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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024098816
(43)【公開日】2024-07-24
(54)【発明の名称】検知装置
(51)【国際特許分類】
   G08B 25/00 20060101AFI20240717BHJP
   G08B 25/04 20060101ALI20240717BHJP
   G08B 21/02 20060101ALI20240717BHJP
   G06T 7/00 20170101ALI20240717BHJP
【FI】
G08B25/00 510M
G08B25/04 K
G08B21/02
G06T7/00 660Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023002550
(22)【出願日】2023-01-11
(71)【出願人】
【識別番号】000232092
【氏名又は名称】NECソリューションイノベータ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100124811
【弁理士】
【氏名又は名称】馬場 資博
(74)【代理人】
【識別番号】100088959
【弁理士】
【氏名又は名称】境 廣巳
(74)【代理人】
【識別番号】100097157
【弁理士】
【氏名又は名称】桂木 雄二
(74)【代理人】
【識別番号】100187724
【弁理士】
【氏名又は名称】唐鎌 睦
(72)【発明者】
【氏名】坂 良太郎
(72)【発明者】
【氏名】高橋 佳弘
(72)【発明者】
【氏名】小林 佳夫
【テーマコード(参考)】
5C086
5C087
5L096
【Fターム(参考)】
5C086AA22
5C086CA28
5C086DA08
5C086DA33
5C086FA02
5C086FA18
5C087AA02
5C087AA25
5C087AA32
5C087BB74
5C087DD03
5C087DD20
5C087EE07
5C087FF01
5C087FF04
5C087GG02
5C087GG08
5C087GG17
5C087GG66
5C087GG83
5L096AA06
5L096BA02
5L096CA04
5L096CA05
5L096HA04
5L096HA05
(57)【要約】
【課題】処理に必要なリソースを抑制しつつ適切な検知を行うことが難しい場合がある。
【解決手段】検知装置400は、監視対象となる画像データに対して予め定められた検知対象を検知する検知処理を行う検知部421と、複数の監視候補のうち検知部421による検知処理の対象となる監視対象を所定の間隔で切り替える切り替え部422と、を有し、切り替え部422は、検知部421による検知処理の結果に応じて、次の監視対象に切り替えを行うまでの時間である監視時間を制御する。
【選択図】図12
【特許請求の範囲】
【請求項1】
監視対象となる画像データに対して予め定められた検知対象を検知する検知処理を行う検知部と、
複数の監視候補のうち前記検知部による検知処理の対象となる監視対象を所定の間隔で切り替える切り替え部と、
を有し、
前記切り替え部は、前記検知部による検知処理の結果に応じて、次の監視対象に切り替えを行うまでの時間である監視時間を制御する
検知装置。
【請求項2】
請求項1に記載の検知装置であって、
前記切り替え部は、前記検知部による検知処理の結果に応じて前記監視時間を延長する
検知装置。
【請求項3】
請求項1に記載の検知装置であって、
前記切り替え部は、前記検知部による検知処理の結果に応じて前記監視時間を段階的に延長する
検知装置。
【請求項4】
請求項1に記載の検知装置であって、
前記切り替え部は、前記検知部による人の検知に応じて前記監視時間を延長する
検知装置。
【請求項5】
請求項4に記載の検知装置であって、
前記切り替え部は、前記検知部による人に生じた状態の検知に応じて前記監視時間をさらに延長する
検知装置。
【請求項6】
請求項1に記載の検知装置であって、
前記検知部が検知した検知対象の属性を示す属性情報を取得する属性情報取得部と、
前記属性情報取得部が取得した前記属性情報に基づいて前記監視時間を延長する長さを調整する調整部と、
を有する
検知装置。
【請求項7】
請求項1に記載の検知装置であって、
複数の監視候補を含むグループが複数形成されており、
前記切り替え部は、グループごとに監視対象を所定の間隔で切り替える
検知装置。
【請求項8】
請求項1に記載の検知装置であって、
検知状況に応じてアラートを発報する報知部を有する
検知装置。
【請求項9】
情報処理装置が、
複数の監視候補のうち検知処理の対象となる監視対象を所定の間隔で切り替え、
監視対象となる画像データに対して予め定められた検知対象を検知し、
前記切り替える際、検知処理の結果に応じて、次の監視対象に切り替えを行うまでの時間である監視時間を制御する
検知方法。
【請求項10】
情報処理装置に、
複数の監視候補のうち検知処理の対象となる監視対象を所定の間隔で切り替え、
監視対象となる画像データに対して予め定められた検知対象を検知し、
前記切り替える際、検知処理の結果に応じて、次の監視対象に切り替えを行うまでの時間である監視時間を制御する
処理を実現するためのプログラム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検知装置、検知方法、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
画像データに基づいて人などの検知や転倒などの状態検知を行う際に用いられる技術が知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、監視領域を撮影した映像を用いて、監視領域における複数の事象を検出する映像監視システムが記載されている。特許文献1によると、映像監視システムは、映像から人物及び/又は物体の像を検出し、検出された人物の状態を表す特徴量及び/又は検出された物体の特徴量である事象特徴量を算出する。そして、映像監視システムは、事象特徴量に基づいて事象の発生を検出し、検出した事象である発生事象の種類及び発生事象の判定確度から発生事象に係る発報の対象者を判定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2021-132267号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載のような技術を用いて複数の監視領域を監視する場合、複数の撮像装置が取得した画像データをそれぞれ監視して、人物などの検出、検知などを行うことが必要となる。しかしながら、複数の撮像装置が取得した画像データそれぞれを常に人物などを検知する対象としてしまうと、処理に必要なリソースが多大になってしまう。その結果、処理に必要なリソースを抑制しつつ適切な検知を行うことが難しい場合がある、という課題が生じていた。
【0006】
そこで、本発明は、上述した課題を解決することが可能な検知装置、検知方法、プログラムを提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
かかる目的を達成するため本発明の一形態である検知装置は、
監視対象となる画像データに対して予め定められた検知対象を検知する検知処理を行う検知部と、
複数の監視候補のうち前記検知部による検知処理の対象となる監視対象を所定の間隔で切り替える切り替え部と、
を有し、
前記切り替え部は、前記検知部による検知処理の結果に応じて、次の監視対象に切り替えを行うまでの時間である監視時間を制御する
という構成をとる。
【0008】
また、本発明の他の形態である検知方法は、
情報処理装置が、
複数の監視候補のうち検知処理の対象となる監視対象を所定の間隔で切り替え、
監視対象となる画像データに対して予め定められた検知対象を検知し、
前記切り替える際、検知処理の結果に応じて、次の監視対象に切り替えを行うまでの時間である監視時間を制御する
という構成をとる。
【0009】
また、本発明の他の形態であるプログラムは、
情報処理装置に、
複数の監視候補のうち検知処理の対象となる監視対象を所定の間隔で切り替え、
監視対象となる画像データに対して予め定められた検知対象を検知し、
前記切り替える際、検知処理の結果に応じて、次の監視対象に切り替えを行うまでの時間である監視時間を制御する
処理を実現させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0010】
上述したような各構成によると、上述したような課題を解決することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本開示の第1の実施形態における検知システムの構成例を示す図である。
図2】検知装置の構成例を示すブロック図である。
図3】画像データ情報の一例を示す図である。
図4】切り替え処理の一例を説明するための図である。
図5】切り替え処理の一例を説明するための図である。
図6】切り替え処理の一例を説明するための図である。
図7】報知処理の一例を説明するための図である。
図8】検知装置の動作例を示すフローチャートである。
図9】切り替え処理の他の一例を説明するための図である。
図10】検知装置の他の構成例を示すブロック図である。
図11】本開示の第2の実施形態における検知装置のハードウェア構成例を示す図である。
図12】検知装置の構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[第1の実施形態]
本発明の第1の実施形態を図1から図10までを参照して説明する。図1は、検知システム100の構成例を示す図である。図2は、検知装置300の構成例を示すブロック図である。図3は、画像データ情報341の一例を示す図である。図4から図6までは、切り替え処理の一例を説明するための図である。図7は、報知処理の一例を説明するための図である。図8は、検知装置300の動作例を示すフローチャートである。図9は、切り替え処理の他の一例を説明するための図である。図10は、検知装置300の他の構成例を示すブロック図である。
【0013】
本開示の第1の実施形態では、画像データに基づいて人などの予め定められた検知物を検知したり、転倒など検知物に生じた事象や検知物の状態を検知したりする検知システム100について説明する。例えば、検知システム100は、複数の撮像装置200を有しており、複数の撮像装置200それぞれから時系列の画像データを取得する。また、検知システム100は、複数の監視候補のうち検知処理の対象となる監視対象を所定の間隔で切り替えながら、人や状態などの検知対象を検知する検知処理を行う。例えば、検知システム100は、撮像装置200-1から取得した時系列の画像データを5秒間監視対象とした後、撮像装置200-2から取得した時系列の画像データを5秒間監視対象とする。その後、検知システム100は、撮像装置200-3から取得した時系列の画像データを5秒間監視対象とする。例えば、以上のように、検知システム100は、所定の間隔で監視対象を切り替える処理を繰り返しながら監視を行うことで、監視対象を巡回させながら検知処理を行う。
【0014】
また、検知システム100は、検知処理の結果に応じて、次の監視対象に切り替えを行うまでの時間である監視時間を制御する。例えば、ある撮像装置200から取得した画像データを監視中に人などの検知物を検知した場合、検知システム100は、検知物の検知に応じて監視時間を延長する。延長する時間は、予め定められていてもよいし、検知した検知物に応じたものであってもよい。また、監視中に人が転ぶなど所定の状態が生じた場合、検知システム100は、監視時間をさらに延長することができる。例えば、以上のように、検知システム100は、検知処理の結果に応じて監視時間を制御することで、検知処理に必要なリソースを抑制しつつ、検知物に生じる事象、状態の発生を見逃すおそれを低減させる。
【0015】
なお、以下においては、検知システム100が検知物として人を検知する場合について説明する。しかしながら、検知システム100は、人以外を検知物として検知してもよい。例えば、検知システム100は、自動車や航空機などの移動体を検知物として検知してもよいし、バッグや貨物などの予め定められた物体を検知物として検知してもよい。検知システム100は、人だけを検知物とするなど1つの検知物のみを検知するよう構成してもよいし複数の検知物を検知するよう構成してもよい。また、以下においては、検知物に生じる事象や状態の一例として、検知物である人の転倒状態を検知システム100が検知する場合について説明する。しかしながら、検知システム100は、人の転倒状態以外の事象や状態を検知してもよい。例えば、検知システム100は、検知物である人が所定領域内をうろついているという状態や検知物である人が予め定められた要警戒領域に侵入するという事象などを検知してもよい。また、検知システム100は、移動体に予め定められた事象が生じた旨を検知してもよいし、貨物などの検知物が所定時間以上放置されている状態などを検知してもよい。検知物検知の場合と同様、検知システム100は、1種類の事象や状態のみを検知するよう構成してもよいし複数の事象や状態を検知するよう構成してもよい。
【0016】
図1は、検知システム100の全体的な構成例を示している。図1を参照すると、検知システム100は、複数の撮像装置200(撮像装置200-1、撮像装置200-2、……。以下、特に区別する必要のない場合は撮像装置200と表記する)と、検知装置300と、を有している。図1で示すように、撮像装置200と検知装置300とは、有線または無線により互いに通信可能なよう接続されている。
【0017】
撮像装置200は、事務所や倉庫などの所定場所に予め設置されており、時系列の画像データを取得する。撮像装置200は、監視カメラなどの一般的な装置であってよい。また、撮像装置200は、取得した画像データを検知装置300に対して送信する。例えば、撮像装置200は、自装置に予め割り当てられた識別情報や画像データを取得した時刻を示す情報などとともに、画像データを検知装置300に対して送信することができる。
【0018】
検知装置300は、所定の間隔で監視対象を切り替えながら、人物検知や状態検知などの検知処理を行う情報処理装置である。また、検知装置300は、検知処理の結果に応じて、監視対象を切り替えるまでの時間である監視時間を延長することができる。図2は、検知装置300の構成例を示している。図2を参照すると、検知装置300は、主な構成要素として、例えば、操作入力部310と、画面表示部320と、通信I/F部330と、記憶部340と、演算処理部350と、を有している。
【0019】
なお、図2では、1台の情報処理装置を用いて検知装置300としての機能を実現する場合について例示している。しかしながら、検知装置300は、例えば、クラウド上に実現されるなど、複数台の情報処理装置を用いて実現されてもよい。また、検知装置300は、操作入力部310や画面表示部320を有さないなど上記例示した構成の一部を含まなくてもよいし、上記例示した以外の構成を有してもよい。
【0020】
操作入力部310は、キーボード、マウスなどの操作入力装置からなる。操作入力部310は、検知装置300を操作する操作者の操作を検出して演算処理部350に出力する。
【0021】
画面表示部320は、LCD(Liquid Crystal Display、液晶ディスプレイ)などの画面表示装置からなる。画面表示部320は、演算処理部350からの指示に応じて、記憶部340に格納されている各種情報などを画面表示することができる。
【0022】
通信I/F部330は、データ通信回路などからなる。通信I/F部330は、通信回線を介して接続された撮像装置200などとの間でデータ通信を行う。
【0023】
記憶部340は、ハードディスクやメモリなどの記憶装置である。記憶部340は、演算処理部350における各種処理に必要な処理情報やプログラム342を記憶する。プログラム342は、演算処理部350に読み込まれて実行されることにより各種処理部を実現する。プログラム342は、通信I/F部330などのデータ入出力機能を介して外部装置や記録媒体から予め読み込まれ、記憶部340に保存されている。記憶部340で記憶される主な情報としては、例えば、画像データ情報341などがある。
【0024】
画像データ情報341は、撮像装置200が取得した画像データについての情報を含んでいる。例えば、画像データ情報341には、検知システム100に含まれる各撮像装置200が取得した時系列の画像データが含まれる。画像データ情報341は、後述する取得部351が撮像装置200から画像データを取得することなどに応じて更新される。
【0025】
図3は、画像データ情報341の一例を示している。図3を参照すると、画像データ情報341では、例えば、識別情報と、時刻情報と、画像データと、が関連づけられている。ここで、識別情報は、画像データを取得した撮像装置200を識別するための情報である。例えば、識別情報は、撮像装置200ごとに予め割り当てられている。また、時刻情報は、関連する画像データを撮像装置200が取得した時刻を示す情報である。
【0026】
演算処理部350は、CPU(Central Processing Unit)などの演算装置とその周辺回路を有する。演算処理部350は、記憶部340からプログラム342を読み込んで実行することにより、上記ハードウェアとプログラム342とを協働させて各種処理部を実現する。演算処理部350で実現される主な処理部としては、例えば、取得部351、検知部352、切り替え部353、報知部354などがある。
【0027】
なお、演算処理部350は、上述したCPUの代わりに、GPU(Graphic Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、MPU(Micro Processing Unit)、FPU(Floating point number Processing Unit)、PPU(Physics Processing Unit)、TPU(Tensor Processing Unit)、量子プロセッサ、マイクロコントローラ、又は、これらの組み合わせなどを有してもよい。
【0028】
取得部351は、撮像装置200から画像データを取得する。例えば、取得部351は、検知システム100に含まれる複数の撮像装置200それぞれから時系列の画像データを取得する。また、取得部351は、取得した画像データを画像データ情報341として記憶部340に格納する。
【0029】
検知部352は、監視対象となる時系列の画像データに対して検知処理を行うことで、人の検知を行う。また、検知部352は、検知物である人に生じた事象や状態として、人の転倒状態を検知する。上述したように、検知部352は、監視対象となる時系列の画像データに基づいて、上記例示した以外の検知物、事象、状態を検知してもよい。また、検知部352は、上記検知を行うとともに、検知した人がいなくなった旨や立ち上がるなど転倒状態が解消した旨の検知を行うよう構成してもよい。
【0030】
本実施形態においては、検知部352が検知処理を行う際の具体的な方法については特定に限定しない。例えば、検知部352は、予め学習したモデルを用いることなどにより人物検知を行うことができる。検知部352は、ディープラーニングなどの手法を用いて学習されたモデルを用いて人物検知を行ってよい。また、検知部352は、予め学習したモデルを用いることなどにより人の転倒状態を検知することができる。例えば、検知部352は、モデルを用いた骨格推定の結果に基づいて人の転倒状態を検知してもよい。検知部352は、時系列の画像データに基づいて算出した動きベクトルなどに基づいて人の転倒状態を検知してもよい。検知部352は、上記例示した以外の方法で人の検知や転倒状態の検知を行ってもよい。
【0031】
切り替え部353は、検知部352による検知処理の対象となる監視対象を所定の間隔で切り替える。また、切り替え部353は、検知部352による検知処理の結果に応じて、次の対象に切り替えを行うまでの時間である監視時間を制御する。例えば、切り替え部353は、検知部352による検知処理の結果に応じて、段階的に監視時間を延長することができる。
【0032】
例えば、検知部352が人を検知していない場合、切り替え部353は、5秒ごとなど予め定められた所定の間隔で監視対象を切り替える。一例として、図4を参照すると、切り替え部353は、撮像装置200-1から取得した画像データを5秒間監視対象とした後、検知部352による監視対象を撮像装置200-2から取得した画像データに切り替える。また、同様に、切り替え部353は、撮像装置200-2から取得した画像データを5秒間監視対象とした後、検知部352による監視対象を撮像装置200-3から取得した画像データに切り替える。例えば、以上のように、検知部352が人を検知していない場合、切り替え部353は、所定の間隔で監視対象を切り替える処理を繰り返すことで、検知部352による監視対象を巡回させる。
【0033】
また、切り替え部353は、検知部352による検知処理の結果に応じて、次の監視対象に切り替えを行うまでの時間である監視時間を制御することができる。例えば、図5を参照すると、検知部352による人の検知に応じて、切り替え部353は、監視時間を予め定められた第1延長時間まで延長する。換言すると、監視中に検知部352が人を検知した場合、切り替え部353は、人を検知した監視中の監視対象を次の監視対象に切り替えるまでの監視時間を第1延長時間まで延長する。なお、第1延長時間は、任意に設定可能な時間であり、例えば、30秒である。
【0034】
また、図6を参照すると、検知部352による転倒状態の検知に応じて、切り替え部353は、監視時間を第1延長時間から予め定められた第2延長時間までさらに延長する。換言すると、監視中に検知部352が人の転倒状態を検知した場合、切り替え部353は、人を検知した監視中の監視対象を次の監視対象に切り替えるまでの監視時間を第1延長時間から第2延長時間までさらに延長する。なお、第2延長時間は、任意に設定可能な時間であり、例えば、60秒である。第2延長時間は、無制限など上記例示した以外であってもよい。
【0035】
例えば、以上のように、切り替え部353は、検知部352による検知処理の結果に応じて、段階的に監視時間を延長する。また、切り替え部353は、検知部352が検知した検知物、事象、状態などに応じて、それぞれ異なる延長を行うことができる。なお、人の検知や転倒状態の検知を行った後、人がいなくなった旨の検知や立ち上がるなど転倒状態の解消を検知部352がした場合、切り替え部353は、第1延長時間や第2延長時間の経過を待たずに、延長しない状態における監視時間を経過していることを条件として即座に次の監視対象に監視対象の切り替えを行うよう構成してもよい。
【0036】
報知部354は、人が転倒している状態が所定時間継続しているなど検知状況が所定の条件を満たす場合に、アラートを発報する。例えば、報知部354は、予め設定された外部装置などに対してアラートを発報したり、人が倒れている旨を画面表示部320上に表示させたりする。
【0037】
例えば、図7を参照すると、人の転倒状態を検知してからの経過時間が予め定められた報知時間を過ぎた場合、報知部354は、人が転倒状態にある旨を示すアラートを発報する。報知部354は、検知部352が所定の状態を検知した場合など上記例示した以外の条件を満たす場合にアラートを発報するよう構成してもよい。
【0038】
以上が、検知装置300の構成例である。続いて、図8を参照して、検知装置300の動作例について説明する。
【0039】
図8は、検知装置300の動作例を示すフローチャートである。図8を参照すると、検知部352が人を検知していない場合(ステップS101、No)、切り替え部353は、予め定められた時間の終了に応じて監視対象を切り替える(ステップS105)。また、任意の終了条件を満たさない場合(ステップS106、No)、ステップS101の処理に戻る。
【0040】
検知部352が人を検知した場合(ステップS101、Yes)、切り替え部353は、監視時間を延長する(ステップS102)。また、人の転倒状態を検知部352が検知した場合(ステップS103、Yes)、切り替え部353は、監視時間をさらに延長する(ステップS104)。人の転倒状態を検知部352が検知せず(ステップS103、No)に時間が終了した場合や、ステップS104の後に延長後の時間が終了した場合、切り替え部353は、監視対象を切り替える(ステップS105)。また、任意の終了条件を満たさない場合(ステップS106、No)、ステップS101の処理に戻る。
【0041】
また、任意の終了条件を満たす場合(ステップS107、Yes)、検知装置300は処理を終了する。なお、本開示において、終了条件は特に限定しない。終了条件は任意に定められてよい。
【0042】
以上が、検知装置300の動作例である。
【0043】
このように、検知装置300は、検知部352と切り替え部353とを有している。このような構成によると、切り替え部353により切り替えられる監視対象に対して検知部352による検知を行うことができる。その結果、検知処理に必要なリソースを抑制しつつ各監視対象を監視することができる。
【0044】
また、切り替え部353は、検知部352による検知処理の結果に応じて、次の対象に切り替えを行うまでの時間である監視時間を制御するよう構成されている。このような構成によると、検知処理に必要なリソースを抑制しつつ検知物に生じる事象、状態の発生を見逃すおそれを低減させる。これにより、より適切に各監視対象を監視することができる。
【0045】
また、切り替え部353は、人の検知と転倒状態の検知に応じて、段階的に監視時間を延長するよう構成されている。このような構成により、必要に応じてより適切に監視時間を延長することができる。これにより、より適切に各監視対象を監視することができる。
【0046】
なお、本実施形態においては、検知部352による監視対象が一つの場合について例示した。しかしながら、検知部352による監視対象は必ずしも一つに限定されず、複数あってもよい。また、例えば、図9で例示するように、監視対象を巡回させるグループが複数形成されていてもよい。換言すると、複数の監視候補を含むグループが複数形成されていてもよい。この場合、検知部352は、各グループ内で一つまたは複数の監視対象を監視することができる。また、上記構成の場合、切り替え部353は、各グループ独立して監視時間の延長を行うことができる。例えば、撮像装置200-3から取得した画像データを監視中に検知部352が人の検知などを行った場合、切り替え部353は、撮像装置200-3に対応する監視時間を延長させる一方で、撮像装置200-13に対応する監視時間を延長させないよう構成することができる。換言すると、切り替え部353は、検知部352による検知結果に応じた延長を行うか否かを監視対象ごとに決定することができる。
【0047】
また、本開示においては、第1延長時間や第2延長時間などの予め定められた時間分、切り替え部353が監視時間を延長する場合について説明した。しかしながら、延長時間は、必ずしも予め定められていなくてもよい。例えば、延長時間を可変にするための構成として、検知装置300は図10で例示するような構成を有してもよい。図10を参照すると、検知装置300の演算処理部350は、プログラム342を読み込んで実行することで、図2を参照して説明した構成に加えて属性情報取得部355と調整部356とを有することができる。
【0048】
属性情報取得部355は、監視対象の画像データに基づいて、検知部352が検知した人の属性を示す属性情報を取得する。例えば、属性情報取得部355は、属性情報として、性別や年齢などを示す情報を取得する。属性情報取得部355は、属性情報として上記例示した以外の情報を取得してもよい。
【0049】
なお、属性情報取得部355は、任意の方法を用いて人の属性情報を取得してよい。例えば、属性情報取得部355は、予め学習したモデルを用いることなどにより画像データに基づいて属性情報を取得してよい。
【0050】
調整部356は、属性情報取得部355が取得した属性情報に基づいて監視時間を延長する時間の長さを調整することができる。例えば、調整部356は、より高齢であると推定されるほど監視時間を長くするよう調整することができる。また、調整部356は、そのほか属性情報取得部355が取得した属性情報に基づいて監視時間の調整を行ってもよい。
【0051】
例えば、上記のように属性情報に基づいて監視時間を延長する時間の長さを調整することで、属性情報に基づいて判断される事象や状態発生の可能性などに応じて延長する監視時間を調整することができる。その結果、事象、状態の発生を見逃すおそれをより低減させることができ、より適切に各監視対象を監視することができる。
【0052】
なお、調整部356は、日時情報、時刻情報、撮像装置200の位置情報など、事象や状態発生の可能性を判断する際に用いることが可能な属性情報以外の情報に基づいて監視時間を延長する時間の長さを調整するよう構成してもよい。
【0053】
[第2の実施形態]
次に、本開示の第2の実施形態について、図11図12を参照して説明する。図11は、検知装置400のハードウェア構成例を示す図である。図12は、検知装置400の構成例を示すブロック図である。
【0054】
本開示の第2の実施形態においては、画像データに基づく検知処理を行う情報処理装置である検知装置400の構成例について説明する。図11は、検知装置400のハードウェア構成例を示している。図11を参照すると、検知装置400は、一例として、以下のようなハードウェア構成を有している。
・CPU(Central Processing Unit)401(演算装置)
・ROM(Read Only Memory)402(記憶装置)
・RAM(Random Access Memory)403(記憶装置)
・RAM403にロードされるプログラム群404
・プログラム群404を格納する記憶装置405
・情報処理装置外部の記録媒体410の読み書きを行うドライブ装置406
・情報処理装置外部の通信ネットワーク411と接続する通信インタフェース407
・データの入出力を行う入出力インタフェース408
・各構成要素を接続するバス409
【0055】
また、検知装置400は、プログラム群404をCPU401が取得して当該CPU401が実行することで、図12に示す検知部421、切り替え部422としての機能を実現することができる。なお、プログラム群404は、例えば、予め記憶装置405やROM402に格納されており、必要に応じてCP401がRAM403などにロードして実行する。また、プログラム群404は、通信ネットワーク411を介してCPU401に供給されてもよいし、予め記録媒体410に格納されており、ドライブ装置406が該プログラムを読み出してCPU401に供給してもよい。
【0056】
なお、図11は、検知装置400のハードウェア構成例を示している。検知装置400のハードウェア構成は上述した場合に限定されない。例えば、検知装置400は、ドライブ装置406を有さないなど、上述した構成の一部から構成されてもよい。
【0057】
検知部421は、監視対象となる画像データに対して予め定められた検知対象を検知する検知処理を行う。例えば、検知部421は、検知物を検知する検知物検知処理や検知物の状態を検知する状態検知などの検知処理を行うことができる。
【0058】
切り替え部422は、複数の監視候補のうち検知部421による検知処理の対象となる監視対象を所定の間隔で切り替える。また、切り替え部422は、検知部421による検知処理の結果に応じて、次の監視対象に切り替えを行うまでの時間である監視時間を制御することができる。
【0059】
このように、検知装置400は、検知部421と切り替え部422とを有している。このような構成によると、切り替え部422は、検知部421による検知処理の結果に応じて、次の監視対象に切り替えを行うまでの時間である監視時間を制御することができる。その結果、状況に応じて監視時間を制御することができ、検知処理に必要なリソースを抑制しつつより適切に各監視対象を監視することができる。
【0060】
なお、上述した検知装置400は、当該検知装置400などの情報処理装置に所定のプログラムが組み込まれることで実現できる。具体的に、本発明の他の形態であるプログラムは、検知装置400などの情報処理装置に、複数の監視候補のうち検知処理の対象となる監視対象を所定の間隔で切り替え、監視対象となる画像データに対して予め定められた検知対象を検知し、切り替える際、検知処理の結果に応じて、次の監視対象に切り替えを行うまでの時間である監視時間を制御する、処理を実現するためのプログラムである。
【0061】
また、上述した検知装置400などの情報処理装置により実行される検知方法は、検知装置400などの情報処理装置が、複数の監視候補のうち検知処理の対象となる監視対象を所定の間隔で切り替え、監視対象となる画像データに対して予め定められた検知対象を検知し、切り替える際、検知処理の結果に応じて、次の監視対象に切り替えを行うまでの時間である監視時間を制御する、という方法である。
【0062】
上述した構成を有する、プログラム、又は、プログラムを記録したコンピュータが読み取り可能な記録媒体、又は、検知方法、の発明であっても、上述した検知装置400と同様の作用・効果を奏するために、上述した本開示の目的を達成することができる。
【0063】
<付記>
上記実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうる。以下、本発明における検知装置などの概略を説明する。但し、本発明は、以下の構成に限定されない。
【0064】
(付記1)
監視対象となる画像データに対して予め定められた検知対象を検知する検知処理を行う検知部と、
複数の監視候補のうち前記検知部による検知処理の対象となる監視対象を所定の間隔で切り替える切り替え部と、
を有し、
前記切り替え部は、前記検知部による検知処理の結果に応じて、次の監視対象に切り替えを行うまでの時間である監視時間を制御する
検知装置。
(付記2)
付記1に記載の検知装置であって、
前記切り替え部は、前記検知部による検知処理の結果に応じて前記監視時間を延長する
検知装置。
(付記3)
付記1または付記2に記載の検知装置であって、
前記切り替え部は、前記検知部による検知処理の結果に応じて前記監視時間を段階的に延長する
検知装置。
(付記4)
付記1から付記3までのうちのいずれか1項に記載の検知装置であって、
前記切り替え部は、前記検知部による人の検知に応じて前記監視時間を延長する
検知装置。
(付記5)
付記4に記載の検知装置であって、
前記切り替え部は、前記検知部による人に生じた状態の検知に応じて前記監視時間をさらに延長する
検知装置。
(付記6)
付記1から付記5までのうちのいずれか1項に記載の検知装置であって、
前記検知部が検知した検知対象の属性を示す属性情報を取得する属性情報取得部と、
前記属性情報取得部が取得した前記属性情報に基づいて前記監視時間を延長する長さを調整する調整部と、
を有する
検知装置。
(付記7)
付記1から付記6までのうちのいずれか1項に記載の検知装置であって、
複数の監視候補を含むグループが複数形成されており、
前記切り替え部は、グループごとに監視対象を所定の間隔で切り替える
検知装置。
(付記8)
付記1から付記7までのうちのいずれか1項に記載の検知装置であって、
検知状況に応じてアラートを発報する報知部を有する
検知装置。
(付記9)
情報処理装置が、
複数の監視候補のうち検知処理の対象となる監視対象を所定の間隔で切り替え、
監視対象となる画像データに対して予め定められた検知対象を検知し、
前記切り替える際、検知処理の結果に応じて、次の監視対象に切り替えを行うまでの時間である監視時間を制御する
検知方法。
(付記10)
情報処理装置に、
複数の監視候補のうち検知処理の対象となる監視対象を所定の間隔で切り替え、
監視対象となる画像データに対して予め定められた検知対象を検知し、
前記切り替える際、検知処理の結果に応じて、次の監視対象に切り替えを行うまでの時間である監視時間を制御する
処理を実現するためのプログラム。
【0065】
なお、上記各実施形態及び付記において記載したプログラムは、記憶装置に記憶されていたり、コンピュータが読み取り可能な記録媒体に記録されていたりする。例えば、記録媒体は、フレキシブルディスク、光ディスク、光磁気ディスク、及び、半導体メモリ等の可搬性を有する媒体である。
【0066】
以上、上記各実施形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は、上述した実施形態に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明の範囲内で当業者が理解しうる様々な変更をすることが出来る。
【符号の説明】
【0067】
100 検知システム
200 撮像装置
300 検知装置
310 操作入力部
320 画面表示部
330 通信I/F部
340 記憶部
341 画像データ情報
342 プログラム
350 演算処理部
351 取得部
352 検知部
353 切り替え部
354 報知部
355 属性情報取得部
356 調整部
400 検知装置
401 CPU
402 ROM
403 RAM
404 プログラム群
405 記憶装置
406 ドライブ装置
407 通信インタフェース
408 入出力インタフェース
409 バス
410 記録媒体
411 通信ネットワーク
421 検知部
422 切り替え部

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12