(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024009901
(43)【公開日】2024-01-23
(54)【発明の名称】スポットカラーを印刷する工程
(51)【国際特許分類】
B41J 2/21 20060101AFI20240116BHJP
B41J 2/525 20060101ALI20240116BHJP
【FI】
B41J2/21
B41J2/525
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023174632
(22)【出願日】2023-10-06
(62)【分割の表示】P 2020531117の分割
【原出願日】2018-12-03
(31)【優先権主張番号】62/595,771
(32)【優先日】2017-12-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】514100751
【氏名又は名称】エイブリィ・デニソン・コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】AVERY DENNISON CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】デ・フレーデ,バルト
(57)【要約】 (修正有)
【課題】大幅な色域拡張等々のために、さらなるスポットカラーを使用できる改善された印刷工程が必要である。
【解決手段】プロセスインクカラーセットから8つ以下のプロセスカラーを選択するステップと、プロセスインクカラーセットから選択されたプロセスカラーに対するカラーチャンネルを提供するステップと、スポットカラーチャンネルを提供するステップであって、1つ以上のスポットカラーは、プロセスインクカラーセットの選択されていないプロセスカラーに対応するステップと、第1のインク制限及び第1の線形化をスポットカラーチャンネルに適用して、プロセスインクカラーセットの選択されていないプロセスカラーを含むカラーセットを生成するステップと、第2のインク制限及び第2の線形化をスポットカラーチャンネルに適用して、スポットカラーを含むカラーセットを生成するステップと、画像を選択的に印刷するステップとを含む、印刷工程。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
公知のプロセスインクカラーセットから8つ以下のプロセスカラーを選択するステップと、
公知のプロセスインクカラーセットから選択されたプロセスカラーを含む8つ以下のカラーチャンネルを提供するステップと、
スポットカラーを含む2つ以上のカラーチャンネルを提供するステップであって、前記スポットカラーのうちの1つ以上は、公知のプロセスインクカラーセットの選択されていないプロセスカラーに対応するステップと、
1つ以上のスポットカラーを含む各々のカラーチャンネルに2つ以上のインク制限を適用するステップと、
1つ以上のスポットカラーを含む各々のカラーチャンネルに2つ以上の線形化を適用するステップと、
画像を選択的に印刷するステップを含む、印刷工程。
【請求項2】
1つ以上のスポットカラーを含む各々のカラーチャンネルは、適用されたインク制限及び適用された線形化によって、公知のプロセスインクカラーセットのスポットカラー又は選択されていないプロセスカラーとして作動するように構成される、請求項1に記載の工程。
【請求項3】
第1のインク制限及び第1の線形化は、1つ以上のスポットカラーを含む各々のカラーチャンネルに適用されて、公知のプロセスインクカラーセットの選択されていないプロセスカラーを含むカラーセットを生成する、請求項1又は2に記載の工程。
【請求項4】
第2のインク制限及び第2の線形化は、1つ以上のスポットカラーを含む各々のカラーチャンネルに適用されて、スポットカラーを含むカラーセットを生成する、請求項1~3のいずれか一項に記載の工程。
【請求項5】
スポットカラーに対する多数のカラーチャンネルと、プロセスカラーに対する多数のカラーチャンネルの割合は、少なくとも0.5:1である、請求項1~4のいずれか一項に記載の工程。
【請求項6】
前記提供されたスポットカラーに対するチャンネルは、さらなるスポットカラーチャンネルを含み、前記さらなるスポットカラーチャンネルは、公知のプロセスインクカラーセットの選択されていないプロセスカラーのうちの1つに対応しない、請求項1~5のいずれか一項に記載の工程。
【請求項7】
少なくとも2つのスポットカラーは、公知のプロセスインクカラーセットの少なくとも2つの選択されていないプロセスカラーに対応する、請求項1~6のいずれか一項に記載の工程。
【請求項8】
前記少なくとも2つのスポットカラーは、スポットイエロー及びスポットブラックである、請求項7に記載の工程。
【請求項9】
選択されたプロセスカラーを含むカラーチャンネルに1つ以上のインク制限及び1つ以上の線形化を適用するステップをさらに含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の工程。
【請求項10】
少なくとも4つのカラーを含む公知のプロセスインクカラーセットを識別するステップと、
公知のプロセスインクカラーセットから2つ以上のプロセスカラーを選択するステップと、
各々の選択されたプロセスカラーを公知のプロセスインクカラーセットから選択されたプロセスカラーに対応するスポットカラーに代替するステップと、
各々の選択されていないプロセスカラー及び各々のスポットカラーに対するカラーチャンネルを提供するステップと、
スポットカラーが選択されたプロセスカラー又はスポットカラーとして作動するか否かを決定するステップと、
基板上に画像を印刷するステップとを含む画像を印刷する工程において、
前記スポットカラーに対するカラーチャンネルは、選択されたプロセスカラーに対応する第1のインク制限及び第1の線形化が適用され、
前記スポットカラーに対するカラーチャンネルは、スポットカラーに対応する第2のインク制限及び第2の線形化が適用される、工程。
【請求項11】
前記スポットカラーに対するカラーチャンネルは、前記第1のインク制限及び前記第1の線形化が適用される際に選択されたプロセスカラーとして作動するように構成される、請求項10に記載の工程。
【請求項12】
前記スポットカラーに対するカラーチャンネルは、前記第2のインク制限及び前記第2の線形化が適用される際にスポットカラーとして作動するように構成される、請求項10に記載の工程。
【請求項13】
選択されていないプロセスカラーを含むカラーチャンネルにインク制限及び線形化を適用するステップをさらに含む、請求項10~12のいずれか一項に記載の工程。
【請求項14】
多数の代替スポットカラーチャンネルと、多数のプロセスカラーチャンネルの割合は、少なくとも0.5:1である、請求項10~13のいずれか一項に記載の工程。
【請求項15】
さらなるスポットカラーに対する1つ以上のカラーチャンネルを提供するステップをさらに含み、
前記さらなるスポットカラーは、公知のプロセスインクカラーセットのプロセスカラーに代替されない、請求項10~14のいずれか一項に記載の工程。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2017年12月7日付で出願された米国仮特許出願第62/595,771号の利益を主張し、これはその全体を参考として組み込む。
【0002】
本発明は、スポットカラーを印刷する工程に関する。より具体的には、本発明は、スポットカラーが適用されたインク制限及び適用された線形化に対応するスポットカラーとプロセスカラーのいずれにも機能することができるように、2つ以上のインク制限及び2つ以上の線形化を単一のスポットカラーチャンネルに用いる印刷工程に関する。また、本発明は、本明細書に記載された工程に従ってカラーチャンネルを処理するために、特定の割合のスポットカラーチャンネルを利用するインクジェットプリンタに関する。
【背景技術】
【0003】
インクジェット印刷システムは、多様な基板上に印刷された画像を生成するために多くの異なる分野で広く用いられる。従来のカラーインクジェットプリンタは、所望の画像を印刷する上で必要なカラーの変化を形成するために、通常4~8つのプロセスカラーを含む基本のプロセスインクカラーセットを利用する。周知のプロセスインクカラーセットのうちの1つは、シアン、イエロー、マゼンタ及びブラックの4つの基本カラーで構成され
、CMYKカラーセット、又はCMYKプロセスカラー法という。一般に、プロセスカラーセットのプロセスカラーは、各々の多様な量のプロセスカラーを組み合わせて、多様な印刷カラーを生成するために使用される。通常、インクジェットプリンタでは、CMYKカラーが実際に互いに混ぜ合わされて所望のカラーを形成しない。むしろ、異なるカラーの非常に小さなインクの滴がページ上に互いに隣接して蒸着される。わずかな距離では、人の目は、個々のインクの滴を一緒に混ぜ合わせて「混合された」カラーの領域を形成する傾向がある。印刷工程で印刷される可能なカラーの範囲は、工程の「色域」といわれる。
【0004】
かかる技術を用いて、カラーインクジェットプリンタは、一般に、十分な数のカラーを再現できる。CMYKカラーセットの色域を拡張するために、他のプロセスインクが追加され、CMYKRGB及びCMYKOG等の他のプロセスカラーセット/方法が生成されている。残念ながら、これらのカラーセットの大半の色域は、人の目で見ることのできるカラーの全域よりも非常に小さい。場合によっては、プロセスカラープリンタの色域は、オフセット、フレクソグラフィック、グラビア及びスクリーン印刷機等の従来の印刷機によって生成された色域よりも小さい。例えば、CMYKカラー法を用いて肌色(fleshtone)のカラーは容易に生成されはせず、蛍光色及び金属カラーも同様である。
【0005】
また、従来のプロセスインクカラーセットによって、多くの特殊カラーを容易に形成することはできない。一部の特殊カラーを「スポットカラー」(「ハウスカラー」又は「ブランドカラー」ともいう)という。これらスポットカラーは、特定の会社、製品及び/又はブランド名に関連のある顧客固有のマルチ顔料カラーである。スポットカラーは、一般に、分子レベルで形成され、多様な色合い、色相及び色調を混合して構成される。例としては、Kodak(登録商標)、IBM(登録商標)Blue、又はCoca-Cola(登録商標) Redに使用されるレッドとイエローの精密な色相を含む。従来のインクカラーセットは、一般にスポットカラーの鮮明度を再現できない。スポットカラーを再現できないのは、従来の印刷工程で予め混合されたスポットカラーのベタ(solid)領域の適用を含むスポットカラー印刷とは異なり、すべてのカラーが、重複するプロセスインクのドットで構成されているためである。CMYKインクジェットプリンタが、かかる
特殊カラーの一部を達成する場合には、処理の問題が生ずる。また、CMYKインクのロットには若干のばらつきがよくあるため、一度に特殊カラーインクを達成できたとしても、他のロットのインクを使用した場合、その後は達成できないこともある。したがって、従来のインクカラーセットによって提供される色域は、改善の余地を多く残している。
【0006】
色域不足に加えて、従来のインクカラーセット/工程は、多様な用途には不十分な印刷画像をもたらす。例えば、プロセスインクの画像の耐久性に問題があることが知られている。具体的には、交通標識のような屋外看板等の大型標識に関する用途において、従来のインクカラーセットから生成された印刷画像は、時間の経過と共に退色し、反射率が減少し、昼夜間のカラーが変化し、及び/又はカラー鮮明度やカラーコントラスト等の他の視覚的品質の低下を示すことが知られている。これらのパラメータは、これに関する厳しい規制によって、交通標識と特に密接な関連がある。また、従来の画像は、バンディング及び他の類型のカラーの変化等の一貫性に問題があることが知られている。場合によっては、かかる類型の欠陥は、使用されるプロセスカラーインクの組成のために初期に認知することが難しい。
【0007】
また、従来のプリンタは、(プロセスカラーチャンネルの数と比較して)いくつかのプロセスカラーチャンネル及び限られた数のスポットカラーチャンネルを含み得る。さらなるスポットカラーが必要な場合(よくあることだが)、1つ以上のスポットカラーチャンネルを洗浄溶媒で洗い流し(「長期保存工程」という)、新しいスポットカラーに交換する必要がある。長期保存工程は時間がかかり、インク及び洗浄溶媒の無駄を生じさせる。また、洗浄溶媒の使用増加は、プリンタの寿命に大変よくない影響を及ぼす。
【0008】
米国特許出願公開第2012/0090488号には、スポットカラーが印刷された画像及びパッケージングのための従来のプロセスカラーを補充するために、高価なブランドカラーを再生することが開示されている。また、同公報は、単色のブランドカラーを印刷し、また、他のカラーの上に印刷して、広範囲の色域、ハーフトーンカラーの再現を生成するために、印刷機が高忠実性(hi-fidelity)のプロセスインク(少なくとも3つの固有カラーとブラック)及びスポットカラーを利用できることが開示されている。また、他の参考文献は、従来のインクカラーセット及び工程の色域拡張との関連があり、そのうちの多くは、既存のカラーセットにプロセスインクを加え、一部は、プロセスカラーを使用してスポットカラーをシミュレーションする。かかる方法で拡張される色域を開示する一部の参考文献は、米国特許第6,717,699号、第7,004,562号、第7,032,517号、第8,955,940号、及び米国特許出願公開第2015/0158317号及び第2015/0339552号を含む。しかし、かかる文献は、従来のインクカラーセットの色域の拡張に関する問題のみに焦点を当てている。
【0009】
米国特許出願公開第2017/0266981号には、色域を拡張するために、従来のプリンタよりも多くのスポットカラーを利用するプロセスカラー及びスポットカラーのカラーセットが開示されている。また、同公報には、プロセスカラーをスポットカラーに代替することで、より多くのスポットカラーをカラーセットに使用できるようにして、長期保存工程の必要性が縮小/削除されることが開示されている。また、同公報には、基板上に印刷された画像を生成(又はカラーセットを生成)するための工程がさらに開示されており、公知のプロセスインクカラーセットから8つ以下のプロセスカラーを選択するステップと、プロセスカラー及びスポットカラーを含むカラーセットを形成する2つ以上のスポットカラーを提供するステップであって、スポットカラーの数とプロセスカラーの数の割合は、少なくとも0.5:1であるステップと、形成されたカラーセットを使用して画像を選択的に印刷するステップとを含む。しかし、同文献は、色域拡張、耐久性、一貫性、制御、及びプリンタの寿命等に重点を置き、スポットカラー又はプロセスカラーとして作動するために、スポットカラーチャンネルに2つ以上のインク制限及び線形化を適用す
ることについては言及していない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上述した従来の工程において、インクジェットプリンタシステムは、通常、印刷ヘッドから媒体に噴射されるインクの量を制御するため、各々のカラーチャンネルに対して1つのインク制限及び1つの線形化を提供するドライバを含む。インクジェットプリンタから直接印刷する場合、一般にユーザーは、印刷する前に媒体の類型と印刷の品質及び/又は解像度を選択する。媒体の類型を選択すると、インクジェットプリンタのドライバは、特定の媒体に対して、選択された印刷品質、及び/又は解像度にあらかじめ設定したインク制限及び線形化を用いる。場合によっては、インクジェットプリンタは、エンドユーザーにカスタマイズされたインク制限及び線形化を生成する能力を提供する専用のラスター画像処理ソリューションによって駆動する。しかしながら、かかるインクジェット印刷工程は、依然としてカラーチャンネルを選択した設定に対して1つのインク制限及び1つの線形化に制限される。
【0011】
大幅な色域拡張以外にも、印刷画像の耐久性、印刷画像の一貫性、制御、及びプリンタの寿命(長期保存工程の縮小/削除)の向上のために、さらなるスポットカラーを使用できる改善された印刷工程が必要である。
【課題を解決するための手段】
【0012】
一実施形態において、本発明は、印刷工程に関する。工程は、公知のプロセスインクカラーセットから8つ以下のプロセスカラーを選択するステップと、公知のプロセスインクカラーセットから選択されたプロセスカラーを含む8つ以下のカラーチャンネルを提供するステップと、スポットカラーを含む2つ以上のカラーチャンネルを提供するステップであって、スポットカラーのうちの1つ以上は、公知のプロセスインクカラーセットの選択されていないプロセスカラーに対応するステップと、1つ以上のスポットカラーを含む各々のカラーチャンネルに2つ以上のインク制限を適用するステップと、1つ以上のスポットカラーを含む各々のカラーチャンネルに2つ以上の線形化を適用するステップと、画像を選択的に印刷するステップとを含む。場合によっては、1つ以上のスポットカラーは、適用されたインク制限及び適用された線形化によって、公知のプロセスインクカラーセットのスポットカラー及び選択されていないプロセスカラーとして作動するように構成される。一部の実施形態において、第1のインク制限は、公知のプロセスインクカラーセットの選択されていないプロセスカラーに対応し、第2のインク制限は、スポットカラーに対応する。同様に、第1の線形化は、公知のプロセスインクカラーセットの選択されていないプロセスカラーに対応し、第2の線形化は、スポットカラーに対応する。場合によっては、第1のインク制限及び第1の線形化は、1つ以上のスポットカラーに対して各々のカラーチャンネルに適用されて、公知のプロセスインクカラーセットの選択されていないプロセスカラーを含むカラーセットを生成する。場合によっては、第2のインク制限及び第2の線形化は、1つ以上のスポットカラーを含む各々のカラーチャンネルに適用されて、スポットカラーを含むカラーセットを生成する。スポットカラーに対するカラーチャンネルの数と、プロセスカラーに対するカラーチャンネルの数の割合は、少なくとも0.5:1である。一部の実施形態において、提供されたスポットカラーに対するチャンネルは、さらなるスポットカラーチャンネルを含む。さらなるスポットカラーチャンネルは、公知のプロセスインクカラーセットの選択されていないプロセスカラーのうちの1つに対応しない。場合によっては、少なくとも2つのスポットカラーは、公知のプロセスインクカラーセットの少なくとも2つの選択されていないプロセスカラーに対応する。少なくとも2つのスポットカラーは、スポットイエロー及びスポットブラックであってもよい。一部の実施形態においては、1つ以上のインク制限及び1つ以上の線形化は、選択されたプロセスカラーを含むカラーチャンネルに適用される。
【0013】
他の実施形態において、本発明は、画像を印刷するための工程に関する。工程は、少なくとも4つのカラーを含む公知のプロセスインクカラーセットを識別するステップと、公知のプロセスインクカラーセットから2つ以上のプロセスカラーを選択するステップと、各々の選択されたプロセスカラーを公知のプロセスインクカラーセットから、選択されたプロセスカラーに対応するスポットカラーに代替するステップと、各々の選択されていないプロセスカラー及び各々のスポットカラーに対するカラーチャンネルを提供するステップと、スポットカラーが選択されたプロセスカラー又はスポットカラーとして作動するか否かを決定するステップと、基板上に画像を印刷するステップとを含む。スポットカラーキャブに対するカラーチャンネルは、選択されたプロセスカラーに対応する第1のインク制限及び第1の線形化が適用される。スポットカラーに対するカラーチャンネルは、スポットカラーに対応する第2のインク制限及び第2の線形化が適用され得る。スポットカラーに対するカラーチャンネルは、第1のインク制限及び第1の線形化が適用される際に選択されたプロセスカラーとして作動するように構成される。スポットカラーに対するカラーチャンネルは、第2のインク制限及び第2の線形化が適用される際にスポットカラーとして作動するように構成される。一部の実施形態において、チャンネルに対するインク制限及び線形化は、選択されていないプロセスカラーを含む。多数の代替スポットカラーチャンネルと多数のプロセスカラーチャンネルの割合は、少なくとも0.5:1である。一部の実施形態において、工程は、さらなるスポットカラーに対する1つ以上のカラーチャンネルを提供するステップをさらに含み得る。さらなるスポットカラーは、公知のプロセスインクカラーセットのプロセスカラーに代替されない。場合によっては、印刷ステップは、少なくとも一つの選択されていないプロセスカラー及び少なくとも1つのスポットカラーを用いて画像を印刷するステップを含む。
【0014】
他の実施形態において、本発明は、インクジェットプリンタから画像を印刷する方法に関する。工程は、公知のプロセスインクカラーセットから選択されたプロセスカラーを含む1つ以上のカラーチャンネルを提供するステップと、スポットカラーを含む1つ以上のカラーチャンネルを提供するステップであって、スポットカラーのうちの1つ以上は、公知のプロセスインクカラーセットの選択されていないプロセスカラーに対応するステップと、1つ以上のスポットカラーチャンネルに1つ以上のインク制限を適用するステップと、1つ以上のスポットカラーチャンネルに1つ以上の線形化を適用するステップと、画像を基板上に印刷するステップとを含む。スポットカラーを含むチャンネルの数とプロセスカラーを含むチャンネルの数の割合は、少なくとも1:1である。場合によっては、第1のインク制限及び第1の線形化は、1つ以上のスポットカラーチャンネルに適用されて、公知のプロセスインクカラーセットから選択されていないプロセスカラーを生成する。他の態様において、第2のインク制限及び第2の線形化は、1つ以上のスポットカラーチャンネルに適用されて、スポットカラーを生成する。場合によっては、プリンタは、少なくとも3つのカラーチャンネルを含み、2つ以下のチャンネルは、プロセスカラーを含む。他の場合では、プリンタは、少なくとも6つのチャンネルを含み、3つ以下のチャンネルはプロセスカラーを含み、2つ以上のチャンネルは、スポットカラーを含む。一部の実施形態において、工程は、1つ以上のインク制限及び1つ以上の線形化を選択したプロセスカラーを含むカラーチャンネルに適用するステップをさらに含む。一部の実施形態において、工程は、1つ以上のさらなるスポットカラーチャンネルを提供するステップをさらに含み、さらなるスポットカラーチャンネルは、公知のプロセスインクカラーセットの選択されていないプロセスカラーのうちの1つに対応しない。
【発明を実施するための形態】
【0015】
導入
一部の実施形態において、本発明は、スポットカラーチャンネルに2つ以上のインク制限及び2つ以上の線形化を適用する固有の印刷工程に関する。前記工程は、スポットカラ
ーを、適用されたインク制限及び適用された線形化に対応するスポットカラーとプロセスカラーのいずれにも機能できるようにする。前記工程は、スポットカラーを、公知のプロセスインクカラーセットのプロセスカラーに代替できるため、インクジェットプリンタは、プロセスカラーチャンネルと比較して、増加した数のスポットカラーチャンネルを利用できる。場合によっては、公知のプロセスインクカラーセットは、公知のプロセスインクカラーセットのプロセスカラーを代替する、又は置き換える多数のスポットカラーを有し得る。公知のインクカラーセットにおけるスポットカラーの使用の増加は、インクジェット印刷工程に用いられる際に、意外にも予期しない多くの有利な性能の改善を提供する。一部の従来の印刷工程は、各々のカラーチャンネルに単一のインク制限及び単一の線形化を適用する工程を用いるが、このような従来の工程は、上述した有利な改善の組み合わせを達成できない。
【0016】
また、本発明は、増加したプリンタスポットカラーの印刷能力、例えば、2つ以上のスポットカラーチャンネル、3つ以上のスポットカラーチャンネル、4つ以上のスポットカラーチャンネル、5つ以上のスポットカラーチャンネル又は6つ以上のスポットカラーチャンネル等、従来のプリンタより多くのスポットカラーチャンネルを利用する能力を提供する。特定の例において、スポットカラーチャンネルは、公知のプロセスインクカラーセットから1つ以上のプロセスカラーを完全に置き換えることができる。本発明の利点のいくつかは、顕著な色域拡張以外にも、印刷画像の耐久性(耐候性)、印刷画像の一貫性及びプリンタの寿命改善を含む。
【0017】
インクカラーセット、インクカラーチャンネル及び印刷工程
2つ以上のインク制限及び2つ以上の線形化をスポットカラーチャンネルに適用する印刷工程は、(インクジェット印刷工程において)増加した数のスポットカラーを含む本発明のインクカラーセットの使用を可能にすることが明らかとなっている。例えば、スポットカラーチャンネルに2つのインク制限及び2つの線形化を適用することで、スポットカラーは適用されたインク制限及び線形化によって、スポットカラー又はプロセスカラーとして選択的に使用することができる。色域の拡張以外にも、耐久性等の得られた印刷画像の属性に有利な効果がある。上述したように、プロセスインクの画像の耐久性に問題があることが知られている。従来の印刷画像は、時間の経過と共に退色し、反射率が減少し、昼夜間のカラーが変化し、及び/又はカラー鮮明度やカラーコントラスト等の他の視覚的品質の低下を示すことが知られている。本発明の印刷工程は、これらの問題を解決する。
【0018】
スポットカラーチャンネルに2つのインク制限及び2つの線形化を適用することで、スポットカラーは、スポットカラー及びプロセスカラーのいずれにも使用することができる。一部の態様において、スポットカラーチャンネルに第1のインク制限及び第1の線形化を適用することにより、公知のプロセスカラーインクセットからプロセスカラーが生成される。他の態様において、スポットカラーチャンネルに第2のインク制限及び第2の線形化を適用することにより、スポットカラーが生成される。これにより、インクジェットプリンタが、より多くのスポットカラーチャンネルを用いて公知のプロセスインクカラーセットを改善できるようにする。すなわち、本発明の工程を用いれば、スポットカラーチャンネルは、公知のプロセスインクカラーセットにおいて、プロセスカラーチャンネルを完全に代替することができる。例えば、スポットカラーとプロセスカラーの割合は、少なくとも0.5:1である。選択的に、スポットカラーの数はプロセスカラーの数よりも多いか同じである。増加した数のスポットカラーを用いることによって、耐久性の高い画像が生成され得る。耐久性の高い画像の類型は、例えば、交通標識のような屋外看板等の大型標識に関する用途に使用された場合、特に有利となり得る。上述したように、耐久性は、
これに関する厳しい規制のために、特に交通標識と密接な関連がある。理論にとらわれ
ることなく、より多くの量のスポットカラーの使用及びスポットカラーの実際の構成が、画像の性能特性の改善に貢献すると考えられる。例えば、スポットカラーは、(プロセス
カラーの顔料と比較して)より安定性の高い顔料及び/又はUV安定剤を含有し、これは画像の性能特性の改善に貢献し得る。
【0019】
耐久性の利点以外にも、本発明の印刷工程によって生成されたインクカラーセットは、印刷画像の一貫性の予期せぬ改善を提供する。CMYK等のプロセスインクカラーセットを用いて印刷された画像等の従来の画像には、バンディングや他の類型のカラー変化等の欠陥がある。場合によっては、かかる類型の欠陥は、印刷工程(プロセスインクスポットのオーバーレイ)、及び/又は使用されるプロセスカラーインクの実際の組成により、初期に認識し難しい。しかし、インクカラーセット、インクカラーチャンネルの構成及び工程を用いる場合、バンディングや他の類型のカラーの変化等の欠陥がはるかに認識されやすい。理論にとらわれることなく、例えば、オーバーレイされないなど、より多くの量のスポットカラーが単色のカラーで直接印刷されるので、欠陥をより認識しやすくなる。これらの改善された認識によって、印刷画像の一貫性及び品質管理が有利に改善される。
【0020】
また、本発明者らは、スポットカラーの特性及び改善された不透明度の調整が容易であることにより、本発明のインクカラーセットの使用が、より良好な画像制御を提供することを見出した。場合によっては、本発明のインクカラーセットにおける多量のスポットカラーは、不透明度(カバレッジ)の割合を設定することにより簡単に印刷され、(単一)単色のカラー印刷を提供する。対照的に、従来のプロセスカラーセットは、頻繁に、あらかじめ設定されたプロファイルに依存し、これは各々の特定の基板シートで校正しなければばらない。本発明のインクカラーセット及び工程によって達成される画像の性能特性におけるこれらの有利な組み合わせは、予測することができなかった。
【0021】
本明細書で論じているように、スポットカラーチャンネル及びプロセスカラーチャンネルの構成を使用することにより、本発明のインクカラーセット及び工程は、プリンタの寿命及び工程全体の効率、例えば、インク廃棄物及び/又は洗浄溶媒の廃棄物の減少という驚くほどの改善につながる。この利点は、画像を印刷する上でより多くの数のスポットカラーが必要な場合に特に関係する。これらの場合、プロセスカラーをスポットカラーに代替することで、より多くのスポットカラーチャンネルをカラーセットに使用できるようにして、長期保存工程の必要性が縮小/削除され、プリンタの寿命が向上するというさらなる利点を提供する。上述したように、従来の印刷工程は、得られた画像に対するスポットカラー又はスポットカラーとプロセスカラーの組み合わせの効果を認識できない。
【0022】
従って、一実施形態において、本発明は、印刷工程に関する。工程は、公知のプロセスインクカラーセットから8つ以下のプロセスカラーを選択するステップと、選択されたプロセスカラーを含む8つ以下のカラーチャンネルを提供するステップとを含む。また、工程は、スポットカラーを含む2つ以上のカラーチャンネルを提供するステップを含み、スポットカラーのうちの1つ以上は、公知のプロセスインクカラーセットの選択されていないプロセスカラーに対応する。次に、工程は、1つ以上のスポットカラーを含むカラーチャンネルに2つ以上のインク制限を適用するステップと、1つ以上のスポットカラーを含むカラーチャンネルに2つ以上の線形化を適用するステップとを含む。すなわち、スポットカラーチャンネルは、選択されていないプロセスカラーに対応する第1のインク制限及び第1の線形化に適用することができ、又は、スポットカラーチャンネルは、スポットカラーに対応する第2のインク制限及び第2の線形化に適用することができる。最後に、画像が印刷され得る。
【0023】
一部の実施形態において、1つ以上のスポットカラーチャンネルは、カラーチャンネルに対する適用されたインク制限及び適用された線形化によって、公知のプロセスインクカラーセットのスポットカラー又は選択されていないプロセスカラーとして作動するように構成される。一態様において、工程は、公知のプロセスインクカラーセットの選択されて
いないプロセスカラーに対応するスポットカラーチャンネルに第1のインク制限を適用し、スポットカラーに対応する第2のインク制限を適用することができる。他の態様において、工程は、公知のプロセスインクカラーセットの選択されていないプロセスカラーに対応するスポットカラーチャンネルに第1の線形化を適用し、スポットカラーに対応する第2の線形化を適用することができる。一部の態様において、第1のインク制限及び第1の線形化をスポットカラーチャンネルに適用することにより、公知のプロセスインクカラーセットの選択されていないプロセスカラーを含むカラーセット又は画像が生成される。他の態様において、第2のインク制限及び第2の線形化をスポットカラーチャンネルに適用することにより、スポットカラーを含むカラーセット又は画像が生成される。
【0024】
他の実施形態において、画像を印刷する工程は、少なくとも4つのカラーを含む公知のプロセスインクカラーセットを識別するステップと、公知のプロセスインクカラーセットから2つ以上のプロセスカラーを選択するステップと、各々の選択されたプロセスカラーを公知のプロセスインクカラーセットから選択されたプロセスカラーに対応するスポットカラーに代替するステップとを含む。次に、工程は、各々の選択されていないプロセスカラー及び各々のスポットカラーに対するカラーチャンネルを提供するステップと、スポットカラーが選択されたプロセスカラー又はスポットカラーとして作動するか否かを決定するステップとを含む。次に、画像が基板上に印刷され得る。例えば、ドライバを介して決定するステップに基づいて、スポットカラーに対するカラーチャンネルは選択されたプロセスカラーに対応する第1のインク制限、又はスポットカラーに対応する第2のインク制限に適用することができる。同様に、スポットカラーに対するカラーチャンネルは、選択されたプロセスカラーに対応する第1の線形化、又はスポットカラーに対応する第2の線形化に適用することができる。場合によっては、スポットカラーに対するカラーチャンネルは、画像を印刷する同一工程中に、異なるインク制限及び異なる線形化に適用され、スポットカラー又は選択されたプロセスカラーを生成する。
【0025】
一部の態様において、インクジェットプリンタのドライバは、公知のプロセスインクカラーセットにおいて、プロセスカラーを置き換える、又は代替するスポットカラーを認識することができ、あるいは、スポットカラーがプロセスカラーに置き換わらないさらなるカラーである場合、スポットカラーを認識することができる。スポットカラーがプロセスカラーに置き換わる場合、ドライバは2つ以上のインク制限セット及び対応する線形化をスポットカラーチャンネルに適用して、所望のカラーセットを生成できる。例えば、ドライバは、スポットカラーチャンネルに第1のインク制限及び第1の線形化を適用して選択されたプロセスカラーとして作動する。また、ドライバは、スポットカラーチャンネルに第2のインク制限及び第2の線形化を適用してスポットカラーチャンネルとして作動する。また、ドライバは1つ以上のインク制限及び1つ以上の線形化を選択されていない(複数の)プロセスカラーを含む(複数の)チャンネルに適用することができる。
【0026】
一般的に言えば(及び本明細書で論じている実施形態において)、スポットカラーの数とプロセスカラーの数の割合、及び各々のカラーチャンネルの割合は、0.5:1以上、例えば、1:1、1.5:1、2:1、2.5:1、3:1、4:1、5:1、6:1、7:1、8:1、9:1又は10:1であり得る。場合によっては、形成されたカラーセットにおけるスポットカラーの数は、プロセスカラーの数よりも多くてもよい(又は選択的に同等でもよい)。かかる制限や範囲は、本明細書で論じているカラーセット/工程に適用できる。所望の割合が決まると、各々のスポットカラー及び/又はプロセスカラーは、単一のカラーチャンネルを占め得る。場合によっては、スポットカラーは8つのチャンネルプリンタの3つ以上のチャンネル、例えば、4つ以上、5つ以上又は6つ以上を占め得る。一部の実施形態において、スポットカラーチャンネルは、公知のプロセスインクカラーセットに対するプロセスカラーチャンネルを完全に置き換えることができる。この機能は、物理的にインクチャンネルを増やす必要なく、より多くのスポットカラーを印刷す
ることができるので、交通標識産業で大変有用な機能である。
【0027】
カラーチャンネルにおいて、提供された公知のプロセスインクカラーセットは、広範囲に変わり得る。公知のプロセスインクカラーセットは、任意の数の公知のプロセスカラー、例えば、1つ以上、2つ以上、3つ以上、又は4つ以上を含む。多くのプロセスインクカラーセットがしばらくの間使用され、現在も使用している。例としては、CMYK、CMYKOG、CMYKRGB及びCcMmYKカラーセットを含む(ここで、「c」及び「m」は、それぞれシアンとマゼンタの明るい色調を意味する)。同リストは、決して限定的ではない。大まかに言って、公知のプロセスインクカラーセットは、公知のプロセスカラーを含む任意のカラーセットであり得る。一実施形態において、公知のプロセスインクカラーセットは、任意のスポットカラーを含んでいない。一実施形態において、公知のインクカラーセットはCMYKカラーセットである。
【0028】
インクジェットプリンタは、他の構成要素のうち、複数のカラーチャンネル、例えば、少なくとも3つのチャンネル、少なくとも4つのチャンネル、少なくとも5つのチャンネル、少なくとも6つのチャンネル、少なくとも7つのチャンネル、少なくとも8つのチャンネル、少なくとも9つのチャンネル、又は少なくとも10のチャンネルを含む。各々のチャンネルは、各々のインク又はインクカラー、すなわち、公知のインクカラーセットからスポットカラー又はプロセスカラーを含む、又はこれと関連している。チャンネルは、画像を生成するために使用される各々のインクを保有し得る、又は含み得る。
【0029】
一部の実施形態において、公知のインクカラーセットからプロセスカラーが6つ以下のチャンネル、例えば、5つ以下、4つ以下、3つ以下又は2つ以下で提供される。好ましい実施形態において、プロセスカラーは4つ、3つ又は2つのチャンネルで提供される。一部の実施形態において、スポットカラーは、2つ以上のチャンネル、例えば3つ以上、4つ以上、5つ以上、6つ以上、7つ以上、8つ以上、9つ以上、又は10以上で提供される。スポットカラーを含むチャンネルの数(従って、(複数の)プリンタによって使用されるスポットカラーの数)は、プロセスカラーを含むチャンネルの数(従って、(複数の)プリンタによって使用されるプロセスカラーの数)よりも多くなり得る。カラーチャンネル以外に、本発明のプリンタは、他の周知のプリンタのプリンタ構成要素、例えばドライバ、カートリッジアダプタ、ドライヤー等をさらに含み得る。
【0030】
場合によっては、スポットカラーを含むチャンネルとプロセスカラーを含むチャンネルの割合は、スポットカラー及びプロセスカラーの数に関して本明細書に記載されているとおりである。より多くの数のスポットカラーチャンネルを利用することにより、本発明のプリンタは、プリンタの寿命及び工程全体の効率において驚くほどの改善をもたらす。例えば、多数の用途において、画像を印刷するためにより多くの数のスポットカラーが必要である。本発明のプリンタは、より多くの量のスポットカラーチャンネルを利用するので、例えば、1つのスポットカラーを除去し、他のスポットカラーに置き換えるためにチャンネルを変更する必要性が最小化する、又はなくなる。従って、チャンネル交換(長期保存工程)に必要なインク及び洗浄溶媒の廃棄物も最小化する、又はなくなる。さらに、過度な洗浄溶媒の使用を減らすことができるので、プリンタの寿命に付随する利点がある。
【0031】
本発明の工程は、(従来の工程と比較して)より多くの数のスポットカラーチャンネルを有利に使用し、好ましくは、プロセスカラーチャンネルと比較して、より多くの量のスポットカラーチャンネルを使用する。例えば、スポットカラーチャンネルの数とプロセスカラーチャンネルの数の割合は、上述したとおりであり得る。スポットカラーチャンネルの数とプロセスカラーチャンネルの数の割合は少なくとも0.5:1、例えば、0.5:
1よりも大きければ、スポットカラーチャンネル及びプロセスカラーチャンネルの多数の組み合わせが考慮される。例えば、形成されたカラーセットは、2つのスポットカラーと
1つのプロセスカラー、3つのスポットカラーと1つのプロセスカラー、3つのスポットカラーと2つのプロセスカラー、4つのスポットカラーと1つ、2つ若しくは3つのプロセスカラー、5つのスポットカラーと1つ、2つ、3つ若しくは4つのプロセスカラー、又は6つのスポットカラーと1つ、2つ、3つ、4つ若しくは5つのプロセスカラーを含み得る。好ましくは、形成されたカラーセットは、5つのスポットカラーと3つのプロセスカラー、又は6つのスポットカラーと2つのプロセスカラーを含む。形成されたこれらの各々の カラーセットでは、各々のプロセスカラー及び各々のスポットカラーに対して
カラーチャンネルが提供される。
【0032】
上述したように、一部の実施形態において、(複数の)スポットカラーは、公知のプロセスインクカラーセットの選択されていないプロセスカラーのうちの1つに対応する。従って、(複数の)スポットカラーは、元々公知のプロセスカラーインクセットに存在していた1つ以上のカラーを代替し、例えば、スポットカラーは、公知のプロセスインクカラーセットに単にスポットカラーを追加することとは異なり、各々のプロセスカラーの代わりとなる(ここでは、スポットカラー及び対応するプロセスカラーのいずれもカラーセットに存在する)。このようにして、より多くのスポットカラーチャンネルがインクジェットプリンタにおいて利用できる。
【0033】
本発明の工程において、スポットカラーチャンネルは、適用されたインク制限及び線形化によりスポットカラー及びプロセスカラーのいずれにも使用される。好ましい実施形態において、印刷作業中に、スポットカラーチャンネルのうちの少なくとも一部は、各々のスポットカラー及び(スポットカラーによって)代替されたプロセスカラーのいずれとしても機能する。各々のスポットカラーは、関連するプロセスカラーが以前に使用されていた場合に使用できる。例えば、公知のプロセスインクカラーセットがCMYKカラーセットである場合、Y及び/又はKカラーチャンネルは、スポットイエロー及び/又はスポットブラックカラーチャンネルに置き換えてもよい。そして、印刷作業中に、スポットイエローカラーチャンネルは、スポットイエロー及びプロセスカラーYのいずれにも使用され、スポットブラックカラーチャンネルは、スポットブラック及びプロセスカラーKのいずれにも使用される。本発明者らは、対応するプロセスカラーの幾つかのスポットカラーを代替することにより、色域を有利に拡張できることを見出した。
【0034】
一部の実施形態において、インクカラーセットは、公知のプロセスインクカラーセットの選択されていないカラーのうちの1つに対応する(複数の)スポットカラー以外に、1つ以上のさらなるスポットカラーチャンネルをさらに含む。さらなる(複数の)スポットカラーチャンネルは、公知のプロセスインクカラーセットの選択されていないプロセスカラーのうちの1つに対応しない。すなわち、さらなる(複数の)スポットカラーチャンネルは、スポットカラー及びプロセスカラーのいずれとしても機能するよう構成されていない場合がある。しかし、場合によっては、さらなる(複数の)スポットカラーチャンネルは、1つ以上のインク制限及び1つ以上の線形化を受信し(receive)、スポットカラー又は他のカラーとして作動するように構成され得ることも考慮される。
【0035】
他の実施形態において、画像を印刷する工程は、少なくとも4つのカラーを含む公知のプロセスインクカラーセットを識別するステップと、公知のプロセスインクカラーセットから2つ以上のプロセスカラーを選択するステップと、各々の選択されたプロセスカラーを公知のプロセスインクカラーセットから選択されたプロセスカラーに対応するスポットカラーに代替するステップと、各々の選択されていないプロセスカラー及び各々のスポットカラーに対するカラーチャンネルを提供するステップと、スポットカラーが選択されたプロセスカラー又はスポットカラーとして作動するか否かを決定するステップと、基板上に画像を印刷するステップとを含む。スポットカラーに対するカラーチャンネルは、選択されたプロセスカラーに対応する第1のインク制限及び第1の線形化が適用され、また、
スポットカラーに対応する第2のインク制限及び第2の線形化が適用される。
【0036】
1つ以上の(複数の)スポットカラーが、元々公知のプロセスカラーインクセットに存在していた1つ以上のプロセスカラーを代替する実施形態において、固有の印刷工程が利用される。本工程は、1つ以上の(複数の)スポットカラーを含む(複数の)カラーチャンネルに1つ以上のインク制限及び1つ以上の線形化を提供するドライバを使用する。スポットカラーチャンネルは、適用されたインク制限及び線形化によって、スポットカラー又は代替プロセスカラーとして機能する。場合によっては、代替は、代替用に選択された1つ以上のプロセスカラーを識別し、これに対応する代替スポットカラーを決定するステップを含む。次に、選択されたプロセスカラーは、代替スポットカラーに代替され、例えば、(複数の)代替スポットカラーは、(複数の)選択されたプロセスカラーに代わって(本明細書で論じているように)改善されたインクカラーセットを形成する。
【0037】
スポットカラーをプロセスカラーとして使用する場合、透明度が問題になり得る点に留意しなければならない。一般に、ブランドカラーインクは、プロセスセットに使用されないため、透明度については厳しくテストされない。プロセスインクは2色オーバープリントを形成するために、一般に、下のカラーが見えるように透明でなければならない。従って、スポットカラーがプロセスカラーに代替される本発明の例示的な実施形態において、スポットカラーインクは、オーバープリントに使用し易いように、十分透明にし得る。
【0038】
一実施形態において、インクカラーセットのスポットカラーに対するカラーチャンネルは、スポットイエローに対する少なくとも1つのチャンネル、及びスポットブラックに対する少なくとも1つのチャンネル(スポットイエロー及び/又はスポットブラック)を含む。本発明者らは、驚くべきことに、インクカラーセットにスポットイエロー及び/又はスポットブラックを含むことにより、色域の大幅な拡張が提供されることを見出した。理論にとらわれることなく、スポットブラックカラーは、より多くの色深度を有し、この色深度は、 スポットイエロー及び他のプロセスカラーと特によく混じり合う(combines)と考えられる。
【0039】
場合によっては、本発明の印刷工程は、カラーセットのカラーを認識し、印刷作動を容易にするドライバを用いる。好ましくは、ドライバは、公知のプロセスインクカラーセットの対応する部材として、各々のスポットカラーを認識し、公知のプロセスインクカラーセットの各々の対応する部材と、各々のスポットカラーを区別できる。場合によっては、ドライバは、適用されたインク制限及び適用された線形化によって、スポットカラーをプロセスカラー及びスポットカラーのいずれにも使用するよう構成される。ドライバは、デザインファイルに挙げられた特定のプロセスカラーの代わりに、スポットカラーを使用できる。すなわち、ドライバは、スポットカラーチャンネルに対して2つ以上のインク制限及び2つ以上の線形化を使用して、適用されたインク制限及び線形化によって、スポットカラーがプロセスカラー又はスポットカラーとして作動することができる。カラーセットがプロセスカラーとして作動するためにスポットカラーが必要であるとドライバが判断した場合、ドライバは、インクカラーセットの選択されていないプロセスカラーに対応するスポットカラーチャンネルに第1のインク制限及び第1の線形化を適用する。同様に、ドライバがスポットカラーとして作動するためにスポットカラーが必要であると判断した場合、ドライバは、スポットカラーに対応する第2のインク制限及び第2の線形化を適用する。
【0040】
他の実施形態において、スポットカラーチャンネルの一部は、単純にカラーセットに追加してもよい。例えば、スポットカラーは、プロセスインクセットの対応する部材と共に存在してもよい。例えば、インクカラーセットは、スポットブルー及びスポットレッドに対するカラーチャンネルと共にプロセスカラーC(シアン)を含み得る。かかるインクカ
ラーセットにおいて、スポットブルーカラーは、Cプロセスカラーと関連がある。他の場合では、一部のスポットカラーは、プロセスインクセットのプロセスカラーと関連しないことがある。例えば、インクカラーセットは、スポットブラック、スポットイエロー及びスポットホワイトと共にプロセスカラーC及びM(マゼンタ)を含み得る。かかるインクカラーセットにおいて、スポットカラーは、C及びMプロセスカラーと直接の関連がない。
【0041】
一部の実施形態において、特に交通標識の印刷に関して、印刷工程の使用は、プリンタにおけるより多くのスポットカラーの使用を提供する。交通標識の印刷では、交通標識産業において、グリーン(又はWorboYグリーン)、レッド、ブルー及びブラウンを含む、少なくとも4つの他の(基本)スポットカラーがある。プリンタのインクチャンネルの数は、例えば、しばしば10未満のチャンネルに制限される。従って、インクチャンネルが10未満のプリンタの場合、すべての主要なスポットカラーをプロセスカラー、例えば、CMYKと共に印刷することが困難な場合がある。一部のプロセスインクチャンネルの代替により、スポットカラーの印刷性能を、本明細書で論じているように著しく改善することができる。
【0042】
一部の実施形態において、周知の印刷工程を用いる安定した印刷システムを提供し、スポットカラーは、ロゴ及びブランド名に対するベタ(solid)として、ビネット(vignette)のトーンスケールで印刷され、(プロセスカラーと共に)高忠実度のカラー画像を提供し得る。これらの実施形態の一部において、与えられた印刷作業における変更は、次の印刷作業に含まれる異なるスポットカラーを有する印刷ステーションを変更すればよい。
【0043】
一実施形態において、本発明のプリンタは、サブタンクを含まない。サブタンクは、一般に(カートリッジに貯留されたインク以外に)多量のインクを保存するためのリザーバとして機能することで知られているコンテナである。通常、各々のチャンネルは、これに関連するサブタンクを有する。場合によっては、(複数の)サブタンクは、1つ以上のチャンネルが各々のインクカートリッジに十分でない場合に、プリンタが画像を印刷し続けられるようにする。各々のチャンネルのインクが十分でない場合、アラームを送るようにプリンタを構成できる。サブタンクは、1つ以上のチャンネルにインクが十分でない状態において、プリンタが印刷し続けられるようにする。しかし、(複数の)サブタンクは、プリンタアセンブリに相当の空間を必要とする。また、(複数の)サブタンクは、特にインクの損失によって、長期保存工程中に廃棄物を増やす。本発明のプリンタは、記載の通りスポットカラーを効果的に利用するため、長期保存工程が減少又は削除され、有利なことに(複数の)サブタンクに関連する廃棄物の増加を回避することができる。
【0044】
印刷工程
本発明の工程で使用される印刷ステップの力学は、広範囲に変わり得る。本技術には、印刷工程自体に関する教示が十分にある。例としては、米国特許第6,637,860号を含み、その内容全体が、本明細書に参照によって組み込まれる。
【0045】
以下の実施形態が考慮される。特徴及び実施形態のすべての組み合わせが考えられる。
実施形態1:印刷工程は、公知のプロセスインクカラーセットから8つ以下のプロセスカラーを選択するステップと、公知のプロセスインクカラーセットから選択されたプロセスカラーを含む8つ以下のカラーチャンネルを提供するステップと、スポットカラーを含む2つ以上のカラーチャンネルを提供するステップであって、前記スポットカラーのうちの1つ以上は、公知のプロセスインクカラーセットの選択されていないプロセスカラーに対応するステップと、1つ以上のスポットカラーを含む各々のカラーチャンネルに2つ以上のインク制限を適用するステップと、1つ以上のスポットカラーを含む各々のカラーチ
ャンネルに2つ以上の線形化を適用するステップと、画像を選択的に印刷するステップとを含む。
【0046】
実施形態2:1つ以上のスポットカラーを含む各々のカラーチャンネルは、適用されたインク制限及び適用された線形化によって、公知のプロセスインクカラーセットのスポットカラー及び選択されていないプロセスカラーとして作動するように構成される、実施形態1に記載の実施形態。
【0047】
実施形態3:第1のインク制限は、公知のプロセスインクカラーセットの選択されていないプロセスカラーに対応し、第2のインク制限はスポットカラーに対応する、実施形態1及び2に記載の実施形態。
【0048】
実施形態4:第1の線形化は、公知のプロセスインクカラーセットの選択されていないプロセスカラーに対応し、第2の線形化はスポットカラーに対応する、実施形態1~3のいずれか1つに記載の実施形態。
【0049】
実施形態5:第1のインク制限及び第1の線形化は、1つ以上のスポットカラーを含む各々のカラーチャンネルに適用されて、公知のプロセスインクカラーセットの選択されていないプロセスカラーを含むカラーセットを生成する、 実施形態3~4のいずれか1つ
に記載の実施形態。
【0050】
実施形態6:1つ以上のスポットカラーを含む各々のカラーチャンネルに第2のインク制限及び第2の線形化が適用されて、スポットカラーを含むカラーセットを生成する、実施形態3及び4のいずれか1つに記載の実施形態。
【0051】
実施形態7:スポットカラーに対する多数のカラーチャンネルと、プロセスカラーに対する多数のカラーの割合は、少なくとも0.5:1である、実施形態1~6のいずれか1つに記載の実施形態。
【0052】
実施形態8:提供されたスポットカラーに対するチャンネルは、さらなるスポットカラーチャンネルを含み、さらなるスポットカラーチャンネルは、公知のプロセスインクカラーセットの選択されていないプロセスカラーのうちの1つに対応しない、実施形態1~7のいずれか1つに記載の実施形態。
【0053】
実施形態9:少なくとも2つのスポットカラーは、公知のプロセスインクカラーセットの少なくとも2つの選択されていないプロセスカラーに対応する、実施形態1~8のいずれか1つに記載の実施形態。
【0054】
実施形態10:前記少なくとも2つのスポットカラーは、スポットイエロー及びスポットブラックである、実施形態9に記載の実施形態。
【0055】
実施形態11:選択されたプロセスカラーを含むカラーチャンネルに1つ以上のインク制限及び1つ以上の線形化を適用するステップをさらに含む、実施形態1~10のいずれか1つに記載の実施形態。
【0056】
実施形態12:画像を印刷する工程は、少なくとも4つのカラーを含む公知のプロセスインクカラーセットを識別するステップと、公知のプロセスインクカラーセットから2つ以上のプロセスカラーを選択するステップと、各々の選択されたプロセスカラーを公知のプロセスインクカラーセットから選択されたプロセスカラーに対応するスポットカラーに代替するステップと、各々の選択されていないプロセスカラー及び各々のスポットカラー
に対するカラーチャンネルを提供するステップと、スポットカラーが選択されたプロセスカラー又はスポットカラーとして作動するか否かを決定するステップと、基板上に画像を印刷するステップとを含み、前記スポットカラーに対するカラーチャンネルは、選択されたプロセスカラーに対応する第1のインク制限及び第1の線形化が適用され、スポットカラーに対するカラーチャンネルは、スポットカラーに対応する第2のインク制限及び第2の線形化が適用される。
【0057】
実施形態13:スポットカラーに対するカラーチャンネルは、第1のインク制限及び第1の線形化が適用される際に選択されたプロセスカラーとして作動するように構成される、実施形態12に記載の実施形態。
【0058】
実施形態14:スポットカラーに対するカラーチャンネルは、第2のインク制限及び第2の線形化が適用される際にスポットカラーとして作動するように構成される、実施形態12に記載の実施形態。
【0059】
実施形態15:選択されていないプロセスカラーを含むチャンネルにインク制限及び線形化を適用するステップをさらに含む、実施形態12~14のいずれか1つに記載の実施形態。
【0060】
実施形態16:多数の代替スポットカラーチャンネルと、多数のプロセスカラーチャンネルの割合は、少なくとも0.5:1である、実施形態12~15のいずれか1つに記載の実施形態。
【0061】
実施形態17:さらなるスポットカラーに対する1つ以上のカラーチャンネルを提供するステップをさらに含み、さらなるスポットカラーは、公知のプロセスインクカラーセットのプロセスカラーに代替されない、実施形態12~16のいずれか1つに記載の実施形態。
【0062】
実施形態18:印刷ステップは、少なくとも1つの選択されていないプロセスカラー及び少なくとも1つのスポットカラーを用いて画像を印刷するステップを含む、実施形態12~17のいずれか1つに記載の実施形態。
【0063】
実施形態19:インクジェットプリンタからの印刷工程は、公知のプロセスインクカラーセットから選択されたプロセスカラーを含む1つ以上のカラーチャンネルを提供するステップと、スポットカラーを含む1つ以上のカラーチャンネルを提供するステップであって、スポットカラーのうちの1つ以上は、公知のプロセスインクカラーセットの選択されていないプロセスカラーに対応するステップと、1つ以上のスポットカラーチャンネルに1つ以上のインク制限を適用するステップと、1つ以上のスポットカラーチャンネルに1つ以上の線形化を適用するステップと、基板上に画像を印刷するステップとを含み、スポットカラーを含むチャンネルの数と、プロセスカラーを含むチャンネルの数の割合は、少なくとも1:1である。
【0064】
実施形態20:第1のインク制限及び第1の線形化は、1つ以上のスポットカラーチャンネルに適用されて、公知のプロセスインクカラーセットから選択されていないプロセスカラーを生成する、実施形態19に記載の実施形態。
【0065】
実施形態21:第2のインク制限及び第2の線形化は、1つ以上のスポットカラーチャンネルに適用されて、スポットカラーを生成する、実施形態19~20のいずれか1つに記載の実施形態。
【0066】
実施形態22:プリンタは、少なくとも3つのカラーチャンネルを含み、2つ以下のチャンネルは、プロセスカラーを含む、実施形態19~21のいずれか1つに記載の実施形態。
【0067】
実施形態23:プリンタは、少なくとも6つのチャンネルを含み、3つ以下のチャンネルは、プロセスカラーを含み、2つ以上のチャンネルは、スポットカラーを含む、実施形態19~22のいずれか1つに記載の実施形態。
【0068】
実施形態24:選択されたプロセスカラーを含むカラーチャンネルに1つ以上のインク制限及び1つ以上の線形化を適用するステップをさらに含む、実施形態19~23のいずれか1つに記載の実施形態。
【0069】
実施形態25:1つ以上のさらなるスポットカラーチャンネルを提供するステップをさらに含み、さらなるスポットカラーチャンネルは、公知のプロセスインクカラーセットの選択されていないプロセスカラーのうちの1つに対応しない、実施形態19~24のいずれか1つに記載の実施形態。
【0070】
本発明を詳細に説明してきたが、本発明の精神及び範囲内での修正は、当業者にとって容易に明らかであろう。上述した論議の観点から、背景技術及び発明の具体的な内容に関して、当技術分野の関連知識及び参考文献が上述されており、これらの開示は、いずれも参照として本明細書に組み込まれる。また、本発明の実施形態及び多様な実施形態の一部と、以下及び/又は添付の請求範囲に記載された様々な特徴は、全体的にあるいは部分的に組み合わせたり、又は相互に交換し得ることが理解されるべきである。上述した多様な実施形態の説明において、他の実施形態を参照する実施形態は、当業者に理解されるように、他の実施形態と適切に組み合わせることができる。
【手続補正書】
【提出日】2023-11-01
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
公知のプロセスインクカラーセットから8つ以下のプロセスカラーを選択するステップと、
公知のプロセスインクカラーセットから選択されたプロセスカラーを含む8つ以下のカラーチャンネルを提供するステップと、
スポットカラーを含む2つ以上のカラーチャンネルを提供するステップであって、前記スポットカラーのうちの1つ以上は、公知のプロセスインクカラーセットの選択されていないプロセスカラーに対応するステップと、
1つ以上のスポットカラーを含む各々のカラーチャンネルに第1のインク制限及び第2のインク制限を適用するステップと、
1つ以上のスポットカラーを含む各々のカラーチャンネルに第1の線形化及び第2の線形化を適用するステップと、
画像を選択的に印刷するステップを含み、
前記第1のインク制限は、前記スポットカラーが前記プロセスカラーとして用いられるときの前記スポットカラーが吐出される量を規定し、
前記第2のインク制限は、前記スポットカラーが前記スポットカラーとして用いられるときの前記スポットカラーが吐出される量を規定し、
前記第1の線形化は、前記スポットカラーが前記プロセスカラーとして用いられるときの前記スポットカラーが吐出される方法を規定し、
前記第2の線形化は、前記スポットカラーが前記スポットカラーとして用いられるときの前記スポットカラーが吐出される方法を規定する、印刷工程。
【請求項2】
1つ以上のスポットカラーを含む各々のカラーチャンネルは、公知のプロセスインクカラーセットのスポットカラー又は選択されていないプロセスカラーとして作動するように構成される、請求項1に記載の工程。
【請求項3】
スポットカラーに対する多数のカラーチャンネルと、プロセスカラーに対する多数のカラーチャンネルの割合は、少なくとも0.5:1である、請求項1または請求項2に記載の工程。
【請求項4】
前記提供されたスポットカラーに対するチャンネルは、さらなるスポットカラーチャンネルを含み、前記さらなるスポットカラーチャンネルは、公知のプロセスインクカラーセットの選択されていないプロセスカラーのうちの1つに対応しない、請求項1~3のいずれか一項に記載の工程。
【請求項5】
少なくとも2つのスポットカラーは、公知のプロセスインクカラーセットの少なくとも2つの選択されていないプロセスカラーに対応する、請求項1~4のいずれか一項に記載の工程。
【請求項6】
前記少なくとも2つのスポットカラーは、スポットイエロー及びスポットブラックである、請求項5に記載の工程。
【請求項7】
少なくとも4つのカラーを含む公知のプロセスインクカラーセットを識別するステップと、
公知のプロセスインクカラーセットから2つ以上のプロセスカラーを選択するステップと、
各々の選択されたプロセスカラーを公知のプロセスインクカラーセットから選択されたプロセスカラーに対応するスポットカラーに代替するステップと、
各々の選択されていないプロセスカラー及び各々のスポットカラーに対するカラーチャンネルを提供するステップと、
スポットカラーが選択されたプロセスカラー又はスポットカラーとして作動するか否かを決定するステップと、
基板上に画像を印刷するステップとを含む画像を印刷する工程において、
前記スポットカラーに対するカラーチャンネルは、前記スポットカラーに対するカラーチャンネルに第1のインク制限及び第1の線形化を適用して選択されたプロセスカラーとして作動するように構成され、
前記スポットカラーに対するカラーチャンネルは、前記スポットカラーに対するカラーチャンネルに第2のインク制限及び第2の線形化を適用してスポットカラーとして作動するように構成され、
前記第1のインク制限は、前記スポットカラーが前記プロセスカラーとして用いられるときの前記スポットカラーが吐出される量を規定し、
前記第2のインク制限は、前記スポットカラーが前記スポットカラーとして用いられるときの前記スポットカラーが吐出される量を規定し、
前記第1の線形化は、前記スポットカラーが前記プロセスカラーとして用いられるときの前記スポットカラーが吐出される方法を規定し、
前記第2の線形化は、前記スポットカラーが前記スポットカラーとして用いられるときの前記スポットカラーが吐出される方法を規定する、工程。
【請求項8】
多数の代替スポットカラーチャンネルと、多数のプロセスカラーチャンネルの割合は、少なくとも0.5:1である、請求項7に記載の工程。
【請求項9】
さらなるスポットカラーに対する1つ以上のカラーチャンネルを提供するステップをさらに含み、
前記さらなるスポットカラーは、公知のプロセスインクカラーセットのプロセスカラーに代替されない、請求項7または請求項8に記載の工程。
【外国語明細書】