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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024099020
(43)【公開日】2024-07-24
(54)【発明の名称】作業装置変位機構及びその変位方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 22/00 20060101AFI20240717BHJP
   G01N 22/02 20060101ALI20240717BHJP
   G01N 29/06 20060101ALI20240717BHJP
   B25J 5/00 20060101ALI20240717BHJP
   B62D 57/02 20060101ALI20240717BHJP
【FI】
G01N22/00 S
G01N22/02 Z
G01N29/06
B25J5/00 A
B62D57/02 M
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024071287
(22)【出願日】2024-04-25
(62)【分割の表示】P 2020182012の分割
【原出願日】2020-10-30
(71)【出願人】
【識別番号】596102528
【氏名又は名称】株式会社オンガエンジニアリング
(71)【出願人】
【識別番号】000221616
【氏名又は名称】東日本旅客鉄道株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001335
【氏名又は名称】弁理士法人 武政国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】松橋 貫次
(72)【発明者】
【氏名】栗原 陽一
(72)【発明者】
【氏名】渋谷 玲子
(72)【発明者】
【氏名】栗林 健一
(57)【要約】
【課題】吸着型作業ロボットの吸着の際の吸引圧力と大気圧力の差圧を作業装置変位機構の駆動エネルギーに利用することにより、作業装置に過大な押付力(押し荷重)が発生せず、また他の電力を必要とすることなく、この作業装置変位機構を簡単な構成にすると共に、その軽量化を図る。
【解決手段】吸着型作業ロボット31の真空チャンバー33内部に取り付けられる、本体取付部材2と、これと作業装置3を保持する保持部材4とを近づけ又は遠ざけるリンク機構5と、本体取付部材2と保持部材4との間に取り付けられたベローズ6と、ベローズ6を収縮させる引き戻し部材10と、ベローズ6内部の圧力を、真空チャンバー33内部の圧力と同じ又は異なるように切り換える電磁弁7と、を備え、非破壊試験などの作業を行うときは、ベローズ6内部に空気を吸入し、伸長状態にして作業装置3が突出した状態を保つように構成した。
【選択図】図4

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一面に開口部(32)を有する真空チャンバー(33)と、該真空チャンバー(33)に設けられた、該真空チャンバー(33)内部を負圧にする排気ポンプ(34)と、を備え、壁面(w)において吸着させながら作業する吸着型作業ロボット(31)の該真空チャンバー(33)内に配置された作業装置変位機構(1)であって、
前記真空チャンバー(33)内に取り付けられる本体取付部材(2)と、
前記本体取付部材(2)と、作業装置(3)を保持する保持部材(4)とを近づけ又は遠ざけるリンク機構(5)と、
前記本体取付部材(2)と保持部材(4)との間に、伸縮方向の両端がそれぞれに取り付けられたベローズ(6)と、
前記ベローズ(6)を収縮させるように、該ベローズ(6)の伸縮方向の両端に取り付けられた引き戻し部材(10)と、
前記ベローズ(6)内部の圧力を、前記真空チャンバー(33)内部の圧力と同じ又は異なるように切り換える電磁弁(7)と、を備え、
前記吸着型作業ロボット(31)が作業を行うときは、前記電磁弁(7)を切り換え、負圧状態の前記真空チャンバー(33)内部において前記ベローズ(6)内部に空気を吸入して収縮状態から伸長状態にし、前記作業装置(3)が壁面(w)側に突出した状態を保つように構成した、ことを特徴とする作業装置変位機構。
【請求項2】
前記リンク機構(5)は、
第1アーム(8)と第2アーム(9)とをそれぞれの中間で略X字状に回動自在に連結し、該第1アーム(8)の一端を前記本体取付部材(2)の所定箇所に回動自在に取り付け、該第1アーム(8)の他端を保持部材(4)の一面において摺動自在に取り付け、
該第2アーム(9)の一端を前記保持部材(4)の所定箇所に回動自在に取り付け、該第2アーム(9)の他端を前記本体取付部材(2)の一面において摺動自在に取り付けて成る、パンタグラフ機構を、2組用いたものである、ことを特徴とする請求項1に記載された作業装置変位機構。
【請求項3】
前記ベローズ(6)を収縮させる引き戻し部材(10)は、該ベローズ(6)の内部に取り付けたスプリングである、ことを特徴とする請求項1又は2の何れかに記載された作業装置変位機構。
【請求項4】
一面に開口部(32)を有する真空チャンバー(33)と、該真空チャンバー(33)に設けられた、該真空チャンバー(33)内部を負圧にする排気ポンプ(34)と、を備え、壁面(w)において吸着させながら作業する吸着型作業ロボット(31)の該真空チャンバー(33)内に配置された作業装置の変位方法であって、
前記真空チャンバー(33)内部に取り付けられる本体取付部材(2)と、該本体取付部材(2)と、作業装置(3)を保持する保持部材(4)とを近づけ又は遠ざけるリンク機構(5)と、該本体取付部材(2)と保持部材(4)との間に、伸縮方向の両端がそれぞれに取り付けられたベローズ(6)と、該ベローズ(6)を収縮させるように、該ベローズ(6)の伸縮方向の両端に取り付けられた引き戻し部材(10)と、該ベローズ(6)内部の圧力を、前記真空チャンバー(33)内部の圧力と同じ又は異なるように切り換える電磁弁(7)と、を備えた作業装置変位機構(1)を用い、
前記吸着型作業ロボット(31)が作業を行うときは、前記電磁弁(7)を切り換え、負圧状態の前記真空チャンバー(33)内部において、前記ベローズ(6)内部に空気を吸入して大気圧状態にし、前記ベローズ(6)を伸長状態にし、前記作業装置(3)が壁面(w)側に突出した接地状態になり、非破壊試験を実施することができ、
非破壊試験は行なわないが、前記吸着型作業ロボット(31)を吸着させるときは、前記電磁弁(7)を切り換え、負圧状態の前記真空チャンバー(33)内部において前記ベローズ(6)内部も負圧状態にして前記引き戻し部材(10)により該ベローズ(6)を収縮状態に変え、前記作業装置(3)が壁面(w)側に突出しない非接地状態になり、該吸着型作業ロボット(31)を吸着走行させる、ことを特徴とする作業装置の変位方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンクリート等の構造物内部に生じた変状部、空洞などの欠陥箇所や内部の物性について、電磁波法、弾性波法、超音波法等を用いた試験装置又は作業装置を構造物表面に接触させ、構造物を破壊することなく、変状部の有無・位置・形状、内部の物性などを試験又は作業する技術に係り、特に試験装置又は作業装置を内蔵した吸着型作業ロボットを構造物表面に吸着させながら移動させる際に、この試験装置又は作業装置を構造物表面に近づけ又は遠ざけてその間隔を可変する作業装置変位機構及びその変位方法に関する。
【背景技術】
【0002】
コンクリート等の構造物は、トンネル、橋梁などの大型構造物が多い。構造物の欠陥に関しては、建設時の施工不良、建設後の静的な外力や、疲労、鉄筋腐食に伴う伸長圧などによるコンクリート内部の変状部、PCグラウト(プレストレストコンクリート注入材)の充填度等が評価対象となる。このような欠陥の存在は構造物の耐荷重性能、耐久性に大きな影響を与えるものであり、内部の変状部の検出は構造物の維持に重要なことである。
【0003】
コンクリート等の構造物に関する欠陥及び物性の試験法については、種々の試験方法が実用化されている。例えば、電磁波、弾性波、超音波等を利用した非破壊試験には、電磁波法、衝撃弾性波法、超音波法等がある。従来の非破壊検査では、人力で測定機器を測定箇所に当てて実施することが一般的であった。近年はそれぞれの試験方法を実施する試験装置は、人力に代えてコンクリートなどの壁面に吸着させて走行させる吸引滑動型の自走装置(試験ロボット)に搭載して用いられるようになった。この吸引滑動型の自走装置は、真空チャンバー内を負圧状態にしながら壁面に吸着させ、走行機構により壁面に沿って走行させる装置(試験ロボット)である。
【0004】
このような利用が期待されている吸引滑動型の自走装置に関する技術として、例えば特許文献1の実開平6-71378号公報「壁面吸着移動装置」のように、装置本体部と、該装置本体部に装設された移動手段と、上記装置本体部の下側に設けられた減圧空間とを具備し、該減圧空間を負圧状態として壁面に吸着しつつ、上記移動手段によって壁面に沿って移動する壁面吸着移動装置において、上記装置本体部に回転可能に取付けられた回転部材と、該回転部材に連係され該回転部材を回転駆動する駆動手段と、上記回転部材に取付けられ壁面に接触するブラシ式シール手段とを備える壁面吸着移動装置が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実開平6-71378号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、大型コンクリートの構造物の代表であるトンネル内では平坦な面より湾曲面が多く、更には凹凸面も多いという事情がある。このような湾曲面又は凹凸面がある箇所では、吸引滑動型の自走装置(試験ロボット)を単に移動させる際に、試験装置又は作業装置の常時接地は、壁面走行ロボットの走行抵抗(特に回転運動時)になりやすい。その結果、消費電力の増加、アンカーボルト等の構造物表面の突起物に引っかかるといった不具合が生じやすいという問題を有していた。
【0007】
また、試験装置又は作業装置は、吸着型作業ロボットの内部中央に収納することが多い。試験装置又は作業装置の昇降動作のアクチュエータとしてモータなど電気的な昇降装置は、構造の複雑化のため重量が重たくなりやすく、また電力が多く消費されるという問題を有していた。
【0008】
本発明の発明者は、吸着型作業ロボットが運転中に発生する負圧を利用することに着目した。多くの非破壊試験装置又は作業装置は、吸着型作業ロボット本体の内部にあって、負圧状態にある位置に収納されていることが多い。この大気と負圧のように気圧が切り換えられる状態を、非破壊試験装置又は作業装置の昇降動作(変位動作)に利用できることに着目した。
【0009】
本発明は、かかる問題点を解決するために創案されたものである。すなわち、本発明の目的は、吸着型作業ロボットの吸着の際の吸着圧力と大気圧力の差圧を試験装置又は作業装置の変位機構の駆動エネルギーに利用することにより、この試験装置又は作業装置に過大な押付力(押し荷重)が発生せず、また他の電力を必要とすることなく、この変位機構を簡単な構成にすると共に、その軽量化を図ることができる作業装置変位機構及びその変位方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の作業装置変位機構(1)は、一面に開口部(32)を有する真空チャンバー(33)と、該真空チャンバー(33)に設けられた、該真空チャンバー(33)内部を負圧にする排気ポンプ(34)と、を備え、壁面(w)において吸着させながら作業する吸着型作業ロボット(31)の該真空チャンバー(33)内に配置された作業装置変位機構(1)であって、
前記真空チャンバー(33)内に取り付けられる本体取付部材(2)と、
前記本体取付部材(2)と、作業装置(3)を保持する保持部材(4)とを近づけ又は遠ざけるリンク機構(5)と、
前記本体取付部材(2)と保持部材(4)との間に、伸縮方向の両端がそれぞれに取り付けられたベローズ(6)と、
前記ベローズ(6)を収縮させるように、該ベローズ(6)の伸縮方向の両端に取り付けられた引き戻し部材(10)と、
前記ベローズ(6)内部の圧力を、前記真空チャンバー(33)内部の圧力と同じ又は異なるように切り換える電磁弁(7)と、を備え、
前記吸着型作業ロボット(31)が作業を行うときは、前記電磁弁(7)を切り換え、負圧状態の前記真空チャンバー(33)内部において前記ベローズ(6)内部に空気を吸入して収縮状態から伸長状態にし、前記作業装置(3)が壁面(w)側に突出した状態を保つように構成した、ことを特徴とする。
【0011】
前記リンク機構(5)は、
第1アーム(8)と第2アーム(9)とをそれぞれの中間で略X字状に回動自在に連結し、該第1アーム(8)の一端を前記本体取付部材(2)の所定箇所に回動自在に取り付け、該第1アーム(8)の他端を保持部材(4)の一面において摺動自在に取り付け、
該第2アーム(9)の一端を前記保持部材(4)の所定箇所に回動自在に取り付け、該第2アーム(9)の他端を前記本体取付部材(2)の一面において摺動自在に取り付けて成る、パンタグラフ機構を、2組用いたものである。
【0012】
前記ベローズ(6)を収縮させる引き戻し部材(10)は、該ベローズ(6)の内部に取り付けたスプリングである。
【0013】
本発明の作業装置の変位方法は、一面に開口部(32)を有する真空チャンバー(33)と、該真空チャンバー(33)に設けられた、該真空チャンバー(33)内部を負圧にする排気ポンプ(34)と、を備え、壁面(w)において吸着させながら作業する吸着型作業ロボット(31)の該真空チャンバー(33)内に配置された作業装置の変位方法であって、
前記真空チャンバー(33)内部に取り付けられる本体取付部材(2)と、該本体取付部材(2)と、作業装置(3)を保持する保持部材(4)とを近づけ又は遠ざけるリンク機構(5)と、該本体取付部材(2)と保持部材(4)との間に、伸縮方向の両端がそれぞれに取り付けられたベローズ(6)と、該ベローズ(6)を収縮させるように、該ベローズ(6)の伸縮方向の両端に取り付けられた引き戻し部材(10)と、該ベローズ(6)内部の圧力を、前記真空チャンバー(33)内部の圧力と同じ又は異なるように切り換える電磁弁(7)と、を備えた作業装置変位機構(1)を用い、
前記吸着型作業ロボット(31)が作業を行うときは、前記電磁弁(7)を切り換え、負圧状態の前記真空チャンバー(33)内部において、前記ベローズ(6)内部に空気を吸入して大気圧状態にし、前記ベローズ(6)を伸長状態にし、前記作業装置(3)が壁面(w)側に突出した接地状態になり、非破壊試験を実施することができ、
非破壊試験は行なわないが、前記吸着型作業ロボット(31)を吸着させるときは、前記電磁弁(7)を切り換え、負圧状態の前記真空チャンバー(33)内部において前記ベローズ(6)内部も負圧状態にして前記引き戻し部材(10)により該ベローズ(6)を収縮状態に変え、前記作業装置(3)が壁面(w)側に突出しない非接地状態になり、該吸着型作業ロボット(31)を吸着走行させる、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明の作業装置変位機構(1)は、吸着型作業ロボット(31)を使用しないときは、電磁弁(7)を切り換え、真空チャンバー(33)内部とベローズ(6)内部への空気の出入を可能にし、共に大気圧状態にすることで、ベローズ(6)は引き戻し部材(10)により収縮状態になる。これにより、保持部材(4)に取り付けられている作業装置(3)は非接地状態になる。
次に、吸着型作業ロボット(31)の排気ポンプ(34)を作動させると、電磁弁(7)を切り換えなくても、真空チャンバー(33)内部とベローズ(6)内部は負圧状態になる。真空チャンバー(33)内部とベローズ(6)内部は同一圧力であることから、引き戻し部材(10)によるベローズ(6)の収縮状態は変わらず、保持部材(4)に取り付けられている作業装置(3)の非接地状態は変わらない。
【0015】
吸着型作業ロボット(31)が非破壊試験又は他の作業を行うときは、電磁弁(7)を切り換え、ベローズ(6)外部は負圧状態のままにし、ベローズ(6)内部に空気を取り入れ大気圧状態にする。これによりベローズ(6)は伸長状態になり、作業装置(3)の保持部材(4)を押し出す状態になって作業装置(3)が壁面(w)側に突出した状態になる。その結果、作業装置(3)が壁面(w)と接地状態になり、非破壊試験を実施することができる。
【0016】
非破壊試験又は他の作業が終了したら、作業装置(3)を再度非接地状態にするために、電磁弁(7)を切り換え、ベローズ(6)内部の空気を排出し、真空チャンバー(33)内部と共に負圧状態にすると、引き戻し部材(10)によりベローズ(6)は収縮状態になり、作業装置(3)は非接地状態に戻る。この状態になれば吸着型作業ロボット(31)を安全に走行させることができる。
【0017】
吸着型作業ロボット(31)を平坦かつ安全な場所に移動させてから排気ポンプ(34)を停止させれば、真空チャンバー(33)内部とベローズ(6)内部は負圧状態から大気圧と同じ状態になる。真空チャンバー(33)内部とベローズ(6)内部は同一圧力であることから、引き戻し部材(10)によるベローズ(6)の収縮状態は変わらず、保持部材(4)に取り付けられている作業装置(3)の非接地状態は変わらない。
以上により、非破壊検査又は作業を行わないときは、保持部材(4)に取り付けられている作業装置(3)が壁面(w)側に突出せず、壁面(w)と非接地状態であるから、作業装置(3)がアンカーボルト等の構造物表面の突起物に引っかかるなどの不具合は生じない。
【0018】
更に、本発明の作業装置変位機構(1)は、作業装置(3)の変位手段としてベローズ(6)を用いている。このベローズ(6)は、内部に空気が充満した状態になるため、いわゆる「エアサスペンション」と同様な機能を奏する。そこで、ベローズ(6)は非破壊試験走行中の作業装置(3)に対する衝撃(構造物(c)の壁面(w)の凹凸)を和らげる効果も有する。このように本発明の作業装置変位機構(1)は、作業装置(3)の変位機能(昇降機能)と共に、この作業装置(3)の緩衝機能(防振機能)を併せ持つ結果、吸着型作業ロボット(31)に生じる衝撃も減殺するため、吸着型作業ロボット(31)を安全に吸着走行させることができる。
【0019】
本発明の作業装置変位機構(1)は、非破壊試験又は他の作業を実施する作業装置(3)を変位動作させるものであるため、保持部材(4)に保持される作業装置(3)は、電磁波レーダ(11)、弾性波発生装置などの種々の試験又は作業に利用することができる。
しかも、作業装置変位機構(1)の変位動作に電気エネルギーを使用しないのでコスト削減に寄与できる。更に、作業装置変位機構(1)の装置が簡単な構成であるので、軽量化を図ることができ、吸着型作業ロボット(31)の吸着走行の電気エネルギーの削減にも寄与できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の作業装置変位機構を備えた吸着型作業ロボットを示す側面図である。
図2】本発明の作業装置変位機構を備えた吸着型作業ロボットを示す平面図である。
図3】本発明の作業装置変位機構を示す側面図である。
図4】本発明の作業装置変位機構を示す正面図である。
図5】本発明の作業装置変位機構を示す平面図である。
図6】ベローズの内部を示す拡大側面図である。
図7】本発明の作業装置変位機構が昇降させる作業装置の一例である電磁波レーダを示し、(a)は側面図、(b)は正面図、(c)は平面図である。
図8】引き戻し部材の変形例を示す作業装置変位機構の側面図である。
図9】本発明の作業装置変位機構の動作を説明する概略説明図であり、(a)は吸着型作業ロボットを使用しない場合、(b)は吸着型作業ロボットの走行のみで作業装置は使用しない場合、(c)は非破壊試験を実施するために吸着型作業ロボットを吸着走行させながら作業装置を使用する場合である。
図10】本発明の作業装置変位機構の動作を説明する概略説明図であり、(d)は非破壊試験が終了して吸着型作業ロボットを単に走行させる場合、(e)は吸着型作業ロボットを使用しない場合である。
図11】トンネルについて本発明の作業装置変位機構を装備した吸着型作業ロボットで非破壊試験をする状態を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明は、吸着型作業ロボットを構成する真空チャンバー内に取り付けられる本体取付部材と、非破壊試験を行う作業装置を保持する保持部材とを近づけたり、遠ざけたりするリンク機構と、本体取付部材と保持部材との間に取り付けられたベローズと、このベローズを収縮させるように取り付けられた引き戻し部材と、ベローズ内部の圧力を、真空チャンバー内部の圧力と同じ又は異なるように切り換える電磁弁とを備えた作業装置変位機構である。この作業装置変位機構は、吸着型作業ロボットの吸着走行の際の吸引圧力(負圧)と大気圧力の差圧を、この作業装置変位機構の駆動エネルギーに利用すると共に、この作業装置に過大な押付力(押し荷重)が発生しないようにするものである。
【実施例0022】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
<吸着型作業ロボットの全体構成>
図1は本発明の作業装置変位機構を備えた吸着型作業ロボットを示す側面図である。図2は本発明の作業装置変位機構を備えた吸着型作業ロボットを示す平面図である。
本発明の作業装置変位機構1は、吸着型作業ロボット31内に備えて作動させる装置である。吸着型作業ロボット31は、壁面wに吸着又は吸着させながら走行させる際にロボット内が負圧になる。この作業装置変位機構1は、この負圧を有効利用して作動するものである。
【0023】
この吸着型作業ロボット31は、図示するように一面(図1の紙面では下面)に開口部32を有する真空チャンバー33と、この真空チャンバー33内を負圧にする排気ポンプ34と、構造物cの壁面wを走行する車輪等の走行機構35とを備えた試験ロボットである。この真空チャンバー33内に、作業装置3と共に本発明の作業装置変位機構1が取り付けられる。
【0024】
吸着型作業ロボット31を、走行型の作業ロボットとして使用するときは、2組の走行機構35を並列するように取り付ける。例えば、走行機構35は2個の車輪36を有する支持部材37を、その中央部37aで揺動自在に、真空チャンバー33の側面に取り付ける。このように、2組の走行機構35は、真空チャンバー33の両側面に揺動自在に取り付けることで、小さな凹凸がある壁面wにおいても円滑に走行させることができる。
【0025】
吸着型作業ロボット31の排気ポンプ34は、例えば真空チャンバー33の周囲に取り付けられている。排気ポンプ34はファンと駆動モータとから成る。排気ポンプ34の駆動モータの電源は外部から取るようになっている。例えば、この真空チャンバー33の開口部32の周縁部には、密閉性を高めるために壁面w方向に個々に出没自在に配置された複数のセグメントから成る密封用スカート38が取り付けられている。
【0026】
本発明の作業装置変位機構1は、吸着型作業ロボット31の真空チャンバー33と壁面wの間において負圧になる空間が形成され、かつ大気の状態と負圧の状態との切り換えが可能な空間内に組み込まれる。この空間内に作業装置変位機構1を組み込む構成である。図1図2に示した吸着型作業ロボット31の形態は一例であって、この形態に限定されないことは勿論である。
【0027】
<作業装置変位機構の構成>
図3は本発明の作業装置変位機構を示す側面図である。図4は本発明の作業装置変位機構を示す正面図である。図5は本発明の作業装置変位機構を示す平面図である。
本発明の作業装置変位機構1は、吸着型作業ロボット31に形成された真空チャンバー33内に取り付けられる。作業装置変位機構1は、本体取付部材2と、この本体取付部材2と、非破壊試験を行う作業装置3を保持する保持部材4とを近づけ又は遠ざけるリンク機構5とを備えたものである。この本体取付部材2と保持部材4との近づけ又は遠ざける手段は、これらの間に取り付けたベローズ6の伸長と収縮による。ベローズ6には、この内部の圧力を真空チャンバー33内部の圧力と同じ又は異なるように切り換える電磁弁7が取り付けられている。なお、ベローズ6はいわゆる蛇腹を意味するが、本発明は内部に空気を取り込んで膨張し、吐き出して収縮する構成のものであれば、正確に蛇腹の形態に限定されない。単なる袋状の部材、又はピストンとシリンダーの組み合わせ等種々の機構を用いることができる。但し、軽量化に寄与できるものが好ましい。
【0028】
真空チャンバー33は、吸着型作業ロボット31に作業装置3を収納する空間である。更にこの真空チャンバー33は、作業装置変位機構1が最大に伸長したときの状態と作業装置3を収納できる程度の大きさが必要である。
【0029】
この真空チャンバー33に作業装置変位機構1の本体取付部材2が取り付けられる。この本体取付部材2は、例えば板材に複数のボルト貫通孔が開けられたものである。このボルト貫通孔から、真空チャンバー33側に設けられたボルト孔にボルトで締結される。本体取付部材2は、吸着型作業ロボット31側に取り付けられる構成であれば、板材にボルト締結する構成に限定されない。
【0030】
この本体取付部材2には、保持部材4がリンク機構5で容易に近づき又は遠ざかるように取り付けられている。この保持部材4は、非破壊試験を行う作業装置3を保持する部材である。この保持部材4は、後述する直方体形状の作業装置3を両側から挟むように固定する板材に2枚の舌片が形成された第1枠部材4aと、この第1枠部材4aの両舌片部分を両側から挟むように揺動自在に支持する第2枠部材4bがベローズ6側に取り付けられたものである。第1枠部材4aが揺動自在に支持されているのは非破壊試験中に凹凸がある壁面wに倣うように走行させるためである。なお、この保持部材4は図示例は文字通り一例であって、作業装置3の形状に沿って種々の形状になることは勿論である。
【0031】
リンク機構5は、本体取付部材2と保持部材4との間隔を近づけ又は遠ざける機構である。例えば、図示するように、第1アーム8と第2アーム9とをそれぞれの中間で略X字状に回動自在に連結し、第1アーム8の一端を本体取付部材2の所定箇所に回動自在に取り付け、第1アーム8の他端を保持部材4の一面において摺動自在に取り付けたものである。第2アーム9の一端を保持部材4の所定箇所に回動自在に取り付け、第2アーム9の他端を本体取付部材2の一面において摺動自在に取り付けて成る、パンタグラフ機構を、2組用いたものである。なお、ここで第1アーム、第2アームと称したのは、同じ形状の部材を区分けするためであり、等級、品質が異なるものではない。
【0032】
リンク機構5は、本体取付部材2と保持部材4との間隔を近づけ又は遠ざける機構であれば、図示例のようなリンク機構の構成に限定されない。例えば、図示しないが、本体取付部材2に面方向に垂直に取り付けられた数本のレールに、保持部材4の周囲に数か所設けられた係合部材でスライド移動する構成でもよい。
【0033】
本体取付部材2と保持部材4との間に、ベローズ6の伸縮方向の両端がそれぞれに取り付けられている。このベローズ6内に空気が充満するとベローズ6が伸長して本体取付部材2と保持部材4との間隔が遠ざかるようになる。逆に、ベローズ6内の空気が排出されるとベローズ6が収縮して本体取付部材2と保持部材4との間隔が近づくようになる。このベローズ6内部の圧力を、真空チャンバー33内部の圧力と同じにすること又は異なるようにする切り換えは、三方向電磁弁等の電磁弁7で調整する。この電磁弁7は、真空チャンバー33内部の気圧とベローズ6内部の気圧を調整するために、真空チャンバー33内部に取り付けられている。電磁弁7とベローズ6、電磁弁7と真空チャンバー33とはそれぞれパイプ7a,7bで連結している。図示例の電磁弁7は三方向電磁弁を示しているが、この三方向電磁弁に限定されない。
【0034】
図6はベローズの内部を示す拡大側面図である。
更に、本体取付部材2と保持部材4との間に、引き戻し部材10として、例えばスプリングが取り付けられている。引き戻し部材10は、ベローズ6を収縮させ、保持部材4を本体取付部材2側へ近づけるものである。作業装置3を用いていないときは、作業装置3を保持する保持部材4は、吸着型作業ロボット31の真空チャンバー33内に収納しておく必要がある。この引き戻し部材10は、作業装置3を引き上げる程度の強度は必要であり、例えば1.5kgw程度は必要である。なお、スプリングに代えてゴム等の弾性部材を用いることも可能である。
このアクチュエータとして機能するベローズ6は、その伸縮ストロークは30mm程度である。作業装置3の検査部が構造物c等の壁面wに近づけ又は遠ざけるには十分な間隔である。なお、この伸縮ストロークが30mmに限定されないことは勿論のことである。
【0035】
電磁弁7は無線通信での操作が可能で、ベローズ6内部の圧力を、真空チャンバー33内部の圧力と同じ又は異なるように切り換える目的で設置されており、ベローズ6内部の圧力と真空チャンバー33内部の圧力との差によりベローズ6の伸縮操作を行う。このベローズ6が伸長したときは、保持部材4が本体取付部材2から遠ざかった状態になり、保持部材4に取り付けられた作業装置3が構造物cに接地状態になる。無線通信によりベローズ6の収縮操作を行うと、保持部材4が本体取付部材2に接近した状態になり、保持部材4の作業装置3が構造物cに非接地状態になる。吸着型作業ロボット31の遠隔操作と共に、作業装置3の接地操作と非接地操作を遠隔操作できるようになっている。
【0036】
<作業装置(電磁波レーダ)の構成>
図7は本発明の作業装置変位機構が変位させる作業装置の一例である電磁波レーダを示し、(a)は側面図、(b)は正面図、(c)は平面図である。
保持部材4に保持される作業装置3は、例えば電磁波レーダ11がある。図示例の電磁波レーダ11は電磁波レーダ法の試験に用いる。電磁波レーダ法は、電磁波を送信アンテナ(送信器)から構造物cのコンクリート表面に向けて放射すると、その電磁波がコンクリートと電気的性質の異なる物質、例えば、鉄筋や空洞等との境界面で反射され、再びコンクリート表面に出て受信アンテナ(受信器)に受信される。この送信から受信に到るまでの時間から、反射物体までの距離を知ることができる。平面的な位置は、距離計を内蔵した装置を移動させることにより、位置情報を得ることができる試験方法である。
【0037】
本発明の作業装置変位機構1に用いる作業装置3は、欠陥箇所(変状部)などに印を付けるマーキング作業、その箇所を補修するなどの作業に用いる。試験装置の電磁波レーダ11を用いることも可能である。試験装置としての利用は、電磁波レーダ11に限定されない。非破壊試験を実施する試験装置として、例えば、弾性波発生装置を装備することも可能である。この弾性波発生装置は、衝撃弾性波試験方法で用いる装置である。この衝撃弾性波試験方法は構造物の表面を軽くハンマーで打撃すると、衝撃弾性波(音)が発生する。衝撃弾性波(音)は構造物内を伝わり境界面ではね返ってくる。その反射波を、測定・解析することで、構造物の圧縮強度・厚さ・内部欠陥(ひび割れ、剥離)等を確認する試験方法である。
【0038】
<引き戻し部材の変形例>
図8は引き戻し部材の変形例を示す作業装置変位機構の側面図である。
引き戻し部材10は、ベローズ6を収縮させ、保持部材4を本体取付部材2側へ近づけるものである。引き戻し部材10は、収縮したベローズ6の長さをそのまま維持できればよいので、ベローズ6の内部に取り付ける必要はない。図示する変形例のように、ベローズ6の外側に配置することもできる。但し、本体取付部材2と保持部材4との間に1本のみの配置では、引き戻しの力が偏るおそれがある。そこで、図示するように、2本の引き戻し部材10を対峙する位置に取り付けることが好ましい。更に、1本の引き戻し部材10の引張強度より弱いものを用いることが好ましい。
【0039】
<作業装置変位機構の動作>
図9は本発明の作業装置変位機構の動作を説明する概略説明図であり、(a)は吸着型作業ロボットを使用しない場合、(b)は吸着型作業ロボットの走行のみで作業装置は使用しない場合、(c)は非破壊試験を実施するために吸着型作業ロボットを吸着走行させながら作業装置を使用する場合である。図10は本発明の作業装置変位機構の動作を説明する概略説明図であり、(d)は非破壊試験が終了して吸着型作業ロボットを単に走行させる場合、(e)は吸着型作業ロボットを使用しない場合である。図11はトンネルについて本発明の作業装置変位機構を装備した吸着走行型試験ロボットで非破壊試験をする状態を示す説明図である。
(1)吸着型作業ロボットを使用しない場合
図9(a)に示すように、吸着型作業ロボット31を使用しないときは、電磁弁7を切り換え、真空チャンバー33内部とベローズ6内部への空気の出入を可能にし、共に大気圧状態にすることで、ベローズ6は引き戻し部材10により収縮状態になる。これにより、保持部材4に取り付けられている作業装置3は非接地状態になる。
なお、各図示例では、作業装置3の変位を分かりやすくするために、その非接地状態は極端に引っ込めた状態でリンク機構5とベローズ6を表現している。
【0040】
(2)吸着型作業ロボットを単に吸着走行させる場合(排気ポンプを作動させる)
図9(b)に示すように、吸着型作業ロボット31を単に吸着走行させるときは、吸着型作業ロボット31の排気ポンプ34を作動させると、電磁弁7を切り換えなくても、真空チャンバー33内部とベローズ6内部は負圧状態になる。真空チャンバー33内部とベローズ6内部は同一圧力であることから、引き戻し部材10によるベローズ6の収縮状態は変わらず、保持部材4に取り付けられている作業装置3の非接地状態は変わらない。これにより、作業装置3は非接地状態のまま吸着走行させることができる。そこで、作業装置3がアンカーボルト等の構造物cの表面の突起物に引っかかるなどの不具合は生じない。
【0041】
(3)非破壊試験を実施するために吸着型作業ロボットを走行させながら作業装置を使用する場合
図9(c)と図11に示すように、吸着型作業ロボット31が非破壊試験を行うときは、電磁弁7を切り換え、ベローズ6外部は負圧状態のままにし、ベローズ6内部に空気を取り入れ大気圧状態にする。これにより、ベローズ6は伸長状態になり、作業装置3の保持部材4を押し出す状態になって作業装置3が壁面w側に突出した状態になる。その結果、作業装置3が壁面wと接地状態になり、非破壊試験を実施することができる。
【0042】
(4)非破壊試験が終了し、吸着型作業ロボットを走行させて平地に戻す場合
図10(d)に示すように、非破壊試験が終了したら、作業装置3を再度非接地状態にするために、電磁弁7を切り換え、ベローズ6内部の空気を排出し、真空チャンバー33内部と共に負圧状態にすると、引き戻し部材10によりベローズ6は収縮状態になり、作業装置3は非接地状態に戻る。この状態になれば吸着型作業ロボット31を安全に走行させることができる。
【0043】
(5)吸着型作業ロボットを平地に戻した場合
図10(e)に示すように、吸着型作業ロボット31を平坦かつ安全な場所に移動させてから排気ポンプ34を停止させれば、真空チャンバー33内部とベローズ6内部は負圧状態から大気圧と同じ状態になる。真空チャンバー33内部とベローズ6内部は同一圧力であることから、引き戻し部材10によるベローズ6の収縮状態は変わらず、保持部材4に取り付けられている作業装置3の非接地状態は変わらない。このような平坦かつ安全な場所においては、吸着型作業ロボット31は、走行機構35を用いて通常に走行させることは勿論可能である。
【0044】
更に、本発明の作業装置変位機構1は、変位手段にベローズ6を用いているので、作業装置3に過大な押付力(押し荷重)が発生しない。そこで、作業装置3を壁面wに柔軟に接触させることができる。このベローズ6は、内部に空気が充満した状態になるため、いわゆる「エアサスペンション」と同様な機能を奏する。そこで、ベローズ6は非破壊試験走行中の作業装置3に対する衝撃(構造物cの壁面wの凹凸)を和らげる効果を有する。
【0045】
このように本発明の作業装置変位機構1は、作業装置3の変位機能(昇降機能)と共に、この作業装置3の緩衝機能(防振機能)を併せ持つので、吸着型作業ロボット31に生じる衝撃も減殺するため、吸着型作業ロボット31を安全に吸着走行させることができる。
【0046】
なお、本発明は、吸着型作業ロボット31の吸着走行の際の吸引圧力と大気圧力の差圧を作業装置変位機構1の駆動エネルギーに利用することにより、作業装置3に過大な押付力(押し荷重)が発生せず、また他の電力を必要とすることなく、この作業装置変位機構1を簡単な構成にすると共に、その軽量化を図ることができれば、上述した発明の実施の形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更できることは勿論である。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明の作業装置変位機構及びその変位方法は、高速道路、橋梁の橋桁などの高所にある構造物の壁面に限定されず、その他の損傷を点検し、補修する際に、点検装置、作業装置を構造物の壁面に吸着させる際に利用することができる。
【符号の説明】
【0048】
1 作業装置変位機構
2 本体取付部材
3 作業装置
4 保持部材
5 リンク機構
6 ベローズ
7 電磁弁
8 第1アーム
9 第2アーム
10 引き戻し部材
11 電磁波レーダ
31 吸着型作業ロボット
32 開口部
33 真空チャンバー
34 排気ポンプ
35 走行機構
36 車輪
37 支持部材
37a 支持部材の中央部
38 密封用スカート
c 構造物
w 壁面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11