(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024098995
(43)【公開日】2024-07-24
(54)【発明の名称】超高密度量子ドットカラーコンバータ
(51)【国際特許分類】
G02B 5/20 20060101AFI20240717BHJP
G09F 9/30 20060101ALI20240717BHJP
G09F 9/33 20060101ALI20240717BHJP
H01L 33/50 20100101ALI20240717BHJP
【FI】
G02B5/20
G09F9/30 349B
G09F9/33
H01L33/50
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024065751
(22)【出願日】2024-04-15
(62)【分割の表示】P 2022529641の分割
【原出願日】2020-11-13
(31)【優先権主張番号】16/689,202
(32)【優先日】2019-11-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】522034756
【氏名又は名称】テクタス コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マーティン、ポール
(72)【発明者】
【氏名】マンティーゼ、ルーシーマリー
(72)【発明者】
【氏名】ミラー、グレゴリー、デイヴィッド
(72)【発明者】
【氏名】フリーマン、ウィリアム
(57)【要約】
【課題】高密度のサブピクセルを有する量子ドットベースのカラーコンバータ。
【解決手段】超高密度発光ダイオードアレイ用のカラーコンバータであって、基板と、色変換層と、を含み、色変換層が、基板の上にあるサブピクセルの第1のグループを含み、サブピクセルの第1のグループが、第1の複数の量子ドットを含み、第1の複数のサブピクセルが、第1の波長範囲内で光を放出し、各サブピクセルが独立して、30μm
3未満の体積と、1μm~3μmの厚さと、5μm未満のピッチと、10体積%~50体積%の、体積内の量子ドットの密度と、を含み、体積%は、量子ドットの総体積から任意のリガンドまたは他の介在材料を引いたものをサブピクセルの総体積で割ったものに基づく、カラーコンバータ。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
超高密度発光ダイオードアレイ用のカラーコンバータであって、
基板と、
色変換層と、を含み、前記色変換層が、
前記基板の上にあるサブピクセルの第1のグループを含み、
前記サブピクセルの第1のグループが、第1の複数の量子ドットを含み、
第1の複数のサブピクセルが、第1の波長範囲内で光を放出し、
各サブピクセルが独立して、
30μm3未満の体積と、
1μm~3μmの厚さと、
5μm未満のピッチと、
10体積%~50体積%の、前記体積内の前記量子ドットの密度と、を含み、体積%は、量子ドットの総体積から任意のリガンドまたは他の介在材料を引いたものを前記サブピクセルの総体積で割ったものに基づく、カラーコンバータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、高密度のピクセルを有する量子ドットカラーコンバータに関する。ピクセルは、高密度の量子ドットを有する。カラーコンバータは、光学ディスプレイにおいて使用することができる。
【背景技術】
【0002】
LEDによって照射される量子ドット含有ピクセルのアレイが、ディスプレイにおいて広く使用されている。統合コンタクトレンズディスプレイなどの用途で使用するための量子ドット含有ピクセルアレイのサイズを縮小することは、独自の課題を提示する。
【0003】
本明細書に記載される図面は、例示のみを目的としている。図面は、本開示の範囲を限定することを意図しない。
【図面の簡単な説明】
【0004】
【
図1】本開示によって提供される緑色、赤色、および青色のサブピクセルの例を示す。
【
図2】本開示によって提供される、下層および上層のブラッグ反射器を組み込んだ緑色、赤色、および青色のサブピクセルの例を示す。
【
図3A】異なる直径および異なるピッチを有するサブピクセルのアレイを通して透過した青色光の一例を示す。
【
図3B】異なる直径および異なるピッチを有するサブピクセルのアレイを通して透過した青色光の一例を示す。
【
図3C】異なる直径および異なるピッチを有するサブピクセルのアレイを通して透過した青色光の一例を示す。
【
図3D】異なる直径および異なるピッチを有するサブピクセルのアレイを通して透過した青色光の一例を示す。
【
図3E】異なる直径および異なるピッチを有するサブピクセルのアレイを通して透過した青色光の一例を示す。
【
図3F】異なる直径および異なるピッチを有するサブピクセルのアレイを通して透過した青色光の一例を示す。
【
図3G】異なる直径および異なるピッチを有するサブピクセルのアレイを通して透過した青色光の一例を示す。
【
図3H】異なる直径および異なるピッチを有するサブピクセルのアレイを通して透過した青色光の一例を示す。
【
図3I】異なる直径および異なるピッチを有するサブピクセルのアレイを通して透過した青色光の一例を示す。
【
図3J】異なる直径および異なるピッチを有するサブピクセルのアレイを通して透過した青色光の一例を示す。
【
図4】2.8μmのピッチを有する1.4μm径のサブピクセルのアレイを通して透過した青色光を示す。
【
図5A】12.5μmのピッチの9.6μm径のサブピクセルのアレイを通して透過した青色光を示す。
【
図5B】2μmの厚さ(深さ)を有する12.5μmのピッチの9.6μm径の量子ドット含有サブピクセルのアレイの緑色発光を示す。緑色の量子ドットアレイは、下にある青色のサブピクセルアレイによってポンプすることができる。
【
図5C】2μmの厚さ(深さ)を有する12.5μmのピッチの9.6μm径の量子ドット含有サブピクセルのアレイの赤色発光を示す。赤色量子ドットアレイは、下にある青色サブピクセルアレイによってポンプされる。
【
図6A】2.8μmのピッチの、2μmの厚さ(深さ)を有する1.4μm径の青色サブピクセルのアレイを通して透過した青色光を示す。
【
図6B】2.8μmのピッチの、2μmの厚さ(深さ)を有する1.4μm径の緑色量子ドット含有サブピクセルのアレイを通る緑色発光を示す。
【
図6C】2.8μmのピッチの、2μmの厚さ(深さ)を有する1.4μm径の赤色量子ドット含有サブピクセルのアレイを通る緑色発光を示す。
【
図7】本開示によって提供される色変換層の一例を示す。
【
図8A】本開示によって提供される量子ドットカラーコンバータを製造するために使用されるステップの一例を示す。
【
図8B】本開示によって提供される量子ドットカラーコンバータを製造するために使用されるステップの一例を示す。
【
図8C】本開示によって提供される量子ドットカラーコンバータを製造するために使用されるステップの一例を示す。
【
図8D】本開示によって提供される量子ドットカラーコンバータを製造するために使用されるステップの一例を示す。
【
図8E】本開示によって提供される量子ドットカラーコンバータを製造するために使用されるステップの一例を示す。
【
図8F】本開示によって提供される量子ドットカラーコンバータを製造するために使用されるステップの一例を示す。
【
図9】サブピクセルのアレイと、異なる色のサブピクセルを含むピクセルとを示す。
【発明を実施するための形態】
【0005】
本発明の広い範囲を記載する数値範囲およびパラメータは、近似値であるにもかかわらず、特定の例において記載される数値は、できる限り正確に報告される。しかしながら、任意の数値は、それらのそれぞれの試験測定に見られる標準変動、人ごとの変動、および/または日ごとの変動に必然的に生じる特定の誤差を固有に含む。
【0006】
また、本明細書に列挙される任意の数値範囲は、その中に包含されるすべての部分範囲を含むことを意図していることを理解されたい。例えば、「1~10」の範囲は、列挙されている最小値1~列挙されている最大値10(列挙されている値を含む)、すなわち、1に等しいまたは1を超える最小値および10に等しいまたは10未満の最大値を有する、すべての部分範囲を含むことが意図される。
【0007】
「カラーコンバータ」とは、例えば、青色発光ダイオード(LED)のアレイからの光などの入射放射線の波長を、例えば、緑色および赤色の波長範囲内の光などの1つ以上の異なる波長範囲内の発光に変換するように構成された構造を指す。カラーコンバータは、複数のピクセルを含み、複数のサブピクセルを含む色変換層と、パッシベーション層、反射層、クロストーク最小化層、および/または集束層などの1つ以上の他の層とを含む複数の層を含むことができる。
【0008】
色変換素子とは、複数の量子ドットを含む体積を指す。例えば、色変換素子は、青色光を赤色光および/または緑色光に変換することができる複数の量子ドットを含むことができる。
【0009】
「赤色波長範囲」は、565nm~650nmの波長範囲を指す。
【0010】
「遠赤色波長範囲」は、650nm~750nmの波長範囲を指す。
【0011】
「緑色波長範囲」は、515nm~565nmの波長範囲を指す。
【0012】
「青色波長範囲」は、405nm~475nmの波長範囲を指す。
【0013】
「サブピクセル」は、ディスプレイデバイスの個々にアドレス指定可能な要素を指す。サブピクセルは、色変換素子、および任意選択的に、色変換素子の下にある1つ以上の材料層、および/または色変換素子の上にある1つ以上の材料層を含むことができる。1つ以上の下にある材料層および/または上にある材料層は、1つ以上の機能を果たすことができる。例えば、下にある層は、基板、波長選択フィルタ、またはピクセルとサブピクセルとの間のクロストークを最小限に抑えるように設計された層として機能することができる。上にある材料層は、例えば、パッシベーション層、波長選択フィルタ、またはレンズとして機能することができる。
【0014】
「ピクセル」は、ディスプレイにわたって繰り返されるサブピクセルのグループを指す。例えば、ピクセルは、2~6個、例えば、2、3、4、5または6個のサブピクセルを含むことができる。ピクセルは、例えば、赤色サブピクセル、緑色サブピクセル、および青色サブピクセルを含むことができる。他の色の組み合わせも可能である。
【0015】
量子ドット含有サブピクセルは、ディスプレイにおいて広く使用されている。
【0016】
特定の用途の場合、超高密度量子ドットフルカラーコンバータは、2μm未満のピッチでサブピクセルを有する2μm未満の厚さであることが望ましい可能性がある。これらの寸法で高い全体的な変換効率を有する量子ドットサブピクセルを製造し、超高密度量子ドットカラーコンバータを堅牢な小型化された光学ディスプレイに統合することは、専門的な材料および処理の使用を必要とする。
【0017】
光学ディスプレイは、LEDアレイの上にある量子ドットカラーコンバータを含むことができる。カラーコンバータは、サブピクセルのアレイを含むことができる。特定のサブピクセルは、第1の波長範囲内の入射光を第2の波長範囲内の放出光に変換することができる量子ドットを含むことができる。例えば、ディスプレイの文脈において、入射青色光は、赤色波長範囲の放出光に変換され得、他のサブピクセルは、青色波長範囲の光とともに照射されたときに緑色波長範囲の発光が可能な量子ドットを含むことができ、他のサブピクセルは、青色波長範囲の光に対して透明である。サブピクセルの各々は、LEDアレイの対応する青色発光LEDと位置合わせすることができる。
【0018】
5μm未満のサブピクセルピッチを有する光学ディスプレイなどの超高密度光学ディスプレイは、携帯型電子デバイスおよびコンタクトレンズアレイにおいて有用であり得る。光学ディスプレイを組み込んだコンタクトレンズは、例えば、米国出願公開第2018/0149884号に記載されている。超高密度光学ディスプレイ、特にコンタクトレンズ用の光学ディスプレイは、独自の設計要件を提示する。ディスプレイが1秒当たり1ピクセルを超えるピクセル密度において「シャープに見える」ことが周知である(スネレン20/20)。スネレン20/20は「完璧」な人間の視力ではないが、60代の大人の平均に近い。視力障害のない若年成人は、20/16~20/12の視力を有する。スネレン20/12は、100ピクセル/度に対応し、ピクセルサイズにさらなる制約を加える。角度分解能はピクセル/度で定義されるため、ディスプレイが目に近ければ近いほど、所望のスネレン角分解能を達成するためには、ディスプレイのピクセルPPI(線形インチ当たりのピクセル)が高くなければならない。QLEDテレビは、約2メートルの視聴距離に対応するために約150μmのピクセルピッチを有し、量子ドット含有色変換フィルムの厚さは約15μmである。携帯電話は、約0.3メートルの視聴距離に対応するために、約55μmのピクセルピッチを有する。約0.04メートルの距離から見たヘッドセット上のディスプレイは、約9μmのピクセルピッチを有することができる。網膜から約25mmのコンタクトレンズ上のディスプレイは、コンタクトレンズディスプレイから網膜画像までの3倍の倍率で、約5度の視野にわたる20/20の視力のための60ピクセル/度の測定基準を満たすために、約1.8μmのピクセルピッチを有するべきである。4つのサブピクセルを含むピクセルの例を
図9に示す。
【0019】
増加したPPIおよびピクセルピッチは、色変換層の要件に影響を与える可能性がある。色変換効率は、特定の色変換されたサブピクセルから放出される赤、緑、または他の波長範囲内の色変換された光子の数を、色変換層に衝突する青色光子または紫外線光子などのポンプ光子の数で割ったものとして定義され、量子ドットと、量子ドットを分離する材料との間の距離に依存する。少数のポンプ光子は、ディスプレイを出て、色純度を彩度減少させ得る。色変換純度は、特定の色変換されたサブピクセルから出る光の純度の尺度であり、色変換された光子の数を、特定の色変換されたサブピクセルから出る色変換された光子およびポンプ光子の両方を含む光子の合計数で割ったものとして定義される。例えば、赤色変換されたサブピクセルの場合、色変換の純度は、赤色サブピクセルから出る赤色光子の数を、同じ赤色サブピクセルに存在する赤色光子の数に青色光子などのポンプ光子の数を足した合計で割ったものとして定義される。色変換効率および色変換純度の両方について、100%への増加が望ましく、ピクセルサイズおよび厚さが減少するにつれて、両方の測定基準がより困難になる。色変換純度は、特定の量子ドットの光学特性と、色変換フィルム内の量子ドットの密度との強い関数である。ピクセルの幅が、約75μmのサブピクセルサイズを有するQLEDテレビディスプレイのものから、超高密度コンタクトレンズディスプレイのための約2μm未満にまで減少すると、15μm厚の量子ドット含有サブピクセルを維持することは非現実的になり、これは高いアスペクト比を有する量子ドット含有サブピクセルを製造することは課題を提示するからである。さらに、コンタクトレンズディスプレイなどの特定の用途では、ディスプレイを可能な限り薄くすることが望ましい。実用的な製造および薄型ディスプレイの目的を満たすために、サブピクセル高さが2μm以下であることが望ましい可能性がある。次いで、約50%を超える許容可能な色変換効率および約80%を超える許容可能な色変換純度を維持するために、高アスペクト比サブピクセル内の量子ドットの密度を増加させなければならない。しかしながら、量子ドットの実用的な密度は、隣接する量子ドット間のフォースター共鳴エネルギー移動によって制限される可能性があり、これは、フォースター共鳴エネルギー移動(FRET)の影響を軽減するために、隣接する量子ドットが約5nm~約10nmの均一な間隔であることを必要とする。金属側壁などの他のサブピクセル要素へのエネルギー移動もまた、効率を低下させる可能性がある。約10μm未満の総厚さを有するカラーコンバータ、ならびに約2μm未満のピッチおよび約2μm未満のサブピクセル幅を有する複数のサブピクセルを含む色変換層が、本開示によって提供される。
【0020】
超高密度カラーコンバータを作成する課題は、高密度量子ドットパッキングを可能にしかつFRETを最小限に抑える量子ドット上にコーティングを提供することと、RGB(赤/緑/青)サブピクセルに5μm未満のピッチで10,000よりも大きいPPIを提供することができる構造およびプロセスを開発することと(6.4μmのピッチは約3,900PPIであり、1.3μmのピッチは約19,500PPIである)、許容可能な暗レベルおよび低サブピクセル間クロストークを有する正確なカラー色域を提供することとを含む。
【0021】
本開示により提供されるカラーコンバータは、色変換層を含む複数の層を含むことができる。例えば、カラーコンバータは、基板層、基板層の上にある色変換層、色変換層の上にあるパッシベーション層、および任意選択的に反射層およびレンズ層などの追加の層を含むことができる。
【0022】
色変換層は、複数のサブピクセルを含むことができ、サブピクセルの少なくとも一部は、複数の量子ドットを含む。
【0023】
ピクセル内の量子ドットの体積分数は、10%~70%、10%~50%、10%~40%など、10%~30%、または10%~20%であることができる。
【0024】
色変換層は、例えば、20μm未満、15μm未満、10μm未満、または5μm未満の厚さを有することができる。
【0025】
複数のサブピクセルを含む色変換層は、例えば、0.2mm2~10mm2の面積を有することができる。
【0026】
色変換層は、例えば、0.2mm~1.5mmの線形寸法を有することができる。
【0027】
色変換層の例を
図1に示す。
図1は、上にあるLEDアレイ102に相互接続されたシリコンCMOS回路101を示す。色変換層103は、複数のサブピクセル104を含む層と、下にあるパッシベーション層105と、上にあるパッシベーション層106とからなる。個々のLEDは、個々のサブピクセルに位置合わせされている。ピクセル層104は、それぞれ複数の緑色および赤色の量子ドットを含む緑色サブピクセル104aおよび赤色サブピクセル104bを含み、LEDアレイ102によって放出される青色波長範囲の光を透過するように構成された青色サブピクセル104cをさらに含む。色変換層103は、例えば、2μmの厚さであることができる。
【0028】
色変換層は、入射波長範囲内の入射光を1つ以上の放出波長範囲内の放出光に変換するように構成することができる。光学ディスプレイの場合、入射光は、青い波長範囲内にあることができ、複数のサブピクセルは、視覚的表示のための許容可能な色域を提供するように選択することができる。REC2020の100%を生成するように設計された4色ディスプレイは、例えば、赤色、緑色、青色、およびシアンのサブピクセルを含むことができる。ナイトビジョンを保存するように設計された4色ディスプレイは、約720nmを超えるピーク放出波長を有する深赤色(DR)サブピクセルを追加し得る。
【0029】
特定の用途の場合、本開示によって提供されるカラーコンバータが455nmの青色光から80%を超える緑色光または赤色光への量子変換効率を示すこと、緑色サブピクセルおよび赤色サブピクセルが緑色サブピクセルおよび赤色サブピクセルを通して2%未満の青色漏れを有すること、層厚が2μm未満であること、サブピクセルが3.3μm以下のピッチで配置されること、隣接するサブピクセル間のクロストークまたは消滅比は1000:1未満になり得ること、ならびに色変換層が、有用な時間枠にわたって密封を提供するように構成されたSiO2シーラント技術および他の誘電体フィルムと適合性があること、が望ましい可能性がある。
【0030】
特定の色変換層では、LEDアレイからの青色光は、青色透過性サブピクセルを通して透過され得る。特定のカラーコンバータでは、LEDは、400nm~430nmの波長範囲で発光することができ、青色のサブピクセルは、400nm~430nmの波長範囲で吸収し、かつ例えば、450nm~490nmの青色の波長範囲で発光することができる複数の量子ドットを含むことができる。
【0031】
特定のカラーコンバータでは、LEDアレイは、近紫外線波長範囲、例えば、300nm~400nm、または他の好適な波長範囲で発光することができる。
【0032】
特定のカラーコンバータでは、LEDアレイは、例えば、780nm~1700nmの近赤外波長範囲、または他の好適な波長範囲で発光することができ、量子ドットは、複数の低エネルギー光子を吸収し、所望の可視波長にアップコンバートすることができる。
【0033】
特定の色変換層では、複数のサブピクセルのすべてまたは一部は、650nm~750nmなどの赤色から近赤外線波長範囲で発光することができる量子ドットを含むことができる。近赤外線ディスプレイは、夜間視覚用途に有用である可能性がある。
【0034】
色変換層は、複数のピクセルを含むことができる。例えば、色変換層は、1,000~1,000,000ピクセル、5,000~500,00ピクセル、または10,000~100,000ピクセルを含むことができる。色変換層は、例えば、1,000を超えるピクセル、5,000を超えるピクセル、10,000を超えるピクセル、100,000を超えるピクセル、または1,000,000を超えるピクセルを含むことができる。
【0035】
色変換層は、単一の色で発光するピクセルを含むことができるか、またはサブピクセルのグループを含むことができ、サブピクセルの各グループが異なる波長範囲内で発光する。異なる波長範囲内で発光するサブピクセルのグループの任意の好適な数を使用することができる。4つのサブピクセルを含むピクセルの例が、
図9に示されており、サブピクセルは赤色、緑色、青色、およびシアンの波長範囲で発光する。
図9は、六角形のサブピクセル901のアレイを示す。ピクセル902は、赤いサブピクセル901a、シアンのサブピクセル901b、緑のサブピクセル901c、および青のサブピクセル90-1dを含む。
【0036】
複数のサブピクセルは、第1の波長範囲内の入射光を、1つ以上の波長範囲内の放出光に変換するように構成することができる。例えば、入射光は、青色の波長範囲にあることができ、放出光は、赤色、緑色、深赤色、および青色の波長範囲にあることができる。
【0037】
複数のサブピクセルはまた、入射ポンプ波長がサブピクセルから直接放出されるように、任意の色変換層なしで構成することができる。例えば、
図9を参照すると、青色のサブピクセルは、青色のポンプLEDによって放出される青色の光を含むことができるか、または青色の発光量子ドットを含むサブピクセルの青色の発光であることができる。
【0038】
サブピクセルは、例えば、1μm~4μm、1μm~3μm、または1μm~2μmの最大面内寸法を有することができる。
【0039】
サブピクセルは、例えば、5μm未満、4μm未満、3μm未満、2μm未満、または1μm未満の最大面内寸法を有することができる。
【0040】
サブピクセルは、例えば、0.5μm~4μm、0.5μm~4μm、0.5μm~3μm、または0.5μm~2μmの深さを有することができる。
【0041】
サブピクセルは、例えば、0.5μm~3μmの高さおよび0.5μm~3μmの幅、1μm~3μmの高さおよび1μm~3μmの幅、または1μm~2μmの高さおよび1μm~2μmの幅を有することができる。
【0042】
サブピクセルは、最大面内寸法と同じまたはそれより大きい深さを有することができる。
【0043】
サブピクセルは、例えば、12:1~1:12、10:1~1:10、8:1~1:8、6:1~1:6、4:1~1:4、3:1~1:3、2:1~1:2、または1.5:1~1:1.5のアスペクト比を有することができる。
【0044】
サブピクセルは、例えば、1:1を超える、2:1を超える、4:1を超える、6:1を超える、8:1を超える、10:1を超える、または12:1を超えるアスペクト比(高さ:幅)、を有することができる。サブピクセルは、例えば、12:1未満、10:1未満、8:1未満、5:1未満、4:1未満、3:1未満、2:1未満、1:1未満、0.5:1未満、または0.2:1未満のアスペクト比(高さ:幅)を有することができる。
【0045】
サブピクセルは、例えば、0.1μm3~70μm3、1μm3~64μm3、3μm3~40μm3、6μm3~50μm3、または10μm3~40μm3の体積を有することができる。サブピクセルは、例えば、70μm3未満、60μm3未満、50μm3未満、40μm3未満、30μm3未満、20μm3未満、10μm3未満、または1μm3未満の体積を有することができる。
【0046】
サブピクセルは、10:1~2:1、8:1~2:1、6:1~2:1、または4:1~2:1のアスペクト比(高さ:幅)と、0.5μm~3μm、または1μm~3μmの高さとを有することができる。
【0047】
サブピクセルは、10:1~2:1、8:1~2:1、6:1~2:1、または4:1~2:1のアスペクト比(高さ/幅)と、1μm~3μm、または1μm~2μmの幅とを有することができる。
【0048】
サブピクセルは、16:1~4:1、12:1~4:1、10:1~4:1、8:1~4:1または6:1~4:1のアスペクト比(高さ/幅)と、0.5μm~3μm、または1μm~3μmの高さとを有することができる。
【0049】
サブピクセルは、16:1~4:1、12:1~4:1、10:1~4:1、8:1~4:1、または6:1~4:1のアスペクト比(高さ/幅)と、1μm~3μm、または1μm~2μmの幅とを有することができる。
【0050】
これは、テレビディスプレイで使用される20μmピッチ量子ドットLEDの場合の約1:2のアスペクト比(高さ/幅)と比較される。
【0051】
サブピクセルは、任意の好適な断面プロファイルを有することができる。例えば、サブピクセルは、正方形断面プロファイル、六角形断面プロファイル、または円形断面プロファイルを有することができる。
【0052】
サブピクセルは、例えば、0.5μm~10μmの幅を有することができ、サブピクセル面積は、例えば、0.2μm2~30μm2であることができる。
【0053】
サブピクセルは、無機材料または有機材料などの材料によって境界付けられることができる。
【0054】
サブピクセルを境界付ける材料は、赤、緑、青の波長範囲の放射線などの可視放射線に対して非吸収性であり、その後の処理温度に耐え、および/または赤、緑、青の波長範囲の放射線を反射するように、選択することができる。
【0055】
好適な無機材料の例は、半導体、金属および金属合金を含む。例えば、サブピクセルを境界付ける材料は、アルミニウムを含むことができる。
【0056】
好適な有機材料の例は、ポリマー、ポリマー複合体、熱伝導性ポリマー複合体、または導電性ポリマー複合体を含む。
【0057】
サブピクセルは、アルミニウム薄膜内の空洞などの、薄膜内の空洞または十分に画定された空洞を含むことができる。
【0058】
サブピクセルは、隣接するサブピクセル間の空間が材料で充填される、基板上に堆積または構築された特徴を含むことができる。サブピクセルは、例えば、化学エッチングなどの化学ベースのプロセス、イオンミリングなどの物理ベースのプロセス、またはプラズマエッチングなどのそれらの組み合わせを含む除去プロセスによって作成される空洞によって画定することができる。サブピクセルは、例えば、電気化学的メッキなどの化学ベースのプロセス、物理的蒸着、蒸発、またはスパッタリングなどの物理ベースのプロセス、または原子層堆積、化学的蒸着、もしくレーザー誘導メッキなどのそれらの組み合わせを含む、積層プロセスによって作成された空洞によって画定することができる。
【0059】
複数のサブピクセルは、共通の基板上に配設された複数の色変換素子を含むことができる。例えば、共通の基板は、アルミニウム層であることができる。色変換素子は、アルミニウム基板内の空洞またはウェルとして画定することができ、その結果、側壁はアルミニウムを含む。サブピクセルの底部は、青色発光LEDによるサブピクセルの照射を可能にするための青色透過性材料などの透過性材料を含むことができる。色変換素子は、基板と色変換素子間の材料とによって画定することができる。基板および分離材料は、同一または異なることができる。
【0060】
サブピクセルは、垂直側壁または非垂直側壁を有することができる。側壁は、前方光散乱を容易にするように構成することができる。側壁は、LEDからの光に対して反射的である、および/またはサブピクセル内の量子ドットによって放出される光に対して反射的であるように構成することができる。
【0061】
サブピクセルの側壁は、サブピクセルによって放出/透過された光の、遠くにファイルされた放出パターを制御するために、光を反射、散乱、および/またはガイドするように構成され得る。例えば、サブピクセル側壁は、量子ドットの励起波長での光および/または量子ドットによって放出される光を反射またはガイドすることができるように構造化することができる。これは、励起波長および発光波長において異なる屈折率を有する材料でサブピクセルの側壁をコーティングすることによって達成することができる。
【0062】
サブピクセルは、第1の波長範囲内の入射光を第2の波長範囲内の光に変換するように構成することができる。他のサブピクセルは、サブピクセルを通して光を透過するように構成することができる。これは、
図1に示され、サブピクセル104aおよび104bは、青色光を緑色光および赤色光にそれぞれ変換し、ピクセル104cは、青色光を透過する。
【0063】
色変換サブピクセルは、複数の量子ドットを含むことができる。透過サブピクセルは、入射放射線を吸収しない材料を含むことができる。
【0064】
透過サブピクセルは、色変換サブピクセルの発光パターンに類似するように透過パターンを修正するように構成された材料を含むことができる。
【0065】
量子ドットは、量子拘束効果により電気的特性および光学的特性がバルク特性と異なるサイズ、組成、および構造を有する半導体材料である。量子ドットの蛍光は、光吸収による価電子の励起、続いて励起された電子が接地状態に戻るときに、より低いエネルギー波長での発光から生じる。量子拘束は、量子ドットのサイズ、組成、および構造に応じて、価電子帯と伝導帯との間のエネルギー差を生じさせる。例えば、量子ドットが大きいほど、その蛍光スペクトルのエネルギーは低くなる。量子ドットのフォトルミネッセンス発光波長は、鋭い発光スペクトルを有することができ、高い量子効率を示す。
【0066】
量子ドットは、例えば、好適な波長または波長の範囲における光を変換し、選択された波長の光を吸収し、および/または1つの形態のエネルギーを別の形態に変換することができる、ロッド、ディスク、プロレートスフェロイド、および結晶性、多結晶性、または非晶質ナノ粒子などの任意の好適な幾何学形状を有することができる。
【0067】
量子ドット半導体材料の例は、例えば、II-VI族、III-V属、IV-VI属半導体材料を含む。好適な量子ドット材料は、CdS、CdSe、CdTe、ZnS、ZnSe、ZnTe、GaAs、GaP、GaAs、GaSb、HgS、HgSe、HgTe、InAs、InP、InSb、AlAs、AlP、およびAlSbを含む。好適な量子ドット材料の他の例は、InGaP、ZnSeTe、ZnCdS、ZnCdSe、およびCdSeSを含む。マルチコア構造も可能である。マルチコア量子ドット構成の例は、半導体コア材料を有する量子ドット、コアを酸化から保護し、格子マッチングを容易にする薄い金属層、および発光特性を強化するシェルを含む。コアおよびシェル層は、同じ材料から形成することができ、例えば、列挙された半導体材料のいずれかから形成され得る。金属層は、ZnまたはCdを含むことができる。量子ドットのコアは、量子ドットの性能および/または信頼性を向上させるために、コア-シェル境界面において通常発生する格子ミスマッチをより長い距離にわたって分布させるように構成されたグレード化された組成物を含むことができる。例えば、量子ドットは、コア-シェル格子ミスマッチを分布させる、および/またはエキシトン閉じ込めおよび/または電子ホール分布を制御する、および/または環境を改善するための層を追加する目的で、複数のシェルを含むことができる。
【0068】
量子ドットは、例えば、1nm~10nm、例えば、1nm~8nm、1nm~6nm、1nm~5nm、または2nm~4nmの直径を有することができる。
【0069】
複数の量子ドットは、0.8 PDI未満、例えば0.7 PDI未満、0.6 PDI未満、0.5 PDI未満、0.4 PDI未満、または0.3 PDI未満の多分散度(PDI)を有することができる。複数の量子ドットは、例えば、0.1~0.8、0.2~0.7、または0.3~0.6のPDIを有することができる。PDIは、光散乱を使用して決定することができる。例えば、動的光散乱DLSは、一般的に使用される方法である。使用環境における量子ドットの見かけのサイズに関してより正確な結果を与えることができる別の方法は、サイズ排除クロマトグラフィーである。
【0070】
FRETを最小限に抑える量子ドット間の分離を維持するために、量子ドットは、連続または不連続であることができる外層を含むことができる。量子ドットの外層は、所望の電子特性を提供すること、および/または所望の化学特性を提供することなどの1つ以上の追加の機能を果たすことができる。量子ドットは、概して、さらなるシェルを堆積させることができる初期外側シェルを有し、量子ドットの表面は、量子ドットが環境と相互作用する方法をさらに修正する有機分子などのリガンドを含むことができる。望ましくない非放射性エネルギー移動の低減は、高バンドギャップの外側コーティングを使用して、および/または量子ドット間の最小間隔を確立するようにリガンドを設計することによって実現され得る。
【0071】
量子ドットコーティングは、例えば、1nm~6nmの平均厚さを有することができる。
【0072】
外部量子ドット層は、コーティングを含むことができ、コーティングは、単一の層または複数の層を含むことができる。
【0073】
量子ドットコーティングは、波長選択性コーティングを含むことができる。例えば、波長選択性コーティングは、青色波長範囲の光を透過し、赤色または緑色の波長範囲の光を透過するように構成することができる。
【0074】
量子ドットは、反応性コーティングを含むことができる。反応性コーティングは、相補的な反応性官能基と共反応することができる未反応の反応性官能基を含むことができる。
【0075】
例えば、半導体シェルは、量子ドットの半導体コアを保護および不動態化するために半導体コア上に成長させることができる。半導体シェルは、コア放出効率および安定性を向上させる。多層構造も可能である。多層構造の例は、コア上に成長した第1のシェル材料、続いて発光特性を向上させるための第2のシェル材料などを含む。シェルは、量子ドットからの発光スペクトルとは異なる特定のスペクトルで光を吸収するように機能し得る。
【0076】
量子ドットは、コア-シェル格子ミスマッチの分配、エキシトン閉じ込めの制御、電子ホール分布の制御、および/または環境堅牢性の改善の目的で、複数のコーティングを含むことができる。
【0077】
外層は、例えば、金属酸化物コーティングを含むことができる。実施形態による好適な金属酸化物コーティングは、ZnO、ZrO2、Nb2O3、Sb2O3、NiO、Cu2O、WO3、SnOx、Cr2O3、V2O5、MoO3、ReO3、In2O3、BiVO4、およびSrTiO3を含む。
【0078】
量子ドットはまた、有機リガンド、および/または量子ドット半導体コアの表面もしくは量子ドット半導体コアを囲むコーティングに結合された有機リガンドを含むことができる。リガンドは、量子ドットに、または量子ドットの外面のコーティングに直接結合することができる。
【0079】
量子ドットは、リガンドまたはリガンドの組み合わせを含むことができる。リガンドまたはリガンドの組み合わせは、1つ以上の目的を果たすことができる。例えば、リガンドは、量子ドットの凝集を最小限に抑え、隣接する量子ドット間の間隔を提供し、保護外面を提供し、および/またはピクセルの他の成分と反応可能な反応性官能基を提供することができる。
【0080】
リガンドは、一方の末端が量子ドットの表面に共有結合されている直鎖または分枝鎖分子を含むことができる。
【0081】
量子ドットは、シェルが金属酸化物、金属硫化物、または金属リン化物であり得るコア/シェル構成を有することができ、量子ドットシェルの表面と非共有結合的に配位する有機リガンドまたはハイブリッド有機リガンドの1つ以上の層を有することができる。
【0082】
量子ドットは、間隔リガンドを含む外面を含むことができる。サブピクセル内に組み立てられたとき、隣接する量子ドットが、FRETを最小限に抑える間隔を維持するように、間隔リガンドを選択することができる。例えば、間隔リガンドは、隣接する量子ドット間の1nm~10nmの間隔、隣接する量子ドット間の2nm~8nm、3nm~7nm、または4nm~6nmの間隔を維持することができる。間隔リガンドは、2nmを超える、3nmを超える、4nmを超える、5nmを超える、6nmを超える、7nmを超える、または8nmを超える、隣接する量子ドット間の平均分離を維持するように選択することができる。
【0083】
リガンドは、反応性リガンドを含むことができる。反応性リガンドは、1つ以上の化学反応性官能基を含むことができる。反応性リガンドは、量子ドット、量子ドットに結合した別のリガンド、または量子ドット上の外部コーティングに結合、例えば、共有結合することができる。
【0084】
反応性リガンドは、例えば、別の量子ドットの相補的官能基と反応するように、結合剤の相補的官能基と反応するように、および/または有機もしくは無機粒子に結合したリガンドの相補的官能基と反応するように構成することができる。
【0085】
反応性官能基は、紫外線(UV)放射線などの化学線、または青色波長範囲の放射線への曝露時に反応するように選択することができる。
【0086】
化学線への曝露時に反応する化学物質の例は、チオール/チオレン、チオール/チオリン、および(メタ)アクリロイル/(メタ)アクリロイルなどの特定のマイケル受容体を含む。したがって、反応性官能基は、チオール、アルケニル、アルキニル、および(メタ)アクリロイル基から選択することができる。
【0087】
反応性リガンドは、熱放射に曝露されると、相補的官能基と反応することができる。熱活性化硬化化学は、チオール/エポキシおよびチオール/マイケル受容体化学を含む。
【0088】
反応性リガンドの例は、アミノ末端化アクリレート、カルボキシ末端化アクリレート、スルフヒドリル末端化アクリレート、アルケニル末端化アクリレート、およびチオール末端化アクリレートを含む。
【0089】
リガンドは、量子ドットと反応可能な1つ以上の官能基を含むことができる。
【0090】
非反応性リガンドは、量子ドットに共有結合することができる1つ以上の官能基を含むことができ、非反応性リガンドの他端は、サブピクセルの他の構成要素と反応することができない1つ以上の化学部分を含むことができる。
【0091】
反応性リガンドは、量子ドットに共有結合可能な1つ以上の官能基を含むことができ、反応性リガンドの他端は、サブピクセルの1つ以上の他の構成要素と反応可能な1つ以上の化学部分を含むことができる。
【0092】
リガンドは、例えば、隣接する量子ドット間、量子ドットとサブピクセルの側壁との間、ならびに/またはサブピクセル内の量子ドットと有機および/もしくは無機粒子との間の接着を促進するように構成することができる。
【0093】
好適な接着促進剤の例は、有機官能性アルコキシシランを含む。
【0094】
リガンドは、サブピクセル側壁と量子ドットとの間の最小距離を制御するように構成することができる。
【0095】
本開示により提供されるサブピクセルは、高密度の量子ドットを含むことができる。例えば、サブピクセルは、10体積%~50体積%の量子ドット、15体積%~45体積%、20体積%~40体積%、または25体積%~35体積%の量子ドットを含むことができ、ここで、体積%は、サブピクセルの総体積に基づく。サブピクセルは、例えば、10体積%を超える量子ドット、15体積%を超える、20体積%を超える、25体積%を超える、30体積%を超える、35体積%を超える、40体積%を超える、または45体積%を超える量子ドットを含むことができ、ここで、体積%は、サブピクセルの総体積に基づく。
【0096】
サブピクセルは、例えば、50体積%未満の量子ドット、45体積%未満、40体積%未満、35体積%未満、30体積%未満、25体積%未満、20体積%未満、または15体積%未満の量子ドットを含むことができ、ここで、体積%は、サブピクセルの総体積に基づく。
【0097】
サブピクセル内の複数の量子ドットは、ランダムにパックまたは立方体格子などの規則的な格子にパックすることができ、立方体格子は、単純な立方体に加えて、bccおよびfccパッキング幾何学形状、四面体格子、またはhcpを含む六角形システムを含む。bccおよびfcc構造は、単純な立方体の相互貫通ケースと見なすことができるが、これらは、QDがすべて同じではない場合、特にコア-シェル構造が同じであるが、リガンド構造が異なる場合を含むように本明細書で言及される。例えば、サブピクセルは、2つ以上の異なるリガンド構造を有する量子ドットを含むことができ、1つのリガンド構造は、例えば、サブピクセルの壁と相互作用するように構成することができ、別のリガンド構造は、例えば、量子ドット機能を最適化するように構成することができる。
【0098】
サブピクセルは、複数の量子ドットの各々が同じである複数の量子ドットを含むことができる。例えば、類似の量子ドットは、同じ半導体材料を含むことができ、同じ外部組成を有することができる。
【0099】
サブピクセルは、量子ドットのうちの少なくともいくつかが複数の量子ドットのうちの他のものと異なる複数の量子ドットを含むことができる。そのような実施形態では、複数の量子ドットは、同じ半導体材料を有し、同じ平均直径を有し、異なる外側コーティングを有することができる。例えば、第1の複数の量子ドットは、第1の反応性官能基を含むリガンドまたはコーティングを含むことができ、第2の複数の量子ドットは、第2の反応性官能基を含むリガンドまたはコーティングを含むことができる。第1の反応性官能基は、第2の官能基と反応性であることができる。
【0100】
サブピクセルは、例えば、結合剤、有機粒子、および/または有機粒子を含むことができる。
【0101】
結合剤は、量子ドットを保持するためのマトリックスを提供するように選択することができる。
【0102】
結合剤は、複数の量子ドット間にインターカレート可能な材料として提供することができる。
【0103】
結合剤は、量子ドットよりも平均直径が小さい粒子などの粒子として提供することができる。
【0104】
結合剤は、熱硬化性組成物または熱可塑性組成物を含むことができる。熱硬化性結合剤は、サブピクセル空洞に量子ドット含有組成物を充填することを容易にするために、低い初期粘度を有することができる。硬化後、結合剤は、カラーコンバータをディスプレイの他の構成要素と統合するために半導体処理方法を使用することを容易にするために、高い劣化温度を有することができる。
【0105】
量子ドット含有組成物を堆積させ、大気酸素への曝露によって引き起こされる量子ドットの劣化を最小限に抑えるために、真空または不活性雰囲気下で硬化させることができる。
【0106】
サブピクセルは、有機粒子および/または無機粒子を含むことができる。
【0107】
有機粒子は、例えば、スペーサーおよび/または結合剤として機能することができる。有機結合剤粒子は、例えば、サブピクセル内の量子ドットまたは他の粒子上の官能基と反応可能な反応性官能基を含むことができる。
【0108】
有機粒子は、任意の好適な有機材料から形成することができる。
高温に耐えるように有機粒子を選択することができる。好適な高温ポリマーの例は、テトラフルオロエチレン(ETFE)、エチレンクロロトリフルオロエチレンECTFE、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ペルフルオロアルコキシアルカン(PFA)、ポリベンズイミダゾール(PBI)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトンケトン(PEKK)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、フタロニトリル、ポリスルホン(PSU)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリフタラミド(PPA)、PTFE高温ナイロン、および上記のいずれかの組み合わせを含む。
【0109】
有機粒子は、例えば、桂皮酸系ポリアクリレート、p-ヒドロキシ桂皮酸(4HCA)、フェルラ酸(MHCA)、カフェイン酸(DHCA)、4-アミノ桂皮酸(4ACA)などの桂皮酸誘導体に由来するポリエステル系、またはシクロブタンテトラカボキシル酸二無水物およびアミノ桂皮酸誘導体に由来するポリイミド系を含むことができる。
【0110】
熱応力に耐えるサブピクセルの能力を容易にするために、有機粒子を選択することができる。好適なエラストマーポリマーの例は、ポリエーテル、ポリブタジエン、フルオロエラストマー、ペルフルオロエラストマー、エチレン/アクリルコポリマー、エチレンプロピレンジエンターポリマー、ニトリル、およびポリチオラミン、ならびに前述のいずれかの組み合わせを含む。
【0111】
無機粒子は、量子ドットの吸収断面を増強し、それによって量子ドットの波長変換効率を改善するように構成することができる。例えば、効率を高める無機粒子は、銀または金を含むことができる。波長変換効率向上粒子は、固体銀もしくは金粒子を含むことができるか、または銀もしくは金コーティングを有する固体有機もしくは無機粒子を含むことができる。
【0112】
青色光などの入射放射線を反射する粒子は、サブピクセル内の入射放射線の内部反射を増加させることにより、サブピクセルを通る入射光の透過を減少させることもできる。
【0113】
サブピクセルは、複数の量子ドットが埋め込まれた有機マトリックス材料を含むことができる。マトリックス材料は、熱硬化物などの架橋性材料を含むことができる。マトリックス材料は、最初に低粘度を有することができ、例えば、熱エネルギーまたは紫外線などの化学線に曝露されると硬化可能であることができる。マトリックス材料は、量子ドット、スペーサー粒子、サブピクセルの他の成分、および/またはサブピクセル側壁上の反応性リガンドと化学反応することができる化合物を含むことができる。
【0114】
半導体の処理条件を含む後続の処理に対して、マトリックス材料が安定であることが望ましい可能性がある。
【0115】
サブピクセルは、放射線を透過するように構成することができる。例えば、色変換サブピクセルは、青い波長範囲で放射することができる。非色変換サブピクセルは、青色光を透過するように構成することができ、例えば、405nm~475nmの青色波長範囲の放射線に対して透過性の材料を含むことができる。青色透過性サブピクセルは、例えば、二酸化ケイ素粒子または二酸化ケイ素薄膜などの二酸化ケイ素を含むことができる。粒子は、色変換サブピクセルのものと同様の発光パターンと同様の透過パターンを生成するように構成することができる。
【0116】
サブピクセルの変換効率は、量子ドットの変換効率および幾何学的要因に依存することができる。
【0117】
例えば、変換効率は、(1)入射励起放射線の幾何学的パターン、(2)吸収、反射、および入口の幾何学的形状を含むサブピクセルへの入口界面での損失、(3)サブピクセル側壁およびバルクマトリックス材料による励起放射線の吸収および散乱、(4)励起波長での量子ドットの吸収断面、(5)非放射性プロセスに対する量子ドットの効率、(6)例えば、量子ドットの形状および組成に依存することができる量子ドットの発光パターン、(7)励起波長と発光波長との間のエネルギー差、(8)サブピクセル内の光の再循環であって、サブピクセルのいずれかの端部へのコーティングの効果と、量子ドットによる再吸収とを含む再循環、および(9)偶然にも最も重要な要因の1つである、サブピクセルの出口からの発光分布、によって決定することができる。
【0118】
量子ドットの変換効率は、例えば、局所加熱、熱伝導、熱放散、材料吸収、量子ドットの漂白、ならびに/または量子ドット内の欠陥の作成および/もしくは活性化などの要因に依存することができる。
【0119】
複数のサブピクセルは、任意の好適な構成を有することができる。例えば、複数のサブピクセルは、正方行列、三角行列、六角行列、または他の規則的な行列パターンとして構成することができる。
【0120】
複数のサブピクセルの特定のサブピクセルは、複数のサブピクセルの他のサブピクセルに対して異なる高さおよび/または幅を含む異なる寸法を有することができる。異なる強度または飽和を有するサブピクセルを提供するために、異なるサブピクセル寸法を使用することができる。
【0121】
複数のサブピクセルは、例えば、規則的なアレイ、規則的なパターン、または不規則なパターンの形態で構成することができる。
【0122】
複数のサブピクセルは、サブピクセルの1つ以上のグループを含むことができ、サブピクセルの1つ以上のグループの各々が、異なる波長で放射線を放出または透過する。
【0123】
複数のサブピクセルは、例えば、青い波長範囲の放射線を提供することができるサブピクセルのグループ、緑の波長範囲の放射線を提供することができるサブピクセルのグループ、および赤の波長範囲の放射線を提供することができるサブピクセルのグループを含むことができる。
【0124】
赤色および緑色の波長範囲で放射線を提供することができるサブピクセルのグループは、青色の波長範囲で入射放射線を変換することができる複数の量子ドットを含むことができる。青色波長範囲の放射線を提供することができるサブピクセルは、青色放射線に対して透過性であることができる。
【0125】
複数のサブピクセルは、例えば、405nm~475nmの波長範囲の青色光を照射したときに、515nm~565nmの波長範囲の放射線を放出することができる複数の量子ドットを含むサブピクセルのグループを含むことができる。
【0126】
複数のサブピクセルは、例えば、405nm~475nmの波長範囲の青色光を照射したときに595nm~635nmの波長範囲の放射線を放出することができる複数の量子ドットを含むサブピクセルのグループを含むことができる。
【0127】
複数のサブピクセルは、例えば、405nm~475nmの波長範囲の青色光を照射したときに、450nm~475nmの波長範囲の放射線を放出することができる複数の量子ドットを含むサブピクセルのグループを含むことができ、励起波長の長い波長尾部の2σ点は、発光波長未満である。
【0128】
複数のサブピクセルは、例えば、405nm~475nmの波長範囲の青色光を照射したときに、650nm~750nmの波長範囲の放射線を放出することができる複数の量子ドットを含むサブピクセルのグループを含むことができる。
【0129】
複数のサブピクセルは、例えば、470nm~620nmの波長範囲の青色光を照射したときに650nm~750nmの波長範囲の放射線を放出することができる複数の量子ドットを含むサブピクセルのグループを含むことができる。
【0130】
複数のサブピクセルは、例えば、405nm~475nmの青色波長範囲の光を透過可能な複数の量子ドットを含むサブピクセルのグループを含むことができる。
【0131】
例えば、複数のサブピクセルは、サブピクセルの第1のグループを含むことができ、サブピクセルの第1のグループの各サブピクセルは、405nm~475nmの波長範囲内の青色光で照射されたときに515nm~565nmの緑色波長範囲内の波長で発光することができる第1の複数の量子ドットを含み、サブピクセルの第2のグループを含むことができ、サブピクセルの第2のグループの各サブピクセルは、405nm~475nmの波長範囲内の青色光で照射されたときに595nm~635nmの赤色波長範囲の波長で発光することができる第2の複数の量子ドットを含み、サブピクセルの第3のグループを含み、サブピクセルの第3のグループの各サブピクセルは、400nm~425nmの波長範囲の紫外線を450nm~475nmの青色波長範囲に変換することができる第3の複数の量子ドットを含む。
【0132】
サブピクセルの各グループは、サブピクセルの別のアレイと同じまたは異なることができるアレイで独立して構成することができる。
【0133】
複数のサブピクセルのサブピクセルの各グループは、ディスプレイを提供するのに適した任意の好適なタイル配置で構成することができる。フルカラーディスプレイを提供するために、サブピクセルのアレイを交互配置することができる。
【0134】
カラーコンバータを形成する複数のサブピクセルの特定のサブピクセルは、量子ドットを含まない場合がある。量子ドットのないサブピクセルは、入射放射線を別の波長に変換せず、青い波長範囲の光などの光をサブピクセルを通して透過させることを意図している。そのようなサブピクセルは、例えば、90%を超える透過性、95%を超える透過性、または99%を超える透過性などの、青い波長範囲の光に対して透過性である有機材料を充填することができる。
【0135】
カラーコンバータは、例えば、10サブピクセル~1,000,000サブピクセル、例えば100サブピクセル~750,000サブピクセル、1,000サブピクセル~500,000サブピクセル、または10,000サブピクセル~100,000サブピクセルなどを含むことができる。カラーコンバータは、例えば、10個を超えるサブピクセル、1,000個を超えるサブピクセル、10,000個を超えるサブピクセル、100,000個を超えるサブピクセル、500,000個を超えるサブピクセル、または1,000,000個を超えるサブピクセルを含むことができる。カラーコンバータは、例えば、2,000,000未満のサブピクセル、1,000,000未満のサブピクセル、500,000未満のサブピクセル、100,000未満のサブピクセル、10,000未満のサブピクセル、1,000未満のサブピクセル、または100未満のサブピクセルを含むことができる。
【0136】
カラーコンバータは、PPI(ピクセル毎リニアインチ)、例えば100PPI~50,000PPI、1,000PPI~50,000PPI、5,000PPI~50,000PPI、または10,000PPI~50,000PPIを有することができる。
【0137】
カラーコンバータは、PPI、例えば、100PPI~5,000PPI、200PPI~5,000PPI、または500PPI~5,000PPIを有することができる。
【0138】
10μm未満の厚さおよび10,000を超えるPPIを有するカラーコンバータが、本開示により提供される。
【0139】
これを達成するために、カラーコンバータは、有色サブピクセルの青色光の透過を最小限に抑えたシングルパスデバイスであることが望ましい。例えば、青色光で照射される赤および緑色のサブピクセルについては、サブピクセルが波長選択フィルタを含まず、各サブピクセルを透過する青色光が95%の色変換純度(95の赤色光子を95の赤色光子+5の青色光子で割ったもの)に相当する5%未満であり、かつ発光分布が比較的狭いことが望ましい。全体効率の大幅な向上は、発光角度を狭めることによって達成することができる。例えば、半球状のエミッタは、6srをわずかに超えて放射される。66°の含まれる角度を有する発光円錐は、1srに対する。
【0140】
本開示によって提供されるカラーコンバータの統合を容易にするために、使用される材料は、200℃を超える温度などの半導体処理温度に耐えることが望ましい。
【0141】
しかしながら、サブピクセルが、量子ドットおよび有機マトリックス材料上のコーティングおよび/またはリガンドなどの有機材料を含む限り、サブピクセルは、半導体処理温度に耐えることができない場合がある。それにもかかわらず、より高い温度に耐えることができる有機材料が所望される。
【0142】
カラーコンバータは、複数のサブピクセルおよび1つ以上の追加の層を含む色変換層を含むことができる。
【0143】
カラーコンバータは、色変換層の下に基板を含むことができる。基板は、色変換層を製造するために使用される犠牲層であることができる。基板は、半導体基板または金属基板などの無機基板を含むことができる。
【0144】
カラーコンバータは、色変換層の上にパッシベーション層を含むことができる。パッシベーション層は、後続の処理ステップの間、色変換層を平面化する、および/または色変換層を保護する役割を果たすことができる。
【0145】
カラーコンバータは、色変換層の上および/または色変換層の下にある波長選択領域を含むことができる。波長選択領域は、例えば、ブラッグ反射器を含むことができる。下にある波長選択領域は、青色光を透過し、緑色または赤色光を反射するように構成することができる。上にある波長選択領域は、赤色または緑色の光を透過し、青色の光を反射するように構成することができる。
【0146】
波長選択層を含むカラーコンバータの例を
図2に示す。
図2に示されるカラーコンバータは、透明層201、剥離層202、緑色サブピクセル204a、赤色サブピクセル204b、および青色サブピクセル204cを含む色変換層204の下にある第1の波長選択領域203、パッシベーション層またはシール層205、およびパッシベーション層205の上にある第2の波長選択領域206を含む。透明層201は、例えば、サファイアを含むことができ、剥離層202は、例えば、GaNまたはSOIを含むことができる。
【0147】
第1の波長選択領域203は、例えば、第1の波長範囲内の青色光を透過させ、緑色光および赤色光を反射させるように構成することができる。第2の波長選択領域205は、第1の波長範囲内の青色光を反射し、第2の波長範囲内の緑色光、赤色光、および青色光を透過するように構成することができる。色変換層およびピクセルは、例えば0.5μm~2μmの厚さを有することができる。
【0148】
色変換層は、個々のサブピクセル間にアルミニウムまたは他の金属を含むことができる。
【0149】
第2の波長選択領域は、異なるサブピクセルにわたって異なる特性を有することができる。例えば、緑色および赤色のサブピクセルの上にある第2の波長選択領域の横方向部分は、入射した青色放射線を反射し、量子ドット含有サブピクセルによって放射された緑色および赤色の放射線を透過するように構成することができる。青色サブピクセルの上にある第2の波長選択領域の横方向部分は、入射した青色放射線を透過するように構成することができるか、または存在しない場合があり、青色サブピクセルの上にある領域は、SiO2などの光透過性材料で充填される場合がある。
【0150】
色変換層の上にある波長選択領域は、例えば、460nm未満の波長で光を反射するように構成することができる。
【0151】
波長選択領域は、ブラッグ反射器を含むことができ、例えば、SiO2、TiO2、ハフニウム酸化物、タンタル酸化物、およびアルミニウム酸化物などの材料の任意の好適な組み合わせを使用して製造される。
【0152】
波長選択領域は、色変換層によって放出および/または透過される光の分散を低減するように構成された表面を含むことができる。
【0153】
カラーコンバータは、複数のレンズを含む、上にあるレンズアレイを含むことができる。複数のレンズは、それぞれのサブピクセルと位置合わせすることができ、ピクセルから放射される放射線の分散を狭めるように構成することができる。好適なナノ構造化表面の例は、表面プラズモン強化放出を強化するように構成されたナノメートル厚の金属層を含む。
【0154】
カラーコンバータは、色変換層の下にある解離層を含むことができる。解離層は、1つのサブピクセルから別のサブピクセルに伝送される光の結合を最小限に抑えることができる。解離層は、例えば、二酸化ケイ素、無機酸化物、セラミック、金属酸化物、非化学量論的亜酸化物、シリコーン、スルホン、または他の好適な有機材料を含むことができる。
【0155】
超高密度カラーコンバータ内の量子ドット含有サブピクセルは、高密度の量子ドットを含むことが望ましい。
【0156】
従来のインクジェット法を使用して、量子ドット含有材料を空洞に堆積させることは、量子ドットの高濃度に起因する高い材料粘度、および空洞内に閉じ込めることができる可能性により、困難である。真空下でのインクジェット堆積は、少なくともある程度、空気の閉じ込めを最小限に抑えることができる。
【0157】
高密度の量子ドットは、量子ドットを含むインクを調製し、インクをサブピクセル空洞内に堆積させ、量子ドットを除去することなく、マトリックス材料の少なくとも一部を空洞から除去することによって得ることができる。マトリックス材料の除去は、例えば、2018年10月26日に出願され、その全体が参照により組み込まれる、題名が「Methods of Modifying the Composition of Material Layers」の米国出願第16/172,562号に記載されているように、浸透方法によるゲル堆積を使用して達成することができる。
【0158】
高密度の量子ドットは、サブピクセル空洞を量子ドットで充填し、続いて結合剤を空洞内にインターカレーションすることによって得ることができる。結合剤は、量子ドット間のサブピクセル自由体積全体にインターカレートし得るか、またはキャッピング層として機能し、サブピクセルの上部セクションにインターカレートし得る。
【0159】
高密度の量子ドットは、サブピクセル空洞に結合剤粒子と組み合わせて量子ドットを充填することによって得ることができる。結合剤粒子は、量子ドットと共にサブピクセル空洞内に分散する。
【0160】
高密度の量子ドットは、サブピクセル空洞に反応性リガンドを含む量子ドットを充填することによって得ることができる。
【0161】
結合剤は、インク、インターカレートされた結合剤、結合剤粒子、または反応性リガンドのいずれの形態であっても、サブピクセルと架橋して、量子ドットを固定することができる。結合剤反応は、例えば、使用される硬化化学に応じて、紫外線などの化学線を使用して、または熱的に開始することができる。
【0162】
量子ドットを含むインクは、例えば、ローラーコーティングを使用して、色変換層の表面をエラストマーブレードでこすることによってインクを空洞内に押し込むことによって、またはスクイージーコーティングによって、サブピクセル空洞内に堆積させることができる。高粘度量子ドット含有インクが高アスペクト比空洞を充填する能力を促進するために真空を使用することができる。
【0163】
自由流動粒子として、量子ドットは、サブピクセル空洞が流動チャネルを通して充填され、次にバインダーでキャップされて粒子を固定するマイクロ流体堆積方法を使用して、サブピクセル内に堆積させることができる。ピクセルに自由に流れる量子ドットを充填することは、サブピクセルにおける結合剤のVol%を最小化し、それによってサブピクセル内の量子ドットの密度を増加させることができる。
【0164】
カラーコンバータは、例えば、アルミニウム層を基板上に堆積させて、複数のサブピクセルを画定することと、複数の第1の量子ドットを第1の複数のサブピクセルに堆積させることと、第2の複数の量子ドットを第2の複数のサブピクセルに堆積させることと、光透過性材料を第3の複数のサブピクセルに堆積させて、カラーコンバータを形成する色域の3つのカラー頂点を提供することとによって製造することができる。
【0165】
基板は、Al2O3層、Al2O3層の上にあるSi3N4リフトオフ層、およびSi3N4リフトオフ層の上にあるSiO2層を含むことができる。
【0166】
アルミニウム層は、1μm~3μmの厚さを有することができる。
【0167】
複数の空洞は、例えば、1μm~3μmの深さ、1μm~3μmの幅、および3μm~5μmのピッチを有することができる。
【0168】
適宜、カラーコンバータは、反射層、パッシベーション層、およびサブピクセルクロストーク減少層などの追加の層を含むことができる。
【0169】
カラーコンバータをLEDアレイ上に組み立てるために、カラーコンバータは、リフトオフ層を活性化し、分離されたカラーコンバータをLEDアレイ上に整列させ、次いで結合することによって、基板から分離することができる。
【実施例0170】
本開示によって提供される実施形態は、本開示によって提供される方法、組成物、およびデバイスを説明する以下の実施例を参照することによってさらに示される。本開示の範囲から逸脱することなく、材料および方法の両方に対する多くの変更が実施され得ることは、当業者には明らかであろう。
【0171】
実施例1
図3A~
図3Jは、異なる寸法を有し、異なるピッチにあるサブピクセルのアレイを透過した青色光を示す。
図3A~
図3Eに示されたサブピクセルは、12.5μmのピッチで9.6μmの直径を有する(
図3A)、6μmのピッチで3.6μmの直径を有する(
図3B)、3.3μmのピッチで1.4μmの直径を有する(
図3C)、2.8μmのピッチで1.4μmの直径を有する(
図3D)、および2.3μmのピッチで1.4μmの直径を有する(
図3E)。
【0172】
図3F~
図3Jは、200倍の倍率で、対応するサブピクセルアレイを示す。
【0173】
実施例2
図4は、500倍の倍率で、2.8μmのピッチで1.4μmの直径を有するサブピクセルウィンドウを示す。
【0174】
実施例3
図5A~
図5Cは、それぞれ、青色、緑色、および赤色のサブピクセルを示す。サブピクセルは、9.6μmの直径および2μmの厚さを有する。
図5Aは、下にあるLEDアレイからのサブピクセルアレイを通る青色光の透過を示す。
図5Bは、青色LED光を照射した量子ドットからの緑色発光を示す。青色光から緑色光への量子変換効率は74%、青色光の漏れは12%であった。
図5Cは、青色LED光を照射した量子ドットからの赤色発光を示す。青色光から赤色光への量子変換効率は57%、青色光の漏れは21%であった。
【0175】
緑色および赤色の量子ドット含有サブピクセルは、量子ドット含有インクをウェルに押し込むことによって調製された。
【0176】
実施例4
図6A~
図6Cは、2.8μmの直径のサブピクセル(
図6A~
図6B)および2μmの深さを有する3.3μmの直径のサブピクセル(
図6C)のアレイを示す。倍率は200倍と500倍である(インセット)。
【0177】
実施例5
図7は、サブピクセル空洞を有する色変換層の例を示す。構造は、Al
2O
3基板701、0.1μm厚のSi
3N
4リフトオフ層702、500nm厚のSiO
2層703、アルミニウム706によって分離されたサブピクセル705を含む2μm厚の層704、およびSiO
2の0.2μm厚の層を含む。サブピクセル795は、量子ドット含有組成物が充填され、1.3μmのピッチで0.7μm幅である。
【0178】
実施例6
図8A~
図8Fは、カラーコンバータを製造するために使用されるステップの実施例を示す。
図8Aは、Al
2O
3ウエハ802、Si
3N
4の0.1μm厚の層803、およびSiO
2の0.5μm厚の層804を含む、基板801の詳細を示す。
図8Bでは、アルミニウム層805が基板801上に堆積されている。レジスト806は、アルミニウム層805、およびクロムエッチマスク807に選択的に堆積されている。
図8Cは、サブピクセル808を画定するためのエッチング後の構造を示す。
図8Dに示されるように、特定のサブピクセルは、赤色発光量子ドット組成物809が充填される。次いで、赤色サブピクセルは、
図8Eに示されるように、SiO
2などの保護層810でコーティングされ、緑色発光量子ドット組成物811は、
図8Fに示されるように、選択されたサブピクセルに堆積される。青色透過サブピクセル812には、透過性材料を充填することができ、色変換層は、パッシベーション層(図示せず)でコーティングされる。
【0179】
本発明は、追加的または代替的に、以下の条項1~30に記載する態様としてよい。ただし、本発明はこれらの記載により限定されない。
[条項1]
超高密度発光ダイオードアレイ用のカラーコンバータであって、
基板と、
色変換層と、を含み、色変換層が、
基板の上にあるサブピクセルの第1のグループを含み、
サブピクセルの第1のグループが、第1の複数の量子ドットを含み、
第1の複数のサブピクセルが、第1の波長範囲内で光を放出し、
各サブピクセルが独立して、
30μm3未満の体積と、
1μm~3μmの厚さと、
5μm未満のピッチと、
10体積%~50体積%の、体積内の量子ドットの密度と、を含み、体積%は、量子ドットの総体積から任意のリガンドまたは他の介在材料を引いたものをサブピクセルの総体積で割ったものに基づく、カラーコンバータ。
[条項2]
各サブピクセルが、2:1~10:1のアスペクト比(高さ:幅)を特徴とする、条項1に記載のカラーコンバータ。
[条項3]
追加の複数のサブピクセルをさらに含み、各サブピクセルにつき1つが、着色されたピクセルを構成し、追加の複数のサブピクセルが、追加の波長範囲内の光を透過するように構成されている、条項1に記載のカラーコンバータ。
[条項4]
追加の複数のサブピクセルのうちの1つが、量子ドット色変換材料を含まず、追加の複数のサブピクセルを提供するためにポンプ波長を通過させるように構成されている、条項3に記載のカラーコンバータ。
[条項5]
第1の波長範囲内の光、第2の波長範囲内の光、および第3の波長範囲内の光が、カラーコンバータを特徴付ける色域の3つの色頂点を画定する、条項1に記載のカラーコンバータ。
[条項6]
色変換層が複数のピクセルを含み、複数のピクセルの各々が1~5個のサブピクセルを含む、条項1に記載のカラーコンバータ。
[条項7]
色変換層が、100~50,000のPPIを特徴とする、条項1に記載のカラーコンバータ。
[条項8]
ピクセルの第1のグループの各サブピクセル、およびピクセルの第2のグループの各ピクセルが、66°未満の発光円錐を特徴とする、条項1に記載のカラーコンバータ。
[条項9]
各サブピクセルが複数の変換強化粒子を含む、条項1に記載のカラーコンバータ。
[条項10]
各サブピクセルが、結合剤を含む、条項1に記載のカラーコンバータ。
[条項11]
複数の量子ドットが間隔リガンドを含む、条項1に記載のカラーコンバータ。
[条項12]
複数の量子ドットが反応性リガンドを含む、条項1に記載のカラーコンバータ。
[条項13]
反応性リガンドが、結合剤、粒子、側壁、相補的反応性リガンド、ならびに/または量子ドットのリガンドおよび/もしくはコーティングと化学的に反応するように構成されている、条項12に記載のカラーコンバータ。
[条項14]
サブピクセルの第1のグループおよびサブピクセルの第2のグループの各々が、405nm~475nmの波長範囲内の光で照射されたときに70%超の色変換効率を示し、色純度は、サブピクセルを通るポンプ光の透過が10%未満であることに対応して、90%超である、条項1に記載のカラーコンバータ。
[条項15]
405nm~475nmの波長範囲の青色光で照射されると、サブピクセルの第1のグループが、515nm~565nmの緑色波長範囲で発光することができ、サブピクセルの第2のグループが、565nm~650nmの赤色波長範囲内で発光することができる、条項1に記載のカラーコンバータ。
[条項16]
サブピクセルの第1のグループと、サブピクセルの第2のグループとが交互配置されている、条項1に記載のカラーコンバータ。
[条項17]
色変換層の下、および/または色変換層の上に、パッシベーション層をさらに含む、条項1に記載のカラーコンバータ。
[条項18]
色変換層の下、および/または色変換層の上に選択的波長反射層をさらに含む、条項1に記載のカラーコンバータ。
[条項19]
色変換層の下に光学的解離層をさらに含む、条項1に記載のカラーコンバータ。
[条項20]
色変換層の上に構造化層をさらに含み、構造化層がサブピクセルの第1のグループおよび第2によって放出される光を集束させるように構成されている、条項15に記載のカラーコンバータ。
[条項21]
光学ディスプレイであって、
発光ダイオードアレイと、
発光ダイオードアレイの上にありかつ発光ダイオードアレイに光学的に結合されている条項1に記載のカラーコンバータと、を含む、光学ディスプレイ。
[条項22]
発光ダイオードアレイの下にありかつ発光ダイオードアレイに電気的に相互接続された回路層を含む、条項21に記載の光学ディスプレイ。
[条項23]
条項21に記載の光学ディスプレイを含む電子デバイス。
[条項24]
色変換層の作製方法であって、
複数の空洞を画定するために基板上にアルミニウム層を堆積させることと、
複数の空洞の第1の部分内に第1の色変換材料を堆積させることであって、第1の色変換材料が第1の複数の量子ドットを含む、堆積させることと、
複数の空洞の第2の部分内に第2の色変換材料を堆積させることであって、第2の色変換材料が第2の複数の量子ドットを含む、堆積させることと、を含み、
複数の空洞の各々が、
30μm3未満の体積と、
1μm~3μmの厚さと、
5μm未満のピッチと、
10体積%~50体積%の、体積内の量子ドットの密度と、を含み、体積%はサブピクセルの総体積に基づく、方法。
[条項25]
複数の空洞の第3の部分内に色透過性材料を堆積させて、
カラーコンバータを特徴付ける色域の3つの色頂点を提供することをさらに含む、条項24に記載の方法。
[条項26]
第2の色変換材料のアレイを堆積した後、重合反応を開始することをさらに含む、条項24に記載の方法。
[条項27]
第1の色変換のアレイを堆積させることが、ゲル透過によって堆積させることを含む、条項24に記載の方法。
[条項28]
堆積が、複数の量子ドットを含むインクを空洞内に塗布することを含む、条項24に記載の方法。
[条項29]
堆積させることが、量子ドットを含む自由流動組成物を空洞内に堆積させることを含む、条項24に記載の方法。
[条項30]
条項24に記載の方法により作製された、カラーコンバータ。
【0180】
最後に、本明細書に開示される実施形態を実施する代替的な方法が存在することに留意されたい。したがって、本実施形態は、例示的であり、限定的ではないとみなされるべきである。さらに、特許請求の範囲は、本明細書に与えられる詳細に限定されるべきではなく、これら全範囲およびその等価物に権利がある。