(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024098951
(43)【公開日】2024-07-24
(54)【発明の名称】燃料電池発電装置
(51)【国際特許分類】
H01M 8/04 20160101AFI20240717BHJP
H01M 8/2475 20160101ALI20240717BHJP
H01M 8/04029 20160101ALI20240717BHJP
H01M 8/10 20160101ALN20240717BHJP
【FI】
H01M8/04 Z
H01M8/2475
H01M8/04029
H01M8/10 101
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023184876
(22)【出願日】2023-10-27
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-07-17
(31)【優先権主張番号】P 2023002355
(32)【優先日】2023-01-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000005234
【氏名又は名称】富士電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】加藤 太一郎
(72)【発明者】
【氏名】高橋 邦幸
(72)【発明者】
【氏名】福村 琢
(72)【発明者】
【氏名】三上 誠
【テーマコード(参考)】
5H126
5H127
【Fターム(参考)】
5H126BB06
5H126FF10
5H127AA06
5H127AC07
5H127AC08
5H127AC14
5H127BA02
5H127BA28
5H127BA33
5H127BA57
5H127BB02
5H127BB12
5H127BB18
5H127BB37
5H127DA06
5H127EE02
5H127EE03
(57)【要約】
【課題】燃料電池ユニット及び補機ユニットを一体で運搬可能な燃料電池発電装置を提供する。
【解決手段】第1方向に長手方向を有する移動用架台と、燃料電池セルを動作させる際に使用される補機ユニットを含む燃料電池モジュールと、を備え、前記移動用架台は、内部に前記第1方向の第1側もしくは前記第1側と反対側である第2側の少なくとも一方が開放された空間を有する第1枠部材及び第2枠部材と、前記第2枠部材は、前記第1枠部材から前記第1方向に交差する第2方向に離隔し、前記第1枠部材及び前記第2枠部材のそれぞれは前記第1方向に延び、前記第1枠部材及び前記第2枠部材のそれぞれの上部に前記燃料電池モジュールが載置される燃料電池発電装置。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方向に長手方向を有する移動用架台と、
燃料電池セルと、前記燃料電池セルを動作させる際に使用される補機と、を含む燃料電池モジュールと、
を備え、
前記移動用架台は、内部に前記第1方向の第1側もしくは前記第1側と反対側である第2側の少なくとも一方が開放された空間を有する第1枠部材及び第2枠部材を備え、
前記第2枠部材は、前記第1枠部材から前記第1方向に交差する第2方向に離隔し、
前記第1枠部材及び前記第2枠部材のそれぞれは前記第1方向に延び、
前記第1枠部材及び前記第2枠部材のそれぞれの上部に前記燃料電池モジュールが載置される、
燃料電池発電装置。
【請求項2】
第1方向に長手方向を有する移動用架台と、
燃料電池セルと、前記燃料電池セルを動作させる際に使用される補機と、を含む燃料電池モジュールと、
を備え、
前記移動用架台は、前記第1方向に延びる第1枠部材及び第2枠部材を備え、
前記第2枠部材は前記第1枠部材から前記第1方向に交差する第2方向に離隔し、
前記第1枠部材及び前記第2枠部材のそれぞれの上部に前記燃料電池モジュールが載置され、
前記第1枠部材及び前記第2枠部材のそれぞれは、前記第1方向における同じ位置に、前記第2方向に貫通する空間を備える、
燃料電池発電装置。
【請求項3】
前記第1枠部材及び前記第2枠部材のそれぞれは、C字形部材もしくは角パイプである、
請求項1又は請求項2のいずれかに記載の燃料電池発電装置。
【請求項4】
前記第1枠部材が有する前記空間は、前記第1側から運搬機器の載荷部材の一方が挿入されるように形成され、
前記第2枠部材が有する前記空間は、前記第1側から前記運搬機器の載荷部材の他方が挿入されるように形成される、
請求項1に記載の燃料電池発電装置。
【請求項5】
前記第1枠部材が有する前記空間は、前記第1枠部材の前記第1側から前記第2側にわたって形成され、
前記第2枠部材が有する前記空間は、前記第2枠部材の前記第1側から前記第2側にわたって形成される、
請求項1に記載の燃料電池発電装置。
【請求項6】
前記補機を備える補機ユニットを備え、
前記補機ユニットは、前記燃料電池モジュールを冷却する第1冷却液と外部から供給される第2冷却液との間で熱交換を行う熱交換器と、前記第1冷却液に含まれるイオンを除去するイオン交換器と、前記第1冷却液を貯蔵するリザーバータンクと、を備える、
請求項1に記載の燃料電池発電装置。
【請求項7】
前記補機ユニットは枠を備え、
前記熱交換器、前記イオン交換器及び前記リザーバータンクは、平面視において前記枠の内側に設けられる、
請求項6に記載の燃料電池発電装置。
【請求項8】
前記枠は、直方体形状であって、前記熱交換器、前記イオン交換器及び前記リザーバータンクは、前記枠の内側に設けられる、
請求項7に記載の燃料電池発電装置。
【請求項9】
前記熱交換器は、前記枠の下側かつ前記第2側に設けられる、
請求項7に記載の燃料電池発電装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、燃料電池発電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、燃料電池スタックと、燃料電池スタックを駆動させる複数の補機と、複数のメンテナンス部品と、燃料電池スタック、複数の補機及び複数のメンテナンス部品を支持するフレームと、を備えた燃料電池モジュールが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示されているような燃料電池モジュールを、一体で運搬して設置することが求められている。
【0005】
本開示は、燃料電池ユニット及び補機ユニットを一体で運搬可能な燃料電池発電装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一の態様によれば、第1方向に長手方向を有する移動用架台と、燃料電池セルを動作させる際に使用される補機ユニットを含む燃料電池モジュールと、を備え、前記移動用架台は、内部に前記第1方向の第1側もしくは前記第1側と反対側である第2側の少なくとも一方が開放された空間を有する第1枠部材及び第2枠部材と、前記第2枠部材は、前記第1枠部材から前記第1方向に交差する第2方向に離隔し、前記第1枠部材及び前記第2枠部材のそれぞれは前記第1方向に延び、前記第1枠部材及び前記第2枠部材のそれぞれの上部に前記燃料電池モジュールが載置される燃料電池発電装置を提供する。
【発明の効果】
【0007】
本開示の燃料電池発電装置によれば、燃料電池ユニット及び補機ユニットを一体で運搬できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、第1実施形態に係る燃料電池発電装置の斜視図である。
【
図2】
図2は、第1実施形態に係る燃料電池発電装置の正面図である。
【
図3】
図3は、第1実施形態に係る燃料電池発電装置の背面図である。
【
図4】
図4は、第1実施形態に係る燃料電池発電装置の平面図である。
【
図5】
図5は、第1実施形態に係る燃料電池発電装置の構成を説明する図である。
【
図6】
図6は、第1実施形態に係る燃料電池発電装置におけるパレットの斜視図である。
【
図7】
図7は、第1実施形態に係る燃料電池発電装置におけるパレットが備える枠部材の側面図である。
【
図8】
図8は、第1実施形態に係る燃料電池発電装置におけるパレットが備える枠部材にフォークが挿入された状態を示す図である。
【
図9】
図9は、第1実施形態に係る燃料電池発電装置の変形例1の斜視図である。
【
図10】
図10は、第1実施形態に係る燃料電池発電装置の変形例2の斜視図である。
【
図11】
図11は、第1実施形態に係る燃料電池発電装置の変形例2における移動用架台の斜視図である。
【
図12】
図12は、第1実施形態に係る燃料電池発電装置の変形例2における移動用架台の側面図である。
【
図13】
図13は、第1実施形態に係る燃料電池発電装置の変形例2における移動用架台の底面図である。
【
図14】
図14は、第2実施形態に係る燃料電池発電装置の斜視図である。
【
図15】
図15は、第2実施形態に係る燃料電池発電装置における移動用架台の斜視図である。
【
図16】
図16は、第2実施形態に係る燃料電池発電装置の変形例の斜視図である。
【
図17】
図17は、第2実施形態に係る燃料電池発電装置における移動用架台の変形例の斜視図である。
【
図18】
図18は、第2実施形態に係る燃料電池発電装置における移動用架台の変形例の使用状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施形態について、添付の図面を参照しながら説明する。なお、本開示はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0010】
なお、各実施形態に係る明細書及び図面の記載に関して、実質的に同一の又は対応する機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複した説明を省略する場合がある。また、理解を容易にするために、図面における各部の縮尺は、実際とは異なる場合がある。
【0011】
平行、直角、直交、水平、垂直、上下、左右及び前後等の方向には、実施形態の効果を損なわない程度のずれが許容される。角部の形状は、直角に限られず、丸みを帯びてもよい。平行、直角、直交、水平、垂直には、それぞれ略平行、略直角、略直交、略水平、略垂直が含まれてもよい。
【0012】
例えば、略平行は、2つの線あるいは2つの面が互いに完全に平行でなくても、製造上許容される範囲内であれば互いに平行として扱うことができることを意味する。他の略直角、略直交、略水平及び略垂直のそれぞれについても、略平行と同様に、2つの線又は2つの面の相互の位置関係が製造上許容される範囲内であればそれぞれに該当することが意図される。
【0013】
≪第1実施形態≫
<燃料電池発電装置>
第1実施形態に係る燃料電池発電装置は、第1方向に長手方向を有するパレットを備える。また、第1実施形態に係る燃料電池発電装置は、パレットにおける第1方向の第1側の上部に取り付けられ、燃料電池セルを備える燃料電池ユニットを備える。さらに、第1実施形態に係る燃料電池発電装置は、パレットにおける第1方向の第1側と反対側である第2側の上部に取り付けられ、燃料電池セルを動作させる際に使用される補機ユニットを備える。
【0014】
第1実施形態に係る燃料電池発電装置のパレットは、第1枠部材と、第2枠部材と、第1枠部材と第2枠部材とを連結する連結部材を備える。
【0015】
第1枠部材は、第1方向に延び、上部の第1側に燃料電池ユニットが載置される第1載置部と、上部の第2側に補機ユニットが載置される第2載置部と、を有する。また、第1枠部材は、内部に第1側が開放された空間を有する。例えば、燃料電池発電装置を運搬する際に、第1側から第1枠部材が有する空間にフォークリフトのフォークの一方が挿入される。
【0016】
第2枠部材は、第1枠部材から第1方向に交差する第2方向に離隔し、第1方向に延び、上部の第1側に燃料電池ユニットが載置される第3載置部と、上部の第2側に補機ユニットが載置される第4載置部と、を有する。第2枠部材は、内部に第1側が開放された空間を有する。例えば、燃料電池発電装置を運搬する際に、第1側から第2枠部材が有する空間にフォークリフトのフォークの他方が挿入される。
【0017】
また、別の観点から第1実施形態に係る燃料電池発電装置を説明すると、第1実施形態に係る燃料電池発電装置は、第1方向に長手方向を有する移動用架台と、燃料電池セルを動作させる際に使用される補機ユニットを含む燃料電池モジュールと、を備える。また、第1実施形態に係る燃料電池発電装置における移動用架台は、内部に第1方向の第1側もしくは第1側と反対側である第2側の少なくとも一方が開放された空間を有する第1枠部材及び第2枠部材を備える。さらに、第1実施形態に係る燃料電池発電装置における第2枠部材は、第1枠部材から前記第1方向に交差する第2方向に離隔する。さらにまた、第1実施形態に係る燃料電池発電装置における第1枠部材及び第2枠部材のそれぞれは第1方向に延びる。また、第1実施形態に係る燃料電池発電装置における第1枠部材及び第2枠部材のそれぞれの上部に燃料電池モジュールが載置される。
【0018】
第1実施形態に係る燃料電池発電装置について説明する。
図1は、第1実施形態に係る燃料電池発電装置の一例である燃料電池発電装置1の斜視図である。
図2は、第1実施形態に係る燃料電池発電装置の一例である燃料電池発電装置1の正面図である。
図3は、第1実施形態に係る燃料電池発電装置の一例である燃料電池発電装置1の背面図である。
図4は、第1実施形態に係る燃料電池発電装置の一例である燃料電池発電装置1の平面図である。
図5は、第1実施形態に係る燃料電池発電装置の一例である燃料電池発電装置1の構成を説明する図である。
【0019】
なお、図面には、説明の便宜のために、互いに直交するX軸、Y軸及びZ軸(XYZ軸)からなる仮想三次元座標系(XYZ直交座標系)が設定される。図面の紙面に対して垂直な座標軸について、座標軸の丸の中に黒丸印を示す場合、当該座標軸が紙面に対して手前側に向いていることを表している。また、座標軸の丸の中にバツ印を示す場合、当該座標軸が紙面に対して奥側に向いていることを表している。
【0020】
ただし、当該座標系は、説明のために定めるものであって、第1実施形態に係る燃料電池発電装置等の姿勢について限定するものではない。
【0021】
なお、以下の図面では、X軸方向は燃料電池ユニット10と補機ユニット20とが並ぶ方向とする。なお、X軸方向は水平面と平行な方向とする。また、Y軸方向は、X軸方向と垂直であって、水平面と平行な方向とする。Z軸方向は、X軸方向及びY軸方向に垂直な方向とする。Z軸方向は、水平面に対して垂直な方向とする。すなわち、Z軸方向は鉛直方向とする。
【0022】
また、Y軸方向に沿って、対象を+Y側から見る図を正面図、対象を-Y側から見る図を背面図という。Y軸方向に沿って、対象を+Y側から見ることを正面視、対象を-Y側から見ることを背面視という。Z軸方向に沿って、対象を+Z側から見る図を平面図、Z軸方向に沿って、対象を+Z側から見ることを平面視という。
【0023】
なお、正面図を基準にして、X軸方向を左右方向、Y軸方向を前後方向、Z軸方向を上下方向、という場合がある。対象に対して、+X側を左側、-X側を右側、+Y側を前側、-Y側を後側、+Z側を上側、-Z側を下側、という場合がある。
【0024】
燃料電池発電装置1は、燃料電池セルを用いる燃料電池である。燃料電池発電装置1は、水素を燃料として、空気中の酸素と反応することにより、化学エネルギーを電気に変換する化学電池である。
【0025】
燃料電池発電装置1は、燃料電池ユニット10と、補機ユニット20と、を備える。なお、燃料電池ユニット10と補機ユニット20とをまとめて燃料電池モジュール60という場合がある。また、燃料電池発電装置1は、燃料電池ユニット10及び補機ユニット20を保持するパレット30を備える。パレット30は、移動用架台の一例である。言い換えると、燃料電池発電装置1は、燃料電池モジュール60を載置される移動用架台の一例であるパレット30を備える。移動用架台は、パレットに限らず、例えば、燃料電池モジュール60を運搬する際に用いられる台であればよい。また、燃料電池発電装置1は、燃料電池ユニット10とパレット30との間に、絶縁部材41a及び絶縁部材41b(
図6参照)を備える。燃料電池発電装置1は、補機ユニット20とパレット30との間に、絶縁部材42a及び絶縁部材42b(
図6参照)を備える。言い換えると、燃料電池発電装置1は、パレット30(移動用架台)と燃料電池モジュール60との間に絶縁部材を備える。なお、絶縁部材はなくてもよい。
【0026】
[燃料電池ユニット10]
燃料電池ユニット10は、水素と酸素を化学反応させることにより電気を発生させる。燃料電池ユニット10は、パレット30におけるX軸方向の+X側の上部に取り付けられる。燃料電池ユニット10は、燃料電池セル11、昇圧コンバータ12、水素ポンプ13、冷却液ポンプ14及びエアコンプレッサ15を備える。
【0027】
燃料電池セル11は、供給される水素SHと、空気SAに含まれる酸素とを化学反応させることにより電気を発生させる。燃料電池セル11は、例えば、固体高分子形燃料電池(PEFC:Polymer Electrolyte Fuel Cell)である。固体高分子形燃料電池である燃料電池セル11は、多数の単セルを積層したスタック構造を有する。
【0028】
固体高分子形燃料電池である燃料電池セル11における単セルは、高分子電解質膜と、高分子電解質膜の両側面に設けられた一対の電極と、を備える膜-電極アッセンブリ(MEA:Membrane Electrode Assembly)を備える。高分子電解質膜は、水素イオンを選択的に輸送する。また、一つの電極のそれぞれは、多孔質材料により形成される。一対の電極のそれぞれは、例えば、白金系の金属触媒(電極触媒)を担持するカーボン粉末を主成分とする触媒層と、通気性及び電子導電性を併せ持つガス拡散層と、を有する。さらに、単セルは、膜-電極アッセンブリ(MEA)を両側から挟み込む一対のセパレータを有する。
【0029】
燃料電池セル11により発生した電気は、昇圧コンバータ12により昇圧されて電力EPとして出力される。昇圧コンバータ12は、例えば、DC/DCコンバータである。
【0030】
燃料電池セル11は、補機ユニット20との間で循環する冷却液CL1により冷却される。補機ユニット20は、低温の冷却液CL1である冷却液CL1Lを燃料電池セル11に供給する。冷却液CL1Lは、冷却液ポンプ14により燃料電池セル11に送られる。冷却液CL1Lは、燃料電池セル11を冷却する。そして、燃料電池ユニット10は、燃料電池セル11を冷却して温度が上昇した冷却液CL1である冷却液CL1Hを補機ユニット20に排出する。
【0031】
また、昇圧コンバータ12は、補機ユニット20との間で循環する冷却液CL2により冷却される。同様に、エアコンプレッサ15のモータは、補機ユニット20との間で循環する冷却液CL2により冷却される。補機ユニット20は、低温の冷却液CL2である冷却液CL2Lを昇圧コンバータ12及びエアコンプレッサ15のそれぞれに供給する。冷却液CL2Lは、昇圧コンバータ12及びエアコンプレッサ15のモータを冷却する。そして、燃料電池ユニット10は、昇圧コンバータ12及びエアコンプレッサ15のモータを冷却して温度が上昇した冷却液CL2である冷却液CL2Hを補機ユニット20に排出する。
【0032】
燃料電池ユニット10が備える燃料電池セル11に、補機ユニット20を通って、水素SHが供給される。燃料電池セル11に供給された水素SHにおいて、未反応で排出された水素は、水素ポンプ13により燃料電池セル11に戻される。また、燃料電池ユニット10に、補機ユニット20から空気SAが供給される。補機ユニット20から供給された空気SAは、エアコンプレッサ15により圧縮されて燃料電池セル11に供給される。
【0033】
[補機ユニット20]
補機ユニット20は、燃料電池ユニット10の燃料電池セル11を動作させる際に使用される。補機ユニット20は、パレット30におけるX軸方向の-X側の上部に取り付けられる。補機ユニット20は、燃料電池ユニット10に冷却液等を供給する。補機ユニット20は、熱交換器21と、熱交換器22と、リザーバータンク23と、リザーバータンク24と、イオン交換器25と、エアフィルタ26と、電気回路ボックス27と、冷却液ポンプ28と、気液分離器29と、を備える。
【0034】
(熱交換器21)
熱交換器21は、燃料電池セル11を冷却した冷却液CL1と、外部の冷却装置50から供給される冷却液CLとの間で熱交換を行う。熱交換器21は、例えば、プレート式熱交換器、特に、ブレージングプレート式熱交換器である。熱交換器21は、燃料電池ユニット10から、燃料電池セル11を冷却して温度が上昇して戻ってきた冷却液CL1Hを、冷却装置50から供給される冷却液CLにより冷却する。そして、熱交換器21において熱交換して冷却された冷却液CL1Lは、燃料電池セル11に供給される。
【0035】
外部の冷却装置50は、低温の冷却液CLである冷却液CLLを補機ユニット20に供給する。そして、冷却装置50は、補機ユニット20から温度が上昇した高温の冷却液CLである冷却液CLHを回収する。冷却装置50は、回収した冷却液CLHを冷却する。そして、冷却装置50は、冷却液CLHを冷却して温度が低下した冷却液CLLを補機ユニット20に供給する。
【0036】
熱交換器21は、冷却液CLについて、冷却液CLLから分岐して供給された冷却液CLaLを、冷却液CL1と熱交換して、温度が上昇した冷却液CLaHを排出する。排出された冷却液CLaHは、別の冷却液と合流して冷却液CLHとして、冷却装置50に戻る。また、熱交換器21は、冷却液CL1について、燃料電池セル11から供給された冷却液CL1Hを、冷却液CLと熱交換して、温度が低下した冷却液CL1Lを排出する。排出された冷却液CL1Lは、燃料電池ユニット10に供給される。
【0037】
熱交換器21において、燃料電池ユニット10から戻ってくる冷却液CL1Hは、熱交換器21の下側から導入される。そして、冷却液CL1Lは、熱交換器21の下側から排出される。また、冷却装置50から供給される冷却液CLaLは、熱交換器21の上側から導入される。そして、冷却液CLaHは、熱交換器21の上側から排出される。
【0038】
(熱交換器22)
熱交換器22は、昇圧コンバータ12を冷却した冷却液CL2と、外部の冷却装置50から供給される冷却液CLとの間で熱交換を行う。熱交換器22は、例えば、プレート式熱交換器、特に、ブレージングプレート式熱交換器である。熱交換器22は、昇圧コンバータ12及びエアコンプレッサ15のそれぞれから、昇圧コンバータ12及びエアコンプレッサ15のそれぞれを冷却して温度が上昇して戻ってきた冷却液CL2Hを、冷却装置50から供給される冷却液CLにより冷却する。そして、熱交換器21において熱交換して冷却された冷却液CL2Lは、昇圧コンバータ12及びエアコンプレッサ15のそれぞれに供給される。
【0039】
熱交換器22は、冷却液CLについて、冷却液CLLから分岐して供給された冷却液CLbLを、冷却液CL2と熱交換して、温度が上昇した冷却液CLbHを排出する。排出された冷却液CLbHは、別の冷却液と合流して冷却液CLHとして、冷却装置50に戻る。また、熱交換器22は、冷却液CL2について、昇圧コンバータ12及びエアコンプレッサ15のそれぞれから供給された冷却液CL2Hを、冷却液CLと熱交換して、温度が低下した冷却液CL2Lを排出する。排出された冷却液CL2Lは、昇圧コンバータ12及びエアコンプレッサ15のそれぞれに供給される。
【0040】
(リザーバータンク23)
リザーバータンク23は、燃料電池セル11を冷却する冷却液CL1を貯蔵するタンクである。リザーバータンク23は、燃料電池セル11を冷却する冷却液CL1の増減を調整する。リザーバータンク23は、補機ユニット20の上側に設けられる。
【0041】
(リザーバータンク24)
リザーバータンク24は、昇圧コンバータ12及びエアコンプレッサ15のそれぞれを冷却する冷却液CL2を貯蔵するタンクである。リザーバータンク24は、昇圧コンバータ12及びエアコンプレッサ15のそれぞれを冷却する冷却液CL2の増減を調整する。リザーバータンク24は、補機ユニット20の上側に設けられる。
【0042】
(イオン交換器25)
イオン交換器25は、燃料電池セル11を冷却する冷却液CL1に含まれる不純物イオンを除去する。イオン交換器25に接続する配管に、配管内の空気を排気する脱気部25aを備える。脱気部25aは、補機ユニット20の上側に設けられる。
【0043】
(エアフィルタ26)
エアフィルタ26は、空気SAに含まれる塵及び燃料電池に悪影響を及ぼす不純物等を除去する。エアフィルタ26は、燃料電池ユニット10に供給される空気SAを濾過する。エアフィルタ26は、空気SAに含まれる塵及び燃料電池に悪影響を及ぼす不純物等を除去した清浄な空気を燃料電池セル11に供給する。
【0044】
(電気回路ボックス27)
電気回路ボックス27は、燃料電池ユニット10を駆動するために用いられる電気回路が収納される。電気回路ボックス27は、内部に、回路基板、リレー等を備える。
【0045】
(冷却液ポンプ28)
冷却液ポンプ28は、冷却液CL2を燃料電池ユニット10の昇圧コンバータ12及びエアコンプレッサ15のそれぞれに送るポンプである。
【0046】
(気液分離器29)
気液分離器29は、燃料電池セル11からの排気EGに含まれる水分EWを分離する。気液分離器29は、排気EGから分離した水分EWと、排気EGから水分EWを分離した排気EAを排出する。
【0047】
[補機ユニット20における配置について]
補機ユニット20は、枠20fを備える。枠20fは、直方体形状を有する。熱交換器21、熱交換器22、リザーバータンク23、リザーバータンク24、イオン交換器25、エアフィルタ26、電気回路ボックス27及び冷却液ポンプ28は、枠20fの内側の空間に設けられる。また、熱交換器21、熱交換器22、リザーバータンク23、リザーバータンク24、イオン交換器25、エアフィルタ26、電気回路ボックス27及び冷却液ポンプ28は、平面視において枠20fの内側に設けられる。なお、例えば、枠20fの天面に熱交換器21、熱交換器22、リザーバータンク23、リザーバータンク24、イオン交換器25等を設けることにより、枠20fの外側に当該機器を設けるようにしてもよい。その場合は、枠20fの外側であっても、平面視において枠20fの内側に設けるようにする。熱交換器21、熱交換器22、リザーバータンク23、リザーバータンク24、イオン交換器25、エアフィルタ26、電気回路ボックス27及び冷却液ポンプ28が、枠20fの内側の空間に設けられることにより、外部からの機械的な衝撃からこれらの機器を保護できる。
【0048】
熱交換器21は、枠20fの内側における下側(-Z側)かつ-X側に設けられる。熱交換器21は、補機ユニット20に設けられる補機の中でも重量の重い機器である。また、燃料電池ユニット10と補機ユニット20とを重量を比較すると、燃料電池ユニット10の方が重い。したがって、補機ユニット20において重量の重い熱交換器21を、枠20fの内側における下側(-Z側)かつ-X側に設けることにより、燃料電池発電装置1の全体の重量バランスをよくできる。
【0049】
エアフィルタ26及び電気回路ボックス27のそれぞれは、熱交換器21より高い位置に設けられる。エアフィルタ26のそれぞれが、熱交換器21より高い位置に設けられることにより、冷却液CL1が漏れたときにエアフィルタ26に冷却液CL1が流入することを防止できる。また、電気回路ボックス27が、熱交換器21より高い位置に設けられることにより、冷却液CL1が漏れたときに、冷却液CL1が電気回路ボックス27にかかることを防止できる。冷却液CL1が電気回路ボックス27にかかることを防止することにより、電気回路ボックス27における漏電を防止できる。
【0050】
さらに、エアフィルタ26及び電気回路ボックス27のそれぞれは、平面視で熱交換器22、イオン交換器25、リザーバータンク23及びリザーバータンク24のそれぞれと重ならない位置に設けられる。
【0051】
エアフィルタ26が、平面視で熱交換器22、イオン交換器25、リザーバータンク23及びリザーバータンク24のそれぞれと重ならない位置に設けられることにより、冷却液CL1又は冷却液CL2が漏れたときにエアフィルタ26への冷却液CL1又は冷却液CL2の流入を防止できる。
【0052】
電気回路ボックス27が、平面視で熱交換器22、イオン交換器25、リザーバータンク23及びリザーバータンク24のそれぞれと重ならない位置に設けられることにより、冷却液CL1又は冷却液CL2が漏れたときに、冷却液CL1又は冷却液CL2が電気回路ボックス27にかかることを防止できる。冷却液CL1又は冷却液CL2が電気回路ボックス27にかかることを防止することにより、電気回路ボックス27における漏電を防止できる。
【0053】
イオン交換器25は、エアフィルタ26の上方に設けられている。一方、イオン交換器における冷却液CL1が流れる配管が接続される位置は、平面視で、エアフィルタ26の吸入口に重ならない位置に設けられる。イオン交換器25における冷却液CL1が流れる配管が接続される位置が、平面視で、エアフィルタ26の吸入口に重ならない位置に設けられることにより、冷却液CL1が漏れたときに、エアフィルタ26への冷却液CL1の流入を防止できる。
【0054】
燃料電池ユニット10から回収される冷却液CL1Hの温度は、70℃程度になる。したがって、電気回路ボックス27に収納された電気回路等が高温にならないようにするために、電気回路ボックス27は、冷却液CL1Hが通る経路から離すように設けてもよい。補機ユニット20は、熱交換器21を補機ユニット20の下側、電気回路ボックス27を補機ユニット20の上側に備えることにより、冷却液CL1Hによる電気回路ボックス27の温度上昇を抑制できる。
【0055】
なお、補機ユニット20が備える補機は、熱交換器21、熱交換器22、リザーバータンク23、リザーバータンク24、イオン交換器25、エアフィルタ26、電気回路ボックス27、冷却液ポンプ28及び気液分離器29に限らない。補機ユニット20が備える補機は、熱交換器21、熱交換器22、リザーバータンク23、リザーバータンク24、イオン交換器25、エアフィルタ26、電気回路ボックス27、冷却液ポンプ28及び気液分離器29の中から適宜組み合わせてもよい。補機ユニット20が備える補機は、上記の機器のすべてを備えている場合に限らず、一部を備えていてもよい。例えば、エアフィルタ26は、補機ユニットと別に備えるようにしてもよい。また、補機ユニットは、上記以外の機器を備えていてもよい。
【0056】
[パレット30]
図6は、第1実施形態に係る燃料電池発電装置の一例である燃料電池発電装置1におけるパレット30の斜視図である。パレット30は、燃料電池ユニット10及び補機ユニット20を載置して保持する。パレット30は、運搬機器の一例であるフォークリフトにより燃料電池発電装置1を運搬する際に、フォークリフトのフォークが挿入される。フォークは、運搬機器の載荷部材の一例である。なお、運搬機器は、フォークリフトに限らず、燃料電池発電装置1を運搬可能な機器、例えば、荷役車両、クレーン、ハンドリフタ等であればよい。また、載荷部材は、フォークに限らず、燃料電池発電装置1を載せることができる部材であればよい。
【0057】
パレット30は、X軸方向に長手方向を有する。パレット30は、枠部材の一例として角パイプ31及び角パイプ32を備える。また、パレット30は、角パイプ31と角パイプ32とを連結する連結部材33a、連結部材33b及び連結部材33cを備える。
【0058】
(角パイプ31)
角パイプ31は、X軸方向に延びる角パイプである。角パイプ31は、+X側の上部に、燃料電池ユニット10が載置される載置部31Aを有する。また、角パイプ31は、-X側の上部に、補機ユニット20が載置される載置部31Bを有する。
【0059】
燃料電池発電装置1が運搬される際に、矢印FAに示す向きに、角パイプ31の+X側からフォークリフトのフォークの一方が挿入される。
【0060】
角パイプ31は、+X側に燃料電池ユニット10が載置される載置部31Aを有する。燃料電池発電装置1において、燃料電池ユニット10は補機ユニット20より重いことから、燃料電池発電装置1を運搬する際には、角パイプ31の+X側からフォークリフトのフォークを挿入するようにするとよい。角パイプ32についても同様である。
【0061】
角パイプ31の構造についてより詳しく説明する。なお、角パイプ32は、角パイプ31と同様の構造を有することから、角パイプ32についての詳細な説明は省略して、角パイプ31の説明を参照することとする。
【0062】
図7は、第1実施形態に係る燃料電池発電装置の一例である燃料電池発電装置1におけるパレット30が備える枠部材である角パイプ31の側面図である。
【0063】
角パイプ31は、X軸方向に垂直なYZ平面における断面が矩形状である角パイプである。角パイプ31は、横板部31aと、縦板部31bと、横板部31cと、縦板部31dと、を備える。角パイプ31の+X側は、開放された状態になっている。言い換えると、角パイプ31は、+X側に開放部31h1(
図6参照)を備える。同様に、角パイプ31の-X側は、開放された状態になっている。言い換えると、角パイプ31は、-X側に開放部31h2(
図6参照)を備える。
【0064】
横板部31aは、XY平面に平行であってX軸方向に長手方向を有する板状の部材である。横板部31aは、+Z側に上面31aAと-Z側に内面31aBを有する。角パイプ31は、上面31aAに載置部31A及び載置部31Bを有する。フォークリフトのフォークは、燃料電池発電装置1を運搬する際に、内面31aBに接触する。
【0065】
縦板部31bは、ZX平面に平行であってX軸方向に長手方向を有する板状の部材である。縦板部31bは、横板部31aにおける+Y側の端部から-Z側に延びて設けられる。縦板部31bの-Z側は、横板部31cの+Y側と接続する。
【0066】
横板部31cは、XY平面に平行であってX軸方向に長手方向を有する板状の部材である。横板部31cは、横板部31aの-Z側に離隔して設けられる。
【0067】
縦板部31dは、ZX平面に平行であってX軸方向に長手方向を有する板状の部材である。縦板部31dは、横板部31aにおける-Y側の端部から-Z側に延びて設けられる。縦板部31dの-Z側は、横板部31cの-Y側と接続する。縦板部31dは、縦板部31bの-Y側に離隔して設けられる。
【0068】
なお、縦板部31b及び縦板部31dは、燃料電池発電装置1をフォークリフトで運搬する際に、フォークが横方向(Y軸方向)にずれて、フォークから燃料電池発電装置1がはずれることを防止する。
【0069】
角パイプ31は、内部に、横板部31a、縦板部31b、横板部31c及び縦板部31dに囲まれた空間31Sを有する。上述のように、空間31Sは、+X側及び-X側に開放している。空間31Sには、角パイプ31の+X側からフォークリフトのフォークの一方が挿入される。
図8は、第1実施形態に係る燃料電池発電装置の一例である燃料電池発電装置1におけるパレット30が備える枠部材である角パイプ31にフォークFが挿入された状態を示す図である。
図8において、角パイプ31は断面図で示す。
【0070】
角パイプ31は、内部の空間31SにフォークリフトのフォークFが挿入される。フォークFが空間31Sに挿入できるように、空間31SのY軸方向の幅Wと、Z軸方向の高さHは定められる。より具体的には、フォークFの形状は、運搬する対象物の重量等により定まることから、燃料電池発電装置1を運搬するのに適するフォークFの幅より幅Wを広くし、フォークFの高さより高さHを高くする。例えば、空間31Sの幅Wは、フォークFの幅より1.1から1.3倍程度の幅にする。また、例えば、空間31Sの高さHは、フォークFの高さより1.5から3.5倍程度の高さにする。
【0071】
また、
図8に示す例のように、フォークFの長さが角パイプ31の長さLより長い場合もある。したがって、空間31Sは、角パイプ31の長手方向(X軸方向)にわたって形成されるようにしてもよい。また、少なくとも燃料電池発電装置1の運搬時には、角パイプ31は、内面31aBに突起等を設けない構成にする。言い換えると、内面31aBは、平坦に形成される。なお、縦板部31b、横板部31c及び縦板部31dのそれぞれの内面についても、少なくとも燃料電池発電装置1の運搬時に、突起等を設けない構成にすることが望ましい。また、縦板部31b、横板部31c及び縦板部31dのそれぞれの内面について突起等を設ける場合、少なくとも燃料電池発電装置1の運搬時に、フォークFが挿入できるような寸法にすることが望ましい。角パイプ32についても同様である。
【0072】
例えば、角パイプ31の外面に突起等を設ける場合は、角パイプ31の外面に溶接等により突起等を取り付けるようにして、角パイプ31の内側に突起等がないようにする。なお、燃料電池発電装置1を運搬しないときは、角パイプ31の内側に突起等があってもよい。
【0073】
上述のように、角パイプ31が有する空間31Sは、+X側からフォークリフトのフォークFが挿入されるように形成されている。言い換えると、角パイプ31が有する空間31Sは、フォークリフトのフォークFが+X側から挿入される際に、角パイプ31に干渉しないように、フォークリフトのフォークFより大きい空間となっている。
【0074】
なお、燃料電池発電装置1を設置後など、燃料電池発電装置1を運搬していないときは、開放部31h1及び開放部31h2をカバー等により塞いでもよい。
【0075】
また、角パイプ31において、空間31Sは、フォークが挿入できれば、角パイプ31を貫通していなくてもよい。例えば、空間31Sは、フォークが挿入できれば、X軸方向の途中まで形成されているような形態でもよい。言い換えると、角パイプ31は、開放部31h1を備えて、開放部31h2を備えず、角パイプ31の-X側は、塞がれていてもよい。角パイプ32についても同様である。
【0076】
(角パイプ32)
角パイプ32は、X軸方向に延びる角パイプである。角パイプ32は、角パイプ31からY軸方向の-Y側に離隔して設けられる。角パイプ32は、+X側の上部に、燃料電池ユニット10が載置される載置部32Aを有する。また、角パイプ32は、-X側の上部に、補機ユニット20が載置される載置部32Bを有する。
【0077】
燃料電池発電装置1が運搬される際に、矢印FAに示す向きに、角パイプ32の+X側からフォークリフトのフォークの他方が挿入される。
【0078】
なお、角パイプ31において説明したように、角パイプ32は、+X側に開放部32h1(
図6参照)及び-X側に開放部32h2(
図6参照)を備える。また、角パイプ32は、内部に空間32Sを有する。また、燃料電池発電装置1を設置後など、燃料電池発電装置1を運搬していないときは、開放部32h1及び開放部32h2をカバー等により塞いでもよい。
【0079】
(連結部材33a、連結部材33b及び連結部材33c)
連結部材33a、連結部材33b及び連結部材33cのそれぞれは、角パイプ31と角パイプ32とを連結する。
【0080】
第1実施形態に係る燃料電池発電装置1におけるパレット30は、枠部材として角パイプ31及び角パイプ32を備えるが、枠部材は角パイプに限らない。枠部材は、フォークリフトのフォークが挿入可能である部材であればよい。枠部材として、形鋼、例えば、リップ溝形鋼材、いわゆる、Cチャンネル鋼材、を用いてもよい。
【0081】
例えば、枠部材としてリップ溝形鋼材を用いた場合について
図7の例で説明すると、横板部31cがないような構成となる。枠部材としてリップ溝形鋼材を用いた場合、フォークリフトのフォークは、横板部31a、縦板部31b及び縦板部31dにより囲まれる空間に挿入される。
【0082】
また、上記の例では、枠部材として、2本の角パイプの例を示したが、角パイプの数は3本以上でもよい。
【0083】
なお、第1実施形態に係る燃料電池発電装置の運搬は、フォークリフトによる運搬に限らず、例えば、2台のリフタの一方を+X側から、他方を-X側から開放部に挿入して、燃料電池発電装置を運搬してもよい。また、例えば、枠部材である角パイプ31及び角パイプ32のそれぞれに、板を通して、当該板をクレーン等により持ち上げて、燃料電池発電装置を運搬してもよい。
【0084】
<まとめ>
第1実施形態に係る燃料電池発電装置によれば、燃料電池ユニット及び補機ユニットを一体で運搬できる。第1実施形態に係る燃料電池発電装置によれば、パレットに、燃料電池ユニット及び補機ユニットが一体に取り付けられ、パレットにフォークリフトのフォークを挿入して燃料電池発電装置を運搬できる。
【0085】
また、第1実施形態に係る燃料電池発電装置によれば、燃料電池ユニットとパレットとの間及び補機ユニットとパレットとの間に、絶縁部材を備えることにより、燃料電池ユニットと補機ユニットとを絶縁できる。燃料電池ユニットと補機ユニットとを絶縁することにより、絶縁劣化したときの原因を調査しやすくできる。
【0086】
さらに、第1実施形態に係る燃料電池発電装置によれば、補機ユニットが備える枠の内側の空間に、補機を収納して、枠の外側に張り出さない構造にすることにより、燃料電池を運搬する際に、外部の構造物又は機器と、補機とが接触することを防止できる。また、補機ユニットが備える枠の内側の空間に、補機を収納して、枠の外側に張り出さない構造にすることにより、補機を外部からの衝撃等から保護できる。
【0087】
なお、X軸方向が第1方向の一例、Y軸方向が第1方向に交差する第2方向の一例、+X側が第1側の一例、-X側が第1側と反対側の第2側の一例、である。また、角パイプ31が第1枠部材の一例、角パイプ32が第2枠部材の一例、載置部31Aが第1載置部の一例、載置部31Bが第2載置部の一例、載置部32Aが第3載置部の一例、載置部32Bが第4載置部の一例、である。さらに、冷却液CL1が第1冷却液の一例、冷却液CLが第2冷却液の一例、である。
【0088】
<変形例1>
第1実施形態に係る燃料電池発電装置の変形例1について説明する。第1実施形態に係る燃料電池発電装置の一例である燃料電池発電装置1において、燃料電池モジュール60は、燃料電池ユニット10と、補機ユニット20と、を備える。第1実施形態に係る燃料電池発電装置における燃料電池モジュールは、燃料電池ユニットと補機ユニットとを備える場合に限らない。第1実施形態に係る燃料電池発電装置における燃料電池モジュールは、燃料電池セルと、前記燃料電池セルを動作させる際に使用される補機と、を含む燃料電池モジュールを備えていればよい。
【0089】
第1実施形態に係る燃料電池発電装置の変形例1について、図を用いて詳細を説明する。
図9は、第1実施形態に係る燃料電池発電装置の変形例1の一例である燃料電池発電装置101の斜視図である。
【0090】
燃料電池発電装置101は、燃料電池発電装置1における燃料電池モジュール60に換えて、燃料電池モジュール160を備える。燃料電池モジュール160は、燃料電池セルと、当該燃料電池を動作させる際に使用される補機とを含む。燃料電池発電装置101における燃料電池モジュール160は、パレット30に載置される。燃料電池発電装置1と同様に、燃料電池発電装置101は、運搬機器により運搬される。燃料電池発電装置101が運搬される際には、燃料電池発電装置1と同様に、運搬機器における載荷部材がパレット30の内部に挿入される。
【0091】
<変形例2>
第1実施形態に係る燃料電池発電装置の変形例2について説明する。第1実施形態に係る燃料電池発電装置の一例である燃料電池発電装置1において、移動用架台の一例であるパレット30は、枠部材の一例として角パイプ31及び角パイプ32を用いている。第1実施形態に係る燃料電池発電装置における枠部材は角パイプに限らない。第1実施形態に係る燃料電池発電装置の変形例2では、枠部材として、C字形(U字形)の断面形状を有する部材を用いた例について説明する。
【0092】
第1実施形態に係る燃料電池発電装置の変形例2について、図を用いて詳細を説明する。
図10は、第1実施形態に係る燃料電池発電装置の変形例2の一例である燃料電池発電装置201の斜視図である。
【0093】
燃料電池発電装置201は、燃料電池発電装置101におけるパレット30に換えて、移動用架台230を備える。燃料電池発電装置210における燃料電池モジュール160は、移動用架台230に載置される。燃料電池発電装置1及び燃料電池発電装置101と同様に、燃料電池発電装置201は、運搬機器により運搬される。燃料電池発電装置201が運搬される際には、燃料電池発電装置1及び燃料電池発電装置101と同様に、運搬機器における載荷部材が移動用架台230の内部に挿入される。
【0094】
[移動用架台230]
図11は、第1実施形態に係る燃料電池発電装置の変形例2の一例である燃料電池発電装置201における移動用架台230の斜視図である。
図12は、第1実施形態に係る燃料電池発電装置の変形例2の一例である燃料電池発電装置201における移動用架台230の側面図である。具体的には、X軸方向に沿って、+X側から見た側面図である。
図13は、第1実施形態に係る燃料電池発電装置の変形例2の一例である燃料電池発電装置201における移動用架台230の底面図である。
【0095】
移動用架台230は、X軸方向に長手方向を有する。
【0096】
移動用架台230は、断面がC字形又はU字形である枠部材231及び枠部材232を備える。言い換えると、枠部材231及び枠部材232のそれぞれは、断面がC字形であるC字形部材又は断面がU字形であるU字形部材により構成される。なお、本明細書において、断面がC字形又は断面がU字形という場合、4角形の断面における4辺の内、1辺が開放されていることを意味する。すなわち、例えば、C字のように、開放されていない辺が丸みを帯びていることを意味するものではない。C字形部材又はU字形部材は、例えば、形鋼、例えば、リップ溝形鋼材、いわゆる、Cチャンネル鋼材である。
【0097】
枠部材231及び枠部材232のそれぞれは、X軸方向に沿って延びる。枠部材232は、枠部材231からY軸方向に離隔して設けられる。
【0098】
枠部材231の+X側の端部に、-Z側を覆うように、板部材231aが設けられる。枠部材231と板部材231aにより、+X側に開放部231h1が形成される。枠部材231の-X側の端部に、-Z側を覆うように、板部材231bが設けられる。枠部材231と板部材231bにより、-X側に開放部231h2が形成される。
【0099】
枠部材232の+X側の端部に、-Z側を覆うように、板部材232aが設けられる。枠部材232と板部材232aにより、+X側に開放部232h1が形成される。枠部材232の-X側の端部に、-Z側を覆うように、板部材232bが設けられる。枠部材232と板部材232bにより、-X側に開放部232h2が形成される。
【0100】
枠部材231と枠部材232とを連結するために、移動用架台230は、連結部材233a、連結部材233b、連結部材233c、連結部材233d及び連結部材233eを備える。連結部材233a、連結部材233b、連結部材233c、連結部材233d及び連結部材233eのそれぞれは、断面がC字形であるC字形部材又は断面がU字形であるU字形部材により構成される。
【0101】
≪第2実施形態≫
<燃料電池発電装置>
第2実施形態に係る燃料電池発電装置は、第1方向に長手方向を有する移動用架台と、燃料電池セルを動作させる際に使用される補機ユニットを含む燃料電池モジュールと、を備える。また、第2実施形態に係る燃料電池発電装置における移動用架台は、第1方向に延びる第1枠部材及び第2枠部材を備える。さらに、第2実施形態に係る燃料電池発電装置における第2枠部材は、第1枠部材から第1方向に交差する第2方向に離隔する。さらにまた、第2実施形態に係る燃料電池発電装置は、第1枠部材及び第2枠部材のそれぞれの上部に燃料電池モジュールが載置される。さらに、第2実施形態に係る燃料電池発電装置における第1枠部材及び前記第2枠部材のそれぞれは、第1方向における同じ第1位置に、第2方向に貫通する第1空間を備える。また、第2実施形態に係る燃料電池発電装置における第1枠部材及び第2枠部材のそれぞれは、第1位置と異なる第1方向における同じ第2位置に、第2方向に貫通する第2空間を備える。
【0102】
第2実施形態に係る燃料電池発電装置について、図を用いて詳細を説明する。
図14は、第2実施形態に係る燃料電池発電装置の一例である燃料電池発電装置301の斜視図である。
【0103】
燃料電池発電装置301は、燃料電池モジュール160と、移動用架台330と、を備える。燃料電池発電装置301における燃料電池モジュール160は、移動用架台330に載置される。燃料電池発電装置301は、運搬機器により運搬される。燃料電池発電装置301が運搬される際には、運搬機器における載荷部材がY軸方向に沿って移動用架台330に挿入される。
【0104】
[移動用架台330]
図15は、第2実施形態に係る燃料電池発電装置の一例である燃料電池発電装置301における移動用架台330の斜視図である。
【0105】
移動用架台330は、X軸方向に長手方向を有する。
【0106】
移動用架台330は、角パイプである枠部材331及び枠部材332を備える。枠部材331及び枠部材332のそれぞれは、X軸方向に沿って延びる。枠部材332は、枠部材331からY軸方向に離隔して設けられる。
【0107】
枠部材331は、X軸方向における第1位置Pos1に、Y軸方向に開放され貫通する空間331S1を備える。また、枠部材331は、第1位置Pos1から-X側に離れたX軸方向における第2位置Pos2に、Y軸方向に貫通する空間331S2を備える。言い換えると、枠部材331は、空間331S1を備える第1位置Pos1と異なる第2位置Pos2に、空間331S2を備える。なお、空間331S1と空間331S2は、運搬機器における載荷部材が挿入可能な距離離れている。また、空間331S1と空間331S2の間に、燃料電池発電装置のX軸方向の重心位置がくる。
【0108】
枠部材332は、X軸方向における第1位置Pos1に、Y軸方向に開放され貫通する空間332S1を備える。また、枠部材332は、第1位置Pos1から-X側に離れたX軸方向における第2位置Pos2に、Y軸方向に貫通する空間332S2を備える。言い換えると、枠部材332は、空間332S1を備える第1位置Pos1と異なる第2位置Pos2に、空間332S2を備える。なお、空間332S1と空間332S2は、運搬機器における載荷部材が挿入可能な距離離れている。また、空間332S1と空間332S2の間に、燃料電池発電装置のX軸方向の重心位置がくる。
【0109】
枠部材331における空間331S1と枠部材332における空間332S1とは、X軸方向における同じ第1位置Pos1に設けられる。枠部材331における空間331S2と枠部材332における空間332S2とは、X軸方向における同じ第2位置Pos2に設けられる。ここで、X軸方向における同じ位置という場合、厳密に同じ位置であることに限らず、製造上許容される範囲内であれば同じ位置であると見なすことを意味する。
【0110】
第2実施形態に係る燃料電池発電装置によれば、移動用架台の長手方向である第1方向に交差する第2方向から運搬機器の載荷部材を挿入できる。なお、第2実施形態に係る燃料電池発電装置において、第1実施形態に係る燃料電池発電装置のように、移動用架台の長手方向である第1方向から運搬機器の載荷部材を挿入するようにしてもよい。
【0111】
第2実施形態に係る燃料電池発電装置の変形例について説明する。
図16は、第2実施形態に係る燃料電池発電装置の変形例の一例である燃料電池発電装置302の斜視図である。
【0112】
燃料電池発電装置302は、燃料電池モジュール160と、移動用架台335と、を備える。移動用架台335は、移動用架台の一例であるパレット30と、移動用架台330と、を備える。別の観点から説明すると、燃料電池発電装置302は、
図9に示す燃料電池発電装置101におけるパレット30の下側に、移動用架台330を備える。
【0113】
燃料電池発電装置302は、移動用架台335として、X軸方向から運搬機器の載荷部材を挿入できるパレット30と、Y軸方向から運搬機器の載荷部材を挿入できる移動用架台330と、を備える。燃料電池発電装置302は、移動用架台335として、パレット30と移動用架台330とを備えることにより、Y軸方向からも運搬機器の載荷部材を挿入できる。
【0114】
例えば、燃料電池発電装置101は、X軸方向から運搬機器の載荷部材を挿入できるが、Y軸方向から運搬機器の載荷部材を挿入できない。燃料電池発電装置101において、移動用架台を2段にすることにより、Y軸方向からも運搬機器の載荷部材を挿入できる。
【0115】
第2実施形態に係る燃料電池発電装置における移動用架台の変形例について説明する。
図17は、第2実施形態に係る燃料電池発電装置における移動用架台の変形例の一例である移動用架台430の斜視図である。
【0116】
移動用架台430は、X軸方向に長手方向を有する。
【0117】
移動用架台430は、断面がC字形又はU字形である枠部材431及び枠部材432を備える。枠部材431及び枠部材432のそれぞれは、X軸方向に沿って延びる。枠部材432は、枠部材431からY軸方向に離隔して設けられる。
【0118】
枠部材431の+X側の端部に、-Z側を覆うように、板部材431aが設けられる。枠部材431の-X側の端部に、-Z側を覆うように、板部材431bが設けられる。枠部材432の+X側の端部に、-Z側を覆うように、板部材432aが設けられる。枠部材432の-X側の端部に、-Z側を覆うように、板部材432bが設けられる。
【0119】
枠部材431は、X軸方向における第1位置Pos1に、Y軸方向に開放され貫通する空間431S1を備える。また、枠部材431は、第1位置Pos1から-X側に離れたX軸方向における第2位置Pos2に、Y軸方向に貫通する空間431S2を備える。言い換えると、枠部材431は、空間431S1を備える第1位置Pos1と異なる第2位置Pos2に、空間431S2を備える。なお、空間431S1と空間431S2は、運搬機器における載荷部材が挿入可能な距離離れている。
【0120】
枠部材432は、X軸方向における第1位置Pos1に、Y軸方向に開放され貫通する空間432S1を備える。また、枠部材432は、第1位置Pos1から-X側に離れたX軸方向における第2位置Pos2に、Y軸方向に貫通する空間432S2を備える。言い換えると、枠部材432は、空間432S1を備える第1位置Pos1と異なる第2位置Pos2に、空間432S2を備える。なお、空間432S1と空間432S2は、運搬機器における載荷部材が挿入可能な距離離れている。
【0121】
枠部材431と枠部材432とを連結するために、移動用架台430は、連結部材433a及び連結部材433bを備える。連結部材433a及び連結部材433bのそれぞれは、断面がC字形であるC字形部材又は断面がU字形であるU字形部材により構成される。連結部材433aは第1位置Pos1に設けられる。連結部材433aが第1位置Pos1に設けられることにより、空間431S1と空間432S1とは、Y軸方向に沿って連通する。連結部材433bは第2位置Pos2に設けられる。連結部材433bが第2位置Pos2に設けられることにより、空間431S2と空間432S2とは、Y軸方向に沿って連通する。
【0122】
移動用架台430を運搬機器によって搬送した後における使用状態について説明する。
図18は、第2実施形態に係る燃料電池発電装置における移動用架台の変形例の一例である移動用架台430の使用状態を示す図である。
【0123】
移動用架台430において、例えば、運搬機器による輸送後、移動用架台430を補強するために、枠部材431における側面の開口を平板431cにより塞いでもよい。同様に、枠部材432における側面の開口を平板432cにより塞いでもよい。
【0124】
<まとめ>
第2実施形態に係る燃料電池発電装置によれば、燃料電池モジュール(燃料電池ユニット及び補機ユニット)を一体で運搬できる。第2実施形態に係る燃料電池発電装置によれば、移動用架台に、燃料電池モジュールが取り付けられ、運搬機器の載荷部材を移動用架台の長手方向に交差する方向から移動用架台に挿入して燃料電池発電装置を運搬できる。
【0125】
なお、本開示には、下記の付記にて示される態様も含まれる。
【0126】
[付記1]
第1方向に長手方向を有するパレットと、
前記パレットにおける前記第1方向の第1側の上部に取り付けられ、燃料電池セルを備える燃料電池ユニットと、
前記パレットにおける前記第1方向の前記第1側と反対側である第2側の上部に取り付けられ、前記燃料電池セルを動作させる際に使用される補機ユニットと、
を備え、
前記補機ユニットは、
前記燃料電池ユニットに供給される空気を濾過するエアフィルタと、
前記燃料電池ユニットを冷却する第1冷却液と外部から供給される第2冷却液の間で熱交換を行う熱交換器と、
前記第1冷却液に含まれるイオンを除去するイオン交換器と、
前記第1冷却液を貯蔵するリザーバータンクと、
前記燃料電池ユニットの駆動に用いられる電気回路を収納する電気回路ボックスと、
を備え、
前記エアフィルタ及び前記電気回路ボックスのそれぞれは、前記熱交換器、前記イオン交換器及び前記リザーバータンクのそれぞれより高い位置に設けられる、又は、平面視で前記熱交換器、前記イオン交換器及び前記リザーバータンクのそれぞれと重ならない位置に設けられる、
発電装置。
【0127】
[付記2]
前記イオン交換器は、前記エアフィルタの上方に設けられ、
前記イオン交換器における前記第1冷却液が流れる配管が接続される位置は、平面視で、前記エアフィルタの吸入口に重ならない位置に設けられる、
付記1に記載の発電装置。
【0128】
[付記3]
前記リザーバータンクは、前記補機ユニットの上側に設けられる、
付記1又は付記2のいずれかに記載の発電装置。
【0129】
[付記4]
前記イオン交換器に接続する配管に、前記配管内の空気を排気する脱気部を備え、
前記脱気部は、前記補機ユニットの上側に設けられる、
付記1から付記3のいずれかに記載の発電装置。
【0130】
[付記5]
前記熱交換器において、前記第1冷却液は、前記熱交換器の下側から導入されて、前記熱交換器の下側から排出され、前記第2冷却液は、前記熱交換器の上側から導入されて、前記熱交換器の上側から排出される、
付記1から付記4のいずれかに記載の発電装置。
【0131】
[付記6]
第1方向に長手方向を有するパレットと、
前記パレットにおける前記第1方向の第1側の上部に取り付けられ、燃料電池セルを備える燃料電池ユニットと、
前記パレットにおける前記第1方向の前記第1側と反対側である第2側の上部に取り付けられ、前記燃料電池セルを動作させる際に使用される補機ユニットと、
を備え、
前記パレットは、
前記第1方向に延び、上部の前記第1側に前記燃料電池ユニットが載置される第1載置部と、上部の前記第2側に前記補機ユニットが載置される第2載置部と、を有し、内部に前記第1側が開放された空間を有する第1枠部材と、
前記第1枠部材から前記第1方向に交差する第2方向に離隔し、前記第1方向に延び、上部の前記第1側に前記燃料電池ユニットが載置される第3載置部と、上部の前記第2側に前記補機ユニットが載置される第4載置部と、を有し、内部に前記第1側が開放された空間を有する第2枠部材と、
前記第1枠部材と前記第2枠部材とを連結する連結部材と、
を備える、
発電装置。
【0132】
[付記7]
前記パレットと前記燃料電池ユニットとの間に絶縁部材を備える、
付記6に記載の発電装置。
【0133】
[付記8]
前記パレットと前記補機ユニットとの間に絶縁部材を備える、
付記7に記載の発電装置。
【0134】
[付記9]
前記第1枠部材及び前記第2枠部材のそれぞれは、角パイプである、
付記6に記載の発電装置。
【0135】
[付記10]
前記第1枠部材が有する前記空間は、前記第1側からフォークリフトのフォークの一方が挿入されるように形成され、
前記第2枠部材が有する前記空間は、前記第1側から前記フォークリフトのフォークの他方が挿入されるように形成される、
付記6に記載の発電装置。
【0136】
[付記11]
前記第1枠部材が有する前記空間は、前記第1枠部材の前記第1側から前記第2側にわたって形成され、
前記第2枠部材が有する前記空間は、前記第2枠部材の前記第1側から前記第2側にわたって形成される、
付記6に記載の発電装置。
【0137】
[付記12]
前記補機ユニットは、前記燃料電池ユニットに供給される空気を濾過するエアフィルタと、前記燃料電池ユニットを冷却する第1冷却液と外部から供給される第2冷却液との間で熱交換を行う熱交換器と、前記第1冷却液に含まれるイオンを除去するイオン交換器と、前記第1冷却液を貯蔵するリザーバータンクと、を備える、
付記6から付記11のいずれかに記載の発電装置。
【0138】
[付記13]
前記補機ユニットは枠を備え、
前記エアフィルタ、前記熱交換器、前記イオン交換器及び前記リザーバータンクは、前記枠の内側に設けられる、
付記12に記載の発電装置。
【0139】
[付記14]
前記熱交換器は、前記枠の下側かつ前記第2側に設けられる、
付記13に記載の発電装置。
【符号の説明】
【0140】
1 燃料電池発電装置
10 燃料電池ユニット
20 補機ユニット
20f 枠
21、22 熱交換器
23、24 リザーバータンク
25 イオン交換器
25a 脱気部
26 エアフィルタ
27 電気回路ボックス
30 パレット
31、32 角パイプ
31A、31B、32A、32B 載置部
33a、33b、33c 連結部材
41a、41b、42a、42b 絶縁部材
【手続補正書】
【提出日】2024-03-12
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方向に長手方向を有する移動用架台と、
燃料電池セルと、前記燃料電池セルを動作させる際に使用される補機と、を含む燃料電池モジュールと、
を備え、
前記移動用架台は、内部に前記第1方向の第1側もしくは前記第1側と反対側である第2側の少なくとも一方が開放された空間を有する第1枠部材及び第2枠部材を備え、
前記第2枠部材は、前記第1枠部材から前記第1方向に交差する第2方向に離隔し、
前記第1枠部材及び前記第2枠部材のそれぞれは前記第1方向に延び、
前記第1枠部材及び前記第2枠部材のそれぞれの上部に前記燃料電池モジュールが載置され、
前記補機を備える補機ユニットを備え、
前記補機ユニットは、前記燃料電池モジュールを冷却する第1冷却液と外部から供給される第2冷却液との間で熱交換を行う熱交換器と、前記第1冷却液に含まれるイオンを除去するイオン交換器と、前記第1冷却液を貯蔵するリザーバータンクと、を備え、
前記補機ユニットは枠を備え、
前記熱交換器、前記イオン交換器及び前記リザーバータンクは、平面視において前記枠の内側に設けられる、
燃料電池発電装置。
【請求項2】
前記枠は、直方体形状であって、前記熱交換器、前記イオン交換器及び前記リザーバータンクは、前記枠の内側に設けられる、
請求項1に記載の燃料電池発電装置。
【請求項3】
前記熱交換器は、前記枠の下側かつ前記第2側に設けられる、
請求項1に記載の燃料電池発電装置。
【請求項4】
前記第1枠部材及び前記第2枠部材のそれぞれは、C字形部材もしくは角パイプである、
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の燃料電池発電装置。
【請求項5】
前記第1枠部材が有する前記空間は、前記第1側から運搬機器の載荷部材の一方が挿入されるように形成され、
前記第2枠部材が有する前記空間は、前記第1側から前記運搬機器の載荷部材の他方が挿入されるように形成される、
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の燃料電池発電装置。
【請求項6】
前記第1枠部材が有する前記空間は、前記第1枠部材の前記第1側から前記第2側にわたって形成され、
前記第2枠部材が有する前記空間は、前記第2枠部材の前記第1側から前記第2側にわたって形成される、
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の燃料電池発電装置。