(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024009896
(43)【公開日】2024-01-23
(54)【発明の名称】一酸化窒素を供与するプロスタグランジン類似体の製造方法
(51)【国際特許分類】
C07C 405/00 20060101AFI20240116BHJP
C07F 5/02 20060101ALI20240116BHJP
【FI】
C07C405/00 506T
C07F5/02 C
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023174240
(22)【出願日】2023-10-06
(62)【分割の表示】P 2020544224の分割
【原出願日】2019-02-12
(31)【優先権主張番号】18157888.1
(32)【優先日】2018-02-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】516217239
【氏名又は名称】ニコックス エス.エー.
(74)【代理人】
【識別番号】110001508
【氏名又は名称】弁理士法人 津国
(72)【発明者】
【氏名】アルミランテ,ニコレッタ
(57)【要約】 (修正有)
【課題】化合物6-(ニトロオキシ)-ヘキサン酸(1S,2E)-3-[(1R,2R,3S,5R)-2-[(2Z)-7-(エチルアミノ)-7-オキソ-2-ヘプテン-1-イル]-3,5-ジヒドロキシシクロペンチル]-1-(2-フェニルエチル)-2-プロペン-1-イルエステル(I)の製造方法を提供する。
【解決手段】化合物(I)は、ボロン酸保護形のビマトプロストを6-(ニトロオキシ)ヘキサノイルクロリドとカップリングさせて、ボロン酸保護基を脱離することによって、高純度で効率的に調製され得る。6-(ニトロオキシ)ヘキサノイルクロリド中間体は、2-カプロラクトンの開環反応と、それに続くジクロロメタン中でのHNO3とH2SO4との混合物による6-ヒドロキシヘキサン酸カリウム塩のニトロ化によって調製される。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化11】
で示される6-(ニトロオキシ)-ヘキサン酸(1S,2E)-3-[(1R,2R,3S,5R)-2-[(2Z)-7-(エチルアミノ)-7-オキソ-2-ヘプテン-1-イル]-3,5-ジヒドロキシシクロペンチル]-1-(2-フェニルエチル)-2-プロペン-1-イルエステルの製造方法であって、以下の工程:
a)式(II):
【化12】
で示される化合物を式(IV):
【化13】
で示される6-(ニトロオキシ)ヘキサノイルクロリドと、遊離形の4-ジメチルアミノピリジンの存在下で反応させて、式(III):
【化14】
で示される化合物を得る工程、
b)式(III)の化合物のボロン酸保護基を脱離して、式(I)の化合物を得る工程
を含む製造方法。
【請求項2】
工程a)が、非プロトン性有機溶媒中で行われる、請求項1記載の製造方法。
【請求項3】
非プロトン性有機溶媒が、メチルtert-ブチルエーテル、N,N-ジメチルホルムアミド又はジクロロメタンから選択される、請求項2記載の製造方法。
【請求項4】
非プロトン性有機溶媒が、メチルtert-ブチルエーテルである、請求項3記載の製造方法。
【請求項5】
工程a)において、式(II)の化合物対式(IV)の6-(ニトロオキシ)ヘキサノイルクロリドのモル比が、1:1.4~1:1.6であり、そして式(II)の化合物対4-ジメチルアミノピリジンのモル比が、1:2.0~1:2.4である、請求項1~4のいずれか一項記載の製造方法。
【請求項6】
工程a)が、0℃~室温の範囲の温度で行われる、請求項1~5のいずれか一項記載の製造方法。
【請求項7】
式(IV)の6-(ニトロオキシ)ヘキサノイルクロリドが、以下の工程:
i)式(V):
【化15】
で示される2-カプロラクトンを、KOH、NaOH及びLiOHから選択される無機塩基と反応させて、式(VI):
【化16】
[式中、Mは、K、Na又はLiである]で示される6-ヒドロキシヘキサン酸塩を得る工程、
ii)式(VI)の化合物をHNO
3とH
2SO
4との混合物でニトロ化して、式(VII):
【化17】
で示される6-(ニトロオキシ)ヘキサン酸を得る工程、
iii)式(VII)の6-(ニトロオキシ)ヘキサン酸を塩素化試薬で式(IV)の6-(ニトロオキシ)ヘキサノイルクロリドに変換する工程
を含む製造方法により得られる、前請求項のいずれか一項記載の製造方法。
【請求項8】
工程iii)で得られる式(IV)の6-(ニトロオキシ)ヘキサノイルクロリドが、更に精製することなく工程a)に直接使用される、請求項7記載の製造方法。
【請求項9】
工程i)に使用される無機塩基が、水酸化カリウムである、請求項7又は8記載の製造方法。
【請求項10】
工程i)が、メタノール、エタノール又はイソプロパノールから選択される溶媒中で行われる、請求項7~9のいずれか一項記載の製造方法。
【請求項11】
有機溶媒が、メタノールである、請求項10記載の製造方法。
【請求項12】
工程ii)が、ジクロロメタン中で行われる、請求項7~11のいずれか一項記載の製造方法。
【請求項13】
工程iii)が、塩素化試薬として塩化オキサリルを使用して行われる、請求項7~12のいずれか一項記載の製造方法。
【請求項14】
工程iii)が、ジクロロメタン中で行われる、請求項7~13のいずれか一項記載の製造方法。
【請求項15】
式(II)の化合物が、ビマトプロストをブチルボロン酸と反応させることにより得られる、前請求項のいずれか一項記載の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、式(I)の6-(ニトロオキシ)-ヘキサン酸(1S,2E)-3-[(1R,2R,3S,5R)-2-[(2Z)-7-(エチルアミノ)-7-オキソ-2-ヘプテン-1-イル]-3,5-ジヒドロキシシクロペンチル]-1-(2-フェニルエチル)-2-プロペン-1-イルエステルの大規模製造のための改善された方法に関する。
【背景技術】
【0002】
式(I):
【0003】
【化1】
で示される、6-(ニトロオキシ)-ヘキサン酸(1S,2E)-3-[(1R,2R,3S,5R)-2-[(2Z)-7-(エチルアミノ)-7-オキソ-2-ヘプテン-1-イル]-3,5-ジヒドロキシシクロペンチル]-1-(2-フェニルエチル)-2-プロペン-1-イルエステルは、眼圧(IOP: Intraocular pressure)下降剤として有効であることが判明しているプロスタグランジン類似体である(Impagnatiello F, Toris CB, Batugo M, Prasanna G, Borghi V, Bastia E, Ongini E, Krauss AHP; Invest Ophthalmol Vis Sci. 2015; 56:6558-64)。
【0004】
式(I)の化合物の製造方法は、WO 2009/136281に開示されている。
WO 2009/136281は、具体的には化合物(I)の合成法、及び一般的にビマトプロストの15-アルキル硝酸エステルの製造方法を開示している。
WO 2009/136281は、式(I)の化合物の合成法(実施例B-1)であって、ボロン酸保護形のビマトプロスト(式(II)の化合物)を6-ブロモヘキサノイルクロリドと反応させて、ボロン酸保護形のビマトプロストの15-(6-ブロモヘキサノイル)エステルを与え、これをアセトニトリル中で硝酸銀により硝酸誘導体に変換し、そして逆相クロマトグラフィー下で脱保護/精製して、式(I)の化合物を生成させる合成法を開示している。
【0005】
【0006】
上記の合成法の主な欠点は、エステル化反応での等モル量を超える6-ブロモヘキサノイルクロリドの使用であり、この物質は潜在的変異原性の警告構造を提示しており、そして最後の工程での、廃水中に大量の銀塩を発生させる硝酸銀の使用である。この方法のもう1つの主な欠点は、ビマトプロストの15-(6-ブロモヘキサノイル)エステル(化合物(IX))及びビマトプロストの15-(6-クロロヘキサノイル)エステル(化合物(X))のような、不純物及び副産物の形成であり、これらは、化合物(I)と同様のクロマトグラフィーでの極性、同様の親油性及び/又は溶解度を有するため、複数回精製した後でも除去することが困難である。
【0007】
【0008】
WO 2009/136281に開示されている手順によれば、ビマトプロストの15-(6-ブロモヘキサノイル)エステル(化合物(IX))は、ボロン酸保護の脱離後の、化合物(VIII)と硝酸銀との不完全反応に由来する不純物である。ビマトプロストの15-(6-クロロヘキサノイル)エステル(化合物(X))は、ボロン酸保護形のビマトプロストの15-(6-ブロモヘキサノイル)エステル(化合物(VIII))の臭素原子と、エステル化工程中に形成される4-ジメチルアミノピリジン塩酸塩の遊離塩素アニオンとのハロゲン交換反応によって形成される副産物である。ボロン酸保護形のビマトプロストの15-(6-クロロヘキサノイル)エステル(VIIIa)(
図3-スキーム3)は、硝酸銀と反応せず、保護基の脱離後に化合物(X)を生成する。
【0009】
WO 2009/136281はまた、15-アシルアルキル硝酸ビマトプロスト誘導体の製造方法の代替法を開示している(実施例N-1及びO-1)。合成は、ボロン酸保護形のビマトプロスト(式(II)の化合物)を、樹脂に担持された4-ジメチルアミノピリジン(DMAP)(PS-DMAP)の存在下で、硝酸アルキルカルボン酸クロリドと反応させ、続いてボロン酸保護基を脱離し、シリカゲルクロマトグラフィーを使用して精製することを含む
【0010】
上記の方法は、6-ブロモヘキサノイルクロリドの使用、及び最終生成物からの銀塩の除去を回避する。ただし、この方法は、樹脂に担持された4-ジメチルアミノピリジンの使用という別の主な欠点を提示しているため、この方法は、商業的スケールアップに適さなくなり、高くつく。更には、硝酸アルキルカルボン酸クロリドは、連続する2工程で、かつ式(II)の化合物に対して高過剰に加えられるが、実にアルキルカルボン酸クロリドは、約2~4当量の量で加えられる。
【0011】
WO 2009/136281はまた、15-アシルアルキル硝酸ビマトプロスト誘導体の製造のための別の方法(実施例Q1)を開示している。この方法では、化合物は、ボロン酸保護形のビマトプロスト(II)を4-ジメチルアミノピリジンの存在下で過剰の硝酸アルキル-(p-ニトロフェニル)-カルボン酸でエステル化することにより得られた。
【0012】
クロマトグラフィー法を使用しての、未反応の硝酸アルキル-(p-ニトロフェニル)-カルボン酸の除去、及び式(I)の化合物に対して等モル量で形成された副産物のp-ニトロフェノールの除去は、この方法の主な欠点である。
【0013】
WO 2016/155906は、フルプロステノールの15-ニトロオキシ誘導体を開示しており、フルプロステノールイソプロピルエステルの15-ニトロオキシ-ヘキシルエステルの合成法を報告している。この化合物は、ボロン酸保護形のフルプロステノールイソプロピルエステルを、4-ジメチルアミノピリジン過剰の存在下で(4-ニトロフェニル)-6-ニトロオキシヘキサノアートと反応させることにより調製された。
【0014】
上で報告されているとおり、クロマトグラフィー法による、未反応の硝酸アルキル-(p-ニトロフェニル)-カルボン酸の除去、及び特に、p-ニトロフェノール副産物の除去は、この方法の主な欠点である。
【0015】
過去数年間、色々な規制当局が原薬(Active Pharmaceutical Ingredients)(API)中の不純物の純度要件及び同定に重点を置いてきた。現在、不純物は、原薬以外の医薬品の有効性及び安全性に影響を与え得る有機物質と考えられている。したがって、各不純物の同定及び不純物の定量、特に変異原性の警告構造を持つ不純物については、必須の規制要件となっている。更に、製品が医薬用途であるため、有効成分の合成に使用できる工業的に許容し得る試薬、溶媒、触媒などの範囲は、製薬業界で認められているものに限定される。
【0016】
式(I)の化合物は油であり、これを結晶化することができないため大量でのその精製は困難であり、したがって不純物の存在は大規模生産にとって重要な問題である。不純物の主な発生源は合成の中間体及び副産物であるため、中間体の純度及び反応条件の制御は、製薬的に許容し得る純度を有する最終生成物を得るための重要な要件である。
【0017】
式(I)の化合物を製造するための先行技術の方法には、幾つかの欠点がある;例えば、ブロモヘキサノイルクロリドの使用及び反応条件により、潜在的変異原性の警告構造を有する副産物ビマトプロストの15-(6-クロロヘキサノイル)エステル(化合物(X))が形成される;中間体の硝酸アルキルカルボン酸クロリドの製造のために、又はボロン酸保護形のビマトプロストの15-(6-ブロモヘキサノイル)エステル(化合物(VIII))のニトロ化のために硝酸銀を使用すると、大量の硝酸銀廃水を管理することになり、更には原薬中の金属含有量は特定の許容基準を満たす必要がある。
【0018】
よって式(I)の化合物を高純度かつ良好な収率で提供する必要がある。
【0019】
式(I)の化合物は、カプロラクトンの開環反応とそれに続くニトロ化によって効率的に調製される6-(ニトロオキシ)ヘキサノイルクロリド中間体を使用することにより、高純度で製造され得ることが見い出された。
【0020】
本発明は、化学純度が高く、特にビマトプロストの15-(6-クロロヘキサノイル)エステル不純物の含有量が安全レベル未満である式(I)の化合物を提供する、大規模生産方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】化合物(I)の好ましい製造方法の工程1~工程3を示す図である。
【
図2】化合物(I)の好ましい製造方法の工程4~工程7を示す図である。
【
図3】WO 2009/136281に開示された手順による、6-(ニトロオキシ)-ヘキサン酸(1S,2E)-3-[(1R,2R,3S,5R)-2-[(2Z)-7-(エチルアミノ)-7-オキソ-2-ヘプテン-1-イル]-3,5-ジヒドロキシシクロペンチル]-1-(2-フェニルエチル)-2-プロペン-1-イルエステル(I)の合成を示す図である。
【0022】
発明の説明
本発明の目的は、式(I):
【0023】
【化4】
で示される6-(ニトロオキシ)-ヘキサン酸(1S,2E)-3-[(1R,2R,3S,5R)-2-[(2Z)-7-(エチルアミノ)-7-オキソ-2-ヘプテン-1-イル]-3,5-ジヒドロキシシクロペンチル]-1-(2-フェニルエチル)-2-プロペン-1-イルエステルの製造方法であって、以下の工程:
a)式(II):
【0024】
【0025】
【化6】
で示される6-(ニトロオキシ)ヘキサノイルクロリドと、遊離形の4-ジメチルアミノピリジンの存在下で反応させて、式(III):
【0026】
【化7】
で示される化合物を得る工程、
b)式(III)の化合物のボロン酸保護基を脱離して、式(I)の化合物を得る工程
を含む製造方法である。
【0027】
遊離形の4-ジメチルアミノピリジン(DMAP)とは、樹脂に結合していないDMAPを意味する。
【0028】
工程a)は、非プロトン性有機溶媒、好ましくはメチルtert-ブチルエーテル、N,N-ジメチルホルムアミド又はジクロロメタンから選択される溶媒中で、好ましくは行われる。最も好ましくは、有機溶媒はメチルtert-ブチルエーテルである。
【0029】
式(II)の化合物対式(IV)の6-(ニトロオキシ)ヘキサノイルクロリドのモル比は、好ましくは1:1.4~1:1.6の範囲である。
【0030】
式(II)の化合物対4-ジメチルアミノピリジンのモル比は、好ましくは1:2.0~1:2.4の範囲である。
【0031】
工程a)の反応は、0℃~室温の範囲の温度で行われる。
【0032】
ボロン酸保護基の脱離(工程b)は、17℃~24℃の温度でメタノールとの反応によって好ましくは行われる。
【0033】
式(IV)の6-(ニトロオキシ)ヘキサノイルクロリドは、以下の工程:
i)式(V):
【0034】
【化8】
で示される2-カプロラクトンを、KOH、NaOH及びLiOHから選択される無機塩基と反応させて、式(VI):
【0035】
【化9】
[式中、Mは、K、Na又はLiである]で示される6-ヒドロキシヘキサン酸塩を得る工程、
ii)式(VI)の化合物をHNO
3とH
2SO
4との混合物でニトロ化して、式(VII):
【0036】
【化10】
で示される6-(ニトロオキシ)ヘキサン酸を得る工程、
iii)式(VII)の6-(ニトロオキシ)ヘキサン酸を塩素化試薬で式(IV)の6-(ニトロオキシ)ヘキサノイルクロリドに変換する工程
を含む製造方法により好ましくは得られる。
【0037】
工程iii)で得られる式(IV)の6-(ニトロオキシ)ヘキサノイルクロリドは、更に精製することなく、工程a)で式(II)の化合物と直接反応させてもよい。
【0038】
工程i)に使用される無機塩基は、好ましくは水酸化カリウムである。
【0039】
工程i)は、メタノール、エタノール又はイソプロパノールから選択される溶媒(最も好ましくはメタノール)中で好ましくは行われる。
【0040】
工程ii)及びiii)は、ジクロロメタン中で行われる。
【0041】
工程iii)に使用される塩素化試薬は、塩化オキサリルである。
【0042】
式(II)の化合物は、ビマトプロストをブチルボロン酸と反応させることにより得られる。好ましくは反応は、溶媒としてメチルtert-ブチルエーテル中で行われる。
【0043】
化合物(I)の好ましい製造方法は、更に詳細にはスキーム1及び2(
図1及び2)に説明されるが、該方法は、以下の工程:
工程1)式(V)の2-カプロラクトンをメタノール中で水酸化カリウムと反応させて、6-ヒドロキシヘキサン酸カリウム塩(Mがカリウムである、式(VI)の化合物)を得る工程;
工程2)6-ヒドロキシヘキサン酸カリウム塩をジクロロメタン中でHNO
3とH
2SO
4との混合物と反応させて、6-(ニトロオキシ)ヘキサン酸(式(VII)の化合物)を得る工程;
工程3)6-(ニトロオキシ)ヘキサン酸を塩化オキサリルと反応させて、更に精製することなく使用される、6-(ニトロオキシ)ヘキサノイルクロリド(式(IV)の化合物)を得る工程;
工程4)ビマトプロストを、約40℃の温度でメチルtert-ブチルエーテル(MTBE)中でブチルボロン酸(1.1~1.8当量)と反応させ、次に共沸蒸留により水を除去して、ボロン酸ビマトプロスト(式(II)の化合物)を得る工程;
工程5)ボロン酸ビマトプロスト(式(II)の化合物)を、4-ジメチルアミノピリジン(2.0~2.4当量)の存在下でメチルtert-ブチルエーテル中で6-(ニトロオキシ)ヘキサノイルクロリド(IV)(1.4~1.6当量)と0℃~およそ室温の範囲の温度で反応させて、式(III)の化合物を得る工程;
工程6)式(III)の化合物を保護基の脱離のために室温でメタノールと反応させて、式(I)の粗化合物を得る工程;
工程7)式(I)の粗化合物を精製して、化学純度99%超を有する化合物(I)を得る工程
を含む。
【0044】
本発明の製造方法は、6-(ニトロオキシ)ヘキサノイルクロリド(化合物(IV))中間体が、2-カプロラクトンの開環反応によって、高い化学純度及び高収率で調製されることを特徴とする
【0045】
本発明の製造方法の工程の実験手順は、以下に詳述される。全ての工程は、窒素雰囲気下で行われる。
【0046】
6-(ニトロオキシ)ヘキサノイルクロリド(IV)は、2-カプロラクトンから出発して高純度及び高収率で調製される(
図1-スキーム1);合成は、以下の工程1)~7)を含む:
工程1)メタノール中の水酸化カリウム(1当量)の溶液をメタノール中の2-カプロラクトン(1当量)の溶液に滴下する;混合物を約5℃~20℃で冷却して、添加終了後15℃~20℃で約5時間撹拌する;溶媒を除去(温度は40℃以下である)し、粗生成物をメチルtert-ブチルエーテル中でスラリーにし、6-ヒドロキシヘキサン酸カリウム塩(VI)を濾過し、メチルtert-ブチルエーテルで洗浄して乾燥させる。6-ヒドロキシヘキサン酸カリウム塩(VI)は収率95%及び純度98.5%(
1H-NMR及びHClアッセイ)で得られた;
工程2)6-ヒドロキシヘキサン酸カリウム塩(VI)(1当量)を、窒素下で0℃~5℃で冷却したジクロロメタン中のHNO
3(4.6当量)とH
2SO
4(3.1当量)との混合物に、温度を10℃未満に保ちながら約30分で何回かに分けて加える;
1H-NMR分析により反応の終了をモニターしながら、得られた混合物を0℃~10℃で約2~3時間撹拌する;混合物を0℃~5℃の温度で冷却して、飽和塩化ナトリウム水溶液を約20分で滴下する。反応混合物を10℃未満の温度に維持する;有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を除去して6-(ニトロオキシ)ヘキサン酸(VII)を収率86~88%及びHPLC純度97%で与える;
工程3)N,N-ジメチルホルムアミド及び塩化オキサリルをジクロロメタン中の6-(ニトロオキシ)ヘキサン酸(VII)の溶液に、溶液の温度を0℃~5℃に保ちながら1時間で滴下し、次に混合物を15℃~30℃で24時間撹拌する;溶媒を留去して、6-(ニトロオキシ)ヘキサノイルクロリド(IV)を収率88~97%で得て、これを更に精製することなく使用する。
【0047】
ビマトプロストと6-(ニトロオキシ)ヘキサノイルクロリドとの間のエステル化方法は、以下に開示される合成工程を含む:
工程4)ビマトプロストをメチルtert-ブチルエーテルに加え、得られた溶液を約15℃~18℃に冷却する;続いてn-ブチルボロン酸(1.11~1.18当量)を一度に加え、混合物を40℃で約1~1.5時間撹拌する。反応の終了は1H NMR分析によってモニターされ;反応混合物を約20℃~25℃に冷却し、濾過して、形成された水を、40℃以下の温度でメチルtert-ブチルエーテルの共沸蒸留によって、含水量が0.25%以下になるまで除去すると、粗ボロン酸ビマトプロスト(II)を与えるが、これを次の工程に直接使用する;
工程5)粗ボロン酸ビマトプロストをメチルtert-ブチルエーテルに加え、得られた溶液を約0℃~5℃に冷却し、4-ジメチルアミノピリジン(約2.1~2.3当量)を加え、メチルtert-ブチルエーテルに溶解した6-(ニトロオキシ)ヘキサノイルクロリド(化合物(IV))(1.5当量)を、混合物の温度を約0℃~5℃に保ちながら滴下する。添加後、混合物を約0℃~5℃で最大4時間、次に最高15℃~20℃まで一晩撹拌する;反応の終了は、HPLC分析によってモニターされる;6-(ニトロオキシ)ヘキサン酸(1S,2E)-3-{(6R,7R)-3-ブチル-7-[(2Z)-7-(エチルアミノ)-7-オキソヘプタ-2-エン-1-イル]-2,4-ジオキサ-3-ボラビシクロ[3.2.1]オクタ-6-イル}-1-(2-フェニルエチル)-プロパ-2-エン-1-イル(化合物(III))は標準的な後処理法により単離される(後処理の一例は、実施例1に説明される);
工程6)化合物(III)をメタノールに溶解し、得られた溶液を17℃~25℃で約18時間撹拌する;化合物(III)から化合物(I)への変換は、1H NMRによってモニターされる。反応が停止した場合、完全に変換されるまで、混合物を蒸発させ、新鮮なメタノールに再溶解する;次に、反応混合物を真空下で40℃未満の温度で濃縮し、粗化合物(I)を標準的な後処理法により単離する;
工程7)得られた粗生成物(I)を、シリカゲルカラム及びジクロロメタンとメタノールとの混合溶媒を用いるカラムクロマトグラフィーによって精製して、ビマトプロストから全収率60%超、及び純度99%超の化合物(I)を与える。
【0048】
本発明の製造方法は、副産物の量、特に潜在的変異原性の警告構造を有する6-クロロヘキサン酸(S,E)-1-((1R,2R,3S,5R)-2-((Z)-7-(エチルアミノ)-7-オキソヘプタ-2-エニル)-3,5-ジヒドロキシシクロペンチル)-5-フェニルペンタ-1-エン-3-イル(化合物(X))の量を低減しながら、高収率及び高純度で式(I)の化合物を提供する。
【0049】
上記の利点により、本発明の製造方法は、工業規模に容易に移行可能な費用効果の高い製造方法になっている。
【実施例0050】
後述の全ての合成工程は、窒素雰囲気下で行われた。
6-(ニトロオキシ)-ヘキサン酸(1S,2E)-3-[(1R,2R,3S,5R)-2-[(2Z)-7-(エチルアミノ)-7-オキソ-2-ヘプテン-1-イル]-3,5-ジヒドロキシシクロペンチル]-1-(2-フェニルエチル)-2-プロペン-1-イルエステル(I)の合成(バッチ1)
6-(ニトロオキシ)ヘキサノイルクロリド(IV)の合成
工程1:6-ヒドロキシヘキサン酸カリウム塩(化合物(VI))の合成
メタノール(1250ml、5容量)中の水酸化カリウム(131.9g、0.98当量)の溶液を15℃~20℃での冷却下で調製した。2-カプロラクトン(1当量)250g及びメタノール(625ml、2.5容量)を3Lの三つ口丸底フラスコに導入した。溶解するまで混合物を撹拌した。メタノール水酸化カリウム溶液を5℃~20℃で0.5時間以内に加えた。混合物を15℃~20℃で4.5時間撹拌した。反応混合物を真空下で(40℃以下の温度で)濃縮して、粗6-ヒドロキシヘキサン酸カリウム塩(489.55g)を与えた。粗生成物をメチルtert-ブチルエーテル(1250ml、5容量)に20℃~25℃で4時間、再スラリー化し、ポア3フィルターで濾過し、メチルtert-ブチルエーテル(2×250ml、2×1容量)で洗浄して、真空下(温度40℃以下)で乾燥させて、6-ヒドロキシヘキサン酸カリウム塩(353.04g)を収率95.7%で与えた。融点208℃。生成物を1H-NMR及びHClアッセイにより分析した。
工程2:6-(ニトロオキシ)ヘキサン(VII)の合成
この反応は、反応温度を制御し、ニトロ化混合物の添加時間を短縮するために、100gスケールで実施される。反応を繰り返して、必要量の6-(ニトロオキシ)ヘキサン酸を得る。
発煙HNO3(4.6当量)を濃H2SO4(3.1当量)に0℃~5℃の温度で14分で加え、次にCH2Cl2(20容量)を0℃~5℃の温度で12分で加えた。6-ヒドロキシヘキサン酸カリウム塩(101.29g、1当量)を、10℃未満の温度で28分で何回かに分けて加えた。混合物を0℃~10℃で2.2時間撹拌し、反応を1H-NMRによりモニターすると、99.9%変換を示した。混合物を0℃~5℃に冷却し、飽和塩化ナトリウム水溶液(910mL中に286.71g、10容量)を10℃以下の温度で17分以内に注意深く加えた。不溶物の濾過後、有機層をデカントし、硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空下で(40℃以下の温度で)濃縮して、6-(ニトロオキシ)ヘキサン酸を収率87.7%及びHPLC純度97.0%で与えた。
工程3:6-(ニトロオキシ)ヘキサノイルクロリド(IV)の合成
6-(ニトロオキシ)ヘキサン酸(230g、1当量)をジクロロメタン(150mL、5容量)に溶解した。得られた溶液をガラス繊維で濾過し、ジクロロメタン(1×50mL、0.65容量)で洗浄し、カールフィッシャー法により分析した(含水量=0.016%)。濾液を窒素下で0℃~5℃に冷却した。続いてN,N-ジメチルホルムアミド(1.35mL、0.0059容量)及び塩化オキサリル(108.5mL、1当量)を0℃~5℃で34分以内に加えた。反応混合物を0℃~5℃で3.5時間、及び15℃~20℃で14時間撹拌した。TLCモニターにより、反応の完了が明らかになった。媒体を真空下で濃縮し(温度は40℃以下)、ジクロロメタン(4×1L、4×4.35容量)と共蒸発させて、収率97.7%で6-(ニトロオキシ)ヘキサノイルクロリド(240.0lg)を与えた。
工程4:(Z)-7-[(1S,5R,6R,7R)-3-ブチル-6-[(E,3S)-3-ヒドロキシ-5-フェニル-ペンタ-1-エニル]-2,4-ジオキサ-3-ボラビシクロ[3.2.1]オクタン-7-イル]-N-エチル-ヘプタ-5-エナミド(II)の調製
フラスコにメチルtert-ブチルエーテル(2800mL、14容量)を仕込んだ。ビマトプロスト(200g、1当量)を加え、装置をメチルtert-ブチルエーテル(200mL、1容量)で濯いだ。得られた懸濁液にブチルボロン酸(58.94g、1.13当量)を一度に加え、装置をメチルtert-ブチルエーテル(200mL、1容量)で濯いだ。混合物を40℃に1時間加熱した。変換>97%まで1H NMRにより反応をモニターした。
反応混合物を20℃~25℃に冷却し、ガラスフィルターで清澄にし、メチルtert-ブチルエーテル(200mL、1容量)で洗浄した。濾液を4Lの三つ口丸底フラスコに仕込み、装置をメチルtert-ブチルエーテル(100mL、0.5容量)で濯ぎ、共沸蒸留のために媒体を真空下で約40℃の温度で加熱した。(Z)-7-[(1S,5R,6R,7R)-3-ブチル-6-[(E,3S)-3-ヒドロキシ-5-フェニル-ペンタ-1-エニル]-2,4-ジオキサ-3-ボラビシクロ[3.2.1]オクタン-7-イル]-N-エチル-ヘプタ-5-エナミド(化合物(II))の含水量が0.25%以下になるまで、メチルtert-ブチルエーテルでの濯ぎ及び共沸蒸留を続けた。式(II)の化合物が定量的収量(281.22g)で得られた。
工程5:6-(ニトロオキシ)ヘキサン酸(1S,2E)-3-{(6R,7R)-3-ブチル-7-[(2Z)-7-(エチルアミノ)-7-オキソヘプタ-2-エン-1-イル]-2,4-ジオキサ-3-ボラビシクロ[3.2.1]オクタ-6-イル}-1-(2-フェニルエチル)-プロパ-2-エン-1-イル(III)の調製
メチルtert-ブチルエーテル(3196mL、11.6容量)を窒素下で4Lの三つ口丸底フラスコに仕込んだ。(Z)-7-[(1S,5R,6R,7R)-3-ブチル-6-[(E,3S)-3-ヒドロキシ-5-フェニル-ペンタ-1-エニル]-2,4-ジオキサ-3-ボラビシクロ[3.2.1]オクタン-7-イル]-N-エチル-ヘプタ-5-エナミド(化合物(II))(276.48g粗生成物、1当量)を加え、装置をメチルtert-ブチルエーテル(398mL、1.44容量)で濯いだ。得られた溶液は、カールフィッシャー法により分析し(含水量=0.072%)、0℃~5℃に冷却した。4-ジメチルアミノピリジン(138.5g、2.27当量)を一度に加えた。メチルtert-ブチルエーテル(508mL、1.84容量)中の6-(ニトロオキシ)ヘキサノイルクロリド(172.6g、1.5当量)の溶液を0℃~5℃で1時間以内に滴下した。滴下ロートをメチルtert-ブチルエーテル(32mL、0.12容量)で濯いだ。0℃~5℃で24分間撹拌後、HPLCモニターによって97.8%の変換が明らかになった。混合物を15~20℃で14.5時間撹拌した。HPLCモニターによって99.8%の変換が明らかになった。反応混合物を0℃~5℃で冷却して、脱イオン水(1351mL、4.89容量)を最高15℃の温度で20分以内に加えた。
混合物を5分間撹拌してデカントした。水層を分析して次に廃棄した。脱イオン水(493mL、1.78容量)及び11.6N 塩酸(46.6mL、1.08当量)を混合して、1N 塩酸の水溶液を調製した。有機層を塩酸溶液で洗浄した。水層を分析して次に廃棄した。有機層を最初に脱イオン水(1351mL、4.88容量)で洗浄し、次に脱イオン水(3530mL、12.8容量)及び塩化ナトリウム(1175g、425%w/w)を混合して予め調製した飽和塩化ナトリウム溶液(3×1177mL、3×4.25容量)で洗浄した。
水層(最後の洗浄後pH=4)を分析して廃棄した。有機層を硫酸ナトリウム(240g、86.8%w/w)で乾燥させ、メチルtert-ブチルエーテル(481mL、1.74容量)で洗浄し、真空下で濃縮して6-(ニトロオキシ)ヘキサン酸(1S,2E)-3-{(6R,7R)-3-ブチル-7-[(2Z)-7-(エチルアミノ)-7-オキソヘプタ-2-エン-1-イル]-2,4-ジオキサ-3-ボラビシクロ[3.2.1]オクタ-6-イル}-1-(2-フェニルエチル)-プロパ-2-エン-1-イル(化合物(III))を定量的収量(327g)で与えた。
工程6:6-(ニトロオキシ)-ヘキサン酸(1S,2E)-3-[(1R,2R,3S,5R)-2-[(2Z)-7-(エチルアミノ)-7-オキソ-2-ヘプテン-1-イル]-3,5-ジヒドロキシシクロペンチル]-1-(2-フェニルエチル)-2-プロペン-1-イルエステル(I)(粗化合物)の合成。
6-(ニトロオキシ)ヘキサン酸(1S,2E)-3-{(6R,7R)-3-ブチル-7-[(2Z)-7-(エチルアミノ)-7-オキソヘプタ-2-エン-1-イル]-2,4-ジオキサ-3-ボラビシクロ[3.2.1]オクタ-6-イル}-1-(2-フェニルエチル)-プロパ-2-エン-1-イル(化合物(III))(325.4g粗生成物、1当量)をメタノール(2873mL、8.83容量)に溶解した。得られた溶液をフラスコに仕込み、装置をメタノール(918mL、2.82容量)で濯いだ。混合物を、1H-NMRにより反応をモニターしながら17℃~24℃で2.40時間撹拌した。混合物を16℃~20℃で更に15時間撹拌した。1H-NMRモニターによって進行が見られなかったため、メタノールを35℃~40℃で真空下で除去した。残渣にメタノール(918mL、2.82容量)を加え、混合物を20℃~25℃で4時間撹拌した。1H-NMRモニターによって、94.6%の変換が示された。反応混合物を真空下で40℃未満の温度で濃縮した。残渣をメチルtert-ブチルエーテル(3530mL、10.85容量)に溶解した。得られた溶液を脱イオン水(1770mL、5.44容量)で洗浄した。水層(pH=7)を廃棄した。脱イオン水(3134mL、9.63容量)中の塩化ナトリウム(1045g、321%w/w)の溶液を調製した。有機層を塩化ナトリウム溶液(2×1567mL、2×4.82容量)で洗浄した。水層を廃棄した。有機層を硫酸ナトリウム(320g、98%w/w)で乾燥させ、メチルtert-ブチルエーテル(640mL、1.97容量)で洗浄して、40℃未満の温度で真空下で濃縮して、粗化合物(I)(292.77g)を定量的収量で与えた。
工程7:6-(ニトロオキシ)-ヘキサン酸(1S,2E)-3-[(1R,2R,3S,5R)-2-[(2Z)-7-(エチルアミノ)-7-オキソ-2-ヘプテン-1-イル]-3,5-ジヒドロキシシクロペンチル]-1-(2-フェニルエチル)-2-プロペン-1-イルエステル(I)の精製。
工程6)で得られた混合物(粗化合物(I))を4つに分け、シリカゲルカラム(750g×4、10.34容量)及び溶離液としてジクロロメタン/メタノールを100:0~95:5の勾配でCombiflashで使用して精製した。画分をTLCでモニターして、HPLC(面積%)で分析した。HPLC(面積%)≧98%の画分を混合し、50℃以下で真空下で濃縮して、化合物(I)188.83gを与え、これを更に4Lの三つ口丸底フラスコに仕込んで、無水エタノール(1510mL、8容量)に溶解し、装置を無水エタノール(378mL、2容量)で濯いだ。活性炭(19g、10%w/w)を加え、混合物を20℃~25℃で0.5時間撹拌した。活性炭を濾過して、無水エタノール(189mL、1容量)で洗浄した。濾液を45℃~50℃で工業用真空下で2時間濃縮し、次に45℃~50℃で高真空下で5時間濃縮した。DMSO-d6中で1H NMRによりモニターすると、残留溶媒は見られなかった。
6-(ニトロオキシ)-ヘキサン酸(1S,2E)-3-[(1R,2R,3S,5R)-2-[(2Z)-7-(エチルアミノ)-7-オキソ-2-ヘプテン-1-イル]-3,5-ジヒドロキシシクロペンチル]-1-(2-フェニルエチル)-2-プロペン-1-イルエステル(I)(174.4g)を化合物(II)からの全収率63%で得た。HPLC純度は99.・47%であった。
実施例1に記載されたのと同じ手順により、式(I)の化合物の他の2つのバッチ(2及び3)を調製し、以下の表1に、3つのバッチの式(I)の化合物の純度及び化合物(II)からの全収率を報告する。