(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024098827
(43)【公開日】2024-07-24
(54)【発明の名称】鋼製フープ材およびその製造方法
(51)【国際特許分類】
B65D 63/02 20060101AFI20240717BHJP
C21D 1/42 20060101ALI20240717BHJP
C21D 1/52 20060101ALI20240717BHJP
C21D 9/00 20060101ALI20240717BHJP
C21D 9/46 20060101ALN20240717BHJP
【FI】
B65D63/02
C21D1/42 P
C21D1/52 F
C21D9/00 A
C21D9/46 F
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023002569
(22)【出願日】2023-01-11
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-06-05
(71)【出願人】
【識別番号】000168551
【氏名又は名称】鋼鈑工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000419
【氏名又は名称】弁理士法人太田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】重中 縁
(72)【発明者】
【氏名】宮▲崎▼ 勇
(72)【発明者】
【氏名】杉岡 英一郎
【テーマコード(参考)】
3E085
4K037
4K042
【Fターム(参考)】
3E085BA21
3E085BB37
3E085BG01
3E085BH03
4K037FB00
4K037FG00
4K037FH03
4K037FJ04
4K042AA25
4K042BA01
4K042BA03
4K042BA05
4K042CA15
4K042DA03
4K042DA06
4K042DB01
4K042DB06
4K042DF01
4K042EA01
4K042EA03
(57)【要約】
【課題】
エッジ部を意図的に変形しやすくさせることによりエッジ部への集中応力を避けることができるため、エッジ部からの破断とエッジ部による梱包物表面の疵発生を抑制するともに、梱包物を確実に結束し、梱包物を完全に結束できる強度を併せ持つ鋼製フープ材を提供する。
【解決手段】
梱包物のまわりにループ状に巻き付けて結束する鋼製フープ材10であって、結束に必要なフープ強度を維持したまま、幅方向両端エッジ部11の伸びを幅方向中央部の伸びよりも相対的に大きくすることにより、梱包物の形状によるエッジ部への集中応力を避けることができるため、結束に必要なフープ強度を維持したまま、エッジ部からの破断とエッジ部による梱包物表面への疵発生とを抑制する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
梱包物のまわりにループ状に巻き付けて結束する鋼製フープ材であって、
結束に必要なフープ強度を維持したまま、幅方向両端エッジ部の伸びを幅方向中央部の伸びよりも相対的に大きくして、
梱包物の形状によるエッジ部への集中応力を避けてエッジ部からの破断を抑制するとともに、エッジ部による梱包物表面への疵発生を抑制したことを特徴とする鋼製フープ材。
【請求項2】
梱包物のまわりにループ状に巻き付けて結束する鋼製フープ材であって、
幅方向両端のエッジ部に結晶粒粗大部を形成することで、
鋼製フープ材の幅方向において相対的に低硬度であり、結晶粒粗大部による伸びにより、
結束に必要なフープ強度を維持したまま、梱包物の形状によるエッジ部への応力集中を避けてエッジ部からの破断を抑制するとともに、
エッジ部による梱包物表面への疵発生を抑制したことを特徴とする鋼製フープ材。
【請求項3】
梱包物のまわりにループ状に巻き付けて結束する鋼製フープ材の製造方法であって、
加熱処理によって、幅方向両端に幅方向中央部よりも相対的に結晶粒粗大部を形成し、
エッジ部の硬度を、幅方向中央部の硬度よりも下げることを特徴とする鋼製フープ材の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鋼製フープ材に関し、特に、梱包物のまわりにループ状に巻き付けて結束する鋼製フープ材およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、輸送や貯蔵、売買などのために、梱包物のまわりにループ状に巻き付けて結束する、引張強度に優れた鋼製のフープ材が広く用いられている。
例えば、特許文献1(特開平7-300617号公報)には、
C:0.20~0.25%の低炭素鋼組成に、Si:0.10%以下、完全なAl脱酸に必要なAl、B対遊離Nの比が1.07~1.43になる様にBを添加して鋼を熱延し、593℃でコイルに巻取り空冷し、70~80%冷延減厚した鋼製ストラップ(鋼製フープ材)が記載されており、従来よりも高張力を持っている。
特許文献2(特開平7-316661号公報)には、
C:0.20wt%、Mn:1.70wt%、Ti:0.10wt%以上、残部がFe、及び不可避的不純物からなる鋼材を、仕上温度850℃、巻取り温度540℃で熱延し、50%の圧下率で冷間圧延し、600~700℃で焼鈍した梱包用バンド(鋼製フープ材)が記載されており、従来のブルーイング処理、オーステンパー処理等のためのラインを通さずに既設の低炭素鋼用の連続焼鈍ラインを使用して、目標の機械的特性を得ている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7-300617号公報
【特許文献2】特開平7-316661号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、結束される物品の中で、特に、鋭い端縁や小さい曲率半径を有する物品(例えば、線材や巻き取った鋼板など)は、鋼製フープ材の張力が、梱包する物品を固定するために増大されると、鋼製フープ材のエッジ部が、梱包される物品の表面を疵つけることがある。
上記先行技術文献の鋼製フープ材は、物品を強く固定するために十分な引張強度を持っている鋼製のフープ材であるが、フープ全体を均等な加熱温度で製造しており、幅方向で均一な硬度であるため、エッジ部が硬く、梱包する相手材を疵つけるおそれがある。
例えば、
図7に示されているような線材結束において、フープ材のエッジ部に力が掛かり切れかかっているエッジ部が見える。
このフープ材を引き続き使用した場合には、エッジ部からのフープ材破断のおそれがある。
これは、結束後スプリングバックによる張力保持と線材凹凸によって、フープ材のエッジ部に応力が集中しやすいためである。
一方で、エッジ部を硬くして変形を防止しようとすれば、エッジ部が線材表面を疵つけてしまうという問題が生ずる。
このため、エッジ部で線材表面に疵をつけないフープ材が求められていた。
しかし、エッジ部で線材に疵をつけないという点を重視して、フープ全体の伸びを大きくすると、フープ材全体としての強度が下がっては梱包用フープ材としては使用できない。
そこで、本発明は、結束に必要なフープ強度を維持したまま、幅方向両端エッジ部11の伸びを幅方向中央部の伸びよりも相対的に大きくして、梱包物の形状によるエッジ部への集中応力を避けてエッジ部からの破断を抑制するとともに、エッジ部による梱包物表面への疵発生を抑制するとともに、梱包物を確実に結束し、ハンドリング、輸送、など、あらゆる条件においても、梱包物を完全に結束できる強度を併せ持つ鋼製フープ材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、以下の特徴を有する。
(1)梱包物のまわりにループ状に巻き付けて結束する鋼製フープ材であって、
結束に必要なフープ強度を維持したまま、幅方向両端エッジ部の伸びを幅方向中央部の伸びよりも相対的に大きくして、
梱包物の形状によるエッジ部への集中応力を避けてエッジ部からの破断を抑制するとともに、エッジ部による梱包物表面への疵発生を抑制したことを特徴とする鋼製フープ材。
(2)梱包物のまわりにループ状に巻き付けて結束する鋼製フープ材であって、
幅方向両端のエッジ部に結晶粒粗大部を形成することで、鋼製フープ材の幅方向において相対的に低硬度であり、結晶粒粗大部による伸びにより、結束に必要なフープ強度を維持したまま、梱包物の形状によるエッジ部への応力集中を避けてエッジ部からの破断を抑制するとともに、
エッジ部による梱包物表面への疵発生を抑制したことを特徴とする鋼製フープ材。
(3)梱包物のまわりにループ状に巻き付けて結束する鋼製フープ材の製造方法であって、
加熱処理によって、幅方向両端に幅方向中央部よりも相対的に結晶粒粗大部を形成し、
エッジ部の硬度を、幅方向中央部の硬度よりも下げることを特徴とする鋼製フープ材の製造方法。
【発明の効果】
【0006】
本発明の鋼製フープ材は、梱包物のまわりにループ状に巻き付けて結束する鋼製フープ材であって、結束に必要なフープ強度を維持したまま、幅方向両端エッジ部の伸びを幅方向中央部の伸びよりも相対的に大きくすることで梱包物の形状によるエッジ部への集中応力を避けることができるため、結束に必要なフープ強度を維持したまま、エッジ部からの破断とエッジ部による梱包物表面への疵発生とを抑制したことを特徴とする。
また、本発明の鋼製フープ材は、エッジ部からの破断とエッジ部による梱包物表面の疵発生とを抑制するともに、梱包物を確実に結束し、ハンドリング、輸送、など、あらゆる条件においても、梱包物を完全に結束できる強度を併せ持つ。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、エッジ部に結晶粒粗大部が形成された本発明の鋼製フープ材の硬度分布イメージ図である。
【
図2】
図2は、加熱方法の一例としてIH加熱装置を用いてエッジ部加熱フープ材を製造する様子を示す概略図であり、(a)は側面図、(b)は上面図である。
【
図3】
図3は、結晶粒粗大部が形成されたフープ厚み方向の断面組織イメージ図である。
【
図4】
図4は、実施例の鋼製フープ材の結晶粒粗大部の硬度を測定したグラフであり、左端から幅方向中央に向かって測定した硬度分布を示すグラフである。
【
図5】
図5は、引張強度の測定装置において、実際の結束を想定した引張試験を行うためのテーパー角度を有したブロックホルダー治具を使用した引張試験の説明図である。
【
図6】
図6は、上記のブロックホルダー治具を用いて行った引張強度の測定結果を示すグラフである。
【
図7】従来のフープ材による線材結束の様子を示した写真である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
[実施例]
図1は、エッジ部11に結晶粒粗大部12が形成された実施例の鋼製フープ材10の硬度分布イメージ図である。
図示するように、本発明の鋼製フープ材10は、鋼製フープ材の幅方向両端のエッジ部11の硬度を下げることにより、エッジ部から破断しにくくなるとともに、梱包物表面に疵をつけにくくすることができる。
すなわち、梱包物のまわりにループ状に巻き付けて結束する鋼製フープ材10を、結束に必要なフープ強度を維持したまま、幅方向両端エッジ部11の伸びを幅方向中央部の伸びよりも相対的に大きくすることにより、梱包物の形状によるエッジ部への集中応力を避けることができるため、結束に必要なフープ強度を維持したまま、エッジ部からの破断とエッジ部による梱包物表面への疵発生を抑制したことを特徴とする。
【0009】
<素材>
鋼製フープ材の素材としては、Cを添加した引張強さに優れた鋼製の素材が用いられる。
本発明の実施例ではベーリングフープ用帯鋼(BH)を用いたが、加熱処理によって結晶粒が粗大化する素材であれば、これ以外の素材を用いることもできる。
ちなみに、本発明の実施例に用いた鋼製フープ材は、SAE1035相当材であった。
また、鋼製フープ材の寸法としては、適宜決定されるものであるが、本実施例では、
厚みt:1.2mm×幅w:32mmとした。
また、鋼製フープ材までの製造工程は、1.2mm冷間圧延後の焼鈍(熱処理:460~505℃、8時間、バッチ焼鈍)であった。
【0010】
<素材の加熱処理>
本発明では、鋼製フープ材の素材を加熱処理してエッジ部11を軟化させる。
エッジ部11の加熱処理手段としては、電気ヒーター、ガスバーナーなどが挙げられるが、
狭い範囲での加熱制御ができる点などに鑑みて、IH(インダクションヒーティング)加熱装置を採用した。
この装置は、電磁誘導の原理を利用して、電磁力の働きでフープ材を発熱させるものである。
加熱コイル20に電流が流れると磁力線が発生し、この磁力線がフープ材を通るときうず電流に変わり、フープ材の電気抵抗によって発熱する。
【0011】
本実施例では、
図2に示すように、左右にあるU型の加熱コイル20の間にフープ材を走行させ、フープ材の素材の左右両端のエッジ部11を加熱し、エッジ部を加熱した鋼製フープ材10を製造した。
【0012】
図3は、結晶粒粗大部12が形成された実施例の厚み方向断面組織イメージ図である。
幅方向中央部13からエッジ部11にかけて組織の結晶粒が大きくなるイメージである。
図示するように、加熱処理されたエッジ部11の結晶組織は粗大化し、結晶粒粗大部12を形成する。
しかし、幅方向中央部13方向へ行くにしたがって加熱の影響はなくなり、結晶組織の粗大化は見られない。
【0013】
図4は、実施例の鋼製フープ材の結晶粒粗大部12の硬度を測定したグラフであり、左端エッジ部11から幅方向中央部13に向かって測定した硬度分布を示すグラフである。
図示するように、加熱処理を施していない原板(素材のまま)の左端面の硬度は280Hv(ビッカース硬度)であり、エッジを加熱した鋼製フープ材10の影響のない部分の硬さは300Hv前後であったが、加熱された結晶粒粗大部12はエッジに向かって硬度が低くなり、左端面では240Hv以下となり軟化していることがわかる。
これにより、鋼製フープ材10の幅方向において相対的に低硬度であり、エッジ部11が伸びることにより、エッジ11からの破断と梱包物表面への疵発生とを抑制することができる。
なお、結晶粒粗大部12の幅(例えば、端部から3mm、5mmなど)は、IH加熱装置の温度、フープ材走行速度などの条件を調整することで制御することができる。
なお、
図4では、左端エッジ部11から幅方向中央部13に向かっての測定結果を示したが、右端エッジ部から幅方向中央部に向かっての測定結果も同様であったので測定結果の記載を省略している。
【0014】
つぎに、本発明のエッジ部加熱フープ材10の引張強度について説明する。
前述したように、エッジ部からの破断と梱包物表面の疵発生とを抑制するという観点から、フープ材のエッジ部の硬度について説明したが、鋼製フープ材としては、線材などの梱包物を結束する梱包材として所定の強度も必要である。
すなわち、梱包物を確実に結束し、ハンドリング、輸送、など、あらゆる条件においても、梱包物を完全に保護できる強度をも併せ持つことも重要である。
【0015】
<鋼製フープ材の引張強度測定>
そこで、本発明の鋼製フープ材10は、梱包物結束時において、エッジ部11からの破断が発生しにくく、所定の引張強度を有するかどうかを測定した。
以下に、実施例で行った引張強度の測定方法を説明する。
すなわち、鋼製フープ材のエッジ部に線材などの梱包物が傾いて当接する場合をも想定した測定方法である。以下に、その詳細を説明する。
【0016】
図5は、フープ材10の引張強度測定するためのブロックホルダー治具30である。
図示するように、測定装置は、既存の引張試験機にテーパーブロック31を組み込んだブロックホルダー治具30を取り付けてフープ材10の引張試験を行うものである。
つぎに、テーパーブロック31を詳細に説明する。
テーパーブロック31は、その四隅に4つの角部31a、31b、31c、31dを、それぞれ、0°、5°、10°、15°に傾斜させて加工形成したものである。
また、各角部には線材の結束を想定して曲率半径(R)加工をしている。
つぎに、測定装置において、測定用フープ材の取り付け方を説明する。
まずは、鋼製フープ材10をテーパーブロック31の角部(
図5では31c:テーパー角度10°)に当接する様に、上ニードルベアリング32、下ニードルベアリング33とテーパーブロック31の間に鋼製フープ材10を通す。
そして、引張試験機の上チャック34と下チャック35に鋼製フープ材10をそれぞれチャッキングさせる。
A-A視に示すように、引張試験機で鋼製フープ材10を引っ張ると、エッジ部11の部分を強制的に張り出し(伸ばし)形成した状態になり、鋼製フープ材10全体としての強度を測定できる。
【0017】
図6に、上記のブロックホルダー治具30を用いて行った鋼製フープ材10の引張強度の測定結果を示す。
図示するように、測定フープ材と当接するテーパーブロック31の角度が0°、5°、10°、15°と、いずれの測定でも、鋼製フープ材10の抗張力は、原板(素材)と比較して高いことがわかる。
すなわち、測定結果から、テーパーブロックの角度が大きくなるほど(0°、5°、10°、15°と)全体としての抗張力は低下しているが、実施例の鋼製フープ材10では、その低下率が小さい。
例えば、テーパーブロックの角度を15°に設定した測定では、原板(素材)の抗張力が約310N/mm
2であったが、実施例の鋼製フープ材10の抗張力は約430N/mm
2であり、原板(素材)と比較して39%向上している。
このことから、テーパーブロックの角度が大きくなると原板ではエッジ部の伸びがないため切れやすいが、実施例の鋼製フープ材10は、結晶粒粗大部がテーパーブロック31の角部に当接して伸びることにより、エッジ部11から破断しにくくなり、フープ材全体としての抗張力は向上していることがわかる。
【産業上の利用可能性】
【0018】
本発明の鋼製フープ材は、梱包物のまわりにループ状に巻き付けて結束する鋼製フープ材であって、結束に必要なフープ強度を維持したまま、幅方向両端エッジ部の伸びを幅方向中央部の伸びよりも相対的に大きくすることにより、梱包物の形状によるエッジ部への集中応力を避けることができるため、結束に必要なフープ強度を維持したまま、エッジ部からの破断とエッジ部による梱包物表面への疵発生とを抑制したことを特徴とする。
すなわち、エッジ部を意図的に変形しやすくさせることによりエッジ部からの破断とエッジ部による梱包物表面の疵発生とを抑制するともに、梱包物を確実に結束し、ハンドリング、輸送、など、あらゆる条件においても、梱包物を完全に結束できる強度を併せ持つフープ材を提供することができるため、産業上の利用可能性が高い。
【符号の説明】
【0019】
10 鋼製フープ材
11 エッジ部
12 結晶粒粗大部
13 幅方向中央部
20 加熱コイル
30 ブロックホルダー治具
31 テーパーブロック
31a、31b、31c、31d 角部
32 上ニードルベアリング
33 下ニードルベアリング
34 上チャック
35 下チャック
【手続補正書】
【提出日】2023-04-24
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
梱包物のまわりにループ状に巻き付けて結束する鋼製フープ材であって、
幅方向両端のエッジ部に結晶粒粗大部を形成することで、
鋼製フープ材の幅方向において相対的に低硬度であり、結晶粒粗大部による伸びにより、
結束に必要なフープ強度を維持したまま、梱包物の形状によるエッジ部への応力集中を避けてエッジ部からの破断を抑制するとともに、
エッジ部による梱包物表面への疵発生を抑制したことを特徴とする鋼製フープ材。
【請求項2】
梱包物のまわりにループ状に巻き付けて結束する鋼製フープ材の製造方法であって、
加熱処理によって、幅方向両端に幅方向中央部よりも相対的に結晶粒粗大部を形成し、
エッジ部の硬度を、幅方向中央部の硬度よりも下げることを特徴とする鋼製フープ材の製造方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0005】
本発明は、以下の特徴を有する。
(1)梱包物のまわりにループ状に巻き付けて結束する鋼製フープ材であって、
幅方向両端のエッジ部に結晶粒粗大部を形成することで、鋼製フープ材の幅方向において相対的に低硬度であり、結晶粒粗大部による伸びにより、結束に必要なフープ強度を維持したまま、梱包物の形状によるエッジ部への応力集中を避けてエッジ部からの破断を抑制するとともに、
エッジ部による梱包物表面への疵発生を抑制したことを特徴とする鋼製フープ材。
(2)梱包物のまわりにループ状に巻き付けて結束する鋼製フープ材の製造方法であって、
加熱処理によって、幅方向両端に幅方向中央部よりも相対的に結晶粒粗大部を形成し、
エッジ部の硬度を、幅方向中央部の硬度よりも下げることを特徴とする鋼製フープ材の製造方法。