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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024098887
(43)【公開日】2024-07-24
(54)【発明の名称】半導体装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 25/07 20060101AFI20240717BHJP
   H01L 21/60 20060101ALI20240717BHJP
   H01L 29/861 20060101ALI20240717BHJP
   H01L 23/28 20060101ALN20240717BHJP
   H01L 23/48 20060101ALN20240717BHJP
【FI】
H01L25/04 C
H01L21/60 301B
H01L29/91 K
H01L29/91 C
H01L23/28 K
H01L23/48 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023002681
(22)【出願日】2023-01-11
(71)【出願人】
【識別番号】000005234
【氏名又は名称】富士電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105854
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 一
(74)【代理人】
【識別番号】100103850
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 秀▲てつ▼
(72)【発明者】
【氏名】山路 将晴
【テーマコード(参考)】
4M109
5F044
【Fターム(参考)】
4M109AA01
4M109CA05
4M109DB09
4M109EA02
4M109EA10
4M109EB12
5F044AA01
(57)【要約】
【課題】本開示は、部品コストを抑制しつつ、小型化および低コスト化を図ることができる半導体装置を提供することを目的とする。
【解決手段】半導体装置100Aは、駆動チップ21[k]と、電圧端子Hcと電源端子Hb[k]とを含む複数の端子Hを備え、電源端子Hb[k]に供給される電源電圧Vb[k]を利用して駆動チップ21[k]を制御する制御チップ41Aと、制御電圧Vccを電圧端子Hcに供給するためのダイパッド63と、電源端子Hb[k]に個別に接続されて電源電圧Vb[k]を電源端子Hb[k]に供給するためのワイヤQb[k]と、電源電圧Vb[k]を生成するブートストラップ動作に利用され電源電圧Vb[k]と同数のダイオードを含む半導体チップ30Aとを具備する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のパワー半導体素子と、
第1端子と複数の第2端子とを含む複数の端子を備え、前記複数の第2端子に供給される電源電圧を利用して前記複数のパワー半導体素子を制御する制御チップと、
所定の制御電圧を前記第1端子に供給するための第1導体と、
前記複数の第2端子に個別に接続されて前記電源電圧を前記複数の第2端子に供給するための複数の第1配線と、
前記電源電圧を生成するブートストラップ動作に利用され前記第2端子と同数のダイオードを含む半導体チップと
を具備する半導体装置。
【請求項2】
前記半導体チップは、
複数の前記ダイオードのアノード領域を構成する第1導電型の半導体基板と、
複数の前記ダイオードのカソード領域を構成し前記半導体基板の表面層に所定の間隔を空けて並んで形成された第2導電型の複数の第2半導体層と
を含む
請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記半導体チップは、
前記半導体基板の前記表面層の反対側の面に形成されて前記第1導体の表面に接合され複数の前記ダイオードで共有される陽極と、
前記複数の第2半導体層のそれぞれの上に形成されて前記第1配線を介して前記第2端子に電気的に接続される陰極と
を含む
請求項2に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記第1端子は、導電性のワイヤを介して前記第1導体の前記表面に接続されている
請求項3に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記第1導体に接続された第2配線をさらに具備し、
前記半導体チップは、
第1導電型の半導体基板と、
複数の前記ダイオードのカソード領域を構成し前記半導体基板の表面層に所定の間隔を空けて並んで形成された第2導電型の複数の第2半導体層と、
複数の前記ダイオードのアノード領域を構成し前記複数の第2半導体層が形成されていない前記半導体基板の表面層に形成された第1導電型の第1半導体層と
を含む
請求項1に記載の半導体装置。
【請求項6】
前記半導体チップは、
前記第1半導体層の上に形成されて前記第2配線を介して前記第1導体に電気的に接続される陽極と、
前記複数の第2半導体層のそれぞれの上に形成されて前記第1配線を介して前記第2端子に電気的に接続される陰極と
を含む
請求項5に記載の半導体装置。
【請求項7】
前記制御チップは、前記陽極に電気的に接続される中継端子を前記複数の端子に含み、
前記第2配線は、前記中継端子と前記第1端子とを接続する中継パターンを含む
請求項6に記載の半導体装置。
【請求項8】
前記制御チップおよび前記半導体チップは、第2導体の上に接合される
請求項5から7までのいずれか一項に記載の半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術の半導体装置として、3相モータ等の電動機を駆動する3相インバータ回路として利用されるインテリジェントパワーモジュール(Intelligent Power Module:IPM)が知られている。このようなIPM内に搭載されるブートストラップダイオード(Bootstrap diode:BSD)は、3相個別に3チップ配置された構成を有している。ブートストラップダイオードは、IPMに設けられたパワー半導体素子を制御するための電源電圧を所定の制御電圧から生成するために用いられている。
【0003】
特許文献1には、相互に直列に接続された抵抗素子およびダイオードをブートストラップ動作に利用する構成が開示されている。特許文献2には、ブートストラップダイオードおよび電流制限抵抗を備え、電流制限抵抗の抵抗値の精度低下を抑制することができる半導体装置が開示されている。
【0004】
特許文献3には、p型の半導体基板にブートストラップダイオードおよび高耐圧電界効果トランジスタを有しは、半導体基板のn-型の埋め込み層内に空洞を形成し、この空洞の下部の埋め込み層を高耐圧nチャネルMOSFETのドレインドリフト領域として利用することで、ブートストラップダイオードの順バイアス時に半導体基板側に流れる正孔によるリーク電流を抑制すると同時にブートストラップコンデンサの充電電流を大きくし、なおかつチップ面積の増大を抑制することができる半導体装置が開示されている。
【0005】
特許文献4には、ゲート電位によってディプリーショントランジスタのチャネルに空乏層を生じさせるよう構成されているため、低電圧時の電流が適度に大きく、高電圧時の電流が小さい半導体装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2014-90006号公報
【特許文献2】特開2019-192833号公報
【特許文献3】国際公開第2014/199608号
【特許文献4】特開2011-129628号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
近年、産業機器や家電製品などでインバータ化による高効率化が進む一方、電力変換部の小型化が要求されている。そのため、IPMのパッケージ外形サイズの縮小化要求も高まっており、IPM内の部品点数の削減や素子の電力密度の向上などによる実装面積の縮小が推し進められている。
【0008】
IPM内に設けられた制御部を構成する部品には、パワー半導体素子を駆動する駆動チップおよびBSDが含まれている。このような部品を含む制御部は、IPM全体の面積に対する実装面積の比率が高くなる。また、IPMが例えば3相インバータなどの3相構造を有する場合、BSDが3チップ必要になるため、制御部およびパワー半導体素子を含めて全体で11個のチップ(部品)が必要になる。
【0009】
この他、BSDを駆動チップに内蔵する技術も知られているが、この技術は、駆動チップ側で高価な誘電体分離技術を導入したり、チャージポンプ方式のブートストラップ用FET制御技術を付加したりする必要があり、部品コストが上がるという問題を有している。
【0010】
本開示の目的は、部品コストを抑制しつつ、小型化および低コスト化を図ることができる半導体装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
以上の課題を解決するために、本開示の一態様に係る半導体装置は、複数のパワー半導体素子と、第1端子と複数の第2端子とを含む複数の端子を備え、前記複数の第2端子に供給される電源電圧を利用して前記複数のパワー半導体素子を制御する制御チップと、所定の制御電圧を前記第1端子に供給するための第1導体と、前記複数の第2端子に個別に接続されて前記電源電圧を前記複数の第2端子に供給するための複数の第1配線と、前記電源電圧を生成するブートストラップ動作に利用され前記第2端子と同数のダイオードを含む半導体チップとを具備する。
【発明の効果】
【0012】
本開示の一態様によれば、部品コストを抑制しつつ、小型化および低コスト化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本開示の第1実施形態に係る半導体装置の電気的な構成を例示する回路図である。
図2】本開示の第1実施形態に係る半導体装置に具備された各要素の配置を例示するレイアウト図である。
図3】本開示の第1実施形態に係る半導体装置に具備された半導体チップおよび高電位側の駆動チップの近傍を拡大して示すレイアウト図である。
図4】本開示の第1実施形態に係る半導体装置に具備された半導体チップを例示する図であって、図3中に示すV-V線で切断した半導体チップの断面図である。
図5】対比例に係る半導体装置に具備された半導体チップおよび高電位側の駆動チップの近傍を拡大して示すレイアウト図である。
図6】本開示の第2実施形態に係る半導体装置の電気的な構成を例示する回路図である。
図7】本開示の第2実施形態に係る半導体装置に具備された各要素の配置を例示するレイアウト図である。
図8】本開示の第2実施形態に係る半導体装置に具備された半導体チップおよび高電位側の駆動チップの近傍を拡大して示すレイアウト図である。
図9】本開示の第2実施形態に係る半導体装置に具備された半導体チップを例示する図であって、図8中に示すV-V線で切断した半導体チップの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本開示を実施するための形態について図面を参照して説明する。なお、各図面においては、各要素の寸法および縮尺が実際の製品とは相違する場合がある。また、以下に説明する形態は、本開示を実施する場合に想定される例示的な一形態である。したがって、本開示の範囲は、以下に例示する形態には限定されない。
【0015】
A:第1実施形態
図1は、本実施形態に係る半導体装置100Aの電気的な構成を例示する回路図である。半導体装置100Aは、3相モータ等の電動機Mを駆動する3相インバータ回路として利用されるインテリジェントパワーモジュールである。半導体装置100Aには制御装置102が接続される。制御装置102は、例えば、半導体装置100Aの動作を制御する外部のマイクロプロセッサ(Micro Processing Unit:MPU)である。
【0016】
なお、以下の説明においては、電動機Mにおける任意のひとつの交流相を記号kにより識別する。すなわち、記号kは、U相とV相とW相との何れかを意味する(k=U,V,W)。例えば、参照符号に付加された符号[k]は、電動機Mの交流相毎の要素であることを意味する。図1に例示される通り、半導体装置100Aは、外部接続用の複数の接続端子T(Tin_H[k],Tin_L[k],Tout[k],Tc_H,Tc_L,Tg,Tp,Tn[k],Tbs[k])を具備する。
【0017】
半導体装置100Aは、3個の駆動チップ21[k](21[U],21[V],21[W])と3個の駆動チップ22[k](22[U],22[V],22L[W])と1個の半導体チップ30Aと1個の制御チップ41Aと1個の制御チップ42とを具備する。電動機Mの3相(U相,V相,W相)の各々について駆動チップ21[k]と駆動チップ22[k]と1個の半導体チップ30Aとが設置される。
【0018】
駆動チップ21[k]および駆動チップ22[k]の各々は、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(Insulated Gate Bipolar Transistor:IGBT)と還流ダイオード(Free Wheeling Diode:FWD)とを含む逆導通(RC:Reverse Conducting)-IGBTであり、主電極Eと主電極Cと制御電極Gとを具備する。主電極Eおよび主電極Cは、制御対象となる電流が入力または出力される電極である。主電極CはFWDの陰極としても機能し、主電極EはFWDの陽極としても機能する。制御電極Gは、IGBTのオン/オフを制御するための駆動電圧が印加されるゲート電極である。なお、駆動チップ21[k]および駆動チップ22[k]は、「パワー半導体素子」の一例である。つまり、半導体装置100Aは、複数のパワー半導体素子を具備している。
【0019】
駆動チップ21[k]および駆動チップ22[k]の組は、電動機Mのひとつの交流相に対応するハーフブリッジ回路を構成する。駆動チップ21[k]および駆動チップ22[k]は、接続端子Tpと接続端子Tn[k]との間に直列に接続される。駆動チップ21[k]と駆動チップ22[k]との間の接続点は、接続端子Tout[k]に電気的に接続される。接続端子Tout[k]は、電動機Mのひとつの交流相に電力を供給するための出力端子である。接続端子Tpには外部電源103から高電位側の電源電圧が供給される。接続端子Tn[k]には低電位側の電源電圧(接地電圧)が供給される。なお、3個の接続端子Tn[k]は、3相に共通の1個の端子に置換されてもよい。
【0020】
制御チップ41Aは、高電位側の各駆動チップ21[k]を制御するHVIC(High Voltage IC)である。図1に例示される通り、制御チップ41Aは、複数の端子H(Hin[k],Hout[k],Hb[k],Hs[k],Hm[k](図1では不図示、図3参照),Hc,Hg)を具備する。すなわち、制御チップ41Aは、電動機Mの交流相毎に、入力端子Hin[k]と出力端子Hout[k]と電源端子Hb[k]と電源端子Hs[k]と中間端子Hm[k](図1では不図示、図3参照)とを具備する。
【0021】
制御装置102から接続端子Tin_H[k]に供給される制御信号が入力端子Hin[k]に入力される。制御信号は、駆動チップ21[k]を制御するための信号である。電源端子Hb[k]には高電位側の電源電圧Vb[k]が供給され、電源端子Hs[k]には低電位側の電源電圧Vs[k]が供給される。制御チップ41Aは、電源端子Hb[k]および電源端子Hs[k]に供給される電源電圧により動作することで、入力端子Hin[k]に供給される制御信号に応じた駆動電圧を出力端子Hout[k]に出力する。出力端子Hout[k]は、駆動チップ21[k]におけるIGBTの制御電極Gに電気的に接続される。以上の説明から理解される通り、制御チップ41Aは、電源端子Hb[k]に供給される電源電圧Vb[k]を利用して駆動チップ21[k]を制御する。電源端子Hb[k]は、「第2端子」の一例である。
【0022】
また、制御チップ41Aは、電圧端子Hcと接地端子Hgとを具備する。電圧端子Hcには、外部電源104から接続端子Tc_Hを介して制御電圧Vccが供給される。制御電圧Vccは、制御チップ41Aの動作に利用される所定の直流電圧である。また、制御電圧Vccは、制御チップ41Aの電源電圧Vb[k]を生成するブートストラップ動作にも利用される。他方、接地端子Hgは接地される。なお、電圧端子Hcは、「第1端子」の一例である。
【0023】
したがって、半導体装置100Aは、電圧端子Hc(第1端子の一例)と電源端子Hb[U],Hb[V],Hb[W](複数の第2端子の一例)とを含む端子H(Hin[k],Hout[k],Hb[k],Hs[k],Hm[k],Hc,Hg)(複数の端子の一例)を備えた制御チップ41Aを具備している。
【0024】
制御チップ42は、低電位側の各駆動チップ22[k]を制御するLVIC(Low VoltageIC)である。また、制御チップ41Aと制御チップ42とが単体のチップで構成されてもよい。図1に例示される通り、制御チップ42は、複数の端子L(Lin[k],Lout[k],Lc,Lg)を具備する。すなわち、制御チップ42は、電動機Mの交流相毎に、入力端子Lin[k]と出力端子Lout[k]とを具備する。
【0025】
制御装置102から接続端子Tin_L[k]に供給される制御信号が入力端子Lin[k]に入力される。制御信号は、各駆動チップ22[k]を制御するための信号である。制御チップ42は、入力端子Lin[k]に供給される制御信号に応じた駆動電圧を出力端子Lout[k]に出力する。出力端子Lout[k]は、駆動チップ22[k]におけるIGBTの制御電極Gに電気的に接続される。すなわち、制御チップ42は、各駆動チップ22[k]を制御する。
【0026】
また、制御チップ42は、電圧端子Lcと接地端子Lgとを具備する。電圧端子Lcには、外部電源104から接続端子Tc_Lを介して制御電圧Vccが供給される。なお、制御チップ41Aに供給される制御電圧Vccと制御チップ42に供給される制御電圧Vccとは相違してもよい。他方、接地端子Lgは接地される。
【0027】
図1に例示される通り、制御チップ41Aの電源端子Hb[k]は、接続端子Tbs[k]に電気的に接続される。接続端子Tbs[k]と接続端子Ts[k]との間には、容量素子B[k]が電気的に接続される。容量素子B[k]は、半導体装置100Aに外部接続されるブートストラップコンデンサである。容量素子B[k]のそれぞれは、第1電極b1と第2電極b2とを具備する。第1電極b1は接続端子Tbs[k]に電気的に接続され、第2電極b2は接続端子Ts[k]に電気的に接続される。
【0028】
半導体チップ30Aは、接続端子Tc_Hと接続端子Tbs[k]とに接続される。すなわち、制御チップ41Aにおける電圧端子Hcと電源端子Hb[k]とに半導体チップ30Aが接続される。半導体チップ30Aは、前述のブートストラップ動作に利用される。
【0029】
図1に例示される通り、半導体チップ30AはダイオードD[k]を具備する。ダイオードD[k]は、ブートストラップ動作において容量素子B[k]を充電する経路(充電経路α)を構成するブートストラップダイオードである。ダイオードD[k]は、半導体チップ30Aに設けられた半導体基板301(図1では不図示、図4参照)及びN-拡散層302[k](図1では不図示、図4参照)を備えている。ダイオードD[k]では陽極305(図4参照)が共有され、陽極305は接続端子Tc_Hおよび電圧端子Hcに電気的に接続される。ダイオードD[k]の陰極304[k]は、接続端子Tbs[k]および電源端子Hb[k]に電気的に接続される。半導体チップ30Aは、ダイオードD[k]の陰極304[k]側に、ダイオードD[k]を形成するN-拡散層302[k]によって形成されてダイオードD[k]と直列に接続されたN-拡散層302[k]の抵抗成分(ドリフト抵抗)を有している。図1では、理解を容易にするため、N-拡散層302[k]の抵抗成分(ドリフト抵抗)は、ダイオードD[k]と接続端子Tbs[k]および電源端子Hb[k]との間に設けられた抵抗素子R[k]として図示されている。抵抗素子R[k]は、ブートストラップ動作においてダイオードD[k]に流れる電流を制限する。抵抗素子R[k]は、N-拡散層302[k]の抵抗成分ではなく、例えばポリシリコンによって形成され、ダイオードD[k]に直列に接続された素子であってもよい。半導体チップ30Aの詳細な構成については後述する。このように、半導体装置100Aは、電源電圧Vb[k]を生成するブートストラップ動作に利用され電源端子Hb[k]と同数(本実施形態では3個)のダイオードD[k]を含む半導体チップ30Aを具備している。
【0030】
以上の構成において、駆動チップ21[k]をオフ状態に維持したまま駆動チップ22[k]をオン状態に制御することでブートストラップ動作が実行される。駆動チップ22[k]がオン状態に制御されることで、図1の充電経路αが形成される。なお、図1においては、半導体チップ30Aに設けられたダイオードD[V]を経由する充電経路αのみが便宜的に図示されているが、U相およびW相についても同様に充電経路αが形成される。
【0031】
充電経路αは、接続端子Tc_HとダイオードD[k]と抵抗素子R[k]と接続端子Tbs[k]と容量素子B[k]と接続端子Ts[k]と駆動チップ22[k]と接続端子Tn[k]とを以上の順番で経由する電流経路である。充電経路αにより容量素子B[k]が充電される。具体的には、容量素子B[k]の両端間の電圧は、充電経路αを介した充電により制御電圧Vccに維持される。したがって、電源端子Hb[k]に供給される電源電圧Vb[k]は、電源端子Hs[k]の電源電圧Vs[k]と比較して制御電圧Vccだけ高い電圧に設定される。以上のようにブートストラップ動作は、半導体チップ30Aと容量素子B[k]とを含むブートストラップ回路を利用して電源電圧Vb[k]を生成する動作である。
【0032】
図2は、第1実施形態に係る半導体装置100Aに具備された各種備品の配置を例示するレイアウト図である。図2では、所定の要素同士を接続するワイヤが両端に黒丸を有する直線で図示されている。図3は、半導体装置100Aに具備された半導体チップ30A及び高電位側の制御チップ41Aの近傍を拡大して示すレイアウト図である。図4は、図3中に示すV-V線で切断した半導体チップ30Aの断面図である。
【0033】
以下の説明においては、図2から図4に例示される通り、相互に直交するX軸とY軸とZ軸とを想定する。半導体装置100Aの長手方向(すなわち半導体チップ30Aや制御チップ41A,42などの各要素を内包し薄板直方体形状を有する筐体50(詳細は後述)の長辺の方向)をX軸方向とする。半導体装置100Aの短手方向(すなわち筐体50の短辺の方向)をY軸方向とする。半導体装置100Aの厚さ方向(すなわち筐体50の長辺の方向および短辺の方向に直交する方向)をZ軸方向とする。X軸に沿う一方向をX1方向と表記し、X1方向の反対の方向をX2方向と表記する。また、Y軸に沿う一方向をY1方向と表記し、Y1方向の反対の方向をY2方向と表記する。同様に、Z軸に沿う一方向をZ1方向と表記し、Z1方向の反対の方向をZ2方向と表記する。また、半導体装置100Aの任意の要素をZ軸の方向(Z1方向またはZ2方向)に沿って視認することを以下では「平面視」と表記する。
【0034】
なお、実際に使用される場面では、半導体装置100Aは任意の方向に設置され得るが、以下の説明においては便宜的に、Z1方向を下方と想定し、Z2方向を上方と想定する。したがって、半導体装置100Aの任意の要素のうちZ1方向を向く表面が「下面」と表記され、当該要素のうちZ2方向を向く表面が「上面」と表記される場合がある。
【0035】
図2に例示される通り、半導体装置100Aは、図1に例示した各要素を収容する筐体50を具備する。筐体50は、樹脂ケース51と支持板52と封止樹脂53とを具備する。樹脂ケース51は、樹脂材料で形成された矩形枠状の構造体である。筐体50は、例えば、PPS(polyphenylene sulfide)樹脂、PBT(polybutylene terephthalate)樹脂、PBS(poly butylene succinate)樹脂、PA(polyamide)樹脂、またはABS(acrylonitrile-butadiene-styrene)樹脂等の各種の樹脂材料により形成される。
【0036】
支持板52は、例えばエポキシ樹脂等の樹脂材料で形成された絶縁層(不図示)と、例えばアルミニウムまたは銅等の高熱伝導性の金属材料で形成された放熱板(不図示)との積層で構成される板状部材である。当該絶縁層は、当該放熱板の上面を被覆する。当該放熱板は、板状部材である。支持板52は、樹脂ケース51の開口を閉塞するように樹脂ケース51に固定される。支持板52を底面として樹脂ケース51により包囲された空間に、3個の駆動チップ21[k](21[U],21[V],21[W])と、3個の駆動チップ22[k](22[U],22[V],22[W])と、1個の半導体チップ30Aと、制御チップ41Aと、制御チップ42とが収容される。駆動チップ21[k]および駆動チップ22[k]の各々の上面には主電極Eおよび制御電極Gが形成され、各々の下面には主電極C(図2では不図示、図1参照)が形成される。
【0037】
封止樹脂53は、樹脂ケース51の内側の空間に充填された樹脂であり、当該空間に収容された要素を封止する。封止樹脂53は、例えばシリコーンゲルまたはエポキシ樹脂等の各種の樹脂材料により形成される。なお、封止樹脂53は、樹脂材料に加えて、酸化珪素または酸化アルミニウム等の各種の絶縁フィラーを含んでもよい。
【0038】
筐体50にはリードフレーム60が設置される。リードフレーム60は、例えば銅または銅合金等の低抵抗な金属材料で形成された配線である。リードフレーム60は、例えばインサート成形により樹脂ケース51と一体に形成される。リードフレーム60は、複数のリードを含む導電体である。前述の各接続端子Tは、複数のリードのうち筐体50から外部に露出した端部である。
【0039】
図2に例示される通り、筐体50は、平面視で素子領域55と端子領域56と制御領域57とを含む。素子領域55と端子領域56と制御領域57との各々は、X軸に沿って長尺な領域である。端子領域56と制御領域57との間に素子領域55が位置する。
【0040】
複数の接続端子Tのうち制御チップ41Aおよび制御チップ42の動作に関連する一部の接続端子T(Tin_H[k],Tin_L[k],Tc_H,Tc[L],Tg,Tbs[k])は、制御領域57の側面からY1方向に突出する制御端子であり、X軸に沿って相互に間隔をあけて配置される。また、駆動チップ21[k]の主電極E[k]と電気的に接続され、かつ、容量素子B[k]の低電位側と接続される接続端子Ts[k]、制御チップ42の電圧端子Hcに接続される接続端子Tc_Lも制御領域57の側面からY1方向に突出する制御端子であり、X軸に沿って相互に間隔をあけて配置される。他方、複数の接続端子Tのうち電動機Mに供給される電力に関連する一部の接続端子T(Tout[k],Tp,Tn[k])は、端子領域56の側面からY2方向に突出する端子であり、X軸に沿って相互に間隔をあけて配置される。
【0041】
図2に例示される通り、リードフレーム60は、1個のダイパッド61と3個のダイパッド62[k]とを含む。ダイパッド61およびダイパッド62[k]のそれぞれは、平面視で素子領域55内に位置する金属板である。ダイパッド61には、3個の駆動チップ21[k]が実装される。ダイパッド62[k]には、1個の駆動チップ22[k]が実装される。駆動チップ21[k]および駆動チップ22[k]の実装には、例えば半田または金属焼結材等の導電性の接合材が使用される。以上の説明から理解される通り、素子領域55には、3個の駆動チップ21[k]と3個の駆動チップ22[k]とが設置される。なお、3個のダイパッド62[k]は単体のダイパッドに置換されてよい。
【0042】
リードフレーム60は、接続端子Tpと接続端子Tout[k]と接続端子Tn[k]との各々から延伸するリードを含む。接続端子Tpは、リード(不図示)を介してダイパッド61に連結される。したがって、駆動チップ21[k]の下面の主電極C(図2では不図示、図1参照)は、接続端子Tpに電気的に接続される。接続端子Tout[k]は、リード(不図示)を介してダイパッド62[k]に連結される。また、接続端子Tout[k]は、駆動チップ21[k]の上面の主電極Eに対してワイヤにより電気的に接続される。したがって、図1の例示の通り、駆動チップ21[k]の主電極Eと駆動チップ22[k]の下面の主電極Cとが、接続端子Tout[k]に電気的に接続される。また、各接続端子Tn[k]は、駆動チップ22[k]の上面の主電極Eに対してワイヤにより電気的に接続される。
【0043】
また、図2に例示される通り、リードフレーム60は、ダイパッド63とダイパッド64と3個の接続パッド65[k]とを含む。ダイパッド63とダイパッド64と接続パッド65[k]とは、平面視で制御領域57内に位置する金属板である。
【0044】
リードフレーム60は、制御チップ42の動作に関連する制御用の接続端子T(Tin_H[k],Tin_L[k],Tc_H,Tc_L,Tg,Tbs[k],Ts[k])から延伸するリードを含む。ダイパッド63は、リードを介して接続端子Tc_Hに連結される。したがって、ダイパッド63には、接続端子Tc_Hから制御電圧Vccが供給される。ダイパッド64は、リードを介して接続端子Tgに連結される。したがって、ダイパッド64には、接続端子Tgから接地電圧が供給される。なお、ダイパッド63と、接続端子Tc_Hとは、一体的に形成されてよい。ダイパッド64と、接続端子Tgとは、一体的に形成されてよい。
【0045】
制御チップ41Aはダイパッド63の表面に接合される。詳細は後述するが、制御チップ41Aの実装には、導電性部材(例えば接合材や半田)が使用される。したがって、制御チップ41Aの下面とダイパッド63とは電気的に接続される。なお、ダイパッド63は「第1導体」の一例である。なお、ダイパッド63と、ダイパッド63および接続端子Tc_Hとを連結するリードとのうちの一部または全部を、「第1導体」としてもよい。
【0046】
制御チップ41Aの上面には、前述の複数の端子Hが形成される(図3参照)。制御チップ41Aの端子Hのそれぞれは、駆動チップ21[k]または接続端子Tに対してワイヤにより電気的に接続される。例えば、図2および図3に例示される通り、制御チップ41Aの出力端子Hout[k]は駆動チップ21[k]の上面の制御電極Gに接続され、中間端子Hm[k]は駆動チップ21[k]の上面の主電極Eに接続される。また、駆動チップ21[k]の上面の電源端子Hs[k]は、接続端子Ts[k]に連結されたリードに接続される。中間端子Hm[k]および電源端子Hs[k]は制御チップ41A内で電気的に接続されている。制御チップ41Aの上面の接地端子Hgは、接続端子Tgに連結されたリードに接続される。制御チップ41Aの上面の電圧端子Hcは、ダイパッド63に接続される。
【0047】
図2に例示される通り、制御チップ42はダイパッド64の表面に接合される。制御チップ42の実装には、絶縁性の接着剤が使用される。したがって、制御チップ42の下面とダイパッド64とは電気的に絶縁される。制御チップ42の上面には、前述の複数の端子L(図1参照)が形成される。制御チップ42の端子Lのそれぞれは、駆動チップ22[k]または接続端子Tに対してワイヤにより電気的に接続される。例えば、制御チップ42の出力端子Lout[k](図1参照)は駆動チップ22[k]の上面の制御電極Gに接続される。また、電圧端子Lc(図1参照)は、接続端子Tc_Lに連結されたリードに接続され、接地端子Lg(図1参照)は、接続端子Tgに連結されたリードに接続される。
【0048】
ダイパッド63は、接続端子Tc_Hに対してリードを介して連結される。したがって、ダイパッド63には、接続端子Tc_Hから制御電圧Vccが供給される。ダイパッド63は、制御電圧Vccを制御チップ41Aの電圧端子Hcに供給するための導体である。ダイパッド63および接続端子Tc_Hと、ダイパッド63および接続端子Tc_Hを連結するリードとは、一体的に形成されてよい。なお、ダイパッド63は「第1導体」の一例である。したがって、半導体装置100Aは、制御電圧Vcc(所定の制御電圧の一例)を電圧端子Hc(第1端子の一例)に供給するためのダイパッド63(第1導体の一例)を具備している。ダイパッド63と、接続端子Tc_Hと、ダイパッド63および接続端子Tc_Hを連結するリードRdc(図3参照)とのうちの一部または全部を、「第1導体」としてもよい。
【0049】
接続パッド65[k]は、接続端子Tbs[k]に対してリードを介して連結される。3個の接続パッド65[k]は、X軸に沿って相互に間隔をあけて配列される。具体的には、3個の接続パッド65[k]は、筐体50のうちY1方向に位置する周縁に沿って配列する。前述の通り、接続端子Tbs[k]には容量素子B[k]の高電位側が接続される。すなわち、接続パッド65[k]には容量素子B[k]が外部接続される。接続パッド65[k]および接続端子Tbs[k]と、接続パッド65[k]および接続端子Tbs[k]を連結するリードとは、一体的に形成されてよい。
【0050】
ここで、半導体チップ30Aの具体的な構成を図1から図3を参照しつつ図4を用いて説明する。
図4に例示される通り、半導体チップ30Aは、複数(本実施形態では3個)のダイオードD[k]を備える。ダイオードD[k]は、P型(第1導電型の一例)の半導体基板301を含む。また、ダイオードD[k]は、所定の間隔を空けて設けられた複数(本実施形態では3個)のN-拡散層302[k](第2半導体層の一例)を含む。N-拡散層302[k]は、半導体基板301とともにpn接合を形成する。図4では、理解を容易にするため、半導体基板301のボディ(すなわちバルク)およびN-拡散層302[k]の接合部分に形成されるpn接合部306[k]がダイオードの回路図記号で表されている。
半導体基板301は、ダイオードD[k]のアノード領域を構成し、N-拡散層302[k]は、ダイオードD[k]のカソード領域を構成する。
【0051】
半導体基板301は、例えばシリコンで形成されている。N-拡散層302[k]は、N型の不純物として例えばリンや砒素をイオン注入し、イオン注入した箇所を活性化することにより半導体基板301の表面の所定領域に所定深さで形成される。
【0052】
ダイオードD[U]のpn接合部306[U]は、半導体基板301のボディとN-拡散層302[U]との接合部に形成される。ダイオードD[V]のpn接合部306[V]は、半導体基板301のボディとN-拡散層302[V]との接合部に形成される。ダイオードD[W]のpn接合部306[W]は、半導体基板301のボディとN-拡散層302[W]との接合部に形成される。
【0053】
図4に例示される通り、半導体チップ30Aは、N-拡散層302[k]が形成されていない半導体基板301の表面に形成されたP型の拡散層311を含む。したがって、N-拡散層302[k]は、平面視で島状に形成されており、その周囲に拡散層311が形成されている。図4では、両端の拡散層311の幅とN-拡散層302の両側の拡散層311の幅とが異なる幅で形成されているが、同じ幅であってもよい。
【0054】
拡散層311は、半導体基板301の表面の所定領域にP型の不純物として例えばボロンをイオン注入し、イオン注入した箇所を活性化することにより形成される。拡散層311は、例えばN-拡散層302[k]より深い深さで形成される。
【0055】
拡散層311は、N-拡散層302[k]よりも高い不純物濃度を有している。拡散層311は、隣り合うN-拡散層302[k]の間に形成されている。このように、隣り合うN-拡散層[k]の間にP型の拡散層311が形成されることにより、N-拡散層[k]は互いに分離される。
【0056】
図4に例示される通り、半導体チップ30Aは、N-拡散層302[k]の表面の一部に形成されたN+拡散層303[k]を含む。N+拡散層303[k]は、例えばN-拡散層302[k]および拡散層311よりも高い不純物濃度を有している。
【0057】
N+拡散層303[k]は、N-拡散層302[k]の表面の所定領域にN型の不純物として例えばリンや砒素をイオン注入し、イオン注入した箇所を活性化することによりN-拡散層302[k]よりも浅い深さで形成される。
【0058】
N+拡散層303[U]は、N-拡散層302[U]に形成されている。N+拡散層303[V]は、N-拡散層302[V]に形成されている。N+拡散層303[W]は、N-拡散層302[W]に形成されている。
【0059】
半導体チップ30Aは、拡散層311の表面の一部に形成されたP+拡散層312a,312b,312c,312dを含む。P+拡散層312a,312b,312c,312dは、例えば拡散層311よりも高い不純物濃度を有している。P+拡散層312a,312b,312c,312dは、例えばN+拡散層303[k]と同じ不純物濃度を有している。
【0060】
P+拡散層312a,312b,312c,312dは、拡散層311の表面の所定領域にP型の不純物として例えばボロンをイオン注入し、イオン注入した箇所を活性化することにより拡散層311よりも浅い深さで形成される。
【0061】
P+拡散層312aは、拡散層311の表面の一部であって半導体基板301の側壁とN-拡散層302[W]との間の領域に形成されている。P+拡散層312bは、拡散層311の表面の一部であってN-拡散層302[W]とN-拡散層302[V]との間の領域に形成されている。P+拡散層312cは、拡散層311の表面の一部であってN-拡散層302[V]とN-拡散層302[U]との間の領域に形成されている。P+拡散層312dは、拡散層311の表面の一部であってN-拡散層302[U]と半導体基板301の側壁との間の領域に形成されている。
【0062】
図4に例示される通り、半導体チップ30Aは、N-拡散層302[k]のそれぞれの上に形成されてワイヤQb[k](第1配線の一例)(図4では不図示、図3参照)を介して電源端子Hb[k]に電気的に接続される陰極304[k]を含む。陰極304[k]は、N+拡散層303[k]に接触して形成されている。
【0063】
より具体的には、陰極304[k]は、N+拡散層303[k]に接触して形成された導電性プラグ304aと、導電性プラグ304aに接触して形成された電極パッド304bとを含む。陰極304[U]の導電性プラグ304aは、N+拡散層303[U]に接触して形成されている。陰極304[V]の導電性プラグ304aは、N+拡散層303[V]に接触して形成されている。陰極304[W]の導電性プラグ304aは、N+拡散層303[W]に接触して形成されている。このため、陰極304[k]およびN+拡散層303[k]は、オーミック接続される。これにより、陰極304[k]とN+拡散層303[k]との接触抵抗の低減が図られる。
【0064】
図4に例示される通り、半導体チップ30Aは、半導体基板301の表面の反対側の面に形成されてダイパッド63の表面に接合され複数のダイオードD[k]で共有される陽極305を含む。半導体基板301の表面は、Z2方向を向く表面であり、半導体基板301の表面の反対側の面は、Z1方向を向く表面である。以下、半導体基板301の表面の反対側の面を「半導体基板301の裏面」と称する。陽極305は、半導体基板301の裏面の例えば全面に形成されている。陽極305は、例えばアルミニウム、ニッケルまたは金などをスパッタリングまたは蒸着によって半導体基板301の裏面に形成される。これにより、半導体チップ30Aとダイパッド63との接触抵抗の低減を図ることができる。
【0065】
半導体チップ30Aは、制御電圧Vccが供給されるダイパッド63の表面に導電性部材71によって接合される。導電性部材71として例えば接着剤や半田が用いられる。このため、半導体チップ30Aに設けられた半導体基板301のボディは、導電性部材71を介してダイパッド63に電気的に接続される。これにより、半導体チップ30Aに設けられた半導体基板301のボディには、ダイパッド63および導電性部材71を介して制御電圧Vccが供給される。
【0066】
図3に例示される通り、半導体チップ30Aは、裏面に形成された導電性部材71をダイパッド63に向けてダイパッド63に重なるように設置される。ダイパッド63は、半導体チップ30Aおよび制御チップ41Aを合わせた広さよりも十分に大きい広さを有している。したがって、半導体基板301に形成された導電性部材71をダイパッド63に対して容易に接続することができる。
【0067】
図4に戻って、半導体チップ30Aは、P+拡散層312a,312b,312c,312dに接触して形成された導電性プラグ313a,313b,313c,313dを含む。導電性プラグ313aは、P+拡散層312aに接触して形成されている。導電性プラグ313bは、P+拡散層312bに一端部を接触させて形成されている。導電性プラグ313cは、P+拡散層312cに一端部を接触させて形成されている。導電性プラグ313dは、P+拡散層312dに一端部を接触させて形成されている。このため、P+拡散層312a,312b,312c,312dおよび導電性プラグ313a,313b,313c,313dは、オーミック接続される。
【0068】
半導体チップ30Aは、導電性プラグ313a,313b,313c,313dのそれぞれの他端部に接触して形成された電極プレート314を含む。電極プレート314は、薄板直方体形状を有している。電極プレート314は、陰極304[k]が配置される箇所に陰極304[k]の電極パッド304bが挿入される開口を有している。陰極304[k]の電極パッド304bは、電極プレート314に接触せずに当該開口に配置されている。電極プレート314は、例えばアルミニウムで形成されている。P+拡散層312a,312b,312c,312dおよび導電性プラグ313a,313b,313c,313dは、オーミック接続されているため、電極プレート314とP+拡散層312a,312b,312c,312dとの接触抵抗の低減が図られる。
【0069】
図4に例示される通り、半導体チップ30Aは、表面を覆って形成された保護膜70を含む。保護膜70は、半導体基板301の表面に接触して形成された絶縁膜701と、絶縁膜701の上に形成された絶縁膜702とを有している。導電性プラグ313a,313b,313c,313dおよび陰極304[k]の導電性プラグ304aは、P+拡散層312a,312b,312c,312dおよびN+拡散層303[k]の一部を露出するように絶縁膜701に形成された開口部(不図示)に埋め込まれて形成されている。絶縁膜702は、電極プレート314および陰極304[k]の電極パッド304b上に形成されている。
【0070】
保護膜70は、陰極304[k]の電極パッド304bの一部を露出させる開口部700[k]を有している。開口部700[U]は、陰極304[U]の電極パッド304bの一部を露出する。開口部700[V]は、陰極304[V]の電極パッド304bの一部を露出する。開口部700[W]は、陰極304[W]の電極パッド304bの一部を露出する。
【0071】
図3に例示される通り、陰極304[k]の電極パッド304bには、ワイヤQb[k]が接続されている。ワイヤQb[k]は、ワイヤボンディングにより形成される線状の導電体である。ワイヤQb[k]は、ワイヤ配線Qb1およびワイヤ配線Qb2を有している。
【0072】
ワイヤQb[U]のワイヤ配線Qb1は、接続端子Tbs[U]と、半導体チップ30Aの陰極304[U]とを接続する配線である。具体的には、ワイヤQb[U]のワイヤ配線Qb1の一端は、接続パッド65[U]の表面に接合される。ワイヤQb[U]のワイヤ配線Qb1の他端は、開口部700[U]に露出する陰極304[U]の電極パッド304bの表面に接合される。これにより、接続端子Tbs[U]と半導体チップ30Aの陰極304[U]とは、接続パッド65[U]およびワイヤQb[U]のワイヤ配線Qb1を介して電気的に接続される。
【0073】
ワイヤQb[U]のワイヤ配線Qb2は、半導体チップ30Aの陰極304[U]と、制御チップ41Aの電源端子Hb[U]とを接続する配線である。具体的には、ワイヤQb[U]のワイヤ配線Qb2の一端は、開口部700[U]に露出する陰極304[U]の電極パッド304bの表面に接合される。ワイヤQb[U]のワイヤ配線Qb2の他端は、制御チップ41Aに電源端子Hb[U]の表面に接合される。これにより、半導体チップ30Aの陰極304[U]と制御チップ41Aの電源端子Hb[U]とは、ワイヤQb[U]のワイヤ配線Qb2を介して電気的に接続される。
【0074】
ワイヤQb[V]のワイヤ配線Qb1は、接続端子Tbs[V]と、半導体チップ30Aの陰極304[V]とを接続する配線である。具体的には、ワイヤQb[V]のワイヤ配線Qb1の一端は、接続パッド65[V]の表面に接合される。ワイヤQb[V]のワイヤ配線Qb1の他端は、開口部700[V]に露出する陰極304[V]の電極パッド304bの表面に接合される。これにより、接続端子Tbs[V]と半導体チップ30Aの陰極304[V]とは、接続パッド65[V]およびワイヤQb[V]のワイヤ配線Qb1を介して電気的に接続される。
【0075】
ワイヤQb[V]のワイヤ配線Qb2は、半導体チップ30Aの陰極304[V]と、制御チップ41Aの電源端子Hb[V]とを接続する配線である。具体的には、ワイヤQb[V]のワイヤ配線Qb2の一端は、開口部700[V]に露出する陰極304[V]の電極パッド304bの表面に接合される。ワイヤQb[V]のワイヤ配線Qb2の他端は、制御チップ41Aに電源端子Hb[V]の表面に接合される。これにより、半導体チップ30Aの陰極304[V]と制御チップ41Aの電源端子Hb[V]とは、ワイヤQb[V]のワイヤ配線Qb2を介して電気的に接続される。
【0076】
ワイヤQb[W]のワイヤ配線Qb1は、接続端子Tbs[W]と、半導体チップ30Aの陰極304[W]とを接続する配線である。具体的には、ワイヤQb[W]のワイヤ配線Qb1の一端は、接続パッド65[W]の表面に接合される。ワイヤQb[W]のワイヤ配線Qb1の他端は、開口部700[W]に露出する陰極304[W]の電極パッド304bの表面に接合される。これにより、接続端子Tbs[W]と半導体チップ30Aの陰極304[W]とは、接続パッド65[W]およびワイヤQb[W]のワイヤ配線Qb1を介して電気的に接続される。
【0077】
ワイヤQb[W]のワイヤ配線Qb2は、半導体チップ30Aの陰極304[W]と、制御チップ41Aの電源端子Hb[W]とを接続する配線である。具体的には、ワイヤQb[W]のワイヤ配線Qb2の一端は、開口部700[W]に露出する陰極304[W]の電極パッド304bの表面に接合される。ワイヤQb[W]のワイヤ配線Qb2の他端は、制御チップ41Aに電源端子Hb[W]の表面に接合される。これにより、半導体チップ30Aの陰極304[W]と制御チップ41Aの電源端子Hb[W]とは、ワイヤQb[W]のワイヤ配線Qb2を介して電気的に接続される。
【0078】
このように、半導体装置100Aは、電源端子Hb[k](複数の第2端子の一例)に個別に接続されて制御電圧Vccを複数の電源端子Hb[k]に供給するためのワイヤQb[k](複数の第1配線の一例)を具備している。
【0079】
図3に例示される通り、半導体装置100Aは、制御チップ41Aに設けられた入力端子Hin[U],Hin[V],Hin[W]と、接続端子Tin_H[U],Tin_H[V],Tin_H[W]に接続されたリードRd[U],Rd[V],Rd[W]とを接続するワイヤQu,Qv,Qwを具備している。ワイヤQu,Qv,Qwは、ワイヤボンディングにより形成される線状の導電体である。
【0080】
半導体装置100Aは、制御チップ41Aに設けられた電圧端子Hcと、ダイパッド63とを接続するワイヤQcを具備している。ワイヤQcは、ワイヤボンディングにより形成される線状の導電体である。ワイヤQcの一端は、電圧端子Hcの表面に接合され、ワイヤQcの他端は、ダイパッド63の表面に接合されている。このため、電圧端子Hcは、導電性のワイヤQcを介してダイパッド63の表面に接続されている。ダイパッド63は、2個のリードRdcと例えば一体に形成されている。2個のリードRdcは、によって2個の接続端子Tc_H(図3では1個の接続端子Tc_Hのみが図示されている)に接続されている。これにより、制御チップ41Aの電圧端子Hcには、接続端子Tc_Hから入力される制御電圧Vccが供給される。
【0081】
半導体装置100Aは、制御チップ41Aに設けられた接地端子Hgと、ダイパッド64(図3では不図示、図2参照)に接続されたリードRdgとを接続するワイヤQdgを具備している。ワイヤQdgは、ワイヤボンディングにより形成される線状の導電体である。このため、制御チップ41Aの接地端子Hgには、ダイパッド64に印加される接地電圧が供給される。これにより、制御チップ41Aおよび制御チップ42は、接地電圧が互いに同電位となる。
【0082】
半導体装置100Aは、制御チップ41Aに設けられた出力端子Hout[U],Hout[V],Hout[W]と、駆動チップ21[k]の制御電極Gとを接続するワイヤQg[U],Qg[V],Qg[W]を具備している。ワイヤQg[U],Qg[V],Qg[W]は、ワイヤボンディングにより形成される線状の導電体である。
【0083】
半導体装置100Aは、制御チップ41Aに設けられた中間端子Hm[U],Hm[V],Hm[W]と、駆動チップ21[k]の主電極Eとを接続するワイヤQe[U],Qe[V],Qe[W]を具備している。ワイヤQe[U],Qe[V],Qe[W]は、ワイヤボンディングにより形成される線状の導電体である。
【0084】
半導体装置100Aは、制御チップ41Aに設けられた電源端子Hs[U],Hs[V],Hs[W]と、接続端子Ts[U],Ts[V],Ts[W]に接続されたリードRds[U],Rds[V],Rds[W]とを接続するワイヤQs[U],Qs[V],Qs[W]を具備している。ワイヤQs[U],Qs[V],Qs[W]は、ワイヤボンディングにより形成される線状の導電体である。
【0085】
次に、半導体装置100Aの作用・効果について図1から図4を参照しつつ図5を用いて説明する。
図1から図4に例示される通り、本実施形態における半導体チップ30Aは、U相のブートストラップ動作用のダイオードD[U]、V相のブートストラップ動作用のダイオードD[V]およびW相のブートストラップ動作用のダイオードD[W]を1チップ化した構造を有している。
【0086】
図4に例示される通り、半導体チップ30Aに設けられたダイオードD[U]、ダイオードD[V]およびダイオードD[W]は、半導体基板301の厚さ方向(図4中に示すZ軸の方向)にpn接合を形成するpn接合部306[U],306[V],306[W]を有している。pn接合部306[U],306[V],306[W]のP型半導体側は、半導体基板301のボディによって構成され、互いに共用している。一方、pn接合部306[U],306[V],306[W]のN型半導体側は、N-拡散層302[U],302[V],302[W]で構成されている。N-拡散層302[U],302[V],302[W]は、P型の拡散層311によって互いに分離されている。
【0087】
拡散層311は、ダイオードD[k]のアノード領域を構成する。ダイオードD[U]、ダイオードD[V]およびダイオードD[W]は、半導体基板301の上面に平行方向(図4中に示すX軸の方向)にN-拡散層302[U],302[V],302[W]と共にpn接合を形成する。
【0088】
ここで、外部電源103の高電位側の電源電圧が例えば200Vであり、外部電源104の制御電圧Vccが例えば15Vであるとする。また、駆動チップ21[U]、駆動チップ22[V]および駆動チップ22[W]がオン状態で、駆動チップ22[U]、駆動チップ21[V]および駆動チップ21[W]がオフである場合を考える。
この場合、接続端子Tout[U]の電圧は200Vであり、半導体チップ30Aの陰極304[U]に200Vが印加される。接続端子Tout[V]および接続端子Tout[W]の電圧は接地電圧であり、半導体チップ30Aの陰極304[V]および陰極304[W]に接地電圧が印加される。また、半導体基板301および拡散層311は15Vが印加されている。
よって、ダイオードD[V]およびダイオードD[W]により、容量素子B[V]および容量素子B[W]を充電する。
【0089】
一方、ダイオードD[U]は、拡散層311とN-拡散層302[U]とのpn接合およびpn接合部306[U]に逆バイアスが印加されることから、当該pn接合およびpn接合部306[U]から拡散層311、半導体基板301およびN-拡散層302[U]に空乏層が広がる。
この拡散層311に広がる空乏層がダイオードD[V]のN-拡散層302[V]に達しないように、かつ、空乏層がP+拡散層312c、P+拡散層312dまたはN+拡散層303[U]に達しないように、拡散層311の幅および不純物濃度が設定される。
このように設定することにより、N-拡散層302[U],302[V],302[W]は、P型の拡散層311によって互いに分離される。
【0090】
ダイオードD[U]、ダイオードD[V]およびダイオードD[W]に接続される陽極305は、半導体基板301の裏面に形成されて、ダイオードD[U]、ダイオードD[V]およびダイオードD[W]において共用されている。一方、ダイオードD[U]、ダイオードD[V]およびダイオードD[W]に接続される陰極304[U],304[V],304[W]は、N-拡散層302[U],302[V],302[W]に電気的に接触して形成されて、互いに分離して設けられている。
【0091】
半導体チップ30Aは、導電性部材71を介して1個のダイパッド63に陽極305を電気的に接続した状態で配置される。このため、ダイオードD[k]のpn接合部306[k]のそれぞれのP型半導体側(すなわち半導体基板301のボディ)には、陽極305、導電性部材71、ダイパッド63、リードRdcおよび接続端子Tc_H(図3参照)を介して、共通の制御電圧Vccが供給される。
【0092】
一方、ダイオードD[k]のpn接合部306[k]のそれぞれのN型半導体側(すなわちN-拡散層302[k])には、N+拡散層303[k]、陰極304[k]、ワイヤQb[k]のワイヤ配線Qb2、接続パッド65[k]および接続端子Tbs[k]から、駆動チップ21[k]の動作に応じた電圧が独立して供給される。このため、半導体チップ30Aは、U相、V相およびW相のブートストラップ動作用の3個のダイオードD[k]を1チップ化した構造を有していても、ブートストラップ動作において容量素子B[k]を充電する充電経路α(図1参照)をU相、V相およびW相ごとに構成することができる。
【0093】
また、電極プレート314には、ダイパッド63、導電性部材71、陽極305、半導体基板301、拡散層311、P+拡散層312a,312b,312c,312dおよび導電性プラグ313a,313b,313c,313dを介して制御電圧Vccが供給される。さらに、電極プレート314は、N-拡散層302[k]と拡散層311との境界の上方にも存在している。このため、電極プレート314は、フィールドプレートとして機能するので、半導体チップ30Aの耐電圧の向上を図ることができる。
【0094】
ところで、ブートストラップ動作に利用されるダイオードD[k]を有する半導体チップの構成としては、U相、V相およびW相ごとに別個独立した構成も想定される。図5は、対比例に係る半導体装置に具備された半導体チップおよび高電位側の駆動チップの近傍を拡大して示すレイアウト図である。図5では、理解を容易にするため、本実施形態における半導体チップ30Aの外形が併せて図示されている。また、図5では、対比例における制御チップ41Xに対する半導体チップ30Aの相対位置および相対的な大きさは、図2および図3における制御チップ41Aに対する半導体チップ30Aの相対位置および相対的な大きさと同様に図示されている。
【0095】
対比例におけるU相用の半導体チップ30[U]、V相用の半導体チップ30[V]およびW相用の半導体チップ30[W]は、それぞれ1個のブートストラップ用のダイオード(不図示)を含む。このため、半導体チップ30[U],30[V],30[W]のそれぞれは、本実施形態における半導体チップ30Aよりも小さい大きさを有する。
【0096】
しかしながら、図5に例示される通り、半導体チップ30[U],30[V],30[W]が制御チップ41Xの長手方向に沿って並べて配置された場合、隣り合う半導体チップ30[U],30[V],30[W]の間には、所定の間隔DSが必要になる。このため、対比例における半導体チップ30[U],30[V],30[W]の配置領域は、本実施形態における半導体チップ30Aの配置領域よりも大きくなる。
【0097】
さらに、対比例に係る半導体装置は、ブートストラップ動作用として3個の半導体チップ30[U],30[V],30[W]が必要になるので、本実施形態に係る半導体装置100Aよりも部品点数が多くなる。
【0098】
したがって、本実施形態に係る半導体装置100Aは、ブートストラップ動作用のダイオードをU相、V相およびW相ごとに個別に有する3個の半導体チップ30[U],30[V],30[W]を含む対比例に係る半導体装置と比較して、ブートストラップ動作用の半導体チップ30Aの実装面積の省スペース化と部品点数の削減とを図ることができる。これにより、半導体装置100Aは、外形寸法の小型化を図ることができる。
【0099】
以上説明したように、本実施形態に係る半導体装置100Aは、駆動チップ21[k]る。そして、半導体装置100Aは、電圧端子Hcと電源端子Hb[k]とを含む複数の端子Hを備え、電源端子Hb[k]に供給される電源電圧Vb[k]を利用して駆動チップ21[k]を制御する制御チップ41Aを備える。さらに、半導体装置100Aは、制御電圧Vccを電圧端子Hcに供給するためのダイパッド63を備える。さらに、半導体装置100Aは、電源端子Hb[k]に個別に接続されて電源電圧Vb[k]を電源端子Hb[k]に供給するためのワイヤQb[k]と、電源電圧Vb[k]を生成するブートストラップ動作に利用され電源電圧Vb[k]と同数のダイオードを含む半導体チップ30Aを備える。
【0100】
これにより、半導体装置100Aは、部品コストを抑制しつつ、小型化および低コスト化を図ることができる。
【0101】
B:第2実施形態
本開示の第2実施形態に係る半導体装置について図6から図9を用いて説明する。なお、本実施形態において機能が第1実施形態に係る半導体装置の要素と同様の要素については、第1実施形態に係る半導体装置の説明で使用した符号を流用して各々の詳細な説明を適宜に省略する。
【0102】
図6は、本実施形態に係る半導体装置100Bの電気的な構成を例示する回路図である。図7は、半導体装置100Bに具備された各要素の配置を例示するレイアウト図である。図8は、半導体装置100Bに具備された半導体チップ30Bおよび高電位側の駆動チップ21[k]の近傍を拡大して示すレイアウト図である。図9は、半導体装置100Bに具備された半導体チップ30Bを例示する図であって、図8中に示すV-V線で切断した半導体チップ30Bの断面図である。本実施形態に係る半導体装置100Bは、ブートストラップ動作に用いられる複数のダイオードD[k]を有し半導体基板301の厚さ方向と交差する方向に充電経路が形成される点に特徴を有している。
【0103】
図6に例示される通り、本実施形態に係る半導体装置100Bは、駆動チップ21[k](複数のパワー半導体素子の一例)を具備する。半導体装置100Bは、電圧端子Hc(第1端子の一例)と電源端子Hb[k](複数の第2端子の一例)とを含む複数の端子Hを備え、電源端子Hb[k]に供給される電源電圧Vb[k]を利用して駆動チップ21[k]を制御する制御チップ41Bを具備する。半導体装置100Bは、制御電圧Vccを電圧端子Hcに供給するためのリードRd63(第1導体の一例。図6では不図示、図8参照)を具備する。半導体装置100Bは、電源端子Hb[k]に個別に接続されて電源電圧Vb[k]を電源端子Hb[k]に供給するためのワイヤQb[k](複数の第1配線の一例。図6では不図示、図8参照)を具備する。半導体装置100Bは、電源電圧Vb[k]を生成するブートストラップ動作に利用され電源電圧Vb[k]と同数のダイオードD[k]を含む半導体チップ30Bとを具備する。
【0104】
本実施形態における駆動チップ21[k]は、中継端子Hrを含む点において、第1実施形態における駆動チップ21[k]と異なっている。中継端子Hrは、中継パターン401aによって電圧端子Hcに接続されている。中継端子Hrの詳細については後述する。
【0105】
図7に例示される通り、半導体装置100Bに設けられたダイパッド64は、制御チップ41B,42および半導体チップ30Bの下方に広がって形成されている。制御チップ41B,42および半導体チップ30Bは、ダイパッド64(第2導体の一例)の上に接合される。すなわち、制御チップ41B,42および半導体チップ30Bは、ダイパッド64の表面に接合される。制御チップ41B,42および半導体チップ30Bの実装には、絶縁性の接着剤が使用される。したがって、制御チップ41B,42および半導体チップ30Bの下面とダイパッド64とは電気的に絶縁される。
【0106】
図7及び図8に例示される通り、半導体装置100Bは、リードRd63に接続された配線部材401(第2配線の一例)を具備する。制御チップ41Bは、陽極315(詳細は後述)に電気的に接続された中継端子Hrを端子Hに含む。配線部材401は、中継パターン401aおよびワイヤ401bを有している。したがって、配線部材401は、中継端子Hrと電圧端子Hcとを接続する中継パターン401aを含む。
【0107】
次に、半導体チップ30Bの具体的な構成について図6から図8を参照しつつ図9を用いて説明する。
図9に例示される通り、半導体チップ30Bは、複数(本実施形態では3個)のダイオードD[k]を備える。ダイオードD[k]Bは、P型(第1導電型の一例)の半導体基板301を含む。ダイオードD[k]は、半導体基板301の表面層に所定の間隔を空けて並んで形成されたN型(第2導電型の一例)のN-拡散層302[k](複数の第2半導体層の一例)を含む。ダイオードD[k]は、N-拡散層302[k]が形成されていない半導体基板301の表面層に形成されたP型(第1導電型の一例)の拡散層316(第1半導体層の一例)を含む。図9では、理解を容易にするため、N-拡散層302[k]および拡散層316の接合部分に形成されるpn接合部317[k]がダイオードの回路図記号で表されている。
【0108】
拡散層316は、ダイオードD[k]のアノード領域を構成し、N-拡散層302[k]は、ダイオードD[k]のカソード領域を構成する。なお、N-拡散層302[k]は抵抗素子R[k]でもある。半導体基板301もダイオードD[k]のアノード領域として機能するが主要な電流が流れるのは、N-拡散層302[k]と拡散層316との接合部分である。
【0109】
ダイオードD[U]のpn接合部317[U]は、拡散層316とN-拡散層302[U]との接合部に形成される。ダイオードD[V]のpn接合部317[V]は、N-拡散層302[V]と拡散層316との接合部に形成される。ダイオードD[W]のpn接合部317[W]は、N-拡散層302[W]と拡散層316との接合部に形成される。
【0110】
図9に例示される通り、半導体チップ30Bは、N-拡散層302[k]が形成されていない半導体基板301の表面層に形成されたP型の拡散層316を含む。したがって、N-拡散層302[k]は、平面視で島状に形成されており、その周囲に拡散層316が形成されている。図9では、両端の拡散層316の幅とN-拡散層302の両側の拡散層316の幅とが異なる幅で形成されているが、同じ幅であってもよい。
【0111】
拡散層316は、半導体基板301の表面の所定領域にP型の不純物として例えばボロンをイオン注入し、イオン注入した箇所を活性化することにより形成される。拡散層316は、例えばN-拡散層302[k]より深い深さで形成される。
【0112】
半導体チップ30Bは、拡散層316の表面の一部に形成されたP+拡散層318a,318b,318c,318dを含む。P+拡散層318a,318b,318c,318dは、例えば拡散層316よりも高い不純物濃度を有している。P+拡散層318a,318b,318c,318dは、例えばN+拡散層303[k]と同じ不純物濃度を有している。
【0113】
P+拡散層318a,318b,318c,318dは、P型の不純物として例えばボロンをイオン注入し、イオン注入した箇所を活性化することにより拡散層316の表面の所定領域に拡散層316よりも浅い深さで形成される。
【0114】
P+拡散層318aは、拡散層316の表面の一部であって半導体基板301の側壁とN-拡散層302[W]との間の領域に形成されている。P+拡散層318bは、拡散層316の表面の一部であってN-拡散層302[W]とN-拡散層302[V]との間の領域に形成されている。P+拡散層318cは、拡散層316の表面の一部であってN-拡散層302[V]とN-拡散層302[U]との間の領域に形成されている。P+拡散層318dは、拡散層316の表面の一部であってN-拡散層302[U]と半導体基板301の側壁との間の領域に形成されている。
【0115】
図9に例示される通り、半導体チップ30Bは、N-拡散層302[k]のそれぞれの上に形成されてワイヤQb[k](第1配線の一例)(図9では不図示、図8参照)を介して電源端子Hb[k]に電気的に接続される陰極304[k]を含む。陰極304[k]は、N+拡散層303[k]に接触して形成されている。
【0116】
本実施形態における陰極304[k]は、第1実施形態における陰極304[k]と同様の構成を有しているため、説明は省略する。陰極304[k]は、導電性プラグ304aをN+拡散層303[k]に接触して形成されている。このため、陰極304[k]およびN+拡散層303[k]は、オーミック接続される。これにより、本実施形態でも陰極304[k]とN+拡散層303[k]との接触抵抗の低減が図られる。
【0117】
図9に例示される通り、半導体チップ30Bは、拡散層316の上に形成されて配線部材401(図9では不図示、図8参照)を介してリードRd63(図9では不図示、図8参照)に電気的に接続される陽極315を含む。
【0118】
より具体的には、陽極315は、P+拡散層318a,318b,318c,318dに接触して形成された導電性プラグ315a,315b,315c,315dと、導電性プラグ315a,315b,315c,315dに接触して形成された電極プレート315eとを含む。導電性プラグ315aは、P+拡散層318aに接触して形成されている。導電性プラグ315bは、P+拡散層318bに接触して形成されている。導電性プラグ315cは、P+拡散層318cに接触して形成されている。導電性プラグ315dは、P+拡散層318dに接触して形成されている。このため、陽極315およびP+拡散層318a,318b,318c,318dは、オーミック接続される。これにより、陽極315と318a,318b,318c,318dとの接触抵抗の低減が図られる。
【0119】
電極プレート315eは、薄板直方体形状を有している。電極プレート315eは、陰極304[k]が配置される箇所に陰極304[k]の電極パッド304bが挿入される開口を有している。陰極304[k]の電極パッド304bは、電極プレート315eに接触せずに当該開口に配置されている。電極プレート315eは、例えばアルミニウムで形成されている。
【0120】
図8に例示される通り、電極プレート315eは、ワイヤQ315によって制御チップ41Bの中継端子Hrに電気的に接続されている。ワイヤQ315の一端は、保護膜70(図8では不図示、図9参照)に形成された開口部702p(図9参照)に露出する電極プレート315eの表面の一部に接合されている。ワイヤQ315の他端は、中継端子Hrの表面に接合されている。中継端子Hrは、中継パターン401aの一端に形成されている。中継パターン401aの他端には、電圧端子Hcが形成されている。電圧端子HcとリードRd63とは、ワイヤ401bによって接続されている。リードRd63は、外部電源104(図6参照)から制御電圧Vccが入力される接続端子Tc_H(図7参照)に接続されている。このため、陽極315には、接続端子Tc_H、リードRd63、配線部材401(すなわちワイヤ401bおよび中継パターン401a)およびワイヤQ315を介して制御電圧Vccが供給される。
【0121】
図9に戻って、半導体チップ30Bは、半導体基板301の表面の反対側の面(すなわち裏面)を絶縁性接着剤72によってダイパッド64に接着される。詳細は後述するが、半導体チップ30Bの半導体基板301のボディには、陽極315から制御電圧Vccが供給される。一方、ダイパッド64は、接地電圧が供給される接続端子TgにリードRdgを介して接続される。このため、ダイパッド64には、接続端子TgおよびリードRdgを介して接地電圧が供給される。
【0122】
したがって、半導体チップ30Bの半導体基板301に供給される電圧と、ダイパッド64に供給される電圧とは異なる。しかしながら、半導体チップ30Bの半導体基板301およびダイパッド64は、絶縁性接着剤72によって絶縁されるため、接続端子Tc_Hおよび接続端子Tgが短絡することが防止される。
【0123】
制御チップ41Bに設けられた接地端子Hgは、ワイヤQgdを介してダイパッド64に接続される。具体的には、ワイヤQgdの一端は、制御チップ41Bの接地端子Hgの表面に接合され、ワイヤQgdの他端は、ダイパッド64の表面に接合される。これにより、制御チップ41Bの接地端子Hgには、接続端子Tg、ダイパッド64およびワイヤQgdを介して接地電圧が供給される。
【0124】
次に、半導体装置100Bの作用・効果について図6から図9を用いて説明する。
図6から図9に例示される通り、本実施形態における半導体チップ30Bは、U相のブートストラップ動作用のダイオードD[U]、V相のブートストラップ動作用のダイオードD[V]およびW相のブートストラップ動作用のダイオードD[W]を1チップ化した構造を有している。
【0125】
図9に例示される通り、半導体チップ30Bに設けられたダイオードD[U]、ダイオードD[V]およびダイオードD[W]は、半導体基板301の厚さ方向に直交する方向(図9中に示すX軸の方向)にpn接合を形成するpn接合部317[U],317[V],317[W]を有している。pn接合部317[U],317[V],317[W]のP型半導体側は、拡散層316によって構成され、互いに共用している。一方、pn接合部317[U],317[V],317[W]のN型半導体側は、N-拡散層302[U],302[V],302[W]で構成されている。N-拡散層302[U],302[V],302[W]は、P型の拡散層316によって互いに分離されている。
【0126】
ダイオードD[U]、ダイオードD[V]およびダイオードD[W]に接続される陽極315は、半導体基板301の上方に配置されて、ダイオードD[U]、ダイオードD[V]およびダイオードD[W]において共用されている。一方、ダイオードD[U]、ダイオードD[V]およびダイオードD[W]に接続される陰極304[U],304[V],304[W]は、N-拡散層302[U],302[V],302[W]に接触して形成されて、互いに分離して設けられている。
【0127】
拡散層316は、ダイオードD[k]のアノード領域を構成する。ダイオードD[U]は、N-拡散層302[U]およびN-拡散層302[U]の周囲に配置された拡散層316とともにpn接合部317[U]を形成する。ダイオードD[V]は、N-拡散層302[V]およびN-拡散層302[V]の周囲に配置された拡散層316とともにpn接合部317[V]を形成する。ダイオードD[W]は、N-拡散層302[W]およびN-拡散層302[W]の周囲に配置された拡散層316とともにpn接合部317[W]を形成する。また、ダイオードD[U]、ダイオードD[V]およびダイオードD[W]は、半導体基板301の厚さ方向(図9中に示すZ軸の方向)にN-拡散層302[U],302[V],302[W]と共にpn接合を形成する。
【0128】
ここで、外部電源103の高電位側の電源電圧が例えば200Vであり、外部電源104の制御電圧Vccが例えば15Vであるとする。また、駆動チップ21[U]、駆動チップ22[V]および駆動チップ22[W]がオン状態で、駆動チップ22[U]、駆動チップ21[V]および駆動チップ21[W]がオフである場合を考える。
この場合、接続端子Tout[U]の電圧は200Vであり、半導体チップ30Bの陰極304[U]に200Vが印加される。接続端子Tout[V]および接続端子Tout[W]の電圧は接地電圧であり、半導体チップ30Bの陰極304[V]および陰極304[W]に接地電圧が印加される。また、半導体基板301および拡散層316は15Vが印加されている。
よって、ダイオードD[V]およびダイオードD[W]により、容量素子B[V]および容量素子B[W]を充電する。
【0129】
一方、ダイオードD[U]は、半導体基板301とN-拡散層302[U]とのpn接合およびpn接合部317[U]に逆バイアスが印加されることから、当該pn接合およびpn接合部317[U]から、N-拡散層302[U]の周囲に配置された拡散層316、半導体基板301およびN-拡散層302[U]に空乏層が広がる。
N-拡散層302[U]の周囲に配置された拡散層316に広がる空乏層がダイオードD[V]のN-拡散層302[V]に達しないように、かつ、当該空乏層がP+拡散層318c、P+拡散層318dまたはN+拡散層303[U]に達しないように、拡散層316の幅および不純物濃度が設定される。
このように設定することにより、N-拡散層302[U],302[V],302[W]は、P型の拡散層318によって互いに分離される。
【0130】
ダイオードD[k]のpn接合部306[k]のそれぞれのP型半導体側(すなわち拡散層316)には、陽極315、ワイヤQ315、配線部材401、導電性部材71、リードRdcおよび接続端子Tc_H(図7参照)を介して、共通の制御電圧Vccが供給される。
【0131】
一方、ダイオードD[k]のpn接合部317[k]のそれぞれのN型半導体側(すなわちN-拡散層302[k])には、N+拡散層303[k]、陰極304[k]、ワイヤQb[k]のワイヤ配線Qb2、接続パッド65[k]および接続端子Tbs[k]から、ブートストラップ動作に応じた電圧が独立して供給される。このため、半導体チップ30Bは、U相、V相およびW相のブートストラップ動作用の3個のダイオードD[k]を1チップ化した構造を有していても、ブートストラップ動作において容量素子B[k]を充電する充電経路α(図6参照)をU相、V相およびW相ごとに構成することができる。
【0132】
また、電極プレート315eには、制御電圧Vccが供給される。さらに、電極プレート315eは、N-拡散層302[k]と拡散層316との境界の上方にも存在している。このため、電極プレート315eは、フィールドプレートとして機能するので、半導体チップ30Bの耐電圧の向上を図ることができる。
【0133】
このように、本実施形態に係る半導体装置100Bは、ブートストラップ動作用の3個のダイオードD[k]が1チップ化された半導体チップ30Bを具備しているので、ブートストラップ動作用のダイオードをU相、V相およびW相ごとに個別に有する3個の半導体チップ30[U],30[V],30[W]を含む対比例に係る半導体装置(図5参照)と比較して、ブートストラップ動作用の半導体チップ30Bの実装面積の省スペース化と部品点数の削減とを図ることができる。これにより、半導体装置100Bは、外形寸法の小型化を図ることができる。
【0134】
以上説明したように、本実施形態に係る半導体装置100Bは、駆動チップ21[k]と、電圧端子Hcと電源端子Hb[k]とを含む複数の端子Hを備え、電源端子Hb[k]に供給される電源電圧Vb[k]を利用して駆動チップ21[k]を制御する制御チップ41Aと、制御電圧Vccを電圧端子Hcに供給するためのリードRd63と、電源端子Hb[k]に個別に接続されて電源電圧Vb[k]を電源端子Hb[k]に供給するためのワイヤQb[k]と、電源電圧Vb[k]を生成するブートストラップ動作に利用され電源電圧Vb[k]と同数のダイオードD[k]を含む半導体チップ30Bとを具備する。
【0135】
これにより、半導体装置100Bは、部品コストを抑制しつつ、小型化および低コスト化を図ることができる。
【符号の説明】
【0136】
21,22 駆動チップ
30[U],30[V],30[W],30A,30B 半導体チップ
41A,41B,41X,42 制御チップ
50 筐体
51 樹脂ケース
52 支持板
53 封止樹脂
55 素子領域
56 端子領域
57 制御領域
60 リードフレーム
61,62,63,64 ダイパッド
65[k](k=U,V,W) 接続パッド
70 保護膜
71 導電性部材
72 絶縁性接着剤
100A,100B 半導体装置
102 制御装置
103,104 外部電源
301 半導体基板
302[k](k=U,V,W) N-拡散層
303[k](k=U,V,W) N+拡散層
304a,313a,313b,313c,313d,315a,315b,315c,315d 導電性プラグ
304b 電極パッド
305,315 陽極
306[k](k=U,V,W),317[k](k=U,V,W) pn接合部
311,316 拡散層
312a,312b,312c,312d,318a,318b,318c,318d P+拡散層
314,315e 電極プレート
401 配線部材
401a 中継パターン
401b ワイヤ
700[k](k=U,V,W),702p 開口部
701,702 絶縁膜
B 容量素子
b1 第1電極
b2 第2電極
C,E 主電極
D ダイオード
DS 間隔
G 制御電極
H,L 端子
Hb 電源端子
Hc,Lc 電圧端子
Hg,Lh 接地端子
Hin 入力端子
Hm[k](k=U,V,W) 中間端子
Hout[k](k=U,V,W) 出力端子
Hr 中継端子
Hs[k](k=U,V,W) 電源端子
Lin[k](k=U,V,W) 入力端子
Lout[k](k=U,V,W) 出力端子
M 電動機
Q315,Qb[k](k=U,V,W),Qc,Qdg,Qe,Qg,Qgd,Qs,Qu,Qv,Qw ワイヤ
Qb1,Qb2 ワイヤ配線
R[k](k=U,V,W) 抵抗素子
Rd[k](k=U,V,W),Rd63,Rdc,Rdg,Rds[k](k=U,V,W) リード
T,Tbs[k](k=U,V,W),Tc_H,Tc_L,Tg,Tin_H[k](k=U,V,W),Tin_L[k](k=U,V,W),Tn[k](k=U,V,W),Tout[k](k=U,V,W),Tp,Tx1,Tx2,Ts[k](k=U,V,W) 接続端子
Vb[k](k=U,V,W) 電源電圧
Vcc 制御電圧
Vs 電源電圧
α 充電経路
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9