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特開2024-98852パラメータ設定用プログラム及び燃焼システム
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  • 特開-パラメータ設定用プログラム及び燃焼システム 図1
  • 特開-パラメータ設定用プログラム及び燃焼システム 図2
  • 特開-パラメータ設定用プログラム及び燃焼システム 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024098852
(43)【公開日】2024-07-24
(54)【発明の名称】パラメータ設定用プログラム及び燃焼システム
(51)【国際特許分類】
   H04Q 9/00 20060101AFI20240717BHJP
   F23N 5/00 20060101ALI20240717BHJP
   F24H 15/443 20220101ALI20240717BHJP
   F24H 15/464 20220101ALI20240717BHJP
【FI】
H04Q9/00 331A
F23N5/00 M
F24H15/443
F24H15/464
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023002613
(22)【出願日】2023-01-11
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】000115854
【氏名又は名称】リンナイ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000800
【氏名又は名称】デロイトトーマツ弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】三浦 卓也
【テーマコード(参考)】
3K003
5K048
【Fターム(参考)】
3K003EA02
3K003GA03
3K003HA01
5K048AA04
5K048BA14
5K048DC01
5K048EB06
5K048FB10
5K048GC03
5K048HA21
(57)【要約】
【課題】複数の燃焼装置に対して、該燃焼装置の運転に必要なパラメータを設定する作業を効率よく実施することを可能とするパラメータ設定用プログラムを提供する。
【解決手段】燃焼装置10と無線通信を行い得る情報端末50で動作するパラメータ設定用プログラムは、一つの燃焼装置10に対するパラメータの設定時に情報端末50に入力されたパラメータを情報端末50又は外部記憶装置に記憶させる処理と、当該記憶後に、他の燃焼装置に対してパラメータを設定するとき、記憶されたパラメータの他の燃焼装置10への書き込みを情報端末50に対して指示する選択肢を情報端末50に表示させる処理と、該選択肢が選択された場合に記憶されたパラメータを他の燃焼装置10に書き込む処理とを情報端末50に実行させ得る。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃焼装置と無線通信を行い得る情報端末で動作するパラメータ設定用プログラムであって、前記情報端末との無線通信を開始した燃焼装置が該燃焼装置の動作に関連するパラメータが設定されていない燃焼装置である場合に、前記情報端末に、前記パラメータの設定値の入力用の画面であるパラメータ入力画面を表示させる処理と、
該パラメータ入力画面の表示に応じて前記情報端末に入力されたパラメータを該情報端末の無線通信相手の燃焼装置に書き込む処理と、
前記入力されたパラメータを前記情報端末、又は該情報端末と通信可能な外部記憶装置に記憶させる処理と、
当該記憶後に、前記情報端末との無線通信を開始した他の燃焼装置がパラメータが設定されていない燃焼装置である場合に、前記記憶されたパラメータの設定値の前記他の燃焼装置への書き込みを前記情報端末に対して指示する選択肢を該情報端末に表示させる処理と、
該選択肢が選択された場合に前記記憶されたパラメータの設定値を前記他の燃焼装置に書き込む処理とを該情報端末に実行させ得るように構成されていることを特徴とするパラメータ設定用プログラム。
【請求項2】
請求項1記載のパラメータ設定用プログラムにおいて、
前記パラメータは、前記燃焼装置に接続される排気路の排気抵抗に係る設定値と、前記燃焼装置に供給される燃料ガスの種類に係る設定値とのうちの少なくとも一方を含むことを特徴とするパラメータ設定用プログラム。
【請求項3】
燃焼装置と、該燃焼装置と無線通信を行い得る情報端末とを備える燃焼システムであって、
前記情報端末は、該情報端末と無線通信を開始した燃焼装置が該燃焼装置の動作に関連するパラメータが設定されていない燃焼装置である場合に、前記パラメータの設定値の入力用の画面であるパラメータ入力画面を表示する処理と、該パラメータ入力画面の表示に応じて該情報端末に入力されたパラメータの設定値を該情報端末の無線通信相手の燃焼装置に送信する処理と、前記入力されたパラメータを該情報端末、又は該情報端末と通信可能な外部記憶装置に記憶する処理と、当該記憶後に、該情報端末との無線通信を新たに開始した他の燃焼装置がパラメータが設定されていない燃焼装置である場合に、前記記憶されたパラメータの設定値の前記他の燃焼装置への書き込みを該情報端末に対して指示する選択肢を表示する処理と、該選択肢が選択されたとき、前記記憶されたパラメータの設定値を前記他の燃焼装置に送信する処理とを実行し得るように構成され、
前記燃焼装置のそれぞれは、前記情報端末との無線通信により該情報端末から受信したパラメータの設定値を記憶保持するように構成されていることを特徴とする燃焼システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃焼装置に対するパラメータ設定用のプログラムと、燃焼システムとに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば燃焼装置を備える給湯装置に関し、特許文献1に見られるように、燃焼装置の運転制御等に必要なパラメータ(ガス種、排気バリエーション、号数、風呂タイプ、ブランド名等)を給湯装置の制御部に対して設定する技術が知られている。
【0003】
この技術では、いくつかのパラメータの値を設定すると、それに基づいて、給湯装置の機種が特定され、その機種に応じて他のパラメータの値が自動的に設定されるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2014-185828号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、集合住宅等の施設では、同一仕様の多数の燃焼装置(給湯装置等)が設置される場合が多い。この場合、個々の燃焼装置に対して、特許文献1に見られる如くパラメータの設定を行うと、機種の特定に必要ないくつかのパラメータの値を入力する作業を、多数の燃焼装置のそれぞれに対して同じように実行する必要があり、作業効率が悪い。特に、機種の特定に必要なパラメータの個数が比較的多くなる場合には、多数の燃焼装置に対してパラメータを設定する作業を完了するまでに、多大な労力と時間を要する。また、いくつかの燃焼装置に対して、パラメータの入力ミスも生じやすくなる。
【0006】
本発明はかかる背景に鑑みてなされたものであり、複数の燃焼装置に対して、該燃焼装置の運転に必要なパラメータを設定する作業を効率よく実施することを可能とするパラメータ設定用プログラム、及び燃焼システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のパラメータ設定用プログラムは、上記の目的を達成するために、燃焼装置と無線通信を行い得る情報端末で動作するパラメータ設定用プログラムであって、
前記情報端末との無線通信を開始した燃焼装置が該燃焼装置の動作に関連するパラメータが設定されていない燃焼装置である場合に、前記情報端末に、前記パラメータの設定値の入力用の画面であるパラメータ入力画面を表示させる処理と、
該パラメータ入力画面の表示に応じて前記情報端末に入力されたパラメータを該情報端末の無線通信相手の燃焼装置に書き込む処理と、
前記入力されたパラメータを前記情報端末、又は該情報端末と通信可能な外部記憶装置に記憶させる処理と、
当該記憶後に、前記情報端末との無線通信を開始した他の燃焼装置がパラメータが設定されていない燃焼装置である場合に、前記記憶されたパラメータの設定値の前記他の燃焼装置への書き込みを前記情報端末に対して指示する選択肢を該情報端末に表示させる処理と、
該選択肢が選択された場合に前記記憶されたパラメータの設定値を前記他の燃焼装置に書き込む処理とを該情報端末に実行させ得るように構成されていることを特徴とする。
【0008】
本発明のパラメータ設定用プログラムによれば、一つの燃焼装置に対して設定したパラメータが情報端末又は外部記憶装置で記憶保持される。そして、他の燃焼装置に対しては、記憶保持したパラメータの設定値をそのまま書き込むことが可能である。このため、他の燃焼装置に対しては、パラメータの設定値を情報端末に入力する作業を省略できる。
【0009】
よって、本発明のパラメータ設定用プログラムによれば、複数の燃焼装置に対して、該燃焼装置の運転に必要なパラメータを設定する作業を効率よく実施することが可能となる。
【0010】
かかるパラメータ設定用プログラムでは、前記パラメータは、前記燃焼装置に接続される排気路の排気抵抗に係る設定値と、前記燃焼装置に供給される燃料ガスの種類に係る設定値とのうちの少なくとも一方を含むことができる。
【0011】
集合住宅等に設置される複数の燃焼装置は、排気路の構成や、使用する燃料ガスの種類が同一である場合が多い。このため、排気路の排気抵抗に係る設定値や、燃料ガスの種類は、集合住宅等に設置される複数の燃焼装置のそれぞれに対して共通のパラメータとなる。
【0012】
従って、集合住宅等に設置される複数の燃焼装置に対して本発明のパラメータ設定用プログラムを適用することで、複数の燃焼装置に対するパラメータの設定を効率よく行うことが可能となる。
【0013】
また、本発明の燃焼システムは、燃焼装置と、該燃焼装置と無線通信を行い得る情報端末とを備える燃焼システムであって、
前記情報端末は、該情報端末と無線通信を開始した燃焼装置が該燃焼装置の動作に関連するパラメータが設定されていない燃焼装置である場合に、前記パラメータの設定値の入力用の画面であるパラメータ入力画面を表示する処理と、該パラメータ入力画面の表示に応じて該情報端末に入力されたパラメータの設定値を該情報端末の無線通信相手の燃焼装置に送信する処理と、前記入力されたパラメータを該情報端末、又は該情報端末と通信可能な外部記憶装置に記憶する処理と、当該記憶後に、該情報端末との無線通信を新たに開始した他の燃焼装置がパラメータが設定されていない燃焼装置である場合に、前記記憶されたパラメータの設定値の前記他の燃焼装置への書き込みを該情報端末に対して指示する選択肢を表示する処理と、該選択肢が選択されたとき、前記記憶されたパラメータの設定値を前記他の燃焼装置に送信する処理とを実行し得るように構成され、
前記燃焼装置のそれぞれは、前記情報端末との無線通信により該情報端末から受信したパラメータの設定値を記憶保持するように構成されていることを特徴とする。
【0014】
本発明の燃焼システムによれば、パラメータ設定用プログラムと同様に、一つの燃焼装置に対して設定したパラメータの設定値を情報端末又は外部記憶装置に記憶した後は、他の燃焼装置に対しては、パラメータの設定値を情報端末に入力する作業を省略できる。
【0015】
よって、本発明の燃焼システムによれば、複数の燃焼装置に対して、該燃焼装置の運転に必要なパラメータを設定する作業を効率よく実施することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の実施形態の燃焼システムの構成を示す図。
図2】パラメータの設定に係る処理を示すフローチャート。
図3】パラメータの設定に係る処理を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の一実施形態を図1図3を参照して以下に説明する。図1を参照して、本実施形態の燃焼システム1は、燃焼装置としての機能を有する給湯装置10と、給湯装置10と無線通信を行い得る情報端末50とを備える。
【0018】
給湯装置10は、給湯用水を加熱して出湯する給湯運転を行い得る熱源機11と、熱源機11の運転操作用のリモコン30とを備える。熱源機11には、燃焼装置本体12と、給湯用水を流す通水路20とが搭載されている。
【0019】
燃焼装置本体12は、バーナ13と、該バーナ13を内部(燃焼室)に収容した燃焼筐14と、バーナ13に燃料供給路15aから燃料(本実施形態では、燃料ガス)を供給する燃料供給装置15と、バーナ13に燃焼用空気を供給する燃焼ファン16と、図示しない点火装置とを備えている。燃焼筐14には、バーナ13の燃焼運転により生成される燃焼排ガスを外部に排気する排気路14aが接続されている。
【0020】
燃料供給装置15は、燃料供給路15aを開閉する二つの開閉弁15b,15c(例えば電磁弁)と、バーナ13への燃料供給量を調整する燃料調整弁15d(例えば比例弁)とを備え、開閉弁15b,15cを開弁制御することで、バーナ13に燃料ガスを供給することが可能である。
【0021】
そして、燃料供給装置15により燃料ガスをバーナ13に供給すると共に、燃焼ファン16により燃焼用空気をバーナ13に供給しつつ、点火装置を作動させることで、バーナ13を点火して燃焼運転を開始させることが可能である。さらに、バーナ13の燃焼運転中は、バーナ13のへの燃料供給量と燃焼用空気の供給量とをそれぞれ燃料調整弁15dと燃焼ファン16とを介して制御することで、バーナ13の燃焼量を制御することが可能である。
【0022】
燃焼筐14には、バーナ13の燃焼運転により加熱され得るように熱交換器21が搭載されている。そして、熱源機11に備えられた通水路20は、図示しない給水源から供給される給湯用水を、給水路20aから熱交換器21を通る流路20bとバイパス路20cとを並列に経由させて給湯路20dに流し、該給湯路20dから図示しない給湯対象部の給湯栓やシャワー等に流すように構成されている。なお、バイパス路20cの通水流量と熱交換器21の通水流量との比率(いわゆる、バイパス比)は、例えば、給水路20aとバイパス路20cとの接続部に組付けられた電動式の三方弁等の弁装置22の作動制御を通じて調整することが可能である。
【0023】
熱源機11には、その作動制御を行う機能を有する制御装置40が搭載され、該制御装置40は、リモコン30と通信を行い得るように有線接続されている。リモコン30では、熱源機11の運転のON/OFFや、給湯温度の目標値を設定する操作を行ったり、熱源機11の作動状態等を示す情報を表示したりすることが可能である。
【0024】
制御装置40は、図示しないマイクロコンピュータ等のプロセッサ、RAM、ROM等のメモリ、インターフェース回路等を含む一つ以上の電子回路ユニットにより構成され、実装されたハードウェア構成及びプログラム(ソフトウェア構成)により実現される機能によって、熱源機11の作動制御(バーナ13の燃焼運転の制御等)を行うことが可能である。
【0025】
また、制御装置40は、Bluetooth、Wi-Fi、赤外線通信等の図示しない無線通信モジュールを含んでおり、該無線通信モジュールを介して情報端末50と無線通信を行うことが可能である。
【0026】
情報端末50は、給湯装置10の設置業者や、保守、点検等を行うサービス業者等の業者が使用する通信端末であり、スマートフォン、タブレット端末、あるいは専用端末等により構成される。該情報端末50には、給湯装置10の熱源機11を含む様々な種類の給湯装置の熱源機に関するパラメータの設定や確認等を各給湯装置10の制御装置40に対して行うためのアプリケーション(以降、パラメータ設定用アプリという)があらかじめインストールされている。このパラメータ設定用アプリは、本発明のパラメータ設定用プログラムの一例に相当するものである。
【0027】
ここで、上記パラメータは、給湯装置10の運転に必要なデータであり、例えば燃料ガスの種類、排気路14aの標準の長さに対する延長量、目標給湯温度の上限値等を含む。なお、排気路14aの延長量は、排気路14aの排気抵抗に係る設定値に相当するものである。該排気抵抗に係る設定値は、排気路14aの延長量に限らず、例えば、排気路14aの横断面積等を含んでいてもよい。
【0028】
次に、集合住宅等の各住戸への給湯装置10の設置後等に情報端末50を用いて業者が行う作業について図2及び図3を参照して具体的に説明する。ここでは、例えば集合住宅の複数の住戸に同一機種の給湯装置10が設置され、各住戸の給湯装置10に対して情報端末50を用いてパラメータを設定する場合を例にとって説明する。この場合、各給湯装置10の制御装置40は、パラメータの設定が未だ行われていないものとする。
【0029】
なお、以降の説明では、パラメータの設定を行おうとする給湯装置10を対象の給湯装置10、該対象の給湯装置10の制御装置40を対象の制御装置40という。
【0030】
複数の給湯装置10のうち、任意の1台目の給湯装置10に対して、パラメータを設定する場合の処理について、図2を参照しつつ説明する。この場合、当該1台目の給湯装置10である対象の給湯装置10の制御装置40と情報端末50との通信接続(例えばペアリング)が行われる。そして、この通信接続が完了することにより、対象の制御装置40と情報端末50との無線通信が開始すると、対象の制御装置40に対するパラメータの設定がまだ行われていない場合、STEP1において、情報端末50のパラメータ設定用アプリがガイダンス設定モードを起動する(ONにする)。
【0031】
このガイダンス設定モードは、パラメータ設定用アプリが、パラメータの設定値の入力用の画面であるパラメータ入力画面を情報端末50の表示器51で表示させながら、情報端末50のユーザに対してパラメータの設定のガイダンスを行うことで、ユーザにパラメータの設定値の入力操作を行わせるモードである。
【0032】
ガイダンス設定モードが起動すると、STEP2において、ユーザはガイダンスに従って複数のパラメータを設定する(パラメータの設定値を情報端末50に入力する操作を行う)。
【0033】
そして、ユーザは、パラメータの設定値の入力操作を完了すると、STEP3において、入力したパラメータの設定値の確認(設定確認)を行う。この場合、パラメータ設定用アプリは、情報端末50の表示器51に、ユーザが入力した各パラメータの設定値を表示させる。
【0034】
次いで、STEP4において、ユーザは、パラメータの設定の完了操作(パラメータの設定値を確認した旨の操作)を情報端末50に対して行う。これに応じて、パラメータ設定用アプリは、ユーザが入力したパラメータの設定値を情報端末50から対象の制御装置40に送信する。このとき、該制御装置40は、受信したパラメータの設定値をメモリに記憶保持する。これにより、対象の制御装置40に、情報端末50で入力されたパラメータの設定値が書き込まれる。
【0035】
そして、STEP5において、パラメータ設定用アプリは、メインメニューモードを起動する(ONにする)。このメインメニューモードでは、ユーザは、入力したパラメータを情報端末50で保存(記憶保持)させる操作(STEP6)、あるいは、情報端末50で保存されたパラメータの設定値を確認したり、更新する操作(STEP7)、あるいは、情報端末50で保存されたパラメータの設定値を対象の給湯装置10の制御装置40に対して一括設定する操作(STEP8)を実行することが可能である。
【0036】
ここで、対象の給湯装置10としての1台目の給湯装置10の制御装置40に対して前記ガイダンス設定モードでパラメータの設定を行ったユーザは、上記STEP6の操作を行う。これにより、1台目の給湯装置10の制御装置40に対して設定した全てのパラメータの設定値が情報端末50でEEPROM等の不揮発性メモリに記憶保持される。この場合、STEP6では、ユーザは、保存するパラメータの設定値の組に任意の名前等の識別情報を付加することが可能であり、その識別情報と共にパラメータの設定値が記憶保持される。
【0037】
なお、情報端末50が外部のサーバ等の外部記憶装置とインターネット等の外部ネットワークを介して通信を行い得る場合には、パラメータの設定値及び識別情報を該外部記憶装置に保存(記憶保持)するようにしてもよい。
【0038】
次に、上記1台目の給湯装置10以外の他の給湯装置10に対して、パラメータを設定する場合の処理について、図3を参照しつつ説明する。この場合、当該他の給湯装置10である対象の給湯装置10の制御装置40と情報端末50との通信接続(例えばペアリング)が行われる。そして、この通信接続が完了することにより、対象の制御装置40と情報端末50との無線通信が開始すると、対象の制御装置40に対するパラメータの設定がまだ行われていない場合、STEP11において、情報端末50のパラメータ設定用アプリが、対象の制御装置40に対してパラメータの一括設定を行うか否かをユーザに選択させる画面を情報端末50の表示器51に表示させる。
ここで、一括設定は、情報端末50(又は外部記憶装置)に保存されたパラメータの設定値の組を対象の制御装置40に一括して書き込む処理である。
【0039】
STEP11において、ユーザが一括設定を行うことを選択した場合には、STEP12において、ユーザは、一括設定を行う保存情報(パラメータの設定値の組)をその識別情報により選択する操作を情報端末50で実行する。
【0040】
そして、STEP13において、ユーザは、選択したパラメータの設定値の組を対象の制御装置40に一括設定することを情報端末50に対して指示する。さらに、STEP14において、ユーザは、パラメータの設定の完了操作を情報端末50に対して行う。これに応じて、パラメータ設定用アプリは、選択されたパラメータの設定値の組を情報端末50から対象の制御装置40に送信する。このとき、該制御装置40は、受信したパラメータの設定値の組をメモリに記憶保持する。これにより、対象の制御装置40に対してパラメータの一括設定が完了する。
【0041】
パラメータの一括設定が完了すると、STEP15において、パラメータ設定用アプリは、メインメニューモードを起動する。該メインメニューモードは、前記STEP5で起動されるメインメニューモードと同じである。
【0042】
また、STEP11において、一括設定を行うことがユーザにより選択されなかった場合には、STEP16において、パラメータ設定用アプリは、ガイダンス設定モードを起動する。該ガイダンス設定モードは、前記STEP1で起動されるガイダンス設定モードと同じである。従って、1台目の給湯装置10以外の他の給湯装置10の制御装置40に対して、ガイダンス設定モードでパラメータの設定を行うこともできる。
【0043】
補足すると、給湯装置10の制御装置40に既にパラメータが設定されている状態で、該制御装置40と情報端末50と通信接続を行った場合には、情報端末50のパラメータ設定用アプリは、メインメニューモードを起動する。
【0044】
このとき、既に保存されたパラメータの設定値の組がある場合には、図2に示したSTEP8において、給湯装置10の制御装置40(情報端末50と通信接続を行った制御装置40)に対して、前記STEP12~14の処理と同様に、パラメータの設定値の一括設定を行うことができる。これにより、制御装置40に記憶保持したパラメータの設定値を速やかに更新することができる。
【0045】
以上説明した実施形態によれば、集合住宅等に設置される複数の給湯装置10に対してパラメータを設定する場合に、2台目以降の給湯装置10に対するパラメータの設定を一括設定で行うことができるため、複数の給湯装置10に対するパラメータの設定を効率よく行うことができる。
【0046】
なお、本発明は以上説明した実施形態に限定されるものではない。例えば、本発明における燃焼装置は、燃料ガスを燃料として使用するものに限らず、灯油等の液体燃料を使用するものであってもよい。また、燃焼装置は、給湯装置に限らず、燃焼式の温風暖房機、燃焼式の衣類乾燥機、燃焼式の浴室暖房機等であってもよい。
【符号の説明】
【0047】
10…給湯装置(燃焼装置)、50…情報端末。
図1
図2
図3