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特開2024-9897ヒト脂肪幹細胞の分化または増殖促進用組成物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024009897
(43)【公開日】2024-01-23
(54)【発明の名称】ヒト脂肪幹細胞の分化または増殖促進用組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/37 20060101AFI20240116BHJP
   A61K 8/46 20060101ALI20240116BHJP
   A61K 8/42 20060101ALI20240116BHJP
   A61Q 19/08 20060101ALI20240116BHJP
   A61K 31/185 20060101ALI20240116BHJP
   A61K 31/222 20060101ALI20240116BHJP
   A61K 31/16 20060101ALI20240116BHJP
   A61P 17/00 20060101ALI20240116BHJP
   A23L 33/10 20160101ALI20240116BHJP
【FI】
A61K8/37
A61K8/46
A61K8/42
A61Q19/08
A61K31/185
A61K31/222
A61K31/16
A61P17/00
A23L33/10
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023174389
(22)【出願日】2023-10-06
(62)【分割の表示】P 2021534101の分割
【原出願日】2019-08-23
(31)【優先権主張番号】10-2018-0098717
(32)【優先日】2018-08-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2018-0109108
(32)【優先日】2018-09-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2019-0029998
(32)【優先日】2019-03-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】514112488
【氏名又は名称】エルジー ハウスホールド アンド ヘルスケア リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(74)【代理人】
【識別番号】100122161
【弁理士】
【氏名又は名称】渡部 崇
(72)【発明者】
【氏名】ソンジュ・イ
(72)【発明者】
【氏名】ミナ・キム
(72)【発明者】
【氏名】ミ・スン・キム
(57)【要約】      (修正有)
【課題】脂肪由来幹細胞の脂肪細胞への分化または脂肪由来幹細胞の増殖を効果的に促進させる物質を提供する。
【解決手段】本発明は、グアイアズレンスルホン酸ナトリウム(Sodium Guaiazulene Sulfonate)、アセチルマンデル酸(Acetyl Mandelic acid)、ラッカイン酸(Laccaic acid)、パルミタミド(Palmitamide)で構成される群から選択される一つ以上の物質を有効成分として含む、皮膚弾力増加及びシワ改善用化粧料組成物、食品組成物、薬学組成物、医薬部外品組成物、ヒト脂肪由来幹細胞の分化または増殖促進用組成物及び上記組成物を、ヒトを除いた個体に投与する段階を含む、皮膚弾力を増加させる方法に関する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
グアイアズレンスルホン酸ナトリウム(Sodium Guaiazulene Sulfonate)、アセチルマンデル酸(Acetyl Mandelic acid)、ラッカイン酸(Laccaic acid)及びパルミタミド(Palmitamide)で構成される群から選択される一つ以上の物質を有効成分として含む、皮膚弾力増加及びシワ改善用化粧料組成物。
【請求項2】
上記物質は、組成物全重量に対して0.0001~10重量%(w/w)として含まれる、請求項1に記載の化粧料組成物。
【請求項3】
上記物質は、ヒト脂肪由来幹細胞(Human adipose derived stem cell)の脂肪細胞への分化を促進させる、請求項1に記載の化粧料組成物。
【請求項4】
上記物質は、ヒト脂肪由来幹細胞(Human adipose derived stem cell)の増殖を促進する、請求項1に記載の化粧料組成物。
【請求項5】
上記組成物は、柔軟化粧水(栄養乳液)、収れん化粧水、栄養化粧水、栄養クリーム、マッサージクリーム、エッセンス、パック、皮膚接着用パッチ、皮膚接着用ゲル、パウダー、軟膏、サスペンション、エマルジョン、スプレーまたは美容液から選択される剤形である、請求項1に記載の化粧料組成物。
【請求項6】
グアイアズレンスルホン酸ナトリウム(Sodium Guaiazulene Sulfonate)、アセチルマンデル酸(Acetyl Mandelic acid)、ラッカイン酸(Laccaic acid)及びパルミタミド(Palmitamide)で構成される群から選択される一つ以上の物質を有効成分として含む、皮膚弾力増加及びシワ改善用食品組成物。
【請求項7】
グアイアズレンスルホン酸ナトリウム(Sodium Guaiazulene Sulfonate)、アセチルマンデル酸(Acetyl Mandelic acid)、ラッカイン酸(Laccaic acid)及びパルミタミド(Palmitamide)で構成される群から選択される一つ以上の物質を有効成分として含む、皮膚弾力増加及びシワ改善用薬学組成物。
【請求項8】
グアイアズレンスルホン酸ナトリウム(Sodium Guaiazulene Sulfonate)、アセチルマンデル酸(Acetyl Mandelic acid)、ラッカイン酸(Laccaic acid)及びパルミタミド(Palmitamide)で構成される群から選択される一つ以上の物質を有効成分として含む、皮膚弾力増加及びシワ改善用医薬部外品組成物。
【請求項9】
グアイアズレンスルホン酸ナトリウム(Sodium Guaiazulene Sulfonate)、アセチルマンデル酸(Acetyl Mandelic acid)、ラッカイン酸(Laccaic acid)及びパルミタミド(Palmitamide)で構成される群から選択される一つ以上の物質を有効成分として含む、ヒト脂肪由来幹細胞の分化促進用組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ホルモノネチン(Formononetin)、エモジン(Emodin)、アルテピリン(Artepillin C)、カルノシン酸(Carnosic acid)、パルミタミド(Palmitamide)、グアイアズレンスルホン酸ナトリウム(Sodium Guaiazulene Sulfonate)、カフェイン酸(Caffeic acid)、アセチルマンデル酸(Acetyl Mandelic acid)、ラッカイン酸(Laccaic acid)、ユビキノン(Ubiquinone)、ヒドロキシけい皮酸(Hydroxycinnamic acid)、キサントフィル(Xanthophyll)、ラズベリーケトン(Raspberry ketone)、没食子酸(gallic acid)、テルピネオール(terpineol)、マンノースリン酸ナトリウム(sodium mannose phosphate)、トロポロン(tropolone)、グリチルレチン酸(glycyrrhetinic acid)、ラノステロール(lanosterol)、リン酸リボフラビンナトリウム(sodium riboflavin phosphate)、メナジオン(menadione)、チオクト酸(thioctic acid)、ラクトフラビン(lactoflavin)、タマネギ抽出物、ぬか抽出物、竹抽出物、ニンジン抽出物、ハイビスカス抽出物、厚朴抽出物、アロエ抽出物、上記抽出物の分画物で構成される群から選択される一つ以上の物質を有効成分として含む、皮膚弾力増加及びシワ改善用化粧料組成物、食品組成物、薬学組成物、医薬部外品組成物、ヒト脂肪由来幹細胞の分化または増殖促進用組成物及び上記組成物を、ヒトを除く個体に投与する段階を含む、皮膚弾力を増加させる方法に関する。
【背景技術】
【0002】
脂肪組織は、筋肉と共に皮膚構造の支持体の役割を担っており、数的には脂肪細胞の数が30-40%であるが、体積上には90%を占める程度に皮膚構造的に重要な細胞である。皮下脂肪組織は個体の老化により減少し、それにより皮膚の弾力が減少してシワが多く生じることが知られている。また、急激なダイエットにより脂肪減少時に顔面部の弾力が減少してシワが増加する場合を多く見ることができる。従って、皮膚中の構造維持に重要な役割をする脂肪組織の数を調節し、皮膚中の体積を増加させることが皮膚弾力及びシワに対する改善案になり得る。しかし、現在皮膚の弾力改善のために用いられる脂肪移植手術の場合、移植した幹細胞が生体内生着率が非常に低く、一定時間後に再手術を行わなければならず、移植した脂肪が凝集する等の問題が発生する。従って、このような手術なしに皮下脂肪層の構造を強化させる物質に関する研究が必須である。
【0003】
ただし、従来の脂肪由来幹細胞を直接注入する技術の場合、安全性の問題が発生することがあり、細胞培養の過程で分泌される成分を模倣して皮膚に供給する技術の場合、実際の成分自体を模写するのは困難であるという限界がある。また、ヒト脂肪由来幹細胞は、皮膚が老化するほど細胞活性が減少し、増殖にかかる時間が2倍以上増えるため(Gerontolog 2011;57:66-75(非特許文献1))、老化が進行している皮膚に存在する脂肪幹細胞は、他の応用技術に対して反応性が非常に減少している問題がある。従って、皮膚刺激がないものの脂肪幹細胞の増殖を促進して皮下脂肪組織を活性化させる物質に関する研究が必須である。
【0004】
また、皮膚中、唇は、絶え間ない収縮及び膨張を繰り返して身体部位の中で最も動きの多い部位であるだけでなく、常に極限環境に露出されて紫外線、寒さ、乾燥などの環境的な要因により容易に影響を受けるようになる。それだけでなく、唇は一般的な皮膚とはその構造が異なって独自の防御能力が弱く、老化するほどボリュームが低下し、シワが増加して魅力的な形状を失うようになる。これについて、一般的な皮膚と同様に、唇の場合にも、ボリューム、シワケアに優れた効果を奏する組成物の開発が必要な実情であるが、現在開発された技術は顔の皮膚を対象に研究したシワ改善成分をそのまま用いる技術、一時的なボリューム増加を付与する技術などのみが存在する。後者のボリューム増加現象は、刺激反応に起因するという限界を有している(韓国公開公報10-2012-0140450 A(特許文献1))。
【0005】
最近、脂肪細胞または脂肪移植術に関する研究では、皮下脂肪組織に存在し、かつ脂肪細胞への分化能を有している脂肪由来幹細胞が注目されている。脂肪由来幹細胞が分泌するアジポカイン(adipokine)は、真皮層内のコラーゲン合成を増加させるだけでなく、皮膚再生にも影響を及ぼすことが知られているためである。従来の脂肪前駆細胞を脂肪細胞に分化させることが知られている物質の場合、マウスの脂肪前駆細胞を対象とした結果であり、ヒト脂肪由来幹細胞への適用時には効率が劣る方である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】韓国公開公報10-2012-0140450 A
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】Gerontolog 2011;57:66-75
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の発明者らは、脂肪由来幹細胞の脂肪細胞への分化または脂肪由来幹細胞の増殖を効果的に促進させる物質を見出すために鋭意努力した結果、ヒト脂肪由来幹細胞が脂肪細胞に分化する過程を促進させる物質としてホルモノネチン(Formononetin)、エモジン(Emodin)、アルテピリン(Artepillin C)、カルノシン酸(Carnosic acid)、パルミタミド(Palmitamide)、グアイアズレンスルホン酸ナトリウム(Sodium Guaiazulene Sulfonate)、カフェイン酸(Caffeic acid)、アセチルマンデル酸(Acetyl Mandelic acid)、ラッカイン酸(Laccaic acid)、ユビキノン(Ubiquinone)、ヒドロキシけい皮酸(Hydroxycinnamic acid)、キサントフィル(Xanthophyll)、ラズベリーケトン(Raspberry ketone)、没食子酸(gallic acid)、テルピネオール(terpineol)、マンノースリン酸ナトリウム(sodium mannose phosphate)、トロポロン(tropolone)、グリチルレチン酸(glycyrrhetinic acid)、ラノステロール(lanosterol)、リン酸リボフラビンナトリウム(sodium riboflavin phosphate)、メナジオン(menadione)、チオクト酸(thioctic acid)、ラクトフラビン(lactoflavin)、タマネギ抽出物、ぬか抽出物、竹抽出物、ニンジン抽出物、ハイビスカス抽出物、厚朴抽出物、またはアロエ抽出物を開発し、上記物質が皮膚弾力増加及びシワ改善の目的で用いられることを確認し、本発明を完成した。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一つの目的は、ホルモノネチン(Formononetin)、エモジン(Emodin)、アルテピリン(Artepillin C)、カルノシン酸(Carnosic acid)、パルミタミド(Palmitamide)、グアイアズレンスルホン酸ナトリウム(Sodium Guaiazulene Sulfonate)、カフェイン酸(Caffeic acid)、アセチルマンデル酸(Acetyl Mandelic acid)、ラッカイン酸(Laccaic acid)、ユビキノン(Ubiquinone)、ヒドロキシけい皮酸(Hydroxycinnamic acid)、キサントフィル(Xanthophyll)、ラズベリーケトン(Raspberry ketone)、没食子酸(gallic acid)、テルピネオール(terpineol)、マンノースリン酸ナトリウム(sodium mannose phosphate)、トロポロン(tropolone)、グリチルレチン酸(glycyrrhetinic acid)、ラノステロール(lanosterol)、リン酸リボフラビンナトリウム(sodium riboflavin phosphate)、メナジオン(menadione)、チオクト酸(thioctic acid)、ラクトフラビン(lactoflavin)、タマネギ抽出物、ぬか抽出物、竹抽出物、ニンジン抽出物、ハイビスカス抽出物、厚朴抽出物、アロエ抽出物、上記抽出物の分画物で構成される群から選択される一つ以上の物質を有効成分として含む、皮膚弾力増進及びシワ改善用化粧料組成物を提供することにある。
【0010】
本発明のもう一つの目的は、ホルモノネチン、エモジン、アルテピリン、カルノシン酸、パルミタミド、グアイアズレンスルホン酸ナトリウム、カフェイン酸、アセチルマンデル酸、ラッカイン酸、ユビキノン、ヒドロキシけい皮酸、キサントフィル、厚朴抽出物、アロエ抽出物、厚朴抽出物の分画物及びアロエ抽出物の分画物で構成される群から選択される一つ以上の物質を有効成分として含む、皮膚弾力増加及びシワ改善用食品組成物を提供することにある。
【0011】
本発明のもう一つの目的は、ホルモノネチン、エモジン、アルテピリン、カルノシン酸、パルミタミド、グアイアズレンスルホン酸ナトリウム、カフェイン酸、アセチルマンデル酸、ラッカイン酸、ユビキノン、ヒドロキシけい皮酸、キサントフィル、ラズベリーケトン(Raspberry ketone)、没食子酸(gallic acid)、テルピネオール(terpineol)、マンノースリン酸ナトリウム(sodium mannose phosphate)、トロポロン(tropolone)、グリチルレチン酸(glycyrrhetinic acid)、ラノステロール(lanosterol)、リン酸リボフラビンナトリウム(sodium riboflavin phosphate)、メナジオン(menadione)、チオクト酸(thioctic acid)、ラクトフラビン(lactoflavin)、タマネギ抽出物、ぬか抽出物、竹抽出物、ニンジン抽出物、ハイビスカス抽出物、厚朴抽出物、アロエ抽出物、上記抽出物の分画物で構成される群から選択される一つ以上の物質を有効成分として含む、皮膚弾力増加及びシワ改善用薬学組成物を提供することにある。
【0012】
本発明のもう一つの目的は、ホルモノネチン、エモジン、アルテピリン、カルノシン酸、パルミタミド、グアイアズレンスルホン酸ナトリウム、カフェイン酸、アセチルマンデル酸、ラッカイン酸、ユビキノン、ヒドロキシけい皮酸、キサントフィル、ラズベリーケトン(Raspberry ketone)、没食子酸(gallic acid)、テルピネオール(terpineol)、マンノースリン酸ナトリウム(sodium mannose phosphate)、トロポロン(tropolone)、グリチルレチン酸(glycyrrhetinic acid)、ラノステロール(lanosterol)、リン酸リボフラビンナトリウム(sodium riboflavin phosphate)、メナジオン(menadione)、チオクト酸(thioctic acid)、ラクトフラビン(lactoflavin)、タマネギ抽出物、ぬか抽出物、竹抽出物、ニンジン抽出物、ハイビスカス抽出物、厚朴抽出物、アロエ抽出物、上記抽出物の分画物で構成される群から選択される一つ以上の物質を有効成分として含む、皮膚弾力増加及びシワ改善用医薬部外品組成物を提供することにある。
【0013】
本発明の更に他の一つの目的は、ホルモノネチン、エモジン、アルテピリン、カルノシン酸、パルミタミド、グアイアズレンスルホン酸ナトリウム、カフェイン酸、アセチルマンデル酸、ラッカイン酸、ユビキノン、ヒドロキシけい皮酸、キサントフィル、ラズベリーケトン(Raspberry ketone)、没食子酸(gallic acid)、テルピネオール(terpineol)、マンノースリン酸ナトリウム(sodium mannose phosphate)、トロポロン(tropolone)、グリチルレチン酸(glycyrrhetinic acid)、ラノステロール(lanosterol)、リン酸リボフラビンナトリウム(sodium riboflavin phosphate)、メナジオン(menadione)、チオクト酸(thioctic acid)、ラクトフラビン(lactoflavin)、タマネギ抽出物、ぬか抽出物、竹抽出物、ニンジン抽出物、ハイビスカス抽出物、厚朴抽出物、アロエ抽出物、上記抽出物の分画物で構成される群から選択される一つ以上の物質を有効成分として含む、ヒト脂肪由来幹細胞の分化促進用組成物を提供することにある。
【0014】
本発明の更に他の一つの目的は、上記組成物をヒトを除く個体に投与する段階を含む、皮膚弾力を増加させる方法を提供することにある。
【発明の効果】
【0015】
本発明の組成物は、ヒト脂肪由来幹細胞の脂肪細胞への分化を促進したり、ヒト脂肪由来幹細胞の増殖を促進することにより皮下脂肪層構造を強化し、皮膚の弾力を増加させ、シワを改善して抗老化の目的で用いられる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】ヒト脂肪由来幹細胞にホルモノネチン、アセチルマンデル酸及び厚朴抽出物を処理した後、オイルレッドOで分化された脂肪細胞内脂質を染色した結果を示したものである。
図2】ホルモノネチン、エモジン、アルテピリン、カルノシン酸、パルミタミド、グアイアズレンスルホン酸ナトリウム、カフェイン酸、アセチルマンデル酸、ラッカイン酸、ユビキノン、ヒドロキシけい皮酸、キサントフィル、厚朴抽出物及びアロエ抽出物を処理したヒト脂肪由来幹細胞の相対的分化率を定量的に示したものである。
図3】厚朴抽出物の目じり及び唇シワが改善された人数を比較した結果を示したものである。
図4a】厚朴抽出物の処理時に被験者1の12週目まで唇シワ改善の持続性を示したものである。
図4b】厚朴抽出物の処理時に被験者2の12週目まで唇シワ改善の持続性を示したものである。
図5】厚朴抽出物と従来のシワ改善素材であるアシアチコシドの目じり及び唇シワ改善率を比較した結果を示したものである。
図6】ラズベリーケトン、没食子酸、カフェイン酸、カルノシン酸、テルピネオール、マンノースリン酸ナトリウム、トロポロン、グリチルレチン酸、ラノステロール、リン酸リボフラビンナトリウム、メナジオン、チオクト酸、ラクトフラビン、キサントフィル、タマネギ、ぬか、竹、ニンジン及びハイビスカス抽出物を処理したヒト脂肪由来幹細胞において細胞活性率を示したものである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
これを具体的に説明すれば、次の通りである。一方、本出願で開示されたそれぞれの説明及び実施形態は、それぞれの他の説明及び実施形態にも適用され得る。即ち、本出願で開示された多様な要素の全ての組合わせが本出願の範疇に属する。また、下記記述された具体的な記述により本出願の範疇が制限されるとは見られない。
【0018】
本発明の一つの様態は、ホルモノネチン(Formononetin)、エモジン(Emodin)、アルテピリン(Artepillin C)、カルノシン酸(Carnosic acid)、パルミタミド(Palmitamide)、グアイアズレンスルホン酸ナトリウム(Sodium Guaiazulene Sulfonate)、カフェイン酸(Caffeic acid)、アセチルマンデル酸(Acetyl Mandelic acid)、ラッカイン酸(Laccaic acid)、ユビキノン(Ubiquinone)、ヒドロキシけい皮酸(Hydroxycinnamic acid)、キサントフィル(Xanthophyll)、ラズベリーケトン(Raspberry ketone)、没食子酸(gallic acid)、テルピネオール(terpineol)、マンノースリン酸ナトリウム(sodium mannose phosphate)、トロポロン(tropolone)、グリチルレチン酸(glycyrrhetinic acid)、ラノステロール(lanosterol)、リン酸リボフラビンナトリウム(sodium riboflavin phosphate)、メナジオン(menadione)、チオクト酸(thioctic acid)、ラクトフラビン(lactoflavin)、タマネギ抽出物、ぬか抽出物、竹抽出物、ニンジン抽出物、ハイビスカス抽出物、厚朴抽出物、アロエ抽出物、上記抽出物の分画物で構成される群から選択される一つ以上の物質を有効成分として含む、皮膚弾力増加及びシワ改善用化粧料組成物を提供する。上記組成物は、上記物質中、1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個、13個、14個、15個または16個の物質を有効成分として含み得る。
【0019】
また、本発明のもう一つの具現例は、ホルモノネチン、エモジン、アルテピリン、カルノシン酸、パルミタミド、グアイアズレンスルホン酸ナトリウム、カフェイン酸、アセチルマンデル酸、ラッカイン酸、ユビキノン、ヒドロキシけい皮酸、ラズベリーケトン、没食子酸、テルピネオール、マンノースリン酸ナトリウム、トロポロン、グリチルレチン酸、ラノステロール、リン酸リボフラビンナトリウム、メナジオン、チオクト酸、ラクトフラビンまたはキサントフィルの化粧品学的に許容可能な塩を有効成分として含む、皮膚弾力増加及びシワ改善用化粧料組成物を提供する。
【0020】
本発明において、「化粧品学的に許容可能な塩」とは、ホルモノネチン、エモジン、アルテピリン、カルノシン酸、パルミタミド、グアイアズレンスルホン酸ナトリウム、カフェイン酸、アセチルマンデル酸、ラッカイン酸、ユビキノン、ヒドロキシけい皮酸、ラズベリーケトン、没食子酸、テルピネオール、マンノースリン酸ナトリウム、トロポロン、グリチルレチン酸、ラノステロール、リン酸リボフラビンナトリウム、メナジオン、チオクト酸、ラクトフラビンまたはキサントフィルが他の物質と結合した塩の形態であるもので、化粧品学的に上記化合物と同様の活性を示す物質を意味するが、これに制限されない。
【0021】
本発明の発明者らは、老化された皮下脂肪層を活性化して回復させる物質を開発するために鋭意努力した結果、ホルモノネチン、エモジン、アルテピリン、カルノシン酸、パルミタミド、グアイアズレンスルホン酸ナトリウム、カフェイン酸、アセチルマンデル酸、ラッカイン酸、ユビキノン、ヒドロキシけい皮酸、キサントフィル、ラズベリーケトン(Raspberry ketone)、没食子酸(gallic acid)、テルピネオール(terpineol)、マンノースリン酸ナトリウム(sodium mannose phosphate)、トロポロン(tropolone)、グリチルレチン酸(glycyrrhetinic acid)、ラノステロール(lanosterol)、リン酸リボフラビンナトリウム(sodium riboflavin phosphate)、メナジオン(menadione)、チオクト酸(thioctic acid)、ラクトフラビン(lactoflavin)、タマネギ抽出物、ぬか抽出物、竹抽出物、ニンジン抽出物、ハイビスカス抽出物、厚朴抽出物及びアロエ抽出物がヒト脂肪由来幹細胞の脂肪細胞への分化を促進し、ヒト脂肪由来幹細胞の増殖を促進する物質を開発した。これを通じて上記物質を含む組成物が皮膚弾力増加及びシワ改善のための化粧料組成物として用いられることが分かった。上記物質の皮膚弾力増加及びシワ改善効果はこれまで全く伝えられておらず、本発明者により初めて開発されたという点でその意義が非常に大きいと言える。
【0022】
本発明の用語「ホルモノネチン(Formononetin)」の分子式はC16H12O4であり、分子量は284.26であり、下記化学式(1)で示すことができる。
【0023】
【化1】
【0024】
本発明のホルモノネチンは甘草を含む植物から分離することができるが、その獲得方法に制限されず、当業界において公知となった方法で化学的に合成したり、市販される物質を用いることができる。
【0025】
本発明の用語「エモジン(Emodin)」の分子式はC15H10O5であり、分子量は270.24であり、下記化学式(2)で示すことができる。
【0026】
【化2】
【0027】
本発明のエモジンはその獲得方法に制限されず、当業界において公知となった方法で化学的に合成したり、市販される物質を用いることができる。
【0028】
本発明の用語「アルテピリン(Artepillin C)」の分子式はC19H24O3であり、分子量は300.40であり、下記化学式(3)で示すことができる。
【0029】
【化3】
【0030】
本発明のアルテピリンCはその獲得方法に制限されず、当業界において公知となった方法で化学的に合成したり、市販される物質を用いることができる。
【0031】
本発明の用語「カルノシン酸(Carnosic acid)」の分子式はC20H28O4であり、分子量は332.44であり、下記化学式(4)で示すことができる。
【0032】
【化4】
【0033】
本発明のカルノシン酸はその獲得方法に制限されず、当業界において公知となった方法で化学的に合成したり、市販される物質を用いることができる。
【0034】
本発明の用語「パルミタミド(Palmitamide)」は、炭素数16個のノルマル鎖脂肪酸アミドであり、分子式はC16H33NO、分子量は255であり、下記化学式(5)で示すことができる。
【0035】
【化5】
【0036】
本発明のパルミタミドはその獲得方法に制限されず、当業界において公知となった方法で化学的に合成したり、市販される物質を用いることができる。
【0037】
本発明の用語「グアイアズレンスルホン酸ナトリウム(Sodium Guaiazulene Sulfonate)」の分子式はC15H17NaO3Sであり、分子量は300.35であり、下記化学式(6)で示すことができる。
【0038】
【化6】
【0039】
本発明のグアイアズレンスルホン酸ナトリウムはその獲得方法に制限されず、当業界において公知となった方法で化学的に合成したり、市販される物質を用いることができる。
【0040】
本発明の用語「カフェイン酸(Caffeic acid)」の分子式はC9H8O4、分子量は180.157であり、下記化学式(7)で示すことができる。
【0041】
【化7】
【0042】
本発明のカフェイン酸はその獲得方法に制限されず、当業界において公知となった方法で化学的に合成したり、市販される物質を用いることができる。
【0043】
本発明の用語「アセチルマンデル酸(Acetyl Mandelic acid)」は、具体的には「O-アセチルマンデル酸(0-Acetyl mandelic acid)」であってもよく、分子式はC10H10O4であり、分子量は194.186であり、下記化学式(8)で示すことができる。
【0044】
【化8】
【0045】
本発明のアセチルマンデル酸はその獲得方法に制限されず、当業界において公知となった方法で化学的に合成したり、市販される物質を用いることができる。
【0046】
本発明の用語「ラッカイン酸(Laccaic acid)」は、天然アントラキノンの一つであり、ラックカイガラムシ(Laccifer lacca Kerr)の分泌物を凝結させて製造される暗赤色の結晶であり、染料として主に用いられることが知られている。上記ラッカイン酸は、特にこれに制限されないが、ラッカイン酸A、B、C、D、EまたはFであってもよい。本発明の一実施例では、上記ラッカイン酸としてSigma-Aldrich社の50506(Natural red 25)を用いた。
【0047】
本発明のラッカイン酸はその獲得方法に制限されず、当業界において公知となった方法で化学的に合成したり、市販される物質を用いることができる。
【0048】
本発明の用語「ユビキノン(Ubiquinone)」は、脂溶性キノンの一つであり、ミトコンドリアの電子伝達系の構成因子である。具体的には、上記ユビキノンはユビキノン(10)であってもよいが、これに制限されず、この場合、分子式はC59H90O4、分子量は863.37であり、下記化学式(9)で示すことができる。
【0049】
【化9】
【0050】
本発明のユビキノンはその獲得方法に制限されず、当業界において公知となった方法で化学的に合成したり、市販される物質を用いることができる。
【0051】
本発明の用語「ヒドロキシけい皮酸(Hydroxycinnamic acid)」の分子式はC9H8O3、分子量は164.158であり、ベンゼン環に直接置換された-OH基の位置による異性体(o-、m-、p-hydroxycinnamic acid)及び二重結合による異性体(cis-型クマリン酸(coumarinic acid)及びtrans-型クマル酸(coumaric acid))をいずれも含むものであってもよく、具体的には、m-Coumaric acidであってもよいが、これに特に制限されない。上記ヒドロキシけい皮酸は、下記化学式(10)で示すことができる。
【0052】
【化10】
【0053】
本発明のヒドロキシけい皮酸はその獲得方法に制限されず、当業界において公知となった方法で化学的に合成したり、市販される物質を用いることができる。
【0054】
本発明の用語「キサントフィル(Xanthophyll)」は、植物の葉、花、果実などの緑色部に存在するカロチノイド系のオキシカロチノイド色素で黄色を示し、分子式はC40H56O2、分子量は569である。上記キサントフィルは具体的には、ルテイン(lutein)であってもよく、下記化学式(11)で示すことができる。
【0055】
【化11】
【0056】
本発明のキサントフィルまたはルテインは、その獲得方法に制限されず、当業界において公知となった方法で化学的に合成したり、市販される物質を用いることができる。
【0057】
本発明の用語「ラズベリーケトン(Raspberry ketone)」の分子式はC10H12O2であり、分子量は164.20であり、下記化学式(12)で示すことができる。
【0058】
【化12】
【0059】
本発明のラズベリーケトンはその獲得方法に制限されず、当業界において公知となった方法で化学的に合成したり、市販される物質を用いることができる。
【0060】
本発明の用語「没食子酸(gallic acid)」の分子式はC7H6O5であり、分子量は170.12であり、下記化学式(13)で示すことができる。
【0061】
【化13】
【0062】
本発明の没食子酸はその獲得方法に制限されず、当業界において公知となった方法で化学的に合成したり、市販される物質を用いることができる。
【0063】
本発明の用語「テルピネオール(terpineol)」の分子式はC10H18Oであり、分子量は154であり、下記化学式(14)で示すことができる。
【0064】
【化14】
【0065】
本発明のテルピネオールはその獲得方法に制限されず、当業界において公知となった方法で化学的に合成したり、市販される物質を用いることができる。
【0066】
本発明の用語「マンノースリン酸ナトリウム(sodium mannose phosphate)」の分子式はC6H12O9PNA、分子量は282.12である。具体的には、上記マンノースリン酸ナトリウムはマンノース6-リン酸ナトリウム、またはD-マンノース-6-リン酸ナトリウム塩(D-Mannose-6-phosphate sodium salt)であってもよいが、これに制限されず、これは下記化学式(15)で示すことができる。
【0067】
【化15】
【0068】
本発明のマンノースリン酸ナトリウムはその獲得方法に制限されず、当業界において公知となった方法で化学的に合成したり、市販される物質を用いることができる。
【0069】
本発明の用語「トロポロン(tropolone)」の分子式はC7H6O2であり、分子量は122であり、下記化学式(16)で示すことができる。
【0070】
【化16】
【0071】
本発明のトロポロンはその獲得方法に制限されず、当業界において公知となった方法で化学的に合成したり、市販される物質を用いることができる。
【0072】
本発明の用語「グリチルレチン酸(glycyrrhetinic acid)」の分子式はC30H46O4であり、分子量は471であり、下記化学式(17)で示すことができる。
【0073】
【化17】
【0074】
本発明のグリチルレチン酸はその獲得方法に制限されず、当業界において公知となった方法で化学的に合成したり、市販される物質を用いることができる。
【0075】
本発明の用語「ラノステロール(lanosterol)」の分子式はC30H50Oであり、分子量は427であり、下記化学式(18)で示すことができる。
【0076】
【化18】
【0077】
本発明のラノステロールはその獲得方法に制限されず、当業界において公知となった方法で化学的に合成したり、市販される物質を用いることができる。
【0078】
本発明の用語「リン酸リボフラビンナトリウム(sodium riboflavin phosphate)」の分子式はC17H20N4NaO9Pであり、分子量は478.33であり、下記化学式(19)で示すことができる。
【0079】
【化19】
【0080】
本発明のリン酸リボフラビンナトリウムはその獲得方法に制限されず、当業界において公知となった方法で化学的に合成したり、市販される物質を用いることができる。
【0081】
本発明の用語「メナジオン(menadione)」はビタミンKの一種である黄色結晶であり、分子式はC11H8O2であり、分子量は172.18であり、下記化学式(20)で示すことができる。
【0082】
【化20】
【0083】
本発明のメナジオンはその獲得方法に制限されず、当業界において公知となった方法で化学的に合成したり、市販される物質を用いることができる。
【0084】
本発明の用語「チオクト酸(thioctic acid)」はリポ酸(lipoic acid)とも言い、分子式はC8H14O2S2であり、分子量は206であり、下記化学式(21)で示すことができる。
【0085】
【化21】
【0086】
本発明のチオクト酸またはリポ酸はその獲得方法に制限されず、当業界において公知となった方法で化学的に合成したり、市販される物質を用いることができる。
【0087】
本発明の用語「ラクトフラビン(lactoflavin)」は牛乳から分離したリボフラビン(riboflavin, vitamin B2)を意味する。本発明のラクトフラビンの分子式C17H20N4O6であり、分子量は376.36であり、下記化学式(22)で示すことができる。
【0088】
【化22】
【0089】
本発明のラクトフラビンはその獲得方法に制限されず、当業界において公知となった方法で化学的に合成したり、市販される物質を用いることができる。
【0090】
上記ホルモノネチン、エモジン、アルテピリン、カルノシン酸、パルミタミド、グアイアズレンスルホン酸ナトリウム、カフェイン酸、アセチルマンデル酸、ラッカイン酸、ユビキノン、ヒドロキシけい皮酸、ラズベリーケトン、没食子酸、テルピネオール、マンノースリン酸ナトリウム、トロポロン、グリチルレチン酸、ラノステロール、リン酸リボフラビンナトリウム、メナジオン、チオクト酸、ラクトフラビンまたはキサントフィルは溶媒化された形態だけでなく非溶媒化された(unsolvated)形態で存在することもできる。また、上記化合物は結晶形または無定形形態で存在し得、このような全ての物理的形態は本発明の範囲に含まれる。
【0091】
また、上記化合物の範囲には上記化合物だけでなく、その化粧品学的、食品学的、薬学的に許容可能な塩も含まれることが自明である。
【0092】
本発明の用語「タマネギ(onion, Allium cepa)」は、単子葉植物、ユリ目ユリ科の二年生植物であり、主要成分としてケルセチン、クロム及びアリシンなどを含み、抗炎、血糖調節、血圧低下などの作用として知られている。上記タマネギは商業的に販売されるものを購入したり、自然から採取または裁培されたものを制限なく用いることができ、根、茎、葉などを制限なく用いることができる。
【0093】
本発明の用語「ぬか(rice bran)」とは、玄米を精白して精白米を作る時に生じる果皮、種皮、糊粉層などの粉砕混合物を意味するものであり、ビタミンB1、B2、ナイアシンなどの無機質とオリザノール、トコフェロール及びフィチン酸などを含み、血中コレステロールの低下、抗酸化、抗癌などの作用として知られている。
【0094】
本発明の用語「竹(bamboo, Bambusoideae)」とは、単子葉植物、イネ目イネ科タケ亜科に属する常緑性多年生植物であり、韓方では抗酸化、殺菌、抗癌効果などとして知られている。上記竹は、商業的に販売されるものを購入したり、自然から採取または裁培されたものを制限なく用いることができ、根、幹、葉などを制限なく使用することができる。
【0095】
本発明の用語「ニンジン(carrot, Daucus carota var. sativa)」とは、双子葉植物、セリ目セリ科の二年生植物であり、主要成分としてベータカロチン、リコペンなどを含み、抗酸化、老化防止及び免疫力の向上などに効果があることが知られている。上記ニンジンは商業的に販売されるものを購入したり、自然から採取または裁培されたものを制限がなく用いることができ、根、茎、葉などを制限なく用いることができる。
【0096】
本発明の用語「ハイビスカス(Rose of China, Hibiscus)」とは、双子葉植物、アオイ目アオイ科フヨウ属に属する植物を意味することであり、ハイビスカス酸、ヒドロキシクエン酸などに富み、肥満予防などの効果として知られている。上記ハイビスカスは、商業的に販売されるものを購入したり、自然から採取または裁培されたものを制限なく用いることができ、根、茎、葉などを制限なく用いることができる。
【0097】
本発明の用語「厚朴(Magnoliae Cortex)」とは、モクレン科植物であるホウノキの幹や根皮を乾燥させたもので、主要活性成分としてリグナンと精油成分を含む。厚朴には抗炎、鎮痛、平滑筋調節及び抗潰瘍などの作用があることが知られている。上記厚朴は商業的に販売されるものを購入したり、自然で採取または裁培されたことを制限なく用いることができる。
【0098】
本発明の用語「アロエ(Aloe vera)」とは、ユリ科アロエ属に属する多年生植物であり、ロカイとも言う。主要活性成分としてアロイン、アロエエモジン、アロエチン、アロミチンなどを含み、抗細菌、抗真菌、抗腫瘍などの作用として知られている。上記アロエは商業的に販売されるものを購入したり、自然から採取または裁培されたものを制限なく用いることができる。
【0099】
本発明の用語「抽出物(extract)」とは、目的とする物質を多様な溶媒に浸漬した後、常温、低温または加温の状態で一定時間抽出して得た液状成分、上記液状成分から溶媒を除去して得た固形分等の結果物を意味する。それだけでなく、上記結果物に加えて、上記結果物の希釈液、これらの濃縮液、これらの粗精製物、精製物などをいずれも含むと包括的に解釈され得る。
【0100】
本発明において、上記抽出物はタマネギ、ぬか、竹、ニンジン、ハイビスカス、厚朴またはアロエ抽出物であってもよい。上記抽出物は天然、雑種、変種植物の多様な器官から抽出されてもよく、例えば、根、地上部、幹、葉、花、果実の本体、果実の皮だけでなく植物組織から抽出可能である。上記抽出物は、水または多様な有機溶媒などで抽出して得ることができる。この時、用いられる有機溶媒は抽出物を得ることができれば、特にこれに制限されないが、具体的には、水、極性溶媒または非極性溶媒であってもよく、より具体的には、水、炭素数1~6の低級アルコール(メタノール、エタノール、プロパノールまたはブタノール等)、グリセリン、ブチレングリコール等の多価アルコール、メチルアセテート、エチルアセテートなどの炭化水素系溶媒またはこれらの混合溶媒であってもよく、より具体的には、水、低級アルコール、1,3-ブチレングリコール、またはこれらの混合溶媒であってもよい。
【0101】
また、上記抽出物を得るための方法は、上記タマネギ、ぬか、竹、ニンジン、ハイビスカス、厚朴またはアロエ抽出物を得ることができる限り、特にこれに制限されないが、具体的には、上記厚朴またはアロエの根、茎、葉、果実、花、これらの乾燥物、加工物などを上記溶媒に浸漬し、常温で抽出する冷浸抽出法、加熱抽出法、超音波を加えて抽出する超音波抽出法、還流冷却器を用いた還流抽出法等の方法を用いることができる。
【0102】
本発明の用語「分画物」とは、種々の多様な構成成分を含む混合物から特定成分または特定成分グループを分離するために分画を行って得られた結果物を意味する。本発明において分画物は、タマネギ抽出物、ぬか抽出物、竹抽出物、ニンジン抽出物、ハイビスカス抽出物、厚朴抽出物またはアロエ抽出物の分画物であってもよい。
【0103】
本発明において、上記分画物を得る分画方法は、皮膚弾力増加及びシワ改善効果を奏することができる限り、特にこれに制限されないが、当該技術分野において通常に用いる方法によって行われ得る。例えば、多様な溶媒を処理して行う溶媒分画法、一定の分子量カット-オフ値を有する限外濾過膜を通過させて行う限外濾過分画法、多様なクロマトグラフィ(大きさ、電荷、疎水性または親和性による分離のために製作されたもの)を行うクロマトグラフィ分画法、及びこの組合わせなどであってもよい。
【0104】
本発明おいて、上記分画物を得るのに用いられる分画溶媒の種類は特に制限されず、当該技術分野において公知となった任意の溶媒を用いることができる。上記分画溶媒の非制限的な例としては、水、蒸溜水、アルコールなどの極性溶媒;ヘキサン(Hexan)、エチルアセテート(Ethyl acetate)、クロロホルム(Chloroform)、ジクロロメタン(Dichloromethane)などの非極性溶媒などを挙げることができる。これらは、単独で用いられたり、2種以上混合して用いられる。上記分画溶媒中、アルコールを用いる場合には、C1~C4のアルコールを用いることができる。
【0105】
本発明の化粧料組成物は、ホルモノネチン、エモジン、アルテピリン、カルノシン酸、パルミタミド、グアイアズレンスルホン酸ナトリウム、カフェイン酸、アセチルマンデル酸、ラッカイン酸、ユビキノン、ヒドロキシけい皮酸、キサントフィル、ラズベリーケトン(Raspberry ketone)、没食子酸(gallic acid)、テルピネオール(terpineol)、マンノースリン酸ナトリウム(sodium mannose phosphate)、トロポロン(tropolone)、グリチルレチン酸(glycyrrhetinic acid)、ラノステロール(lanosterol)、リン酸リボフラビンナトリウム(sodium riboflavin phosphate)、メナジオン(menadione)、チオクト酸(thioctic acid)、ラクトフラビン(lactoflavin)、タマネギ抽出物、ぬか抽出物、竹抽出物、ニンジン抽出物、ハイビスカス抽出物、厚朴抽出物、アロエ抽出物、厚朴抽出物の分画物及びアロエ抽出物の分画物で構成される群から選択される一つ以上の物質を組成物全重量に対して0.0001~10重量%(w/w)として含み得、具体的には、0.0005~10重量%(w/w)、0.001~5重量%(w/w)、0.0001~2重量%(w/w)として含み得るが、これに制限されない。0.0001重量%未満の場合は、効果が微少であり得、2重量%以上であれば、細胞毒性を示す問題が発生し得る。
【0106】
本発明において、上記化粧料組成物は、ヒト脂肪由来幹細胞(Human adipose derived stem cell)の脂肪細胞への分化またはヒト脂肪由来幹細胞の増殖を促進することができる。即ち、上記化粧料組成物は、ヒト脂肪由来幹細胞の脂肪細胞への分化を促進したり、ヒト脂肪由来幹細胞の増殖を促進することにより皮膚弾力を増加させてシワを改善させるものであってもよい。
【0107】
本発明の用語「ヒト脂肪由来幹細胞(human adipose derived stem cell)」とは、ヒトの脂肪組織から採取できる幹細胞であり、身体の多様な細胞に分化できる多能細胞(Multipotent cell)を意味する。脂肪由来幹細胞は、皮下脂肪組織に存在しており、脂肪細胞への分化能を有する。脂肪由来幹細胞が分泌するアディポカイン(adipokine)は、皮膚真皮層内のコラーゲン合成を増加させるだけでなく、皮膚再生にも影響を及ぼすことが知られている。
【0108】
本発明の用語「脂肪細胞(adipose cell)」とは、個体の脂肪組織で脂肪を貯蔵する細胞を意味し、具体的には、皮下脂肪層に存在する白色脂肪細胞(white adipocyte)を意味し得るが、これに制限されない。
【0109】
本発明の一実施例において、ヒト脂肪由来幹細胞にホルモノネチン、エモジン、アルテピリン、カルノシン酸、パルミタミド、グアイアズレンスルホン酸ナトリウム、カフェイン酸、アセチルマンデル酸、ラッカイン酸、ユビキノン、ヒドロキシけい皮酸、キサントフィル、厚朴抽出物及びアロエ抽出物を処理した結果、ヒト脂肪由来幹細胞の脂肪細胞への分化を効果的に促進できることを確認した。従って、上記物質を含む本発明組成物は皮膚の弾力増加させてシワを改善して抗老化目的で用いられる。
【0110】
本発明の一実施例において、ヒト脂肪由来幹細胞にラズベリーケトン、没食子酸、カフェイン酸、カルノシン酸、テルピネオール、マンノースリン酸ナトリウム、トロポロン、グリチルレチン酸、ラノステロール、リン酸リボフラビンナトリウム、メナジオン、チオクト酸、ラクトフラビン、キサントフィル、タマネギ、ぬか、竹、ニンジン及びハイビスカス抽出物を処理した結果、対照群比ヒト脂肪由来幹細胞の細胞の細胞活性率を有意に増加させ、その増殖を促進することを確認した。従って、上記物質を含む本発明組成物は皮膚の弾力を増加させ、シワを改善して抗老化目的で用いられる。
【0111】
本発明の用語「皮膚弾力増加」とは、本発明の組成物を用いて個体の皮下脂肪層構造を強化させて皮膚の弾力を高めることを意味する。上記皮膚は、本発明の組成物で弾力増加やシワが改善され得る限り、個体の皮膚位置は制限なく含まれ得る。
【0112】
本発明の用語「改善」とは、本発明の組成物を用いて個体の皮膚シワの症状を緩和させることを意味する。
【0113】
本発明の一つの様態は、ホルモノネチン(Formononetin)、エモジン(Emodin)、アルテピリン(Artepillin C)、カルノシン酸(Carnosic acid)、パルミタミド(Palmitamide)、グアイアズレンスルホン酸ナトリウム(Sodium Guaiazulene Sulfonate)、カフェイン酸(Caffeic acid)、アセチルマンデル酸(Acetyl Mandelic acid)、ラッカイン酸(Laccaic acid)、ユビキノン(Ubiquinone)、ヒドロキシけい皮酸(Hydroxycinnamic acid)、キサントフィル(Xanthophyll)、厚朴抽出物、アロエ抽出物、厚朴抽出物の分画物及びアロエ抽出物の分画物で構成される群から選択される一つ以上の物質を有効成分として含む、唇皮膚の弾力増加及びシワ改善用化粧料組成物を提供する。
【0114】
本発明の一つの具現例は、厚朴抽出物及び厚朴抽出物の分画物からなる群から選択された1種以上の物質を含む唇皮膚弾力増加及びシワ改善用化粧料組成物であってもよい。
【0115】
唇は、他の皮膚部位とは異なって皮脂腺がなく、非常に薄い角質層を有している。現在、唇に用いるボリューム、シワ改善成分は、大部分が皮膚真皮層を改善する成分として適用されている実情であり、皮膚で最大のボリュームを占める皮下脂肪層改善技術は活発に適用されない限界点を有している。また、唇の角質層は非常に薄いため、有効成分の浸透及び伝達が他の皮膚部位に比べて容易であるという点を考慮すれば、皮下脂肪層のボリューム改善技術がボリュームとシワ改善の側面で、さらに効果的な技術であると期待することができる。本発明の組成物は、このような唇皮膚に効果に優れることを特徴とする。本発明の一実施例では厚朴抽出物のシワ改善が目じり及び唇の両方に優れた効果があることを確認し、目じりより唇で改善速度及び改善率が高いことを確認した。
【0116】
上記唇皮膚用化粧料組成物は、リップスティック、リップグロス、リップティント、及びリップバームで構成された群から選択される剤形に製造することができるが、これに制限されるものではない。
【0117】
本発明において、上記化粧料組成物は、溶液、外用軟膏、クリーム、フォーム、栄養化粧水、柔軟化粧水、パック、柔軟水、乳液、メイクアップベース、エッセンス、石鹸、液体洗浄料、入浴剤、サンスクリーンクリーム、サンオイル、懸濁液、乳濁液、ペースト、ゲル、ローション、パウダー、石鹸、界面活性剤含有クレンジング、オイル、粉末ファウンデーション、乳濁液ファウンデーション、ワックスファウンデーション、パッチ及びスプレーで構成された群から選択される剤形に製造することができるが、これに制限されるものではない。
【0118】
また、本発明の化粧料組成物は、一般の皮膚化粧料に配合される化粧品学的に許容可能な担体を1種以上さらに含んでもよく、通常の成分として、例えば、油分、水、界面活性剤、保湿剤、低級アルコール、増粘剤、キレート剤、色素、防腐剤、香料などを適宜配合できるが、これに制限されるものではない。
【0119】
本発明の化粧料組成物に含まれる化粧品学的に許容可能な担体は剤形によって多様である。
【0120】
本発明の剤形が軟膏、ペースト、クリームまたはゲルの場合には、担体成分として動物性油、植物性油、ワックス、パラフィン、澱粉、トラガカント、セルロース誘導体、ポリエチレングリコール、シリコーン、ベントナイト、シリカ、タルク、酸化亜鉛またはこれらの混合物が用いられてもよい。
【0121】
本発明の剤形がパウダーまたはスプレーの場合には、担体成分としてラクトース、タルク、シリカ、アルミニウムヒドロキシド、ケイ酸カルシウム、ポリアミドパウダーまたはこれらの混合物が用いられてもよく、特に、スプレーの場合には、さらにクロロフルオロヒドロカーボン、プロパン/ブタンまたはジメチルエーテルのような推進剤を含んでもよい。
【0122】
本発明の剤形が溶液または乳濁液の場合には、担体成分として溶媒、溶解化剤または乳化剤が用いられ、例えば、水、エタノール、イソプロパノール、エチルカーボネート、エチルアセテート、ベンジルアルコール、ベンジルベンゾエート、プロピレングリコール、1,3-ブチルグリコールオイルが用いられてもよく、特に、綿実油、ピーナッツオイル、トウモロコシ胚芽油、オリーブオイル、ヒマシ油及びゴマ油、グリセロール脂肪族エステル、ポリエチレングリコールまたはソルビタンの脂肪酸エステルが用いられてもよい。
【0123】
本発明の剤形が懸濁液の場合には、担体成分として水、エタノールまたはプロピレングリコールのような液状の希釈剤、エトキシル化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトールエステル及びポリオキシエチレンソルビタンエステルのような懸濁剤、微小結晶性セルロース、アルミニウムメタヒドロキシド、ベントナイト、アガーまたはトラガカントなどが用いられ得る。
【0124】
本発明の剤形が石鹸の場合には、担体成分として脂肪酸のアルカリ金属塩、脂肪酸ヘミエステル塩、脂肪酸タンパク質ヒドロキシゲート、イセチオネート、ラノリン誘導体、脂肪族アルコール、植物性油脂、グリセロール、糖などが用いられ得る。
【0125】
本発明の化粧料組成物は、ホルモノネチン、エモジン、アルテピリン、カルノシン酸、パルミタミド、グアイアズレンスルホン酸ナトリウム、カフェイン酸、アセチルマンデル酸、ラッカイン酸、ユビキノン、ヒドロキシけい皮酸、キサントフィル、ラズベリーケトン(Raspberry ketone)、没食子酸(gallic acid)、テルピネオール(terpineol)、マンノースリン酸ナトリウム(sodium mannose phosphate)、トロポロン(tropolone)、グリチルレチン酸(glycyrrhetinic acid)、ラノステロール(lanosterol)、リン酸リボフラビンナトリウム(sodium riboflavin phosphate)、メナジオン(menadione)、チオクト酸(thioctic acid)、ラクトフラビン(lactoflavin)、タマネギ抽出物、ぬか抽出物、竹抽出物、ニンジン抽出物、ハイビスカス抽出物、厚朴抽出物、アロエ抽出物、上記抽出物の分画物で構成される群から選択される一つ以上の物質以外に通常用いられる補助剤、例えば、 親水性または親脂性ゲル化剤、親水性または親脂性活性剤、保存剤、抗酸化剤、溶媒、芳香剤、充填剤、遮断剤、顔料、吸臭剤及び染料などを含有し得る。
【0126】
本発明のもう一つの様態は、ホルモノネチン、エモジン、アルテピリン、カルノシン酸、パルミタミド、グアイアズレンスルホン酸ナトリウム、カフェイン酸、アセチルマンデル酸、ラッカイン酸、ユビキノン、ヒドロキシけい皮酸、キサントフィル、ラズベリーケトン(Raspberry ketone)、没食子酸(gallic acid)、テルピネオール(terpineol)、マンノースリン酸ナトリウム(sodium mannose phosphate)、トロポロン(tropolone)、グリチルレチン酸(glycyrrhetinic acid)、ラノステロール(lanosterol)、リン酸リボフラビンナトリウム(sodium riboflavin phosphate)、メナジオン(menadione)、チオクト酸(thioctic acid)、ラクトフラビン(lactoflavin)、タマネギ抽出物、ぬか抽出物、竹抽出物、ニンジン抽出物、ハイビスカス抽出物、厚朴抽出物、アロエ抽出物、上記抽出物の分画物で構成される群から選択される一つ以上の物質を有効成分として含む、皮膚弾力増加及びシワ改善用食品組成物を提供する。本発明において上記組成物はヒト脂肪由来幹細胞の脂肪細胞への分化を促進したり、ヒト脂肪由来幹細胞の増殖を促進することにより皮膚弾力を増加させてシワを改善させることができる。
【0127】
上記ホルモノネチン、エモジン、アルテピリン、カルノシン酸、パルミタミド、グアイアズレンスルホン酸ナトリウム、カフェイン酸、アセチルマンデル酸、ラッカイン酸、ユビキノン、ヒドロキシけい皮酸、キサントフィル、ラズベリーケトン(Raspberry ketone)、没食子酸(gallic acid)、テルピネオール(terpineol)、マンノースリン酸ナトリウム(sodium mannose phosphate)、トロポロン(tropolone)、グリチルレチン酸(glycyrrhetinic acid)、ラノステロール(lanosterol)、リン酸リボフラビンナトリウム(sodium riboflavin phosphate)、メナジオン(menadione)、チオクト酸(thioctic acid)、ラクトフラビン(lactoflavin)、タマネギ抽出物、ぬか抽出物、竹抽出物、ニンジン抽出物、ハイビスカス抽出物、厚朴、アロエ、抽出物、分画物、皮膚弾力増加及び改善は、前述した通りである。
【0128】
また、本発明は、ホルモノネチン、エモジン、アルテピリン、カルノシン酸、パルミタミド、グアイアズレンスルホン酸ナトリウム、カフェイン酸、アセチルマンデル酸、ラッカイン酸、ユビキノン、ヒドロキシけい皮酸、ラズベリーケトン、没食子酸、テルピネオール、マンノースリン酸ナトリウム、トロポロン、グリチルレチン酸、ラノステロール、リン酸リボフラビンナトリウム、メナジオン、チオクト酸、ラクトフラビンまたはキサントフィルの食品学的に許容可能な塩を有効成分として含む、皮膚弾力増加及びシワ改善用食品組成物を提供する。
【0129】
本発明において、「食品学的に許容可能な塩」とは、ホルモノネチン、エモジン、アルテピリン、カルノシン酸、パルミタミド、グアイアズレンスルホン酸ナトリウム、カフェイン酸、アセチルマンデル酸、ラッカイン酸、ユビキノン、ヒドロキシけい皮酸、ラズベリーケトン、没食子酸、テルピネオール、マンノースリン酸ナトリウム、トロポロン、グリチルレチン酸、ラノステロール、リン酸リボフラビンナトリウム、メナジオン、チオクト酸、ラクトフラビンまたはキサントフィルが他の物質と結合した塩の形態であるもので、食品学的に上記化合物と同様の活性を示す物質を意味する。
【0130】
本発明の食品組成物は、ホルモノネチン、エモジン、アルテピリン、カルノシン酸、パルミタミド、グアイアズレンスルホン酸ナトリウム、カフェイン酸、アセチルマンデル酸、ラッカイン酸、ユビキノン、ヒドロキシけい皮酸、キサントフィル、ラズベリーケトン(Raspberry ketone)、没食子酸(gallic acid)、テルピネオール(terpineol)、マンノースリン酸ナトリウム(sodium mannose phosphate)、トロポロン(tropolone)、グリチルレチン酸(glycyrrhetinic acid)、ラノステロール(lanosterol)、リン酸リボフラビンナトリウム(sodium riboflavin phosphate)、メナジオン(menadione)、チオクト酸(thioctic acid)、ラクトフラビン(lactoflavin)、タマネギ抽出物、ぬか抽出物、竹抽出物、ニンジン抽出物、ハイビスカス抽出物、厚朴抽出物、アロエ抽出物、上記抽出物の分画物で構成される群から選択される一つ以上の物質以外に食品学的に許容可能な食品補助添加剤を含んでもよい。
【0131】
本発明において、「食品補助添加剤」とは、食品に補助的に添加され得る構成要素を意味し、各剤形の健康機能食品を製造するのに添加されるもので、当業者が適宜選択して用いることができる。食品補助添加剤の例としては、種々の栄養剤、ビタミン、鉱物(電解質)、合成風味剤及び天然風味剤等の風味剤、着色剤及び充填剤、ペクチン酸及びその塩、アルギン酸及びその塩、有機酸、保護性コロイド増粘剤、pH調節剤、安定化剤、防腐剤、グリセリン、アルコール、炭酸飲料に用いられる炭酸化剤などが含まれるが、これに制限されるものではない。
【0132】
本発明の機能性食品組成物には健康機能食品が含まれてもよい。本発明において、「健康機能食品」とは、人体に有用な機能性を有する原料や成分を用いて錠剤、カプセル、粉末、顆粒、液状及び丸剤などの形態に製造及び加工した食品をいう。ここで「機能性」とは、人体の構造及び機能に対して栄養素を調節したり、生理学的作用などのような保健用途に有用な効果を得ることを意味する。本発明の健康機能食品は、当業界において通常に用いられる方法により製造可能であり、上記製造時には当業界において通常に添加する原料及び成分を添加して製造することができる。また、上記健康機能食品の剤形も健康機能食品として認められる剤形であれば、制限なく製造されてもよい。本発明の食品組成物は多様な形態の剤形に製造されてもよく、一般の薬品とは異なって食品を原料として薬品の長期服用時に発生し得る副作用などがない長所があり、携帯性に優れ、本発明の健康機能食品は皮膚弾力増加及びシワ改善のための補助剤として摂取が可能である。
【0133】
本発明の健康機能食品が取ることができる形態には制限がなく、通常の意味の食品をいずれも含むことができ、機能性食品など当業界において知られた用語と混用可能である。併せて、本発明の健康機能食品は、当業者の選択に応じて食品に含まれ得る適切なその他補助成分と公知の添加剤を混合して製造することができる。添加することができる食品の例としては、肉類、ソーセージ、パン、チョコレート、キャンディ類、スナック類、菓子類、ピザ、ラーメン、その他麺類、ガム類、アイスクリーム類を含む酪農製品、各種スープ、飲料水、お茶、ドリンク剤、アルコール飲料及びビタミン複合剤などがある。また、動物のための飼料として用いられる食品も含む。
【0134】
本発明のもう一つの様態は、ホルモノネチン、エモジン、アルテピリン、カルノシン酸、パルミタミド、グアイアズレンスルホン酸ナトリウム、カフェイン酸、アセチルマンデル酸、ラッカイン酸、ユビキノン、ヒドロキシけい皮酸、キサントフィル、ラズベリーケトン(Raspberry ketone)、没食子酸(gallic acid)、テルピネオール(terpineol)、マンノースリン酸ナトリウム(sodium mannose phosphate)、トロポロン(tropolone)、グリチルレチン酸(glycyrrhetinic acid)、ラノステロール(lanosterol)、リン酸リボフラビンナトリウム(sodium riboflavin phosphate)、メナジオン(menadione)、チオクト酸(thioctic acid)、ラクトフラビン(lactoflavin)、タマネギ抽出物、ぬか抽出物、竹抽出物、ニンジン抽出物、ハイビスカス抽出物、厚朴抽出物、アロエ抽出物、上記抽出物の分画物で構成される群から選択される一つ以上の物質を有効成分として含む、皮膚弾力増加及びシワ改善用薬学組成物を提供する。本発明において上記組成物はヒト脂肪由来幹細胞の脂肪細胞への分化を促進することにより皮膚弾力を増加させ、シワを改善させることができる。上記ホルモノネチン、エモジン、アルテピリン、カルノシン酸、パルミタミド、グアイアズレンスルホン酸ナトリウム、カフェイン酸、アセチルマンデル酸、ラッカイン酸、ユビキノン、ヒドロキシけい皮酸、キサントフィル、厚朴、アロエ、抽出物、分画物、皮膚弾力増加及び改善は、前述した通りである。
【0135】
また、本発明は、ホルモノネチン、エモジン、アルテピリン、カルノシン酸、パルミタミド、グアイアズレンスルホン酸ナトリウム、カフェイン酸、アセチルマンデル酸、ラッカイン酸、ユビキノン、ヒドロキシけい皮酸またはキサントフィルの薬学的に許容可能な塩を有効成分として含む、皮膚弾力増加及びシワ改善用薬学組成物を提供する。
【0136】
本発明において、「薬学的に許容可能な塩」とは、ホルモノネチン、エモジン、アルテピリン、カルノシン酸、パルミタミド、グアイアズレンスルホン酸ナトリウム、カフェイン酸、アセチルマンデル酸、ラッカイン酸、ユビキノン、ヒドロキシけい皮酸、ラズベリーケトン、没食子酸、テルピネオール、マンノースリン酸ナトリウム、トロポロン、グリチルレチン酸、ラノステロール、リン酸リボフラビンナトリウム、メナジオン、チオクト酸、ラクトフラビンまたはキサントフィルが他の物質と結合した塩の形態であるもので、薬学的に上記化合物と同様の活性を示す物質を意味する。
【0137】
本発明の薬学組成物は単一製剤でも用いることができ、皮膚弾力増加及びシワ改善効果を奏することが知られている薬物をさらに含めて複合製剤に製造して用いることができ、薬学的に許容される担体または賦形剤を用いて製剤化することにより単位用量の形態に製造されたり多用量の容器内に内入させて製造され得る。
【0138】
上記薬学組成物は、薬学的に有効な量で投与することができる。上記「薬学的に有効な量」とは、医学的治療に適用可能な合理的な利益/リスクの比率で疾患を治療するのに十分な量を意味し、有効用量の水準は、個体の種類及び重症度、年齢、性別、薬物の活性、薬物に対する敏感度、投与時間、投与経路及び排出比率、治療期間、同時用いられる薬物を含む要素及びその他医学分野によく知られている要素により決定され得る。
【0139】
本発明のもう一つの様態は、ホルモノネチン、エモジン、アルテピリン、カルノシン酸、パルミタミド、グアイアズレンスルホン酸ナトリウム、カフェイン酸、アセチルマンデル酸、ラッカイン酸、ユビキノン、ヒドロキシけい皮酸、キサントフィル、ラズベリーケトン、没食子酸、テルピネオール、マンノースリン酸ナトリウム、トロポロン、グリチルレチン酸、ラノステロール、リン酸リボフラビンナトリウム、メナジオン、チオクト酸、ラクトフラビン、タマネギ抽出物、ぬか抽出物、竹抽出物、ニンジン抽出物、ハイビスカス抽出物、厚朴抽出物、アロエ抽出物、上記抽出物の分画物で構成される群から選択される一つ以上の物質を有効成分として含む、皮膚弾力増加及びシワ改善用医薬部外品組成物を提供する。本発明において、上記組成物は、ヒト脂肪由来幹細胞の脂肪細胞への分化を促進することにより皮膚弾力を増加させてシワを改善させることができる。上記ホルモノネチン、エモジン、アルテピリン、カルノシン酸、パルミタミド、グアイアズレンスルホン酸ナトリウム、カフェイン酸、アセチルマンデル酸、ラッカイン酸、ユビキノン、ヒドロキシけい皮酸、キサントフィル、ラズベリーケトン、没食子酸、テルピネオール、マンノースリン酸ナトリウム、トロポロン、グリチルレチン酸、ラノステロール、リン酸リボフラビンナトリウム、メナジオン、チオクト酸、ラクトフラビン、タマネギ、ぬか、竹、ニンジン、ハイビスカス、厚朴、アロエ、抽出物、分画物、皮膚弾力増加及び改善は、前述した通りである。
【0140】
また、本発明は、ホルモノネチン、エモジン、アルテピリン、カルノシン酸、パルミタミド、グアイアズレンスルホン酸ナトリウム、カフェイン酸、アセチルマンデル酸、ラッカイン酸、ユビキノン、ヒドロキシけい皮酸、ラズベリーケトン、没食子酸、テルピネオール、マンノースリン酸ナトリウム、トロポロン、グリチルレチン酸、ラノステロール、リン酸リボフラビンナトリウム、メナジオン、チオクト酸、ラクトフラビン、またはキサントフィルの薬学的に許容可能な塩を有効成分として含む、皮膚弾力増加及びシワ改善用医薬部外品組成物を提供する。上記「薬学的に許容可能な塩」は、前述した通りである。
【0141】
本発明の医薬部外品組成物には、上記成分以外に必要に応じて薬学的に許容可能な担体、賦形剤または希釈剤をさらに含んでもよい。上記薬学的に許容可能な担体、賦形剤または希釈剤は本発明の効果を害しない限り、制限されず、例えば、充填剤、増量剤、結合剤、湿潤剤、崩解剤、界面活性剤、潤滑剤、甘味剤、芳香剤、保存剤などを含んでもよい。
【0142】
上記「薬学的に許容可能な担体」とは、生物体を刺激しないが、注入される化合物の生物学的活性及び特性を阻害しない担体、賦形剤または希釈剤を意味し得、具体的には、非自然的担体(non-naturall yoccuring carrier)であってもよい。本発明に使用可能な上記担体の種類は特に制限されず、当該技術分野において通常用いられ、薬学的に許容される担体であれば、いずれも用いることができる。上記担体の非制限的な例としては、食塩水、滅菌水、リンゲル液、緩衝食塩水、アルブミン注射用液、デキストロース溶液、マルトデキストリン溶液、グリセロール、エタノールなどを挙げることができる。これらは単独で用いられたり、2種以上を混合して用いられる。
【0143】
薬学的に許容可能な担体を含む上記組成物は、経口または非経口の様々な剤形であってもよい。製剤化する場合には、普通用いる充填剤、増量剤、結合剤、湿潤剤、崩解剤、界面活性剤などの希釈剤または賦形剤を用いて調剤される。具体的には、経口投与のための固形製剤には錠剤、丸剤、散剤、顆粒剤、カプセル剤などが含まれ、このような固形製剤は、上記化合物に少なくとも1つ以上の賦形剤、例えば、澱粉、カルシウムカーボネート、スクロース、ラクトース、ゼラチンなどを混ぜて調剤され得る。また、単純な賦形剤以外にマグネシウムステアレート、タルクのような潤滑剤も用いられる。経口のための液状製剤としては、懸濁剤、内用液剤、乳剤、シロップ剤などが該当するが、よく用いられる単純希釈剤である水、液体パラフィン以外に種々の賦形剤、例えば、湿潤剤、甘味剤、芳香剤、保存剤などが含まれ得る。非経口投与のための製剤には滅菌された水溶液、非水性溶剤、懸濁剤、乳剤、凍結乾燥製剤及び坐剤が含まれる。非水性溶剤、懸濁剤としては、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、オリーブオイルのような植物性油、オレイン酸エチルのような注射可能なエステルなどが用いられる。坐剤の基剤としては、ウイテプゾール、マクロゴール、ツイン61、カカオ脂、ラウリン脂、グリセロゼラチンなどが用いられる。
【0144】
本発明の医薬部外品組成物は、消毒清潔剤、シャワーフォーム、軟膏液、ウェットティッシュ、コーティング剤などを例示することができるが、これに制限されるものではなく、医薬部外品の製剤化方法、用量、利用方法、構成成分等は技術分野において公知となった通常の技術から適宜選択され得る。
【0145】
また、本発明の医薬部外品組成物は、個体の皮膚に塗布する段階を含む、皮膚シワ改善方法に用いることができる。上記個体は、ラット、家畜、ヒトなどを含む哺乳動物を制限なく含む。
【0146】
本発明の更に他の一つの様態は、ホルモノネチン、エモジン、アルテピリン、カルノシン酸、パルミタミド、グアイアズレンスルホン酸ナトリウム、カフェイン酸、アセチルマンデル酸、ラッカイン酸、ユビキノン、ヒドロキシけい皮酸、キサントフィル、ラズベリーケトン、没食子酸、テルピネオール、マンノースリン酸ナトリウム、トロポロン、グリチルレチン酸、ラノステロール、リン酸リボフラビンナトリウム、メナジオン、チオクト酸、ラクトフラビン、タマネギ抽出物、ぬか抽出物、竹抽出物、ニンジン抽出物、ハイビスカス抽出物、厚朴抽出物、アロエ抽出物、厚朴抽出物の分画物及びアロエ抽出物の分画物で構成される群から選択される一つ以上の物質を有効成分として含む、ヒト脂肪由来幹細胞の分化促進用組成物を提供する。本発明において、上記組成物は、ヒト脂肪由来幹細胞の脂肪細胞への分化を促進することにより皮膚弾力を増加させてシワを改善させることができる。上記ホルモノネチン、エモジン、アルテピリン、カルノシン酸、パルミタミド、グアイアズレンスルホン酸ナトリウム、カフェイン酸、アセチルマンデル酸、ラッカイン酸、ユビキノン、ヒドロキシけい皮酸、キサントフィル、ラズベリーケトン、没食子酸、テルピネオール、マンノースリン酸ナトリウム、トロポロン、グリチルレチン酸、ラノステロール、リン酸リボフラビンナトリウム、メナジオン、チオクト酸、ラクトフラビン、タマネギ、ぬか、竹、ニンジン、ハイビスカス、厚朴、アロエ、抽出物、分画物、皮膚弾力増加及び改善は、前述した通りである。
【0147】
本発明の更に他の一つの様態は、上記組成物を、ヒトを除いた個体に投与する段階を含む、皮膚弾力を増加させる方法を提供する。
【0148】
本発明で用いられる用語、「投与」とは、任意の適切な方法で患者に本発明の組成物を導入することを意味し、上記組成物の投与経路は、目的組織に到達することができる限り、任意の一般的な経路を通じて投与することができる。腹腔内投与、静脈内投与、筋肉内投与、皮下投与、皮内投与、経口投与、局所投与、鼻内投与することができるが、これに制限されない。本発明の組成物が皮膚弾力増進及びシワ改善に効果がある特性上、上記組成物の投与経路は皮膚に塗布して投与され得る。
【0149】
本発明の組成物を毎日投与または間欠的に投与してもよく、1日当たりの投与回数は1回または2~3回に分けて投与することが可能である。また、本発明の組成物は皮膚弾力増進及びシワ改善のために、単独で、または他の薬物治療と併用することができる。上記要素を全て考慮して副作用なしに最小限の量で最大効果が得られる量を投与することが重要であり、当業者により容易に決定され得る。
【0150】
本発明の用語、「個体」とは、皮膚弾力が減少したり、皮膚シワが発生したり、発生し得るヒトを含むラット、マウス、家畜などの全ての動物を意味する。具体的には、ヒトを含む哺乳動物であってもよい。
【0151】
以下、本発明を下記例により詳しく説明する。ただし、下記例は本発明を例示するためのものにすぎず、下記例により本発明の範囲が制限されるものではない。
【0152】
実施例1:厚朴及びアロエ抽出物の製造
【0153】
本実施例の厚朴抽出物は、株式会社ボラック(京畿道華城、大韓民国)から購入し、厚朴(Magnoliae Cortex)の粉末をDPG、DMSOなどの溶媒に溶かした後、0.2μmのシリンジフィルタでフィルタリングしてろ過された液体を厚朴抽出物として用いた。
【0154】
本実施例のアロエ抽出物の製造のために韓国内農場からアロエベラ(Aloe Vera)を購買し、70%のメタノールを用いて70℃で1:10の比率で1回抽出した。
【0155】
実施例2:ホルモノネチン、アセチルマンデル酸及び厚朴抽出物のヒト脂肪由来幹細胞の分化促進効果の確認
【0156】
ヒトの脂肪由来幹細胞(Human adipose derived stem cell)をロンザ社(LonzaInc, Walkersvile, MD, USA)から購入してロンザ社の実験指針書により培養した。脂肪細胞への分化如何はロンザ社で勧める分化培地を用いて実験した。陽性対照群としては、ロシグリタゾン(Rosiglitazone)1uMを用いて分化培地に処理した。脂肪由来幹細胞の脂肪細胞への分化誘導のために、上記細胞を培養してから3~5日後、細胞培養液を除去してホルモノネチン、アセチルマンデル酸及び厚朴抽出物と陽性対照群を14日間処理した。
【0157】
脂肪細胞への分化開始から14日後、細胞培養液を除去してリン酸塩緩衝液(DPBS)で細胞を洗浄した後、10%のホルマリンを用いて細胞を固定させた。固定された細胞は分化された脂肪細胞内脂質をオイルレッドO(Oil Red O)で染色して顕微鏡で観察した。その結果、代表物質であるホルモノネチン(Formononetin)、アセチルマンデル酸(Acetyl Mandelic acid)、厚朴抽出物を処理した場合、分化培地のみ処理した場合(陰性対照群)に比べて脂肪由来幹細胞の脂肪細胞への分化効果に優れることが分かる(図1)。
【0158】
実施例3:ホルモノネチンを含む12種の化合物、厚朴抽出物及びアロエ抽出物のヒト脂肪由来幹細胞の分化促進効果の定量的確認
【0159】
上記実施例2と同様の方法でホルモノネチンを含む12種の化合物、厚朴抽出物及びアロエ抽出物を培養されたヒト脂肪由来幹細胞に処理した後、100%のイソプロパノール溶液で染色されたオイルレッドOを溶出させた後、490nmの波長で吸光度を測定して定量し、その結果は図2に示した。これから本発明のホルモノネチンを含む14種の物質は、それぞれ分化培地のみ処理した陰性対照群比相対的分化率の有意な上昇を示したところ、脂肪由来幹細胞の脂肪細胞への分化を促進し、ケンフェロール(kaemphero1)のような非分化素材と比較して効果的に脂肪細胞への分化を促進させることを確認した。従って、上記物質を含む本発明組成物は、脂肪由来幹細胞の分化を促進して皮下脂肪細胞を増加させることにより、皮膚の弾力を増加させ、シワを改善する抗老化目的で用いられる。
【0160】
実施例4:厚朴抽出物の唇皮膚シワの改善効果の確認
【0161】
上記実施例1で製造された厚朴抽出物の皮膚シワ改善効果を確認するために、被験者(総被験者数:12)の唇皮膚及び目の下の皮膚のシワに上記厚朴抽出物を処理した。
【0162】
上記唇皮膚のシワは、ヤヌスの写真撮影を通じて下唇の最も突出した部位を一定の長さだけ指定し、明暗値の標準偏差を求めて測定した。上記明暗値の標準偏差の範囲は3~12であり、深いシワが多いほど標準偏差が大きく示されることを確認した。上記目の下の皮膚のシワはヤヌスの写真撮影を通じてヤヌス内のシワ分析ブログラム、即ち、シワの面積を計算して測定した。上記シワの値は7~44の範囲を示すことを確認した。
【0163】
上記唇シワ値の変化が1以上、目の下のシワ値の変化が4以上である結果を改善された結果値に分類した。上記分類の基準は、肉眼で改善有無を明確に区分できる数値が唇シワは2、目の下のシワは8であることを確認し、その1/2値を改善有無判断の基準に選定したためである。
【0164】
厚朴抽出物を唇皮膚に処理した結果、4週目から改善が始まり、8週目に改善された被験者数(8)が最大であることを確認し、12週目までこれと同様に維持されることを確認した。上記厚朴抽出物を目の下のシワに処理した結果、4週目まで唇皮膚と類似の比率で改善され、低い上昇率であるが、12週目まで改善された被験者数が増加することを確認した(図3)。
【0165】
また、厚朴抽出物を被験者の唇皮膚に処理した後、12週目までシワ改善効果が維持され、唇皮膚の弾力が改善されることを確認した(図4)。これは、厚朴抽出物が脂肪幹細胞の分化を促進して皮下脂肪細胞を増加させることにより、実際に皮膚のシワ及び弾力改善に効果があることを確認した結果である。
【0166】
従来のシワ改善の素材であるアシアチコシドと唇皮膚及び目の下の皮膚のシワ改善効果を比較した結果、厚朴抽出物は、目の下の皮膚より唇皮膚のシワに改善速度及び改善率に優れ、アシアチコシドは唇皮膚より目の下の皮膚のシワに改善速度及び改善率に優れることを確認した(図5)。
【0167】
これを通じて、厚朴抽出物は、皮膚のシワ改善効果があり、特に、唇皮膚のシワ改善に、より効果が優れることが分かる。
【0168】
実施例5:タマネギ、ぬか、竹、ニンジン及びハイビスカス抽出物の製造
【0169】
本発明において、上記タマネギ、ぬか、竹、ニンジン及びハイビスカスの抽出物は、それぞれメタノールを用いて抽出した後、これを乾燥させてパウダー形態にして用いた。
【0170】
実施例6:化合物及び抽出物のヒト由来脂肪幹細胞の増殖促進効果の確認
【0171】
ヒト脂肪幹細胞(human adipose derived stem cells)をロンザ(Lonza, Inc. Walkersville, MD, USA)から購入した後、二酸化炭素インキュベーターで摂氏37℃、5%の二酸化炭素の条件下で培養した。それぞれの素材を0.2ppm, 2ppm, 20ppmの濃度で処理した後、ヒト脂肪幹細胞の細胞活性の程度をCCK-8キット(Dojindo)を用いて確認した。その結果、各素材は、以下の表1の濃度で最高活性度を示し、いずれも非処理群(対照群)比20%以上の高い細胞活性率を示した (図6)。
【0172】
【表1】
【0173】
従って、本発明の化合物または抽出物の計19種は、ヒト脂肪由来幹細胞の増殖を有意に促進するところ、皮膚の弾力を増加させ、シワを改善して抗老化の目的で用いられる。
【0174】
以上の説明から、本発明が属する技術分野の当業者であれば、本発明がその技術的思想や必須の特徴を変更することなく、他の具体的な形態で実施されうることを理解できるだろう。これに関連し、以上で記述した実施例はあくまで例示的なものであり、限定的なものでないことを理解すべきである。本発明の範囲は上記詳細な説明よりは、後述する特許請求の範囲の意味及び範囲、そしてその等価概念から導かれるあらゆる変更または変形された形態が本発明の範囲に含まれるものと解釈すべきである。
図1
図2
図3
図4a
図4b
図5
図6
【外国語明細書】