IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ オリンパスメディカルシステムズ株式会社の特許一覧

特開2024-98948内視鏡先端部、内視鏡、及び内視鏡の製造方法
<>
  • 特開-内視鏡先端部、内視鏡、及び内視鏡の製造方法 図1
  • 特開-内視鏡先端部、内視鏡、及び内視鏡の製造方法 図2
  • 特開-内視鏡先端部、内視鏡、及び内視鏡の製造方法 図3
  • 特開-内視鏡先端部、内視鏡、及び内視鏡の製造方法 図4
  • 特開-内視鏡先端部、内視鏡、及び内視鏡の製造方法 図5
  • 特開-内視鏡先端部、内視鏡、及び内視鏡の製造方法 図6
  • 特開-内視鏡先端部、内視鏡、及び内視鏡の製造方法 図7
  • 特開-内視鏡先端部、内視鏡、及び内視鏡の製造方法 図8
  • 特開-内視鏡先端部、内視鏡、及び内視鏡の製造方法 図9
  • 特開-内視鏡先端部、内視鏡、及び内視鏡の製造方法 図10
  • 特開-内視鏡先端部、内視鏡、及び内視鏡の製造方法 図11
  • 特開-内視鏡先端部、内視鏡、及び内視鏡の製造方法 図12
  • 特開-内視鏡先端部、内視鏡、及び内視鏡の製造方法 図13
  • 特開-内視鏡先端部、内視鏡、及び内視鏡の製造方法 図14
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024098948
(43)【公開日】2024-07-24
(54)【発明の名称】内視鏡先端部、内視鏡、及び内視鏡の製造方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 1/00 20060101AFI20240717BHJP
【FI】
A61B1/00 716
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023145564
(22)【出願日】2023-09-07
(31)【優先権主張番号】63/438,297
(32)【優先日】2023-01-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】304050923
【氏名又は名称】オリンパスメディカルシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】磯部 洋佑
【テーマコード(参考)】
4C161
【Fターム(参考)】
4C161AA01
4C161BB04
4C161CC06
4C161DD03
4C161FF35
4C161FF43
4C161HH24
4C161JJ06
4C161JJ11
4C161JJ13
(57)【要約】
【課題】組立性を向上させること。
【解決手段】内視鏡先端部10は、第1の貫通孔1292が形成されているとともに第1の空間SP1と第2の空間SP2とを区画する隔壁1281を有する外側部材12と、第2の貫通孔151が形成され、第1の貫通孔1292から第1の空間SP1側に突出した状態で第1の貫通孔1292に適合される第1のシール部材15と、第2の貫通孔151に適合される内側部材21とを備える。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の貫通孔が形成されているとともに第1の空間と第2の空間とを区画する隔壁を有する外側部材と、
第2の貫通孔が形成され、前記第1の貫通孔から前記第1の空間側に突出した状態で前記第1の貫通孔に適合される第1のシール部材と、
前記第2の貫通孔に適合される内側部材とを備える内視鏡先端部。
【請求項2】
前記第1のシール部材における前記第1の空間側の第1端は、
前記第1の貫通孔の内径よりも大きい外径を有する請求項1に記載の内視鏡先端部。
【請求項3】
前記内側部材は、
前記第2の貫通孔から前記第1の空間側に突出した状態で前記第2の貫通孔に適合される請求項2に記載の内視鏡先端部。
【請求項4】
前記内側部材は、
前記第2の貫通孔から前記第1の空間側に突出した状態で前記第2の貫通孔に適合される環状部材と、
前記環状部材の内部に配設される軸部材とを備える請求項3に記載の内視鏡先端部。
【請求項5】
前記環状部材と前記軸部材との間には、
環状の第2のシール部材が挟持される請求項4に記載の内視鏡先端部。
【請求項6】
前記環状部材は、
前記第2の貫通孔から前記第2の空間側に突出した状態で前記第2の貫通孔に適合され、
前記環状部材における前記第2の空間側の端部には、
前記隔壁に対向するフランジが設けられている請求項4に記載の内視鏡先端部。
【請求項7】
前記第1のシール部材は、
前記第1の貫通孔から前記第2の空間側に突出した状態で前記第1の貫通孔に適合され、
前記第1のシール部材における前記第2の空間側の第2端は、
前記第1の貫通孔の内径よりも大きい外径を有し、
前記フランジは、
前記第2端を挟んで前記隔壁に対向する請求項6に記載の内視鏡先端部。
【請求項8】
前記外側部材は、
前記第2端が適合される溝を有する請求項7に記載の内視鏡先端部。
【請求項9】
前記軸部材は、
前記環状部材に対して回動自在に保持されるとともに、前記環状部材の内部から前記第1の空間側に突出した状態で配設され、
前記軸部材における前記第1の空間側に突出した第1の突出部には、
内視鏡用処置具の起上台が接続される請求項4に記載の内視鏡先端部。
【請求項10】
前記軸部材は、
前記環状部材の内部から前記第2の空間側に突出した状態で配設され、
前記軸部材における前記第2の空間側に突出した第2の突出部には、
前記軸部材を回動させるアームが接続される請求項9に記載の内視鏡先端部。
【請求項11】
前記第1のシール部材における前記第1の空間側の第1端は、
前記第1の貫通孔の内径と同じまたは小さい外径を有する請求項1に記載の内視鏡先端部。
【請求項12】
前記内側部材は、
前記第2の貫通孔から前記第1の空間側に突出した状態で前記第2の貫通孔に適合される請求項11に記載の内視鏡先端部。
【請求項13】
前記第1のシール部材における前記第1の空間側の第1端の外径は、
前記第1のシール部材における前記第2の空間側の第2端の外径よりも小さい請求項1に記載の内視鏡先端部。
【請求項14】
前記第1のシール部材は、
前記第1の空間側に配置される第1の部材と、
前記第1の部材と異なる材質からなり、前記第2の空間側に配置される第2の部材とを備える請求項1に記載の内視鏡先端部。
【請求項15】
前記第1の部材は、
前記第2の部材よりも軟質な材料で構成される請求項14に記載の内視鏡先端部。
【請求項16】
前記第1のシール部材は、
インサート成形により成形された部材である請求項15に記載の内視鏡先端部。
【請求項17】
被検体内に挿入される挿入部を備え、
前記挿入部は、
前記挿入部の先端に設けられる内視鏡先端部と、
前記内視鏡先端部の基端側に設けられる可撓管とを備え、
前記内視鏡先端部は、
第1の貫通孔が形成されているとともに第1の空間と第2の空間とを区画する隔壁を有する外側部材と、
第2の貫通孔が形成され、前記第1の貫通孔から前記第1の空間側に突出した状態で前記第1の貫通孔に適合される第1のシール部材と、
前記第2の貫通孔に適合される内側部材とを備える内視鏡。
【請求項18】
第1の空間と第2の空間とを区画する隔壁に形成された第1の貫通孔に第2の貫通孔を有する第1のシール部材を適合し、
前記第2の貫通孔に内側部材を適合し、前記内側部材によって前記第1のシール部材を前記第1の貫通孔の内面に向けて付勢する内視鏡の製造方法。
【請求項19】
前記第1のシール部材は、
前記第1の貫通孔の中心軸に直交する断面での断面積が前記第1の空間側に向かうにしたがって大きい形状を有し、
前記第2の貫通孔に内側部材を適合することで前記内側部材が前記第1のシール部材を前記第1の貫通孔の内面に向けて付勢する請求項18に記載の内視鏡の製造方法。
【請求項20】
前記第2の貫通孔における前記第1の空間側には、
他の部分よりも小径の縮径部が設けられ、
前記第2の貫通孔に内側部材を適合することで前記内側部材が前記縮径部を押圧し、前記第1のシール部材を前記第1の貫通孔の内面に向けて付勢する請求項18に記載の内視鏡の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内視鏡先端部、内視鏡、及び内視鏡の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、柔軟で細長い挿入部を人等の被検体内に挿入し、当該被検体内を観察する内視鏡が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載の内視鏡では、挿入部の先端には、以下に示す先端硬質部、起上台、及びリンク機構が設けられている。
先端硬質部には、穿刺針等の処置具が挿通される処置具挿通用チューブと、当該処置具挿通用チューブに連通するとともに、当該処置具挿通用チューブに対して先端側に位置する凹部とが形成されている。
起上台は、先端硬質部の凹部に回動可能に収納され、回動することで起上状態(起立位置)または倒置状態(非起立位置)に設定され、処置具挿通用チューブを通して凹部に挿通された処置具に当接し、当該処置具の凹部からの突出方向を調整する。
【0003】
リンク機構は、内視鏡の操作部の操作に応じて進退するワイヤの直線運動を回転運動に変換し、起上台を回動させる機構である。このリンク機構は、以下に示す回転軸、アーム部、ハウジング、回転軸シール、及びハウジングシールを備える。
ここで、先端硬質部の凹部の側壁には、当該凹部に連通する第1の貫通孔が設けられている。すなわち、当該側壁は、凹部内と凹部外とに区画する。なお、以下では、当該側壁によって区画される凹部内を第1の空間と記載し、当該側壁によって区画される凹部外を第2の空間と記載する。
【0004】
回転軸は、第1の貫通孔に挿通され、第1の空間において起上台と接続する。
アーム部は、第2の空間において回転軸と接続し、内視鏡の操作部の操作に応じて当該回転軸と一体的に回転する。
ハウジングは、一部が第1の貫通孔に挿通されるとともに、第2の空間において回転軸を回転可能に支持する。
回転軸シールは、回転軸とハウジングとの間を水密に保つシール部材である。
ハウジングシールは、第1の貫通孔の内面とハウジングとの間を水密に保つシール部材である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第7022610号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の内視鏡では、リンク機構は、全ての部材(回転軸、アーム部、ハウジング、回転軸シール、及びハウジングシール)が一体的に構成され、交換可能に構成されている。このため、リンク機構を第2の空間から先端硬質部に組み込む際、ハウジングシールが第1の貫通孔の内面からの摩擦によって、当該ハウジングシールにおける第1の側の第1端が所望の位置から第2の空間側にずれてしまい、水密不良が生じてしまう場合がある。この場合には、再度、組み立てを行う必要がある。
【0007】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、組立性を向上させることができる内視鏡先端部、内視鏡、及び内視鏡の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る内視鏡先端部は、第1の貫通孔が形成されているとともに第1の空間と第2の空間とを区画する隔壁を有する外側部材と、第2の貫通孔が形成され、前記第1の貫通孔から前記第1の空間側に突出した状態で前記第1の貫通孔に適合される第1のシール部材と、前記第2の貫通孔に適合される内側部材とを備える。
【0009】
本発明に係る内視鏡は、被検体内に挿入される挿入部を備え、前記挿入部は、前記挿入部の先端に設けられる内視鏡先端部と、前記内視鏡先端部の基端側に設けられる可撓管とを備え、前記内視鏡先端部は、第1の貫通孔が形成されているとともに第1の空間と第2の空間とを区画する隔壁を有する外側部材と、第2の貫通孔が形成され、前記第1の貫通孔から前記第1の空間側に突出した状態で前記第1の貫通孔に適合される第1のシール部材と、前記第2の貫通孔に適合される内側部材とを備える。
【0010】
本発明に係る内視鏡の製造方法は、第1の空間と第2の空間とを区画する隔壁に形成された第1の貫通孔に第2の貫通孔を有する第1のシール部材を適合し、前記第2の貫通孔に内側部材を適合し、前記内側部材によって前記第1のシール部材を前記第1の貫通孔の内面に向けて付勢する。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る内視鏡先端部、内視鏡、及び内視鏡の製造方法によれば、組立性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、実施の形態に係る内視鏡システムを示す図である。
図2図2は、内視鏡先端部の構成を示す図である。
図3図3は、内視鏡先端部の構成を示す図である。
図4図4は、内視鏡先端部の構成を示す図である。
図5図5は、第1のシール部材の構成を示す図である。
図6図6は、テーパ部の機能を説明する図である。
図7図7は、超音波内視鏡の製造方法を示すフローチャートである。
図8図8は、超音波内視鏡の製造方法を説明する図である。
図9図9は、実施の形態の変形例1を説明する図である。
図10図10は、実施の形態の変形例2を説明する図である。
図11図11は、実施の形態の変形例2を説明する図である。
図12図12は、実施の形態の変形例3を説明する図である。
図13図13は、実施の形態の変形例4を説明する図である。
図14図14は、実施の形態の変形例4を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、図面を参照して、本発明を実施するための形態(以下、実施の形態)について説明する。なお、以下に説明する実施の形態によって本発明が限定されるものではない。さらに、図面の記載において、同一の部分には同一符号を付している。
【0014】
〔内視鏡システムの概略構成〕
図1は、実施の形態に係る内視鏡システム1を示す図である。
内視鏡システム1は、超音波内視鏡を用いて人等の被検体内の超音波診断を行うシステムである。この内視鏡システム1は、図1に示すように、超音波内視鏡2と、超音波観測装置3と、内視鏡観察装置4と、表示装置5とを備える。
【0015】
超音波内視鏡2は、本発明に係る内視鏡に相当する。この超音波内視鏡2は、一部を被検体内に挿入可能とし、当該被検体内の体壁に向けて超音波パルスを送信するとともに当該被検体によって反射された超音波エコーを受信してエコー信号を出力する機能、及び当該被検体内を撮像することで画像信号を出力する機能を有する。
なお、超音波内視鏡2の詳細な構成については、後述する「超音波内視鏡の構成」において説明する。
本実施の形態では、本発明に係る内視鏡として、超音波内視鏡2を採用したが、これに限らず、十二指腸内視鏡等の超音波探触子11を有さない内視鏡を採用しても構わない。
【0016】
超音波観測装置3は、超音波ケーブル31(図1)を経由して超音波内視鏡2に電気的に接続し、当該超音波ケーブル31を経由して当該超音波内視鏡2にパルス信号を出力するとともに当該超音波内視鏡2からエコー信号を入力する。そして、超音波観測装置3では、当該エコー信号に所定の処理を施すことで超音波画像を生成する。
内視鏡観察装置4には、超音波内視鏡2の後述する内視鏡用コネクタ9(図1)が着脱自在に接続される。この内視鏡観察装置4は、図1に示すように、ビデオプロセッサ41と、光源装置42とを備える。
ビデオプロセッサ41は、内視鏡用コネクタ9を経由して超音波内視鏡2からの画像信号を入力する。そして、ビデオプロセッサ41は、当該画像信号に所定の処理を施して内視鏡画像を生成する。
光源装置42は、内視鏡用コネクタ9を経由して被検体内を照明する照明光を超音波内視鏡2に供給する。
表示装置5は、液晶または有機EL(Electro Luminescence)を用いたディスプレイであり、超音波観測装置3によって生成された超音波画像や、内視鏡観察装置4によって生成された内視鏡画像等を表示する。
【0017】
〔超音波内視鏡の構成〕
超音波内視鏡2は、図1に示すように、挿入部6と、操作部7と、ユニバーサルコード8と、内視鏡用コネクタ9とを備える。
なお、以下に記載する「先端側」は、挿入部6の先端側(被検体内への挿入方向の先端側)を意味する。また、以下に記載する「基端側」は、挿入部6の先端から離間する側を意味する。
【0018】
挿入部6は、被検体内に挿入される部分である。この挿入部6は、図1に示すように、内視鏡先端部10と、湾曲部61と、可撓管62とを備える。
ここで、挿入部6、操作部7、ユニバーサルコード8、及び内視鏡用コネクタ9の内部には、光源装置42から供給された照明光を伝送するライトガイド(図示略)と、上述したパルス信号及びエコー信号を伝送する振動子ケーブル(図示略)と、画像信号を伝送する信号ケーブル(図示略)とが引き回されているとともに、流体を流通させるための管路(図示略)が設けられている。
【0019】
内視鏡先端部10は、挿入部6の先端に設けられている。
なお、内視鏡先端部10の詳細な構成については、後述する「内視鏡先端部の構成」において説明する。
湾曲部61は、内視鏡先端部10の基端側に連結され、湾曲可能とする。
可撓管62は、湾曲部61の基端側に連結され、可撓性を有する。
【0020】
操作部7は、挿入部6の基端側に連結され、医師等から各種操作を受け付ける部分である。この操作部7は、図1に示すように、湾曲部61を湾曲操作するための湾曲ノブ71と、各種操作を行うための複数の操作部材72とを備える。
また、操作部7には、湾曲部61及び可撓管62の内部に設けられたチューブ(図示略)に連通し、当該チューブに処置具(図示略)を挿通するための処置具挿入口73が設けられている。
【0021】
ユニバーサルコード8は、操作部7から延在し、上述したライトガイド(図示略)、上述した振動子ケーブル(図示略)、上述した信号ケーブル(図示略)、及び上述した管路(図示略)が配設されたコードである。
内視鏡用コネクタ9は、ユニバーサルコード8の端部に設けられている。そして、内視鏡用コネクタ9は、超音波ケーブル31が接続されるとともに、内視鏡観察装置4に刺し込まれることでビデオプロセッサ41及び光源装置42に接続する。
【0022】
〔内視鏡先端部の構成〕
図2ないし図4は、内視鏡先端部10の構成を示す図である。具体的に、図2は、内視鏡先端部10の一部を分解した分解斜視図である。図3は、内視鏡先端部10の斜視図である。なお、図3では、超音波探触子11、カバー部材20、及び蓋体1295を取り外した状態を示している。図4は、挿入部6の中心軸Ax(図2図3)に直交する平面によって内視鏡先端部10を切断した断面の一部を示す図である。当該中心軸Axは、挿入部6の延在方向に沿う当該挿入部6の中心軸である。
内視鏡先端部10は、図2ないし図4に示すように、超音波探触子11(図2)と、先端硬質部12と、起上台13(図3図4)と、リンク機構14とを備える。
【0023】
超音波探触子11は、コンベックス型の超音波探触子であり、凸型の円弧を形成する状態で規則的に配列された複数の超音波振動子(図示略)を有する。なお、超音波探触子11としては、コンベックス型の超音波探触子に限らず、ラジアル型の超音波探触子を採用しても構わない。
ここで、超音波振動子は、音響レンズ、圧電素子、及び整合層を有し、被検体内の体壁よりも内部の超音波断層画像に寄与する超音波エコーを取得する。
そして、超音波探触子11は、超音波ケーブル31及び上述した振動子ケーブル(図示略)を経由して超音波観測装置3から入力したパルス信号を超音波パルスに変換して被検体内に送信する。また、超音波探触子11は、被検体内で反射された超音波エコーを電気的なエコー信号に変換し、上述した振動子ケーブル(図示略)及び超音波ケーブル31を経由して超音波観測装置3に出力する。
【0024】
先端硬質部12は、本発明に係る外側部材に相当する。この先端硬質部12は、樹脂材料等から構成された硬質部材であり、中心軸Axに沿って延在する略円柱形状を有する。
この先端硬質部12において、先端側の外周面には、先端に向かうにしたがって当該先端硬質部12を先細形状とする傾斜面121(図2図3)が設けられている。
そして、先端硬質部12には、図3に示すように、基端から先端まで貫通した取付用孔122、基端から傾斜面121までそれぞれ貫通した照明用孔123、撮像用孔124、送気送水用孔125、及び処置具チャンネル126等が設けられている。
【0025】
取付用孔122は、超音波探触子11が取り付けられる孔である。そして、取付用孔122の内部には、超音波探触子11に電気的に接続する上述した振動子ケーブル(図示略)が挿通される。
【0026】
照明用孔123の内部には、上述したライトガイド(図示略)の出射端側と、当該ライトガイドの出射端から出射された照明光を被検体内に照射する照明レンズ1231(図3)とが配設されている。
撮像用孔124の内部には、被検体内に照射され、当該被検体内で反射された光(被写体像)を集光する対物光学系1241(図3)、及び当該対物光学系1241によって集光された被写体像を撮像する撮像素子(図示略)が配設されている。そして、当該撮像素子によって撮像された画像信号は、上述した信号ケーブル(図示略)を経由して内視鏡観察装置4(ビデオプロセッサ41)に伝送される。
【0027】
送気送水用孔125は、上述した管路(図示略)の一部を構成し、撮像用孔124に向けて送気または送水し、対物光学系1241の外面を洗浄するための孔である。
処置具チャンネル126は、処置具挿入口73から挿入部6の内部の上述したチューブ(図示略)に挿通された処置具(図示略)を外部に突出させる通路である。この処置具チャンネル126は、図3及び図4に示すように、処置具挿通孔127(図3)と、収納溝128とを備える。
処置具挿通孔127は、先端硬質部12の基端から先端側に延在し、処置具(図示略)が挿通される部分である。
収納溝128は、処置具挿通孔127に連通するとともに、当該処置具挿通孔127から中心軸Axに沿って先端側に延在した溝である。
【0028】
起上台13は、図3及び図4に示すように、回動軸RAx(図4)を中心として回動可能に収納溝128の内部に収納されている。そして、起上台13は、処置具挿通孔127を通して収納溝128に挿通された処置具(図示略)に当接し、当該処置具の収納溝128からの突出方向を調整する。
【0029】
リンク機構14は、医師等による操作部7への操作に応じて、起上台13を回動させる機構である。
以下、リンク機構14の構成について説明する。
【0030】
〔リンク機構の構成〕
リンク機構14は、図2ないし図4に示すように、収納溝128の側方に位置し、先端硬質部12の外面から当該収納溝128に向けて窪む凹部129内に設置される。
この凹部129の底部1291は、収納溝128を構成する一方の側壁1281(図4)によって構成される。当該側壁1281は、回動軸RAxに直交する壁部であり、収納溝128内と凹部129内とを区画する。すなわち、当該側壁1281は、本発明に係る隔壁に相当する。以下では、収納溝128内を第1の空間SP1(図4)と記載し、凹部129内を第2の空間SP2(図4)と記載する。
【0031】
底部1291の回動軸RAx上には、図4に示すように、側壁1281を貫通し、第1,第2の空間SP1,SP2を連通する第1の貫通孔1292が設けられている。この第1の貫通孔1292は、回動軸RAxと同軸となる平面視円形状を有する。
また、第1の貫通孔1292における第2の空間SP2側の周縁部分には、図2または図4に示すように、第1の空間SP1側に向けて窪み、回動軸RAxと同軸となる平面視円形状の溝1293が設けられている。
【0032】
さらに、凹部129の開口1294には、図2または図4に示すように、蓋体1295が取り付けられる。この蓋体1295は、開口1294と略同一の平面形状を有し、当該開口1294に取り付けられることにより、凹部129を閉塞する。
【0033】
そして、リンク機構14は、図2ないし図4に示すように、第1のシール部材15(図2図3)と、ハウジング16と、軸部材17と、アーム18と、第2のシール部材19(図4)と、カバー部材20(図2図4)とを備える。
【0034】
図5は、第1のシール部材15の構成を示す図である。具体的に、図5は、回動軸RAxを含む平面によって第1のシール部材15を切断した断面図である。なお、図5は、後述するステップS3を実施する前の第1のシール部材15を示した図である。
第1のシール部材15は、ゴムまたはシリコーン等の弾性を有する材料によって構成され、第1の貫通孔1292の内周面とハウジング16との間を水密に保つシール部材である。この第1のシール部材15は、第1の貫通孔1292の内径寸法と略同一の外径寸法を有する円環形状を有し、当該第1の貫通孔1292から第1の空間SP1側に突出した状態で当該第1の貫通孔1292に適合(fit in)される。
以下では、説明の便宜上、第1のシール部材15において、第1の空間SP1側の端部を第1端150a(図4図5)と記載し、第2の空間SP2側の端部を第2端150b(図4図5)と記載する。
【0035】
ここで、円環形状である第1のシール部材15の内周面は、本発明に係る第2の貫通孔151(図5)に相当する。
本実施の形態では、第1のシール部材15の内周面には、図5に示すように、第1の縮径部152が設けられている。
第1の縮径部152は、本発明に係る縮径部に相当する。この第1の縮径部152は、第1の空間SP1側に向かうにしたがって第2の貫通孔151の内径寸法を次第に小さくする部分である。なお、第2の貫通孔151の内径寸法が小さくなり始める位置P1としては、図5では第1のシール部材15における中心軸(回動軸RAx)に沿う方向の略中心位置としているが、これに限らず、溝1293を除く第1の貫通孔1292の内周面とハウジング16における後述する第1の軸受部161とで挟まれる領域Ar1(図4)内であれば、どの位置でも構わない。
【0036】
また、第1のシール部材15の外周面において、第2端150bには、当該第1のシール部材15の径方向に張り出した平面視円形状の張出部153が設けられている。そして、第1のシール部材15が第1の貫通孔1292に適合された状態では、張出部153は、溝1293に適合される。
【0037】
ハウジング16は、硬質な材料によって構成され、ネジSC1(図2)によって第2の空間SP2に設置される。そして、ハウジング16は、回動軸RAxを中心として軸部材17を回動可能に支持する。このハウジング16は、図2または図4に示すように、第1の軸受部161と、第2の軸受部162と、接続部163とを備える。
第1の軸受部161は、円環形状を有し、第2の貫通孔151から第1の空間SP1側に突出した状態で当該第2の貫通孔151に適合される。すなわち、第1の軸受部161は、本発明に係る環状部材に相当する。以下では、説明の便宜上、円環形状である第1の軸受部161の内周面を第1の軸受孔1611と記載する。そして、第1の軸受部161は、回動軸RAxを中心として、第1の軸受孔1611に挿通された軸部材17を回動可能に支持する。
この第1の軸受部161の外周面において、第2の空間SP2側の端部には、図2または図4に示すように、底部1291に対向する平板状の第1のフランジ1612が設けられている。この第1のフランジ1612は、本発明に係るフランジに相当する。
【0038】
第2の軸受部162は、第1の軸受部161に対して第2の空間SP2側に位置し、当該第1の軸受部161に対して所定の間隔を空けて対向する。この第2の軸受部162には、図2または図4に示すように、軸部材17が挿通される第2の軸受孔1621が設けられている。そして、第2の軸受部162は、第1の軸受部161とともに、回動軸RAxを中心として、第2の軸受孔1621に挿通された軸部材17を回動可能に支持する。
この第2の軸受部162には、図2ないし図4に示すように、第1のフランジ1612に対向する平板状の第2のフランジ1622が設けられている。
接続部163は、第1,第2の軸受部161,162を接続する部分である。
【0039】
軸部材17は、硬質な材料によって構成され、回動軸RAxに沿って延在する略円柱形状を有する。この軸部材17は、図4に示すように、第1,第2の軸受孔1611,1621に挿通された状態で回動軸RAxを中心として回動可能に軸支される。また、軸部材17は、第1の空間SP1に突出して配置される第1の突出部171(図4)を有する。当該第1の突出部171は、第1の空間SP1に配置される起上台13に接続する。すなわち、軸部材17は、回動軸RAxを中心として起上台13と一体的に回動する。
以上説明した第1の軸受部161及び軸部材17は、本発明に係る内側部材21(図4)に相当する。
【0040】
アーム18は、硬質な材料によって構成され、回動軸RAxに沿って延在する柱状体である。そして、アーム18は、図2または図4に示すように、第1,第2の軸受部161,162の間に配設される。
このアーム18には、回動軸RAxと同軸となる円孔181(図4)が設けられている。そして、軸部材17は、第2の空間SP2に突出して配置される第2の突出部172(図4)を有する。当該第2の突出部172は、円孔181に挿通された状態で、アーム18に固定される。
【0041】
また、アーム18には、図3に示すように、医師等による操作部7へのユーザ操作に応じて進退するワイヤWの一端に設けられたワイヤ先端部W1(図2図3)と係合するワイヤ係合部182が設けられている。
ここで、ワイヤ先端部W1は、回動軸RAxに平行な方向に沿って延在する円柱形状を有する。そして、ワイヤ係合部182は、ワイヤ先端部W1と略同一の内面形状を有し、第2の空間SP2側から第1の空間SP1側に向けて回動軸RAxに平行な方向に沿って窪む凹部によって構成されている。
【0042】
また、アーム18には、図3に示すように、柱状体である当該アーム18の側面からワイヤ係合部182まで連通し、ワイヤ先端部W1を当該側面から当該ワイヤ係合部182に挿入するためのスリット183が形成されている。
【0043】
そして、医師等による操作部7へのユーザ操作に応じてワイヤWが進退すると、アーム18は、回動軸RAxを中心として軸部材17及び起上台13と一体的に回動する。すなわち、起上台13が回動することによって、処置具挿通孔127を通して収納溝128に挿通された処置具(図示略)の収納溝128からの突出方向が調整される。
【0044】
ここで、第2のフランジ1622には、以下の問題を解決するためにテーパ部1623(図3)が設けられている。
図6は、テーパ部1623の機能を説明する図である。具体的に、図6は、図3に対応した図であり、テーパ部1623が設けられていない状態を例示した図である。
例えば、組立中にワイヤWが曲がった場合には、ワイヤ先端部W1がワイヤ係合部182から第2のフランジ1622側(図6の矢印ARの方向)に動き、当該第2のフランジ1622に引っ掛かってしまう場合がある。この場合には、起上台13を回動させることができなくなる虞がある。
そして、テーパ部1623は、上述したワイヤ先端部W1における第2のフランジ1622への引っ掛かりを防止するために、当該第2のフランジ1622において、ワイヤ先端部W1に対向する部分に設けられたテーパ状の加工部分である。
【0045】
第2のシール部材19は、ゴムまたはシリコーン等の弾性を有する材料によって構成され、図4に示すように、軸部材17が内部に適合される円環形状を有し、第1の軸受部161と当該軸部材17との間を水密に保つシール部材である。
【0046】
カバー部材20は、硬質な材料によって構成され、ネジSC2(図2)によって凹部129を閉塞する状態でハウジング16に固定される。
【0047】
〔超音波内視鏡の製造方法〕
次に、超音波内視鏡2の製造方法について説明する。
図7は、超音波内視鏡2の製造方法を示すフローチャートである。図8は、超音波内視鏡2の製造方法を説明する図である。具体的に、図8は、図4に対応した図である。
なお、以下では、説明の便宜上、超音波内視鏡2の製造方法として、内視鏡先端部10の組立方法を図4図7及び図8を参照しつつ説明する。図4は、ステップS3を実施した後の状態を示している。図8は、ステップS3を実施する前の状態を示している。
【0048】
先ず、作業者は、リンク機構14のうち、ハウジング16、軸部材17、アーム18、及び第2のシール部材19を組み立てる(ステップS1)。以下では、ハウジング16、軸部材17、アーム18、及び第2のシール部材19が組み立てられたユニットをリンク機構ユニット140(図8)と記載する。
【0049】
ステップS1の後、作業者は、図8に示すように、第1のシール部材15を第1の貫通孔1292から第1の空間SP1側に突出した状態で当該第1の貫通孔1292に適合する(ステップS2)。この際、張出部153は、溝1293に適合される。
【0050】
ステップS2の後、作業者は、図8に示すように、リンク機構ユニット140における軸部材17を第2の貫通孔151に挿通し、第1の軸受部161を当該第2の貫通孔151から第1の空間SP1側に突出した状態で当該第2の貫通孔151に適合する(ステップS3)。この際、第1の軸受部161が第1の縮径部152を押圧し、第1のシール部材15を第1の貫通孔1292の内面に向けて付勢する。そして、この状態では、図4に示すように、第1端150aの外径寸法は、第1の貫通孔1292の内径寸法よりも大きいものとなる。また、第1のフランジ1612は、第2端150bを挟んで底部1291に対向する。
【0051】
ステップS3の後、作業者は、第1の空間SP1において軸部材17と起上台13とを接続するとともに、ワイヤ先端部W1をアーム18に設置し、カバー部材20及び蓋体1295によって凹部129を閉塞する(ステップS4)。
【0052】
以上説明した本実施の形態によれば、以下の効果を奏する。
本実施の形態に係る超音波内視鏡2の製造方法では、第1のシール部材15を第1の貫通孔1292に予め適合した状態(ステップS2)で、リンク機構ユニット140における第1の軸受部161を第2の貫通孔151に適合する(ステップS3)。
このため、内視鏡先端部10を組み立てるにあたって、第1のシール部材15の第1端150aが所望の位置から第2の空間SP2側にずれ、水密不良が生じてしまう場合がない。
したがって、本実施の形態に係る超音波内視鏡2の製造方法によれば、組立性を向上させることができる。
【0053】
特に、第1のシール部材15には、第1の縮径部152が設けられている。
このため、リンク機構ユニット140における第1の軸受部161を第2の貫通孔151に適合する際、第1の軸受部161が第1の縮径部152を押圧し、第1のシール部材15を第1の貫通孔1292の内面に向けて付勢することができる。したがって、第1の貫通孔1292の内面と第1の軸受部161との間の水密状態を確実に確保することができる。
【0054】
また、第1のシール部材15には、溝1293に適合される張出部153が設けられている。
このため、リンク機構ユニット140における第1の軸受部161を第2の貫通孔151に適合する際、張出部153によって、当該第1の軸受部161からの摩擦によって第1のシール部材15が第1の空間SP1側にずれることを抑制することができる。すなわち、第1のシール部材15が所望の位置からずれてしまうことを防止することができる。したがって、第1の貫通孔1292の内面と第1の軸受部161との間の水密状態を良好に確保することができる。
【0055】
(その他の実施形態)
ここまで、本発明を実施するための形態を説明してきたが、本発明は上述した実施の形態によってのみ限定されるべきものではない。
上述した実施の形態では、内視鏡システム1は、超音波画像を生成する機能、及び内視鏡画像を生成する機能の双方を有していたが、これに限らず、いずれかの機能のみを有する構成としても構わない。
上述した実施の形態において、内視鏡システム1は、医療分野に限らず、工業分野において、機械構造物等の被検体の内部を観察する内視鏡システムとしても構わない。
上述した実施の形態において、以下に示す変形例1~4の構成を採用しても構わない。
【0056】
(変形例1)
図9は、実施の形態の変形例1を説明する図である。具体的に、図9は、図5に対応した図である。
上述した実施の形態において、図9に示した本変形例1のように、第1のシール部材15の外周面に第2の縮径部154を設けても構わない。
第2の縮径部154は、第1の空間SP1側に向かうにしたがって第1のシール部材15の外径寸法を次第に小さくする部分である。
【0057】
以上説明した本変形例1によれば、上述した実施の形態と同様の効果の他、以下の効果を奏する。
本変形例1に係る第1のシール部材15には、第2の縮径部154が設けられている。
このため、第1のシール部材15を第1の貫通孔1292に適合し易い構造を実現することができる。
【0058】
(変形例2)
図10及び図11は、実施の形態の変形例2を説明する図である。具体的に、図10は、図4に対応した図である。図11は、図5に対応した図である。
上述した実施の形態において、図10及び図11に示した本変形例2の構成を採用しても構わない。
具体的に、本変形例2に係る第1のシール部材15では、図11に示すように、第1の縮径部152が設けられていない。すなわち、第2の貫通孔151の内径寸法は、全ての位置で略同一に設定されている。
【0059】
また、本変形例2に係る先端硬質部12では、図10に示すように、第1の貫通孔1292の内周面に第1の縮径部1296が設けられている。
第1の縮径部1296は、図10に示すように、第1の空間SP1側に向かうにしたがって第1の貫通孔1292の内径寸法を次第に小さくする部分である。なお、第1の貫通孔1292の内径寸法が小さくなり始める位置P1としては、上述した実施の形態と同様に、溝1293を除く第1の貫通孔1292の内周面と第1の軸受部161とで挟まれる領域Ar1内であれば、どの位置でも構わない。
【0060】
以上説明した本変形例2の構成を採用した場合であっても、上述した実施の形態と同様の効果を奏する。
【0061】
(変形例3)
図12は、実施の形態の変形例3を説明する図である。具体的に、図12は、図5に対応した図である。
上述した実施の形態において、図12に示した本変形例3のように、第1のシール部材15を互いに異なる2つの材料によって構成しても構わない。
具体的に、本変形例3に係る第1のシール部材15は、図12に示すように、第1の空間SP1側に配置される第1の部材155と、第2の空間SP2側に配置される第2の部材156とを備える。
第2の部材156は、第2端150bを含む部分であり、金属等の硬質な材料によって構成されている。
第1の部材155は、第1端150aを含む部分であり、第2の部材156よりも軟質なゴムまたはシリコーン等の弾性を有する材料によって構成され、第2の部材156に対して例えばインサート成形によって形成されている。
【0062】
以上説明した本変形例3によれば、上述した実施の形態と同様の効果の他、以下の効果を奏する。
本変形例3に係る第1のシール部材15は、金属等の硬質な材料によって構成された第2の部材156と、当該第2の部材156に対して例えばインサート成形によって構成された第1の部材155とを備える。
このため、第1のシール部材15の強度を向上させることができる。また、第1の貫通孔1292への第1のシール部材15の位置決めや、当該第1のシール部材15への第1の軸受部161の位置決めを行い易い構造を実現することができる。
【0063】
(変形例4)
図13及び図14は、実施の形態の変形例4を説明する図である。具体的に、図13は、図8に対応した図である。図14は、図4に対応した図である。
上述した実施の形態において、図13及び図14に示した本変形例4の構成を採用しても構わない。
具体的に、本変形例4に係る第1のシール部材15は、図13に示すように、上述した変形例1と同様に、第2の縮径部154を有する。
そして、内視鏡先端部10を組み立てた状態、すなわち、ステップS3を実施した後の状態では、図14に示すように、第1端150aの外径寸法は、第1の貫通孔1292の内径寸法と同じまたは小さいものとなる。
【0064】
以上説明した本変形例4の構成を採用した場合であっても、上述した実施の形態及び変形例1と同様の効果を奏する。
【符号の説明】
【0065】
1 内視鏡システム
2 超音波内視鏡
3 超音波観測装置
4 内視鏡観察装置
5 表示装置
6 挿入部
7 操作部
8 ユニバーサルコード
9 内視鏡用コネクタ
10 内視鏡先端部
11 超音波探触子
12 先端硬質部
13 起上台
14 リンク機構
15 第1のシール部材
16 ハウジング
17 軸部材
18 アーム
19 第2のシール部材
20 カバー部材
21 内側部材
31 超音波ケーブル
41 ビデオプロセッサ
42 光源装置
61 湾曲部
62 可撓管
71 湾曲ノブ
72 操作部材
73 処置具挿入口
121 傾斜面
122 取付用孔
123 照明用孔
124 撮像用孔
125 送気送水用孔
126 処置具チャンネル
127 処置具挿通孔
128 収納溝
129 凹部
140 リンク機構ユニット
150a 第1端
150b 第2端
151 第2の貫通孔
152 第1の縮径部
153 張出部
154 第2の縮径部
155 第1の部材
156 第2の部材
161 第1の軸受部
162 第2の軸受部
163 接続部
171 第1の突出部
172 第2の突出部
181 円孔
182 ワイヤ係合部
183 スリット
1231 照明レンズ
1241 対物光学系
1281 側壁
1291 底部
1292 第1の貫通孔
1293 溝
1294 開口
1295 蓋体
1296 第1の縮径部
1611 第1の軸受孔
1612 第1のフランジ
1621 第2の軸受孔
1622 第2のフランジ
1623 テーパ部
Ar1 領域
Ax 中心軸
P1 位置
RAx 回動軸
SC1,SC2 ネジ
SP1 第1の空間
SP2 第2の空間
W ワイヤ
W1 ワイヤ先端部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14