IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 橋口 真二の特許一覧

<>
  • 特開-位置エネルギー交互作用駆動装置 図1
  • 特開-位置エネルギー交互作用駆動装置 図2
  • 特開-位置エネルギー交互作用駆動装置 図3
  • 特開-位置エネルギー交互作用駆動装置 図4
  • 特開-位置エネルギー交互作用駆動装置 図5
  • 特開-位置エネルギー交互作用駆動装置 図6
  • 特開-位置エネルギー交互作用駆動装置 図7
  • 特開-位置エネルギー交互作用駆動装置 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024098933
(43)【公開日】2024-07-24
(54)【発明の名称】位置エネルギー交互作用駆動装置
(51)【国際特許分類】
   F03B 17/04 20060101AFI20240717BHJP
【FI】
F03B17/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2023011367
(22)【出願日】2023-01-11
(71)【出願人】
【識別番号】500015939
【氏名又は名称】橋口 真二
(72)【発明者】
【氏名】橋口 真二
【テーマコード(参考)】
3H074
【Fターム(参考)】
3H074AA18
3H074BB10
3H074CC01
3H074CC35
3H074CC50
(57)【要約】
【課題】 浮力等を利用し、運動エネルギーを発生させようとする装置のアイデアは、古来より数多くあるものの(何れも失敗に終わっているが)、水の比重より重い物体を水の浮力により上方へ移動させ、重力の作用によるモーメントの違いで、その物体を回転させようとするアイデアはなかった。
【解決手段】 本発明は、水中における物体の重力による運動エネルギーを、浮力による位置エネルギーの増大へと利用し、その増大した浮力による位置エネルギーを、物体の重力による位置エネルギー増大へ再度利用することにより、利用価値の高い重力による運動エネルギーを得られるようにしたことを特徴とする。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転自由で中が中空であるシャフト1と、
前述のシャフト1の側面で、シャフト1の回転断面部分の中心点を起点とした十字の方向へ放射状に伸びる線から同一距離・同一方向に離した各々の角度が90度の4か所の位置に取り付けた、中が中空である各々4本のシリンダー2と、
前述の各々の4本のシリンダー2の外周部側で、自由にスライドができ、シリンダー2内への水の侵入がないように設置した、各々の錘(断面積大の可動体)3と、
同じく、前述の各々の4本のシリンダー2の外周部側で、自由にスライドができ、シリンダー2内への水の侵入がないように設置した、前述の錘(断面積大の可動体)3と同一長さ・同一重量である各々の錘(断面積小の可動体)4と、
前述の一のシリンダー2に設置した前述の錘(断面積大の可動体)3の一端と前述のシャフト1の反対側の他のシリンダー2に設置した前述の錘(断面積小の可動体)4 の一端に取り付けた、ロッド5と、
前述の各々4本のシリンダー2の中空部分に取り付けた、各々の余力伝達バネ用プレート6と、
前述の各々の錘(断面積大の可動体)3と前述の各々の余力伝達バネ用プレート6の間に取り付けた、余力伝達バネ7と、
前述の各々の余力伝達バネ用プレート6の一部に設けた、気体流出入孔8と、
前述の各々のシリンダー2の先端部分に設置した、可動体ストッパー9と、
回転部分の中心軸となる前述のシャフト1を支える、支柱10と、
前述の支柱10の下部中央付近に設置した、静止ストッパー11と、
前述の支柱10の基礎となる土台12とを備えた装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水中における物体の重力による位置エネルギー・浮力による位置エネルギーを交互に発生させ、交互発生時における作用を、運動エネルギーとして得ようとする装置の開発に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、水中において、水の比重より重い物体の位置エネルギーを浮力により小の状態から大の状態へと増大させ、再度、位置エネルギーの小の状態へと変化させる。つまり、位置エネルギー大から小の状態へ移行する際に発生する運動エネルギーを得ようとする試みはなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】
【特許文献2】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】
【非特許文献2】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
浮力等を利用し、運動エネルギーを発生させようとする装置のアイデアは、古来より数多くあるものの(何れも失敗に終わっているが)、水の比重より重い物体を水の浮力により上方へ移動(浮力による位置エネルギー大の状態から小の状態へ)させ、重力の作用によるモーメントの違い(重力による位置エネルギー大の状態から小の状態へ)で、その物体を回転させようとするアイデアはなかった。
【0006】
本発明は、水中において、水の比重より重い物体を、水の浮力で浮かせ(浮力による位置エネルギー大→小へ)、中心軸より上方にある物体までの距離と中心軸より下方にある物体までの距離に差をつけ(重力による位置エネルギー小→大へ)、その差により発生するモーメント力を(重力による位置エネルギー大→小)、運動エネルギーへ変換させる装置を提供することを目的とする。
勿論、水中において、水の比重より重たい物体を、水の浮力で浮かせる(浮力による位置エネルギー大→小=重力による位置エネルギー小→大)ことは不可能である。
従って、一個体としての物体の重量ではなく、見かけの物体の重量を、水の比重より大きくし、その物体を水の浮力により浮かせることを主眼とした。なお、ここでは、水深が深い程、浮力による位置エネルギーは大きいものとした。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、前記課題を解消するために、
回転自由で中が中空であるシャフト1の側面の、そのシャフト1の回転面の断面中心点を起点に十字の方向に放射状に伸びる線から、同一距離・同一方向に離した、各々の角度が90度の4か所の位置に、中が中空である各々4本のシリンダー2を取り付ける。
90度の角度をつけた4本のシリンダー2とシャフト1の内側は、一体空間となる。
【0008】
各々の4本のシリンダー2の外周部側には、各々の錘(断面積大の可動体)3及び各々の錘(断面積小の可動)4を設置する。この時、シリンダー2とシリンダー2の外周部側に設置した錘(断面積大の可動体)3及び錘(断面積小の可動)4はシリンダー2内に水の侵入の無いように、密閉された状態とする。また、錘(断面積大の可動体)3及び錘(断面積小の可動)4は、シリンダー2の方向に沿って、錘(断面積大の可動体)3及び錘(断面積小の可動)4の長さの分、自由にスライドのできる状態とする。なお、錘(断面積大の可動体)3及び錘(断面積小の可動)4の長さは同一とし、体積は異なるものの、重量も同一とする。
【0009】
一のシリンダー2とシャフト1の反対側の他のシリンダー2、つまり180度の角度のある、一のシリンダー2と他のシリンダー2の外周部に設置した、錘(断面積大の可動体)3と錘(断面積小の可動)4及び錘(断面積小の可動)4と錘(断面積大の可動体)3は、ロッド5で接続し、一体化する。つまり、ロッド5は、一端を一のシリンダー2の外周部に設置した錘(断面積大の可動体)3に取り付け、一のシリンダー2内部→シャフト1内→他のシリンダー2内部を通り、他端は、他のシリンダー2の外周部に設置した錘(断面積小の可動体)4に取り付けることとなる。
【0010】
各々4本のシリンダー2の中空部分には、各々余力伝達バネ用プレート6を取り付ける。
取り付け位置は、シリンダー2の外周部からシャフト1側へ、錘(断面積大の可動体)3の長さの倍以上の位置とする。
各々の錘(断面積大の可動体)3と各々の余力伝達バネ用プレート6の間に、余力伝達バネ7を取り付ける。
各々の余力伝達バネ用プレート6の一部には、シリンダー2内の、余力伝達バネ用プレート6からシャフト1間及び余力伝達バネ用プレート6から錘(断面積大の可動体)3、錘(断面積小の可動体)4間の気体の流出入のための気体流出入孔8を設ける。
【0011】
各々のシリンダー2の外周部付近には、錘(断面積大の可動体)3のスライドを制御するための可動体ストッパー9を取り付ける。
4本のシリンダー2等回転部分の中心軸となるシャフト1は支柱10に取り付ける。
【0012】
可動部分である錘(断面積大の可動体)3及び錘(断面積小の可動体)4が自由にスライドするためには、回転部分である4本のシリンダー2等を静止させる必要がある。十字状のシリンダー2の回転を静止させるため、支柱10の下側中央部分に静止ストッパー11を取り付ける。
なお、安定した回転運動となるために、支柱10は、基礎となる土台12の上に取り付ける。
以上のような構成とした、位置エネルギー交互作用駆動装置である。
【発明の効果】
【0013】
回転自由で中が中空であるシャフト1の側面に、そのシャフト1の回転面の断面中心点を起点に十字の方向に放射状に伸びる線から、同一距離・同一方向に離した、各々の角度が90度の4か所の位置に、中が中空である各々4本のシリンダー2を取り付ける。
このことにより、一のシリンダー2の放射状の中心軸は、シャフト1の反対側にある他のシリンダー2の放射状の中心軸とズレが生じる関係となる。つまり、0時の位置と6時の位置及び3時の位置と9時の位置にある各々のシリンダー2の中心軸は、お互いズレが生じ、3時の位置及び9時の位置において、シリンダー2の水深の異なる状況をつくることができる。なお、シャフト1と4本の各々のシリンダー2内はお互い一体空間となっているため、お互いの気体流出入が可能となり、シャフト1と4本の各々のシリンダー2内の錘(断面積大の可動体)3及び錘(断面積小の可動)4がスライドしたとしても、気体の総量は一定を保つことができる。
【0014】
各々の4本のシリンダー2の外周部側に各々の錘(断面積大の可動体)3及び各々の錘(断面積小の可動)4を設置する際、シリンダー2内に水の侵入が無いようにする必要がある。また、シリンダー2内における、各々の錘(断面積大の可動体)3及び各々の錘(断面積小の可動)4のスライド時においても、水の侵入が無いようにしなければならない。
錘(断面積大の可動体)3及び錘(断面積小の可動)4の関係は、体積は異なるものの、同一長さ、同一重量とする。
【0015】
一のシリンダー2に設置した錘(断面積大の可動体)3の一端と、シャフト1を介し向かい側にある他のシリンダー2に設置した錘(断面積小の可動)4の一端をロッド5で接続し、一体化する。つまり、一のシリンダー2に設置した錘(断面積大の可動体)3と他のシリンダー2に設置した錘(断面積小の可動)4は同一の物体とする。これにより、錘(断面積大の可動体)3の受圧面積の水圧、錘(断面積小の可動)4の受圧面積の水圧を受けることとなる。なお、錘(断面積大の可動体)3と錘(断面積小の可動)4の受圧面積は、「錘(断面積大の可動体)3>錘(断面積小の可動)4」の関係となる。
【0016】
6時の位置における錘(断面積大の可動体)3と、0時の位置における錘(断面積小の可動)4は、上述のとおり一体的な物体と見なされるため、「6時の位置における錘(断面積大の可動体)3の受ける圧力」―「0時の位置における錘(断面積小の可動)4の受ける圧力」が浮力として掛かることになる。そのため、「6時の位置における錘(断面積大の可動体)3、0時の位置における錘(断面積小の可動)4及びロッド5の受ける浮力」>「6時から0時までの錘(断面積大の可動体)3と錘(断面積小の可動)4の外面の垂直長さ×錘(断面積大の可動体)3と錘(断面積小の可動)4の中間の面積=水換算体積の受ける浮力」の関係式が成り立つ。
このことにより、錘(断面積大の可動体)3と、錘(断面積小の可動)4の重量は、錘(断面積大の可動体)3の体積による水換算重量と錘(断面積小の可動)4の体積による水換算重量の和の1/2より重くすることができる。
各々の4本のシリンダー2の外周部分には、錘(断面積大の可動体)3と、錘(断面積小の可動)4を設置している。従って、上述において、0時の位置における他の錘(断面積大の可動体)3と6時の位置における他の錘(断面積小の可動)4は、予め外周部側へ移動させておく。このことにより、見かけ上、0時の位置における他の錘(断面積大の可動体)3と一の錘(断面積小の可動)4はシリンダー2の外周部側、6時の位置の一の錘(断面積大の可動体)3と他の錘(断面積小の可動)4はシリンダー2のシャフト1側へ寄せることができ、見かけ上、水より重い物体を水の浮力により浮かせることが可能となる。つまり、このことにより、浮力による位置エネルギーを大から小へ、反対に重力による位置エネルギーは小から大とすることができる。
【0017】
0時―6時の位置において、見かけ上、水より重い物体を水の浮力により浮かせることを可能とするには、予め他の錘(断面積大の可動体)3を外周部側へ移動させることが必要となることを説明したが、予め他の錘(断面積大の可動体)3を外周部側へ移動させる動作のために、以下の二つの力を利用する。
図3で説明すると、
【0018】
1:シリンダー2の中心軸は、それに対応するシリンダー2の中心軸とズレが生じている。9時の位置の錘(断面積大の可動体)3と3時の位置の錘(断面積小の可動)4とでは、水平軸が異なり、錘(断面積小の可動)4に掛かる水圧の方が大きくなる。しかし、ある一定の水深を超えた場合または錘(断面積大の可動体)3と錘(断面積小の可動)4の面積比がある程度の比より大きくなった場合、9時の位置における錘(断面積大の可動体)3の受ける右方向の力が勝り、錘(断面積大の可動体)3は外周部への移動はできないこととなる。そこで、次の2の力を錘(断面積大の可動体)3へ与えることとなる。
【0019】
2:各々4本のシリンダー2の中空部分に、各々余力伝達バネ用プレート6を取り付け、その各々余力伝達バネ用プレート6と各々の錘(断面積大の可動体)3の間に、余力伝達バネ7を取り付ける。
0時―6時の位置にある、一体となった錘(断面積小の可動)4と錘(断面積大の可動体)3の浮力は、水換算による錘(断面積小の可動)4の面積と錘(断面積大の可動体)3の面積の、中間の面積が受ける浮力よりも大きいため、錘(断面積小の可動)4と錘(断面積大の可動体)3の比重を水の比重より大きくしても余力が生じる。この余力を余力伝達バネ7に吸収させ、この余力を、9時の位置において、錘(断面積大の可動体)3へ開放させる。
なお、各々余力伝達バネ用プレート6のシリンダー2内の取り付け位置は、シリンダー2内の錘(断面積大の可動体)3のスライドに支障は無く、余力伝達バネ7の伸縮に支障の無い位置となる。
【0020】
このように1と2の二つの力を、9時の位置において錘(断面積大の可動体)3に与えることにより、錘(断面積大の可動体)3は、シリンダー2の外周部側へ移動することができる。錘(断面積大の可動体)3が外周部側へ移動することにより、錘(断面積大の可動体)3と錘(断面積小の可動)4の状態は、3時の位置における錘(断面積小の可動)4と錘(断面積大の可動体)3の状態と同じになり、モーメント上均衡を保つこととなる。
【0021】
各々のシリンダー2内に取り付けた各々の余力伝達バネ用プレート6の一部には、気体流出入孔8を設ける。このことにより、各々のシリンダー2内における、錘(断面積大の可動体)3または錘(断面積小の可動)4のスライド時に生ずる気体の圧力によるスライド阻害を、無くすことが可能となる。
【0022】
各々のシリンダー2の外周部付近には、錘(断面積大の可動体)3のスライドを制御するための可動体ストッパー9を取り付ける。このことにより、想定する位置以外での錘(断面積大の可動体)3の水圧等によるスライドを制御することが可能となる。
【0023】
4本のシリンダー2等回転部分の中心軸となるシャフト1は支柱10に取り付け、回転運動を安定させるため、支柱10は基礎となる土台12に取り付ける。
【0024】
可動部分である錘(断面積大の可動体)3及び錘(断面積小の可動体)4は、決まった位置でスライドさせる必要がある。そのため、回転部分である4本のシリンダー2等を1/4回転毎に静止させなければならない。回転部分であるシリンダー2を静止させるため、支柱10の下側中央部分に静止ストッパー11を取り付け、静止させる。
【0025】
以上のことにより、水中において、水の比重より重い物体を、水の浮力で浮かせ(浮力による位置エネルギー大→小へ)、中心軸より上方にある物体までの距離と中心軸より下方にある物体までの距離に差をつけ(重力による位置エネルギー小→大へ)、その差により生じるモーメント力の不均衡状態を可能とした。
なお、上述の状態は、0時から3時の位置及び6時から9時の位置までのことであり、3時から6時、9時から0時の位置においては、9時の位置で、錘(断面積大の可動体)3を外周部側へ移動させる。
このことにより、0時から3時の位置及び6時から9時の位置では、シャフト1に対するモーメント力の不均衡、3時から6時及び9時から0時の位置ではモーメントを均衡にすることができる。
従って、本発明の回転時におけるモーメント力の均衡、不均衡状態をつくりだし、この状態を繰り返すことで、モーメント力の不均衡時に発生する運動エネルギーを得ることが可能となる。
【0026】
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】 本発明の正面図である。
図2】 本発明の回転部分の正面図である。
図3】 本発明の回転部分の断面図である。
図4】 本発明の側面図である。
図5】 本発明のシャフト1内等の正面図である。
図6】 本発明のシャフト1内等の断面図である。
図7】 本発明の可動部分の断面図である。
図8】 錘(断面積大の可動体)3及び錘(断面積小の可動体)4とロッド5の関係図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
本発明における図は、時計回りの回転を想定したものである。従って、0時の位置→3時→6時→9時→0時の位置と回転する。また、本発明は、1/4周する毎に静止し、静止した状態で、錘(断面積大の可動体)3(錘(断面積小の可動体)4はロッド5により錘(断面積大の可動体)3と一体化されているため、錘(断面積大の可動体)3のスライド等が重要となる)に以下の動き(スライド)をさせる必要がある。
【0029】
▲1▼:一のシリンダー2が0時の位置にある場合。
シリンダー2内の錘(断面積大の可動体)3は、可動体ストッパー9により、外周側に固定された状態。
▲2▼:一のシリンダー2が0時→3時の位置の場合。
▲3▼:一のシリンダー2が3時の位置にある場合。
▲4▼:一のシリンダー2が3時→6時の位置の場合。
シリンダー2内の錘(断面積大の可動体)3は、可動体ストッパー9により、外周側に固定された状態。
▲5▼:一のシリンダー2が6時の位置にある場合。
シリンダー2は静止状態とし、シリンダー2内の錘(断面積大の可動体)3は、可動体ストッパー9による固定状態を解除、解除後、浮力により、シャフト1側へスライドさせ、可動体ストッパー9により、その位置を固定する。
▲6▼:一のシリンダー2が6時→9時の位置の場合。
シリンダー2内の錘(断面積大の可動体)3は、可動体ストッパー9により固定された状態。
▲7▼:一のシリンダー2が9時の位置にある場合。
シリンダー2内の錘(断面積大の可動体)3は、可動体ストッパー9により固定された状態を解除し、3時の位置にある錘(断面積小の可動体)4の水圧及び6時の位置にある錘(断面積大の可動体)3のスライド時における余力の開放により、外周部側へスライドさせ、可動体ストッパー9により固定。
▲8▼:一のシリンダー2が9時→0時の位置の場合。
シリンダー2内の錘(断面積大の可動体)3は、可動体ストッパー9により固定された状態。
▲1▼:一のシリンダー2が再び0時の位置にある場合。
シリンダー2内の錘(断面積大の可動体)3は、可動体ストッパー9により固定された状態。
【0030】
▲1▼→▲2▼→▲3▼→▲4▼→▲5▼→▲6▼→▲7▼→▲8▼→▲1▼等これらの状態を繰り返すことで、▲2▼の状態と▲6▼の状態において、シャフト1に対するモーメント力に差を付けつけることができ、▲4▼の状態と▲8▼の状態において、シャフト1に対するモーメント力の差をなくすことができる。
つまり、モーメント力に差をつける→モーメント力に差をつけない→モーメント力に差をつける→モーメント力に差をつけない(元に戻る状態)を交互に繰り返すことにより、回転運動を続ける(錘(断面積大の可動体)3と錘(断面積小の可動体)4等は、重力による位置エネルギー大→重力による運動エネルギー→重力による位置エネルギー小=浮力による位置エネルギー大→浮力により上昇→浮力による位置エネルギー小=重力による位置エネルギー大を繰り返すこととなる)。
なお、各▲1▼、▲3▼、▲5▼、▲7▼において、錘(断面積大の可動体)3の浮力等によるスライドを正確に行わせるため、各々のシリンダー2は静止させる必要がある。
【0031】
シャフト1に取り付けたシリンダー2は、1/4周毎に静止し、6時―0時の位置による、錘(断面積大の可動体)3と錘(断面積小の可動体)4のスライド、9時―3時の位置における錘(断面積大の可動体)3と錘(断面積小の可動体)4のスライドが重要な働きとなる。
その働きを十分生かせるには、各々の4本のシリンダー2をシャフト1へ90度の角度をつけ、十字状に放射方向に取り付ける形態にすることになる。
このことにより、何れかのシリンダー2が6時の位置にあり、静止させた場合、上述の0時、3時、9時の位置にあるシリンダー2も連動して静止することとなる。
【0032】
また、各々の4本のシリンダー2の中心軸を一定方向、一定距離にズラすことにより、3時の位置及び9時の位置にあるシリンダー2の水深は異なることとなる。本発明では、9時の位置の水圧<3時の位置の水圧の関係が成り立ち、水圧を受ける面積が小さい錘(断面積小の可動体)4でも、9時の位置にある錘(断面積大の可動体)3の受ける力<3時の位置にある錘(断面積小の可動体)4の受ける力とすることができる。
しかし、一定条件以外の水深または錘(断面積大の可動体)3と錘(断面積小の可動)4の面積比がある程度の比より大きくなった場合、上述の関係が成り立たない場合がある。その時は0時―6時の位置における余力を足すことにより、9時の位置にある錘(断面積大の可動体)3の受ける力<3時の位置にある錘(断面積小の可動体)4の受ける力+余力の関係を成り立たせることができる。
【0033】
錘(断面積大の可動体)3及び錘(断面積小の可動体)4については、0時、3時、6時、9時の位置において、同じ位置で回転する必要がある。従って、錘(断面積大の可動体)3の中に錘(断面積小の可動体)4を設置した。このことにより、各々のスライドが容易になり、密封性も増すこととなる。
また、錘(断面積大の可動体)3及び錘(断面積小の可動体)4については、同一長さ、同一重量と記載したが、錘(断面積大の可動体)3、対となる錘(断面積小の可動体)4及びそれらを繋ぐロッド5の重さは、錘(断面積大の可動体)3外周面から対となる錘(断面積小の可動体)4外面までの長さに、錘(断面積大の可動体)3と錘(断面積小の可動体)4との面積の和の1/2を乗じた水換算の重さより重ければよい。
【0034】
【実施例0035】
【産業上の利用可能性】
【0036】
【符号の説明】
【0037】
1 シャフト
2 シリンダー
3 錘(断面積大の可動体)
4 錘(断面積小の可動体)
5 ロッド
6 余力伝達バネ用プレート
7 余力伝達バネ
8 気体流出入孔
9 可動体ストッパー
10 支柱
11 静止ストッパー
12 土台
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8