(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024098932
(43)【公開日】2024-07-24
(54)【発明の名称】水平状態における水圧差浮力駆動装置
(51)【国際特許分類】
F03B 17/04 20060101AFI20240717BHJP
【FI】
F03B17/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2023011366
(22)【出願日】2023-01-11
(71)【出願人】
【識別番号】500015939
【氏名又は名称】橋口 真二
(72)【発明者】
【氏名】橋口 真二
【テーマコード(参考)】
3H074
【Fターム(参考)】
3H074AA10
3H074AA18
3H074BB01
3H074BB10
3H074CC35
3H074CC42
(57)【要約】
【課題】 従来、物体の体積を変化させ、その浮力の差により回転体を回転させ、運動エネルギーを得ようとする試みがあった。
しかし、錘や浮子を使用し、強制的に物体の体積を変化させようとするものであったため、回転とは反対のトルクが生じ、回転体は回転することはなかった。
本発明は、それらの事を克服するために、水圧のみで物体の体積を変化させ、その浮力差により回転体を回転させ、運動エネルギーを得る装置を提供する。
【解決手段】 回転体の最浅部及び最深部において、水圧により物体の体積を変化させ、回転体の中心軸に対するモーメントにより、物体は、最浅部から最深部、最深部から最浅部へと移動。再び、上述の行為がなされる。このことを繰り返すことで、安定した運動エネルギーを得ることを特徴とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基礎となる土台21と、
前述の基礎となる土台21の上に取り付けた、2本の支柱20と、
前述の2本の支柱20の間で、上方部分に取り付けた、回転自由な上端シャフト1と、
同じく、前述の2本の支柱20の間で、下方部分に取り付けた、回転自由な下端シャフト2と、
前述の上端シャフト1に取り付けた、上端ホイール3と
前述の下端シャフト2に取り付けた、下端ホイール4と、
前述の上端ホイール3と前述の下端ホイール4の間に設置した、中が中空である無端中空ベルト5と、
前述の無端中空ベルト5に、対になるように取り付けた、一端を開口部とし中を中空とした、二つ内側固定中空シリンダー6と、
前述の各々の内側固定中空シリンダー6の開口部分に設置した、一端を開口部とし中を中空とする内側可動中空シリンダー7と、
前述の各々の内側固定中空シリンダー6の側面に取り付けた、一端を開口部とし、中を中空とした外側固定中空シリンダー8と、
前述の各々の外側固定中空シリンダー8の開口部分に設置した、一端を開口部とし中を中空とする外側可動中空シリンダー9と、
前述の各々の外側可動中空シリンダー9の中空部側に取り付けた、外側可動中空シリンダースライド用直線ギヤ10と、
一端を前述の各々の外側固定中空シリンダー8に取り付けた、伸縮用ロッド11と、
同じく、一端をそれに対応する前述の各々の外側可動中空シリンダー9に取り付けた、伸縮用ロッド11と、
前述の各々の外側固定中空シリンダー8に取り付けた、前述の各々の伸縮用ロッド11の他端と、前述の各々の外側可動中空シリンダー9に取り付けた、伸縮用ロッド11の他端との間に取り付けた、伸縮用バネ12と、
前述の各々の外側固定中空シリンダー8の中空部側に取り付けた、外側可動中空シリンダースライドギヤ用中心軸14と、
前述の各々の外側可動中空シリンダースライドギヤ用中心軸14に取り付けた、前述の外側可動中空シリンダースライド用直線ギヤ10に対応する、外側可動中空シリンダースライドギヤ13と、
前述の各々の内側可動中空シリンダー7の中空部側に取り付けた、内側可動中空シリンダースライド用直線ギヤ15と、
前述の各々の内側固定中空シリンダー6の中空部側に取り付けた、内側可動中空シリンダースライドギヤ用中心軸17と、
前述の各々の内側可動中空シリンダースライドギヤ用中心軸17に取り付けた、前述の内側可動中空シリンダースライド用直線ギヤ15に対応する内側可動中空シリンダースライド対比ギヤ16と、
前述の各々の内側固定中空シリンダー6と、前述のそれに対応する各々の外側固定中空シリンダー8の取り付け部分に設置した、固定中空シリンダー内気体流出入孔18と、
前述の無端中空ベルト5と前述の各々の内側固定中空シリンダー6の取り付け部分に設置した、固定中空シリンダー無端中空ベルト内気体流出入孔19とを、備える装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体中にある物体の浮力の差を利用した、運動エネルギー発生装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、液体中にある物体の体積を外力により増減させ、その物体の体積の増減に掛かる浮力の差により、回転体を回転させ、運動エネルギーを得ようとする考えが多数あった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】公開実用昭60-175873
【特許文献2】特願平11-536773
【非特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
液体中にある物体の体積を増減しようとするには、対象物体の下側へ錘を取り付け、錘の自重で物体の一部を下側へ引っ張り、その物体の体積を増加させる。または、対象物体の上側へ浮子を取り付け、浮子の浮力で物体の一部を上側へ引っ張り、その物体の体積を増加させる等の方法がある。
増加した物体の体積を減少させようとする場合は、その物体を反転させることにより、下側にあった錘は物体の上側の位置に、上側にあった浮子は下側の位置になり、錘の自重、浮子の浮力により、物体の増加した体積を減少させることができる。
体積の減少した物体の体積を再び増加させるには、その物体を再び反転させればよいことになる。
このような一連の動きをスムーズに行うには、回転自由な回転体にその物体を取り付け、回転体の回転により物体を反転させ、物体の体積の増減を図る必要がある。
【0006】
これらは、次のような欠点があった。
錘の自重又は浮子の浮力等外力により体積の増加した物体が、回転自由な回転体の上半円上を通過する際、次のような関係になる。
錘の場合、下側へ引っ張り体積を増加させるため、半回転時、想定回転方向とは反対の錘によるモーメント力が生じ、回転を妨げる。
浮子の場合、上側へ引っ張り体積を増加させるため、僅かな浮子の浮力で済むものの、半回転時、想定回転方向とは反対のモーメント力が生じ、回転を妨げる。
従って、これら垂直方向での体積増減方法では、モーメント力は打ち消し合い、回転体を回転させることは出来ない。
本発明は、以上の様な欠点をなくすためになされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
基礎となる土台21の上に2本の支柱20を取り付け、2本の支柱20の間の上方部分には、回転自由な上端シャフト1を取り付ける。また、下方部分には、回転自由な下端シャフト2を取り付ける。上端シャフト1及び下端シャフト2には、夫々上端ホイール3と下端ホイール4を取り付ける。
上端ホイール3と下端ホイール4の間には、中が中空である無端中空ベルト5を取り付け、上端ホイール3と下端ホイール4が同時に回るようにする。
【0008】
一端を開口部とする中を中空とした内側固定中空シリンダー6を無端中空ベルト5に対となるように取り付ける。取り付け位置は、一の内側固定中空シリンダー6を取り付けた位置から無端中空ベルト5の1/2周の位置に、他の内側固定中空シリンダー6を取り付ける。
各々の内側固定中空シリンダー6の開口部分には、一端が開口部で、中を中空とした内側可動中空シリンダー7を、夫々の開口部が向き合うように設置する。その際、内側固定中空シリンダー6及び内側可動中空シリンダー7内への水の侵入を防止することが重要となる。
【0009】
各々の内側固定中空シリンダー6の側面には、一端を開口部とする中を中空とした外側固定中空シリンダー8を取り付ける。取り付け方は、内側固定中空シリンダー6の開口部と、外側固定中空シリンダー8の開口部は相反する向きとする。
各々の外側固定中空シリンダー8の開口部分には、一端が開口部で、中を中空とした外側可動中空シリンダー9を、夫々の開口部が向き合うように設置する。その際、外側固定中空シリンダー8及び外側可動中空シリンダー9内への水の侵入を防止することが重要となる。
【0010】
各々の外側可動中空シリンダー9の中空部側に、外側可動中空シリンダースライド用直線ギヤ10を取り付ける。
各々の外側固定中空シリンダー8の中空部側に、伸縮ロッド11を取り付け、伸縮ロッド11の他端には伸縮用バネ12を取り付ける。また、伸縮用バネ12の他端には、伸縮ロッド11を取り付け、伸縮ロッド11の他端は、外側固定中空シリンダー8に対応する外側可動中空シリンダー9の中空部側に取り付ける。
各々の外側可動中空シリンダー9の動きに連動してスライドする外側可動中空シリンダースライド用直線ギヤ10の対応として、外側固定中空シリンダー8の中空部側に、外側可動中空シリンダースライドギヤ用中心軸14を取り付け、それに外側可動中空シリンダースライドギヤ13を設置する。
【0011】
各々の内側可動中空シリンダー7の中空部側に、内側可動中空シリンダースライド用直線ギヤ15を取り付ける。
各々の内側可動中空シリンダー7の動きに連動してスライドする内側可動中空シリンダースライド用直線ギヤ15の対応として、内側固定中空シリンダー6の中空部側に、内側可動中空シリンダースライドギヤ用中心軸17を取り付け、それに内側可動中空シリンダースライド対比ギヤ16を設置する。
【0012】
各々の内側固定中空シリンダー6と、それに対応する外側固定中空シリンダー8の接着面には気体の流出入が可能となる、固定中空シリンダー内気体流出入孔18を設置する。
また、無端中空ベルト5と各々の内側固定中空シリンダー6の接着面にも、気体の流出入の可能となる、 固定中空シリンダー無端中空ベルト内気体流出入孔19を設置する。
本発明は、以上のような構成から成り、水平方向での水圧差による体積変化で、浮力差を生じさせ、運動エネルギーへと変換させようとすることを特徴とする装置である。
【発明の効果】
【0013】
本発明は、水深による水圧の違いを利用し、物体の体積の異なる状態をつくることで浮力の差を利用でき、運動エネルギーが得られるようになる。
以下、本発明の効果を述べる。
土台21の上に、2本の支柱20を取り付ける。2本の支柱20の間は適度な距離を取る。 2本の支柱20の上方部分には、回転自由な上端シャフト1の一端を一の支柱20に、回転自由な上端シャフト1の他端を他の支柱20に取り付ける。また、下方部分には、回転自由な下端シャフト2の一端を一の支柱20に、回転自由な下端シャフト2の他端を他の支柱20に取り付ける。上端シャフト1及び下端シャフト2には、夫々上端ホイール3と下端ホイール4を取り付け、上端ホイール3と下端ホイール4の間には、中が中空である無端中空ベルト5を取り付け、上端ホイール3と下端ホイール4が連動して回転できるようにする。
【0014】
無端中空ベルト5には対となるような位置に、一端を開口部とする中を中空とした内側固定中空シリンダー6を取り付ける。つまり、内側固定中空シリンダー6の取り付け位置は、一の内側固定中空シリンダー6を取り付けた位置から無端中空ベルト5の1/2周の位置に、他の内側固定中空シリンダー6を取り付けることとなる。
このことにより、無端中空ベルト5に取り付けられた対の内側固定中空シリンダー6は、常に、上端シャフト1、下端シャフト2の中心線を中心として、反対側を回転することになる
【0015】
各々の内側固定中空シリンダー6の開口部分には、一端が開口部で、中を中空とした内側可動中空シリンダー7を、夫々の開口部が向き合うように設置する。
また、内側可動中空シリンダー7は、内側固定中空シリンダー6内をスライドのできるものとし、スライドの際、水の侵入を防ぐ必要がある。
【0016】
各々の内側固定中空シリンダー6の側面には、一端を開口部とする中を中空とした外側固定中空シリンダー8を取り付ける。取り付け方は、内側固定中空シリンダー6の開口部と、外側固定中空シリンダー8の開口部は相反する向きとする。
各々の外側固定中空シリンダー8の開口部分には、一端が開口部で、中を中空とした外側可動中空シリンダー9を、夫々の開口部が向き合うように設置する。
また、外側可動中空シリンダー9は、外側固定中空シリンダー8内をスライドのできるものとし、スライドの際、水の侵入を防ぐ必要がある。
【0017】
各々の外側可動中空シリンダー9の開口部とは反対の位置の面の中空部側に、外側可動中空シリンダースライド用直線ギヤ10を取り付ける。
また、外側可動中空シリンダースライド用直線ギヤ10に対応する外側可動中空シリンダースライドギヤ13を、外側固定中空シリンダー8の中空部側に取り付けた外側可動中空シリンダースライドギヤ用中心軸14に設置する。
各々の外側固定中空シリンダー8の中空部側に、伸縮ロッド11を取り付け、伸縮ロッド11の他端には伸縮用バネ12を取り付ける。また、伸縮用バネ12の他端には、伸縮ロッド11を取り付け、伸縮ロッド11の他端は、外側固定中空シリンダー8に対応する外側可動中空シリンダー9の中空部側に取り付ける。
【0018】
このことにより、外側可動中空シリンダー9が外部より水圧等の圧力を受け、外側固定中空シリンダー8内へスライドする場合、外側可動中空シリンダースライド用直線ギヤ10を外側固定中空シリンダー8内へスライドさせ、外側可動中空シリンダースライドギヤ13を回転させることとなる。
なお、この時点において、伸縮用ロッド11の一部に取り付けた伸縮用バネ12は縮むことになる。
従って、外側可動中空シリンダースライドギヤ13を上記とは逆方向に回転させることにより、外側可動中空シリンダースライド用直線ギヤ10を外側固定中空シリンダー8とは反対の方向へスライドさせることができ、同じく、外側可動中空シリンダー9も外側固定中空シリンダー8とは反対の方向へスライドすることとなる。つまり、体積の増大となる。伸縮用バネ12も伸びる状態となり、バネとしてのエネルギーを得ることができる。
【0019】
各々の内側可動中空シリンダー7の開口部とは反対の位置の面の中空部側に、内側可動中空シリンダースライド用直線ギヤ15を取り付ける。
また、内側可動中空シリンダースライド用直線ギヤ15に対応する内側可動中空シリンダースライド対比ギヤ16を、内側固定中空シリンダー6の中空部側に取り付けた内側可動中空シリンダースライド対比ギヤ用中心軸17に設置する。
【0020】
このことにより、内側可動中空シリンダー7が外部より水圧等の圧力を受け、内側固定中空シリンダー6内へスライドする場合、内側可動中空シリンダースライド用直線ギヤ15を内側固定中空シリンダー6内へスライドさせ、内側可動中空シリンダースライド対比ギヤ16を回転させることとなる。
従って、内側可動中空シリンダースライド対比ギヤ16を上記とは逆方向に回転させることにより、内側可動中空シリンダースライド用直線ギヤ15を内側固定中空シリンダー6とは反対の方向へスライドさせることができ、同じく、内側可動中空シリンダー7も内側固定中空シリンダー6とは反対の方向へスライドすることとなる。つまり、体積は増大することとなる。なお、外側可動中空シリンダースライドギヤ13と内側可動中空シリンダースライド対比ギヤ16は連動して動かなければならない。
【0021】
水圧は、水深の深さによる。また、同じ水深、同じ面積の受ける力は同じである。従って、水深の異なる同じ面積の受ける力は、水深の深い方が大きくなる、
【0022】
上端ホイール3及び下端ホイール4の上部、下部は、最浅、最深部となり、内側固定中空シリンダー6、内側可動中空シリンダー7及び外側固定中空シリンダー8、外側可動中空シリンダー9は、最浅部、最深部で水平状態となるようにする。
最浅部では、外側固定中空シリンダー8、外側可動中空シリンダー9が上側、内側固定中空シリンダー6、内側可動中空シリンダー7は下側の位置となるように調整する。
最深部では、最浅部で位置調整しているため、外側固定中空シリンダー8、外側可動中空シリンダー9は下側、内側固定中空シリンダー6、内側可動中空シリンダー7は上側の位置となる。
【0023】
内側可動中空シリンダー7及び外側可動中空シリンダー9のスライド幅は、内側可動中空シリンダースライド対比ギヤ16と外側可動中空シリンダースライドギヤ13のギヤ比により調整し、内側可動中空シリンダー7のスライド幅を長くする。
なお、内側可動中空シリンダースライド用直線ギヤ15は、内側可動中空シリンダースライド対比ギヤ16の外径、外側可動中空シリンダースライドギヤ13は、内側可動中空シリンダースライド対比ギヤ16の内径に対応させる。
例 内側可動中空シリンダースライド対比ギヤ16のギヤ比1.1:1等。
ただし、外側可動中空シリンダースライドギヤ13と内側可動中空シリンダースライド対比ギヤ16の内径ギヤ比は同一とする。
【0024】
以上のことにより、内側固定中空シリンダー6、内側可動中空シリンダー7、外側固定中空シリンダー8、外側可動中空シリンダー9は、最浅部、最深部において、次の状態となる。
「最浅部」
下側に位置する内側可動中空シリンダー7及び内側可動中空シリンダースライド用直線ギヤ15は、水圧により内側固定中空シリンダー6内へ押される→内側可動中空シリンダースライド用直線ギヤ15により内側可動中空シリンダースライド対比ギヤ16が回転→内側可動中空シリンダースライド対比ギヤ16の回転に対応し、外側可動中空シリンダースライドギヤ13が回転→外側可動中空シリンダースライド用直線ギヤ10は外側固定中空シリンダー8とは反対側へスライド→外側可動中空シリンダースライド用直線ギヤ10のスライドにより外側可動中空シリンダー9もスライドする。
なお、一連のスライドにより、伸縮用ロッド11の一部に取り付けた伸縮用バネ12は伸び、反力を持つことになる。
「最深部」
下側に位置する外側可動中空シリンダー9及び外側可動中空シリンダースライド用直線ギヤ10は、水圧及び上述の伸縮バネ12の反力により外側固定中空シリンダー8内へ押される→外側可動中空シリンダースライド用直線ギヤ10により外側可動中空シリンダースライドギヤ13が回転→外側可動中空シリンダースライドギヤ13の回転に対応し、内側可動中空シリンダースライド対比ギヤ16が回転→内側可動中空シリンダースライド用直線ギヤ15は内側固定中空シリンダー6とは反対側へスライド→内側可動中空シリンダースライド用直線ギヤ15のスライドにより内側可動中空シリンダー7もスライドする。
【0025】
従って、最浅部では、内側可動中空シリンダー7は内側固定中空シリンダー6内へスライドし、外側可動中空シリンダー9は外側固定中空シリンダー8外へスライドすることとなり、最深部では、外側可動中空シリンダー9は外側固定中空シリンダー8内へスライドし、内側可動中空シリンダー7は内側固定中空シリンダー6外へスライドすることとなる。
このことにより、内側可動中空シリンダー7と外側可動中空シリンダー9のスライド幅は、内側可動中空シリンダースライド対比ギヤ16により、内側可動中空シリンダー7の方が大きいため、内側可動中空シリンダー7と外側可動中空シリンダー9の受圧面積が等しい場合、最浅部=体積小、最深部=体積大の状態とすることができる。
【0026】
なお、最浅部及び最深部における内側可動中空シリンダー7、外側可動中空シリンダー9のスライド時、各々の中空部分の気体の圧力が問題となる。この問題を解決するため、内側可動中空シリンダー7、外側可動中空シリンダー9に対応する内側固定中空シリンダー6、外側固定中空シリンダー8の接続面に固定中空シリンダー内気体流出入孔18を設置し、無端中空ベルト5と各々の内側固定中空シリンダー6の接続面にも、気体の流出入の可能となる、 固定中空シリンダー無端中空ベルト内気体流出入孔19を設置する。このことにより、気体の総量は一定を保ち、内側可動中空シリンダー7と外側可動中空シリンダー9のよりスムーズなスライドが可能となる。
【0027】
反時計回りを想定した場合。
最浅部と最深部の水平状態で、体積の異なる状態を作ることができた。また、最浅部、最深部共、右側へスライドさせることにより、最浅部、最深部における個別の浮力は、外側可動中空シリンダー9と内側可動中空シリンダー7を各々右側へスライドさせているため、反時計回りの浮力を得る。つまり、外側可動中空シリンダー9と内側可動中空シリンダー7は水平の状態から起き上がろうとし、上端ホイール3及び下端ホイール4を反時計回りに1/4周回転させることとなる。
最浅部と最深部の位置で起き上がった各々の内側固定中空シリンダー6、内側可動中空シリンダー7及び外側固定中空シリンダー8、外側可動中空シリンダー9は、体積の異なる状態のため、浮力差により、最深部の内側固定中空シリンダー6、内側可動中空シリンダー7及び外側固定中空シリンダー8、外側可動中空シリンダー9は最深部から最浅部へ、最浅部の内側固定中空シリンダー6、内側可動中空シリンダー7及び外側固定中空シリンダー8、外側可動中空シリンダー9は、最浅部から最深部へ移動する。最浅部及び最深部へ到達した各々の内側固定中空シリンダー6、内側可動中空シリンダー7及び外側固定中空シリンダー8、外側可動中空シリンダー9は水平状態となり、新たな各々の位置で、内側可動中空シリンダー7及び外側可動中空シリンダー9は、その位置における特定されたスライドをすることになる。
このように、最浅部と最深部における水平状態で、体積の増減等反復運動を繰り返す行為が続く限り、浮力に差が生じ、運動エネルギーを得ることができるものと思われる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図5】 最浅部、最深部以外の位置における態様図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
本発明は、水深による水圧の違いを利用し、物体の体積の異なる状態をつくることで浮力の差を利用でき、運動エネルギーが得られるようにしようとするものである。
基礎となる土台21の上に、2本の支柱20を取り付ける。2本の支柱20の間は適度な距離を取る。2本の支柱20の上方部分には、回転自由な上端シャフト1の一端を一の支柱20に、回転自由な上端シャフト1の他端を他の支柱20に取り付ける。また、下方部分には、回転自由な下端シャフト2の一端を一の支柱20に、回転自由な下端シャフト2の他端を他の支柱20に取り付ける。上端シャフト1及び下端シャフト2には、夫々上端ホイール3と下端ホイール4を取り付け、上端ホイール3と下端ホイール4の間には、中が中空である無端中空ベルト5を取り付け、上端ホイール3と下端ホイール4が連動して回転できるようにする。
【0030】
無端中空ベルト5には対となるような位置に、一端を開口部とする中を中空とした内側固定中空シリンダー6取り付ける。つまり、内側固定中空シリンダー6の取り付け位置は、一の内側固定中空シリンダー6を取り付けた位置から無端中空ベルト5の1/2周の位置に、他の内側固定中空シリンダー6を取り付けることとなる
このことにより、無端中空ベルト5に取り付けられた対の内側固定中空シリンダー6は、常に、上端シャフト1、下端シャフト2の中心線を結ぶ中心線の反対側を回転することになる。なお、内側固定中空シリンダー6の開口部は、回転方向を向くような配置とする。
【0031】
各々の内側固定中空シリンダー6の開口部分には、一端が開口部で、中を中空とした内側可動中空シリンダー7を、夫々の開口部が向き合うように設置する。
また、内側可動中空シリンダー7は、内側固定中空シリンダー6内をスライドのできるものとし、スライドの際、水の侵入を防ぐ必要がある。
【0032】
各々の内側固定中空シリンダー6の側面には、一端を開口部とする中を中空とした外側固定中空シリンダー8を取り付ける。取り付け方は、内側固定中空シリンダー6の開口部と、外側固定中空シリンダー8の開口部は相反する向きとする。
各々の外側固定中空シリンダー8の開口部分には、一端が開口部で、中を中空とした外側可動中空シリンダー9を、夫々の開口部が向き合うように設置する。
また、外側可動中空シリンダー9は、外側固定中空シリンダー8内をスライドのできるものとし、スライドの際、水の侵入を防ぐ必要がある。
【0033】
各々の外側可動中空シリンダー9の開口部とは反対の位置の面の中空部側に、外側可動中空シリンダースライド用直線ギヤ10を取り付ける。
また、外側可動中空シリンダースライド用直線ギヤ10に対応する外側可動中空シリンダースライドギヤ13を、外側固定中空シリンダー8の中空部側に取り付けた外側可動中空シリンダースライドギヤ用中心軸14に設置する。
各々の外側固定中空シリンダー8と、それに対応する外側可動中空シリンダー9の間に伸縮用ロッド11及び伸縮用バネ12を取り付ける。つまり、各々の外側固定中空シリンダー8の中空部側に、伸縮ロッド11を取り付け、伸縮ロッド11の他端には伸縮用バネ12を取り付ける。また、伸縮用バネ12の他端には、伸縮ロッド11を取り付け、伸縮ロッド11の他端は、外側固定中空シリンダー8に対応する外側可動中空シリンダー9の中空部側に取り付ける。
伸縮用バネ12は、外力により伸び、縮むことにより外へ力を伝達できる構造とする。
【0034】
このことにより、外側可動中空シリンダー9が外部より水圧等の圧力を受け、外側固定中空シリンダー8内へスライドする場合、外側可動中空シリンダースライド用直線ギヤ10を外側固定中空シリンダー8内へスライドさせ、外側可動中空シリンダースライドギヤ13を回転させることとなる。
なお、この時点において、伸縮用ロッド11の一部に取り付けた伸縮用バネ12は縮むことになる。
従って、外側可動中空シリンダースライドギヤ13を上記とは逆方向に回転させることにより、外側可動中空シリンダースライド用直線ギヤ10を外側固定中空シリンダー8とは反対の方向へスライドさせることができ、同じく、外側可動中空シリンダー9も外側固定中空シリンダー8とは反対の方向へスライドすることとなる。つまり、体積の増大となる。伸縮用バネ12も伸びる状態となり、バネとしてのエネルギーを得ることができる。
【0035】
各々の内側可動中空シリンダー7の開口部とは反対の位置の面の中空部側に、内側可動中空シリンダースライド用直線ギヤ15を取り付ける。
また、内側可動中空シリンダースライド用直線ギヤ15に対応する内側可動中空シリンダースライド対比ギヤ16を、内側固定中空シリンダー6の中空部側に取り付けた内側可動中空シリンダースライド対比ギヤ用中心軸17に設置する。
【0036】
このことにより、内側可動中空シリンダー7が外部より水圧等の圧力を受け、内側固定中空シリンダー6内へスライドした場合、内側可動中空シリンダースライド用直線ギヤ15を内側固定中空シリンダー6内へスライドさせ、内側可動中空シリンダースライド対比ギヤ16を回転させることとなる。
従って、内側可動中空シリンダースライド対比ギヤ16を上記とは逆方向に回転させることにより、内側可動中空シリンダースライド用直線ギヤ15を内側固定中空シリンダー6とは反対の方向へスライドさせることができ、同じく、内側可動中空シリンダー7も内側固定中空シリンダー6とは反対の方向へスライドすることとなる。つまり、体積は増大することとなる。なお、外側可動中空シリンダースライドギヤ13と内側可動中空シリンダースライド対比ギヤ16は連動して動かなければならない。
【0037】
水圧は、水深の深さによる。また、同じ水深、同じ面積の受ける力は同じである。従って、水深の異なる同じ面積の受ける力は、水深の深い方が大きくなる、
【0038】
上端ホイール3及び下端ホイール4の上部、下部は、最浅、最深部となり、その位置において、内側固定中空シリンダー6、内側可動中空シリンダー7及び外側固定中空シリンダー8、外側可動中空シリンダー9は、水平状態となるようにする。つまり、内側可動中空シリンダー7及び外側可動中空シリンダー9は、水平方向にスライドすることとなる。
また、最浅部では、外側固定中空シリンダー8、外側可動中空シリンダー9が上側、内側固定中空シリンダー6、内側可動中空シリンダー7は下側の位置となるように調整する。最深部では、最浅部で位置調整しているため、外側固定中空シリンダー8、外側可動中空シリンダー9は下側、内側固定中空シリンダー6、内側可動中空シリンダー7は上側の位置となる。
【0039】
内側可動中空シリンダー7及び外側可動中空シリンダー9のスライド幅は、内側可動中空シリンダースライド対比ギヤ16と外側可動中空シリンダースライドギヤ13のギヤ比により調整し、内側可動中空シリンダー7のスライド幅を長くする。
なお、内側可動中空シリンダースライド用直線ギヤ15は、内側可動中空シリンダースライド対比ギヤ16の外径、外側可動中空シリンダースライドギヤ13は、内側可動中空シリンダースライド対比ギヤ16の内径に対応させる。ただし、外側可動中空シリンダースライドギヤ13と内側可動中空シリンダースライド対比ギヤ16の内径ギヤ比は同一とする。
例 ギヤ比1.1:1等。ただし、回転数は同じとする。
【0040】
以上のことにより、内側固定中空シリンダー6、内側可動中空シリンダー7、外側固定中空シリンダー8、外側可動中空シリンダー9は、最浅部、最深部において、次のような状態となる。
「最浅部」
下側に位置する内側可動中空シリンダー7及び内側可動中空シリンダースライド用直線ギヤ15は、水圧により内側固定中空シリンダー6内へ押される→内側可動中空シリンダースライド用直線ギヤ15により内側可動中空シリンダースライド対比ギヤ16が回転→内側可動中空シリンダースライド対比ギヤ16の回転に対応し、外側可動中空シリンダースライドギヤ13が回転→外側可動中空シリンダースライド用直線ギヤ10は外側固定中空シリンダー8とは反対側へスライド→外側可動中空シリンダースライド用直線ギヤ10のスライドにより外側可動中空シリンダー9もスライドする。
なお、一連のスライドにより、伸縮用ロッド11の一部に取り付けた伸縮用バネ12は伸び、反力を持つことになる。
「最深部」
下側に位置する外側可動中空シリンダー9及び外側可動中空シリンダースライド用直線ギヤ10は、水圧及び上述の伸縮バネ12の反力により外側固定中空シリンダー8内へ押される→外側可動中空シリンダースライド用直線ギヤ10により外側可動中空シリンダースライドギヤ13が回転→外側可動中空シリンダースライドギヤ13の回転に対応し、内側可動中空シリンダースライド対比ギヤ16が回転→内側可動中空シリンダースライド用直線ギヤ15は内側固定中空シリンダー6とは反対側へスライド→内側可動中空シリンダースライド用直線ギヤ15のスライドにより内側可動中空シリンダー7もスライドする。
【0041】
従って、最浅部では、内側可動中空シリンダー7は内側固定中空シリンダー6内へスライドし、外側可動中空シリンダー9は外側固定中空シリンダー8外へスライドすることとなり、最深部では、外側可動中空シリンダー9は外側固定中空シリンダー8内へスライドし、内側可動中空シリンダー7は内側固定中空シリンダー6外へスライドすることとなる。
このことにより、内側可動中空シリンダー7と外側可動中空シリンダー9のスライド幅は、内側可動中空シリンダースライド対比ギヤ16により、内側可動中空シリンダー7の方が大きいため、内側可動中空シリンダー7と外側可動中空シリンダー9の受圧面積が等しい場合、最浅部=体積小、最深部=体積大の状態とすることができる。
【0042】
なお、最浅部及び最深部における内側可動中空シリンダー7、外側可動中空シリンダー9のスライド時、各々の中空部分の気体の圧力が問題となる。この問題を解決するため、内側可動中空シリンダー7、外側可動中空シリンダー9に対応する内側固定中空シリンダー6、外側固定中空シリンダー8の接続面に固定中空シリンダー内気体流出入孔18を設置し、無端中空ベルト5と各々の内側固定中空シリンダー6の接続面にも、気体の流出入の可能となる、固定中空シリンダー無端中空ベルト内気体流出入孔19を設置する。このことにより、内側可動中空シリンダー7と外側可動中空シリンダー9のスライド時における本発明内の気体の総量は一定を保つことができる。
【0043】
反時計回りを想定した場合。
最浅部と最深部とでは、体積の異なる状態を作ることができた。また、最浅部、最深部共、右側へスライドさせることにより、最浅部、最深部における個別の浮力は、外側可動中空シリンダー9と内側可動中空シリンダー7を各々右側へスライドさせているため、反時計回りの浮力を得る。つまり、外側可動中空シリンダー9と内側可動中空シリンダー7は水平の状態から起き上がろうとし、上端ホイール3及び下端ホイール4を反時計回りに1/4周回転させることとなる。
最浅部と最深部の位置で起き上がった各々の内側固定中空シリンダー6、内側可動中空シリンダー7及び外側固定中空シリンダー8、外側可動中空シリンダー9は、体積の異なる状態のため、浮力差により、最深部の内側固定中空シリンダー6、内側可動中空シリンダー7及び外側固定中空シリンダー8、外側可動中空シリンダー9は最深部から最浅部へ、最浅部の内側固定中空シリンダー6、内側可動中空シリンダー7及び外側固定中空シリンダー8、外側可動中空シリンダー9は、最浅部から最深部へ移動する。最浅部及び最深部へ到達した各々の内側固定中空シリンダー6、内側可動中空シリンダー7及び外側固定中空シリンダー8、外側可動中空シリンダー9は水平状態となり、新たな各々の位置で、内側可動中空シリンダー7及び外側可動中空シリンダー9は、その位置における特定されたスライドをすることになる。
このように、最浅部と最深部において、各々の位置において体積の異なる状態をつくることにより、最浅部の位置にある内側固定中空シリンダー6内側可動中空シリンダー7及び外側固定中空シリンダー8外側可動中空シリンダー9は、最深部へ、最深部の位置にある内側固定中空シリンダー6内側可動中空シリンダー7及び外側固定中空シリンダー8外側可動中空シリンダー9は、最浅部へと運動エネルギーを生み出すこととなる。
本発明は、以上の様な構成からなる。
従って、最浅部と最深部において、水平状態で反復運動を繰り返す行為が続く限り、運動エネルギーを得ることができるものと思われる。
【0044】
【実施例0045】