一方は、最下段の前記第1梱包材の下縁における前記第1係合凸部又は前記第1係合凹部のうちの他方に係合するように構成され、最上段の前記第1梱包材の上縁における前記第1係合凸部又は前記第1係合凹部のうちの一方は、前記第1分割蓋体における前記第1係合凸部又は前記第1係合凹部のうちの他方に係合するように構成されており、前記第2梱包材の上縁に第2係合凸部又は第2係合凹部のうちの一方が形成されると共に、前記第2梱包材の下縁に前記第2係合凸部又は前記第2係合凹部のうちの他方が形成され、前記第2分割梱包材は、前記第2係合凸部又は前記第2係合凹部のうちの一方を有し、前記第2分割蓋体は、前記第2係合凸部又は前記第2係合凹部のうちの他方を有し、前記第2分割梱包材における前記第2係合凸部又は前記第2係合凹部のうちの一方は、最下段の前記第2梱包材の下縁における前記第2係合凸部又は前記第2係合凹部のうちの他方に係合するように構成され、最上段の前記第2梱包材の上縁における前記第2係合凸部又は前記第2係合凹部のうちの一方は、前記第2分割蓋体における前記第2係合凸部又は前記第2係合凹部のうちの他方に係合するように構成されている、〔6〕から〔8〕のいずれかの梱包ユニット。
【0017】
〔10〕前記梱包ユニットを2組備え、2組の前記梱包ユニットが運搬台に前記所定方向に直交する方向に隣接した状態で設置されている、〔6〕から〔9〕のいずれかの梱包ユニット。
【0018】
〔11〕前記梱包ユニットを2組備え、2組の前記梱包ユニットが運搬台に前記所定方向に直交する方向に隣接した状態で設置されており、1組目の前記梱包ユニットにおける前記スペーサの端部が前記第1分割梱包材の前記第1凹段部に嵌合され、2組目の前記梱包ユニットにおける前記スペーサの端部が前記第2分割梱包材の前記第2凹段部に嵌合されている、〔8〕の梱包ユニット。
【0019】
〔12〕前記第1梱包材及び前記第2梱包材は、それぞれ、ポリスチレン系樹脂発泡体又はポリオレフィン系樹脂発泡体から構成されている、〔6〕から〔11〕のいずれかの梱包ユニット。
【0020】
〔13〕〔1〕の梱包ユニットを用いて、所定方向に配列した複数の被梱包物を複数段に積載した状態で梱包するための梱包方法であって、運搬台に前記分割梱包材を設置する第1設置工程と、前記第1設置工程の修了後に、前記分割梱包材の複数の前記保持凹部に被梱包物をそれぞれ保持させる第1保持工程と、前記第1保持工程の修了後に、前記分割梱包材の上側に前記梱包材を段積みし、前記梱包材の複数の前記保持凹部に被梱包物をそれぞれ保持させる第2保持工程と、前記第2保持工程の修了後に、前記梱包材の上側に前記分割蓋体を設置する第2設置工程と、を含む、梱包方法。
〔14〕〔6〕の梱包ユニットを用いて、所定方向に配列した複数の被梱包物を複数段に積載した状態で梱包するための梱包方法であって、運搬台に前記第1分割梱包材及び前記第2分割梱包材を前記所定方向に直交する方向に離隔して設置する第1設置工程と、前記第1設置工程の修了後に、前記第1分割梱包材の複数の前記第1保持凹部に被梱包物の一端部をそれぞれ保持させる共に、前記第2分割梱包材の複数の前記第2保持凹部に被梱包物の他端部をそれぞれ保持させる第1保持工程と、前記第1保持工程の修了後に、前記第1分割梱包材の上側に前記第1梱包材を段積みしかつ前記第2分割梱包材の上側に前記第2梱包材を段積みし、前記第1梱包材の複数の前記第1保持凹部に被梱包物の一端部をそれぞれ保持させると共に、前記第2梱包材の複数の前記第2保持凹部に被梱包物の他端部をそれぞれ保持させる第2保持工程と、前記第2保持工程の修了後に、前記第1梱包材の上側に前記第1分割蓋体を設置しかつ前記第2梱包材の上側に前記第2分割蓋体を設置する第2設置工程と、を含む、梱包方法。
【発明の効果】
【0021】
本発明の一態様によれば、梱包ユニットを製造するために必要な金型の種類を減らして、梱包ユニットの製造コストの低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本実施形態に係る2組の梱包ユニットの模式的な斜視図である。
【
図2】本実施形態に係る2組の梱包ユニットの模式的な正面図である。
【
図3】本実施形態に係る2組の梱包ユニットの模式的な平面図である。
【
図4】本実施形態に係る2組の梱包ユニットの模式的な側面図である。
【
図5】本実施形態に係る2組の梱包ユニットの模式的な斜視図である。
【
図6】本実施形態に係る1組目の梱包ユニットの左側部分の模式的な斜視図である。
【
図7】本実施形態に係る1組目の梱包ユニットの右側部分の模式的な斜視図である。
【
図8】本実施形態に係る2組目の梱包ユニットの左側部分の模式的な斜視図である。
【
図9】本実施形態に係る2組目の梱包ユニットの右側部分の模式的な斜視図である。
【
図10】本実施形態に係る梱包方法における第1保持工程を説明する模式的な斜視図である。
【
図11】本実施形態に係る梱包方法における第2保持工程を説明する模式的な斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。図面に記載した通り、第1梱包材及び第2梱包材の長手方向である水平方向をY方向と称する。第1梱包材及び第2梱包材の長手方向に直交する方向(短手方向)である水方向をX方向と称する。X方向及びY方向に直交する方向である上下方向をZ方向と称する。Z方向の一方側を上側、Z軸方向の他方側を下側とそれぞれ称する。X方向の一方側を左側、X方向の他方側を右側とそれぞれ称する。
【0024】
〔梱包ユニット10(10A,10B)〕
図1から
図9を参照して、本実施形態に係る梱包ユニット10(10A,10B)の構成について説明する。
図1は、本実施形態に係る2組の梱包ユニット10(10A,10B)の模式的な斜視図である。
図2は、本実施形態に係る2組の梱包ユニット10(10A,10B)の模式的な正面図である。
図3は、本実施形態に係る2組の梱包ユニット10(10A,10B)の模式的な平面図である。
図4は、本実施形態に係る2組目の梱包ユニット10(10B)の模式的な側面図である。
図5は、本実施形態に係る運搬台車14,被梱包物Pを除いた2組の梱包ユニット10(10A,10B)の模式的な斜視図である。
図6は、本実施形態に係る1組目の梱包ユニット10(10A)の左側部分の模式的な斜視図である。
図7は、本実施形態に係る1組目の梱包ユニット10(10A)の右側部分の模式的な斜視図である。
図8は、本実施形態に係る2組目の梱包ユニット10(10B)の左側部分の模式的な斜視図である。
図9は、本実施形態に係る2組目の梱包ユニット10(10B)の右側部分の模試的な斜視図である。
【0025】
(梱包ユニット10(10A,10B)の概要)
図1から
図4に示ように、本実施形態に係る梱包ユニット10(10A,10B)は、所定方向であるY方向に配列した複数の被梱包物Pを複数段に積載した状態で梱包するためのユニットである。本実施形態においては、2組の梱包ユニット10(10A,10B)は、運搬台12に所定方向に直交する方向であるX方向に隣接した状態で設置されている。運搬台12は、矩形状の運搬台本体14と、運搬台本体14の4つの角部にそれぞれ立設された支柱16と、X方向又はY方向に隣接する支柱16を連結する棒状の複数の連結部材18と備えている。運搬台12は、運搬台本体14の下面に設けられた複数のキャスター(不図示)を備えてもよい。なお、運搬台12に設置される梱包ユニット10の組数は、2組に限られるものでなく、1組又は3組以上であってもよい。本実施形態においては、梱包ユニット10(10A,10B)の梱包対象としての被梱包物Pは、例えばステアリング部品といった長尺状の自動車部品であるが、自動車部品に限るものでなく、長尺状の部品又は物体に限るものでない。
【0026】
(第1梱包材20、第1保持凹部22)
図5、
図6、及び
図8に示すように、各組の梱包ユニット10(10A,10B)は、所定方向であるY方向に延びた長尺ブロック状の1段の第1梱包材20を備えている。各第1梱包材20の上部には、被梱包物P(
図1及び
図2参照)の一端側を下方向から保持する複数の第1保持凹部22がY方向に間隔を置いて形成されている(
図11参照)。複数の第1保持凹部22は、Y方向に等間隔に配置されている。1組目の梱包ユニット10(A)における第1梱包材20の複数の第1保持凹部22の配置位置と、2組目の梱包ユニット10(B)における第1梱包材20の複数の第1保持凹部22の配置位置は、Y方向にずれている。各組の梱包ユニット10(10A,10B)が1段の第1梱包材20を備える場合には、1段の第1梱包材20は、最上段の第1梱包材20に相当し、かつ最下段の第1梱包材20に相当する。各組の梱包ユニット10(10A,10B)は、1段の第1梱包材20を備えているが、複数段の第1梱包材20を備えてもよい。
【0027】
(第1位置決め凸部24、第1凹段部26)
図2、
図3、
図5、
図6、及び
図8示すように、各組の梱包ユニット10(10A,10B)において、各第1梱包材20のY方向の各端面(短辺側の各端面)には、各第1梱包材20を運搬台12の連結部材18に対してY方向に位置決めするための第1位置決め凸部24がY方向に突出して形成されている。各第1梱包材20の第1位置決め凸部24は、X方向に延びた連結部材18に当接可能である。また、各第1梱包材20のY方向の各端面におけるX方向の両端部又は一端部には、溝状の第1凹段部26が上下方向に沿って形成されており、各第1凹段部26は、第1位置決め凸部24の上側に配置されている。
【0028】
(第1係合凸部28、第1係合凹部30)
図2、
図3、
図5、
図6、及び
図8に示すように、各組の梱包ユニット10(10A,10B)において、各第1梱包材20のY方向の各端面の上縁には、第1係合凸部28が上方向に突出して形成されている。各第1梱包材20のY方向の各端面の下縁には、第1係合凹部30が上方向に窪んで形成されており、各第1係合凹部30は、各第1係合凸部28の真下に配置されている。なお、各第1係合凸部28が各第1梱包材20のY方向の各端面の下縁に形成され、各第1係合凹部30が各第1梱包材20のY方向の各端面の上縁に形成されてもよい。この場合には、各第1係合凸部28は、各第1係合凹部30の直下に配置される。
【0029】
(第1分割梱包材32、第1分割蓋体34)
図5、
図6、及び
図8に示すように、各組の梱包ユニット10(10A,10B)は、Y方向に延びた第1分割梱包材32を備えている。各第1分割梱包材32は、第1梱包材20と同じ部材を厚み方向に沿って分割した2つの部材のうちの1つの部材であって、最下段の第1梱包材20に相当する1段の第1梱包材20の下側に配置されている。各第1分割梱包材32は、複数の第1保持凹部22、2つの第1位置決め凸部24、2つ又は4つの第1凹段部26、及び2つの第1係合凸部28を有している。
【0030】
各組の梱包ユニット10(10A,10B)は、Y方向に延びた第1分割蓋体34を備えている。各第1分割蓋体34は、第1梱包材20と同じ部材を第1位置決め凸部24の下面の位置を基準として厚み方向に沿って分割した2つの部材のうちのもう1つの部材であって、最上段の第1梱包材20に相当する1段の第1梱包材20の上側に配置されている。第1分割梱包材32と第1分割蓋体34とは、2つの第1位置決め凸部24の下面の位置を基準として分割されたものである。各第1分割蓋体34は、2つの第1係合凹部30を有している。
【0031】
(第1梱包材20と第1分割梱包材32と第1分割蓋体34との係合関係)
図2及び
図5に示すように、各組の梱包ユニット10(10A,10B)において、第1分割梱包材32の第1係合凸部28は、最下段の第1梱包材20に相当する1段の第1梱包材20の第1係合凹部30に係合するように構成されている。最上段の第1梱包材20に相当する1段の第1梱包材20の各第1係合凸部28は、第1分割蓋体34の第1係合凹部30に係合するように構成されている。各組の梱包ユニット10(10A,10B)が複数段の第1梱包材20を備える場合には、下段側の第1梱包材20の第1係合凸部28は、上段側の第1梱包材20の第1係合凹部30に係合するように構成されている。なお、各第1係合凸部28が各第1梱包材20のY方向の端面の下縁に形成されかつ各第1係合凹部30が各第1梱包材20のY方向の端面の上縁に形成された場合にも、同様の係合関係が成立する。
【0032】
(第2梱包材36、第2保持凹部38)
図5、
図7、及び
図9に示すように、各組の梱包ユニット10(10A,10B)は、所定方向であるY方向に延びた長尺ブロック状の1段の第2梱包材36を備えている。第1段の第2梱包材36は、X方向に第1段の第1梱包材20に対向して配置されている。各第2梱包材36の上部には、被梱包物P(
図1及び
図2参照)の他端側を下方向から保持する複数の第2保持凹部38がY方向に間隔を置いて形成されている(
図11参照)。複数の第2保持凹部38は、Y方向に等間隔に配置されている。1組目の梱包ユニット10(A)における第2梱包材36の複数の第2保持凹部38の配置位置と、2組目の梱包ユニット10(B)における第2梱包材36の複数の第2保持凹部38の配置位置は、Y方向にずれている。各組の梱包ユニット10(10A,10B)が1段の第2梱包材36を備える場合には、1段の第2梱包材36は、最上段の第2梱包材36に相当し、かつ最下段の第2梱包材36に相当する。各組の梱包ユニット10(10A,10B)は、1段の第2梱包材36を備えているが、複数段の第2梱包材36を備えてもよい。
【0033】
(第2位置決め凸部40、第2凹段部42、切欠部44)
図2、
図3、
図5、
図7、及び
図9に示すように、各組の梱包ユニット10(10A,10B)において、各第2梱包材36のY方向の各端面(短辺側の各端面)には、各第2梱包材36を運搬台12の連結部材18に対してY方向に位置決めするための第2位置決め凸部40がY方向に突出して形成されている。各第2梱包材36の第2位置決め凸部40は、X方向に延びた連結部材18に当接可能である。また、各第2梱包材36のY方向の各端面におけるX方向の両端部又は一端部には、溝状の第2凹段部42が上下方向に沿って形成されており、各第2凹段部42は、第2位置決め凸部40の上側に配置されている。各第2梱包材36の下部には、被梱包物Pとの干渉を回避するための複数の切欠部44がY方向に間隔を置いて形成されている。
【0034】
(第2係合凸部46、第2係合凹部48)
図2、
図3、
図5、
図7、及び
図9に示すように、各組の梱包ユニット10(10A,10B)において、各第2梱包材36のY方向の各端面の上縁には、第2係合凸部46が上方向に突出して形成されている。各第2梱包材36のY方向の各端面の下縁には、第2係合凹部48が上方向に窪んで形成されており、各第2係合凹部48は、各第2係合凸部46の真下に配置されている。なお、各第2係合凸部46が各第2梱包材36のY方向の各端面の下縁に形成され、各第2係合凹部48が各第2梱包材36のY方向の各端面の上縁に形成されてもよい。この場合には、各第2係合凸部46は、各第2係合凹部48の直下に配置される。
【0035】
(第2分割梱包材50、第2分割蓋体52)
図5、
図7、及び
図9に示すように、各組の梱包ユニット10(10A,10B)は、Y方向に延びた第2分割梱包材50を備えている。各第2分割梱包材50は、第2梱包材36と同じ部材を厚み方向に沿って分割した2つの部材のうちの1つの部材であって、最下段の第2梱包材36に相当する1段の第2梱包材36の下側に配置されている。各第2分割梱包材50は、複数の第2保持凹部38、2つの第2位置決め凸部40、2つの第2凹段部42、複数の切欠部44の一部、及び2つの第2係合凸部46を有している。
【0036】
各組の梱包ユニット10(10A,10B)は、Y方向に延びた第2分割蓋体52を備えている。各第2分割蓋体52は、第2梱包材36と同じ部材を厚み方向に沿って分割した2つの部材のうちのもう1つの部材であって、最上段の第2梱包材36に相当する1段の第2梱包材36の上側に配置されている。第2分割梱包材50と第2分割蓋体52とは、2つの第2位置決め凸部40の下面の位置を基準として分割されたものである。各第2分割蓋体52は、複数の切欠部44の一部、及び2つの第2係合凹部48を有している。
【0037】
(第2梱包材36と第2分割梱包材50と第2分割蓋体52との係合関係)
図2及び
図5に示すように、各組の梱包ユニット10(10A,10B)において、第2分割梱包材50の第2係合凸部46は、最下段の第2梱包材36に相当する1段の第2梱包材36の第2係合凹部48に係合するように構成されている。最上段の第2梱包材36に相当する1段の第2梱包材36の第2係合凸部46は、第2分割蓋体52の第2係合凹部48に係合するように構成されている。各組の梱包ユニット10(10A,10B)が複数段の第2梱包材36を備える場合には、下段側の第2梱包材36の第2係合凸部46は、上段側の第2梱包材36の第2係合凹部48に係合するように構成されている。なお、各第2係合凸部46が各第2梱包材36のY方向の各端面の下縁に形成されかつ各第2係合凹部48が各第2梱包材36のY方向の各端面の上縁に形成された場合にも、同様の係合関係が成立する。
【0038】
(スペーサ54、中間スペーサ56)
図2、
図3、及び
図5に示すように、各組の梱包ユニット10(10A,10B)は、第1分割梱包材32又は第2分割梱包材50を運搬台12に対してX方向に位置決めするための2つの棒状のスペーサ54を備えている。1組目の梱包ユニット10(10A)において、各スペーサ54の一端部は、第1分割梱包材32の左側の第1凹段部26に嵌合されており、各スペーサ54の他端部は、左側の支柱16の一部に当接している。2組目の梱包ユニット10(10B)において、各スペーサ54の一端部は、第2分割梱包材50の右側の第2凹段部42に嵌合されており、各スペーサ54の他端部は、右側の支柱16の一部に当接している。
【0039】
各組の梱包ユニット10(10A,10B)は、第1分割梱包材32と第2分割梱包材50とのX方向の間隔を設定するための2つの棒状の中間スペーサ56を備えている。各組の梱包ユニット10(10A,10B)において、各中間スペーサ56の一端部は、第1分割梱包材32の右側の第1凹段部26に嵌合されており、各中間スペーサ56の他端部は、第2分割梱包材50の左側の第2凹段部42に嵌合されている。
【0040】
なお、第1梱包材20及び第2梱包材36は、X方向に互いに連結された構造体として、構成されていてもよい。当該構造体では、第1梱包材20及び第2梱包材36は、互いに分割可能に連結されている。例えば、
図1に示された構成では、当該構造体は、第1梱包材20及び第2梱包材36が交互に2つずつ連結した構成となる。そして、当該構造体は、梱包ユニット10(10A,10B)を構成するために、X方向に沿って4分割され、2つの第1梱包材20及び2つの第2梱包材36になる。
【0041】
(第1梱包材20、第2梱包材36、スペーサ54及び中間スペーサ56を構成する樹脂発泡体及びその基材樹脂)
第1梱包材20、第2梱包材36、スペーサ54及び中間スペーサ56は、特に限定されないが、好ましくは、発泡樹脂からなる樹脂発泡体により構成されている。第1分割梱包材32、第1分割蓋体34、第2分割梱包材50、及び第2分割蓋体52を構成する材料も、特に限定されないが、好ましくは、発泡樹脂からなる樹脂発泡体により構成されている。
【0042】
第1梱包材20、第2梱包材36、スペーサ54及び中間スペーサ56等を構成する樹脂発泡体の基材樹脂は、特に限定されないが、熱可塑性樹脂であることが好ましい。前記熱可塑性樹脂としては、ポリスチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂等が挙げられる。前記熱可塑性樹脂は、好ましくは、ポリスチレン系樹脂又はポリオレフィン系樹脂である。更に、本実施形態においては、第1梱包材20及び第2梱包材36のうち少なくとも一方は、前記熱可塑性樹脂を基材樹脂とする樹脂発泡体であればよい。すなわち、第1梱包材20及び第2梱包材36のうち少なくとも一方がポリスチレン系樹脂発泡体又はポリオレフィン系樹脂発泡体から構成されていることが好ましい。第1梱包材20及び第2梱包材36の両方がポリスチレン系樹脂発泡体又はポリオレフィン系樹脂発泡体から構成されていることがより好ましい。
【0043】
ポリスチレン系樹脂としては、スチレン系単量体に由来する構成単位を有する樹脂を含む樹脂が挙げられる。スチレン系単量体としては、スチレン、メチルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、ジメチルスチレン、ブロモスチレン、クロロスチレン、ビニルトルエン、ビニルキシレン等が好適に挙げられる。スチレン系単量体に由来する構成単位を有する樹脂としては、1種のスチレン系単量体を重合してなるスチレン系単量体の単独重合体、又は2種以上のスチレン系単量体を重合してなるスチレン系単量体の共重合体が挙げられる。スチレン系単量体に由来する構成単位を有する樹脂としては、スチレン系単量体の単独重合体及びスチレン系単量体の共重合体、即ち、スチレン系単量体に由来する構成単位のみを有する樹脂であるポリスチレン樹脂を好ましく使用し得る。
【0044】
ポリオレフィン系樹脂としては、特に限定されず、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂等が挙げられる。ポリオレフィン系樹脂の単量体(以下、オレフィン系単量体と称する場合もある)の具体例として、例えば、エチレン、プロピレン、ブテン-1、イソブテン、ペンテン-1、3-メチル-ブテン-1、ヘキセン-1、4-メチル-ペンテン-1、3,4-ジメチル-ブテン-1、ヘプテン-1、3-メチル-ヘキセン-1、オクテン-1、デセン-1などの炭素数2~12のα-オレフィン等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0045】
また、オレフィン系単量体と共重合性を有するその他の単量体としては、例えば、シクロペンテン、ノルボルネン、1,4,5,8-ジメタノ-1,2,3,4,4a,8,8a,6-オクタヒドロナフタレン等の環状オレフィン、5-メチレン-2-ノルボルネン、5-エチリデン-2-ノルボルネン、1,4-ヘキサジエン、メチル-1,4-ヘキサジエン、7-メチル-1,6-オクタジエンなどのジエン等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0046】
ポリオレフィン系樹脂の具体例としては、例えば、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレンなどのエチレンを主成分とするポリエチレン系樹脂、プロピレンを主成分とするポリプロピレン系樹脂が挙げられる。これらのポリオレフィン系樹脂は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0047】
エチレンを主成分とするポリエチレン系樹脂としては、α-オレフィンがエチレンである、エチレンを共重合単量体成分として含有するポリプロピレン系樹脂が入手容易であり、加工成形性に優れている。
【0048】
ポリプロピレン系樹脂としては、単量体の主成分としてプロピレンを含んでいれば、特に限定はなく、例えば、プロピレンホモポリマー、α-オレフィン-プロピレンランダム共重合体、α-オレフィン-プロピレンブロック共重合体等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0049】
ポリエステル系樹脂としては、例えば、脂肪族系ポリエステル樹脂、芳香族系ポリエステル樹脂、脂肪族芳香族系ポリエステル樹脂等が挙げられる。ポリエステル系樹脂の具体例としては、例えば、ポリヒドロキシアルカノエート、ポリブチレンサクシネート(PBS)、ポリ(ブチレンアジペート-co-ブチレンテレフラレート)(PBAT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)等が挙げられる。また、ポリヒドロキシアルカノエートは、ポリ(3-ヒドロキシブチレート-コ-3-ヒドロキシヘキサノエート)(PHBH)、ポリ(3-ヒドロキシブチレート)(P3HB)、ポリ(3-ヒドロキシブチレート-コ-3-ヒドロキシバリレート)(PHBV)、ポリ(3-ヒドロキシブチレート-コ-4-ヒドロキシブチレート)(P3HB4HB)、ポリ(3-ヒドロキシブチレート-コ-3-ヒドロキシオクタノエート)、ポリ(3-ヒドロキシブチレート-コ-3-ヒドロキシオクタデカノエート)からなる群から選択される少なくとも1種である。
【0050】
また、ポリカーボネート系樹脂としては、芳香族ポリカーボネート系樹脂が挙げられる。芳香族ポリカーボネート系樹脂は、炭酸成分と、少なくともビスフェノール系化合物を含む芳香族ジオール成分若しくはこれを主とするジオール成分と、から形成されるポリ炭酸エステル、又はそれらの混合物である。このうち、分子鎖にジフェニルアルカンを有する芳香族ポリカーボネート系樹脂は、結晶性が高く高融点である上、耐熱性、耐侯性及び耐酸性に優れている点で好適である。
【0051】
このようなポリカーボネート系樹脂としては、2,2-ビス(4-オキシフェニル)プロパン(別名ビスフェノールA)、2,2-ビス(4-オキシフェニル)ブタン、1,1-ビス(4-オキシフェニル)シクロヘキサン、1,1-ビス(4-オキシフェニル)イソブタン、1,1-ビス(4-オキシフェニル)エタン等のビスフェノール系化合物から形成されるポリカーボネート系樹脂が例示される。
【0052】
また、発泡樹脂の発泡に用いられる発泡剤としては、プロパン、イソブタン、ブタン、ペンタン、ヘキサン等の揮発性の炭化水素系発泡剤、空気、窒素、二酸化炭素等の無機ガス、及び水を用いることが可能である。無機ガスを用いる場合は、比較的高い発泡倍率の発泡粒子が得られやすいことから、二酸化炭素が好ましい。これら発泡剤は、単独で用いてもよく、2種類以上併用してもよい。
【0053】
第1梱包材20及び第2梱包材36のうち少なくとも一方を構成する樹脂発泡体の発泡倍率は、特に限定されないが、例えば、前記樹脂発泡体がポリスチレン系樹脂発泡体である場合には、20倍以上60倍以下であることが好ましく、25倍以上50倍以下であることがより好ましく、30倍以上50倍以下であることが更に好ましい。ポリスチレン系樹脂発泡体の発泡倍率が20倍未満の場合には、第1梱包材20及び第2梱包材36のうちの一方の緩衝性能及び軽量性に劣る傾向にある。更に、ポリスチレン系樹脂発泡体の発泡倍率が60倍を超える場合には、被梱包物Pの重量に対する第1梱包材20及び第2梱包材36のうちの一方の剛性が不足する傾向がある。
【0054】
第1梱包材20及び第2梱包材36の少なくとも一方を構成する樹脂発泡体がポリオレフィン系樹脂発泡体である場合には、その発泡倍率は、10倍以上50倍以下であることが好ましく、20倍以上50倍以下であることがより好ましく、35倍以上45倍以下であることが更に好ましい。第1梱包材20及び第2梱包材36の少なくとも一方を構成するポリオレフィン系発泡樹脂の発泡倍率が10倍未満の場合には、前記少なくとも一方の軽量性に劣る傾向にある。第1梱包材20及び第2梱包材36の少なくとも一方を構成するポリオレフィン系発泡樹脂の発泡倍率が50倍を超える場合には、被梱包物Pの重量に対する前記少なくとも一方の剛性が不足する傾向がある。
【0055】
以上のことから、第1梱包材20及び第2梱包材36のうち少なくとも一方は、発泡倍率が20倍以上60倍以下であるポリスチレン系樹脂発泡体、または発泡倍率が10倍以上50倍以下であるポリプロピレン系樹脂発泡体から構成されていることが好ましい。第1梱包材20及び第2梱包材36は、発泡倍率が20倍以上60倍以下であるポリスチレン系樹脂発泡体、または発泡倍率が10倍以上50倍以下であるポリプロピレン系樹脂発泡体から構成されていることがより好ましい。
【0056】
〔梱包方法〕
続いて、
図2、
図5、
図10、及び
図11を参照して、本実施形態に係る梱包方法について説明する。
図10は、本実施形態に係る梱包方法における第1保持工程を説明する模式的な斜視図である。
図11は、本実施形態に係る梱包方法における第2保持工程を説明する模式的な斜視図である。
【0057】
図2、
図10、及び
図11に示すように、本実施形態に係る梱包方法は、2組の梱包ユニット10(10A,10B)を用いて、所定方向であるY方向に配列した複数の被梱包物Pを複数段に積載した状態で梱包するための方法である。本実施形態に係る梱包方法は、第1設置工程と、第1保持工程と、第2保持工程と、第2設置工程とを含んでいる。そして、本実施形態に係る梱包方法における各工程の具体的な内容は、次の通りである。
【0058】
(第1設置工程)
図2及び
図5に示すように、1組目の梱包ユニット10(10A)における第1分割梱包材32の各位置決め凸部24をX方向に延びた連結部材18に当接させる。また、1組目の梱包ユニット10(10A)における各スペーサ54の一端部を第1分割梱包材32の左側の第1凹段部26に嵌合させる共に、各スペーサ54の他端部を左側の支柱16の一部に当接させる。そして、1組目の梱包ユニット10(10A)における各中間スペーサ56の一端部を第1分割梱包材の32の右側の第1凹段部26に嵌合させると共に、各中間スペーサ56の他端部を第2分割梱包材50の左側の第2凹段部42に嵌合させる。これにより、運搬台12に1組目の梱包ユニット10(10A)における第1分割梱包材32及び第2分割梱包材50をX方向に離隔した状態で安定的に設置することができる。
【0059】
同様に、2組目の梱包ユニット10(10B)における第1分割梱包材32の各位置決め凸部24をX方向に延びた連結部材18に当接させる。2組目の梱包ユニット10(10B)における各スペーサ54の一端部を第2分割梱包材50の右側の第2凹段部42に嵌合させると共に、各スペーサ54の他端部を右側の支柱16の一部に当接させる。そして、2組目の梱包ユニット10(10B)における各中間スペーサ56の一端部を第1分割梱包材の32の右側の第1凹段部26に嵌合させると共に、各中間スペーサ56の他端部を第2分割梱包材50の左側の第2凹段部42に嵌合させる。これにより、運搬台12に2組目の梱包ユニット10(10B)における第1分割梱包材32及び第2分割梱包材50をX方向に離隔した状態で安定的に設置することができる。
【0060】
(第1保持工程)
第1設置工程の修了後に、
図10に示すように、各組の梱包ユニット10(10A,10B)における第1分割梱包材32の複数の第1保持凹部22に被梱包物Pの一端部をそれぞれ保持させると共に、各組の梱包ユニット10(10A,10B)における第2分割梱包材50の複数の第2保持凹部38に被梱包物Pの他端部をそれぞれ保持させる。これにより、各組の梱包ユニット10(10A,10B)における第1分割梱包材32と第2分割梱包材50との間に複数の被梱包物Pを梱包することができる。
【0061】
(第2保持工程)
第1保持工程の修了後に、各組の梱包ユニット10(10A,10B)における第1分割梱包材32の各第1係合凸部28が第1梱包材20の各第1係合凹部30に係合するように、第1分割梱包材32の上側に第1梱包材20を段積みする。また、各組の梱包ユニット10(10A,10B)における第2分割梱包材32の各第2係合凸部46が第2梱包材36の各第2係合凹部48に係合するように、第2分割梱包材50の上側に第2梱包材36を段積みする。そして、各組の梱包ユニット10(10A,10B)における第1梱包材20の複数の第1保持凹部22に被梱包物Pの一端部をそれぞれ保持させると共に、各組の梱包ユニット10(10A,10B)における第2梱包材36の複数の第2保持凹部38に被梱包物Pの他端部をそれぞれ保持させる。これにより、各組の梱包ユニット10(10A,10B)における第1梱包材20と第2梱包材36との間に複数の被梱包物Pを梱包することができる。
【0062】
なお、前述の同様の動作を繰り返すことにより、各組の梱包ユニット10(10A,10B)における複数段の第1梱包材20と複数段の第2梱包材36との間に複数の被梱包物Pを梱包してもよい。
【0063】
(第2設置工程)
第2保持工程の修了後に、各組の梱包ユニット10(10A,10B)における第1梱包材20の各第1係合凸部28が第1分割蓋体34の各第1係合凹部30に係合するように、第1梱包材20の上側に第1分割蓋体34を設置する。また、各組の梱包ユニット10(10A,10B)における第2梱包材36の各第2係合凸部46が第2分割蓋体52の各第2係合凹部48に係合するように、第2梱包材36の上側に第2分割蓋体52を設置する。これにより、各組の梱包ユニット10(10A,10B)における第1梱包材20と第2梱包材36との間に梱包された複数の被梱包物Pの梱包状態を安定的に保つことができる。
【0064】
〔作用効果〕
続いて、本実施形態の作用効果について説明する。
【0065】
各組の梱包ユニット10(10A,10B)において、前述のように、第1分割梱包材32は、第1梱包材20と同じ部材を厚み方向に沿って分割した2つの部材のうちの1つの部材である。第1分割蓋体34は、第1梱包材20と同じ部材を厚み方向に沿って分割した2つの部材のうちのもう1つの部材である。そのため、第1梱包材20と第1分割梱包材32と第1分割蓋体34を1種類の金型によって成型することができる。
【0066】
各組の梱包ユニット10(10A,10B)において、前述のように、第2分割梱包材50は、第2梱包材36と同じ部材を厚み方向に沿って分割した2つの部材のうちの1つの部材である。第2分割蓋体52は、第2梱包材36と同じ部材を厚み方向に沿って分割した2つの部材のうちのもう1つの部材である。そのため、第2梱包材36と第2分割梱包材50と第2分割蓋体52を1種類の金型によって成型することができる。
【0067】
従って、本実施形態によれば、各組の梱包ユニット10(10A,10B)を製造するために必要な金型の種類を減らして、各組の梱包ユニット10(10A,10B)の製造コストの低減を図ることができる。
【0068】
各組の梱包ユニット10(10A,10B)において、前述のように、第1分割梱包材32と第1分割蓋体34は、第1梱包材20と同じ部材を2つの第1位置決め凸部24の下面の位置を基準として厚み方向に沿って分割されている。そのため、本実施形態によれば、第1梱包材20と同じ部材の分割位置のばらつきを低減することができる。同様に、各組の梱包ユニット10(10A,10B)において、前述のように、第2分割梱包材50と第2分割蓋体52は、第2梱包材36と同じ部材を2つの第2位置決め凸部40の下面の位置を基準として厚み方向に沿って分割されている。そのため、本実施形態によれば、第2梱包材36と同じ部材の分割位置のばらつきを低減することができる。
【0069】
1組目の梱包ユニット10(10A)において、前述のように、各スペーサ54の一端部は、第1分割梱包材32の左側の第1凹段部26に嵌合されている。各中間スペーサ56の一端部は、第1分割梱包材32の右側の第1凹段部26に嵌合されており、各中間スペーサ56の他端部は、第2分割梱包材50の左側の第2凹段部42に嵌合されている。そのため、運搬台12に1組目の梱包ユニット10(10A)における第1分割梱包材32及び第2分割梱包材50をX方向に離隔して安定的に設置することができる。
【0070】
各組の梱包ユニット10(10A,10B)において、前述のように、第1分割梱包材32の第1係合凸部28は、第1梱包材20の第1係合凹部30に係合するように構成されている。第1梱包材20の各第1係合凸部28は、第1分割蓋体34の第1係合凹部30に係合するように構成されている。そのため、第1分割梱包材32の上側に第1梱包材20と第1分割蓋体34を安定的に段積みすることができる。
【0071】
従って、本実施形態によれば、1組目の梱包ユニット10(10A)による複数の被梱包物Pの梱包状態を安定させることができる。
【0072】
同様に、2組目の梱包ユニット10(10B)において、前述のように、各スペーサ54の一端部は、第2分割梱包材50の右側の第2凹段部42に嵌合されている。各中間スペーサ56の一端部は、第1分割梱包材32の右側の第1凹段部26に嵌合されており、各中間スペーサ56の他端部は、第2分割梱包材50の左側の第2凹段部42に嵌合されている。そのため、運搬台12に2組目の梱包ユニット10(10B)における第1分割梱包材32及び第2分割梱包材50をX方向に離隔して安定的に設置することができる。
【0073】
各組の梱包ユニット10(10A,10B)において、前述のように、第2分割梱包材50の第2係合凸部46は、第2梱包材36の第2係合凹部48に係合するように構成されている。第2梱包材36の第2係合凸部46は、第2分割蓋体52の第2係合凹部48に係合するように構成されている。そのため、第2分割梱包材50の上側に第2梱包材36と第2分割蓋体52を安定的に段積みすることができる。
【0074】
従って、本実施形態によれば、2組目の梱包ユニット10(10B)による複数の被梱包物Pの梱包状態を安定させることができる。
【0075】
第1梱包材20及び第2梱包材36のうち少なくとも一方を構成するポリスチレン系樹脂発泡体の発泡倍率が発泡倍率20倍以上60倍以下であるには、被梱包物Pの重量に対する前記少なくとも一方の剛性を十分に確保しつつ、前記少なくとも一方の緩衝性能を高めかつ前記少なくとも一方の軽量化を図ることができる。
【0076】
第1梱包材20及び第2梱包材36のうち少なくとも一方を構成するポリプロピレン系樹脂発泡体の発泡倍率が10倍以上50倍以下である場合には、被梱包物Pの重量に対する前記少なくとも一方の剛性を十分に確保しつつ、前記少なくとも一方の軽量化を図ることができる。
【0077】
〔他の実施形態〕
被梱包物Pが自動車部品等の長尺物でない場合には、各組の梱包ユニット10(10A,10B)は、第1梱包材20及び第2梱包材36を備える代わりに、Y方向に延びた梱包材(不図示)のみを備えてもよい。この場合には、梱包材には、被梱包物Pを保持する複数の保持凹部(不図示)がY方向に間隔を置いて形成される。各組の梱包ユニット10(10A,10B)は、第1分割梱包材32及び第2分割梱包材50の代わりに、梱包材と同じ部材を厚み方向に沿って分割した2つの部材のうちの1つの部材である分割梱包材(不図示)を備える。各組の梱包ユニット10(10A,10B)は、第1分割蓋体34及び第2分割蓋体52の代わりに、梱包材と同じ部材を厚み方向に沿って分割した2つの部材のうちのもう1つの部材である分割蓋体(不図示)を備える。
【0078】
〔付記事項〕
本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
【符号の説明】
【0079】
10 梱包ユニット
12 運搬台
14 運搬台本体
16 支柱
18 連結部材
20 第1梱包材
22 第1保持凹部
24 第1位置決め凸部
26 第1凹段部
28 第1係合凸部
30 第1係合凹部
32 第1分割梱包材
34 第1分割蓋体
36 第2梱包材
38 第2保持凹部
40 第2位置決め凸部
42 第2凹段部
44 切欠部
46 第2係合凸部
48 第2係合凹部
50 第2分割梱包材
52 第2分割蓋体
54 スペーサ
56 中間スペーサ