(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024098946
(43)【公開日】2024-07-24
(54)【発明の名称】発光素子、発光素子の製造方法および発光素子を含む表示装置
(51)【国際特許分類】
H01L 33/20 20100101AFI20240717BHJP
H01L 33/44 20100101ALI20240717BHJP
H01S 5/34 20060101ALI20240717BHJP
H01S 5/32 20060101ALI20240717BHJP
H01S 5/20 20060101ALI20240717BHJP
H01S 5/028 20060101ALI20240717BHJP
【FI】
H01L33/20
H01L33/44
H01S5/34
H01S5/32
H01S5/20
H01S5/028
【審査請求】未請求
【請求項の数】39
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023121874
(22)【出願日】2023-07-26
(31)【優先権主張番号】10-2023-0004232
(32)【優先日】2023-01-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】512187343
【氏名又は名称】三星ディスプレイ株式會社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Display Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】1, Samsung-ro, Giheung-gu, Yongin-si, Gyeonggi-do, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110002619
【氏名又は名称】弁理士法人PORT
(72)【発明者】
【氏名】リム,サンヒュン
(72)【発明者】
【氏名】シン,ミヒャン
【テーマコード(参考)】
5F173
5F241
【Fターム(参考)】
5F173AF05
5F173AF08
5F173AH22
5F173AP42
5F173AP73
5F173AR23
5F173AR99
5F241AA03
5F241AA43
5F241CA04
5F241CA05
5F241CA12
5F241CA40
5F241CA74
5F241CB04
5F241FF06
(57)【要約】
【課題】発光効率および信頼性が向上し、製造過程で発生し得るリスクを防止できる発光素子、発光素子の製造方法、および発光素子を含む表示装置を提供する。
【解決手段】本開示の実施例による発光素子の製造方法は、成長ベースの第1ベース領域をパターニングするステップと、半導体層を形成するステップと、前記成長ベースの前記第1ベース領域とは異なる第2ベース領域の一部をパターニングするステップと、を含む。前記製造方法により製造された前記発光素子は絶縁層を含んでもよく、前記絶縁層および前記成長ベースは、互いに同じ物質を含んでもよい。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
成長ベースの第1ベース領域をパターニングするステップと、
半導体層を形成するステップと、
前記成長ベースの前記第1ベース領域とは異なる第2ベース領域の一部をパターニングするステップと、を含むことを特徴とする発光素子の製造方法。
【請求項2】
前記製造方法により製造された前記発光素子は絶縁層を含み、
前記絶縁層および前記成長ベースは、互いに同じ物質を含むことを特徴とする請求項1に記載の発光素子の製造方法。
【請求項3】
前記成長ベースおよび前記絶縁層は、アルミニウム酸化物あるいはシリコン系物質を含むことを特徴とする請求項2に記載の発光素子の製造方法。
【請求項4】
前記第1ベース領域をパターニングするステップは、
前記成長ベース上にバリア層およびマスクを形成するステップと、
前記マスクが前記成長ベースを露出するステップと、を含み、
前記マスクが配置されていない未配置領域と前記第1ベース領域とは、平面上で見たときに互いに重畳することを特徴とする請求項2に記載の発光素子の製造方法。
【請求項5】
前記第2ベース領域の一部をパターニングするステップは、前記バリア層を除去するステップを含むことを特徴とする請求項4に記載の発光素子の製造方法。
【請求項6】
前記第2ベース領域の一部をパターニングするステップは、前記バリア層の少なくとも一部を残して、前記バリア層が前記絶縁層上に形成するステップを含むことを特徴とする請求項4に記載の発光素子の製造方法。
【請求項7】
前記第1ベース領域をパターニングするステップは、前記成長ベースにホールを形成するステップを含み、
前記ホールの形状は、前記製造方法により製造された前記発光素子を形成する半導体積層構造の形状に対応することを特徴とする請求項1に記載の発光素子の製造方法。
【請求項8】
前記ホールは、前記ホールの長さ方向に沿って同じ断面積を有することを特徴とする請求項7に記載の発光素子の製造方法。
【請求項9】
前記第1ベース領域の一部をパターニングするステップは、前記ホールによって画定される前記成長ベースの内側面が傾斜面を有するように前記成長ベースをエッチングするステップを含むことを特徴とする請求項7に記載の発光素子の製造方法。
【請求項10】
前記ホールを形成するステップは、
第1ホールを形成するステップと、
第2ホールを形成するステップと、
第3ホールを形成するステップと、を含み、
前記第1ホール、前記第2ホール、および前記第3ホールは、それぞれ均一な断面積を有し、
前記第2ホールの断面積は、前記第1ホールの断面積よりも大きく、前記第3ホールの断面積よりも小さいことを特徴とする請求項7に記載の発光素子の製造方法。
【請求項11】
前記半導体層は、第1半導体層、活性層、および第2半導体層を含む半導体積層構造を含み、
前記半導体層を形成するステップは、前記半導体積層構造の外面を保護するステップ(passivating)を含むことを特徴とする請求項1に記載の発光素子の製造方法。
【請求項12】
前記半導体層は、
前記第1ベース領域と重畳し、第1半導体層、活性層、および第2半導体層を含む半導体積層構造と、
前記第2ベース領域と重畳し、上部第1半導体層、上部活性層および上部第2半導体層を含む上部半導体積層構造と、を含むことを特徴とする請求項1に記載の発光素子の製造方法。
【請求項13】
前記半導体層を形成するステップは、井戸層および障壁層を含む活性層を形成するステップを含み、
前記活性層を形成するステップは、前記井戸層および前記障壁層が量子粒子を含むように形成されるステップを含むことを特徴とする請求項1に記載の発光素子の製造方法。
【請求項14】
前記半導体層を形成するステップの後に電極層を形成するステップをさらに含み、
前記電極層は、前記第1ベース領域と前記第2ベース領域とにわたって形成されることを特徴とする請求項1に記載の発光素子の製造方法。
【請求項15】
前記第2ベース領域の一部をパターニングするステップは、前記第1ベース領域に対するエッチング工程なしに、前記第2ベース領域の一部をエッチングするステップを含むことを特徴とする請求項1に記載の発光素子の製造方法。
【請求項16】
前記第2ベース領域の一部をエッチングするステップは、前記第2ベース領域の少なくとも一部を残して、絶縁層として提供するステップを含むことを特徴とする請求項15に記載の発光素子の製造方法。
【請求項17】
前記半導体層は、第1半導体層、活性層、および第2半導体層を含み、
前記活性層は、量子粒子を含んだ量子井戸構造を含み、
前記第2ベース領域の一部をエッチングするステップが行われるエッチング範囲は、エッチング方向に沿って前記量子粒子と重畳しないことを特徴とする請求項15に記載の発光素子の製造方法。
【請求項18】
第1半導体層、第2半導体層、および前記第1半導体層と前記第2半導体層との間に配置された活性層を含む半導体積層構造、および
前記半導体積層構造の少なくとも一側面上に配置された絶縁層を含み、
前記絶縁層は、結晶性構造を含むことを特徴とする発光素子。
【請求項19】
前記活性層は、量子粒子を含んだ3次元量子井戸構造を含むことを特徴とする請求項18に記載の発光素子。
【請求項20】
前記活性層は、前記量子粒子の大きさに対応する欠陥を含むことなく、井戸層および障壁層を含むことを特徴とする請求項19に記載の発光素子。
【請求項21】
前記絶縁層は、アルミニウム酸化物あるいはシリコン系物質を含むことを特徴とする請求項18に記載の発光素子。
【請求項22】
前記第1半導体層と前記活性層との間に配置された超格子層と、
前記活性層と前記第2半導体層との間に配置された歪み緩和層と、をさらに含むことを特徴とする請求項18に記載の発光素子。
【請求項23】
前記絶縁層は、前記発光素子の長さ方向に突出し、前記半導体積層構造の一端部上の空間を囲む絶縁突出部を含むことを特徴とする請求項18に記載の発光素子。
【請求項24】
前記絶縁層上に配置され、導電性物質を含んだバリア層をさらに含むことを特徴とする請求項18に記載の発光素子。
【請求項25】
前記発光素子は、前記第1半導体層が隣接する第1端部および前記第2半導体層が隣接する第2端部を含み、
前記絶縁層の厚さは、前記第1端部から前記第2端部に向かうほど小さくなり、前記半導体積層構造の断面積は、前記第1端部から前記第2端部に向かうほど大きくなることを特徴とする請求項18に記載の発光素子。
【請求項26】
前記絶縁層の厚さは、前記半導体積層構造の断面積と相補的に形成され、前記発光素子の断面積は、前記発光素子の長さ方向に沿って均一なことを特徴とする請求項25に記載の発光素子。
【請求項27】
前記活性層、前記第1半導体層、および前記第2半導体層は、一断面積をそれぞれ有し、前記活性層の断面積は、前記第1半導体層の断面積よりも大きく、前記第2半導体層の断面積よりも小さいことを特徴とする請求項19に記載の発光素子。
【請求項28】
前記活性層は、前記第1半導体層に向かう第1活性面および前記第2半導体層に向かう第2活性面を含み、
前記第1活性面は、前記第1半導体層と接触する接触領域および前記第1半導体層と非接触である非接触領域を含むことを特徴とする請求項27に記載の発光素子。
【請求項29】
前記第2活性面は、全体的に前記第2半導体層と接することを特徴とする請求項28に記載の発光素子。
【請求項30】
前記絶縁層は、
結晶性構造を含み、前記半導体積層構造の側面上に配置された第1絶縁層と、
非晶質構造を含み、前記半導体積層構造の第1端部上に配置された第2絶縁層と、を含むことを特徴とする請求項18に記載の発光素子。
【請求項31】
請求項18に記載の発光素子を含むことを特徴とする表示装置。
【請求項32】
第1ベース領域および第2ベース領域を含む成長ベースの前記第1ベース領域をパターニングするステップと、
半導体積層構造および上部半導体積層構造を含む半導体層を形成するステップと、
上部絶縁層を形成するステップと、
前記第2ベース領域と重畳する上部半導体積層構造を分離するステップと、
前記成長ベースの前記第2ベース領域をパターニングするステップと、
前記第1ベース領域と重畳する半導体積層構造を分離するステップと、を含むことを特徴とする発光素子の製造方法。
【請求項33】
前記半導体積層構造を分離するステップが行われて提供された前記発光素子は、絶縁層を含み、
前記絶縁層と前記成長ベースは、互いに同じ物質を含み、
前記第1ベース領域をパターニングするステップは、前記成長ベースにホールを形成するステップを含み、
前記ホールの形状は、前記発光素子の形状に対応することを特徴とする請求項32に記載の発光素子の製造方法。
【請求項34】
前記上部半導体積層構造は、平面上で見たときに前記第2ベース領域と重畳し、
前記半導体積層構造は、平面上で見たときに前記第1ベース領域と重畳することを特徴とする請求項32に記載の発光素子の製造方法。
【請求項35】
前記上部絶縁層は、前記上部半導体積層構造の側面をカバーする外側絶縁層および前記半導体積層構造の少なくとも一面上に配置された内側絶縁層を含むことを特徴とする請求項34に記載の発光素子の製造方法。
【請求項36】
前記上部絶縁層は、非晶質構造を含むことを特徴とする請求項35に記載の発光素子の製造方法。
【請求項37】
前記半導体層を形成するステップの後に、前記上部半導体積層構造をエッチングするステップをさらに含むことを特徴とする請求項32に記載の発光素子の製造方法。
【請求項38】
前記半導体積層構造を分離するステップは、第1発光素子を提供するステップを含み、
前記上部半導体積層構造を分離するステップは、第2発光素子を提供するステップを含むことを特徴とする請求項37に記載の発光素子の製造方法。
【請求項39】
前記第1発光素子の大きさは、前記第2発光素子の大きさよりも小さいことを特徴とする請求項38に記載の発光素子の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、発光素子、発光素子の製造方法、および発光素子を含む表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、情報ディスプレイに対する関心が高まるにつれて、表示装置に関する研究開発が持続的に行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】韓国公開特許第2021-0003995号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示の一課題は、発光効率および信頼性が向上した発光素子、発光素子の製造方法、および発光素子を含む表示装置を提供することである。
【0005】
本開示の一課題は、製造過程で発生し得るリスクを防止できる発光素子、発光素子の製造方法、および発光素子を含む表示装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の実施例による発光素子の製造方法は、成長ベースの第1ベース領域をパターニングするステップ、半導体層を形成するステップ、および前記成長ベースの前記第1ベース領域とは異なる第2ベース領域の一部をパターニングするステップを含むことができる。
【0007】
実施例によれば、前記製造方法により製造された前記発光素子は、絶縁層を含むことができる。前記絶縁層および前記成長ベースは、互いに同じ物質を含むことができる。
【0008】
実施例によれば、前記成長ベースおよび前記絶縁層は、アルミニウム酸化物あるいはシリコン系物質を含むことができる。
【0009】
実施例によれば、前記第1ベース領域をパターニングするステップは、前記成長ベース上にバリア層およびマスクを形成するステップと、前記マスクが前記成長ベースを露出するステップと、を含むことができる。前記マスクが配置されていない未配置領域と前記第1ベース領域とは、平面上で見たときに互いに重畳することができる。
【0010】
実施例によれば、前記第2ベース領域の一部をパターニングするステップは、前記バリア層を除去するステップを含むことができる。
【0011】
実施例によれば、前記第2ベース領域の一部をパターニングするステップは、前記バリア層の少なくとも一部を残して、前記バリア層が前記絶縁層上に形成するステップを含むことができる。
【0012】
実施例によれば、前記第1ベース領域をパターニングするステップは、前記成長ベースにホールを形成するステップを含むことができる。前記ホールの形状は、前記製造方法により製造された前記発光素子を形成する半導体積層構造の形状に対応することができる。
【0013】
実施例によれば、前記ホールは、前記ホールの長さ方向に沿って同じ断面積を有することができる。
【0014】
実施例によれば、前記第1ベース領域の一部をパターニングするステップは、前記ホールによって画定される前記成長ベースの内側面が傾斜面を有するように前記成長ベースをエッチングするステップを含むことができる。
【0015】
実施例によれば、前記ホールを形成するステップは、第1ホールを形成するステップと、第2ホールを形成するステップと、第3ホールを形成するステップと、を含むことができる。前記第1ホール、前記第2ホール、および前記第3ホールは、それぞれ均一な断面積を有することができる。前記第2ホールの断面積は、前記第1ホールの断面積よりも大きくてもよく、前記第3ホールの断面積よりも小さくてもよい。
【0016】
実施例によれば、前記半導体層は、第1半導体層、活性層、および第2半導体層を含む半導体積層構造を含むことができる。前記半導体層を形成するステップは、前記半導体積層構造の外面を保護するステップ(passivating)を含むことができる。
【0017】
実施例によれば、前記半導体層は、前記第1ベース領域と重畳することができ、第1半導体層、活性層、および第2半導体層を含む半導体積層構造と、前記第2ベース領域と重畳し、上部第1半導体層、上部活性層、および上部第2半導体層を含む上部半導体積層構造と、を含むことができる。
【0018】
実施例によれば、前記半導体層を形成するステップは、井戸層および障壁層を含む活性層を形成するステップを含むことができる。前記活性層を形成するステップは、前記井戸層および前記障壁層が量子粒子を含むように形成されるステップを含むことができる。
【0019】
実施例によれば、前記製造方法は、前記半導体層を形成するステップの後に電極層を形成するステップをさらに含むことができる。前記電極層は、前記第1ベース領域と前記第2ベース領域とにわたって形成されることができる。
【0020】
実施例によれば、前記第2ベース領域の一部をパターニングするステップは、前記第1ベース領域に対するエッチング工程なしに、前記第2ベース領域の一部をエッチングするステップを含むことができる。
【0021】
実施例によれば、前記第2ベース領域の一部をエッチングするステップは、前記第2ベース領域の少なくとも一部を残して、絶縁層として提供するステップを含むことができる。
【0022】
実施例によれば、前記半導体層は、第1半導体層、活性層、および第2半導体層を含むことができる。前記活性層は、量子粒子を含んだ量子井戸構造を含むことができる。前記第2ベース領域の一部をエッチングするステップが行われるエッチング範囲は、エッチング方向に沿って前記量子粒子と重畳しなくてもよい。
【0023】
本開示の実施例による発光素子は、第1半導体層、第2半導体層、および前記第1半導体層と前記第2半導体層との間に配置された活性層を含む半導体積層構造、および前記半導体積層構造の少なくとも一側面上に配置された絶縁層を含むことができる。前記絶縁層は、結晶性構造を含むことができる。
【0024】
実施例によれば、前記活性層は、量子粒子を含んだ3次元量子井戸構造を含むことができる。
【0025】
実施例によれば、前記活性層は、前記量子粒子の大きさに対応する欠陥を含むことなく、井戸層および障壁層を含むことができる。
【0026】
実施例によれば、前記絶縁層は、アルミニウム酸化物あるいはシリコン系物質を含むことができる。
【0027】
実施例によれば、前記発光素子は、前記第1半導体層と前記活性層との間に配置された超格子層、および前記活性層と前記第2半導体層との間に配置された歪み緩和層をさらに含んでもよい。
【0028】
実施例によれば、前記絶縁層は、前記発光素子の長さ方向に突出し、前記半導体積層構造の一端部上の空間を囲む絶縁突出部を含むことができる。
【0029】
実施例によれば、前記発光素子は、前記絶縁層上に配置され、導電性物質を含んだバリア層をさらに含んでもよい。
【0030】
実施例によれば、前記発光素子は、前記第1半導体層が隣接する第1端部および前記第2半導体層が隣接する第2端部を含むことができる。前記絶縁層の厚さは、前記第1端部から前記第2端部に向かうほど小さくなり得る。前記半導体積層構造の断面積は、前記第1端部から前記第2端部に向かうほど大きくなり得る。
【0031】
実施例によれば、前記絶縁層の厚さは、前記半導体積層構造の断面積と相補的に形成され、前記発光素子の断面積は、前記発光素子の長さ方向に沿って均一であることができる。
【0032】
実施例によれば、前記活性層、前記第1半導体層、および前記第2半導体層は、一断面積をそれぞれ有し、前記活性層の断面積は、前記第1半導体層の断面積よりも大きく、前記第2半導体層の断面積よりも小さくてもよい。
【0033】
実施例によれば、前記活性層は、前記第1半導体層に向かう第1活性面および前記第2半導体層に向かう第2活性面を含むことができる。前記第1活性面は、前記第1半導体層と接触する接触領域および前記第1半導体層と非接触する非接触領域を含むことができる。
【0034】
実施例によれば、前記第2活性面は、全体的に前記第2半導体層と接することができる。
【0035】
実施例によれば、前記絶縁層は、結晶性構造を含み、前記半導体積層構造の側面上に配置された第1絶縁層と、非晶質構造を含み、前記半導体積層構造の第1端部上に配置された第2絶縁層と、を含むことができる。
【0036】
実施例によれば、前記発光素子を含む表示装置を提供することができる。
【0037】
本開示の実施例による発光素子の製造方法は、第1ベース領域および第2ベース領域を含む成長ベースの前記第1ベース領域をパターニングするステップ、半導体積層構造および上部半導体積層構造を含む半導体層を形成するステップ、上部絶縁層を形成するステップ、前記第2ベース領域と重畳する上部半導体積層構造を分離するステップ、前記成長ベースの前記第2ベース領域をパターニングするステップ、および前記第1ベース領域と重畳する半導体積層構造を分離するステップを含むことができる。
【0038】
実施例によれば、前記半導体積層構造を分離するステップが行われて提供された前記発光素子は、絶縁層を含むことができる。前記絶縁層と前記成長ベースは、互いに同じ物質を含むことができる。前記第1ベース領域をパターニングするステップは、前記成長ベースにホールを形成するステップを含むことができる。前記ホールの形状は、前記発光素子の形状に対応することができる。
【0039】
実施例によれば、前記上部半導体積層構造は、平面上で見たときに前記第2ベース領域と重畳することができる。前記半導体積層構造は、平面上で見たときに前記第1ベース領域と重畳することができる。
【0040】
実施例によれば、前記上部絶縁層は、前記上部半導体積層構造の側面をカバーする外側絶縁層および前記半導体積層構造の少なくとも一面上に配置された内側絶縁層を含むことができる。
【0041】
実施例によれば、前記上部絶縁層は、非晶質構造を含むことができる。
【0042】
実施例によれば、前記製造方法は、前記半導体層を形成するステップの後に、前記上部半導体積層構造をエッチングするステップをさらに含んでもよい。
【0043】
実施例によれば、前記半導体積層構造を分離するステップは、第1発光素子を提供するステップを含むことができる。前記上部半導体積層構造を分離するステップは、第2発光素子を提供するステップを含むことができる。
【0044】
実施例によれば、前記第1発光素子の大きさは、前記第2発光素子の大きさよりも小さくてもよい。
【発明の効果】
【0045】
本開示の実施例によれば、発光効率および信頼性が向上した発光素子、発光素子の製造方法、および発光素子を含む表示装置を提供することができる。
【0046】
本開示の一課題は、製造過程で発生し得るリスクを防止できる発光素子、発光素子の製造方法、および発光素子を含む表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【
図1】第1実施例による発光素子を示す概略図である。
【
図2】第1実施例による発光素子を示す概略図である。
【
図3】第1実施例による発光素子を示す概略図である。
【
図4】第2実施例による発光素子を示す概略図である。
【
図5】第2実施例による発光素子を示す概略図である。
【
図6】第3実施例による発光素子を示す概略図である。
【
図7】第4実施例による発光素子を示す概略図である。
【
図8】第5実施例による発光素子を示す概略図である。
【
図9】第6実施例による発光素子を示す概略図である。
【
図10】第7実施例による発光素子を示す概略図である。
【
図11】実施例による表示装置を示す概略平面図である。
【
図12】実施例によるサブ画素を示す概略平面図である。
【
図14】実施例による表示装置を示す概略断面図である。
【
図15】実施例による表示装置を示す概略断面図である。
【
図16】実施例による画素を示す概略断面図である。
【
図17】第1~第6実施例による発光素子の製造方法を示す図である。
【
図18】第1~第6実施例による発光素子の製造方法を示す図である。
【
図19】第1~第6実施例による発光素子の製造方法を示す図である。
【
図20】第1~第6実施例による発光素子の製造方法を示す図である。
【
図21】第1~第6実施例による発光素子の製造方法を示す図である。
【
図22】第1~第6実施例による発光素子の製造方法を示す図である。
【
図23】第1~第6実施例による発光素子の製造方法を示す図である。
【
図24】第1~第6実施例による発光素子の製造方法を示す図である。
【
図25】第1~第6実施例による発光素子の製造方法を示す図である。
【
図26】第1~第6実施例による発光素子の製造方法を示す図である。
【
図27】第1~第6実施例による発光素子の製造方法を示す図である。
【
図28】第1~第6実施例による発光素子の製造方法を示す図である。
【
図29】第1~第6実施例による発光素子の製造方法を示す図である。
【
図30】第1~第6実施例による発光素子の製造方法を示す図である。
【
図31】第1~第6実施例による発光素子の製造方法を示す図である。
【
図32】第1~第6実施例による発光素子の製造方法を示す図である。
【
図33】第1~第6実施例による発光素子の製造方法を示す図である。
【
図34】第1~第6実施例による発光素子の製造方法を示す図である。
【
図35】第1~第6実施例による発光素子の製造方法を示す図である。
【
図36】第1~第6実施例による発光素子の製造方法を示す図である。
【
図37】第1~第6実施例による発光素子の製造方法を示す図である。
【
図38】第1~第6実施例による発光素子の製造方法を示す図である。
【
図39】第1~第6実施例による発光素子の製造方法を示す図である。
【
図40】第1~第6実施例による発光素子の製造方法を示す図である。
【
図41】第7実施例による発光素子の製造方法を示す図である。
【
図42】第7実施例による発光素子の製造方法を示す図である。
【
図43】第7実施例による発光素子の製造方法を示す図である。
【
図44】第7実施例による発光素子の製造方法を示す図である。
【
図45】第7実施例による発光素子の製造方法を示す図である。
【
図46】第7実施例による発光素子の製造方法を示す図である。
【
図47】第7実施例による発光素子の製造方法を示す図である。
【
図48】第7実施例による発光素子の製造方法を示す図である。
【
図49】実施例による第1発光素子と第2発光素子との間の大きさを比較するための概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0048】
本開示は、多様な変更が可能であり、様々な形態に実施することができるが、特定の実施例だけを図面に例示し、これに基づいて本開示を説明する。しかし、本開示はこのような特定の開示形態に限定されるものではなく、本開示の思想および技術範囲に含まれるすべての変更、均等物または代替物は本開示に含まれるものと理解されるべきである。
【0049】
第1、第2などの用語は、多様な構成要素の説明に用いられるが、前記構成要素は、前記用語によって限定されてはならない。前記の用語は、1つの構成要素を他の構成要素から区別する目的でのみ用いられる。例えば、本開示の権利範囲を離れずに第1構成要素は第2構成要素と呼ぶことができ、同様に第2構成要素も第1構成要素と呼ぶことができる。単数の表現は、文脈上明白に異なる意味ではない限り、複数の表現を含む。
【0050】
本開示で「含む」又は「有する」等の用語は、明細書上に記載された特徴、数字、ステップ、動作、構成要素、部品又はこれらを組み合わせたものが存在することを指定するものであり、1つ又はそれ以上の他の特徴や数字、ステップ、動作、構成要素、部分品又はこれらを組み合わせたもの等の存在又は付加の可能性を予め排除しないものと理解されるべきである。また、層、膜、領域、板等の部分が他の部分の「上に」あるとする場合、これは他の部分の「真上に」ある場合だけでなく、それらの間にさらに他の部分が位置する場合も含む。また、本明細書において、ある層、膜、領域、板などの部分が他の部分の上(on)に形成されたとする場合、形成された方向は上部方向のみに限定されず、側面や下部方向に形成されたものを含む。逆に、層、膜、領域、板などの部分が他の部分の「下に」あるとする場合、これは他の部分の「真下に」ある場合だけでなく、それらの間にさらに他の部分が位置する場合も含む。
【0051】
本開示は、発光素子、発光素子の製造方法、および発光素子を含む表示装置に関する。以下では、添付の図を参照して、実施例による発光素子、発光素子の製造方法、および発光素子を含む表示装置について説明する。
【0052】
図1~
図10を参照して、1つ以上の実施例による発光素子LDについて説明する。
【0053】
まず、
図1~
図3を参照して、第1実施例による発光素子LDについて説明する。
【0054】
図1~
図3は、第1実施例による発光素子を示す概略図である。
図1は、第1実施例による発光素子LDを示す概略断面図である。
図2は、第1実施例による発光素子LDを示す概略斜視図である。
図3は、
図1のEA1領域の概略拡大図である。
【0055】
発光素子LDは、光を発散するように構成される。発光素子LDは、半導体積層構造ESSおよび絶縁層INFを含むことができる。半導体積層構造ESSは、第1半導体層SCL1、第2半導体層SCL2、および第1半導体層SCL1と第2半導体層SCL2との間に配置された活性層ALを含むことができる。実施例によれば、発光素子LDは、電極層ELLをさらに含んでもよい。
【0056】
実施例によれば、第1半導体層SCL1、活性層AL、および第2半導体層SCL2は、発光素子LDの長さL方向に沿って順次積層されることができる。本明細書において、長さL方向は、半導体積層構造ESSの各層が積層された方向であり得る。
【0057】
発光素子LDは、様々な形状を有することができる。例えば、発光素子LDは、一方向(例えば、長さL方向)に延びる柱状を有することができる。第1実施例による発光素子LDの断面積は、長さL方向に沿って概ね均一であり得る。例えば、第2半導体層SCL2の断面積、活性層ALの断面積、および第1半導体層SCL1の断面積は、概ね類似してもよい。以下の実施例において、各層の断面積は、例えば、長さL方向に対して直交する方向に切断した場合の断面積、又は、発光素子LDの直径Dが定義される方向に沿う断面積である。
【0058】
発光素子LDは、第1端部EP1と第2端部EP2を有することができる。半導体積層構造ESSは、第1端部EP1と第2端部EP2を有することができる。実施例によれば、発光素子LDの第1端部EP1には第1半導体層SCL1が隣接し、発光素子LDの第2端部EP2には第2半導体層SCL2が隣接することができる。実施例によれば、第2端部EP2には、電極層ELLが隣接することができる。実施例によれば、絶縁層INFの絶縁突出部INF_Pは、第2端部EP2に隣接することができる。
【0059】
発光素子LDは、様々な大きさを有することができる。実施例によれば、発光素子LDの直径D(または幅)と発光素子LDの長さLは、それぞれナノスケール乃至マイクロスケールを有することができる。ただし、本開示は必ずしもこれに限定されない。
【0060】
第1半導体層SCL1は、第1導電型の半導体を含むことができる。第1半導体層SCL1は、活性層AL上に配置され、第2半導体層SCL2と異なるタイプ(導電型)の半導体層を含むことができる。例えば、第1半導体層SCL1は、N型半導体層を含むことができる。例えば、第1半導体層SCL1は、InAlGaN、GaN、AlGaN、InGaN、AlN、およびInNの群のうちから選択される1つ以上を含むことができ、Si、Ge、およびSnなどのような第1導電型ドーパントがドープされたN型半導体層を含むことができる。ただし、本開示は前述の例に限定されない。第1半導体層SCL1は、様々な物質を含むことができる。
【0061】
活性層ALは、第1半導体層SCL1と第2半導体層SCL2との間に配置されることができる。活性層ALの位置は、特定の例に限定されず、発光素子LDの種類によって多様に変更されることができる。
【0062】
活性層ALは、単一量子井戸(single-quantum well)または多重量子井戸(multi-quantum well)構造を含むことができる。
【0063】
活性層ALは、井戸層WLおよび障壁層BLを含むことができる。障壁層BLは、量子井戸構造を形成するための量子障壁を形成することができ、井戸層WLは、量子井戸構造を形成するための量子井戸を形成することができる。例えば、障壁層BLは、GaNを含むことができ、井戸層WLは、InGaNを含むことができる。ただし、本開示は必ずしもこれに限定されない。
【0064】
実施例によれば、活性層ALは、3次元量子井戸構造を有することができる。例えば、活性層ALは、量子粒子QDをさらに含んでもよい。例えば、障壁層BLは、量子粒子QDを含むことができ、井戸層WLは、量子粒子QDを含むことができる。量子粒子QDは、活性層AL内の電子と正孔との間の再結合率を向上させることができ、これにより発光素子LDの発光効率を改善することができる。
【0065】
実施例によれば、量子粒子QDは、様々な物質を含むことができる。実施例によれば、量子粒子QDはInGaNを含むことができる。例えば、量子粒子QDを形成するためのInGaNは、InxGa1-xNの組成を有することができ、実施例によれば、Inは、InxGa1-xNに10at%(原子パーセント)~30at%の割合で含められ得る。ただし、本開示は必ずしもこれに限定されない。
【0066】
量子粒子QDは、一量子直径QDSを有することができる。ここで、量子直径QDSは、量子粒子QDにおいて定義される最も大きな直径を意味することができる。例えば、量子粒子QDが球形である場合、量子直径QDSは球形の直径であり得る。量子粒子QDが楕円形である場合、量子直径QDSは楕円形の長辺の長さであり得る。量子粒子QDが不規則な形状を有する場合、量子粒子QDにおいて定義される最も長い径を意味することができる。例えば、量子粒子QDにおいて外郭の地点である第1地点と第2地点と間の離隔距離が定義されることができ、量子直径QDSは、離隔距離が最も大きい値を意味することができる。
【0067】
実施例によれば、量子直径QDSは、0.5nm~10nmであり得る。実施例によれば、量子直径QDSは、1nm~5nmであり得る。実施例によれば、量子直径QDSは、活性層ALの直径Dよりも小さくてもよい。実施例によれば、直径Dは、0.5nm~1000nmであり得る。実施例によれば、直径Dは、1nm~500nmであり得る。ただし、本開示は必ずしもこれに限定されない。
【0068】
実施例によれば、活性層ALは、欠陥(defect)を含まないことが可能である。例えば、活性層ALは、量子直径QDSに対応する大きさの欠陥を含まないことが可能である。実施例によれば、発光素子LDを製造する際、量子粒子QDを含む活性層ALに対するエッチング工程を行わなくてもよい。例えば、活性層ALをパターニングするためのエッチング工程を行わなくてもよい。これにより、量子粒子QDがエッチング工程によって損傷するリスクを防止することができる。
【0069】
実験的に、量子粒子QDがエッチング工程によって損傷する場合、量子粒子QDが配置されていた空間は欠陥として提供されてしまう。しかしながら、実施例によれば、活性層ALに対するエッチング工程を行うことなく発光素子LDを製造できるので、発光素子LDへの欠陥生成を防止することができ、発光素子LDの発光効率を改善することができる。
【0070】
活性層ALの第1側および/または第2側には、導電性ドーパントがドープされたクラッド層が形成されてもよい。例えば、クラッド層は、AlGaNおよびInAlGaNのうちの1つ以上を含むことができる。ただし、本開示は前述の例に必ずしも限定されない。
【0071】
第2半導体層SCL2は、第2導電型の半導体を含むことができる。第2半導体層SCL2は、活性層AL上に配置され、第1半導体層SCL1と異なるタイプ(導電型)の半導体層を含むことができる。例えば、第2半導体層SCL2は、P型半導体層を含むことができる。例えば、第2半導体層SCL2は、InAlGaN、GaN、AlGaN、InGaN、AlN、およびInNの群の中から選択された1つ以上の半導体材料を含むことができ、Ga、B、およびMgなどのような第2導電型ドーパントがドープされたP型半導体層を含むことができる。ただし、本開示は前述の例に限定されない。第2半導体層SCL2は、様々な物質を含むことができる。
【0072】
発光素子LDの第1端部EP1と第2端部EP2にしきい電圧以上の電圧が印加される場合、活性層ALで電子-正孔対は互いに再結合でき、発光素子LDは光を発散することができる。このような原理を利用して発光素子LDの発光を制御することによって、発光素子LDは様々な装置で光源として用いられることができる。
【0073】
絶縁層INFは、半導体積層構造ESSの一側面上に配置されることができる。絶縁層INFは、活性層ALの外面の少なくとも一部(例えば、第1半導体層SCL1および第2半導体層SCL2によってカバーされていない活性層ALの側面)を囲むことができ、その他にも第1半導体層SCL1および第2半導体層SCL2のそれぞれの一部をさらに囲むことができる。
【0074】
本明細書において、「側面」は対象(object)(例えば、半導体積層構造ESS、活性層AL、第1半導体層SCL1、または第2半導体層SCL2など)の上面および下面以外の残りの領域の一部を含む領域を意味することができる。ここで、対象の上面と下面は、発光素子LD(あるいは半導体積層構造ESS)の第1端部EP1または第2端部EP2に対応する面を意味することができる。実施例によれば、側面は、発光素子LD(あるいは半導体積層構造ESS)の第1端部EP1と第2端部EP2との間の領域で定義される対象の外面の一部を意味することができる。
【0075】
絶縁層INFは、互いに異なる極性を有する発光素子LDの第1端部EP1および第2端部EP2を露出することができる。例えば、絶縁層INFは、発光素子LDの第1端部EP1および第2端部EP2に隣接する電極層ELLおよび第1半導体層SCL1のそれぞれの一端を露出することができる。
【0076】
絶縁層INFは、発光素子LDの電気的安定性を確保することができる。また、絶縁層INFは、発光素子LDの表面欠陥を最小化して寿命および効率を向上させることができる。また、複数の発光素子LDが互いに密接に配置されている場合、絶縁層INFは、発光素子LD間のショート欠陥を防止することができる。
【0077】
絶縁層INFは、無機材料を含むことができる。例えば、絶縁層INFは、アルミニウム酸化物(AlxOy)を含んでもよい。あるいは、実施例によれば、絶縁層INFは、シリコン系物質を含んでもよい。例えば、シリコン系物質は、シリコン酸化物(SiOx)であり得る。
【0078】
実施例によれば、絶縁層INFは、結晶性構造を含んだ無機材料を含むことができる。絶縁層INFは、発光素子LDを成長させるための成長ベースGSを形成する物質と同じ物質を含むことができる。
【0079】
例えば、成長ベースGSがサファイア基板であって、アルミニウム酸化物(AlxOy)を含む場合、絶縁層INFは、アルミニウム酸化物(AlxOy)を含むことができる。あるいは成長ベースGSがシリコン基板(例えば、シリコン(Si)あるいはシリコンカーバイド(SiC)など)である場合、絶縁層INFはシリコン系物質を含むことができる。
【0080】
これは、発光素子LDの絶縁層INFが、成長ベースGSがパターニングされて製造されることによるもので、詳細は後述する。
【0081】
絶縁層INFは、絶縁突出部INF_Pを含むことができる。絶縁突出部INF_Pは、電極層ELLに比べて一方向(例えば、発光素子LDの長さL方向)にさらに突出した絶縁層INFの一部であり得る。絶縁突出部INF_Pは、発光素子LDの第2端部EP2に対応する一面の外郭ラインに沿って配置されることができる。例えば、絶縁突出部INF_Pが形成されることにより、絶縁突出部INF_Pが囲む領域内で電極層ELL上には空間Sが形成されることができる。
【0082】
実施例によれば、絶縁突出部INF_Pは、電極層ELLおよび半導体積層構造ESSよりもさらに突出するように配置されることができ、これにより、外部の影響から電極層ELLおよび半導体積層構造ESSをより効率的に保護することができる。
【0083】
電極層ELLは、第2半導体層SCL2上に配置されることができる。電極層ELLは、第2端部EP2に隣接することができる。電極層ELLは、絶縁突出部INF_Pが形成する空間Sに直接隣接することができる。
【0084】
電極層ELLは、第2半導体層SCL2と電気的に接続されることができる。電極層ELLの一部は露出されることができる。例えば、絶縁層INFは、電極層ELLの一面を露出することができる。電極層ELLは、第1端部EP1に対応する領域で露出されることができる。実施例によれば、電極層ELLの側面が露出されてもよい。
【0085】
実施例によれば、電極層ELLは、オーミック(Ohmic)コンタクト電極であり得る。ただし、本開示は前述の例に必ずしも限定されない。例えば、電極層ELLは、ショットキー(schottky)コンタクト電極であり得る。
【0086】
実施例によれば、電極層ELLは、クロム(Cr)、チタン(Ti)、アルミニウム(Al)、金(Au)、ニッケル(Ni)、これらの酸化物、および合金の群のうちの1つ以上を含むことができる。ただし、本開示は前述の例に必ずしも限定されない。実施例によれば、電極層ELLは、実質的に透明であってもよい。例えば、電極層ELLは、ITO(Indium Tin Oxide)を含むことができる。これにより、電極層ELLは、発散された光を透過させることができる。
【0087】
実施例による発光素子LDの構造は、前述の例に必ずしも限定されない。例えば、発光素子LDは、第1半導体層SCL1と活性層ALとの間に配置される超格子(Superlattice)層および/または活性層ALと第2半導体層SCL2との間に配置される歪み緩和層をさらに含んでもよい。
【0088】
実施例によれば、超格子層は、組成の異なる2つ以上の層が交互に積層された構造を有することができる。例えば、超格子層は、GaN層とInGaN層とが互いに交互に配置された構造を有することができる。実施例によれば、超格子層は、第1半導体層SCL1と活性層ALとの間の応力を緩和することができる。電子遮断層は、活性層ALと第2半導体層SCL2との間で電子の流れの少なくとも一部を遮断して、発光のための電子-正孔対の再結合効率を向上させることができる。
【0089】
実施例によれば、電子遮断層は、電子のオーバーフローを防止するために、第2半導体層SCL2よりもバンドギャップエネルギーがさらに大きい物質を含むことができる。例えば、電子遮断層は、MgのドープされたAlGaNを含むことができる。
【0090】
次に、
図4および
図5を参照して、第2実施例による発光素子LDについて説明する。前述した内容と重複する内容については説明を省略し、前述した実施例との相違点を中心に第2実施例について述べる。
【0091】
図4および
図5は、第2実施例による発光素子を示す概略図である。
図4は、第2実施例による発光素子LDを示す概略断面図である。
図5は、第2実施例による発光素子LDを示す概略斜視図である。
【0092】
第2実施例による発光素子LDは、バリア層BARをさらに含む点が、第1実施例による発光素子LDと異なる。第2実施例による発光素子LDは、絶縁突出部INF_P上に配置されたバリア層BARをさらに含むことができる。
【0093】
バリア層BARは、第2端部EP2に隣接して配置されることができる。バリア層BARは、絶縁突出部INF_Pで定義される空間Sに隣接して配置されることができる。
【0094】
バリア層BARは、発光素子LDの上方に見たとき(例えば、第1端部EP1から第2端部EP2に向かう方向から見たとき)、絶縁突出部INF_Pの形状に対応する形状を有することができる。
【0095】
バリア層BARは、導電性材料を含むことができる。この場合、発光素子LDにアノード信号あるいはカソード信号を印加できる電極がより確実に電気的に接続されることができて、発光素子LDに対する電気的接続不良を防止することができる。
【0096】
バリア層BARは、ドライエッチングに対する耐性がある(ドライエッチングに対するエッチングレートが相対的に遅い)物質を含むことができる。例えば、バリア層BARは、チタン(Ti)およびタンタル(Ta)の群のうちの1つ以上を含むことができる。バリア層BARは、発光素子LDを製造する工程において、成長ベースGSに対するドライエッチング工程が進行される際、エッチングマスクの下部に配置されたバリア構造物であり得る。これに関する詳細は後述する。
【0097】
次に、
図6を参照して、第3実施例による発光素子LDについて説明する。前述した内容と重複する内容については説明を省略し、前述した実施例との相違点を中心に第3実施例について述べる。
【0098】
図6は、第3実施例による発光素子を示す概略図である。
図6は、第3実施例による発光素子LDを示す概略断面図である。
【0099】
第3実施例による発光素子LDは、半導体積層構造ESSの断面積が発光素子LDの長さLによって異なることができ、絶縁層INFの厚さが発光素子LDの長さL方向によって異なることができるという点が、第2実施例による発光素子LDと異なる。第3実施例による発光素子LDの絶縁層INFの厚さは、対応する位置での半導体積層構造ESSの断面積によって異なることができる。
【0100】
第3実施例において、半導体積層構造ESSの断面積は、発光素子LDの直径Dが定義される方向に沿う断面積であり得る。
【0101】
半導体積層構造ESSの断面積は、第1端部EP1から第2端部EP2に向かうほど大きくなり得る。例えば、活性層ALの断面積は、第1半導体層SCL1の断面積よりも大きくてもよく、第2半導体層SCL2の断面積よりも小さくてもよい。
【0102】
絶縁層INFの厚さは、第1端部EP1から第2端部EP2に向かうほど小さくなり得る。例えば、活性層ALに対応する位置での絶縁層INFの厚さは、第1半導体層SCL1に対応する位置での絶縁層INFの厚さよりも小さくてもよく、第2半導体層SCL2に対応する位置での絶縁層INFの厚さよりも大きくてもよい。
【0103】
電極層ELLの断面積は、半導体積層構造ESSの断面積よりも大きくてもよい。電極層ELLに対応する位置での絶縁層INFの厚さは、半導体積層構造ESSに対応する位置での絶縁層INFの厚さよりも小さくてもよい。
【0104】
実施例によれば、絶縁層INFの厚さは、半導体積層構造ESSの断面積の長さL方向に沿う変化に相補的に(complementary)決定されることができる。これにより、発光素子LDの全体の断面積(あるいは直径D)は、長さL方向に沿って概ね均一であり得る。この場合、発光素子LDが画素回路層PCL(
図13参照)(例えば、バックプレーン(backplane)層)上に効率よく配列されることができ、発光素子LDの構造的安定性を確保することができる。
【0105】
実施例によれば、第1半導体層SCL1と活性層ALとが接する界面の面積は、活性層ALの一面の面積および第1半導体層SCL1の一面の面積と同じであってもよい。第2半導体層SCL2と活性層ALとが接する界面の面積は、活性層ALの他面の面積および第2半導体層SCL2の一面の面積と同じであってもよい。
【0106】
第3実施例によれば、バリア層BARが絶縁層INF上に配置されることができ、発光素子LDの第2端部EP2の周辺部に形成されることができる。バリア層BARは、第2実施例を参照して前述した内容と同様に、ドライエッチングに対する耐性がある物質を含むことができる。実施例によれば、バリア層BARを配置して、発光素子LDの電気的接続性能を向上させることができる。
【0107】
次に、
図7を参照して、第4実施例による発光素子LDについて説明する。前述した内容と重複する内容については説明を省略し、前述した実施例との相違点を中心に第4実施例について述べる。
【0108】
図7は、第4実施例による発光素子を示す概略図である。
図7は、第4実施例による発光素子LDを示す概略断面図である。
【0109】
第4実施例による発光素子LDは、バリア層BARが形成されない点が、第3実施例による発光素子LDと異なる。第4実施例による発光素子LDは、半導体積層構造ESSの断面積と絶縁層INFの厚さが相補的に形成されることができるが、バリア層BARが配置されなくてもよい。
【0110】
実施例によれば、バリア層BARが形成されなくてもよく、絶縁層INFが形成された領域を基準にして発光素子LDの長さLが決定されることができる。この場合、絶縁層INFと電極層ELLのそれぞれの一部は、発光素子LDの第2端部EP2で均一な面を形成することができる。
【0111】
次に、
図8を参照して、第5実施例による発光素子LDについて説明する。前述した内容と重複する内容については説明を省略し、前述した実施例との相違点を中心に第6実施例について述べる。
【0112】
図8は、第5実施例による発光素子を示す概略図である。
図8は、第5実施例による発光素子LDを示す概略断面図である。
【0113】
第5実施例による発光素子LDは、活性層ALの断面積が第1半導体層SCL1の断面積よりも大きくてもよく、第2半導体層SCL2の断面積よりも小さくてもよいが、半導体積層構造ESSの各層の断面積がそれぞれ概ね均一であるという点が、第3実施例による発光素子LDと異なる。
【0114】
実施例によれば、活性層ALの第1活性面ALS1は、第1半導体層SCL1と接触する接触領域および第1半導体層SCL1と接触しない非接触領域を含むことができる。例えば、第1半導体層SCL1の断面積が活性層ALの断面積よりも小さくてもよく、これにより第1半導体層SCL1を介して拡散される電子の量を減少させることができる。
【0115】
実施例によれば、活性層ALの第2活性面ALS2は、全体的に第2半導体層SCL2と接することができる。例えば、第2半導体層SCL2の活性接触面ACSは、活性層ALの第2活性面ALS2と接触する第1領域A1および活性層ALの第2活性面ALS2と非接触である第2領域A2を含むことができる。第2領域A2は、第1領域A1の少なくとも一部を囲むことができる。
【0116】
実施例によれば、半導体積層構造ESSの各層の断面積を、差を有するように設計することで、第1半導体層SCL1を介する電子のオーバーフローを防止することができる。これにより、実施例によれば、活性層ALと第2半導体層SCL2との間に電子遮断層が配置されなくてもよく、電子遮断層が別途配置されない場合にも電子のオーバーフローが防止され、これにより電子-正孔対の再結合効率を向上させることができる。実験的に、電子遮断層が活性層ALと第2半導体層SCL2との間に配置される場合、追加の積層による格子不整合が原因で、発光素子LD内で歪みが発生してしまう可能性がある。しかしながら、実施例によれば、電子のオーバーフローが防止されて発光効率が改善されると共に、追加の層が必須に要求されないので、工程ステップを簡素化することができる。また、追加の層が配置されないので、発光素子LD内での歪みを減少させることができる。
【0117】
実施例によれば、絶縁層INFの厚さは、半導体積層構造ESSの各層の種類によって異なってもよい。例えば、活性層ALに対応する位置での絶縁層INFの厚さは、第1半導体層SCL1に対応する位置での絶縁層INFの厚さよりも小さくてもよく、第2半導体層SCL2に対応する位置での絶縁層INFの厚さよりも大きくてもよい。ここで、活性層ALに対応する位置での絶縁層INFの厚さは、概ね均一に定義されることができる。第1半導体層SCL1に対応する位置での絶縁層INFの厚さは、概ね均一に分布することができる。第2半導体層SCL2に対応する位置での絶縁層INFの厚さは、概ね均一に分布することができる。これにより、発光素子LDは、長さL方向に沿って概ね均一な断面積(あるいは直径D)を有することができる。
【0118】
第5実施例によれば、バリア層BARは、絶縁層INF上に配置されることができ、発光素子LDの第2端部EP2の周辺部に形成されることができる。バリア層BARは、第2実施例を参照して前述した内容と同様に、ドライエッチングに対する耐性がある物質を含むことができる。実施例によれば、バリア層BARを配置して、発光素子LDの電気的接続性能を向上させることができる。
【0119】
次に、
図9を参照して、第6実施例による発光素子LDについて説明する。前述した内容と重複する内容については説明を省略し、前述した実施例との相違点を中心に第10実施例について述べる。
【0120】
図9は、第6実施例による発光素子を示す概略図である。
図9は、第6実施例による発光素子LDを示す概略断面図である。
【0121】
第6実施例による発光素子LDは、バリア層BARが形成されない点が、第5実施例による発光素子LDと異なる。第6実施例による発光素子LDは、活性層ALの断面積が第1半導体層SCL1の断面積よりも大きくてもよく、第2半導体層SCL2の断面積よりも小さくてもよいが、半導体積層構造ESSの各層の断面積はそれぞれ概ね均一であり、バリア層BARは配置されなくてもよい。
【0122】
実施例によれば、バリア層BARが形成されなくてもよく、絶縁層INFが形成された領域を基準にして発光素子LDの長さLが決定されることができる。この場合、絶縁層INFと電極層ELLのそれぞれの一部は、発光素子LDの第2端部EP2で均一な面を形成することができる。
【0123】
次に、
図10を参照して、第7実施例による発光素子LDについて説明する。前述した内容と重複する内容については説明を省略し、前述した実施例との相違点を中心に第7実施例について述べる。
【0124】
図10は、第7実施例による発光素子を示す概略図である。
図10は、第7実施例による発光素子LDを示す概略断面図である。
【0125】
第7実施例による発光素子LDは、内側絶縁層INF’をさらに含む点が、第1実施例による発光素子LDと異なる。第7実施例による発光素子LDは、電極層ELLに隣接して形成された内側絶縁層INF’をさらに含むことができる。
【0126】
第7実施例では、絶縁層INFを第1絶縁層と呼ぶことができ、内側絶縁層INF’を第2絶縁層と呼ぶことができる。
【0127】
内側絶縁層INF’は、絶縁層INFの内側面上に配置されることができる。内側絶縁層INF’の少なくとも一部は、電極層ELLと絶縁層INFとの間に配置されることができる。内側絶縁層INF’は、発光素子LDを上方に見たときに(例えば、第1端部EP1から第2端部EP2に向かう方向から見たときに)電極層ELLの少なくとも一部を囲むことができる。内側絶縁層INF’の少なくとも一部は、発光素子LDを上方に見たときに(例えば、第1端部EP1から第2端部EP2に向かう方向から見たときに)絶縁層INFによって囲まれることができる。
【0128】
本明細書において、内側面は、対象の中心部に向かう側面の一部を意味することができる。対象の中心部は、対象の上面または下面の中心領域を意味することができる。
【0129】
内側絶縁層INF’と絶縁層INFは、互いに異なる内部構造を有することができる。例えば、内側絶縁層INF’は、非晶質(amorphous)構造を有する物質を含むことができ、絶縁層INFは、結晶性構造を有する物質を含むことができる。例えば、内側絶縁層INF’は、結晶性構造を有さない無機材料を含むことができるが、絶縁層INFは、結晶性構造を有する無機材料を含むことができる。例えば、内側絶縁層INF’は、シリコン酸化物(SiOx)、シリコン窒化物(SiNx)、シリコン酸窒化物(SiOxNy)、アルミニウム酸化物(AlxOy)、およびチタン酸化物(TiOx)の群のうちの1つ以上を含むことができる。ただし、本開示は前述の例に必ずしも限定されない。
【0130】
本実施例では、内側絶縁層INF’と絶縁層INFは、互いに異なる工程で製造されることができる。例えば、絶縁層INFは、成長ベースGSをパターニングすることによって製造された構造であり、内側絶縁層INF’は、別途の蒸着工程(例えば、CVD(Chemical Vapor Deposition)工程など)を介して製造された構造であり得る。実施例によれば、同じ数の成長ベースGSから、より多い数の発光素子LDを製造することができて、工程にかかる費用を削減することができる。これに関する詳細は、
図41~
図49を参照して後述する。
【0131】
次に、
図11~
図16を参照して、実施例による表示装置DDについて説明する。前述した内容と重複する内容については説明を省略する。
【0132】
図11は、実施例による表示装置を示す概略平面図である。
【0133】
表示装置DDは、光を発散するように構成される。表示装置DDは、発光素子LDを含む。実施例によれば、表示装置DDは、様々な形態で提供されることができる。例えば、表示装置DDは、スマートフォン、ノートパソコン、タブレットPC(personal computer)、ウェアラブルデバイス(例えば、ヘッドマウントデバイス、スマートウォッチ、およびスマートグラスなど)、テレビ、または車両用インフォテインメントシステムなどに適用可能であり、その他に様々な実施形態に適用可能である。
【0134】
図11を参照すると、表示装置DDは、ベース層BSLおよびベース層BSL上に配置された画素PXLを含むことができる。表示装置DDは、画素PXLを駆動するための駆動回路部(例えば、走査駆動部およびデータ駆動部)、配線およびパッドをさらに含んでもよい。
【0135】
表示装置DDは、表示領域DAおよび非表示領域NDAを含むことができる。非表示領域NDAは、表示領域DA以外の領域を意味することができる。非表示領域NDAは、表示領域DAの少なくとも一部を囲むことができる。
【0136】
ベース層BSLは、表示装置DDのベース部材を形成することができる。ベース層BSLは、硬性または軟性の基板やフィルムであることができる。例えば、ベース層BSLは、ガラスまたは強化ガラスからなる硬性基板、プラスチックまたは金属材質の軟性基板(または薄膜フィルム)、または少なくとも一層の絶縁層であり得る。ベース層BSLの材料および/又は物性は特に限定されない。実施例によれば、ベース層BSLは実質的に透明であり得る。ここで、実質的に透明とは、一透過度以上に光を透過させ得ることを意味できる。他の実施例では、ベース層BSLは、半透明または不透明であり得る。また、ベース層BSLは、実施例によって反射性の物質を含んでもよい。
【0137】
表示領域DAは、画素PXLが配置される領域を意味することができる。非表示領域NDAは、画素PXLが配置されていない領域を意味することができる。非表示領域NDAには、表示領域DAの画素PXLに接続される駆動回路部、配線、およびパッドが配置されることができる。
【0138】
実施例によれば、画素PXL(またはサブ画素SPX)は、ストライプ(stripe)またはペンタイル(PENTILE(登録商標))配列構造などによって配列されることができる。ただし、本開示は必ずしもこれに限定されない。
【0139】
実施例によれば、画素PXLは、発光素子LDを含む。画素PXL(またはサブ画素SPX)は、第1サブ画素SPX1、第2サブ画素SPX2、および第3サブ画素SPX3を含むことができる。少なくとも1つの第1サブ画素SPX1、第2サブ画素SPX2、および第3サブ画素SPX3は、様々な色の光を放出できる1つの画素ユニットPXUを形成することができる。
【0140】
例えば、第1サブ画素SPX1、第2サブ画素SPX2、および第3サブ画素SPX3のそれぞれは、一色の光を放出することができる。例えば、第1サブ画素SPX1は、赤色(例えば、第1色)の光を放出する赤色画素であり、第2サブ画素SPX2は、緑色(例えば、第2色)の光を放出する緑色画素であり、第3サブ画素SPX3は、青色(例えば、第3色)の光を放出する青色画素であり得る。それぞれの画素ユニットPXUを構成する第1サブ画素SPX1、第2サブ画素SPX2、および第3サブ画素SPX3の色、種類および/または個数などは特定の例に限定されない。
【0141】
図12~
図16を参照して、実施例による表示装置DDの概略的な平面および断面構造について説明する。
図12は、実施例によるサブ画素を示す概略平面図である。
【0142】
サブ画素SPXは、発光領域EMAおよび非発光領域NEAを含むことができる。サブ画素SPXは、第1バンクBNK1、整列電極層ELT、発光素子LD、および接続電極層CNEを含むことができる。
【0143】
発光領域EMAは、平面上で見たとき、第1バンクBNK1によって画定される開口部OPNと重畳することができる。発光領域EMA内には、発光素子LDが配置されることができる。非発光領域NEAには、発光素子LDを配置しなくてもよい。
【0144】
第1バンクBNK1は、開口部OPNを形成(あるいは提供)することができる。例えば、第1バンクBNK1は、ベース層BSLの厚さ方向(例えば、第3方向DR3)に突出する形状を有することができ、一領域を囲むことができる。実施例によれば、第1バンクBNK1によって画定される開口部OPNに発光素子LDを含んだインクを供給して、発光素子LDを開口部OPN内に配置させることができる。
【0145】
実施例によれば、第1バンクBNK1は、アクリル樹脂(acrylic resin)、エポキシ樹脂(epoxy resin)、フェノール樹脂(phenol resin)、ポリアミド樹脂(polyamide resin)、ポリイミド樹脂(polyimide resin)、ポリエステル樹脂(polyester resin)、ポリフェニレンスルファイド樹脂(polyphenylenesulfide resin)またはベンゾシクロブテン(benzocyclobutene、BCB)等の有機物質を含むことができる。ただし、本開示は前述の例に限定されない。
【0146】
整列電極層ELTは、発光素子LDを整列させるための電極を含むことができる。実施例によれば、整列電極層ELTは、第1電極ELTAおよび第2電極ELTGを含むことができる。実施例によれば、第1電極ELTAは第1整列電極であり、第2電極ELTGは第2整列電極であり得る。
【0147】
発光素子LDは、整列電極層ELT上に配置(または整列)されることができる。実施例によれば、発光素子LDは、平面上で見たときに第1電極ELTAと第2電極ELTGとの間に整列されることができる。発光素子LDは、発光ユニットEMUを形成(または構成)することができる。
【0148】
実施例によれば、第1電極ELTAおよび第2電極ELTGは、発光領域EMAで第1方向DR1に沿って互いに離隔されることができる。
【0149】
実施例によれば、第1整列電極である第1電極ELTAは、発光素子LDを整列するために交流信号が供給される電極であり得る。第1電極ELTAは、発光素子LDが光を発散するために、アノード信号が供給される電極であり得る。第2整列電極である第2電極ELTGは、発光素子LDを整列するために、グラウンド信号が供給される電極であり得る。第2電極ELTGは、発光素子LDが光を発散するために、カソード信号が供給される電極であり得る。
【0150】
第1電極ELTA(あるいは第1整列電極)および第2電極ELTG(あるいは第2整列電極)には、発光素子LDが整列される工程ステップにおいて、それぞれ第1整列信号および第2整列信号が供給(あるいは提供)されることができる。例えば、発光素子LDを含んだインクを開口部OPNに供給(あるいは提供)し、第1電極ELTAに第1整列信号を供給し、第2電極ELTGに第2整列信号を供給することができる。第1整列信号と第2整列信号は、互いに異なる波形、電位、および/または位相を有することができる。例えば、第1整列信号は交流信号であり、第2整列信号はグラウンド信号であってもよい。ただし、本開示は前述の例に必ずしも限定されない。第1電極ELTAと第2電極ELTGとの間に(あるいはこれらの上に)電界が形成され、発光素子LDは、前記電界に基づいて第1電極ELTAと第2電極ELTGとの間に整列されることができる。例えば、発光素子LDは、前記電界による力(例えば、DEP(dielectrophoresis)力)によって移動(または回転)されて、第1整列電極と第2整列電極との上に整列(または配置)されることができる。
【0151】
発光素子LDは、提供された電気的信号に基づいて光を発散することができる。例えば、発光素子LDは、アノード接続電極CNEAから提供された第1電気的信号(例えば、アノード信号)およびカソード接続電極CNECから提供された第2電気的信号(例えば、カソード信号)に基づいて光を提供することができる。
【0152】
発光素子LDの第1端部EP1は、第1電極ELTAに隣接するように配置され、発光素子LDの第2端部EP2は、第2電極ELTGに隣接するように配置されることができる。
【0153】
接続電極層CNEは、発光素子LDの第1端部EP1および第2端部EP2上に配置されることができる。アノード接続電極CNEAは、発光素子LDの第1端部EP1に電気的に接続されるように第1端部EP1上に配置されることができる。カソード接続電極CNECは、発光素子LDの第2端部EP2に電気的に接続されるように第2端部EP2上に配置されることができる。
【0154】
実施例によれば、接続電極層CNEは、アノード接続電極CNEA、およびカソード接続電極CNECを含むことができる。
【0155】
図13は、画素回路を含む画素回路層PCLおよび発光素子LDが配置される発光素子層EMLを示す。
図13は、
図12のA-A’線に沿う概略断面図である。
【0156】
図13を参照すると、表示装置DDは、画素回路層PCLおよび発光素子層EMLを含むことができる。
【0157】
画素回路層PCLは、発光素子LDを駆動するための画素回路を含む層であり得る。画素回路層PCLは、ベース層BSL、画素回路を形成するための金属層および前記金属層の間に配置された絶縁層を含むことができる。実施例によれば、ベース層BSLは、表示装置DDを支持するための基底面を形成することができる。
【0158】
実施例によれば、画素回路は、薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor)を含むことができる。画素回路は、記憶キャパシタをさらに含んでもよい。画素回路は、発光素子LDと電気的に接続されて、発光素子LDが光を発散するための電気的信号を提供することができる。
【0159】
発光素子層EMLは、画素回路層PCL上に配置されることができる。発光素子層EMLは、第1および第2絶縁パターンINP1、INP2、整列電極層ELT、第1絶縁膜INS1、第1バンクBNK1、発光素子LD、第2絶縁膜INS2、および接続電極層CNEを含むことができる。
【0160】
第1および第2絶縁パターンINP1、INP2は、保護層上に配置されることができる。第1および第2絶縁パターンINP1、INP2は、実施例によって様々な形状を有することができる。実施例において、第1および第2絶縁パターンINP1、INP2は、ベース層BSLの厚さ方向(例えば、第3方向DR3)に突出してもよい。
【0161】
第1および第2絶縁パターンINP1、INP2は、発光素子LDが発光領域EMA内で容易に整列され得るように段差を形成することができる。実施例によれば、第1および第2絶縁パターンINP1、INP2は、隔壁であってもよい。実施例によれば、第1および第2絶縁パターンINP1、INP2は、少なくとも1つの有機物質および/または無機材料を含むことができる。ただし、本開示は特定の例に必ずしも限定されない。
【0162】
整列電極層ELTは、保護層および/または第1および第2絶縁パターンINP1、INP2上に配置されることができる。第1電極ELTAには、第1コンタクト部材を介して第1整列信号および/または第1電源が供給されることができる。第2電極ELTGには、第2コンタクト部材を介して第2整列信号および/または第2電源が供給されることができる。
【0163】
第1絶縁膜INS1は、整列電極層ELT上に配置されることができる。例えば、第1絶縁膜INS1は、第1電極ELTAおよび第2電極ELTGをカバーすることができる。
【0164】
第1バンクBNK1は、第1絶縁膜INS1上に配置されることができる。第1バンクBNK1は、前述したように、発光素子LDを含んだインクが収容されることができる空間を形成することができる。
【0165】
発光素子LDは、第1バンクBNK1が囲む領域内の第1絶縁膜INS1上に配置されることができる。実施例によれば、発光素子LDは、アノード接続電極CNEAおよびカソード接続電極CNECから提供された電気的信号(例えば、アノード信号およびカソード信号)に基づいて光を放出することができる。
【0166】
第2絶縁膜INS2は、発光素子LD上に配置されることができる。第2絶縁膜INS2は、発光素子LDの活性層ALをカバーすることができる。第2絶縁膜INS2は、発光素子LDの少なくとも一部を露出することができる。例えば、第2絶縁膜INS2は、発光素子LDの第1端部EP1および第2端部EP2をカバーしなくてもよく、これにより発光素子LDの第1端部EP1および第2端部EP2は露出され、それぞれアノード接続電極CNEAおよびカソード接続電極CNECと電気的に接続されることができる。実施例によれば、第2絶縁膜INS2の他の一部は、第1バンクBNK1および第1絶縁膜INS1上に配置されてもよい。
【0167】
発光素子LDの整列が完了した後に発光素子LD上に第2絶縁膜INS2を形成する場合、発光素子LDの整列された位置からの離脱を防止できる。
【0168】
第2絶縁膜INS2は、単一層または多重層の構造を有することができる。第2絶縁膜INS2は、シリコン酸化物(SiOx)、シリコン窒化物(SiNx)、シリコン酸窒化物(SiOxNy)、アルミニウム窒化物(AlNx)、アルミニウム酸化物(AlxOy)、ジルコニウム酸化物(ZrOx)、ハフニウム酸化物(HfOx)、およびチタン酸化物(TiOx)の群のうちの1つ以上を含むことができる。ただし、本開示は前述の例に限定されない。
【0169】
アノード接続電極CNEAおよびカソード接続電極CNECは、第1絶縁膜INS1および第2絶縁膜INS2上に配置されることができる。アノード接続電極CNEAは、発光素子LDの第1端部EP1と電気的に接続されることができる。カソード接続電極CNECは、発光素子LDの第2端部EP2と電気的に接続されることができる。
【0170】
アノード接続電極CNEAは、第1絶縁膜INS1を貫通する第1コンタクト部CNT1を介して第1電極ELTAと電気的に接続されることができ、カソード接続電極CNECは、第1絶縁膜INS1を貫通する第2コンタクト部CNT2を介して第2電極ELTGと電気的に接続されることができる。実施例によれば、アノード接続電極CNEAは、第1コンタクト部CNT1を介して画素回路層PCLのラインと直接電気的に接続されてもよい。カソード接続電極CNECは、第2コンタクト部CNT2を介して画素回路層PCLのラインと直接電気的に接続されてもよい。
【0171】
実施例によれば、アノード接続電極CNEAおよびカソード接続電極CNECは、同じ工程内の同一時点にパターニングされてもよい。ただし、本開示は前述の例に必ずしも限定されない。アノード接続電極CNEAおよびカソード接続電極CNECのうちのいずれか1つがパターニングされた後、残りの電極がパターニングされてもよい。
【0172】
一方、
図14および
図15を参照して、実施例による発光素子LDの端部EP1、EP2が垂直方向に向かう構造について説明する。
【0173】
図14は、実施例による表示装置を示す概略断面図である。
図14は、第3実施例および第4実施例による発光素子LDが、画素回路層PCL上に整列される実施例を示す。
【0174】
図15は、実施例による表示装置を示す概略断面図である。
図15は、第5実施例および第6実施例による発光素子LDが、画素回路層PCL上に整列される実施例を示す。
【0175】
実施例によれば、第3~第6実施例による発光素子LDは、長さL方向が垂直方向(例えば、ベース層BSLの厚さ方向、第3方向DR3)に向かうように整列されてもよい。例えば、
図14および
図15は、実施例による発光素子LDの垂直方向の整列を示す。
【0176】
図14および
図15を参照すると、発光素子LDは、長さL方向がベース層BSLの厚さ方向(例えば、第3方向DR3)と平行するように整列されることができる。
【0177】
例えば、発光素子LDの第1端部EP1および第2端部EP2は、ベース層BSLの厚さ方向に互いに離隔されてもよい。実施例によれば、第1電極ELTAと第2電極ELTGは、発光素子LDを挟んで、第3方向DR3に沿って互いに離隔されてもよい。これにより、発光素子LDは、垂直方向に離隔された第1電極ELTAと第2電極ELTGとの間で、規定された電界に基づいて配列されることができる。
【0178】
図16は、実施例による画素を示す概略断面図である。
図16は、発光素子層EML上に配置される構成を中心にサブ画素SPXの断面構造を概略的に示す。
【0179】
図16を参照すると、表示領域DAには、サブ画素SPXにそれぞれ対応するサブ画素領域SPXAが形成されることができる。サブ画素領域SPXAは、第1サブ画素SPX1に対応する第1サブ画素領域SPXA1、第2サブ画素SPX2に対応する第2サブ画素領域SPXA2、および第3サブ画素SPX3に対応する第3サブ画素領域SPXA3を含むことができる。第1サブ画素領域SPXA1、第2サブ画素領域SPXA2、および第3サブ画素領域SPXA3は、第1方向DR1に沿って配列されることができる。
【0180】
第2バンクBNK2は、第1~第3サブ画素領域SPXA1、SPXA2、SPXA3の間または境界に配置され、第1~第3サブ画素領域SPXA1、SPXA2、SPXA3とそれぞれ重畳する空間(または領域)を画定することができる。第2バンクBNK2によって画定される空間は、色変換層CCLが提供できる領域であり得る。
【0181】
第2バンクBNK2は、発光素子層EMLで一つの領域を囲むように配置されることができる。第2バンクBNK2は、ベース層BSLの厚さ方向(例えば、第3方向DR3)に突出して、一つの領域を画定することができ、開口部OPNには色変換層CCLが提供される空間が形成されることができる。
【0182】
第2バンクBNK2は、アクリル樹脂(acrylic resin)、エポキシ樹脂(epoxy resin)、フェノール樹脂(phenol resin)、ポリアミド樹脂(polyamide resin)、ポリイミド樹脂(polyimide resin)、ポリエステル樹脂(polyester resin)、ポリフェニレンスルファイド樹脂(polyphenylenesulfide resin)、またはベンゾシクロブテン(benzocyclobutene)などの有機物質を含むことができる。ただし、本開示は必ずしもこれに限定されない。
【0183】
色変換層CCLは、第2バンクBNK2によって囲まれた空間内で、発光素子LD上に配置されることができる。色変換層CCLは、第1サブ画素SPX1に配置された第1色変換層CCL1、第2サブ画素SPX2に配置された第2色変換層CCL2、および第3サブ画素SPX3に配置された散乱層LSLを含むことができる。
【0184】
色変換層CCLは、発光素子LD上に配置されることができる。色変換層CCLは、光の波長を変更するように構成されることができる。実施例によれば、第1~第3サブ画素SPX1、SPX2、SPX3は、互いに同じ色の光を放出する発光素子LDを含むことができる。例えば、第1~第3サブ画素SPX1、SPX2、SPX3は、第3色(または青色)の光を放出する発光素子LDを含むことができる。このような第1~第3サブ画素SPX1、SPX2、SPX3上にそれぞれ色変換粒子を含んだ色変換層CCLが配置されることにより、フルカラーの画像を表示することができる。
【0185】
第1色変換層CCL1は、発光素子LDから放出される第3色の光を第1色の光に変換する第1色変換粒子を含むことができる。例えば、第1色変換層CCL1は、ベース樹脂などのような一つのマトリックス材料内に分散された複数の第1量子ドットQD1を含むことができる。
【0186】
実施例によれば、発光素子LDが青色の光を放出する青色発光素子であり、第1サブ画素SPX1が赤色画素である場合、第1色変換層CCL1は、前記青色発光素子から放出される青色の光を赤色の光に変換する第1量子ドットQD1を含むことができる。第1量子ドットQD1は、青色光を吸収し、エネルギー遷移によって波長をシフトさせて赤色光を放出することができる。一方、第1サブ画素SPX1が異なる色の画素である場合、第1色変換層CCL1は、第1サブ画素SPX1の色に対応する第1量子ドットQD1を含むことができる。
【0187】
第2色変換層CCL2は、発光素子LDから放出される第3色の光を第2色の光に変換する第2色変換粒子を含むことができる。例えば、第2色変換層CCL2は、ベース樹脂などのような一つのマトリックス材料内に分散された複数の第2量子ドットQD2を含むことができる。
【0188】
実施例によれば、発光素子LDが青色の光を放出する青色発光素子であり、第2サブ画素SPX2が緑色画素である場合、第2色変換層CCL2は、前記青色発光素子から放出される青色の光を緑色の光に変換する第2量子ドットQD2を含むことができる。第2量子ドットQD2は、青色の光を吸収し、エネルギー遷移によって波長をシフトさせて緑色光を放出することができる。一方、第2サブ画素SPX2が異なる色の画素である場合、第2色変換層CCL2は、第2サブ画素SPX2の色に対応する第2量子ドットQD2を含むことができる。
【0189】
実施例によれば、可視光線領域のうち比較的短い波長を有する青色の光をそれぞれ第1量子ドットQD1および第2量子ドットQD2に入射させることで、第1量子ドットQD1および第2量子ドットQD2の吸収係数を増加させることができる。これにより、最終的に、第1サブ画素SPX1および第2サブ画素SPX2から放出される光効率を向上させるとともに、優れた色再現性を確保することができる。また、同色の発光素子LD(例えば、青色発光素子)を利用して第1~第3サブ画素SPX1、SPX2、SPX3の発光ユニットEMUを構成することによって、表示装置DDの製造効率を高めることができる。
【0190】
散乱層LSLは、発光素子LDから放出される第3色(または青色)の光を効率的に利用するために備えられることができる。例えば、発光素子LDが青色の光を放出する青色発光素子であり、第3サブ画素SPX3が青色画素である場合、散乱層LSLは、発光素子LDから放出される光を効率的に利用するために、少なくとも1種類の散乱体SCTを含むことができる。例えば、散乱体SCTは、シリカ(silica;SiOx)(例えば、シリカビード(bead)、中空シリカなど)、チタン酸化物(TiOx)、ジルコニウム酸化物(ZrOx)、アルミニウム酸化物(AlxOy)、インジウム酸化物(InxOy)、亜鉛酸化物(ZnOx)、スズ酸化物(SnOx)、およびアンチモン酸化物(SbxOy)の群のうちの1つ以上を含むことができる。ただし、本開示はこれに限定されない。
【0191】
一方、散乱体SCTが第3サブ画素SPX3にのみ配置されるのではなく、第1色変換層CCL1または第2色変換層CCL2の内部にも選択的に含まれてもよい。実施例によれば、散乱体SCTを省略し、透明ポリマーを含む散乱層LSLが提供されてもよい。
【0192】
色変換層CCL上には、第1キャッピング層CPL1が配置されることができる。第1キャッピング層CPL1は、第1~第3サブ画素SPX1、SPX2、SPX3にわたって提供されることができる。第1キャッピング層CPL1は、色変換層CCLをカバーすることができる。第1キャッピング層CPL1は、外部から水分または空気などの不純物が浸透して色変換層CCLを損傷させたり汚染させたりすることを防止できる。
【0193】
第1キャッピング層CPL1は、無機層であって、シリコン窒化物(SiNx)、アルミニウム窒化物(AlNx)、チタン窒化物(TiNx)、シリコン酸化物(SiOx)、アルミニウム酸化物(AlxOy)、チタン酸化物(TiOx)、シリコン酸炭化物(SiOxCy)、およびシリコン酸窒化物(SiOxNy)の群のうちの1つ以上を含むことができる。
【0194】
第1キャッピング層CPL1上には光学層OPLが配置されることができる。光学層OPLは、色変換層CCLから提供された光を全反射によって再利用して、光抽出効率を向上させる役割を果たすことができる。このため、光学層OPLは、色変換層CCLに比べて相対的に低い屈折率を有することができる。例えば、色変換層CCLの屈折率は約1.6~2.0であり、光学層OPLの屈折率は約1.1~1.3であり得る。
【0195】
光学層OPL上には第2キャッピング層CPL2が配置されることができる。第2キャッピング層CPL2は、第1~第3サブ画素SPX1、SPX2、SPX3にわたって提供されることができる。第2キャッピング層CPL2は、光学層OPLをカバーすることができる。第2キャッピング層CPL2は、外部から水分または空気などの不純物が浸透して光学層OPLを損傷させたり汚染させたりすることを防止できる。
【0196】
第2キャッピング層CPL2は無機層であって、シリコン窒化物(SiNx)、アルミニウム窒化物(AlNx)、チタン窒化物(TiNx)、シリコン酸化物(SiOx)、アルミニウム酸化物(AlxOy)、チタン酸化物(TiOx)、シリコン酸炭化物(SiOxCy)、およびシリコン酸窒化物(SiOxNy)の群のうちの1つ以上を含むことができる。
【0197】
第2キャッピング層CPL2上には平坦化層PLLが配置されることができる。平坦化層PLLは、第1~第3サブ画素SPX1、SPX2、SPX3にわたって提供されることができる。
【0198】
平坦化層PLLは、アクリル樹脂(acrylic resin)、エポキシ樹脂(epoxy resin)、フェノール樹脂(phenol resin)、ポリアミド樹脂(polyamide resin)、ポリイミド樹脂(polyimide resin)、ポリエステル樹脂(polyester resin)、ポリフェニレンスルファイド樹脂(polyphenylenesulfide resin)、またはベンゾシクロブテン(benzocyclobutene)などの有機物質を含むことができる。ただし、本開示は必ずしもこれに限定されず、平坦化層PLLは、シリコン酸化物(SiOx)、シリコン窒化物(SiNx)、シリコン酸窒化物(SiOxNy)、アルミニウム窒化物(AlNx)、アルミニウム酸化物(AlxOy)、ジルコニウム酸化物(ZrOx)、ハフニウム酸化物(HfOx)、またはチタン酸化物(TiOx)をはじめとする様々な種類の無機材料を含むことができる。
【0199】
平坦化層PLL上にはカラーフィルタ層CFLが配置されることができる。カラーフィルタ層CFLは、各画素PXLの色に合致するカラーフィルタCF1、CF2、CF3を含むことができる。第1~第3サブ画素SPX1、SPX2、SPX3のそれぞれの色に合致するカラーフィルタCF1、CF2、CF3が配置されることによって、表示装置DDはフルカラーの画像を表示することができる。
【0200】
カラーフィルタ層CFLは、第1サブ画素SPX1に配置され、第1サブ画素SPX1から放出される光を選択的に透過させる第1カラーフィルタCF1、第2サブ画素SPX2に配置され、第2サブ画素SPX2から放出される光を選択的に透過させる第2カラーフィルタCF2、および第3サブ画素SPX3に配置され、第3サブ画素SPX3から放出される光を選択的に透過させる第3カラーフィルタCF3を含むことができる。
【0201】
実施例によれば、第1カラーフィルタCF1、第2カラーフィルタCF2および第3カラーフィルタCF3は、それぞれ赤色カラーフィルタ、緑色カラーフィルタおよび青色カラーフィルタであり得るが、本開示は必ずしもこれに限定されない。以下では、第1カラーフィルタCF1、第2カラーフィルタCF2および第3カラーフィルタCF3のうち任意のカラーフィルタを指すか、又は2種類以上のカラーフィルタをまとめて指すときは「カラーフィルタCF」という。
【0202】
第1カラーフィルタCF1は、第1色変換層CCL1とベース層BSLの厚さ方向(例えば、第3方向DR3)に重畳することができる。第1カラーフィルタCF1は、第1色(または赤色)の光を選択的に透過させるカラーフィルタ物質を含むことができる。例えば、第1サブ画素SPX1が赤色画素である場合、第1カラーフィルタCF1は赤色カラーフィルタ物質を含むことができる。
【0203】
第2カラーフィルタCF2は、第2色変換層CCL2とベース層BSLの厚さ方向(例えば、第3方向DR3)に重畳することができる。第2カラーフィルタCF2は、第2色(または緑色)の光を選択的に透過させるカラーフィルタ物質を含むことができる。例えば、第2サブ画素SPX2が緑色画素である場合、第2カラーフィルタCF2は緑色カラーフィルタ物質を含むことができる。
【0204】
第3カラーフィルタCF3は、散乱層LSLとベース層BSLの厚さ方向(例えば、第3方向DR3)に重畳することができる。第3カラーフィルタCF3は、第3色(または青色)の光を選択的に透過させるカラーフィルタ物質を含むことができる。例えば、第3サブ画素SPX3が青色画素である場合、第3カラーフィルタCF3は青色カラーフィルタ物質を含むことができる。
【0205】
実施例によれば、第1~第3カラーフィルタCF1、CF2、CF3の間に遮光層BMをさらに配置してもよい。このように、遮光層BMを第1~第3カラーフィルタCF1、CF2、CF3の間に形成する場合、表示装置DDの正面または側面から視認される混色不良を防止することができる。遮光層BMの物質は特に限定されず、様々な遮光性物質で構成されることができる。例えば、遮光層BMは、ブラックマトリックスを含むか、第1~第3カラーフィルタCF1、CF2、CF3が互いに積層されて具現されてもよい。
【0206】
カラーフィルタ層CFL上にはオーバーコート層OCが配置されることができる。オーバーコート層OCは、第1~第3サブ画素SPX1、SPX2、SPX3にわたって提供されることができる。オーバーコート層OCは、カラーフィルタ層CFLをはじめとする下部部材をカバーできる。オーバーコート層OCは、前述した下部部材に水分または空気が浸透することを防止できる。また、オーバーコート層OCは、塵のような異物から前述した下部部材を保護することができる。
【0207】
オーバーコート層OCは、アクリル樹脂(acrylic resin)、エポキシ樹脂(epoxy resin)、フェノール樹脂(phenol resin)、ポリアミド樹脂(polyamide resin)、ポリイミド樹脂(polyimide resin)、ポリエステル樹脂(polyester resin)、ポリフェニレンスルファイド樹脂(polyphenylenesulfide resin)またはベンゾシクロブテン(benzocyclobutene)などの有機物質を含むことができる。ただし、本開示は必ずしもこれに限定されず、オーバーコート層OCは、シリコン酸化物(SiOx)、シリコン窒化物(SiNx)、シリコン酸窒化物(SiOxNy)、アルミニウム窒化物(AlNx)、アルミニウム酸化物(AlxOy)、ジルコニウム酸化物(ZrOx)、ハフニウム酸化物(HfOx)、またはチタン酸化物(TiOx)をはじめとする様々な種類の無機材料を含むことができる。
【0208】
外郭フィルム層OFLは、オーバーコート層OC上に配置されることができる。外郭フィルム層OFLは、ベース層BSLの厚さ方向(例えば、第3方向DR3)を基準にして表示装置DDの外郭に配置されて、外部影響を低減させることができる。外郭フィルム層OFLは、第1~第3サブ画素SPX1、SPX2、SPX3にわたって提供されることができる。実施例によれば、外郭フィルム層OFLは、PET(polyethyleneterephthalate)フィルム、低反射フィルム、偏光フィルム、および透過度制御フィルム(transmittance controllable film)の群のうちの1つを含むことができる。ただし、本開示は必ずしもこれに限定されない。実施例によれば、画素PXLは、外郭フィルム層OFLではなく上部基板を含んでもよい。
【0209】
以下では、
図17~
図48を参照して、実施例による発光素子LDの製造方法について説明する。前述した内容と重複する内容については説明を省略する。
【0210】
まず、
図17~
図40を参照して、第1~第6実施例による発光素子LDの製造方法について説明する。
【0211】
図17~
図40は、第1~第6実施例による発光素子の製造方法を示す図である。
図17は、第1~第6実施例による発光素子の製造方法を示すフローチャートである。
【0212】
第1~第6実施例による発光素子LDの製造方法は、成長ベースの第1ベース領域をパターニングするステップS100、半導体層を形成するステップS200、成長ベースの第2ベース領域の一部をパターニングするステップS300、および半導体積層構造を分離するステップS400を含むことができる。
【0213】
図17~
図26を参照して、第1実施例による発光素子LDの製造方法について説明する。
図18~
図26は、第1実施例による発光素子LDの製造方法を示す工程ステップ毎の概略図である。
図18、
図19、
図22~
図26は、第1実施例による発光素子LDの製造方法を示す工程ステップ毎の概略断面図である。
図21および
図22は、第1実施例による発光素子LDの製造方法を示す工程ステップ毎の概略平面図である。
【0214】
図17~
図21を参照すると、成長ベースの第1ベース領域をパターニングするステップS100において、成長ベースGSの少なくとも一部が除去されることができる。
【0215】
本ステップ(phase)において、第1ベース領域BA1および第2ベース領域BA2を含む成長ベースGSが設けられ、成長ベースGSの少なくとも一部がエッチングされることができる。第1ベース領域BA1は、成長ベースGSの一部がエッチングされるための領域に対応することができ、第2ベース領域BA2は、第1ベース領域BA1外の領域を含むことができる。
【0216】
実施例によれば、成長ベースGSをパターニングするために、ドライエッチング工程を行うことができる。例えば、成長ベースGS上にバリア層BARおよびマスクMASをパターニングすることができる。実施例によれば、バリア層BARおよびマスクMASは、平面上で見たときに重畳してもよい。バリア層BARおよびマスクMASは、成長ベースGSの一部領域に配置されなくてもよく、これにより未配置領域NPを形成することができる。バリア層BARおよびマスクMASは、未配置領域NPで成長ベースGSを露出することができる。未配置領域NPは、平面上で見たときに第1ベース領域BA1と重畳してもよい。
【0217】
実施例によれば、バリア層BARは、マスクMASと成長ベースGSとの間に配置されることができる。実施例によれば、バリア層BARは、成長ベースGSをカバーする保護構造であってもよく、後続の工程が行われるときに除去できる犠牲構造であってもよい。例えば、バリア層BARは、犠牲構造であって、ITO(Indium Tin Oxide)を含むことができる。ただし、本開示は必ずしもこれに限定されない。
【0218】
成長ベースGSは、物質を成長させるためのベース板であり得る。例えば、成長ベースGSは、対象物質のエピタキシャル成長(epitaxial growth)のためのウェハ(wafer)であり得る。
【0219】
成長ベースGSは、製造しようとする発光素子LDの絶縁層INFと同じ物質を含むことができる。例えば、前述したように、成長ベースGSがサファイア基板であって、アルミニウム酸化物(AlxOy)を含む場合、絶縁層INFはアルミニウム酸化物(AlxOy)を含むことができる。あるいは、成長ベースGSがシリコン基板(例えば、シリコン(Si)あるいはシリコンカーバイド(SiC)など)である場合、絶縁層INFはシリコン系物質を含むことができる。
【0220】
本ステップにおいて、成長ベースGSの第1ベース領域BA1はエッチングされ、成長ベースGSの第2ベース領域BA2はエッチングされなくてもよい。成長ベースGSの第1ベース領域BA1がエッチングされて、成長ベースGSの内部が凹んだホールHが形成されることができる。
【0221】
例えば、バリア層BARおよびマスクMASが配置されていない領域(例えば、未配置領域NP)は、第1ベース領域BA1と重畳することができる(あるいは対応することができる)。実施例によれば、バリア層BARおよびマスクMASが配置された領域は、第2ベース領域BA2と重畳することができる(あるいは対応することができる)。
【0222】
本ステップにおいて、製造されたホールHの形状は、製造しようとする発光素子LDの半導体積層構造ESSの形状に対応することができる。例えば、本ステップにおいて、製造されたホールHは、一方向に延びる柱状を有することができ、この場合、製造された発光素子LDの半導体積層構造ESSは柱状を有することができる。実施例によれば、ホールHは、長さ方向(例えば、成長ベースGSの厚さ方向)に沿って同じ断面積を有することができる。
【0223】
本ステップにおいて、製造されたホールHの大きさは、発光素子LDの半導体積層構造ESSの大きさに対応できる。例えば、本ステップで製造されたホールHの長さは、製造された発光素子LDの半導体積層構造ESSの長さに対応することができる。本ステップで製造されたホールHの直径は、製造された発光素子LDの半導体積層構造ESSの直径に対応することができる。
【0224】
実施例によれば、ホールHは、井戸部と呼ぶことができる。
【0225】
本ステップにおいて、未配置領域NPの形状は、製造しようとする発光素子LDの断面の形状によって決定されることができる。例えば、成長ベースGSは、未配置領域NPに対応する第1ベース領域BA1でエッチングされることができる。実施例によれば、第1ベース領域BA1(あるいはホールH)の形状は、平面上で見たときに円形状であり得る(
図20)。実施例によれば、第1ベース領域BA1の形状は、平面上で見たときに六角形状であり得る(
図21)。ただし、本開示はこれに限定されず、第1ベース領域BA1(あるいはホールH)の形状は、一多角形状など様々な形状を有することができる。
【0226】
図17および
図22を参照すると、半導体層を形成するステップS200において、半導体層を成長(あるいは形成)させることができる。実施例によれば、マスクMASを除去するステップが行われ、半導体層を順次形成して、半導体積層構造ESSおよび上部半導体積層構造ESS’を形成することができる。半導体層は、エピタキシャル成長法など様々な方式で形成されることができる。
【0227】
本ステップにおいて、未ドープ半導体層USCL、第1半導体層SCL1、SCL1’、活性層AL、AL’、および第2半導体層SCL2、SCL2’が順次形成されることができる。これにより、第1ベース領域BA1と重畳する(例えば、対応する)位置には、半導体積層構造ESSが提供され、第2ベース領域BA2と重畳する(例えば、対応する)位置には、上部半導体積層構造ESS’が提供されることができる。
【0228】
後続の工程が行われることにより、発光素子LDを形成する半導体積層構造ESSに対する直接的なエッチング工程を行うことなく、個別にパターニングされた半導体積層構造ESSを製造することができる。
【0229】
実験的に、発光素子LDを形成するため、半導体積層構造ESSに対してエッチング工程が進行され、個別にパターニングされる場合、半導体積層構造ESSの外面が損傷し、発光効率が減少(例えば、非発光再結合現象の増加など)してしまうリスクがあり得る。
【0230】
実施例によれば、半導体積層構造ESSの外面は、露出された半導体積層構造ESSの少なくとも一部領域を含む領域を意味することができる。半導体積層構造ESSの外面は、露出された半導体積層構造ESSの側面であってもよく、露出された半導体積層構造ESSの上面であってもよい。例えば、半導体積層構造ESSの外面は、半導体積層構造ESSの形状を定義する外郭領域を含むことができる。
【0231】
しかしながら、実施例によれば、半導体積層構造ESSに対して適用されるエッチング工程を行うことなく、半導体積層構造ESSを個別にパターニングすることができ、したがって、発光素子LDの発光効率が低減するリスクを実質的に減少させることができる。例えば、発光素子LDにおける不要な漏洩電流を減少させることができ、発光素子LDにおける非発光再結合などの発生を減少させることができる。これにより、発光素子LDは、非常に丈夫なダイオードとして提供されることができる。
【0232】
実施例によれば、後続の工程が行われるときに、絶縁層INFを形成可能な成長ベースGSの一部と半導体積層構造ESSとが互いに接触するステップは、半導体積層構造ESSを成長させるステップと同じ工程で行われることができる。絶縁層INFを形成する別途の蒸着工程などを行うことなく、半導体積層構造ESSの外面は保護(passivated)されることができる。例えば、本ステップにおいて、絶縁層INFは、半導体積層構造ESSをカバーすることができる。本ステップにおいて、絶縁層INFは、半導体積層構造ESSを保護するためのキャッピング構造を形成することができる。
【0233】
実施例によれば、上部半導体積層構造ESS’は、第2ベース領域BA2と重畳する位置から一方向に突出するように形成されることができ、一領域を囲むようにパターニングされることができる。例えば、上部半導体積層構造ESS’は、上部ホールUHを囲むことができる。上部ホールUHは、平面上で見たときに第1ベース領域BA1および半導体積層構造ESSと重畳することができる。
【0234】
実施例によれば、活性層AL、AL’を形成するための井戸層WLおよび障壁層BLを交互に形成(または蒸着)することができる。これにより、活性層AL、AL’は、量子井戸構造を有するように製造されることができる。実施例によれば、活性層ALの成長条件を制御して、井戸層WLおよび障壁層BLが量子粒子QDを含むように製造することができる。量子粒子QDは、分子線エピタキシー法(molecular beam epitaxy:MBE)など様々な方式で形成されることができ、成長条件を制御することで量子粒子QDの大きさなどを調節することができる。
【0235】
一方、
図23を参照すると、半導体積層構造ESSおよび上部半導体積層構造ESS’を形成した後、ベース電極層ELL0を形成(または蒸着)するステップをさらに行ってもよい。
【0236】
例えば、ベース電極層ELL0は、第1ベース領域BA1および第2ベース領域BA2にわたって形成されることができる。実施例によれば、ベース電極層ELL0は、ITO(Indium Tin Oxide)を含むことができる。ベース電極層ELL0は、スパッタリング工程など様々な方式で形成されることができ、本開示は特定の例に限定されない。
【0237】
図17、
図24、および
図25を参照すると、成長ベースの第2ベース領域の一部をパターニングするステップS300において、成長ベースGSの少なくとも一部が除去されることができ、上部半導体積層構造ESS’が除去されることができる。
【0238】
本ステップにおいて、第2ベース領域BA2と重畳する成長ベースGSの少なくとも一部領域および上部半導体積層構造ESS’を除去するためのドライエッチング工程を行うことができる。ドライエッチングは、第2ベース領域BA2の少なくとも一部に対して行うことができ、第1ベース領域BA1に対して行わなくてもよい。
【0239】
例えば、本ステップで行われるドライエッチング工程は、第1ベース領域BA1に対して行われなくてもよく、これにより半導体積層構造ESSはエッチングされないことができる。本ステップで行われるドライエッチング工程は、第2ベース領域BA2に対して行われることができ、第2ベース領域BA2の少なくとも一部領域では行われなくてもよい。
【0240】
本ステップにおいて、半導体積層構造ESSに直接隣接する成長ベースGSの少なくとも一部は、エッチング工程で除去されないことがある。本ステップにおいて、成長ベースGSの一部として半導体積層構造ESSに隣接し、エッチング工程で除去されなかった一部は、半導体積層構造ESSをカバーする絶縁層INFとして提供されることができる。
【0241】
絶縁層INFを形成するための蒸着工程を行うことなく、半導体積層構造ESSをカバーする絶縁層INFを製造することができる。
【0242】
実施例によれば、成長ベースGSの一部は、発光素子LDの絶縁層INFを形成することができる。実施例によれば、成長ベースGSと絶縁層INFは同じ物質を含むことができる。例えば、成長ベースGSが結晶性構造を含んだ物質を含むことができ、絶縁層INFも同様に結晶性構造を含んだ物質を含むことができる。
【0243】
本ステップにおいて、第2ベース領域BA2の一部の領域を残すことにより、絶縁突出部INF_Pが形成されることができる。絶縁突出部INF_Pは、半導体積層構造ESSの側面を全体的にカバーすることができる。
【0244】
本ステップにおいて、第2ベース領域BA2に適用されるエッチング工程は、上側から下側に向かうエッチング方向EDRに沿って行われることができる。実施例によれば、第2ベース領域BA2に適用されるエッチング工程(例えば、エッチング範囲)は、エッチング方向EDRに沿って第1ベース領域BA1と重畳しなくてもよく、第2ベース領域BA2に適用されるエッチング工程は、エッチング方向EDRに沿って第2ベース領域BA2と重畳するが、第2ベース領域BA2の一部と重畳しないことによって、絶縁層INFとして製造されることができる。エッチング工程は、第1ベース領域BA1に適用されないことから、活性層ALに形成された量子粒子QDには適用されないようにすることができる。
【0245】
実験的に、エッチング方向EDRに沿ってエッチング工程が適用される領域が量子粒子QDと重畳する場合、量子粒子QDが損傷し、量子粒子QDが配置されていた領域は活性層ALの欠陥として提供されてしまう。この場合、発生した欠陥は、発光素子LDの発光効率を低減させるリスクを発生させる可能性がある。しかしながら、実施例によれば、量子粒子QDに対してエッチング工程が適用されるリスクを実質的に解消できることから、発光素子LDの欠陥が防止され、発光素子LDの発光効率を向上させることができる。
【0246】
図17および
図26を参照すると、半導体積層構造を分離するステップS300において、第1半導体層SCL1および絶縁層INFのそれぞれの一部がカットされて、個別に分離された発光素子LDが提供されることができる。
【0247】
本ステップにおいて、発光素子LDを分離するためにレーザリフトオフなどの工程を行うことができる。ただし、本開示はこれに限定されず、様々な工程を適用することができる。
【0248】
図17、
図27~
図30を参照して、第2実施例による発光素子LDの製造方法について説明する。
図27~
図30は、第2実施例による発光素子の製造方法を示す工程ステップ毎の概略図である。前述した内容と重複する内容については説明を省略する。
【0249】
第2実施例による発光素子LDの製造方法は、成長ベースGS上に配置されたバリア層BARがドライエッチングに対する耐性がある物質を含む点が、前述した第1実施例による発光素子LDの製造方法と異なる。
【0250】
第2実施例による発光素子LDの製造方法では、バリア層BARは、チタン(Ti)などのドライエッチングに対する耐性がある物質を含むことができる。例えば、バリア層BARは、チタン(Ti)などのドライエッチングに対する耐性がある物質を含むことができる。そして、第2実施例による発光素子LDの製造方法では、第2ベース領域BA2上には半導体層が形成されなくてもよい。
【0251】
例えば、
図17および
図27を参照すると、半導体層を形成するステップS200において、第2ベース領域BA2内のバリア層BAR上に半導体層が形成されることなく、第1ベース領域BA1内には半導体積層構造ESSが形成されることができる。
【0252】
図28を参照すると、ベース電極層ELL0が第1ベース領域BA1および第2ベース領域BA2にわたって形成されることができ、ベース電極層ELL0は、バリア層BARを少なくともカバーすることができる。
【0253】
図17および
図29を参照すると、成長ベースの第2ベース領域の一部をパターニングするステップS300において、成長ベースGSの少なくとも一部が除去されることができる。
【0254】
例えば、第2ベース領域BA2内の成長ベースGSの少なくとも一部がエッチングされ、第2ベース領域BA2内に残存した成長ベースGSの一部が絶縁層INFを形成することができる。
【0255】
実施例によれば、バリア層BARは、エッチングに対する耐性がある物質を含み得ることから、本エッチング工程が行われた後に、バリア層BARの少なくとも一部は絶縁層INF上に残存することができる。
【0256】
図17および
図30を参照すると、半導体積層構造を分離するステップS400において、第1半導体層SCL1および絶縁層INFのそれぞれの一部がカットされて、個別に分離された発光素子LDが提供されることができる。
【0257】
これにより、前述したように、第2実施例による発光素子LDは半導体積層構造ESSおよび絶縁層INFを含むことができるが、絶縁層INF上にバリア層BARが配置された構造を含むことができる。
【0258】
図17、
図31~
図35を参照して、第3実施例および第4実施例による発光素子LDの製造方法について説明する。
図31~
図35は、第3実施例および第4実施例による発光素子の製造方法を説明するための工程ステップ毎の概略図である。前述した内容と重複する内容については説明を省略する。
【0259】
第3実施例および第4実施例による発光素子LDの製造方法は、ホールHによって画定される(例えば、ホールHと隣接する)成長ベースGSの内側面が傾斜面を有するように、第1ベース領域BA1に対するエッチング工程が行われる点が、前述した第1実施例による発光素子LDの製造方法と異なる。
【0260】
第3および第4実施例による発光素子LDの製造方法において、第1ベース領域BA1内の成長ベースGSは、深い位置ほど狭い面積がエッチングされることができる。この場合、ホールHは、成長ベースGSの深い位置ほど小さな断面積を有することができる。
【0261】
例えば、ホールHは、錐台状を有することができる。例えば、ホールHは、断面の形状に応じて円錐台または多角錐台であり得る。例えば、ホールHは、四角錐台または六角錐台であり得る。ただし、本開示は特定の例に限定されない。
【0262】
図17および
図32を参照すると、半導体層を形成するステップS200において、ホールHに半導体層を順次形成することができ、これにより、長さ方向に沿って異なる断面積を有する半導体積層構造ESSを形成することができる。
【0263】
その後、
図33を参照すると、半導体積層構造ESS上に電極層ELLをパターニングして、電極層ELLを半導体積層構造ESSのそれぞれの第2半導体層SCL2上に配置することができる。
【0264】
図17および
図34を参照すると、成長ベースの第2ベース領域の一部をパターニングするステップS300において、成長ベースGSの少なくとも一部が除去されることができる。
【0265】
例えば、第2ベース領域BA2内の成長ベースGSの少なくとも一部がエッチングされ、第2ベース領域BA2内に残存した成長ベースGSの一部が絶縁層INFを形成することができる。
【0266】
実施例によれば、エッチング工程を行う方向は、半導体積層構造ESSの側面が延びる方向と異なることから、絶縁層INFは、第2半導体層SCL2から第1半導体層SCL1に向かうほど厚い厚さを有することができる。
【0267】
実施例によれば、バリア層BARは、エッチングに対する耐性がある物質を含むことができ、本エッチング工程が行われた後にバリア層BARの少なくとも一部は絶縁層INF上に残存することができ、この場合、第3実施例による発光素子LDが製造されることができる。
【0268】
実施例によれば、バリア層BARがエッチングに対する耐性がある物質ではない物質(例えば、ITO(Indium Tin Oxide)など)を含む場合、バリア層BARは除去され、この場合、第4実施例による発光素子LDが製造されることができる。
【0269】
図17および
図35を参照すると、半導体積層構造を分離するステップS400において、第1半導体層SCL1および絶縁層INFのそれぞれの一部がカットされて、個別に分離された発光素子LDが提供されることができる。
【0270】
これにより、前述したように、第3実施例および第4実施例による発光素子LDは、半導体積層構造ESSおよび絶縁層INFを含むことができ、発光素子LDの長さL方向に沿って半導体積層構造ESSの異なる断面積を有する構造を含むように製造されることができる。
【0271】
図18、
図36~
図40を参照して、第5実施例および第6実施例による発光素子LDの製造方法について説明する。
図36~
図40は、第5実施例および第6実施例による発光素子の製造方法を説明するための工程ステップ毎の概略図である。前述した内容と重複する内容については説明を省略する。
【0272】
第5実施例および第6実施例による発光素子LDの製造方法は、ホールHが段差を有する複数の領域を含むように、第1ベース領域BA1に対するエッチング工程が行われる点が、前述した第1実施例による発光素子LDの製造方法と異なる。
【0273】
第5および第6実施例による発光素子LDの製造方法において、第1ベース領域BA1内の成長ベースGSは、段差を有するようにエッチングされることができ、深い位置ほど狭い面積がエッチングされることができる。
【0274】
図17および
図36を参照すると、成長ベースの第1ベース領域をパターニングするステップS100において、ホールHは、互いに流動的に接続された第1ホールH1、第2ホールH2、および第3ホールH3を含むことができる。第1ホールH1、第2ホールH2、および第3ホールH3は、それぞれ均一な断面積を有することができる。
【0275】
第1ホールH1、第2ホールH2、および第3ホールH3は、互いに異なるサイズを有するが、対応する形状を有することができる。ここで、対応する形状は錐台形状であり得る。実施例によれば、錐台の形状は円錐台あるいは多角錐台であることができる。多角錐台は、四角錐台あるいは六角錐台であり得る。ただし、本開示は特定の例に限定されない。
【0276】
実施例によれば、第2ホールH2の断面積は、第1ホールH1の断面積よりも大きくてもよく、第3ホールH3の断面積よりも小さくてもよい。これにより、ホールHは、略T字状を有することができる。
【0277】
図17および
図37を参照すると、半導体層を形成するステップS200において、ホールHに半導体層を順次形成することができる。実施例によれば、第1ホールH1に第1半導体層SCL1を形成することができ、第2ホールH2に活性層ALを形成することができ、第3ホールH3に第2半導体層SCL2を形成することができる。
【0278】
その後、
図38を参照すると、半導体積層構造ESS上に電極層ELLをパターニングして、電極層ELLを半導体積層構造ESSのそれぞれの第2半導体層SCL2上に配置することができる。
【0279】
図17および
図39を参照すると、成長ベースの第2ベース領域の一部をパターニングするステップS300において、成長ベースGSの少なくとも一部が除去されることができる。
【0280】
例えば、第2ベース領域BA2内の成長ベースGSの少なくとも一部がエッチングされ、第2ベース領域BA2内に残存した成長ベースGSの一部が絶縁層INFを形成することができる。
【0281】
実施例によれば、エッチング工程が行われる方向は半導体積層構造ESSの側面が延びる方向と異なりながら、第1半導体層SCL1、活性層AL、および第2半導体層SCL2のそれぞれの断面積が異なることから、これに相補的に形成された絶縁層INFは第1半導体層SCL1、活性層AL、および第2半導体層SCL2のそれぞれに対応する位置で異なる厚さを有することができる。
【0282】
実施例によれば、バリア層BARは、エッチングに対する耐性がある物質を含むことができ、本エッチング工程が行われた後に、バリア層BARの少なくとも一部は絶縁層INF上に残存することができ、この場合、第5実施例による発光素子LDが製造されることができる。
【0283】
実施例によれば、バリア層BARがエッチングに対する耐性がある物質ではない物質(例えば、ITO(Indium Tin Oxide)など)を含む場合、バリア層BARは除去され、この場合に第6実施例による発光素子LDが製造されることができる。
【0284】
図17および
図40を参照すると、半導体積層構造を分離するステップS400において、第1半導体層SCL1および絶縁層INFのそれぞれの一部がカットされて、個別に分離された発光素子LDが提供されることができる。
【0285】
これにより、前述したように、第3実施例および第4実施例による発光素子LDは、半導体積層構造ESSおよび絶縁層INFを含むことができ、発光素子LDの長さL方向に沿って半導体積層構造ESSの異なる断面積を有する構造を含むように製造されることができる。
【0286】
次に、
図41~
図49を参照して、第7実施例による発光素子LDの製造方法について説明する。前述した内容と重複する内容については説明を省略する。
【0287】
図41~
図48は、第7実施例による発光素子の製造方法を示す図である。
図41は、第7実施例による発光素子の製造方法を示すフローチャートである。
図42~
図48は、第7実施例による発光素子LDの製造方法を示す工程ステップ毎の概略図である。
図49は、実施例による第1発光素子と第2発光素子との間の大きさを比較するための概略図である。前述した内容と重複する内容については説明を省略する。
【0288】
図41を参照すると、第7実施例による発光素子の製造方法は、成長ベースの第1ベース領域をパターニングするステップS1000、半導体層を形成するステップS2000、上部絶縁層を形成するステップS3000、電極層を形成するステップS4000、上部半導体積層構造を分離するステップS5000、成長ベースの第2ベース領域の一部をパターニングするステップS6000、および半導体積層構造を分離するステップS7000を含むことができる。
【0289】
図41および
図42を参照すると、第7実施例による発光素子の製造方法を行うために、成長ベースの第1ベース領域をパターニングするステップS1000が行われることができる。例えば、成長ベースGSの一部をパターニングして、製造しようとする発光素子LDの半導体積層構造ESSの形状に対応するパターンを形成することができる。そして、半導体層を形成するステップS2000が行われて、第1ベース領域BA1には半導体積層構造ESSが形成され、第2ベース領域BA2には成長ベースGS上に上部半導体積層構造ESS’が形成されることができる。
【0290】
例えば、成長ベースGSのパターニングされた凹部内で半導体層が成長して、下部半導体層を形成する半導体積層構造ESSが製造されることができ、成長ベースGSのパターニングされていない突出部上に半導体層が成長して、上部半導体積層構造ESS’が製造されることができる。実施例によれば、上部半導体積層構造ESS’は、上部未ドープ半導体層USCL’、上部第1半導体層SCL1’、上部活性層AL’、および上部第2半導体層SCL2’を含むことができる。
【0291】
前述と同様に、実施例による半導体積層構造ESSに対する直接的なエッチング工程なしに、個別の半導体積層構造ESSを形成できることから、半導体積層構造ESSの構造的安定性が向上し、発光素子LDの発光効率を改善させることができる。
【0292】
図41、
図43、および
図44を参照すると、上部絶縁層を形成するステップS3000において、上部半導体積層構造ESS’をカバーする上部ベース絶縁層INF0’が形成(または蒸着)されることができ、上部ベース絶縁層INF0’をエッチングして、外側絶縁層OINFおよび内側絶縁層INF’を形成することができる。
【0293】
例えば、上部ベース絶縁層INF0’は、第1ベース領域BA1と第2ベース領域BA2とにわたって形成されることができる。これにより、上部ベース絶縁層INF0’の一部は、上部半導体積層構造ESS’上に配置されることができ、上部ベース絶縁層INF0’の他の一部は、半導体積層構造ESS上に配置されることができる。実施例よれば、上部ベース絶縁層INF0’は、上部半導体積層構造ESS’の側面をカバーすることができる。
【0294】
上部ベース絶縁層INF0’は、上部半導体積層構造ESS’を含む第2発光素子LD2(
図46参照)の外側絶縁層OINFを形成することができる。上部ベース絶縁層INF0’は、第7実施例による発光素子LDの内側絶縁層INF’を形成することができる。実施例によれば、上部ベース絶縁層INF0’は、非晶質構造を有することができる。これにより、第7実施例による発光素子LDの内側絶縁層INF’は、非晶質構造を有することができる。
【0295】
図示は省略するが、実施例によれば、上部半導体積層構造ESS’をパターニングするための追加のエッチング工程が行われた後、上部ベース絶縁層INF0’を形成してもよい。例えば、追加のエッチング工程を行って、上部半導体積層構造ESS’の断面形状および大きさが決定されることもできる。
【0296】
本ステップにおいて、上部ベース絶縁層INF0’がエッチングされて、上部半導体積層構造ESS’の上面が露出されてもよく、半導体積層構造ESSの上面が露出されてもよい。
【0297】
図41および
図45を参照すると、電極層を形成するステップS4000において、第1ベース領域BA1内の半導体積層構造ESS上に電極層ELLを形成することができ、第2ベース領域BA2内の上部半導体積層構造ESS’上に上部電極層ELL’を形成することができる。
【0298】
本ステップにおいて、電極層ELL、ELL’がパターニングされることができ、電極層ELL、ELL’の一部は、半導体積層構造ESSと電気的に接続されるように第1ベース領域BA1内に配置されることができ、電極層ELL、ELL’の他の一部は、上部半導体積層構造ESS’と電気的に接続されるように第2ベース領域BA2内に配置されることができる。
【0299】
図41および
図46を参照すると、上部半導体積層構造を分離するステップS5000において、上部半導体積層構造ESS’および外側絶縁層OINFが分離されて、第2発光素子LD2が製造されることができる。
【0300】
第2発光素子LD2は、第2ベース領域BA2と重畳する成長ベースGS上に成長した半導体層に基づいて、個別に分離された素子であり得る。実施例によれば、成長ベースGSのエッチング領域である第1ベース領域BA1内で発光素子LDが製造されるだけでなく、成長ベースGSの非エッチング(non-etched)領域である第2ベース領域BA2内で第2発光素子LD2が製造され得ることから、成長ベースGSの構造を最適に活用することができ、工程にかかる費用を大幅に削減することができる。
【0301】
図41および
図47を参照すると、成長ベースの第2ベース領域の一部をパターニングするステップS6000が行われ、成長ベースGSの少なくとも一部が絶縁層INFとして製造されることができる。
【0302】
例えば、本ステップで分離された第2発光素子LDの下部の構造が除去されることができ、半導体積層構造ESSは互いに離隔されるように製造することができる。
【0303】
図41および
図48を参照すると、半導体積層構造を分離するステップS7000において、半導体積層構造ESS、絶縁層INF、および内側絶縁層INF’が分離されて、第7実施例による発光素子LD(例えば、第1発光素子LD1)が製造されることができる。
【0304】
一方、
図49を参照すると、第1発光素子LD1は、第2発光素子LD2に比べて小さい大きさを有することができる。例えば、第1発光素子LD1の第1直径D1は、第2発光素子LD2の第2直径D2よりも小さくてもよい。例えば、第1発光素子LD1の第1長さL1は、第2発光素子LD2の第2長さL2よりも小さくてもよい。
【0305】
実施例によれば、半導体層に対するエッチング工程を行うことなく個別にパターニングできる第1発光素子LD1は、相対的に小型化された大きさを有することができ、半導体層に対するエッチング工程を行う第2発光素子LD2は、相対的に大きい大きさを有することができる。半導体層に対するエッチング工程を行うか否かによって、発光素子LD1、LD2の大きさが決定できることから、工程を最適化することができる。
【0306】
以上に述べたように、本開示の好ましい実施例を参照して説明したが、当該技術分野の熟練した当業者又は当該技術分野に通常の知識を有する者であれば、後述する特許請求の範囲に記載された本開示の思想および技術領域から逸脱しない範囲内において、本開示を多様に修正および変更可能であることが理解されるべきである。
【0307】
したがって、本開示の技術的範囲は、明細書の詳細な説明に記載された内容に限定されず、特許請求の範囲によって定められるべきである。
【符号の説明】
【0308】
LD 発光素子
SCL1 第1半導体層
SCL2 第2半導体層
AL 活性層
ELL 電極層
INF 絶縁層
INF_P 絶縁突出部
BAR バリア層
ESS 半導体積層構造
DD 表示装置
PXL 画素
SPX サブ画素
GS 成長ベース
BA1 第1ベース領域
BA2 第2ベース領域