(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024098945
(43)【公開日】2024-07-24
(54)【発明の名称】靴を製造するためのプログラム
(51)【国際特許分類】
A43D 1/02 20060101AFI20240717BHJP
A43D 3/00 20060101ALI20240717BHJP
G06F 30/27 20200101ALI20240717BHJP
G06F 30/10 20200101ALI20240717BHJP
G06N 20/00 20190101ALI20240717BHJP
G06F 119/14 20200101ALN20240717BHJP
【FI】
A43D1/02
A43D3/00
G06F30/27
G06F30/10 100
G06N20/00 130
G06F119:14
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023112289
(22)【出願日】2023-07-07
(62)【分割の表示】P 2023501889の分割
【原出願日】2023-01-11
(71)【出願人】
【識別番号】397023099
【氏名又は名称】パイロットシューズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000752
【氏名又は名称】弁理士法人朝日特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】藤原 仁
【テーマコード(参考)】
4F050
5B146
【Fターム(参考)】
4F050NA02
5B146AA11
5B146DC03
5B146EA15
(57)【要約】
【課題】ユーザにとって履き心地のよい靴を容易に製造することを可能とする手段を提供する。
【解決手段】靴職人であるユーザXは、ユーザYが注文した靴のタイプと、ユーザYの足のサイズとに応じた靴に似た立体形状の靴内圧力分布測定具を3Dプリンタにより造形し、ユーザYに発送する。靴内圧力分布測定具は表面に、例えば、上下方向に等間隔に配置された多数のドット状のマーカを有している。ユーザYは、足に装着した状態の靴内圧力分布測定具を端末装置13のカメラで撮影する。サーバ装置11は、本発明の一実施形態にかかるプログラムに従い、端末装置13から送信されてくる靴内圧力分布測定具の画像を含む説明変数を学習モデルに入力し、学習モデルが出力する目的変数から、その靴内圧力分布測定具に応じた靴型の立体形状に対する修正の内容を示す情報を取得する。ユーザXは、取得した情報に従い立体形状に修正を加えた靴型を用いて靴を製造する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータに、
弾性を有しユーザの足に靴と同様に装着されたときに当該ユーザの足から受ける圧力により変位する外部から視認できるマーカを備える測定具をユーザの足に装着された状態で撮影した画像又は当該画像から特定される前記測定具の歪みに関する情報を説明変数に含み、前記測定具に応じた靴型の立体形状に対する修正の内容を示す情報を目的変数に含む教師データを用いて学習モデルに機械学習を行わせる処理
を実行させるためのプログラム。
【請求項2】
コンピュータに、
請求項1に記載のプログラムに従い機械学習が行われた学習モデルに対し、弾性を有しユーザの足に靴と同様に装着されたときに当該ユーザの足から受ける圧力により変位する外部から視認できるマーカを備える測定具をユーザの足に装着された状態で撮影した画像又は当該画像から特定される前記測定具の歪みに関する情報を含む説明変数を入力し、前記学習モデルが出力する目的変数から、前記測定具に応じた靴型の立体形状に対する修正の内容を示す情報を取得する処理
を実行させるためのプログラム。
【請求項3】
コンピュータに、
弾性を有しユーザにより靴と同様に装着されたときに当該ユーザの足から受ける圧力により色の属性が変化するシート状の部材又は積層体で内側面の少なくとも一部が覆われている測定具をユーザの足に装着した後に脱がした状態で撮影した画像又は当該画像から特定される、前記ユーザの足と前記測定具との間に生じた圧力の分布に関する情報を説明変数に含み、前記測定具に応じた靴型の立体形状に対する修正の内容を示す情報を目的変数に含む教師データを用いて学習モデルに機械学習を行わせる処理
を実行させるためのプログラム。
【請求項4】
コンピュータに、
請求項3に記載のプログラムに従い機械学習が行われた学習モデルに対し、弾性を有しユーザにより靴と同様に装着されたときに当該ユーザの足から受ける圧力により色の属性が変化するシート状の部材又は積層体で内側面の少なくとも一部が覆われている測定具をユーザの足に装着した後に脱がした状態で撮影した画像又は当該画像から特定される、前記ユーザの足と前記測定具との間に生じた圧力の分布に関する情報を含む説明変数を入力し、前記学習モデルが出力する目的変数から、前記測定具に応じた靴型の立体形状に対する修正の内容を示す情報を取得する処理
を実行させるためのプログラム。
【請求項5】
コンピュータに、
弾性を有しユーザにより靴と同様に装着されたときに当該ユーザの足から受ける圧力により色の属性が変化するシート状の部材で内側面の少なくとも一部が覆われている器具をユーザが足に装着した後に脱がせた場合の前記シート状の部材を撮影した画像又は当該画像から特定される、前記ユーザの足と前記器具との間に生じた圧力の分布に関する情報を説明変数に含み、前記器具に応じた靴型の立体形状に対する修正の内容を示す情報を目的変数に含む教師データを用いて学習モデルに機械学習を行わせる処理
を実行させるためのプログラム。
【請求項6】
コンピュータに、
請求項5に記載のプログラムに従い機械学習が行われた学習モデルに対し、弾性を有しユーザにより靴と同様に装着されたときに当該ユーザの足から受ける圧力により色の属性が変化するシート状の部材で内側面の少なくとも一部が覆われている器具をユーザが足に装着した後に脱がせた場合の前記シート状の部材を撮影した画像又は当該画像から特定される、前記ユーザの足と前記器具との間に生じた圧力の分布に関する情報を含む説明変数を入力し、前記学習モデルが出力する目的変数から、前記器具に応じた靴型の立体形状に対する修正の内容を示す情報を取得する処理
を実行させるためのプログラム。
【請求項7】
コンピュータに、
弾性を有しユーザの足に靴と同様に装着されたときに当該ユーザの足から受ける圧力により変位する外部から視認できるマーカを備える測定具をユーザの足に装着された状態で撮影した画像又は当該画像から特定される前記測定具の歪みに関する情報を説明変数に含み、前記測定具に応じた靴の一部又は全体の立体形状に対する修正の内容を示す情報を目的変数に含む教師データを用いて学習モデルに機械学習を行わせる処理
を実行させるためのプログラム。
【請求項8】
コンピュータに、
請求項7に記載のプログラムに従い機械学習が行われた学習モデルに対し、弾性を有しユーザの足に靴と同様に装着されたときに当該ユーザの足から受ける圧力により変位する外部から視認できるマーカを備える測定具をユーザの足に装着された状態で撮影した画像又は当該画像から特定される前記測定具の歪みに関する情報を含む説明変数を入力し、前記学習モデルが出力する目的変数から、前記測定具に応じた靴の一部又は全部の立体形状に対する修正の内容を示す情報を取得する処理
を実行させるためのプログラム。
【請求項9】
コンピュータに、
弾性を有しユーザにより靴と同様に装着されたときに当該ユーザの足から受ける圧力により色の属性が変化するシート状の部材又は積層体で内側面の少なくとも一部が覆われている測定具をユーザの足に装着した後に脱がした状態で撮影した画像又は当該画像から特定される、前記ユーザの足と前記測定具との間に生じた圧力の分布に関する情報を説明変数に含み、前記測定具に応じた靴の一部又は全部の立体形状に対する修正の内容を示す情報を目的変数に含む教師データを用いて学習モデルに機械学習を行わせる処理
を実行させるためのプログラム。
【請求項10】
コンピュータに、
請求項9に記載のプログラムに従い機械学習が行われた学習モデルに対し、弾性を有しユーザにより靴と同様に装着されたときに当該ユーザの足から受ける圧力により色の属性が変化するシート状の部材又は積層体で内側面の少なくとも一部が覆われている測定具をユーザの足に装着した後に脱がした状態で撮影した画像又は当該画像から特定される、前記ユーザの足と前記測定具との間に生じた圧力の分布に関する情報を含む説明変数を入力し、前記学習モデルが出力する目的変数から、前記測定具に応じた靴の一部又は全部の立体形状に対する修正の内容を示す情報を取得する処理
を実行させるためのプログラム。
【請求項11】
コンピュータに、
弾性を有しユーザにより靴と同様に装着されたときに当該ユーザの足から受ける圧力により色の属性が変化するシート状の部材で内側面の少なくとも一部が覆われている器具をユーザが足に装着した後に脱がせた場合の前記シート状の部材を撮影した画像又は当該画像から特定される、前記ユーザの足と前記器具との間に生じた圧力の分布に関する情報を説明変数に含み、前記器具に応じた靴の一部又は全部の立体形状に対する修正の内容を示す情報を目的変数に含む教師データを用いて学習モデルに機械学習を行わせる処理
を実行させるためのプログラム。
【請求項12】
コンピュータに、
請求項11に記載のプログラムに従い機械学習が行われた学習モデルに対し、弾性を有しユーザにより靴と同様に装着されたときに当該ユーザの足から受ける圧力により色の属性が変化するシート状の部材で内側面の少なくとも一部が覆われている器具をユーザが足に装着した後に脱がせた場合の前記シート状の部材を撮影した画像又は当該画像から特定される、前記ユーザの足と前記器具との間に生じた圧力の分布に関する情報を含む説明変数を入力し、前記学習モデルが出力する目的変数から、前記器具に応じた靴の一部又は全部の立体形状に対する修正の内容を示す情報を取得する処理
を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、靴を製造するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
人の足の形状等は様々に異なるため、ユーザにとって履き心地のよい靴を既製靴から見つけ出すことは困難な場合が多い。そのため、ユーザの足の形状等に応じてカスタマイズされた靴(以下、「オーダーメイド靴」という)に対するニーズがある。
【0003】
オーダーメイド靴の製造においては、従来、ユーザの足の立体形状を特定するために、ユーザの足の長さ、幅、高さ等をメジャーにより測定することが行われている。この測定の作業を容易化する技術が提案されている。例えば、特許文献1には、方眼紙の上に置かれたユーザの足を異なる方向から撮影した画像に基づき、足の立体形状を測定する仕組みが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
靴は、足の全体を同じ力で締め付けるのではなく、足のある部分はしっかりと締め付け、他の部分はゆったりと覆うことで、快適な履き心地をユーザに与える。
【0006】
特許文献1に記載の仕組みにおいては、ユーザの足の立体形状を容易に測定することが可能となる。しかしながら、測定した立体形状の足のユーザにとって履き心地のよい靴の立体形状を特定することは容易ではない。上述したように、ユーザの足の立体形状に単純にフィットする立体形状の靴が、必ずしもそのユーザにとって履き心地のよい靴ではないためである。
【0007】
上記の背景に鑑み、本発明は、ユーザにとって履き心地のよい靴を従来技術よりも容易に製造することを可能とする手段を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決するために、本発明は、コンピュータに、弾性を有しユーザの足に靴と同様に装着されたときに当該ユーザの足から受ける圧力により変位する外部から視認できるマーカを備える測定具をユーザの足に装着された状態で撮影した画像又は当該画像から特定される前記測定具の歪みに関する情報を説明変数に含み、前記測定具に応じた靴型の立体形状に対する修正の内容を示す情報を目的変数に含む教師データを用いて学習モデルに機械学習を行わせる処理を実行させるためのプログラムを提供する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ユーザにとって履き心地のよい靴を従来技術よりも容易に製造することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本願発明の一実施形態に係るシステムの構成を示した図。
【
図2】本願発明の一実施形態に係る端末装置がエンドユーザに対し表示するユーザ登録画面。
【
図3】本願発明の一実施形態に係る端末装置がエンドユーザに対し表示するメニュー画面。
【
図4】本願発明の一実施形態に係る靴の製造方法においてエンドユーザの足のサイズを特定するために用いられる足サイズ測定シートの外観を示した図。
【
図5】本願発明の一実施形態に係る靴の製造方法においてエンドユーザが足サイズ測定シートの上に立った状態を示した図。
【
図6】本願発明の一実施形態に係る端末装置がエンドユーザに対し表示する足撮影画面。
【
図7】本願発明の一実施形態に係る端末装置がエンドユーザに対し表示する足サイズ確認画面。
【
図8】本願発明の一実施形態に係る端末装置がエンドユーザに対し表示する靴タイプ選択画面。
【
図9】本願発明の一実施形態に係る端末装置がエンドユーザに対し表示する靴内圧力分布測定具依頼確認画面。
【
図10】本願発明の一実施形態に係る端末装置が靴職人に対し表示する靴内圧力分布測定具依頼画面。
【
図11】本願発明の一実施形態に係る靴の製造方法において3Dプリンタにより造形される靴内圧力分布測定具の外観を示した図。
【
図12】本願発明の一実施形態に係る靴の製造方法において用いられる靴内圧力分布測定シートの構造を示した図。
【
図13】本願発明の一実施形態に係る端末装置がエンドユーザに対し表示する靴内圧力分布測定具撮影画面。
【
図14】本願発明の一実施形態に係る端末装置がエンドユーザに対し表示する靴内圧力分布測定シート撮影画面。
【
図15】本願発明の一実施形態に係る端末装置が靴職人に対し表示する靴型修正情報入力画面。
【
図16】本願発明の一実施形態に係る端末装置が靴職人に対し表示する中敷調整情報入力画面。
【
図17】本願発明の一実施形態に係る端末装置が靴職人に対し表示するメニュー画面。
【
図18】本願発明の一実施形態に係る靴の製造方法において3Dプリンタにより造形される靴型修正パーツと中敷調整パーツの外観を示した図。
【
図19】本願発明の一実施形態に係る端末装置が靴職人に対し表示する靴型修正指示画面。
【
図20】本願発明の一実施形態に係る端末装置が靴職人に対し表示する中敷調整指示画面。
【
図21】本願発明の一実施形態に係る端末装置が靴職人に対し表示する宛名ラベル印刷画面。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[実施形態]
以下に、本発明の一実施形態に係る靴の製造方法(以下、「靴製造方法M」という)を説明する。
図1は、靴製造方法Mにおいて用いられるシステム1の構成を模式的に示した図である。システム1は、サーバ装置11と、靴職人であるユーザXが用いる端末装置12と、靴の使用者(エンドユーザ)であるユーザYが用いる端末装置13を備える。サーバ装置11、端末装置12、端末装置13はいずれもデータ通信装置の一例である。
【0012】
サーバ装置11のハードウェアは一般的なサーバ装置用のコンピュータであり、各種データを記憶するメモリ、メモリに記憶されているプログラムに従い各種データ処理を行うプロセッサ、外部の装置(この場合、端末装置12と端末装置13)とインターネット等の通信ネットワークを介してデータ通信を行う通信インタフェースを備える。
【0013】
サーバ装置11は、本実施形態に係るプログラムに従うデータ処理を行うことにより、端末装置12及び端末装置13に対する各種ユーザインタフェースの提供、それらのユーザインタフェースに対し入力されたデータの取得及び記憶、取得したそれらのデータを用いたデータ処理等を行う。
【0014】
なお、サーバ装置11は必ずしも1つの装置で構成されなくてもよい。すなわち、サーバ装置11が複数の互いに連係動作する複数の装置の集まり(システム)で構成されてもよい。
【0015】
端末装置12及び端末装置13のハードウェアは一般的な端末装置用のコンピュータであり、サーバ装置11と同様のメモリ、プロセッサ、及び、通信インタフェースに加え、ユーザに対し各種情報を表示するディスプレイと、ユーザの操作に応じてユーザの入力する各種データを生成するキーボード、マウス、タッチパネル等の操作装置とを備える。
【0016】
なお、端末装置12又は端末装置13のハードウェアとして利用されるコンピュータが、ディスプレイとタッチパネルが一体に構成されたタッチスクリーンを備えてもよい。また、端末装置12又は端末装置13のハードウェアとして利用されるコンピュータが備えるディスプレイ、操作装置の一部又は全てが、コンピュータの本体に対し有線又は無線で接続される外付けの装置であってもよい。
【0017】
ユーザYが使用する端末装置13のハードウェアとして利用されるコンピュータは、さらに、カメラを備えることが望ましい。このカメラも、コンピュータの本体に対し有線又は無線で接続される外付けの装置であってもよい。
【0018】
なお、端末装置13のハードウェアとして利用されるコンピュータがカメラを備えない場合、そのコンピュータが、ユーザYが任意のカメラで撮影した画像を表す画像データを通信ネットワーク経由で取得したり、例えばメモリカード等の記録媒体から読み取ったりできればよい。
【0019】
以下の説明では、例として、端末装置13のハードウェアとして利用されるコンピュータは、カメラとタッチスクリーンが内蔵されたタブレット型コンピュータ(例えば、スマートフォン)であるものとする。
【0020】
端末装置12及び端末装置13は、本実施形態に係るプログラムに従うデータ処理を行うことにより、後述するサーバ装置11から提供される各種ユーザインタフェースの表示、それらのユーザインタフェースに対し入力されたデータのサーバ装置11への送信等を行う。
【0021】
なお、サーバ装置11が端末装置12又は端末装置13にWebブラウザ上で実行されるプログラムを送信し、端末装置12又は端末装置13が実行中のWebブラウザ上でサーバ装置11から受信したプログラムを実行することで、後述の各種ユーザインタフェースを介したサーバ装置11と端末装置12又は端末装置13との間のデータの受け渡しが行われてもよい。
【0022】
サーバ装置11は、様々な靴のタイプの各々に応じて、様々な足長と足幅(又は足囲)の組合せの各々に関し、予め以下のデータを記憶している。
【0023】
基準靴型立体形状データA
基準靴内圧力分布測定具立体形状データB
基準中敷立体形状データC
【0024】
例えば、女性用の革靴であれば、「デザイン1のパンプス(パンプス1)」、「デザイン2のパンプス(パンプス2)」、・・・、「デザイン1のローファー(ローファー1)」、「デザイン2のローファー(ローファー2)」、・・・、「デザイン1のオックスフォード(オックスフォード1)」、「デザイン2のオックスフォード(オックスフォード2)」、・・・、等の各種の靴のタイプに応じて、(19.0cm、A)、(19.0cm、B)、・・・、(19.0cm、EEEE)、(19.5cm、A)、(19.5cm、B)、・・・、(19.5cm、EEEE)、・・・、等の様々な足長と足幅(又は足囲)の組合せに関し、上述の基準靴型立体形状データA、基準靴内圧力分布測定具立体形状データB、基準中敷立体形状データCがサーバ装置11に記憶されている。
【0025】
以下、例えば、パンプス1に応じた足長19.0cm、足幅(又は足囲)Aの基準靴型立体形状データAを、「基準靴型立体形状データA(パンプス1、19.0、A)」のように記載する。基準靴内圧力分布測定具立体形状データB等に関しても同様である。
【0026】
また、サーバ装置11は、ユーザYに例示されるエンドユーザに関する各種データを記憶するユーザテーブルUを記憶しているユーザテーブルUには、例えば以下のデータが格納される。
【0027】
ユーザID(Identifier)
パスワード
氏名
住所
性別
左足長
右足長
左足幅(又は左足囲)
右足幅(又は右足囲)
靴タイプ
靴内圧力分布測定具画像データ
靴内圧力分布測定シート画像データ
靴型立体形状修正データ
中敷立体形状修正データ
【0028】
ユーザID(Identifier)は、エンドユーザを識別するための情報である。パスワードはエンドユーザの本人認証を行うための情報である。氏名、住所、性別、左足長、右足長、左足幅(又は左足囲)、右足幅(又は右足囲)は、それらの名称が示すエンドユーザの属性を示す情報である。
【0029】
靴内圧力分布測定具画像データは、エンドユーザの足に靴と同様に装着された状態の靴内圧力分布測定具(後述)をエンドユーザが端末装置13のカメラにより撮影した画像を表すデータである。
【0030】
靴内圧力分布測定シート画像データは、エンドユーザが足に靴内圧力分布測定具を装着する際に中敷のように靴内圧力分布測定具に挿入されている靴内圧力分布測定シート(後述)をエンドユーザが靴内圧力分布測定具から取り出して端末装置13のカメラにより撮影した画像を表すデータである。
【0031】
靴型立体形状修正データは、エンドユーザに応じた基準靴型立体形状データAが示す靴型の立体形状に対し、エンドユーザの足に適するように加えられるべき修正の内容(例えば、靴のどの部分に、どの程度のゆとりを加えるか)を示す情報である。
【0032】
中敷立体形状修正データは、エンドユーザに応じた基準中敷立体形状データCが示す靴底の立体形状に対し、エンドユーザの足に適するように加えられるべき修正の内容(例えば、中敷のどの部分に、どの程度の厚みの増減を加えるか)を示す情報である。
【0033】
以下に、システム1を利用して実施される靴製造方法Mの工程を説明する。
【0034】
まず、ユーザYは、端末装置13を用いてサーバ装置11にアクセスし、
図2に示すユーザ登録画面を端末装置13に表示させる。ユーザ登録画面において、ユーザYはユーザID、パスワード、氏名、住所、性別を入力し、「登録」ボタンにタッチ操作を行う。その操作に応じて、ユーザYにより入力された情報は、端末装置13からサーバ装置11に送信されて、ユーザテーブルUのユーザYのデータレコードに格納される。
【0035】
続いて、ユーザYは、端末装置13を用いてサーバ装置11にアクセスし、
図3に示すメニュー画面を端末装置13に表示させる。
【0036】
ユーザYは、メニュー画面(
図3)の「足サイズ測定シートの印刷」ボタンにタッチ操作を行う。この操作に応じて、端末装置13はプリンタ(
図1において図示略)に対し足サイズ測定シートの印刷を指示する。この指示に応じて、プリンタは
図4に示す足サイズ測定シートを印刷する。足サイズ測定シートは、例えば、A4サイズの紙に目盛及び足を置く場所を示す足形マークが印刷されたものである。なお、
図4には例として左足用の足サイズ測定シートのみが示されているが、実際には左足用と右足用の足サイズ測定シートが印刷される。
【0037】
続いて、ユーザYは、足サイズ測定シートを床に置き、
図5に示すように、足サイズ測定シートの足形マークに自分の足の位置を合わせ、足サイズ測定シートの上に立つ。
【0038】
続いて、ユーザYは、メニュー画面(
図3)の「足の撮影」ボタンにタッチ操作を行う。この操作に応じて、端末装置13は
図6に示す足撮影画面を表示する。なお、
図6に示す足撮影画面は左足を上から撮影するように促す足撮影画面である。足撮影画面の領域R1には、端末装置13のカメラが撮影している画像が表示される。ユーザYは、領域R1に足サイズ測定シートと自分の足が表示されるように端末装置13の方向等を調整し、「撮影」ボタンにタッチ操作を行う。
【0039】
端末装置13は、例えば、以下の足撮影画面を順に表示する。
【0040】
左足を上から撮影するように促す足撮影画面
左足の左側を斜め上から撮影するように促す足撮影画面
右足を上から撮影するように促す足撮影画面
右足の右側を斜め上から撮影するように促す足撮影画面
【0041】
ユーザYは上記の各足撮影画面において、促される方向に左右の足の撮影を行う。端末装置13は撮影された画像に基づき、例えば既知の画像認識技術により、ユーザYの左右の足の足長と足幅(又は足囲)を特定する。
【0042】
続いて、端末装置13は
図7に示す足サイズ確認画面を表示する。足サイズ確認画面には、端末装置13により特定されたユーザYの左右の足長と足幅(又は足囲)が表示される。
【0043】
図7に例示の足長と足幅(又は足囲)は、いずれも左右が同じであるが、それらは必ずしも同じではない。ただし、以下の説明においては、説明を簡単にするために、ユーザYの足長と足幅(又は足囲)は
図7に例示の長さであり、左右で同じものとする。また、以下の説明において、左右の足長を区別しない場合は、それらを単に「足長」という。同様に、以下の説明において、左右の足幅(又は足囲)を区別しない場合は、それらを単に「足幅(又は足囲)」という。
【0044】
ユーザYは、足サイズ確認画面に表示される情報を見て、普段履いている靴のサイズと大きく異なる等の理由により、足サイズ確認画面に表示されている情報が誤っていると思う場合には、「戻る」ボタンにタッチ操作を行い、足撮影画像(
図6)における撮影をやり直す。ユーザYは、足サイズ確認画面に表示される情報が正しいと思うと、「OK」ボタンにタッチ操作を行う。
【0045】
その操作に応じて、端末装置13は
図8に示す靴タイプ選択画面を表示する。ユーザYは靴タイプ選択画面において、自分が注文を検討したい靴のタイプを選択し、「選択」ボタンにタッチ操作を行う。なお、靴タイプ選択画面の領域R2には、選択されたタイプの靴の画像が表示される。領域R2に表示される靴の画像は、例えば、タッチ操作に応じて360度方向に回転可能であってもよい。また、領域R2に、靴の画像に加え、ヒールの高さ等の情報が文字で表示されてもよい。
【0046】
靴タイプ選択画面の「選択」ボタンに対するタッチ操作に応じて、端末装置13は
図9に示す靴内圧力分布測定具依頼確認画面を表示する。ユーザYは、靴内圧力分布測定具依頼確認画面に表示される情報を確認した後、「OK」ボタンにタッチ操作を行う。この操作に応じて、端末装置13はサーバ装置11に、例えば以下のような情報を送信する。
【0047】
左足長:23.5cm
左足幅(又は足囲):D
右足長:23.5cm
右足幅(又は足囲):D
靴タイプ:ローファー1
【0048】
サーバ装置11は、端末装置13から受信した上記の情報を、ユーザテーブルUのユーザYのデータレコードに格納する。続いて、サーバ装置11は、ユーザXの使用する端末装置12に、ユーザYから靴の注文が行われたことを通知する。なお、この通知の方法は、電子メール、ショートメッセージ、端末装置12で実行されているアプリケーションプログラムによるポップアップ等のいずれであってもよい。
【0049】
ユーザXが、サーバ装置11から端末装置12に対し行われた通知に応じて端末装置12に所定の操作を行うと、端末装置12はサーバ装置11にアクセスし、サーバ装置11から取得した情報を用いて、
図10に示す靴内圧力分布測定具依頼画面を表示する。
【0050】
ユーザXは、
図10靴内圧力分布測定具依頼画面の「靴内圧力分布測定具の造形」ボタンにクリック等の操作を行う。この操作に応じて、端末装置12はサーバ装置11に対し、基準靴内圧力分布測定具立体形状データBの要求を行う。この場合、要求される基準靴内圧力分布測定具立体形状データBは、左右の基準靴内圧力分布測定具立体形状データB(ローファー1、23.5、D)である。サーバ装置11は、端末装置12からの要求に応じて、左右の基準靴内圧力分布測定具立体形状データB(ローファー1、23.5、D)を端末装置12に送信する。
【0051】
端末装置12は、サーバ装置11から受信した左右の基準靴内圧力分布測定具立体形状データB(ローファー1、23.5、D)が表す立体形状の靴内圧力分布測定具の造形(プリントアウト)を3Dプリンタ(
図1において図示略)に指示する。この指示に応じて、3Dプリンタは
図11に示す外観の靴内圧力分布測定具を造形する。なお、
図11には左足用の靴内圧力分布測定具が示されているが、実際には左右各々の足用の靴内圧力分布測定具が造形される。
【0052】
靴内圧力分布測定具は、靴と似た立体形状の、弾性を有する素材で造形された器具であり、表面に外部から視認できる多数のマーカを有している。なお、
図11に例示の靴内圧力分布測定具が有するマーカは、上下方向に等間隔で配置されたドット形状のマーカである。
【0053】
続いて、ユーザXは、予め様々な靴タイプ、足長、足幅(又は足囲)の組合せに応じて準備されている靴内圧力分布測定シートの中から、ユーザY用の靴内圧力分布測定シート、すなわち、靴タイプ:ローファー1、足長:23.5cm、足幅(又は足囲):Dに応じた左右の靴内圧力分布測定シートを取り出す。
【0054】
靴内圧力分布測定シートは、エンドユーザが靴内圧力分布測定具を靴と同様に足に装着した状態で立った場合に、ユーザの足(この場合、足底又は足裏)と靴内圧力分布測定具との間に生じる圧力の分布を測定するためのシートである。靴内圧力分布測定シートは、例えば、
図12に示す構造を備えている。
図12(A)は左足用の靴内圧力分布測定シートを上から見た形状を示している。
図12(B)は、靴内圧力分布測定シートの断面を示した図である。
【0055】
靴内圧力分布測定シートは、下側シートSBと、上側シートSUとの間に、多数のインク粒SIを2次元方向(
図12(B)の左右方向及び奥行方向)に等間隔で並べて配置した構造を有している。インク粒SIは、例えば、粘性の高いゲル状の濃い色(例えば黒)の素材を球状に成形したものである。下側シートSBと上側シートSUは、薄い色(例えば白)のシート状の素材(例えば、紙)であり、液体を吸収する。下側シートSBの下面は、インク粒SIが下側シートSBを通って靴内圧力分布測定シートの下側に漏れ出さないように、プラスチックフィルムSCでコーティングされている。また、上側シートSUの上面は、インク粒SIが上側シートSUを通って靴内圧力分布測定シートの上側に漏れ出さないように、プラスチックフィルムSVでコーティングされている。
【0056】
靴内圧力分布測定シートは、靴タイプ、足長、足幅(又は足囲)の組合せに応じて、平面視した場合の形状(
図12(A)参照)が異なるが、
図12(B)に示す構造はそれらの組合せにかかわらず共通している。
【0057】
続いて、ユーザXは、注文確認画面の「宛名ラベルの印刷」ボタンにクリック等の操作を行う。この操作に応じて、端末装置12はプリンタ(
図1において図示略)に対し宛名ラベルの印刷を指示する。この指示に応じて、プリンタはユーザYの氏名と住所の記載された宛名ラベルを印刷する。
【0058】
ユーザXは、3Dプリンタにより造形された左右の靴内圧力分布測定具の各々の中に、ユーザYの足のサイズに応じた靴内圧力分布測定シートを中敷のように挿入し、ユーザYの宛名ラベルを用いて、それらをユーザYに発送する。
【0059】
ユーザYは、ユーザXから発送された、靴内圧力分布測定シートの挿入された靴内圧力分布測定具を受け取ると、端末装置13を用いてサーバ装置11にアクセスし、登録済みのユーザID及びパスワードを用いてログインした後、メニュー画面(
図3)を表示させて、「靴内圧力分布測定具の撮影」ボタンにタッチ操作を行う。この操作に応じて、端末装置13は
図13に示す靴内圧力分布測定具撮影画面を表示する。靴内圧力分布測定具撮影画面は、左右の足に靴内圧力分布測定具を装着した状態で、例えば、以下の8つの撮影を順にユーザYに促す。
【0060】
右足の右側面
右足の左側面
右足の上面
右足の背面
左足の左側面
左足の右側面
左足の上面
左足の背面
【0061】
なお、
図13は、左足の右側面の撮影を促す靴内圧力分布測定具撮影画面を例示している。
【0062】
靴内圧力分布測定具撮影画面の領域R3には、端末装置13のカメラが撮影している画像が表示される。ユーザYは、靴内圧力分布測定具を靴と同様に装着し、領域R3に靴内圧力分布測定具を装着した自分の足の指示された面が表示されるように端末装置13の方向等を調整し、「撮影」ボタンにタッチ操作を行う。なお、ユーザYに代わり、家族等の他の人が撮影操作を行ってもよい。
【0063】
上記の8つの撮影の全てが終了すると、端末装置13はそれらの撮影により得られた画像を表す画像データを、靴内圧力分布測定具画像データとしてサーバ装置11に送信する。サーバ装置11は、端末装置13から受信した靴内圧力分布測定具画像データを、ユーザテーブルUのユーザYのデータレコードに格納する。
【0064】
続いて、端末装置13は、
図14に示す靴内圧力分布測定シート撮影画面を表示する。靴内圧力分布測定シート撮影画面は、靴内圧力分布測定具から取り外された靴内圧力分布測定シートの撮影を、左側と右側に関し順次、ユーザYに促す。なお、
図14の靴内圧力分布測定シート撮影画面は、左側の靴内圧力分布測定シートの撮影を促している。靴内圧力分布測定シート撮影画面の領域R4には、端末装置13のカメラが撮影している画像が表示される。ユーザYは、促される側の靴内圧力分布測定シートが領域R4に表示されるように端末装置13の方向等を調整し、「撮影」ボタンにタッチ操作を行う。
【0065】
図14に示すように、靴内圧力分布測定シートが挿入された靴内圧力分布測定具を装着したユーザYが床の上に立つと、靴内圧力分布測定シートのインク粒SIの各々がユーザYの足裏から受ける圧力によって潰れ、その一部が下側シートSB及び上側シートSUに染み込む。そして、その圧力が大きい程、潰れたインク粒SIが下側シートSB及び上側シートSUに染み込む量が多く、靴内圧力分布測定シートを上から見た場合、色が濃く見える。すなわち、靴内圧力分布測定シートの色の濃淡(色の明度と彩度の組合せによって定まる)は、ユーザYが靴内圧力分布測定具を装着して床の上に立った場合のユーザYの足底に生じる圧力の大きさを表している。
【0066】
左右の靴内圧力分布測定シートの撮影が終了すると、端末装置13はそれらの2つの撮影により得られた画像を表す画像データを、靴内圧力分布測定シート画像データとしてサーバ装置11に送信する。サーバ装置11は、端末装置13から受信した靴内圧力分布測定シート画像データを、ユーザテーブルUのユーザYのデータレコードに格納する。
【0067】
続いて、サーバ装置11は、ユーザXの使用する端末装置12に、ユーザYから靴内圧力分布測定具及び靴内圧力分布測定シートを撮影した画像が到着したことを通知する。なお、この通知の方法は、電子メール、ショートメッセージ、端末装置12で実行されているアプリケーションプログラムによるポップアップ等のいずれであってもよい。
【0068】
ユーザXが、サーバ装置11から端末装置12に対し行われた通知に応じて端末装置12に所定の操作を行うと、端末装置12はサーバ装置11にアクセスし、サーバ装置11から取得した情報を用いて、
図15に示す靴型修正情報入力画面を表示する。靴型修正情報入力画面は、ユーザYに装着された状態の靴内圧力分布測定具を撮影した画像をユーザXに示すとともに、靴のアッパー部分の立体形状に対し行うべき修正に関する情報の入力をユーザXに促す画面である。靴型修正情報入力画面の領域R5には、ユーザYに装着された状態の靴内圧力分布測定具を撮影した画像が表示される。なお、靴型修正情報入力画面は、ユーザYにより撮影された8枚の靴内圧力分布測定具の画像の各々に関し表示される。
図15の靴型修正情報入力画面は、左足の靴内圧力分布測定具の右側面を撮影した画像を表示している。
【0069】
領域R5に表示される靴内圧力分布測定具の画像において、隣り合うマーカの間隔の大小は、ユーザYに装着された状態の靴内圧力分布測定具の各部分に生じる歪みの大小を示している。ユーザXは、それらのマーカの間隔に基づき、領域R6において、靴のアッパー部分のどの部分にどの程度の厚みのゆとりを加えるか、といった情報を、マウス等を用いて入力する。例えば、
図15の例では、左足用の靴の右側面の前後方向における真ん中より少し前の部分に、中央の厚さが1mmのゆとりを加えるように修正の指示が行われたことが示されている。
【0070】
靴のアッパー部分に関する修正情報の入力が完了すると、端末装置13はユーザXにより入力された修正情報を示すデータを、靴型立体形状修正データとしてサーバ装置11に送信する。サーバ装置11は、端末装置13から受信した靴型立体形状修正データを、ユーザテーブルUのユーザYのデータレコードに格納する。
【0071】
続いて、端末装置12はサーバ装置11から取得した情報を用いて、
図16に示す中敷調整情報入力画面を表示する。中敷調整情報入力画面は、ユーザYに踏まれた後の靴内圧力分布測定シートを撮影した画像をユーザXに示すとともに、中敷の立体形状に対し行うべき修正に関する情報の入力をユーザXに促す画面である。中敷調整情報入力画面の領域R7には、ユーザYに踏まれた後の靴内圧力分布測定シートを撮影した画像が表示される。なお、中敷調整情報入力画面は、左右の靴内圧力分布測定シートの画像の各々に関し表示される。
図16の中敷調整情報入力画面は、左足の靴内圧力分布測定シートを撮影した画像を表示している。
【0072】
領域R7に表示される靴内圧力分布測定シートの画像において、既述のように、色の濃さは、靴内圧力分布測定具を装着して床の上に立った状態のユーザYの足底の圧力の大きさを示している。ユーザXは、靴内圧力分布測定シートの画像における濃淡に基づき、領域R8において、中敷のどの部分にどの程度の厚みの増減を行うべきか、といった情報を、マウス等を用いて入力する。例えば、
図16の例では、左足用の中敷の土踏まずの部分を1mm厚くするように調整の指示が行われたことが示されている。
【0073】
左右の中敷の各々に関し、上述の修正情報の入力が完了すると、端末装置13はユーザXから入力された修正情報を示すデータを、中敷立体形状修正データとしてサーバ装置11に送信する。サーバ装置11は、端末装置13から受信した中敷立体形状修正データを、ユーザテーブルUのユーザYのデータレコードに格納する。
【0074】
続いて、サーバ装置11は、端末装置12から受信したユーザYに関する靴型立体形状修正データが示す修正情報と、基準靴型立体形状データA(ローファー1、23.5、D)が示す靴型の立体形状に基づき、基準靴型立体形状データA(ローファー1、23.5、D)が示す立体形状の靴型をユーザY用に修正するために靴型に貼り付けられるべきパーツ(以下、「靴型修正パーツ」という)の立体形状を表す靴型修正パーツ立体形状データを生成する。
【0075】
また、サーバ装置11は、端末装置12から受信したユーザYに関する中敷立体形状修正データが示す修正情報と、基準中敷立体形状データC(ローファー1、23.5、D)が示す中敷の立体形状に基づき、基準中敷立体形状データC(ローファー1、23.5、D)が示す立体形状の中敷をユーザYの足用に調整するために貼り付けられるべきパーツ(以下、「中敷調整パーツ」という)の立体形状を表す中敷調整パーツ立体形状データを生成する。なお、中敷調整パーツは、通常、中敷の下面側に取り付けられる。
【0076】
サーバ装置11は、生成した靴型修正パーツ立体形状データ、中敷調整パーツ立体形状データを端末装置12に送信する。
【0077】
端末装置12は、サーバ装置11から上記のデータを受信すると、
図17に示すメニュー画面を表示する。ユーザXがメニュー画面の「靴型修正パーツの造形」ボタンにクリック等の操作を行うと、端末装置12は、サーバ装置11から受信した靴型修正パーツ立体形状データが表す立体形状の靴型修正パーツを3Dプリンタ(
図1において図示略)に指示する。この指示に応じて、3Dプリンタは
図18(A)に示すような靴型修正パーツを造形する。なお、
図18(A)の左側の図は、靴型修正パーツの一例を正面から見た図であり、右側の図はその断面を示した図である。
【0078】
ユーザXがメニュー画面(
図17)の「中敷調整パーツの造形」ボタンにクリック等の操作を行うと、端末装置12は、サーバ装置11から受信した中敷調整パーツ立体形状データが表す立体形状の中敷調整パーツを3Dプリンタ(
図1において図示略)に指示する。この指示に応じて、3Dプリンタは
図18(B)に示すような中敷調整パーツを造形する。なお、
図18(B)の左側の図は、中敷調整パーツの一例を正面から見た図であり、右側の図はその断面を示した図である。
【0079】
なお、3Dプリンタが造形する靴型修正パーツと中敷調整パーツの各々は、それらのパーツに応じた硬さ等の属性を持つ異なる素材で造形される。例えば、靴型修正パーツは、靴型にフィットするように多少の柔軟性を備えるが、中敷調整パーツよりは固い素材で造形される。一方、中敷調整パーツは、クッション性が高く、靴型修正パーツよりも柔らかい素材で造形される。
【0080】
続いて、ユーザXがメニュー画面(
図17)の「靴型修正パーツの取付位置の表示」ボタンにクリック等の操作を行うと、端末装置12は、
図19に示す靴型修正指示画面を表示する。靴型修正指示画面には、左右の靴型のどの部分に靴型修正パーツが取り付けられるべきか、が示される。なお、
図19の靴型修正指示画面は、左足の靴型の右側面に取り付けられるべき靴型修正パーツの取付位置を示している。
【0081】
ユーザXは、様々な靴タイプ、足長、足幅(又は足囲)の組合せに応じて予め準備されている靴型のなかから、靴タイプ:ローファー1、足長:23.5cm、足幅(又は足囲):D、の組合せに応じた靴型を取り出し、その靴型に対し、靴型修正指示画面に表示される指示に従い、靴型修正パーツを、例えば両面テープ等により取り付ける。
【0082】
続いて、ユーザXがメニュー画面(
図17)の「中敷調整パーツの取付位置の表示」ボタンにクリック等の操作を行うと、端末装置12は、
図20に示す中敷調整指示画面を表示する。中敷調整指示画面には、左右の中敷のどの部分に中敷調整パーツが取り付けられるべきか、が示される。なお、
図20の中敷調整指示画面は、左足の中敷に取り付けられるべき中敷調整パーツの取付位置を示している。
【0083】
ユーザXは、様々な靴タイプ、足長、足幅(又は足囲)の組合せに応じて予め準備されている中敷のなかから、靴タイプ:ローファー1、足長:23.5cm、足幅(又は足囲):D、の組合せに応じた中敷を取り出し、その中敷に対し、中敷調整指示画面に表示される指示に従い、中敷調整パーツを、例えば接着剤等により取り付ける。
【0084】
続いて、ユーザXは、靴型修正パーツを取り付けた靴型を用いて、通常のハンドメイドの靴の製造工程に従い、靴を製造する。その際、ユーザXは中敷調整パーツの取り付けられた中敷をパーツとして用いて靴を製造する。
【0085】
ユーザXは、靴を完成させると、端末装置12に所定の操作を行い、
図21に示す宛名ラベル印刷画面を表示させる。ユーザXが宛名ラベル印刷画面の「宛名ラベル印刷」ボタンにクリック等の操作を行うと、端末装置12はプリンタ(
図1において図示略)に対し宛名ラベルの印刷を指示する。この指示に応じて、プリンタはユーザYの氏名と住所の記載された宛名ラベルを印刷する。
【0086】
ユーザXは、印刷された宛名ラベルを用いて、完成した靴をユーザYに発送する。ユーザYは、ユーザXから発送された靴を受け取る。これにより、ユーザYは、履き心地のよい靴を入手することができる。
【0087】
[変形例]
上述した実施形態は様々に変形することができる。以下にそれらの変形の例を示す。なお、上述した実施形態および以下に示す変形例は適宜組み合わされてもよい。
【0088】
(1)上述した実施形態において、ユーザYの足のサイズは、足サイズ測定シートの上に載せられたユーザYの足を撮影した画像に基づき、端末装置13により特定される。ユーザYの足のサイズの特定の方法はこれに限られない。
【0089】
例えば、ユーザY(又はユーザYの家族等)が、ユーザYの足長、足幅、足囲等を、通常のメジャーを用いて測定し、その測定の結果を端末装置13に入力してもよい。
【0090】
(2)上述した実施形態において、
図4に示した足サイズ測定シートの形態は例示であって、基準となる長さを視覚的に示すシート状の部材である限り、他の形態の足サイズ測定シートが用いられてもよい。
【0091】
例えば、何も印刷されていない定型の紙(例えば、A4サイズの紙)が足サイズ測定シートとして用いられてもよい。その場合、ユーザYは定型の紙の上に足を載せた状態で、定型の紙の4つの角のうち少なくとも3つが写り込むように、足の撮影を行う。そして、端末装置13は、撮影された画像から、既知の画像認識技術により、紙の3つ以上の角の位置を特定する。続いて、端末装置13は、そのように特定した角の位置により定まる、紙の縦の辺のベクトル(長さと方向)と、横の辺のベクトル(長さと方向)とに基づき、撮影された画像の歪みを補正した後、補正後の画像における紙のサイズに基づき、足のサイズを特定する。
【0092】
(3)足撮影画面(
図6)において足を撮影する方向は上述の実施形態において例示した方向に限られない。
【0093】
例えば、足サイズ測定シートの上に外側のくるぶしを付けるように置かれた足が上から撮影されてもよい。そして、そのように撮影された画像から、端末装置13がユーザYの足の甲高を特定してもよい。
【0094】
(4)上述した実施形態において、靴内圧力分布測定具は3Dプリンタにより造形されるが、これに限られない。例えば、様々な靴タイプ、足長、足幅(又は足囲)の組合せの各々に関し、予め金型等を用いて射出成形等により製造されている靴内圧力分布測定具のなかから、ユーザXが、ユーザYの靴タイプ、足長、足幅(又は足囲)の組合せに応じた靴内圧力分布測定具を取り出して、ユーザYに発送してもよい。
【0095】
(5)上述した実施形態において、基準靴型立体形状データA等は、靴のタイプの各々に関し、足長と足幅(又は足囲)の組合せ毎に準備されるものとしたが、これに限られない。例えば、靴のタイプの各々に関し、足長、足の前方部分における足幅、足の前後方向における中腹部分における足幅、足の後方部分における足幅、の組合せ毎に、基準靴型立体形状データA等が準備され、用いられてもよい。その場合、例えば、前方部分はEE、中腹部分はE、後方部分はD等の靴内圧力分布測定具が3Dプリンタにより造形され、用いられる。
【0096】
(6)上述した実施形態において、靴内圧力分布測定具は、基準靴内圧力分布測定具立体形状データBが表す形状であるものとしたが、ユーザYの足に立体形状に応じて修正された立体形状の靴内圧力分布測定具が3Dプリンタにより造形されてもよい。
【0097】
この変形例において、例えば、端末装置13は、足撮影画面(
図6)において撮影されたユーザYの足の画像を表す足画像データをサーバ装置11に送信する。サーバ装置11は、端末装置13から受信した足画像データが表す画像に基づき、例えば既知の画像認識技術によって、ユーザYの足の立体形状を特定する。
【0098】
なお、画像からユーザYの足の立体形状を高い精度で特定するために、ユーザYが足を上述した実施形態において例示した方向より多くの方向の各々から撮影してもよい。
【0099】
サーバ装置11は、特定したユーザYの足の立体形状に基づき、ユーザYに適した基準靴内圧力分布測定具立体形状データBを選択し、選択した基準靴内圧力分布測定具立体形状データBに修正を加えて、ユーザ用靴内圧力分布測定具立体形状データを生成する。サーバ装置11は、そのように生成したユーザ用靴内圧力分布測定具立体形状データをユーザテーブルUのユーザYのデータレコードに格納するとともに、端末装置12に送信する。
【0100】
端末装置12は、サーバ装置11から受信したユーザ用靴内圧力分布測定具立体形状データが表す立体形状の靴内圧力分布測定具の造形を3Dプリンタに指示する。ユーザXは、3Dプリンタがユーザ用靴内圧力分布測定具立体形状データに従い造形した靴内圧力分布測定具をユーザYに発送する。
【0101】
この変形例においては、基準靴内圧力分布測定具立体形状データBに代えてユーザ用靴内圧力分布測定具立体形状データが用いられるため、サーバ装置11は、靴型修正パーツ立体形状データの生成において、靴型立体形状修正データと基準靴型立体形状データAに加えて、ユーザ用靴内圧力分布測定具立体形状データと、ユーザ用靴内圧力分布測定具立体形状データの生成に用いられた基準靴内圧力分布測定具立体形状データBが用いられる。より具体的には、サーバ装置11は、例えば、基準靴内圧力分布測定具立体形状データBが表すアッパー部分の立体形状とユーザ用靴内圧力分布測定具立体形状データが表すアッパー部分の立体形状の差分の立体形状に、靴型立体形状修正データと基準靴型立体形状データAから特定される立体形状を加算して得られる立体形状を、靴型修正パーツの立体形状として特定し、その立体形状を表す靴型修正パーツ立体形状データを生成する。
【0102】
同様に、サーバ装置11は、中敷調整パーツ立体形状データの生成においても、ユーザ用靴内圧力分布測定具立体形状データと、ユーザ用靴内圧力分布測定具立体形状データの生成に用いられた基準靴内圧力分布測定具立体形状データBを用いる。
【0103】
(7)上述した実施形態においては、ユーザXが靴内圧力分布測定具を準備し、ユーザYに発送する。これに代えて、ユーザYが靴内圧力分布測定具を準備してもよい。
【0104】
この変形例において、例えば、サーバ装置11は端末装置13にユーザY用の基準靴内圧力分布測定具立体形状データB(例えば、基準靴内圧力分布測定具立体形状データB(ローファー1、23.5、D))を送信する。ユーザYは、例えば、端末装置13がサーバ装置11から受信した基準靴内圧力分布測定具立体形状データBを、近くの3Dプリンタを利用できる店舗(いわゆる、ビジネスコンビニと呼ばれる、印刷等のサービスを提供する店舗)に持ってゆき、その店舗で基準靴内圧力分布測定具立体形状データBに従い3Dプリンタによる靴内圧力分布測定具の造形を行ってもらう。
【0105】
(8)上述した実施形態において示した靴内圧力分布測定シートの構成は一例であって、靴内圧力分布測定具の内側面の少なくとも一部を覆うように配置され、靴内圧力分布測定具がユーザYに装着された状態で靴内圧力分布測定具とユーザYの足の間に生じる圧力によって色の属性(色相、明度、彩度等)が変化する限り、様々な構成が靴内圧力分布測定シートの構成として採用し得る。
【0106】
例えば、赤のインクが染み込ませられた下側シートと、青のインクが染み込ませられた上側シートを備え、ユーザYに踏まれることで下側シートの赤のインクが上側シートに移動し、上側シートの色が青から紫に変化するような構成の靴内圧力分布測定シートが採用されてもよい。この場合、靴内圧力分布測定シートは、ユーザYの足と靴内圧力分布測定具との間に生じた圧力が大きい程、上から見た色が青に近い紫となる。従って、ユーザXは、靴内圧力分布測定シート画像データが表す画像の色相に基づき、圧力分布を特定することができる。
【0107】
また、上述の例における赤のインクと青のインクに代えて、他の色のインクが採用されてもよい。
【0108】
また、異なる色のインクに代えて、混ざると化学変化が生じて色の属性が変化する2種類の物質が用いられてもよい。
【0109】
(9)上述した実施形態において、靴内圧力分布測定シートは、靴内圧力分布測定具の内側面のうち、靴内圧力分布測定具がユーザYに装着された状態でユーザYの足底(足裏)が接触する面(足底面)を覆うように配置される。靴内圧力分布測定具内において靴内圧力分布測定シートが配置される位置は足底面上に限られず、足底面に加えて、もしくは代えて、靴内圧力分布測定具の内側面の他の部分が靴内圧力分布測定シートにより覆われてもよい。
【0110】
例えば、靴内圧力分布測定シートが靴内圧力分布測定具の内側面の概ね全体を覆うように配置される場合、ユーザは、靴内圧力分布測定具を脱いだ後に靴内圧力分布測定具から靴内圧力分布測定シートを取り出し、靴内圧力分布測定シート撮影画面(
図14)において、取り出した靴内圧力分布測定シートを平面状に展開して撮影する。
【0111】
(10)上述した実施形態において、靴内圧力分布測定シートは、靴内圧力分布測定具の内側面を覆うように配置されるが、靴内圧力分布測定具に対し固着はされていない。これに代えて、靴内圧力分布測定シートが靴内圧力分布測定具の内側面に、両面テープや接着剤等により固着されてもよい。
【0112】
靴内圧力分布測定具に対する靴内圧力分布測定シートの固着が、弱い固着(仮止め)であれば、ユーザYは靴内圧力分布測定シートを靴内圧力分布測定具から剥がして、靴内圧力分布測定具から靴内圧力分布測定シートを取り出し、靴内圧力分布測定シートを撮影することができる。
【0113】
(11)靴内圧力分布測定シートを靴内圧力分布測定具の内側に挿入する方法に代えて、靴内圧力分布測定具の内側面の一部又は全体を覆うように、圧力によって色の属性が変化する積層体(以下、「靴内圧力分布測定層」という)が形成されてもよい。
【0114】
靴内圧力分布測定層は、靴内圧力分布測定具の内側面上に、異なる種類の液体を塗布又は散布することによって形成される。
【0115】
例えば、以下の特徴を備える第1の液体~第4の液体が、その順に靴内圧力分布測定具の内側面上に塗布又は散布されることによって、靴内圧力分布測定層が形成される。
第1の液体:第3の液体と混ざると、色の混合や化学変化によって、色の属性が変化する物質。
第2の液体:塗布又は散布の後、固まり、圧力のかかった液体が通過する経路を多数有する透過層(多孔質、スポンジ状等の層)となる物質。
第3の液体:第1の液体と混ざると、色の混合や化学変化によって、色の属性が変化する物質。
第4の液体:塗布又は散布の後、固まり、第1の液体及び第3の液体の漏出を防止するコーティング層となる物質。
【0116】
上記のように靴内圧力分布測定層が内側に形成された靴内圧力分布測定具をユーザYが装着すると、靴内圧力分布測定具とユーザYの足の間に生じる圧力によって、第1の液体と第3の液体が透過層を通って混ざり合い、それらの色の属性が変化する。その結果、靴内圧力分布測定具の内側に生じる圧力の分布が、靴内圧力分布測定層の色の属性により表される。
【0117】
(12)靴内圧力分布測定具が、光を透過し、外部から内部が視認可能であってもよい。
【0118】
この変形例においては、変形例(10)におけるように靴内圧力分布測定具の内側面に靴内圧力分布測定シートが固着される場合や、変形例(11)におけるように靴内圧力分布測定具の内側面に靴内圧力分布測定層が形成される場合、ユーザYは、靴内圧力分布測定シート撮影画面(
図14)(又は、それに代わる靴内圧力分布測定層を撮影するための画面)において、靴内圧力分布測定具を外側から撮影することで、その内側の靴内圧力分布測定シート又は靴内圧力分布測定層を撮影することができる。
【0119】
また、靴内圧力分布測定具が、光を透過し、外部から内部が視認可能であり、靴内圧力分布測定具の内側が靴内圧力分布測定シート(又は靴内圧力分布測定層)で覆われていない状態において、ユーザYが靴内圧力分布測定具を装着すると、靴内圧力分布測定具の外側からユーザYの足の状態が視認可能となる。従って、例えば、ユーザYが靴内圧力分布測定具を装着した状態で端末装置13のカメラによって靴内圧力分布測定具を外側から撮影し、撮影した画像を表す画像データを端末装置13がサーバ装置11経由で端末装置12に送信してもよい。この場合、端末装置12は受信した画像データが表す画像に含まれる靴内圧力分布測定具内のユーザYの足の写真を表示する。ユーザXは、その写真を見て、靴内圧力分布測定具内においてユーザYの足のどの部分にどのような圧力が加わっているか、を推定することができる。
【0120】
従って、靴内圧力分布測定具のマーカの変位と、靴内圧力分布測定シートの色の属性とに加えて、光を透過する靴内圧力分布測定具の写真に写るユーザYの足の画像の情報(足の形状、色等)が、靴型や中敷等の靴のパーツの立体形状の修正情報の特定に用いられてもよい。
【0121】
なお、靴内圧力分布測定具を装着したユーザYが床の上に立った状態におけるユーザYの足を靴内圧力分布測定具越しに撮影するために、靴内圧力分布測定具を装着したユーザYが透明な足台の上に立ち、その足台の下から上に撮影が行われてもよい。
【0122】
(13)靴内圧力分布測定具が分離可能な複数のパーツで構成されてもよい。
【0123】
例えば、上述の変形例(12)におけるように、靴内圧力分布測定具が光を透過し、外部から内部が視認可能であれば、靴内圧力分布測定具の外側から靴内圧力分布測定具の内側の靴内圧力分布測定シート又は靴内圧力分布測定層、もしくは、ユーザYの足が視認可能となる。ただし、例えば、靴内圧力分布測定具の底側には靴の靴底に相当する部分(以下、便宜的に「靴底」という)が設けられているため、靴内圧力分布測定具の底面を撮影する場合、靴底が邪魔となり、靴内圧力分布測定シート又は靴内圧力分布測定層、もしくは、ユーザYの足底面の部分が明瞭に視認できない場合がある。従って、靴内圧力分布測定具が、靴底と靴底以外の部分とで分離可能な2つのパーツで構成されれば、ユーザYは、必要に応じて靴内圧力分布測定具から靴底を取り外した後、靴内圧力分布測定具(靴底以外の部分)の底面の撮影を行えばよい。
【0124】
なお、靴内圧力分布測定具が複数のパーツで構成される場合、それらのパーツは互いに噛み合う連結部分(例えば、凹部と凸部)を有し、容易に分解と組立て(位置決めを含む)が可能であることが望ましい。
【0125】
また、靴内圧力分布測定具が複数のパーツで構成される場合、それらの一部(例えば、靴底)が3Dプリンタによらずに、例えば射出成形等により準備され、他の一部(例えば、靴底以外の部分)が3Dプリンタにより造形されてもよい。
【0126】
(14)上述した実施形態においては、靴の製造に用いられるパーツのうち、中敷が3Dプリンタにより造形される。3Dプリンタにより造形される靴のパーツは中敷に限られない。例えば、アッパー部分の一部又は全部が3Dプリンタにより造形されてもよい。
【0127】
また、靴全体が3Dプリンタにより造形されてもよい。例えば、靴のタイプがサンダル、長靴等である場合、靴全体を3Dプリンタで造形することが可能である。
【0128】
靴全体が3Dプリンタにより造形される場合、靴の製造において、靴型や靴型修正パーツは不要となる。その場合、サーバ装置11又は端末装置12において、基準靴内圧力分布測定具立体形状データBに対し、靴内圧力分布測定具画像データが表すユーザYに装着された靴内圧力分布測定具の画像に基づく修正を加えたデータが、ユーザY用の靴の立体形状を表すデータ(以下、「ユーザ用靴立体形状データ」という)として生成される。そして、3Dプリンタがユーザ用靴立体形状データに従い靴の造形を行う。
【0129】
なお、3Dプリンタによる靴の造形は、ユーザXにより行われてもよいし、ユーザYにより行われてもよい。後者の場合、サーバ装置11又は端末装置12は、ユーザ用靴立体形状データを端末装置13に送信する。そして、ユーザYは、例えば近くの店舗にユーザ用靴立体形状データを持ち込み、店舗において3Dプリンタによる靴の造形が行われる。
【0130】
(15)上述した実施形態においては、靴型の修正において、3Dプリンタにより造形された靴型修正パーツが用いられる。靴型修正パーツは、3Dプリンタにより造形されたものに限られない。例えば、ユーザXが、靴型立体形状修正データが示す情報(例えば、靴型修正指示画面(
図19)に表示される情報)に従い手作業で作成した革片等が、靴型修正パーツとして用いられてもよい。
【0131】
同様に、靴に用いられるパーツ(例えば、中敷)の調整に用いられるパーツ(例えば、中敷調整パーツ)が、3Dプリンタにより造形されたものでなくてもよい。例えば、ユーザXが手作業で作成した調整パーツが、靴のパーツの調整に用いられてもよい。
【0132】
(16)上述した実施形態において、靴内圧力分布測定具が有するマーカは、上下方向に等間隔に配置されたドット状であるものとした。ユーザYに靴内圧力分布測定具が装着された状態でユーザYの足から受ける圧力により変位するマーカである限り、他の態様の外観のマーカが採用されてもよい。
【0133】
例えば、ドット状の互いに分離した複数のマーカに代えて、格子状の連続したマーカが採用されてもよい。その場合、靴内圧力分布測定具がユーザYに装着されたときに変形する格子状のマーカの形状によって、靴内圧力分布測定具のどの部分にどの程度の圧力が生じているかが特定可能となる。
【0134】
また、マーカが複数ある場合、それら複数のマーカの各々が視覚上、識別可能なように、それらの色、形状等の外観の態様(見た目)が異なっていてもよい。その場合、個々のマーカの識別が容易となるため、ユーザYに装着された状態で靴内圧力分布測定具のどの部分がどの程度歪んでいるかが、より容易に特定可能となる。
【0135】
なお、その場合、各々のマーカの見た目は他のいずれのマーカとも異なっていてもよいし、一部のマーカと同じであってもよい。例えば、大きく離れたマーカは同じ見た目であっても混同されることはないので、それらが同じ見た目であってもよい。また、例えば、右側面と左側面の各々に同じ見た目のマーカが配置されていても、それらは同時に撮影されない(又は、同時に見えない)ため、それらが同じ見た目であっても識別の妨げとはならない。
【0136】
(17)上述した実施形態において用いられる靴型は、予め準備されている基準の立体形状の靴型に対しユーザY用の靴型修正パーツを取り付けたものである。これに代えて、ユーザY用に立体形状が修正された靴型が3Dプリンタにより造形されてもよい。
【0137】
この変形例において、サーバ装置11又は端末装置12は、ユーザYに応じた基準靴型立体形状データA(例えば、基準靴型立体形状データA(ローファー1、23.5、D))に対し、靴型立体形状修正データが示す情報に従う修正を加えて、ユーザY用の靴型の立体形状を表すデータ(以下、「ユーザ用靴型立体形状データ」という)を生成する。そして、3Dプリンタがユーザ用靴型立体形状データに従い、ユーザY用の靴型を造形する。
【0138】
なお、3Dプリンタにより造形される靴型が中空であってもよい。その場合、靴型の造形に要する材料が節減できて望ましい。
【0139】
同様に、中敷等の靴のパーツに関し、基準の立体形状のパーツに対しユーザY用の調整パーツを取り付けて調整が行われたものを用いる代わりに、ユーザY用に調整された立体形状のパーツが3Dプリンタにより造形されてもよい。
【0140】
(18)3Dプリンタにより靴のパーツが造形される場合、そのパーツに用いられる素材が、ユーザYの足に生じる圧力分布に応じて、部分的に変更されてもよい。例えば、中敷のうち、靴内圧力分布測定シート画像データが表す圧力が大きい部分に関しては、圧力が小さい部分よりも固い(クッション性が低い)素材により造形が行われてもよい。
【0141】
(19)サーバ装置11が、例えば、基準靴型立体形状データAに対しユーザYの足に応じた修正を加えたデータ(変形例(17)において上述のユーザ用靴型立体形状データ)に従い、靴のパーツの形状(従来の靴の製造における型紙の形状)を特定してもよい。その場合、サーバ装置11が特定したパーツの形状を示す形状データに従い、自動裁断機により革等の材料の裁断が行われてもよい。
【0142】
(20)ユーザYにより使用された後の靴内圧力分布測定具(変形例(11)において上述の靴内圧力分布測定層が内側に設けられている場合を含む)及び靴内圧力分布測定シートの一方又は両方が、ユーザXへと送られてもよい。靴内圧力分布測定層が内側に設けられている靴内圧力分布測定具や靴内圧力分布測定シートがユーザXに送られる場合、ユーザYに代えてユーザXにより靴内圧力分布測定具や靴内圧力分布測定シートの撮影が行われてもよい。また、靴内圧力分布測定具や靴内圧力分布測定シートがユーザXに送られる場合、ユーザXはそれらを直接見ることができるので、靴内圧力分布測定具や靴内圧力分布測定シートの撮影は行われなくてもよい。
【0143】
(21)靴の製造等に伴い、ユーザYからユーザXに対し、支払われるべき料金が発生する。それらの料金が、システム1により決済可能としてもよい。例えば、ユーザYは、料金の決済のための情報(クレジットカード情報等)をサーバ装置11に登録する。そして、サーバ装置11が、ユーザYの決済のための情報を用いて、決済処理を行うサーバ装置とデータ通信を行って、料金の決済を行う。
【0144】
(22)上述した実施形態において、ユーザYにより装着された状態の靴内圧力分布測定具のマーカの変位や、ユーザYにより靴内圧力分布測定具が装着されたときに圧力を受けて色の属性が変化した靴内圧力分布測定シート(又は、変形例(11)における靴内圧力分布測定層)が表す、ユーザYが靴内圧力分布測定具を装着した状態において靴内圧力分布測定具から受ける圧力の分布に応じて、基準となる靴型や中敷等の靴のパーツの立体形状に対する修正又は調整の内容を決定するのは、ユーザXである。ユーザX(人間)に代えて、サーバ装置11等のデータ処理装置が、ユーザYの足が靴内圧力分布測定具から受ける圧力の分布に応じて、基準となる靴型や中敷等の靴のパーツの立体形状に対する修正又は調整の内容を決定してもよい。
【0145】
データ処理装置が、機械学習等の人工知能を用いて、ユーザYの靴を製造するための、基準となる靴型や中敷等の靴のパーツの立体形状に対する修正又は調整の内容を決定してもよい。その場合、機械学習が用いられてもよい。
【0146】
例えば、サーバ装置11が、以下の学習モデルの構築と運用を行ってもよい。
【0147】
(a)靴型の修正内容を靴内圧力分布測定具の歪みに基づき特定
(構築時)エンドユーザの足に装着された状態の靴内圧力分布測定具を撮影した画像、又は、その画像から特定される靴内圧力分布測定具の歪みに関する情報(歪みの位置、方向、及び、大きさ)を説明変数に含み、その靴内圧力分布測定具に応じた靴型の立体形状に対する修正の内容を示す情報を目的変数に含む教師データを用いて学習モデルに機械学習を行わせて、靴型用の学習モデルを構築する。
(運用時)上記のように構築された靴型用の学習モデルに対し、エンドユーザの足に装着された状態の靴内圧力分布測定具を撮影した画像、又は、その画像から特定される靴内圧力分布測定具の歪みに関する情報(歪みの位置、方向、及び、大きさ)を含む説明変数を入力し、学習モデルが出力する目的変数から、その靴内圧力分布測定具に応じた靴型の立体形状に対する修正の内容を示す情報を取得する。
【0148】
なお、例えば、サーバ装置11は、画像から特定される靴内圧力分布測定具の歪みに関する情報(歪みの位置、方向、及び、大きさ)を、エンドユーザの足に装着されていない状態の靴内圧力分布測定具のマーカの位置又は形状と、エンドユーザの足に装着された状態の靴内圧力分布測定具を撮影した画像から認識されるマーカの位置又は形状とを比較することにより特定する。
【0149】
(b)靴型の修正内容を靴内圧力分布測定具の色属性に基づき特定
(構築時)靴内圧力分布測定シート(又は、変形例(11)における靴内圧力分布測定層)によって内側面の一部又は全部が覆われている靴内圧力分布測定具であって、エンドユーザの足に装着された後に脱がれた靴内圧力分布測定具を撮影した画像、又は、その画像から特定される、エンドユーザの足と靴内圧力分布測定具との間に生じた圧力の分布に関する情報(圧力の発生位置と大きさ)を説明変数に含み、その靴内圧力分布測定具に応じた靴型の立体形状に対する修正の内容を示す情報を目的変数に含む教師データを用いて学習モデルに機械学習を行わせて、靴型用の学習モデルを構築する。
(運用時)上記のように構築された靴型用の学習モデルに対し、エンドユーザの足に装着された後に脱がれた靴内圧力分布測定具を撮影した画像、又は、その画像から特定される、エンドユーザの足と靴内圧力分布測定具との間に生じた圧力の分布に関する情報(圧力の発生位置と大きさ)を含む説明変数を入力し、学習モデルが出力する目的変数から、その靴内圧力分布測定具に応じた靴型の立体形状に対する修正の内容を示す情報を取得する。
【0150】
(c)靴型の修正内容を靴内圧力分布測定シートの色属性に基づき特定
(構築時)靴内圧力分布測定具の内側面の一部又は全部を覆うように配置された靴内圧力分布測定シートであって、その靴内圧力分布測定具がエンドユーザの足に装着された後に脱がれた状態の靴内圧力分布測定シートを撮影した画像、又は、その画像から特定される、エンドユーザの足と靴内圧力分布測定具との間に生じた圧力の分布に関する情報(圧力の発生位置と大きさ)を説明変数に含み、その靴内圧力分布測定具に応じた靴型の立体形状に対する修正の内容を示す情報を目的変数に含む教師データを用いて学習モデルに機械学習を行わせて、靴型用の学習モデルを構築する。
(運用時)上記のように構築された靴型用の学習モデルに対し、靴内圧力分布測定具の内側面の一部又は全部を覆うように配置された靴内圧力分布測定シートであって、その靴内圧力分布測定具がエンドユーザの足に装着された後に脱がれた状態の靴内圧力分布測定シートを撮影した画像、又は、その画像から特定される、エンドユーザの足と靴内圧力分布測定具との間に生じた圧力の分布に関する情報(圧力の発生位置と大きさ)を含む説明変数を入力し、学習モデルが出力する目的変数から、その靴内圧力分布測定具に応じた靴型の立体形状に対する修正の内容を示す情報を取得する。
【0151】
(d)靴(又は靴のパーツ)の修正内容を靴内圧力分布測定具の歪みに基づき特定
(構築時)エンドユーザの足に装着された状態の靴内圧力分布測定具を撮影した画像、又は、その画像から特定される靴内圧力分布測定具の歪みに関する情報(歪みの位置、方向、及び、大きさ)を説明変数に含み、その靴内圧力分布測定具に応じた靴の一部又は全部の立体形状に対する修正の内容を示す情報を目的変数に含む教師データを用いて学習モデルに機械学習を行わせて、靴用の学習モデルを構築する。
(運用時)上記のように構築された靴用の学習モデルに対し、エンドユーザの足に装着された状態の靴内圧力分布測定具を撮影した画像、又は、その画像から特定される靴内圧力分布測定具の歪みに関する情報(歪みの位置、方向、及び、大きさ)を含む説明変数を入力し、学習モデルが出力する目的変数から、その靴内圧力分布測定具に応じた靴の一部又は全部の立体形状に対する修正の内容を示す情報を取得する。
【0152】
(e)靴(又は靴のパーツ)の修正内容を靴内圧力分布測定具の色属性に基づき特定
(構築時)靴内圧力分布測定シート(又は、変形例(11)における靴内圧力分布測定層)によって内側面の一部又は全部が覆われている靴内圧力分布測定具であって、エンドユーザの足に装着された後に脱がれた靴内圧力分布測定具を撮影した画像、又は、その画像から特定される、エンドユーザの足と靴内圧力分布測定具との間に生じた圧力の分布に関する情報(圧力の発生位置と大きさ)を説明変数に含み、その靴内圧力分布測定具に応じた靴の一部又は全部の立体形状に対する修正の内容を示す情報を目的変数に含む教師データを用いて学習モデルに機械学習を行わせて、靴用の学習モデルを構築する。
(運用時)上記のように構築された靴用の学習モデルに対し、エンドユーザの足に装着された後に脱がれた靴内圧力分布測定具を撮影した画像、又は、その画像から特定される、エンドユーザの足と靴内圧力分布測定具との間に生じた圧力の分布に関する情報(圧力の発生位置と大きさ)を含む説明変数を入力し、学習モデルが出力する目的変数から、その靴内圧力分布測定具に応じた靴の一部又は全部の立体形状に対する修正の内容を示す情報を取得する。
【0153】
(f)靴(又は靴のパーツ)の修正内容を靴内圧力分布測定シートの色属性に基づき特定
(構築時)靴内圧力分布測定具の内側面の一部又は全部を覆うように配置された靴内圧力分布測定シートであって、その靴内圧力分布測定具がエンドユーザの足に装着された後に脱がれた状態の靴内圧力分布測定シートを撮影した画像、又は、その画像から特定される、エンドユーザの足と靴内圧力分布測定具との間に生じた圧力の分布に関する情報(圧力の発生位置と大きさ)を説明変数に含み、その靴内圧力分布測定具に応じた靴の一部又は全部の立体形状に対する修正の内容を示す情報を目的変数に含む教師データを用いて学習モデルに機械学習を行わせて、靴用の学習モデルを構築する。
(運用時)上記のように構築された靴用の学習モデルに対し、靴内圧力分布測定具の内側面の一部又は全部を覆うように配置された靴内圧力分布測定シートであって、その靴内圧力分布測定具がエンドユーザの足に装着された後に脱がれた状態の靴内圧力分布測定シートを撮影した画像、又は、その画像から特定される、エンドユーザの足と靴内圧力分布測定具との間に生じた圧力の分布に関する情報(圧力の発生位置と大きさ)を含む説明変数を入力し、学習モデルが出力する目的変数から、その靴内圧力分布測定具に応じた靴の一部又は全部の立体形状に対する修正の内容を示す情報を取得する。
【0154】
例えば、上記(a)に関し具体的に説明すると、サーバ装置11は、様々なエンドユーザに関し、そのエンドユーザに装着された状態の靴内圧力分布測定具を撮影した画像を表す靴内圧力分布測定具画像データと、その靴内圧力分布測定具に応じた基準靴型立体形状データA(マーカの各々の位置を示す)とを説明変数に含み、その靴内圧力分布測定具を撮影した画像に基づきユーザX等の熟練の靴職人が決定した靴型に対する修正の内容を示す靴型立体形状修正データを目的変数に含む教師データを用いて、機械学習を行った靴型用の学習モデルを構築する。
【0155】
そして、運用時、サーバ装置11は、上記のように構築した靴型用の学習モデルに対し、ユーザYの靴内圧力分布測定具画像データと、ユーザYに応じた基準靴型立体形状データA(例えば、基準靴型立体形状データA(ローファー1、23.5、D))とを含む説明変数を入力し、学習モデルが出力する目的変数から靴型立体形状修正データを取得し用いる。
【0156】
また、サーバ装置11が、靴内圧力分布測定具画像データと、その靴内圧力分布測定具に応じた基準靴型立体形状データAから、マーカの変位を特定し、特定したマーカの変位から、靴内圧力分布測定具の歪みに関する情報(歪みの位置、方向、及び、大きさ)を特定し、特定した靴内圧力分布測定具の歪みに関する情報を含む説明変数を、靴型用の学習モデルの構築又は運用に用いてもよい。
【0157】
(23)上述した実施形態にかかるシステム1によれば、サーバ装置11が多数のエンドユーザに関し、そのエンドユーザの属性を示すデータ(以下、「ユーザ属性データ」という)と、そのエンドユーザの足の立体形状を表すデータ(以下、「ユーザ足立体形状データ」という)を収集することができる。
【0158】
例えば、ユーザ登録画面(
図2)において、エンドユーザの年齢、身長、体重、職業等の属性の入力を求めるようにすれば、サーバ装置11はそれらの属性を示す属性データを端末装置13から収集することができる。また、変形例(6)において述べたように、エンドユーザの足を撮影した画像を表す足画像データに基づき、例えばサーバ装置11がエンドユーザの足の立体形状を特定するようにすれば、サーバ装置11は特定した足の立体形状を表すユーザ足立体形状データを収集することができる。
【0159】
また、ユーザ属性データやユーザ足立体形状データが示す情報は、エンドユーザに関する客観的な情報であるが、それらに加えて、ユーザが靴内圧力分布測定具や最終製品としての靴を装着した際の履き心地に関する主観的な情報を示すデータ(以下、「ユーザ主観データ」という)がシステム1において収集されてもよい。
【0160】
上記のように収集されたユーザ属性データ、ユーザ足立体形状データ、ユーザ主観データが、基準靴型立体形状データA等の改善や、量産靴の立体形状の決定等に利用されてもよい。
【0161】
また、上記のように収集されたユーザ属性データ、ユーザ足立体形状データ、ユーザ主観データが、変形例(22)において述べた学習モデルの構築に用いられる教師データや、学習モデルの運用時における説明変数として利用されてもよい。
【0162】
(24)上述の実施形態において、システム1を構成する装置のうち、ある装置が行うものとした処理を、他の装置が行うようにしてもよい。例えば、足撮影画面(
図6)において撮影された画像からユーザYの足のサイズを特定する処理が、端末装置13ではなくサーバ装置11により行われてもよい。
【0163】
また、変形例(22)に述べたように、学習モデルによって靴型の修正や中敷等の靴のパーツの調整に関する情報が特定される場合、その特定の処理や学習モデルの更新の処理が、端末装置12等のサーバ装置11以外の装置で行われてもよい。
【0164】
(25)上述の実施形態に係るシステム1を利用すれば、ユーザYは必ずしもユーザXの店舗に赴く必要はない。しかしながら、ユーザYがユーザXの店舗に行き、店舗において足のサイズの測定、靴内圧力分布測定具の装着と撮影、等の作業が行われてもよい。
【符号の説明】
【0165】
1…システム、11…サーバ装置、12…端末装置、13…端末装置。